国立研究開発法人審議会 科学技術振興機構部会(第28回)議事録

1.日時

令和3年12月15日(水曜日)15時00分~17時30分

2.場所

新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、オンライン会議にて開催

3.議題

  1. 国立研究開発法人科学技術振興機構が達成すべき業務運営に関する目標(中長期目標)に関する変更案について
  2. その他

4.出席者

委員

五十嵐部会長、ベントンキャロライン委員、篠藤委員、金澤委員、久保委員、瀧澤委員、長坂委員、川北委員

文部科学省

斉藤人材政策課長、澄川人材政策課長補佐 ほか

5.議事録

【五十嵐部会長】  どうも、皆さん、こんにちは。定刻となりましたので、これより、文部科学省国立研究開発法人審議会第28回科学技術振興機構部会を開催いたします。本日は、お忙しい中、お集まりいただき、ありがとうございました。  本日は、全員御参加されておりますので、会議の定足数を満たしていることを報告いたします。  また、本日の会議は、ウェブ会議による開催となります。また、議事の公開に関する規則に従い、議題1の現行中長期目標の変更及び議題2の次期中長期目標の審議については公開とさせていただきます。議題3の大学ファンドに関する審議については、説明内容が市場へ影響を与える可能性があることに鑑み、非公開の取扱いといたしたいと思います。よろしいでしょうか。  それでは、初めに配布資料についての確認いたします。事務局から説明をお願いいたします。
【澄川課長補佐】  事務局です。説明させていただきます。  まず本日、資料につきまして、事前メールで送付させていただいておりますが、まず議事次第に基づきまして、本日、資料としましては、資料1-1から1-5まで、資料2-1から2-4まで、資料3-1と3-2、最後、資料4と。加えて、参考資料1から8を御用意させていただいております。議事進行の過程で資料の不備、ウェブ接続の不調等ございましたら、事務局までお知らせいただければ幸いです。また、会議途中でウェブ回線の音声等が途切れる委員の方がおられましたら、お手数ですが、事務局に電話なりにてお知らせいただければと存じます。  また、ウェブ会議に入室されております文科省、JST側の参加者の方々におかれましては、発言時以外はミュート及び画面オフ、こちらの徹底をお願いいたします。  よろしいでしょうか。  事務局からは以上となっております。
【五十嵐部会長】  ありがとうございました。  それでは、議題1、「現行中長期目標変更(案)について」に入ります。本日の進め方と資料の説明について、事務局から説明をお願いいたします。
【澄川課長補佐】  本日、部会の進め方につきまして御説明申し上げます。  まず議題1、私のほうから、資料1-1に基づきまして、令和3年度補正予算(案)、JST関連のものがございますので、こちらの御説明、続きまして、資料1-2に基づきまして、現行の中長期目標の変更案の概要について御説明いたします。加えまして、資料1-3に基づき、担当課より、経済安全保障重要技術育成プログラムと、今回、現行の中目の変更に伴う新規事業がございますので、こちらの内容について御説明をした上で、再度、私のほうから現行中目の修正案文を入れたものがございます。こちらの御説明をし、それに対しての御質問、御意見を賜ればと考えてございます。  なお、大学ファンドにつきましては、冒頭部会長から申し上げましたとおり、内容の観点から非公開の議題ということで、こちらの分については、後ほど御説明と御意見を賜りたいと考えております。  それでは、早速でございますが、資料に基づき御説明をさせていただきたいと思います。  資料1-1をまず御紹介させていただきます。令和3年度文部科学省補正予算(案)としております。こちら、政府のほうで今、補正予算を計上してございまして、こちらの案、このうちの中でJSTにつきましても幾つか関連の補正予算の予算計上をさせていただいております。  まず1つ目、科学技術立国の実現としまして、世界と伍する研究大学の実現に向けた大学ファンドの創設、6,111億円。いわゆる10兆円規模の大学ファンドということで、既に4.5兆の規模につきましては、従前の財政融資資金、あるいは政府の出資金という形での措置を頂いておりますが、それに加えて、今回6,111億円の政府の出資金という形の予算を計上させていただいているところでございます。  2点目、博士後期課程学生の処遇向上と研究環境確保、400億円。こちらにつきましても、昨年度補正で約200億円、6,000人規模の博士課程支援を、創発基金への措置というものを行っておりますが、いわゆる1年分の措置になっておりますので、今回、さらにそれの2か年分の措置ということで、追加の予算措置を計上し、これを創発基金のほうに追加するということを考えております。  3点目、ムーンショット型研究開発制度、680億円。こちらももともと800億円のムーンショットを基金として計上した上で、今事業実施をしているところでございますが、こちらの事業の推進に当たっての強化、前倒しといいますか、加速を図るために、今回追加の予算措置を計上させていただいております。  4点目、新産業創出に向けたスタートアップ・エコシステムの機能強化、50億円。いわゆるスタートアップ、産学連携系の事業としまして、JSTは従前STARTという事業を持っておりますが、こういったスタートアップ支援の予算措置としまして、補正で速やかに計上すべきものということで、約50億円を計上させていただいております。  また、5点目、国立研究開発法人の施設・設備整備、5億円。こちらも従前の老朽化している未来館ですとか、老朽化しているものがございますので、こういったものに対しての予算措置というものを計上しております。  ここまで申し上げたものは、基本的は従前JSTで行っている活動に対して予算措置のアドオンをするというものですので、これは業務としては中長期目標にダイレクトに影響するものではございませんが、その次の経済安全保障というところにおきまして、今回、経済安全保障重要技術育成プログラム(ビジョン実現型)、1,250億円、こういった予算計上を今させていただいております。こちらにつきましては、いわゆる新規事業という形で、新しく基金を立てるということを見込んでおりまして、こちらは現行の目標上、JSTの事業としては位置づけられておりません。この点について、今回、目標にもこの業務を追加するということで、追加修文というものを考えてございます。この点については、後ほど、担当課のほうからの説明をさせていただきたいと思っております。  では、資料1-2について御説明をさせていただきます。国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)中長期目標の変更について、現行目標の変更につきましてです。  1つ目、令和3年度補正予算案に伴う変更としまして、まさに今申し上げた経済安全保障の観点からの先端的な重要技術に係る研究開発の推進の追加ということで、先ほどの予算措置を前提としまして、中長期目標への新しい業務の追加を行いたいと考えております。  2、運用開始に向けた基本指針及び基本方針の策定に伴う変更。こちら、大学ファンドの記載の追加を考えてございます。前回、次期目標において大学ファンド、指針及び方針というものを踏まえまして位置づけをしたいと。ただ、これについてまだ御説明ができていないというようなお話をしておるかと思うんですけれども。大学ファンドにつきましては、もう既に運用に向けた準備を進めておりますので、次期目標だけではなくて,現行の目標にも、この機会に同様の文言を入れたいと考えております。この点については、後ほど非公開議題の中で御説明申し上げた上で、御議論いただきたいと考えております。  部会長、それでは、1-3を担当課のほうにお願いしてもよろしいでしょうか。
【五十嵐部会長】  よろしいですか。では、続きまして、経済安全保障重要技術育成プログラムの内容について、担当課より御説明をお願いいたします。
【国際】  科学技術・学術政策局国際戦略担当の参事官付でございます。従前よりJSTの国際事業では先生方に大変お世話になっておりますが、この部署、経済安全保障も政策として担当しております。今回新設いたします経済安全保障重要技術育成プログラムの担当課ともなっておりますので、当付のほうから御説明をさせていただきます。資料1-3を御覧ください。  まず、この経済安全保障重要技術育成プログラム、そもそも長くて、これを連呼していますと時間もかかってしまいますので、通称Kプロとこの説明の中では呼ばせていただきますが、このKプロにつきましては、文科省だけではなくて,実は、政府全体としましては、内閣府の科学技術部局、それから、経済産業省、この三府省が連携した取組となっておりまして、資料1-3、1ページ目の右肩のところにございますように、政府全体といたしましては、令和3年度補正予算額(案)に2,500億を計上してございます。現在、御案内のとおり、国会で御審議いただいているところでございます。  その2,500億を、非常に単純に言いますと、折半いたしまして、文部科学省関係として1,250億、経済産業省関係として1,250億を計上しておりまして、文部科学省関係の1,250億に関しましては、これから御審議いただきますが、JSTへの基金造成補助金を予定しております。ちなみに、経済産業省のほうに関しましては、NEDOへの基金造成補助金になるというふうに承知しております。  では、早速でございますが、事業内容について御説明させていただきます。1ページおめくりいただきまして、2ページ目のほうを御覧ください。  背景の部分は、これまで出されております政策文書をなぞっておるところですので、割愛させていただきます。  中段、事業内容でございます。このKプロ、その名のとおり、経済安全保障の強化推進という政府の重要課題に科学技術の観点から対応するということでして、先ほど来申し上げましたとおり、内閣府主導の下で関係府省、特に文部科学省と経済産業省、こちらが連携いたしまして、経済安全保障上重要な先端的技術の研究開発、それから、実証・実用化までを迅速かつ機動的に推進するものでございます。  ちなみに、Kプロのタイトルに(ビジョン実現型)というふうにつけてございますけれども、このKプロ全体としては、別に実証・実装型というのがございます。今日の御説明には直接関係ありませんので、すみませんが割愛させていただきますが、そういう、もう一つ実証・実装型というのもございます関係で、常に(ビジョン実現型)というのがタイトルにくっつくという現状になってございます。JSTに関係いたしますのは、このビジョン実現型のほうのみということになります。すみません、少し話が脱線いたしましたが。  それで、具体的にどのようなことをやっていくのかということ、2丸目になりますけれども、経済安全保障上のニーズ、経済安全保障は非常に広い概念でございますが、そのニーズの中で、特に科学技術イノベーション政策として貢献しうるもの、こちらを内閣府のほうが聴取いたしまして、それをビジョンという形で取りまとめます。このビジョンというのは、経済安全保障上のニーズを踏まえて、シーズを育成するためのビジョンというものを内閣府が中心となって設定いたします。そのためビジョン実現型と呼んでいるのですが、そのビジョンを実現するために必要な研究開発、こちらを基金の特性を活用いたしまして、複数年度にわたって機動的かつ柔軟に支援をしていくということを考えております。  こちらに関して、まさに具体的な部分に関しましては、良い研究開発課題を採択していくということになりますので、まさにJSTのこれまで培ってきた特性を生かせるということで、今回JSTに基金を造成いたしまして、一番右側にありますとおり、JSTのほうで研究開発課題の採択というか、委託をお願いしたいと考えているところでございます。  もう少しだけ時間を頂きまして、このビジョン実現型の特徴、Kプロの特徴と言い換えてもほぼ同じですけれども、もう少しだけ御説明させていただきます。左下の赤い箱の部分になります。若干繰り返しになりますけれども、経済安全保障上、我が国として確保すべき先端的重要技術の研究開発を推進するわけでございますが、やはり補正予算で措置しているということもありまして、喫緊の課題ということでございますので、いわゆる純粋基礎研究とまでは言いませんが、基礎レベルというよりも、技術成熟度の少し高い部分を、ここでは応用以降と書いておりますが、こういったレベルを主要なターゲットとしたプログラムとする予定でございます。  2ポツ目、これも繰り返しになりますけれども、国が経済安全保障上のニーズを踏まえて、研究シーズ、技術シーズを育成するためのビジョン、こちらは内閣府が中心となりまして、それを設定いたします。資金配分機関、JST、NEDOに関しましては、そのビジョンの下で実際の研究開発として、システムを構成するようなかなり大規模なもの、それから、もう少し小規模で個別技術の研究開発を推進していくようなもの、この2タイプを公募するということを予定しております。  3ポツ目になりますけれども、その研究成果、ここはちょっとKプロの特徴になってきますけれども、民生利用のみならず、成果の活用が見込まれる関係府省における、いわゆる公的利用ということにつなげていくことを指向してございます。従前、JSTのプロジェクトというのは、主に、JSTに限らないかもしれません、文科省が実施してきたプロジェクトというのは、基本的には民生利用を念頭に置いて、市場が取れるかとか、市場で勝てるかとか、そういったところをかなり重視してきたと認識しておりますけれども、必ずしも市場原理がなじまないような公的分野であるけれども、しかし、経済安全保障上重要なもの、そういったところも指向していくということを1つの特徴としております。  もちろん、そういう中で、公的利用だけで、市場性を全く考えずに終わるかということでは決してなくて、そういう公的利用を1つの起点、起爆剤といたしまして、市場の誘導ということにつなげていく。これは多少将来的な部分があるとは認識しておりますが、そういったことも視野に入れて進めていきたいと考えています。  最後になりますけれども、公的利用をある程度念頭に置いているという関係上、いわゆる技術流出のようなものが起こりますと、国民生活に大きな影響が出るということが考えられますので、一律にということではなく、技術成熟度、あるいは、技術分野、どういうニーズに対応するかというような技術分野に応じた技術流出対策というのを導入していただくこととなります。これはJSTもそうですし、委託先の大学・研究機関等も同様ということになりますが、そういうことを考えておりまして、この技術流出対策という点も、ある意味では公的利用に伴うということにはなりますが、これまでのプロジェクトとは少し違う部分になるだろうと認識しております。  後ほど実際の中長期目標の条文が出てくると思いますけれども、何分、現在、内閣府を中心にかなり制度設計を鋭意やっているところでございまして、なかなかこの時点ではっきり申し上げられないことが多々あるということをあらかじめお許しいただければと思います。御質問ございましたら、お答えいたしたいと思います。  一旦の説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
【五十嵐部会長】  ありがとうございました。  それでは、続きまして、現行中目変更案について御説明をお願いいたします。
【澄川課長補佐】  それでは、今の説明を踏まえまして、1-4というところで、具体の文章の修文案を御説明いたします。  まず、こちらが現行の中目の新旧の対照表として御用意しております。すみません、前回と実は左右逆になってございまして、右側が今の中長期目標、左側の赤字が入っているところが、今回新しく変えようとしている変更後の案となってございます。  左側のところに2.8.というところで項目を追加しようと考えております。これまでもムーンショットですとか創発が増えるたびに、2のポツの中に2.6.、2.7.というふうに増やしているんですけれども、今回も2.8.ということで、こちらのほうに位置づけをさせていただきたいと考えております。  実際の案文としましては、次のページに示させていただいております。  2.8.としまして、新しく1つパラグラフを作っております。経済安全保障の観点からの先端的な重要技術に係る研究開発の推進。  まず科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律、こちらに基づいた特定公募型の研究開発業務でありますので、まずこの点を冒頭位置づけをさせていただいた上で、今御説明あったとおりですが、経済安全保障上のニーズを踏まえてシーズを育成するために国が設定する「ビジョン」の下、我が国として確保すべき先端的な重要技術(個別技術及びシステム)について、成果の公的利用も指向し、技術成熟度当に応じた技術流出防止に適応した研究開発を推進するという文言を入れさせていただいております。  また、次のページへ進めまして、この点については後ほどの非公開の中でと思っておりますが、大学ファンドに関しては、現行の目標につきましても、次期の目標と同様の位置づけとしまして、いわゆる運用に関する指針と方針に基づいて取組を進めるといった旨を、こちらにも同様の文章を今回追記を入れさせていただいております。  また、併せまして、下ほどのほうに人件費の適正化というところがございまして、給与水準について、従前JSTはいわゆる国家公務員の水準を参酌して、十分に考慮した上で人件費の水準を決めた上で、それをしっかり説明するという形になっておりますが、今回、大学ファンドにつきましては、いわゆる優秀な人材の確保をして体制を構築するということで、民間資金運用業界の方々にも参加いただくということを今考えております。ですので、この点について、こういった人材をしっかり確保した上で、その説明責任を果たすという旨の追加も併せて考えております。  大学ファンドについては、後ほどまた別途御議論いただければと思っております。  もう1枚、最後のページに向かいまして、すみません、行ったり来たりになりますが、先ほどのKプロに係る評価軸としまして、今回、経済安全保障の観点からの先端的な重要技術に係る研究開発の推進と。そのために、評価軸としては、まず今回、年度末のこのタイミングにかかる評価軸ですので、いわゆる国から交付される補助金による基金を設置する。それによって研究開発を推進する体制の整備、これが進捗したかどうか。その指標としては、基金の設置及び研究開発を推進する体制の整備の進捗と。このモニタリング指標につきましては、それに伴う関係規程の整備状況ということで、ムーンショットのときにちょっと似ておるかと思うんですけれども、また今後内閣府のほうの御議論もあると聞いておりますので、今後そういったものを次期中長期の中で、状況を見てどんどん定めていくということを前提に、注書きも入れさせていただいております。  以上、今回追記の案についての御説明となります。御意見、御議論賜れば幸いです。
【五十嵐部会長】  ありがとうございました。  それでは、ただいまの説明につきまして、御質問、御意見等ございましたら、お願いいたします。  どうぞ、長坂先生。
【長坂委員】  ありがとうございました。それでは、2つほど教えていただきたいんですけれども、今のKプロです。  今の御説明を伺いますと、詳細はまだ決まっていないとのことですけれども、そもそも立てつけが大分今までのJSTの持っていた、例えば、ERATOとかCRESTなんか、それから、ムーンショットなんかとも随分違うと。もう本当に政府が要請した研究をするというような雰囲気すら感じる。それはJSTとしては非常にいいと思うんですけど、そう感じるわけです。  そうすると質問は、まずは、これは決まっていないということですけれども、配分額、1件の額というものが相当大きくないと、今までのものに比べると随分大きくなければいけないし、それから、企業の入り方も、今までよりずっと積極的に入ってこないといけない。NEDOみたいな感じになるのかなと思うんですけれども、その辺、配分額みたいなのが分かれば教えていただきたい。それから、規模の面がそういうことと、実際行った場合に、CRESTやERATOなども、やはり学術的な要素がJSTとしてはもともとあまり強調しなくても良いと個人的には思っていたのですが、これまでは結構入っていたわけです。今度はそうではないと、本当に違うと。実装しなければいけない部分もありそうなので、この辺はもう評価軸等を根本的に変えないといけないのではないかと思うので、その辺をどうお考えかということ。  それから、もう1点は、3つ目になりますけど、額からすると相当大きい額で、JSTの今までのものとほぼ同等額に近いようなものが増えるわけで、大学ファンドはもっと大きいですけど、JSTの中の人員が一体どうなるのか。今までの方を配置転換するだけではちょっと足りないし、さらに人員をどうするのか。この3点、ちょっと長かったですけど、教えていただきたいと思います。
【五十嵐部会長】  よろしくお願いします。
【国際】  ありがとうございます。国際戦略参事官付でございます。  3点目は一旦置いておきまして、1点目、2点目について、少しマージした感じで御回答させていただくということになるかもしれませんが。  まず1件当たりの規模に関しては、先生がおっしゃったとおり、まだ正直なところ検討中でございますが、少しだけお答えできるとしますと、1ページ目のほうをお願いできますでしょうか。この右下にプロジェクト型と個別研究型というのが2つ書いてございます。先ほどシステムと個別技術というふうに申し上げましたが、システムのほうがプロジェクト型になります。  個別技術のほうが個別研究型ということになりますが、このプロジェクト型のほうに関しましては、御指摘のとおり、それ相応の額になっていくということを見込んでおります。JSTでやるのは、やはり一定規模のプロトタイプぐらいまでかもしれません。その先にNEDOがいるというイメージでございますが、JSTでやるのはプロトタイプぐらいまでかもしれませんが、ある程度システムをつくり上げていただくことを想定しておりますので、それなりの額ということで我々も考えております。  一方で、個別研究型に関しましては、これも今幾らというふうに申し上げられないのですが、従前のJSTが実施している研究事業から大きく何倍もということではない額(1件当たり)になるのではないかと今のところ考えているところでございます。  それから、これまでと大きく変わるのではないかという御指摘でございますが、冒頭私の説明が少しKプロの特徴を強調して御説明した結果、そういう印象を持たれている部分もあるのかと感じるところでございます。ビジョンを国が設定するという点、この点は、やはりニーズを踏まえてということでございますので、かなりトップダウンで設定していくということになります。  ただ、アナロジーで申し上げれば、ムーンショットで言うところのムーンショット目標、これも国が示していくということでございますので、そういう意味で、ある程度ムーンショットというのは1つの参考例になるのかなと。今、制度設計の中で考えているところでございますし、最終的にそのビジョンに基づいてJSTが個別のプロジェクトなり個別研究というのを採択していくに当たっては、やはりサイエンスメリットというのを重視してやっていただく。であるからこそ、JSTの特性を生かしてやっていただくということでございますので、そういう点において、もちろん、これ、従前と違いがあるからこそやるわけでございますけれども、従前のプロジェクトと非常に親和性がある部分も大きいのではないかというふうに、現在担当課としては考えているところでございます。  3点目に関しては、これは人材政策課のほうから少しお願いできますでしょうか。要すれば補足いたします。
【長坂委員】  ありがとうございます。  私の2点目の質問の、今のだとあまり変わらない部分もあるとおっしゃっていたので、そうすると、評価の仕方も実はあまり変わらない。つまり、何かが達成できていなければ、途中で打ち切るとか、そういうのがもっと厳しくなるとか、例えば、そういうように私はイメージしてしまったんですけど、必ずしもそうでもないかもしれないと、そういうことですか。
【国際】  おっしゃるとおり、やはりこれまた資料1-3の2ページ目の真ん中ぐらいにあるとおり、ステージゲートを設けてやっていくことは予定しておりますので、一定程度進捗管理というのはしっかりしていくものでございますが、何かKプロだから特別厳しくやるということではないと認識しているところでございます。  もちろん、少し経済安全保障というのが、従前の事業に対比した場合に、少し新しい概念というところもございますので、そういった点での新たな視点というのが必要になってくることはあろうかと認識しているところでございます。
【長坂委員】  分かりました。  3点目をお願いします。
【澄川課長補佐】  人員体制のところですけれども、まず今回予算措置を1,250億という基金を頂いているところで、必要な事務費とか事務経費、人件費といったものについては、まずお金的に言うと措置されているものというふうに考えています。  ただ、お金があればできるというだけの問題ではなくて、やはり一定の制度設計とか、それを回していくというところでは、経験のある職員が必須でして、この点については、JST、今でもなかなか人材が回るのが大変になっているという問題を抱えているところの中ではありますが、その中で何とか人員の配置をお願いした上で対応していくというところはあろうかとは思っています。  その上で、あとは、こちら、御説明にあるとおり、ビジョンですとか制度設計については、かなり国主導で進めるというところもあるやに聞いているので、国のほうである程度制度設計というものを具体化していただいた上で、それを実施していくというのをJSTのほうで機関として担っていくのかなと。  実際の公募事業とか、そういったものは、いわゆる人件費が確保できていれば、任期付きの方の雇用ですとか、そういったところは対応していくことも可能なのではないかと考えています。  ただ、いずれにしても、今回の次期目標にもありますけれど、事業の見直しをしっかりして、必要な事業にリソースをかけられるような体制をつくっていくことというのが法人全体の課題であるとは認識しています。
【長坂委員】  ありがとうございました。
【国際】  すみません、1点だけ補足させていただきますと、この1,250億、まだ予算案ではございますけれども、この中にJSTのいわゆる管理費というものも含まれておりますので、それがまた研究費とどれぐらいかというのは今後の調整でございますけれども、予算として、そういった人員体制とかの構築もしっかりできるように、その部分は措置していきたいと思っております。  ただ、澄川補佐もおっしゃったとおり、金があればいいというものでは必ずしもありませんので、そこは人材政策課なりJSTともよく相談して、担当課としてやっていきたいと考えております。よろしくお願いいたします。
【長坂委員】  ありがとうございました。
【五十嵐部会長】  ありがとうございました。  続きまして、ベントン先生、手が挙がっています。
【ベントン委員】  まず、今の長坂先生がおっしゃるように、従前と異なる方針となります。国のビジョンも取り入れることも重要だと思います。  質問よりは、説明をお願いします。このページの左側のオレンジ色の箱で公的利用につなげていくという部分ですが、実際にどのように考えているのですか?研究者の観点からどのようになりますか?
【五十嵐部会長】  それでは、国際参事官付、お願いします。
【国際】  御質問ありがとうございます。  この部分もまだ制度設計中ということではございますが、まさにこのページのオレンジ色の箱の横のところにございますけれども、例えば、ステージゲートの段階、あるいは、ステージゲートに限らず、日常的でもいいですけれども、成果の活用が見込まれる関係省庁、関係府省とコミュニケーションを取って、必要に応じてガイダンスを受けるというようなことも考えております。  なので、研究者の先生方にしてみると、ある意味、日々の研究活動に何か大きな変化があるということではないかもしれませんけれども、この研究の方向づけといったようなところで、これまでどちらかというと民生、企業とか、そういったところを念頭に置いていたところが、それだけではなくて、行政というところとのコミュニケーションが出てくるというところが、新しいところかなと考えております。
【ベントン委員】  分かりました。ありがとうございます。
【五十嵐部会長】  よろしいですか。
【ベントン委員】  はい。
【五十嵐部会長】  それでは、瀧澤先生、手が挙がっています。
【瀧澤委員】  どうもありがとうございます。私も、このKプロそのもののJSTの運用の話の前に、どんな事業なのかなというのが、まだ分かっていないところがたくさんあるんですけれども。  1,250億円を柔軟かつ機動的な運用が可能な枠組みで、基金でまずつくるということなんですけれども、これはもちろん単年度ではないわけなんですけれども、どういうふうに。運用というと、先ほどの大学ファンドみたいな運用なのかなというようなイメージもあるんですけれども、どういうふうに、将来的に何年間ぐらいでやっていくというようなイメージがあるのかということと、それから、経産と文科の連携が重要ですよというところが、2枚目の事業内容のところにありますけれど、まさに経済安全保障というふうに考えたときに、公的利用も考えているということなので、国の基幹になるような技術がきちっと実現される上では、まさに文科省は文科省、経産省は経産省で、NEDO、JSTでそれぞれの研究をして、ばらまいて終わりではなくて、連携することが大事でしょうし、あるいは、世界の中で日本がガラパゴス化しないように、デファクトスタンダードですか、そういったところに取り組むような仕組みも必要だと思うんですけれども。その連携の具体的な内容がもしあれば教えていただきたいということと、あと、いろいろと疑問がわいてくるんですけれども、少し思ったのは、今、こういうIT分野が基幹的なシステムのところまでGAFAに握られているという背景があって、中国もすごく伍してきているというのがあると思うんですけれども。アメリカや中国以外の世界各国の動きを見たときに、日本のこれからのやり方というのが、そういう各国の動きを見つつ、こういうことを立ち上げられたのかというのの背景なんかがもし分かれば、教えていただければなと思いました。  以上です。
【五十嵐部会長】  ありがとうございました。  では、回答をお願いします。
【国際】  御質問ありがとうございます。  まず1点目の運用に関しては、大学ファンドを詳しく承知しているわけではありませんが、1,250億を運用するということは、Kプロではございません。基金でございますので、これはよく言われる例かもしれませんけれども、研究開発の進捗に応じて、もちろん一定の計画に基づく毎年度の予算配分というのはあるのですけれども、例えば、研究開発が思いのほか進捗したとか、あるいは、3点目の御質問にも関わるかもしれませんが、国際情勢の関係で、こういったテーマを急遽立ち上げる必要があるとか、そういったことにも機動的・柔軟に対応していくことができるという、基金という性質を活用して、そういうことができることになるのかなと思っています。  何分、今、経済安全保障というのがよく紙面なんかにも躍っているとは思うのですけれども、すごく世界的に流動的な状態にあると認識しております。それこそ、いろんな世界の動きが急に動いて、まさにニーズというものが変わってくるということもあろうかと思いますので、そういったことにも機動的に対応できるということになるのではないかなと期待しているところでございます。  それから、2点目の経産省との連携でございますけれども、一番単純なというか、簡単な形としましては、まずJSTがある程度まで育て、先ほどちょっとプロトタイプと申し上げましたけれども、大学・研究機関主体で、もちろん企業も場合によっては参画して、プロトタイプまでを文科省・JSTのこの事業でつくり、その成果を経産省・NEDOのほうに引き継いで、こちらになりますと基本的には企業主体に変わっていって、実際のプロダクトというか、製品につなげていくというようなリニアモデル的なものは典型的な例だと思います。  また、ビジョンを策定したり、あるいは、ビジョンを執行していくというような場においては、内閣府を中心として、文科省、経産省というこの三府省が必ず一体となって動いておりますので、そういったいろんな面で文科省、経産省は連携していますので、例えば、この絵でいうところの関係省庁が関わる仕組み、この部分、先ほどはニーズを持っている省庁というふうに申し上げたかもしれませんけど、ここに経産省が入ってきて、経産省・NEDOとしてこのプロジェクトを引き継いでいくためには、もう少しJSTの研究開発として、こういう方向に進んでほしいとか、こういう点をもう少し熟度を上げてほしいとか、そういう意見を頂くと。それによって、経産省・NEDOへの引き継ぎをスムースにしていくということも十分あり得るのではないかなと考えております。  すみません、3点目は、私の立場だけではお答えしづらいところはあるのですが、少なくともKプロを立ち上げる背景というのは、やはり世界的なエコノミックセキュリティというか、そういったものの要請というものがあったということは聞いております。  このKプロで国際連携というところまで、どこまでやるかというのは、正直、まだ全くオープンな議論の状況でございますけれども、要すれば、国際連携なんかの要素も今後取り入れていくということはあろうかと思いますし、当然、いろんなプロジェクトを進捗させていくに当たって、世界的な動向というのは注視していくということかと理解しております。  すみません、なかなかお答えしづらいところがあって申し訳ないのですが、以上でございます。
【五十嵐部会長】  よろしいですか。
【瀧澤委員】  まだふわっとしているところがありますが。
【国際】  すみません。またKプロ自体煮詰まってきたら、いろんなJST部会の場などで引き続き御説明をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【瀧澤委員】  ありがとうございます。
【五十嵐部会長】  先ほどの質問で、これ、何年スパンかという話がありましたけれども。
【国際】  現時点で明確に何年というふうに決まっているものではございません。いろんな世の中の情勢に応じて決まっていくということで御理解いただければと思います。
【五十嵐部会長】  ありがとうございました。  久保さん、先に手が挙がっていますので、どうぞ。その次、篠藤先生、お願いします。
【久保委員】  すみません、よろしくお願いします。2点質問させてください。  1点目は、スケジュールに関してです。今年度の補正予算で予算がつくわけですが、政府のほうでビジョンをつくるというだけでも非常に労力がかかると思いますし、そこから公募というふうになってきますと、資料1-3の1枚目に記載してありますように、実際にこの基金が動き出すのは令和4年度以降、そういうイメージで想定されているということでよろしいでしょうか。これが1点目です。  2点目は、この経済安全保障というのが定義として曖昧なのではないかということです。いろいろな分野が考えられると思います。AIや量子コンピュータのことが触れられていますが、例えば、公的用途となりますと、防衛や軍事的用途も踏まえた上での適用の可能性もあるのでしょうか、そうなると大学の参画の仕方等もまたいろいろ課題になるかと思いますが、そのあたりはどうなっていますでしょうか。この2点について教えてください。
【国際】  お答えしてよろしいでしょうか。御質問ありがとうございます。  まず1点目のスケジュールに関しましては、今年度の補正予算でございますので、年度内には基金の造成ということをほぼマストとして行う予定になっております。  その間にビジョンの策定、その他必要な規定などの策定というのも年度内を目途に行っていって、具体的な公募に関しては、この公募も1回切りではなくて、2回目以降もあるという前提で申し上げますと、初回の公募というのは来年春頃以降、この絵が何となく示しているようなスケジュールで進んでいくということで、今のところは政府内で議論を進めているところでございます。  それから、2点目、公的利用ということでして、特定のどこの省庁、あるいは、どこの省庁は入らないということを現時点で決めていることではございません。先ほども申し上げたとおり、現在、内閣府のほうで各省からいろんな公的ニーズをまさに聴取して、そのビジョンの策定を進めているところでございますので、幅広くいろんな省庁のニーズが入ってくるということでございます。  まだ現在、今日の時点で、そういうビジョンがどうなるかというのは申し上げられないのですが、幅広くいろんな省庁の公的利用のニーズというところは聞いているというと認識しているところです。  すみません、現状お答えできるのは以上でございます。
【久保委員】  承知しました。  経済安全保障とは何かという定義がすごく大事だと思いますので、最終的には確定させていただいて、ちゃんと発信するということを、よろしくお願いいたします。
【国際】  承りました。ありがとうございます。
【五十嵐部会長】  ありがとうございました。  それでは、篠藤先生、お待たせしました。どうぞ。
【篠藤部会長代理】  すみません。今の御回答で半分以上お答えいただいたような気がするんですが。ビジョンについてお伺いしたかったんです。ビジョンというものが決まらないと、そこから先は流れませんので、ビジョンというのが大体いつ頃設定されて、大体今想定されるビジョンというのがある程度見えてきているのかどうかというのをお聞きしたかったんですが、先ほどの御回答だと、まだその辺はあまり具体的ではないということでしょうか。
【五十嵐部会長】  どうぞ。
【国際】  お答えいたします。  まずビジョン策定のスケジュールに関しては、先ほども久保先生のところで申し上げましたけど、年度内を目途に策定していくという今のところのスケジュールでございます。  今ビジョンがどこまでできているのかということですが、少なくともゼロベースではないということは申し上げたいと思います。ある程度の骨子というか、素案ではないですけれども、そういったものは当然進めているところでございますけれども、何分予算もまだ国会で御審議中でございますので、今後、もししかるべく成立いたしましたら、そういった政府部内の議論も一気に加速して、そこはこの1枚目で示しているようなスケジュールでやっていけるようにしたいと考えているところでございます。
【篠藤部会長代理】  ありがとうございます。
【五十嵐部会長】  よろしいですか。  どうぞ、金澤先生。
【金澤委員】  失礼しました。1点質問させていただきたいんですが、研究プロジェクトをマネジメントするということで考えたときには、そのプロジェクトの期間とか、それから、出口イメージが重要だと思うんですね。だから、社会実装につながるまでやるのか、社会実装というのは一応想定されているけれども、あるところまでやれば終わるのか、それでマネジメントの仕方は随分変わると思うんですが、今の時点で結構ですので、大体何年ぐらいを想定されているんでしょうか。プロジェクト型の場合ですね。それで、ステージゲートを設けられるというお話があるんですが、これも大体どれぐらいの区切りで考えていらっしゃるんでしょうか。その点を1つ教えていただければと思います。
【五十嵐部会長】  よろしくお願いします。
【国際】  ありがとうございます。  プロジェクト型のほうですけれども、これも最終的には、実際に公募して出てきたテーマに応じて、あるいは、もうちょっと上流で言えば、ビジョンに応じてというところはございますけれども、例えば、10年ぐらいのプロジェクトに関しても耐えられるというか、受け皿となれるようなプログラムにしていきたいとは考えております。  どこまでやるのか、実証・実装までやるのかということに関しては、これも冒頭少し申し上げたとおり、このKプロというもの全体では、このビジョン実現型以外に実証・実装型というのがございますので、本当の量産みたいなところになりますと、実証・実装型という別の枠組みのほうで手当てしていくことになる予定です。  NEDOも含めたビジョン実現型の中では、ある程度プロトタイプよりは、その先の初号機というか、あるいは、2号機というか、それぐらいのところまでやっていくというのが現時点のイメージでございまして、特にJSTの担当範囲という意味では、やはりプロトタイプというのが1つのキーワードになってくるかなと考えております。
【金澤委員】  ありがとうございます。よく分かりました。  ぜひその辺が明確にならないと、マネジメント体制をつくるとかはなかなかできないと思いますので、その点、よろしくお願いいたします。
【国際】  ありがとうございます。
【五十嵐部会長】  ありがとうございました。  川北先生、手が挙がっています。どうぞ。
【川北委員】  今までの各委員の質問とそれに対する回答で大体イメージはつかめてきましたが、1点だけ教えてください。実際に我々が評価するとなると、それはJSTの役割に関する評価ですよね。だから、JSTが公募をかけたときに、それに対して応募があったとして、その採択をJSTだけで多分判断できないことがあると思います。それでは、JSTの評価に関して、公募に対する評価と、応募を採択するかどうか、その決定のプロセスにおける役割がどういうふうになっているのか、これらのイメージがまだ十分につかめないので、教えていただければと思います。
【五十嵐部会長】  じゃ、御回答のほうお願いします。
【国際】  ありがとうございます。大変鋭い、と言ったら不遜かもしれませんけど、御質問かと思っております。  そういう意味で申し上げますと、個別研究型のほうに関しては、これは従前のJSTのプロジェクトとかなり同じような形態になるのではないかなと現在考えておりますので、従前のJST部会の先生方の評価ということで、そんなに違いはないのではないかなと思っております。  一方で、プロジェクト型に関しては、よりトップダウン性が高いということになります。もちろん公募ですので、JSTがサイエンスメリットに基づいて公募・採択していくということに変わりはないですが、やはりプロジェクトマネジメントの部分なんかは、他の事業とは変わってくる部分もあるかもしれませんので、そこは政府側というか、文科省、あるいは内閣府と一体となった評価みたいなものをしていったほうがいいのではないかというような議論も現在まさにしております。  今日ここで結論めいたことを申し上げるのはまだできないですけれども、そこら辺もやはりJST部会の役割にも関わってくるところがあるかもしれませんので、少し先生方とも御相談しながら進めていければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
【川北委員】  分かりました。ありがとうございます。
【五十嵐部会長】  ありがとうございました。  まだ御意見、御質問あるかと思いますけれども、次に時期中目のほうの審議がありますので、ここで終わりにします。  これ、やはりシンクタンク機能の活用ってありますけれども、CRDSの機能がかなり重要かと思いますので、全貌が分かってきましたら、また説明のほうをよろしくお願いします。
【国際】  承知いたしました。実は、このシンクタンクというのは、内閣府のほうのシンクタンクという意味も含まれておりまして、そこら辺もまた次回以降になりますけれども、御紹介させていただければと思います。
【五十嵐部会長】  よろしくお願いします。  それでは、次に移ります。議題2は、次期中長期目標(案)についてに入ります。資料の説明について、事務局から説明をお願いいたします。
【澄川課長補佐】  資料2-1から、次期中目の関係の資料について御説明をさせていただきたいと思います。  今回、資料2-3というところで、前回の御指摘を踏まえて修正した版の新旧というものを用意しておるんですけれども、その前に2つ、総務省関係の資料がございますので、こちらの御紹介から始めさせていただきたいと思っております。  まず資料2-1、独立行政法人の中(長)期目標の策定について(抜粋)とございまして、こちら何かと申しますと、右肩にクレジットありますとおり、総務省側の独立行政法人評価制度委員会、こちらのほうでJSTをはじめとして、独立行政法人、今回目標を改定するところについては、総務省側の委員会でも御審議、御議論いただいております。前回も少し御紹介したところですが、令和3年11月22日付で、正式に委員会決定ということで、各法人に対する指摘事項みたいなものがまとまっておりますので、まずこちらを御紹介させていただきたいと思います。  大きく2つありまして、要すれば、JSTに限らず、今回目標改定する法人全般に対する一般的な全般御指摘というものが4点ございまして、このペーパーの中ほど下、1ポツのマル1からマル4というものがございまして、まず全般論としましては、マル1、業務の効率化や新たな価値実現につながるデジタル対応と、いわゆるDX化的な御指摘を頂いております。これについては、既に次期中目でも、JSTは新しい項目を立てるなど対応させていただいているところです。  マル2、法人の業務運営を支える人材の確保・育成及びその取組を通じた社会への貢献。まさに人材の確保・育成というのは、従前からJST当初のところからの課題であるということで、今回これも取り組むこととしております。  マル3、強みを活かして弱みを補い合う関係機関との有機的な連携。ここにつきましても、従前の大学等との連携に加えまして、例えば、資金運用機関別のJSPSとか、ああいった資金ファンディングエージェンシーとの連携といったことも今回追加で書かせていただいているということで、対応していると考えております。  マル4、限られた資源を最大限活用するための資源配分の重点化(メリハリ付け)というところで、こちらについても、今回、いわゆる事業を見直しをして、必要があれば廃止ですとか、統合も含めて検討するというような見直しの項目を新しく項目を立てて次期目標では位置づけることとしておりますので、こういったところについても取組をすることが位置づけられていると考えております。  その上で、進めまして、個別法人への指摘事項として、JSTの関係のところが4点ございます。こちら、実は前回御紹介したものと趣旨は変わってございませんで、まず1つ目、法人が担う業務が増加している中、年齢・性別を問わず多様な人材を確保することや、事業の効率化・統廃合等を進めることについて、目標に盛り込んではどうかと。まさに、もともとJST部会で御審議いただいて先方にお伝えしているものがそのまま戻ってきているということで、当然対応したいとしているものと考えております。  2点目、研究者のダイバーシティを推進する観点から、法人が実施する事業における女性研究者や若手研究者等の応募者数を増加させるための取組や、審査員の多様性を考慮した審査体制を構築する等の取組について、目標に盛り込んではどうかと。これも前回から御議論いただいているところでして、ベントン先生から頂いた外国人研究者の件とか、長坂先生から御指摘いただいた点等、今回修正しておりますので、これも併せて後ほど御説明したいと考えております。  3点目、研究開発の成果を社会課題の解決につなげていくため、大学、地方公共団体、企業など、産学官のステークホルダーの連携関係を構築するような取組を一層進めることについて、目標に盛り込んではどうか。また、国民の関心を高めることを意識するとともに、更なる民間資金の確保に向けマーケティング意識を持って、SDGs達成に向けた取組など、社会課題の解決に貢献する研究成果の情報発信等に取り組むことについて、目標に盛り込んではどうか。これにつきましても、既に関係機関との連携というのを、先ほども申し上げたとおり、取り込んでおりますし、情報発信、あるいは、マーケティング意識を持った民間企業とのマッチングみたいなものも、産学連携事業等で対応していると考えてございます。  最後、新たに大学ファンドの事業を担う中、文部科学大臣が定める助成資金運用の基本指針の内容等を踏まえたガバナンス体制等を構築すること及び安定的に助成資金を運用することについて、目標に盛り込んではどうか。まさにこの点、本日、後ほどのところで御説明をさせていただきたいと考えてございます。  以上、まず総務省からの御指摘を御紹介させていただきました。  引き続いて、資料2-2についても少しだけ御紹介をさせていただきたいと思います。  こちらは、総務省のほうではまた全法人についての御審議、御議論というものがございまして、その際に持ち出しで使われる資料の様式というものだと聞いております。総務省のほうの御審議に先立って、JST部会でも御紹介をと言われておりまして、少しだけ御説明させていただきたいと思います。  今までの議案をまとめたものにすぎないんですけれども、まず、使命としましては、第6期の科学技術・イノベーション基本計画の中核的機関という役割を担っていくということ。  現状・課題としましては、これまでも御議論いただきましたとおり、まず、強みとしましては、ファンディングエージェンシーとして機能を発揮することで研究開発を進めていくことができると。課題としましては、いわゆる職員の高年齢化ですとか、事業が今、現状どんどん増えているというところで、人材の限られた中での対応が必要であるとか、そのために、なかなか資質向上の機会が失われているといったところが、弱み・課題として挙げさせていただいております。  また、環境変化としましては、まさに第6期の基本計画、これができたということに対して、これらの示されている大きな柱に対応していくことが必要であるということ。あるいは、昨年のJST法改正がございました。これにより、いわゆる大学ファンドの業務というのが追加されていますので、これに必要な対応をしていくということが環境変化として挙げさせていただいております。  これらの状況に対して対応するために、今期の目標で新しい位置づけを行っているということを、御説明の持ち出しの資料として御用意をさせていただいております。こちら、御紹介までとなります。  続きまして、ここからは実際の本文修正案としまして、資料の2-3を御説明させていただきたいと思います。  すいません。こちら、先ほど申し上げたんですけれども、前回の資料と構成が左右逆になってございます。ちょっと様式が誤っておって失礼しました。右側が現行の中長期目標を書いておりまして、来年からの次期の中長期目標の案、こちらを左側に書かせていただいております。前回御説明したときと左右逆転していますので、御注意いただければと思います。  加えまして、今、赤字、見え消し入っておりますが、前回、もう既に御議論をいただいたところですので、その際、御指摘をいただきましたところに対しての修正点というのを赤字、見え消しにしております。このポイントについて御説明をしたいと思います。  まず、1点目が、すいません、御指摘いただいたと言いながら、これはこちらの都合で増やしているものですが、先ほど御説明しました経済安全保障の関係の項目、こちらにつきましては、今回、いわゆる社会変革に資する研究開発という位置づけと、新しい価値創造の源泉となる研究開発という、大きく2つの要素に分けておるんですけれども、担当課との間では、前者、社会変革にする研究開発というほうが、位置づけとしてはなじむであろうということを考えておりまして、項目としては、2.2、ムーンショット型研究開発の次、2.3というところに位置づけをさせていただいているところでございます。  進みまして、法人の役割、位置づけのところで、冒頭文章を少し肉付けさせていただいております。先ほど申し上げたとおり、今までは2ポツとして、およそJSTのファンディングというものは、一つの大きなくくりの中にあったんですけれども、今回、基本計画との柱立てを踏まえまして、いわゆるイノベーションの源泉となる研究開発と、それを踏まえた上での社会変革に資する研究開発と、2つ、大きく分けた上で、さらにそれを社会実装、普及へ向けていくというところにJSTの役割をさらに深めていくというようなことを趣旨として書いておるんですが、この点をより明確にということで、少し肉付けさせていただいております。  中ほどから申しますと、これに応えるためというところから、機構においては「新たな価値創造の源泉となる研究開発の推進」として、イノベーションの源泉となる基礎研究を戦略的に進め、実用化が可能かどうか見極められる段階までの研究開発を進めるとともに、これに加えまして、さらに「社会変革に資する研究開発による新たな価値創造の推進」として、産業構造と社会の変革を加速させ、加えて、成果の社会実装と普及、ここまでを目指した挑戦的な研究開発に一層取り組む必要があるということを明確にさせていただいております。これに合わせて下のほうも肉付け、修正をさせていただいているところでございます。  進めさせていただきまして、9ページ、これは先ほど申し上げました、2.3、経済安全保障のパラグラフですけれども、案文につきましては、先ほど現行目標でというふうに御説明したものと同様のものを入れさせていただいております。  次、進めさせていただきます。12ページ、こちらも先ほど少し触れさせていただいたところですが、総務省からの御指摘にありました点、研究者のダイバーシティを推進すると。このために、女性研究者、若手研究者に対するというようなことで御指摘をいただいておるんですけれども、これに加えまして、前回ベントン先生からも御指摘いただきました、外国人研究者、こちらについても明示をした上で、応募者数を増加させるための取組や、さらには審査員の多様性を考慮した審査体制というものを総務省のほうから指摘をいただいております。この点、長坂先生から、こういったものの実践に際しては慎重にというような御意見をいただいたのを踏まえまして、今回、単純に言われたとおりにやるというだけではなくて、当然ながらですけれども、審査の質の担保、これを前提とした上で、審査の多様性を考慮した審査体制を構築していきたいということを明確にさせていただいております。  さらに進めさせていただきまして、16ページは先ほど現行目標でもありました、大学ファンド関係の人件費のところの肉付けです。こちらはまた後ほどの中で、御説明、御議論いただければと考えております。  あとは18ページ、その他業務運営の重要事項としまして、まず、法人の長によるマネジメント強化。こちらにつきましては、事業間のシナジーを高めるとともにというのを追記させていただいております。前回、金澤先生からいただいたところですが、それぞれの事業については、それぞれ事業の項目を今回当然立てておりまして、その推進を図るわけですが、それぞれの事業間のシナジーとなりますと、やはり理事長のリーダーシップを発揮していただくところであろうということから、こちらのほうに明記をさせていただいております。  また、2ポツ、内部統制の充実・強化のところでは、今回、データポリシーの策定を行うという旨を追記させていただいております。こちらは御指摘いただいた御議論とは別でして、政府全体の方針としまして、今こういったデータポリシーを国立研究開発のほうでは一律策定をすることということが示されておりまして、これはそれに伴って入れさせていただいた一文となってございます。  以上、前回の御指摘を踏まえて修正等をさせていただいたものの御説明となります。御意見いただければ幸いです。
【五十嵐部会長】  ありがとうございました。  前回の御意見とか、議論の結果を踏まえて修正されていますけれども、委員の皆様方から改めて、何かここで修正点とかございますでしょうか。よろしいですか。  ありがとうございました。それでは、大学ファンドにつきましては、この後説明がありますけれども、それ以外について、文科省から提案のありました、現行中目変更案及び次期中目変更案に御異議ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。  金澤先生、御意見ですか。
【金澤委員】  度々申し訳ありません。1点だけ確認したいんですが、説明があった資料ではない、資料2-4のほうの中長期目標の案の中に、評価軸と評価指標などが入っているんですが、これも今の採決の中に入っているんでしょうか。
【澄川課長補佐】  すいません。入っております。説明を十分にできておらず申し訳ありません。
【金澤委員】  1点だけ。2.3の、今の経済安全保障の観点からの先端的な重要技術に係る研究開発の推進の中の、評価軸、評価指標については特に意見がないんですが、この資料のモニタリング指標のところなんですが、2.3の。
【五十嵐部会長】  2.3ですね。
【金澤委員】  関係規定の整備状況と、それから、プロジェクト等の採択数と、以下4つ項目が挙がっているんですが、プロジェクトの進展を直接見る項目が挙がっていないような気がいたします。例えば、上のムーンショット型の研究開発の推進であれば、マイルストーンが達成したと認められるプロジェクト数とか、そういったものをモニタリング指標としているんですが、2.3についてはそういったものが挙げられていません。  私は、プロジェクトが長期にわたるものなので、この中長期期間中には、マイルストーンだとか、それからステージゲートだとか、そういうのに達しないようなプロジェクトが想定されているのかと思って、だから、ここにないのかと思ったんですが、先ほどのお話で、そうではなくて、もう少し短いスパンでもチェックするようなお話があったので、例えば、ムーンショット型の研究開発の推進にあるような、マイルストーンの達成が認められるプロジェクト数に相当するような、成果を確認するようなモニタリング指標を追加されたほうがいいんじゃないかと思いましたので、1点質問させていただきました。
【五十嵐部会長】  ありがとうございました。文科省のほうから。
【澄川課長補佐】  御指摘ありがとうございます。今回、Kプロにつきましては、先ほどの現行目標の改定のところで申し上げたとおり、正直申し上げて、今、制度設計がまだまだ十分にできていない中で、次期目標は5年間にわたるものですのでという前提で、今書ける限りで書いたというのが正直申し上げた実態ではございます。  その上で、当然、今後必要があれば、こういったものの改正もありますし、担当課とも御相談をしたいと思っておりますが、加えて評価軸というのは、独法評価をいただくときの、別にこれが、何というか、最大基準でこれ以外出さないというものでは当然ございませんので、この上で、実際の制度設計を見て、必要なファクトとか指標みたいなものをお示しした上で、取組についての御説明をし、それに対する評価をいただくということは当然想定はしておりますので、御指摘を踏まえた形になるようにはいずれにしてもしたいと考えてございます。ありがとうございます。
【金澤委員】  承知いたしました。先ほどの説明で、少しお話があったので、意見として申し上げたいと思いまして発言いたしました。
【澄川課長補佐】  ありがとうございます。
【五十嵐部会長】  ありがとうございました。そうですね、ステージゲートを取り入れるという話がありましたので、ここは少し修正を考えてもいいかもしれないですね。今分かる範囲で、今できる範囲で。それともこのまま行きますか。
【国際】  ありがとうございます。Kプロ全体ですと、長期にわたるので、もしかしたら中長期目標期間を超えてしまう部分が多いかもしれないですが、御指摘のとおり、ステージゲートであれば、5年のうちには必ず1回は来ると思いますので、そこを少し念頭に御相談させていただきたいと思います。ありがとうございます。
【五十嵐部会長】  ありがとうございました。  ほかに御意見、御異議等ございますでしょうか。よろしいですか。  どうぞ。
【JST(工藤)】  JST経営企画部でございます。先ほどの経済安全保障に係るモニタリング指標の件なんですけれども、確かに、これはちょっと確認が必要ではあるんですけれども、ムーンショットのときも、事業の骨格が決まるまでの間は、そのようなマイルストーンを示したような形で、現状の形ではなく、今回、経済安全保障プログラムのように、採択プロジェクト数とか、まだ見えてないときには、そんなに細目を書かれていなかったかと我々としては記憶しておりますので、ちょっとその点を確認させていただいて、また、プロジェクトが進展したら、国のほうで、そのような形の目標に変えていただくというのも、これはあるのではないかなと、そのように感じております。  補足ですが、以上です。
【五十嵐部会長】  ありがとうございました。文科省のほうから、今の御意見に対して。
【国際】  ありがとうございます。そうですね、すいません、ちょっと私もあまり先例を認識せずに申し上げてしまいましたけれども、ムーンショットというのが、1つ前のところで申し上げたとおり、このKプロのお兄さんじゃないですけれども、1つの先例になると思いますので、そこにならうというのを軸に、また調整したいと思います。
【金澤委員】  あくまでもモニタリング指標ですので、そんなに強くこだわるところではないんですが、やはりそういったところを見ながら評価することになろうかと思いますので、実際に私たちが評価する段階で、そういったものがあると評価しやすいということで、そのように進めていただければと思います。よろしくお願いします。
【五十嵐部会長】  ありがとうございました。それでは澄川さん、具体的な、今のところを修正するかしないかも含めて、反映につきましては、皆さん、部会長一任とさせていただいてよろしいでしょうか。  ありがとうございました。どうも皆様ありがとうございました。
―― 了 ――

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