国立大学法人評価委員会(第72回) 議事録

1.日時

令和4年5月25日(水曜日)15時00分~17時00分

2.場所

WEB会議

3.議題

  1. 委員長代理の指名について
  2. 国立大学法人分科会における評価チームの編成について
  3. 第4期中期目標期間における法人評価について
  4. その他

4.出席者

委員

   大橋(徹)委員長、内部委員、大橋(隆)委員、沖委員、勝委員、熊平委員、後藤委員、小長谷委員、小林委員、近藤委員、鈴木委員、棚橋委員、原田委員、村田委員、森委員、山本委員、横田委員、渡辺委員

文部科学省

   増子高等教育局長、池田研究振興局長、森田審議官(高等教育局及び科学技術政策連携担当)、黒沼大学研究基盤整備課長、森国立大学戦略室長、廣国立大学戦略室長補佐、小川国立大学戦略室長補佐、吉田大学研究基盤整備課連携推進専門官

5.議事録

【大橋(徹)委員長】  所定の時刻になりましたので、第72回、国立大学法人評価委員会の総会を開会いたします。
 委員の皆様におかれましては、御多忙の中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。前回の書面決議にて、委員長に御選任いただきました大橋です。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 今回が第10期に入って初めての会議形式による開催となりますので、後ほど事務局から委員の方々の御紹介がございますが、まずは、議事を進めさせていただきます。
 本日は、委員長代理の指名、それから国立大学法人分科会における評価チームの編成、第4期中期目標期間における法人評価について御審議いただく予定です。
 なお、本会議は、ウェブにてリアルタイムでの公開としておりますが、その前に委員長代理を指名させていただきたく、それまでの間は、国立大学法人評価委員会運営規則に基づき、非公開といたします。
 委員長代理につきましては、国立大学法人評価委員会令の規定に基づきまして、委員長に事故があるときに、職務を代理していただくこととされており、委員長が指名することとされております。
 私としましては、第9期でもお務めいただいておりました小林委員に引き続き委員長代理をお願いいたしたいと存じますが、小林委員、よろしいでしょうか。
【小林委員長代理】  よろしくお願いいたします。
【大橋(徹)委員長】  ありがとうございます。それでは、これより会議を公開したいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【大橋(徹)委員長】  それでは、会議を公開させていただきます。
 それでは、会議は公開となりましたので、まずは私から一言御挨拶させていただきます。
 第10期国立大学法人評価委員会の委員長を務めさせていただくことになりました大橋です。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 本委員会は、各法人の中期目標、中期計画の審議のほか、6年間の中期目標期間における業務の実績の評価など、国立大学法人制度において重要な役割を担うものと考えております。
 国立大学及び大学共同利用機関は、平成16年の法人化以降、それぞれの個性や特色を生かした教育研究活動等に取り組み、各法人の強み、特色を生かした機能強化に向けて改革を行ってこられたものと承知しております。
 一方で、昨今のグローバル化や少子高齢化の進展、新型コロナウイルスの感染拡大等に伴う社会環境の急激な変化の中、各法人は、自らの改革に対する意欲を確実に形あるものとしていく必要があります。
 そのため、今年度から始まった第4期中期目標期間では、それぞれが掲げる目標、計画の実現に向けて、学長、機構長のリーダーシップの下、これまでの大学像にとどまることはなく、社会の様々なステークホルダーと関わり合いながら自立的な発展を続け、新しい価値を共創する経営体へと転換することで、我が国の社会変革を駆動し、先導する役割が期待されます。
 本委員会は、各法人が自己変革に取り組み、社会の期待にしっかりと応えられるよう、改革の進捗状況をフォローアップし、意欲的な取組を分かりやすく社会に発信していくことが使命と考えております。
 委員の皆様におかれましては、こうした本委員会の役割を十分に果たすことができるよう、実りある審議に御協力いただきますようお願い申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 続きまして、事務局から配付資料の確認、委員の紹介及び事務局の紹介をお願いいたします。
【森国立大学戦略室長】  それでは、まず、配付資料の確認をさせていただきます。
 本日の資料、議事次第の2ページ目にあります配付資料一覧がございます。資料につきまして、資料1から資料3-3まで、参考資料といたしまして、参考資料1から参考資料4までございます。資料について不足がございましたら会議中でも構いませんので、事務局のほうまでお申し出いただければと思います。
 続きまして、本日は大橋委員長をはじめ、多くの委員に御出席いただいておりますが、第10期として第1回目の総会が書面審査だったということから、改めて第10期の委員の皆様を御紹介させていただきます。
 本日の参考資料1、委員の一覧になっておりますが、参考資料1の委員名簿の順にお名前を申し上げさせていただきます。
 お時間の関係でお名前のみとさせていただきまして、誠に恐縮でございますが、皆様からの御挨拶は割愛させていただきたいと思います。
 まず、内部委員でございます。
 大橋隆哉委員でございます。
 委員長の大橋委員を飛ばしまして、沖委員でございます。
 勝委員でございます。
 熊平委員でございます。
 本日欠席でございますが、栗原委員でございます。
 後藤委員でございます。
 小長谷委員でございます。
 小林委員でございます。
 近藤委員でございます。
 鈴木委員でございます。
 棚橋委員でございます。
 原田委員でございます。
 村田委員でございます。
 森委員でございます。
 山本委員でございます。
 横田委員でございます。
 本日欠席でございますが、吉田委員でございます。
 最後に渡辺委員でございます。
 本日は栗原委員、吉田委員が所用により御欠席ということで聞いております。
 続きまして、事務局のほうを御紹介させていただきたいと思います。
 まず、池田研究振興局長でございます。
 森田大臣官房審議官でございます。
 黒沼研究振興局大学研究基盤整備課長でございます。
 なお、高等教育局長の増子は途中から参加をさせていただく予定となっているところでございます。
 最後に、本日事務局を担当させていただきます、私、国立大学法人支援課国立大学戦略室長の森でございます。どうぞよろしくお願いします。
 議事に入る前に、文部科学省を代表いたしまして、森田審議官より一言御挨拶させていただきます。お願いいたします。
【森田審議官】  高等教育局担当審議官の森田でございます。
 第10期の国立大学法人評価委員会の発足に当たりまして、事務局といたしまして、一言、御挨拶を申し上げます。
 委員の先生方におかれましては、御多忙のところ、本委員会の委員をお引き受けいただきまして、誠にありがとうございます。国立大学法人及び大学共同利用機関法人は、今年度から第4期中期目標期間が始まり、各法人は、新たな社会において自らが果たすべき役割を改めて認識し、これまで担ってきた役割にとどまらず、その機能を拡張させながら、自律的に発展していくことが期待されております。
 国といたしましても、必要な関与と法人の自主性・自律性に基づく発展を両立させるため、今年度から年度計画、年度評価を廃止するとともに、第4期の中期目標・中期計画の策定に当たっては、中期目標大綱の提示や評価指標の義務化など、新たな仕組みを導入してまいりました。
 第10期の本委員会では、先ほど会長からもございましたとおり、第3期中期目標期間の6年目終了時評価のほか、第4期中期目標期間における国立大学法人評価の実施方法等、各法人の自律的な改善、発展を促し、重要な事項について御審議をお願いすることとなります。
 委員の先生方におかれましては、大変御多用のところ恐縮でございますけれども、本委員会のために幅広く御意見いただきますよう、また、御指導賜りますようお願い申し上げまして、簡単ではございますが、期の冒頭に当たりましての御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
【森国立大学戦略室長】  事務局の紹介は以上でございます。
 
 ウェブ会議を円滑に行う観点から、インターネットでも聞きやすいようはっきり御発言いただくこと、御発言の都度お名前をおっしゃっていただくこと、御発言以外はマイクをミュートにしていただくこと、御発言に当たってはズームの手を挙げる機能を御使用いただく、またはカメラに分かりやすいように手を挙げていただくこと、資料を参照する際には資料番号やページ番号等を分かりやすくお示しいただくこと、なるべく多くの委員に御発言をいただく観点から、1回当たりの御発言を端的にしていただくことなどの配慮をいただけるとありがたく存じます。お手数をおかけしますが、御理解のほどよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
【大橋(徹)委員長】  それでは、国立大学法人分科会における評価チームの編成について御審議いただきたいと思います。
 今年度、本総会で御審議いただく事項の一つに、第3期中期目標期間の6年目終了時評価がございます。国立大学法人評価委員会国立大学法人分科会の下には、評価チームが設けられており、評価結果の原案を作成いただいております。
 今回、その評価チームの編成について御審議願います。なお、大学共同利用機関法人分科会については、評価チームを設けず、分科会として評価結果原案を作成いただくこととなっております。
 事務局から説明をお願いいたします。
【森国立大学戦略室長】  それでは、資料1を御覧いただければと思います。続き番号で3ページ目となっております。
 評価チーム編成について御審議いただきます。年度評価及び中期目標期間評価における評価の体制につきましては、委員会決定という形で決めさせていただいております。今年度から年度評価が廃止されたということに伴いまして、委員会の決定の記載を変更させていただくものでございます。
 今年度、令和4年度になりますが、今年度実施いたします第3期中期目標期間評価の6年目終了時評価につきましては、国立大学法人評価につきまして、85法人に及ぶ評価の対象ということになっておりますので、例年と同様に、国立大学法人分科会の下に評価チームを設けまして、法人からの報告書を調査・分析し、評価結果原案を作成いたします。
 なお、先ほど委員長から御発言ありましたが、大学共同利用機関法人につきましては、4法人を対象とするものでありますので、チームを設置せずに、分科会本体で評価結果原案を作成いたします。
 資料1―2に書かれておりますが、評価チームの体制等でございます。
 この記載のとおり、基本チームして8つのチームを設け、それぞれのチームに6から13の法人を担当していただきます。チーム分けにつきましては、法人の規模、特性を踏まえ、従来と同様に、次のページ、4ページ目になりますが、別紙1のような編成とさせていただいております。
 なお、今回3月に第1回の書面審査の際にお示しした大学分けから、一部の委員から、担当する予定の法人の学外委員になったとのお申出を受けまして、同規模、特性を持つAチームとBチームの間の大学間での異動がございました。
 3ページ目に戻っていただければと思います。その他(2)にありますが、専門チームでございます。附属病院につきましては、その特性から、別途専門チームを設けまして、教育研究だけではなく診療運営につきまして、病院の知見を有する委員により取組状況を確認することとしております。その観点が別紙2、5ページ目になりますが、附属病院評価専門チームということで目的と体制等を書かせていただいているところでございます。
 3ページ目に戻りますが、その他としまして、教職員や役員として在籍していた大学に含むチームの担当は外れること。また、必要に応じて、チーム間での評価の齟齬が生じるおそれがありますので、そういった場合については調整の機会を設けること。また、最後に一部の法人のみが該当しますが、「産業競争力強化法の規定による出資等に関する目標」、この中期目標期間評価につきましては、本委員会に置かれました官民イノベーションプログラム部会が行う調査・分析に基づきまして、評価チームが原案を作成することとしております。
 説明については以上でございます。よろしくお願いいたします。
【大橋(徹)委員長】  それでは、ただいまの説明に関して御意見、御質問等がありましたらどなたからでも御自由に御発言ください。
 特にないようですので、評価チームの編成については、案のとおり決定することでよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【大橋(徹)委員長】  それでは御異議ないようですので、そのようにさせていただきます。
 それでは、次の議事に移らせていただきます。
 本委員会では令和2年11月以降、国立大学法人・大学共同利用機関法人の各分科会の下に、第4期中期目標・中期計画及び評価等に関するワーキンググループを設置し、第4期中期目標期間における法人評価の実施方法等について検討を行っていただきました。
 今回、第4期中期目標期間における法人評価の基本的な方向性等について御審議いただきたいと思いますので、国立大学法人について、まず、森座長からこれまでのワーキンググループにおける検討状況について御報告をお願いいたします。
【森委員】  ワーキンググループ座長を務めております森でございます。よろしくお願いします。
 資料の2-1から2-3になるわけですが、国立大学法人の第4期中期目標・中期計画及び評価等に関するワーキンググループにおいては、第4期中期目標期間における国立大学法人評価の基本的な方向性等について審議を行いまして、先月、4月ですが、15日にワーキンググループとしての案を取りまとめました。その内容についてポイントを絞って説明いたしたいと思います。
 まず、資料の説明に入る前に、今回国立大学法人評価に関わる大きな制度改正がございました。それに若干触れさせていただきます。
 国立大学法人法の改正によりまして、第4期中期目標期間においては、評価委員会として年度評価は実施せず、4年目終了時評価及び6年目終了時評価のみを実施することとなりました。
 また、中期計画の達成状況を可視化しまして、適正な業務運営を担保するため、中期目標の下に置かれた全ての中期計画に、評価指標の設定が義務づけられております。それらを踏まえまして、6ページの資料の2を御覧いただきたいと思います。
 2ポツの評価の概要でございます。2つ目の丸に記載しておりますが、第4期からの新たな枠組みとしまして、評価指標の達成状況に重点を置いた評価を実施することとしております。また、詳しくは後ほど資料2-2で説明いたしますが、各法人からの申請に基づきまして、評価委員会が意欲的な達成水準を掲げていると認められる評価指標を、意欲的な評価指標として指定しまして、達成した場合には高く評価することとしております。
 3つ目の丸でございます。教育研究の状況についてでございますが、その特性に配慮しまして、これまでと同様に独立行政法人大学改革支援・学位授与機構に評価の実施を要請することとしております。
 続きまして、3ポツの評価の手順でございます。第4期の法人評価もこれまでと同様、各中期目標の達成状況の評価を行う項目別評価とその結果等を踏まえ、中期目標の達成状況の総合的な評価を行う全体評価により実施することとしております。
 まず、項目別評価について説明させていただきますが、評価手順のイメージとしましては、机上の資料2を用意しましたので、資料2-1と併せて御覧いただきたいと思います。
 項目別評価につきましては、①評価指標の達成状況の評価、②中期計画の達成状況の評価、③中期目標の達成状況の評価の順に行うこととしております。
 7ページを御覧ください。①の評価指標の達成状況の評価につきましては、評価指標の達成度に応じた評価を行うこととし、特に「意欲的な評価指標」につきましては、達成した場合は高く評価し、達成していない場合であっても達成に向けた取組の進捗等を確認した上で、それ以外の評価指標の達成状況と比べ、不利な結果とならないように評価することとしております。
 ②中期計画の達成状況の評価につきましては、①の評価指標の達成状況のほか、注目すべき優れた実績・成果が認められる取組等も加味して、段階別の評価を行うこととしております。ただし、その取組等よりも、あらかじめ設定いただいている評価指標の達成状況に重点を置いた評価を行うこととしております。
 ③の中期目標の達成状況の評価につきましては、②の中期計画の達成状況等に基づきまして、各中期目標の項目の単位で、達成度に応じた段階別の評価を行うこととしております。なお、中期目標に関わる重大な改善事項があると評価した場合は、最も低い評価とすることとしております。
 続いて(2)の全体評価についてですが、先ほどの中期目標の達成状況の評価を踏まえまして、各法人の特性にも配慮し、中期目標期間の業務実績の全体を記述式により評価することとしております。
 資料2-1の最後の4、その他についてでございますが、各法人の評価指標のうち可能なもの、主に定量的な評価指標を想定していますが、当該評価指標の基準となった基準値と目標値を共通の様式に整理して、それを4年目及び6年目終了時評価の際に活用することとしております。
 これは、実際に評価を行う全体会において、各法人と評価委員会とで共通認識を持つことを目的としており、具体の様式や整理の時期等については、現在、検討しているところですが、遅くても来年度、令和5年度までには整理したいと考えております。
 続きまして、8ページの資料2-2を御覧いただきたいと思います。
 本資料では、意欲的な評価指標の指定の取扱い等についてまとめております。各法人からの申請に基づきまして、評価委員会が意欲的な達成水準を掲げていると認める評価指標を意欲的な評価指標として指定することとしております。
 2ポツの意欲的な評価資料の取扱いにつきましては、先ほど資料2-1で説明させていただきましたので、3ポツの指定に当たっての基本方針について説明いたします。
 意欲的な評価指標の指定に当たっては、各法人に対し、当該評価指標が指定を受けることが相当である理由を明確に説明することを求め、その際、本ページの下部に示した2つの観点を盛り込むこととしておりますが、いずれか一方の観点でも構わないということにしております。
 1つ目は、自法人における過去の実績等にとどまらず、機能や規模等の類似する他法人の実績等と比較する客観性の観点でございます。2つ目は、新規性、先駆性、困難性の観点です。これらの観点から評価委員会において審査を厳格に行った上で、指定を行うこととしております。
 また、社会への説明責任を果たす目的から、各法人から申請のあった意欲的と考える理由等についても、公表をする予定でございます。
 9ページを御覧ください。「なお」書きのところですが、指定に当たって、例えば達成水準が第3期と同程度となっている評価指標、何らかの取組等を実施するというだけの評価指標、これらその達成水準が特に高いことが説明できないものなどにつきましては、意欲的な評価指標に指定することは適当ではないと考えております。
 続いて、4ポツの意欲的な評価指標の単位でございます。中期計画が策定される前段階では、中期計画に設定された全ての評価指標の単位で、意欲的な評価指標として指定することを想定しておりました。しかしながら、各法人の中期計画、評価指標の策定状況を勘案しまして、一部の評価指標のみの指定も可能とすることにしました。
 例えば、1つの中期計画に3つの評価指標が設定されている場合、3つ全てではなく1つのみを意欲的な評価指標に指定することも可能としております。
 資料2-2の最後でございます。5ポツの指定プロセスについて説明いたします。
 本日の評価委員会総会において、意欲的な評価指標の指定の取扱い等について審議いただいた後、6月末までに各法人から申請を受け付け、評価チーム、国立大学法人分科会、評価委員会総会での審議を経た上で、来年3月を目途に指定・公表を行う予定としております。
 資料2-3ですが、12ページでございます。この2-3はこれまで説明させていただいた資料2-1、資料2-2を1枚にまとめた資料ですので、参考にいただきたいと思います。
 なお、本日の資料は第4期の国立大学法人評価の基本的な方向性等についてまとめたものですが、具体的な評価の実施方法や評定等につきましては、今後、ワーキンググループで検討を行い、今年度中を目途に実施要領としての案を取りまとめる予定としております。
 以上、簡単ではございますが、先月15日に取りまとめましたワーキンググループの案の説明とさせていただきます。
【大橋(徹)委員長】  ありがとうございました。続きまして、大学共同利用機関法人について、小林座長から御報告をお願いいたします。
【小林委員長代理】  小林です。大学共同利用機関法人の第4期中期目標期間における法人評価の基本的な方向性等について、5月11日に開催したワーキンググループで検討し、資料3-1及び3-2に取りまとめましたが、ただいま森座長に御説明いただいた国立大学法人の方向性と基本的に同様なので、大学共同利用機関法人の特徴を考慮した点を補足する形で説明をさせていただきます。
 まず、今期の法人評価の基本的な方向性を取りまとめた資料3-1、13ページを御覧ください。2ポツ、評価の概要の2つ目の丸にあるとおり、第4期から中期計画ごとに設定された評価指標の達成状況に重点を置いた評価を実施することとし、意欲的な評価指標についても、達成した場合には指定した以外の評価指標よりも高く評価することになります。
 次の3ポツ、評価の手順についても、各中期目標の達成状況の評価を行う項目別評価と中期目標の達成状況の総合的な評価を行う全体評価により実施することにしております。
 次の14ページ、4ポツ、その他について、各評価指標については基準値と目標値を共通の様式に整理して、実際に評価を行う前段階で、法人等評価委員会で共通認識を持てるようにしたいと思っております。
 大学共同利用機関法人は4機構、17の大学共同利用機関から構成されておりますが、各機関の状況だけではなく、特に法人全体としての状況に留意しつつ、第3期の実績または現状値から、第4期の目標に向かってどの程度進展したか、あるいはどのようなプロセスを経たのかについて評価指標の状況を確認いたします。
 なお、目標値と実績値だけを比較すると、どうしてもディフェンシブな低い目標値を立てるほうが有利になることから、チャレンジングな高い目標を設定してもらうために、基準値、目標値、実績値、この3点を比較することが重要であると考えております。そのための様式や整理の時期については、来年度、令和5年度までに整理をする予定でおります。
 続いて、意欲的な評価指標の指定の取扱いをまとめた資料3-2、15ページを御覧ください。
 各法人からの申請に基づいて評価委員会が意欲的な達成水準を掲げていると認める評価指標を「意欲的な評価指標」として指定をいたします。
 3ポツ、指定に当たっての基本方針は、各法人に対して、当該評価指標が指定を受けることが相当である理由を客観的・合理的な根拠と併せて明確に説明することを求めておりますが、理由に盛り込む観点としては、1つ目は、当該法人における過去の実績にとどまらず、他の法人や同様の海外の研究機関の実績や成果、また、政府決定等に掲げる目標値と比較する客観性の観点、2つ目は、新規性、先駆性、困難性の観点を示しており、いずれか一方の観点を盛り込むことも了解をしております。
 特に各大学共同利用機関は、各分野の共同利用、共同研究を推進する中核拠点であることを踏まえて、関連分野の国際的な研究機関の状況もベンチマークとしながら活動することが重要と考えております。なお、各大学共同利用機関法人に対しては申請に当たり、組織全体としての取組を推進する評価指標であること。また、成果やアウトカムが明確な評価指標であることを考えています。
 つまり、単に論文を幾つ書いたとか、学会発表を何回したとか、何かの取組をしたとかというアウトプットではなくて、その結果としてTOP1%、あるいはTOP10、パーセンテージとなった論文比率という成果であるとか、どのような新たな発見が生まれたとか、さらには産業界にどのような波及効果があったのかというアウトカムで設定することが重要と考えております。また、装置の開発については、解像度やルミノシティなど、欧米の同様な研究機関と比べて、世界最高水準であるかどうかも意欲的な評価指標の設定基準となります。
 また、定性的な評価手法は、とりわけ先駆的な取組であることや、達成水準への到達が容易ではない、特筆すべき取組にかかるような評価指標であることについても、各法人に御留意いただくことをお願いしております。その他の基本方針については、評価委員会において厳格に審査を行うこと、各法人から申請のあった意欲的な理由等を公表すること、達成水準が3期と同程度、あるいは達成水準が特に高いということを客観的・合理的に説明できないものなどは、意欲的な評価指標に指定することは適当ではないと考えております。
 4ポツ、意欲的な評価指標の単位については、国立大学法人と同様、全ての評価指標の単位で指定するのではなく、一部の評価指標のみの指定も可能としております。
 5ポツ、指定プロセスについては、本日の総会後、6月末までに各法人からの意欲的な評価指標の申請を受け付け、大学共同利用機関法人の分科会等評価委員会総会の審議を経て、本年度3月をめどに指定・公表を行う予定としております。
 19ページの資料3-3は、3-1と3-2を概要として一枚にまとめておりますので、御参照いただければと思います。
 最後に今後のスケジュールは、具体的な評価の実施方法、評定はワーキンググループで検討を行って、今年度中をめどに実施要項としての案を取りまとめる予定でおります。
 大学共同利用機関法人に関する説明は以上です。
【大橋(徹)委員長】  ありがとうございました。それでは、ただいまの2つの御説明について、御意見、御質問等がありましたらよろしくお願いいたします。発言される方は挙手マークを押していただければと思います。よろしくお願いします。
 渡辺先生、よろしくお願いします。
【渡辺委員】  ありがとうございます。とても分かりやすい御説明ありがとうございます。
 両方の御説明について、私も初めて参加するのでよく分からない部分があって教えていただきたいと思います。
 評価する際に、当初設定した評価指標と異なる、社会状況が変化してほかのものが必要になるとか、そういうことも生じてくると思うんですけれども、それはどのように評価の時点では考慮していくんでしょうか。
【大橋(徹)委員長】  森室長、お願いします。
【森国立大学戦略室長】  事務局のほうからお答えさせていただきます。
 今回意欲的な指標に指定するための審査の対象となるのは、3月に認可をしました中期計画に紐づかれております既に設定済みの評価指標ということで、取りあえずはそれで進めさせていただきたいと思っています。
 今後、例えば指標自体を高めるとか、上方修正したいとか、そういう話が出てくると思うので、そこについては、委員会で御審議いただいて、今回の、この1年間での御審議の中では、取りあえず3月に認可を受けた評価指標から対象とさせていただくと。
 今後さらにもう少し上に上げたい場合については、翌年度以降、そういったことをやるかどうかについて、今年度中に、まず評価委員会の中で、考え方について御議論いただきたいと思っているところでございます。ありがとうございました。
【大橋(徹)委員長】  よろしいでしょうか。次に、原田先生から手が挙がっています。よろしくお願いいたします。
【原田委員】  ありがとうございます。原田です。
 全体を評価したときに、計画どおりであれば例えばBであるとか、計画を上回る達成状況であればAといったような表号みたいなものを、最終的に評価として設定するんでしょうか。
【大橋(徹)委員長】  森室長、お願いします。
【森国立大学戦略室長】  事務局のほうからお答えさせていただきます。
 先生おっしゃるとおり、AとかBといったような段階につきましては、まず、事前にそういった段階についても、評価委員会の中で御議論いただきまして、決定していくという形になると思っております。
 なお、基本的に第3期につきましては、6段階で評価をさせていただいているという形でございますので、そういったことを念頭に置きながら御議論させていただきたいと思っておるところでございます。
【原田委員】  ありがとうございました。
【大橋(徹)委員長】  ほかにいかがでしょうか。小林先生、手が挙がっていますので、小林先生どうぞ。
【小林委員長代理】  先ほど、渡辺委員の御質問に対する事務局の回答が、ちょっと音声が途切れていたので、もしかしたら重複するかもしれませんが、進めていく中で、例えば意欲的な評価指標を下方修正するということはあり得ないと思いますが、途中で達成したので、さらにチャレンジング、上に行きたいという上方修正というのは可能なのかどうか。
 それから、いろいろな状況の中で、国際競争の中で新たな視点が出てきたときに、最初の段階では意欲的な評価指標にしていなかった、あるいは評価指標にしていなかったのだけども、どうしてもそれが世界的な状況の中で、国際競争の中で必要であれば、新たな意欲的な評価指標というのを追加したいということは可能なのかどうか、この2点について、事務局にお尋ねできればと思います。
【森国立大学戦略室長】  お答えさせていただきます。事務局でございます。
 上方修正については今後の議論ということになりますが、そういったことも可能になるかどうかについては、委員会での決定ということになりますが、そういった声は幾つかの大学から既に来ておりますので、その観点は必要だと思っております。
 一方で、例えば、もう達成できそうだし、これはもう少し高くても何とかいきそうだな、というところをどの時点まで認めていくか、というところは、御議論があると思っております。この指標が達成できているかどうかの途中段階の評価、4年目までの評価ということにまずはなりますので、その近くになってこれは到達しそうなので変えたいといったところをどこまで認めていくかというのは、委員会のほうで御議論いただく必要があるかなと思っています。ある程度の時間軸を限定していくということも必要かと思っているところでございます。
 あとは、新たに様々な視点で指標がこれは意欲的になる、該当するんじゃないかということが、大学側のほうからもそういった声が上がってくる場合もありますので、そこも含めて上方修正の考え方と同様に、委員会のほうで、この1年間でしょうけども、御議論いただくということが必要かなと思っているところでございます。
 少し曖昧な答え方ですけども、委員会のほうで、その観点は審議いただきたいなと思っているところでございます。ありがとうございます。
【小林委員長代理】  ありがとうございます。
【大橋(徹)委員長】  次は棚橋委員から手が挙がっています。棚橋さんどうぞ。
【棚橋委員】  ありがとうございます。御説明よく分かりました。
 それで、今後この意欲的な評価指標の指定というのを行っていくと理解しましたけれども、そもそもどの程度のものが指標として指定されることになるのか、意欲的ですね。今回の御説明とかペーパーの文字を見ると、結構厳しい、割と厳格な指定になるのではないかと理解しているんですけれども、それでよろしいのかということと、大学は数多いですから、もちろん大学によってというのはあると思いますけれども、大学によって大体これぐらいの個数というんですかね、そういうのを何となく想定されているのかどうかということですね。この辺りをお聞かせいただきたいということと、もう一つですけれども、意欲的な評価となると、その数値を達成したかどうかというゼロイチはもちろん出てくると思うんですけれども、それに近いところに行ったとか、そういったところというのが最終的な評価点も勘案されるのかなと思っていました。そういう理解でよろしいのかということで、以上、ちょっと複数にわたりましたけれども、よろしくお願いいたします。
【大橋(徹)委員長】  事務局のほうからお願いします。
【森国立大学戦略室長】  事務局のほうからお答えいたします。
 今回の指標、意欲的な指標と指定を受けるということになれば、達成すればより高く評価を受けるということ、満たしていない場合についても取組の改善状況を確認できた場合に、不利な結果にならないということで、意欲的な指標になるか、ならないかというのが重要になってくるということでございます。
 我々としては、全ての大学が意欲的な指標を、指定を受けるということまでは考えておらず、かなり限定的に意欲的な指標を指定していくということでございます。
 ちなみに指標そのものにつきましては、今回大学法人だけですと5,000の指標がございます。80あまりの法人でございますので、1法人当たり大体60個とかそのぐらいが指標として設定しているというところでございます。
 どの程度かというのがなかなか難しいんですけども、相当厳しくなると。これになった場合については、相当高く評価されるということがあるということから、やはり公平性の観点から、指標はそれなりの評価を、審査をさせていただくということを考えているということ。大学から指標としてふさわしいんじゃないかということで申請があったものについても、基本的には今の段階では公表もしていきたいと思っておりますので、そういう意味では、社会への説明責任も大学側にもお願いしたいなと思っているところでございます。
 あとぎりぎり、98%までは行ったんだけどというときに、どこまで救うかということについては、御議論があるかなと思っています。なかなか難しいのは98ならいいけど、97ならどうだとかそういった刻みの話になってしまいますので、そこの辺については、評価委員会のワーキングのほうでも御議論いただきながら、実際にどういう段階で評価をしていくのか、達成していたら丸なのか、そうじゃなければ完全にバツなのかということについては御議論いただきたいなと思っているところでございますので、引き続きそこは御議論させていただければと思っています。ありがとうございました。
【大橋(徹)委員長】  よろしいでしょうか。次は、沖委員から手が挙がっております。沖委員、どうぞよろしくお願いします。
【沖委員】  沖でございます。御説明ありがとうございました。
 意欲的な評価指標として指定という、非常に我々としては面白い観点かなと拝見させていただいたんですけれども、意欲的な達成水準等を掲げている、これを認めるというのは質的にとなりますと、どの辺のところを考えてかというのが、ちょっとイメージが湧かない。一つは非常に達成の難易度が高いという、ハードルが高いという、あるいは外部からのニーズが非常に高いとか、何か具体的な項目等々がもしあれば少し参考に教えていただきたいと思いますが。
【大橋(徹)委員長】  事務局、お願いします。
【森国立大学戦略室長】  ありがとうございます。今現在、私たちのほうで答えられるというのが資料2-2とか資料3-2に書かれています、指定に当たっての基本方針に書かれています、自法人における取組の実績、それによる成果にとどまらず、類似する法人との取組の比較、そういったもので高い指標を掲げているのかとか、あとは新規性、先駆性、達成困難性を大学に説明してもらうとか、そういったことで、我々の審査の中で御議論いただくということに現時点ではなっております。
 ただ、そこの辺については、大学も様々なものが出てくる可能性がありますので、審査のときに相当困ると思いますので、基本的な考え方みたいについては、少し整理させていただきたいなと思っておりますので、なかなか様々な指標がそれぞれの法人で個別に設定しておりますので、こういったもので基準的に設けるというのがなかなか難しいんですが、なるべく先生方が困らないような形にさせていただきたいなと思っております。ありがとうございました。
【沖委員】  ありがとうございました。
【大橋(徹)委員長】  次は内部委員から手が挙がっております。内部委員、よろしくお願いいたします。
【内部委員】  内部です。よろしくお願いいたします。おおむね私もこのとおりでいいと思っています。
 基本的には、意欲的なものを達成するためには無理という言葉が不適切だと、負荷をかなりかけなければ達成できないんだとは思っております。ただ、負荷をかけ過ぎる、要は無謀にならないようなという、ある意味アクセルをかなり吹かさないといけないんですけれども、ちょっとしたブレーキというのも必要ではないかなと思います。
 意欲的な取組であればあるほど、高い倫理観であったり使命感というものが求められると思いますので、評価に当たっても、無謀ではないというところもちょっと評価していただければありがたいなと思っております。
 以上です。
【大橋(徹)委員長】  事務局のほうで何かありますか。
【森国立大学戦略室長】  内部先生、ありがとうございました。事務局でございます。今の先生の御意見につきましては、おっしゃるとおりでございますので、今後、委員会のほうで御審議いただくときに、そういった観点もしっかり見れるような形、どこまで見れるか難しいところありますけども、留意したいと思っております。ありがとうございました。
【大橋(徹)委員長】  ありがとうございます。続きまして、勝委員から手が挙がっているようです。勝委員、よろしくお願いします。
【勝委員】  ありがとうございます。今回の原案、非常によくまとまっていると思います。
 この意欲的な評価指標の指定について、やはりこの評価委員会の責任が非常に重いということはよく理解できたんですが、ただ、今回のペーパーで合理的な根拠とともに明確な説明というものがあるということで、評価委員会としても、分かりやすく社会に対してこれが意欲的な評価なんだということを説明しやすくなったのではないかなと思います。
 その下で、今までの議論を聞いて1点質問なんですけれども、6段階で評価するということで、その意欲的な評価指標の評価については、ある程度その質の部分でも、満たしていない場合でも、達成に向けた取組の改善というところで評価していくということなんですが、その6段階については、この意欲的な指標とその他の指標が、先ほどかなりたくさんあるという話がありましたけれども、そこの部分では、段階的な評価についての定義みたいなものは異なったものと理解していいのか、もし、これからまた議論するということなのかもしれないんですけれども、その辺の方向性について、もし何かあれば教えていただければと思います。
 以上でございます。
【大橋(徹)委員長】  事務局、お願いします。
【森国立大学戦略室長】  ありがとうございます。現時点で言えるというか、我々が今考えていることぐらいしか言えないんですけども、おっしゃるとおりに意欲的な指標とそうじゃない指標の達成したときの段階、私が先ほど申した6段階というのは、中期目標の達成のレベルが6段階とかに積み上げているんですけども、もしくは指標のほうの達成度についてはそこまで細かくしないで、閾値を細かくしない設定というのはあるかなと思っています。
 その際には例えば点数づけみたいな形で、意欲的な指標が達成すれば何点、もしかして意欲的な指標じゃないところが達成した場合も何点、その差がやはり差が出てくるとか、意欲的な指標でさらに改善状況が確認できて、達成できなかったとしても何点という点数づけで分けさせていただくということも一つの案かなと思っていますので、委員会のほうでそういったものを御提示いただきながら、御議論を進めさせていただきたいと思っております。すいません、今言えるのはこのぐらいで申し訳ございません。
【勝委員】  ありがとうございます。
【大橋(徹)委員長】  ほかに御質問、御意見ございますでしょうか。
 小林先生、手が挙がっています。
【小林委員長代理】  個人的な意見になりますが、例えば現状が50として、目標値を70と言って75になったらば、これはすばらしい。でも現状50で目標80といって、75までしか達成できなかったらこれは駄目。こういうふうにしてしまうと、みんながみんなディフェンシブに、先ほど申し上げましたが、低い目標値を立てたほうが有利ということになってしまうと思います。
 したがって、やはり重要なのは現状とそれから目標と実績、その3点を比較することが重要で、その現状がどれくらい伸びた、あるいはその75というのが80という目標には達しなかったけども、それは世界最高水準になる。ヨーロッパやアメリカの同様な施設に比べても優れている、それはやはり評価してもいいのではないかと思います。
 あるいは70という目標を低めに設定して75だったけども、それは超えたけど、それは世界の水準から比べるとはるかに劣っている、これでは評価はいかがなものかと。したがって、単に目標達成を、超えたか超えないかというだけでやると、これは永遠にチャレンジングなものが出てきづらくなると思うのです。ですから、その辺はやはり慎重に見ていく必要があると。まず単に目標を超えたか超えないかだけではなくて、同様な研究施設は世界中にありますから、そことの比較という、これは大学共同利用機関法人についてですが、やはりそこは重要な視点になると思っております。
【大橋(徹)委員長】  よろしいでしょうか。次、熊平委員から手が挙がっています。熊平委員、どうぞよろしくお願いいたします。
【熊平委員】  ありがとうございます。チャレンジングな目標が設定される意欲的な評価指標は、大変貴重な新しい取組であると思います。
 企業では、こういったチャレンジングな目標を掲げることによって、人々の潜在能力がさらに伸びる可能性が高まることを前提に、高い目標を設定するムーンショット目標と呼ばれるものがあります。この考え方に通ずる目標設定だと思います。
 しかし、一方で、目標を設定しますと、意欲だけの問題ではなくて、目標が、評価の指標につながるため、特別な配慮が必要になります。
 ムーンショット目標では、7割達成すればよい、現実的なと目標レベルが7割と捉え、プラスアルファの30%を上乗せする目標を設定するという考え方で目標を決めています。ムーンショット目標があることで、不可能に挑戦していくとモチベーションが高まりますが、ムーンショット目標は、それ自体が評価の対象ではありません。したがって、ムーンショット目標では、7割達成したら十分であるという評価になります。
同様に、意欲的な評価指標についても、どのあたりを現実的な目標レベルと捉えるのかを明らかにし、運用していくことが大切であろうと考えます。その辺り今後の検討内容になってくると思いますけども、ぜひ皆さんのモチベーションが上がり、そして、皆さんの成果がより大きくなっていくような前向きな指標になるように、目標設定のあり方を検討していただければと思います。よろしくお願いいたします。
 以上です。
【大橋(徹)委員長】  何か補足ありますか。
【森国立大学戦略室長】  事務局でございます。ありがとうございました。
 企業の状況というのも非常に我々としても参考になるという状況でございます。実はなかなか難しいのは、指標そのものは3月に中期計画の中の一部として認可を既に終わっておりまして、実際に大学にはその認可する前には意欲的な指標というのはつくりますよと、達成した場合、高く評価しますよと、そういったところで意欲的、挑戦的な目標設定をしてください、指標設定してくださいねとお願いはしていたところでございます。
 ただ今回、やはり大学側に立つと、なかなかそこはリスクを取りにくかったというところがあって、達成が可能かどうかという観点を、いの一番に考えている大学が多いというのが個人的な印象でございます。そういう意味で、今後上方修正も含めて各大学にそういった形で促していくと。そういった際にはやはり通常であるとこのぐらいだけども、やはりチャレンジング、挑戦的に先ほど企業であると3割ぐらいさらに上乗せするということですけれども、そのぐらいのことを大学としても説明していただいて、今後そういったものを追加で何かしていくということも検討できるんじゃないかなと思っているところでございます。ありがとうございました。
【大橋(徹)委員長】  次、山本委員から手が挙がっております。山本委員、どうぞよろしくお願いします。
【山本委員】  意欲的な目標を設定するのはいいのですけども、それによって組織がぎくしゃくしてしまう、ということは避けていただきたい。そのためには意欲的な目標に設定した理由だけでなく、実現可能性といったものも認定に当たっては必要かなと思います。
 もう一点、やはり意欲的な目標を達成するには、どうしてもお金がある程度かかるのはやむを得ないと思うんですけども、その点、自己資金でというか、自助努力でやりなさいということになるのでしょうか。あるいは意欲的な目標が設定された場合は、ある程度運営交付金等で色をつけるとか、そういうことはないのでしょうか、その辺ちょっとお聞きしたいと思います。
【大橋(徹)委員長】  事務局お願いします。
【森国立大学戦略室長】  事務局でございます。ありがとうございます。
 先生おっしゃるとおり、かなり無理な目標を設定するということで学内がぎくしゃくしてしまう可能性がありますので、そういった意味では、大学の中で意思決定した上で申請があったものについて、我々として厳格に審査していくという過程を取りたいと思っています。もちろん大学・法人には、3月の中期計画をつくるまでの間には意欲的な指標を設定すれば高く評価されますよということをお伝えしておりますが、その設定自体は最終的には大学の判断で、高さのレベルを設定していただくというところでございます。
 あと、お金につきましては、現時点では国立大学法人評価と予算については基本的には連動させない形、多くが連動させない形になっておりますので、意欲的な指標の達成状況のみをもって何らかの形で予算的な措置というところまでは、現時点ではちょっと考えていないというところでございます。
【大橋(徹)委員長】  よろしいでしょうか。じゃあ次は鈴木委員から手が挙がっております。鈴木委員、よろしくお願いします。
【鈴木委員】  鈴木です。ありがとうございます。
 今御説明いただきましたように、内容的には私はこれで大丈夫だと思います。ただ、1点ありますのは、かなり多くの指標が出ている中で、各大学の中においても複数出てきたときに、それが偏ってしまって、例えば20あった中の1つだけそこだけに集中した場合、収拾がつかないような状況が発生するのではないかと感じています。
 そういう意味で意欲的なものをするときの自分たちがつくった目標、どの程度のものを意欲的なところまで持っていくのか。例えば意欲的にできたものが2つあって、あと残り18はできていませんでは、多分評価としては厳しいものが出てくると思いますので、その辺のところも審査の段階ではぜひ検討いただきたいと思います。
 以上です。
【森国立大学戦略室長】  ありがとうございます。事務局でございます。
 今のお話は評価する上での部分も含めて、今後委員会のほうで御議論いただきたいと思っております。ありがとうございます。
【大橋(徹)委員長】  ありがとうございます。次は後藤委員から手が挙がっております。後藤委員、よろしくお願いします。
【後藤委員】  後藤です。どうぞよろしくお願いいたします。
 ちょっと私自身もその意欲的な評価の項目の具体的なものを見ていないので、ちょっと質問になってしまうんですけれども、すごくハイレベルな目標を立てるところとさっき言ったようにセーブしたところを出すというところもあって、開示されるとなると、当然ちょっとコンサバになっちゃうと思うんですよね。
 それで例えば普通内部的にはすごくストレッチした目標と、普通はここに行くよねという目標と、絶対ここは死守したいという目標と多分3段階ぐらい作って、じゃあどれを開示するという流れになるのかなと思うんですけども、その3段階を最初からちゃんと開示させてあげるとか、最初から基本はここなんだけど、もっとストレッチしてここも頑張りたいんですとか、何かそういう最初から大学のほうで3段階ぐらいを申請して、基本自分で決めると。要はこちらで8割だったらいいんじゃないとか、7割だったらいいんじゃないって忖度するんじゃなくて、彼らから段階をつけて目標設定させるということもありなのかなと思ったんですけど、そういうところはどうなんでしょうか。
【大橋(徹)委員長】  事務局お願いします。
【森国立大学戦略室長】  ありがとうございます。指標というもの自体は既に大学のほうで設定済みのものでございます。そこから意欲的な指標となるものがどれかについて、大学から再度これが意欲的な指標に該当すると思います、というのを出していくので、最初から3段階とかそういう段階が既に指標を設定する段階、これは3月までになるんですけども、その段階で既に大学としてはかなり御議論いただいているかと思っています。
 学内で御議論するときに、これはもうぎりぎり達成するけども、こっちはチャレンジングな指標として設定しようという御議論、十分学内で相当議論した上で、中期計画の中の評価指標として設定されているものと我々としては解釈しておりますので、その議論を経てこれはチャレンジングで相当高いんだと大学で思っているものを、我々としては今回申請いただけるものと考えているところでございます。ありがとうございます。
【後藤委員】  分かりました。実際のときにまた検討させていただきます。
【大橋(徹)委員長】  次、小長谷委員から手が挙がっていますので、よろしくお願いします。
【小長谷委員】  ありがとうございます。ちょっと聞き漏らしたかもしれないんですけれども、普通の目標ではなくて意欲的な指標を掲げて、認定されて、達成したときに、各大学側にとってメリットというのはどういう点でしょうか。すでにプログラムがちゃんとあるんでしょうか。それとも何となく、まだ約束はできないようなものなんでしょうか。そこを教えてください。
【森国立大学戦略室長】  ありがとうございます。事務局のほうからまた御説明させていきます。
 これ自身は国立大学法人評価の中の一部の仕組みということでございますので、この評価指標の達成状況に応じて、評価指標が達成できているかどうかのそれを踏まえた上で、今度は中期計画の達成状況を見ます。中期計画の達成状況を踏まえて、今度は中期目標の達成状況ということなので、国立大学法人評価のほうに影響が出てくると。より高く最終的に評価されるということの一つの要因になる可能性はございます。
 今のところ考えているのは、法人評価だけの中でクローズされる形ということで考えているところでございます。ありがとうございました。
【小長谷委員】  ありがとうございました。
【大橋(徹)委員長】  ありがとうございます。次は近藤委員から手が挙がっております。
 近藤委員、よろしくお願いします。
【近藤委員】  御指名ありがとうございます。近藤です。
 私も、森座長から先ほど御報告がありましたように、国立大学法人のワーキングに出ております。今年の4月の15日に第6回のワーキング、その結果を踏まえて、森座長から先ほど御説明があったと思います。
 そこで幾つかの議論があった中で、今日も議論がありましたが意欲的なという部分に関してはイメージしにくい、初めてのことですから非常にイメージしにくいわけですね。
 国立大学法人のいわゆる評価の中では、今度は4期になるわけですけど、これまでに蓄積があって、毎年度評価の場合にはいわゆる特筆すべき事項等、毎年数件のそういう特筆すべき項目に対しての部分を報告してまいりました。恐らくそういうものが、意欲的なものの一つになるのかなと個人的にはイメージしています。
 ただ、6月の末に各大学法人のほうから出されますので、それにかなり依存するという話が多かったと思います。そういう中で、小林委員のところも同じだと思いますけども、それぞれのワーキングの中ではシミュレーション、段階評価で数字上の評価項目とそれから意欲的な場合はどうするかという点数化しながらのシミュレーションも幾つかやっていったんですけども、なかなか最終的にどうするかということは現実的な項目を見ないとできないだろうという形で、幾つかの受皿を用意しながら、6月末を待ってという形に、実際にはなるのかなという気がしております。
 それから、1点気をつけていただきたいのは、意欲的な評価というのができたはいいが、それが4年目、6年目で果たして達成できるかどうかということ、小林座長のほうからも心配があったと思います。
 そのためには、今回年度評価がなくなりますので、年度ごとのある程度チェックをしないと、いきなり4年目、6年目に最終的なところでできた、できないという判断というのは非常に難しいだろう。その辺も含めた議論もワーキングの中ではございました。
 ですから、全体的には、いろんな想定をしながらワーキングが動いてきたんだと認識しております。そして、今回この評価委員会総会の中で結論が出ましたら、その後6月末の各法人からの意欲的な部分に関して、具体的な作業をワーキング等のほうで進めるのかなと思っています。私からは質問というよりも感想として、発言させていただきました。
【大橋(徹)委員長】  事務局から何かありますか。
【森国立大学戦略室長】  6月以降に先生方にまた具体的に出てきた段階で、作業いただく先生方には御相談させていただきながら、実際に御審議いただきたいなと思っていますので、よろしくお願いいたします。
【大橋(徹)委員長】  ほかには御意見とか御質問等がございますでしょうか。
 村田委員から御質問、手が挙がっております。村田委員、よろしくお願いします。
【村田委員】  ありがとうございます。今、最後の近藤委員の御意見と事務局のお答えで、まあまあそれでいいのかなと思うようになったんですが、特に意欲的な指標は賭けといいましょうか、うまくいくときはうまくいくんだろうが、失敗するとちょっとどうなんだろうと。特に、場合によっては、本当に意欲的、しかし達成不可能な指標、かなり冒険的な指標といいましょうか、掲げてもそれが達成できなくてもある程度評価してもらえるんじゃないかみたいな形になってもいけないので、やはりいきなり4年での評価じゃなくて、まずやってみて1年目、2年目、そこを見ながら修正、評価の在り方そのものを修正していかないといけないのではないかなと思うんです。もちろんどういう指標が出てきたかにも依存するんですが、まず、その達成状況を少し見ながら、評価の仕方も、今、はやりの言葉で言うとアジャイルな仕方でやっていかないと、ちょっとこれなかなか難しいかな。今日皆さんの御議論、そこに集中しているんじゃないかと思いましたので、その点も考えていただければと思います。
【大橋(徹)委員長】  事務局、よろしいですか。
【森国立大学戦略室長】  事務局でございます。ありがとうございます。
 実際にどういった形のものが出てきて、それが4年後までどうなるかというのが分からないというのは我々もちょっと心配ではあります。ただ年度評価もやらないものですから、基本的には大学との間でそういったやり取りが基本は毎年度持つという形は、今のところ想定はしていないんですけども、達成状況、どのようなフォローアップできるかについては、しっかり事務局のほうで一回議論した上で、評価委員会のほうにも御相談させていただきたいと思います。ありがとうございます。
【大橋(徹)委員長】  ほかにございますでしょうか。
 手が挙がっています。横田委員。
【横田委員】  コメントさせていただきます。よろしいでしょうか、横田と申します。よろしいですか。
【大橋(徹)委員長】  横田委員、どうぞ。
【横田委員】  ありがとうございます。今回から参加させていただいています横田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 私のほうもこの4月のワーキンググループのほうに参加しておりまして、各大学の評価には関わらないのですけれども、評価指標の議論にも関わりましたので、先生方の意見、非常に今後の議論に生かさせていただきたいなと勉強させていただきます。
 私自身は、独立行政法人の評価のほうで各法人さんの評価にも関わっていて、非常に横並びで、どう方針を見ていくかというのを重視しながら、そちらの委員会も関わっているんですけれども、今回の意欲的な指標、皆さん御関心が高いところですけれども、恐らくトレンドであり、同類型の法人さんの中での特徴の差というところも出てくると勝手に期待をしておりますので、先生方が各ジャンルで分かれて置かれるということなんですが、その中での目線合わせというのも必要になってくるのであろうなとお伺いしておりました。
 以上でございます。感想のみになります。
【大橋(徹)委員長】  ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか、よろしいでしょうか。
 いろいろと御議論、御意見頂戴いたしまして、ありがとうございます。ただいまいただいた御意見については、今後の進め方の中でいろいろと織り込んでいくということで参考にさせていただくということになると思いますが、基本的には、第4期の中期目標期間における法人評価の基本的な方向性等については、案の方向とずれていないんじゃないかと思います。そういう意味で、この案のとおりで決定するということでいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。それでは、そのようにさせていただきたいと思います。
 本日の議事は以上となります。最後に、今後の日程等につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
【森国立大学戦略室長】  本日御議論いただきました基本的な方向性につきましては、既に4月のワーキングで御議論いただいた段階で各大学には事前準備もありますので、事前通知をさせていただいているところでございますが、本日の御審議いただいている資料1から、資料2-1から資料3-3までにつきましては、この内容につきまして、法人に正式に通知をさせていただきたいと思います。
 また、今年度の評価委員会での御作業のうち、第3期の中期目標期間評価、6年目終了時評価と意欲的な評価指標の指定につきましては、今後、評価チーム会議、国立大学法人分科会及び大学共同利用機関法人分科会、これらの御議論を経た上で、本総会で御審議いただく予定となっているところでございます。
 次回の会議につきましては、追って日程調整をさせていただく予定となっておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。それでは、お返しいたします。
【大橋(徹)委員長】  それでは、本日の総会を終了いたします。
 本日はどうも御出席いただきまして、ありがとうございました。これにて終了します。
 
―― 了 ――
 

 

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