国立大学法人評価委員会(第75回) 議事録

1.日時

令和6年3月4日(月曜日)13時00分~15時00分

2.場所

WEB会議

3.議題

  1. 国立大学法人等の中期目標原案及び中期計画変更案について
  2. 国立大学法人の意欲的な評価指標の再申請の指定について(案)
  3. 第4期中期目標期間評価における国立大学法人評価委員会が行う業務実績評価実施方法の手引(案)について
  4. その他

4.出席者

委員

   大橋(徹)委員長、内部委員、大橋(隆)委員、沖委員、勝委員、熊平委員、栗原委員、後藤委員、小長谷委員、小林委員、近藤委員、鈴木委員、森委員、山本委員、横田委員、吉田委員

文部科学省

   池田高等教育局長、塩見研究振興局長、伊藤文部科学戦略官、井上国立大学法人支援課長、柳澤大学研究基盤整備課長、邉田国立大学戦略室長、赤岩国立大学戦略室長補佐、高橋大学研究基盤整備課連携推進専門官

5.議事録

【大橋(徹)委員長】  国立大学法人評価委員会の総会を開催いたします。委員の皆様におかれましては、ご多忙の中御出席いただき、誠にありがとうございます。本日はWeb会議方式にて、3つの議事を予定しております。1つ目は「国立大学法人等の中期目標原案及び中期計画変更案について」、2つ目は「国立大学法人の意欲的な評価指標の再申請の指定について」、3つ目は「第4期中期目標期間における国立大学法人評価委員会が行う業務実績評価実施手法の手引について」ご審議いただく予定です。本日の会議は約2時間を予定しております。委員の皆様方におかれましては、円滑な会議運営に御協力いただきますようお願い申し上げます。なお、本会議はYouTubeにてリアルタイムでの公開といたしますので、併せて御承知置きください。
 それでは、事務局から配付資料の確認をよろしくお願いします。
 
【事務局】  国立大学戦略室長の邉田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。まず配付資料の確認ですが、議事1としまして、資料Ⅰ「国立大学法人等の中期目標原案及び中期計画変更案について」、議事2といたしまして、資料Ⅱ「国立大学法人の意欲的な評価指標の再申請の指定について(案)」、参考資料Ⅱ−1、参考資料Ⅱ−2、また、机上資料として判定案も併せて配付させていただいております。議事3といたしまして、資料Ⅲ-1「第4期中期目標期間における国立大学法人評価委員会が行う業務実績評価実施方法の手引(案)の概要」、資料Ⅲ−2国立大学法人の「実施方法の手引(案)」、資料Ⅲ-3大学共同利用機関法人の「実施方法の手引(案)」というところでございます。その他に参考資料Ⅲ-1からⅢ-5の資料を配らせていただきました。
 続きまして、本日のご出席ですが、村田委員から御欠席のご連絡をいただいております。また、渡辺委員から途中で御参加いただくという御連絡をいただいております。その他の委員におかれましては、全ての委員にご出席いただいております。
 事務局からのお願いですが、Web会議を円滑に行う観点から、インターネット配信もさせていただいておりますので、ご意見等がはっきり聞き取れない場合がございますので、その際にはもう一度お聞きするかもしれないことをご容赦いただければと思います。御発言の際は、お名前をおっしゃっていただければと思います。発言時以外はマイクをミュートにしてください。また、御発言にあたっては、Zoomの挙手機能をご使用いただくか、カメラに映りやすいように手を上げていただくようお願いいたします。その他、資料を御参照いただいてコメントの際は、資料番号やページ番号等をわかりやすくお示しいただくなどのご配慮をいただけるとありがたく存じます。お手数をおかけいたしますが、御理解のほどよろしくお願いいたします。以上でございます。
 
【大橋(徹)委員長】  それでは議事に移ります。はじめに、国立大学法人等の中期目標原案及び中期計画変更案について御審議いただきたいと思います。まずは事務局より、御説明をお願いいたします。
 
【事務局】  それでは資料Ⅰをお手元にお願いいたします。まずは総論的な話としまして、国立大学法人法に規定されておりますとおり、中期目標の変更については文部科学大臣が法人に示す前、中期計画の変更にあたっては文部科学大臣が認可する前に、それぞれ本委員会に御意見を伺ったということとなってございます。また、評価委員会における審議にあたっては、同法の規定等を踏まえまして、法人の意見を尊重することが原則になってございます。本年度につきましては、中期目標の変更については3法人、中期計画の変更については69法人から変更案の提出がございました。変更内容の概要等については、この資料Ⅰにまとめておりますので、変更案について御意見をいただければというところでございます。
 まずは2ページ目の中期目標変更原案を御覧ください。法人の理念等が変更になったことに伴い、当該理念が中期目標の「(前文)法人の基本的な目標」に明記されているといったことで、本記載の修正を行うといった申請が横浜国立大学及び三重大学からありました。横浜国立大学につきましては、大学憲章の変更で「多様性」という重要な概念を追加したというところでございます。三重大学は、大学の基本理念の表現ぶりを変え、ディプロマ・ポリシーの見直しをしており、「生きる力」の文章を再調整し、「行動する力」を「生きる力」を育むための力として、新たに置いております。
 次に、重点的に取り組む新たな構想が具体化したこと等に伴う変更が、熊本大学から来ております。変更理由のところにもあるとおり、半導体・デジタル研究教育機構の設置等に伴って、新たに中期目標を選択して追加したいというところで、1法人から提出がありました。
 続きまして、3ページを御覧ください。こちらは69法人からあった中期計画変更案です。まず中期計画本文の変更として、重点的に取り組む新たな構想が具体化したこと等に伴う変更を29法人からいただいております。一番上のものについては、構想が具体的に進捗していったところで、評価指標の上方修正や追加をすることを4法人からいただいております。
 その下の意欲的な評価指標の再申請に伴う変更は23法人ですが、昨年指定していただいた意欲的な評価指標は、今年度に限って評価指標の上方修正や、定性的なものについては具体化をしていくことを含めて、再申請を行うことを可能としていたというところです。それに伴う変更が23法人からありました。
 その下には大学・高専機能強化支援事業を活用して、9法人から変更の申請がございます。この事業を活用して高度情報専門人材の確保に向けた取り組みを追加しているといったところです。このように、各法人の教育研究・質的向上等に資するものを申請いただいているというところです。
 その下に、重要な財産を譲渡し、または担保に供するための変更が20法人とございますが、重要な財産の譲渡を行う際、当該計画を中期計画に記載していただく必要がございます。そのための変更申請です。23ページの北海道大学からの申請にあるようなセミナーハウスなど、利用状況や利用料等を踏まえて、法人の業務運営に支障がないこと、資産の有効活用に資するものであることを、文部科学省において確認しているところです。
 その下は、中期目標期間を超える債務負担に関する変更や、その他の変更として、3つポツを置いており、学内組織・制度等の名称決定等に伴う変更、評価指標の目標値の確定に伴う変更、文言の訂正等その他変更というところです。
 その下に中期計画別表の変更が45法人、1法人とありますけれども、教育研究組織の設置等に伴う変更、募集停止に伴う学部・研究科名の削除、共同利用・共同研究拠点等の認定・改組等に伴う変更につきましては、別途、設置審などで審査されており、結果を踏まえて組織収容定員の増減に反映されているというところです。以上です。
 
【大橋(徹)委員長】  ありがとうございました。ただいまの説明について、御意見や御質問等がありましたらよろしくお願いいたします。山本委員、どうぞ。
 
【山本委員】  山本です。この計画の変更のうち、意欲的な評価指標の再申請に伴う変更ですが、もし再申請の結果、採択されなかった場合は、計画変更の取り下げはあり得るのでしょうか。
 
【事務局】  ありがとうございます。基本的には変更を前提として出していただきます。当然、困難度を上げた評価指標になるので、評価等々の際には、そういうところもしっかりと勘案していくことだと思います。以上です。
 
【大橋(徹)委員長】  他にいかがでしょうか。それでは、文部科学省としましては、原案のとおり中期目標・中期計画の変更を認可することでよろしいでしょうか。異論がないようですので、本案は原案どおり可決されました。
 次の議事に移らせていただきます。議事2「国立大学法人の意欲的な評価指標の再申請の指定について」御審議いただきたいと思います。意欲的な評価指標については、昨年3月の総会で指定を行ったところですが、昨年決定した「意欲的な評価指標の指定に係る基本的な考え方」の中で、達成水準の具体化を行った上で、意欲的な評価指標の指定を目指すことは、各法人の教育研究等の更なる質的向上を促進する観点からも望ましく、再申請を令和5年度に限り認めるとの整理をしてございます。本件については、国立大学法人分科会において御議論いただき、この度国立大学法人の意欲的な評価指標の再申請の指定(案)としてまとめていただきました。国立大学法人分科会の近藤分科会長より、再申請の指定(案)について御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 
【近藤委員】  近藤です。ただいま大橋委員長から概略をお話しいただいたとおり、昨年にこの総会で決定いたしました「意欲的な評価指標の指定に係る基本的な考え方について」の中で、令和5年度に限り、意欲的な評価指標の再申請を認めることとしておりました。国立大学法人の分科会が行った審査状況について御説明をしたいと思います。
 資料Ⅱの1ページをご覧ください。再申請の募集を行った結果、24法人から全32件の再申請があり、国立大学法人分科会を開催して審査をいたしました。指定に当たっての基本的な考え方として2つの観点がございます。一つは、機能や規模等の類似する他法人と比較して特に高い達成水準であること、先駆的な取組であることなどを勘案して客観的に達成水準が高いと判断できるかについて、客観的なデータや昨年度の類似する申請との整合性を確認しながら厳格な審査を実施いたしました。
 審査の結果、計6件を意欲的な評価指標として指定してはどうかと分科会のほうでは考えております。それでは具体的に資料Ⅱの2ページのところから御説明したいと思います。規模や機能等の類似する法人間においてトップを目指すもので過去の実績と比較して高い水準にあるものとして、お茶の水女子大学のTHEインパクトランキングのSDGs5「ジェンダー平等を実現しよう」において100位以内を目指す。同じくお茶の水女子大学で、女性教員比率49%以上、教授職で40%以上に設定。静岡大学の大学発ベンチャーの設立を30社以上。熊本大学の半導体関連企業への輩出人数。大分大学のピロリ菌をキーワードとした論文数及び被引用数国内第1位。以上の5件について、客観的データから国内1位、もしくは類似する法人間で1位を目指す指標であることを確認しておりますので、指定してはどうかと考えております。
 4ページをご覧ください。次に国内の大学における最初の事例となるもので、第三者機関による認定等の一定の水準の高さが担保されているものとして、奈良国立大学機構の全国初となる国立の認定こども園の設置の1件をあげております。最初のモデルとして法令改正を促した一定の水準の高さが担保されているものであり、認定こども園としてのカリキュラム開発により、他法人を牽引していくことが期待されるものとして、指定してはどうかと考えております。
これ以外にも、委員の皆様方には机上資料として、再申請の32件分全ての申請一覧をお示しておりますが、ただ今ご説明した6件以外の26件については、客観的に達成水準が高いと判断できないものとして、指定は行わないものと考えております。指定を行わない指標についても、意欲的な評価指標は審査の観点に沿うものではありませんでしたが、取組自体は各法人にとって意欲的なものと考えておりますので、4年目終了時及び6年目終了時評価の段階において優れた実績や成果があると認められる場合には、結果として高く評価されることになると思います。これは先ほど山本委員のほうから発言されたことへの対応です。各法人においては、是非とも目標の達成に向けてご尽力いただきたいと考えております。私からは以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
 
【大橋(徹)委員長】  ありがとうございました。ただいまの御説明について御意見や御質問がありましたら、よろしくお願いいたします。棚橋先生、いかがでしょうか。
 
【棚橋委員】  御説明ありがとうございます。大体資料では理解しているつもりですが、どこの大学の評価指標がどれほど意欲的かと見る一つの基準として、機能や規模などの類似する他法人における取組の実績というものがあって、これをどれくらいの目の子で取っていくかによっても随分変わるような気がします。もちろん、ある程度広く取った上で6個だけ追加ということになるので、それなりに広く取られているのだとは思います。細かいところ全部は見きれてはいませんが、判定の一覧などを見ると浮かび上がってくるものはあると理解しておりますが、皆様方や御担当の方が検討されたときに、どういう括りでどれくらいのカテゴリーで捉えていったのかということを、もう少し具体的に教えていただけると助かります。よろしくお願いします。
 
【近藤委員】  ご質問ありがとうございます。分科会としては、基本グループが8グループあります。いわゆる国立大学法人82に対して、それぞれグルーピングを行っています。それは同じ規模あるいはそれぞれ特徴を持ったものにカテゴリー分けをしています。とりわけその中で、それぞれ委員の皆様方に責任を持って比べていただいて、全体を通した横並びの部分という段階を経ています。あとは事務局のほうから補足があればお願いします。
 
【事務局】  ありがとうございます。ただいま近藤分科会長からお話がありましたとおりでございまして、規模や分野などの特徴を踏まえながらグルーピングしており、全体を通して比較したときに、本当に意欲的なものかどうかを判断しております。前回指定したものもあるので、そことの整合性も取りながら御審議いただきました。
 
【棚橋委員】  ありがとうございました。そのグルーピングというのは、それぞれ対象となるグルーピングの中で、まずどうかということを見た上でという進め方ですか。
 
【事務局】  はい、その通りです。
 
【棚橋委員】  わかりました、ありがとうございます。
 
【大橋(徹)委員長】  他に質問等がなければ、国立大学法人の意欲的な評価指標の再申請の指定については、案のとおり決定してよろしいでしょうか。異議がないようですので、そのようにさせていただきます。
 続きまして、第4期中期目標期間評価における国立大学法人評価委員会が行う業務実績評価実施方法の手引(案)について御審議いただきたいと思います。第4期中期目標期間における国立大学法人評価については、昨年3月の総会で実施要領を決定しました。評価の実施にあたり、実施要領に記載されていない具体的な評価方法について決定する必要がありますが、国立大学法人については分科会の下に置かれたワーキンググループで御審議いただいた後、国立大学法人分科会で(案)として取りまとめていただきました。
 また、大学共同利用機関法人についても、大学共同利用機関法人分科会で手引(案)をまとめていただきました。国立大学法人分科会についてはワーキンググループの森座長、大学共同利用機関法人については小林分科会長より御説明をお願いいたします。まずは森座長からよろしくお願いします。
 
【森委員】  ワーキンググループ座長の森でございます。「第4期中期目標期間評価における国立大学法人評価委員会が行う業務実績評価実施方法の手引」については、国立大学法人分科会の下に置かれたワーキンググループ及び国立大学法人分科会の審議を経た上で、実施方法の手引(案)としてお示ししております。
 資料Ⅲ-2になりますが、ポイントを絞って御説明させていただきます。まずは参考資料Ⅲ-5を御覧ください。こちらは平成29年11月21日に発出されたものでありますが、第3期中期目標期間において実施要領の補足的な位置づけとして、国立大学法人評価委員会の検証・認定等について具体的な方法を取りまとめたものになります。昨年度の総会において、第4期中期目標期間評価の実施要領が決定されたことを受け、参考資料Ⅲ-5の「検証・認定等について」の記載内容に相当するものとして、今年度ワーキンググループを中心に内容検討したものが資料Ⅲ-2にある「実施方法の手引(案)」となります。
 この内容につきましては、参考資料Ⅲ-1に概要をまとめております。「実施方法の手引(案)」は実施要領に基づいて評価委員会が行う業務実績評価の具体的な実施方法として、実施体制、評価のプロセス、検証及び評定の実施方法について定めています。この手引は、「業務運営、財務内容等の状況」の評価を対象としており、大学改革支援・学位授与機構が行う「教育研究の状況」の評価は対象に含んでおりません。
 第4期は中期計画の実施に当たり、その達成度を測るための指標を法人自らが設定していることから、評価指標の達成状況に重点を置いた評価を行うこととしており、具体的な実施方法を手引に明記しています。
まずは<評価指標の達成状況>についてです。実施要領では、その判断基準を示していなかったため、手引において「評価指標の段階判定の区分表」を定めました。これらはあくまで「目安」に留まるものですが、3段階からなる評価指標の達成状況、それぞれについて定量的な指標、定性的な評価指標に分け、判断基準を示しております。
 定量的な評価指標につきましては、客観的に目標を達成しているかが明らかとなりますので、達成・未達成の判断は、その実績値をもって行うことができますが、大きく上回っている評価については、何らかの基準をお示しする必要があるだろうということで、一定の目安として実績値が目標値の「130%以上」と設定しております。ただし、法人の評価指標は千差万別ですので、130%を目安としつつも、基準値及び目標値の設定状況や目標の困難度等を踏まえて、評価指標ごとに判断することにしています。定性的な評価指標については「○○の実施」といった取り組みの成否のみを達成水準として設定されている場合など、法人や評価委員の双方にとって大きく上回っていることを客観的に説明することが困難であります。原則ⅱまたはⅰのいずれかの判断となることを想定しております。
 続きまして<中期計画の評定について>です。実施要領の判断基準を目安としつつ、中期計画に置かれた各評価指標の達成状況を点数化し、その点数の平均値を参考にして段階評価を行うとしております。第3期までは総合的に勘案することのみ示されておりましたが、機構が行う教育研究の状況の評価に倣いまして、平均値を参考とすることといたしました。なお、意欲的な評価指標については点数化の際に、一般の評価指標よりも高い点数として評価を行うことを考えております。
 次に<中期目標の評定について>です。中期目標に置かれた各中期計画の評定や優れた点・改善すべき点の指摘状況等を勘案して決定することといたしました。その他に優れた点及び改善すべき点として指摘する事項、財務諸表及び決算報告書の分析に用いる指標、事件・事故等についての確認の対象とする主な事案については、冒頭でお話ししました参考資料Ⅲ-5の「検証・評定等について」を踏襲した内容を手引に記載しており、第3期と大きな変更はございません。以上、簡単ではございますけれども、実施方法の手引(案)についての説明となります。ご審議いただきますようお願いいたします。
 
【大橋(徹)委員長】  ありがとうございました。続きまして、大学共同利用機関法人につきまして、小林分科会長からご説明をお願いいたします。
 
【小林委員】  小林でございます。続きまして「大学共同利用機関法人に関する第4期中期目標期間評価における国立大学法人評価委員会が行う業務実績評価実施方法の手引(案)」について御説明いたします。大学共同利用機関法人の手引(案)についても、昨年度の総会において実施要領を策定したことを受け、今年度に大学共同利用機関法人分科会での審議を行い取りまとめました。御案内のとおり、大学共同利用機関法人の評価は国立大学法人と同じ枠組みで実施しておりますので、具体的な評価方法についても国立大学法人に準じたものとなっております。
 森座長より、国立大学法人の手引(案)の概要について御説明がありましたが、資料Ⅲ-3「大学共同利用機関法人の手引(案)」についても国立大学法人と内容は同様となっておりますので、本日は経緯のみを御説明し、それ以上の詳細については省略させていただきたいと思います。以上、御審議のほどよろしくお願いいたします。
 
【大橋(徹)委員長】  ありがとうございました。ただいまの御説明を踏まえ、「第4期中期目標期間評価における国立大学法人評価委員会が行う業務実績評価実施方法の手引(案)」について、御意見や御質問がありましたら御発言をお願いいたします。後藤先生、お願いします。
 
【後藤委員】  後藤です。御説明ありがとうございます。資料Ⅲ-1の定量的なところに数字の130%という目安を入れていただいたのは非常に良いと思っておりますが、130とした理由を教えてください。また、130を超えても、結局は目標の困難度等を踏まえて指標ごとに判断するということなので、右側の定性的な評価指標と同じように、最終的には右側にあるとおり「評価委員会が特に認める場合」に落ち着くという趣旨なのでしょうか。以上の2点が質問です。
 
【森委員】  森です。この130%という数字は、あくまでも目安として設けております。一つの判断基準を設けるときに、目安になるだろうということです。法人によってそれぞれ特徴がありますので、この130%についても、指標の困難度等を勘案して130%を上回っていてもⅱするということもあり得ます。これは先ほど近藤委員がおっしゃられた、基本チームのところで十分に検討しながら決定していくことになると思います。確か130%については目安があったと思いますので、事務局のほうで補足していただけますか。
 また、定性的な評価指標と同じようにということで、基本チームが十分に検討しながら決めていくことになりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 
【事務局】  130%につきましては、これまでも内部的に評価をしていくにあたって、一つの目安としておりました。顕著な成果として評価する場合の目安を、今回の場合はきっちりと定量的な評価指標を置いて、それに向けてということでございますので、それを明確にお示ししたというところでございます。
 先ほど座長からもありましたが、評価指標の基準値や目標値を見たときに、130%も達成するだろうという置きに行った目標の場合は、少し違った扱いとなる可能性はございますが、一応の目安として、どうなったら大きく上回ったと言ってもらえるのかということを、法人の皆様にあらかじめお示ししたところでございます。
 
【後藤委員】  過去の統計上と比べて130%を超えるというわけではなく、一般的に考えて130%を上回るといったイメージと理解しました。ありがとうございます。
 
【大橋(徹)委員長】  よろしいでしょうか。続いて、栗原先生お願いします。
 
【栗原委員】  栗原です。ご検討ありがとうございます。明示されたことは、概ねいいと思いますが、中期計画の表で、意欲的な評価指標について、点数化の際に高く評価するとあります。先ほどの目標変更でも、意欲的な目標を追加したところが多々ありましたが、全体の目標の中で、大きなウエイトを占めているところもあれば、必ずしもそうではないところもありますし、達成度についても、学内でできるが難易度の高いものもあれば、地域を巻き込んでやらなければいけないような難易度の高さも拝見されます。その際「点数化の際に高く評価する」ことについて、今から数字化してしまうのは適当だろうかと思いました。今申し上げたように、いろいろな場合があるため一律にはできないと思います。意欲的な目標を達成したときに、それなりに高い評価をしっかりとしてあげなければいけないとも思います。評価委員会のほうで全体感を見ることも重要なのではないかと思います。そのあたりについての考え方や、大学側から参考になるような考え方がありましたら、この場でご教示いただきたいと思います。
 
【森委員】  森です。ご質問ありがとうございます。意欲的な評価指標について、今回は評価指標を中心に評価していくことになったわけでありますけれども、意欲的な評価指標と一般の評価指標というふうに分けたときに、一般の評価指標よりも意欲的な評価指標に高い点数を与えようということで考えています。具体的に何点にするのかというのは、今後検討していくことになると思いますが、平均というのは、いくつかある評価指標について合計点数を出して平均は何点になるのかということであります。それほど意欲的な評価指標は多くはありませんので、全体としてそれほど薄まるということもないし、それほど影響が出てくることに、直接はつながらないと思っています。ただ、その後に優れた点等については、各チームのほうで検討したいと考えております。事務局から何か補足があれば、お願いします。
 
【事務局】  ありがとうございます。座長のおっしゃっていただいたとおりでございます。ウエイティングについては、出てきたものを見てみないと難しいところがございますので、これから検討することになりますが、各項目に評価指標を置いておりますけれども、何十個も置いているというわけではありません。そういう意味では、森先生からおっしゃっていただいたとおり、大きく跳ね過ぎないし薄まらないような形の評価がなされる形になっていくのではないかと思っております。以上です。
 
【森委員】  ありがとうございます。全体の中でも非常にリソースを割いてやっている、あるいは本当に困難度が高いということを、むしろ大学側から評価のときに説明をしていただけるようにしていただけると、こちら側もそれに応じて適切な評価ができると思いますので、そのあたりをお伝えいただけるといいのではないかと思いました。
 
【大橋(徹)委員長】  小林先生、お願いします。
 
【小林委員】  これは国際比較が可能なところに限る話になりますが、例えば4年あるいは6年というのは、かなり長い期間になります。そうすると、それぞれの期間がベースで持っている値から実際に達成したところが130を超えた・超えなかった時点で、果たして国際的に世界最先端になっているか・なってないのか、つまり低くても、他の国も低くて最先端であるのか、高くても他の国はもっと上にいっていて、世界的なところから見るとかなり低くなっているという国際比較の基準があると思います。今はベースとその期間における絶対的な評価になっていますが、国際的な進捗との相対比較をどのように取り扱っていくべきと理解すればいいのかについて教えていただければと思います。
 
【事務局】  ありがとうございます。実際の教育研究のところについては、大学改革支援・学位授与機構のほうでやっておりますが、当然国際的な流行り・廃りがあることを踏まえながらやられていると思います。我々は、大きくマネジメントの部分を評価することがあります。当然、最適な流れの中で、みんながみんなやっていることを高く評価することもできない流れもある中で「目標の困難度等を踏まえて」と書かせていただいているのは、そういうようなところも踏まえて評価を下していかないとならないと考えているからでございます。例えば、今回のようなコロナ禍で達成することが難しくなった等、特別な事情等々を踏まえながら評価されていくことになるのではないかと思っております。そこはイベントごとに整理をして、評価に役立てていただくということなのかなというふうに思ってございます。
 
【小林委員】  ありがとうございます。いわゆる達成の困難度というのは、世界との比較においてどのように測るかという部分に関わってくると思います。よくわかりました。
 
【大橋(徹)委員長】  それでは内部先生、よろしくお願いします。
 
【内部委員】  評価をするにあたっても、いろいろな基準がありますが、意欲的な評価指標のところで「機能や規模等」というところに地域の事情なども加味して評価していただければと思っております。今回は意欲のところで、特に該当するものはなかったと思いますが、例えば冬は雪が多くて交流しにくいといった大学も意欲的な取組はしていると思います。量の多さで意欲的と捉える場合など、そういうところも考慮して評価していただければと思っております。これはあくまでも要望ですが、よろしくお願いします。
 
【事務局】  ありがとうございます。コメントを反映したいと思います。
 
【大橋(徹)委員長】  他にいかがでしょうか。いろいろと御意見を頂戴しましたが、第4期中期目標期間評価における国立大学法人評価委員会が行う業務実績評価実施方法の手引(案)については、原案のとおり決定させていただきます。
本日の議事は以上です。次に今後のスケジュール等について、事務局から説明をお願いいたします。
 
【事務局】  ありがとうございます。中期目標原案及び中期計画変更につきましては、今後財務省との協議や認可に当たっての手続きを完了し次第、今月中に各法人に通知をさせていただければというふうに思ってございます。同じく、意欲的な評価指標の指定については、中期計画の変更をやっていただくということを伴っておりましたので、中期計画変更の認可の後に、審査結果を各法人に通知したいと考えてございます。また、実施方法の手引につきましては可決していただきましたので、この会議の後に各法人へ通知を行うとともに、文科学省のホームページにも掲載いたします。また、評価方法については、別途各法人に説明会を実施する予定で考えております。以上でございます。
 
【大橋(徹)委員長】  ありがとうございました。最後に、現在国立大学法人評価委員会としては、第10期の任期中でございますが、その任期が令和6年3月21日までとなっており、本日をもって任期中の会議は全て終了いたしました。第10期は国立大学法人の中期目標期間が、第3期から4期への過渡期であり、重要な事項を多数御審議いただきました。委員の皆様の御尽力に心より感謝を申し上げます。
 なお、伊藤戦略官から御挨拶があるとのことですので、お願いいたします。
 
【伊藤戦略官(文部科学省)】  文部科学省で高等教育局を担当している伊藤でございます。令和4年から始まりました、第10期の国立大学法人評価委員会につき、本日が任期中最後の総会となりますので、この場をお借りして一言御挨拶、御礼を申し上げたいと思います。本来であれば、局長の池田のほうから御礼を申し上げるべきところでございますが、会議前半のほうは出席させていただきましたが、他の公務との関係で中座させていただきましたので、代わりに私から一言御挨拶を申し上げます。
 まずは、大橋委員長や小林委員長代理をはじめ、委員の皆様におかれましては、ご多忙のところ、2年間国立大学法人評価委員会の委員として御尽力をいただいたことを厚く御礼申し上げます。国立大学法人評価制度におきましては、第4期の中期目標期間を迎えるにあたり、国としての必要な関与と法人の実施性・自立性に基づく発展を両立させるため、年度計画・年度評価を廃止するとともに、中期目標・中期計画の策定にあたっては、中期目標大綱の提示や評価指標の義務化、意欲的な評価指標の指定など、新たな仕組みを導入してまいりました。国立大学法人等は、国と法人との間で構築される新たな関係を踏まえて、自立的な経営体として発展を遂げながら、持てる可能性を最大限に活用し、自らの機能を拡張することにより、我が国が挑む新たな社会に向けた挑戦を積極的に先導していくことが期待されております。第10期の本委員会において、委員の皆様方には、第3期中期目標期間における6年目終了時評価を実施いただいたほか、第4期の新たな仕組みを踏まえた中期目標期間評価の実施要領を策定いただくなど、大変重要な議題に対し、精力的に御審議をいただきました。
 文部科学省といたしましては、これまでに委員の皆様から賜りました貴重な御意見や御助言等を十分に踏まえながら、高等教育行政を進めてまいりたいと考えてございます。改めまして、委員の皆様の御尽力に心から感謝を申し上げ、御挨拶と御礼とさせていただきます。誠にありがとうございました。
 
【大橋(徹)委員長】  伊藤戦略官、ありがとうございました。これにて本日の総会を終了させていただきます。ありがとうございました。
 

―― 了 ――
 

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   高等教育局国立大学法人支援課国立大学戦略室