令和8年9月15日(火曜日)15時00分~17時00分
ハイブリッド(対面・Web)開催
橋本委員長、伊東委員、植木委員、内部委員、江川委員、折茂委員、栗原委員、小長谷委員、高濱委員、蓼沼委員、谷本委員、塚本委員、濱田委員、東委員、堀田委員、横田委員、若目田委員、渡辺委員
合田高等教育局長、浅野研究振興局長、堀野文教施設企画・防災部長、伊藤審議官、大土井審議官、生田審議官、春山高等教育企画課長、南野国立大学法人支援課長、石田大学研究基盤整備課長、廣田計画課長、斉藤国立大学法人支援課企画官、
浦田国立大学戦略室長、若林教員養成企画室長、早川大学病院支援室長、早田整備計画室長
国立大学法人等の組織及び業務全般の見直し等に関するワーキンググループ 大野座長
【橋本委員長】 それでは、所定の時刻になりましたので、第82回国立大学法人評価委員会総会を開会いたします。委員の皆様方におかれましては、御多忙の中、御出席賜り誠にありがとうございます。
本日は、国立大学法人等の組織及び業務全般の見直し、国立大学法人等の第5期中期目標・中期計画、国立大学法人等の第5期中期目標・中期計画及び評価等に関するワーキンググループの設置についての御審議と、「第5期中期目標期間における国立大学法人運営費交付金の在り方に関する中間まとめ」及び「国立大学法人等人事給与マネジメント改革に関する参考事例集」についての報告をいただく予定です。委員の皆様方におかれましては円滑な会議運営に御協力いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
また、本日は、国立大学法人等の組織及び業務全般の見直し等に関するワーキンググループの大野英男座長にも、ワーキンググループにおける御議論の状況につきまして補足いただく観点から御出席をいただいております。御多忙の中、御出席をいただきまして誠にありがとうございます。ぜひワーキンググループにおける御議論も踏まえた御知見をいただけますと幸いでございます。
それでは、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。
【事務局】 失礼いたします。配付資料の確認に先立ちまして、本日の委員の出席状況についてお知らせをいたします。本日は、曄道委員、濱中委員から御欠席の連絡をいただいてございます。
それでは、配付資料の確認をさせていただきます。
配付資料につきましては、お配りをしております議事次第の後ろに一覧をつけさせていただいてございます。資料については、大変大部になってございますけれども、資料1ー1から資料9ー3まで、それから、参考資料1から参考資料7まで、配付資料の一覧に記載のとおりお配りをさせていただいてございます。資料につきまして不足等ございましたら、事務局のほうにお知らせをいただければと思います。
【橋本委員長】 それでは、議事に移ります。はじめに、国立大学法人等の組織及び業務全般の見直しにつきまして御審議をいただきたいと思います。
それでは、まず、国立大学法人等の組織及び業務全般の見直し等に関するワーキンググループの大野座長から、ワーキンググループにおける御議論の状況につきまして御発言をお願いいたします。
【大野WG座長】 それでは、発言をさせていただきます。国立大学法人等の組織及び業務全般の見直し等に関するワーキンググループ、そこでは、昨年の11月に設置以来、5つのグループに分かれて全85法人のヒアリング・意見交換を行うとともに、ワーキンググループ全体でも3回にわたり議論をしてまいりました。
これらを通じて、各法人の組織及び業務全般の見直しに当たり、国立大学法人評価委員会として示すべき視点を取りまとめさせていただきました。
各法人とのヒアリング意見交換では、2040年を見据えた各法人のミッションと機能強化の方向性、その実現に向けた教育研究の高度化や組織の見直し、そしてそれを支える財務・人事戦略とマネジメント体制などについて、学長、機構長などから率直なお考えを伺いました。まず、ミッションを明確にし、その実現に必要な組織や運営の在り方を考えるという視点を大切にして議論をしてまいりました。また、ワーキンググループ全体の議論では、国立大学協会からも意見を聴取し、第5期に向けた国立大学の将来像についてもお考えを伺いました。
検討結果の全体像に関しましては、この後、事務局から御説明いただきますので、私からワーキンググループでの議論を通じて特に重要と感じた点を、要点を絞ってここで申し上げたいと思います。
まず、第1に、2040年を見据えた検討をどのような認識とスピード感で進めるのかという点です。18歳人口の大幅な減少に加え、社会・就業構造やAIをはじめとする技術も大きく変化しています。各法人には、こうした変化を踏まえて、自らの役割を捉え直し、教育研究の質を高めるために何を伸ばし、何を変えるのかを具体化していただく必要があります。第5期は、そのための重要な第一歩です。ヒアリング・意見交換を通じて、将来像と、そこに至る具体的な取組とのつながりをさらに深めていただきたいと感じる場面もありました。今回の見直しの視点を各法人が将来を見据えた検討と実行を加速する契機としていただきたいと強く感じています。
第2に、大学間の連携、そして場合によっては統合についてです。国立大学協会との意見交換では、大学間の連携あるいは協働によって相乗効果を生み出す国立大学システムの構想を伺いました。2040年を見据えると、人材や財源に制約がある中で、各大学が全ての機能を単独に担い続けることはますます困難になると考えます。研究インテグリティ、研究セキュリティなど専門性を要する機能の共同化、これは小さな大学では単独で担うことが日々難しくなっていると思いますが、それら機能の共同化をはじめ、教育研究資源の相互活用など、連携を具体化する余地は大きいと感じています。それぞれの大学の強みを生かし、必要に応じて、場合によっては統合も選択肢としながら、ミッションをよりよく果たせる体制を考えていただきたく思っています。
併せて申し上げたいのは今回の見直しの視点などに掲げた事項を実現する上で、文部科学省にも積極的な役割を果たしていただく必要があるという点です。見直しの視点や中期目標大綱素案には、ワーキンググループでの問題意識は反映できたと考えています。各法人には、これを自らのミッションに照らして具体的な取組に落とし込み、責任を持って実行していただきたいと思います。そのためには、必要な予算の確保や、あるいは制度、仕組みの整備など、文部科学省の支援が不可欠です。各法人と十分に対話をし、実行上の課題を共有しながら取組を進めていただきたいと強く感じています。
ワーキンググループでの議論についての御報告は以上です。委員の皆様から忌憚のない御意見をいただければ幸いです。私からは以上です。ありがとうございました。
【橋本委員長】 大野座長、ありがとうございました。 続きまして、事務局より資料の説明をお願いいたします。
【事務局】 それでは、資料1ー1を御覧いただきたいと思います。
文部科学省におきましては、令和9年度概算要求を先般行いましたので、私のほうからは、その状況を含めまして、現在の一連の取組について、組織・業務の見直しの視点や、中期目標大綱素案を御議論いただくに当たりまして、御説明をさせていただきたいと思います。
1ページ目でございますけれども、成長分野の発展と地域産業の振興に貢献する国立大学の取組を示した資料でございます。政府におきまして閣議決定いたしました日本成長戦略や地域未来戦略におきましては、我が国の経済や地域の発展に向けた成長分野の牽引や地域産業クラスターの形成に当たり、国立大学が担う役割への期待が示されているところでございます。
2ページ目でございますけども、このような取組の素地といたしまして、国立大学がその役割を果たすことができるよう、来年度の概算要求におきましては、国立大学法人運営費交付金の増額要求を行ったところでございます。内容といたしましては、上段に記載がありますとおり、成長分野や産業クラスターの形成を担う人材を強力に推進するに当たりまして、優れた人材の確保や、高度な教育研究環境の維持の観点から、物価、人件費の上昇に対応する基盤的経費の拡充、成長分野を牽引する人材育成に取り組む大学における組織体制や機能の強化、さらには教育研究設備等の基盤の強化に向けまして、今年度予算に比べて約1,540億円増の1兆2,512億円を要求したところでございます。
続いて3ページでございますけれども、これが実現いたしますと、国立大学法人運営費交付金予算額は、平成16年度の法人化当初の予算額の水準に達することとなります。
続きまして、4ページをお願いいたしたいと思います。後ほどこちらについても詳しく御報告させていただきますけれども、橋本委員長に座長をお引受けいただきましたワーキンググループにおきまして、第5期における運営費交付金の在り方について検討が行われております。その中間まとめにおきましては、運営費交付金の算定ルールの考え方につきまして、下段の右側でございますけれども、教育研究の基盤を支える第1層と、各法人の戦略的な取組を推進する枠組の第2層に大別をし、第1層は、物価・人件費の変動に連動することとし、第2層は中期目標・中期計画の達成に向けた戦略的な取組を促すインセンティブとして機能する仕組みを目指すこととされています。
このため、今回の物価・人件費の上昇に対応した運営費交付金の概算要求は、今後の仕組みを実現する上でも重要なものであると考えておりまして、必要な予算の確保に努めつつ、第5期からの新たな算定ルールの確立につなげていくといったことが重要であると考えております。
その上で5ページ目でございますけれども、こちらは現時点の状況と、第5期が始まる令和10年度に向けた取組のスケジュールを示させていただいております。
続いて6ページ目でございますけれども、組織及び業務全般の見直しに当たりましては、先ほど来、申し上げてきた運営費交付金の考え方と相まって、各法人の戦略的な取組を実現していくためにも、各法人が担うべきミッションの明確化、さらにはそのミッションに従った教育、研究、ガバナンスなどの各分野において一貫性を持って取り組む必要があるということ。また、7ページでございますけれども、各法人の中期目標におきましても、そのような考え方の下、適切な目標を立て、それに従って計画を策定していけるような構造へとしていく必要があると考えております。
委員の皆様方におかれましては、このような観点も含めまして御審議いただければと存じます。
【事務局】 続きまして、資料1ー2、資料1ー3に基づいて御説明をさせていただきたいと思います。
まず、資料1ー2の国立大学法人の組織及び業務全般の見直しに関する視点(案)の概要を御覧ください。見直しの視点の本体は資料1ー3として御用意をしておりますけれども、こちらの資料は大変大部な資料になってございますので、本日は概要を用いて御説明をさせていただきたいと思います。
見直しの視点につきましては、国立大学法人の第5期中期目標期間に向け、各法人が中期目標・中期計画の素案の策定に当たって踏まえることが望ましい内容を評価委員会としてお示しいただくというものになってございます。この内容は、来年度に取りまとめられる各法人の組織・業務見直しに関する大臣通知に反映をされるということになりますが、各法人における第5期に向けた早期の検討に資するため、あらかじめ評価委員会から見直しの視点としてお示しをいただくこととしてございます。
全体構成といたしましては、第5期中期目標期間に向けては、昨年11月に改革の基本的な方向性を示した「国立大学法人等改革基本方針」が示されておりますので、その構成に従いまして、基本方針の記載を抜粋した上で、2040年を見据えて追加的に留意すべき観点を示したものになります。
続いて、具体的に盛り込んでいる内容について御説明をさせていただきます。
まず、1ポツの機能強化の視点の明確化に関してでございます。改革基本方針におきましては、国立大学法人等の全体のミッションといたしまして、マル1、不確実な社会を切り開く世界最高水準の研究の展開とイノベーションの牽引、マル2、変化する社会ニーズに応じた高度専門人材の育成、マル3、地域社会を先導する人材の育成と地域産業の振興というこの3つを提示してございます。
これを踏まえまして、見直しの視点では、各法人がこれらの3つのミッションに対してどのように比重を置いて寄与していくかということを明確化していくこと、2040年を見据えて自法人の強みを描き直し、魅力化・ブランディングしていくこと、育成すべき人材像を明確化していくこと等が必要であるということを示してございます。
加えて、ミッションを明確化していく上では、法人内での検討にとどまらず、ステークホルダーとの対話を行いつつ検討を進めていく必要があることを具体的な留意事項とともに示しているほか、AX時代の学びの在り方等を含め、国立大学法人等が社会を先導する役割を果たしていくことが必要であるという旨も示しているところでございます。
また、人口減少下においてミッションを十分に実現していくためには、他大学との連携の観点が不可欠であり、リソース共有等のコーディネート、また、大野座長からも御指摘のありました国立大学システムの観点からの大学間連携による全体最適の実現、公私立大学も含めて高等教育全体を先導していく役割を果たしていく必要があることなどを示しております。
続いて、ミッションを実現するための前提条件となる、2ポツの財務・人事戦略やマネジメント体制に関する視点でございます。現状を適切に分析した上で、一般論にとどまらず、具体的な財務・人事戦略を策定することや、ミッションを踏まえた持続的なマネジメント体制を構築する必要があることを示しております。
続いて、3ポツの組織の見直しに関する視点です。学部や研究科等の規模や組織の在り方については、入学を目指す生徒等をはじめ、社会への影響力も大きいことから、2040年を見据えて早期に見直しを行っていくことが必要である旨を示しております。その際、第7期科学技術・イノベーション基本計画や日本成長戦略も踏まえて、人材需給のミスマッチの解消、それから社会から求められる人材の確保という観点から、ニーズを十分に踏まえた見直しが必要である旨を示しております。
また、事務組織等の見直しやデジタル・AI活用に関しては、法人を超えた連携・統合や教育研究活動等も含めた全学的なAXの推進についても示しております。
附属病院や附属学校については、全学的なガバナンスにも留意をしながら、附属病院の機能強化を図っていくこと、国立大学の附属学校だからこその役割の明確化が必要であるということを示してございます。
続いて、4ポツの教育の質の向上に関する視点でございます。在籍管理や安全保障貿易管理等の質の向上の観点も踏まえた、多様な国・地域からの優秀な外国人留学生の受入れ、多様性の中で切磋琢磨させるための日本人学生の海外派遣の拡大という教育のグローバル化の視点、それから博士等の高度人材の育成、さらに収益化も含めたリ・スキリング等の持続可能な体制整備などが必要であることを示してございます。
続いて、5ポツの研究力の強化に関する支援といたしまして、若手研究者や研究開発マネジメント人材等の安定したポストの確保、全学的な研究インテグリティ・研究セキュリティの強化、AI for Scienceの推進といった視点を示しております。
最後に、これを踏まえて、6ポツといたしまして、第5期中期目標・中期計画の在り方について触れております。この中では、社会からの負託に応えつつ、自法人の役割の自律的な検討・活動を戦略的に推進すべきこと、法人のミッション・中期目標・中期計画全体の整合性・全体最適を実現すべきこと、法人の特色や強みを明確にした挑戦的・先導的な計画及び評価指標を策定すべきことなどを示してございます。
以上が国立大学法人の組織及び業務全般の見直しに関する視点に関する御説明となります。多岐にわたる内容になってございますけれども、今後、説明会や国立大学協会等の各種の会議の場なども活用しまして、各法人に対しては丁寧な説明を行っていきたいと考えております。
続きまして、大学共同利用機関法人の組織及び業務全般の見直しについて相違点を中心に御説明をいたします。
【事務局】 それでは、大学共同利用機関法人の組織及び業務全般に関する視点につきまして、御説明申し上げます。資料の1-4と1-5が資料でございますけれども、説明は1-4の概要を用いまして説明をさせていただきます。
まず、大学共同利用機関法人は、言わば大学の共同利用の研究所として大学共同利用機関を設置しておりますけれども、将来を見据えた組織及び業務の見直しを行って、その機能を強化することで、成果を大学に還元していくということが重要と考えております。国立大学法人と同様に、上の四角に書いてございますけれども、大学共同利用機関法人の組織・業務の見直しの視点につきましても、法人からのヒアリングあるいは見直しワーキングでの意見交換、さらには国立大学法人等の改革基本方針等を踏まえて作成しておるところでございます。
あわせて見直しに当たりましては、今年度、大学共同利用機関の検証を別途行っているところでございますので、検証ガイドラインに基づく自己検証も行いつつ、共同利用・共同研究機能の向上や、新たな学問領域の創生に資する観点からの機能強化を図り、2ポツにもございますように、ミッション等の方向性に基づく挑戦的・先導的な取組を実現していくことが必要であるということについてまずもって明記をしております。
続いて、項目ごとに御説明申し上げます。まず、1ポツの機能強化の視点の明確化におきましては、改革基本方針においてお示しがありましたマル1からマル3の3つのミッションのうち、特に大学共同利用機関法人では、大学の学術研究の発展等に資するために大学共同利用機関を設置するということを目的にしてございますので、マル1の世界最高水準の研究の展開とイノベーションの牽引、これを主なミッションとするということになっております。このミッションを主たるミッションとしつつ、3つのミッションへの比重の置き方や、あるいはリソース配分を明確化することを求めておるところでございます。
また、大学共同利用機関においては、総合研究大学院大学の学生を受け入れておりますので、総合研究大学院大学と連携協力しつつ、複合領域人材等の育成を図る必要性を明示しております。
さらにステークホルダーとの対話につきまして、関連する研究分野の研究者等のニーズを踏まえ、学術研究の発展に資する観点からの検討を行うことを求めております。
2ポツの財務・人事戦略、マネジメント体制の抜本的強化の視点につきましては、国立大学法人と同様の方向性をお示しております。
3ポツの組織の見直しに関する視点でございますけれども、事務組織の効率化に向けた事務機能の連携・統合、AXの推進に加えまして、近接分野の研究拠点とのリソースの共有や、あるいは異分野、さらには新しい分野に向けた研究力の強化を明示しております。また、その際、大学共同利用機関の場合は4機構と総合研究大学院大学でアライアンスを設置しておるところでございますので、それを踏まえて、この枠組みの活用を求めているところでございます。
4ポツの研究力の強化に関する視点におきましては、挑戦的な研究を促すような法人内の資源配分ができる体制の構築、若手の安定したポストの確保を明示しております。特に大学共同利用機関法人については、大学や研究組織を超えた研究ネットワークの形成や若手研究者の人材流動、そのハブ機関としての機能強化、あるいは研究データを活用・管理できる体制の整備を求めておるところでございます。
最後に5ポツでございますけれども、第5期の中期目標・中期計画の在り方につきましては、国立大学法人と同様の方向性としております。私からの説明は以上でございます。
【橋本委員長】 ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明等につきまして、御意見、御質問ございましたら、よろしくお願いいたします。渡辺委員、お願いします。
【渡辺委員】 ありがとうございます。大変丁寧な御説明いただきありがとうございました。どれも本当に大事なことをここに凝集していただいているように思いまして、これが実現できたらどんなにすばらしいだろうかと思いながら聞かせていただきました。
国立大学法人について、資料1-2で御説明いただいたところですけれども、1の下のほうの、ミッションを実現するためにということで、国立大学だけではなくて公立大学、私立大学も含めて連携していくというのは本当に大事なことで、一つ一つの大学が競争するだけではなくて連携することはとても大事なことだと思います。
その際に、運営や経営が、国立大学と公立大学と、それから特に私立大学は、体制も全く異なりますので、そのような中で、経営層も一緒に連携しましょうということになると思いますけれども、そこをどのような考え方でやっていくのかということもある程度示していくのが大事だと思います。国立大学が先導役になることは多いと思いますけれども、場合によっては、公立大学や私立大学が先導役になることがあってもよいと思いますので、必ずしも国立大学だけが先導役ではないという連携がどんどん広がっていくとよいと思いました。
それから、もう一つは、3ポツの附属病院の件ですけれども、今、大学病院は非常に経営が難しい状況にあります。大学病院だけではなくて、日本の病院そのものが非常に経営の難しい状況になっていると思います。それは、当然ながら文科省というよりも厚労省の問題でもありますけれども、そこも大学だけでどうにかするというよりも、国全体としてどのようにしていくのかということを、大学にある程度大きなビジョンというか考え方を示していかないと、なかなか大学でどうにかするのは難しいと思います。ここはより大きな方針を国で示しながら進めていただくことがとても重要だと思いました。以上でございます。
【橋本委員長】 ありがとうございました。
ほかに御意見、御質問ございますでしょうか。江川委員、お願いします。
【江川委員】 御説明どうもありがとうございました。2点コメントしたいと思います。1点目は、今の渡辺委員の御指摘と少し問題意識はかぶるのですけれども、国立大学は全般に非常に厳しい状況にあると思いますが、やらなければならないことは法人によって相当違うので、それに関しては、今、渡辺委員もおっしゃったように、客観的な状況を文科省など周りの人たちがしっかり示して、早め早めに手を打っていくことを促していくのが重要ではないかと思いました。
それから、2点目は、人材育成という意味では、グローバル化に対応できる人材を育成していくことがとても大切なことだと思っております。今回の方針は人口減少に見合ってどのようにうまくシュリンクしていくかという観点が強く出ていて、積極的に留学生を受け入れるとか送り出しをするというのが、何となく色が弱まっているように思いますけれども、日本全体の人材育成ということではそれはとても重要なことです。私自身懸念しているのは、今の政権で、海外から来る人材に関して入国管理なども含めて厳しい対応をするということです。それが海外にも発信されて、日本が外国人との交流に関して後ろ向きになっているという印象を与えているのではないかという懸念もございます。
ただ、優秀な人材に関しては外国人もしっかり受け入れていくということも重要ですし、外国人が来ることで、日本にいる学生が多様性を身につけるというメリットもあるので、そこの部分もぜひ留意していただければと思います。以上です。
【橋本委員長】 ありがとうございました。
オンラインで御参加の堀田委員からお手が挙がっています。堀田委員、よろしくお願いします。
【堀田委員】 御説明どうもありがとうございました。
私からは、研究に関するところでコメントというか、質問というほどではありませんが、大学共同利用機関法人のところで研究力強化に関する視点について、AI for Scienceは国立大学法人などと共通ですけれども、オープン・アンド・クローズ戦略を踏まえ、研究データマネジメントのことが書かれております。国立大学法人には、それがあらわには書かれていないということで、もちろん書かれてないからやらなくていいということでは当然ないとは思いますけれども、特にこの研究データマネジメントのことを考えると、大学図書館の果たす役割というのは極めて重要であろうと思われます。
特に、デジタルライブラリー構想というのを打ち出されていて、その中でやはり、この研究データマネジメントをしっかり進めていくと。特に、広くはオープンサイエンスの推進ということを掲げられているので、特に大学附属図書館を抱える多くの国立大学法人にとっては、デジタルライブラリー構想を含めてのオープンサイエンスの推進、研究データマネジメントの推進というところはかなり大事になってくるのではないかと思います。そのような点、もちろん、概要なので書かれていないだけだと思いますけれども、そういう視点というのは大事になってくるのではないかと思いました。以上です。
【橋本委員長】 ありがとうございます。回答されますか。書かれてないという御指摘ですけども。
【事務局】 ありがとうございます。
本文の20ページで、上から3つ目のポツのところに記載をしておりますが、学内全体の体制を整備するとともに、オープン・アンド・クローズ戦略を踏まえAIが利活用しやすい形で管理することが必要ではないかというような形で、現在、記載をさせていただいておりますけれども、ここの部分も含めて御確認をいただければと思います。
【堀田委員】 概要に書かれてないだけで、当然それはそうだろうと思いますけれども、やはり図書館の存在を考えると、本来であれば概要のほうにも記載しておいたほうがバランス的にはいいのではないかと思った次第です。
【事務局】 ありがとうございます。概要への記載も工夫をさせていただきたいと思います。
【橋本委員長】 続きまして、栗原委員からお手が挙がっています。栗原委員、お願いします。
【栗原委員】 まず、資料1-1で御説明をいただきました機能強化に向けた検討という中で、運営費交付金の検討のお話がございました。ここは様々なコストが上がっているというだけではなく、大学の競争力あるいは人材の確保等々のためにも非常に重要だと思っておりますので、必要となる財源については、一定のイメージを持ちながら確保していくことが重要ではないかと思います。
また、運営費交付金ばかりではなく、建物の老朽化ですとか新たな研究施設などは、必ずしも交付金での対応ではなく、もう少し長い期間かつ多額の投資が確保されないという懸念もあるかと思いますので、ぜひ次の中期目標においては、大学が目指すビジョンと、それに合わせてどういった人材や施設等の構えが必要かという、ソフト・ハードともに描いていただきながら、それに必要な投資を大学と文科省との間で議論をしていただきながら確保していただきたいと思っております。これが1点目です。
それから、2点目に、私も国立大学法人評価委員会のワーキンググループにおいて、国立大学法人の見直しの議論に関わってまいりまして、先ほど大野座長のほうから御報告をいただいたとおりでございますが、1点付け加えるとしますと、資料の1-2のところに、2040年を見据えた第5期の中期目標期間中の活動がございますが、この第5期には2040年は含まれておりません。ただ、この第5期でやらないと、2040年に向かっては進めない、大変重要な期だと認識して意見交換させていただいておりますし、これからの目標設定をしていただきたいと思っております。この意味で、2040年に向けてはこの第5期が重要であるとの認識で、これからもあるべき姿に向けた具体策を検討していっていただきたいと思いますし、この委員会でもそれをきちんとフォローしていくことが重要ではないかとコメントさせていただきます。 以上です。
【橋本委員長】 ありがとうございました。それでは、続きまして、オンラインで御参加の内部委員、お願いします。
【内部委員】 ありがとうございます。内部でございます。
このとおりにいけばいいなと思っておりますけれども、本来、この評価委員会で、今度申し上げるような意見というのは細か過ぎるので不適切かもしれませんけれども、ここ数年、私が大学や高校を取材して回って、少し気になることがあったので申し上げます。
一つは財務の件ですけれども、先ほど栗原委員もおっしゃっていた、建物のような大きなものをどうするかということですけれども、例えば、水産や商船系の船というのは、更新時期が大体数十億円ぐらいかかると言われています。これを運営費交付金ですとか積立てでやるというのは結構大変だと思います。できれば、他省庁の予算が充当できるのかどうかというのも検討していただきたい。
特に、小さな大学の場合は、自力でやるのはなかなか難しいと思いますので、文部科学省が助言や支援、他省庁との調整などをしていただければ非常にありがたいなと思っております。
人材育成の件ですけれども、実は、もう少し専門高校生の特別選抜の枠を増やしていただけないものかなと個人的には思っております。非常に高度な学問をしておりますけれども、基本的には高校を卒業して即戦力として社会に出ていくということですけれども、大学進学する人も多いというのが昨今の工業高校や農業高校というような状況だと伺っております。この枠を増やす。普通科にはない特別な勉強してきた子供たちを入れることで、普通科出身の学生にとっても大きな刺激になるのではないかなと思っております。
それと関連しますけれども、実はこのような高校の教員というのは非常に確保が難しい。そうでなくても教員全体の確保は難しいと言われていますが、特に、水産高校みたいに大学の水産系が少ないところというのは本当に成り手がなくて大変だと伺いました。ですので、専門高校の教員になるような学生を養成するというようなことも少し考慮していただければ非常にありがたいと思っております。
ここから先は、本当により不適切な感じはしますけれども、人口減少で人材育成をどうするかというのを私なりに解釈すると、基本的には理系人材をどのように確保するかということと、これだけ災害が多いと防災意識をどう高めていくのかというところだと思いますけれども、昨今、完全週5日制ですとか英語の重視ということがあって、初中段階でやや理科や社会が全体的に減っているという印象があります。ですので、物理、地学、地理をできるだけ多くの高校生が取れるような仕組みというのが必要ではないかなと思っております。
先ほど申し上げた週5日制プラス非常に祝日が増えて、特にハッピーマンデーで月曜日の授業ができないというのは、大学の先生方も非常にお困りだと伺ったことがあります。ですので、本当は、祝日を整理するというのが筋でしょうけれども、もう少し祝日の授業の在り方というようなものを初中局とうまく調整していただければありがたいと思っております。別に、書き込めと言っているわけではなしに、大学説明会でこういう意見もあったとお伝えいただければ幸いです。以上です。ありがとうございます。
【橋本委員長】 ありがとうございました。それでは、会場で御参加の若目田委員、お願いいたします。
【若目田委員】 日本総合研究所の若目田でございます。私自身、文科省のほうで言えば、科学技術政策のほうに長く参加をさせていただいておりましたので、そういった観点から一言申し上げたいと思います。
今回、国立大学法人と大学共同利用機関法人、相互の議論になっていますけれども、冒頭ワーキングの御報告の中にも、統合や共同化に関する重要性というのは御指摘されたところです。私も全くそのとおりだと思いまして、ここに関しては、割と抜本的なところに戻ってお考えいただくべきかと思っております。大学一つ一つということもそうでしょうし、現場の研究者一人一人がみんなその場で悩んだり、工数をかけたりしている部分というのが真に何かというのを全部つくり上げ、それぞれでやる必要がないものは、大胆に共同化を推進するというようなところを御検討いただくべきかと思います。
先ほどの専門性が高いものや、コスト的に集約したほうがいいもの、いろいろな観点があると思います。また、私が担当しているところで言うと、研究に関するデータの収集やその活用に関しまして、個人情報の問題などで各所悩まれて、場合によっては本来やりたいことを断念されている。もしくは、大学内のいろいろな各種審査会等々に関するハードル、こういったところから控えているみたいなお話も聞いたことがありまして、そういう法的なもの、もしくはデータを収集するというようなことに関しても、結構その現場の課題というものを真に把握をした上で、各所で悩まずに集約化したほうがいいと思いますし、戦略的に、先ほど重点領域においては、いろいろなところで取り組むということだけではなく、例えば全国的にこの学術機関というものが、こういったものに関するデータというものは専ら集約をして、それをシェアするといった考え方もあろうかと思います。
等々含めて、共同化に関しましては、研究の高度化のみならず、現場の研究者もしくは、その職員そのものが何に時間をかけているのかという、そのようなプロセスをしっかりと分析した上で、既存の役割分担にかかわらず大胆に進めていただくべきかと思っております。
そのような部分に関して言えば、当然、その経営等や、共同化もですが、現場だけの起点でそのようなマッチングや検討が進むのは難しい部分がありますので、その自律性も担保しながらも、全体最適など何らかの共同化に対する示唆のようなものは、文科省も含めてその役割を果たしていただくべきかと思いました。以上でございます。
【橋本委員長】 ありがとうございました。
今、谷本委員と濱田委員からお手が挙がっておりまして、大変恐縮ですけれども、時間の関係でこのお2人の委員の意見をお聞きして本議題の審議を終えたいと思います。それでは、谷本委員、よろしくお願いします。
【谷本委員】 関西外国語大学の谷本と申します。
国立大学法人の様々な取組をこの委員会等で見せていただいて、数多くの取組に関して大変感銘受けております。今回のお話を伺いまして、国公私立大学の連携というのはとても大切で、少しずつ教職の在り方であるとか、進めているところではありますけれども、どうしても国立大学にしかできない研究や教育内容というのがあるかと思います。
例えば、地域に根差した資源を用いた伝統的な産業、それを研究して先端的なものに派生化していくものであるとか、海洋資源を用いた研究であるとか、そういったものに関してはやはり大きく目立つような先端的な研究ではないかもしれないですけれども、一定の支援を拡充していく必要があるのではないかと考えております。
また、連携ですけれども、役割分担ですね。私立大学または公立大学では十分にできないことは、国立大学が中心となって進めていただいて、そこにできれば私立大学、そのほかも一緒に取り組んでいけるような、そのようなプラットフォームのような枠組みを今つくられているところではあると思うのですけれども、今後も充実していただけたらと思います。
また、グローバル化に関してですけれども、私どもも外国語大学なので、オールイングリッシュで卒業できるプログラム等を設けておりますし、積極的に海外に学生を送り出しておりますが、それとともに日本という国の文化に引かれてやってくる学生たちも大変多うございます。その日本の文化的なコンテンツや日本語、それを今後どのように国立大学で、そして私たちも取り組んでいくのかというのは、これはまたグローバル化とともに考えていくべき課題ではないかと考えておりますので、またそのようなところも御留意いただけたらと思っております。私からは以上です。
【橋本委員長】 ありがとうございました。それでは、濱田委員、お願いいたします。
【濱田委員】 すみません、濱田でございます。
2点簡単に。1点は、事務組織のデジタル化ですけれども、現時点でとても進んでいる法人と遅れている法人があると思います。最終的には連携、統合だと思いますけれども、今の時点で良い事例があれば横展開できる仕組みを考えるということは、これは競争ではないと思うので、ぜひ考えていただきたいなと思っております。
もう1点は、附属病院や附属学校、特に附属学校の小学校は既に少子化の影響が出ているのではないかと思いますし、附属病院も医療圏というのがそれぞれの病院によって違って、人口減少を既に受けている病院もあると思いますので、その辺りの地域による人口減少も加味した形でそれぞれの対応をしていただければと思っております。以上でございます。
【橋本委員長】 ありがとうございました。
様々な御意見をいただきましたが、ぜひ事務局では今後の作業あるいは取りまとめにおかれまして適切に御反映いただければと思います。
一応、国立大学法人評価委員会といたしましては、国立大学法人等の組織及び業務全般見直しについて、原案のとおり承認するということでよろしいでしょうか。
〔「異議なし」の声あり〕
【橋本委員長】 ありがとうございます。
それでは、次の議題に移りたいと思います。先ほどの組織及び業務全般の見直しを踏まえまして、国立大学法人等の第5期中期目標・中期計画について御審議をいただきたいと思います。まず、事務局より御説明をお願いいたします。
【事務局】 失礼いたします。資料2のうち、国立大学法人の第5期中期目標期間における中期目標・中期計画の方向性の概要を御覧いただければと思います。こちらの上段部分につきましては、今の議事1で御審議をいただきました見直しの視点に関する部分でございますので、下半分について御説明をさせていただきたいと思います。朱書きで、Pointと記載されている部分が、特に第4期からの新規、改善点となってございますので、その部分を中心に御説明をさせていただければと思います。
まず、中期目標についてですけれども、第4期から、国が中期目標大綱をお示しして、各法人がその中から選択をした上で、中期目標の原案を示すという枠組みをとってございますが、その大枠は第5期においても変更しないということを考えてございます。なお、括弧書きで記載のとおり、第4期から引き続き、項目の修正や、独自の目標の設定も可能ということにしたいと考えてございます。
その上で、Pointのマル1として記載をしておりますが、中期目標大綱の項目立て及び選択の方法について、改革基本方針において、国立大学法人等の全体のミッション3つを示したということも踏まえて、ミッションとのつながりが明確になるような目標設定が促されるような形で改善を図ってございます。
具体的には、資料3-1、第5期中期目標期間における国立大学法人中期目標大綱(素案)という資料を御覧いただければと思います。3ページからが具体的な中期目標のメニューとなる項目案となってございますけれども、第4期と同様、ローマ数字1の教育研究の質の向上に関する事項につきましては、国立大学における教育研究の特性に配慮をするという観点から、選択式という形にしてございます。
一方で、第4期には、この教育研究の20項目お示しをしている中から、最大10項目程度を選択するということにしておりまして、選択方法については、それ以上お示しをしていなかったことから、各法人の中期目標の選択状況を見ますと、必ずしもその法人のミッションに照らして全体最適な形で項目が選ばれていないという課題がございました。
このため、第5期におきましては、まず、項目の立て方を国立大学法人等の全体のミッションとのつながりが分かりやすい形となるように改善をしてございます。例えば、1ポツの社会との共創を御覧いただきますと、マル1とマル2の部分については、世界最高水準の研究の展開とイノベーションの牽引、マル3とマル4は、変化する社会ニーズに応じた高度専門人材の育成、そして、マル5、マル6は、地域社会を先導する人材の育成と地域産業の振興にそれぞれ対応することが分かりやすいような項目立てとなっておりまして、それぞれのミッションについて、社会への価値提供と複数の機関間のハブ機能に焦点を当てた項目設定としてございます。
その上で、項目の選択方法につきましても、教育研究全体から何個という形ではなく、ここにお示ししている算用数字のカテゴリーごとに選択数の目安を示すという改善をしてございます。
資料2-1の概要に記載をしてございますけれども、例えば、1ポツ、社会との共創の部分につきましては、6項目から2項目程度を選択するということにしておりまして、先ほど御説明をいたしました項目立てを踏まえて、例えばミッションのマル1の世界最高水準の研究に重点を置く法人であれば、大綱のマル1とマル2、ミッションのマル3の地域に重点を置くような法人であれば、大綱のマル5とマル6という形で選択されることを想定したような形となってございます。
同様に、例えば2ポツの教育について見てみますと、大綱のマル7、マル8、マル9については、3つのミッションに対応した教育内容の改善に関する項目にしてございまして、マル10とマル11というのは、各ミッションに共通する項目として、リ・スキリング、それから外国人留学生の受入れ等の大学の国際化について記載をしてございます。5項目から3項目程度を選択するということにしておりますので、マル7、マル8、マル9のうち1つと、マル10、マル11を選択するという形を主には想定をしているということでございます。
それからローマ数字2の業務運営の改善及び効率化に関する事項以降の部分につきましては、全法人に共通をする取組であることから、選択式ではなくて、全て必須項目という形にしておりまして、マル21に示している全学的なAXの推進や、マル25に示しております研究インテグリティ、研究セキュリティの強化を含むリスクマネジメント体制の高度化といった内容について盛り込んでございます。
なお、資料4-1、国立大学法人の第5期中期目標・中期計画の項目等についての3ページ目以降に、今、御説明を差し上げました選択方法のルールを含めまして、中期目標・中期計画の策定に当たっての留意事項を記載してございます。
続きまして、資料の2-1のほうにお戻りをいただければと思います。Pointのマル2といたしまして記載しておりますけれども、組織・業務見直しに係る各法人とのヒアリング、意見交換においては、各法人に2040年を見据えたビジョンを御説明いただいております。中期目標・中期計画は、先ほども少し御議論ありましたけれども、あくまで2028年から2033年度という第5期の期間中のものでありますので、2040年を見据えた長期的な検討というのを意識いただき、社会にも発信をしていくために、新たに2040年を見据えた機能強化の全体像という資料を、各法人が今後提出をしていただく中期目標・中期計画に別添として添付をいただき、それも併せて公表をしていくということを考えてございます。
こちらの様式については、資料5としてお配りをしてございます。ここに記載をしておりますとおり、法人を取り巻く環境ですとか、教育研究の高度化や組織の見直しの方向性につきまして、それぞれ2040年を見据えた姿を描いていただいた上で、これを踏まえて、第5期のアクションを記載するような様式にできればと考えてございます。
再び資料の2-1にお戻りをいただきまして、Pointのマル3といたしましては、各法人の中期目標・中期計画をより焦点化をして社会に分かりやすく発信をしていくという観点から、計画の項目数や指標数については、一層精選をしていくということを考えてございます。
続いてPointのマル4といたしまして、各法人の挑戦的・先導的な取組の可視化についても記載をしてございます。こちらについては、資料6の第5期中期目標期間における「機能強化を先導する評価指標」等の指定についてという資料を御覧いただければと思います。こちらの1ポツに記載をしておりますとおり、第4期の中期目標期間においても意欲的な評価指標という枠組を設けておりまして、他法人に類を見ない新規性、先駆性、困難性を持つような指標を指定いたしまして、国立大学法人評価上の特別の取扱いというのを設けてございました。
しかしながら、他法人と比べても卓越したというものに限定をして指定をしていたということ、それから、第4期の中期目標・中期計画の策定プロセスが終了した後に、意欲的な評価指標の指定プロセスを行ったことから、この意欲的な評価指標が指定された法人というのは、全体の中の40法人という状況になってございまして、半数以上の法人でこの意欲的な評価指標が存在をせず、法人評価において低評価となるリスクを避けるために無難な評価指標が設定されがちであったということが課題としてございました。
こういった状況を踏まえまして、今回、第5期に向けては、2ポツに記載をしておりますとおり、卓越した評価指標と機能強化を先導する評価指標の2段階を設定いたしたいと考えております。このマル2として記載をしております卓越した評価指標につきましては、先ほど御説明しました、現在の意欲的な評価指標に相当するものとなっておりまして、他に類を見ない先駆的な取組や、他法人と比較しても高い水準を掲げているものを指定するということを考えております。
今回はこれに加えまして、マル1として新たに機能強化を先導する評価指標という枠組みを設けまして、他法人との比較までは求めず、各法人が特色的と考える取組について自法人にとって達成に相応の挑戦性を要する指標を指定するというようにしたいと考えております。これにつきましては、全ての法人から申請を受けまして、文部科学省及び評価委員会で重点的に確認の上で選定をしていくということを想定してございます。
この卓越した評価指標、それから機能強化を先導する評価指標のいずれにつきましても、国立大学法人評価において、仮にその達成水準に満たないというような場合であっても、取組に係る進捗を確認した上で評価をするという旨をあらかじめ明示をするとともに、運営費交付金の配分においても、プロジェクト採択の際に考慮することを通じて各法人に挑戦的な指標の設定を促していきたいと考えております。
以上が、国立大学法人の第5期中期目標・中期計画の方向性についてでございます。
続いて、大学共同利用機関法人の中期目標・中期計画について、こちらも相違点を中心に御説明をいたします。
【事務局】 失礼いたします。大学研究基盤整備課長でございます。
大学共同利用機関法人の中期目標大綱の素案についての御説明でございますけれども、今の国立大学法人と重なる部分もございますので、基本的には概要であります資料の2-2を使いながら御説明をさせていただきます。
上段にございますように、先ほどの見直しの視点を踏まえて、各法人が自律的かつ挑戦的な中期目標・中期計画を策定するための指針として策定するものでございますけれども、下段で示すような5つの柱、全体で24項目にて構成されているものでございます。こちらもまず、Pointの1にございますように、教育研究の質の向上、ローマ数字の1でございますけれども、そういった事項につきましては、大学共同利用機関法人の主たるミッションである研究や、あるいは共同利用・共同研究を中心に選択いただきます。1ポツから5ポツから各1項目を選択いただきまして、全体としておよそ10項目程度を御選択いただくということとしてございます。
例えば1ポツの研究でございますと、大学共同利用機関であれば個々の大学では整備できない大型の望遠鏡でありますとか、加速器、こういったものを使った研究が分かりやすい例となりますけれども、国際協力を進めながら世界最先端の学術研究プロジェクトを推進すると、こういったことを記載していただくということでございます。
また、2ポツの共同利用・共同研究でございますが、研究基盤のAX化などによる機能の充実、あるいは研究データなどの学術資料の研究インフラを整備すること、あるいは研究コミュニティーの中核として大学等との組織間のネットワークを強化することなどを盛り込んでおるところでございます。
また、ローマ数字の2からローマ数字の5までは法人の業務運営に関する事項でございまして、各法人共通で全て選択をいただくということで考えております。特に第5期では、例えばローマ数字の2にありますように、法人全体のAX推進による法人活動の高度化、あるいはローマ数字の5にありますように、研究インテグリティ、研究セキュリティの強化等の、こういったリスクマネジメント体制の高度化を盛り込んでございます。
また、第4期からの変更点ということでPoint2、3としてお示しいたしておりますけれども、国立大学法人と同様に、2040年を見据えたビジョンを明確化した上で、第5期期間を位置づけるといったことを求める、あるいは、第4期の意欲的な評価指標、これを見直して、機能強化を先導する指標と卓越した指標、この2段階としておるということがございます。
いずれにいたしましても、各法人におかれてはこの大綱を踏まえて、自らの強みや特色を明確にした戦略的かつ挑戦的な中期目標計画を策定していただきたく思っております。私からの説明は以上でございます。
【橋本委員長】 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問等ございましたらお願いいたします。どうぞ。高濱委員、お願いします。
【高濱委員】 公認会計士の高濱と申します。よろしくお願いいたします。
今回の中期目標大綱ということで理解をしますけれども、真ん中の3番の財務内容の改善の部分が、いずれもかなり概略的な記載にとどまっておるということが少し気になっております。
議題1の資料1のほうで、資料1-1で御説明をいただきましたように、概算要求でそれなりの増額要求をされて、それなりに通るのであれば、やはりその増額部分については何に使っていくのかということをある程度明示したことを法人のほうに要求したほうがいいのではないかなという印象を持っております。
その際に、その次の資料1-1の4ページ目に御説明いただきました運営費交付金の在り方の中間まとめにおいて、せっかく第5期の構成イメージとして、1層、2層という、こういった切り分けをしっかりと作って、これから運営していこうという方向になるのであろうということであれば、財務予算等につきましてもこういった切り分けに基づいてどのような結果が出てくるかというような方向性を持って、最終的な評価につなげるということを検討いただいたほうがいいのではないかなと思っております。
あらゆる施策は基本的にはお金がかかることだろうと思います。かつ、残念ながら、一対一対応というのは難しいということも重々承知をしておりますので、ある程度くくった形で、最終的に評価ができるような、そのような財務戦略予算みたいなところに持っていっていただくほうがいいのかなと思いました。以上です。
【橋本委員長】 ありがとうございました。それでは、オンラインで御参加の東委員、お願いいたします。
【東委員】 弁護士の東でございます。よろしくお願いいたします。
やや細かいかもしれないですけれども、先ほど御説明をいただいた中期目標大綱(素案)というところで、選択式になっているというような御説明があって、例として御説明いただいた中で、教育の5項目のところの横断的な項目の1つとして、在籍管理、安全保障貿易管理の徹底等を通じて国際展開をするみたいな項目があると思いますけれども、このところで、在籍管理と安全保障貿易管理という結構違うことがまとまっているかなと思いまして、留学生のビザの管理のようなことと、より先端的な研究分野における安全保障貿易管理のこととはかなり違うかなというところ。また昨今の新聞等で、先端分野の共著論文について、共著者が懸念がある機関の関係者ではないかというような指摘が多かったなど、そのようなこともある中で、地政学情勢を踏まえると、特に先端的な研究分野における安全保障貿易管理や、安全保障上の懸念への対応というものは、国立大学法人においては非常に大きな課題になっていると思いますけれども、この点のおもきというか、ウエイトが少し軽いように感じるというのが1つと、具体的に結局どうするのか、単なる偏見、差別と異なる形で正しく安全保障リスクに対応するというのは恐らく非常に難しいことだと思うので、そうしたものにどの程度コストをかけて、どの程度の体制を用いてやっていくのかというところは国立大学法人、とりわけ先端的な分野について研究をしていく研究大学においては非常に大きな課題ではないかと思うので、この辺りの力点というのはもう少し強くてもよかったのではないかということ。また、現実的にはどのように対応するのかということに非常に関心がありますというコメントです。よろしくお願いします。
【橋本委員長】 ありがとうございます。それでは、続きまして塚本委員、お願いいたします。
【塚本委員】 ありがとうございます。
最初の資料を拝見して、2004年から交付金が徐々に下がってきたということを目の当たりにして、長い間改革に取り組んでいると思いますとともに、この改革の二十何年間にかなり文科省の様々な施策や補助事業においても強く方向性を出してくださってきているので、国立大学においても、どのように進めていけば良いのかなどがだんだんと浸透してきているような気がしております。ご説明の冒頭でお話のあった「自法人の強みの描き直し」、まさにこれが大変重要で、それぞれの大学でやり始めていらっしゃるなと感じております。
その中で、今回の評価のように、ある程度自由度があって自大学で考えるとしていただくのは大変良いと思います。例えば、地方大学でしたらかなり自治体と一緒に取り組んだり、その他地域の大学でどのように協業するかなど様々なことを取り組んでいるので、ある程度の裁量があるような取組にしていただいたのは、それぞれの個性を活かすということでよいことだなと思いながら拝見をしておりした。
「さらに、「意欲的な評価指標」を、「機能強化」と「卓越した」と変えるのも良いことだと考えております。意欲的な評価指標が導入されたときに関してましては、御説明にあったように、1回出た後にどれか意欲的な評価指標を提示してくださいというお話で、何が意欲的な評価指標と認められるかが各大学レベルではよく分かりませんでした。資料6の参考にあるように、当初、614個くらいの提出があったというのは、皆がどれにしていいのか分からずいろいろ入れてみたのではないかと拝察いたします。その結果、これですって言われて返ってきたのが、意外に自分たちの思ったものと違い、やや不思議な感を持っておりました。従いまして、今回のように最初から明示していただけると大学側も混乱せずに、きっちり取り組めるため、大変いい方向ではないかと思っております。以上です。
【橋本委員長】 ありがとうございました。続きまして、伊東委員、お願いします。
【伊東委員】 伊東でございます。
資料の3-1の3ページ目のところで、例えば、3つのうちのどれを選んだ場合にはこれになるみたいな御説明があったと思いますが、もともと国立大学法人の全体のミッションの3つの取扱いというのは、3つの中の1つを選びなさいというよりも、3つのミッションへの比重の置き方を決めなさいと、そのような話だったと思うのですが、先ほどの御説明だと、何か3つのミッションのうちのどれか1つを選べば、自然に社会との共創6項目のうちの2つが決まるというような御説明だったような気がしたのですが、3つのミッションのうちの比重を決めるということと、この選択の仕方というのはどのような関係だと捉えればいいでしょうか。
【橋本委員長】 今の御質問、どうぞ。
【事務局】 御質問ありがとうございます。単純化をして御説明してしまった部分もあるかと思いますけれども、実際には様式のほうの資料4-1の4ページ目に具体的な選択方法を記載しておりますけれども、複数のミッションを選択する法人というのも念頭に置いてございまして、複数のミッションを同程度に重きを置くという場合には、項目数を増やしていただいても構わないという立てつけにしておりますので、その比重の置き方として、例えば、マル2とマル3を同程度に、法人としては重要なミッションだと置いた場合に、それに照らした選択も可能なような形にしてございます。
【橋本委員長】 伊東委員、よろしいでしょうか。
【伊東委員】 はい、分かりました。ありがとうございました。
【橋本委員長】 ほかに御意見。では、折茂委員、お願いします。
【折茂委員】 ボストン・コンサルティング・グループの折茂でございます。本日は大変資料もたくさんありまして、私もいろいろと勉強させていただいております。
今回、この大項目2点目ですね、この第5期のところのお話をお伺いしておりまして、国立大学と一言で申しても状況は様々であると理解してございます。皆さんもそうかと思います。国際卓越、J-PEAK、それから、産業力強化、研究力強化の新しい大学群といったような形で、そうした新しい大学群構想に乗っかっている大学もあれば、全くそのようなところとは状況は違う大学という中で、国立大学と一言でいっても状況は大きく違うのではないかと考えております。
そのような中で、いずれにしてもこの国立大学に求められるミッションというものは、これまで以上に国、産業界ともに非常に大きなものになっていると思いますし、そこに対して大学がどう応えていくのかということは、喫緊にこの国立大学群に求められるものであると考えてございます。
そうした中で、今回、様々な指標案というところもお示しいただきましたけれども、2点ほど思っておりますところが、卓越性ですとか、機能強化、先導するといったところも、先ほどの状況に鑑みますと、相当、大学においても状況が異なるというところがあると思いますので、何をもって先導的なのか、何をもって卓越していると捉えるのか、ないしは、本当にそれだけなのかということも、大学の様々な営みを見ていくという意味では、少し観点として今後重要になってくるのではないかと思ってございます。
それから2点目ですけれども、大学の皆様がこれから自学の特徴のある取組をということで御検討されていくと思いますけれども、そのようなときに、先ほど国、産業界、自治体からの期待が大きいと申し上げましたけれども、そういったところの、ある意味、外からの期待というところは、大学の皆様ももちろん自力で取りに行かれる部分あると思いますけれども、1点、インプットというような形でお伝えをしていくと、限りある国立大学という研究資源、大学の知というものを、より社会にも還元できるようになるのではないかと、そのように考えてございます。
以上、コメントでございます。ありがとうございました。
【橋本委員長】 ありがとうございます。それでは、江川委員お願いします。
【江川委員】 御説明ありがとうございました。2点コメントさせていただければと思います。
1点目は、今回、非常に多様性に富んだ国立大学法人の実態に即して目標が立てられるようにということで、柔軟性を持たせた設計になっているということは高く評価できると思う反面、全て選んでいくと全部で15の目標になり、やはり多いという印象を持ちました。
すでにこのような段階に来ているため、今回のものを見直していただくのは難しいのかもしれませんけれども、普通の組織や会社で目標というと、大体多くても5から10程度です。もちろん大学とか社会との接点が多い教育機関というのは、より複雑だというのはありますけれども、やはり目標が多いと作業も大変であり、評価疲れというお話もずっと昔からあり、文科省の方々の負荷、負担もかかるので、できるだけまとめる努力をしていただくといいと思います。
例えば、研究にしろ、教育にしろ、社会との関わりの中でやるため、ただ一方で社会との共創、教育、研究は、ばらばらに分かれていると、実際に書いているときにどれにこれを入れようかといったことも非常に大変ですので、できるだけ分かりやすく骨太のものに目標をまとめていくのが、計画の実効性を高めるという意味でも、大学、それから文科省の方々の御負担を減らすという意味でも意味があると思いますので、長期的に考えていただきたいというのが1点目です。
2点目は、非常に具体的なことで恐縮ですけれども、1の社会との共創の最初のマル1のイノベーションなどが書いてあるところで、生じる知をベースとした新たな価値や市場の創出、それに伴う資金の流れの創出を実現するというのがございまして、資金の流れというのはおそらく研究から生まれるライセンス収入などかと思います。市場の創出現在、研究をベースにしたスタートアップなどにかなりフォーカスが当たっていますけれども、市場の創出までを大学の目標に本当にするのか。そして、この目標の最初に出てくるということは、文科省が非常に重視しているということで、本来、好奇心に基づいて基礎研究も含めた研究をやっていくのが大学の役割というところが、市場の創出まで主体的に取り組まなければいけないというのは若干違和感を覚えましたけれども、これについて御質問です。
【橋本委員長】 それではお願いします。
【事務局】 ありがとうございます。マル1の部分については、特に世界に強みを有する分野において、不確実な社会を切り開く世界最高水準の研究の展開とイノベーションの牽引というところをミッションにしているということで、大学が持っているシーズを用いまして、そこから新たに資金を獲得していくことや、さらに言えば市場創出をしていくというようなことを、世界の他の大学なども勘案をしまして、そういったことも求めていくことが必要じゃないかということで記載をしておりますが、先生がおっしゃっていただいた基礎研究の重要性の部分については、また、別の項目のところできちんと確保をするような形になっておりますので、どちらか1つということでは当然なく、その両方を目指していくというところで選んでいけるような形で設定をしております。
一方で、先ほど来、申し上げておりますが、大学によってどういった項目を最終的に設定するかについては、大学の独自性を担保した上でやるという形を基本としてございますので、そういった中で、大学において御検討をいただければと思っております。
【江川委員】 ありがとうございました。おっしゃるように、基礎研究は次でカバーされていると私も分かりますけれども、最初に項目が出てきているというのはやはり印象が大きく、現在、社会全体で役に立つ研究に非常にドライブがかかっているので、例えばこの文章を、価値の創出というようにしていただくだけでも違和感が減るかと思いました。以上、意見です。
【橋本委員長】 どうぞ。答えられますか。
【事務局】 ありがとうございます。
こちらの部分については、特に社会との共創という観点で目標を設定している部分でございますので、社会から求められている大学の役割ということであれば、やはりこういった世界最高水準の研究を生み出し、それを市場の創出につなげていくといった観点も一つの大学の役割かと思っていますので、そういった観点で我々としてはお示しをさせていただいていたというところでございます。
【橋本委員長】 よろしいですか。次、若目田委員、お手が挙がっておりますのでお願いします。
【若目田委員】 日本総合研究所の若目田でございます。
今のコメントがあったことにも通じますけれども、自由度を持たせている反面、その他全般、非常にやるべきことの数が多いなというのは率直に感じたところはあります。その観点の中から、これは個々の機関が個々別々にやるべきことなのか、もう少し総合的に何らか指針や目標を示してもいい部分があるのではないかと思っていまして、例えば、リスクマネジメント体制の高度化、これはコンプライアンスもそうですが、情報セキュリティなども含まれていると思いますけれども、何らかの、これは小さな機関だからやらなくていいということではないと思いますので、共通的なその目標、水準を具体的に、例えば文科省が示して、そういったことを満たすことみたいなところのほうが非常にシンプルではないかと少し感じたりはしました。
例えば、金融機関というのは、FISC基準というものが定められていて、安全管理やセキュリティなどに関して、各事業者が満たすべきことが非常に明確になっていますので、そのようなものの構築にかかわる仕様などぶれがないと思っていますので、それは研究機関一つ一つに個性があってばらばらだというものであればそうではないかもしれませんけれども、この辺は共通に何か示したほうがいいのではないかと感じました。
同様に、AXの推進や効率化に関しましても、個々別々に検討するものもあれば、むしろそれこそ先ほども冒頭のワーキングのほうからもありましたけれども、最初から共同化というものを意識した形で、それに向けて、それを前提として進めるなど、何かもう少しこの全体最適の目線があって、要するに各大学で検討するということと、もう少し全体でやるべきことというのがあるのではないかと少し感じたところでございます。
それでは、質問になりますけども、先ほど言った安全管理とかリスク管理体制のようなものに、研究機関や大学というものが何か共通の指針やガイドというものがあるのかどうかというのが伺いたかった点です。以上です。
【橋本委員長】 では、お願いします。
【事務局】 研究セキュリティの関係に関しましては、国立大学については、全ての法人において外為法等に基づくリスクマネジメント体制というのは既に整備をされておりまして、さらに特定の分野に関して研究を行っているようなプログラムについては、内閣府が取りまとめているような手順書に対応して、適切に取り組んでいるというような、政府全体で示しているルールに基づいて、既に実施をしている部分というのもございます。
他方で、最初の議論や、大野座長からも御説明がありましたけれども、特に研究セキュリティやインテグリティについては、一法人でやれる部分というのが、極めて専門的な知見が必要だということなどもございますので、そこの部分については、より一層その知見の共有という部分を進めていくということも、より一層重要なのではないかと考え、今回そのような形で追記をしております。
それと同時に、当然の前提となる全学的なマネジメント体制の中でそういった研究セキュリティについても対応していくということは必要ですので、そこを改めて明示をしているという状況でございます。
【橋本委員長】 よろしいですか。
それでは、蓼沼委員からお手が挙がっていまして、時間の関係で、蓼沼委員をもってこの件につきましては、終了させていただきたいと思います。では、お願いいたします。
【蓼沼委員】 蓼沼です。いくつかほかの委員の方からも御意見があったところではありますけれども、私自身、第3期の中期目標・中期計画の策定に携わった経験からしますと、今回のこの大綱素案は、かなり整理されて、構造化されたなという印象を持っています。第3期の頃ですと、項目がばらばらで、教育研究についても非常に多岐にわたる計画を立てたという記憶がございますので、このようにミッションに合わせた形で、構造化された形で中期目標が提示されるというのは、かなり改善された点ではないかと思います。
また、項目は多くなってはいますけれども、教育、研究、社会との共創については、今申し上げたとおり、かなり整理されてミッションとの対応がはっきりしてきた。一方で、ローマ数字2以降は、必ず組織として確認しておかなければいけないことでありますので、そのために項目が多くなっているのではないかと思います。
そして、私も大野先生を座長とするワーキンググループのメンバーだったのですが、そこでのポイントは、まずは2040年を見据えて、その上で次の第5期の中期計画を考えていくということでした。つまり、今までのように6年先を考えるということだけではなく、2040年という少子化が極端に進むときも見据えた上で、そのために中長期に何をしなければいけないかというところを検討していこうとし、そのために全大学からヒアリングを行って、その結果、教育研究、ガバナンス、財務などの全般にわたって見直すよい機会になったと思います。
ですから、資料5にあるように、2040年における見通しというのがまず、その先にあって、そこに向けてどう行くのかというところを各大学が常に意識することがとても大事なことで、その意味ではこの資料はとてもよくできていると思います。これを実効化していく、中長期的な見通しに立って現在の計画を立てていくということに各大学が実際に取り組むように、さらに対話を続けていくこと、文科省と各大学、あるいはステークホルダーと各大学等が常に対話を継続していくことが大事だと思います。
それからもう1点、最後に申し上げると、評価指標の問題は長年の課題でありまして、ついつい中期目標・中期計画は後の評価のことを考えて無難な指標になりがちですけれども、その意味では今回、機能強化を先導する評価指標と卓越した評価指標というのが導入されたことは、非常によい試みだと思います。
あとは実効性をいかに確保するかということで、どうしても無難に流れがちな大学にも卓越した指標、機能強化を先導する指標を立ててもらって、教育研究の振興に実際にその指標が役立つようにしていく必要があると思います。私からは以上です。
【橋本委員長】 ありがとうございました。
議題2につきましても、大変有意義な意見をたくさんいただきました。引き続き事務局におかれましては、作業や取りまとめに適切に反映いただければと思います。
それでは、国立大学法人評価委員会といたしましては、今回の国立大学法人等の第5期中期目標・中期計画について、原案のとおり承認ということでよろしいでしょうか。
〔「異議なし」の声あり〕
【橋本委員長】 ありがとうございます。
続きまして、最後の審議事項でございますが、国立大学法人等の第5期中期目標・中期計画及び評価等に関するワーキンググループの設置につきまして御審議をいただきたいと思います。まず、事務局より御説明お願いいたします。
【事務局】 失礼いたします。資料の7、国立大学法人等の第5期中期目標・中期計画及び評価等に関するワーキンググループの設置について(案)を御覧ください。第5期中期目標期間に向けた組織及び業務全般の見直しにつきましては、これまでの大野座長の下、組織及び業務全般の見直し等に関するワーキンググループを設置して御議論をいただいてきたところでございます。本ワーキンググループにつきましては、この見直しの視点、中期目標大綱素案等をおまとめいただいたということで、当初想定していた役割は、一旦終了したという状況になってございます。
今後、第5期中期目標期間に向けては、各法人から提出される中期目標・中期計画の素案を確認するとともに、それらに対する国立大学法人評価の在り方等についても早期に検討が必要となってございます。このため、資料に記載しておりますとおり、新たに評価委員会に、国立大学法人等の第5期中期目標・中期計画及び評価等に関するワーキンググループを設け、これらについて御議論をいただくことを考えてございます。
なお、本ワーキンググループの委員の構成につきましては、これまで見直しの視点に係る御議論や、各法人とのヒアリング、意見交換等を通じまして、各法人の現状等について、大変に高い御知見を有する組織及び業務全般の見直し等に関するワーキンググループに御所属いただいた委員の方々に引き続きお願いすることを考えており、委員の皆様方には、あらかじめ御内諾をいただいているところでございます。
設置目的や検討事項等につきましては、資料7の資料に記載をしておりますとおりです。御審議のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
【橋本委員長】 それでは、ただいまの説明につきまして御意見、御質問等ございましたらお願いいたします。
よろしいでしょうか。では、国立大学法人評価委員会として、原案のとおり国立大学法人等の第5期中期目標・中期計画及び評価等に関するワーキンググループの設置を承認するということでよろしいでしょうか。
〔「異議なし」の声あり〕
【橋本委員長】 ありがとうございます。
それでは報告事項に移りたいと思います。はじめに報告事項の1件目として、第5期中期目標期間における国立大学法人運営費交付金の在り方に関する中間まとめについて御報告いただきたいと思います。本件につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。
【事務局】 第5期中期目標期間における国立大学法人運営費交付金の在り方検討会につきまして、資料8-1をまず御覧ください。
資料8-1のとおり、本年2月に検討会を立ち上げておりまして、4度の審議を経て、7月29日に中間まとめを公表したところでございます。
中間まとめの内容について簡単に御説明をさせていただきます。資料8-2を御覧いただければと存じます。
国立大学法人運営費交付金は、我が国の知の基盤を支える根幹となる仕組みであるわけですけども、第4期までの基本的な考え方を踏襲しつつ、デフレ時代からインフレ時代の変化という点に対応しようという点。あわせまして、各法人のミッション、戦略をこれまで以上に力強く支援していくべきという点が第5期の交付金の在り方に関するまとめとしての大きな特徴かと存じます。
対応として資料8-2の真ん中の箱でございますけれども、第1層と第2層に大別するという点が大きな特徴でございます。教育研究の基盤を支える枠組みとしての第1層、各法人の戦略的な取組を推進する枠組みとしての第2層という大別でございます。
第1層につきまして、物価、人件費の変動に連動するという点でございます。大学や教職員、学生にとっての充実した教育研究環境を国が覚悟を持って守り抜くための予算であるという位置づけでございます。人件費については、人事院勧告など適切な労働市場のトレンドをしっかりと反映することが可能となる算定方法を追求すべきである。そして物価の件、特に一般的な物価指数を変動の指標とするわけではなく、アカデミアとして特有のコスト、例えば電子ジャーナルの価格の高騰など、こういった点をいかに反映させていくかという点が重要であるというような御指摘をいただいておるところです。こちらが第1層の物価の上昇、人件費の上昇に連動するような枠組としていくべきだというまとめでございました。
第2層としては、各法人のミッションや戦略に応じた取組及び成果に基づき、資源配分を行うべきであるというところでございます。政策実現・機能強化の取組、中長期的な視点に立って進捗を評価しつつ支援を行っていくと。学長裁量経費でございますけれども、学長には闊達にリーダーシップを発揮していただくための支援が必要であろうと。最後に成果・実績に基づく配分として、シンプルで分かりやすい評価指標をつくっていくと。法人の大学にとっての行動変容につながる指標体系として分かりやすく指標の数や内容の重点化を図るべきではないかというまとめになってございます。
今後、令和9年春頃をめどに最終まとめを公表できるよう、議論を引き続き重ねていく予定でございますけれども、これは令和10年度の概算要求に具体化されることとなります。既に多くの政府の文書、骨太の方針や成長戦略といった文書には国立大学法人運営費交付金の大幅拡充がうたわれているところでございますけれども、まず、こうした第5期の在り方に関する考え方、既に令和7年度補正、令和8年度当初予算の概算要求にも通底していると考えておりますので、そういった意味でもこの第5期における運営費交付金の在り方に関する中間まとめも意識しつつ令和9年度の概算要求をしっかり確保していくことが重要であると考えておるところでございます。以上でございます。
【橋本委員長】 ありがとうございました。
本件は報告事項でございますので、本日この場で内容について審議するものではございませんが、ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら挙手もしくは挙手ボタンをお願いいたします。
よろしいでしょうか。それでは、次の議題に移りたいと思います。次の報告事項でございます。国立大学法人等人事給与マネジメント改革に関する参考事例集につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
【事務局】 失礼いたします。それでは、国立大学法人等人事給与マネジメント改革に関する参考事例集について御説明をいたします。資料の9-1を御覧ください。
資料の1枚目の右側の第4期及び第5期の部分にございますとおり、国立大学法人等の改革基本方針において示された人事戦略に関する検討のため、人事給与マネジメント改革に関するガイドラインを今後見直していくことを考えてございます。
まず、本年は、第5期に向けて、各法人内における人事戦略の検討に資することを目的といたしまして、参考となる取組事例を人事給与マネジメント改革に関する参考事例集として取りまとめ、各法人へお示しをするということにしております。その上で、第5期の早い段階で、改革基本方針を踏まえた取組を先行して実施している事例を波及させるということを目的に、ガイドラインの見直しを行っていきたいと考えてございます。
資料2枚目の人事給与マネジメント改革(第5期中期目標期間)の方向性を御覧ください。各法人におきましては、改革基本方針を踏まえて、各法人のミッションや、機能強化の方向性に応じた人事給与マネジメントの高度化を図っていただくということにしております。
具体的な観点は、改革基本方針を踏まえて1から7のとおりお示しをしております。主なポイントといたしましては、人事給与マネジメント改革を行うに当たり、各法人のミッションや機能強化の方向性とのつながりを明確にすべきことを改めてお示しすること。これまで、教員についてのガイドラインを主に示しておりましたけれども、近年重要性を増している研究開発マネジメント人材や技術職員等の専門人材についても、人事給与マネジメント上の工夫についてお示しすることを考えてございます。
これを踏まえまして、参考事例集の具体的な内容につきましては、資料9-2、国立大学法人等人事給与マネジメントに関する参考事例集の概要及び資料9-3が参考事例集の本体ですけれども、こちらを御覧いただければと思います。先ほどお示しをいたしました7つの観点に即しまして、各法人の検討に資する取組を事例として整理をしてございます。
参考として、いくつか例を御紹介いたしますと、資料9-3の3ページ目の(1)ミッション・機能強化の方向性に応じた、人員と組織体制整備といたしまして、岡山大学のビジョン2050の実現に向けた人事基本方針の策定を事例としてお示しをしております。岡山大学におきましては、研究大学としての理念・ビジョンの実現及び目的の達成を目指して、ビジョン2050の実現に向けて「人事基本方針」を策定しております。このため、例えば、教員の採用は、人文社会科学分野を含めて、博士の学位を取得し、優れた研究業績を有する者の中から行うこととし、博士の学位取得後15年以内に准教授につけない場合には、他のキャリアパスを考えてもらうというような制度を設けております。
また、研究開発マネジメント業務などを積極的・主体的に担える人材を学内で養成するために研究開発マネジメント人材認定制度を設けております。また、教育研究及び経営基盤強化を図るため、「高度専門職制度」を構築し、産業界や教育研究機関等外部の経験を有する人材を適切なポストに適切な処遇により積極的・戦略的に登用をしております。
続いて、資料の10ページ、11ページの(3)教育や研究への専念等、業務分担の見直し等をして、九州大学の事例をお示ししております。九州大学の優秀な若手研究者に対する管理業務等の免除や、若手に限らず多くの職員が自主的な研究活動を可能とする仕組みの構築の事例でございます。研究大学として、研究活動を促進することを目的に、優秀な若手研究者を雇用する稲盛フロンティアプログラムを整備し、独創的・意欲的な研究展開を目指す秀逸な若手研究者に対して、研究活動への専念を基本とするために、教育・入試業務や各種会議等への参画を免除し、採用者には独立した研究活動を行えるPIとしての待遇や経費の支援等、様々なインセンティブを付与するというような仕組を構築しております。
また、若手に限らず多くの教員が研究に専念できる環境を創出するため、教員の教育や管理運営業務を一定期間免除し、自主的な研究活動を行うことができるフリークォーター制度というものを設け、在職年数などの取得要件を設けず、サバティカル制度よりも取得要件を緩和するということを行い、多くの教員が取得しやすいような仕組みを構築して、研究に専念できる環境を整備しております。
最後に24ページの(5)専門人材の採用、育成、キャリアパスの構築といたしまして、新潟大学におけるUA職の構築を通じた機能的な大学、大学改革を牽引する事例をお示ししております。UAの活用による組織マネジメントを強化し、地域に根差しながら世界に貢献する研究大学を目指して、URAをはじめ、産学・地域連携、教育、国際等の専門人材を教員や事務職から独立した大学経営マネジメント人材として「UA職」というふうに位置づけ、学長直下の経営戦略本部UA室に集約をし、独自の職種や業績評価による業績連動型年俸制などを盛り込んだUA制度を整備し、教学と経営の分離・協働を図り、教員、事務、UAによる機動的な大学経営を担う体制を構築しております。
また、このUAは外部資金を主な原資とし、主として自身の専門性をベースにプロジェクトベースの取組を行う者や、専門性を超えてよりマネジメント色の強い業務に当たる者など、その職責や業務内容に応じた段階を設定しております。さらに、主幹UAとなった者においては、担当理事を補佐し、法人経営に関する業務を担う副理事として執行部に登用されるキャリアパスも整備し、新たな職として確立をさせて大学改革を牽引していくことになってございます。
このような、いくつか御紹介をいたしました取組事例につきましては、各法人のミッションや機能強化の方向性に応じてそれぞれ創意工夫の下で人事戦略の構築を進めており、これらの参考となる取組事例をこのような参考事例集として各法人にお示しをすることで、各法人における人事給与マネジメントのさらなる改革や高度化を図る取組を文部科学省としても支援してまいりたいと考えてございます。事務局からの説明は以上でございます。
【橋本委員長】 ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等ございましたら挙手をお願いいたします。
よろしいでしょうか。それでは、報告事項につきましては以上といたします。
本日の議事は以上でございます。本日は組織の見直し、第5期中期計画・目標、運営費交付金の在り方、そして人事給与改革等、国立大学の今後の10年、20年を左右する極めて重要なテーマが網羅されてございましたが、委員の皆様におかれましては、非常に多角的かつ精力的に御議論いただきまして、有意義な御意見を大変たくさんいただきました。誠にありがとうございました。
それでは、今後の日程につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
【事務局】 失礼いたします。次回の国立大学法人評価委員会総会は3月頃に開催を予定しておりまして、国立大学法人等の中期目標変更原案及び中期計画変更案の審議を予定してございます。また日時が近くなりましたら改めて御案内をさせていただきます。
【橋本委員長】 ありがとうございました。
閉会に当たりまして、合田高等教育局長から御挨拶をいただきたいと思います。合田局長、お願いいたします。
【事務局】 ありがとうございます。
まず、本日の御審議、大変重要な御審議を賜りましたけれども、御多忙の中、先生方には大変な御尽力を賜りましたことを心から感謝申し上げたいと思っております。また、本評価委員会のワーキンググループにおきまして、本日御出席の大野先生をはじめとした先生方を含めて、各国立大学の学長などと大変実りある対話をしていただきましたことにも重ねて厚くお礼を申し上げます。
先ほど御議論もございましたけれども、高市内閣におきましては、企業の650兆と言われる内部留保や、2,000兆の家計資産といった資産から、いかに良質な形で国内投資を引き出し、それをいかに生き金にするのかということが政府全体として最大の課題として取り組んでいるところでございます。
この国内投資を生き金にすることができるのは、今の社会構造全体にすると、サイエンスとアートしかないと。しかないと言ったら言い過ぎかもしれませんが、そういう認識を政府全体として共有いたしておりますし、生き金にするのは人にほかならないと思っております。
知的価値とそれから経済的な価値が背中合わせになっている状況の中で、あるいは地域の医療、インフラ、産業においても、大学の教育研究が不可欠になっているという状況の中で、私どもとしては、企業をはじめ社会におかれましては、創造的なクリエイティブな成長にとって大学の知的価値というものが重要だと、その重要性を踏まえていただき、大学の公共性や普遍性に対する敬意、リスペクトを持って協働をしていくということが大事だと思っておりますし、大学におきましては、企業を含めた社会の様々なアクターを巻き込み、共創を共につくっていくための強靱なマネジメントを確立する必要があると考えてございます。
かつて京都大学の憲法学者であられた佐藤幸治先生が「塹壕に閉じ籠もる自治ではなく、社会に開かれた自律性が必要だ」とおっしゃいましたけれども、まさに今それが求められているというふうに思っております。
その観点から、私どもも8月末に提出をいたしました概算要求におきましては、高等教育局全体としては、昨年度に比べて5,440億円増の2兆2,754億円を要求してございます。中でも本評価委員会に関わる重要な要求としては、国立大学法人運営費交付金、これを対前年度1,541億円増の1兆2,512億円を要求してございます。また、成長17分野に資する取組を支援する成長分野転換基金におきましても1,100億円の積み増しを、そして、学部とともに重要な大学院で人材の目詰まりが生じないよう、戦略17分野の土台である資源・エネルギー、物理科学・工学、機械・電気(電子)技術、情報・通信技術、生命科学・化学といったような5つの分野についての大学院を質・量両面で充実し、優秀な学生を確保・育成するということに取り組むために、新たに376億円を要求しているところでございます。
これらの要求、中でも運営費交付金の確保というのは、これが実現をいたしますと、2004年度に法人化したときの運営費交付金を上回る額でございますが、これを2027年度にしっかり確保いたしまして、それをもって先ほど御報告を申し上げましたように、2028年度からは、その基盤的な部分については物価スライドにしていくと。物価スライドにしていくにしても、土台と申しますか、一定の高さが必要だと思いますので、その意味で2027年度と2028年度というのは、第5期に向けて一体で重要な2年間の予算の確保の流れだと思っているところでございます。
予算の確保に当たりまして、先週から私どもは財務省の主計局と具体的な議論をさせていただいているところでございますが、社会がやはり注目しているのは、大学に明確なビジョンがあり、それから学長にそれを実行するリーダーシップがあり、かつ、その結果、知的、社会的、文化的な価値を生み出しており、社会や産業を知的にリードしているかどうかということだと思っております。
本日の議論、あるいは2028年度からの第5期に向けた、本日の議論を踏まえた各国立大学の中期目標・中期計画に関する、よりクリエイティブな、創造的な議論というのが、2027年度の予算の確保にも影響してくる、年末にかけての議論にも影響してくるため、私としては、本委員会のこの闊達な議論というものを各国立大学にしっかり受け止めていただき、今申し上げましたように社会や産業を知的にリードするということのために何ができるのか、何をすべきなのかということを議論していただいている様子をしっかりと社会に発信しながら、2027年度の予算の確保にまずは努めさせていただきたいと思っております。
その観点からも、これから中期目標・中期計画の各大学等の議論というものも、また本委員会において御覧をいただき、レビューをいただき、よりよいものにしていただくというプロセスが大変大事だと思っておりますので、引き続き御指導をいただければと思っております。
改めまして、本日の、あるいは本日までの先生方の大変な御尽力に心から感謝を申し上げますとともに、引き続きの御指導をどうぞよろしくお願いいたします。
私のほうからは以上でございます。ありがとうございました。
【橋本委員長】 合田局長、ありがとうございました。
それでは、これをもちまして本日の総会を終了いたします。次回の会議もどうぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。
―― 了 ――
高等教育局国立大学法人支援課国立大学戦略室