国立研究開発法人審議会 科学技術振興機構部会(第27回)議事録

1.日時

令和3年11月19日(金曜日)10時00分~12時00分

2.場所

新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、オンライン会議にて開催

3.議題

  1. 国立研究開発法人科学技術振興機構が達成すべき業務運営に関する目標(中長期目標)に関する変更案について
  2. その他

4.出席者

委員

五十嵐部会長、ベントンキャロライン委員、金澤委員、久保委員、瀧澤委員、長坂委員、川北委員

文部科学省

斉藤人材政策課長、澄川人材政策課長補佐 ほか

5.議事録

【五十嵐部会長】  定刻となりましたので、これより、文部科学省国立研究開発法人審議会第27回科学技術振興機構部会を開催いたします。本日は、お忙しい中、お集まりいただき、ありがとうございました。
 本日は、篠藤委員が御欠席となりますが、そのほかの委員の皆さんは全員御参加されておりますので、会議の定足数を満たしていることを報告いたします。
 また、川北委員が今回初めての御参加となりますので、初めに一言御挨拶していただければ幸いでございます。よろしくお願いいたします。
【川北委員】  京都大学の川北です。専門は、証券投資、証券投資理論、それからマーケットの分析、そういうところです。よろしくお願いいたします。
【五十嵐部会長】  ありがとうございました。
 なお、本日の会議は、ウェブ会議による開催となります。また、議事の公開に関する規則に従い、公開とさせていただきます。
 それでは、初めに、議題及び配布資料について確認いたします。事務局から説明をお願いいたします。
【澄川課長補佐】  文科省人材課の澄川でございます。本日もよろしくお願いいたします。
 本日は、今年度末で現行の中長期目標期間が終了となっております。このため、来年度から始まりますJSTの次期中長期目標について御議論いただきたいというふうに考えてございます。
 本日、資料につきましては、事前にメールで送付もしておりますが、議事次第、資料1-1から1-3まで、資料2、あわせまして、参考資料として1から6を御用意しております。
 具体の内容は、今、画面共有をさせていただいているところでございますが、もし議事進行の過程におきまして、資料の不備、ウェブ接続の不調等ございましたら、事務局まで御連絡をいただければ幸いです。
 そのほか、会議途中でウェブ回線の音声が途切れる等の委員の方がおられましたら、その際も事務局のほうにお電話なりにてお知らせをいただければ幸いです。
 また、ウェブ会議に入室をされています文科省、JSTの方々におきましては、発言時以外はミュート及び画面オフ、ちょっと通信回線に負担がかかるみたいですので、こういったところの徹底をよろしくお願いいたします。
 よろしいでしょうか。
 事務局からは以上となります。
【五十嵐部会長】  ありがとうございました。
 それでは、議題の1番「次期中長期目標(案)について」に入ります。本日の進め方と資料の説明について、事務局から説明をお願いします。
【澄川課長補佐】  ありがとうございます。それでは、本日、部会の進め方ですが、まず、私のほうから、資料1-1に基づきまして、次期中長期目標の全体像についての御説明をさせていただきたいと考えております。その上で、資料1-1の説明について、まず、全体に対しての御質問、御意見を一旦いただきたいというふうに考えております。
 続きまして、次、資料1-2に基づきまして、次期中長期目標の案の内容につきまして御説明をさせていただきまして、また改めてそれに対して、委員の皆様から、御質問、御意見を賜ればというような形での進行を考えております。
 また、取りまとめに関しましては、本日で終了ではありませんで、本日まず御意見を賜りまして、これを踏まえた上で、次回、12月15日水曜日の部会を予定しております。こちらにおいて、本日いただいた御意見も踏まえて反映をした版ということで、もう一度議論の機会を設けておりますので、合わせて2回の議論で、次期中長期目標について御議論をいただきたいというふうに考えてございます。
 それでは、早速ですが、まず、資料1-1に基づきまして、次期中長期目標の全体像、こちらの御説明をさせていただきたいと思います。
 今、画面共有させていただいております資料1-1でございます。
 まず、文字が多いんですが、説明はまた続きますが、策定に当たってのポイントとしましては、前回のJST部会のときにも少し御説明をさせていただいたところですが、JSTは、いわゆる科学技術政策というのは、基本計画というものを持っております。この第6期の科学技術・イノベーション基本計画が現行計画でありますので、これの中核的な役割を担う機関というふうに認識をしております。この位置づけに基づきまして、今回の次期中長期目標に当たりましても、この第6期の科学技術・イノベーション基本計画の柱建てといいますか、この構成、これを支えるようなことを前提に考えております。
 すなわち、第6期の科学技術・イノベーション基本計画におきましては、中ほどに3つの柱が示されております。「国民の安全と安心を確保する持続可能で強靱な社会への変革」、「知のフロンティアを開拓し価値創造の源泉となる研究力の強化」、「一人ひとりの多様な幸せ(well-being)と課題への挑戦を実現する教育・人材育成」、この3つの柱を建てて取り組むとされておりますので、次期中長期目標におきましても、これを踏まえた上での構成というふうに考えております。
 次の項目の柱建て見直しは、次のページで図示させていただきたいと思いますので、説明を割愛させていただきます。
 では、次のページをお願いします。
 今申し上げたものを少し繰り返しの部分がございますが、まず、第6期の基本計画と、今回の目標との関係は、JSTの主要事業との対応関係について、少し御説明させていただきたいと思います。
 第6期科学技術・イノベーション基本計画では、今申し上げました1、2、3と、3つ大きく柱がございます。
 このうち1つ目の柱に関しましては、そのさらに中ほどの項目では、例えば、価値共創型の新たな産業を創出するようなイノベーション・エコシステムの形成といったこともうたわれておりまして、これはJSTの対応事業で申しますと、例えば産学連携系の事業全般、こういったものが対応させていただいているところでございます。
 また、地球規模課題の克服に向けた社会変革、非連続のイノベーションの推進、あるいは、様々な社会課題を解決するための研究開発、あるいは社会実装の推進、総合知の活用と、こういった項目がございまして、これはJSTの事業で申しますと、非常にハイインパクトなムーンショット型の研究開発ですとか、あとは社会科学以外の開発というところで申しますと、社会技術研究開発、RISTEXというセンターでやっております。あるいは、CRDSをはじめとするシンクタンク系向けの事業全般、こういったところがJSTの取組としては対応しているところでございます。
 2つ目、知のフロンティアを開拓し価値創造の源泉となる研究力の強化、こちらの項目に関しましては、JSTで申し上げますと、基本的には、基礎的な研究を事業としまして、戦略創造研究推進事業ですとか、未来社会創造事業ということで、基本的には知のフロンティアの開拓の源泉となるという、基礎的、基盤的なところの位置づけを持った事業が対応しているというふうに考えております。
 3つ目の項目は、教育・人材育成とされておりまして、これはJST事業で申しますと、人材育成事業全般ということで、例えば、スーパー・サイエンス・ハイスクールをはじめとするような次世代の人材育成というところから、あるいは、大人のPMの研修ですとか、研究公正のための取組、こういった人材育育成事業全般が対応させていただいているというふうに考えております。
 これを踏まえまして、今回、こちらは今、図示させていただいているのが、新しい次期の中長期目標における柱建てとして考えているものとなってございます。
 まず、色で薄いピンクと水色、黄色で塗り分けしているところが、今申し上げました第6期の基本計画の3つの柱建てに対応しております。これに合わせまして、JSTの事業を分かりやすいように少し分類をして整理をさせていただいておりまして、項目としましては、まず、1と2というところが基本計画の1つ目の柱に対応しておりまして、その中でも、2ポツのほうを先に申しますと、社会変革に対応する研究開発ということで、先ほど申し上げた産学連携系の事業ですとか、ムーンショット型の研究開発、こういったファンディング的なものを整理させていただいております。
 1ポツのほうの社会変革へ向けた研究開発戦略の立案、社会との共創ということで、CRDSをはじめとするシンクタンク系の取組というものと、右上の、1.3.社会との対話・協働の深化というものを位置づけさせていただいております。
 こちらは、今回、現行の中長期目標とは大きく2点、変更点といいますか、ポイントがございまして、それが右上の1.3.の赤字と、左下に、もう1つ、4.1.の赤字がございます。この2点がございまして、まず、社会との対話・協働との深化というところが、今回、少し今までと整理を変えているところでございます。こちらが、中としては、未来共創推進事業と社会技術研究開発と2つございますが、未来共創推進事業とは、いわゆる日本科学未来館をはじめとした科学技術コミュニケーションに関する取組、社会技術研究開発というのが、RISTEXというところで行っております社会課題を科学技術で解決をしていくというところにファンディングをしていく、いわゆる研究費を配るような事業を推進しているような取組ということで、現状であれば、それぞれ別々に整理をされておるものです。ただ、こちらは、今回、社会との共創という政策的観点で見たときに、目的を達するために、日本科学未来館というハードを使うのか、それとも研究費を配るという手段を使うのかというのは、いずれも手段でありますので、今回、政策目標と照らして、ここはシナジーを求めることができるのではないかということを考えた上で、今回こちらに新しくまとめて整理をさせていただいているところでございます。こちらが今回の変更点の大きなポイントの1つとなっております。
 中ほどへ進みまして、3ポツ、新たな価値創造の源泉となる研究開発の推進、こちらは先ほど申し上げた基本計画2の柱と一致する形で、戦略創造研究推進事業ですとか、あと、先端的低炭素技術開発、未来社会創造事業といった、比較的基礎研究寄りのフェーズのものを対応させていただいておるところでございます。
 次、下に移りまして、4ポツ、多様な人材の支援・育成が、基本計画で申しますところの、いわゆるWell-beingに向けた教育・人材育成というところと対応させていただいております。
 先に申しますと、4.2.の多様な人材の育成というのが従前で申し上げるところのJSTの人材育成事業と対応しておりまして、いわゆるSSHをはじめとする次世代人材育成、あるいはプロジェクトマネージャーの育成、研究公正に係る推進の取組といったものが含まれておりまして、4.1.の赤字、創発的研究の推進が今回、現行との差分となる2つのポイントのうちの2つ目となってございます。
 創発的研究支援事業は、御承知のとおり、いわゆる研究費を配る研究ファンディング事業でございますが、ほかの事業は、例えば戦略目標を立てて、その目標推進のために研究費を投じるといったような、研究を推進するのが基本的なファンディング構造だと思うんですけれども、創発的研究の場合は、研究自身はそれ自身にベクトルを必ずしも持っているわけではなくて、創発的な研究ということで、非常に将来的に優秀だと、よいと思われる研究の支援をするというスキームですが、非常にその方の能力に着目をしておりまして、優れた研究者の能力を最大限発揮できるような環境を整備する、そしてそれを支援するという位置づけでございます。
 加えまして、今年度からは、次世代研究者挑戦的研究プログラムと、いわゆる博士課程の学生に対して、生活費、生活相当額、これと併せまして、支援をするというスキームも併せて包含しておりますので、こちらは、今回、人材育成の文脈の中で、今後捉えたほうがよいのではないかということで、今回、人材の支援・育成という形にした上で、4ポツの中に整理をさせていただいてございます。
 次が、5ポツ、科学技術イノベーション基盤の強化ということで、こちらは情報基盤の強化と国際戦略基盤の強化、いわゆる情報と国際を基盤として捉え直しております。こちらは基本計画の関係で申しますと、いずれにも横断的にそれぞれにかかってくる取組というところもございまして、いずれも支える基盤であるというふうな捉え方をして、今回このような整理とさせていただいております。
 最後、6ポツ、大学ファンドによる世界レベルの研究基盤の構築、こちらも、従前、今、大学ファンドに関しましては、まず、運用の体制の立ち上げというところを取り組んでいるところ、今回も項立てとして、それに準じた形で、今、整理をさせていただいているところでございます。
 次のページに進んでください。
 今御説明した新しい次期中長期目標と、現行の目標を比較するとどうなるかということを少しだけお伝えしようと思いまして、このような点線で囲ったものを御用意しております。今、紫の点線、緑の点線、赤の点線と3つ分類していますのが、これが今の現行の中長期目標の項立てとなっています。そうやって見ていただきますと、現行の中長期目標というのは、いわゆる真ん中の緑のところが非常に広くなっておりまして、その中から、今回、ポイントの1つとしては、まず、右上のところの未来共創推進、日本科学未来館ですとかの科学技術コミュニケーションの取組と、社会技術への研究、社会課題解決のための社会技術研究開発のファンディング的なものというのを2つ繰り出して右上に持ってきたところが1点。
 あとは、左下にあります、今まではファンディングということで、大きな緑のくくりの中にいたんですけれども、人材の支援ということで、創発的研究の支援を、今回、左下の新しい人材の支援・育成というところに繰り出すというのが2つ目のポイントというふうになってございます。
 その上で、今、非常に広いこの緑の点線を、先ほどの第6期の基本計画、この柱建てを合わせて3つに分類して、両者にかかっていくものを5ポツの基盤というような形で捉え直すというような整理を今回させていただいているところでございます。
 以上が、まず機構の事業、研究開発の最大化の取組と言われている各事業の新しい項立てとしての整備を考えてございます。
 次のページからは、全体としては、業務の運営の効率化で、財務の健全化ですとかのガバナンス側のほうの話に移りますが、前回、JST部会におきまして、JSTの見直し内容についてということで、事務方のペーパーについて御意見を賜ったところでございます。その際のペーパーは、文科省から総務省のほうにお出ししておりまして、独法評価の仕組み上、今現在、総務省のほうで、我々が出した内容を見直しの内容も踏まえつつ、JSTをどういうふうに見直すのがよいのかという御議論を今、総務省側の独法評価委員会などで行っておりまして、これは、後日また向こうのほうから正式に、こういうふうにしたほうがいいのではないかという御意見が返ってくるというプロセスになっております。
 まず、文科省から総務省に出した見直し内容ということで、改めてポイントだけお伝えしますと、前回御説明したとおりですが、1ポツ、政策上の要請及び現状の課題としまして、大きく2つ。
 まず、位置づけに関しては、基本計画の中核的な機関、これは変わらないというのが従前御説明しているとおりでございます。
 そしてもう1つ、職員の高年齢化、かつ事業数が非常に今増えていると。ただ、職員はむしろ減っているぐらいというところで、非常に限られた職員で対応しないといけない。職員の能力向上というものも必要になってきているというところを指摘させていただいておりまして、これに対する講ずべき措置として、まず、人の観点で言えば、若手職員採用、中途採用、定年延長、あるいは再雇用と、年齢、性別を問わず、多様な職員を活用していくということ。あるいは、DX化のような業務の効率化に取り組んでいくと。
 加えまして、能力開発という意味では、他のファンディングエージェンシーとの人事交流も含めて、各社の様々な機関との連携をするですとか、研修の機会を提供するといったことによって、資質・能力の向上を図るというのが、人の観点での1つの対応措置というふうに挙げさせていただいております。
 もう1つが、下のところでして、事業の効率化を行うとともに、相対的に必要性の低下が予見される事業、プログラムについては、見直し、廃止、類似事業の統合、こういったものをしっかりと検討していくという組織事業的な見直しということと、2つ大きく挙げさせていただいているところでございます。
 これらにつきましては、総務省のほうにお伝えしまして、今、総務省の審議会で御議論いただいているところです。今聞いているところでは、総務省さんのほうでは、来週11月22日の議論で、文科省に対する見直しに向けての意見というものを取りまとめをするというふうに聞いておりますので、次回12月のときには正式にどういう意見があったかということを合わせた上での御議論ができると思っております。
 一方で、もう既に10月14日に、総務省側では一度、我々のお送りした見直し内容を踏まえた議論を行っておりまして、そのときの先方のほうの議論の該当部分が、今、お示ししている(4)というふうに書いてあるところでございます。
 恐らくは、11月22日のものも、基本的にはここに書いてある内容をベースにしたような御指摘がまとめられて、こちらへ戻ってくるのではないかというふうに考えております。
 4点大きくありますが、基本的には、いずれも対応させていただくというところで考えております。その中で特に、今までのこちらの議論の中ではなかった新しいポイントとしましては、下線を引かせていただいております2つ目の点がございます。
 こちらが研究者のダイバーシティ推進の観点から、女性の研究者、若手研究者等の申請者数を増加させるための取組、あるいは、それと関係しまして、年齢構成等を考慮した審査体制、こういったことを行う取組というのを目標に盛り込んではどうかという御指摘をいただいておりまして、これも次期の中長期目標には、今、これから御説明させていただく案の中で取り込みたいというふうに考えております。
 このほかには、1つ目で申しますと、ダイバーシティの推進と、年齢、性別問わず多様な人材の確保、事業の効率化・統廃合を進める、これはまさに先ほど御説明した点と一致したような御指摘。あとは、上から3つ目、大学ファンドの事業について、JST法で定められております基本指針、この内容を踏まえて、しっかりと運用するという、これも当然対応したいと思っております点。
 最後、一番下のところは、研究開発成果を課題解決につなげていくために、様々なステークホルダーとの連携をしっかりと進めるということ。あるいは、SDGsをはじめとした社会の貢献に対して、研究成果の情報発信にしっかり取り組むということ、あるいは、民間資金確保など、マーケティング意識を持って取り組むこと、こういったことも目標に盛り込んではどうかというふうに伺っておりまして、これも各省において、今回の次期中長期目標の検討においては、今、反映をさせていただいているところでございます。
 少し繰り返しがありますが、今、既にもう御指摘いただいている点についての反映のポイントとしましては、まず1つ目の人に関するところに関しましては、人材活用に関する事項というのがありますので、そちらの中でまず盛り込ませていただいております。
 2つ目、事業の効率化ですとか、廃止、類似事業、統合、こういった不断の見直しを行うということにつきましては、組織体制及び事業の見直しという項目を、今回新しく新設をする形で項立てを考えておりますので、しっかりと位置づけた上で取り組みたいというふうに考えております。
 3つ目、これが総務省のほうから恐らく来るであろう新しいポイントとしての女性研究者、若手研究者の申請者数を増加させる、あるいは、そのための審査体制を構築するといったことにつきましても、多様な人材の支援・育成の項がございますので、この中で取り組むことをしっかりと明記させていただいておるところでございます。
 資料1-1につきましては、ポイント、概略につきまして、以上となってございます。
【五十嵐部会長】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問、御意見等ございましたらお願いします。時間は30分たっぷり取ってありますので、活発な御議論をお願いいたします。
 はい、どうぞ。長坂先生。
【長坂委員】  長坂です。教えていただきたいことがあります。
 今の御説明の3枚目に関してです。今の御説明ですと、赤くしてあるところ、1.3.の部分と4.1.のところが新たな部分だというふうに理解したんですけれども、その部分に書いてあることと、令和3年と令和4年の予算額の違いが対応しているのかどうかということをお伺いしたいんです。4.1.については、創発的研究が0.6億円から85億円になって、これは納得できるんですが、日本科学未来館を含めた社会との対話のような、サイエンスコミュニケーションですね。これはあまり変わらないというのが、ここまで赤く書いてあって、もっと増やさなくていいのだろうかということを疑問に思ったんですが、いかがでしょうか。よろしくお願いします。
【澄川課長補佐】  今期の次期目標の改定におきましては、まず、現状の取組、現状取り組んでいる事業というものを、今後どういうふうに整理をするのかということで、改めてそういう意味では組替えというような形が基本的なつくりとなっております。
 その上で、今期、見直しをした上で、次期中目の5年間の中で、これらの事業を、新しい取組というか、新しい組合せの中でシナジーを出すという発想で、今回、組合わせていただいておりまして、その意味で申しますと、今年から来年にかけての予算要求の中で、明示的に何か大きく事業が膨らむとか、変えるというところを、今、意思決定が必ずしもされているものではございません。
 ただ、これを意思決定して、1.3.ということで新しい項目をつけた中で、恐らくそれぞれの連携の中で新しい取組ですとか、こういったものが出てくれば、それに必要な所要の予算要求といったものは当然あり得るのではないかというふうに考えております。
 あともう1点、補足でして、創発的研究支援のほうも、すみません、0.6億から85億ということで、今年、増額の要求をさせていただいているので、数字自体は全く正しいんですけれども、創発的研究支援事業自体も、これは基金事業になっておりまして、若干語弊のある資料のつくりになっているんですけれども、これのほかに、もともと創発は500億最初について、昨年の補正でさらに300ほどついているので、基金として800億円の基金をまず保持しております。その上で、また今年、このような額の要求をさせていただいているところでございます。
【長坂委員】  分かりました。そうすると、まだもうちょっとこれから先、増える可能性もあるということですね。
 それに併せて、予算の額で言うと、2番目の社会変革に資する研究開発の部分ですけれども、ここはあまり変わっていないにもかかわらず、3からR4で2割、3割ぐらいアップしているというのが、これも具体的に何か明確な、ここが一番、3割増というのはどういうことなんでしょうか。
【澄川課長補佐】  予算要求事業自体は、例年というふうに、数字としては、これは実は概算要求の資料になっております。一般にと申し上げてはあれなのか分からないですけれども、基本的には、法人の予算要求というのは、大体従前の2割とか3割みたいな形で要求はさせていただいておりますが、恐らくこれから年末にかけて政府予算案というものがあって、財務省の査定をいただいた上で国会に提出する予算案というものを策定することになりますが、その段階では、またある程度絞られるところは恐らくあるだろうなということの上での要求額というふうになっておりまして、その上でも、特に例年で申しますと、やはり研究開発、ファンディングです、研究費の確保に関する事業というのは、特に例年多く要求をさせていただいているという傾向はあるように思います。
【長坂委員】  分かりました。だから2と3が多くなっているんですね、形の上で。
【澄川課長補佐】  そうですね。ファンディングプログラムはかなり、大分高めに手を挙げているというのはございます。
【長坂委員】  分かりました。
【澄川課長補佐】  ただ、例えばですけれども、CRDSのシンクタンクのようなものは、やはり調査をする、継続的に調査研究を進めていくという特性上、その運営費が突然2倍になるかと言われると、なかなかそういうところではないというのもあるので、恐らくファンディングであるというような特性の中で、予算要求で見ると、非常に大きな額を今、要求させていただいているようなふうに見えるのかなというふうには推察しています。
【長坂委員】  ありがとうございました。
【ベントン委員】  ベントンですけれども、よろしいでしょうか。
【五十嵐部会長】  ベントン先生、よろしいですか。では、先にベントン先生からどうぞ。
【ベントン委員】  どうもすみません。
 この同じページですけれども、4ページ目の「5.2.国際戦略基盤」は国際の基盤を強化するということですけれど、11億円の多少の増になっています。この増で具体的にどういうことを考えているんですか。
【澄川課長補佐】  こちらに関しましても、国際基盤の中は非常に取組としては幅広くございまして、SATREPS、CICORP、こちらに関しては、いわゆるファンディングですので、研究費をお配りする系のプログラムとなっています。
 その上で、さくらサイエンスプランのようなサイエンス交流事業といったものに関しては、いわゆる招聘事業となってございまして、あとは、外国人宿舎の維持運営とか、海外事務所の運営とか、そういった基盤的なものも当然入ってくるのでございますが、その中で申しますと、やはりSATREPS、CICORPのような研究費的なものというのは、一定増額をしておりますし、さくらサイエンス交流事業も、いわゆるコロナの影響で、昨年かなり渡航することが当然できませんので、それに合わせて予算の減額ということも起こっております。そうすると、今度はコロナが回復してくると、やはり交流する人はもっと増えるであろうということもあって、概算要求で予算を要求させていただいているといったようなことで増額をしている部分がございます。
【ベントン委員】  分かりました。基本的に今やっているものを強化するということですね。
【澄川課長補佐】  そうです。
【ベントン委員】  はい、ありがとうございます。
【五十嵐部会長】  よろしいですか。
 それでは、お待たせしました。瀧澤先生、どうぞ。
【瀧澤委員】  どうもありがとうございます。今、3ページと4ページを見比べながら、1.3.の赤いところですよね、新しく未来共創推進事業と社会技術研究開発をシナジー効果を生み出すようなことを考えておられるということで、その具体的な内容をちょっと教えていただきたいのと、多分、アウトカムを意識したようなファンディングを何か考えておられるのかなというような気がするんですけれども。
 一方で、4ページの従前の区切りでは、この緑の枠に入っていた社会技術研究開発というものが、新たに1.3.のほうに割り込んでくるような形になると思うんですけれども、それで、予算のほうはそれほど増えていないということは、総合的に考えると、ちょっと言いにくいですけれども、社会、コミュニケーション的なところが少し削られるのかなというような危惧もしているんですが、その辺の中身をもう少し詳しく教えていただければと思います。
 以上です。
【澄川課長補佐】  そうですね。今まだ政府予算は概算要求の時点ですので、最終的に予算額が幾らになるかというのはまだ分からない前提ですけれども、一応全体としては、今見ていただくと、右上、47億から48億ということで、大幅な増額要求はしておりませんが、一定の要求はさせていただいているというふうには考えております。その意味で、こちらとしても、当然何かシュリンクをさせることを意図しているわけでは全くございません。
 その上で、今回こういった議論をする中で考えておりますのが、まず、未来共創推進事業というのは、いわゆる日本科学未来館がまず運用されております。この予算が1つ、これが30億ぐらいあるので大体大きいんですけれども、日本科学未来館は、今、物理的にも、お台場のほうに日本科学未来館を建てておりますので、職員もそこで雇用されて働いている。割とそこで1つの単位を形成しております。
 また、これと別に、科学技術コミュケーションと言いますと、例えばサイエンスアゴラのようなサイエンス系のイベント的なものをやったりとか、そういった日本科学未来館にとらわれない科学技術コミュニケーションの取組というのは、「科学と社会」推進部というまた別の組織がJST本体の中にございまして、そこはそこでまたやっているところもございます。
 さらに、社会技術研究開発というのは、先ほど、ファンディングというふうに申しましたが、ここはもともと通常の、例えば目標を立てて、この分野の研究開発をするとか、そういうものとは少し色合いを変えていて、経営的には、いわゆる研究開発の成果というので社会の課題を解決するんだと、かつ、人文社会の知見みたいなものを混ぜた上で、そういったものを解決に使っていくんだということを意図したファンディングになっていまして、実はこれ、どういった課題設定をして、どういった解決をするかというところを、自ら少し自分で考えるような調査チームみたいなものを包含した形での、これはRISTEXでセンターをつくるんですけれども、その1つだけで、1つのセンターといいますか、組織のくくりを持ったような形で考えるところから、実際にファンディングするところまで一気通貫でやっているところがございまして、そうしますと、実はそういったどういった社会課題を解決するかと考えるというのは、まさに科学技術の社会でどういうところが求められているかということを拾い上げていく作業から始まりますし、日本科学未来館というところと、「科学と社会」推進部というところは、それぞれ科学技術コミュニケーションというものをそれぞれ行っていて、実は非常に連関している部分はあるというふうに考えております。
 こういったところは、若干、言い方はあれですけれども、それぞれの部でやっているというところは、よい面もあると思うんですけれども、やはり連携していくという観点においては、十分にできていないのではないかというような思いもあります。
 そういったところで、今回これを、今まではそういう意味でいうと、なぜ分かれているかというと、やはり日本科学未来館は日本科学未来館という箱を持っているですとか、社会技術に関してはファンディングであるという、ツールというか手段、手段によって割と分かれていたところがあるのかなというふうに理解しておりまして、今回そこは、目標というのは基本的に政策的にこちらを目標としてこういう実現をしてほしいという方向性を示すものですので、考え方に合わせて今回まとめさせていただくと。こういった形にまとめることによって、では、それで一体としてどういうアウトカムを出してくるんですかというのは、当然、独法評価でそれを求められることになっていきますので、こういった形でシナジーを出したような取組というものをさらに求めていきたいというような考え方に基づきまして、今回少し整理をさせていただいているところでございます。
【瀧澤委員】  分かりました。ありがとうございました。
【五十嵐部会長】  ありがとうございました。
【金澤委員】  よろしいでしょうか。
【五十嵐部会長】  どうぞ、金澤先生。
【金澤委員】  ありがとうございます。柱建てについてですけれども、従来、大部分が1つの柱の中に収まっているという形を、中を少し分割してみようというのはいい取組ではないかと思います。
 研究開発に関係する2番、3番があって、それを横断的に支える1番があって、それらの基盤としての4、5、6があるという整理は、非常に分かりやすい整理ではないかと思います。
 お話のあった中で、1.3.の社会との対話・協働の深化というのを1の中につくったというところ、ポイントの1番目だというお話がありましたけれども、非常に重要だと思います。
 ただ、柱建てを見ると、社会変革に向けた研究開発戦略の立案と社会との共創ということで、並列で書いてあります。御説明の中では、対話・協働を深化する、それを通じて戦略の立案だとかシナリオの構築に生かしていくというようなことだったかと思うんですが、両者の関係が非常に重要で、1.3.を1の中に入れたことが重要ですので、そのことをもう少し強調していただければいいのではないかなと思いました。
 以上です。
【澄川課長補佐】  ありがとうございました。
【五十嵐部会長】  ありがとうございました。
 どうぞ。
【澄川課長補佐】  よろしいですか、一言だけ。
 御指摘のとおりだと思っておりまして、その意味では、今、違いを説明したもので、紫のところに1.3.が追加されているように見えておるんですけれども、項としては、当然、1という大きなくくりの中で、1の1、2、3というふうにあると捉えておりますし、その意味で申しますと、1の中も、いわゆるCRDSという、従前、独法化したときから、特に分野を定めずに全般的に行っている戦略策定をするCRDSに加えて、1.2.ということで、1.2.で書いておりますのは、アジア・太平洋総合研究センター(APRC)というのは、特にアジア、中国とか、非常に力をつけているアジアですとか大洋州とのコミュニケーションを強化するというところでつけたもの、あるいは、LCSは低炭素社会戦略センターで、季候温暖化とか、最初のカーボンニュートラル、こういった政策的な大きな流れの中で、特にその中でも役目を持って独自にできてきたものが1.2.のほうに位置づけられておりますが、その意味で見ると、1.3.も大きなファミリーの中で、ある程度の独立した目的を持ったものというような、その意味で1、2、3と分かれておりますが、全体としては、横断的に全体に資していくものということで1という全体のかさをつくっているというふうに理解していますので、御指摘を踏まえて推進していけたらなというふうに思っております。ありがとうございます。
【金澤委員】  ありがとうございます。中でどのようにシナジーを出すかというところが新しい長期目標のポイントだと思いますので、ぜひそういった点を重視して進めていただければと思います。
【五十嵐部会長】  ありがとうございました。
【久保委員】  久保ですけれども、よろしいでしょうか。
【五十嵐部会長】  はい、どうぞ。
【久保委員】  ここは基本的には柱建てということでございまして、既存のものをどう組み替えるか。科学技術・イノベーション基本計画がありますので、それにのっとって分けていって、その中で少しリバイスしたということで、内容そのものは私も賛成するべきところであって、これはあくまで章立てというか、柱建てなので、これに基づいてどういう目標にそれぞれしていくかということが非常に重要だと思っているので、それはこれから聞かせていただけるのだと思っています。
 科学日本科学未来館のところについて言いますと、私としては、どちらかというと、本当は人材育成のところにもっと絡めてもいいかなという印象もあるんですが、先ほどの社会技術研究開発との連携を含めてシナジーを想定されているということであるのであれば、そこの目標をクリアに示していただいて、最終的に成果を出すという形になればいいかなと思っています。
 こちらの柱建てはいいんですけれども、もう1つ、ガバナンスのほう、後半のほうです。どんどん高齢化を含めて人が減る中で、予算措置とかをどうするか。単純に能力を上げるという形だけに収まっているんですけれども、必要な要員という、つまり、中長期目標というときには、やっぱり要員計画、要員目標があって、それは統廃合してなくすものから、こちらに移っていくことがあってもいいし、あるいはDXとかを使っていって業務を効率化することもあってもいいですけれども、そういうものを踏まえた上で、中長期が終わった時点で、どんな人員配置を想定しているかという形があって、結果として、このぐらいのコストになるというふうにしていくことが大事かなと思っていて、単純に能力を上げて、みんな頑張りましょうというのは、これだけでいいのかなというのは正直、場合によっては、人を増やす、費用を増やすということがあってもいいようなものだと思うので、その辺りはぜひ御検討いただきたいと思いました。
 以上です。
【澄川課長補佐】  ありがとうございます。今のに対する直球のお答えになるかというのはあるんですけれども、独法制度というもの自身は、理事長にガバナンスを持たせた上で、その理事長のリーダーシップで運用していただくという構造になっているので、そういう意味で申しますと、実は組織の見直しですとか、その中のガバナンスをどう図っていって、どういう姿に持っていくかという具体のところは、法人の裁量というのはある程度、そのための独立行政法人というような想定の中で制度設計がされている部分もあるというふうには考えております。
 その意味で申しますと、今回、文科省としては、今まで役所のほうでどんどん事業が増えていくのをJSTに担っていただくという中で、こちらとしては、ある意味では、そういうお願いばかりしている中で、やはりJSTのキャパシティというものもあるだろうというところがあって、こちらのほうから、むしろそこをちゃんと整理をしたほうがいいということも併せて、アクセルばかりではなくて、ブレーキを明示的に、変な話になると、我々の中にもそれぞれ担当部局がそれぞれ存在をしていて、担当部局とすると、自分の事業は推進してほしいというのは当然の構造なんですけれども、その中で、やはりそこにバランスを一定取るために、文科省側の目標においても、そういったところをしっかり見直してくれと、取り組んでくれということをこちらのほうから申し上げているのは、今の柱建てだというふうに考えております。
 それを踏まえた上で、実際に具体にどういうふうな姿にするのかというところは、まさに理事長がガバナンスをする中で考えていただく部分であるというふうに思っていまして、その意味では、1つは目標に対して計画が法人のほうからまた策定をされるという関係にあるので、我々が方向性を示したことに対して、計画でどのような形で返していただくのか。それを実際に実行していただくのかというところのキャッチボールの中で恐らく見えてくるものだと思っておりまして、さらには、それを独法評価という形の中で、それがしっかり履行されているかということを評価をいただくというような仕組みになっているというふうに考えております。
 なので、目標だけで、文科省がこうしろというところに全部決められるかというと、多分そこではないんですけれども、ただ、独法評価システム自体、今申し上げたようになっていますので、また独法評価等々も通じて、引き続き御指導といいますか、御意見を賜りたいというふうに考えております。
 以上です。
【久保委員】  分かりました。ありがとうございます。引き続き、よろしくお願いします。
【川北委員】  川北ですけれども、よろしいでしょうか。
【五十嵐部会長】  どうぞ、川北先生。
【川北委員】  大学ファンドに関しまして、少し質問をさせていただきたいんですけれども、特に議論になっていました人材のところにも関係するんですけれども、大学ファンドの人材というのは、今どういうふうな議論になっているのかということと、当面のところ、外部から人を集めてくるということにならざるを得ないと思うんですけれども、そうは言っても、継続性というか、そういうことを考えると、やっぱり内部で人を育てていくということも必要になってくると思うんですけれども、その辺り、どういうふうにお考えなのか、質問をさせていただければと思っています。
【澄川課長補佐】  ありがとうございます。ファンドの関係、振興局、もしおられましたらお願いしてもよろしいでしょうか。
【奥野振興企画課長】  分かりました。振興企画課長の奥野でございます。
 まず、大学ファンドのガバナンスに関しての体制ですが、全体として2点ございます。
 1点目は、既に成立いたしましたJST法の改正に基づきまして、文部科学省の側で体制整備を進めていくという観点と、先ほど人材政策課が申し上げましたとおり、法人の裁量の中で体制を進めていくという観点がございます。
 まず、全体のガバナンスにつきましては、法律に基づきまして、本年6月に、まずは投資のリーダーといたしまして、運用業務担当理事として農林中金から来た理事をJSTにおいてお迎えして、その過程で文部科学省としてその人事を承認してございます。
 また、この10月には、今度は法人の運用指針のリスク管理、モニタリング等を、より慎重を期するという観点から、運用・監視委員会というのを10月1日に任命してございまして、そういった形で国の側の権限としての独立行政法人の体制整備を行ってございます。
 また、さらに監査機能の強化につきましては、今後の監事の次期の人選等を踏まえて、より一層のガバナンスの強化を図ってまいる必要があると考えてございます。
 その上で、御質問がございました実際に大学ファンドの運用に当たりますJSTの職員の確保、もしくはJST職員の能力の強化に関しては、一義的にはJSTの側で現在検討を進め、また、個々の配置された職員の能力の向上だけではなく、やはり新しい専門的な仕事ではございますので、特に運用に関しては、金融関係の専門知識を持った職員の新たな雇用等につきまして、JSTの資金運用部門において、今まさに検討を進めているところでございます。
 また、御指摘ございましたとおり、JSTの中において、職員の能力を向上していくという観点につきましては、この運用等に関して議論いただいております内閣府等の合議体の御議論等も踏まえまして、JSTの中においても、今後、職員の能力向上等に関しても取り組んでいくこととなってございますので、こちらにつきましては、先ほど人材政策課が申し上げましたとおり、今後、JSTの側の計画等を踏まえまして、国が任命している体制と、JSTが自身で構築する体制と併せて、そのガバナンスをしっかりと機能させるように努めてまいりたいと考えているところでございます。
 以上です。
【川北委員】  はい、分かりました。ありがとうございます。
【五十嵐部会長】  よろしいですか。
 ほかの委員の方々から、御質問……。
 どうぞ、長坂先生。
【長坂委員】  もう1点伺いたいんですけれども、6ページ目です。これは、総務省で今、検討されている見直し内容だと思うんですが、やはり2ポツ目のアンダーラインの部分です。
 最初の「研究者のダイバーシティを推進する観点から、女性研究者や若手研究者等の申請者数を増加させるための取組」、これはとても難しいことですけれども、よく分かります。
 問題は、分からないのはこの次でして、「年齢構成等を考慮した審査体制を構築する等の取組」というのは、これを盛り込んだらどうかと言われて、それを文書に入れるのはいいんですけれども、具体的に何を言っているのか私にはちょっとよく分からなくて、最初の文章とリンクしていないんだと思うんですけれども、その審査をする側の年齢構成が、すごく、例えば高齢化し過ぎているので、もっと若い人も入れて審査体制をつくったほうがいいということを言っているんでしょうか。それとも別のことなんでしょうか。これは結構重要なことで、これはもっと難しいことかと思うので伺いたいです。
【澄川課長補佐】  ありがとうございます。結論から申しますと、御指摘のとおりでございまして、私も総務省の委員会を傍聴というか、拝聴しておったんですけれども、そのときの議論の中では、まず、当然、今は女性ですとか若手研究者にもっと機会を与えていくと、科学技術の分野の採択率みたいなものを見ていくと、やはり十分に高いとはなかなか言えないというのはファクトとしてもございます。
 そういった御指摘の流れの中で、審査の話にも及んでおりまして、そのときに言われておりますのは、いわゆるファンディングの審査委員みたいなものを見ると、どうしても年配の男性の方がずらっと並んでいると。そういう状況の中で、やっぱりその採択の結果というところは、やっぱり何かあるのではないかというようなニュアンスでの御意見といいますか、御発言もございましたので、そういったところを観点に置いた上で、念頭に置いた上で、このような御指摘といいますか、記載が行われているところであるというふうに私たちは理解をしております。
【長坂委員】  分かりました。そうだと思って聞いたんですけれども、それは私、とても難しくて危険な判断で、確かに女性や若い人を入れる必要があるのも間違いなくて、それが審査体制、あるいは審査する側の責任が大きいというのも、もちろん当たり前だと思うんです。けれども、では、女性や若手研究者を審査の中に増やせば、そういう人たちが増える審査ができるかというと、私は全然そう思わなくて、もしそう思うのであれば、審査員がそういう年齢層を代表するような形で入るということを意味して、それはおかしいと。やはり競争的資金なり何なりで、研究を見て、それでよければいい。しかし、審査、申請されないものは採択できないし、申請される中で、相対的に比較しながら、女性研究者や若手研究者を増やす努力をするということだと思うので、それができるのは、やはり相当経験のある審査員であって、もちろん若い人や女性を入れていいと思うんですけれども、逆に変なほうに思い切り振れてしまうと、とても間違った答えになりそうだと私は思うので、ちょっと申し上げました。ちょっと気になりました。根幹を成す部分なので、審査体制については慎重を期す必要があると思います。しかし、このベクトルは絶対重要で、それをよく考えた上で、そういう答えが、その審査体制から本当に出てくるかということを常時ウォッチして、それに見合うような形で徐々に変えていくというのが現実的なのかなと思います。私の意見ですけれども。
 以上です。
【澄川課長補佐】  ありがとうございました。
【五十嵐部会長】  ありがとうございました。
 ほかに委員の方々から、御意見、御質問ございますでしょうか。
【ベントン委員】  1つ、ベントンです。よろしいでしょうか。
【五十嵐部会長】  どうぞ。
【ベントン委員】  ありがとうございます。さっきの人材のダイバーシティのところで女性、年齢を勘案している話しでしたが、外国人研究者についてはいかがですか?サイエンスやすべてのSDGsはグローバルな課題です。外国人の研究者が日本にきて、ショートタームだけではなくて、長期にコラボレーションしてもらって、日本のサイエンスに貢献することはとても重要です。外国人の研究者が日本に来てもらっても、さまざまな課題に直面します。もちろん言葉の問題もありますが、給料、生活面などのさまざまな課題があります。優秀な外国人研究者が日本に来てもらう政策も必要です。
【澄川課長補佐】  それで申しますと、まず、ダイバーシティの観点というところでいうと、どうしてもいつも女性と若手ということばかり言ってしまうんですけれども、これも女性研究者や若手研究紗等と、例えばこの文言でもついていて、その女性と若手だけを申し上げているわけではないので、当然、外国人研究者の方々に活躍していただくということも私たちは含まれているというふうに考えておりますし、例えばその意味で申しますと、もともと古くから外国人宿舎のようなものを建ててというところは、今言ったような外国人研究者の方に来ていただいてというところから、もともとやっているものでもあります。
 加えて、今は国際の関係ですけれども、そういった中でも、あとは戦略です。戦略などでも国際共同研究とかの推進などもしていまして、そういう中で、自分で言っておきながらあれですけれども、国際関係のところでも、今、国際頭脳循環とか、日本人が向こうに行くのもそうですし、向こうから、外国から研究者の方に来ていただく、双方向での取組というのが、今、全体の潮流として重要だというふうに言われておりますので、そういったところは各ファンディングの中でも取り組んでいく流れの中で今やっているものだというふうには理解しております。
【ベントン委員】  そうすれば、やっぱり「等」というのは、あまり目立たないですので、もうちょっとはっきりと書いたほうがいいと思います。
【澄川課長補佐】  分かりました。ありがとうございます。
【ベントン委員】  はっきり書かないと目立たないと思います。忘れられてしまうんですね。直面している課題がグローバルです。日本には、やっぱり優秀な人を世界から呼び込まないとなかなか大変だと思います。よろしくお願いします。
【澄川課長補佐】  ありがとうございます。
【五十嵐部会長】  ありがとうございました。
 ほかに御意見、御質問ございますでしょうか。
 それでは、ちょっと私から1点よろしいですか。2ページ、もともと今回大きくJSTの中を組み替えるわけですけれども、大変いいなと思っています。2ページを開けていただけますでしょうか。
 この組替えの理念というんですか、こういう今回の第6期科学技術・イノベーション基本計画、これで示された1、2、3、これに基づいてJSTの中を組み替えるという話で、組み替えた後、この後、この組替えの中で予算配分とか、あるいは融合とかを、そこを検討していくという話ですので、まず、これは中期目標としては非常にいいなというふうに思っています。
 私ども産業界も、私は経団連と産業競争力懇談会でここを随分検討したんですけれども、この中で1番と3番、これがある意味、基本計画の目的ですよね。まず、持続可能で強靱な社会への変革と、それから一人ひとりの多様な幸せを求める、これも社会変革ですよね。1番と3番が第6期での求める目標であって、2番が手段です。科学技術ですから、科学技術を使って新しい社会を切り開いていくという話で、JSTは、今までこの2ポツのところ、ここのところに主眼を置いて、源泉となる研究力を強化すると、ここのところは日本の中核であるわけです。これからもずっと中核であるわけです。そこのところが、JSTが1ポツと3ポツ、いわゆる目的、目標、ここも強化しますよと、そういうふうに受け止めています。
 特に1ポツの強化のところが大きいと、これは非常にいいことだと思います。
 ただし、この3ポツのWell-beingなんですけれども、ここに書いてあるとおり、一人ひとりの多様な幸せ、豊かさというのは、これは一人ひとりみんな違うわけです。そこのところは一体何なんだろうと、多様な幸せというものがあって、その上で、では、教育・人材育成、あるいは、そのための研究は何かというところがこれから大事になってくると思うんですけれども、その辺りは、多分これからの課題になると思うんですけれども、そこの目標のところも、1ポツの例えばRISTEXなどは、そんなところも多数やっているような気はするんですけれども、1ポツと3ポツのところでの強調というのでしょうか、あるいは、1、2、3全部強調することだと思うんですけれども、それが大事かなというふうに感じました。これは私からのコメントですので、何かございましたら、お話ししていただければと思います。
【澄川課長補佐】  御指摘ありがとうございます。RISTEXをはじめとして、今回の整理としまして、我々のほうでは、最後にはやはり文字としての中長期目標というものを組まないといけない事情もありますので、このように整理はするんですけれども、御指摘のとおり、特に今回の1ポツにかかるような戦略策定ですとか、科学技術コミュニケーションはじめ、社会との競争活動というのは、JSTの活動としては全体にかかってくるもの、要するに、横断的なものであるというふうに捉えておりますので、その意味では、その効果は必ずしも1ポツだけに閉じたようなものということではなくて、3ポツ等も含めて取り組んでいくものだというふうに思っております。
 その意味では、先ほど、久保先生から日本科学未来館の活動というのが、次世代の人材育成と少し切り離された格好になっていてというような御指摘もあったんですけれども、そういったところも、リンクが完全に切れるということではなくて、今の従前の取組というのは、当然、前提としてあるものであるというふうに思っております。
【五十嵐部会長】  ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
 それでは、時間になりましたので、次に進もうと思います。よろしいでしょうか。
 続きまして、次期中長期目標の内容について、御説明をお願いいたします。
【澄川課長補佐】  それでは、資料1-2に基づきまして、御説明をさせていただきたいと思います。
 本日、次期中長期目標の案の本文、全体のものは資料1-3のほうに御用意しておるんですが、恐らくそれだけを上からやってもなかなか分からない、見えないものがあるかなと思いまして、資料1-2をベースに御説明をさせていただきます。
 こちら左側が現行、今の中長期目標、右側が新しい中長期目標ということで、若干現状との比較の観点を入れながら御説明ができればというふうに思っております。
 左側は(並び替え後)と書いてあるんですけれども、先ほど申しましたとおり、項目が大分変わっておりますので、新しい項目に対応するものを左におつけするような形でつくっております。
 まず、目次、概略を見ていただきますと、文字だけで見ると、あまり変わっていないように見えるんですけれども、左側は、今見ていただきますと、今の現行中長期目標は、いわゆる2ポツが、2.1.から2.7.まで非常にたくさん並んでございます。これは例えば基金の事業で、ムーンショット創発みたいなものが増えると、どんどんファンディングということで、こういうところにつぎ足して、なかなか大きくなってしまっておるんですが、今回、右側の新しい目標の中では、1、2、3、4、5、6という形で、それぞれに2個ないし3個ぐらいのところで分散をさせた整理というふうな形でバランスを取らせていただいているつもりでございます。
 また、下ほどのローマ字の4の部分、業務運営の改善及び効率化に関する事項につきましても、全体としては、すみません、そもそも、今回、全体として簡素化というものを目指しております。いわゆる役所の文書というのは、どうしてもつぎ足し、つぎ足しでどんどん増えることはあっても、なかなか減らないというのがございまして、結果として非常に大部となってございます。結果として、これは、目標というのは全ての法人の活動の原点にありますので、ここが大部になりますと、最終的にはその法人の活動を、例えば独法評価をするときにも非常に分厚い評価書というような形になってしまいまして、そうしますと、いわゆる木を見て森を見ずではないですけれども、逆に御議論いただくのが難しくなっている面もあるのかなと思っておりますので、今回、非常に簡素化を図った上で、独法評価などでも、よりポイントを絞った議論ができればなというところまでを念頭に今回は考えております。
 戻りまして、4の業務運営の改善・効率化に関する事項ですが、現行は、左側を見ていただきますと、業務の合理化・効率化というところは、1.1.から1.4.というふうに小項目を並べておりますが、こちらは1つの柱で、1つ、業務の合理化・効率化ということを右側に1本で位置づけさせていただいております。
 その上で、ここは、実は項を2つ増やしておりまして、まず、右側の4の1、組織体制及び事業の見直し、こちらについては新しく項を立てました。御説明は先ほどさせていただいたとおりで、この5年間は、業務を増やすばかりではなくて、しっかりと見直しもしていくということを、国側、文科省の側からもしっかりとお示しをすると、これは項目をつけますと、当然、独法評価でも、この項目について評価をいただくことになりますので、これによってしっかり取り組んでいきたいということを考えておりますのが1点。
 また、4の3ポツ、次のページにまいりまして、ICT活用の推進、こちらについても、別途、項を新しく立てております。こちらは、念頭に上げておりますのは、いわゆる業務の効率化というだけではなくて、こういったものを例えばファンディングなどでも一律に電子申請ですとか、利便性を上げるようなところとか、そういったことをしますと、各事業部の負担軽減にもなりますし、経営層がガバナンスする上でも、全体のファンディングの申請状況とか様々なデータを分析して見ることもできますので、業務の効率化だけではなくて、むしろ付加価値をつけて、より向上させていくというところにまでつなげていきたいという意図を持って、別途、項を設けております。こちらも併せて独法評価の際には御評価いただけたらなというふうに考えております。
 進みまして、次ページ、財務の内容改善につきましては、対応としては、基本的には同じような形になっておりまして、最後、6、その他重要事項、こちらにつきましても、現行、左側は内部統制充実強化ということで、1から4まで小項目を立てておりますが、基本的に今回の新しい右側では、内部統制の充実強化というのは、1つのポツと2ポツに収めております。その上で、1ポツ、法人の長によるマネジメント強化というのを、これを新設しております。これも法人の長、理事長がマネジメント強化に対してどのような取組をされているかということを、明示的に活動を御説明して、評価いただけるようにということを念頭に、今回、新設をさせていただいております。
 それでは、次の内容のほうに進ませていただきたいと思います。
 序文、あと役割のところは、従前御説明したとおり、基本計画に基づいてということはるる書いておりますので割愛させていただきまして、中長期目標の期間につきましては、これも従前どおりですけれども、5年間、こちらは国の科学技術基本計画というものが5年計画となっております。JSTの中長期目標は、基本的には、そのときの時の基本計画に基づいてやっておりますので、いつも1年ずれで5年計画を追いかけていくような形で策定しておりまして、それは今回も同様の形を考えております。
 では、3、研究開発の成果の最大化に係る事項について、御説明をさせていただきます。
 まず1つ目が、社会変革に向けた研究開発戦略の立案と社会との共創というところがございまして、まず、今までは、CRDSをはじめとしたシンクタンクの関係のところは、1.1.ということで1つのパラにまとめておりましたが、ここに関しては少し分類をさせていただいております。
 右側では、今回、研究開発戦略の立案提言というのが、いわゆる今のCRDSの取組についてやっていくというところが対応しておりまして、1.2.社会シナリオの提案・科学技術協力基盤の構築に向けた調査分析が、いわゆるAPRC(アジア・太平洋総合研究センター)と低炭素社会戦略センター(LCS)の取組を分けさせていただいております。
 これは、評価をいただく際に、やはりCRDSが今までベースと、独法化のときからずっと活動しておりますが、そこからそれぞれの社会要請に合わせて、独自の取組ということで、それぞれセンターが行っているところがあります。こちらの取組というのがやっぱり独自のものを今進めておるところですので、そこは評価の際にも、それぞれ別の取組として御評価いただいたほうが明示に分かるのかなということを考えまして、今回、1.1.と1.2.というところは1つ分けさせていただいております。
 その上で、進みまして、1.3.社会との対話・協働の深化につきましては、御説明させていただいたとおり、いわゆる日本科学未来館的な活動というものから、日本科学未来館にとらわれないサイエンスアゴラをはじめとした科学技術コミュニケーションに係る取組全般、さらには、社会技術研究開発と呼ばれております社会課題の解決のためのファンディング的なものをやっておるRISTEX、こういった活動を1つのパラグラフというところに、今回、収めております。これによって、より一体的に推進をしてシナジーを高めていくということを念頭に置いております。
 少しだけ申し上げさせていただきますと、まず、多様な主体が双方向で対話・協働する場を構築し、科学技術リテラシー、リスクリテラシーの向上に向けた取組を進めていくという従前の活動を、日本科学未来館なのかどうかというところは分け隔てなく書きつつ、年齢、性別、身体能力、価値観等の違いを乗り越えるためのIoT、AIなどの最先端技術も活用した取組、こういったところを、今、日本科学未来館では、浅川館長、新しく館長が着任しておりまして、目の見えないハンディキャップのある方ですが、例えば、目の見えない方も、AIスーツケースとか、科学技術を使って、健常者と同じように体験ができるような取組ですとか、こういったものも含めて多層的な科学技術コミュニケーション活動、こういったものをしっかりと推進していくということを、今回、打ち出していきたいというのが1つございます。
 さらに、その対話・協働で得られた社会的期待、課題、こういったものを最終的には研究戦略から始まって、一番下、社会技術研究開発の推進、ファンディング的なツール、手段のほうにもつなげていくということを一体的にやれればなということを企図しております。
 では、進めさせていただきまして、2ポツのほうにまいります。
 2ポツが、いわゆる産学官連携事業全般と、ムーンショット型の研究開発、この2つを入れさせていただいております。
 まず、2.1.新たな価値の共創に向けた産学官連携・スタートアップ創出の推進というところがございまして、これは従前から行っております取組でして、文章としては、3パラほど分かれておりますけれども、まず1つ目のパラグラフが、機構及び大学等の研究開発成果、大学発のシーズ、こういったものを民間とのマッチングを含めて企業等への橋渡しをするような展開をしっかりやっていくというのが1つ。
 また、2つ目のパラでは、こういった知と人材の集積拠点としての大学・公的研究機関、こういったものを産学官連携の場、ここでは共創の場と、もうほぼ固有名詞が出ておるんですけれども、こういったものの形成という取組をしっかりやっていくということが1つ。
 3つ目のパラとしましては、大学発ベンチャーの創出支援などを始めました、いわゆるスタートアップ支援、こういったところを取り組んでいくというのが1つ。
 こういった取組を大きなくくりとして位置づけをさせていただいております。
 ちなみに、この辺りは左側と対比で見ていただくと、大分簡略化が、簡素化が図られていることが分かるのではないかというふうに思っております。
 では、進めさせていただいて、2.2.ムーンショット型研究開発の推進、こちらについては、基金事業として、個別、勘定を設けてやっておりますので、記載ぶりとしては、それほど変わらず、まず冒頭には、科学技術・イノベーション創出活性化に関する法律に基づいた基金事業であるということを明記させていただいております。
 その上で、引き続き、大胆な発想に基づく挑戦的な研究開発、いわゆるムーンショット型の研究開発を推進していくということを述べさせていただいております。
 ここまでが社会変革に資する取組ということで、基本計画の1の柱となってございます。
 次が、3ポツからが基本計画の2の柱に相当するところでありまして、新たな価値創造の源泉となる研究開発の推進、こちらに関しては、戦略研究推進事業ですとか、未来事業といったものを念頭に置いておりまして、我が国においてイノベーションの源泉となる基礎研究、これを戦略的に推進していくということがまず1つ述べさせていただいております。
 その際には、若手への重点支援ですとか、優れた研究者の切れ目ない支援、あるいは人文社会との連携、こういったことも含めて基礎研究を推進していくというふうに位置づけております。
 「また」以降、2パラのほうが、未来社会での社会変革、あるいは脱炭素に対応するような研究開発ということで、いわゆる社会的・経済的なターゲット、出口、バックキャストというふうによく御説明させていただいておりますが、そういった出口を意識した上で、最終的に実用化が可能かどうかを見極める、いわゆるPoCの取得みたいなものまでを念頭に置いた研究開発を推進するということを位置づけさせていただいております。
 こちらもそれぞれは、従前、1つずつ大きなパラをつくって記載していたところを、大きくくくらせていただいているところでございます。
 4ポツが、基本計画の3つ目の3の柱、教育・人材育成に対応するところで書かせていただいております。
 まず1つ目が、今回、ポイントの2つ目と申し上げました創発的研究の支援ということでありまして、やはりこちらも科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律に基づく基金であるということを明記させていただいた上で、研究に専念できるような環境の確保、こういったものを一体的に支援する、それによって多様な研究者が、融合、切磋琢磨をして成長する、そういった創発的環境の提供によって次世代の研究者を支援するというようなことを位置づけさせていただいております。
 加えまして、本年から始めております博士課程の学生による取組を、生活費相当額程度の処遇を含めて支援をしていくということを併せて記載をさせていただいております。
 4.2.多様な人材の育成、こちらにつきましては、まず、SSHをはじめとした次世代人材育成ですので、科学技術を担う多様な人材を育成するため、先進的な理数系教育、これに取り組む高等学校等に対し、理数系分野の学習を充実する取組を支援するとともにというところから書き出しをさせて、こういった資質能力、優れた資質能力を持つ児童生徒に対して機会を提供していく、支援していくという取組をしっかりと推進をしていくこと。
 また、次世代だけではなくて、最終的には大人も含めまして、例えばプログラム・マネージャー等のマネジメント人材の育成ですとか、あるいは研究公正、公正な研究活動を推進するための研修ですとか、倫理研修みたいなものを含めた取組をしっかりと進めていくということを位置づけさせていただいております。
 そして、「加えて」以下のところが、いわゆる総務省のほうからの御指摘というものを念頭に、今回追記をさせていただいております。先ほど長坂先生からいただいた御指摘もちょっと考えていかないといけないと思うんですが、いわゆる研究者のダイバーシティ推進という観点から、女性研究者、若手研究者等の応募者数を増加させるための取組、審査員の多様性を考慮した審査体制を構築する。こちらは長坂先生ですとか、ベントン先生からも御意見、御指摘いただいておりますので、次回に向けて検討させていただきたいというふうに考えております。
 こちらが大体、人材育成に係る取組を記載させていただいているところです。
 5ポツが、それぞれに横断かかっている、それぞれを支える基盤の強化というところでございまして、まず1つ目が情報基盤。情報基盤につきましては、オープンサイエンスというこの世界的な潮流を踏まえた上で、論文ですとか、研究データ、こういったものを情報提供するような事業、基盤的なところをしっかりと支えていくということを引き続き取り組む、あるいは、技術者等のキャリア開発に関する情報をマッチング的なデータベースというものを持っておりますので、こういったものをしっかり提供していくというようなこと。あるいは、それについての利用者のニーズですとか、国内外動向を踏まえた利用者目線に立ったサービス、利便性向上をしっかり取り組んでいくということを位置づけさせていただいております。
 もう1つの柱が、国際となってございます。国際に関しましては、外交化、いわゆる科学技術外交というところもございますので、文科省の示す方針に基づいて、諸外国との共同研究や国際交流、我が国の科学技術・イノベーション創出を推進すると、いわゆる2国間協定とか様々ございます。こういったものを含めて、それを研究開発の面でも資金的なサポートとして、SICORPですとか、SATREPSですとか、こういったファンディングを持っておりますので、ここを一体的に推進していくということが1つ。
 加えて、後段におきましては、科学技術分野における海外との青少年交流、さくらサイエンスプランなどの青少年交流を促進するということを位置づけまして、最後、外国人研究者宿舎につきまして、竣工当時から、状況の変化を勘案し、廃止も視野に入れて、今後の事業の在り方について、本中長期目標期間に結論を出すということを書かせていただいております。
 この点、前回のJST部会のときもベントン先生からも御指摘いただいているとおりですが、やはり外国人宿舎、今住んでおられる方もおりますので、当然、突然どうこうするということではなくて、しっかりと関係する方々とも議論した上で、次の期間、5年という比較的時間的スパンを持った上で、しっかりとした検討をした上での結論を見いだしていきたいということを考えております。
 進みまして、大学ファンドによる研究基盤の構築、こちらは、左側、大学ファンドの創設と現行はさせていただいておりますが、今回、次の5年間を見据えまして、「大学ファンドによる研究基盤の構築」というふうにタイトルを少し変えさせていただいております。
 文章としましては、中ほどにありますとおりで、JST法を改正した際に、大学ファンドの運用に関しましては、文科大臣が基本的な指針というものを定めまして、それを示すと。それを踏まえた上で、JST、機構のほうが基本方針をつくるというふうに法定されておりまして、その基本指針と方針、この2つに基づいた上で、専門性等の資質能力を有する優れた人材の確保・育成等の体制整備、先ほど少し御指摘いただいたところでございます。こういったところをしっかりと進めて、その上で、適切なリスク管理、安全で、かつ効率的な運用といったものを進めていくということを記載させていただいておるところでございます。
 この指針と方針でございますが、従前、少し御説明していたところもありますが、これはまだセットされておりませんで、まさに今、これをセットすべく議論されているというところでございます。
 ここまでが成果の最大化の事項となってございます。
 ここからガバナンス関係の事項に入ってございます。
 まず1つ目、業務運営の改善及び効率化ということで、まず1つ目、これは新しくつくりました。組織体制及び事業の見直し、これにつきましては、先ほど来から申し上げているとおりで、事業がたくさん増えてなかなか人繰りが難しくなっているこのような中で、しっかりと組織体制と事業を見直していくということを、今回、文部科学省、国側が示す目標においても、これを1つ項目として明記をしております。これによって、法人だけにお任せをするわけではなくて、しっかりと独法評価の部会の御審議とか御議論もいただきながら取組をするということを明確にしたいというふうに考えてございます。
 2ポツ目、経費等の合理化・効率化につきましては、基本的には、いわゆる3%、1%の効率化につきましては、一定程度、やはり合理化が求められるというところを踏まえまして、従前のとおりとしております。記載自体は、全体かなりまとめた形にさせていただいております。
 3ポツ、ICT活用の推進、こちらも新しく新設をさせていただいてございます。
 こちらは、前提にデジタル庁を設置すると、取組強化しているという前書きがございまして、機構においても、このような潮流を踏まえて、機構内のICT環境の整備と活用を推進して、業務推進、事務手続における簡素化・迅速化・効率化を図るとともに、多様で柔軟な働き方の実現を目指すというところがございます。
 これだけだと、いわゆる業務の効率化の類いではないかというふうにも見えますが、意図しているところは、「また」以下、新たなサービスの提供ですとか、制度利用者の利便性向上、経営品質向上ということで、付加価値を見いだしていく、新たな価値の創出、創造を実現していくというようなところまで取り組みたいというふうに考えておりますので、新しく項立てを別途させていただいているところでございます。
 続きまして、財務内容の改善、こちらにつきましては、左側、従前で申しますと、前中目期間で申しますと、文献情報関係の事業につきましては、若干議論といいますか、観点がございまして、そういったところも書かせていただいておりましたが、現行では、一応、改善経過に基づいて着々とやっていくということで整理をされておりますので、今回はかなり簡素な形にはなっております。
 その上で、例えば、つくばの資料館などについては、もう閉館をしておるんですが、財産処分は終わっておりませんので、それについて少し書かせていただいているところでございます。
 最後、その他重要事項、こちらにつきまして、まず、法人の長によるマネジメント強化、こちらは新設をさせていただいております。
 こちらも先ほど申し上げたとおり、新しく次の期において法人の長のリーダーシップといいますか、それに基づいたマネジメントというところを、しっかりと評価をいただくような形にもしたいという思いもありまして、今回、新しく項立てをさせていただいているところでございます。
 次が、内部統制の充実・強化、今までは、どちらかというと、ここに小項目をたくさん並べることによって網羅をしておったんですけれども、ここは一度整理をして、内部統制の充実・強化というのを、かなりまとめてございます。その中としては、一般的な内部統制に加えまして、例えば、サイバーセキュリティに対する取組、あるいは、研究インテグリティの取組というものが、政府としましても、一定の方針とかガイドラインというものも出ていますので、こういったものを含めてしっかりと守っていく。いわゆるオープンサイエンスの流れの中で、情報というのは共有していくという流れもありますが、それだけではなくて、情報をしっかりと管理をした上で流通をさせるですとか、共有していくというところの両面を、より高度な管理を求めるというような意味での内部統制の充実・強化を書かせていただいているところでございます。
 あとは、その他、必要な事項、施設整備の事項というところは従前どおりということで残しておりまして、最後、人材活用に関する事項、こちらにつきましては、今回、最後のなお書きのところで、いわゆるダイバーシティへの配慮に加えまして、他の研究資金、配分機関、その他の機関との人事交流、こういったものを明示した上で、職員の資質・能力の向上を実現するということ。また、その職員のモチベーション、これを高めて生産性を向上させる、これもJST部会でもいろいろ御意見をいただいたところですので、このための適正な評価・処遇というものと、適材適所の人材配置、バランスの取れた人材構成を実現するということで、国側としては、なかなかやることばかり申し上げていてどうするんだというところがここでは出てこないんですけれども、そういったところは計画とのキャッチボールの中で、しっかりと位置づけさせていただければというふうに思っております。
 まず、ここまでが本文についての御説明となってございます。
 あと加えまして、別添としましては、御紹介までになりますが、政策体系図というものが独法の制度上求められております。こちらは書いている内容としましては、申し上げたとおりの第6期の基本計画に基づいて、今期の項目に取り組むということを図示させていただいております。
 最後に、別添としまして、もう1つ、評価軸というものも定めさせていただいております。独法評価をしていただくときの評価軸のベースでもあるんですけれども、こちらは新旧で左右に並べるのが技術的に難しかったので、現行のCRDSとLCS、APRCまで、一番最初のシンクタンク系のところだけを、これは抜粋を現行はお示ししております。いわゆる評価軸をやるべき目標に対しての指標、どういうアクションを求めていくか、それを判断するためのモニタリング値を、定量的なもの、数えられるようなものというふうにかなり絞って記載をさせていただいております。
 これが次のページに、今の、これに対応した今の評価軸というのが、実はこういう形になっているんですけれども、見ていただくと分かるとおり、モニタリング指標というのが非常に多くなってございまして、現行の中長期目標ですと、そもそも指標が、取組の進捗ですとか、その妥当性、反映ですとかいう、定量的な感じではなくて、かなり取組をそのまま求めるような形で、るる書かれておるんですけれども、こういったところは最終的には独法評価の評価書というものが、非常にこれが重厚になっていくというところともリンクしておるというふうに考えてございまして、ここは、今回、大分と簡素な形でまとめさせていただいております。
 その上で、最低ラインとしてのところを押さえた上で、評価のときにはしっかりと取り組んだポイントというのをプラスアルファでどんどんアピールをすることで評価をしていただきたいというような形を今のところ想定をしておるところでございます。
 ということで、事務局からの説明は以上となります。
【五十嵐部会長】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問、御意見等ございましたら、お願いいたします。ありがとうございました。
 どなたか。
【川北委員】  川北ですけれども。
【五十嵐部会長】  川北先生、どうぞ。
【川北委員】  初めてなので、基本的なところになると思うんですけれども、質問させてください。
 これは、このJSTと、実際の大学とか研究機関、それから民間も含むと思うんですけれども、そういうところとの人事的な交流というんですか、研究者も含めて、そういうことは現行であるんでしょうか。
【澄川課長補佐】  当然、職員の交流というのは、例えば文科省にもJSTの職員は来ていただいているのもありますし、文科省の職員が向こうに行っているというのもございます。加えて、大学等の人事の交流というものもあるというふうに聞いております。
 加えまして、JSTのファンディングですと、昨今よくあるパターンで言えば、やはり事業が増える中でJSTのプロパーがそれを全て必ずしもやっているわけではなくて、やっぱりプロジェクトをマネージするときには、研究総括の先生という方を置いたりとか、その下で動くプログラムオフィサーとか、PD、POみたいな方々もおりまして、そういった方を支えるような職の方もおります。
 こういった方は、必ずしも全部JSTのプロパーで担保できるわけでもないので、いわゆる研究者といいますか、アカデミアにおられるような方々に、JSTの任期つきの雇用ですとか、そういうところも含めて参加していただいているということで、実質的にはかなり人材というものは様々な方に御参加していただいているというふうに考えております。
 その上で、こういったことをもっとさらに取組を進めていきたいというのが、今回考えているところでございます。
【川北委員】  それに関連してなんですけれども、具体的なところがまだ定められない大学ファンドに関してなんですけれども、10兆円という大規模なものになってくると、それともう1つ、目標として掲げられているのが、大学自身がファンドの運用をできるようにしなさいということになっているわけですが、現在、大学を見渡すと、もちろん理論的な知識を持っている方、もしくは博士課程でも何でもいいんですけれども、そういう人材というのは結構いるんですけれども、逆に実務的な観点で、実際に運用をどうするのかとか、そういうところの経験を必ずしも積んでいないということが多いと思うんですよね。
 そういう意味で、特に大学ファンドに関して言うと、これは理論と実務が一体となって運営されないとうまくいかないと思いますので、その辺りの大学の研究者、それから若手の博士課程にいる学生でもいいと思うんですけれども、何かそういうところとの人事交流みたいなものがあれば、非常にうまくいくのかなと思いました。
 この点で、大学ファンドのところをもう少し書き込んでいく中では、そういうところも1つ今後の目標になるのかなと思います。
 大学ファンドを議論するときに、海外の実際の大学のファンドを運営されている人を呼んだんですけれども、そのときの議論でも、やはり大学の内部からというのですか、実際に学んできた人を呼んできて彼らに実務をさせるという取組をやっているところも見られましたので、実際の取組において考慮していただければありがたいかなと思いました。
 以上、感想です。
【澄川課長補佐】  ありがとうございました。
【五十嵐部会長】  ありがとうございました。
 御質問、御意見ございますでしょうか。
【久保委員】  すみません。久保ですけれども、よろしいでしょうか。
【五十嵐部会長】  どうぞ。
【久保委員】  まず1点目は、言葉としてあまり理解できないので、6番の大学ファンドのところで、一番最後の行で、「寄託金運用については、助成資金運用と一体的に運用する」というのは何のことを言っているのか、御説明いただけますでしょうか。
【澄川課長補佐】  法律上、JST法の中では、業務として2つ立っておりまして、いわゆる大学ファンドでよく念頭に置かれるような、大学への助成、そのためにその資金を運用するというところをビルドインした上で捉えているものが1点と、これとは別に、大学から寄託金をお預かりして運用する業務というのと、業務上、実は2本、法律上持っております。ただ、実態の運用上は、大学ファンドと非常に、今、10兆円を目指しているといところですけれども、大きな金額のファンドを回すというときに、大学から寄託されたものも、もともとの運用のものも一体的に運用するというふうな事務を考えておりますので、そのことをここで明記をさせていただいているというのは、若干事務的なところがにじみ出た形となっておるかと思います。
【久保委員】  分かりました。この部会の中では、この大学ファンドのことは、実態はほとんど御説明を受けていないので、例えば、損失があったときにどうするかを含めてどうなんだろうかというのは非常に気になっているところなので、また別の機会に御説明いただければと思います。
 2点目は、サイバーセキュリティのところが書かれていたと思うんですけれども、これは、国が持っているシステムの中にJSTの項も入っているのか、JST単独で、いわゆるハード、システムという観点でお聞きしたいんですけれども、非常に重要だと思うんですけれども、セキュリティ対策というところのハード面、システム面というのは、どういうふうな対応方法になっているのか。国の傘下に入ってやっているというふうな理解でよろしいですか。それとも、単独で何か準備をしないといけないんでしょうか。
【澄川課長補佐】  今、十分な知識を持ってお答えできているかどうかというのはあるんですけれども、少なくとも見ている限りで申しますと、国として今、こういうガイドラインといいますか、こういったものをお示ししておりますが、いわゆる電子的なシステムの管理みたいなものは法人単位で捉えておりますので、そういったガイドラインを踏まえた上で、それを守るような形でのシステムを法人の判断の中で構築をしていただいているという、そういう法人も役所も含めた一体的なシステムみたいなものが構築されているということではないと理解をしております。
【久保委員】  分かりました。この部分は、今後とも、どちらかというと、費用がどんどん発生していかざるを得ない、人だけの能力ではない話があるので、そういうものも考慮した予算というのは、やっぱり要るのかなと思いました。
 最後に1点、モニタリング指標のところでございますけれども、非常に簡素化されたのはいいと思います。定量化されているのはいいと思うんですけれども、でも、具体的にいわゆるダウンロード数だとか、論文の数とかということの指標はいいんですけれども、判断基準が分からなくて、絶対的な数字でこうだというのは多分ないはずなので、例えば、前年度よりは上昇していますねということなのか、評価基準、指標ではなくて、モニタリング指標でなくて、基準みたいなものというのは、これは適宜検討していくということなんでしょうか。
【澄川課長補佐】  そうですね。確かに現状の指標としての書き方だと、どうしてもこういう端的に何とか数みたいな形で書かせていただいているのが通例にあったというのが、正直、前提にあるところなんですけれども、当然、この数が多いのか少ないのか、増えたらいいのか悪いのかというところは、むしろ独法評価のときにそれをしっかり御説明をして、それであればいいかどうかというところの御評価をいただくものになるのかなというふうには考えております。
 このようなお答えでよろしいでしょうか。
【久保委員】  取りあえず、分かりました。ありがとうございます。失礼いたします。
【澄川課長補佐】  ありがとうございます。
【久保委員】  私は以上です。
【五十嵐部会長】  ありがとうございました。
【瀧澤委員】  すみません。瀧澤です。
【五十嵐部会長】  どうぞ。
【瀧澤委員】  御説明どうもありがとうございました。
 15ページの一番下の4の1、組織体制及び事業の見直しなんですけれども、いろいろな環境要因が、外部環境の変化で、必要のないもの、事業を見直ししたり、統合したりということは非常に大事なことかと思うんですけれども、今までなかった項目を新たに付け加えたということで、これは5年間の間にこれをじっくりと進めるというような理解でよろしいんでしょうか。
 今、この項目を立てた中で、もう既にそういう何か具体的な項目が念頭にあるのかもしれないですけれども、これはJSTの側で見直しに対する体制をつくって、新たに内部的に検討してやられるというようなことなんでしょうか。今、いろいろな組織でこういったことが進められていて、多少きしみみたいなものが聞こえてくることもあるので、愉快な話ではないとは思いますけれども、本当にJSTにとって、将来にとって、いい方向で進めていただきたいなと思いますので、ぜひ前向きな発展につながるような見直しにつなげていただきたいと思いますので、その辺、よろしくお願いいたします。
【澄川課長補佐】  ありがとうございます。
 見直しの観点につきましては、まず、制度的なプロセスで申し上げれば、こちらが今回目標をつくると、そうすると目標を大臣から法人に下ろすことによって、それを踏まえた計画をつくるということになってございますが、当然、実態としては我々もJSTの事務方と議論などもしながら問題意識を整理した上で、こういったものを今つくらせていただいているところで、やっぱり1つ大きいのは、これまで特にこの5年間は、非常に大きな大型の基金をはじめとした事業が増えてきたのも完全にやっぱり事実としてありまして、それによって、JSTのガバナンス人員とか、人員が足りないのは単純にありますし、やはりどんどんどんとビルが建っていくと、ガバナンスというのもなかなか難しくなっていく面もあるというのは、いろいろな課題があるというふうに問題意識を今持っております。
 それに対して、JSTのガバナンスなので、JSTの中でしっかりやってくれと言うのは簡単なんですけれども、やはりそうすると、文科省は文科省でそれぞれの事業の担当課もございますし、一方で文科省は所管課がこちらからすれば、そこのガバナンスをしっかりやってくれという話にはなるんですけれども、それぞれの担当課が、国からはやってくれと言われる関係性にも当然なります。
 こういった中で、ある程度見直しをしていくということを、国側からもメッセージを出すということによって、法人のほうもしっかり対応できるような環境をつくっていくというのは、我々の責務といいますか、こちらの取組としても必要であろうというふうに考えまして、今回明確に項を立てさせていただいたと。
 その中で、当然、必要な事業をそれぞれやっていると思っている中で、当然やっているわけですけれども、よりよいやり方ですとか、効率的なやり方、もっと言えば、廃止も含めて検討ということになっていくわけですけれども、そういった議論をしっかりとできるような土壌というものをつくるための項立てというふうに理解をしています。
【瀧澤委員】  分かりました。
【斉藤課長】  すみません。よろしいですか。人材政策課長の斉藤ですけれども、少しだけ補足をさせていただきたいんですが、今、説明申し上げたとおりではあるんですけれども、様々な事業が今走っておりまして、基本的に文科省側のそれぞれの事業に対応してJST側もそれぞれに組織をその都度つくっているみたいに近い形になっています。
 なので、長年そういう活動をやってきているので、今日もいろいろなたくさんの課のメンバーがこの会議に入っているんですが、担当課が物すごいたくさんある上に、それぞれの課ごとでも、事業が立ち上がったタイミングとか、ちょっとした中身の違いによって、それぞれ違う組織がJST側にあったりして、もうそろそろ限界が来ているのではないかというのが全体の見方であります。
 ですので、一方で、JST側だけで決められる話でもないので、国側の事業の見直しですとか、担当課の見直しみたいなことも含めて、包括的に考えていかなければいけないということで、これを今回あえて入れておりまして、そういう意味ですと、文科省側から見ても、しっかり対応していくという覚悟をここに書き込んでいるというのに近いものだというふうに認識をしております。
 以上です。
【瀧澤委員】  非常に御説明で分かりました。ありがとうございます。
【五十嵐部会長】  長坂先生、どうぞ。
【長坂委員】  先ほど久保委員からも御質問があった件ですけれども、15ページですけれども、大学ファンドによる世界レベル研究基盤の構築という件です。
 この件は、今の質問の項とはみ出ているかもしれないんですけれども、様々なことをいろいろ御検討されて、それはもちろんいいと思うんですけれども、この大学ファンドについては、今までにない非常に大変革と言えるようなものだと私は理解しておりまして、前回の7月のときにもお話があると聞いていたけれども何もなく、12月頃ですということで、今回もなさそうだということなので、いつになるのか分からないんですけれども、結局、文科省とか内閣府でいろいろ練って、それがJST側に来て、それをJSTが実装するということなんでしょうけれども、やはりこの部会の役割としては、ぜひ新たにお迎えする理事の方も含めて、いろいろお話を聞く必要がやっぱり、聞かなければいけないと私はとても感じていまして、一体いつ聞けるのだろうか。聞けないままずるずるいって、この文書だけから成ってしまうのは、我々には権限は何もないですから、それでいいのかもしれないんですけれども、やはりここで何か聞いて必要に応じて批判なり問題点を指摘する必要が是非あると思うんです。
 ですから、それが一体いつになるんだろうかと。それが年度内に分かるのか、それともぎりぎりで我々は分からないうちに、もう走り出していて、何らかの批判なりコメントもできない状況になるというのは一番怖いと、私は「怖い」という表現を使いたいんですけれども、非常に保守的なので、そこの部分について、何かコメントをぜひ、前回も延ばされて、今回もないみたいなので、どうなるんだろうというのを教えていただきたいと思います。
【澄川課長補佐】  ありがとうございます。御指摘のとおり、大学ファンドにつきまして、今、記載ぶりが、まさに指針・方針を踏まえてといいつつ、こちらが今セットされていないということのために、そこの内容の御説明ができていないという形になっておるというふうに認識しています。
 今日もともとは、以前からも御説明の議題を設けさせていただいたとおりで、もうそろそろ、できるという前提の中で、今で言えば、12月の会が次にございますので、そのときに、こういったものを御紹介、御説明をさせていただいた上で、改めて御議論いただければというふうに、まず担当課としては今考えているところです。
 その上で、すみません、強化室のほうで、何か補足いただけましたらお願いいたします。
【奥野振興企画課長】  振興企画課長の奥野でございます。
 本件の検討については、いろいろ御心配をおかけして申し訳ございません。報道等でお聞き及びのとおり、大学ファンドをめぐる状況に関しては、2つの観点がございます。
 今回御提起しておりますのは、主として資金運用に関する部分をお諮りしておるところでございます。資金運用につきましては、本年の11月8日の政府の動きといたしましては、~未来を切り拓く「新しい資本主義」とその起動に向けて~、新しい資本主義実現会議におきまして、10兆円規模の大学ファンド、大学改革として、世界最高水準の研究大学を形成するため、10兆円規模の大学ファンドを本年度内に実現し、運用を開始するという点、改めて明記されておるところです。
 また、世界と伍する研究大学に求められるガバナンス改革や外部資金確保の強化などの大学改革の実現に向けて、新たな大学制度を構築するための関連法案の次期通常国会への提出を目指すと、そういった大きな状況になってございます。
 JSTとの関係性におきましては、まずはこちらにございますとおり、大学ファンドの運用につきましては、既に昨年度、自己資本の強化という観点で5,000億円の政府出資金の増強が行われ、さらに、10兆円規模という観点でございますので、既に本年度末に4兆円の財政融資、財政融資資金というのが融資されます。10兆円にするためには、さらにこの残りの部分に関して、それぞれ自己資本の強化のための政府出資金の増額、さらには、財政融資資金の来年度における追加融資等を要求しておるところでございます。
 このように大学ファンドの資金運用につきましては、まずはこの運用の原資の大半を財政当局からの政府出資金と財政融資資金に負っておるところでございまして、多分にこの運用の指針ないしは方針の内容につきましては、財政当局との関係での調整というのが、政府出資金の部分、さらに、財政融資資金につきましては、政府からの借入れという形になりますので、そういった観点で、償還確実性の観点等において、現在、補正予算、さらには来年度に向けての要求の調整等が進んでいる過程におきまして、今、詳細にその内容を詰めておるところでございます。
 そういった観点でございますので、先ほど人材政策課から説明がございましたとおり、まずは次の部会におきましては、主としてこの資金運用に関する運用の指針の検討状況等につきまして、私どものほうから御説明させていただきたいと思います。
 また、先ほど御説明申し上げたとおり、この大学ファンドをJSTがどのような形で大学に助成していくのかにつきましては、現在、内閣府の専門調査会、文部科学省の中の有識者会議の中で検討等を行われてございます。これは来年度の通常国会への法案の提出に関わる案件でございますので、12月15日の段階で、そちらの御説明ができるかどうかというのは、法案の検討状況等から見て不透明な点がございますが、この点につきましても、適宜、JSTの中長期目標等への反映が必要になる事項であると考えてございますので、JSTにおいてミッションが加わる前のタイミングにおきましては、必ずこの部会におきまして、JSTに国として中長期目標でどのような形のミッションをお願いするのかに関しては、御説明してまいりたいと思っております。
 非常に政府部内における、特に財源確保の調整プロセスの結果、部会に対する御説明のタイミングが少し遅くなっている点については、誠に申し訳ございません。
【長坂委員】  ありがとうございました。非常に難しい案件だということは重々承知しておりますし、いろいろなタイミングの面とかはあるにせよ、いずれにせよ、なるべく早い段階で、あるいは、ぎりぎりの段階でも結構なんですけれども、情報を教えていただけると大変ありがたく思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【五十嵐部会長】  ありがとうございました。
 この部分に関しては、先ほどの話で運用と配分ですね。運用に関しては、川北先生をはじめとして、もう調査会でワーキングでかなりいろいろなヒアリングをして聞いていると。その上で、JSTの中でどうやればいいのかというところまで落とし込みが入っていると思うんです。そこに関しては、15日の次回のJST部会でその話はお聞かせいただけると、そういうことでよろしいですか。運用に関して。
【奥野振興企画課長】  その方向で考えてございます。
 御指摘のとおり、既に内閣府におきましては、大学ファンドの資金運用の基本的な考え方が文部科学省に対して示されております。これを受けまして、今、文部科学省の中においては、久保先生等からも御質問がございましたけれども、JSTの実際の財務運営ですとか、JSTのシステムの中に、この内閣府からいただいた方針をどう落とし込んでいけるのか、さらには、別な観点、つまり、JSTに関して融資を行います財政当局の側の償還確実性の担保というような観点から、どういったことができるのかという、方向性は御指摘のとおり、大学ファンドの資金運用の基本的な考え方でお示しいただいておるところですが、具体的な落とし込みに関して、相当テクニカルな議論を続けておるところでございます。
 その中長期目標への反映と、その背景となります方針等の検討状況につきましては、15日に進捗状況を必ず御報告すべく準備してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
【五十嵐部会長】  分かりました。配分のほうは、世界と伍する研究大学、ここだけ随分議論していますけれども、そこに関しては、来年どこかのタイミングで話をお聞かせ願えると。
 その上で、ここの6ポツのこの記載ですけれども、これは今、案の段階で、この案の段階で、15日あるいは22日の研発法人審議会にこれは出されると。その上で、配分のほう、世界と伍する云々に関しては、それはまたこれを書き換える作業が来年以降始まる、そういうことでよろしいでしょうか。
【澄川課長補佐】  恐らく今の議論の進捗から申しますと、タイミングを見て、政府部内でのそういった検討が進んだところに合わせて、改めて中長期目標の変更の御審議をお願いすることになるのではないかというふうに考えております。
【五十嵐部会長】  分かりました。それが、先ほど長坂先生が、どのタイミングで聞かせていただけるんでしょうかというような話だと思います。運用に関しては、次回15日にお聞かせ願えると。配分に関しては、これはまだもんでいる段階ですので、恐らく来年のどこかのタイミングで部会を開いて、そこで中期目標を書き換える作業が始まる、そういうことでよろしいですね。
【澄川課長補佐】  そのように想定しております。
【五十嵐部会長】  ありがとうございました。
 川北先生、何か伺う点、ございますでしょうか。川北先生、よろしいですか。
【川北委員】  はい、特にございません。次回、運用に関して聞かせていただくということで了解しました。
【五十嵐部会長】  ありがとうございました。
 ほかにどなたか、御質問、御意見がございましたら……。
 どうぞ、金澤先生。
【金澤委員】  ありがとうございます。先ほど五十嵐先生から、柱建て感のシナジーが非常に重要だというお話があったんですけれども、それを高めていくんだということは、中期目標の中には書かれているんでしょうか、書かれるんでしょうか。
 それから、それは評価軸に盛り込まれることになる、盛り込まれるということはあるんでしょうか。お尋ねしたいんですが。
【澄川課長補佐】  ありがとうございます。御指摘の点、要は、明示的にそういった項目を立てているわけでは正直ございませんので、御意見をいただいた上で、また次回に向けて検討させていただきたいというふうに思います。ありがとうございます。
【金澤委員】  ありがとうございます。そういった項目は重要ですので、ぜひ明示的に目標に記されることが重要かと思います。
 以上です。
【五十嵐部会長】  ありがとうございました。
 ほかに、御質問、御意見、ございますでしょうか。
 よろしければ、先ほど初めに出た質問と少しかぶるんですけれども、ベントン先生から外国人研究者の話が出ました。これは今年の7月のJST部会で、濵口理事長のほうから、今、日本の研究力が低下している、もう課題は分かっている、その課題の中で、それも若手研究者、女性研究者といったダイバーシティと、あとは共著論文、外国との共著論文というのでしょうか、海外との連携、そこのところが少ないと。そのために、日本の研究が、いわゆる伝統分野に固執していて、あまり広がりがないというようなところ、これが大きく課題として挙げられていました。
 そこはすごく大きい話なんですけれども、先ほどベントン先生が、外国人研究者、外国との連携、その部分の記載はきちんと書いたほうがいいということですけれども、それは、これから書換えの作業に入ると思うんですが、よろしくお願いします。
【澄川課長補佐】  承知しました。ありがとうございます。
【五十嵐部会長】  あと1点、これも濵口理事長から課題があったんですが、工学部の理学部化というふうな話が、これは昔から言われている話なんですけれども、JSTはいわゆるミッション・オリエンテッドといいまして、PoC、ある基礎研究を膨らませていって、Proof of Conceptまで持っていくんだと。ですから、ある種、社会課題というのでしょうか、世の中の課題が見えて、その上で研究を進めていく。その部分が弱いではないかというふうな話、かなり課題認識があって、そこはムーンショット、ミレニアムとかでいろいろ検討していますけれども、そこに関してもあるし、今回は文言の書換えとか何かありますでしょうか。
【澄川課長補佐】  ムーンショットに関しましては、正直申し上げて、今は簡素化した影響のかもしれませんが、書いてあること自体はそれほど変えていない、かつボートフォリオに基づいてしっかり取り組んでいくということを書いたように記憶をしておりまして、御指摘の点のところまで細かく書き込めているわけではございません。ただ、こういったところで、当然今、御指摘の点を含めた上で、計画ないしは取組として評価をいただくというところでは当然あろうかなというふうに思っております。
 その上で、また今の御指摘の点を目標としても明示をするべきかどうかも含めまして、担当課とも次回に向けて議論、調整をさせていただきたいというふうに存じます。
 ありがとうございます。
【五十嵐部会長】  私の取り方は、JSTも大分変わってきているというふうに思うんです。もともとJSTは、先ほどの2ポツのところの研究分野、PoCまでのところが役割なんだというところが、それがいわゆる未来社会事業であるとか、そこを超えていって、さらに社会との関わり、共創もそうですけれども、そこのところが増えている感じがあって、それが今回は章立てというんですか、分けましたよね。もともとは一体だったところを、今回はいわゆる社会実装というところを分けて別立てにしていますので、ですから、JSTはそういった意思で改革を進めているなというふうに思います。そこの部分が、文言で分かるようになるか、あるいは章立てのところをこう変えた、その理念はこうだというふうな、それがより分かるといいかなというふうに思います。
 特に、未来社会創造事業などですと、PoCを超えていって社会実装のところまで進めるテーマが出てくればいいなというところまでいっていますよね。ムーンショットもそうなっていますね。だから、明らかに資金配分も変わってきているのではないかと思うんです。
 それは全体像を見ていると分かるんですが、どう表現されるかというふうになると、どこなのかなというところがちょっとありましたので。
【澄川課長補佐】  分かりました。ありがとうございます。また検討させていただきまして、御相談申し上げたいと思います。ありがとうございます。
【五十嵐部会長】  ほかに、御質問、御意見ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。
 引き続き、御質問、御意見等ございましたら、今月11月30日までに事務局にメールで御連絡いただければありがたいと思います。よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
 本日の議題は以上となりますけれども、各委員から、最後に何か御発言ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。
 それでは、最後に、今後のスケジュールについて、事務局より説明をお願いいたします。
【澄川課長補佐】  資料2に基づきまして、今後のスケジュールを御紹介させていただきます。
 本日、御議論、大変ありがとうございました。本日いただきました御意見を踏まえまして、さらに検討を踏まえまして、次回、12月15日水曜日、15時から、次回開催を予定させていただいております。
 議題は、同じく次期中長期目標(案)についてということとしておりまして、次回御議論をいただいた上で、その後に、12月22日に、いわゆる親委員会、親部会に当たります研究開発法人審議会がございます。ですので、次回、JST部会としての一定の御意見を取りまとめというところへ持っていった上で、22日にそちらを御報告と了承をいただく。さらには、その先では、新年早々、1月から2月にかけては、総務省、あるいはそれを踏まえて財務省への協議、こういったものをプロセスとしては進めさせていただき、最終的には、目標については、2月には決定をしてJSTにお伝えする。それを踏まえて、計画をJSTのほうで策定していただいて、文科省、文科大臣が認可をするということで年度内に収めていきたい。こういったスケジュール感で考えてございますので、引き続き、御審議のほどよろしくお願いいたします。
 以上になります。
【五十嵐部会長】  ありがとうございました。
 本日はこれで閉会といたします。皆さん、どうもお疲れさまでした。ありがとうございました。
 
―― 了 ――

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