国立大学法人評価委員会(第80回) 議事録

1.日時

令和8年3月3日(火曜日)15時00分~17時00分

2.場所

WEB会議

3.議題

  1. 国立大学法人等の中期目標変更原案及び中期計画変更案について
  2. その他

4.出席者

委員

   橋本委員長、内部委員、勝委員、空閑委員、國中委員、栗原委員、小長谷委員、谷本委員、塚本委員、濱田委員、濱中委員、東委員、本郷委員、村田委員、森委員、横田委員、渡辺委員

文部科学省

   合田高等教育局長、先﨑審議官、村尾国立大学法人支援課長、俵大学研究基盤整備課長、北野企画官、柴田国立大学戦略室長、赤石国立大学戦略室長補佐、高橋大学研究基盤整備課連携推進専門官

5.議事録

【橋本委員長】 所定の時間になりましたので、第80回国立大学法人評価委員会総会を開会いたします。委員の皆さま方におかれましては、御多忙の中、御出席をいただき、誠にありがとうございます。本日はWebおよび対面のハイブリット形式で、国立大学法人等の中期目標変更原案および中期計画変更案について御審議をいただく予定です。委員の皆さま方におかれましては、円滑な会議運営に御協力いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
 なお、本会議はYouTubeにてリアルタイムでの公開をしておりますので、併せて御承知おきください。それでは、事務局から配布資料の確認をお願いいたします。
 
【事務局】 事務局でございます。それでは、事務局から配布資料の確認をいたします。まず、議事次第の裏面の配布資料一覧を御覧ください。資料1から資料4までございますけれども、資料1「国立大学法人等の中期目標変更原案及び中期計画変更案について」、資料2「成長分野転換基金と大学改革の現状について」、資料3「国立大学法人等の機能強化に向けた検討について」、資料4「国立大学法人運営費交付金を取り巻く現状について」の以上でございます。過不足等ございましたら事務局までお知らせをください。
 次に、本日の出欠につきまして、江川委員から御欠席の御連絡をいただいてございます。また、現地で内部先生、橋本先生に御出席いただいている他、Web会議でその他の委員に御出席をいただいてございます。
 また、Web会議を円滑に行う観点から次のことをお願いいたします。インターネットでも聞き取りやすいよう、はっきり御発言をお願いいたします。また、御発言の都度お名前をおっしゃってください。発言以外はマイクをミュートにしてください。御発言に当たりましてはZoomの挙手機能を御使用いただくか、カメラに映りやすいように手を挙げて合図いただくようお願いいたします。また、資料を参照する際には資料番号や資料ページを分かりやすくお示しをお願いいたします。また、なるべく多くの委員の先生方に御発言いただく観点から、1回当たりの御発言をなるべく端的に言っていただきますようお願いいたします。お手数をおかけいたしますが、御理解のほどよろしくお願い申し上げます。以上でございます。
 
【橋本委員長】 それでは議事に移ります。初めに「国立大学法人等の中期目標変更原案及び中期計画変更案」につきまして御審議をいただきたいと思います。まずは事務局より御説明をお願いいたします。
 
【事務局】 それでは、資料1に基づきまして事務局より御説明をいたします。資料1、1ページを御覧ください。国立大学法人法の第30条、31条に規定されておりますとおり、中期目標の変更につきましては文部科学大臣が定める前に、中期計画の変更については文部科学大臣の認可の前に、それぞれ国立大学法人評価委員会に意見聴取を行うこととなっております。この際も同様の取り扱いとなってございます。また、評価委員会における審議に当たりましては、同法の規定および同法制定当時の附帯決議等を踏まえまして、法人の意見を尊重することとしてございます。
 また、今年度におきましては中期目標の変更については1法人から、また、中期計画の変更につきましては53法人から変更案の提出がございました。本資料では提出法人および変更内容の概要等についてまとめてございます。
 まず中期目標の変更についてですが、詳細については次のページを御覧ください。今回は国際卓越研究大学に認定されたことに伴いまして、重点的に取り組む新たな構想が具体化したこととして、東京科学大学から変更原案が提出されてございます。国際卓越研究大学としての取り組み自体は、第4期中期目標および中期計画を基礎として立脚した計画となっておりましたので、第4期の中期目標・中期計画の方向性を加速および進化させるものということで、昨年度の東北大学と同様に、国際卓越研究大学に採択されたことを明確化するため、中期目標前文である法人の基本的な目標において、例えば下線を引いてございますけれども、「世界トップクラスの大学」という表現を「国際卓越研究大学」と変更するなどの目標変更を行うものでございます。
 また、中期計画は後ほど別途御説明しますが、国際卓越研究大学の研究等体制強化助成を受けているということで、予算計画の変更等を行っているところでございます。
 ページをおめくりいただきまして、3ページを御覧ください。次に中期計画の変更についてです。主な内容としましては、中期計画本文の変更と中期計画別表の変更ということで、別表につきましては実態に応じて数値等を変更しており、実務的に変更するものとなってございます。
 1つ目の丸、「重点的に取り組む新たな構想が具体化したこと等に伴う変更」は2法人となってございます。東京科学大学からは、先ほどの中期目標と同様に国際卓越研究大学の認定に伴う変更、また京都大学からは、デジタル・グリーン等の成長分野をけん引する高度専門人材の育成に向けた支援を行う「大学・高専機能強化支援事業」を活用した高度情報専門人材の確保に向けた計画の追加に係る案件となってございます。
 東京科学大学の変更箇所につきましては、4ページ、5ページにございますけれども、昨年度の東北大学と同様に、国際卓越研究大学に係る助成による別紙予算、また収支計画等の変更となります。例えば4ページの1ポツ、予算のところでございますけれども、「国際卓越研究大学研究等体制強化助成」として、収入・支出に287億5,600万円が計上されている他、次のページの2ポツ、収支計画の経常費用におきまして、これを教育研究経費ですとか、教員・職員の人件費に充てることとするなど、国際卓越研究大学の体制強化計画を実施するために必要な変更となってございます。
 京都大学につきましては、情報人材のための募集人員を令和8年度増員するとともに、同規模の定員の減について記載をしており、第5期中に別途の分野でシュリンクさせるなどして全体の定員をシフトしていくことをその計画に明記したものになります。
 続きまして8ページでございますけれども、「重要な財産を譲渡し、又は担保に供するための変更」でございます。各法人が重要な財産の譲渡等を行う際には当該計画を中期計画に記載する必要がございまして、そのための変更申請が10法人からございました。例えば北海道教育大学の大雪山の自然教育研究施設では、老朽化により大規模改修が必要な状況でございまして、施設を安全に維持するための施設整備費用、将来的に発生する取り壊し費用など後年にかかる財政負担を軽減するためにこれを譲渡する。また、千葉大学では、海洋バイオシステム研究センター調査船1艘につきまして、船舶検査の厳格化に伴い、引き続き所有することで得られる費用対効果が少ないことが見込まれるため譲渡を行うなど、今後の活用が見込まれない土地ですとか建物、保有財産の譲渡を行う中期計画の変更となっております。
 続きまして13ページとなります。その他、「学内組織・制度等の名称決定等に伴う変更」です。例えば東京外国語大学、東京科学大学、次のページに行きまして、一橋大学におきましては、当該三大学で行っておりました大学間連携協働教育推進事業である三大学連合にお茶の水女子大学が加わったため、名称が四大学未来共創連合に改名したため、それに伴う変更があります。
 最後に16ページおよび36ページについてですけれども、それぞれ「教育研究組織の設置等に伴う変更」、また、「共同利用・共同研究拠点等の認定・改組等に伴う変更」となってございます。こちらは別途、設置審査等で認められているものでございまして、この結果を踏まえた組織、収容定員の増減が反映されているものとなります。御説明は以上になります。
【橋本委員長】 ありがとうございました。それでは、ただ今の説明につきまして、御意見、御質問等ございましたらよろしくお願いいたします。
 
【内部委員】 いいでしょうか。
 
【橋本委員長】 はい。それでは内部委員、お願いします。
 
【内部委員】 時事通信の内部でございます。千葉大学のところで、老朽化を理由に学生寮の廃止、その他、いろいろと自然の家の譲渡ですとか、いわゆる昔でいう遊びの部分、余裕のあった部分が今回に限らず譲渡や廃止っていうふうになっているんですけども、じゃあ大学がどこまで持つかっていう議論はさておき、特に学生寮っていうのは、地方からですとかいろんなところから来られる方のために、できるだけ安い物件も、ある程度大学側で紹介をするように。これは大学だけでできる話じゃなしに、例えば自治体ですとか、省庁ですとか、いろんなところと連携する仕組みっていうのが今後必要になってくるんじゃないか。
 今回の件で、いいとか悪いとかって言うつもりはないんですけれども、できるだけ、大学が全部一から十まで自前でやって管理するっていうことじゃなしに、もうちょっといろんな人の家とかお金とか借りられる仕組みを全体で考えていかなくては、これは国公、私立全部だと思うんですけど、考える必要があるんじゃないかなと思って、ちょっと御意見として申し上げました。
 
【橋本委員長】 はい、ありがとうございます。
 
【事務局】 御意見ありがとうございます。重要な視点だと思います。今回の譲渡の際に、業務運営上に支障がないかっていうところはしっかり確認させていただいておりますけれども、引き続き先生に御助言いただいた観点にも注視しながら進めてまいります。ありがとうございます。
 
【橋本委員長】 他に御意見ございますでしょうか。
特に御意見がないようでございますので、国立大学法人評価委員会といたしましては原案のとおり、中期目標及び中期計画の変更を承認するということでよろしいでしょうか。特に御異議ございませんので、承認するということにさせていただきます。ありがとうございました。
 それでは、この議事の最後になりますけれども、事務局から補足説明をお願いいたします。
 
【事務局】 ありがとうございます。中期目標変更原案および中期計画変更案につきましては、今後、財務省協議を行いまして、文部科学省における手続きが完了次第、3月中に各法人に通知をすることといたしますので、そのように進めさせていただきます。
 
【橋本委員長】 本日の議事は以上でございますが、その他といたしまして、本日は「国立大学法人等の機能強化に向けた検討」につきまして、事務局から説明がございます。
 国立大学法人等は、令和10年度から次の第5期の中期目標期間が開始いたします。それに先立ちまして、本総会においても昨年末に組織および業務全般の見直しのためのワーキンググループを設置し検討を進めているところでございます。そこで、現在の高等教育の現状と課題、そして国立大学法人等の機能強化の方向性等につきまして事務局から状況の説明をお願いいたします。
【事務局】 高等教育局長の合田でございます。今後、この国立大学法人評価委員会におきまして第5期の国立大学法人の中期目標・中期計画の在り方などについて御議論をいただくに当たりまして、現在の大学改革の状況について、まず大枠について私から、それから、その後、国立大学に関することは村尾課長や北野企画官のほうから御説明をさせていただくということで、お話をさせていただきたいと思っております。
 私のほうからは、資料の2ということで御説明をさせていただきます。昨年の補正予算、それから現在まさに国会で御審議をいただいておりますが来年度の当初予算、併せまして国立大学の運営費交付金につきましては609億円増ということになったところでございます。それに補正予算における設備整備補助金を足しますと、674億円の増ということになったわけでございまして、これ、社会全体に対する、国立大学に対する支援という形になったところでございますが、その前提として大学全体の改革の議論というのが、どういう構造になってるかということについて、私のほうからこの資料2に基づいて手短にお話をさせていただきたいと思っております。
 2ページ目を御覧いただきますと、「我が国の高等教育の現状と課題」というところでございますが、まず前提として、高校生の半分が普通科文系で、大学生の半分が人社系で学んでいるというこの構造がございます。この構造の課題は幾つかございますけれども、例えば今御覧いただいております上のほうのグラフのちょうど真ん中に緑色の数字がございますが、OECDの15歳の段階での基礎調査におきましては、数学的リテラシーも科学的リテラシーもレベル4以上という、かなり習熟度の高い、女性の集団が同世代の4割ということでかなり高い数字でございます。これ、先進国の中でも高くございますし、他の先進国の男性よりもずっと成績がいいということでございますが、他方、高等学校普通科の理系で学んでいる女性の生徒さんは同世代のわずか16%、大学で理学部、工学部、農学部で学んでいる女性の学生さんは同世代のわずか5%と、不自然に減少するということでございます。
 これにつきましては、当然社会のバイアスがひどいわけでございますけれども、他方で現在の教育システムにおきましても、数少ない高校の普通科の理系を選んだ生徒さんが大学にそのまま進学したとしても、理工農系に保健系を足しても入学定員が足りないという構造になっているところでございます。
 このような構造は、かつての工業科社会におきまして、大量のホワイトカラーが必要だった時代はこれでよかったわけでございますが、このページの下にございますように、経済産業省が今年の1月にリメークをいたしました「就業構造推計2040」におきますと、職種別、それから学歴別におきましても、この構造が今後、かなりわが国の桎梏(しっこく)になるということがお分かりいただけると存じます。
 3ページを御覧いただきますと、左側でございますけれども、私どもはこの観点から初等中等教育局と連携をいたしまして、高校につきましては理系を中心に学ぶ生徒さんの数はやっぱり減らさない、それから専門高校で学ぶ生徒さんの割合を増やしていくということを前提に、施策を打ってるところでございまして、2040年、15年後には高校生が65万人になるということを前提にすると、こういうポートフォリオになっていく。学士につきましても、理工農系をあと2万人増やしまして、メディカル系で学ぶ学生さんは地域医療の観点から減らさないとなると、こういうポートフォリオになっていくということでございます。
 他方、このページの右側でございますが、日本の高等教育の構造でございますけれども、明治期から昭和34年までに設立された、いわば第1世代大学と、その後、第2、第3、第4と分けますと、こういう構造になっておりまして、この面積は学生数に比例してるところでございます。第1世代大学に学生の6割がいると。特に第1世代大学に所属する私学は7割が文系学部であると。人文社会学系の学部であるということでございます。
 右側に白抜きの箱がございますけれども、この第1世代大学に属する学生の特徴としては、比較的所得の高い層が多くて、大都市圏を中心に住んでいて、かつ男性が多いということでございます。それに対して、私どもの設置認可も将来的に需要のあるところを中心に設置認可をいたしましたので、世代が下るごとに、私学でも半分ぐらいがいわゆる理工の、あるいはメディカル系ということになりますし、学生の属性としても、比較的所得の厳しい学生さんを受け入れていて、大都市圏以外に半分ぐらい住んでいて、かつ女性が多いということでございますが、先ほど御覧いただきましたように学生数が3割減で46万人になると、これが均等に3割減っていくというよりは、御案内のとおり下から退場していくということになりかねないということになりまして、先ほどの就業構造推計2040とは逆になってしまうということでございます。
 4ページにございますように、これは詳しい御説明は省かせていただきますが、先ほどの就業構造推計2040のエリアごとに分けると相当な違いがございまして、下のほうの左側でございますが、首都圏一都三県におきましては、いわゆる文系ホワイトカラーが110万人余剰になるというのに対して、北海道では文系ホワイトカラーですら足りないという状況でございます。下の右側でございますが、理工農系の専門家、あるいはインフラを支える技術者といったような方々については、全国どこでも足りないということでございます。
 もう一点、5ページ目を御覧いただきますと、この一つの背景といたしましては、18歳の段階で東京に8万人の若者がぐっと集まってるという状況がございます。その関係では5ページの右側を御覧いただければと存じますが、これは青森県の一つの分析でございますけれども、この推計の2のほうが実態に近いのでございますが、オレンジ色は、これは青森県内の大学を端的に申し上げますと偏差値順に並べまして、偏差値の低い側から学生さんがいなくなるというふうに仮定した場合のシミュレーションでございまして、オレンジ色は、その大学の学生さんは全ていなくなるというふうに仮定した場合でございます。黄色は半分いなくなるということでございますが、端的に申し上げれば、弘前大学の医学部以外は何らかの形で定員割れをするということでございますし、国立大学であってもです。なおかつ、このオレンジ色のところに私立大学で看護師さんを養成している大学が4つ入っているところでございまして、このままだと、これらの大学が退場すると青森県の地域医療を支えるコメディカルの方々の人材が供給できなくなるということになる予測でございます。
 6ページ目でございますけれども、これは文理選択、あるいは専門高校の選択という意味においては初等中等教育との連携が欠かせないということがございまして、昨年成立いたしました補正予算に3,000億弱の基金を設けまして、高校改革、理数を中心に学ぶ生徒さんの確保と専門高校の機能強化ということで、既に走り始めているところでございます。
 私ども高等教育局としては、1,000億の基金を活用して、大都市圏の私立大学の理工農・デジタル分野の重視、あるいは人社系学部の入学定員のダウンサイジングによる質の向上ということを図っていくとともに、ローマ数字の2にございますように、知事と学長が連携をして、先ほど御覧いただいたように、その地域の医療、福祉、産業、インフラ、これを支える人材を確実に確保していくという、その戦略を持たなければならないということになろうかと存じます。
 7ページを御覧いただければと思います。7ページの下のほうは、私学事業団の行っております経営分析に基づいてシミュレーションしたものでございます。あくまでも一定の仮定を置いたシミュレーションでございますが、2024年、一番左側でございますけれども、グリーンは資金流出傾向にないというもの。青信号でございます。黄色は、10年は大丈夫だけれども、10年以降は資金ショートのリスクがある。それから、オレンジは4年以上10年未満で資金ショートの可能性がある。赤色は4年未満で資金ショートの可能性があるというものでございます。
 8年間ほどは18歳人口が100万人以上を維持しますので御覧いただいている状況でございますが、その後、急速に74万まで急減していくということになりまして、2040年には御覧をいただいたような状況になってくるということでございます。極めて厳しい状況だというふうに申し上げざるを得ないところでございます。
 私ども、この8年間は100万人を維持するわけでございますが、ここで何も手を打たないと8年後、9年後、10年後にはかなり塗炭の苦しみを味わうと申しますか、社会的な混乱が生じるということでございますので、この2026年度から5年間につきまして規模適正化総合施策というのを強力に推進していきたいということを考えているところでございます。
 具体的には8ページを御覧ください。1で書いてあることは今申し上げたとおりでございますが、2の具体的な施策のaというところでございます。これは、各省と連携をいたしまして、特に厚生労働省におきましては昨年、医療法を改正いたしまして地域医療構想というものを各県が令和8年度に策定することになっておりますが、そこで明確にされますそれぞれの県の病床の量と質、そこから出てくる医療人材の需要というものを捉えまして、各県における地域医療の観点から、どれぐらいの規模の育成が必要かということを明らかにしたいというふうに思っております。同様に、恐らくデジタル人材についても同じようなニーズがあるというふうに考えてございます。
 bは、先ほど申し上げたように首都圏・大都市圏の大学の理系展開と、それから人社系学部のダウンサイジングによる質の向上と数理の併修と。もう、高校1年生以降、数理から離れた学びというのは絶対ないようにしたいというふうに思ってございます。cにつきましては、このaとbというのを全国的にどうバランシングするかという観点の施策でございます。
 9ページ目を御覧いただきますと、dにつきましては、経営体力のある段階で、つまり今目の前にいる学生さんが卒業するまでちゃんとオペレーションができるような経営体力のある段階で円滑な撤退をしていくということにつきましては、地銀などの専門家の力も借りながら、その撤退を慫慂(しょうよう)していきたいというふうに考えてございますし、その際、留学生の在籍管理につきましては、今年度から改善指導対象校の指定というものをスタートさせますので厳格化を図っていきたいというふうに考えております。
 まさに本委員会に関わります国立大学につきましては、2028年度からスタートする第5期の中期目標期間におきまして、基礎研究の充実、研究力の強化――これは当然でございますけれども、今御覧いただきましたように国立大学は戦後の国立大学十一原則に基づきまして、必ず各県に1つございますので、それぞれの国立大学の長は、自分のところの大学のマネジメントだけではなくて、県全体を見渡して2040年の人材需要ということを考えた時に、その県内の高等教育機関のコーディネート役として、知事と向かい合って具体的な姿を明らかにしていただくということが大事だというふうに思っておりますし、自らの大学におきましても、18歳人口減少下における理数・デジタル分野の強化、あるいは学部から大学院へのシフト、それから、国立大学の場合は全ての学生が入学の段階で一定の数理に関するリテラシーを持っているということでございまして、これは非常に重要な知的なインフラセクターだと思ってますので、地域をどのように支えるのかということについてもこれからしっかりと考えていただき、第5期の重要な基本の柱にしていただきたいと思っております。
 それからgでございますが、私ども、これを進めていくに当たっては、私どもだけではなくて先ほど申し上げた厚生労働省、それから経済産業省、それから内閣官房、内閣府など各省と密接に連携を取っていきたいというふうに思っています。
 なお、hでございますけれども、ずっとこの30年間、短大が4年制大学化するという傾向がございました。ただ、他方でアメリカのコミュニティ・カレッジのように、短期高等教育には固有の存在意義が本来あるはずでございます。私どもとしては今後、例えば地域の製造業の経営者などとお話をさせていただきますと、工業高校を出て自分の会社の中核として働いている人に、例えばDXを学んでいただくに当たって1年ないしは2年の課程があるというと、非常に助かるというお話を伺っております。
 厚生労働省からも、潜在看護師さんがもう一度病院に復帰する際に、1年、2年の課程があって別の医療資格があると処遇が改善されるというような話もございますので、今後、サプライサイドに立ったプログラムではなくて、今申し上げたような実需に基づいた短期の高等教育プログラムというものを設置しやすいように、場合によっては4年制大学が短大化するでございますとか、あるいは4年制大学が短期大学課程を持つといったようなことも視野に、私どもは取り組みをさせていただきたい。あるいは、工業高校と、それから工業短期大学の実質的な5年制というような仕組みも考えていく必要があるのではないかというふうに考えておりますので、私どもは、いずれにしてもそれぞれの各県の実需に基づいて施策を展開していただく必要があるというふうに考えているところでございます。
 各国立大学におきましては今週、国立大学協会の総会におきまして、私どものほうからこういう説明を改めていたします。このことを前提に第5期に向けたストラテジーを組み立ててくるというふうに存じますので、引き続き、ぜひ法人評価委員会の先生方に御指導いただければと存じます。
引き続き、課長の村尾から御説明申し上げます。
 
【事務局】 国立大学法人支援課長の村尾でございます。私は、資料3に基づきまして今の国立大学、第5期に向けた機能強化の検討の方向性について御説明をさせていただきます。
 2ページでございますけれども、第5期、これが令和10年度、2028年度からスタートします。これまでのスケジュールですが、文部科学省に有識者による機能強化検討会を置きまして、改革の方針を昨年の8月に出しております。その上で、文部科学省として改革基本方針を11月に定め、その後、2つにグループを分けて今、検討をしているところでございます。
 一つは運営費交付金の在り方について。こちらについては先週、2月24日でございますけれども、この評価委員会の委員長でもございます橋本委員長に座長をお願いしておりまして、運営費交付金のルールの検討をスタートしたということでございます。もう一つは、組織業務見直しの視点ということで、先ほど合田から御説明したような視点も踏まえて、評価委員会の下にワーキンググループを立ち上げ、現在、議論を進めているところでございまして、今月から6月にかけて、それぞれの国立大学と委員、文部科学省との意見交換の場を設定しております。
 続きまして3ページでございますけれども、先ほども申し上げました有識者による改革の方針、これを踏まえて文部科学省としての方針を定めておりますけれども、基本的な方向性のポイントとしては、まず国立大学全体としてのミッションを3つに分類して定めたということでございます。
 中段にございますように、世界最高水準の研究の展開とイノベーションのけん引、高度専門人材の育成、地域社会を先導する人材の育成と地域産業の振興ということで、この3つを国立大学全体として果たしていくということでございます。また、その留意点としては、右下にございますように、1つの法人だけのその役割、ミッションを果たすということではなくて、再編統合、連携、こういった視点を持つことも重要でございます。
 その他、ガバナンスの抜本的強化として、機能強化の方向性に沿った組織の見直しがございますが、(3)の1つ目のポツ、今の少子化の傾向も踏まえますと、学部学生の規模の縮小は不可避ということではございますが、他方で、それぞれの地方の大学には地域の人材のニーズも踏まえる必要がありまして、単純に縮小すればいいということでもないため、そういった地域の状況にも留意しつつ、学部の規模、組織の在り方について見直しが必要だということが3ページの(3)でございます。
 4ページ、教育の質の向上、ここでは、先ほどとも少し重なりますが、学部から大学院にシフトをしていくといったこと、そして、(5)研究力の強化に向けた取り組みも提言されています。
 国立大学法人の支援については3ポツで書いてあります。この中では2つに分けておりまして、一つはこの第4期中期目標期間中に関してでございます。
先ほども申し上げたように運営費交付金などの基盤的経費がこれまでかなり縮小、もしくは横ばいが続いてきましたが、この物価・人件費の上昇の状況なども踏まえて運営費交付金等についてしっかりと確保をしていくと。あるいは、附属病院についても緊急的に支援をしていく必要があるということで、昨年の補正予算、そして現在国会で審議中の令和8年度当初予算において一定額を確保するということでございます。
 そして、その第5期、令和10年度からに向けての方向性として、基本的な視点が右のほうにございますけれども、お示ししたような3つの視点、特に③にありますように物価等の変動に対応して教育研究をベースとした経費については、しっかりと確保するといったようなこと、そして、大学にとって見通しの立てやすい明確な配分ルールを構築する、そういった方向性で運営費交付金の今後の制度設計を考えていこうということが、提言をされていたところでございます。そして、左の下のほうにあります(2)にありますように、2つ目の丸ですけれども、国立大学は地域における中核的な役割を果たしていく必要があると、そういったことも提言をされているところであります。
 これを踏まえて国立大学法人の改革基本方針というのが、5ページになりますけれども、文部科学省として定めております。これは先ほど申し上げたような改革の方針の方向性を大学がやらなければいけないこと、そして文部科学省がやらなければいけないことで、青い部分が大学、そしてオレンジの部分が文部科学省がやらなければいけないということで整理をしたものでございます。内容としては、先ほど御説明したような内容を整理しています。
 その上で、6ページ、運営費交付金の在り方に関する検討会について、先ほど申し上げた3つの視点に基づいて具体的な制度設計に関して、先週から議論を開始しています。
 なお、運営費交付金を取り巻く現状の詳細については、この後、企画官の北野から御説明を申し上げます。
 
【事務局】 続きまして、国立大学法人支援課企画官の北野でございます。私のほうから資料4に基づきまして、運営費交付金を取り巻く現状について御説明をさせていただければと思います。本資料につきましては、先ほど村尾課長から説明がございましたように、先日、2月24日に行われました、第5期中期目標期間における国立大学法人運営費交付金の在り方に関する検討会において配布、説明させていただいた資料でございます。全体として、最初の前半で今の運営費交付金の仕組み、後半で来年度予算案について御説明をさせていただければと思います。
 1ページめくっていただきまして、2ページでございますけれども、経常収益・費用やその内訳の変化、法人化以降の変化でございます。全体として国立大学法人等の経常収益・費用は1.5倍に増加をしておりまして、最も大きな増要因としては附属病院収益。こちらが2.2倍に増えているところでございます。また、外部資金につきましても約4.3倍に増加という形になっております。
 一方で経常費用、こちらは収益増に比例しまして診療経費が約2.1倍に増加をしているという状況になっておりますので、附属病院の規模が大きくなっているというのが見てとれます。一方で、大学法人全体の一般管理費等は微減となっているという状況になっておりますので、大学の努力が見てとれるというふうに考えております。
 下のほう、経常収益のグラフを見ていただければ分かりますとおり、緑のところ、こちらが運営費交付金収益になってまいりますけれども、平成16年当時は47%を占めていたものが、令和6年度の決算におきましては29%という形になっておりまして、運営費交付金依存度が大きく下がってきている状況になってきております。
 以上が全体の運営費交付金に占める割合でございますけれども、3ページ以降、こちら第4期、現在の国立大学法人運営費交付金の配分の基本的な考え方でございます。運営費交付金につきましては、この基本的な考え方にありますとおり、各法人が着実に教育研究を展開し得るよう、基盤的経費として措置をしているものでございます。
 ポイントといたしまして、1点目、渡し切りの運営費交付金として人件費・物件費を含めて渡し切りで措置をしていて、各法人の判断で使っていただくという形になっております。2点目として、外部資金等の増減は交付金算定に反映させないとなっておりますけれども、運交金の算定上、各大学が独自に獲得した何らかの外部資金でございますとか、こういったものは運交金の増減には反映されないという仕組みになっております。3点目として、各大学のミッションの実現・加速化を支援するということで、第3期の機能強化経費を見直して、ミッション実現加速化経費を新設いたしまして、各大学の教育研究組織の見直し等に必要な支援を行っております。
 その財源として、4点目でございますけれども、ミッション実現加速化係数を第4期では設定をしていたところでございまして、各大学の基盤経費から毎年度、一定割合を削減してミッション実現加速化経費に持っていくという仕組みを設けていたところでございますが、これにつきましては後ほども御説明しますが、令和8年度予算案において、この係数の設定を廃止させていただいたところでございます。
 次、めくっていただきまして4ページでございますが、こちらが大きく現在の運営費交付金の仕組みを図で表したものでございます。基幹運営費交付金の基幹経費と、真ん中に基幹運営費交付金のミッション実現加速化経費、そして一番下が退職手当等でございますが特殊要因運営費交付金となっておりまして、この3つに大きく分かれるという形になっているところでございます。
 それぞれの算定の考え方を示しましたのが5ページの資料でございますけれども、一番上の基幹経費、ここが平成16年度の法人化以降、各大学の規模に応じて一定額を配分している部分でございますけれども、このうち、一定額につきましてミッション実現加速化経費、黄色のほうに持っていく仕組み、これが右の吹き出しのところでございますけれども、ミッション実現加速化経費により一定の財源を確保して、このミッション実現加速化経費に持っていくという仕組みがあったところでございます。こちらは先ほども御説明いたしましたが、令和8年度予算案において廃止をされております。
 一方、基幹経費の中にも、成果を中心とする実績状況に基づく配分という形で、一定の成果指標に基づきまして各大学にインセンティブを与える観点から1,000億の規模の配分の部分がございます。こちらで運営費交付金対象事業経費全体を出した上で自己収入、こちらは授業料収入と雑収入のみを引いた額を運営費交付金として各大学に手当をしているという仕組みになっているところでございます。
 6ページでございますけれども、こちら、ミッション実現加速化経費、一律の各大学に同じ係数を掛けるのではなくて、グループごとに、グループ1、グループ2は主に地域に貢献する大学でございまして、グループ3は専門分野に力を発揮する大学、グループ4、グループ5としては、卓越した成果を海外大学と伍する大学、グループ6として大学共同利用機関という形でグループを分けまして、その中で係数をそれぞれ掛けていくという仕組みを設けているところでございます。
 7ページでございますけれども、こちらは1,000億の配分対象経費の中の主な指標でございまして、教育の部分でございますとか研究、または経営の指標設定をした上で、それぞれの達成状況に応じて配分をしているという状況になってございます。
 続きまして8ページ、9ページでございますけれども、こちらは先ほど御説明いたしましたミッション実現加速化経費の係数の算出の方法などを細かく記したものでございますので、説明は割愛をさせていただければと思います。
 10ページ以降が平成16年の法人化以降の運営費交付金の推移でございまして、御承知のとおり減少を続けていたところでございまして、12ページを御覧いただきますと、令和8年度までの推移を載せさせていただいておりますけれども、令和8年度につきましては、冒頭、局長からも御説明ございましたとおり、当初予算で188億増と、また、令和7年度補正予算で486億円増という形で増加を図ることができているという状況になっております。
 続きまして13ページでございますけれども、13ページが運交金減少によることでどのような影響が各国立大学法人に生じているかというところを我々分析したものでございますけれども、まず真ん中のところでございますが、消費者物価指数が上昇する一方で交付金予算額が横ばいをしているという状況になっておりますので、実質的に目減りが生じているというふうに我々としては考えております。
 上段にある、人件費増加による財務逼迫というところでございますけれども、人件費の決算額、法人化当時、平成16年度は交付金予算額の75%相当でございましたが、令和6年度では交付金予算額91%相当を占めるという形になっておりますので、かなり財源が逼迫をしてきているのではないかというところが見てとれます。
 その結果といたしまして、左にございますように人材への影響として海外大学と比して教員給与水準が低いという状況、若手教員が減少してきているという状況。右は、設備への影響として、光熱費高騰による費用増加でございますとか設備の老朽化が進んでいると。また、一番下のところに教員1人当たり研究費の減少、幾つかの大学にヒアリングをした結果でございますけれども、それぞれ教員1人当たりの研究費が大きく減ってきているという現状が見てとれるところでございます。
 この詳細は続いての14ページにございますけれども、各大学にヒアリングをした結果でございますが、それぞれD大学、E大学という形で事例を紹介させていただいておりますが、平成16年の法人化と比較をいたしまして、教員1人当たり研究経費、D大学でございますと46万から6万にまで減っている。E大学でございますと49万から8万まで減っているという状況が見てとれるところでございます。
 次のページ、15ページでございますけれども、今のような状況が続いているというところを踏まえて、また、わが国の基礎研究の強化でございますとかそういったところに資するよう、令和8年度予算案におきましては188億増の1兆971億円の予算案を計上させていただいております。また、令和7年度補正予算額におきましては486億円でございまして、そのうち運営費交付金として421億円、設備整備費補助金として66億円という形で予算案を計上させていただいているところでございます。
 また、真ん中のところに安定的・継続的な教育研究活動の支援とございますけれども、先ほどの第4期の仕組みであるミッション実現加速化係数、こちらを開始することで毎年度、負担経費からミッション実現加速化経費に繰り入れていた100億円、この仕組みも廃止をしたところでございます。
 続きまして、次のページ16ページは補正予算の概要になっているところでございます。こちらも、先ほど申し上げましたとおり486億円を計上させていただいて、既に各大学に配分を行わせていただいたところでございます。
 以上の第4期の運営費交付金の仕組み、また、令和8年度予算案の仕組みについて、先日の第5期中期目標期間における運営費交付金の在り方に関する検討会では御説明をさせていただきまして、今後、先ほど課長からも説明がありましたとおり、いかに運営費交付金を安定的な形にしていくか、また物価連動をどのような形で入れていくかということについて議論をさせていただいたところでございまして、また時期を見てこちらの評価委員会にも御報告をさせていただければと思っております。以上でございます。
 
【橋本委員長】 ありがとうございました。それでは、委員の方からもし御質問等ございましたらお願いいたします。それでは、渡辺委員、挙手ボタンを押していただいています。
 
【渡辺委員】 はい。ありがとうございます。とっても丁寧な御説明をいただきましてありがとうございました。今後の社会需要を基に問題提起いただきまして、どうやって変わっていくのかという、とても分かりやすい御説明だったと思います。
冒頭のところで、日本の理系人材が少ない、特に女子が少ないという御指摘がありました。
私も内閣府の STEM Girls Ambassadors をやっていて、女子高生とか保護者の方と直接お話する機会がありますが、そこのところには大きな思い違いとかそういうものが存在していると感じています。
社会のバイアスのお話もありましたが、私が聞いてる限りは、母親が直接子どもに、特に女子に対しては母親が非常に、理系に行ったら大変だよというような、御自分が若い時の経験を基に話すことがかなり障害になっているという話を聞いています。特定の人だけではなくて全体に対してもっと女子が理系に進むことの有意義さなどもお話ししていただきたいと思います。
それから、最近の女子高生をお話しすると、文系に進む女性でも必ずしも本当に文系だけに興味を持っているわけではなくて、数学と歴史が好きだとか、文系と理系のどっちも好きなんだけれども選択するのにすごく困っているっていう子が結構多いんです。それはよい教育を受けた結果だと思いますが、女子の理系が少ない一つの要因は、早い段階で文理選択しなければいけないことにあります。実際には、もうほとんど高 1、高 2 になる時に完全に理系クラス、文系クラスに分かれる状況ですし、早い学校では中学校で実質文理選択しなければいけないようなことも現実に起こっているので、そこで女子が、本当は決められないんだけれども、文系を選ばざるを得なくなるようなことが多いという話も聞きますので、文理選択を遅くし、多くの男子も女子もいろいろ勉強してから決めたいという要望もあります。どの段階で文理に分けるのかというのも、考えていただくと実際には変わるのではないかなと思います。
つまり、私が申し上げたいのは、高等教育だけで考えるのではなくて、中等教育ももっと強く連携して全体として日本の教育をどういうふうにデザインしていくのかと、そういう視点でお考えいただくと、違う結果が得られるのではないかと考えています。もちろん運営費交付金を増やしたり、効果的な配分をすることはとても大事ですけれども、予算をどうしていくかと同時に基盤をどうしていくかというところも、ぜひ一緒に考えていただきたいと思います。
以上でございます。
 
【橋本委員長】 ありがとうございます。それでは、村田委員、お伺いをします。
 
【村田委員】 はい。ありがとうございます。先ほど合田局長のほうから現在の状況をお話しいただいたわけなんですが、文理の問題、国立大学も含めて、大学だけでなかなかこの問題は解決しないんだと思うんです。入試段階で高等学校が文理コースを分けて入試の対策をしていますから、既にもう多分考えられておられて、進めていらっしゃっていただいているんだと思うんですが、高校段階、中等教育の段階で文理のコース分けを何とか初中局とも連携してやっていくことでないと、恐らくこの問題は解決しないんだろうな、大学だけでは恐らく解決しないんだろうなと思っていますので、ぜひその点、抜本的なところで解決をしていただければってお願いしたいと思います。私からは以上です。
 
【橋本委員長】 それでは、続きまして栗原委員、お願いします。
 
【栗原委員】  はい。ありがとうございます。今後を考える上でのさまざまな情報提供を頂いたと思っております。大学運営については、今後の環境を考えますと非常に厳しい状況だと思いますし、今から長期視点で取り組まなければいけないことの課題意識を強くしたところでございます。
主に、資料2のところで、今後、大転換するにはということを書いていただいていますけれども、今日の話で思いましたのは、大学教育を取り巻く環境としては、地域が変わる、産業が変わる中で人材のミスマッチが起こる、その影響として最終的に大学の経営の維持が困難になるというお話だったと思います。
そうしますと、大学が、例えば2040年を見た時の大学の姿を地域をベースに、または産業や就業構造をベースにいかに描けるかということが重要だと思いますので、これから各大学において中期の計画を立てていく中で、将来の大学の姿を地域と産業を含めて考えていくことを真剣にやらないといけないと思います。
今後の検討の視点として問題提起をさせていただきました。よろしくお願いいたします。
 
【橋本委員長】 それでは、続きまして勝委員、手が挙がっています。お願いいたします。
 
【勝委員】 今日御説明あったように、やはり大きな構造変化の中での大学の在り方ということを考えるのは非常に重要ですし、そういう視点がなかなか今まではなかったと思うんですけれども、将来展望も含めて、このような分析をされたというのは非常に重要だと思います。
 今たまたま出ている、先ほど出ていた文系、理系というところの区分けが今後、やはり産業構想の変化等の下で変わっていくと、大学の在り方も変わっていくと。まさにそのとおりだと思うんですけれども。ただ、ここで文系、理系という区分けにしているのは、やはりこれもちょっと古い考え方というか。例えば我々の学部、経済学の学科では、今年の入試でも結構数学を取る子が多くて、選択科目では今、数学が一番多い形になってる。経済学は特に数学使いますので、それは当然そうなるわけですけれども。今後のAIであるとか、あるいはデジタルというものを考えた場合には、文理融合的な、そういった新しい分野というものも必ず出てくるわけで、それらも含めて社会的なニーズがどういったところにあるのかと。それは単に文系、理系という区分けではなくて、やはりスキルとして、あるいはリテラシーとしてAIであるとかそういったもののリテラシーが重要になるということも考えていくべきではないかというのが一点。
 それからもう一点。地域とそれから都心といいますか、地域格差というものがかなり多く出てきているというのはおっしゃるとおりで。特に人材がやはり都心に集まってしまうという中で、ちょっと残念だなと思ったのが、地域の大学の在り方として留学生を増やすことが非常に重要だっていうのが、まず最初のところに出てきていたので、そうではなくて、もちろん留学生、あるいは外国人の労働者っていうのは、これからの日本にとっては非常に重要になるとは思うわけですけれども、やはり考えるべきは日本人の学生というものをまず考えるべきではないかなということが一点。
 それから、学費の問題。留学生の学費の上限規制が撤廃されたので、幾つかの大学で留学生の学費が日本人より増えているということがあると思うので、そういった流れは、やはりその一部の大学だけではなくて全体に広めていくということが重要なのではないかと。それは、運営費交付金は減ってきているけれども、ある意味でそういった幾らかでもプラスになれば、特に任期なしの教員の拡充、それから現在いる研究者の給与の増額といったようなところ、つまりそこが改善されなければ、やはり理系、あるいは大学の研究者になりたいというそういう人材っていうものは減ってくる。今までどおりというか、過去を見ればかなり減ってきているわけですから、そういったものをトータルで考えていくということが重要なのではないかと思われるので、その辺もぜひ考えていただければと思います。以上です。
 
【橋本委員長】 ありがとうございます。それでは、横田委員お願いいたします。
 
【横田委員】 はい、横田です。よろしくお願いいたします。私から2点あります。まず、今まで先生方おっしゃられてきたのと一緒なんですけど、理系人材をどれぐらい増やしていくかっていうとこで、文理融合っていうのも重要な観点だなと思いながらお伺いしてましたけれども。私、リケジョのイベントを毎年実施しておるんですけれども、かなり、10年前に比べたら少しずつ改善の見込みがあるのかなというところではあるんですが、中高生の女の子たちからは、やっぱり数学科目とか理系科目はやや苦手なんだけど大丈夫かな、みたいな不安な声を持ちながら、チャレンジするかを悩んでいるなというところを認識しているところです。
 文理選択を遅らせるっていうところももちろんですけれども、大学側で理転、文転がしやすいようにする、融合だけじゃなくて、ところもありますし、入試の考え方をどうするかっていうのも含めて広く考えるところなのだというふうに考えております。
 2点目は、産業の需要に応じてどういう人材を育成していくかっていう点も非常に重要だというふうに思っております。もう既に各省とのコミュニケーションを取っていただいてるっていうのは非常に重要だというふうに思います。例に挙がっていた医学部、地域医療等々の関係で、県知事とのコミュニケーションも取っていくようにということがありましたけれども、私は少なくとも中核指定都市の首長とのコミュニケーションも重要であるというふうに考えております。
 医療の分野だけじゃないですけれども、例えば地域医療構想も、非常に広域でこういったバランスを取っていくっていうところがなかなか非常に機微に、センシティブな内容で、なかなか進捗をしていないっていうふうに聞いておりますし、私のほうで先日、地域の首長さんたちの視察でいろいろヒアリングをしたんですけれども、やっぱり市町村ごとにかなり施設の状況だったりとか、選挙の中で、公約の中でいろんなタイムスパンで話をしているので、広域的に物事を決めていくのがなかなか困難であるということをお話をされていて、県とお話をするのもそうですけれども、もうちょっと広い、ステークホルダーとコミュニケーションを取っていただけるように、後押しをしていただくことも重要なのではないかというふうに思います。以上です。
 
【橋本委員長】 続きまして塚本委員、お願いいたします。
 
【塚本委員】 
幅広に全体を説明していただいてありがとうございました。資料 2 のところの 3 ページで、高校生のところで理系と併せて専門学校を増やすというのは良い方向ではないかと思いながら、伺っておりました。
アメリカの労働の統計に学歴別の賃金と失業率のレートというのがございます。2024 年を見てみますと、博士号取得者の総数等も影響があるかと思われますが、博士号を持っている人の賃金と失業率が一番低くなっています。その統計で次に来るのが Professional Degree という専門的な Degree を持っている人となり、それから Master、Bachelor ってなっています。これらの専門学校にいらした人材がその後大学に進みたいと思った時にどのように繋げて行くのかということも、もしかすると 2040 年に向けて考えておいてもいいのかもしれないというふうに感じました。以上です。
 
 
【橋本委員長】 ありがとうございます。それでは、続きまして本郷委員、お願いいたします。
 
【本郷委員】 はい。ありがとうございます。今、各委員のほうから御指摘がありましたことですけれども、私は私立大学に奉職して純文系学部で30年間教壇に立たしていただきましたですけども、やはり私どものゼミ等から大学院に進学し、今日、それぞれの大学で研究所に就いているようなそういう卒業生は、もうほぼ例外なく高等学校の段階で理数系の科目をかなり重点的に勉強してきた子。言い替えれば、私立大学専願ではなくて、国立大学との併願から事情があって私立大学に来たっていう子が大体その大半をというか、もうほぼ全員がそうなんです。
 ですから、私、高等学校に進路指導などで講演の機会を頂いた時には必ず、文理の選択っていうのを早くするけれども、それよりも、むしろ極端なことを言うと、高校2年生の終わりまでは理系で走って、どうしても自分の興味、関心と将来の志向性が文系であればそこから文転すればいいと。これ逆は絶対できませんから。そのぐらいの数学の感性とスキルというものは大事だと思っております。
 それで、国立大学の場合、その点からしますと、今日、入学生の多様性っていうか個性の尊重というのが非常に声高に叫ばれていて、御承知のとおり一般入試よりも総合選抜の入試っていうのがかなり割合が増えてくるんです。そうすると、どうしてもそういった、今申したように国立大学の特色である理数系の科目も一応学んで、それを入試科目として取ってきたっていう子が、そうではなくて、もう純粋に文系の科目だけで十分に入学できるような、そういう構造になっているところもやや見受けられると思っておりますので、果たしてそういう方向性でいいのかどうかということを、もう少し将来を見通した観点から考えていかなきゃならないというふうに思います。
 その点についても、またこの委員会でもいろいろと御意見を頂きたいというふうに思っております。以上でございます。
 
【橋本委員長】 ありがとうございます。大変活発な御意見を頂きました。内部委員、お願いいたします。
 
【内部委員】 ありがとうございます。資料2の2ページで、ミスマッチっていうところがあると思うんですけども、恐らくこれは大学でいうと工学部、高校でいうと工業高校の人材が不足するんじゃないかなと思われるんですけれども。高校で文理一緒のほうがいいっていうのはそのとおりなんですけれども、実は高校で今一番問題なのは、物理を履修する人が非常に少ない。文科省の教科書課で毎年、教科書の発行部数を出してるんですけども、昔でいうと物理2、理系の子が勉強する物理という科目が大体、恐らく23%ぐらい。基礎物理だと60%ぐらいなんですけども。
 何でかというと、まず、高校の先生は理科という単位で採用されるので、必ずしも物理を取ってる先生がいらっしゃらないことが結構多い。物理を教えられないから、割と物理が苦手だという生徒も多いものですから物理を開講しない。でも、実は工学部は、特に難関の大学になると工学部は必ず英語、数学、物理、化学を2次試験で取らないといけない。少なくとも大学共通テストで物理を取ったほうがいいっていうのがあるんですけれども、大体、生物、化学でも工学部行けちゃうという今の入試のあれからいうと、物理取らなくてもいいやっていう生徒さんが多くなるのも仕方がない。
 そこをもうちょっと、高校で物理を教えられる人を確保する、これもなかなか難しいんだと思うんです。大体、物理ができる人って、高校の先生よりもっと待遇のいいところに行ってしまうので。ということは、物理を教えられる教員をどう確保していくかっていのが今後、すごく問題になってくるのかなというふうに思います。
 あと、足りないところに技術者とかエッセンシャルワーカーがあるんですけれども、これは専門高校を去年1年間、ぐるっと回ったんですが、大体が、やっぱりここも教員をどうやって確保するか。農業とか、商業とか、水産って、なかなか先生の確保が難しい。技術スタッフも確保するのが難しい。おまけに、特に水産高校なんかですと船が数十億もするので、それを全部文教予算だけで賄えるのか。こういうのは、むしろ知事部局の水産部ですとか、農水部なんかの予算で賄える部分があるんじゃないかなと思うんですけども、今の現行では、なかなか首長部局の予算を持ってくる。最近はちょっと農水の予算が、そういう農業高校のほうにも入ってきてるようなんですけども、もう少し、教育なんだから全部文教予算だけで賄うっていう考えじゃなしに、いろんなところから集めて、その責任問題っていうのはなかなか、じゃあこれを管理するのはこっちだからっていうのは難しい部分があると思うんですけども、そのあたりは恐らく立法化しなければいけないので、政治の世界だと思いますけれども、その当たりをもうちょっと深く考えないと、この問題は難しいんじゃないかなというふうに思っています。以上です。
 
【橋本委員長】 ありがとうございます。さまざまな角度から活発な御意見ありがとうございました。それでは、その他の議事はこれで終了いたしたいと思います。
 
 
 
【事務局】 私どものほうから事務的にコメントさせていただいて、数多くの御指摘、御意見を頂きましてありがとうございました。御指摘については、必要に応じ、初等中等教育局にもしっかり伝えてまいりたいというふうに思っております。
 幾つかコメントをさしていただきますと、渡辺先生からお話があった件は、東大のカブリ研の横山先生の調査がございまして、男性の保護者、女性の保護者の意識調査なんですが、明らかに男性の保護者のほうがバイアスが高いという結果がございましたので、そのことを申し上げたところでございますが、それは乗り越えていかなきゃいけないというふうに思っております。
 村田先生のほうからは、大学だけでは変わらないと、高校も変わらなきゃいけないというのは全くそのとおりなわけでございまして、例えば今日、色々お話がございましたように、そもそも高校の数学教育がデジタル時代に生きる生成AIネイティブともいわれるα世代にとって、魅力的なものになっているかどうかというところから入っていく必要があるんじゃないかなというふうに思っておりますが、来年以降改訂されます学習指導要領におきましては、数学1の構成を大きく変えようと。
 数学1というのは全ての高校生に必須なんでございますけれども、この数学Iの構成を変えていこうというふうになっておりまして。例えばコンピューターグラフィックスに必須の座標変換の観点から、行列やベクトルというのはこういう意味があるんだよというような内容にしていこうというような議論も今、初中局の中央教育審議会でも行われておりますので、我々、そうやって高校に変わっていただく必要があると思っておりますが、他方で、高校の側から立ちますと、やはり大学が変わらないと、高校だけでは変われないというのも事実でございまして。
 私どものような、昭和52年に改訂された学習指導要領、ゆとりと充実がスローガンだったもの以降、義務教育はスローダウンしてるんだけれども、大学入試が厳しかった世代は高校の予備校化が進んでおりますので、先ほどいろいろ御指摘ありましたけれども、高校からすれば、首都圏、大都市圏の大規模私学に通るために科目を選ばざるを得ないと。その結果が合格者数として高校のホームページに載ってベンチマークになるという実態もございます。
 先ほど、入試の選択で経済学部で数学を選ぶ方が多いって話ありましたけれども、早稲田大学の政治経済学部は一般入試は全て数学を課すということをやっておりますが、やはりそういうことと連携して、大学も変わる、高校も変わるということで変わっていかなければならないんだろうというふうに思ってるところでございます。
 私どもは、最後は、そもそも文系、理系という日本にしかないこの不思議な区分を取り離したいというふうに思っておりまして。恐らくこの区分は大正7年の旧制高等学校令の「高等学校高等科ヲ分チテ文科及理科トス」というこの規定を淵源とするものだと思いますけれども、やはりこれは乗り越えていきたいというふうに思っておりますが、今日、いろいろお話がございましたさまざまな課題がございますので、これは先生方の御指導を頂きながら、初等中等教育とも連携をしながらしっかりと前に進めていきたいというふうに思ってるところでございます。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。私からは以上でございます。
 
【橋本委員長】 ありがとうございます。
 それでは最後に、現在の国立大学法人評価委員会といたしましては第11期の任期中でございますが、その任期につきましては今年の4月22日までとなっております。従って、本日をもちまして任期中の会議は全て終了いたしました。皆さまのこれまでの御尽力に心から御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
 なお、合田高等教育局長から御挨拶があるということでございますので、局長、よろしくお願いいたします。
 
【事務局】 まず、今、委員長からもお話がございましたように、令和6年から11期のこの国立大学法人評価委員会スタートしたわけでございますけれども、この先生方の任期という観点から本日が最後の総会ということになりますので、一言お礼を申し上げたいというふうに思っております。
 先生方には、本当にお忙しい中、この国立大学法人評価委員会を引き受けていただきまして、大変な御尽力を頂きまして誠にありがとうございました。2004年に法人化をいたしましたので法人化して20年ということでございますが、この20年を迎えて、次のステージの国立大学法人をお支えいただいたことを心から感謝を申し上げたいというふうに思っております。
 先ほど村尾課長のほうから申し上げましたように、今回、補正予算と、それから国会で審議中の当初予算におきまして、運営費交付金がこれまでにない水準で増えたということの背景には、やはり社会が大きく変動しているということがあるかなと思っておりまして。デジタル化ですとか生成AIの飛躍的進化の、この可能性と課題というのはもちろんなんでございますが、恐らく多くの方が感じておられるように、パンデミックでありますとか、ヨーロッパ、それから中東での戦争と申し上げていいと思うんですが、それから世界規模の大震災、震災、それからデモクラシーの揺らぎといったような状況の中で、やはり人類的な不変性ですとかグローバルな公共性の担い手である大学、そして、その中で研究力高く地域に根ざした活動をしている国立大学に対する期待が非常に高くなっているということかというふうに思っております。
 私どもとしては、引き続き国立大学が今の社会にサーブするということ以上に、次の時代をリードするという存在になるために、国立大学法人評価委員会と各国立大学との極めて充実した有益なキャッチボールというのが今後とも必要不可欠だというふうに思っておりますので、この枠組みを生かしながら、かつ先生方には、ぜひ引き続き様々な広い立場から国立大学、あるいは大学セクター全体の御指導を頂ければというふうに思ってるところでございます。
 本当に大変お世話になりましたことを心から御礼申し上げます。どうもありがとうございました。
 
【橋本委員長】 それでは、これをもちまして本日の総会を終了いたします。長時間ありがとうございました。

お問合せ先

   高等教育局国立大学法人支援課国立大学戦略室