平成30年度JAXA業務実績ヒアリング(第1回) 議事録

1.日時

令和元年7月3日(水曜日) 13時00分~18時00分

2.場所

内閣府宇宙開発戦略推進事務局大会議室

3.議題

  1. 宇宙航空研究開発機構の平成30年度における業務実績評価の進め方について
  2. 宇宙航空研究開発機構からのヒアリング
  3. その他

4.出席者

委員

【文部科学省JAXA部会】
臨時委員 白坂 成功
臨時委員 黒田 有彩
臨時委員 平野 正雄

【内閣府JAXA分科会】
分科会長 青木 節子
臨時委員 大矢 和子
臨時委員 片岡 晴彦
臨時委員 白坂 成功(再掲)
臨時委員 竝木 則行

【総務省JAXA部会】
部会長代理 水野 秀樹
委員   知野 恵子
専門委員  小紫 公也
専門委員  藤野 義之

【経済産業省JAXA部会】
臨時委員 芦邊 洋司
臨時委員 大貫 美鈴
臨時委員 笹岡 愛美
臨時委員 坂下 哲也
臨時委員 吉村 隆

文部科学省

【文部科学省】
宇宙開発利用課企画官 原田 大地
宇宙開発利用課専門職 渡邉 真人

【その他省庁】
内閣府宇宙開発推進戦略事務局長 高田 修三
内閣府宇宙開発推進戦略事務局審議官 行松 泰弘
内閣府宇宙開発推進戦略事務局参事官 高倉 秀和
内閣府宇宙開発推進戦略事務局参事官補佐 立松 慎也
総務省国際戦略局宇宙通信政策課課長補佐 山﨑 浩史
経済産業省製造産業局宇宙産業室長 浅井 洋介

【説明者】
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
副理事長 山本 静夫
理事  布野 泰弘
理事  今井 良一
理事  若田 光一
理事  國中 均
理事  佐野 久
理事  中村 雅人
理事  鈴木 和弘
理事補佐 舘 和夫
理事補佐 中川 敬三

5.議事録

【髙倉参事官】  それでは、定刻より1分早い状況ではございますが、お見えになられる方は皆さんおいででございます。少し遅れてこられるという連絡を頂いている方がいらっしゃいますが、始めさせていただきます。
 本日は、令和元年度のJAXAの業務実績評価でございます。本日は、評価に先立ちます事前のJAXA側からの説明とその質疑を行うことによって、できるだけ評価に必要な情報を引き出していただくと、このような機会でございます。本日は、昨年までばらばらとやっていましたが、こういう機会でございますので、4府省一緒にやったらどうかということで、初めての試みではございますが、そのようにやらせていただきます。
 その関係で、便宜的には、今日、事務局であります内閣府宇宙事務局、私は参事官の髙倉と申しますが、司会を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。
 それでは、冒頭、まず政府側を代表しまして、宇宙開発戦略推進事務局長の高田より御挨拶を申し上げます。

【高田局長】  宇宙開発戦略推進事務局長の高田です。本当に今日はお忙しいところ、お集まりいただきまして、ありがとうございました。
 この形式での実施は実は初めてなので、少し困惑されるなどもあるかもしれません。かつてはJAXAを一つの評価委員会という形で評価していたのですがいろいろ独法改正などをやっているうちに、一つの独法を共管している場合はそれぞれの役所で評価分科会を作り、そこで個別に評価し、最後に評価を省庁間で横調整して、独法としての統一のものを出すようにというふうになった関係で、実は分科会が交付金などの主務になっている文科省をはじめ、内閣府、経産省、総務省にそれぞれJAXA独法評価のための分科会を構成するような形になっています。それぞれの方が今までそれぞれの役所の単位で評価をやってくださっていたと思います。
 その構図でお分かりいただけますとおり、一つにはJAXAに理事以下、説明の体制を最大4回、うまく他省の部会に相乗りできると3回実施していたわけですが、やはりもう少しそこの効率を上げて、より業務に人数をもっと割いてもらってもいいのではないかという議論もあったことや、あるいは評価分科会でのJAXAの説明に対して、委員の方がしてくださる質問の内容とそのやりとりが、そこの場にいらっしゃるほかの委員の方に、このJAXAの事業について、自分は気が付かなかったが、これはいいことしているのだなということや、実は結構課題があるのだなということなど委員間の横の情報共有も進むのではないかということで、4つの分科会を、そして、委員の方に日程上のチョイスがあるような形という意味で、2日間、今日は宇宙事務局でのビルディングで、もう一つは合同庁舎、4号館の方でやるという形で開催させていただいたという経緯となります。今日はやや狭いところにお詰めし、こういう教室方式になってしまい、恐縮ですが、そういうトライアルとしてさせていただきました。
 それから、これは手前味噌になりますが、私ども内閣府は、このJAXAの評価委員会に、局長である私自身も、それから、審議官の行松も、ずっとフルに出ていまして、他省によっては、その役割によって、どうしても幹部がそこまで対応できないところもありますが、こういう形でやれば、JAXAを霞ヶ関全体としてどんなふうに大事にしているかという心意気も分かっていただけるのではないかと思い、2回のうちの1回はこの宇宙事務局となる、こちら東急ビルで実施いたします。ただ、レイアウトが窮屈になってしまうことをお許しください。
 今回の評価では、去年からJAXAの新しい7年の中長期計画が始まっています。新しい計画の下、山川新理事長が昨年4月1日から業務を開始され、そして、この第4期の中長期目標・中長期計画を1年間、30年度に進めた、ものついて、既に31年度に入っていますが、それを今日JAXAより御紹介いただいて、それに対する委員の先生方のコメントをまた7月下旬から8月上旬にかけてまとめていくという流れになります。この中長期計画中の評価として、皆様の御意見をいただき、PDCAサイクルの中でどんどん先のJAXAの活動にフィードバックしていきたいということです。
 もう一つ、本当に私どもは、JAXAにつきまして、宇宙政策の要の実施機関だと強く感じております。宇宙予算は補正予算含めて大体3,500億円ぐらいになりますが、そのうちJAXAについては、文科省からの交付金が大体1,500ぐらいありまして、加えて、いろいろ委託等で、最終的に仕上がってみれば、1,800から2,000億ぐらいの事業を担っています。これは言ってみれば、国家予算の中でいろんな新しいもの、衛星開発やシステム開発などそういったものに取り組んでいく、あるいは宇宙科学も含めて、多くのリソースがJAXAを通じて宇宙政策が展開されているという状況にあり、それに加えて、昨年12月には防衛大綱が改定されましたが、この中でも宇宙安全保障についてはJAXAとの連携を深めていくということで、JAXAへの期待は防衛大綱にも明記されております。また、先だってのトランプ大統領の来日時の総理との会談においては、国賓としてG20の前に来日された時にも日米首脳会談でも東アジア情勢や防衛等様々に問題がある中で、宇宙というのは一つの項目としてアジェンダに入っていました。これは日米間で協力を進めていこうということですが、それも結局は、Gatewayというアメリカ発のイニシアチブをはじめとして、宇宙分野の協力ということで、この中核を担うのは当然JAXAになるということであり、そういう意味においては、このJAXAの業務評価というのは宇宙分野の民生利用の強化という3つ目の柱も含め、宇宙政策そのものに対する御意見取りの場にもなります。今日は本当に長い時間になって恐縮ではありますが、是非そういう意味で、JAXAからの御説明をお聞きいただけますと、非常にありがたく存じますので、どうぞよろしくお願いします。どうもありがとうございました。

【髙倉参事官】  それでは、まず、冒頭、お手元に大変たくさんの資料の種類があって恐縮でございますが、1枚の議事次第の紙に資料一覧が載ってございます。ただこの中でも本日御参照いただく資料は限られていますので、その資料だけ御紹介いたしまして、もし途中で何かないなどお気付きのところがあれば、いつでも挙手いただければと思います。
 まず本日の進め方でございますが、皆さんのお手元に1枚紙の縦の資料2というのがあるかと思います。こちらが本日の評価する項目を、項目の番号の順番に並べたものでございます。これは中長期目標・中長期計画の順番どおりということでございます。
 一方で、今日のヒアリングもこの順番でできればわかりやすいですが、少し効率的に行うために、別途カラー刷りのA4横の時間割の付いた紙の順番でやらせていただきます。意図するところは、各省のそれぞれの評価する項目がそれぞれ違いますので、具体的に言いますと、文科省さんはすべての項目でございますが、経産省さんの担当で言えば半分ぐらいの項目になりますから、まず4省共通項目は全部こなした上で、一旦そこで経産省の部会の方は御退席するなりしていただくというふうに、少しカスケード的にやっていって、最後まで文科省の方は残られると、こんな具合にやらせていただきたいと思います。したがいまして、その関係で順番が前後いたします。
本日は、JAXAの説明はほぼこの青い分厚い冊子で行います。
 今申し上げたローマ数字3 .3.9というところから始まるのですが、全てタブ打ってございますので、資料を行ったり来たりになりますが、タブを引きながら御覧ください。
 それで、本日、皆様方にお願いする作業でございますが、机上配付資料2という少し分厚めのA4横の資料があり、最初にお名前を書く欄がございます。テストではございませんが、最初にお名前を忘れずにお書きいただければと思います。本日、JAXAから例えば冒頭ローマ数字3 .3.9の御説明をお聞きして、これも行ったり来たりで恐縮でございますが、この評価票のローマ数字3 .3.9のページをお開きいただくと、御意見等を書く欄がございますので、本日、説明を聞き、可能であれば、皆様方でこちらで手書きで御意見なりをお書きいただきたくございます。あるいは持ち帰り、改めて反芻して家で書きたいということであれば、もちろんそれでも結構でございます。本日の皆様へのお願いは、できるだけこのシートに、説明の項目に従って御意見をお書きいただくというものでございます。
 それで、少し中身に関わるところでございますが、ご意見については、全ての項目に必ず何か書かなければならないというふうに義務感を持っていただく必要はないですが、可能であれば、アドバイスをしてあげるというお気持ちでいろいろお書きいただければありがたいなというふうに思ってございます。
 それで、特にこれは評価に付きものではございますが、必ずJAXAさんの方で、5段階のS、A、B、C、Dという評価をまず御自身で付されている記号が書いてございます。例えばAならAと書いてございます。御説明をお聞きいただいて、Aに近しいなと思えば、特にコメントなしと、そういうことでも構いませんし、Aがふさわしいが、もっとこうしたらどうかということは、それはコメントだけ書いていただければいいですし、どう考えてもAではないだろうというのであれば、別の記号がふさわしい、何とならばこうであると、そんなふうに簡単にお書きいただければよろしいかと思っております。
 その上で、本日、ヒアリングが終わった段階で、手書きでこの場でもうお書きいただき、コンプリートしたということで置いていっていただければ、皆さんのとりあえずの作業は終了でございます。持ち帰って、更に追記したいという場合や、あるいは更に追加質問したいという場合は、別途、期日をそれぞれ定めております。机上配付資料1に書いてありますとおり府省によって異なる日付が定められており、例えば内閣府のJAXA分科会に御所属の方は7月19日が締め切りでございます。それまでに今日書き切らなかったことを更に追記していただいて、郵送でも、ファクスでも、メールでも構いませんので、事務局宛てに届くよう御手配願えればと思います。送り先も全てこの机上配付資料1に書いてございます。
 これが本日の評価の段取りということでございます。したがいまして、主にこの青いファイルと、それから、御自身でお書きいただく名前入りの御意見記入シート、この2つを、先ほどの時間割を見ながらローマ数字の何番だなというのを引きながら御覧いただくということになります。
 それで、私からの最後の説明になりますが、最初の資料1を御覧ください。A4のパワーポイントの資料になってございます。こちらについては説明を省略させていただきますが、そもそも評価とはなにかということを書いてある資料でございます。大事なところだけ一言触れさせていただきます。3ページでございます。赤字の矢印が書いてあるスケジュールみたいなところになってございますが、先ほど高田から申し上げましたとおり、本日は右端から始まるJAXAヒアリングを聞いていただいて、それで御意見というのを先ほどのシートに必要に応じ、記載していただいて、それから先、事務方の作業になりますが、取りまとめをさせていただきまして、それで各部会、分科会いずれも7月の終わりから8月に、次の会合が予定されているかと思います。
 その場で皆様の評価結果というのを取りまとめたものをお出しして、そこで委員同士の御議論をしていただいて、各それぞれの部会、分科会における評価というのを定めていただきます。定めていただければ、あとは、それは各大臣が受け取る評価書でございますので、それを参考に各大臣が責任を持って最終的な結論を出すという格好になります。こういった一連の流れで、8月末までに行う作業でございますが皆様は今日のヒアリングと評価シートを書くということと、それから、次回の会合に御出席をできればいただきまして、そこで評価を最終的に各部会長、分科会長の下で確定するという作業をしていただくと、こんな流れになってございます。
 私からの説明は以上でございますが、評価全体の進め方等につきまして、何か御不明な点ございましたら、今お伺いできますが、いかがでございましょうか。
 たくさんありますが、青いファイルと自己評価シートと時間割表のこの一番大事な3点は間違いなくございますでしょうか。
 では、よろしければ、お時間もあれでございますので、始めさせていただきたいと思います。また御疑問なり等ございましたら、適宜挙手いただくなりしていただいて結構です。
 それでは、まず最初に、総括的な自己評価結果の説明ということで、まずJAXAの中村理事から御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

【JAXA(中村)】  本日はこのような機会を頂きまして、ありがとうございます。JAXAの総務担当、それから、評価も担当しております理事の中村でございます。これまでJAXAの自己評価をしてまいりましたので、本日、これからその概要を御説明し、評価をしていただくことになっていると聞いております。評価していただいた結果につきましては、JAXAとして業務の方にフィードバックをさせていただきたいと思いますので、是非とも励みになるような評価をしていただけるように、よろしくお願いいたします。申し訳ありませんが、座って御説明させていただきたいと思います。
 青いファイルで、評価をしてまいりました内容の概要をまず御説明申し上げたいと思います。
 最初に、開いていただきますと、目次というところがあります。ここのページをお開きください。先ほど高田局長から御紹介もありましたように、今回、評価をしていただくのは、昨年度1年間の業務の実績でございます。この1年間といいますのが、JAXAにおきましては、国に決めていただきました第4期の中長期目標の1年目ということになります。今回、これまでの第3期のときと、それから、第4期の中長期目標は、そもそも構成も違いますので、これから御説明する目次の構成が違ってきてございます。ここにありますように、評価すべき項目につきましては、ローマ数字3 .3.1というところから始まっておりますが、そこから各プロジェクトごとに3.1、3.2と来まして、4、5、6、7、それから、ローマ数字4 、ローマ数字5 、ローマ数字6 とあります。これが中長期目標に定められている項目でございまして、ここを評価すべしということになっておりますので、私ども、ここについて評価をしたものを持ってまいってございます。この評価項目は前回のものとは若干違っておりますが、これは中長期目標に従ってのことだというふうに御理解を頂ければと思います。
 1枚めくっていただきますと、自己評価の全体像が書かれてございます。国民の皆様へのメッセージという形を取らせていただいておりますが、私ども、昨年度実績として行ったものの重立ったものを書かせていただいているところでございます。
 前の目次のところでは、プロジェクトごとに書かせていただいておりますが、中長期目標におきましては、プロジェクトごとに書いてある部分も評価しなさいとは書いてあるものの、その前に、政策目標というものが書かれていまして、その政策目標が大きく4つになっております。ここで言うと、(1)安全保障の確保及び安全・安心な社会の実現。(2)の宇宙利用拡大と産業振興。(3)、それから(4)と、こういう4つが柱になっております。今回、評価については、個々のプロジェクトで御説明しますが、政策目標に対する基本的な取組としてまとまりを付けた書き方にしておりますので、それぞれのまとまりごとでトピックとなるようなものを(1)から(4)まで挙げてございます。個別にはこれから御説明をしたいと思っております。
 更に1ページ開いていただきますと、3ページ、4ページのところに年表があり、具体的な項目として挙げられているものが、大体この月にありましたということで書かれております。5月にイノベーションパートナーシップという制度を興したことや、7月に航空関係のECLAIRというコンソーシアムを発足して、電動化技術の開発が始まったことなど、そのようにそれぞれの月ごとにその内容を文章として書いたような形になっております。
 5ページ目を開いていただきたいと思います。このような実績につきまして、私どもは、理事長評価というものをいたしました。各理事、それから、部門からそれぞれが自分たちとしてはどうであったということを評価いたしましたが、最終的にはそれを理事長がヒアリングし、理事長による評価をいたしました。今回、これから御説明いたしますのは、この理事長による評価となっております。
 評価の仕方でございますが、独法の評価に関する指針というものが総務大臣決定で定められており、これを準用いたしまして、何を書くのか、どういう視点で評価をするのか、それから、そのときの評価基準をどうするのかということを決めて、評価しております。それを書かせていただいているのが5、6ページでございます。6ページで、評価に関する基準についてだけ簡単に御紹介しておきたいと思います。昨年度と同様でございますが、Bというのが中長期目標等に照らして、所期の目標を達成しているということで、あるいは着実な業務運営がなされているということで、Bが標準と理解しております。
 それを下回っているもの、C、Dでございますが、目標を下回っている、あるいは、一層の工夫、改善が期待されるというようなものがC。それから、Dになりますと、業務の廃止、又は抜本的な改善を求めるようなものというふうなもので付けてございます。
 一方、Bよりも上の方でございますが、Aにつきましては、所期の目標を上回る成果が得られているようなときや、顕著な成果の創出がなされているというようなときにAを付けてございます。
 更にそれよりもよかったということで、Sという区分がありますが、所期の目標を量的、質的に上回る顕著な成果が得られている。特に顕著な成果というところで、Aよりも更にすばらしいものについてはSを付けさせていただいたということでございます。
 7ページに、その総括表を付けてございます。今回は、先ほど申し上げましたように、プロジェクトごとに3.1、3.2というような形で個々に評価をしてございますが、それだけではなく、業務のまとまりごとの評価もすべしというふうにお話を頂いてございます。今回、その業務のまとまりごとにということで、3番の 宇宙政策の目標達成に向けた宇宙プロジェクトの実施という区分と、それから、4番の宇宙政策の目標達成に向けた分野横断的な研究開発等の取組。それから、5番として、航空科学技術。6番として、宇宙航空政策の目標達成を支えるための取組。それから、情報収集衛星に係る政府からの受託。さらに、個別の項目と、それから、大きなくくりが基本的に一緒になっていますローマ数字4 、ローマ数字5 というような形で、業務のまとまりごとの評価をしてございます。このようなまとまりは昨年度とは違う点となっており、最初の宇宙政策の目標達成に向けた宇宙プロジェクトの実施は、全体3.1から3.11までのそれぞれのプロジェクトを評価しましたが、その総体として、この分野についてはAだろうという評価や、宇宙政策の目標達成に向けた分野横断的な研究開発の取組について、4.1、4.2という個別のプロジェクトがありますが、個別のものの評価を踏まえた上で、全体としてこの項目、業務のまとまりがSだというような付け方をしているところでございます。
 8ページ目以降は説明する資料の形式で、凡例ということで書かせていただいております。中長期計画がどう書かれているか、大臣から示された評価軸がどうなっているか、主な参考指標がどうなっているか、特記事項がどうなっているか、さらに、年度スケジュールがどうなっているのかということに関する全体的な参考資料になっており、その上で、その各項目について、JAXAとして評定符号を付し、自己評価をどうしたかということ、及びその理由を書かせていただいております。
 更にそれの補足説明が、その次のページから書かれているということになります。
 それから、10ページにあります情報は、共通的に定められている情報であり、それぞれごとに予算、決算等を書かせていただいております。ここで1点、転記ミスがありましたので、御紹介させていただきたいと思います。
 今日お配りしております資料4-1という、A4、1枚の横の紙がございます。転記ミスをした場所が正誤表の形で書かれてございます。今御説明しましたように、凡例において予算額、決算額、経常費用、経常利益というように順番に書くことが定められております。申し訳ありませんが、この経常利益について、財務諸表の中の経常収益の数字を入れてしまいました。正しくは経常利益の欄から転記しなければいけないものの、転記ミスがございましたので、経常利益の数字に書き改める必要がございます。最近気付いたもので、正誤表という形ですが、数字はこの資料4-1の「正」と書いてある数字で御覧いただきたいと思います。
 それから、最後に、昨年度の業務実績評価におきまして、委員の皆様方から数多く指摘を頂いてございます。そのアドバイス等に対しまして、私どもがどのような対応をしたのかということを書かせていただいた欄を設けてございます。これが全体の書き方になってございます。
 これからこのような中で書かれているものを御説明させていただきます。12ページにあるものを最後に御紹介します。ローマ数字3 .3というところにありますのは、個々のプロジェクトでございますが、このプロジェクトに対しまして、分野横断的な研究開発、具体的には民間との協業のような産業振興、あるいは国としての基盤の研究で支えるとともに、左側のところにありますように、全体の政策を支える取組として、国際協力や理解増進などで総体的に上のところにある目標であります安全・安心な社会の実現や産業振興、国際的プレゼンスというものを達成していくというような体系で進めてきたということでございます。
 以上が概略の御説明でございまして、よろしければ、これから個別のプロジェクトについて御説明に入りたいと思いますが、ここまでで何か御質問等ございますでしょうか。
 よろしければ、それでは、中の説明に移らせていただきたいと思います。

【髙倉参事官】  それでは、今御説明ございましたが、このカラー刷りの時間割に従いまして、項目ごとの説明及び評価をしていただきます。
 1点だけ補足させていただきますと、今、中村理事からの説明にございましたように、評価は各論の評価に加え、例えばローマ数字3 .3であれば、このローマ数字3 .3.1から11まで全部併せた全体の各業務のまとまりごとの評価というのが出ることになりますが、結局、各個別のも説明を全部聞いていかないと分からないので、各個別の項目を聞いた上で、少し隙間の時間で全体の業務のまとまりごとの評価のところについて、何かコメントすることがあればお聞きいただくと、そんな進め方になると思いますので、恐縮ですが、ここから先は各個別の項目ごとの御説明と質疑という形で進めさせていただきたいと思います。
 それでは、よろしゅうございますか。はい。それでは、最初はローマ数字3 .3.9、国際宇宙ステーションでございます。青のファイルのタグの該当部分を御覧ください。
 それから、皆さんの各評価シートは、ページで見た方が早いと思いますが、40ページになります。こちら、両方開きながらお聞きいただければと思います。
 では、よろしくお願いします。

【JAXA(若田)】  それでは、説明させていただきます。JAXA有人宇宙技術部門国際宇宙探査、それから、宇宙探査イノベーションハブを担当しております理事の若田でございます。
 お手元の資料の3.9のA-114ページ、こちらの方にJAXA理事長による自己評価、それから、その評定理由・根拠を示しておりますので、このページを中心に、時間を15分、プレゼンと質疑応答で頂いておりますので、お話をさせていただこうと思います。
 まず自己評価でございますが、Aとさせていただいております。その理由・根拠でございますが、国・宇宙機関による活動領域開拓の舞台が月へとシフトしているところでございますが、地球低軌道の利用は、国による開拓フェーズから利用・商業拡大フェーズへと移行中でございます。この変革の中、ISSに係る取組を通じまして、ここに示させていただいておりますような具体的な成果が得られたと評価しております。
 まずその1つ目、地球低軌道利用の拡大の事業化に向けた取組でございますが、ヤクルト社、それから、ペプチドリーム社、創薬ベンチャーの会社といった民間企業による「きぼう」の長期利用のみならず、新たに超小型衛星の放出事業を行う日本の企業、これは2社を選定いたしまして、約半年強で、既に10機を超える受注を獲得しております。
 それから、「きぼう」の船外ポート利用事業を行う日本企業も選定して、事業が開始されておりまして、「きぼう」利用初の民間商業活動が開始されたという歴史的な一歩を踏み出したと考えております。
 これは地球低軌道利用における国の負担を下げて、かつ、新規利用者の参入を拡大し、全体の活動規模を拡大される取組であるということで、ここに示させていただいているような具体的な成果を創出しております。
 「きぼう」利用のプロセス改善・仕組み作りや、民間事業者のニーズに柔軟に対応するということで、民間の自己資金による活動を大幅に増加しております。更にロボットアームを使った初の衛星技術実証、宇宙科学分野、教育、それから、宇宙食など、研究開発にとらわれない様々な利用をISSパートナーの中で最も効率よく利用を創出していると言うことができると思います。
 具体例ですが、(1)のところが、「きぼう」利用事業初の民間自己資金による商業活動としての自立化、それから、民間等の自己資金の利用による大幅な増加というところでございます。
 229機の放出実績について、これは昨年度まででございまして、本年度に入りましてから5機、放出しておりて、既に234機、超小型衛星を放出しておりますが、そういった実績を生み、利用ニーズが多い超小型衛星の放出事業を、Space BD株式会社、三井物産株式会社に開放しております。これは事業開始から約半年で、既に10機受注しており、民間企業ならではのフットワークの軽さ、ネットワークで商業利用が拡大しているという状況です。これは単純に事業を民間企業に引き渡すというだけではなく、プロセスを標準化した上で、経験豊富なJAXA職員が技術指導を行って、ノウハウ等を移転しているという状況です。
 それから、2ポツ目、年度当初予定しておりませんでしたが、船外ポート利用に関しても、Space BD社に開放しております。これは民間ならではの自在性・スピードを持った受注活動を進めており、既に選定に先立って、スペインの宇宙ベンチャーの企業から受注するなど、利用・商業活動の拡大に貢献しているという状況です。
 また、有償利用の取組については、ISSの15か国のパートナーの中では最も先行していると言えます。契約の件数は前年度比50%増加となっておりまして、民間の資金等による利用は着実に増加傾向にあり、材料曝露実験やタンパク質結晶成長実験など、作業プロセスを定型化・パッケージ化した取組、それから、戦略的な料金設定の明示等が功を奏しているというように考えております。
 (2)について、軌道上プラットフォームであるISS・「きぼう」ならではの多様な利用、及び、ISSパートナーの中でこれも効率よく創出したという成果がございます。
 1ポツが、JAXAが現在開発中の技術試験衛星ETS-9の衛星バス技術の要素技術である高排熱技術、これを「きぼう」のロボットアームを使った新たな実験環境で先行実証、リスク低減に貢献しています。
 また、全天X線監視装置のMAXIは34件の突発現象を天文学電報に出しております。加えて、9件のガンマ線バーストの検出をガンマ線バースト連携ネットワークに通報しており、年間最多5個のブラックホールを発見しているという状況です。評価の高い科学誌であります『Nature』で3件、それから、『Nature Astronomy』で1件、観測成果をもとに論文掲載をして、MAXIの観測結果が貢献しているという状況です。
 それから、また別のペイロードである高エネルギー電子・ガンマ線観測装置(CALET)について、こちらの高精度のエネルギースペクトルの測定範囲が、世界最高レベルの4.8テラ電子ボルトまでを達成しているという状況です。
 それから、中村理事から先ほど説明ありましたJ-SPARCについて、地球低軌道との連携で、「きぼう」の知見や有人宇宙技術を活用して、地上社会にも貢献する成果を早期に創出しております。また、宇宙と防災分野の食に関する事業のコンセプト共創といったものも行っています。こういったことは、世界5極、ISSパートナーの中で最も効率よく利用を創出しているという状況でございます。
 ページをめくっていただきまして、2つ目の大きな成果について、ISS計画を通じました国際的なプレゼンスの維持・向上といった取組でございます。
 総合的にお話ししますと、このHTVの搭載小型回収カプセルの成功によって、有人宇宙機へつながる再突入技術、そして、自立的なサンプル回収能力を新たに獲得しております。こちらは地上でも注目されておりますライフサイエンス分野や、ロボット・AI技術等といったところで日米の協力関係を強化しております。
 「SDGsアクションプラン2019」の具体的な取組として位置付けられております超小型衛星の放出におきましても、アジア・アフリカ諸国の超小型衛星の放出を成功させまして、SDGsへの具体的な貢献を行っているということで、国際的なプレゼンスを大きく向上させております。
 これらISS計画における国際約束に基づく基幹的な役割を果たしていることを通しまして、次世代の国際宇宙探査、具体的にはGateway計画になりますが、この立上げにアジア唯一の参加国、パートナーとして参画するということを可能にしたというのもこのISS計画を通した成果と考えております。
 具体的な成果については、(1)、有人宇宙機へつながる新たな再突入技術の獲得と、HTV7号機などによるISSの安定運用への貢献ということで、この小型回収カプセルによって、米国の有人宇宙機と同等な世界最高性能の軽量の熱防護技術、有人機に要求されます再突入時の加速度要求を満たす日本初の揚力誘導、その制御技術を獲得し、有人機の開発、その実現に向けて大きな技術的な進展をみせております。
 それから、高品質のタンパク質結晶成長のサンプルを日本近海で回収することができるようになるということで、利用の拡大につながる自立的な回収手段を獲得しております。
 それから、HTV7号機ミッションを成功させ、ISS唯一の100%の輸送機としての成功を維持しております。これは日本だけです。ISSの安定運用に貢献しまして、パートナーから信頼を獲得しています。
 それから、昨年の10月、ソユーズ宇宙船の緊急帰還があり、クルーが3名体制になった期間がございました。その長期化に対し、NASAとも連携し、「きぼう」の利用や利用計画の変更など、柔軟に対応しております。金井宇宙飛行士の長期滞在が完了しましたが、安定かつ信頼性の高い10年間のシステム運用実績と合わせて、今後の探査に向けて日本のプレゼンスを発揮しているという状況です。
 (2)について、ISSに係る日米政府間協力の枠組み(OP3)による日米協力関係強化への貢献ということで、実験環境が異なる日本とアメリカの小動物(マウス)の実験で、そのミッションで、サンプル交換による利用成果として、「長期宇宙滞在における眼球組織障害の軽減に対する人工重力負荷の有効性を解明」する研究に関して、日米共同で論文を発表しております。OP3の具体的な成果を示して、日米協力関係強化に貢献しております。
 それから、JAXAの「きぼう」の船内のドローン「Int-Ball」とNASAが実際に運用しているドローンである「Astrobee」を活用したロボットのプログラミングコンテストの開催につきまして、JAXAとNASAの間で合意しておりまして、地上でも重要性が増しておりますロボット・AI技術の向上、それから、教育や人材育成も含めた日米協力関係の枠組みを作っております。
 (3)について、「きぼう」を生かした持続可能な開発目標であるSDGsへの貢献ということで、「SDGsアクションプラン2019」において、具体例として、創薬研究への貢献、地上の医学・医療技術への応用、国連宇宙部を通したKiboCUBEというプログラムがございます。それから、大学等との連携による超小型衛星の放出が具体的な取組として、このアクションプランに位置付けられております。
 超小型衛星の放出では、宇宙利用経験が少なく、宇宙にアクセスができないような国に対して技術指導などフォローアップを行い、国連との共同で行っておりますKiboCUBEの第1回選定のケニアの選定から、約1年半で、ケニアが国として初めての人工衛星の放出を実現させております。それから、国内の大学と協力体制を構築しまして、ブータン、こちらはブータン初の衛星を放出しておりますが、そのほか、フィリピン、マレーシア、コスタリカ。コスタリカも国の初の衛星になりますが、こういった国々の衛星の放出を実現しております。
 それから、ケニアの衛星の放出の際には、ケニアの教育庁の長官に来日いただき、実際に筑波宇宙センターで衛星の放出作業に立ち会われ、それから、コスタリカの大統領からは、コスタリカの衛星放出のときにはビデオメッセージが届くといった形で、SDGsへの取組に関して貢献しているということが国際的にも評価されております。
 それから、年度計画で設定いたしております業務は、計画どおり実施しております。
 以上が今回、自己評価Aを設定させていただきました根拠でございます。
 説明は以上でございます。

【髙倉参事官】  ありがとうございました。ただいまの御説明をいただきまして、御質問等ありましたら、どうぞお願いします。

【竝木委員】  114ページ、115ページで御説明いただいたものは、特に2018年に限ったものではないかと思いますが、特に2018年の成果として特出ししていただけるものはどれかというのをお聞きしたいです。

【JAXA(若田)】  ここに書かせていただいておりますものは、基本的には昨年度の成果という形で書かせていただいております。例えば229機、超小型衛星を放出した累計でございますが、ここに書かれているものは全て昨年度実施したもので、2社、事業化をしただとか、そういったものはその年だけでございますので、基本的にはここに書かれているものは昨年度の成果と考えていただいてよろしいと思います。

【竝木委員】  そうですか。もう一つよろしいですか。他のISSパートナーと比べて最も効率よくというような御説明が何度かあったのですが、他国と比べてJAXAの「きぼう」利用がどれほど進んでいるかというのはどこかに資料はあるのでしょうか。

【JAXA(若田)】  はい。今、御質問いただきました利用効率に関しましては、お手元の資料のA-120ページを御覧いただきますと、そこにISSの利用統計のデータを示させていただいておりまして、上の方のパイグラフのところに世界各国の宇宙機関がどういった実験をしているかといったものが示されております。そして、その利用の効率性という観点からは、左下にグラフがございまして、ちょうど下の真ん中あたりにこの利用効率のグラフがございますが、基本的には宇宙ステーションで使う電力、宇宙飛行士の作業時間であるクルータイムをリソースと申し上げており、実験の利用テーマの総数に対してどれだけのリソースでその実験を達成したかということを見ると、左下のオレンジ色の折れ線グラフにあるように、NASA、ESA、カナダ宇宙庁に比べて、利用効率という観点では我々が圧倒的に抜きんでているといったことで、効率的な運用をしているという説明をさせていただきました。

【竝木委員】  ありがとうございます。

【髙倉参事官】  そのほか。知野さん。

【知野委員】  昨年はたしか自己評価でSを付けられたと思いますが、今年はAです。今年、何がもっとできていればSに値したとお考えになりますでしょうか。

【JAXA(若田)】  こちらの方、昨年、知野委員からもいろいろ御指摘頂いたところで、我々、アウトカムに関しては、科学的な成果、それから、民間への事業化、そういったものを確実に進めてきたのかと思っており、そのあたりで成果は出しているのかと思っています。そして、毎年、皆様の方からアドバイス頂いておりますところが、やはり費用対効果といったところで、そこに関しては、我々も常に留意しながら作業を行っており、具体的には例えば今の「こうのとり」、今年度、また8号機を打ちますが、9号機の後はHTV-Xという、次期の宇宙ステーション輸送機の開発によって、能力をアップし、なおかつ運用効率を上げ、コストを下げることで、そういう目標を掲げて開発努力をしておりますので、実際にそれが達成したときには、費用対効果を、目標ではなく、具体的な数値としてお話しできるのかというふうに思います。そういった観点を総合的に見て、Aという形にさせていただいております。

【髙倉参事官】  それでは、小紫先生。

【小紫委員】  回収カプセルによって、サンプルを持って帰ってくることができたということは、ISSの利用がますます広がると思われ、大変結構なことだと思いますが、これは、このサービスが始まるということでしょうか、それとも技術が開発できたということでしょうか。

【JAXA(若田)】  はい。昨年、HTV7号機で打ち上げました超小型回収カプセルは実証ミッションでございますので、今回は熱防護システムや、揚力誘導という、目的地におろすための技術を獲得するという技術実証でございますので、現時点でまだその運用サービスをできる状態にはなっておりません。そのため、まずはその技術獲得ということが重要ですので、その大きなマイルストーンを今、達成したところで、今後これをどのような運用につなげていくかといったことを今検討しているという段階でございます。

【髙倉参事官】  ありがとうございました。あとはよろしゅうございますでしょうか。
 それでは、時間も押してまいりますので、次に参りたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、次は、ローマ数字3 .3.10、国際有人宇宙探査でございます。青いファイルのタブと、あと、皆様のお手元の記入シートでは45ページになります。よろしくお願いします。

【JAXA(若田)】  それでは、3.10項でございます国際有人宇宙探査について、説明をさせていただきます。これから国際有人宇宙探査について説明をさせていただきますが、まずその前に、A-135ページを御覧いただけますでしょうか。
 まず、説明をさせていただく前に、全体的な国際宇宙探査の我が国の、JAXAとして考えておりますシナリオを説明させていただきたいと思います。地球低軌道に関しましては、商業化、民営化を推進していくという、下の方でございます。そして、宇宙基本計画にも示されております4つの重要な技術、これが深宇宙の補給技術、有人滞在技術、重力天体離着陸技術、重力天体表面探査技術、そういった4つの技術がございますが、日本が優位性を発揮できる技術、他分野への波及効果が高い、そういった4つの技術をきちんと推進して、この国際宇宙探査に取り組んでいきたいと考えております。
 この中央の部分の黄色い部分が月面の部分でございます。まず深宇宙補給技術、それから、有人滞在技術、こういった日本の強みがある技術をもってGatewayに参画いたします。それから、残りの2つの技術、重力天体離着陸技術、表面探査技術、そういったものを生かして、2021年度に予定しておりますSLIM、小型の月着陸実証機、それから、2023年頃を予定しておりますインドとの協力による極域探査。こういった月の探査もしっかりやっていくという中、そして、さらに、「はやぶさ」、「はやぶさ2」等を通して獲得している日本の優れた技術を使って、MMX、火星衛星からのサンプルリターンといったものにつなげていくという形で、日本が我が国の強みのある技術をもって、人類の活動領域の拡大に貢献していくという、これが全体の国際宇宙探査の流れ、シナリオでございます。
 その中で、昨年度、我々がどういったところに取り組んだと申しますのが、A-133ページでございます。こちらの方、3.10項、国際有人宇宙探査。自己評価はAとさせていただいております。
 その根拠でございますが、我が国独自の宇宙探査に関するロードマップの実現に向け、アメリカが主導しているGatewayの参画、それから、月の表面探査活動に向けた国際調整を進めまして、アメリカとロシアのみが果たしてきた中核的な役割を担う立場になる顕著な成果を得たと考えております。
 これから具体的な活動についてお示ししたいと思います。
 まず1つ目が、国際宇宙探査プログラム参画に向けた計画の推進ということで、そのGatewayの分担におきまして、有人拠点の構築における米露に比肩する立ち位置を獲得しているということが挙げられます。
 このGatewayの参画につきましては、宇宙基本計画で示されている、先ほど申し上げた重要技術を効率的かつ効果的な方策を分担案に取り込み、ISSの多数者間の調整委員会の場において米露欧加といった参加各国の機関からの合意を獲得しております。特にこの合意においては、環境制御・生命維持システムの分担を獲得していますが、これらは従来、アメリカとロシアのみが担ってきた有人宇宙活動拠点の構築に不可欠な基盤インフラシステムになります。ISSの計画における実験施設の提供からは、極めて大きな飛躍、進展となるものでございます。
 それから、昨年の11月にペンス副大統領と安倍首相の会談がございましたが、Gatewayその他に関する協力の具体的な検討を含め、安全保障・探査・産業の各面での宇宙協力の強化が確認されており、政策的な意義も付加されていると考えております。
 (2)については、国際協力ミッションの実現に向けた活動をリードするということで、JAXAは、現在、世界の16の宇宙機関が参加しておりますISECG、国際宇宙探査協働グループというのがございまして、これまで個別の計画に基づいて進められてきた各国の探査活動というものを統合し、月面探査ミッションを要素実証にとどまらない持続可能な計画として発展させるといったことを、そのISECGの議長機関として提案して合意を取りまとめております。
 JAXAが獲得を目指しております重力天体の表面探査技術の実証や、月極域の水資源の探査の実現に向けて、インド宇宙機関との共同研究をJAXAが主導し、共同ミッションの要求審査を昨年の12月に取りまとめております。この協力関係は、双方、インドと日本の強みを生かした取組であると同時に、宇宙における二国間の協力強化の観点で外交的にも意義があると考えております。
 (3)について、探査に関わる国内政策の議論をリードするということで、月・火星探査のプログラム化の提案を行いまして、プログラム化に関する政策委員会、その議論をリードいたしまして、委員会の取りまとめの文書に反映しまして、工程表の改訂を実現しています。
 それから、2としまして、有人宇宙探査における優位技術/波及技術の実証ということで、(1)として、世界初のクリーンエネルギーによる月面の越夜技術の開発を行っております。これは超高エネルギー密度のリチウムイオン電池や、高性能の熱伝導率を持っておりますヒートスイッチの開発になります。このヒートスイッチというのは、熱伝導を高くしたり、低くしたりする装置になりますが、電力確保が難しい月面などの熱コントロールには非常に重要なシステムです。そういったものの地上の実験試験を、地上試験を完了しまして、世界で初めてとなる月極域の永久影の中での探査や長期間極低温となる月面での越夜を原子力を使わないクリーンエネルギーで可能とする道筋を付けております。
 (2)といたしまして、世界最高水準のランデブセンサによる相対航法技術の自立的な確保として、海外の製品に比べて、約20%程度の測距誤差にしかならない、非常に精度の高いレーザ光を用いた3次元のランデブセンサの地上試験を完了しております。機微な技術でありますランデブセンサの国産化や、また、ランデブ宇宙機の機動制御性能の向上に貢献しているという状況です。
 それから、成果の3つ目として、オールジャパンで国際宇宙探査への推進体制の構築というものが成果として挙げられると思います。
 これは宇宙理工学委員会を通して、サイエンスコミュニティと協力し、国際宇宙探査における科学の在り方について検討するタスクフォースを組織しまして、報告書を作成し、また、学術界の国際宇宙探査への参画を促して、連携を強化しております。
 具体的には、月極域探査や、月の離着陸実証の着陸技術、加えて、新型の宇宙ステーション補給機であるHTV-Xの設計などにおいて、宇宙科学・探査におけるSLIMにて先行して行っている技術開発を効率的に活用するように連携して取り組んできております。
 それから、外部に対しては、一、二か月に一度の頻度で、産学官や一般の方々も対象にしたワークショップなどを開催しております。延べ参加人数は約1,400人で、ウェブの視聴は約9,000回になっており、幅広いステークホルダーの理解増進に寄与しております。また、そのようなシンポジウム等の参加者からは、民間事業者の参画による宇宙探査の推進への期待の声を多数いただいております。加えて、非宇宙企業の参画も含めたオールジャパンでの推進体制の構築を図っております。
 それから、最後のポツですが、将来的な有人表面探査技術の確立に向けては、宇宙開発を通じた技術力の向上や、自動車技術への応用を目指すトヨタ株式会社様との参画を得まして、連携協定で進めている有人与圧ローバの概念検討を開始しております。このような一連の取組を通して、建設、食品、広告・インターネット、更には金融や教育などといった非宇宙分野の企業による宇宙探査への新規参入の機運が高まっていると、こういったことが国際宇宙探査での昨年度の成果と考えております。
 説明は以上でございます。

【髙倉参事官】  それでは、御質問等ございましたら、挙手をお願いできますでしょうか。白坂先生。

【白坂委員】  慶應大学の白坂です。御説明ありがとうございました。この前のところで宇宙ステーションの話があり、ステーションはこれから、先ほどの図にあるとおり、どんどん民営化を推進していくということだと理解しました。この流れを考えると、当然、次はGatewayを作り、Gatewayも民営化になりというように、やはりどんどん民営の力を活用していって、どんどん移行していくという形になると思います。その観点を考えると、このGatewayを進めていくときに、その活動の中に早い段階から民営化にしていくことを目指すことを考えておけば、様々なことをやっていけると思っています。
 それは宇宙ステーションをやったからこそ、後から民営化をやるとすごく大変な思いをされている中で頑張っているのはすごく分かりますので、その知見から、いかに早い段階からプログラムの中にそういうものを埋め込むかという観点で言うと、どのあたりの活動が現在のこの宇宙有人探査における将来の民営化を見越し、想定した活動だというふうに思えばいいか、今のお考えをお聞かせいただけませんでしょうか。

【JAXA(若田)】  先ほどISECGという国際宇宙探査シナリオ、世界共同で作っているグループの議長国をJAXAが行うというふうに申しましたが、その中で、例えばISRU、その場の資源を活用して、持続的に発展していくということが議論されています。例えば探査にしても、米国が2024年まで月着陸、有人着陸をすると言っていますが、それが一過性のイベントで終わらないためには、持続的にそういったものを続けていく必要があります。逆に、持続的な製薬プラントや、ローバを使った広範囲の作業、さらには、本当に水氷を資源として活用するようなものが具体的な事業として成り立つようになってくれば、これが持続可能なものであり、そういったものがやはり民間の主導による活動につながっていくと思っています。そのため、探査の方はまた未知数でございます。最初に我々が進めなければいけないのは、国際宇宙ステーション、地球低軌道の民営化だと考え、商業化を促進するということで、その流れが地球低軌道につながってくると思いますが、まず探査自体が一過性で終わらないために持続的に継続していくための様々な技術検討を行っているというのがまず探査における将来の民間の参入を促すための一つの例かと思います。
 加えて、宇宙探査イノベーションハブ等で実施しておりますように、最初から技術の出口として宇宙探査だけではなく、地上での活用につなげるというものを開発するときでも、宇宙のためだけではなくて、地上にも役立つデュアルユースという形で様々な企業さん、研究所さん、アカデミアの皆さんと一緒に開発するということで、持続可能性が出ており、それが将来、事業化にもつながっていくのではないかというふうに思っています。

【白坂委員】  なるほど。ありがとうございます。今、ステーションの方では、これまでJAXAさんの方が担っていた役割を民間にどんどん移管しながら、民間を活用するというのが行われています。これまでは受託して研究開発を行うというスタイルで今までやってきたものを、将来、自分たちがオペレーションして、お金を頂きながら、サービスとしてJAXAに提供するようなイメージを持ちながら、開発そのものをやっていくとなると、単に開発を通じた売上げで終わるのではなく、自分たちがいかに効率的にオペレーションをおこなうことでサービスを提供して稼げるかといったことを加味して考えることが可能となります。より早い段階からそちらのイメージを持ちながら開発ができるようになるのではないかというのはずっと思っています。そのため、多くの方を巻き込みながらやられているのはすごくいいなと思っています。そういった形をうまく開発の方においても、分離するのではなく、将来のサービスにつながる研究開発というものを早い段階からできれば、まだこれは始まったばかりなので、いくらでも計画を作っていけるかと思って質問させてもらいました。ありがとうございます。

【JAXA(若田)】  はい。どうぞ。

【JAXA(五味)】  国際宇宙探査を担当しています理事補佐の五味でございますが、補足で御説明させていただきたいと思います。民間さんにできやすい分野というと、やはり月面の活動のローバその他が考えられるのではないかと思います。それで、できれば輸送系である着陸機なども民間さんに参入していただくとありがたいということで、本日の文章にはございませんが、各企業さんとヒアリング等を実施しております。ベンチャー企業さんは非常に意欲的に取り組んでいらっしゃいます一方、エスタブリッシュメントの古い企業さんは、少し迷いのようなものがまだあって、契約の仕方の変更や責任分界点の考え方、あるいはサービスにするのか否かなどに対して各国の動向もよく見ながら、何がしから新しい世界に入っていかなければいけないのだろうというところは、今、感じておりますので、JAXAといたしましては、民間さんが入りやすいような枠組みというのはどういうものかというのを、検討しているところでございます。

【白坂委員】  ありがとうございます。

【髙倉参事官】  そのほかございますでしょうか。では、大矢さん。

【大矢委員】  民間との道筋を付けてきているということは大分できたのではないかと思うのですが、JAXAとしてはやはり、JAXA固有の技術というのを開発していくという意味では、今回の2番における世界初のクリーンエネルギーや、最高水準のセンサによる技術を確立したということは、大きいというふうに考えて、Sでもいいのではないかと思ったのですが、Aにされたという理由はどういうことでしょうか。

【JAXA(若田)】  ありがとうございます。よろしければSにしていただければありがたいと思いますが、こちらに書かせていただいております点が、国際有人宇宙探査のこのような計画、それから、例えばISECGの議長国として世界的なリーダーシップ、プレゼンスを発揮しているところでございますし、技術に関しましても、「こうのとり」の7号機までの成功があったから、国際宇宙探査につながるようなプレゼンスを発揮できているのかと思います。しかしながら、まだ国際宇宙探査自体については、拠点やGateway等、月面の探査自体が実際にはまだ研究開発中でございますので、こういったミッションを実現した暁には、やはり更に上の評価を狙えるかというように思っております。このような形で、ここに書かれているような計画をきちんと着実に推進していく必要があるかというふうに思っております。

【大矢委員】  計画どおりの形なので、次のステップを狙ったときにSを付けたいと、そういうことですね。

【JAXA(若田)】  はい。

【大矢委員】  分かりました。

【JAXA(若田)】  どうもありがとうございました。

【髙倉参事官】  そのほかございますでしょうか。では、どうぞ。

【笹岡委員】  A-133に、産学官のワークショップを開催されて、参加者から期待の声があったということなのですが、これは、民間が参入することによって、先ほどおっしゃられたように、持続可能性が高まるということに対する期待なのか、それとも、うちの企業は参入したいという期待なのか。ここをもう少し明確に教えていただけますか。

【JAXA(若田)】  はい。かなり多くの企業さんが出られて、私が直接、お聞きしたことはその一部かもしれませんが、非宇宙企業の皆さんを含めて、多くの企業さんが興味を持って、やはり参加されたいというお話は伺いました。統計的な数値がなくて、申し訳ございません。

【笹岡委員】  分かりました。ありがとうございます。

【髙倉参事官】  そのほかよろしいでしょうか。
 それでは、次に進みたいと思います。続きまして、ローマ数字3 .6.1、国際協力・海外展開の推進及び調査分析というところでございます。皆様の記入シートですと、63ページになります。

【JAXA(中村)】  それでは、6.1、国際協力・海外展開の推進及び調査分析について、御説明申し上げたいと思います。
 まずD-3ページというところを、6.1のタブで引いていただきますと、D-3というページになると思います。中長期計画で、何をここで目指しているかということを簡単に御紹介しますと、国際協力・海外展開の推進というところでは、トップマネジメント層間での関心を共有して、互恵的な関係での研究開発を推進することによって、JAXAの事業の効率的かつ効果的な実施に貢献し、その推進に当たっては、外交当局や関係機関との緊密な連携を図ることで、政策的な意義を高めていく、という点になります。
 加えて、海外の宇宙利用機関やそういう方々と連携強化を図ることによって、宇宙利用の更なる促進と社会基盤としての定着を図り、その際には、APRSAFの枠組みを活用しなさいということが最初の項目で、(2)の調査分析については、効果的なミッションの立案、成果の最大化及び我が国の政策の企画立案に資するために、動向調査、分析機能を強化し、その機能強化の一環としては、人材ネットワークの拡大を図りなさい、というようなことが中長期計画で書かれていることです。
 これに関して、今年どのようなことをやったのかという実績を書かせていただいて、評価したものが、D-5というページに書いてあるものでございます。
 今回、新理事長の下での初めての1年目であるということであり、まずJAXAとしては、理事長の顔を売るということが非常に大事なことだと思いました。1例を挙げますと、米国のNASAの長官がちょうど就任するということもあり、彼が就任する直前に、理事長に出張をお願いし、最初に海外の要人と会ったのがJAXAの理事長であったという状況をつくりました。当時NASAの長官は下院議員から就任されたばかりでしたので、宇宙の専門家ではなかったということもあり、なかなか時間がなく、宇宙についてのレクが十分NASAの事務方から上がってなかったという状態だったようで、NASAの職員からは、宇宙のことを説明していただいてありがとうございましたというように、理事長がお礼を言われたようなことでございました。大統領と総理みたいな話でありますが、理事長はこの1年間、非常に精力的に海外へ行き、多くの方との関係を結んでいったというのがこの年の特徴であったかと思います。
 そのためにも理事長には多くの出張をしていただきましたし、それ以外にも多くの定例的な会合を着実にこなすことで、国際協力のための環境を整備していったというのが主な内容でございます。
 具体的な場面としては、下の方に書いてございますが、(1)にありますのは、海外宇宙機関間での定期的な会合ということでございます。DLRやESA、NASAの理事レベルでの会合を設定して継続し、実施しております。
 それから、(2)にありますのは、首脳レベルの対話というのが政府レベルで様々ありました。そのようなときにはできるだけ宇宙について入れ込めないかというふうに働き掛けるというところまでが我々の仕事で、働き掛けがどの程度効いたかについて、はっきりは申し上げられないところはありますが、結果として、米国のGatewayの関係での議論、あるいはペンス副大統領が訪れた際に安倍総理と対談されたときに、やはり宇宙についての話題が出たこと、あるいは、日印の首脳会談のときにも取り上げることができたということで、そのような場で宇宙が話題になるように働き掛け、それが成果として出てきたということが(2)でございます。
 加えて、(3)につきましては、途上国に働き掛け、先ほど御説明ありました我々の持っているKiboCUBEのプログラムを国連に作っていただいて、その国連をうまくサポートする形で、このプログラムを成功させたことは、国連の中でも高い評価を得ることができたということを書かせていただいております。特にUNISEFという機関が、国連の中にございますが、このKiboCUBEのプログラムが非常にいいということで、UNISEFがこのKiboCUBEのプログラムに対して資金提供したいということを言ってきているということも、国連の中でも評価が高まっている証左と言えるのではないかと思います。
 それから、(4)はリモートセンシングになります。この一年、様々な場面で災害があった場面が多かったですが、うまく活用できるよう、政府、JICA等を通じて情報提供するということをさせていただきまして、結果として、JICAがセンチネルアジアという宇宙のリモートセンシングのデータ交換のプログラムに参加するということで、国際機関が宇宙に関心を持っていただけたということにもなるのではないかと思います。
 APRSAFにつきましても、アジアの中でコミュニティを大きくしていこうという活動をしており、昨年度は、宇宙政策担当者による取組というものを開始しました。これもまた一つのレポートになるのではないかと思っております。
 それから、調査分析につきましては、まずはJAXAの中で将来の事業計画に反映できるような研究をしようということで、今回は低軌道の商業化シナリオの検討という経営陣のテーマ設定をまず行い、そのテーマ設定に対応する形で研究をして、それを今年の計画、経営事業方針2019に反映させるというような形でPDCAを回すやり方が開始されました。(2)にあるように、様々な外部の方とのネットワークも図ることで情報収集の能力を高めるということをしてきたということでございます。
 D-6ページ以降には、今御説明したものが写真で書かれておりますので、そちらの方を御覧いただければと思います。
 こういうようなことをやりましたので、今回、自己評価につきましては、Aとさせていただきました。
 以上です。

【髙倉参事官】  それでは、御質問等ございますか。では、片岡さん。

【片岡委員】  新理事長が就かれて非常に進んだ分野だというふうに思いますが、Sにするには、更に何をすればSになったとお考えですか。そこのところを簡単に教えていただきたいと思います。

【JAXA(中村)】  もともとの目的が事業の効率的、効果的な実施に貢献するというところなので、理事長の顔をまず売ったというところではなく、プロジェクト自身がうまく進んだということに貢献できたと言えるときにSと主張できるだろうと思っています。
 一つ、やはりこれからも継続していきたいことは、政府が様々な場面で、例えば総理とその国の大統領等そういう方々との交渉のときに、できるだけ宇宙の話題が取り上げられるように働き掛けていくことです。その件数が多くなってくると、まずトップマネジメントとしての機運の盛り上がりができるでしょうし、プロジェクト自身も多くのプロジェクトを国際間で互恵的なプロジェクトを組めるようになってくれば、理事長としてのプレゼンスというのがそういうところに出てきたのではないかというふうに評価できるようになると思いますので、もう少し実績を積み重ねたときに考えたいと思っています。

【片岡委員】  ありがとうございます。

【髙倉参事官】  そのほか、特に何かよろしいでしょうか。竝木さん。

【竝木委員】  中長期計画の中に、宇宙インフラの海外展開を支援する、あるいは産業基盤の維持・強化ということが書かれていますが、今回のこのD-5ページに書かれていることの中では、そこはどのように読み取ったらよろしいでしょうか。

【JAXA(中村)】  ここのところは、後ほど御説明する新事業の中長期目標の中でも同じようなことが書かれていて、どちらで書いたらいいかを判断して、新事業の方に書かせていただきましたので、そちらで事例を御紹介したいと思います。
 具体的には、新事業促進部という部署が海外の商談会で企業を紹介し、そこで商談をさせて、幾つか実績として相談がまとまったなどの事例がありますので、後ほど御紹介させていただきたいと思います。

【髙倉参事官】  では、知野さん。

【知野委員】  D-5ページの2ポツの1のところの低軌道商業化シナリオ検討ですが、JAXAとしては、これは民間がやるべきことではなくて、JAXAとしてやるべきことだと考えているのでしょうか。

【JAXA(中村)】  商業化を進めるためにどういうふうにJAXAは変わっていけばいいのかということを検討しており、具体的には契約形態を変えることで、民間のベンチャーさんが入ってきやすいだろうということや、この分野については更に民間のベンチャーができる可能性を探ってみようということなどが書かれています。
 更に将来的には民間事業がどこまで広がり得るのだろうかという見通しを検討した上で、そこに向かって、今、準備できるのは何だろうかというような検討になっており、JAXAが商業化をするというよりは、商業化を促進するためにどういうようなことをこれからJAXAとして行っていけばいいだろうかという視点で検討したものになっています。

【知野委員】  民間に任せておくわけにはいかないということでしょうか。本来、民間が考えるべきことではないかと思いますが、そうではなくて、やはりJAXAが関わらなきゃいけないと。

【JAXA(中村)】  特に今回中心になったのは、今のISSをどのように民間に使っていただくのがいいのだろうか、広がりがあるだろうかということを中心に検討しましたので、今現在、我々が持っていて、事業としてやっていますが、それをいかに民間に開放していくかというのもありますし、それが更にISS以外のところで何ができるかというのは、将来のシナリオ検討みたいな形でやっています。これからのことをどうやればいいのか。我々が事業をやるというのではなくて、民間をいかに巻き込んでいくかというような方法を書いたものになっています。

【髙倉参事官】  そのほかいかがでしょうか。どうぞ。

【芦邉委員】  同じくD-5の2のところなのですが、シナリオプランニングを用いたということで、シナリオプランニングはJAXAの経営に有効だということが分かったということなのか、具体的にこれを導入したことによって、何か成果が表れたということ、どちらでしょう。

【JAXA(中村)】  今回は低軌道の商業化シナリオ検討ということを、テーマをシナリオプランニングという手法を用いてやってみました。このテーマについては、割合おもしろい成果が出たのではないかと思っています。これが全てのプロジェクトに適用できるのかまではまだ分かりませんので、今回はそういう実績が上がったというようなことで書かせていただきました。

【芦邉委員】  分かりました。

【髙倉参事官】  そのほかございますでしょうか。
 では、次に移りたいと思います。続きまして、ローマ数字3 .6.2、国民の理解増進と次世代を担う人材育成への貢献ということで、皆さんの記入シートでは67ページになっております。

【JAXA(中村)】  ここからは、御覧いただくとおり、Sが結構続きますので、割合厳しい御質問等があるのではないかと覚悟した上で御説明させていただきたいと思います。
 まず6.2でございます。6.2をご覧いただくと、D-17ページが出てまいります。国民の理解増進と新世代を担う人材育成の貢献で、ここはSを自己評価として付けさせていただきました。ここで中長期目標、中長期計画が期待しているのは、説明責任を果たすこと、それから、一層の理解増進を図ること、そのために即時性・透明性・双方向性の確保を意識しつつ、高度情報化社会に適した多様な情報発信を行うということが最初のところになります。
 それからもう一つが、次世代を担う人材育成への貢献ということで、青少年の人材育成に幅広く貢献するため、成果や知見を広く教育の素材として活用し、それを学校教育の支援や学習機会の提供に行えるかということが計画で書かれていることでございます。これに対して、次のページ、D-18ページにありますような実績があったので、Sとしたというものでございます。
 その根拠として書いておりますのが、最初のところにありますように、今回は様々な機会がありましたので、その機会を捉えて、多くの媒体を使って情報発信を行うのに注力をしました。その結果としまして、全国の企業、団体と、いわゆる一般の民間会社と同等の土俵で評価をしてもらった結果、広告費の換算調査というもので比べると、2ヶ月連続で全国1位を記録するなど、過去これまでになかったような広報的な効果を上げることができたということでございます。
 具体的なものとしては、1ポツ以降に書いています。昨年は様々なイベントを捉えることができました。具体的には、「はやぶさ2」の運用や、「こうのとり」の打上げ、小型回収カプセルの回収、BepiColomboの打上げ、「いぶき」や革新的衛星技術実証1号機のイプシロン4号機での打上げ等、様々なミッションがあったというチャンスはありましたが、このチャンスを失うことなく、準備段階からミッションの期間に至るまで広報活動を展開しました。その相手先としても、報道・メディア、それから、ライブ、ウェブサイト、SNS、様々な媒体を使うということをしてございます。
 更に具体的な例としては、「はやぶさ2」について言えば、記者説明会をやること、及び、メディアの方々との共同開発や共同番組制作にも取り組むということをしました。このようなことをした結果として、多くのところで、我々自身がやるのではなくて、それぞれの方々が特設サイトやメッセージサイトを作るということにつながったというふうに評価をしております。
 加えて、海外との連携ということにも力を入れました。海外に「はやぶさ2」の実物模型を持っていき、展示を行う、あるいは海外の国際会議の場で、国際共同での記者会見をして、それを配信する、または、海外からの打上げ実況をYouTubeで実施するということをしてございます。
 それから、全国の科学館・博物館に関しても展示の協力をしました。
 メディアの露出につきましては、テレビにどれだけ出たか、及び、それによって、広告効果はどれぐらいあるかと分析をやっているJCCという民間の会社が評価を出しておりまして、ここにありますような成果でございました。この結果は、いわゆる国の機関だけで比較しているわけではなくて、一般の会社も含めてでございます。次のD-21ページに、上位5件を書かせていただいておりますが、JAXAが1番になった2月でいうと、2番が東武鉄道で3番がJR東日本というように全国で民間企業と比較した評価の中でも高い評価を得たという意味でございます。
 加えて、D-23ページの2には、ツイッターのフォロワー数やJAXAのチャンネルの登録者数を書かせていただいてございます。これはNASAと比較すると、残念ながら3分の1とか4分の1程度ではありますが、国内の類似の研究機関や大学等と比べると、1桁ぐらいいい数字になっておりまして、それほど悪い数字だとは思ってございません。
 それから、展示館運営につきましても、合計で約62万人の方においでいただくことができました。特に筑波については過去最高の人数でございました。筑波と種子島につきましては、旅行サイトのトリップアドバイザーというところがあり、そちらでエクセレンスというふうに認証をしていただいておるところでございます。
 それから、D-28ページに次世代を担う人材育成の貢献というところがございます。
 ちょうど2020年度から新学習指導要領では小学校でプログラミング教育が必修化されることになってございます。ここを捉えまして、「はやぶさ2」や人工衛星の運用、リモセン衛星の画像解析など、このようなものをモチーフにしたプログラミング教材の開発・普及に努めてございます。具体的には、デモ版を作り、それを体験教室などで実践して、初版を作成し、この初版については、公立小学校で試験的に、授業や連携自治体の教育委員会との共催で教員の研修に展開するというような形で作業したところでございます。広報の分野で見ますと、非常にいい数値が出たということで、Sを付けさせていただいたところでございます。
 以上です。

【髙倉参事官】  それでは、御質問等ありましたらよろしくお願いします。いかがでしょうか。どうぞ。

【吉村委員】  NASAとの比較という話だったのですが、国民理解増進に向けての方法論で、JAXAさんが負けているなというか、取り組めていないなというものというのはあるのですか。

【JAXA(中村)】  広報という意味では、海外の展示会などに行きますと、展示の大きさというか、規模が全然違います。例えば常設の展示館でいっても、スミソニアンなど、様々なところに大きな展示場があり、あるいは個々の展示会で展示をしたときにも、展示の規模、材料など、そういうものが少し違うという感じはします。
 加えて、JAXAでは、JAXA放送という形で、打上げ放送もしています。そちらもNASAのまねから始めており、今ではそれなりのものになるまでは来ましたが、やはりまだまだNASAには負けているところがあると思いますので、いかに知恵を絞るかというところが大事なのではないかというところが今の状況だと思っています。
 もう一つ言えば、NASAは当然英語で出しますが、一方、我々は英語に直しはするものの、海外に対する発信では、やはり受ける受け手の数が違うということがあって、もう少し英語での発信を強化できればもう少し増えるのかもしれないとは思っています。

【髙倉参事官】  では、知野委員。

【知野委員】  人材育成ですが、プログラミング教育が必修になるということで、いい材料をお持ちだと思うものの、今回のSというためには、読ませていただくと、少し人材育成に関してはまだ弱いような気がしますが、専ら広報に引かれてSということですか。広報のウェイトが大きいというご判断でしょうか。

【JAXA(中村)】  基本的には次世代のところについても、それなりのことはやれたのではないかと思います。これをSと見るか、Aと見るかというのは議論があったところで、意見が分かれたところでもありまして、結果としては総合でSでいいのではないかということで、全体としてSにさせていただいています。

【知野委員】  では、広報と抱き合わせということでしょうか。

【JAXA(中村)】  ローマ数字3 .6.2という項目自身が全体で一つのまとまりになっていますので。

【知野委員】  はい。分かりました。

【髙倉参事官】  はい。

【藤野委員】  この人材育成のところですが、教材開発というのはJAXAのミッションなのでしょうか。

【JAXA(中村)】  教材開発ということは一つの手段だと思っています。青少年含む幅広い層に対して、宇宙の理解増進をすることはJAXAのミッションだと思っており、その中の一つのやり方として、小学校等を対象とするときには、小学校で使える教材というものをこれまでも様々考えてきています。具体的には水ロケットという教材が有名ですが、今回はプログラミングということです。

【藤野委員】  プログラミングという観点では、おそらくプログラミング教育ということで、基本はきちんと文科省にやっていただくべきものだと思いますので、逆にそれを支援するような形で、いいツールがありますよというのはいいことかという気がします。ただ、人材育成という観点は、結局効果が図りにくいですよね。そういう意味では、このところにはやはり数字が入っておらず、例えば何人にそういうプログラミング教育をしたということや、それが全体の何割ぐらいになったということなど、の数字的なエビデンスをきちんと示していただいて、その結果としてSですよという具合に言っていただくとすごく分かりやすいと感じました。

【JAXA(中村)】  分かりました。ありがとうございます。今回、確かに初版を作成し、研修をしたというところまでですので、これから来年度に向けてはそういう数字もきちんと取るように努力したいと思います。

【髙倉参事官】  そのほかございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、続きまして参ります。ローマ数字3 .4.1、民間事業者との協業等の宇宙利用拡大及び産業振興に資する取組ということで、皆様の評価記入シートは53ページになります。それでは、お願いします。

【JAXA(中村)】  ローマ数字3 .4.1をご覧いただきますと、B-4という項が出てまいります。ここに中長期計画を書かせていただいておりますが、一言で言うと、新しい事業の創出を目指して、様々なことをしましょうということでございます。
 それにつきまして、B-7のページに、今回行ったことを書かせていただいており、それを踏まえて自己評価Sにしてございます。最初のところにありますように、例えば昨年、2018年の3月に「宇宙ベンチャー育成のための新たな支援パッケージ」という形で、政府自身がこの分野について方針を掲げてございます。JAXAとしては、これを受けて、様々なプログラムを取っております。特にこの中で、昨年度5月に「宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)」という新しい制度を立ち上げることができました。政府の方針を受けて、素早く対応し、昨年1年間、様々な活動をすることができました。さらに、その結果として、1年間で190件ほどの問い合わせがあり、その中で議論をした結果として、19件の共創活動が実施できたということでございます。さらに、この19件の中身を見てみると、これまで想定したものとは若干違うものもあり、広がりがあったということで、Sにしております。
 その1ポツのところに書いてございますように、まず想定していたこととして、新しいベンチャーとして、宇宙関連の事業をやろうという人たちがいますので、その人たちとともに共同でやろうということを考えています。それは(1)にあります。例えば、ロケット関係者について書いております。 それから、その次に宇宙における事業として、新たなものを取り上げようとしている人たちがやはり出てきています。これは例えば軌道上サービスという形で、燃料の供給であったり、あるいはデブリ対策であったり、そういうものがあるので、こことの協力ができたということでございます。それから、ISSの民間開放を軸として、宇宙だけではなくて、様々な民間の事業者が持っているアイデアを使ったようなものが出てきているということがその次の広がりです。更にもっと外側で出てきたことが(4)にありますように、これまでにはなかった新しい市場を形成するような取組が出てきているということでございます。そこで書いておりますものは、「Space Food X」というプログラムでございまして、大手の企業を中心に更に様々な企業が入り込む形で、一大グループを作っての取組になっているというものがございます。似たようなものとして、(5)にありますようなANAさんが中心となっている、アバターという遠隔存在技術という取組もあり、新たな事業として取り組むのに宇宙を使って、そこを核にしてやろうという動きがでてきていることも新しい広がりだったと思います。それだけではなくて、(6)は少し毛色が違いますが、民間が集まるような場を提供するというようなことが民間の会社を中心にできたということです。場の提供ということも一つの新たな展開につながったというふうに思っております。
 (7)には、AIなど新たな分野でのコンセプト共創に対する共同活動においても成果があったというふうに書かせていただいております。ここが全く新規で昨年立ち上げたものでございました。
 更に次のページ以降では、ベンチャー支援制度において、昨年は1年間で2件提供ができたということ、それから、3番においては、地方自治体との盛り上がりに対する支援もできたことです。ここでは茨城の例を書いておりますが、それ以外にも、様々なものが、最近、地方自治体でも盛り上がってきており、この点でも協力ができました。
 それから、4番に書いてあるものがリスクマネーを供給するような政府系の機関への支援ということでございます。一昨年度の報告書ではDBJの話を書かせていただきましたが、昨年1年間の成果としては、INCJとの連携が更に追加になったということを御紹介させていただいております。
 それから、5番では、経産省のプログラムに対して支援ができたということです。さらに、6番で書いてありますものが、オープンラボ制度で開発した機器が評価を受けているということです。加えて、7番では、民間の相乗り事業として、ロケットへの相乗り事業に関して民間企業の人たちのための窓口を設け、4つの機関が小型衛星の相乗りをすることを手伝うことができたというようなことを書いてございます。
 具体的に写真等で書いてありますのがその次のページからでございまして、この中で特に紹介をしておきたいことは、例えばB-10ページの4番で、先ほど「Space Food X」という御説明をしました。ここでは、藻を使った食品を提供していることで有名なユーグレナさんや、あるいは、インテグリカルチャー社さんというような新しい会社と、日清さんやハウス食品さんなどの大きな会社に加え、これまで南極、北極といった極地で取り組んできた会社というようなこれまであまり宇宙に関わってこなかった様々な人たちが、一同に、食というキーワードで集まって、新たな産業を分野として形成できるのではないかというテーマに取り組んでいるあたりは、我々が当初想像していた以上の広がりが出ているというふうに思っています。
 5番のところに書いてあるAVATARにおいても、大手通信キャリアのdocomoさんとKDDIさんとSoftbankさんの3社が共同で同じように並んで入っているプログラムというのはあまり多くないことですが、このプログラムには参加してきていただいており、彼らだけではなく、ゼネコン等様々な会社が入っているということも特徴的なところではないかと思っております。
 このように現在、宇宙の、産業状況については、様々な新たな企業が入ってこようとしており、それはベンチャーだけではなく、既存の異業種の方々も入ろうとしてきているという状況にあります。ここをどうやってJAXAが支援してきたかということがポイントだと思っており、昨年度は非常にいい成果が出せたのではないかというふうに思っているところでございます。
 この項は以上でございます。

【髙倉参事官】  それでは、ただいまの御説明に対しまして、御質問等ありますか。あれば挙手願います。

【JAXA(中村)】  あと、済みません。先ほど御質問あったところで御説明が漏れていたところがありました。B-12ページのところの(4)のところに、海外受注獲得支援という点を挙げさせていただいております。昨年度どんなことがあったのかということで、海外で行われたシンポジウムで民間企業等を紹介するということや、我々自身が展示を出して企業を集めるということをしています。そこで商談もするということもでき、結果として、2つ目のポツのところでは、商談がまとまった例も出てきてございます。そこに対しては、日本の企業を紹介するということでやっておりましたので、こういう例をこれからも続けていって、多くの企業の海外への進出を支援できればと思っております。

【髙倉参事官】  はい。ただいまの追加の御説明も含めまして、御質問等ございましたらよろしくお願いします。では、大矢さん。

【大矢委員】  これまでなかなかこういう大きな様々な企業や自治体等との取組は、広げようと思ってもなかなかできなかったのですが、今年できるようになった要因は何かということと、これが一過的なものではなく、継続的にしていくための条件というのは何だというふうに考えてらっしゃいますか。

【JAXA(中村)】  これまでも様々なプログラムをやっておりましたが、今回は政府の方針を受けた形で様々なプログラムを組めたということと、特に昨年度、開始した宇宙イノベーションパートナーシップという制度がうまくヒットできたということ、これが挙げられると思います。
 さらに、JAXAの各部門においても、個々の研究テーマについて、民間企業と一緒にやろうという機運がJAXA全体で盛り上がってきたということも、一つの大きな成果なのではないかと思っています。
 これがこれからも続くかということに関して言えば、今、宇宙産業については、日本だけではなく、海外と日本、どちらも非常に伸びようとしている分野ですので、民間の動きは今後も続くのではないかと思います。
 これに対して、JAXAとしてしっかりとサポートをしていくということはこれからも続けたいと思っています。ただ、政策としては、今の宇宙ベンチャーについてもまだ黒字になっているところが少なく、どんどん立ち上がっている段階だと思っておりますので、これが実際に事業化に乗っていけるかどうかということが試金石だと思っております。我々はそれを支援していくという活動は続けたいというふうに考えております。

【大矢委員】  ありがとうございます。

【髙倉参事官】  そのほかございますでしょうか。

【藤野委員】  、このイノベーションパートナーシップという事業について、従来的なイノベーションハブとどういう違いがあるのでしょうか。

【JAXA(中村)】  イノベーションハブの方は、一言で申し上げますと、我々の方がこういうようなことを宇宙で使いたいので、これを一緒にやってくれる企業はありませんかということで、ニーズはJAXA側がまず主体としてあるという状況にあります。一方、このイノベーションパートナーシップの方は、そうではなく、企業の方から、こんなことを我々はやりたいので、JAXAに協力してくれというようなものがほとんどになっております。むしろニーズは民間企業の方にあると考えてございます。この辺は大きな違いで、両方、両輪でもって今やっていると理解しています。

【藤野委員】  分かりました。ありがとうございます。

【髙倉参事官】  そのほかございますでしょうか。

【平野委員】  こういう宇宙のベンチャーや新規事業が立ち上がっていくときの市場をどう作っていくかという部分で、日本に限らないのですが、こういう宇宙開発というのは今まで公的な機関がやってきた部分です。したがって、今までJAXAがやってきたようなものをむしろ積極的に開放していくことや、そういう形で市場を作っていくということとセットでやらないといけないです。この辺は今、ものすごく盛り上がっているので、様々な事業が出てきますが、そちら側の政策等のお考えというのはどんなふうにお持ちですか。

【JAXA(中村)】  ここのページには出ておらず、ほかのページで御紹介することになると思いますが、例えばこれまではJAXAは自分たちで衛星を打ち上げて、そこで実証するというようなことをやっておりましたが、民間ベンチャー企業にJAXAが衛星を発注するというようなやり方も始まってございます。ここのページでは記載ございませんが、革新的衛星技術実証衛星ではそういうことをやっております。それから、航空でもやっぱりそういうようなことをやっておりますので、これは後でまた佐野理事から御紹介があるかと思います。

【平野委員】  つまり、組織全体としてそういう取組を今、促進をしており、各それぞれの部門の方々もどういうことが外出しできるかということを検討しているということでしょうか。

【JAXA(中村)】  はい。既に幾つか始まっております。

【平野委員】  始まっている。何か目標というのはあるのですか。

【JAXA(中村)】  どれだけ産業を生み出せるかということになっていますので、具体的に幾つというような数字目標までは出ていないですが、今日御紹介したものは、思った以上に多様性があり、我々自身、思わぬ効果が出ているということです。これから恐らく政府自身が更にその産業振興の様々な状況を見て、新たな施策を打っていくと思いますので、そういうものも踏まえながら、我々自身でプログラムをどんどん変えていくということが必要になるのだろうと思っています。

【平野委員】  初年度なので、注目も浴びて、すごく活性化したということだろうと思うので、そういうビギナーズラックみたいなものもあると思いますが、先ほどもありましたように、これを継続していくためにはやはりマーケットを積極的に作っていくということをしないと、ビジネスサイドの方は、もう利益が出ない、成長できないということになると、だんだんやめていきますので、そちら側の体制が非常に重要だと思います。

【JAXA(中村)】  はい。我々もそうだろうと思っていますので、その辺を整理していくことがこれからの評価につながっていくのだろうと思っています。

【髙倉参事官】  そのほかございますでしょうか。

【笹岡委員】  プロデューサーがつくということを書かれていましたが、プロデューサーというのはJAXAの職員さんでよろしいですか。

【JAXA(中村)】  はい。D-9ページにありますように、このイノベーションパートナーシップ(J-SPARC)では、プロデューサーを充ててやっております。ここの写真の中でも大きな写真は全部職員ですね。職員と、それから、外の人と両方いるという状況です。

【笹岡委員】  プロデューサーの役割というのは、個々の案件によって違うという理解でよろしいですか。

【JAXA(中村)】  はい。案件ごとによって状況が違っていますので、それぞれだというふうに聞いています。

【笹岡委員】  分かりました。

【髙倉参事官】  そのほかございますでしょうか。よろしゅうございますか。
 それでは、次に入りたいと思います。続きまして、ローマ数字3 .4.2、新たな価値を実現する宇宙産業基盤・科学技術基盤の維持・強化(スペース・デブリ対策、宇宙太陽光発電含む)ということで、皆様の記入シート上は56ページになります。
 それでは、よろしくお願いします。

【JAXA(佐野)】  それでは、私の方から御説明させていただきます。簡単な自己紹介でございます。昨年からJAXAの理事、それから、航空部門長として務めております佐野と申します。それから、この4月から研究開発部門、宇宙部門の研究開発部門の部門長を兼任してございます。この4月から宇宙のところも学びながら進めておりますので、後ほどQ&Aのときに私でお答えできないときには、私を支えてくれているスタッフからも御回答したいと思います。
 それでは、早速、持ち時間も少ないので、始めさせていただきます。B-27ページに移っていただいて、その1枚紙で御説明をさせていただきたいと思います。ローマ数字3 .4.2、新たな価値を実現する宇宙産業基盤・科学技術基盤の維持・強化(スペース・デブリ対策、宇宙太陽光発電含む)ということで、またここから技術テーマの内容の御報告になります。
 自己評価はSとしてございます。設定理由・根拠でございますが、我が国の宇宙活動の自立的・持続的発展と関連産業の国際競争力強化に貢献するため、二本柱で取り組んでおり、その(1)、1つ目の柱が、宇宙開発における新たな価値を創出する先導的な研究開発を進め、B-27ページの1、2、3に示す特に顕著な成果を上げました。これらの成果創出に当たっては、2つ目の柱であります(2)、宇宙産業及びプロジェクトを支える科学技術基盤の強化に取り組んだ成果を活用し、特に1の分野では、プロジェクトを支えることで、2の分野では、宇宙産業界と対話を進めることで、我が国全体としての成果の最大化に貢献しました。
 ここで少し比喩的な御説明をいたします。この後の説明の中には、例えばH3ロケットや「はやぶさ2」、または、先ほど若田理事から御説明があったサンプルリターンカプセルという文言が出てまいりますが、それらはいわゆるプロジェクトとしての縦糸のような役割になります。一方、私たちは、基盤としての横糸としての役割でございます。その意味で、我々がこれから申し上げる研究開発の成果というものは、それらのプロジェクトだけではなく、そのほかにも応用できるものであるか、と、そういう観点でチェックいただけるとありがたいと思います。
 それでは、また本文に戻ります。B-27ページの1ポツ、安全保障の確保及び安全・安心な社会の実現に貢献する研究開発についてです。1つ目のポツですが、世界トップレベルまで忠実度を高めた回転機械内部流体シミュレーション技術を構築し、我が国の安全保障の確保に欠かすことができない宇宙輸送分野において、基幹ロケット(H3ロケット)開発の核心であるエンジン性能を確保するオープンインペラ形状を導き、開発コストの低減・開発期間の短縮に貢献しましました。
 2つ目のポツですが、日本最先端の揚力誘導技術、日本独自の保冷技術、世界最高性能の計測技術を開発し、ペイロードを安全・確実に帰還させる小型回収カプセルのキー技術として、海外に頼ってきた実験サンプル回収を我が国独自の手段で実現し、自在性確保の観点でISS「きぼう」の価値を高めるミッションの成功に貢献しました。
 これらの技術は、その汎用性の高さから、安全保障関連のみならず、回転機器の開発、すなわち次世代ロケットについて、大気圏で高精度な誘導則が要求されるミッションへの適用ができます。申し上げたいことは、プロジェクトへの貢献だけではなく、ほかにも応用ができるということでございます。
 我が国の航空宇宙産業界の競争力を強化させ、「宇宙利用拡大と産業振興」への貢献も期待でき、JAXAの技術力が外部から評価された実例といたしまして、防衛装備庁の大型の外部資金である「安全保障技術研究推進制度」において、スクラムジェット技術の極超音速飛行への応用などの研究を含む4件の研究が採択されてございます。
 2ポツの宇宙利用拡大と産業振興に貢献する研究開発について、1つ目のポツですが、先ほどの御質問にあったところの一つの例でございます。「革新的衛星技術実証1号機」にて、従来単独での実証機会が少なかった要素技術を含む13テーマの軌道上実証を約2年という短期間かつ低コストで実現しまして、産業界の要望に応え宇宙実証範囲を拡げ、宇宙産業の競争力強化と裾野拡大に貢献しました。また、衛星開発機会を提供し、JAXAはスタートアップ企業に的確な技術支援を行うという新たな仕組みで、開発・打上げを成功させ、新規宇宙産業参入を狙う事業者の衛星開発・運用能力を格段に向上させました。
 上記の成果を踏まえて、2つ目のポツですが、スペース・デブリ除去ミッションを対象に、新規事業分野を開拓し、事業者が独自の事業を進めるための競争力を獲得することに向け、大規模な技術実証ミッション実施にやる気のある事業者の自立を強力に後押しするサービス調達制度を具体化しました。
 3つ目のポツですが、これらの制度に基づく成果とJAXAの一歩先を行く研究開発成果により、宇宙産業界で事業化意欲を持つ企業が自己投資を行い、JAXAと共同研究を行うという、意識改革が進み、高速電波通信や光通信及びスペース・デブリ除去の研究において、既に4社と共同研究を開始しています。これらの試みにより、宇宙利用拡大と産業振興を支えるための技術基盤を強化する環境が整備されるとともに、今後の「安全保障の確保」への貢献が期待できるところです。
 3ポツ目の宇宙科学・探査分野における世界最高水準の成果創出及び国際的プレゼンスの維持・向上に貢献する研究開発でございます。
 1つ目のポツ、重力データ評価・誤差要因解析・航法誘導制御系の設計改良に加え、目標点の形状・高さを詳細に取り込んだ自動運用シーケンスを開発し、ミッション途中で小惑星表面の凸凹が激しいことが判明した、「はやぶさ2」の世界に類のない高精度な小惑星ピンポイントタッチダウンの成功に貢献しました。
 2つ目のポツですが、オープンイノベーションの取組として、多くの非宇宙分野の企業、約9割の参加を得ながら、交付金・JST支援資金を上回る事業者の自己投資を引き出すなど、宇宙分野の研究システムの改革を定着させ、共同研究の成果として、宇宙探査と地上事業の双方に有用な世界最高水準の先端技術を実現しました。
 3つ目のポツですが、この「はやぶさ2」の技術成果は、ランデブ技術として世界最高レベルであり、将来の宇宙探査のみならず、軌道上サービスやスペース・デブリ除去などのランデブ技術にも応用でき、ランデブ技術を競争力の源泉とする事業で我が国の確固たる競争力を確保でき、「安全保障の確保」や「宇宙利用拡大と産業振興」への貢献も期待でき、また、オープンイノベーションの取組は、複数の企業の事業化につながっており、「宇宙利用拡大と産業振興」に対しても貢献する成果といえます。
 なお、年度成果で設定した業務は、計画どおり実施いたしました。
 以上で御報告を終わります。

【髙倉参事官】  それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問等あればよろしくお願いいたします。

【竝木委員】  かなり広い分野にまたがって研究開発されているので、どこが特に優れているのかということや、特に今回、2018年度でどこが進んだのかということが少し分かりにくい気がしますが、例えばここに出ているキーワードで言うと、高速電波通信やスペース・デブリ除去、ランデブ技術等上がっています。こういったものがある意味、重点項目だというふうに理解してよろしいでしょうか。

【JAXA(佐野)】  答えはイエスでして、ここに掲げた項目は2018年度に出た成果でございます。

【髙倉参事官】  どうぞ。

【知野委員】  今の3番のところの自己投資を引き出すというところについて、後ろの説明を見ると、交付金とJSTの事業を上回る6.7億円ということですが、この感じだと大体7,000万ぐらいですか。そうであれば、これはかなりJAXAにとって大きいのですか。

【JAXA(五味)】  私、五味から御説明をさせていただきたいと思います。
 JSTさんからの資金は大体毎年4億円程度となっておりますが、2016年度から、企業さんの自己投資がかなり膨らみつつあり、昨年度は6.7億円まで膨らんだということで、JSTさんの1.5倍ぐらいのお金を投資いただいているということでございます。6.7億円のうち、最大の額で2億円ぐらいを投資されている企業さんもございます。JSTさんの部分については、共同研究に参加する企業さんが120機関ぐらいございますので、それほど大きな金額はJSTさんの資金で使うわけにはいかないということで、元手のところは小さいのですが、企業さんには、事業化のめどがあるだろうという御判断で、自己投資を加速していただいているというのが実態でございます。

【知野委員】  交付金2.1億円及びJSTの4.0億円でトータル6.1億ではなくて、4.0億がトータルの額ですか。

【JAXA(五味)】  この交付金の2.1億というのは、JAXA側の研究費ということになります。JSTさん分の4億という額が企業さんに行く分ということになります。ですので、企業さん分の合計は、4億円プラス6.7億円という額がトータルで企業さん分ということになります。

【知野委員】  分かりました。それと、最初のB-27のところで、世界トップレベルまで忠実度を高めた技術とありますが、この「忠実度」という言葉は日常的には余り使わないように感じます。
【JAXA(佐野)】  「とても正確な」「ハイアキュレシー」という意味で、対象を正確に忠実にモデリングができているという意味で、忠実度という表現をしてございます。

【知野委員】  分かりました。

【JAXA(佐野)】  シミュレーションの世界では割とよく使っております。

【知野委員】  ああ、そうですか。

【髙倉参事官】  白坂さん。

【白坂委員】  ありがとうございます。先ほどの御説明いただいたB-27ページの2番のポツ2のところで、「サービス調達制度を具体化した」という記載がありますが、これがどのようなものかということを教えてください。また、これは「スペース・デブリ除去ミッションを対象に」と書いてありますが、それ専用のものなのか、この仕組み自体がほかのものにも使えるようなものを作られたのかという、この2点を教えてください。

【JAXA(佐野)】  担当していた渡辺から回答してもらいます。

【JAXA】  まずサービス調達につきましては、いわゆるNASAでCOTSという方式を参考にしております。ただ、NASAとの違いは、NASAは投資機能が付いているので、調達も投資そのものになりますが、JAXAの場合にはそういった機能はございませんので、それを踏まえて、研究開発という形でやるということでございます。そのサービスの調達のイメージは、我々が将来、デブリ除去を牽引していくに当たって必要な技術かつ開発しなければいけない技術に対して、必要となるデータを調達するというようなものでございます。

【白坂委員】  このスペース・デブリ除去ミッションに特有のものなのか、そうではないのか、という点でいうと、どちらでしょうか。

【JAXA】  特有なものです。

【白坂委員】  特有なもの。分かりました。

【JAXA】  はい。今回はこれをJAXAの規定に盛り込むのではなく、あくまで試行ということで試してございまして、これがうまくいくようでしたら、だんだんと幅を広げていくという形で考えております。

【白坂委員】  なるほど。今回はスペース・デブリ除去ミッションというものを開発するときに必要なデータとを調達しますということで発注して、そのお金を受けた民間企業が独自にそのデータを生み出すための仕組みの中で技術開発をして、実際やってみるということですね。

【JAXA】  そのとおりです。

【白坂委員】  はい。ありがとうございます。

【髙倉参事官】  どうぞ。

【小紫委員】  この項目のタイトルに、スペース・デブリ対策、宇宙太陽光発電含むと書いてありますが、宇宙太陽光発電に関する記述がないように思います。どこかにありますか。

【JAXA(佐野)】  太陽光発電単独としての成果としては、Bとしてございますので、Sとしての貢献、最後の1行の「年度計画で設定した業務は、計画通り実施した」ということで、予定どおりしておりますが、特出しするようなところのSとしての記述がないというふうにお考えください。プロジェクトとしてはきちんとやっております。

【小紫委員】  分かりました。

【髙倉参事官】  そのほかございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、次に進みたいと思います。次は、ローマ数字3 .3.8、宇宙科学・探査でございます。皆様の評価シートの記載ページは33ページになります。
 それでは、よろしくお願いいたします。

【JAXA(國中)】  御説明させていただきます。ページはA-8、ローマ数字3 .3.8、宇宙科学・探査の部分を御説明させていただきたいと思います。
 宇宙科学研究所所長、理事を務めております國中といいます。どうぞよろしくお願いいたします。
 2018年度自己評価は、Sと申請させていただきたいと思います。
 まず評価理由・根拠を順番に御説明します。
 1番、2014年に打ち上げた小惑星探査機「はやぶさ2」が、4エンジンを使った動力工法により、3年半を要し、2018年6月に小惑星リュウグウとのランデブに成功いたしました。9月~10月に掛けては、日本が作った2という2機のロボットの放出、加えて10月には、ドイツ、フランスから提供いただいたMASCOTというランダの分離、放出に成功し、小惑星に取り付いて直接的な画像の取得に世界で初めて成功しております。さらに、2月になって、ピンポイントランディングに成功し、数メートル規模の精度で着陸するということが初めてできました。特に初代の「はやぶさ」ではできなかった、完全にコントロール下に置いたピンポイントランディングができたということで、これは世界で初めての成果であると考えております。また、このときにサンプリングも行ったものと考えております。引き続きこのようなサンプルリターンミッションにおいては、同時並行でNASAがオサイレス・レックスという小惑星サンプルリターンミッションを実施していますが、そこに先行する形で、こういった挑戦的なミッションに成功しております。また、このようなリアルタイムのオペレーションにつきましては、積極的にメディアに向けたアウトリーチを掛けておりまして、メディアや国民から大変大きな関心を得たと考えております。宇宙開発の意義価値への利益増進につながったと判断しております。
 2番につきましては、この小惑星探査機「はやぶさ2」の活動成果を基に、『Science』級の論文が3編ほど出版されております。また、吉川准教授が『Nature』誌が選ぶ今年の10人の一人として選ばれております。また、イオンエンジンに関する外部評価として、東レ科学技術賞を頂いております。このように第三者から高い評価が得られておると考えております。
 また、次は3番につきまして、磁気圏探査衛星「あらせ」、及び、金星探査機「あかつき」の成果に基づきまして、多くの査読付き論文が出版されております。前年度比で1.3倍の量の論文が掲載されておるということ、加えて、これを宇宙科学研究所の事務方も含めた職員数で割りますと、1人当たり1.4編という数字が出てきておりまして、非常に高率で論文が出版されておるものと考えております。
 4番につきまして、宇宙政策委員会、宇宙産業・科学技術基盤部会、宇宙科学・探査小委員会において「プログラム化と技術のフロントローディング」という施策を実行するべく、政府の御指導をいただいておりまして、こういった意味付けで予算措置をいただくというような政策的な活動にも貢献できたと考えております。
 ページをめくりまして、次のページに参りますが、A-90ページ、5番になります。水星探査機「みお」を搭載したBepiColombo探査機の打上げを10月に実施いたしました。これはESA(ヨーロッパ宇宙機関)と共同で実践するプロジェクトであり、日本も積極的に国際共同ミッションに貢献することができたと考えております。
 6番になりますが、同種の意味合いで、火星衛星探査計画(MMX)につきましては、フランスのCNES、ドイツ航空宇宙センター(DLR)から、「はやぶさ2」と同様に、小型ローバの提供を受けるという共同開発に合意をいたしました。また、木星氷衛星探査計画(JUICE)につきましても、スウェーデン国立宇宙機関との協力取り決めを締結いたしております。また、米国とは、New Frontiers Programにおきまして、彗星サンプルリターン計画(CAESAR)の共同検討を行ってまいりました。これにつきましては、先週金曜日にダウンセレクションがNASAから報告されまして、残念なことに、このCAESAR計画は採択から漏れるということが報告されております。しかし、このNew Frontiers計画では、具体的にはドラゴンフライという、土星の衛星「タイタン」の大気中を原子力電池を用いたドローンを飛ばして観察するというプログラムが採択されました。このプログラムにおいても、宇宙科学研究所から地震計を提供するようなコラボレーションを既に結んでおりまして、規模はCAESARよりは小さいものの、こういった世界協力関係を狡猾かつ戦略的に結びながら活動を行っている、その一つの成果が出たものと考えております。
 7番、これは人材育成関係のものですが、2018年度に「テニュアトラック型特任助教制度」を開始して、2名を採用し、プロジェクトと協力的に活動させることによって、速やかに成果を出させるようなプログラムを開始いたしました。また、宇宙科学・探査分野を支える研究人材の育成・採用・活用に関する方針・計画を戦略的・計画的に議論する場として「宇宙研人材委員会」という委員会を制定いたしまして、統制のとれた人材育成をこれから実施していく活動を進めているものです。また、若手学生の育成プログラムとして、宇宙研で受け入れた学生を「はやぶさ2」の運用管制業務に参加させるなど、生きた現場を経験させるというプログラムを動かしております。
 8番につきまして、その他の計画は、年度計画に設定したごとく、粛々と進めております。具体的には、XRISMというX線天文衛星の開発、SLIMという月着陸船の開発等であります。
 記載はされておりませんが、2018年度は、宇宙科学研究所にとって、JAXA統合後15年の経緯の中で最も低い予算であったということを申し述べさせていただきたいと思います。JAXAのビジネスモデル上、今お話しさせていただいた「はやぶさ2」や「みお」、「あかつき」や「あらせ」というプロジェクトは、それ以前の年度で頂いた予算で開発したものが、何年かしてようやく成果を出し始めるというビジネスモデルになってございます。したがいまして、引き続きこのような低予算では、サステイナブルにSを取ることは非常に難しいというふうに危惧しております。このあたりも少し御勘案いただきたいと思っておるところを強く主張させていただきたい事案であります。
 少しミスプリントを見つけましたので、修正がてら、一つだけ御説明したいと思います。A-96ページ目、国際協力の部分です。2番目の丸のところ、火星衛星サンプルリターン計画におきまして、火星の月からサンプルを地球に持って帰ってくるときに火星の生物を地球に持って帰ってきてしまうのではないかという危惧があるわけですが、この丸の4行目にあるように「火星衛星で取得するサンプルの微生物汚染確率」というものを計算いたしました。こちらの記載が「COSPARの基準(10-6)」となっておりますが、これは正しくは10-6(10のマイナス6乗)という数字で、100万分の1よりも少ないということを計算で示すことができ、その結果、COSPAR(国際宇宙空間研究委員会)から無制限のサンプルリターンが可能であるというお墨付きを頂いており、それによって、MMX計画が大きく前進いたしましたということを報告させていただきたいと思います。
 説明は以上になります。

【髙倉参事官】  それでは、ただいまの御説明に対しまして、御質問のある方は挙手を願います。いかがでしょうか。よろしゅうございますか。
 坂下さん。

【坂下委員】  1個だけいいですか。A-95ページに、「新たな取り組み」というのが書いてあります。そこから2行目ぐらいに、「遅延を招く要因となっていた」という日本語が書いてあって、今回、この取組をやるとあります。これをやると、その遅延がなくなるということでしょうが、定量的に見た場合、どれぐらい速くなるという具体的なものはありますか。

【JAXA(國中)】  この件につきましては、フロントローディングという施策で予算化を御指導いただいておるものです。この施策は、本年度、2019年度から開始しておるものでありまして、まだPDCAが十分回っておりませんので、定量的には申し述べることはできませんが、これまでの衛星プログラムにつきましては、ワーキンググループなどで基礎研究から、衛星計画を立てた上で、衛星プロジェクトとして認められて、初めて予算が付いて、技術のTRL、洗練度を上げるという活動に入るわけです。その間、プログラムが認定されてから、予算化されるまでの予算的な活動根拠が全くございませんでしたので、なかなか技術の洗練度が高まらず、結果として予算が付いてから開発を始めるので、思いどおりに開発が進まずに納期が延び、予算が予定よりも増えてしまうということが発生していたというふうに分析しております。そのため、フロントローディングにて、前広に予算を付けていただいて、リスクを低くした上で、フライトモデルの開発に着手するというような環境を頂ければ、こういったことが実現できるものと考えておるものです。

【坂下委員】  予算が付く前、これから予算を付けてやっていくという御説明なので、ある程度の目標値がないのに予算要求できるものですかね。

【JAXA(國中)】  ええ。もちろんこれはフロントローディングの費用も総合予算の内数として考えております。

【坂下委員】  なるほど。分かりました。

【髙倉参事官】  はい。知野委員。

【知野委員】  90ページの「テニュアトラック型特任助教制度」ですが、これはプロジェクトで助教として採用されると、その後、上へ行くことができたり、定年まで安定していられたりするということなのですか。

【JAXA(國中)】  まずテニュアトラック助教ですので、これは有期雇用になります。最大5年程度を想定しております。2年目以降に、本人から審査を申し出ることによって、評価を行いまして、いわゆるパーマネント型の准教授の採否を決めるという考えでおります。速やかに成果を上げさせるために、テニュアトラック助教に採用した以降に目標を設定いたします。その目標を達成した暁に、2年後以降に本人の申請でもって審査に入るということになります。

【知野委員】  今までプロジェクトで特任に採用されて、その後、続かないという問題が出ていましたが、そういうものとは違うということですね。

【JAXA(國中)】  ええ。これまでは招聘職員や、プロジェクト研究員という採用の方法がありました。いずれも最大5年の任期になりますが、そこから速やかに、かつ連続的にパーマネントに採用されるという仕組みではありませんので、また別の人事採用枠におのおのが提案して、JAXAに採用されていく、若しくは外部に転出するということでありました。今回のテニュアトラックは、パーマネントへの道筋を定義した上、有期ではあるものの採用するという、そういったプログラムになっております。

【知野委員】  では、2年後以降にその機会が与えられると、そういうことですね。

【JAXA(國中)】  そうです。

【知野委員】  分かりました。

【JAXA(國中)】  2年目以降に、2回チャンスがあるという定義になってございます。

【知野委員】  分かりました。

【髙倉参事官】  そのほか。はい、どうぞ。

【平野委員】  先ほど最後に予算の話がありましたが、まずその予算が削減されていくということは、JAXA全体の予算が削減されていくという中において、その相応の分に値するものが削減されているということなのかどうかということが一つと、加えて、それに対する対策としておやりになっていらっしゃることというのはなにになりますか。プロジェクトそのものの総数を見直すことや業務の進め方をより効率化していくなど、今どういうふうにコスト対策をされていて、また、今後の見通しについて、一定のペースで削減されているのではないかと想定しますが、具体的な困難として、どういうことが想定されるというふうにお考えになっているのでしょうか。

【JAXA(國中)】  まず第1番目の御質問で、JAXA全体としては比較的フラットな予算を頂いておるものです。特に宇宙科学研究所、宇宙科学探査の領域の予算が減っている第一の要件といたしましては、2016年に事故で喪失いたしましたASTRO-Hの事柄が大きなきっかけとなっているという認識でおります。そのときの反省をした結果として、新しい施策として、業務改革という方法を定義いたしまして、JAXA全体にこれを試行しており、その実装する期間が数年掛かるわけです。その議論のために数年を要し、それを実装するのに更に数年を要したということになります。その結果として、宇宙科学研究所が担当する、いわゆるプロジェクト、衛星計画が遅滞したというのが非常に大きな原因であると、事象としてはそういう分析になります。したがいまして、ようやく実装が終わり、現在その施策でもって、XRISM、SLIMの開発を行っているわけです。更には新しい衛星計画を選定し、もちろん魅力的な価値のある、将来の衛星計画を選定し、これの予算を求めていくという活動を行っております。現在はそのXRISM、SLIM以降は、MMX(火星衛星サンプルリターン計画)及びDESTINY+(小惑星フライバイ計画)、さらに、本年度については、小型JASMINE(位置天文科学)、それから、LiteBIRD(インフレーションセオリーの検証衛星)など、こういったものをどんどん選定し、政府に予算を求めていくという活動を今現在行っているものです。

【平野委員】  分かりました。

【髙倉参事官】  そのほかございませんでしょうか。よろしゅうございますか。
 それでは、これで、ローマ数字3 .3.8まで一旦終了しました。おかげさまで効率的に進められており、予定より5分早く進んでおりますので、一旦こちらで少し休憩を入れたいと思います。こちらの時計で3時30分までということで、その間、少しリラックスしていただければと思います。
 なお、先ほど言っておりましたが、項目ごとの評価という意味で、今、ローマ数字3 .4.1、4.2が終わりまして、このローマ数字3 .4についての項目は既に、ヒアリングが全て終了していますので、もしこの件につきまして評価をお書きいただけるのであれば、よろしければ、この休み時間を利用してお書きいただければと思います。
 それでは、少し休憩に入らせていただきます。

( 休憩 )

【髙倉参事官】  それでは、お時間でございますので、続けてまいりたいと思います。
 続きまして、ローマ数字3 .3.4、宇宙輸送システムでございます。それでは、よろしくお願いします。

【JAXA(布野)】  JAXAで輸送系を担当しております布野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 資料は、A-50ページをお開きください。宇宙輸送システムの自己評価を記述してあるページでございます。
 2018年度の実績につきましては、イプシロン4号機におきまして、初めて複数衛星同時打上げを世界トップレベルの打上げ環境にて成功させることにより、多数機の相乗りミッションへの適用性を実証するとともに、政府の安全保障衛星を含むH-ⅡA/Bの打上げを確実に実施することにより、世界水準の成功率97.9%とオンタイム率90%を維持するなど、継続的な改良・改善の取組により、「研究開発成果の最大化」に向けて顕著な成果を上げたと評価しておりますとともに、2020年度、初号機の打上げに向けて、H3ロケットの開発を着実に実施する等、年度計画に設定された業務を計画どおり実施したということで自己評価といたしましては、A評価とさせていただいております。
 具体的な評定の御説明をさせていただきます。
 まずイプシロンロケット4号機におきましては、複数衛星搭載構造、キューブサット放出機構を開発し、イプシロンロケットとして初めて複数衛星7機の太陽同期軌道への投入に成功してございます。イプシロンロケットは、これまでに3機打ち上げており、世界トップレベルの音響・振動、衝撃という打上げ環境を実証するとともに、小型推進系による高精度軌道投入技術を実証してきているところでございますが、4号機では、これらの成果を最大限に活用いたしまして、固体ロケットにおいても多数機の相乗りミッションへの精度よい対応が可能であるということを実証いたしました。
 これにより、衛星相乗り打上げに対して、コストの低減、打上げ機会の有効利用等の実証に貢献するとともに、世界的に需要が拡大する太陽同期機能における小型衛星等への国際競争力の強化等で有効な手段が得られたというふうに評価してございます。
 ちなみに、今回、7機打ち上げられた衛星搭載ユーザからは、環境条件等に関して、これまで経験した海外ロケットと比べて、非常に環境条件がよかったという高い評価を頂いているところでございます。
 4号機の打上げに関しましては、確実な打上げを実施するために、新たな取組として2つの取組を実施してございます。1つは飛行安全に関する取組でございます。イプシロンの4号機の軌道は、宇宙ステーション軌道と近いということで、従来、採用しております物体間の相対距離に基づく干渉解析では、打上げのウィンドが取れないという事情がございましたが、4号機の打上げに際しまして、衝突確率に基づく解析を新たに導入することにより、限られた打上げウィンドの中で打ち上げられるという手法を開発してございます。
 また、小型衛星等はJAXAの地上観測設備のない北米上空で分離するということが計画されており、衛星分離後、ロケットはデブリ発生防止のために軌道変更、残液の廃棄等で姿勢を失うということで、軌道周回後、種子島でのテレメータの受信が確実にできるかどうか分からないという状況でしたが、簡易なホーンアンテナを用いた簡易な設備をカナダに持ち込み、事前に分離等の確認ができるという新たな手法を開発して適用したところでございます。
 それから、4号機に特記すべきこととしては、H-ⅡA/Bと同様の将来の打上げサービス化を目指して、製造プライム方式に変更したということで、射場におけるJAXA要員の削減、一貫した品質向上を図ったということ、及び、昨年11月15日に施行されました活動法下で初めての打上げを行ったという点でございます。
 それから、次、A-51ページを開いていただきまして、継続的な打上げに関しましては、種子島でH3の開発が進行している中、打上げを実施したということで、確実な遅延等を回避して、オンタイム打上げ、確実な成功率を維持したということでございます。こういう継続的な取組が評価され、世界の有数のオペレーターであるインマルサットから、既に来年の打上げを受注してきているところでございますが、昨年度は、H3の受注にも商談が決まったということで、そういう成果が高く評価されたところでございます。
 図を使って簡単に成果の概要を御説明します。A-52ページが複数衛星搭載構造の概要でございます。それから、A-53ページが7機の衛星を分離するシークエンスでございまして、上の図を見ていただきますと、最初の衛星を分離した後に、姿勢を変更して、逆噴射して、高度を下げて、また分離するということで、確実な分離をする手法を開発して適用してございます。
 それから、右の図に分離の状況が書いてございます。主衛星であるRAPIS-1は南米のサンティアゴ局での受信ができますが、その後の6機の分離は北米上空で分離しているということで、ここで地上局がないということの状況になってございます。
 それから、A-55ページ等に世界トップレベルの環境条件として、音響、それから、振動、それから、A-56ページに衝撃、それから軌道投入の精度がトップレベルであるという説明でございます。
 A-57ページが飛行安全での新たな取組として、左側が距離を評価する方式から、確率に基づいてやるということで、距離で評価すると安全ですが、安全側にすぎるということで、なかなか打上げ機会が得られないものの、確率評価することによって打上げ機会を確実にするということを実施しております。
 それから、A-58ページが左の下に小さな機材がありますが、ホーンアンテナで、こういう小型のアンテナで分離情報を得たということで、大型のパラボラアンテナを使わずに分離信号が得られたという成果でございます。
 それから、A-60ページに、ベンチマークとして、打上げ成功率、それから、オンタイム率のベンチマークが記述してございます。
 説明は以上でございます。

【髙倉参事官】  それでは、ただいまの説明に対しまして、御質問等ある方は挙手を願います。はい。

【小紫委員】  イプシロンロケットに関して、民間企業に打上げサービスを移管したいということだと思いますが、例えばイプシロンロケットの国際競争力など、客観的に評価したものはありますか。

【JAXA(布野)】  イプシロンロケットはもともと国際競争力を持たせるという大きな流れの中で2段階開発をするということの中の今年度までは1段階目ということで、国際競争力は、工程表にも記載されていますが、H3のシナジー開発という中で持たせるという取組がこれから始まるということです。機能的には、先ほど御説明したように、十分な能力が育ってきていますが、コスト的には国際競争力ではまだ努力する面があるということで、次のフェーズのシナジー開発の中でそれに取り組むという計画になってございます。

【小紫委員】  その国際競争力がどれぐらい離れているということや、この先、どれぐらい大胆なことをしなければいけないのか、ということなど、そういう競争はまだまだというところですか。

【JAXA(布野)】  現状、ある前提の条件で、イプシロンは38億円ぐらいの価格になります少なくとも次のフェーズでは30億円以下程度に持っていけば、ある程度の国際競争力が持てるということで、今、検討しているところでございます。

【小紫委員】  そこはもう行けそうだという感触ですか、現実的には。

【JAXA(布野)】  ええ。それは当然ベンチマークをしながら、今後設計を進めていく中で、そこを目指して取り組んでいくという計画でございます。

【小紫委員】  分かりました。

【髙倉参事官】  知野さん。

【知野委員】  50ページのところで、JAXAのインテグレータ方式から製造プライム方式に変更したとありますが、人数は書いてあるものの、これによって費用は削減されたのでしょうか。

【JAXA(布野)】  プライム企業はIAさんになりますが、費用は、逆に言いますと、今まであるコンポーネントはJAXAが責任を持ってやっていたものを支給するということで、一時的にはそこを1社に取りまとめていただくという意味で、余計コストが掛かることになります。しかしながら、一つはJAXAの要員の工数が減ったということと、また、一時的にそういうJAXAがやっていたものをお任せすることで、若干コストは上がりますが、今後一貫してやる中で、コスト低減は図っていくということが目指すところです。若干のコスト増加はありますが、そこでとどまるわけではなく、効率化を図っていくという取組のまず第1段階目ということでございます。

【知野委員】  その若干とおっしゃられるのはどのぐらいでしょうか。

【JAXA(布野)】  数億円、1億、2億です。

【知野委員】  1、2億ですか。であれば、先ほどおっしゃられた38億という額は、これは民間がインテグレートすることによって、その価格になっていくだろうという話なのですか。

【JAXA(布野)】  最終的に打上げサービスという形になれば、そういうレベルになるというふうに思っています。

【知野委員】  分かりました。

【髙倉参事官】  そのほかいかがでしょうか。白坂さん。

【白坂委員】  御説明ありがとうございます。コストはこれからシナジー効果で下がっていくという話はお聞きし、Qの方は、品質の方は様々な取組をして進んでいることは分かりました。残りのD(デリバリー)のところ、要は、ユーザが打ち上げるためにどれくらいの時間が掛かって打ち上げられるかというような観点で考えると、打上げ時間の話となります。これはまた様々なものが絡んでくると思いますが、今回、Dに関する活動については特に書かれておりませんでした。もともと中長期の評価シートのところも、QとCとDを考慮した取組を含むというような記載がある上で、Qはよく分かり、Cはこれからということは分かりましたが、Dは何かありますか。

【JAXA(布野)】  国際競争力の中にサービスも含んでおり、打上げの間隔を縮めるなどということは併せて取り組む予定ですが、今回取り組んでいる中では、プライム化に伴う際に、そのプライム企業に衛星企業との調整も任せるという取組をしておりまして、その取組が非常にきめ細かい取組をしてもらったということで、Dに向けての取組も徐々に始まっているというところでございます。

【白坂委員】  今やっと始まったところ、プライムにして民間側の主体的取組が始まったところということですか。

【JAXA(布野)】  そういうことです。

【白坂委員】  分かりました。ありがとうございます。

【髙倉参事官】  そのほかいかがでございましょうか。よろしゅうございますか。
 それでは、次に参りたいと存じます。続きまして、次は衛星関係が幾つか続きますので、こちらの方を、衛星関連ということで一括して御説明、それから、質疑もお願いしたいと思っております。ローマ数字3 .3.1、3.2、3.3、それから、少し離れますが、人工衛星の開発・運用を支える基盤技術ということで、3.11になります。
 全体として、30分強を予定しておりますが、それでは、まず説明の方を先によろしくお願いいたします。

【JAXA(舘)】  それでは、お手元の資料に基づいて説明をさせていただきたいと思います。JAXAの衛星を担当しております舘でございます。よろしくお願いいたします。
 それでは、最初にお手元の資料のローマ数字3 .3.1、衛星測位でございます。こちらにつきましては、私どもとしては、自己評価はBとさせていただいております。
 詳しいことにつきましては、まずA-7ページを開いていただきまして、そこでやはり昨年度の一番のトピックといいますと、2018年11月1日に、内閣府様が実用準天頂衛星システムのサービスを開始したということだと思っています。ここで4体制のサービスが始まったということでございます。
 我々はそれに関して、例えば技術監理業務ということで協力をいたしておりました。また、将来の7号機体制に向けましては、高精度の測位の研究開発というのを内閣府様から受託し、そして、その結果に基づいて、高精度測位システムの開発に結び付いたという、そういう流れでございます。
 それでは、次のページのA-8ページで多少詳しく説明したいと思います。
 まず高精度の軌道推定技術の研究開発でございますが、こちらについては、私どもJAXAのところで、精密軌道・クロック推定システム、通称MADOCAというものを開発いたしました。今、こちらのシステム自身は、研究開発のために作った点がございまして、機能のアップをしているというところでございます。また、この技術につきましては、国土地理院様が持っている電子基準点に組み込むということをしていただきまして、万が一、電子基準点が被災した場合でも迅速に解析を行うことができるという仕組みを構築いたしました。
 同じく昨年度、気象庁様がもつ高層の気象観測データ統合システムがございまして、こちらにMADOCAを導入していただきました。そして、その結果、今、気象庁様がやられている可降水量解析について、従来ですと1時間おきだったものが10分おきになるということで、短期の予想の精度向上に貢献すると考えております。これが高精度の軌道推定関係でございます。
 一方、測位システムの開発ということで、先ほど申しましたように、内閣府様からの受託を受けて、この衛星間測距、また、衛星/地上間の測距、さらには、高安定時刻生成という、こちらについての地上の試験モデルを作製し、これが所定の性能を達成したということで、これらを踏まえた上で、新しい準天頂衛星、5~7号機に搭載する高精度測位システムの開発業務を受託したということでございます。
 測位利用ビジネス関係でございますが、こちらにつきましては、先ほど申しましたMADOCAをこの場に展開するということで、グローバル測位サービス株式会社(GPAS)と一昨年度に協定を結び、この協定に基づきまして、リアルタイムの軌道時刻暦の配信や技術開発に関する助言を行っております。また、このMADOCAとは別に、JAXAが保有する「高精度ユーザ測位ソフトウェア」につきましても知財申請を受けまして、民間の3社にこれを有償で提供しているというところがございます。
 A-9ページでございますが、こちらが先ほど言いました一つの例として、気象庁様がやっております高層の気象観測データ統合処理システムについて、一番左側に書かれている赤いところがGNSSを用いた可降水量の推定でございます。これはいわゆる水蒸気による遅延というものを測定することによって、水蒸気を推定しようというものでございます。
 一方、9ページの右側に3つございますが、こちらの方は先ほど申した研究開発の受託であり、衛星間の測位をすることによって、軌道の推定精度を上げようというもの、衛星と地上で時刻の推定精度を上げるというもの、さらには、原子時計の時刻精度を非常に高くするというもので、時刻予報精度の向上と、こういうことをやってございます。
 続きまして、ローマ数字3 .3.2でございます。ページで申しますと、A-12ページでございます。こちらは衛星リモートセンシングでございます。こちらにつきましては、私ども、昨年度、かなりの評価を得たと思っており、自己評価としましてはSとさせていただきました。
 詳しくは、A-16ページで、現在JAXAが持っています衛星でございますが、衛星は、現在のところ、アメリカの衛星に載せたものを含めて7機運用しております。一方、開発中のものが次のページでございますが、3つございまして、研究中のものが1つという状況でございます。
 では、評価の詳しい内容でございますが、A-18ページでございます。やはりここのキーワードといたしまして、私どもとしては、これまでの成果を踏まえて、社会実装がより進んで、定着したというところがあったと思っております。
 まず一つの例でございますが、防災関係でございます。こちらにつきましては、地方整備局、地方自治体への災害現場での衛星利用の定着ということでございますが、一昨年度、防災基本計画において、人工衛星が情報収集手段の一つであると位置付けられました。これを受けまして、国土交通省内の防災業務計画に人工衛星の活用が追記され、さらには、地方整備局において災害現場での衛星利用の定常化が進んだというところがございます。一方、地方自治体においても、山口県あるいは徳島県等では、データの手法の取得手順や関係部局との利用シナリオということで、衛星データ防災利用マニュアルというのが整備されたというところがございます。こうすることによって、速やかに対応できるということで、一つの例としましては、徳島県では、昨年の西日本豪雨において、降雨が増えるであろうということを予想して、私どもで緊急観測をやりました。その結果として、迅速に土砂の災害の場所を特定して、それをいわゆる通行止めにするというような応急処置がなされたと聞いております。
 続きまして、災害復旧段階までの継続的な衛星利用でございます。これは北海道の胆振東部地震でございますが、こちらは、大地震が起きまして、その後に雨が降るというような状況でございました。私どもはそれを継続的に観測することで、河道閉塞の状況を把握するというようなことをやってまいりました。これによって、二次災害を防ぐという、そういう役割でございます。
 また、災害の発生前の恒常的な観測の定着というところでございますが、気象庁では、ALOS-2の観測データを使って、火山活動による地殻変動の判断材料としており、恒常的に火山監視に使っております。現在、日本では、111の火山がございますが、これについて、データに基づく地殻変動の観測をやっております。その中でも、特に山体の膨張の評価というところがございまして、こちらにつきましては、2018年現在では、43火山のうちの6火山がその噴火警戒レベルの判定に私どものALOS-2のデータを使っているという状況でございます。
 国外でも災害には幾つか使われています。ここでは代表的なものを挙げてございますが、ハワイ島の噴火あるいはインドネシアの火山の噴火、それに伴う津波というような災害について、被災状況をいち早く捉えたというところで、これは海外のメディアにも取り上げられた事例でございます。
 次のA-19ページに参ります。このページは、災害とは少し違いますが、合成開口レーダを使って、広域で、高精度で、かつ、低コストでインフラの変化をモニターできないかということで、かなり前から国交省さんの経費を使い、研究活動を続けてまいりました。その結果、私どもの成果としては、衛星データによるインフラの変位が観測できるのではないかということで、その成果を踏まえ、国交省さんが実施しております新技術情報提供システムに今現在、登録を申請しているところでございます。登録後は、これを代理店を使って広く社会に普及していきたいと思います。詳しくは後ほど図を用いて御説明したいと思います。
 続きまして、気候変動のための衛星利用の拡大・浸透でございます。アジア・太平洋地域では、気象情報で気象庁さんが業務提携をしているわけですが、この気象庁さんの業務に私どものGSMaP、これは複数の衛星データを使って、雨の降雨をリアルタイムで表示するものでございますが、これを有効に使っていただくことによって、アジア・太平洋地域の迅速な気象情報の展開、あるいは、ひいては減災に役立てていただくというものでございます。
 2番目が、温室効果ガス観測衛星関係でございます。これはニュースでも取り上げられましたが、IPCCのガイドラインというのがございまして、二酸化炭素の量を推定する方式について、通常はインベントリと呼ばれているものでございますが、これが2006年の場合におきましては、衛星センサというのは分解能等によってまだ方式として十分有用ではないというような記述がございました。ところが、今般のIPCCの京都会議におきましては、それまでのデータが我々としては非常に使えるということをアピールした結果、この新しいガイドラインには衛星データが有用であるというような表現に大きく前進したというところがございます。
 その他、政府関係、4番でございますが、経産省さんが進めているオープン&フリーのプラットフォームのTellusに我々のデータを提供し、あるいはALOS-2以降の後継機の段階として、ALOS-3、ALOS-4を含めた、更に先の衛星についてのデータ提供の検討を進めているところでございます。
 続きまして、A-20ページ以降、先ほど申した防災に関する地方あるいは国における文書の形態について、こういう形態で普及を進めているということで、まず20ページです。被災の起こった災害の例でございますが、西日本豪雨について、先ほどの徳島県の例のようい、事前に観測することによって、どこに災害が起きたかというのを踏まえ、その地点を衛星で観測し、当たりを付けた上で実際に現場で観測して、かつ、そこで交通の必要な手配を取っていただいたという例でございます。
 A-22ページが北海道の胆振東部の地震の件でございます。
 A-23ページはインドネシアのクラカタウ火山の変化の例でございまして、噴火前と噴火後の変化がよく分かるかと思います。これは海外のメディアでも実際に取り上げられた例でございます。
 A-24ページは、先ほど申しましたインフラモニターの例でございますが、私どもこのインフラモニターについては、自動的に判別できるツールを作り、それによって、数ミリ単位での精度が出るということを検証いたしました。このツールを使うと、何が特徴であるかといいますと、次のA-25ページに、ほかの手段と比較したものがございますが、合成開口レーダ(SAR)については、機器の準備が要らない等々のメリットがございます。その結果として、コストを大きく低減することができるというところが特徴でございます。航空レーザや水準測量と比しても非常にすぐれた手法だと思っています。ただ、欠点としましては、絶対値が分からないというところがございますので、必ずしもSAR解析で全てが決まるわけではなく、これを組み合わせて利用するというのが大事なポイントだと思っています。
 A-26ページは、先ほど申しました衛星の全球降水マップ、GSMaPが東南アジアを含めた、かなりの国で利用されており、現在、登録数が昨年度末時点で約4,700名ということで、80%弱がアジアという状況でございます。
 続きまして、A-27ページは、温室効果ガスのインベントリの変更の件でございますが、これにつきましては、今年度やったわけではなくて、前年度から、既に各宇宙機関と取り決めを結んで、共同でこういう問題に対して当たっていこうということで、協力をして進めてまいりました。その結果としては、A-28ページにあるようなガイドラインの変更に結び付いたということでございます。
 データ提供数、論文数は省きまして、リモートセンシングについては以上でございます。
 続きまして、衛星通信に参りたいと思います。こちらについては、ページで言うと、A-38ページでございます。こちらにつきましては、自己評価はBといたしました。
 対象となるものについては、A-41ページを御覧いただきたいと思います。この対象となる衛星でございますが、超高速インターネット衛星「きずな」でございます。これは今年の2月27日に停波をいたしました。突然通信が途絶えたということで、27日に停波の処置をいたしました。
 一方、光データ中継衛星は、今現在、開発中でございます。また技術試験衛星9号機も今、開発を進めているというものでございます。
 詳しくはA-42ページで御説明したいと思います。まずA-42ページでございますが、先ほど言いましたように、WINDSについては停波いたしました。これは突然発生しまして、原因の究明は、努力はしたものの、今のところ分かっていないという状況です。おそらく電源関係が突然ダウンしたという状況でございます。設計寿命としては5年というところに対して、11年を超える運用を行いまして、その間には、例えば世界最高の伝送スピードを出すことができたことや、東日本大震災では、岩手県の災害対策本部と現地の災害対策本部を結び、いわゆる実際の被害状況の把握に使われたこと、安否の現地確認に使われたということなどの成果を上げてございます。
 続きまして、光データ中継衛星については、今、開発を進めていますが、この光データというものは、従来の電波に比べると小型化できるということと、周波数割り当ても特段ないということ、さらには、抗たん性があるということで、我々は将来的には通信として非常に重要な技術だと思っております。
 続きまして、ETS、技術試験衛星9号機でございます。こちらの方は、狙いはやはり、世界的に静止衛星としては今、オール電化が進んでいる中で、通称、オール電化衛星と我々は呼んでいる技術試験9号機は、全ての推進システムを電気でやることによって、衛星全体の打上げ重量を減らすというものであり、こちらについて、今、開発を進めているところでございます。この衛星については、衛星を担当し、将来展開する業者を三菱電機さんに決めまして、三菱電機さんと一緒に進めているところでございます。
 進展としては、今申し上げた点でございますので、B評価といたしました。
 続いて、ローマ数字3 の3.11、A-143ページでございます。こちらについては、人工衛星を、どちらかというと支える基盤の技術でございます。
 2つございます。その中身は、追跡関係のものと、環境試験、いわゆる打上げ前の試験を行うというものでございます。私どもといたしましては、この業務に関してはAという評価をいたしました。
 詳細につきましては、まずA-146ページですが、こちらの方は通常の人工衛星に関する衛星管制、あるいは環境試験の設備の維持・運用、それだけではなくて、それぞれ研究開発を進めておりまして、その成果が出たということでA評価としております。
 詳しくは、A-147ページでございますが、追跡管制技術からまず御説明いたしますと、この精密な軌道決定の迅速化ということで、これは従来の手法では半日掛かったものを1時間程度にしたということでございます。この背景として、実は国土地理院さんから地震が起きたときの地盤の変動を早く見たいという要望がありました。従来では、半日ぐらい掛けないと、なかなか軌道の精度が出てこなかったわけですが、それを、先ほど説明いたしましたGPSを使ったMADOCAの仕組みを取り入れることにより、従来より大幅に時間を短縮したということです。これによって、干渉解析が早くできて、災害が発生した場合、特に地震が発生した場合の地殻変動の状況を速やかに捉えることができたということでございます。
 続きまして、環境試験技術でございますが、こちらにつきましては、まず1項目が宇宙用の振動防振技術を民生分野に転用するということでございます。具体的には、温室効果ガス観測技術衛星3号(仮称)向けに開発した観測機の振動低減装置です。この衛星は非常にグルグル回る大きなアンテナを回すものと、光学センサ、いわゆる振動を嫌うものがございます。その振動を嫌うものに対して、防振しなければいけないということで、その開発を進めており、この技術を、今度は民間の方に転用することによって、例えば輸送機での振動の少ない輸送に使えるということでございます。
 続いて、(2)について、こちらは逆に、地上の設備で使っていたものを宇宙に転用するということで、磁力計でございます。常温で使われていた磁力計を宇宙環境でも適用できないかということで、小型で、かつ、温度安定ができるという技術を作り、これを適用することによって、現在JAXAで計画している次期火星圏探査のMMXにおいて、当初は搭載を諦めていた磁場搭載機を搭載できるようになったということで、今搭載を検討しているところでございます。
 さらに、(3)でございますが、環境試験技術の外部利用の拡大でございます。こちらにつきましては、十数個持っていますJAXAの環境試験の中の2つだけでございますが、ここで民間に任せるというやり方を取りました。そうすることで、何も宇宙機関だけではなく、一般の企業も含めて、民間の間で設備を利用していただくことによって、利用する機会を増やすと同時に、私どもの維持費を減らすということに成功いたしました。この取組を全ての施設に行うことは、これからの目標にはなるかと思いますが、引き続き経費の削減をしていきたいというように思います。
 次のページのA-148ページからは、先ほど申しました追跡関係の、軌道精度が早く決定したという話と、A-149ページは、環境試験の中で振動を防振するということでございますが、こちらの方は、JAXAと多摩川精機さんで、JSTの資金を取って進めております。例えばJAXAが使った防振技術と、民間の揺れを防ぐ技術を融合して、精密機器を運ぶことや、救急車等への応用というのが見込まれるという状況でございます。
 次のA-150ページが、新磁力計の開発の話でございますが、従来よりも非常に小型で、しかも、苛酷な温度にも耐えるというものを作りまして、これを科学衛星に搭載するということでございます。
 さらに、最後でございますが、設備の利用拡大ということで、先ほど申したように、加速度設備と振動試験設備という2つの設備につきまして、民間さんの方に利用していただくことで、この維持費も支払うというような説明をしてまいりました。ということで、民間の利用を増やすという試みをした結果、昨年度、14件でしたが、43件増えたというところでございます。
 長くなりましたが、説明は以上でございます。

【髙倉参事官】  ありがとうございました。
 4つまとめてとなりました。また後で戻ることもできますが、順番に参りましょうか。まず最初にございました3.1の衛星測位関係、こちら、御質問等ございます方、いらっしゃいますでしょうか。坂下さん。

【坂下委員】  質問があるのですが、ローマ数字3 .3.1、衛星測位の自己評価はBですよね。一方、A-147ページの自己評価はAですよね。147ページのAの方には、MADOCAを使って、半日から1時間程度、圧縮しているということをもってAにしているのだろうと推測します。しかし、そのMADOCAは安定性向上させているわけで、何でこちらがBなのですか。

【JAXA(舘)】  我々も測位につきましては、Aにするか、Bにするか、迷ったところがございまして、MADOCAだけを言うと、進めているのですが、もう少し民間への普及を実は狙っていたことがございます。MADOCAがそこまでに来れば、もう少し高く評価できるかと思ったのですが、今回は内部の利用でございますので、Bといたしました。

【坂下委員】  ということは、このローマ数字3 .3.1の1、2、3の3が弱かったという判断ですかね。

【JAXA(舘)】  はい。そこにもう少し違いがあればAに行ったという評価です。

【坂下委員】  こちらのローマ数字3 .3.1で1は、A-147ページは救急車等にも載せられるようになったからAになりましたという理解でいいですか。

【JAXA(舘)】  外に、外部に出ているというところです。

【坂下委員】  分かりました。測位基盤を国家が持つというのは非常に大きな意味がありますから、是非ここはしっかり頑張っていただきたいと思います。
 以上です。

【髙倉参事官】  そのほか、今、測位衛星の方では。白坂さん。

【白坂委員】  御説明ありがとうございます。今、日本が準天頂を持ち始めて、やはりどんどん進化させなければいけないということで、2番の次世代の研究をするということはすごく重要なことだと思っています。ここは今、3項目あり、もちろんどれも重要な項目だと思うのですが、これが測位精度にどれぐらい効くつもりでやっているかということがもし分かれば教えていただきたいのですが。

【JAXA(舘)】  どこまでお話しできるか分かりませんが、例えば最初のISRのところについては、私どもの試験結果としては、70センチぐらいと想定しています。次のPRECTについては、これもやはり70センチ程度かと見ていますが、全体的にどれだけ効くかというのは今、手元にないので。

【白坂委員】  分かりました。ちなみに、3つ目のものは、今やっているものだと、刻みが不安定になっていると。

【JAXA(舘)】  そうですね。それを安定化させたいという。

【白坂委員】  これはインターフェースのところの話ですか。

【JAXA(舘)】  そうですね。

【白坂委員】  軌道の変更による話ではなくて、衛星そのもの。

【JAXA(舘)】  そうです。衛星の原子時計の話でございます。

【白坂委員】  分かりました。ありがとうございます。

【髙倉参事官】  そのほか、測位関係で。では、水野先生。

【水野委員】  測位衛星を使って降雨の状況を把握できるというお話があって、この精度について、あの赤いところが九州地方にある画は、我々はよくテレビで見ている気象庁の降雨のものと比べてどのぐらい精度の面では差があるのでしょうか。

【JAXA(舘)】  こちらについては私ども詳しくないので、申し訳ありません。

【水野委員】  あと、これは解析するのにある程度データを処理しなければなりませんよね。リアルタイム性で言うと、どのぐらいの時間が必要になってくるのでしょうか。例えば今ここで豪雨が降っているとして、それをデータとして提供できるというまでの時間ですね。また後で結構ですので。

【JAXA(舘)】  私どもが実際このデータを統計しているわけではなく、私どものMADOCAを提供しており、気象庁さんがそれを実際に解析して使っていますので……

【水野委員】  A-9ページの3つの絵を見比べて、今御質問しているのですが、この左端のものも気象庁さんが。

【JAXA(舘)】  気象庁さんがやられているものです。

【水野委員】  ああ、そうなのですか。分かりました。

【髙倉参事官】  では、片岡さん、よろしくお願いします。

【片岡委員】  2番の高精度測位システムについて、今、測位衛星というのは抗たん性をこれから確保することが非常に重要だと考えていますが、その精度のアップのほかに、非常に重要な位置付けとして、抗たん性という観点で次世代の準天頂について何か考えられているのでしょうか。

【JAXA(舘)】  今回のその中には特段、抗たん性というところはないですが、今後その点については考えていかなければいけないというふうに思っております。

【片岡委員】  そうですね。GPSもGPS3になって、抗たん性の強化を上げていますので、是非この中で含めて入れていただきたいというふうに考えます。御検討よろしくお願いします。

【JAXA(舘)】  はい。

【髙倉参事官】  そのほか、測位衛星関係はよろしゅうございますか。
 では、続きまして、次のローマ数字3 .3.2、衛星リモートセンシングでございますが、こちらはS評価になっておりますので、御質問等ございましたらお願いいたします。

【竝木委員】  済みません。全くこの分野はよく知らなくて、質問させていただきますが、こういうデータを例えば防災行政で使うときに、データ利用する人はどういうふうに使ったらいいのか、例えば使いやすいソフトウェアがもう普及しているのか、あるいはどこかを通じて、JAXAの方で解析をすることにして、結果を提供しているのか、実際にどういうふうにされているのでしょうか。

【JAXA(舘)】  こちらはかなり多様な分野を取り込んでおります。まずデータそのものはJAXAのホームページにありますG-Portalというところにアクセスしていただきますと、大半のデータはダウンロードできて、自分で使うことができます。一方で、防災に特化した何かといいますと、我々で全部できているわけではないので、今、防災ウェブというものを作っておりて、この中で防災機関にはこのデータを開示して、そのデータを防災機関は使えるという状況で使っています。
 といいますのは、例えば土砂崩れが起きたところ、起きていないところについては、我々では、データの差分を取っても、それだけでは分からず、実際に防災機関のほかのデータと組み合わせないといけないので、そのために防災機関だけに、現状オープンしているという状況でございます。

【竝木委員】  事が起こってから、おっ取り刀で、さあ、JAXAのデータを見に行こうと思っても、全然間に合わず、かといって、事が起こる前に、JAXAの方で何かを準備できているわけでもないと思うので、非常にうまくデータを使ってもらおうと思おうと考えると、このデータ利用という観点で準備、ソフトウェアとかデータ提供のやり方というものはかなり周到に準備されないと難しいのではないかと思いました。

【JAXA(舘)】  今の点に関しては、例えば火山の情報について、火山予知連含めて、全ての取ったデータを渡しておりまして、そこで彼らがもう事前に準備をしているという流れを作っております。

【竝木委員】  おそらく火山予知連や気象庁であれば、それなりに専門にやっている人がいるので使い方が分かりやすいと思いますが、防災については、例えば地震が起きて、どこで地崩れが起きているのかというようなときに、地方行政の人にとっては、衛星データを活用することがとてもすぐには思い付かないようなことではないかと思い、そこに対するサービスは何か考える必要があるのではないかと思ったところです。

【JAXA(舘)】  2つあるかと思っています。1つは、データを使う、いわゆる地方自治体の方で実際にデータを使うということが課題になること。いきなりそのデータを使えといっても、なかなか使えないので、使うためのある種の研修等をやって、使えるようにすることが必要かと思います。だからといって、全てのところで使えるということにはならないですが、まずはそういうところが必要だと私どもは思っています。そういう形で、幾つかの県とそのような協定を結び、我々のデータの使い方を教えるなどの活動をこれまでやってきておりますので、まずそういう地道な活動が必要だと思っています。
 一方で、我々だけでできないので、国交省さんの方でも地方整備局が使えるような仕組みを作っているという、2つの流れを今やっております。

【髙倉参事官】  はい。知野委員。

【知野委員】  衛星データ防災利用マニュアルについて、幾つかの県で作られたということですが、これはもっと広がっていきそうでしょうか。また、このマニュアル作成に対して、JAXAはどういう形で協力や支援等をしているのでしょうか。

【JAXA(舘)】  我々もマニュアルを拡げていきたいと思っています。何か使えるときに相談があれば、私ども積極的にそれに関わっていきたいと思っています。

【知野委員】  では、今のところは直接関係なく、やりたいところはやっていると。

【JAXA(舘)】  実はこれは関係しています。使っているときに我々様々な協力をして作っていただいています。例えば徳島県とか山口県とは協力しながら進んでおります。

【知野委員】  今回、S評価を付けられた理由として、様々な成果があったと挙げてらっしゃいますが、その中でも高く評価する点は、この(1)、上に書いているものだというふうに考えればよろしいのでしょうか。

【JAXA(舘)】  はい。そうですね。

【髙倉参事官】  衛星リモートセンシングは、ほか、いかがでございましょうか。

【白坂委員】  御説明ありがとうございました。防災・災害対応ですごく使われて、進んでいることがすごく分かりました。一方、そうではないところをどれだけ進めるかもやはり重要だと思っていまして、そういった意味では、このインフラの変化のモニタリングのところがおもしろいと思いましたので、もう少し詳しく教えていただければと思います。これはALOS-2のデータを買えば、このJAXAさんが解析したツールに入れることによって、利用者がその変位というものをビジュアルで見ることができるようなツールを開発したと思えばよろしいですか。

【JAXA(舘)】  我々はそう考えています。我々としては、堤防みたいなところを想定しておりますが、1枚や2枚ではなかなか変位が分からないので、これには十数枚のデータを使うことによって、その差分を蓄積することで、数ミリの変動を見ることができる、そのために必要な解析ツールを作ったということでございます。

【白坂委員】  なるほど。このツール自体はどなたが利用するようなイメージで、どういうふうにその方々は使うのですか。

【JAXA(舘)】  これはツールとしては皆さんが誰でも使えるようにしたいというふうに思っています。ですから、代理店を決めて、そこで使っていただくというやり方を一つ作っています。

【白坂委員】  それを今やっている最中ということですね。

【JAXA(舘)】  先ほども言いましたように、国交省さんの登録をまだ、申請しているところですが、それが終わり次第ということになります。

【白坂委員】  終わり次第ということですね。なるほど。ありがとうございます。

【髙倉参事官】  衛星リモートセンシングはよろしゅうございますか。
 後でまた戻ることもできますので、次、ローマ数字3 .3.3の衛星通信、こちらの御質問等ございませんでしょうか。特によろしゅうございますか。どうぞ。

【藤野委員】  WINDSに関しては、後期利用はいつまで予定されていたものでしょうか。

【JAXA(舘)】  我々としては、いわゆるデオービットとして軌道を外れるまでを後期利用というふうに考えておりました。

【藤野委員】  なるほど。そういう意味では、計画があってないようなものという、そういう話で。

【JAXA(舘)】  ええ。それは生きている限り使いたいという、そういう。

【藤野委員】  生きている限りは使って、死んでしまいましたのでという話ですね。

【JAXA(舘)】  はい。

【藤野委員】  分かりました。

【髙倉参事官】  そのほか、衛星通信のところはよろしいですか。
 では、次のローマ数字3 .3.11の人工衛星の開発・運用を支える基盤技術(追跡運用基盤、環境試験技術等)ということですが、こちらの方のセクションにつきまして、御質問ございませんでしょうか。
 あるいは戻りまして、3.1の衛星からここまで全体を通じまして、また御質問等ありましたら、どちらでも結構かと思います。坂下さん。

【坂下委員】  設備の利用拡大のところがA-151にありますが、これは以前からいい取組だなと思っていました。今回、非常に件数が伸びておりますが、業界的に、横に広がった、というような、例えばこんな業界でも使うようになりましたというような事例はありますか。

【JAXA(舘)】  A-151ページに書かれております業界の方に利用して頂いておりまして、これでどこか増えているかというと、今は詳細が分かりませんが、そんなにたくさんの件数はないと記憶しています。

【坂下委員】  何かこの業界がアドオンされてきたなどということは特になく、毎年このような感じですということですか。

【JAXA(舘)】  数が増えていますので、多少変わっているところはあると思うのですが、そこまでは現状、分析していないので、申し訳ございません。

【坂下委員】  ああ、そうですか。

【髙倉参事官】  そのほかいかがでしょうか。では、ここまでの衛星のところはよろしゅうございますでしょうか。はい。
 それでは、次に進みたいと思いますが、こちらまでで経済産業省様の部会の委員のメンバーの方につきましては、評価項目は全て終了いたしましたので、もし評価が終わられた方はその場で机の上に評価書を置いて御退席いただいて結構でございますし、持って帰って、更に書き足される場合は持って帰っていただいて結構です。
 それから、資料の方は、この青の冊子のものは電子メールでお送りしておりますので、参照いただけると思いますが、持って帰って、よく見たいとか、評価に参考にしたいということであれば、是非持ってお帰りになっていただいて結構です。
 ただ、次の部会の開催のときにまた使いますので、大変恐縮ですが、忘れないよう、お持ちいただければと。もしこの場で評価が大体終わり、次の委員会まで必要ありませんということであれば、置いていっていただいて結構でございます。
 以上、経産省の部会の専任の方へのコメントであります。
 それでは、残りの項目の評価を進めたいと思います。ローマ数字3 .3.5、宇宙状況把握から、3.6、海洋状況把握・早期警戒機能等、3.7、宇宙システム全体の機能保証、それから、情報収集衛星ということで、こちらも安全保障関連ということで、4つの項目を一度に御説明をいただきまして、それで質疑を行いたいと思います。
 それでは、よろしくお願いします。

【JAXA(舘)】  続きまして、私の方からまずローマ数字3 .3.5の宇宙状況把握について御説明したいと思います。
 これにつきましては、通称SSAと呼ばれているものでございます。この評価につきましては、私どもとしてはBという評価をいたしました。
 少し内容を御説明したいと思います。まずA-68ページでございますが、SSAとしましては、SSAシステムを整備しております。2000年代に日本宇宙フォーラムさんが整備したレーザと光学があり、これを私どもが引き取りまして、現在その更新を進めているところでございます。運用は2023年度開始を想定しております。一方で、現在のシステムを用いまして、スペース・デブリの観測や衝突の回避制御を行っている状況でございます。
 詳しくは、A-69ページから御説明したいと思いますが、こちらにつきまして、まず1番は、先ほど申したような新しいSSAシステムの詳細な設計を完了して、これから製作を始めているという段階でございます。
 また、続きまして、2番の関係政府機関と一体となったSSA体制については、防衛省さんと一緒にこのシステムを作り、防衛省さんの政府のシステムに貢献するというようなことを進めております。
 3番目でございますが、上齋原及び美星にある望遠鏡を使いまして、スペース・デブリの観測をやっております。その観測と同時に、デブリが接近するという情報を日米間のSSA了解覚書に基づいて、連合宇宙運用センター(CSpOC)からデブリ接近情報を頂き、これをスクリーニングしまして、接近の警報について、2018年度の状況でございますと、衝突回避の判断会議を12回行い、実際に衝突の回避の制御を行ったのが6回でございます。今年度の6回の内訳の詳細は、「だいち2号」などとか書いてございますが、こういう状況でございます。
 また、4番目でございますが、これは昨年度末から今年初めにかけて、スペース・デブリの再突入解析といたしまして、中国の「天宮」が落ちてくるということで、政府と一緒に協力いたしまして、再突入解析を実施したという、そういう状況でございます。
 続きまして、A-72ページでございます。こちらの方は、海洋状況把握・早期警戒機能等でございます。
 具体的には、海洋状況把握につきましては、、いわゆる船舶の監視というようなものでございます。早期警戒につきましては、防衛省さんの受託事業といたしまして、衛星搭載用の2波長赤外というセンサを受託して開発しております。
 成果につきましては、Aと評価しております。
 まずA-74ページでございますが、これは昨年度の一つの位置付けとしましては、昨年の5月15日に閣議決定された海洋基本計画の中で、従来に記載のなかった衛星を使うという文言が海洋の安全の中に記述されており、海洋状況把握(MDA)の能力強化という箇所にも私どもの衛星の名前が書かれているという状況でありまして、海洋基本計画上に私どもの衛星が位置付けられたというところでございます。
 続いて、A-75ページではMDAについて詳しく書いてございますが、MDAの能力向上ということで、これまでのJAXAのALOS-2に搭載しています合成開口レーダや船舶監視のためのAIS情報だけではなく、先ほどのGSMaPや「しずく(GCOM-W)」の海面温度情報、あるいはひまわりの情報といったものの利用が定着したということで、海洋状況把握が向上したということがございます。こういう成果に基づいて、昨年の7月16日に海上保安庁様より長官賞を表彰頂いたという状況でございます。
 一方、政府では、海洋情報の一元化という策を講じており、基本計画に基づいた「海洋情報表示システム」、通称「海しる」には今現在、今年の4月から運用を始めており、JAXAのGCOM-WやGSMaPというような観測データを提供しております。
 また、3番目でございますが、防衛装備庁から受託しております衛星搭載型2波長赤外線センサにつきましては、昨年度、一部のセンサ機器を納入し、今年度初めにはセンサ本体も納入いたしました。そういう状況で着実にこちらの方は開発を進めているところでございます。
 海洋状況把握につきましては以上でございます

【JAXA(山本)】  それでは、ローマ数字3 .3.7、宇宙システム全体の機能保証という項目について、担当の山本から説明させていただきます。
 表題からでは中身が分かりにくいところもありますので、A-79ページの中長期計画のボックスの左の箱の下から3行目を御覧ください。内閣府や防衛省をはじめとする政府の安全保障機関と連携し、さらには、宇宙システム全体の脆弱性の評価を政府は行うわけですが、JAXAとしては、その政府が行う業務について支援し、それによって、この活動に対して貢献していくということがJAXAに求められているところであります。
 具体的には、次のA-80ページに柱が2つありますが、次のA-81ページとその次のA-82ページを両方見ていただきながらご説明したいと思います。まず一番関係の深い防衛省さん、あるいは防衛装備庁さんとの関係であります。これは2014年度から協定が結ばれ、着々と進んでおりまして、今現在、トータル17件の共同研究等々を進めておりますが、特にA-80ページの1の最初のポツにあります赤外センサを搭載した活動では、このセンサをALOS-3号機に載せる予定です。それから、SSAに関しては、先ほどありました宇宙状況把握に対する協力であります。
 加えて、特に今回、一つ新しくある点はA-80ページの1の3ポツ目であります。これは2018年の10月に米国で開かれましたもので、多国間のテーブルエクササイズ、机上演習ということで、通称、「シュリーバー演習」と呼ばれております。これにJAXAは、我が国の関連政府機関とともに初めて参加いたしました。これそのものは、今後十数年先の宇宙での作戦を米国軍が中心に同盟国と一緒にトレーニングするということでありますが、対象となる領域が宇宙でございますので、JAXAの宇宙機関としての役割を果たすために出席いたしました。
 それから、もう一つがA-80ページの2にあります。国の文書におけるJAXAの位置付けがより高いところに位置付けられたということで、2018年度に制定されました「防衛計画の大綱」あるいは「中期防衛力整備計画」等々の中で、下の記述にも書いてありますが、JAXAという具体的な名称が記された上で、JAXAの役割あるいは貢献が更に強く求められる状況になっているということで、今回はBでございますが、非常に重要な政策と認識しておりますので、今後、更に強化していきたいと考えております。
 説明は以上です。

【JAXA(今井)】  では、引き続きまして、項目ローマ数字3 .7、ページでは、お手元の資料、E-1ページでございます。情報収集衛星に係る政府からの受託について、御説明いたします。JAXAで情報収集衛星関連を取りまとめております今井でございます。よろしくお願いいたします。
 E-1ページを御覧ください。本件につきましては、国の方で進められています情報収集衛星事業に対して、私どもが受託を頂いたことについて、評価指標でございますが、必要な体制の確立を含め、この受託業務を実施するということでございます。
 E-2ページを御覧ください。これが全体の計画でございまして、特に2018年度においては、政府の光学6号機という衛星、それから、レーダ6号機という衛星、それぞれについて、光学6号機は2017年度末の打上げで、これを軌道上で点検、検証して、実運用につなげるという活動、レーダ6号機につきましては、2018年度に打上げ、同じく軌道上で点検、検証を行って、実運用につなげるということ、この2つの事業が非常に大きなウェイトを占めてございました。
 これに対しまして、E-3ページでございますが、この政府からの委託を受けまして、情報収集衛星に関わる事業を体制としてJAXA内で、必要な人材の確保、それから、連携体制の確保等を図り、更にJAXAのプロジェクトマネジメントプロセスとして確立された審査等の適用を実施し、経営レベルでの進捗確認等も行い、着実に進め、宇宙基本計画に定められた光学6号機、レーダ6号機、それから、将来につながる先端技術の研究開発等において、国から求められる計画を確実に達成し、更に光学6号機、レーダ6号機等に関しては、求められる水準を上回る成果を上げたということで、JAXAの技術をもって、国の政策に貢献できたということで、自己評価はAといたしました。
 簡単でございますが、以上でございます。

【髙倉参事官】  ありがとうございました。
 それでは、こちらは今、4つ、項目ございましたが、順次参りたいと思います。
 まずローマ数字3 .3.5、宇宙状況把握でございます。こちらの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
 はい。青木先生。

【青木委員】  ありがとうございます。宇宙状況把握についての評価がBで、今、情報収集衛星についてAだということで、その違いがどこにあるのかがよく分からなかったのですが、異なるプロジェクトですから、違うのは当然かもしれませんが、なぜ宇宙状況把握の方はAではなかったのかという理由を教えていただけないでしょうか。

【JAXA(舘)】  まず、私どもは今、システムは作っている段階でございます。その作っている段階でAというわけにはいかないので、まずそういう評価としました。加えて、通常のやり方でもって、データを解析して、接近の衝突回避をやったということは、通常からやっている作業ですので、それについて、今回、Aということを申告するほどの成果がなかったと思い、Bといたしました。

【髙倉参事官】  そのほか、宇宙状況把握に関連することで何かございますでしょうか。
 では、また後ほど戻っても結構ですので。次のローマ数字3 .3.6、海洋状況把握・早期警戒機能等について、確認、御質問すべきことございましたら、よろしくお願いします。ここもよろしゅうございますか。
 では、次にローマ数字3 .3.7、宇宙システム全体の機能保証ということで、こちらについては、御質問等いかがでございましょうか。
 はい。白坂委員。

【白坂委員】  質問させてください。シュリーバー演習のところはよく議論にもなり、皆さん、評価していると思います。一方、もう一つの宇宙システム全体の脆弱性評価という点がやはり中長期計画の項目にあります。今、A-80の中で、「参考」という形で、その評価を自主的な取組として、地上システムの通信ネットワークを含む衛星地上システムに関する脆弱性評価に着手したという書き方をされています。ここは今、セキュリティワーキンググループなので、地上のネットワークのセキュリティ面を見ているということなのかもしれないのですが、ここに書いてあるとおり、「JAXA保有の宇宙システムのロバスト性強化のために」ということを考えたときに、セキュリティにかかわらず、ロバストネスがどうか、及び、それがミッションのアシュアランスに対してどう影響があるのかというところの評価というものは重要な活動だと思っており、そういった意味では、ここを「参考」とされたのはなぜかと思いました。やはりこの項も、中長期計画の中に入っているので、むしろ重要な役割としてどんどん評価する必要があるかと思っているのですが、このあたりをなぜ「参考」にしたという点については何かありますか。

【JAXA(山本)】  今、政府全体で、評価の方法等というものは議論されていますので、そういう評価の視点に沿った実行に入った段階では、もう少し実績を表に書きたいところですが、JAXAとしてはそこに至る前においても、助走段階としてやっているという意味合いも込めて、この「参考」として書かせて頂きました

【白坂委員】  分かりました。まだ政府全体としてどういう方向性でやるかは決まっていない中なので、評価の中に入れてはいないが、自分たちで必要だろうということで、今はやっているので、「参考」のレベルで書いているということですね。

【JAXA(山本)】  はい。先ほど測位衛星に対する抗たん性の話がありました。測位に限らず、我々の衛星に対して、どういう形でそのジャミング対策をするべきかというような議論は、させていただいているところですが、まだまだ助走段階だという認識でおります。

【白坂委員】  分かりました。大変重要な活動だとは思っています。ありがとうございます。

【JAXA(山本)】  ありがとうございます。

【髙倉参事官】  どうぞ。

【水野委員】  ローマ数字3 .3.5、ローマ数字3 .3.6、ローマ数字3 .3.7でどのぐらいの方が担当されているのかと思い、気になって確認すると、大体9名ぐらいでやっているようですが、ローマ数字3 .3.6の海洋状況把握のところで、予算と人数を見たら、衛星リモートセンシングとの合算なのでという数字でした。気になって、衛星リモートセンシングの数字を見たら、全く一緒なので、これはローマ数字3 .3.6に関わるところは特にないということでしょうか。

【JAXA(舘)】  リモートセンシングの中に入っている一部の職員が、衛星データも含めて使っておりますので、内訳というのはなかなか難しいということで、統合して書いているだけです。

【水野委員】  統合するというよりも衛星リモートセンシングの中でこういった業務をやっていますという理解でよろしいのでしょうか。

【JAXA(舘)】  職員としては同じようなところでやっているということでございます。

【水野委員】  分かりました。

【髙倉参事官】  ほかにはいかがでしょうか。情報収集衛星のローマ数字3 .7、これも含めまして、この4つの項目で、ここまでの情報でもし更に戻りましての質問等がございましたら、併せてお願いいたします。
 青木先生。

【青木委員】  ありがとうございます。E-3ページになります。情報収集衛星について、先端技術の研究開発等という説明は、時間軸多様化衛星のことの検討についておっしゃっているのでしょうか。それとも現行の情報収集衛星の機能あるいは運用についておっしゃっているのでしょうか。

【JAXA(今井)】  大変申し上げづらいのですが、私どもは業務委託を頂いた範囲に関しての研究ということがお答えとなります。

【青木委員】  分かりました。

【髙倉参事官】  はい。では、知野さん、お願いします。

【知野委員】  E-3ページの光学6号機、及びレーダ6号機ですが、求められた水準を上回るとはどういうことでしょうか。どういう水準を上回ったということなのでしょうか。

【JAXA(今井)】  これは政府から頂いている要求仕様の中に、水準というものが規定されていまして、それに対して、それを超える成果を上げたということでございます。

【知野委員】  それは観測がということですか。それとも衛星の寿命がということなのですか。それとも何か。

【JAXA(今井)】  そこについては申し訳ないのですが、回答は差し控えさせていただきたく存じます。

【知野委員】  それと、情報収集衛星は、導入のときに災害にも役立てるということで、一般国民に広く関係があるということで導入されたと思いますが、その辺の数字などが全然ないので、今どういう状況なのでしょうか。

【JAXA(今井)】  政府の計画の中において、そういうことが謳われているということは、私どもも存じております。私どもは、それに基づいて政府から出される要求仕様を達成するということ、及び、それを達成する過程においては、そういったことも留意しながら活動は進めてございます。

【髙倉参事官】  そうしましたら、これでローマ数字3 .3.5、3.6、3.7、それから、7ということで評価を行いましたので、よろしければ、評価を共有させていただいて、ここまでのところで、内閣府のJAXA分科会の専任の方は評価項目が全て終了いたしました。先ほど申し上げたとおりで、もう大体終わったということであれば、そのまま評価書を置いていっていただければと思いますし、ブルーの紙も必要であれば、持って帰っていただいても結構ですが、終わったということであれば、置いていっていただければと思います。
 よろしゅうございますでしょうか。それで、JAXA分科会の方の中に、もしお持ち帰りいただいて、評価をされる場合は、7月19日までに何らかの形で事務局宛てに御提出をいただければと思っております。

(傍聴者入室)

【髙倉参事官】  それでは、残り、総務省と文科省の部会の委員の方々だけで、続きを進めたいと思っております。
 では、あと、残りの進行は文科省さんにお渡ししてよろしいですかね。では、お願いいたします。

【渡邉専門職】  それでは、ここからは文科省と総務省の委員の方にいていただく部分になりますので、司会進行は文科省で進めさせていただきます。
 私は、文科省の渡邉と申します。よろしくお願いします。
 よろしいでしょうか。それでは、続いての項目、ローマ数字3 .6.3、プロジェクトマネジメント及び安全・信頼性。ローマ数字3 .6.4、情報システムの活用と情報セキュリティの確保。それから、ローマ数字3 .6.5、施設及び設備に関する事項について、まとめてJAXAの方から説明をお願いいたします。

【JAXA(中川)】  それでは、プロジェクトマネジメントと安全・信頼性について、御説明します。
 資料のD-37ページをお開きください。自己評価としてはAとしています。
 その理由について御説明します。まず御存じのように、「ひとみ」(ASTRO-H)の事故が2016年3月に発生していますが、それを契機にJAXAでは、プロジェクト業務改革を実施し、その方針に基づいてプロジェクトチーム、それから、独立評価組織及び経営層が一体となってプロジェクトマネジメント及び安全・信頼性の改善活動、リスク低減活動を継続的に実施してまいりました。その成果が結実して、2018年度には、計画した8機の打上げ・運用全てが成功いたしました。そういう結果から、顕著な成果が創出できたというふうに自己評価しております。
 それで、具体的な例を下に書いてございます。まずプロジェクト業務改革の浸透の徹底ということで、開発や運用の基本の再徹底と強化を実施しております。具体的には、「ひとみ」の事故の教訓を踏まえて、信頼性の確保の最優先、それから、運用に必要な全ての事項を事前検証した上で運用を行う、という開発と運用の基本再徹底と、その結果を組織的に確認するという仕組みを強化しております。例として「はやぶさ2」の例を書いておりますが、「はやぶさ2」の着陸運用が非常にうまくいっております。その理由としては、地上システム、手順並びに要員訓練等、全ての要素の準備を事前に行って、「はやぶさ」の初号機の経験者や、その他、有人宇宙開発の運用の経験者等を集めたレビューを実施し、緊急時のバックアップ手順や、50回に及ぶ要員の周到な訓練、リハーサルを実施して、現在に至っております。
 それから、2つ目としましては、独立評価のプロジェクト活動へのフィードバックということで、経営層は、プロジェクトの進捗を、プロジェクトからの報告だけではなくて、技術・マネジメントと安全・信頼性の両面からの独立評価結果とともに確認して、フェーズ移行の判断を実施しています。独立評価組織は、プロジェクトの移行の経営審査や、その他の技術審査など、ここに回数が書いてございますが、それら多数の審査を実施して、プロジェクトに対するチェック・アンド・バランスとして、客観的な評価を行って、そこで勧告を行い、それをプロジェクトにフィードバックさせることによって、プロジェクト活動を改善しております。例えば、HTV搭載の小型回収カプセルの例を書いておりますが、独立評価の助言によって、徹底的な長時間のシミュレーションを実施した結果、ソフトウェアの確実性が高まって、良好な成果を得ることができました。
 それから、3番目につきましては、安全・信頼性の分野における成果でございますが、宇宙活動法の適用・外部機関、ベンチャー企業への貢献として書いてございます。宇宙活動法が2018年11月に施行されましたが、それに先立ち、内閣府が制定するマニュアルやガイドライン案に対して、打上げや衛星開発・運用の経験を踏まえた提案を行って、内容の充実化に貢献してございます。 イプシロン4号機の例として、初めて打上げ許可の審査を行う内閣府審査員に対して、JAXAが従来から実施してきた安全対策等の妥当性の理解を頂けるよう、JAXAが有する技術的知見、他国の事例等も交えて繰り返し丁寧な調整をした結果、打上げに遅延なく許可を受けることができました。
 もう一つは、新たなミッションについて、宇宙空間に金属球を放出して人工的に流れ星を作るというベンチャー企業がございます。スペース・デブリに対して、国際的に厳しい視点を浴びているところであり、そういった環境下においても合意が得られるような安全要求を提案し、適合する設計結果を実現して、打ち上げることができました。
 なお、年度計画で設定した業務は計画どおり実施しております。
 説明は以上です。

【JAXA(鈴木)】  では、引き続き、情報システムに関して御説明いたします。
 情報システムを担当しています鈴木でございます。よろしくお願いします。
 ページが、D-52ページでございます。この項目は、計画は三本柱でございまして、52ページにありますように、全JAXA的な情報システムによって業務改善しましょうということと、それから、スパコンを持っておりまして、そのスパコンによる研究能力を向上させようということ。それから、一番大事なことは、情報セキュリティを確保しておくこと。この3点になっております。
 その下に評価指標がありますが、いずれも取組状況が指標になり、D-53ページにありますように、参考指標として重大なセキュリティインシデントはございませんでした。これは事業を危うくするようなことがなかったというものでございます。
 自己評価としては、D-54ページで、業務改善とか研究能力の強化は着実にITを使って前進させておりますということと、それから、セキュリティは昨年度よりもより高度なレベルに進んでいるということで、Aとさせていただいております。
 具体的な点が、まず1のところにありますが、全社の共通の情報システムについて、3つの成果を述べております。
 1つ目が、JAXAは事業所を各地に持っていますが、その事業所の中でセキュアな無線LAN環境を構築して、職員がモバイルPCでいつでもどこでも、その会議の打ち合わせ、データを取り出す作業、電子決裁などができる状況にして、ペーパレスの状況に非常に直結してきています。加えて、現在、更にこれを進めて、個人のスマホでもメール処理や電子決裁ができるような環境も作り、業務スピード、研究開発スピードの大幅向上を行っているということが一つ成果として挙げています。
 2つ目が、クラウド上で統合ビジネスアプリを導入させていただきました。マイクロソフトのオフィス365になりますが、これによってデータの共有化や、文書作成の共同作業化、あるいは、どこでも打ち合わせに参加できるシステムなどが導入できまして、これも職員間でベストプラクティスをホームページ上で共有して、お互いにこういうことで使えるのだということで拡大しており、その仕事の連絡や、あるいは引き継ぎだなどが楽になって、早く帰らなければいけないときも早く帰れるようになったり、会議システムがなくても、パッとテレビ会議で、打ち合わせに参加できるようになったり、それから、独立行政法人ですから、様々な調査事項や問い合わせ等調べ物をする業務が発生しますが、これも一発でデータを集められるようになったりなど、非常に業務効率化に貢献していまして、このクラウドベースの業務のやり方というのは、研究開発法人でも割と新しい方で、導入に対して理化学研究所さん等からも問い合わせがきております。
 それからもう一つは、社内のネットワークの改善をしています。事業所間のネットワーク、あるいは、事業所内のネットワークについて今は、メールやインターネットテレビ会議等を全て一つの専用回線でやっていたのですが、もう少し大きな容量に拡張したいということで、これをベストエフォートのやりくりで、コストは掛けず、より大容量の通信ができるような工夫ができています。これは調布の事業所での例になりますが、こういうことで全体的にもやっていきたいと思います。
 加えて、スパコンに関しても、今、運用で5、6年目に入っていますが、これもジョブの充塡率、充足率が97%以上という、非常に高い稼働率を誇っており、航空の流体計算だけでなく、地球観測データについても昨年度に標準データの解析を300万シーン処理しています。このことから、社内のユーザの拡大ができている現状です。しかしながら、まだクラウド化やオープンイノベーションにて外の研究機関と連携するという点には、少しハードルが高い現状ですので、今の更新期間にて、外部に開かれたデータセンター型の運用ができるような新たなパソコンに更新しようと計画中です。今後ますます研究連携ができるのではないかと思っています。
 それから、最後の情報セキュリティの話は、D-55ページになります。前中期期間にも申し上げたように、どこの期間でも同様なのでしょうが、攻撃が増大かつ巧妙化している中で、一昨年、未知のウイルスの検体をする技術をJAXAがトップクラスで持っており、水平展開できていたという点で、高いレベルだという評価は専門機関からも受けていたのですが、昨年度の活動においても、情報セキュリティの専門集団でCSIRTという15人ほどのチームを組織し、そのスキルを徹底的に磨いて、さらには、人だけではなく、仕組みとしてもセキュリティセンサや、ログ分析のシステムなどを導入し、高度に検知することで、低いレベルのセキュリティ事案の発生も17年度比で半分にしております。
 最後に、やはり重要だなと考えていることが、先ほどの宇宙機全体のサイバーセキュリティの抜本的強化については、ワーキンググループを作り、制御系のシステムの様々な国際動向、国際基準などを取り入れ、ベースラインから抜本的に強くしていこうというように考えているところです。これが情報のお話です。
 それから、次がローマ数字3 の6.5の施設の整備に関する事項です。ページはD-63ページです。
 こちらは計画の柱として、事業の共通的な施設の老朽化対策をしましょうということ、及び、この国は自然災害が多いため、そのリスク縮減をすること、また、省エネをしていこうということ、もう一つは、基盤となる研究開発をしていこうというポイントがあり、評価指標はいずれも取組状況なのですが、参考として、D-64ページで、重大事故はございませんでした。加えて、事前に顕在化する前にリスクを潰していますよということで、取組が2件あり、D-68ページの真ん中ほどにあるように、耐震性に問題がある建屋の撤去をしましたよということと、既存の不適格なエレベーターがあったので、それを更新しましたというのがございます。
 また、D-64ページの省エネ基準がありますが、99.3%ということで、まだ最新データは公表されていませんで、2017年度の実績になりますが、これも5年平均で1%削減という基準は達成しています。この99.3%自体は単年度では達成しておりませんが、5年平均では達成しています。
 ここの施設・設備の項で特にお伝えしたいことは、種子島という離島で打上げという事業を行っており、これを確実にやるというJAXAの事業の特殊性に鑑みると、基盤となる発電機や送電線、浄水場等の確保というのは事業の生死を決する、死命を決するようなものであるということになります。一方で、事業自身には、投資はされますが、施設整備や更新、老朽化の優先順位はどうしても下がってしまう現状がございます。しかしながら、この事業を技術で支えるJAXAにおいては、このインフラの維持ということは何とか工夫して、最大限の使命としてやっていかなければいけないことであり、限られた資源の中で、いかに優先順位を付けて、総合的な取組をやっていくかが大事だということで、昨年度の評価をAにしているのは、これをやりましたということをお伝えしたかったということです。
 特記事項として、D-65にありますが、まずは最重要インフラであるところの高圧ケーブルですね。これは地中にありまして、老朽化しています。そういった基盤電線、電力設備の更新計画を全体として立てまして、特に打上げの成否を決する種子島と内之浦の資金確保の計画も作り、行動計画を策定しました。これによって、打上げについては、電力保全の見通しが立っているということで、全体としては、その施設・設備の老朽化更新の全体計画と、それから、インフラの長寿化ということに完全に対応できつつあるということです。
 加えて、D-65の2つ目は、2ポツのところにありますように、省エネやコスト削減の面でもESCO事業にも取組を始めました。事業の特殊性からESCOに対応できるような事例がなかなかないのですが、適当な事例として、筑波宇宙センターの中にある空調用の中央熱源機器というのがあり、これは年間で3,600万円ほど光熱水料を削減することができ、これを10年続けることによって、初期投資をすることなくESCO事業の運用が可能になります。さらに、年間でCO2も1,000トン以上は削減できるということで、かなり大きな成果が得られたと思います。
 それから、D-65の3つ目の自然災害リスクは先ほど申し上げました。2つの設備を撤去及び交換していますということです。
 最後に申し上げたいのは、D-65の4つ目で様々な研究開発を行っています。例えば(1)にあるように、標高データから危険斜面を抽出して、大雨が降ると、表面がどんどん崩壊していって、打上げのリスクが生じるというようなことを衛星データを用いて分析する技術を研究開発しています。それから、2ポツ目にあるように、測位衛星のデータを使って、建物の震災の予測をするために、現状どのぐらい被害を受けたかということを東日本大震災の影響で研究をしております。さらには、照明の研究や電力デマンドといったこともやり、社会に役立つ施設整備もするという動きをしております。
 以上でございます。

【渡邉専門職】  ありがとうございました。それでは、ただいまの項目について、順番に聞いてまいりたいと思います。
 最初、ローマ数字3 .6.3、プロジェクトマネジメント及び安全・信頼性の部分に関して、御質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。お願いします。

【白坂委員】  御説明ありがとうございます。少し教えていただきたいのですが、評価が難しい項目だと思っています。プロジェクトの活動で全て成功に導いたという点はすごく大きな成果だと思っている一方で、どのように評価するかが難しいなと思ったので質問します。まず、計画として打ち上げる8機全てが成功でない計画はおそらく事前に立ててないと思っています。評価について、Aが計画に対する120%プラスという記載があるときに、この8機を、単に成功と言われると、計画通りなので、プラスの評価がしづらい。例えばこの8機のフルサクセス、エクストラサクセスみたいな、何かもう少し違う評価の見方や、あるいは軌道上不具合件数のような、きちんと対応はできている上で、計画よりもよくなっているというような指標を示せないでしょうか。成功、失敗だけですとおそらくこれから先も指標が作りづらいような気がしたので、定量性ということを今年度から結構言われ始めているがために、ここをどうやって評価しようかと少し悩んでいます。

【JAXA(中川)】  我々もそのような定量的な指標を作ろうと、様々に努力したところですが、今、委員がおっしゃったように、例えばフルサクセスやエクストラサクセスという判断をするタイミングは、ミッションが終了する時点になってしまうのですよね。

【白坂委員】  やはりそうですよね。

【JAXA(中川)】  そうなると、例えば衛星なら5年前に打上げた衛星が、今になって初めてその成果が出るということになる。結果、我々が活動した成果としては、5年前の結果が今出てきているということになるので、タイムディレイが非常に大きくなってしまいます。なので、今ここで定義しようとしたことは、その年度に打上げて、例えば運用を始めたような衛星がその1年間において、年度においてうまくいっていたかどうかということを指標にしようかということで、D-36ページのこの表を今後フォローしていこうというふうには考えています。
 おっしゃったように、どうしてもタイムリーな結果が指標としてなかなか出ない、出にくい分野なので、そのようなやり方で、今は我々が考えた結果として、こういったものを指標として出しました。

【白坂委員】  私も難しいと思っています。計画値というのを幾つに設定できるかということを考えて、要は、Bが、基本的にはベースとなるわけですよね。では、Bという評価のときの打上げ成功率ということで、例えば過去のJAXAさんの衛星の成功率を前提にしてしまうと、かなり高い数値になってしまう。それに120%といったら、もう100%を超えるしかなくなるような数値しか出ないと思いました。なので、この成功率という数値でフォローしてしまうと、定量的にはAと言いづらくなるような気がしたので、何かそうではない指標でないときついのではないかというのが実は思ったところです。

【JAXA(中川)】  そうですね。もう少し我々も勉強させていただきたいのですが、例えばもしここが90%で、では、Bなのかと言われると、1機でも失敗したら、やはりそれなりの評価を受けると思いますので。

【白坂委員】  ですよね。毎年そうなりますよね。

【JAXA(中川)】  そうすると、スタンダードを設定するのか非常に難しいというふうに思っています。

【白坂委員】  なので、ここの成功率ではない数値でないと、評価がもしかしたらできないのではないかというのを聞いていて思ったので、今、質問させてもらいました。
 加えて、1点教えてもらいたいところがあるのですが、D-37の2番のところで、HTV搭載小型回収カプセルの例が出てきますが、ここで長時間シミュレーションをやり、追加検証が行われて、ソフトウェアの確実性が高まったと出ています。これは実際に何か不具合を見つけられたという理解でよろしいでしょうか。

【JAXA(中川)】  これは不具合を見つけたわけではなく、慣性センサのドリフト等のそういった実際の実力と、実際のソフトウェアとの適合性みたいなものが確認できないではないかということが問題として提起されまして、それに対して、実際の実力のものをソフトウェアに入れて、シミュレーションして、それでも行けるかどうかを検証思案した。結果的にはうまくいきましたが、独立評価でそういう指摘があった結果として、そのような試験をやったということをお話ししております。

【白坂委員】  分かりました。了解いたしました。ありがとうございます。

【渡邉専門職】  ほかに御質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 では、続いて、ローマ数字3 .6.4、情報システムの活用と情報セキュリティの確保について、何かございますでしょうか。ございませんでしょうか。
 では、続いて、ローマ数字3 .6.5、施設及び設備に関する事項について、御質問等ございますでしょうか。これまでの項目3つについて、もし何かあれば併せて聞いていただいても構いません。特にございませんでしょうか。
 では、次に参りたいと思います。続いて、4つの項目をまとめて、JAXAから説明いただきます。ローマ数字4 業務運営の改善・効率化に関する事項に係る措置、ローマ数字5 財務内容の改善に関する事項に係る措置、ローマ数字6 .2、人事に関する事項、ローマ数字6 .1、内部統制について御説明をお願いいたします。

【JAXA(鈴木)】  引き続き、鈴木が人事のところまで御説明いたします。
 ページでは、F-1でございます。この業務運営の効率化の計画は、3項目ありまして、中身的には4つの柱があります。価値を創出する機関として提案能力を有する機能を作るということ、効率化関係では、経費を効率化するということ、調達を合理化するということ、人件費の適正化という点でございます。
 評価軸は、いずれも取組状況になってしまいますが、F-2ページにあるように、数値目標としては、一般管理費で7年で21%以上、その他の事業費で7年で7%以上という数値が目標として掲げられており、18年度は、一般管理費でマイナス1.5%、事業費でマイナス1.1%となっております。特記事項を御覧いただくと、削減を続けていけば、それは事業が継続できないような厳しい状況になってしまうのではないか、やはり削減以外の合理化や効率化もどうするか、きちんと考えていかなければならないということを過去にも皆様から御指摘を頂いておりまして、我々も深くこれを考えているところです。
 自己評価としては、F-3ページにございますとおり、Bにしておりますが、これは全体としては国の大きな政策のリーダーシップに合わせて、機動的にJAXAの体制を変えております。それから、調達も合理化するだけでなく、産業界に力が付くような工夫を様々しております。ただ、やはり経費の削減は非常に難しいということで、Bです。
 中身は、ここに書いてありますが、まず(1)として事業の動向の変化に即応して、組織整備をしたことが2点ございます。1つ、4月に即座に行ったこととして、新事業促進部という部署は元々あったのですが、そこにミッションの創出機能を付加して、強化した結果として、これまで説明が出ていますが、J-SPARC事業をスタートさせました。成果が出たという点は、先ほども前半で御説明があったとおりです。
 それから、7月ですが、これも国際宇宙探査が国際的な盛り上がりを見せてきましたので、JAXAの中での司令塔機関として、国際宇宙探査センターを新たに発足させました。これにより、先行的な研究を様々に提案できるようにしたということが大きいと思います。
 加えて、組織だけではなく、体制的にも職員の業務の時間が100%あるとして、その20%のエフォート率をみずからのチャレンジに充てるという取組を全社的に推奨しました。個人がより高いレベルの研究開発や、より高い提案活動をしようということです。これで特に研究開発部門ではインセンティブが非常に働いて、科研費の獲得率が3倍に上がったという成果もあります。
 それから、F-3ページの(2)ですが、経費の削減についてです。これは既に第3期まで15年ありましたが、4割削減になっております。昨年度も1.5%の追加削減を一般管理費でやりましたということですが、そのためになにをしたかというと、執務室をフリーアドレス化して、備品の共有化を図った点や、電子化でコピーの数を減らした点、等血のにじむような努力です。毎年3%削減目標というのは相当限界になっていまして、一般管理自身が手薄になると、研究者に負担を掛けるということで、やはり事業にしわ寄せが起きるようなことは避けたいと思っており、先ほどの特記事項のところに御指摘もありましたとおり、何か考えなければならないということで、今中長期からは、削減目標の新しい効率化の考え方として、例えば内部管理を標準化・集約化・合理化するという方針を打ち立てて、あらゆる業務の中に埋め込まれている内部管理業務を集中化することで削減されるリソースをより高いレベルの仕事、より付加価値の高い研究開発業務にシフトするということを一つの基準にしたらどうかということを仮説として置いた上で、対象業務がどういうところであるか、ということや、測定方法があるかということも検討に着手したところです。
 それから、事業費自身の削減は、様々な施設や機器も統合して、コストダウンを図ってきております。施設のところで申し上げたESCO事業などもその取組の一環です。
 さらに、調達の合理化がF-3ページの(3)のところにありますが、これはF-5のところに表現があるように、上の表で、競争性のない随意契約が件数、金額ともに減少しており、一方、少し上のグレーのハッチがありますが、競争契約は増加していますということで、よい傾向です。ただし、その下の段の表の一者応札につきましては、様々競争環境を整備するように努力はしていますが、件数は減ったとはいえ、金額は増えてしまっています。これはやはり中長期年度の開始ということで、通常、一者しかできない事業があるわけで、そこの大きな保全契約などの契約開始と重なったため、金額が増えてしまった形になります。
 人件費の適正化につきましては、国の基準に従ってやっております。しかし、これは後で人事のところでも申し述べますが、少し人手不足の問題も大きくなっておりまして、この観点から人件費の適正化は考えるべきであるというふうに課題認識をしております。
 この御説明は以上です。
 それから、次が、財務内容の改善については、Vでございます。ページでは、G-1です。この項目は、適正に財務を運営しなさいということと、自己収入の増加というのが計画の柱でございます。
 それで、G-2からは中長期目標計画に書かれている数字を転記したものでございます。
 評価指標はG-7ページにありますが、公表をきちんとしているかという指標がありまして、2018年度の財務諸表と決算関係は既に監事、及び、会計監査人の監査を経て、無限定で適正であるという御意見を頂いていますので、主務大臣に提出済みで、これで8月頃承認いただければ公表されるということで、粛々とやっておりますので、G-8ページにありますように、Bです。
 ポイントとしては、総利益を193億円を計上しているという記載がございますが、これは利益が出ているわけではなく、収益する時期と費用化する時期がずれているだけでございまして、今年度に相殺されるものです。それから、期末残高も545億円計上しますが、これは未払い金ですので、順次支払いしていくというものです。短期借入金や不要財産、重要財産というものも計画の中にありましたが、この処分はございませんでした。また、剰余金の発生もございませんでした。
 一方、自己収入の増加については頑張っておりますが、それほど大きな目立った伸びはございませんでした。競争的資金は25億円となりまして、昨年度比で1億円ほど伸びている一方、自己収入全体は33.4億円で、昨年は39.5億円でしたので、6億円ほど減少しているように見えます。しかし、こちらは、昨年度は「ひとみ」の事故があり、その解決金が5億円、消費税の還付が1億円強あったということで、そういうものを差し引くと、前年度どおりだったというような状況です。
 さらに、努力のためにクラウドファンディングで、ワイヤレス伝送技術の支援をしていただいて、450万円ぐらい頂いたということや、あるいは、これも継続的にやっておりますが、申請に当たっては、多くの有識者から助言を頂いて、獲得できるような努力をしているところでございます。
 財務については以上です。
 それから、人事については、ローマ数字6 の2でございます。ページでは、H-4ページです。計画は、人事マネジメントをきちんとしなさい、ということ及、及び、労務環境を改善していきなさいということです。これも指標も取組状況そのものになりますが、数値の変化も本文の中では補足しております。
 H-5ページに自己評価が書いていますが、これはBです。いろんな課題があって、その検討、課題の解決の緒についているという状況なので、Bとしております。
 最大かつ喫緊の課題として、H-5の(1)に書いてあるように、やはり深刻な人的リソース不足であり、社会が求めるJAXAはより高度な専門集団にシフトしなければいけない、そのためにどうしていくかということが一つのやっていることです。
 それから、H-5の2つ目、(2)にありますが、民間事業者、すなわち産業界との交流で、宇宙航空を促進していかなければいけないので、これは人事の側面でもやっていくということです。
 そのベースラインとして、働く職員の生き生きとした姿、働きをするためにワークライフの促進をするということを計画として取り組んでいますが、そのためにまず(1)の人的リソースの問題については、まずは昨年度は中長期計画の1年目だったので、人材育成方針というものを山川新理事長の下で制定しました。これはJAXAがどのような人材を求めているかということを対外的に説明する意味からもホームページに公表しております。この中で、JAXAは専門能力だけではなくて、特に提案力を強化しますよということを示しております。
 加えて、マネジメント能力も高い人材、あるいは、ベテラン層も活躍させます。さらに、一人一人のキャリア設計もきちんと考えていきますというようなことが書いてあり、そこに必要なアクションプランを設定して、段階的に実行しているというのが昨年度の状況です。
 最大の問題は、このプロジェクトの実行に対して、人員規模が非常に不足していることでございまして、統合して15年たっていますが、230名ほど削減されています。予算規模は大体元に戻ったり、事業規模は非常に拡大していたりしているということで、最近、プロジェクトあるいは事業部門から要望を聞いところ、これは言い値になりますが、ほぼ削減した人員と同じぐらいの人数が必要だという声が出てきています。
 実際どのようにしているかというと、企業から出向に来ていただき、あるいは任期のある方を臨時的に雇うことで増員して対応していますが、現在の労働市場では、よい人がなかなか確保できないということや、技術継承ができないということで、やはり交付金の枠の中で任期の定めのない職員をどうやって確保していくかということで、国に人員増を要求するということは非常にハードルが高いですが、今は等からJAXAの技術を信頼していただいて、受託を受けることが多いので、受託費を使って、人を雇うことを始めました。しかし、それも非常に変動があり、リスクが高いということで、この場をかりて、経営課題として人事に関する事項、人手不足という点が非常に課題であるということをお伝えしておきたいと思っておりました。当然、内部業務の効率化も先ほども申し上げたとおり、相当に実施しておりまして、それをより新しい事業にシフトするということはやっている前提での話です。
 加えて、H-5の(2)の民間との交流については、これも例年になりますが、産業界からJAXAへの流れの一方方向が圧倒的に多く、実際は、現状、外部からの方が650人ぐらい来ていらっしゃっておりますが、そのうちの半分、300人ぐらいが民間からです。JAXAから産業界に行くこともどんどんやっていきたいと考えており、特にベンチャーの支援とかさせていただきたく、最近は新しい仕組みとして、クロスアポイントメントでJAXAから外に出ると枠組みを作りましたが、その枠でも3人、他の精度でも、一般の出向で3人のトータル6人ぐらいしか出ていないということで、やはり実態としては府省への派遣が36名という中、状況が変わっていないので、改善していきたいと思っています。
 ワークライフの変革は、ここに書いてありますように、保育園を自治体と一緒になって運営して、それも充足率も100%であることや、女性の採用比率も非常に向上しており、管理職比率、所属長の女性の割合も非常に高くなっているということが成果として挙げております。
 この年度は、対平成27年度で残業も20%くらい減らしています。人手不足ではあるものの、そういう効率化も果たしております。
 以上でございます。

【JAXA(中村)】  続きまして、内部統制でございます。内部統制は、ローマ数字6 .1というところでして、ページ数、H-1というところになっております。
 中長期計画で書かれておりますのは、事業を推進するに当たり、理事長のリーダーシップの下で関係法令等を遵守しつつ、合理的、効率的に事業も行うということ。そのためにPDCAサイクルを効率的に循環させて内部統制を行ってくださいということが書かれています。具体的にはということで、内部統制の基本要素を適切に実施しているか、という点について、不断の点検を行うということです。さらに、研究不正対策をしっかりと取るというようなことが中長期計画に掲げていることでございまして、それに対しての実績を書いておりますのがH-2ページでございます。
 自己評価としましては、計画どおり実施したということで、Bとさせていただいております。内部統制の点検状況でございますが、年に2回、点検をしており、理事会への報告もやってございます。研究不正のところにつきましては、チェックリストの活用や、内部監査を通じてのチェックを行っておりますし、研修というのも実施してございます。
 最後、その他について、昨年機構の元役員が収賄罪により起訴されて、実際、今、裁判をやっているという状況にございます。まだ裁判は終わってはいないわけですが、JAXAとしましては、「機構元役員による収賄事案に関する調査検証チーム」というものを設置しまして、機構自身の業務に何か問題があったのかということで、調査を実施しました。実際の業務の仕方を見直してみますと、役職員が規程類に照らして、違反する不公正な職務執行を行った事実というものは認められませんでしたが、こんな改善をした方がいいのではないかという点が見つかりました。これに対して、業務改善というものの提案し、その結果として、今、規程類の改正につなげてございます。
 更に役員向けに外部講師を招いての倫理研修等を行っているということで、今回のことをきっかけとしまして、PDCAを回して、よりよい業務の体制にしているという状況でございます。
 御説明は以上です。

【渡邉専門職】  ありがとうございました。それでは、ただいまの事項について順番に聞いていきたいと思います。
 最初、ローマ数字4 .業務運営の改善・効率化に関する事項に係る措置について、御質問等ございますでしょうか。お願いします。

【小紫委員】  外部資金獲得率が前年度の3倍になったということが一つの成果として示されていて、おもしろい、魅力ある提案がなされたということで、とてもいいことだとは思いますが、外部資金に頼らないと研究できないような状況なのか、定常的なJAXAさんの経費でこういうチャレンジなことを研究できる状況にはないのでしょうか。

【JAXA(鈴木)】  もちろん基盤的な研究費はございますが、今、国全体の流れとして、やはりそういう創造的な新しい研究は、外の資金を取りに行って、より競争的な発想でやるというのが方針だと思いますので、我々もそういう……。

【小紫委員】  大学は特にそうですが、JAXAさんまでそういうことでいいのかと思っております。

【JAXA(鈴木)】  それで更に基盤的な研究がやはり削減され、先ほどの事業費の削減の中にできてしまっております。

【小紫委員】  これが魅力的な研究もできているということと、効率化で財務的にもよくなっているということのエビデンスということですか。

【JAXA(鈴木)】  ええ。これは全体では3倍にはなっていないのですが、その研究開発部門でより研究を創造的にやる部門では3倍になったということで、これは典型的によい話だと我々自身は思っています。

【藤野委員】  済みません。関連して、基盤的な研究費というのは削減対象なのですか。確かに一般管理費は削減対象ですが。

【JAXA(鈴木)】  一般管理費とその他事業費という。

【藤野委員】  その他事業ではなくて、本来事業ですよね。

【JAXA(鈴木)】  一般管理費以外のその他の事業です。

【藤野委員】  という意味ですね。分かりました。

【渡邉専門職】  ほか、よろしいでしょうか。
 それでは、続いて、5番、財務内容の改善に関する事項に係る措置について、御質問ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 では、続いて、ローマ数字6 の2、人事に関する事項について、何かございますでしょうか。お願いします。

【藤野委員】  先日、見学に行かせていただいて、JAXAさんの人材育成の方針というので、R&D、高度の人材の専門集団にもう転向されたということを肌で感じてきましたが、一方で、定常的な業務に関しては、外部委託をされていると伺っております。例えば昨年、外部委託をしている業者において、JAXAの衛星管制業務について労災事故が起こったという判決が下ったと承知しておりますが、逆にそういった部分について、JAXAさん的には何らかの監督責任等ということは、この評価の現場に持ってくるべきなのでしょうか。

【JAXA(鈴木)】  そのような事故があり、労災認定がされたということを伺っておりまして、我々も非常に心を痛めております。実態としては、完全な請負の契約関係にございまして、JAXAから要求条件があり、それをたまたま筑波宇宙センターの中の居室を使って作業し、成果は受け取っているという構造になっております。指揮命令構造になってございませんので、労働基準法に基づく環境ではございませんでした。しかしながら、そういったサプライチェーンの中でもやはり指示が適切であったかということや、あるいは全体、宇宙事業、あるいは宇宙航空事業全体の中で役割を担っているわけなので、それも同じ敷地の中にいるのであれば、どういうふうに声を掛けていったらいいかということなど、何ができるのかということはいつも真摯に考えているところで、議論させていただいています。

【藤野委員】  そうですね。請負だとどういう具合に実現せよとは言えないものですから、少し難しいですが、逆に新聞にJAXAで労災事故と書かれると、やはり、JAXA的には相当のインパクトがありそうな気もいたしますので、どういう方向に持っていったらいいかという点は我々もあまりコメントはないものの、とはいえ、そういう意味では、最終的に外部のこういう基盤的な人材というのがやはり確保が難しくなっていると。要は、どんどん人材を減らさなければならないと。一方で、付加価値の高い仕事に職員を張り付けなければいけないと。そういうような状況の下で、定常的業務はそういうところに委託せざるを得ないという話になってきたときに、全体的な構造自身にゆがみがないかどうか、というところを不断にチェックしていただけるとありがたいと思います。

【JAXA(鈴木)】  はい。ありがとうございます。

【渡邉専門職】  ほかはよろしいでしょうか。
 では、続いて、ローマ数字6 .1、内部統制について何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。では、このパートはこれにて終了とさせていただきます。
 以上をもって、総務省と文科省の共通の評価項目は終了となります。ここで総務省の委員の方々には御退室をいただくこととなります。準備が整い次第、御退室をお願いいたします。本日は長時間ありがとうございました。
 それでは、最後の項目に参ります。ローマ数字3 .5、航空科学技術について、JAXAの方から説明をお願いいたします。

【JAXA(佐野)】  それでは、今日のラストバッターで、もう少しお付き合いください。改めまして、航空部門長を務めております佐野の方から航空科学技術の内容を御報告させていただきます。
 それでは、お手元に資料4-2という、この資料ございますでしょうか。今日、補足しているものですから、こちらをお手元に置いていただいて、まずこの説明から始めようかと思っております。C-4ページを最新のアップデートしたものです。先日、黒田委員には調布にお越しいただいて、そのときに御指摘頂いた内容の回答も含めて、このページから始めさせていただきます。
 私たち航空の三本柱、これは社会からの要請に応える研究開発、次世代を切り開く先進技術の研究開発、そして、航空産業の持続的発展につなげる基盤技術の研究開発という大きな3本の柱で進めております。
 そして、上にある赤枠でくくった社会からの要請に応える研究開発の中において、この後、資料ですぐ御説明いたしますFQUROHプロジェクト、機体の低騒音化のプロジェクトを進めてまいりました。今回の成果の一丁目一番地のテーマに当たりますが、このプロジェクトがちょうど2018年に終了したところでございます。今日はその内容を一丁目一番地に据えて、資料の中でも御説明いたします。
 それでは、早速、資料のC-5ページをお開けいただきまして、C-5ページが1枚紙になってございます。この紙をベースに御報告させていただきます。自己評価はSとしてございます。選定理由と根拠でございますが、年度目標に掲げる社会からの要請に応える研究開発、次世代を切り開く先進技術の研究開発及び航空産業の持続的発展につながる基盤技術の研究開発という、この三本柱を行い、全ての業務において目標を達成しました。その上で、空港周辺騒音低減に資する世界トップの技術獲得がなされ、航空機運航の安全性向上に関する成果の社会実装がより一層進むなど、目標以上の成果が得られたことから、特に顕著な成果を創出したと評価しています。その具体的な内容を以下で御説明いたします。
 まず1番目、社会からの要請に応える研究開発(航空環境・安全技術への取り組み)についてです。
 1つ目のポツでございます。これが航空機の機体の低騒音化技術でございます。JAXAが設計した低騒音デバイスによる航空機の主脚/フラップの騒音低減量の飛行実証データを詳細に評価した結果、欧米における機体騒音低減の実証結果を大きく上回り、過去20年間停滞してきた空港進入時の航空機騒音を大幅に下げられる画期的な成果であることを確認しました。この機体騒音低減技術を旅客機に適用すると空港進入時の騒音暴露面積、いわゆる騒音にさらされる面積をおよそ半分にすることが期待できます。この成果は、数値解析、風洞・飛行試験、それぞれにおけるJAXAの優位技術を活用した設計・実証・検証・反映という包括的なサイクルで構成される実用性の高い世界トップの低騒音化設計技術より得られたものでございます。現在、本活動で培われた音源探査技術を国内空港と連携して空港周辺騒音対策へ応用するなど、民間企業への技術移転を含めた成果展開が進められつつあるということで、次のページの補足資料のC-6ページをお開けいただいて、その様子を御説明したいと思います。先ほど申し上げた、20年来停滞しているというところは、ここのところでございます。この今回の技術を用いることで、このように停滞したものを下にシフトさせる成果が得られたというのをこのグラフが示してございます。横軸が年代、縦軸が騒音のレベルでございます。下に行くほどよいという見方です。今回のこのFQUROHプロジェクトは、下にシフトさせる効果があるということを申し上げました。
 それでは、また前のページのC-5に戻っていただけますでしょうか。
 もう一つ、特筆すべき点として、ここに音源探査技術と書きましたが、これはすぐに適用できるアウトカムでございます。先ほどの暴露面積を半分にするというのは、この技術が適用された後に期待されるアウトカムでございます。
 1.の2つ目のポツ、巡航条件を外れた飛行状態で発生し、安全な運航を阻害する原因となり得る主翼振動現象であるバフェット現象について、微少空力デバイス(Vortex Generator:VG)、通称VGによるバフェット現象抑制メカニズム数値解析技術や感圧塗料などを用いた先進的な計測技術といったJAXAの強みを生かして解明し、この現象理解に基づいて、効果的にバフェット現象を抑制できる設計技術を開発しました。これは三菱重工さんとの共同研究です。そして、このMRJのVG搭載設計にこの技術が活用され、その開発に貢献いたしました。ということで、これは明確なアウトカムと申し上げることができます。
 3つ目のポツですが、離着陸のより一層の安全性向上を目的として、JAXAと気象庁で共同開発した、成田や羽田などの国内大規模空港で実運用中の航空機に空港風情報を提供するシステムに対しまして、大幅な低コスト化に加え、世界で初めて離着陸への影響が多い上下の風情報の提供機能を付加した空港低層風情報提供システム(SOLWIN)を開発しました。これはソニック社と共同でございます。エアラインと空港の協力を得て、運用評価試験を実施し、より安定した着陸が可能になったなどの高い評価を得て、鳥取空港・庄内空港がSOLWINの継続運用を検討しています。実は鳥取空港にこのシステムを採用していただきまして、ちょうど昨日、プレスリリースをさせていただいたところでございます。加えて、パートナー企業のソニック社の事業提案が国際協力機構(JICA)に採択され、海外展開(フィリピン・マニラ空港)も予定されております。これもアウトカムでございます。
 次のポツでございます。災害救援航空機情報共有ネットワーク(D-NET)において開発した、専用端末を要さずにブラウザで情報共有できるD-NET WEBは、技術移転して、製品化され、防災機関に納入され、実利用に供されています。また、災害時の航空機運航の課題である有人機と無人機の安全かつ効率的な連携を実現する機能を開発し、愛媛県の協力を得た原子力防災訓練での運用評価において有効性が確認されました。この運用評価により、愛媛県及び内閣府と、原子力災害時等におけるD-NET活用の協定が締結されました。これもアウトカムでございます。
 1つ目の最後のポツですが、ジェットエンジンの国際共同開発において国内メーカが設計担当として参入した実績のない高温高圧要素に関して、参入を視野に入れてJAXAの研究戦略と国内ジェットエンジンメーカーの事業戦略を共有し、低NOx燃焼器及び高温高効率タービン技術実証をJAXAとメーカの共同研究開発プロジェクトとして進めることで合意しました。このアウトカムは今後でありまして、重工メーカとの我々の共同研究の成果に御期待いただきたいと思います。
 次に、C-5ページの2つ目の次世代を切り開く先進技術の研究開発についてです。世界に誇る国内の電動要素技術など、航空機技術と糾合するオープンイノベーションの手法により、抜本的なCO2排出削減が可能な電動航空機の実現と新規産業の創出を目的として、JAXAが中核となり航空機電動化コンソーシアム(ECLAIR)を立ち上げました。JAXAは、航空以外の分野を含む産学官の連携をリードし、今後の技術開発の重点化領域とロードマップを示す「将来ビジョン」を策定しました。将来ビジョンは主要メディア等を通じて広く共有され、参画機関の新規開拓促進にも貢献しました。これは初めの一歩を踏み出したところでございまして、今後の成果にまた御期待いただきたいと思います。
 C-5ページの3つ目、航空産業の持続的発展につながる基盤技術の研究開発についてです。戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)で取り組まれた自動車エンジン用燃焼解析ソフトHIINOCAにおいて、JAXAはこれまで開発してきた数値解析プログラムをベースとして、コアとなるプラットフォーム部分の開発を担当し、SIPでの高い評価を得ました。自動車業界よりJAXAの数値解析技術の研究開発能力が高く評価され、同業界からの要請を受け、SIP終了後も同業界が実施する標準解析ツール化に向けた開発に受託研究として協力することとしています。こちらも航空宇宙産業以外の自動車業界からJAXAの技術が認められたというアウトカムでございます。
 以上で御報告終わります。

【渡邉専門職】  ただいまの説明に関して、御質問等ございますでしょうか。お願いします。

【平野委員】  一番大きな成果になった航空機の騒音削減はまさにプロジェクトが終了して、今、成果をアウトカムとして示していると、そういう段階だという御説明をされていますが、これはプロジェクトのトータルで、どれぐらいの期間で、どれぐらいの資源を投資してやったものなのですか。

【JAXA(佐野)】  まず期間としては、2015年から2018年、プロジェクトとしてすすめました。

【平野委員】  では、4年間ですか。

【JAXA(佐野)】  はい。

【平野委員】  どれぐらいの費用面といいますか。

【JAXA(佐野)】  総額ですか。

【平野委員】  ええ。

【JAXA】  総額は23億円ぐらいだと思います。

【平野委員】  23億円。これはこうやって一般の商業的なアプリケーションに使われていくのだということですと、何かその費用を回収していくプランはあるのですか。それこそロイヤリティや、あるいはその他の知財の部分の使用権を含めて、この費用相当額を、今度は民間から回収したり、商業利用から回収したりするなどの計画はあるのでしょうか。あるいはそういう算段というのはあるのですか。

【JAXA(佐野)】  私の考え方で回答いたします。JAXA全体で言えることとして、まず回収という観点は、この技術をやはり航空機製造メーカさんに御採用いただいて、そして、その製造メーカさんがたくさん航空機を売っていただいて、たくさん税金を納めていただき、それが国に入るというのが一番美しいビジネスモデルだと思っています。

【平野委員】  それはそういう仕組みはできているということですか。

【JAXA(佐野)】  JAXAはもともとそういう枠組みで進めておりますし、昨年終了したエンジンのテーマもまさにそういう枠組みで、IHIさんが御採用いただいて、まだ先にはなりますが、それが売れるようになって、メーカさんが儲かる、というビジネスモデルを描いております。

【平野委員】  その蓋然性、可能性というのはどれぐらいなのでしょうか。

【JAXA(佐野)】  済みません。可能性については、重工メーカさんがその技術を採用することを決めるまで正確なことは言えません……。

【平野委員】  これは三菱重工さんですか。

【JAXA】  補足いたします。このプロジェクトは、まず日本の脚メーカである住友精密という会社、航空機メーカでは川崎重工という会社、それから、三菱重工の3社がJAXAと一緒に共同研究するという形で進めておりまして、各々のメーカで、例えば脚メーカの住友精密さんは脚の低騒音化の技術を様々なところに出しており、そういったところに適用して、これから競争的を強化していこうと考えてやっています。相当その意味では、この事業の最終的にはやっぱりコスト等に関わってきますが、我々としては、かなり可能性が高いという認識の上で進めています。ただ、100%可能になるかというのはやはり世の中のビジネスモデルに関わりますので、そこは難しいと思います。

【平野委員】  もちろんそうですが、では、ある程度そういう算段と計画はあるということですか。ここまで普及していけばという、そういうことですか。

【JAXA】  もちろんそうです。プロジェクトを始める前に、各会社さんから、この技術をこのプロジェクトが終わった後にどういうふうに使っていきますかという御意見などもきちんと頂いています。

【平野委員】  この3ポツのSOLWINについて、システム自体も、実際に地方空港で採用が始まったことや海外展開など、パートナーがいらっしゃるようですが、これもそういう形を通して、実用化されることによって、我々は何らかの収入を得るという算段にはなっているということなのですか。

【JAXA】  SOLWINについては、JAXAの持ち分と、パートナーの企業の持ち分がございます。そのパートナーが売れば、当然そのロイヤリティという形で入っているということになります。ただ、まだ今は、どちらも鳥取県の部分の試験運用が終わって、それから、実際に運用していくという形で、売っているものではないため、残念ながら、そういう意味でのロイヤリティが入っているわけでは、まだ現時点ではありません。

【平野委員】  なるほど。それから、新たに立ち上げたのがこのECLAIRですか。

【JAXA(佐野)】  そうですね。はい。

【平野委員】  これはどれぐらいの期間のプロジェクトですか。

【JAXA(佐野)】  これはプロジェクトではなく、コンソーシアム活動でございます。そのコンソーシアム活動の中に、やはり多くのメーカさんと御一緒に、この電動航空機のためにどのような技術を構築しなければいけないのかということをまずアイデンティフィケーションするところが最初のプロセスです。

【平野委員】  それをJAXAがコーディネーションをやり、主導していくという役割だということですか。と。

【JAXA(佐野)】  そうですね。我々が主導して参ります。そして、メーカさんと御一緒にすすめます。

【平野委員】  その中から具体的なテーマが出てくるということですかね。

【JAXA(佐野)】  はい。そのようにお考えいただいてよいと思います。

【平野委員】  では、今後ここが一つ、大きなテーマとして拡大していくことを期待してロンチをしたと、そういうことですね。

【JAXA(佐野)】  そう思っております。はい。

【平野委員】  分かりました。

【渡邉専門職】  ほかにございますでしょうか。

【白坂委員】  同じく最初の一丁目一番地のところを教えてもらいたいのですが、これは終わって、先ほどの脚メーカさんが商品化し、実際にこれを商品として売っていくのはどれぐらい先のイメージのものですか。

【JAXA】  現在、このプロジェクトが終わった後のフォローアップを続けていますが、将来的には三菱さんの機体に開発したものを搭載するような、そういうフェーズを始めていきます。そのため、もう少し先に具体的な商品として開発するようなプログラムが始まるということで、現在飛んでいるMRJに直接この機器をすぐに搭載するというフェーズは始まらないのですが、もうしばらくしてから、それを開始するということになると思います。

【白坂委員】  なるほど。これは先ほど何社か一緒にやっているメーカの名前も出ましたが、一緒にやった全員の知財の全部がないとできないものですか。そうではないですか。

【JAXA】  いや、違います。JAXAと三菱の知財もありますし、あるいは川崎重工単独のもの、それから、JAXA単独のものもございます。それらを組み合わせた形でいろいろ工夫して実証しております。

【白坂委員】  なるほど。何を思ったかといいますと、日本国内では、MRJさんはありますが、とはいえ、機数がそんなに大きくないときに、世界に売っていける技術なのか、ということです。要は、日本のメーカさんがこれをやった結果を商品化すると、その部品なのか、部分なのか分からないですが、その商品製造を受託して、儲けていけるものなのか、そうでないのかが少し分からなかったので、お聞きしました。

【JAXA】  そういう意味では、脚メーカの住友精密という会社は、三菱航空機さんの作っている機体のライバルメーカにも製品を納めていますので、川崎重工さんもそうですが、そういう世界展開も考えていますが。しかし、我々は基本的には国産の航空機の競争力強化というところにフォーカスはさせていただいています。

【白坂委員】  分かりました。ありがとうございます。もったいないというか、いい技術で、そこまで騒音が下がっており、このC-6を見るに、例えば世界中で空港の近くにいて騒音で困っている人たちの一部はこれで困る度合いが減るということですよね。ということを考えたときに、やはり広く売っていけるというのも人類に対する貢献としては大きいと思いました。もちろん日本の税金を使っているので、国内メーカさんが儲かるというのはもちろんある一方で、SDGsのようなものを考えていくと、やはり国として、世界に対する貢献という観点も一つあったときに、どれぐらい価値提供ができるものなのかが少し分からなくて、質問させていただいたという次第です。ありがとうございます。

【渡邉専門職】  ほかはございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、以上で本日のヒアリングは全て終了いたしました。
 最後に事務局から少し事務連絡をさせていただきます。冒頭のところでも御説明差し上げましたが、本日のヒアリングを踏まえ、御意見を記入シートの方に記入いただきまして、御提出をお願いいたします。記入シートの電子ファイルについては、昨日、事務局からお送りしておりますので、紙ではなくて、電子ファイルに書き込みたいという場合は、そちらの方を御活用ください。
 文科省については、提出期限は7月19日金曜日の17時までにお願いいたします。また、評価を行う上で必要な御質問や追加資料などの依頼がございましたら、電子メールなどにて7月12日までに事務局まで御連絡をお願いいたします。
 また、本日の参考資料をまとめて挟んでいます緑のファイルにつきましては、次回以降も使用いたしますので、お持ち帰りにならないようにお願いいたします。青のファイルにつきましては、御意見シートを記載いただく際に参照いただくという場合はお持ち帰りいただいても構いませんし、事前にお送りしています電子ファイルでよいという場合は、そのまま席上に残しておいていただければと思います。
 次回の文部科学省のJAXA部会は、8月1日13時から、文科省の18階第2会議室にて開催いたしますので、御出席いただきますようによろしくお願いいたします。
 以上で、第1回平成31年度JAXA業務実績ヒアリングを閉会いたします。本日は長時間の御対応、どうもありがとうございました。

―― 了 ――

お問合せ先

研究開発局宇宙開発利用課