国立研究開発法人審議会 宇宙航空研究開発機構部会(第11回) 議事録

1.日時

平成29年12月13日(水曜日) 14時00分~17時00分

2.場所

文部科学省 16階1会議室

3.議題

  1. 宇宙航空研究開発機構の次期中長期目標等について
  2. その他

4.出席者

委員

部会長 髙橋 德行
部会長代理 古城 佳子
臨時委員 永原 裕子
臨時委員 黒田 有彩
臨時委員 平野 正雄

文部科学省

宇宙開発利用課長 谷 広太
宇宙開発利用課企画官 山之内 裕哉
宇宙開発利用課課長補佐 佐々木 裕未

【説明者】
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
理事 坪井 裕
理事 山本 静夫
経営推進部長 石井 康夫

5.議事録

【髙橋部会長】  少し早いですけれども、ただいまより第11回JAXA部会を開催いたしたいと思います。本日はお忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。
 本日は、先月に引き続いて、JAXAの次期中長期目標(案)に関する議論を行います。
 まずは事務局から、本日の会議に関する事務的な連絡をお願いいたします。

【佐々木課長補佐】  事務局から御説明差し上げます。はじめに、本日の会議の出席者につきまして、委員及び議事に関係のある臨時委員7名中5名が出席し、定足数を満たしていることを御報告いたします。また、本日の部会は公開とさせていただきます。
 続きまして、本日の配布資料ですが、議事次第のとおり、資料1から資料5まで配布させていただいてございます。また、机上配布資料として、JAXA部会委員からの御意見、中長期目標の目次のローマ数字4 項以降の評価の視点及び関連する評価指標、次期中長期計画(素案)、次期中長期目標・計画(案)の概要、フローチャート(案)の5点を席上に置いてございます。
 欠落等の不備がございましたら、事務局までお知らせ願います。
 事務局からは以上です。

【髙橋部会長】  ありがとうございました。
 それでは、本日の部会の進め方について、事務局より説明をお願いいたします。

【佐々木課長補佐】  事務局の方から御説明差し上げます。
 本日の部会の進め方ですけれども、まず、JAXAの次期中長期目標(案)と中長期目標の別添となります政策体系図(案)につきまして、前回頂いた御指摘及び共管府省との調整等を踏まえた修正案を御説明させていただきます。
 次に、こちらも次期中長期目標の別添になるのですが、目標の目次のローマ数字3 項、研究開発の部分の評価に関する評価軸等(案)について、こちらも部会の先生方に前回頂いた御指摘や共管府省との調整を踏まえた修正案を御説明させていただきます。さらに、目標の目次のローマ数字4 以降の横断的な事項の評価の視点と関連する評価指標についても御説明させていただきます。
 最後に、次期中長期目標を受けてJAXAで策定される予定の次期中長期計画の素案につきまして、JAXAから御説明いただきたいと思っています。
 どうぞよろしくお願いいたします。

【髙橋部会長】  ありがとうございました。
 それでは、お手元の議事次第に従いまして、議事を進めて参りたいと思います。最初の議題は、「JAXAの次期中長期目標等について」です。
 まず、次期中長期目標(案)における前回の部会での指摘等を踏まえた修正案について、事務局より説明をお願いいたします。

【山之内企画官】  私の方から説明させていただきます。資料1を御用意いただけますでしょうか。
 赤字で書いてある部分が、前回資料からの主な変更点でございます。細かい修正もあるのですが、他府省の部会での変更点も併せて御説明させていただければと思います。
 では、ページをおめくりいただきまして、4ページからでございます。下の方に赤字で書いてあるのですが、ここの部分は、部会長からの、JAXAの今までの変遷の記述を追加していただきたいという御意見を踏まえまして、入れております。
 簡単に申し上げますと、第1期、第2期中期目標期間においては、主に宇宙科学技術の水準の向上を目指してきた。第3期期間では、実社会において役立つ段階にまで到達した。次のページになりますが、第4期期間においては、研究開発、利用に取り組むに当たって、これまで以上に中心的役割を果たしていくことが期待されているという形で入れております。
 次に、5ページの下の方なのですが、これは内閣府からの意見でございます。この部分から、宇宙基本計画の三本柱の内容が書いてございます。この三本柱の政策目標をしっかり示した上で、JAXAのやることを書いてほしいという御意見がございました。そのため、こういった文章を追記しております。課題や基本計画の政策目標を記述しております。
 次のページをおめくりいただけますでしょうか。6ページになります。ここの上の方も、同じように内閣府からの意見でございまして、基本計画の政策目標を記述しております。
 その下に「利用促進を通じ」と赤字で書いてあるのですが、ここのところは白坂委員からの御意見で、民生分野における宇宙利用の促進という目的もあるはずで、研究開発だけではないのではないかということで、「利用促進を通じ」ということを一言入れております。
 その下に、「この際には」というところに赤字があるのですが、ここは内閣府からの意見でございまして、測位衛星などは地理空間情報政策と密接に関係しているからということで、追加しております。
 1.3.の部分でございますが、ここも先ほどと同じように、内閣府の基本計画の政策目標を追加しております。
 次のページ、7ページでございますが、「JAXAを取り巻く環境変化」と赤字で書いてございますが、ここはタイトルがなかったのですが、分かりにくさがありましたので、タイトルを付けてございます。
 次のページをおめくりいただけますでしょうか。8ページになります。赤字でずらっと書いてあるのですが、ここのところは内閣府からの意見でございまして、宇宙産業の状況や海外動向、海外のベンチャーの状況など、こういったところを追加しております。
 次のページ、9ページでございます。「JAXAの取組方針」というタイトルに赤字が付いていますが、ここもタイトルがありませんでしたので、分かりやすくタイトルを付けたということでございます。
 その下、安全保障の確保及び安全・安心な社会の実現のところでございます。「防災・災害対策」とありますが、これは部会長からの御意見で、防災だけではなくて、災害対策という文言も追加している状況です。
 その下、「基盤の維持・強化のための取組等を推進する」というところを赤字で書いてございますが、内閣府からの意見で、基盤の維持・強化については、11ページに全体の四本柱を支える横断的内容の箇所に書いていたのですが、四本柱の中にそれぞれに位置付けてほしいという意見がございまして、1番目の柱である、この安全保障、安全・安心な社会の実現のところに書き加えて、追加しております。
 その下、ずらっと赤い記載があるのですが、ここのところは、部会長と内閣府からの御意見で、取組方針における具体的記述が薄かったので、追記している状況でございます。
 この赤字の中なのですが、下から4行上のところに、輸送能力の継続的確保とあったのですが、ここのところを、確保だけではなく向上もあるのではないかという黒田委員からの御意見で、付け加えております。
 次のページをおめくりください。10ページでございますが、ここも「具体的には」のところ、内閣府から具体的内容を厚くしたいということで、入れております。
 その下の(3)、4つの取組方針の中の3番目のものですが、永原委員からの御意見で、宇宙科学分野は国際的プレゼンスの維持・向上だけではないという意見があり、そのため、「世界最高水準の成果創出」という言葉を入れています。
 その下、「また」以降の「長期的な視野から」とあるのですが、これも内閣府から、先ほどお伝えした基盤の維持・強化、こういったところをそれぞれの柱にも入れた方がいいということで、入れております。
 次の11ページでございますが、上から2行目のところ、「JAXAは社会を技術で先導し」と初めは書いていたのですが、古城委員からの御意見で、技術だけではなくて科学もあるということで、「科学」と追加させていただいております。
 その横に、赤字では書いていないのですが、「組織へと変革」のところについて、平野委員、黒田委員からの意見で、前はそうではなかったような書き方であるのではないかという意見がございました。事務局とJAXAでも検討しまして、そもそも基本計画の中では、JAXAは中核的実施機関と位置付けられております。こういった表現は、計画を実行する役割に留まっているような印象があるので、政府に対し新たな価値を提案するといった更に踏み込んだ役割を担うという意味で、期待を込めて、「変革」という形にできないかと考えております。後ほど、再度御意見をいただければと思います。
 その下、3.1.測位衛星のところ、ここも内閣府から、測位部分の記載が非常に少ないということで、状況など重要性を追加している状況でございます。下の「我が国の測位システムの高度化」なども同様でございます。
 次のページをおめくりいただけますでしょうか。12ページでございます。「AI等の革新技術も活用しつつ」とあるのですが、これは内閣府の方からのAI技術の活用にも触れるべきとの意見を踏まえ、追加させていただいております。
 3.3.衛星通信でございますが、ここも内閣府から記載が薄いとの意見がございまして、意義、必要性などを追加しております。
 下の方に赤字で書いてあるのですが、これはETS-9を念頭に、民間事業者やNICTとの連携などを追加しております。
 次のページでございます。宇宙輸送システムの部分でございますが、前回お見せしたときは、オンタイム打上げ率が書いてあったんですが、打上げ成功率はなかったので、追加している状況でございます。
 次のページ、14ページでございます。上の方に、「さらに、SSAを活用した宇宙交通管制(STM)などの新たな議論が行われている」とあるのですが、内閣府からの意見でございます。STMについては、今後、宇宙政策委員会でも議論される見込みということで、状況を追加しております。
 その下、3.6.海洋状況把握のところでございますが、ここも内閣府からの意見で、MDAの意義や重要性を追記しているとともに、その下に、「防衛省や海上保安庁」とありますが、海上保安庁を付け加えております。
 その下、「関連するデータ処理・解析技術」とあるのですが、ここは白坂委員からの御意見で、MDAでは衛星や装置を作るだけではなく、データ処理や解析、そういったものも必要だという御意見を踏まえて追加しております。
 その下、「民生技術などの幅広い技術云々」のところですが、ここは、民生技術の活用可能性を含む今後の在り方を今後内閣府で検討する予定があるということで、それに協力できるよう追加させていただいております。
 3.7.宇宙システム全体の機能保証についてでございますが、上の部分は、機能保証の意義・必要性を内閣府からの意見で付け加えています。
 その次のページ、15ページでございますが、「政府の検討に対し」を赤字で書いてあるのですが、白坂委員から、政府への支援について具体的内容を追記してほしいということで、追記しています。
 その次、宇宙科学・探査でございます。「また、プロジェクトの創出云々」のところでございますが、内閣府からの意見で、大学などと協力・連携してプロジェクトを進めるべきということで、追加しております。
 一番下の国際宇宙ステーションの部分、「日米協力をはじめとした多国間の国際協力」については、古城委員からの意見を踏まえまして、ISS協力の相手は米だけではなく多極との協力であるという意見も踏まえて、多国間の国際協力という形で入れております。
 次のページ、16ページでございますが、真ん中に赤字で書いてある、「大学や民間事業者等とのより一層の連携強化を通じて」とあるのですが、こちらは総務省から意見がございました。産学官で幅広く利用されるというのが、具体的にどうやって実現するかというところが分からないということで、こういった具体的な内容を追記しております。
 その下、3.10.国際有人宇宙探査でございますが、国際有人宇宙探査につきましては、宇宙開発利用部会でずっと議論しておりました。そのため、前回お見せしたときは、まだ調整中という形で出させていただいたのですが、先日、宇宙開発利用部会において国際宇宙探査の在り方が取りまとめられましたので、その内容に沿って記載いたしました。
 次のページに書いてあるのですが、簡単に説明しますと、特に日米首脳会談などを受けて、米国が構想する月近傍の有人拠点構築への参画、月への着陸探査活動の実施などを念頭に、我が国の計画の検討を進める。我が国として優位性や波及効果が見込まれる技術、括弧で4つ書いてありますが、こういったものの実証に取り組むなどを記述しているものでございます。
 その次、3.11.でございます。ここはタイトル全体を赤くしているのですが、もともと前回お見せしたときに、追跡運用技術は、3.5.宇宙状況把握(SSA)と一緒に書かせていただいておりましたが、内閣府の方から、基本計画に合わせるべきと。基本計画では、宇宙状況把握は単独で書いてございますので、そのため、追跡運用技術を環境試験技術と一緒に合わせて書いております。本文に赤字で書いてある部分は、全く内容的には同じでございます。
 次に、4.分野横断的な研究開発等の取組でございますが、ここは古城委員からの御意見で、何を横断するのか明記すべきとの意見で、「分野」というのを一言入れております。
 次のページにかけて、ここはオープンイノベーションのところでございますが、平野委員から、探査の分野だけではなくて、オープンイノベーションは産業界の動向を踏まえた一般的な取組も必要という話を踏まえまして、「産業界の動向も踏まえて異分野の技術を融合した」と入れさせていただいております。
 その下、「宇宙産業を担う人材の育成にも貢献する」というところ、これは追加しているのですが、宇宙政策委員会で、宇宙産業を担う人材育成にJAXAなどがより一層いかに協力できるかといった議論が今行われているところでございまして、内閣府からその一言を入れてほしいということで、入れている状況でございます。
 その下の4.2.のところでございますが、再使用型宇宙輸送システム技術で、括弧の中を追記しております。これは総務省からの意見で、再使用ロケットがなぜ社会を先導する技術なのか説明が必要ということで、括弧を付け加えております。
 その下、「システム開発手法等の研究開発等に取り組み」というところでございますが、白坂委員から御意見で、低コスト化や短納期化といった、そういった研究も産業競争力の確保の観点から重要であると、そういった研究開発を明示すべきということで、「システム開発手法等の研究開発」ということを追加させていただいております。
 その後は少し飛びまして、20ページをお開きいただけますでしょうか。ここから横断的事項の国際協力の部分になるのですが、上の「あるいは国際機関」というのを追加しています。これは内閣府からの意見で、気候変動などについては、国連や世銀といった国際機関との連携も必要であり、宇宙利用機関だけではないということで、これを追加させていただいております。
 その下、「宇宙インフラの定着」でございますが、ここは前回も古城委員からも意見がございました、宇宙システムとさせていただいていたところ、少し分かりにくいということで、「宇宙インフラ」と書き換えております。
 その下、調査分析の箇所にも赤字で書いてあるのですが、これは国際的状況を追加した方がいいという内閣府からの意見で、追加しております。
 その下、国民的な理解の増進のところでございますが、これは総務省の方から、国民の理解を得ることが不可欠という前提を明記してほしいとのことで、この「国民の理解を得ることが不可欠である」という一文を付け加えております。
 次のページは、次世代を担う人材育成への貢献というところなのですが、ここは永原委員からの意見で、文章が長めに書いてあって分かりづらかったのですが、よりシンプルにということで、先生からの意見を受け、分かりやすく書き換えております。
 その下、1.3.プロジェクトマネジメント及び安全・信頼性の確保でございますが、白坂委員から、プロジェクトマネジメントの能力向上については、単なる改善だけではなく、最新の方法論等、そういったものを取り入れることも必要だということで、この赤字の部分を追加しております。
 その次のページ、22ページをお開きください。下の方の人事に関する事項なのですが、「着実なプロジェクト実施や新たな研究開発を主導するリーダーの養成」というところを付け加えています。これは永原委員からの意見で、プロジェクトのリーダー養成を入れるべきとの意見を踏まえて、入れております。
 その下、女性の活躍促進についてでございますが、ここはスクワイヤーズ委員からの御意見がありまして、一言付け加えさせていただいております。
 一番最後、24ページの自己収入増加の促進ですが、ここには外部資金や競争的資金といった自己収入の増加に関する記載があるのですが、財務省の方から、ここはタイトル化した方がいいという意見があったことを踏まえまして、(2)自己収入増加の促進という形で入れている状況でございます。
 これで本文の説明は終わりますが、そのほか、フローチャートを前回説明させていただきましたが、これについても簡単に説明させていただければと思います。
 机上配布資料5を見ていただければと思うのですが、これも変更の部分は赤字で書いております。基本的には、本文の修正に合わせて修正しているところでございますが、先生方からの意見を踏まえて直したところは、下線を引いてございます。
 まず2ページを開いていただければと思います。ここで「産業振興及び公共的な衛星データ利用分野の拡大」とあるのですが、これは白坂委員から、産業を支援する旨の表現をちゃんとアウトカムに入れるべきだという御意見を踏まえて、入れさせていただいております。
 飛んで、4ページのところでございますが、ここは永原委員と黒田委員から、輸送システム、基幹ロケットについて、民間移転後の話がないということで、「我が国の宇宙輸送技術の継続的な向上のための研究開発の推進」というのを入れております。
 あとは、さらに飛んで、8ページ、宇宙科学・探査のところでございます。ここは、本文の説明でも説明しましたが、永原委員の方から、宇宙科学・探査の取組の目的として、プレゼンス向上だけ挙げていたのですが、それだけではなくて、やはり知的資産創出もあるということで、その話を一番上に入れているのと、あと、アウトプットの方が上位の概念のように読めるということで、その並びなどを修正させていただいています。
 あとは、飛んで12ページでございますが、4.1.民間事業者との協業等の話でございます。アウトプットのところに下線が引いてございますが、白坂委員から、本文の記載に合わせて修正した方がいいということで、「研究開発成果の社会還元促進を通じた新たな事業創出の実現」と修正しております。
 次のページ、ここは、取組のところに下線が引いてあるのですが、ここは先ほども説明したとおり、白坂委員からの御意見によりシステム開発手法の内容を入れているという状況でございます。
 フローチャートは、このような形で直させていただければと思っております。
 最後、JAXAに係る政策体系図でございます。資料2の1枚紙を見ていただければと思います。
 見え消しで修正させていただいているのですが、一番上の方に、第5期科学技術基本計画とあって、基本計画は基本的に5年でして、JAXAの中長期目標期間は7年なので、6期の科学技術基本計画にもかかってしまうことから、第5期を消しています。
 あと、機構を取り巻く環境の変化のところで、宇宙航空分野における新興国の台頭について、新興国の台頭は、最初、宇宙科学・探査の話として書いてあったのですが、それだけではなくて、分野全体において台頭しているので、そのように修正させていただいております。
 一番下の赤字のところ、「社会を科学・技術」、ここは先ほども説明したとおり、古城委員からの御意見で修正しております。「変革」については、できれば変革という内容で、変えずにいきたいと思っております。
 一番最後のところは、プレゼンスの維持・向上だけではないので、「世界最高水準の成果創出」を入れさせていただいております。
 以上で修正の説明は終わりです。

【髙橋部会長】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明に対する御質疑等をお願いいたします。
 永原委員、どうぞ。

【永原臨時委員】  組織のところを、「組織への変革」という言葉を入れたのは非常に結構なことだと思います。現状として位置付けられていて、開発要素などがほとんど抑えられてしまいますので、変革という言葉は非常に重要なものとなると思います。

【髙橋部会長】  ここは今までやっていないというよりも、どんどん変革して進化させているという、そういう意味での変革で、別に過去を否定しているわけでもなくて、どんどん新しい組織に進化していると。それを変革というように呼ぶと、そういう位置付けだと思いますが。

【山之内企画官】  ありがとうございます。

【髙橋部会長】  1つ、私から。フローチャートの4ページで、アウトプットのところ、先ほど御説明があった、我が国の宇宙輸送技術の継続的な向上のための研究開発の推進、これは結構なのですが、アウトプットということで定義すると、継続的な向上、これがアウトプットで、そのための研究開発の推進ですから、ここは推進まで入れてしまうと、アウトプットではなく、取組になってしまうので、「継続的な向上」で止めておいた方が、アウトプットということになるのかなと。今までそういうふうに整理してきたので、それに準じて修正した方がいいかと思いますけれども。

【山之内企画官】  分かりました。

【髙橋部会長】  いかがでしょうか。平野先生、どうぞ。

【平野臨時委員】  新たな価値を創造する組織への変革というのは、それはそれで良いと思いますが。それが実際何を意味するのかというのを今もう一度読み直してみたところ、やはり冒頭のJAXAの位置付け、役割の記述が重要であると思いました。4ページから5ページの頭にかけてのところです。
 赤字で修正して加えられた位置付けの変遷というのも重要な記述だと思われますが、特に重要なのは、変革という意味においては、何から何への変革なのか、第4期においてどうなっていくのかというところだと思います。
 ここに書かれている文言からそのことを解釈すると、4ページの下から3行目の「JAXAは我が国の」というところから始まって、ロケット・人工衛星の開発・運用、有人宇宙開発等々がありますね。さらに今度は5ページの上の3行のところの赤字で書いてあるところの最後が、「これまで以上に中心的役割を果たしていく」というところを結び付けると、これらの分野において中心的役割を果たして、新たな価値を生むことが期待されているというふうに読めますが。

【山之内企画官】  そうです。おっしゃるとおりです。

【平野臨時委員】  であるとすれば、この辺の「研究開発能力を有する組織であり」という書きぶりではなくて、この分野において新たな価値を生む中心的役割を果たしていくというようにして頂けると変革のイメージも意義も明確になると思いますので、工夫していただいたらと思います。

【山之内企画官】  そうです。今言った、具体的に何をしていくのかというところを付け加えさせていただいて。

【平野臨時委員】  そうですね。新たな価値だけだとよく分からないですけど、この分野で中心的役割を果たし、新たな価値を生むというように記述していただくと。

【山之内企画官】  分かりました。ありがとうございます。

【永原臨時委員】  すみません、今の点、私は少し頭の中が整理しきれないのですが。JAXAが中心的役割を果たすのは重要なことではあるのですが、他方で、日本の宇宙全体の方向としては、より裾野を広げるといいますか、民間の参画を導入するということに基本計画の中では重点が置かれていました。ですから、単なる研究機関、研究開発法人であれば、成果が抜きん出ればよいのですが、JAXAの場合は裾野を広げることに対する中心的役割を評価しないと、国の宇宙政策などと若干齟齬が生じるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

【平野臨時委員】  これについては、4ページの一番最後に、「宇宙航空産業の発展において」とあるんですね。ですので、そこで拾っているというふうな読み方もあると思います。

【永原臨時委員】  なるほど、これに含まれているということですね。

【平野臨時委員】  キャタリスト的な役割であるとか、技術を開示して活性化する役割とかが、多分、含意としてはあるのだと思うのですが。

【山之内企画官】  永原先生がおっしゃった話でございますが、今、平野先生がおっしゃったとおり、そういった部分は含意して書いております。例えば、先ほど先生からもおっしゃっていただいた、具体的に何をしていくのかというと、新たな価値を政府などに提案していくとか、その中には、当然、裾野を広げていくという提案も入っているわけでして、そこはそれで読めるのではないのかなと。ただ、もう少し、ここの書きぶりは工夫させていただきます。

【永原臨時委員】  はい。

【平野臨時委員】  これは先ほど山之内さんから、JAXAの位置付けが、かつては中核的実施機関から、新たな価値を生むところへの変革という御説明がありました。そうであれば、具体的な中核的実施機関に該当する新たな機関の在り方というのが何かということは、ちょっと気になります。

【山之内企画官】  中核的実施機関という文言は、実際に文章としては、この中では、5ページの真ん中あたりに少し書いてあります。基本計画の中に、「政府全体の宇宙開発利用を技術で支える中核的実施機関」と、1ポツのところの下のところです。

【平野臨時委員】  1ポツの下ですね。

【山之内企画官】  2段落目なのですが、基本計画上はこういった形で書かれておりまして、こういったことをやっていけばいいということにはなっています。ただ、さきほど申し上げたとおり、実施機関というところで、単なる実施をするだけに留まっているような印象を与えているので、期待を込めて、さきほど申し上げたとおり、政府に対しても提案していくであったり、そういったところの機能もしっかり果たしていただきたいと、期待を込めて書いているということです。

【平野臨時委員】  だから、実施から一歩踏み出せということを言っているわけですね。

【山之内企画官】  そうです。書かれていることを実施するだけではないのだと。新しいものを生み出していくという思いです。

【平野臨時委員】  主導的・能動的な活動が期待されるということですか。

【山之内企画官】  はい。おっしゃるとおりだと思います。

【平野臨時委員】  その辺も含めて、この赤字の文言を工夫していただいたら良いと思います。

【山之内企画官】  分かりました。

【髙橋部会長】  実際、宇宙基本計画はもう見直しされていますよね。改訂、改訂で。

【山之内企画官】  改訂は何度かされています。

【髙橋部会長】  だから、もし折々に意見を述べる機会があれば、その辺の役割についても、この第4期では大きく変わってくるので、また文言を見
直す機会があれば、見直した方がいいと思うんですね。単なる実施機関ではないと。

【山之内企画官】  おっしゃるとおりだと思います。

【髙橋部会長】  逆に、こちらの中長期目標の中に先取りして、そういう形で入れておくということでもいいかと思うのですが。

【山之内企画官】  分かりました。おっしゃるとおりだと思います。
 そのためには、今まで以上にJAXAにも頑張っていただくということだと思います。

【髙橋部会長】  そうすると、今までは、評価についても、実施機関としての評価を受けてきたわけですけれども、新たなそういう表現、社会を先導するなど、そういったこと、アウトカムまで踏み込んだような役割、ミッションが課されていると、また評価の在り方も変わってくるのかなという感じもしますね。

【山之内企画官】  そうです。ハードルが高くなってしまう。

【髙橋部会長】  JAXAの方は、そういうミッション、役割が増え、責任も重くなっていくという状況下に置かれつつあるのですが、御意見を聞いていいですか。

【JAXA(山本)】  後ほど、また素案の段階としての計画の中に、そのあたりをどう書き込むような工夫をしているかも説明したいと思います。いずれにしても、役割が変わってきて、評価についても変わっていくというのは当然の流れであり、我々でも重く受け止めて努力したいと思っております。

【髙橋部会長】  7年間の目標を定めますが、7年ずっと同じ目標でいいかということもあります。非常に変化のスピードが激しいですから、またいろいろなものが付加されたり、あるいは、変わってくる可能性もありますね。

【JAXA(山本)】  そうですね。承知しています。

【髙橋部会長】  今の時点では、こういう目標でいくということですか。

【JAXA(山本)】  はい。

【髙橋部会長】  いずれにしても、実際にJAXAの研究者、職員の方が中心になって実施していくわけですが、マンパワーが本当に付いていくのかそういう心配をずっとしております。その上でも、目標は目標なのですが、これから計画段階に落としていくときに、マンパワーをどう確保するか。一方予算は決まっている、なかなか人は増えない。そうなると、いかに手離れよくして、今まで蓄積したいろいろなノウハウやシステム等を民間に移管し、JAXAが更に一歩先に行くことが重要だと思います。全部抱え込んではできないのだろうと思っています。手離れよくして、民間移行することが、結果的には、裾野を広げるチャンスになると思いますので、またその辺も後で聞かせていただければと思います。【JAXA(山本)】  はい。

【髙橋部会長】  ほかに御質問よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 それでは、続いて、評価に関する評価軸等における前回部会での指摘等を踏まえて、修正案及び目標の目次の4 項以降の評価の視点及び関連する評価指標について、事務局より説明をお願いいたします。

【山之内企画官】  資料4を見ていただければと思います。まず、12月4日に総務省の独法評価制度委員会から、独法の中期目標の策定について意見が出ております。それについて、説明させていただければと思います。
 資料4でございます。2ページをおめくりいただけますでしょうか。2ページの上から3段落目からでございますが、ここに、「委員会において、今後、調査審議を行うに当たり、重要と考える視点を以下のように取りまとめた。主務大臣は、今後の法人の目標策定に当たっては、特に、以下の視点から、目標に盛り込むことについて、検討していただきたい」という意見が出ております。それを簡単に説明いたします。
 (1)(2)と分かれていて、丸1から丸4の計4点、意見が出ております。
 (1)は目標設定に関してなのですが、丸1のところでは、地方公共団体や民間企業、こういったところを支援する役割を積極的に担うことを目標に盛り込むことを検討してはどうか。
 丸2の意見では、国・法人・その他の役割分担を明確にして、協働体制を確立・強化することについて、具体的な内容を目標に盛り込むことを検討してはどうか。
 次、丸3、これは(2)として、「評価の在り方」等に関するところでございますが、チャレンジングな取組を後押しするため、直接的な結果の成否ではなく、結果に至る過程において明確なマネジメントを行って業務改善につなげる、プロセスにおけるマネジメント自体を目標に盛り込み、適切に評価するということが書いてございます。
 最後の丸4においては、法人の長のトップマネジメントのについての取組を促すというような、そういった目標設定を検討してはどうかということが書いてございます。
 これら4点の意見を各独法に当てはめたものが4ページ以降に書いてございまして、少し飛びますが、10ページを見ていただけますでしょうか。10ページ、下の四角で囲ってあるのですが、ここから、丸3について当てはまる法人が書いてございます。下を見ていくと、次のページになるのですが、11ページ、ここにJAXAが位置付けられておりまして、JAXAについての意見がこれになります。
 中身としては、課題が3つあって、1つは、上の段落のところで、産業界への橋渡しに係る取組をより一層推進することを目標に盛り込む。もう一つが、その隣に書いてあるのですが、創出された事業数や民間事業者等に対するライセンス数等、法人の取組の進捗や達成度合いを測る適切な指標を設定することを検討してはどうか。「また」という形で、3点目が、研究開発の成果が当初企図したものとは異なるものであったとしても、目的達成のために行った取組、工夫について評価することができるように、研究開発の進捗管理の実施状況、こういったものを評価軸・指標として設定し、研究開発の過程で得られた成果も含め適切に評価することを検討してはどうか。
 こういった意見を12月4日にいただいたという状況でございます。
 こういったことを踏まえて、前回、最初の内容については、目標にもしっかりと書いてあると思うのですが、評価軸について、今申し上げた進捗管理の実施状況等を評価軸・指標としてはどうかということを踏まえて、前回、モニタリング指標、評価軸を見ていただきましたが、その中で、どのように盛り込んだのかという点を中心に、説明させていただきます。
 資料3を見ていただけますでしょうか。横表になっているものでございます。
 まず、前回お見せしたものからの違いなのですが、前回は、評価軸、真ん中の箱の部分、ここは全部一緒の箱に入れて、隣の評価指標、モニタリング指標というものを全部、こっちも同じ一つの箱にしてございました。これだと、JAXAにとって評価しにくいという意見もございまして、評価軸を4つの取組方針ごとに分けさせていただいたのが、大きく変わった点の1つになります。評価指標、モニタリング指標も、それに合わせて分けていると。今見ていただくと、評価軸の一番上には【安全保障の確保】の1番目の取組方針が書いてあり、それに合わせた評価指標、モニタリング指標というのを横に書いたという状況でございます。
 中身的には、実は、前回と変更はほとんどありません。ただし、2点変更しているところがございまして、1点目が、一番最初の箱である【安全保障の確保】のところの隣の評価指標を見ていただければと思うのですが、評価指標があって、成果指標が括弧で書いてあって、その下に、マネジメント等指標とあるのですが、その中に、研究開発等の実施に係るマネジメントの状況の例のところなのですが、先ほどの総務省の意見をとりいれて、括弧で、研究開発の進捗管理の実施状況というのを追加しております。
 そのほか、もう1点、変わったところといたしましては、2つ目の箱の【宇宙利用拡大と産業振興】という評価軸なのですが、そこの隣の評価指標の成果指標のところ、一番上の丸の宇宙利用の拡大なのですが、ここに他府省からの意見で、括弧として、品質・コスト・スケジュール等を考慮した取組を含むと入れさせていただきます。これは、例えば、ロケットなどを安くするといったことを目標に掲げているので、そういったものをきちんと指標として入れるべきではないかという意見を踏まえて、追加しているものでございます。
 あとは、ほとんど前回とは変わりはありません。
 資料3の説明は、一旦これで終了させていただいて、次は、机上配布資料2でございます。本文のローマ数字の4 以降の項目の評価の視点という形で、評価する際の考えを書いてあります。これは位置付けとしては、研究開発の項目ではないので、大臣決定とはなりません。つまり、目標に添付するものではないのですが、来年から皆様に評価を行っていただくに当たって、各府省のJAXA部会でどのような視点で評価していくかという認識を共有できればと思いまして、作らさせていただきました。
 そういった意味で、来年からの評価の際に修正するということも可能でございますが、今の時点で御意見などがあればと思い、お示ししております。
 これは、内容としては、4 以降の目標の項目が左側にずらっと並んでおり、真ん中には、評価の視点とあります。この評価の視点というものは、本文の目標を裏返しで書いているような状況でございます。右側の関連する指標でございますが、これは評価の視点を測れるような指標を書いているという形にさせていただいております。
 例えば、1.1.国際協力・海外展開の推進及び調査分析とありますが、ここでは、関連する指標としては、一番上には、国際協力案件の創出の状況、例えばという形で、括弧でMOU締結等新たな協力の立ち上げ件数、1.2.国民の理解増進のところでは、関連する指標として、広報活動や教育支援活動の取組状況、1.3.プロジェクトマネジメント及び安全・信頼性の確保のところでは、関連する指標として幾つか挙げておりますが、例えば、本文にはフロントローディングの考えを書いておりますが、それを測るために、3番目のポツに、プロジェクトの計画段階から準備段階における初期的な検討や試行的な研究開発の活動状況、こういった形で書いてございます。
 次のページをおめくりいただきますと、そのほか、受託の内容や、法人共通の内容も同様に評価の指標を入れているという形にさせていただいております。何か御意見があればと思います。
 説明は以上でございます。

【髙橋部会長】  ありがとうございました。

【佐々木課長補佐】  すみません、補足させていただいてよろしいですか。
 評価の運用上のイメージを持っていただくための補足なのですが、特に資料3の方で、どういうふうにJAXAの自己評価書にこの指標を載せていくかという内容です。基本的には、一番右の箱にある白丸のところの項目を、JAXAの自己評価の各評価項目、3であれば3.1.から3.11.まで、4であれば4.1.と 4.2.、5の航空の項目を一つずつ載せていくということになります。
 もう御理解いただいているとは思うのですが、例えば、2ページの上の方の成果指標のところで、2個目に宇宙実証機会の提供数というのがあるのですが、例えば、こういうものは全ての項目に当てはまるものではないということで、基本的には自己評価書にJAXAに書いていただくのですが、場合によっては該当しない項目というのが、今の箱の並び上存在するので、そういった場合は、それは掲載しないということもあり得ます。
 掲載しない項目については、しっかりした説明が立つかという観点で、JAXAで判断を行いますし、必要に応じて各府省の事務局と相談するということになります。
 もし部会の委員の方々から、この項目は該当しないからと言って、数字を出さないのはおかしいのではないかというような御意見も出るかもしれないので、そういった場合は、JAXAの方で、もう一回出せないかどうかをきちんと検討して、必要があれば、今後、翌年度以降の集計項目に加えるなり、追加でその年度のものを提出させていただくなり、そういった形になると事務局としては考えています。
 実務をやるJAXAさんの方で何か補足があればとお願いします。

【JAXA(坪井)】  今まさに御説明いただいたとおりで、実際、この評価軸等は、来年度からの事業への評価なので、実際は再来年度の評価書からの適用になります。そのときに、今申していただいたように、どの項目に当てはまるか、どういったものが出せるか、しっかりと検討して、説明できるような形で自己評価書を作っていきたいと考えております。

【佐々木課長補佐】  以上、補足でした。

【髙橋部会長】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明について、御質疑、よろしくお願いいたします。
 私から、よろしいですか。これだけ詳細な評価指標、モニタリング指標が出てくると、すべての指標に対応しなければならないという懸念があるので、今おっしゃったように、やるものとやらないものを明確に分けてやっていけば、いいと思います。
 それにしても、詳細過ぎるなという感じがしていて、やはりJAXAとして、先ほどあった第4期の役割、ミッションを果たすために評価すべき指標は何かという、本質的な評価軸、評価指標が本当はあった方がいいと思います。また、評価する側、私たちの立場とすれば、余りこういう指標にとらわれ過ぎずに、柔軟に対応して、JAXAが本当にミッションを果たしているのかどうか、国際競争力観点から、あるいは、産業振興の観点などから、ミッションを果たしているのかどうかということを中心に評価すべきではないのかなと思います。 

【平野臨時委員】  今の点について僕も混乱するのですが。ここに書かれている評価指標云々というのは、アウトプット・アウトカムの関係から考えるとアウトプット的ですよね。今、部会長がおっしゃったのは、アウトカムが大事ではないのかと。ミッションの達成ということをおっしゃっているわけです。
 実は、前回の議論も踏まえて、我々はアウトカムを重視できるのか、過程ではやはりアウトプットも評価するのかということを整理していただけると分かりやすいのと、その上で、現在の整理では左側にプロジェクトが並んで書かれており。同じアウトプットであっても、プロジェクトごとにふさわしい意味のあるアウトプットと全く測定も不要で無意味なアウトプットもあると思います。結局、右側には割と一般的な項目のリストになっており、JAXAの方で左側のプロジェクトごとに最適な指標を選んで頂き、これでいきますという御提案があれば、それをモニターしていくのが良いと思います。それから、結局重要なのはアウトカムなので、結果として、各プロジェクトがどのようなインパクトを社会や産業に与えたのかというところを総合評価をするという整理で良いのかどうか。その辺りのことが少し分かりにくくなっていると思いますので、配慮いただけるとありがたいと思います。

【山之内企画官】  おっしゃるとおりだと思います。どうしましょうか。

【JAXA(坪井)】  ここには定義が余り書いていなくて、あくまでも評価指標とモニタリング指標は本当は随分性格が違っていて、評価指標の方が、まさに評価をするためのものであって、モニタリング指標というのは、ある意味で参考値的な数値が出るようなデータだという書きぶりが指針に書いてありまして、こう並べるとみんな一律に見えてしまうのですが、そこに性格的な違いはあると。
 したがって、自己評価書を作るときも、そういったところを念頭に置きながら、基本的には成果指標の方に書かれている取組の成果といったところできっちり説明をして、モニタリング指標はあくまで数値データだというような作り方で作っていければいいかなとは思っております。

【山之内企画官】  もともと説明には、モニタリング指標というのはあくまで参考値というのは書いてあって、それに基づいて作っています。だから、おっしゃるとおり、並べると違和感があるというところはあるのかもしれないので、例えば、欄外に、モニタリング指標については参考値であるなど、指針に書いてあるようなことを本文のどこかに入れるということは可能かと思います。

【髙橋部会長】  例えば、宇宙利用拡大と産業振興の中で、モニタリング指標の中の成果指標に、2ページ目ですけど、新たな事業の創出数とありますね。数が問題なのかなと。たとえ1つでも、社会にインパクトのあるような事業ができれば、僕は、その方がよっぽど価値はあると思うんですね。でも、こうやって創出数となると、とにかく数を出せということになりかねないんですね。中身の質的なレベルがあんまり感じられないんですね。
 ですから、1つでも、2つでも、むしろ中身の濃い、インパクトのある事業の創出ですとか、あるいはライセンスでも、非常に社会的なインパクトがあるライセンスですとか、あるいは国際レベルから見てインパクトのある成果などが、本来の成果指標ではないのかなと思います。

【山之内企画官】  分かりました。

【佐々木課長補佐】  創出数は、今のところ、モニタリング指標として整理されているので、これだけで評価するわけではないです。今書いてあるようないろいろなモニタリング指標のデータを見た上で、評価指標の中で、定性的な部分も含めて、総合的な評価をするということだと思っています。

【髙橋部会長】  永原委員、どうぞ。

【永原臨時委員】  評価指標の中に、括弧付けで例というのは、いかがなものでしょうか。特に、これだけ具体的ですと、例とは言うものの、今後において必ずこれが出てくると予想されます.先ほど部会長もおっしゃったように、本当にインパクトのある事柄が重要なのに、例えば、MOUの数などと言うと、必要もないのにMOUを結んで数を増やすといったことに、つまらないエネルギーを使ってしまうのではないかという懸念がわきます。
 極力、指標は抽象的で、余りここは立ち入った書き方をしない方がよいのではないでしょうか。しかも、これは、7年間原則使われるわけですから、なるべく一般的な形にしておき、個別のときに具体的に考えられる方がよいのではないかと思います。そうでないと,細かい数値が一人歩きし、その数値が多いからAだとかBだとかという話になってしまいそうな気がします。
 それから、一番最初の安全保障の確保というところに、モニタリング指標が打上げ成功率・オンタイム成功率と書いてあるのですが、これが安全保障なのかと違和感があります。安全保障部分は、国としての方針であるものの、JAXAからしてみると、業務的にやることと、本当にこれから切り開こうとしていることとが同列になってしまっている印象です。

【山之内企画官】  並べてしまうと、そう感じられるかもしれません。今、佐々木が説明したとおり、あくまでも評価指標で評価するわけで、モニタリング指標というのは、あくまでも参考値。参考として、JAXAの方から説明を聞いて、どれを選択するかというのは、当然、JAXAの方でもいろいろ考えていただいて、必要なところを出すと。だから、今言ったような、例えば、事業創出数も、インパクトが重要と考えれば、もちろん、そちらも出しますし、あくまでも参考として。だから、例が括弧で書いてありますが、これ全体がもう例といった印象で見ていただければと思います。
 ですから、例えば、モニタリング指標の位置付けというのはどういうものかということを、どこかにしっかりと明記するなど、そういった方向で対処させていただければと思います。

【平野臨時委員】  一般的に言えば、モニタリングはモニタリングするもので、途中段階で、今順調に推移しているかどうかをモニターするための指標です。ですから、最終的な評価指標とは別に、健全な状態で各プロジェクトが進行しているのか、あるいは想定された時間軸どおり進んでいるのか、ということなどをモニターしたいわけです。評価者の立場からいけば。そういうものがモニタリング指標であって、結果の評価とは別に進捗状況を見るためのものです。

【山之内企画官】  はい。

【平野臨時委員】  最終的には評価指標ということで、これは期待された成果のインパクトに応じて評価をすべきです。それは、おっしゃるように、単純な論文数やMOU数ような数字ではなくて、まさに想定されたインパクト、つまりアウトカムになります。その辺が、実は話をしているうちに、みんなこんがらかってきちゃうのです。そこで、きちんと明確に整理をしていただいた方が良いと思います。
 これは繰り返しになりますが、アウトカムというのはプロジェクトごとに当然違うわけで、それぞれのプロジェクトが目指しているインパクトや、目標、ミッションに対応して評価をするということになります。一般論でここで議論しても余り意味がないことです。ですから、私が想定していたのは、これらは評価のガイドラインとして織り込んで頂くもので、各プロジェクトごとに定められたミッションの達成度合いを、我々ができる限り客観的に評価するものとして、もう一回読み替えをしていただかないと、余り意味のあるものにはならないという気がします。

【山之内企画官】  はい。

【古城部会長代理】  今の平野委員の御意見のように、私も、やはり少し混乱してしまって。多分、評価をする方が適切に把握しないと、評価はうまくいかないので。評価のときに混乱が起こってしまう可能性があるので、もう少しこのアウトカムとアウトプットと、こっちの成果指標とモニタリング指標の関係を、それぞれの細目に分けてきちっと提示していただいた方が分かりやすいと思うんですよね。
 これ、別々の表で見ると、やはりかなり混乱してしまう。何度もお話は聞いているのですが。

【佐々木課長補佐】  すみません。それは、ここの資料3に今何かを反映するということではなくて、今後、実際に平成31年度から評価するまでに整理をして、部会などで示すということでもよろしいでしょうか。今、この項目ごとに全部どれがどの項目に対応するというのは、物理的にかなり難しいと考えております。

【古城部会長代理】  それは、そういうことではなくて。

【佐々木課長補佐】  実際評価する前までに、評価する側が分かりやすいように整理しておいてくださいということですね。

【古城部会長代理】  そうです。

【平野臨時委員】  位置付けを明確にするということだと思います。

【山之内企画官】  そうです。おっしゃるとおりです。

【髙橋部会長】  今回、このフローチャートを作っていただきましたよね。アウトカム・アウトプットということを明確にして。ですから、このアウトプットごとに具体的な目標を立てれば、評価指標としてはそれで済むのですよ。それが達成されたかどうかということを評価すればいいわけですから。実際に評価する上では、このフローチャートをうまく使って、項目ごとに、このアウトプットはどういう物差しで評価するんですかと、それを決めていけばいいのではないかなと思います。
 それと、このモニタリング指標というのは、今、数字の経時的な変化を見るということに特化した表現になっています。
 しかし実際に7年間という研究開発期間があるとすると、1年ごとの評価も、実は、モニタリングなのですよ。

【佐々木課長補佐】  そもそも年度評価自体がモニタリングだということですね。

【髙橋部会長】  7年の間に具体的な目標を立てて、目指す姿を明確にし、それを1年ごとの年度で評価するということ自体が、既にモニタリングなんですね。目指す目標に対して、このモニタリングした結果がずれていれば直そうという、そういう意味でのモニタリングですから、もっと広義に捉えるべきではないかなという感じがします。

【佐々木課長補佐】  はい。しかしながら一方で、この評価軸・評価指標の資料は目標の別添になるというところと、総務省の行政管理局からは、国立研究開発法人と言えども、できるだけ定量的に、国民に分かりやすくというところを求められているというところで、今のような案になっています。括弧で例を付けているのも、例を付けないと、具体的に何を指しているのかわからないと思われるので、例えばこういうことですということを今の案に書いています。

【髙橋部会長】  では、この資料に書かれているものについては、パブリックに公表されるという、そういうことですね。

【佐々木課長補佐】  はい。

【山之内企画官】  中長期目標の一部になります。

【髙橋部会長】  だから、机上配布資料と違って、こちらの資料は公表されるということで、提出が必須だと。

【佐々木課長補佐】  必須です。

【平野臨時委員】  なるほど。そうであるとすれば、先ほども申し上げたように、これは一般的なリストのように見えます。実際には、プロジェクトごとに、それぞれ評価指標、モニタリング指標は違って当たり前だということですから、JAXAとして7年間の中長期計画であっても、実際にはプロジェクトごとに7年の中において時間軸が異なり、もっと短期的な3年で成果を出すことが求められるものもあると思います。ですので基本はプロジェクト単位で評価すべきです。もちろん、研究開発や組織運営などは、もう恒常的な話なので別の時間軸になりますが、大きなプロジェクト系に関してはそうあるべきだと思います。
 その中で、いろいろと辻妻合わせ的なことをこの評価方法で行われているので、そのままの形で発表してしまうと、皆さんが懸念されているように、身動きが取れなくなってしまうのではないでしょうか。ある程度表現上工夫されることも含めて、評価方法に柔軟性を持たせられるように発表していただくのが良いと思います。 

【谷課長】  先ほどお話のあったモニタリング指標の位置付けだけではなくて、全体の位置付けというものを注書きに書きたいと。
 評価の仕方は、平野先生が整理していただいたような形で、実際にどの評価指標にモニタリング指標を取り入れるか、あるいは、具体的にどういうものを書くかというのは、プロジェクトごとに異なりますので、それはJAXAの方で計画を作って、それをどういうふうにやっているかというのを適切に取り上げて、組み合わせて説明していただいて、それを先生方に評価していただくという形になるというのは、それはそのとおりだと思います。これは、そういうふうに上手に使われるように、注書きを入れるという形とさせていただければと思います。

【山之内企画官】  注書きを入れさせていただくということでお願いします。

【髙橋部会長】  是非そうしていただいて、この出てきたモニタリング指標が目標にならないようにしてほしいですね。これが目標になる可能性があるので、そうではなくて、やはりこれは目標を達成する上での道筋を見ていくための道しるべという位置付けで、これ自体が目標ではないという、そういう位置付けだということで。

【山之内企画官】  分かりました。

【髙橋部会長】  これについては、JAXAの皆さん、よろしいでしょうか。

【JAXA(坪井)】  はい。

【髙橋部会長】  随分JAXAのための評価もやりやすくするような方向で、今、議論させていただきました。指標がひとり歩きしないように。

【JAXA(坪井)】  ありがたい御意見だと思います。

【谷課長】  全体の国立研究開発法人の評価の在り方についても、マイクロマネジメントや定量的なところにこだわるなということについて、もう既に総務省の方で基本的な考え方ということで出されていて、国立研究開発法人について、研究開発の在り方、法人としての在り方ということについて、大きなところをきちんと評価していただくようにという、そういう方向に切り替わっておりますので、今御議論いただいたお話は、まさにそういう方向で評価をしていただく基盤になると思っております。ありがとうございます。

【永原臨時委員】  中長期目標とこのフローチャートとこの指標の紙がもう少し整合的であるべきと思います。例えば、一番最初、3.1.衛星測位であれば、フローチャートの方は、大体この中長期目標と合っているのですが、指標の紙に来ると、非常に細かい言葉がたくさん出現してしまってがんじがらめになるのではと思われます。

【谷課長】  おっしゃるとおり、目標があって、フローチャートがあって、最後の指標の紙自体は、これ全部まとめて書いてあるものですから、実際には、このうち取捨選択して、あるいは、そのプロジェクトなり項目に応じた指標を設定するという形になっているわけです。

【永原臨時委員】  そういう文言が明示されていればよろしいと思うのですが、そのこと無しにこのチャートが出てくると、膨大なマトリックスができてしまうことになります。

【山之内企画官】  そうです。おっしゃるとおりです。

【佐々木課長補佐】  さきほど平野先生におっしゃっていただいたように、これは全体としてジェネラルなものであり、さきほど古城先生にもおっしゃっていただいた、結局、項目ごとの具体的なリンクがよくわからないから、そこはしっかりと整理しなければいけないのではないかということと同じ御懸念かと思います。

【永原臨時委員】  必要に応じて選択できる、あるいは選択すべきという事を明示していただければよろしいのではないでしょうか。

【谷課長】  直すようにいたします。

【髙橋部会長】  この資料3の紙は、中長期目標の項目と評価軸、ここまでは1つセットでも、ここの右の関連する評価指標、モニタリング指標は、これはジェネラルな一般的な表現といいますか、ガイドライン的なものですね。

【佐々木課長補佐】  そうです。項目全部を代表した書き方になっています。

【髙橋部会長】  ここは、必ずしも合致はしていないということですね。

【佐々木課長補佐】  項目ごとに適正な表現かと言われると、最適ではないということです。

【髙橋部会長】  項目ごとのアウトプットが明確化されてきているわけですから、そのアウトプットごとに評価する視点を明確にしていくということで、実際、これからJAXAでそれをまたおやりになると思うのですが、項目ごとにやりますよね。

【JAXA(坪井)】  もう評価書は、今も毎年御覧いただくように、項目ごとに全部書いています。

【髙橋部会長】  そのときに、この指標も参考としながら記述していくということになろうかと思います。

【JAXA(坪井)】  はい。

【髙橋部会長】  そのような対応をこれからしていくということで、よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。それでは、ここで10分ほど休憩を取りたいと思いますので、15時20分から再開したいと思いますので、よろしくお願いいたします。


( 休憩 )


【髙橋部会長】  それでは、再開したいと思います。次期中長期計画の素案について、JAXA山本理事から説明をお願いいたします。

【JAXA(山本)】  冒頭、私の方から説明させていただいて、その後、詳細は石井推進部長の方から説明させていただきたいと思います。
 今日の最初の議論にありましたJAXAの役割が、やはり第1期から第2期、第3期、第4期と変わってきたということで、そのあたりをJAXAがどう捉えているかというところをまずお示ししたいと思います。それにつきましては、ちょうど4ページに前文というのが書かれておりまして、ここに我々のメッセージを込めているところであります。
 特に、これまでにも話がありましたアウトカム・アウトプットの話も含めて、我々はどう受け止めているかというところなのですが、この4ページ目の前文の3番目のパラグラフに、「JAXAは」というところがあると思います。この「JAXAは」というところから始まりますが、言うまでもなく、宇宙に対しては宇宙基本計画、それから、航空分野では研究開発計画という国の政策文書がありますので、これに基づくプロジェクトを確実にやると。これはむしろこれまでの中期計画までの話でして、ここに留まらないというのが、第4期の問題だと思います。
 留まらない部分につきましては、その後2~3行ありますが、真ん中あたり、中長期目標において示された4つの取組方針におけるアウトカムの創出まで目指すということで、ここで4つの取組というのは、その後の4ページから5ページに丸が付いていますけれども、安全保障や利用拡大等でございますが、そういう取組に対し、JAXAとしては、アウトカムまでやはり見据えて業務に取り組むという決断をしているところであります。
 このためには、やはり関係機関、当然ですけれども、産学関係機関、先ほどの防災機関もそうですし、いろいろな機関とプロジェクトを立ち上げる前からいろいろな連携を取って、どういう形でそのプロジェクトを遂行すれば、最終的な利用者が使ってもらえるかという、そういう取組を今まで以上にしないといけないという趣旨です。
 そうすることによって、政府のミッションだけではなく、社会全体に新しい価値を創出すると。宇宙や航空は、イノベーションを創出する1つの原動力だと言われている、そういう役割をこれから果たすことで、宇宙だけではない、もっと広い社会への貢献が求められているのではないかというような問題意識、あるいは、それを含めた計画にしないといけないという認識であります。
 もう1点目は、個々のプロジェクトは、目次のところにありまして、11ぐらいありますが、それを定めた全体的な柱というのが宇宙基本計画の中にもありますので、そういう個々のプロジェクトをまとめた中で、利用がどう進んだかという概念の評価をするというふうな工夫をしたのも2点目であります。
 それから、もう一つは、部会長から、この夏からいろいろ御指摘を受けている、目標と計画の文章について、整理学上、もう少し違いを明確にする。要するに、計画というのは、いわゆる目標を実現するためのアクションだと。アクションなり、戦略なりがどういうふうに目標から受け継がれて計画に落とし込まれているのかというところを明示すべきという、当然ながらのサジェスチョンを頂いておりまして、それについては工夫をしたところであります。工夫半ばではございますが、今日のこの後の石井部長の説明も、そのあたりも含めて御説明したいと思います。
 それから、最後に、私たちが今持っているこの計画自体は、まだ目標の議論の最中であり、目標についても議論の中でもう少し変えるという話が出ておりますので、それを含めて、フィードバックして作らないといけない部分がありますので、そういうフェーズの文章という意味合いでお聞きいただければと思います。
 それでは、詳細につきましては、石井の方から説明させていただきます。

【JAXA(石井)】  それでは、JAXA経営推進部の石井でございます。よろしくお願いいたします。
 説明させていただきますが、目次立ては、今お話ありましたが、目標のローマ数字3 以降に相当する目次立てというふうに御覧いただけますと、番号が若干ずれるようなところもございますが、内容はほぼカバーされているということが確認いただけるかと思います。
 4ページから文章が始まりますが、前文の1パラ目の最後のところ、先ほど中長期目標の中でもお話がありましたが、7年という長期の計画であることから、最後、なお書きを付けさせていただきまして、「宇宙航空分野における激しい環境変化と競争状態の高まりに鑑み、中長期計画は、必要に応じて迅速かつ柔軟に見直すものとする」と書かせていただいております。
 その下のところは、今、山本の方からお話ありましたとおりですので、飛ばしまして、その下に参ります。4つの柱、宇宙で3つ、航空で1つの柱を立てておりまして、その取組方針がそれぞれ書いてございますが、ここはある意味、後ろに書かれます具体的なプロジェクトの取組が、どういった世界を目指すのかといったところをサマライズしております。
 その中に、かぎ括弧で番号立てを入れております。最終版は、この記述はなくなるかもしれませんが、現時点で、対応がどうなっているかというのを分かりやすくするためにお示ししておりまして、御覧いただきますとお分かりいただけるかと思いますが、それぞれの柱に対して、いろいろなプロジェクトでその成果を出すように取り組むという方向性になっております。
 1つ、安全保障のところだけ若干御説明いたしますが、ここには、最初のところに、まず安全保障関係機関と連携し、宇宙デブリの観測及び衝突回避技術の向上を目指した研究開発及び人工衛星による船舶検出等の将来的な安全保障分野での宇宙の利用ニーズを捉えた研究開発を推進すると。「また」以下のところは、スペースデブリの除去サービスを世界に先駆けて実証したいと。そのためには、民間事業者と連携していくというところを記載しております。
 安全保障のところは、こういったところを少し書いてございますけれども、実は、1.7.の宇宙システム全体の機能保証については、まだ記述が反映し切れておりません。先ほどもお話ありましたが、今後、この辺もブラッシュアップしていくことを考えております。
 具体的な説明に進みたいと思いますので、6ページを御覧ください。真ん中から1番で、具体的取組に係る措置ということで、1.1.、まず衛星測位について記載しております。ここの部分は、中長期目標において、記載をもう少し充実するべきであるという指摘の反映が今なされつつあると思っておりますが、ここについては、JAXAとしても、今まで取り組んできた具体的な成果でありますとか、今後取り組むべきところといったところを振り帰った記述を、ここに更に加えたいと考えております。
 具体的な取組としましては、上から3行目の高精度軌道時刻推定技術、精密軌道制御技術等、こういった技術の研究開発を行うこと。それから、「また」以下ですが、政府・民間と連携し、上述の取組を通じて得た知見を提供することにより、民間事業者が行う高精度測位情報サービスの事業化を支援する等、測位利用ビジネスの推進に貢献すると書いております。
 次が1.2.の衛星リモートセンシングです。ここの記述が、測位と比べて多いという理由は、ページ8を御覧いただきますと、ここにまとめて、今後研究開発・運用を行う衛星、今後打ち上げる衛星の名前が書いてありまして、それぞれのミッションの説明が書いてございます。御覧いただきましたとおり、たくさんの衛星を運用・開発してございますので、ここのところは、記述についても少し量が多くなっているということで、御理解いただければと思います。
 具体的なところの御説明ですが、7ページの一番上のパラグラフの一番下のところあたりですが、「複数の衛星のデータを利用に即した複合的な形態とするとともに、必要な情報を政府、自治体、国際防災機関等に対して、ユーザ活動のタイムラインに沿った現場が理解しやすい形で伝えるシステムを構築する」ということを、具体的な計画として取り組みたいと考えております。
 その下のパラグラフは、地球規模課題の解決、気候変動の対策へのお話でございます。具体的なところは、3行目に「また」以下がありますが、「これらの取組を通じて明らかになったニーズを反映し、気候変動のモニタリング・モデリングの精度向上に資する観測センサの性能向上及び観測データの校正・検証等に関する研究開発を行う」ということを具体的に書いてございます。
 それから、その下のパラグラフは、産業振興の観点でございますが、1行目から、「AI等の異分野先端技術に強みを持つ民間事業者や政府機関等と連携して効率的な衛星データ処理や新たな情報分析手法、衛星データの複合利用化等の研究開発・実証を行い、新サービス、新産業の創出に貢献する」と書いてあります。
 それから、その下のパラグラフは、衛星のデータのフォーマットのことを書いておりますが、ここは経産省さんの方で、地球観測衛星のデータのオープン&フリー化という政策を進められていまして、民間に広く使ってもらって、新たなビジネスを生み出していこうと。そういった活動に我々も一緒に取り組むということで、「必要なデータフォーマットやデータ利用環境等の検討を含む幅広い産業での利用を見据えたビッグデータとしての適切な管理・提供」、こういったところに取り組むと書いてございます。
 それから、次のページには、先ほども申し上げましたが、各衛星のミッション等が書いてございますので、説明は割愛いたします。
 9ページ目に参りまして、衛星通信ですが、こちらも中長期目標の方の記述が追記されたことを踏まえまして、我々として、今まで取り組んできたところの状況、今後取り組むべき方向性といったところを今後追記していきたいと考えております。
 具体的なところは、1行目の途中から、電気推進技術、高排熱技術、静止GPS受信機技術等をはじめとする国際競争力を持った次世代の通信衛星バス技術の研究開発及び実証により、民間事業者が2020年代に世界の静止軌道における商業通信衛星市場での1割以上のシェアを獲得できることを目指すということを、具体的な目標としてございます。
 その下のパラグラフは、光データ中継衛星のところでございますが、ここは安全保障及び産業振興への貢献になりまして、具体的には、光データ中継衛星と、それから、ALOS-3等による軌道上の実証を行うということを書いております。
 それから、その下のところには、通信として、現在運用を行っております衛星と研究開発・運用を行う衛星のミッションの説明がございますが、説明は割愛いたします。
 次が、宇宙輸送システムです。10ページを御覧いただければと思います。具体的な目標が3行目あたりに書いてございまして、打上げサービス事業を行う民間事業者と連携しつつ、ロケットの機体と地上システムを一体とした総合システムとして着実に開発し、打上げサービス事業への移行を完了すると書いてございます。
 それから、2つ下のパラグラフ、「さらに」と書いておりますが、基幹ロケットH3に留まらず、ロケット一段の再使用化に関わる研究にJAXA全体で連携しつつ取り組み、民間事業者と連携して実用化に向けた計画検討を進めると書いております。
 その下は、(2)で、固体燃料ロケットシステムです。これは戦略的技術として重要な固体燃料ロケットシステムであるイプシロンロケットについてですが、具体的なところとしましては、下から3行目の「また」以下のところに書かせていただきまして、地球観測や宇宙科学・探査等の官需のほか、商業衛星等、国内外の多様な需要に柔軟かつ効率的に対応するため、民間事業者を主体とした打上げサービス事業へ移行を完了する。これを具体的な計画として取り組みたいと考えております。
 次が、1.5.の宇宙状況把握でございます。ここで計画として具体的に書いたところは、2番目のパラグラフの「JAXAのSSA関連施設の整備・運用及び」からですが、宇宙デブリの観測技術及び接近・衝突回避技術の向上を目指した研究開発並びに関係機関との人的交流を含めた政府への技術支援を行います。また、継続的に宇宙デブリとの衝突を回避する運用を確実に実施していきたいと考えております。
 次は、1.6.の海洋状況把握・早期警戒機能でございます。ここの部分は、防衛省さんをはじめとします政府の安全保障関係機関との連携なくしては、我々としては取組が難しいと考えておりまして、既に防衛省さんともいろいろな会話をさせていただいておりますので、そういったところから、できるだけ具体的な検討を進めたいと考えておりまして、11ページの2番目のパラグラフの船舶自動識別装置というのが3行目あたりに出て参りますが、これにつきまして、船舶検出率を向上させる研究開発を行うとともに、先進レーダ衛星での協調観測により船舶の航行状況をより正確に把握する技術を実証するということにしております。
 それから、早期警戒機能ですが、まず政府が行います赤外線センサの宇宙空間での実証、これを先進光学衛星において実現いたします。
 それから、次に参りまして、1.7.の宇宙システム全体の機能保証です。ここは、具体的には、1パラ目の最後のところの、政府の検討を技術的に支援し、我が国の宇宙システム全体の機能保証に貢献する。さらに、「また」以下で、「宇宙システム全体の機能保証の強化に関する基本的考え方」というのが示されております。これに基づきまして、安全保障や国民の経済活動等に重要な役割を果たすJAXAが保有する宇宙システムにつきまして、脆弱性の評価を行いまして、その結果を踏まえまして、必要なところには取組を行うというふうに計画しております。
 それから、1.8.のところ、宇宙科学・探査に参ります。まず、宇宙科学・探査のところでは、最初のパラグラフのところに、「具体的には」というところで、大きく3つの目標を掲げて取り組むということで、1つ目が「宇宙の始まりと銀河から惑星に至る構造形成の解明」、2つ目が「太陽系と生命の起源の解明」、3つ目が「宇宙機及び宇宙輸送システムに関わる宇宙工学技術の革新」、この3つを目標として位置付けて取り組むということにしております。
 具体的なお話のところに進みますが、12ページです。12ページの上から5行目真ん中あたりからですが、JAXAが宇宙科学の長期的・戦略的なシナリオを策定し、実施する。もちろん、これは前段を読んでいただけば、大学での研究者等のコミュニティと協力してということが書いてございますが、それを受けて、JAXAがこういったものを策定して実施したいと。さらに、そのシナリオの実施に必要な技術目標、これを宇宙科学技術ロードマップと呼びますが、これを定め、長期的な視点での技術開発を進めるという計画にしております。
 それから、12ページの真ん中あたり、衛星・探査機の開発に当たってはというところが、計画として具体的に書いておりますところで、宇宙科学研究所のみならず、JAXA全体で密に連携し、大型化・複雑化する衛星・探査機システムを確実に開発する。また、これらのプロジェクトから創出される世界一級の観測データは、国際的に広く活用されるようユーザーフレンドリーな形態で公開するという計画にしております。
 さらに、そのやり方的なところで、最後のパラグラフのところの「具体的には」というのが2行目にありますが、世界的業績を有する研究者の招聘、終身雇用教育職への外国人や女性の積極的採用、終身雇用を見据えた有期雇用(テニュアトラック)、こういったものの整備、それから、大学への転出促進のための制度整備、クロスアポイントメント制度の活用等、こういった施策を進めるということを計画にしております。
 その下、(2)で研究開発・運用を行う衛星・探査機等ですが、ここは先ほどの衛星のお話のところと同様に、今取り組んでおります衛星のミッションの御説明ですとか、運用している衛星のミッションのお話を紹介してございますので、ここは特に計画としては具体的に書いているところなのですが、説明は割愛させていただきたいと思います。
 14ページに参りまして、宇宙科学・探査の最後の(3)になりまして、大学院教育への協力。ここには、最初のところの2行目からですが、総合研究大学院大学、東京大学大学院との連携、連携大学院制度等を活用し、教育環境の向上に努めつつ、大学院教育への協力を行うとしております。
 次が、1.9.国際宇宙ステーションです。ここでは、大きく(1)の地球低軌道利用の拡大と事業化に向けた取組と、(2)、15ページですが、ISS計画を通じた国際的プレゼンスの維持・向上に資する取組という、大きく2つを説明する作りにいたしました。
 1つ目が、主に産業を意識した、また、利用を拡大するというところを意識したところでございまして、最初のパラグラフから、まず重点化をして「きぼう」の利用のサービスに取り組むということを書いてございます。それらを、プラットフォーム化と呼んでおりますが、決まった時間間隔や高頻度で使えるという形を整えます。これを利用するというサービスについては、手法の向上にも取り組み、内容を充実させていきます。
 そのプラットフォームの整備・活用というところに加えまして、3番目のパラグラフですが、人材育成機能及び超小型衛星開発能力・経験を持つ大学や国の研究機関等との戦略パートナーとしての連携を強化しまして、さらに、定型化されたサービス事業としてエンドユーザーに提供する民間事業者を選定して、ノウハウ等を含め技術移転を行うことで、国内のみならず海外のユーザの開拓を図るという計画にしております。
 これらによりまして、その下のパラグラフですが、2020年までは研究開発基盤として広く利用されるという姿を実現し、その実績を基に発展させていくというところが、計画の具体なところですが、民間事業者主体による「きぼう」利用事業を開始し、2024年を目標に「きぼう」の一部について事業の自立化、民間での自立化を目指したいと思っております。
 さらに、「また」以下について、民間事業者による事業化の視点を重視した利用アイデア募集や「きぼう」における利用実証等を通じまして、研究開発利用に留まらない新たな地球低軌道利用事業の実現可能性も追求したいと考えております。
 15ページに参りまして、こちらは国際的プレゼンスの維持・向上という取組になりまして、具体的に書いたところは、真ん中より少し上の「また」以下にありまして、JP-US OP3というプログラムをやっておりますが、国際宇宙探査等に資する技術の共同研究や、ISSやHTV-X(仮称)等を用いた実証、日米研究者による共同実験の実施、実験装置の相互利用、実験試料の交換等の協力を通じて新たな知見が得られますので、そういったところを具体的に書いております。
 さらにということで、最後のパラグラフになりますが、具体的な取組として、水・空気補給量の大幅な削減を目指した再生型環境制御技術等の研究、それから、定型的なクルー作業を代替する自動化・自律化技術、超長期や地球低軌道以遠でのクルー滞在に必要となる宇宙医学・健康管理等についての研究も進めて参ります。
 その下、1.10.国際有人宇宙探査でございますが、こちらは具体的なところは余り書けていないのですが、16ページを御覧ください。1行目の辺りから、取り組むべき技術というところで、月近傍有人拠点構築に向けてランデブ・ドッキング技術、それから、有人宇宙滞在として環境制御技術、それから、有人月着陸探査活動に向けて高精度航法技術、こういったところに取り組む。さらに、重力天体の探査を行うということで、括弧の中ですが、表面移動技術、掘削技術、水氷分析技術等の早期実証に、宇宙科学・探査における無人探査と連携して取り組むと書いております。
 次に、1.11.の人工衛星等の開発・運用を支える基盤技術です。ここの追跡運用技術のところは、探査に関わる追跡運用というのが、これから非常に重要になってきます。そういった技術に取り組むとともに、「また」以下に書いてございますが、設備維持・運用の効率化及び低コスト化の実現のため、追跡ネットワークシステムに係る研究開発を行う。さらに、ネットワーク機能におけるサービスの高性能化と高付加価値化ということで、将来のシステムの整備を行うということを書いております。この辺は、もう少し探査関係の技術のことを書き加えたいと思っております。
 それから、(2)の環境試験技術でございますが、こちら、具体的にはというのが3行目に書いてございまして、老朽化対策を含む確実かつ効率的な環境試験設備の維持・運用とともに、試験条件緩和及び試験効率化に関する技術開発に取り組みます。さらに、他産業との交流を進めまして、培った環境試験技術と設備の利用拡大も図っていくという計画にしたいと思っております。
 ここまでが1番ということで、次が2番、横断的な研究開発等の取組ということで進んで参りまして、17ページ、2.1.の民間事業者との協業等の宇宙利用拡大及び産業振興に資する取組ということで、ここは、1行目のところから具体的なやり方などを書いてあります。国際社会や異分野において競争力を持った新しい事業の創出を目指し、従来の宇宙関連企業だけではなく、ベンチャーから大企業まで多様かつ新たな民間事業者等と対等な立場で事業を推進するパートナーシップ型の協業に取り組む。具体的には、民間事業者等とともに利用・事業シナリオを企画立案し、双方が資金・人的リソース等を提供した上で共同チーム体制を構築して技術開発・実証を行い、オープンイノベーションなどにつなげていくと、こういう4行、5行程度のところに具体的なやり方などを書きました。
 それから、ここの具体的な内容は、その下の方、「さらに」というところに若干書いてございまして、宇宙用機器の市場投入の促進、民間事業者等の超小型衛星打上げ等の宇宙実証機会に係る対外窓口の一本化、JAXAの有する施設・設備の利用促進、衛星データのアクセス性向上をはじめとした種々の支援を行うということとしております。
 次、2.2.新たな価値を実現する宇宙産業基盤・科学技術基盤の維持・強化、こちらは横断的な研究開発のところを書いております。
 18ページを御覧ください。18ページで、まず(1)と(2)、2つに分けておりまして、(1)が、新たな価値を創出する先導的な研究開発ということで、現在考えている具体的な計画を書いております。
 まず、丸1のところの安全保障の安全・安心な社会の実現のところですが、ここでは、宇宙デブリ対策の事業化を目指しまして、民間事業者等と連携し、新たな市場の創出と我が国の国際競争力確保に貢献する。重点課題として、大型のロケットデブリを対象とした世界初の低コストデブリ除去サービスの技術実証を目指します。デブリ発生を未然防止する技術については、JAXAの強みであります高信頼の衛星・ロケット技術を基に利便性を高めるとともに、軌道変更や大気圏への安全投棄の技術についての研究開発を行い、拡大する民間の宇宙利用活動に広く利用されることを目指します。また、事業化に向けて、政府や内外関係機関と連携し、技術実証成果を基に、国連等の場における宇宙デブリ対策の国際ルール化の早期実現に貢献したいと考えております。
 さらに、観測センサのところですが、これは地球観測における観測センサですが、時間・空間分解能の向上、それから、通信におきましてはセキュリティ技術、さらに、宇宙環境計測、ロケット推進技術の極超音速飛行への応用等、こういったものが安全保障に結び付く研究開発と考えまして、取り組みたいと考えておりまして、これらの成果を社会価値の高いものとするべく、関係機関との連携を深めて進めていきたいと書いております。
 丸2が、宇宙利用拡大・産業振興に貢献する研究開発でございますが、現在検討しておりますものを重点課題と捉えて、実現性の高いシステム構想を明らかにしたいということで、キーとしては3点ほど1パラの下に書いてございます。1つ目が高い信頼性と経済性を有する宇宙輸送サービスを実現する再使用技術、2つ目が低コスト・大容量な高速衛星通信ネットワークを実現する光・デジタル通信技術、3つ目が静止軌道からの常時観測を可能とする超高精度な大型光学センサ技術、こういったものに取り組んでいきたいと考えております。
 さらにということで、その次のパラグラフですが、10年先を展望しまして、宇宙開発利用に新たなイノベーションを起こす革新的な技術として、衛星システム内のワイヤレス化、ロボットによる軌道上での機器交換や補給・回収サービス、衛星データ活用へのAI応用等、新たな宇宙利用を生み出す研究開発と要素技術実証を行い、並行しまして、これらの技術を基に新たなミッションを考案・発信し、潜在的なニーズや事業化アイデアの取り込み活動を進めていきたいと考えております。
 3つ目が、世界最高水準の成果創出及び国際的プレゼンスの維持・向上に貢献する研究開発。ここは、先ほど国際有人宇宙探査のところで、こういう分野の技術の実証をやると書いてございますが、そこの基になる研究開発の活動をここに書いておりまして、2行目あたりからですが、重点課題として、独自の技術で優位性を発揮できる環境制御・生命維持、放射線防護、重力天体等へのアクセス技術、重力天体上での観測・分析技術等の研究開発を行います。
 その次のパラグラフは、オープンイノベーションの場を活用してということで、今、宇宙探査のイノベーションハブというのを進めさせていただいておりますが、そういった仕組みを、その事業終了後もJAXAの中に埋め込んで取り組んでいきたいという意味で、ここに書いてございます。
 (2)としまして、研究開発のうち、宇宙産業及びプロジェクトを支える科学技術基盤、こちらも重要でございまして、JAXAの強みでありますシミュレーション技術、高信頼性ソフトウェア技術、システム開発手法、高い国際競争力を有する搭載機器や部品等の分野において、競争的資金や民間資金を導入しつつ、JAXAが中核となって産・官・学の連携強化を図り、我が国全体としての成果の最大化と波及拡大に貢献したいということを考えておりまして、そのやり方を次に書いておりまして、人材の流動化促進、公募型研究制度の活用、宇宙分野と異分野やJAXA外の先端知との糾合といったところに取り組んでいきたいと考えております。
 その次のパラグラフは、既に取り組んでおりますが、これは中長期的に取り組むというもので、宇宙太陽光発電システム、それから、LNG推進技術、これにも取り組んで参りまして、長期的な展望を踏まえつつ、要素技術実証による波及効果の創出に留意した研究開発を行うということで進めていくというふうにしております。
 航空科学技術に進みまして、航空では、(1)(2)(3)を書いてございまして、まず、社会からの要請に応える研究開発が(1)です。具体的にはというのが4行目以降に書いてございまして、コアエンジン向けの低NOx燃焼器及び高温高効率なタービン等の技術実証を中心とした研究開発を強化いたします。それ以降には、具体的な、それを進めていくやり方等が書いてございます。(2)が次世代を切り開く先進技術の研究開発ということで、3行目以降、具体的なところで、低ソニックブーム/低抵抗/低騒音/軽量化、こういった技術目標を満たす機体統合設計技術について取り組みます。それから、(3)の航空産業の持続的発展につながる基盤技術の研究開発ですが、ここでは、CFD解析技術をベースに試験計測を含めた多くの分野を連携させた統合シミュレーション技術等の研究開発を行うというふうに計画しております。
 それから、次に進みまして、21ページ、宇宙航空政策の目標達成を支えるための重要事項に係る措置ということで、横断的事項、まず1.1.で、国際協力・海外展開の推進及び調査分析でございます。
 (1)の国際協力・海外展開の推進は、2番目のパラグラフに、「また」というところで、海外宇宙利用機関、JICA、ADB等との連携強化によりというところを書いてございます。それから、下のパラグラフへ行きまして、特に、APRSAFの枠組みを活用しまして、宇宙利用の新たな可能性の発信、政策レベルも含めたコミュニティの形成・強化を図ります。さらに、最後のパラグラフですが、国連宇宙空間平和利用委員会等における宇宙空間の利用に関する国際的なルール作りの取組も支援し、また、将来想定される法的課題について、外部有識者と協力し調査研究を推進するとともに、当該活動を牽引する人材の育成を行っていく計画にしております。
 (2)の調査分析のところは、最後の行、具体的には、国内外の調査研究機関・大学等との連携や情報の受け手との対話を強化しつつ、調査分析領域の拡大や課題に応じて深く掘り下げた分析を行って、政府等に提供・発信をしていき、それを踏まえた提言等も行っていきたいとしております。
 1.2.理解増進と人材育成のところでございます。
 (1)が、広報活動、国民的な理解の増進ですが、具体的なものとして3点黒丸で書いてございます。1つ目が、プレスリリースのみならず、記者会見や記者説明会等、丁寧な説明や対話の機会を幅広く設け、意義や成果に係る情報発信をタイムリーに行う。2つ目が、自ら保有する広報ツールを活用し、また、最新の情報発信ツールを取り入れながら、分かりやすい情報発信。それから、3つ目が、外部機関との連携事業に積極的に取り組みまして、JAXA単独では接触しがたい層に情報発信を拡大するということを計画しております。
 (2)次世代を担う人材育成への貢献でございますが、2パラ目のところ以下ですが、学校教育の支援に関しては、カリキュラムを補完する授業支援プログラムや教材開発、教師とその養成を担う大学等との連携による授業等、こういった具体的な取組を行うことが書いております。
 23ページに参りまして、プロジェクトマネジメント及び安全・信頼性のところの(1)プロジェクトマネジメントです。ここでは、1行目に書いてありますが、プロセス・体制の維持・改善、研修の実施及び活動から得られた知見・教訓の蓄積・活用を進める。それから、「また」以下ですが、担当部門から独立した組織が、プロジェクトの実施状況を適切に把握した上で、プロジェクトマネジメントの観点から客観的かつ厳格な評価を行うということを書いております。
 (2)の安全・信頼性は、1行目からですが、経営層を含む安全及びミッション保証のための品質保証管理プロセス・体制の運用・改善、継続的な教育・訓練等を進めて参ります。また、ここも「また」以下、担当部門から独立した組織を持つということが書いてあります。
 1.4.に参ります。情報システムの活用と情報セキュリティの確保ということで、(1)は、情報システムの活用ということで、ITが昨今進んでおりますので、そういったものを取り入れまして、仕事のやり方を変えていくということに取り組みます。次のページに行きまして、情報システムという意味では、1行目に書いてありますが、各研究開発の取組における情報技術の高度化とともに、衛星データやシミュレーションデータを外の方も使えるような形にして利便性を向上するということで、オープンイノベーションなどの活性化につなげていくという計画にしております。
 (2)が情報セキュリティの確保でして、ここは継続して徹底して取り組むということでございますが、教育・訓練、運用の改善、システム監視の強化等を継続的に実施すると書いてございます。
 1.5.は、施設・設備に関する事項でございまして、リスク縮減、エネルギー効率改善、インフラ長寿化等を書いております。
 その下の情報収集衛星に係る事項は、先端的な研究開発能力を活かして取り組むということで、これ以上の具体的な記述は差し控えますが、状況として御理解いただければと思います。
 3.法人共通は、法人の共通的な事項でございますので、特徴的な点だけ申しますと、25ページ、3.2.の人事に関する事項で、2パラ目に、高い専門性や技術力・研究力を有した優秀かつ多様な人材の確保及び育成、事業状況に応じた人員配置、職員のモチベーションを高めるよう適切な評価・処遇について、人材育成実施方針の維持・改訂と委員会を運営することによって、計画的・体系的に行っていくということを書いております。
 ここについては、目標の方で女性の活躍というところを書いていただいておりまして、そういったところもこれから追記する必要があると思っております。
 それ以降のところは、特に御説明する必要はなかろうかと思いますので、お読みいただければと思います。
 少し長くなりましたが、以上でございます。

【髙橋部会長】  ありがとうございました。
 それでは、御質問をお願いいたします。永原委員、どうぞ。

【永原臨時委員】  全体として網羅的で、計画というよりは、願望や決意表明のような要素が多く、かつ、多くの事柄が、新規ではなくて、現在やっていることの延長にあります。現在何が問題で、それを次期に改善してゆくものが読み取れなくなっています。一般論的に「何とかする」「何とかする」と書かれているのですが、現状の延長でやっていってできることなのか、何か特別な手当て、そのための取組が必要なのかが読み取れません。
 新規の部分など所々には組織を作っていくなどのことが書かれている部分はあるのですが、そうでない部分もたくさんあります。その結果、本質的な問題なのか、とりあえずできると思うことがただ書かれているのかがわかりにくくなっています。すでに認識している問題点と、新規に取り組むことをもう少し区別することができないでしょうか。抽象的な意見で申し訳ないのですが。

【JAXA(坪井)】  我々、宇宙基本計画なり航空の研究開発計画なりを基に書く立て付けになっている関係上、なかなか新しいところまで書き込めないというか、具体的に予算化されていないようなところは書き込めないという内容です。いずれにしても、先生がおっしゃる指摘はごもっともだと思うので、一つ二つ挙げますと、冒頭、人の話もあったと思いますが、やはりこれだけのたくさんのことを本当にやれるのかということもあるので、我々の取組の中に、今、宇宙探査ハブと称して、宇宙探査の部隊の中に、宇宙でない民間企業の人も入ってきてもらって、研究活動をする。それが、使えるものは宇宙に使うし、地上で使ってもらっても結構ですというような取組です。なので、この中の2.1.のところをもう少し強調すればよかったのかもしれませんけれども、新しいパートナーシップのような形で、外の人をどんどんと呼び込んでいって、自前というか、自分だけでやるというアプローチではない、外と一緒にやるという大きな変化の部分は、これから取り組む一つの変化でありまして、そこにつきましては、まだ要求段階ではありますけれども、予算も是非来年度から新しく頂いて、パートナーシップ的な取組もしようというのが、1つの変化だと思います。
 もう一つは、宇宙については過去からの流れがかなりありますので、変化の部分が見にくいかもしれませんが、今ちょうど新聞紙上にも出ていますし、国際的な動きが出てくると思われます宇宙探査につきましては、政府とともに、これからの宇宙の重要なプロジェクトになりますので、そこについては、しっかりと取り組んでいきたいというところもあるかと思います。

【JAXA(石井)】  御指摘の点、非常にお答えするのは難しいところもあるのですが、今までやると約束してきたものをしっかりやり遂げると。それに加えまして、分野分野でそれぞれやらなければいけない課題というのは少しずつ違うのですが、今日の御議論でもあったように、科学は別として、アウトカムにつなげるといったところは、我々だけではどうしても限界がありますので、いろいろなところに民間事業者と組むとか、政府の関係機関と組むとか、海外とも連携していくとか、そういうところを、我々まだまだやらなければいけないということが問題意識としてありまして、それとともに、アウトカムを目指していくということを意識しつつは書いてきたというつもりではございます。
 少し分かりにくくて申し訳ございません。

【永原臨時委員】  気になるのは、やることが大変多く掲げられており、本当にやれるのかどうかが不安になってしまいます。先ほど髙橋部会長からも指摘がありましたように、計画としてかかげることは決意表明としてはいいのですが、本当にやれるのか、組織改編などをしなくてはいけないのか、新たに非常に大きな予算措置が必要なのか、単に頑張ればできることなのか、内容によっていろいろあると思うのです。

【JAXA(坪井)】  語尾は、確かに「何とかやる」ということが強調されたと思うのですが、若干彼も言いましたけれども、例えば、衛星の利用が、どこを目指すべきかというと、先ほどから出ているように、最後に使ってくれる方がどうやって利用するか。この中で、先ほど防災と環境があります。防災は、やはり防災行政に確実につながっていって、いいデータだけ使ってもらうというのではなくて、気象衛星のように、常にそのデータが使われ続けるという形、それは社会インフラと呼ぶかもしれませんが、そういうところまで持っていくということです。また、環境についても、今ちょうどパリで行われるサミットがありましたけれども、温暖化を避けるために、各国が確実に二酸化炭素の排出量をレポートしないといけない。各国が勝手にレポートしたのでは、本当にそのレポートの値が正しいか判断するための1つの物差しが要る。その物差しを衛星でできないかというのは、これは日本だけではなくて、国際的な宇宙機関、NASAなりヨーロッパなりが昨今MOUを結びましたけれども、各国の宇宙機関が協力して、共通の物差しを衛星で作りましょう、そういうところまで持っていくということがゴールであって、単に衛星を打ち上げますというように受け取られた部分があれば、もう少し説明が必要だったかもしません。
 そういう最終的なゴールをどこに設定するかということも含めて、やはり仕事のやり方を変えていった中で、こういうことをやりますということです。

【JAXA(石井)】  少し申し上げさせていただきますと、いろいろと御心配いただいて、大変ありがたく、人が足りていないのではないかというような、余り変わらない人数で、どうしてこんなに新しいことができるのかというようなお話を頂いたと思います。
 この計画の中には書いてはございませんが、我々としては、仕事のやり方を変えようというのを今年度からかなり真剣に取り組んでおります。やり方を変えるというのは、今までの職員のマインドを変えなければいけませんので、若干時間は掛かるかもしれないのですが、我々としては、本当にこういう新しいものをやっていくところに我々のリソースを傾けて、力を入れなくていい部分という言い方は少し変なのですが、仕事のやり方を変えることで、ITに頼るなり、外に出してしまうなり、アウトソースを進めるなり、そういったことも検討していって、こういった世界を計画していきたいと考えております。

【髙橋部会長】  黒田委員、どうぞ。

【黒田臨時委員】  この非常に濃密な御説明の中で、9ページの2020年代の商業通信衛星市場での1割以上のシェアを獲得するというところが一番具体的で気になりました。

【JAXA(石井)】  ありがとうございます。

【黒田臨時委員】  この1割という数字がどこから出てきたのだろうということや、今、現状どうなっているのだろうということなど、気になりました。今は実際どうなのでしょうか、1割について。

【JAXA(山本)】  大体2年に1機受注されているというのが現状です。

【JAXA(石井)】  商業衛星です。

【JAXA(山本)】  商業衛星については。例えば、皆さん、BS放送だとか、いろいろな放送を見ていると思うのですが、商業活動として世界的に通信衛星を上げていて、その通信衛星の中で、日本の企業が受注できているのは、2年に1回ぐらいのタイミングです。
 今回はその4倍ぐらいに当たるのですが、そこに書いてある1割というのは、1年に2機。というのは、大体市場では、年間20機ぐらいの需要が商業衛星の世界でありまして、その20機をヨーロッパなり、アメリカなり、日本の衛星製造メーカが取りに行くわけですね。その取りに行ったときに、今言いましたけれども、2年に1回ぐらい、毎年20機の品物を2年に1機ぐらいは取れていたというのですが、それでは余りにも少なすぎるので、せめて1年に2機ぐらいはという目標であり、1年に2機というのが、20機に対して1割だというふうに御理解いただければと思います。

【黒田臨時委員】  ありがとうございます。

【JAXA(山本)】  最後に受注するのは衛星製造メーカなので、JAXA自体が1割というのをたとえ目標に挙げたところで、企業自体の商業活動というか、営業活動というか、そういうのにも影響されるのですが、我々がある種研究開発で通信衛星を上げるときに、その協力してもらう企業に対して、これは単に研究ではないんです、この研究の先には必ず今の4倍ぐらいの市場を獲得するような気持ちで、我々JAXAの仕事に一緒に入ってきてくださいという、今までにない企業との、ある意味約束に近い関係を持って、JAXAと企業が仕事を始めたという意味で、かなり新しい取組になっています。

【髙橋部会長】  この中長期計画は、これからまた目標を審議して、大臣決定していく過程の中で、更にブラッシュアップしてモディファイしていく機会がありますから、またこれについての御意見があれば、反映する機会がある、という理解でよろしいですか。

【山之内企画官】  はい。他府省との関係もあるので、またメールなどでお示しさせていただきます。

【髙橋部会長】  これはいつ正式に発効されるものなのでしょうか。

【佐々木課長補佐】  計画は、3月末までに主務大臣が認可することとされています。

【髙橋部会長】  そうすると、遅くとも2月までには。

【山之内企画官】  そうです。他府省との協議もありますので。

【佐々木課長補佐】  総務省の行政管理局や財務省には、主務大臣案としては固まったものを協議しないといけないと思っているので、できれば年内ぐらいに御意見いただきたいと思います。

【髙橋部会長】  先ほど永原委員の指摘のお話ですけれども、私の経験で、民間では、目標を定めますと、それを実現するための計画を定めるとともに、もう一つ、計画を実施する上での課題を明確にして、例えば、人的パワーであったり、予算であったり、あるいは、競合上の課題だったり、そこまでセットで出しています。ここでそういうことまで述べるかどうかは議論の余地がありますが、実施する上でのポイントが表現されれば、永原委員の言われたことに対してもお答えできるのではないのかなと思います。

【平野臨時委員】  私の方から2点ばかり確認があります。
 1つはテクニカルな点であり、前半の議論からの延長になりますが、ここで一つ一つのプロジェクトや活動に対して、これを実現するということや、これを目指すということを書かれてあります。これらは皆さんが目指されているアウトプットであって、それが実現できたかできないかということが評価されるという理解で良いでしょうか。

【JAXA(坪井)】  我々がこの計画で分かった今回の整理学の1つの大きなポイントは、最初の前文のところに4つの柱が掲げられているのですが、最後は、やはりここの4つの柱が、国の付託によって、我々実施部隊において実行されたかというところがやはり一番大きいのではないかと思っていて、その後ろに出てくる個々の衛星一機一機がどういうことになったかという以上に、やはりそういう点を総合して、安全保障あるいは利用が前進したかという、そういう視点で我々も取り組むし、そういう視点で評価を受けるのがいいのではないかと考えているところです。質問と答えが合っているかどうか。

【平野臨時委員】  例えば第4期の中長期の成果として、この骨太の4つの目標は最終的なアウトカムとして評価をされるべきだということで理解しています。
 ただ、やはりJAXAの実際の活動の成果を評価するという、もう一段下りたレベルで考えたときに、先ほどの議論とも関連して、細かい論文数が幾つかでるという評価ではなくて、それぞれに掲げた目標に対して、進捗状況や達成度合いを評価することは合理的であると考えます。そのような理解でよろしいですね。

【JAXA(坪井)】  結構です。

【平野臨時委員】  それらは皆さんの方から何らかのフォーマット上で整理されたものが毎年共有されるものであり、そこでは各目標に対する達成度合いなどが示されているという理解でよろしいですね。

【JAXA(坪井)】  はい、結構です。

【平野臨時委員】  それと、もう1点は、先ほどの議論での永原先生のご指摘にも関係することですが、目標設定の仕方や表現に関する問題提起です。端的に言えば、現状のものは目標として平板すぎるのではないかと思います。
 どういうことかと言いますと、前半でこの議論をしたように、役所の方から出される業務運営の目標というのは、割と華々しいことが書いてありまして、新しい価値創造機関に変革するみたいなことも書かれています。一方、JAXA側の皆さんが示された行動計画を見ると、粛々とやることをやりますということだけが書かれており、ギャップを感じます。
 そこで、もし本当にJAXAの皆さん自身も新しい価値を創造する機関に変革をすることを目指すのであれば、それを皆さんの行動計画にも織り込むべきだと思います。例えば、アウトカム志向を徹底する、そのためのマインドを組織内に浸透させるということや、徹底的にパートナーシップを活用してオープンな組織運営に脱皮するということや、産業育成を重視していくというようなことをもっと計画に表現としても織り込むべきです。そのバックボーンとして、新しいJAXAとしてより進化を目指すことを示すということが大事です。【JAXA(山本)】  貴重な御意見だと思います。
 4ページ目に、私が冒頭に説明したところで、もう少し肉付けた方がいいのかもしれません。4ページ目に前文というところがあって、「JAXAは」という3つ目のパラグラフの後半なのですが、政府を技術で支えるだけではなくて、社会に対して科学・技術で新たな価値を創出する組織へ変革するということを打ち出していますし、そのことによって、我々の施策を政府の政策に積極的に提案できるようにしていきたいと思っています。

【平野臨時委員】  これは、そのように書かれていますね。では、それを具体的にどのように実現していくのかということも示すべきです。

【JAXA(石井)】  考え方につきましては、横断的な研究開発等の取組の2番のところが、新しい要素になります。

【髙橋部会長】  ページ数は何ページですか。

【JAXA(石井)】  すみません、17ページですね。
 新しい価値を生むというところで、2つ考えておりまして、これはJAXA横断的に取り組むというものなのですが、1つが、民間事業者との協業、パートナーシップ型というものに取り組むこと、これは組織立てもしようということを考えておりますが、こういうところ。
 もう一つが、2.2.の新たな価値を実現する研究開発というところでして、18ページ、19ページに、これは宇宙分野ですので、宇宙分野ですと3つの柱がございますが、その3つの柱のところに対して、新たな価値を出していくような、研究開発としては、具体的にこんなことに取り組んでいきたいといったところをここに書いてございます。

【平野臨時委員】  ですから、下世話の言葉で言えば、目玉的なものが欲しいですね。新しいJAXAを示すという。粛々とやるものは粛々とやる、それはそれで重要なことは分かります。しかし、新生JAXAなり、成長するJAXAとして、目玉的なものして新しいやり方、新しい試みを主張するというのもお考えいただければ良いと思います。

【古城部会長代理】  今の点ですけれども、例えば、6ページのところで4つの取組方針をお示しになって、その中にいろいろなものを位置付けたというのは分かりやすくていいと思うのですが、その後に、6ページのところに、「上記を支える取組として」という、恐らくこの4行が非常に重要なのではないかと思うんですよね。なので、これ、結構あっさり書かれていて、後の方にそういうところがあるのでしたら、やはりここも、例えば、後ろのどこそこでここは強調されていますなど、そういうふうに入れていただくと、この後のところのメリハリが付いて読むことができると思うので。この4行は、重要であるにもかかわらず、非常に薄い記述になっているのではないかと感じました。

【JAXA(山本)】  今、貴重な御意見頂いたので、文科省とその話をさせていただきます。

【髙橋部会長】  どうしても文章で、しかも網羅的に書くと、なかなか強調されている部分が見えてこないので、今、古城先生がおっしゃったとおり、冒頭でも、JAXAの何をどう新しく変えるのか、強化するのか、あるいは、変革するのか、というようなことを、もう少し具体的な形で述べた上で、個々の計画を述べた方がポイントが明確になると思います。

【JAXA(山本)】  ありがとうございます。

【髙橋部会長】  ほかに、よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。本日の議題は以上になりますが、全体を通して御質疑があればお伺いしたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。
 先月から2回にわたって御議論いただいた中長期目標(案)等につきましては、来週20日の国立研究開発法人審議会の総会に報告する予定になっております。その総会に最終的に提出する内容については、部会長である私に一任いただき、本日各委員から頂いた御意見を踏まえつつ、事務局と相談してまとめるということでよろしいでしょうか。
 ありがとうございました。以上で、本日の審議は全て終了いたします。
 最後に、事務局より事務連絡をお願いいたします。

【佐々木課長補佐】  事務局の方から、最後に事務連絡をさせていただきます。
 今後の予定についてですが、本日の部会をもって中長期目標の意見を取りまとめますので、予備日としてお知らせしていました19日火曜日には部会は開催しないことといたします。
 この後、文部科学省所管の他法人も含めた国立研究開発法人審議会の総会が12月20日水曜日に予定されておりまして、本日の部会での御議論も踏まえまして、髙橋部会長と御相談しながら、その総会に諮る中長期目標(案)等の部会の意見を取りまとめて参ります。
 また、その20日の総会での議論や、今後の共管府省との調整、総務省の行政管理局や財務省との調整が残っておりまして、それらを経てから、来年の2月末には4府省の主務大臣として次期中長期目標を決定する予定です。先ほど申し上げましたが、その中長期目標の決定を受けてJAXAが策定する次期中長期計画は、3月末に主務大臣認可をする予定です。その際には、委員の皆様に改めて御連絡差し上げたいと考えております。
 本日は、長時間の御審議ありがとうございました。
 事務局からは、以上です。

【髙橋部会長】  ありがとうございました。
 それでは、JAXA部会を閉会したいと思います。長時間ありがとうございました。


―― 了 ――

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研究開発局宇宙開発利用課