令和5年12月21日(木曜日) 15時00分~17時00分
オンライン会議にて開催
部会長 髙橋 德行
部会長代理 古城 佳子
臨時委員 赤松 幸生
臨時委員 城戸 彩乃
臨時委員 平野 正雄
臨時委員 李家 賢一
宇宙開発利用課企画官 竹上 直也
宇宙開発利用課課長補佐 池田 宗太郎
【髙橋部会長】 ただいまより文部科学省JAXA部会を開催したいと思います。委員の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本日は、JAXA中長期目標の変更および、2022年度業務実績評価等を受けた対応状況についての2点を議題といたします。初めに事務局より事務的な連絡をお願いします。
【池田課長補佐】 文科省の池田です。本日の会議の事務連絡をさせていただきます。本日の会議の出席者につきまして、委員および臨時委員8名中6名にご出席いただきまして、定足数を満たしていることをご報告いたします。ご欠席は白坂委員と中村委員となっております。続きまして、本日公開の議題に関する資料は議事次第の通りメールにてお送りしてございます。構成は議事次第資料1から4の6点、参考資料1から6の計9点になります。欠落等の不備ありましたら事務局までお知らせ願います。また接続について映像は常時オン、音声はご発言時のみオンでお願いいたします。ご発言の際は画面内で挙手をいただきまして、髙橋部会長のご指名の後、マイクをオンにしてご発言いただくというルールでお願いいたします。なお本日の部会は文部科学省国立研究開発法人審議会宇宙航空研究開発機構部会の運営規則に基づきまして、議題の1については公開、議題の2については、宇宙航空研究開発機構の業務の実績に関する評価にも関わる案件ということで、非公開とさせていただきます。
【髙橋部会長】 それではお手元の議事次第に従いまして議事を進めてまいりたいと思います。最初の議題は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構の第4期中長期目標の変更についてです。まず事務局より説明をお願いします。
【池田課長補佐】 本日議題となっていますJAXAの中長期目標の変更につきましては、本年の6月13日に閣議決定された宇宙基本計画の改定、そして先般の臨時国会におけるJAXA法の一部を改正する法律案の可決成立を踏まえたものとなります。また国立研究開発法人の中長期目標の変更につきましては、独立行政法人通則法第35条の4の4項に基づきまして、事前に審議会およびその下部にある当部会にて委員の方々のご意見を頂戴することとなっております。今回の変更点をご説明させていただく前に、宇宙基本計画の変更点および臨時国会で可決成立したJAXA法の一部を改正する法律の概要についてご説明申し上げます。
まず資料の3からご覧ください。こちら、本年の6月に閣議決定された宇宙基本計画の改定版の概要となっております。簡単にご説明申し上げますと、4つの柱がございまして、前の宇宙基本計画からある程度項目の配置替えが行われております。左から、宇宙安全保障の確保ということで引き続きの記載が入っておりまして、他の政府文書との関係性であるとか、そういったところが記載されています。括弧2の「国土強靱化・地球規模課題への対応とイノベーションの実現」については、例えばリモートセンシングの部分においてALOS-3の喪失を受けた対応が記載されているところでございます。括弧3、宇宙科学探査につきましては、いわゆるフロントローディングの推進等が盛り込まれています。括弧4が今回大きく変わったところでございますけれども、宇宙活動を支える総合的基盤の強化ということで、まずは宇宙輸送で、打ち上げの失敗も踏まえた基幹ロケットの継続的な運用と打ち上げの高頻度化等による強化といった点、スペースデブリ対策、技術・産業・人材基盤の強化、宇宙技術戦略を策定・ローリングすること、JAXAの資金供給機能の強化、SBIR制度、またJAXAの人的資源の拡充・強化といったところが盛り込まれた次第でございます。
続きまして資料の4でございます。こちら、先般の臨時国会において可決していただきました、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構法の一部を改正する法律の概要となっています。まず1つ目、機構の目的に、宇宙空間を利用した事業の実施を目的として民間事業者等が行う先端的な研究開発に対する助成を行うことを加えるとともに、業務に、これに関する規定を設けており、公募により選定した者に対して資金を充てるための助成金を交付するということになっています。またここで追加した助成の規定に加えて、基金を創設するということで、今回JAXAに基金を設けることができる規定を設けています。
中身としましては2つございまして、従前行っていた委託の文脈の中で、基礎研究及び基盤的研究開発のうち、宇宙空間を利用した民間の事業にもその成果の活用が見込まれるものを公募により選定した者に委託して行うための業務、また先ほどご説明した、今回追加した補助ないし助成の業務に対する基金の活用といった点で今般基金を設置し、その基金を通じて委託と助成を両方できるようにしています。なお、令和2年度の科技イノベ活性化法の改正を受けて、JAXAに出資の業務が付加されています。こちらはJAXAの研究開発成果の活用展開を目的としているもので、JAXAの自己収入の範囲で行われるということとなっておりまして、企業の更なる投資への加速をしていくものとなっています。こうした既存の機能と併せて、今回JAXAがいわゆるファンディングエージェンシーとして、民間企業や大学等が自主的に行う研究開発を、R&Dという形の政策をもって、推進していくといったところが新たに付加されているということでございます。こちら施行日については公布から起算して3月を超えない範囲内とされています。
もう少しご説明させていただければと思いますけれども、参考資料6をお願いいたします。こちら、今般の補正予算で措置される宇宙戦略基金の概要になっておりまして、右肩にございます通り、令和5年度の補正予算において3000億円が措置され、うち文科省としては1500億円としているところでございます。元々こちら、宇宙基本計画の中で、JAXAの戦略的かつ弾力的な資金供給機能を強化するということと、これによりJAXAを産学官・国内外における技術開発・実証、人材、技術情報等における結節点として活用し、産学官の日本の総力を結集していくといった点が書かれておりました。また、デフレ完全脱却のための総合経済対策において、民間企業・大学等による複数年度にわたる宇宙分野の先端技術開発や技術実証、商業化を支援するため、JAXAに10年間の宇宙戦略基金を設置するといった点、また、まずは当面の事業開始に必要な措置として3000億円が今回措置されましたけれども、速やかに総額1兆円規模の支援を行うことを目指すとされています。
次のページをお願いいたします。内閣府、経産省、総務省、文科省の4省庁の共管となっておりまして、うち内閣府を除く3省庁が補助金を基金造成補助金としてJAXAに基金を造成し、その中でJAXAが委託・補助金交付するということで民間企業、スタートアップ、大学、国立研究開発法人等に対する研究開発の支援を行うスキームとなっています。支援の対象となる分野は輸送・衛星等・探査等といった形で3つに分けておりまして、現在内閣府を中心に、こうした3分野において取り組むべき技術を整理する宇宙技術戦略の策定に向けた検討が進められているというところでございます。
本事業のゴールとしましては下部に3つございまして、1つが宇宙関連市場の拡大ということで、宇宙基本計画に書かれている記載でございますけれども、2030年代早期に国内の宇宙産業市場の規模を4兆から8兆に拡大する、あるいは宇宙を利用した地球規模・社会課題解決への貢献に資する、あるいは、宇宙における知の探求活動の深化・基盤技術力の強化、といったゴールを見据えつつ、今般の基金を活用し、我が国の総力を結集して、宇宙開発を実施していくといった制度になっています。基金の説明は以上となります。
続きまして、資料1に戻ります。こちらからJAXAの第4期中長期目標の変更点について概要をご説明いたします。まず1ページ目でございますけれども、今ご案内した通り、今回は2つの観点でもっての変更となっています。1つ目が宇宙基本計画の変更に伴う変更でございます。また、今般の臨時国会において可決成立した基金の設置ないし補助の業務の追加につきましても、今回の変更に反映しています。
2ページ目をご覧ください。こちら赤字で書かせていただいているところが、記載ぶりが変わっているところでございますけれども、基本的には新しい宇宙基本計画に基づきまして、中長期目標の構成や項目名を入れ替え、あるいは変更しているものでございます。真ん中のグレーのハッチングされている部分、矢印を引いていますけども、宇宙基本計画の整理に基づきまして、中身の項目も入れ替えをしています。また左側6ポツの、戦略的かつ弾力的な資金供給機能の強化と赤字で書かれている点、こちらがいわゆる今回の宇宙戦略基金の創設に伴い追加される部分でございます。
3ページ目をお願いします。今回の中長期目標の本文の変更のポイントとしては、リモートセンシングの部分ですと赤字の部分、H3ロケット試験機1号機の打ち上げ失敗によって喪失したALOS-3に係る検討ですとか、今後の対応についての検討を進めるといった点、あるいはその下の宇宙輸送におきましては、イプシロンロケット6号機及びH3ロケット試験機1号機の打ち上げ失敗についての透明性を持った背後要因の究明や対応ということで、今後の基幹ロケットの打ち上げ成功実績を着実に積み重ねるといった点が記載をされています。また次のページ、こちらが一つ大きく変わっていますけれども、先ほど申し上げた基金の観点です。戦略的かつ弾力的な資金供給機能の強化ということで、JAXAの機構法に基づきまして、政府から交付される補助金により設置する基金を活用し、民間事業者および大学等に対する戦略的かつ弾力的な資金供給機能を強化するといった文言が宇宙基本計画の文言に基づきながら記載されているところでございます。またその下、契約制度の見直しということで、赤字部分、民間事業者にとっての事業性・成長性を確保できるよう、国益に配慮しつつ、契約制度の見直しを進めるといった点、こちらも宇宙基本計画に書かれているものでございまして、いわゆるフロントローディングですとか、開発リスクの段階に応じた契約の見直しなどそういった形で、ある程度柔軟に対応していくといった点が追記されているところでございます。こちらが今回の中長期目標の変更のポイントでございます。
続きまして5ページ目、こちら別紙の資料2-2の方にも詳しく書かれていますけれども、政策体系図といったものがございます。こちらは総務省が作成している独法の目標策定に関する指針の中に位置付けられているものでございまして、主務大臣と法人との縦の関係ですとか、当該法人のミッションの共通理解のために作成されるものでございます。こちら現行のものと変更案につきましては、資料2-2の絵をご覧いただければと思いますけれども、基本的には改定された宇宙基本計画の記載を踏まえて項目の入れ替え等の整理をしているものでございます。では参考までに資料2-2もご覧ください。こちらが現行のものでございまして、次のページが新しいものになっています。記載で吹き出しが入っている通り、宇宙基本計画の改定の反映等が中身になっているところでございます。
続きまして資料2-3、お願いいたします。今回の中長期目標の変更に伴う法人評価に係る変更点となっています。大きなところとしましては、4ページ目でございますが、先ほどお伝えした戦略的かつ弾力的な資金供給機能の強化といった点が赤字で付されているところでございます。それ以外は、項目の入れ替えに生じる指標の場所の入れ替え等ですけれども、ここは新規に追加しているということでございまして、JAXAが自身で行う研究開発のみならず、JAXAが資金供給機関として、大学や民間企業が行う研究開発の成果創出の最大化、社会実装の効果の最大化に向けた取り組みを行うということとしております。
評価指標としましては、先ほどお伝えした3つのゴールに基づきまして、市場の拡大ですとか、地球規模・社会課題解決への貢献、あるいは知の探求活動の深化・基盤技術力の強化、それぞれに係る取り組みの成果ですとか、これに伴うマネジメントの指標、そしてそうしたものをモニタリングするための成果指標として、例えば市場の開拓・競争力強化の事例、あるいは成果を活用した公的機関・国際的枠組みへのサービス等の提供回数、論文数、被引用数等をモニタリング指標として考えているところでございます。またモニタリング指標の中のマネジメント指標につきましては、資金供給業務の実施状況ということで、公募・審査状況および支援件数等々が勘案されると考えているところでございます。
簡単ではございますが、私の方からの説明は以上となります。なお弊省を除く共管府省におきましても、現在並行して部会を行っているところでございまして、経済産業省に関しましては既に部会を実施済みとなっておりまして、内閣府および総務省は今後部会を開催予定となっています。
【髙橋部会長】 ありがとうございました。それではただいまのご説明につきまして委員の皆様からご意見ご質問等をお伺いしたいと思います。まず平野委員、よろしくお願いいたします。
【平野委員】 平野でございます。ご説明ありがとうございました。今回このJAXAに新たなファイナンス機能あるいはファンディング機能が追加されたということで、これは国家戦略上必要だという認識は共有しておりますが、適切な資金提供先の評価、モニタリング、場合によっては回収評価というところのプロセス、投資判断・資金提供の判断の能力、そのためのリソースをどう確保するのか、また投資後の進捗や資金の使途それから最終的に資金を使った価値創造というのをどのような形でモニタリングをしていくのかというプロセスの部分等について、お分かりの範囲で教えていただければと思います。
【池田課長補佐】 私の方から御回答でよろしいですか。
【髙橋部会長】 お願いします。
【池田課長補佐】 ご質問ありがとうございます。先生ご指摘の通り、お金をつけただけではなくて、実際にどうやって上手く活用できるかといった点、今内閣府を始めとする4府省一緒になって検討を進めているところでございます。評価プロセスといった点ですとか、どういった具体的なテーマを支援するかといった点、こちらは、実は先ほども少しだけ触れましたけれども、宇宙基本計画のもとで策定される予定の宇宙技術戦略の中で、具体的に我々が支援していくべき技術のテーマというのを、基金のみならず策定していき、そうしたものを踏まえて運営費交付金の中で実施するべきものですとか、今回の基金で実施すべきもの、具体的に言えば、JAXAではなく、民間企業や大学が主体的に進めることによってこそ成果の最大化や商業化が加速できそうなものといったものについて見極めを行った上で、そのテーマでもってJAXAに公募をしていただきまして、JAXAの機能を十分に活用しながら伴走支援をしていただくという形になっています。
評価につきましては、テーマごとにいろいろと変わってきますけれども、途中でステージゲートを入れて技術の実証の度合いですとか、そういったものを評価しつつ、支援の継続の可否を判断する、あるいは、民間企業が対象となれば外からどれだけ外部資金を取ってくることができたかといった点についても評価事項になってくるテーマも当然あり得ると思っています。またそうした形で投資の判断ですとか、リソースの確保といった点についても、伴走支援あるいは評価・フォローアップをしながらテーマを管理していくといったことを現在検討しているところでございます。
【平野委員】 わかりました、ありがとうございました。
【髙橋部会長】 それでは古城委員、お願いいたします。
【古城委員】 ありがとうございます。平野委員のご質問とほぼ同じですけれども、新しくこのファンディングエージェンシーの役割をJAXAが担うということについて、例えばJAXAの人材を増やすとか、そういった手当は、別途ちゃんとやってもらえるということでしょうか。今ある人材の中でこれをやるのはかなり難しいと思いますが、その点いかがでしょうか。
【池田課長補佐】 ありがとうございます。先生の御指摘、まさにおっしゃる通りだと思っています。今回の資金供給機能の追加に先立って、宇宙基本計画の中にもJAXAの体制強化といった文言も含まれておりまして、いわゆる当初予算の中でも昨年からの人員の強化といった点は図らせていただいているところでございます。しかしながらそれだけで急に大きな基金を回せると言えばそういうことでは全くありませんので、これは他の法人も同様ですが、基金の中に一般管理費として事務的な経費に使える予算を積んでいます。その中で、必要であれば外部からの人材を確保して、資金の執行に必要な人員を雇用することが可能となっています。しかしながら、宇宙分野は人材のパイが極めて限定的でございますので、当然ながら既存のJAXAの職員の方々の知見等を活用しながら進めていくべき点もあるというふうに考えています。その点につきましては、例えばエフォートを勘案しつつ、例えばいわゆる会議の予約とか、場所のスペースの確保といった点については、もう少しアウトソースするとかそういうことを調整しながら、本当に必要な部分のみJAXAの知見を借りつつ、JAXA本体の研究開発能力も一緒に向上していく好循環を生み出すための方策について、現状内閣府等とJAXAとともに検討を深めております。
【古城委員】 ありがとうございました。
【髙橋部会長】 ありがとうございました。他にご質問ご意見はございますでしょうか。赤松委員どうぞ。
【赤松委員】 赤松でございます。ご説明いただきありがとうございました。ご説明いただいたファンドの中で、テーマのご説明があったのですけれども、このテーマというのは今現在どのような領域のことをお考えになられているか、もしありましたらご説明いただければと思います。
【池田課長補佐】 ありがとうございます。基本的には宇宙技術戦略が、輸送・衛星等・探査等という3分野で議論が進められておりまして、その中で我が国において強みがあって、かつそれがJAXA主体ではなくて、民間企業・大学等が主体となって進めていくことが、今後の我が国の宇宙産業あるいは宇宙科学全体の発展に寄与するであろうというものを、今議論しながらリスト化を進めているところでございます。
【赤松委員】 なるほど。これから議論を進めながらやっていくというところでございますかね。
【池田課長補佐】 そうですね。宇宙技術戦略が策定されましたら、それを踏まえつつ基金の中で支援していくテーマというものも決めていく形になってきまして、その中で、対象が民間企業であれば、例えば資金の調達をどういうふうにフォローアップしていくかといった点についても併せて検討していく形になっています。
【赤松委員】 なるほど。1つお願いですけれども、今、ロケット輸送とか衛星の開発とかの話は私にもある程度聞こえてきていますけれども、利活用の方の話があまり聞こえてこないので、ぜひこういう基金なり投資の中に、利活用をどのように開拓していくかということを要素として入れていただきたいなと考えています。1つのモデルとして私がよく申し上げるのが欧州のコペルニクスの仕組みでございまして、あれは産官学も巻き込んで、そこに資金を投入していくことで枠組み自体を作っていくということをやっているのですが、そういった形の投資も今回の取組みの中に入れておいていただきたいなと思います。その点をよろしくお願いいたします。
【池田課長補佐】 大変貴重なご意見として承りました。ありがとうございます。
【赤松委員】 よろしくお願いいたします。あと今回ご説明いただいたものは、宇宙基本計画に則っているので、これをもう変えることはできないと理解はしているのですけれども、1つだけ、別添の2-1とか2-3の資料の中には、この宇宙基本計画を受けて、JAXA側がどのように計画を運用していくのか、それから評価の軸はどう考えるのかということが書かれています。この部分に関しては、宇宙基本計画を踏まえながら、変更すべきところがあれば変更していくことは可能だと考えてよろしいでしょうか。
【池田課長補佐】 評価の体系の変更ということで、今回の基金の部分ではないところのことを指しておられますか。
【赤松委員】 そうですね。今示していただいているこの新旧比較の中で新となっているところの文言の変更は、例えば我々委員から提案することができるのかということですけれども。
【池田課長補佐】 勿論ご意見は賜れればと思っています。項目としては宇宙基本計画に準拠できればと思いますが、それをいかなる形でマネジメントとかモニタリングしていくかといった点につきまして、もしご助言いただけるようであればそこはぜひお聞かせいただきたいと思います。
【赤松委員】 わかりました。今の部会の時間の中で具体的に個別の文言は時間的に難しいと思うのですが、例えば後日ここはどうでしょうという形でご提案差し上げることは可能でしょうか。
【池田課長補佐】 はい。我々としてはぜひお願いしたいと思っています。髙橋部会長、そういった形でもよろしいですかね。
【髙橋部会長】 はい。この部会の後、事務局の方に何かご提案等がございましたらメール等でお願いします。特段皆様方の審議が必要でないような案件でしたら、私と事務局の方でご提案内容を踏まえて、それを反映させていただきたいと思います。
【赤松委員】 はい、わかりました。もう1回資料2-1を表示していただきたいのですけれども。資料2-1は宇宙基本計画の変更を踏まえて、全体的な方向性に関しては、結構文言が変わってきていると思います。ですけれども、個々の内容のところに行ったときに、ほとんど変わってないという状況になっていることがあって、やはり全体の方針が変わっている中で、個々の要素の中も変えるべきところは変えた方がよいのではと私は思いました。議題2の方に絡むのかもしれませんけども、やはり個々の内容にもこういう要素を入れた方がよいということがあるのではと思っております。その点何かお考えとかありましたらお伺いしたいと思います。
【池田課長補佐】 ありがとうございます。先生のご指摘の点、議題2にも関係するかもしれませんが、次の中長期目標・計画の策定に向けた議論といったものも今並行して進めていかなければいけないと考えております。ここで詳しくは申し上げませんが、先般の法人の評価でご指摘いただいた点も踏まえて全体をどう見直すかといった点、今回はあくまでも技術的な変更になってくるわけですけども、ここはもう少し膝を詰めつつ、しっかり考えていくべきだと考えています。
【赤松委員】 わかりました。そこはまた時期を改めてやると理解しておいた方がよろしいですかね。
【池田課長補佐】 そういった形も十分あると思います。
【赤松委員】 わかりました。今回この機会にご指摘差し上げる必要があればそのようにしたいと思います。また別でそういった機会があるということであれば、もう少しいろいろなものが煮詰まってからご指摘した方がよいかなとも思いますので、そこは事務局のご判断にお任せします。ぜひそういう機会はいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
【池田課長補佐】 承知いたしました、ありがとうございます。
【赤松委員】 私からは以上です。ありがとうございました。
【髙橋部会長】 確か新中長期目標についての議論をする場が部会であるはずですので、恐らくその場でやっていただいた方がよいかなと。今回の目標変更案は残りあと1年と少しの分になりますので、むしろ第5期の新中長期目標にいろいろな課題も含めて、委員の皆様の意見を反映する場を設けた方がよいかもしれません。そこは事務局と相談させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
【赤松委員】 ぜひそのように扱っていただければと思います。ありがとうございました。
【髙橋部会長】 他にご意見等ございますでしょうか。私からまず1つ確認ですけども、今回の資金供給機能の強化は、今後、年度評価あるいは期間評価の対象になるということでよろしいでしょうか。
【池田課長補佐】 おっしゃる通りです。今回資料の2-3でお示しした通り、法人の評価の軸としても新しく位置づけております。今般の基金を活用した事業をこれから実施してまいりますが、そこでどういった成果が生まれたとか、そういった点については、法人の評価の中にも入ってきます。こちらは今回4府省共管の基金になりますので、文科省始め内閣府、総務省、経産省それぞれから法人の評価がなされるということでございます。
【髙橋部会長】 わかりました。その前提なのですけども、先ほど参考資料6でご説明があったように、速やかに総額1兆円規模の支援ということがありましたが、仮に1兆円規模の基金になった場合、委託ですとか補助金は毎年おおよそどれくらいの規模になるのか、お答えしにくければお答えは控えていただいても結構ですけども、もし可能であれば、規模感がわかれば、教えていただきたいのですけれども。
【池田課長補佐】 今回はあくまでも3000億円の基金となっておりまして、今後速やか1兆円規模の支援を行うことを目指すとされている以上のことはこの段階では申し上げることがなかなか難しいですが、今回の3000億円の規模につきましては、テーマは技術戦略踏まえつつ決定されていきますけれども、予算の要求計上のときのイメージで言うと、例えば1件当たり年間数億から数十億円程度の支援を最長10年間の中で実施していくといったものが、複数走っていくようなイメージになってくるかなと思います。
【髙橋部会長】 わかりました。そうすると例えば1兆円規模になると、かなり多額の委託あるいは補助金を扱うことになると思いますけれども、先ほどご意見ご質問にあったように、私は2つ課題があると思っています。1つは目利き力です。目利き力の確保というのがかなり重要かなというのと、もう1つはそれだけの多額の金額を扱うことになってくると、コンプライアンスの徹底というのも大きな課題になると思います。この点はいかがでしょうか。
【池田課長補佐】 ありがとうございます。まず目利き力の確保といった点、極めて重要だと思っております。今回基金の造成法人をJAXAとしたのは、宇宙に係る先見的な目、ノウハウがあるということでJAXAにお願いをしたいということで我々は考えてきた次第でございます。他方でJAXA自身が研究開発をしながら他社にも資金供給をするといった観点でのファイアーウォールをどういう形で敷くかについては、国会ですとか国民の皆様の目線も踏まえながら、しっかり説明責任が果たせる範囲を探っていきたいと考えている次第でございます。
【髙橋部会長】 ありがとうございます。今私が申し上げた目利き力ですとか、コンプライアンスの課題も含めて、JST、科学技術振興機構の業務が極めて参考になるのではないかと思います。ぜひJSTの取り組み等を参考にして取り組んでいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
【池田課長補佐】 大変貴重なご意見ありがとうございます。そうさせていただきたいと思います。
【髙橋部会長】 他にご意見ご質問等ございますでしょうか。ないようですので、今回の変更案につきましては、修正意見は特段無しということで、この文案で部会としては了承ということにしたいと思います。何かご意見ございますでしょうか。
(意見なし)
【髙橋部会長】 それでは、本変更案について部会としては了承ということにしたいと思いますのでよろしくお願いいたします。今後のスケジュールとしては、共管府省の各部会でのご意見を事務局で反映調整した後、来月に文部科学省国立研究開発法人審議会において意見聴取が行われる予定であります。
それでは次の議題に移りたいと思います。次の議題は非公開となりますので、委員および次の議題におけるJAXAの説明者以外の方は、ここでご退出をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。
―― 了 ――
研究開発局宇宙開発利用課