国立研究開発法人審議会 日本原子力研究開発機構部会(第37回)議事録

1.日時

令和6年12月26日(木曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省東館 18階 局1会議室及びオンライン (ハイブリッド開催)

3.議題

  1. 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構の中長期目標変更について
  2. 令和7年度の主務大臣評価の進め方について
  3. その他

4.出席者

委員

山本委員(部会長)、横田委員(部会長代理)、浅沼委員、井上委員、大塚委員、小澤委員、葛西委員、横田委員
他、経済産業省国立研究開発法人審議会日本原子力研究開発機構部会委員

文部科学省

有林課長、生方補佐 他

5.議事録

【山本部会長】  それでは、時間になりましたので、ただ今より文部科学省国立研究開発法人審議会日本原子力研究開発機構部会と経産省の同じ部会との合同部会を開催させていただきます。年末のお忙しいところお集まりいただきましてありがとうございます。まず、事務局から連絡事項があるということでお願いいたします。
【瀧桐課長補佐(経済産業省事務局)】  経済産業省事務局でございます。8月から多田が原子力政策課原子力技術室長に着任しておりますので、冒頭御挨拶をさせていただければと思います。それでは、多田室長、よろしくお願いいたします。
【多田室長】  原子力技術室長の多田と申します。よろしくお願いします。8月から着任しております。経済産業省関係では先週、第7次エネルギー基本計画の原案を示させていただいたところでございますが、その中でも次世代革新炉として高速炉、高温ガス炉、これから日本原子力研究開発機構のお力を発揮していただいてプロジェクトを進めていく案件についてもしっかり書き込んでおりますので、よろしくお願いしたいと思っている次第でございます。本日はよろしくお願いします。
【山本部会長】  ありがとうございます。それでは、出欠状況につきまして、お手数ですが事務局から状況の確認をお願いできますか。
【生方課長補佐(文部科学省事務局)】  ありがとうございます。それでは、委員の御出欠についてご案内いたします。文部科学省委員は8名中6名、経産省委員は5名中3名が今の時点でご出席いただいております。両部会とも定足数を満たしております。なお、横田委員については中座される予定と伺っております。
【山本部会長】  ありがとうございます。ということで定足数を満たしているということなので、引き続き議事を進めてまいります。さて、今日は議題が2つあるのですが、議題1につきましては公開で議論ということにさせていただきまして、議題2以降につきましては業務実績に関わる評価に関する案件でありますので、運営規則の第4条第1項に則りまして非公開とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 それでは、早速ですが議題の方に入ってまいりたいと思います。お手元の資料あるいはオンラインで御参加の方はファイルをご覧いただければと思います。議題1が中長期目標の変更ということでありまして、まずは事務局から資料に基づきご説明いただきまして、その後15分ほど質疑したいと思います。それでは、説明のほどよろしくお願いいたします。
【生方課長補佐(文部科学省事務局)】  山本先生ありがとうございます。それでは、文部科学省原子力課の生方から議題1についてご説明させていただきます。今回、原子力機構の中長期目標の変更ということでございまして、資料1・2・3の方を準備してございます。まず、お手元の資料1に沿いまして御説明をさせていただきます。こちらは資料記載のとおり、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構の中長期目標について、変更の必要性が生じたため、令和6年度中に変更指示をしたいということでございます。今回、変更の内容が福島国際研究教育機構への業務移管に伴う変更、それから、研究セキュリティ・インテグリティについての追記ということでございまして、こちらは機構自らの事情で何か変更を加えるというよりは、外的な要因に基づきまして所要の変更を加えるといった性質の変更になってございます。
 まず1ポツの変更理由・内容でございます。福島国際研究教育機構への機構業務の移管に伴う変更ということでございます。こちらは復興庁所管になりますが、福島国際研究教育機構、通称F-REIと呼ばれてございます。こちらが令和5年度から発足をしたということでございまして、こちらで行う業務につきましては、令和4年3月29日に推進会議決定をされました福島国際研究教育機構基本構想の方に明記がされています。従来JAEAにおきましては、放射性物質の環境動態、それから環境モニタリングという2点の方を福島関係で実施してきたということですが、この2つの業務のうち環境動態に関する研究が福島国際研究教育機構に統合されるということで、令和4年時点で整理をされてございます。
 こちらの基本構想におきましては、令和7年4月にF-REIにこちらの業務を統合するということが決定されてございまして、この決定に基づき当該業務に係る記載を機構の中長期目標から除くために実施をするというものでございます。
 具体的な書きぶりにつきましては下の箱書きの方に変更前と後ということで整理をさせていただいてございます、変更前の方は下半分の方にございます。「具体的には」以下のところから、福島県が定める環境創造センター中長期取組方針を踏まえ、関係機関と連携しつつ、森林、河川域等の広いフィールドを対象とした放射性物質の環境動態に関する研究を行うとともに、この成果を基に放射線量の可視化及び将来予測が可能なシステムを提供、こういったものが従来JAEAの業務として記載されてございます。
 これらの業務の中から、環境動態に関する研究をF-REIに移管するということに伴いまして、変更後の方の記載でございます、下半分の赤字のところで記載をしていますが、モニタリングに関した記載に特化をするということでございまして、環境創造センターの中長期取組方針を踏まえ、避難指示区域解除や廃炉作業が進む中で、原子力発電所周辺環境等への影響評価や避難指示区域におけるモニタリングは今後より重要なものになることに鑑み、モニタリング技術最適化及び地元自治体等への情報発信等に取り組む。こういった記載の方に改めさせていただきたいと考えてございます。その他所要の文言の適正化についても反映をしているというものでございます。
 続きまして2頁目の方でございます。こちらは国立研究開発法人の機能強化に向けた取組について、こちらが令和6年3月29日に内閣府・文科省・経産省をはじめといたしました関係府省の申し合わせの方で公表されているということになってございます。こちらは国立研究開発法人におきまして様々な社会的課題への対応におきまして今後改善が必要とされる事項の方が列記されているものですが、この中の記載の一つといたしまして、近年国際的な協力関係をしっかり信頼関係の下で行っていく上でも研究セキュリティ・インテグリティの確保が非常に重要であるということでございまして、各国立研究開発法人におきましても、中長期目標・中長期計画に明確に位置付けるということがこちらの文章の方に記載されてございます。こちらに基づきまして、原子力機構の中長期目標におきましても研究セキュリティ・インテグリティに関する記載を追記したいということでございます。
 具体的な記載につきましては同じく下の箱書きの方に変更前後ということで変更点を明示してございますが、最後の部分にございます、機微技術情報の流出防止等を講じる等、研究セキュリティ・インテグリティの確保に関し、政府方針等を踏まえ適切な対応を行うということで、こちらの申し合わせに応じた記載の方を追記したいと考えてございます。こちらの内容をご確認いただきました暁にはということでございますが、今後のスケジュールということで2ポツの方に記載させていただいてございます。本日12月26日に機構部会の方でこちらの改正案についてご審議いただいた後、年明け1月30日に文部科学省の国立研究開発法人審議会、1月23日に経済産業省の国立研究開発法人審議会の開催を予定してございます。そちらもご了承いただけた暁には、関係省庁への諮問と協議ということでございまして、これらの手続を経まして年度内の中長期目標の変更指示、それから3月中の中長期計画の認可というものを予定してございます。
 資料2と3の方も配付してございますが、資料2の方は中長期目標の全体の新旧対照表ということで、細かい説明の方は割愛させていただきます。また、資料3につきましては、各中長期目標に基づきまして評価軸が求められてございますので、今回の中長期目標の変更を踏まえまして所要の修正を踏まえたものということで評価軸の変更案の方も同時に示させていただいているというものでございます。こちらについても詳細な説明は割愛させていただければと思います。事務局からの説明は以上でございます。
【山本部会長】  ご説明いただきましてどうもありがとうございました。主要な変更は2つでありまして、1つが福島国際研究教育機構、いわゆるF-REIの、業務移管に関するもので、あともう1つが研究インテグリティに関するものだという御説明だったと思います。ちなみにこのF-REIに関するものについては、こちらは主務大臣が文部科学省単独になっております。今日は合同部会ではあるのですが、F-REIの方は文科省単独だということでご留意いただければと思います。
 さて、それでは委員の方から御質問やコメントを頂ければと思いますが、いかがでしょうか。対面の御出席の方は手を挙げていただければこちらから見えておりますし、オンラインの方は挙手機能を使っていただけるとやりやすいかなと思います。よろしくお願いいたします。では、小澤委員、お願いいたします。
【小澤委員】  小澤でございます。御説明ありがとうございました。御説明の内容につきましては中長期目標の変更ということには賛成いたします。異存ございません。それで確認ですが、一つは、移管先のF-REIの活動というのは、県が主体になって引っ張っていくということでよろしいでしょうか?
【文部科学省原子力課 小林課長補佐】  原子力課の小林と申します。F-REIにつきましては福島県とももちろん協力をさせていただくことになりますが、F-REIが引っ張っていく活動になります。
【小澤委員】  ありがとうございます。ということであれば、このF-REIを通じて国と県が協力し合ってやっていくということになるので、ますます協力関係が強くなっていくということで、その辺も含めてJAEAに期待したいと思っております。これが1つ目の意見です。
 それから、変わらない部分については、福島復興の部分については、特に理解活動が例えば帰還する人にとっての帰還のしやすさだとか、除染の風評みたいなことについても強く影響すると思いますので、研究自体も含めて広報活動・理解活動にも期待したいと思っております。以上です。
【山本部会長】  (事務局に対して)何かレスポンスはありますか?
【文部科学省原子力課 小林課長補佐】  ありがとうございます。おっしゃるとおりかと思います。新しい中長期目標のところにも地元自治体等への情報発信という言葉を加えさせていただいておりまして、今後も福島県、F-REIと協力しながら理解活動も含めて実践してまいりたいと思います。
【山本部会長】  ありがとうございます。それでは、他の委員の方はいかがでしょうか。では、近藤委員、お願いいたします。
【近藤委員】  どうもありがとうございます。1点質問がございます。今回の修正案を拝見しまして、今小澤委員からも御発言があった自治体との情報共有の部分なのですが、これの目的というのはどういったことになりますでしょうか。前の時は貢献するという言葉が入っていたので割と目的が明確だったと思うのですが、今回に関しまして変更案においての目的について教えてください。
【文部科学省原子力課 小林課長補佐】  ありがとうございます。一番の目的は研究成果の発信ということになるかと思っております。三春町にコミュタン福島という情報発信の機能を持つ施設がありますが、そちらの施設等も使いながらJAEAの研究成果を発信していくということを考えております。
【近藤委員】  分かりました。ありがとうございます。情報発信自体が目的になるということだと、その先にあるものが少しぼやけてしまうかなということを懸念したので、このような質問をさせていただきました。その点も留意して今後の検討を進めていけるとよいなというふうに感じております。以上です。
【山本部会長】  ありがとうございます。他はいかがでしょうか。特に御発言はありませんかね。そういたしますと、変更内容につきましては特に大きな御異議はなかったということで、基本的にはこの事務局案で進むということをご承認いただいたというふうに受け取りました。どうもありがとうございます。そういたしますと基本的には出していただいた案で進めるということで取り組みたいと思います。事務局はそういう形でよろしいでしょうか? 何か補足がありましたらお願いいたします。
【生方課長補佐(文部科学省事務局)】  ご了承いただけるということであれば、このような形で結構かと思います。
【山本部会長】  ありがとうございます。では、そのようにお進めください。念のためなのですが、この資料1で今私が拝見しているものだと、この枠囲いの中は左側が変更前で右側が変更後になっているはずなのですが、右側の枠囲いの中の括弧の中が変更前になっていて、これはそちらの資料は直っていますか?
【生方課長補佐(文部科学省事務局)】  すみません。お手元の資料は一つ古いバージョンかもしれませんで、今最終版としては変更後に直してございます。
【山本部会長】  すみません。私が古いのを見ていたのですね。ありがとうございます。では、これはそのように進めさせていただきます。どうもありがとうございました。そういたしますと議題1はこれで終了でございまして、最初に申し上げましたように会議の公開はここまでということになりますので、委員、事務局、JAEA関係者以外の方はここでご退出いただきますようによろしくお願いいたします。少し事務局で確認がありますので、確認が終わったらお声掛けいただければと思います。
※以降の議題は非公開であるため、議事録も非公開といたします。
 
―― 了 ――

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研究開発局 原子力課