国立大学法人評価委員会(第74回) 議事録

1.日時

令和5年3月23日(木曜日)16時00分~18時00分

2.場所

WEB会議

3.議題

  1. 国立大学法人及び大学共同利用機関法人の第3期中期目標期間評価について
  2. 第4期中期目標期間の業務実績評価に係る実施要領について
  3. 第4期中期目標・中期計画における意欲的な評価指標の指定について
  4. その他

4.出席者

委員

   大橋(徹)委員長、内部委員、大橋(隆)委員、勝委員、熊平委員、栗原委員、後藤委員、小長谷委員、小林委員、近藤委員、鈴木委員、森委員、山本委員、横田委員、渡辺委員

文部科学省

   池田高等教育局長、森研究振興局長、伊藤研究振興戦略官、平野国立大学法人支援課長、黒沼大学研究基盤整備課長、森国立大学戦略室長、小川国立大学戦略室長補佐、吉田大学研究基盤整備課連携推進専門官

5.議事録

【大橋(徹)委員長】  所定の時刻になりましたので、第74回国立大学法人評価委員会総会を開会いたします。委員の皆様方におかれましては、御多忙の中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 本日は、ウェブ会議方式にて、国立大学法人及び大学共同利用機関法人の第3期中期目標期間評価、第4期中期目標期間の業務実績評価に係る実施要領、第4期中期目標・中期計画における意欲的な評価指標の指定について、御審議いただく予定です。多くの議事が予定されておりますが、いずれも重要な案件となりますので、委員の皆様方におかれましては、円滑な会議運営に御協力いただきますよう、お願い申し上げます。
 なお、本会議は、YouTubeにてリアルタイムでの公開としておりますので、併せて御承知おきいただきたいと思います。
 それでは、事務局から配付資料の確認をよろしくお願いします。
【事務局】  それでは、配付資料の確認をさせていただきます。
 まず、議事次第の裏面に配付資料一覧を載せておりまして、議事ごとに資料を用意させていただいております。事前に皆様にはお送りさせていただいておりますが、次第のように、議事ごとに資料と参考資料をセットで用意をさせていただいております。資料に不足等がございましたら、事務局まで御連絡いただければと思います。
 次に、本日の出欠について御連絡いたします。沖委員、棚橋委員、村田委員、吉田委員は所用により欠席との御連絡をいただいております。まだ一部の委員におかれましてはまだ入室がされておりませんが、もう少々待てば入れるということですので、先に議事を進めさせていただきたいと思います。
 また、事務局からのお願いではございますが、ウェブ会議を円滑に行う観点から、インターネットでも聞き取りやすいよう、はっきり御発言をいただくこと、御発言の都度、お名前をおっしゃっていただくこと、また、カメラは常にオンにしていただきまして、発言のとき以外はマイクをミュートにしていただくこと、御発言に当たってはZoomの手を挙げる機能の御使用をいただく、又はカメラに映りやすいように手を挙げていただくことをお願いします。また、資料を参照する際には、資料番号やページ番号等を分かりやすくお示しいただき、なるべく委員の先生方に御発言いただく観点から、一回当たりの御発言につきましては端的にしていただきますようお願いいたします。
 以上、御配慮をいただけるとありがたく存じます。お手数をおかけしますが、御理解のほどよろしくお願いします。
【大橋(徹)委員長】  それでは、議事に移ります。
初めに、国立大学法人及び大学共同利用機関法人の第3期中期目標期間に係る業務の実績に関する評価結果について、御審議いただきたいと思います。
 進め方といたしましては、事務局及び教育研究の評価の実施を要請している大学改革支援・学位授与機構からの御説明の後、それぞれの分科会長から、国立大学法人及び大学共同利用機関法人の評価結果について御説明をいただいた後に、各委員の皆様からの御質問・御意見をいただきたいと思います。
 先ほど申し上げましたが、本日は多くの議事を予定しております。委員の皆様方の御議論に多くの時間を割きたいと考えておりますので、事務局、また、各委員からの御説明も含めてなるべく簡潔にお願いできればと思います。
 それでは、まず事務局から説明をお願いいたします。
【事務局】  それでは、資料Ⅰ-1を御覧いただければと思います。第3期中期目標期間評価のこれまでの審議経過を説明する資料でございます。第3期中期目標期間評価では、業務運営と教育研究のそれぞれに関して評価を行っております。
 まず、業務運営につきましては、国立大学法人評価委員会において評価を実施いたしております。そのうち国立大学法人につきましては、国立大学法人分科会の下にチームを設けまして、それぞれのチームが中心となって評価作業を行っていただきました。大学共同利用機関法人につきましては、4法人ということもあり、大学共同利用機関法人分科会において評価を実施しております。第3期中期目標期間中に、全ての法人に対してヒアリングを実施しており、今年度においても一部の法人に対してヒアリングを行っております。その結果を踏まえて、評価チーム会議、又は大学共同利用機関法人分科会において評価結果の素案を審議後、それぞれの分科会において評価結果の原案を審議、その後、各法人に対して意見申立ての照会をさせていただいております。
 次に、教育研究に関しましては、教育研究等の質の向上について、その特性に配慮し、国立大学法人法に基づきまして、専門的見地から評価を実施するため、大学改革支援・学位授与機構に評価の実施を要請し、その結果を尊重することとしております。大学改革支援・学位授与機構において国立大学教育研究評価委員会の下に達成状況判定会議を設けまして、評価を実施いたしました。第3期中期目標期間中に、全ての法人に対してヒアリングを実施し、今年度においても一部の法人に対してヒアリングを実施しております。その結果を踏まえ、達成状況判定会議において評価結果の原案を審議し、国立大学教育研究評価委員会において評価結果案を審議、その後、各法人に対して意見申立ての照会をし、最終的に国立大学教育研究評価委員会で評価結果を決定し、文部科学省の国立大学法人評価委員会に結果を提供いただいております。
 この後、大学改革支援・学位授与機構の光石理事より、教育研究の状況に係る評価の概要について御説明いただきます。よろしくお願いいたします。
【光石理事】  大学改革支援・学位授与機構の理事を務めております光石と申します。よろしくお願いいたします。それでは、大学改革支援・学位授与機構における教育研究の評価について、評価方法や評価結果の概要を御説明いたします。
 まず、参考資料Ⅰ-2を御覧ください。この資料は、教育研究の状況に係る評価方法の概要をまとめた資料となっております。
 スライド1を御覧ください。令和2年度に実施いたしました4年目終了時評価における達成状況評価では、中期目標期間終了時に見込まれる実績、具体的には4年間の実績と5、6年目に見込まれる実績から、中期目標に係る達成状況を評価いたしました。その際、これまでの第1期、第2期と同様に、現況分析を実施し、各法人の学部・研究科等単位で質の向上の状況を含む教育研究の水準をきめ細かく把握しております。
 一方、今年度実施いたしました中期目標期間終了時評価における達成状況評価では、法人が4年目終了時評価結果を変え得るような顕著な変化があったと判断した場合に、達成状況報告書への記載を求め、評価者はその内容が妥当であるかを判断し、改めて中期目標に関する達成状況を評価しております。
 次に、スライド2を御覧ください。国立大学法人の中期目標・中期計画の基本的な構成は表のとおりとなっております。評価に当たっては、4年目終了時評価と同様、中期目標を大項目、中項目、小項目の3階層に区分し、中期計画の実施状況の分析を基に小項目重視の評価で段階判定の結果を積み上げ、最終的に大項目の評価結果を導いております。
 このスライドの場合、「1 教育に関する目標」が大項目に該当し、その下にあります「(1)教育内容及び教育の成果等に関する目標」、「(2)教育の実施体制等に関する目標」が中項目に該当いたします。また、法人ごとに異なる個別の中期目標AからCが小項目に該当いたします。そして、小項目の下に、それぞれを達成するための具体的な措置として、右の欄に中期計画があります。
 続いて、スライド3を御覧ください。達成状況評価の段階判定では、中期計画を3段階判定、小項目を5段階判定とし、法人ごとに個別に中期目標が設定されている小項目に対する評価をより重視した仕組みとしております。この点も4年目終了時評価と同様であります。
 なお、今般の中期目標期間終了時評価では、法人が4年目終了時評価結果を変え得るような顕著な変化があったと判断した実績を中心に、中期目標・中期計画の達成状況の分析・判定を行うこととしておりました。
 資料Ⅰ-2を御覧ください。これは68分の2ページになります。この資料は、「教育」や「研究」等ごとに評価結果の概要をまとめたものとなっており、判定の状況、第2期から第3期の変化、「優れた点」として取り上げられた取組事例を掲載しております。
 「教育」につきましては、68分の12ページになりますけれども、最上位の判定であります「顕著な成果が得られている」とした法人が2法人となっております。また、「第2期から第3期の変化」に記載のとおり、第3期では、アクティブラーニング、教育の質保証システム、学習成果の可視化、学生に対する多様な支援等が「優れた点」として多く取り上げられております。また、各法人におきましては、新型コロナウイルス感染症の感染防止を図りつつ、学生の学習機会を確保するため、オンライン授業の積極的な活用やコロナ禍における学生支援などの取組が行われておりました。次ページには、「優れた点」として取り上げた取組事例を幾つか例示しております。例えば、奈良先端科学技術大学院大学の「教育カルテシステムを活用した学位審査の実施」等を取り上げております。
 続きまして、「研究」に関してですが、これは68分の15ページからになります。「顕著な成果が得られている」と判定した法人が18法人となっております。また、「第2期から第3期の変化」に記載のとおり、第3期では、世界トップレベルの研究拠点の形成、国際共同研究や共同研究、若手や女性研究者の研究環境の整備等が優れた点として多く取り上げられております。16ページには、東京工業大学の「若手研究者の研究環境の整備」や、大阪大学の「国際ジョイントラボの形成」等が取り上げられております。大学共同利用機関法人につきましても、自然科学研究機構の「国立天文台におけるすばる望遠鏡を用いた共同観測」や、高エネルギー加速器研究機構の「大強度陽子加速器施設実験の推進」等が取り上げられております。
 続きまして、18ページから記載の「社会連携等・地域志向」につきましては、「顕著な成果が得られている」と判定された法人はございませんでしたが、地域産業支援や地域医療支援の地域連携等が優れた点として多く取り上げられております。19ページからは、福島大学の「学校支援事業を通じた子供と家庭への支援」等が取り上げられております。
 続きまして、21ページから記載されております「その他(グローバル化等)」につきましては、「顕著な成果が得られている」と判定した法人が2法人となっております。また、「第2期から第3期の変化」に記載のとおり、第3期では、国際協力、留学支援、海外拠点活動の国際交流等が優れた点として多く取り上げられており、次ページには、九州工業大学の「国際的な教育研究連携の高度化」等が取り上げられております。
 最後に、26ページになりますが、大学共同利用機関法人の「共同利用・共同研究」については、人間文化研究機構の「総合情報発信センターによる成果発信」や、情報・システム研究機構の「国立情報学研究所における学術ネットワークの拡充」が優れた点として取り上げられております。
 説明は以上となります。
【大橋(徹)委員長】  ありがとうございました。
 それでは、引き続き、これまでの分科会における審議状況について、それぞれの分科会長から、御報告をお願いいたします。
初めに、国立大学法人について、近藤委員から御報告いただき、その後、大学共同利用機関法人について、小林委員長代理から御報告お願いします。
 では、まず、近藤委員からよろしくお願いします。
【近藤委員】  それでは、国立大学法人分科会における審議状況について御報告いたします。
 国立大学法人分科会では、国立大学法人85法人の第3期中期目標の達成状況について、各法人から提出された業務実績報告書に基づき、中期計画の実施状況等を検証・評価し、評価結果(案)を作成しました。後ほどこれは示しますけれども、資料Ⅰ-3が評価結果(案)となります。今回、分科会として取りまとめた評価結果(案)は、各法人にあらかじめ評価結果(原案)を示した上で、2月9日から3月2日の間に、意見申立ての機会を設け、その申立て内容を踏まえたものとしています。また、教育研究の状況に関する評価については、専門的な観点からきめ細かく評価を行う必要があることから、大学改革支援・学位授与機構に評価の実施を要請し、その結果を尊重して、本日の評価結果(案)を作成しております。
 今回の評価結果の概況につきましては、資料Ⅰ-2の10ページ、11ページになります。全法人の6割以上について、教育研究や業務運営等の全ての項目において、中期目標を「達成している」以上の評価をしています。6段階の評定項目がございますけども、中にあります「達成している」以上が6割以上を占めているということです。
 各項目別の評価については、12ページ以降にまとめております。各法人における中期目標の達成状況を円グラフにまとめており、その下には第2期から第3期の変化をまとめております。「教育」「研究」「社会連携等・地域志向」「その他(グローバル化等)」の特徴については、先ほど、大学改革支援・学位授与機構の光石理事より御説明いただきました。
 私から、28ページの「業務運営」について説明させていただきます。第3期では共同教育課程や国際連携教育課程等の他大学と連携した教育研究組織の設置、新たに創設された一法人複数大学制度や大学等連携推進法人制度を活用した取組等を優れた点として多く取り上げております。例えば、29ページの山梨大学における大学等連携推進法人への認定も含めた県立大学との連携強化、30ページの宇都宮大学と群馬大学の全国初の共同教育学部の実現、31ページには、岐阜大学と名古屋大学の「地域創生への貢献と国際競争力の向上を目指した新たな法人「東海国立大学機構」の実現」等を取り上げております。
 また、32ページの「財務内容」については、第3期は第2期に引き続き多くの法人が寄附金による獲得に向け取り組んでおり、ファンドレイザー等の専門人材による体制強化、遺贈、つまり遺産の寄附や、評価性資産の受入れ、組織対組織による大型の研究資金や地域課題の解決を目的とした研究資金の獲得等を優れた点として多く取り上げており、33ページでは、大阪大学の「「組織」対「組織」による産学共創の取組」、34ページでは、琉球大学の「基金造成計画に基づく取組と特色ある基金の創設」等を取り上げております。
 次に、36ページの「自己点検・評価及び情報の提供」については、第3期は大学運営におけるPDCAサイクルへの反映のみならず、個々の部局への資源配分や教員給与に反映する取組を優れた点として取り上げています。また、マスコミ出身者やサイエンスコミュニケーター等の専門家を登用する等広報体制を強化することにより、積極的な国際広報の展開や研究成果の発信等、戦略的で焦点化した情報発信や広報活動が推進されており、37ページにあります東京芸術大学の「「東京藝大デジタルツイン」による新しい形での教育研究成果の発信」等を取り上げています。
 次に、39ページの「その他業務運営(施設整備、安全管理等)」については、自治体や企業からの助成金や寄附金、土地の売却収入等の自己負担を活用した施設整備やキャンパス整備の取組を多く取り上げており、40ページでは、岩手大学の地方自治体からの補助金を活用した総合教育研究棟の整備、東北大学の「自己財源による青葉山新キャンパスの整備」や、41ページでは、九州大学の「伊都キャンパスへの統合移転事業の完了」等を取り上げております。
 一方で、45ページには改善すべき点をまとめています。情報セキュリティマネジメント上の課題、学生定員の未充足等を指摘した法人が複数あります。さらに、一部の法人については、法人のガバナンス体制や内部統制システムに重大な課題があるとして指摘しております。
 46ページから47ページは、法人別・項目別の評定を一覧でまとめています。冒頭で述べました資料のⅠ-3については、法人ごとの評価結果(案)となります。時間の都合上、内容の説明は省略しますが、構成として、まず「全体評価」として項目別評価の結果を一覧化し、そして中期目標期間の業務実績の全体を記述で記載し、2ページ後ろの「項目別評価」の欄で、教育研究と業務運営の項目別で評価結果の概況とその判断理由を記載しています。さらに特記すべき点として、優れた点や改善すべき点等も記述しております。これは御覧いただければと思います。
 私からの説明は以上でございます。
【大橋(徹)委員長】  ありがとうございました。
 それでは、続いて小林委員長代理からお願いいたします。
【小林委員長代理】  続きまして、大学共同利用機関法人における第3期中期目標期間の評価について御報告いたします。
 教育研究面については、国立大学法人と同じく、大学改革支援・学位授与機構に評価を実施いただき、その結果を尊重して評価結果(案)を作成しております。大学共同利用機関法人については、教育研究等の向上の状況、業務運営・財務内容等の状況の4法人全ての項目について、「中期目標を達成している」以上の評価といたしました。
 業務運営面の評価においては、「優れた点」として評価結果に取り上げた数の他、「中期計画を上回って実施している」と認められる取組の内容等を総合的に勘案し、評定を決定しました。
 その結果、標準の評価の一つ上の「中期目標を上回る成果が得られている」と評価した項目は、自然科学研究機構の「自己点検・評価」、高エネルギー加速器研究機構の業務運営の改善及び効率化」、情報・システム研究機構の「財務内容の改善」の3項目といたしました。
 資料Ⅰ-2の38ページを御覧いただきたいと思います。業務運営面での特徴的な取組について、「自己点検・評価」では、自然科学研究機構の国立天文台がポータルサイトを構築し、動画等による天文学に親しむ機会の提供や高校生向けのオンライン事業を実施し、基礎生物学研究所が民間企業と共同で生き物の発生のインターネット中継を「メダカ」及び「プラナリア」を題材として実施していること、高エネルギー加速器研究機構では、Bファクトリー国際プロジェクトの理解増進に向けて、本格稼働したスーパーKEKB加速器の電子と陽電子の初衝突を生放送した取組などを、優れた点として取り上げております。
 一方、45ページの改善事項といたしましては、人間文化研究機構については、若手・外国人研究者の割合に関する中期計画の未達成、国立国語研究所における研究活動における不正行為、高エネルギー加速器研究機構における共同研究収入の減少、電波法に基づく高周波利用設備の許可申請漏れについて指摘し改善を求めております。
 47ページでは、国立大学と同様に4法人の項目別の評定が一覧でまとめられております。また、資料Ⅰ-4は、法人ごとの評価結果(案)となります。時間の関係上、個別の説明は省略いたしますが、業務運営の優れた点として、人間文化研究機構の「オンライン授業の実施や学習教材等の作成」、情報・システム研究機構の「国立大学等の効果的な情報セキュリティの確保」に関する取組等を取り上げております。
 以上、簡単ですが、大学共同利用機関法人における第3期中期目標期間の評価についての説明といたします。なお、4法人いずれも、評価結果(原案)に対する意見申立てはありませんでした。以上です。
【大橋(徹)委員長】  ありがとうございました。
 引き続き、事務局から、国立大学法人及び大学共同利用機関法人の評価結果(案)に対する意見申立てへの対応について御説明をお願いいたします。
【事務局】  それでは、資料Ⅰ-5を御覧ください。資料では、国立大学法人から意見申立てがあった内容について記載しております。今回は、計7法人から意見申立てがありまして、先ほど御説明いただきましたが、大学共同利用機関法人からの意見申立てはございませんでした。それぞれの法人からの意見申立て及びその理由、また、その対応につきましては、次ページ以降に個別の資料をつけております。一つの意見申立てに複数の内容が入っているとか、同じ内容・理由により複数の申立てがあるとか、そういうものがありますので、この場では1ページ目の概要に沿って説明をさせていただきます。概要ではカテゴリーごとにまとめさせていただいております。
 まず、東北大学と茨城大学から中期目標の評定の判断基準についての申立てがございました。東北大学につきましては、当初の計画を上回ったと判断される中期計画のみで構成される中期目標の評定がいわゆる標準の評定となっているということになりますが、中期計画が高いと判断されているのであれば、中期目標も高い評定を付すべきとの申立てでございます。中期目標の評定につきましては、実施要領にも記載しておりますが、中期計画の評定が高いことのみをもって判断するものではなく、優れた点として取り上げられた状況など、より成果が認められる場合などにおいて総合的に判断されるということでございまして、原案のとおりとさせていただきたいと思っております。
 茨城大学につきましては、一つの中期目標における複数の中期計画に合計で24の数値目標があり、うち六つが未達成となっているということでございます。その結果として、中期目標の評定が下から2番目の不十分という評定だということでございます。残り18の数値目標が達成しているのであれば、一段階上げて、おおむね達成の評定が妥当ではないかという申立てでございました。数値目標の未達成による中期計画の不十分な評価ということにつきましては、中期計画は七つありまして、そのうち五つが未達成という扱いになっているということでございます。7分の5ということもございましたので、これらの中期計画の達成状況により、総合的に判断をさせていただいたというものでございまして、これにつきましても原案のとおりとさせていただきます。
 次のカテゴリーとして、数値目標の達成状況についての意見申立てが4法人からございました。弘前大学、東京芸術大学、愛知教育大学、大分大学でございます。
 申立ての内容につきましては、それぞれ異なりますが、弘前大学におきましては、年俸制教員の比率と女性教員比率、東京芸術大学におきましては、TOEICの一定点数以上の事務職員の比率、愛知教育大学におきましては、修士課程修了者教員就職率、大分大学におきましては、若手教員比率と役員に占める女性の比率について、それぞれ未達成のため、中期計画は十分に実施していないとの判断をさせていただいております。
 愛知教育大学からは、修士課程修了者の教員就職率の数値目標と併せて改善すべき点として指摘されたものについて、第3期中期目標期間中に大学院を改組しており、これについては指摘が当てはまらないとの申立ても含まれております。いずれも客観的に達成状況水準が分かるものでありまして、また、その達成レベルは明確ということであります。その法人の達成判断の妥当性も含めて評価委員会で検証しており、原案のとおりとさせていただきたいと思っております。
 なお、東京芸術大学におかれましては、第3期中期目標期間の評価の仕組みにあります「戦略性が高く意欲的な目標・計画」の認定を受けているかどうかというに関して、この認定を受けている中期計画の場合は結果のみならずプロセスをきちんと見るということになっています。その認定を受けてない中期計画が未達成ということでしたが、同じ内容を含む別の中期計画は「戦略性が高く意欲的な目標・計画」の認定を受けており、認定を受けてない未達成の中期計画もプロセスを見ていただけないかということの意見申立てでございました。こちらの中期計画は、認定を受けていない以上、原案のとおり未達成という扱いにさせていただきたいと思っております。
 最後に、鳴門教育大学と大分大学から「改善すべき点」の指摘についての意見申立てがございました。「改善すべき点」の指摘を受けて、中期目標の評定が低く評定されていることについての意見申立てでございます。
鳴門教育大学は修士課程、大分大学につきましては専門職学位課程の学生定員未充足により、指摘をさせていただいております。これらについては、基本的に6年間のうち一定の複数年度、課程単位で定員が9割を下回っている場合について指摘をさせていただいており、原案のとおりとさせていただきます。
 大分大学からはもう1点、研究費の不適切な経理についての指摘について、年度評価において指摘を受けて改善を図っており、事案の発生をもって評価をされるべきではないとの意見申立てもございました。これらも結果としては、複数年度において事案が発生していることから、改善すべき点として指摘をさせていただいているところでございます。このため、原案のとおりとさせていただきたいと思っております。
 こちらからは以上でございます。
【大橋(徹)委員長】  ありがとうございました。それでは、これまでの御説明について、御意見・御質問がありましたらよろしくお願いいたします。勝委員、どうぞ。
【勝委員】  御説明大変ありがとうございました。非常によく理解できました。
 研究面について御質問させていただきたいのですが、今回、資料Ⅰ-2の16ページから研究における「優れた点」があり、様々な大学で色合いが異なりますが、特に研究についてはかなり定量的な数値で評価できるという部分は多いと思うのですが、今回の各大学のものを見て、何かトレンドがあるのか、教えていただきたいのが1点です。
 それから2点目は、23ページで一橋大学がビジネススクールの国際認証を取得したことについて、グッドプラクティスということで、AACSBの取得は国立大学初になるわけですが、私立大学では、こういった動きは既に大きなトレンドになっており、主要なビジネススクールでは結構取得しているので、これを取り上げることによって、逆に国立大学は遅れているようなイメージにならないか、教えていただければと思います。
【大橋(徹)委員長】  ただいまの件、光石理事から回答をお願いできますか。
【光石理事】  まず、研究については、拠点の形成や、結果的に研究成果がたくさん上がっていることが評価されております。
 それから、一橋大学の件につきましては、私立大学で既に国際認証を取得している大学があるものの、国立大学で初めてというところで、評価委員会で優れていると評価したということと理解しております。
【勝委員】  分かりました。
 また、定量的なものというのは、各大学でそこの部分で優れている、あるいは優れていないというところは、目標に対してということだと思うので、この辺は自己点検で評価した結果としてそのような結果になったということでよろしいでしょうか。
【光石理事】  そうです。
【勝委員】  分かりました。ありがとうございます。
【大橋(徹)委員長】  ありがとうございました。
 次に、栗原委員、よろしくお願いします。
【栗原委員】  ありがとうございます。今回の評価について、大変丁寧に御検討いただき、御報告いただいたと思っております。
 ただ、資料Ⅰ-5ですけれども、原案に対しての意見申立てが幾つかありまして、それに対しての対応についてですけれども、具体的には東北大学について、49ページにありますが、修文案に対しての理由の記述に対して、こちら側の対応の理由が理由になっていないのではないかと思います。
 大学側が理由をあげ、修文の意見があったことに対して、総合判断としか書かれていないので、なぜ原案どおりとしたかということをもう少しきちんと御説明をしないと、大学側のほうでも納得感がないのではないかと思いますので、丁寧に説明をしたほうがいいのではないかと思います。ほかの大学ではもう少し理由が説明されていると思います。
【大橋(徹)委員長】  ありがとうございます。事務局はいかがですか。
【事務局】  大学には丁寧に御説明をさせていただくつもりです。フィードバックのときは当然ながら、その旨はご説明させていただきたいと思っております。
 また、中期目標の評定をつける際には、通常の評価なのか、より上の評価なのかという判断をするにあたり、優れた点等がピックアップされていなかったということが上位の評価にならなかった一番の理由でございます。申立ての対応にありますけども、優れた点の状況等含めて判断させていただいたというのはそのような理由でございます。その意味では、中期計画はすごく進んでいましたが、優れた点がなかなか抽出できず、結果としては普通の評価になったということで、大学に対しては丁寧に説明していきたいと思っております。ありがとうございます。
【大橋(徹)委員長】  ほかに御意見あるいは御質問はございますか。後藤委員、お願いします。
【後藤委員】  御説明ありがとうございました。
 私はまだ委員になってそれほど時間がたっていないので、基本的なことで恐縮ですが、先ほどのいろんな説明の中で、例えばセキュリティに問題がある10法人や、経理の不正がある法人など、そういうインシデントが起きたものは、評価の達成、未達成との関係では何か組み込んでいるものなのか、それとも単なる参考情報になっているものなのか御説明いただきたいと思います。
【大橋(徹)委員長】  ありがとうございます。本件については事務局からお願いします。
【事務局】  ありがとうございます。中期目標計画の達成状況のそのものというよりは、それに関する項目として、ガバナンスとかコンプライアンス上の問題とか様々な問題が生じたときに、それを改善すべき事項として指摘をさせていただいて、中期目標の評定を決めるときには、インシデントがあった場合はそのインシデントの内容によって評定を下げるということもあります。 逆に、優れた取組や成果があった場合は、優れた点として取り上げられて、それを加算というか、評定を上げるというようなことになるということでございます。
【後藤委員】  ありがとうございます。
 また、今後についてですが、何か改善されたことがあると、それは改善が完了したのか、まだ改善されていないのかが分かりづらかったので、改善済みなのか、まだ改善されていないのかが今後分かると助かります。
【事務局】  改善すべき点として指摘をさせていただいたものについては、次の評価のときに、大学からこれについてはこのような対応を既にしていますよということの御報告をいただいて、それをしっかり評価させていただくことになっております。もう少しその辺が分かるような仕組みについても検討したいと思います。ありがとうございます。
【後藤委員】  ありがとうございました。
【大橋(徹)委員長】  それでは、内部委員から手が挙がっていますので、内部委員、よろしくお願いします。
【内部委員】  ありがとうございます。時事通信の内部です。機構や分科会の皆様、どうも本当にありがとうございます。
 評価そのものについては私から御意見申し上げることはございませんが、資料Ⅰ-2の14ページ、豊橋技術科学大学の学生支援の充実という点で一つだけ気になったので申し上げます。この取組自体は高い評価ということについては同意いたします。
 一方、学生支援、自助努力でここまでできるのではないかという誤った判断や印象を与えることだけは避けていただきたいと思います。正直に申し上げて、私も実は3人の子供が同時に高等教育機関に行ったことがありまして、なおかつ私が単身赴任していたということで、非常に金銭的には苦しい状況でした。恐らく収入の4割以上は教育費に消えていたのではないかと思います。これは親とか大学の法人だけに努力を求めるのではなく、国として学生支援を充実させていただきたいということで、御意見申し上げます。
【大橋(徹)委員長】  ありがとうございます。貴重な御意見として賜ります。何かコメントはございますか。
【事務局】  文部科学省としても引き続き学生の支援についての予算も含めた確保について、十分に努力していきたいと思います。御指摘ありがとうございました。
【内部委員】  ありがとうございます。ぜひ御努力を期待しております。
【大橋(徹)委員長】  ほかには。鈴木委員、お願いします。
【鈴木委員】  1点確認があり、先ほどの資料Ⅰ-2の45ページの改善すべき点のところですけれども、一応現在は改善に向けた取組が適切にされているとお話をいただきましたが、この中には緊急度の高い改善すべき内容も入っているように感じます。緊急度が高いと感じたときの評価や指摘など、その辺の改善に対する報告というのは、どのようにされているのでしょうか。
【大橋(徹)委員長】  事務局からお願いします。
【事務局】  御指摘ありがとうございます。評価という観点で確認するという話と、国立大学法人を所掌している文部科学省として、こういった事案が生じたときに、大学がしっかりと再発防止も含めた対応を緊急的なことも含めてやっているというのは、別途確認をさせていただいています。評価委員会においては、事後的にそれがしっかりとやれたかどうかとか、こういうことが期中に発生したといったことで指摘をさせていただきますので、結果としては、評価は事後的に遅れて確認をさせていただきますけれども、極端に言うと、指摘してきていることは過去の事例で、既に前に向かっているという事例が結構多いということがございます。
【鈴木委員】  かしこまりました。ありがとうございます。改善すべき点を見てみますと、情報セキュリティであったり、薬物の取扱いであったりなど、危険な部分の指摘をされているように思います。そのような指摘が完了したというものもある程度、日付入りで文科省の方が持っていらして、質問に対応できるような状況にされるのも一つかと思いますので、御検討いただければと思います。
【大橋(徹)委員長】  ありがとうございます。
 いろいろと御質問、御意見いただきましたが、ほかにないようですので、国立大学法人及び大学共同利用機関法人の第3期中期目標期間に係る業務の実績に関する評価結果については、案のとおり決定するということでよろしいでしょうか。
 それでは、異議がないようですので、そのようにさせていただきたいと思います。
 また、評価結果の公表に際しましては、4年目終了時評価と同様に、評価委員会委員長として所見を出したいと考えておりまして、案といたしまして、資料Ⅰ-6を事前に配付させていただいております。この文書については、委員長である私の職権により作成したものでありますが、事前に委員の皆様には事務局から送付され、御覧いただいていると思います。文書の内容についてお気づきの点があれば、御発言をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
 ありがとうございました。それでは、本所見についても、評価結果とともに公表させていただきたいと思います。
 それでは、次の議事に移りたいと思います。第4期中期目標期間の業務実績評価に係る実施要領につきまして、御審議いただきたいと思います。令和4年度から、国立大学法人及び大学共同利用機関法人の第4期中期目標期間がスタートしておりますが、第4期は年度評価が廃止され、中期目標期間評価のみを行うことになっております。このため、本委員会で実際に評価作業を行うのは令和8年度からとなりますが、その前に、評価の実施方法や評定等を示した実施要領を策定する必要がございます。それぞれの分科会の下に置かれた、ワーキンググループにおいて御議論いただき、今回、実施要領の案を取りまとめていただいております。
 それでは、それぞれのワーキンググループの座長から、実施要領の案について御説明をお願いしたいと思います。最初に、国立大学法人については森委員から御説明いただき、その後、大学共同利用機関法人については小林委員長代理から御説明お願いしたいと思います。
 まず、森委員、よろしくお願いします。
【森委員】  よろしくお願いします。
 第4期中期目標期間の業務実績評価に係る実施要領につきましては、国立大学法人分科会の下に置かれましたワーキンググループ及び国立大学法人分科会で審議の上、今回、実施要領(案)としてお示ししております。時間の関係もございますので、第3期からの主な変更点を中心に説明いたします。
 初めに、実施要領の策定スケジュールについて簡単に説明します。資料Ⅱ-1を御覧ください。12月のワーキンググループにおいて、実施要領(素案)の取りまとめを行った後、各国立大学法人に対しまして、実施要領(素案)等の意見照会を行いました。法人からの意見を踏まえ、1月のワーキンググループ、2月8日の国立大学法人分科会で審議を行い、実施要領(案)を取りまとめております。
 続きまして、資料Ⅱ-2でございます。こちらは、第4期の実施要領(案)の概要をまとめた資料です。左側に実施要領の基本構成、右側に第3期からの主な変更点をまとめております。
 第3期からの主な変更点として五つまとめておりますが、まず一つ目のマルでございます。第4期は、中期計画の実施に当たりまして、その達成度を測るための指標を法人自らが設定しているということから、評価指標の達成状況に重点を置いた評価を行うこととしております。また、次の議題とも関連しますが、評価委員会が意欲的な評価指標として指定したものにつきまして、達成した場合には高く評価することとしております。なお、中期計画の評価に際しましては、個々の評価指標の達成状況だけではなく、中期計画全体としての達成状況や取組に関わる進捗等も勘案し、総合的に判断することとしております。
 続いて、二つ目のマルでございます。第3期は教育、研究、あるいは業務運営といった共通の項目で最終的な評定を付していましたが、第4期は個別の中期目標単位で評定を付すこととしております。これは、第4期を迎えるに当たりまして、中期目標の在り方の見直し、具体的には中期目標大綱から各法人がミッションとして位置付けるものを選択する方式へ変更が行われております。それに伴いまして、特に教育研究に関する目標におきまして、法人ごとで大きな違いが生まれております。このため、共通の項目で評定を付すことが困難であることから、個別の中期目標単位で評定をすることとしております。
 ここで、第4期の法人評価の実施方法について、具体的にイメージしていただけるよう、資料Ⅱ-3を用意しております。左側に第3期の実施方法、右側に第4期の実施方法を記載しております。
 資料の左下を御覧いただければと思いますが、第3期におきましては、大学改革支援・学位授与機構が行う教育研究に関する評価、これと国立大学法人評価委員会が行う業務運営に関する評価で、評定を付す項目や最終評定までの段階が大きく異なっておりました。教育研究に関する評価の基準や実施方法については、大学改革支援・学位授与機構で決定されることになりますが、各法人の評価関係業務の効率化等を踏まえ、第4期は可能な限り統一を図ってまいりたいと考えております。
 なお、資料の右下には、第4期の評価の実施方法のイメージを記載しておりますが、評価指標を3段階、中期計画を5段階、個別の中期目標、いわゆる最終的な評定を6段階で評定を付すこととしております。その際、評価指標の達成状況だけでなく、中期計画に係る取組の実績等も踏まえた上で総合的に評価する予定であります。
 再び資料Ⅱ-2に戻っていただければと思います。第3期からの主な変更点の三つ目のマルです。第3期においては、中期目標とは別に「共通の観点」として、ガバナンス改革、財務内容の改善、法令遵守及び研究の健全化に係る観点を示していましたが、第4期におきましては、これらの観点を踏まえた上で、全ての法人で共通的に中期目標・中期計画が作成されておりますことから、「共通の観点」の項目自体を削除しております。
 続きまして、四つ目のマルです。これまで評定を付していなかった附属病院及び附属学校に係る中期目標について、ほかの目標と同様、中期目標大綱を踏まえて策定されておりまして、中期計画には評価指標が設定されていますことから、第4期においては評定を付することとしております。
 最後に、五つ目のマルです。こちらは大学改革支援・学位授与機構で評価を行う部分でありますが、ここでは簡単に説明させていただきます。研究成果等を分析する単位を学部・研究科ではなく、教員が所属する組織に変更することとしております。これは、より法人の実態に合わせた形で分析することが狙いですが、最終的には各法人の意向を踏まえた上で、法人ごとに個別に決定していくこととなります。
 以上を踏まえまして、今回、資料Ⅱ-4で実施要領の新旧対照表を、資料Ⅱ-5で第4期の実施要領(案)を作成しております。また、実施要領(案)に加えまして、各法人に作成いただく業務実績報告書の様式(案)についても作成しております。資料Ⅱ-6、Ⅱ-7になります。ポイントとしましては、評価者及び被評価者双方の観点から、効率化を図るような様式としております。
 以上、簡単でございますが、第4期中期目標期間の業務実績評価に係る実施要領(案)について説明いたしました。よろしくお願いいたします。
【大橋(徹)委員長】  ありがとうございました。
 続きまして、小林委員長代理からよろしくお願いいたします。
【小林委員長代理】  
 大学共同利用機関法人における第4期中期目標期間の業務実績評価に係る実施要領については、大学共同利用機関法人分科会の下に置かれたワーキンググループ及び大学共同利用機関法人分科会での審議を経た上で、今回、実施要領(案)としてお示しをしております。
第3期までは、国立大学法人と大学共同利用機関法人をまとめて一つの実施要領としておりましたが、法人の性格や担うべき役割が異なることから、第4期については個別に作成しました。本日は時間の関係もございますので、大学共同利用機関法人に係る点を中心に御説明をさせていただきます。
 初めに、実施要領の策定スケジュールについて簡単に説明をいたします。資料Ⅱ-8を御覧いただきたいと思います。12月のワーキンググループにおいて、実施要領(素案)等の検討を行った後、各大学共同利用機関法人に対して意見照会を行いました。法人からの意見を踏まえて、1月のワーキンググループ、2月8日の大学共同利用機関法人分科会での審議を行い、実施要領(案)を取りまとめております。
 続いて、資料Ⅱ-9を御覧いただきたいと思います。こちらは、第4期の実施要領(案)の概要をまとめた資料です。第4期は、評価の実施に当たり、評価指標の達成状況に重点を置いた評価を行うこと、意欲的な評価指標として指定したものについては達成した場合には高く評価すること、中期目標単位の評価で評価を行うこととし、評価指標は3段階、中期計画は5段階、個別の中期目標は6段階で評点を付すこと、第3期の共通の観点の項目を削除することなどの変更点は、国立大学法人と同様の内容となります。
 なお、先ほど、資料Ⅱ-2において、国立大学法人については、大学改革支援・学位授与機構で評価を行う現況分析単位の変更について御説明がありましたが、大学共同利用機関法人については、原則として、各大学共同利用機関とする第3期の取扱いから変更はございません。
 以上を踏まえて、資料Ⅱ-10に実施要領の新旧対照表並びに資料Ⅱ-11に第4期の実施要領(案)を作成しております。こちらも基本的には国立大学法人と同様の内容となっておりますが、例えば、基本的な考えの文章の部分については、大学共同利用機関法人の特色に関することのみを言及する形となるよう、第3期の実施要領から修正をしております。
 続いて、資料Ⅱ-12を御覧いただきたいと思います。こちらは各法人に作成いただく第4期の業務実施実績報告書(案)の概要です。基本的には、国立大学法人の報告書(案)と同様の内容となっております。
 最後に、資料Ⅱ-13を御覧いただきたいと思います。大学共同利用機関法人の実績報告書について、第3期に各法人から提出があった実績報告書においては、個別の大学共同利用機関の取組のみが記載され、法人全体の取組や成果等が明確でない傾向が一部に見られたため、第4期においては、個別の大学共同利用機関単位ではなく、法人の組織全体についての取組について記載することを、実績報告書の注書き、資料Ⅱ-13の59分の43ページに注書きとしてまとめております。
 以上、簡単ですが、大学共同利用機関法人における第4期中期目標期間の業務実績報告に係る実施要領(案)についての説明とさせていただきます。御審議よろしくお願いいたします。
【大橋(徹)委員長】  ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明について御意見、御質問等がありましたら、よろしくお願いいたします。発言される方は挙手をお願いいたします。内部委員、どうぞよろしくお願いします。
【内部委員】  この原案には賛成でございますけれども、1点、年度評価をなくすということで、これまで以上に法人の自ら律するというところが課題になってくると思いますけども、不正の場合にはどのように評価とか、いろいろなことに対応されるのでしょうか。
【大橋(徹)委員長】  事務局からお願いします。
【事務局】  御質問ありがとうございます。研究不正とか、そういったインシデントのことでよろしいでしょうか。4期につきましては、年度評価を廃止しており、4年目と6年目に評価を行いますので、4年目のときに過去の4年間分をまとめて評価をさせていただくということになっております。そのため、少し後追いになりますけども、タイムリーに毎年毎年というわけではないですけれども、従来どおり、インシデントにつきましては指摘をさせていただく予定になっております。
【内部委員】  ありがとうございます。不正があれば、より厳しくなるという累積になっていくので、評価は厳しくなると理解してよろしいでしょうか。
【事務局】  基本的には、従来も年度評価だけでなく4年目終了時と6年目終了時にもインシデント等の評価をしておりますので、第4期においても、第3期の4年目終了時と6年目終了時と同じ評価の仕組みになると御認識いただければと思います。
【内部委員】  承知しました。ぜひ不正等がないように祈っております。
【事務局】  ありがとうございます。
【小林委員長代理】  今の内部委員の質問と少し関することを申し上げますと、大学共同利用機関法人については、法令遵守及びいわゆる研究倫理等については、毎年事務局から確認をすると伺っております。したがって、第3期の実施に比べて、それの項目がなくなるというのは、何か後退するとは理解はしておりません。それは分科会でもかなり議論になりましたけども、毎年確認するということで大学共同利用機関法人分科会としては了解をしたということです。
【大橋(徹)委員長】  よろしいでしょうか。ほかに御意見、御質問等ございますか。後藤委員、お願いします。
【後藤委員】  今の原案については賛成ですけれども、今回、大学で計画を立てて、それに対して達成か、不達成かと評価していくということで、以前、評価のときも少し難しかったところが、その評価に対して数字をしっかり書いている大学も当然ありますが、書いていない大学もあります。数字を書いている大学は、逆に言うと、達成していればとても明確で、例えば、何か5件やりますというところを8件やっていたというと、当然上回っているような感じがします。
 それに対して、上回っているという評価をしようとすると、それは単に達成しているくらいではないか、上回っていないのではないかとか、そういう議論になったりして、先ほど東北大学にもありましたが、東北大学はしっかりと数値を出してくれていて、それに対して明らかに上回ってはいました。にもかかわらず、総合的には非常に上回っているということではないという評定になったと思いますが、そこは、私自身も一緒に評価をする中で少し難しかったところです。
 その大学が立てた計画の目標が低過ぎたのか。しかし、その計画を承認した後で、それを評価するときに、明確に数字を上回っているのに、それは上回っているわけではないと評価をすることが少し難しかったので、評価の方法も我々委員も含めて上手にレクチャーしていただきたいなと思います。今後の話ですが、そのように思っております。
【大橋(徹)委員長】  本件については、森委員か、小林委員長代理は何か御意見ありますでしょうか。
【小林委員長代理】  国立大学法人の件ですから、森委員からも御意見があると思いますが、私も国立大学法人の評価をさせていただいたこともありますが、確かに今、後藤委員がおっしゃるとおり、もともと掲げたハードルがどこのレベルなのかということがあると思います。したがって、それを単に超えたか、超えないかというだけではなく、横並びで見て、同じようなグループの大学の中で、相対的にどうなのかというところも含め、ほかのところよりも突出しているとか、それほどでもないとかということで評価をしていたと当時は思います。
 そのため、事務局が総合的にという言葉でおっしゃっているのは、恐らくそういうことではないかと思います。もしそれがないと、できるだけ低い目標を立てるのが良いという変なハードルを下げる競争になってしまうということは、本来の法人評価の在り方とは違うのではないかと思いますから、私は現行の在り方は適切に行われていると思っております。
【森委員】  ワーキンググループでも大分検討をしまして、第4期は、評価指標によってまず評価をするということになっていまして、意欲的な評価指標というものを設けています。これは各大学が自ら意欲的な評価指標というものをしっかり検討して、抽出をして、後の議題にもなりますけれども、評価委員会で指定をするということになっています。
 この意欲的な評価指標というのは、従来の意味では通常の達成レベルではなく、やはりより高いレベルの達成指標ということで、先ほど小林委員長代理もおっしゃっていましたけれども、例えば、同じグループの中の大学の中で比較をしても、これは達成が非常にある意味では高いレベルが必要であるというようなものについて、自ら選ぶということで、この意欲的な評価指標を達成した場合には、より高い評価をするということになっています。
 そのため、各大学では意欲的な評価指標を設けて、そこに向かって努力をしていくということになっており、評価としては、その意欲的な評価指標を中心に評価をしていくことになっていくのだろうと考えています。
 事務局から補足があれば、お願いしたいと思います。
【事務局】  森委員の御説明のとおり、4期からは大きくそのような形で制度改正をさせていただいているということでございます。
 また、これは3期までも、4期もそうですが、中期計画の達成については、実施しているか、上回って実施しているかについては、まず各大学で自己評価をしていただいて、その自己評価が妥当性があるかどうかを評価委員会で確認させていただいています。
 そのため、どのくらい達成すれば、上回って実施している達成度だということは、各大学の説明に妥当性があるかどうかを皆様に御確認いただいているという方法を採用しておりました。
 評価の方法につきましては、中身について確認しやすいように、事務局としては検討していきたいと思っておりますので、引き続き先生から何か御意見があれば頂戴できればと思っております。
【森委員】  どうもありがとうございました。私も非常に難しい問題だと思っていますので、少しずつうまく改善してもらえればと思います。
【大橋(徹)委員長】  ありがとうございます。山本委員、お願いします。
【山本委員】  先ほどの改善すべき点との関係で、4年目終了時に評価するということですけども、一方で、毎年恐らくガバナンス・コードの適合状況を公表することとされております。国立大学法人のガバナンス・コードに適合したかとか、そうでなかったかということを毎年求められる。そういうものの活用もあり得るのかと思いますが、その辺はいかがでしょうか。
【大橋(徹)委員長】  事務局からお願いします。
【事務局】  ガバナンス・コード自体は各国立大学が自ら公表する形になりますので、その適合状況を何らかの形で評価の中で確認をさせていただくという仕組みはあり得るのかとは思います。
 4年目終了時まで何もやらないということではなく、事務局として、この段階では何かこういう方法ができるのではないかというところまで御提案できる状況にはないので、まずは実施要領を定めさせていただきましたので、次は具体的な評価の方法について、今後検討させていただきたいと思います。
【山本委員】  ありがとうございます。
【大橋(徹)委員長】  それでは、続いて、栗原委員、お願いします。
【栗原委員】  ありがとうございます。今回の第4期の評価の方法につきましては賛成でございまして、特に教育研究のところと、業務運営のところをある意味で同じ見方で指標を一本化したということ、それから、今、皆様からも出ていましたように、意欲的な目標、これは我々の企業でも難易度と達成度という言い方をしておりますが、難易度の高いものを達成すれば、やはり総合評価としても高いですし、意欲的な目標を掲げて、それを達成したら高い評価になるような目標を設定するということは、すばらしいことだと思います。それによって、意欲的な目標を掲げる国立大学法人、大学共同利用機関法人が増えると思いますので、大変良かったと思います。
 その上で、独立行政法人の評価を少し参考にしますと、6年間という評価の中で目標が変わる、あるいはその難易度が変わる事があります。当初は意欲的だと思っていなかったものが非常に難しく意欲的目標の水準に変わるとか、環境変化の中で意欲的な目標として位置づけて取組みたいというような途中での変更ということがあり得ると思います。
 そのような変更があったときは、恐らく変更後のもので最終的に評価をしていくと思いますけれども、その変更ができるような仕組みが考えられていると良いと思います。恐らくそれは4年度目が終わった段階の見込み評価の段階で見直しをすることがあるのではないかと思われますので、見直しを合意するという仕組みがあり得るのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
【大橋(徹)委員長】  なるほど。なかなか難しい点です。事務局からいかがですか。
【事務局】  御質問ありがとうございます。6年間というタームの中で状況も変わっていきますので、中期目標・中期計画を変更することはあり得るとは思っています。
 ただ、例えば4年目とか、評価する段階に近い段階で変更するということは、評価としては有利、不利という話も出てきますので、そこは慎重に考えていきたいと思います。変更しなくとも評価するときに、各大学に未達成の場合も含めてしっかり説明していただいて、それを評価委員会で妥当性を確認させていただくという形を取らせていただければと思っております。
【栗原委員】  遅いタイミングではなく早いタイミングであれば変更はあり得るということと、そういった難易度が大きく変わるようであれば、それは最後の評価のときに勘案ができると理解いたしました。ありがとうございます。
【大橋(徹)委員長】  ありがとうございます。ほかに御意見、ご質問がないようならば、第4期中期目標期間の業績実施評価に係る実施要領については、案のとおり決定することでよろしいでしょうか。
 それでは、御異議ないようですので、そのようにいたしたいと思います。ありがとうございました。
 なお、実施要領の決定に際して、大学改革支援・学位授与機構に対しまして、第4期中期目標期間の教育研究の評価の実施を要請いたしますが、要請文の内容については、私に御一任いただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 続きまして、第4期中期目標・中期計画における意欲的な評価指標の指定について、御審議いただきたいと思います。
意欲的な評価指標につきましては、第4期から導入している新たな仕組みでありますが、各法人から申請のあったものをそれぞれの分科会で御審議いただき、今回、案として取りまとめられております。まずは事務局から御説明お願いいたします。
【事務局】  それでは、まず資料のⅢ-1を御覧いただければと思います。
 意欲的な評価指標の指定に係る基本的な考え方について、御説明させていただきます。既に大臣認可済みの中期計画に設定されている評価指標のうち、意欲的な達成水準のものを指定させていただくという制度でございます。既に各大学が設定済みのものから、今回、申請する点がポイントでございます。
 第3期におかれましても、「戦略性が高く意欲的な目標・計画」という同じような趣旨の制度がございました。ただし、これは達成しても高く評価するものではなく、未達成の場合に進捗を確認させていただいて、判断させていただくものでございましたので、第3期については、法人の申請ベースで基本的には認定をさせていただいているところでございます。
 今回の第4期の意欲的な評価指標につきましては、達成すればほかの評価指標より高く評価することから、指定されるもの以外と比べ、非常に有利になっているということでございます。そのため、申請ベースで認めるものではなく、厳格な審査をさせていただくことになりました。
 審査の観点につきましては、枠囲みのとおりでございますが、一つ目は、類似の法人との比較の観点で高い達成水準であること、又は二つ目にありますが、新規性だけではなく、他法人の参考となるような先駆性があり、達成が容易ではないこと、若しくはその両方というものでございます。
 指定されたものにつきましては、社会に対して客観的に高い水準であることが説明されているものであり、取組自体が優れているかどうかということの評価ではございません。そういった取組は従来どおり、4年目、6年目の評価作業の段階で優れた点として取り上げ、評価のときに適切に反映をさせていただきたいと思っております。
 今回、指定を行う意欲的な評価指標につきましては、20分の3ページからの別紙のとおりでございますので、後ほど御説明します。具体的には、規模や機能で類似する法人においてトップを目指すもので、過去の実績と比して高い水準であるもの、もう一つは、国内最初の事例で、第三者機関の認定などがあり、水準が担保されているもの、それ以外にも、比較の観点で高い水準であることが明らかで、国としても課題となっているものを克服するような困難性が高いものが分かるものを取り上げさせていただきまして、客観的に達成水準が高いと判断されるものを指定させていただきました。
 一方で、定義や解釈に幅があるものとか達成水準の具体性を欠いているもの、過去の実績より低いもの、取組の成否をはかるようなもの等につきましては、法人にとって優先度が高いものであっても、客観的に高い水準にあると判断できず、今回は指定しておりません。同じ観点で、独自の拠点形成やプログラムの実施等も同様でございます。いずれも評価の段階で優れた点として認めていただければ、評価時点で適切に評価をさせていただくことになっております。
 国立大学法人からは、約600の申請があり、この観点での審査を経由して、58指標を指定させていただいています。申請の約1割でございました。この後御説明させていただきます大学共同利用機関法人も50の申請で4指標を指定させいただいていますので、同じく1割程度の指定になっております。
 次に、再申請について述べているものでございます。法人がより高みを目指すことは、教育研究等の質的向上を図る観点からは望ましいと考えておりまして、4年目終了時評価への影響を踏まえると、次年度のみ再申請を認める方針で進めたいと思っております。評価指標の再設定が必要でございますので、評価指標が設定されている中期計画の変更の申請と併せて実施をする予定になっております。
 繰り返しになりますけども、取組自体の優劣というものでなく、客観的に達成水準が高いと判断されるもののみを指定させていただきました。未指定指標には、制度になじまない取組もありましたが、こういったものにつきましても、4年目終了時、6年目終了時の評価段階で優れた取組であれば、結果として優れた点として取り上げさせていただき、評定に反映させていただきたいと思っています。意欲的な評価指標の仕組みと、こうした優れた点の取り上げというような、二つの仕組みの中で、大学の特色とか優れた取組を後押ししていきたいと思っております。
 併せて、未指定の評価指標が未達成となった場合であっても、中期計画の評定を付す段階によっては、その未達成のみをもって判断をすることは考えておりませんで、中期計画全体の評価指標の状況などを勘案し、総合的に中期計画の評定をつけさせていく予定になっております。
 3ページ目以降の別紙では、指定案について、カテゴリー別で一覧化させていただいております。類似法人間においてトップを目指すものとして、客観的に高いと認められるものでございます。例えば、最初の東北大学のベンチャー創出数は、達成により、類似法人の中でも東京大学に次ぐようなトップレベルになるということでございます。13ページ目では、国内最初の事例として、質が担保されるような取組でございます。例えば、筑波大学が海外分校を設置するような計画の指標、これも設置審査を経ることで質を担保できるということで、指定をさせていただいております。14ページ目では、それ以外にも、政府目標を上回るような高さの水準を担保しているもの、博士課程への支援と国の目標値を大きく上回るものを指定させていただいているところでございます。
 次の資料Ⅲ-2では、法人別一覧を並べさせていただいております。申請614のうち、58を指定させていただいております。一見、大規模な大学が多く見えますが、単科大学でも指定される評価指標がございました。申請が多くても指定がない大学も当然ありまして、何かに取り組むとか、何かを実施する、拠点を形成するといった指標については、指定にはなじまなかったということでございます。定量的な指標でも、過去と同等レベルであれば、指定にはなじまなかったということでございました。
 資料Ⅲ-3は、大学共同利用機関法人の指定に係る基本的な考え方でございます。基本的には国立大学法人と同様の考え方となっております。3ページ目の別紙は指定案の一覧でございまして、世界的な水準の現状をさらに伸ばすものとか、国内外で他の例がない先駆性があるもの、社会的に意義が高いものなどを対象とさせていただいております。
 資料Ⅲ-4は、法人別一覧となっておりまして、申請49のうち、4指標が指定をさせていただくことになっております。それぞれの法人で一つずつ指定をさせていただくことで、案を作成しているところでございます。
 こちらからは以上でございます。
【大橋(徹)委員長】  ありがとうございました。ただいまの説明も踏まえ、第4期中期目標・中期計画における意欲的な評価指標の指定等について、御意見、御質問がありましたら御発言ください。発言される方は挙手マークにてお願いします。勝委員、お願いします。
【勝委員】  御説明ありがとうございました。たまたま気づいたのですが、資料Ⅲ-1の3ページに東京農工大学が2件ありますが、中期目標と中期計画が全く同じ文言で、評価指標だけが違うということで、同じ中期計画で評価指標が違う場合は指標を二つと数えるのでしょうか。素朴な疑問でありましたので、お聞きいたします。
【大橋(徹)委員長】  ありがとうございます。事務局からよろしくお願いします。
【事務局】  ありがとうございます。各大学の中期計画の中に、評価指標はそれぞれ明確に位置づけをしていただいております。そのため、東京農工大学の場合は、評価指標(1)-2、(1)-3と枝番をつけて、評価指標を分けていただいております。
  すいません、先生、質問としてはそういったことでよろしかったでしょうか。
【勝委員】  そうですね。同じ中期計画で目的は同じですけれども、測る部分は異なるわけですね。測る部分を二つに分けた場合は、その意欲的な評価手法は二つになるわけで、指標があればあるほど良いというものではないですけれども、それが達成されると評価が高くなることを考えると、その辺がどのようなルールになっているかということを知りたかったので、今、お伺いした次第でございます。
【事務局】  失礼しました。中期計画の中に、複数の評価指標を置いている大学は当然ございますので、具体的に評価へどのように反映するかはこれからの検討になりますけども、一つの中期計画の中に複数の意欲的な評価指標があれば、当然ながらその中期計画の評価はより高くなるのは想定させていただいております。
【勝委員】  あくまで評価指標自体を評価したいということでよろしいでしょうか。分かりました。ありがとうございます。
【大橋(徹)委員長】  それでは、横田委員、よろしくお願いします。
【横田委員】  御説明ありがとうございました。私の想定以上に申請数が多く、そこからかなり絞り込まれたという理解をいたしました。
 まず1点目の質問は、今回指定されなかった指標は、どういった扱いになるのでしょうか。再申請してくるものもあると思いますけれども、今の勝委員の話とリンクしているか分かりませんが、その指標自体を大学側は何らか普通の項目として残していくのか、あるいは、採択されなかったのでその計画は実施しないという方向になってしまうのか教えていただければと思います。
 全体的なコメントもさせていただければと思うのですけれども、私は昨年からこの委員会に参加をさせていただいておおり、先ほど大橋委員長の所見も拝読させていただき、この評価の歴史を良く理解することができました。各大学が意識的に自分たちの独自性を構築しながら、大学同士の連携が深まっていることを改めて実感しております。
 そのような中、私はスタートアップ・エコシステム形成支援委員会で大学のスタートアップ育成にも関わっておりますが、大変意欲的に大学がスタートアップ育成に注力している中で、意欲的な評価指標の中にそれらの項目が多く含まれているということも、しっかりと事業同士を大学が意識的に行っているということも理解できました。
 すみませんが、質問の点については、お教えいただければと思います。
【大橋(徹)委員長】  事務局からお願いします。
【事務局】  御質問ありがとうございます。今回指定をされなかった指標につきましても、各大学の中期計画の中には既に指標として設定されているものでございます。もともと各大学の中期計画の中に含まれているものから、この意欲的な評価指標に指定を受けなくとも、各大学はその中期計画達成を図るために、指定されていない評価指標については、継続して4年目終了時、6年目終了時に確認をさせていただくことになります。今回、申請が通らなかったので、計画をやめるというものではないという仕組みでございます。
 来年さらに変えていくことについては、我々として、各大学に質を高めていく観点からぜひやっていただきたいところで、再申請の仕組みを設けさせていただいたということでございます。
【横田委員】  ありがとうございます。
 もう1点、重ねての質問となますが、もともと項目として指標があるということは理解しましたが、この意欲的な評価指標の申請のときに、数値を高めて申請してきているのか、若しくは、単純に通常の評価指標と同じ数値について、これは意欲的であると申請してきているのでしょうか。
【事務局】  ありがとうございます。同じ評価指標を申請しており、意欲的であるということの説明をしていただく形になっています。
 ただ、中には、数値を高めて申請してきた大学もございました。中期計画自体が、3月に大臣認可をされた上で確定しているものですから、後から急に変えることについては、大臣として、国としてまだ認めている指標ではないので、それについては、来年に再度、申請して、中期計画の変更をしていただくということになると思います。
 基本的には、もともと3月までに認可をされたものから、これは意欲的な評価指標である旨の説明を付して、変えないで申請していただいているのが現状でございます。
【横田委員】  理解できました。ありがとうございました。
【大橋(徹)委員長】  小林委員長代理、お願いします。
【小林委員長代理】  今の横田委員の御質問とも関係しますが、この意欲的な評価指標が導入されることを踏まえて、大学共同利用機関法人に関して言いますと、かなりチャレンジングな指標を指定しています。
 ですから、四つ認められたうちの二つは研究に関するもので、いずれも日本一ではなく世界最高水準でした。これが従来、意欲的な評価指標という制度がなければ、世界トップ、ナンバーワンでなければ、これは未達成であると下げられるのかという話になってしまうので、やはりこのような制度があるから高いハードルにチャレンジするという指標を出してきたと思います。
 以前から法人評価させていただいている者としては、今回、事務局はかなり意欲的な改革をしたと思います。一つは評価項目を選択的にしたということです。全ての大学がトップ1%、トップ10%論文だけではなく、今、事務局から御紹介ありました東京芸術大学の場合は、教授のトップ何%論文も大事ですけれど、教え子のコンクール入賞もやはり大事です。あるいは、公立大学がない地方の国立大学、例えば、具体的には栃木県には公立大学がありません。ということは、地方公務員も含めた人材養成は、宇都宮大学にかなり期待されています。このような選択をできるようにしたことはとても大きな改革だと思いますし、それから、後藤委員からも少し御指摘がありましたけど、ハードルを低くしてしまう競争というものが、どうも以前から伺えたところもあるので、あるいは、できるだけ数値を出さないほうが良いのだと。数値を出すと未達成が明確になってしまうので、評価を下げられる。そのため、少し定性的に表現しておいたほうが良いということにしないよう、この意欲的な評価指標が導入されたのだと思います。
 そのため、その二つの意味で非常に大きな改革をされて、私はこの改革にはとても期待をしています。そういう意味で、大学共同利用機関法人について言えば、世界トップを目指すことを指定しているところで、実はかなり厳しい選択だと思います。トップ1%論文比率でも意欲的としては認めていないことになっていますが、そのくらい厳格で良いのだろうと思います。ということなので、かなり期待をしております。
【大橋(徹)委員長】  ありがとうございました。
 ほかにどなたか御意見、御質問等ございますか。
 それでは、ないようですので、第4期中期目標・中期計画における意欲的な評価指標の指定(案)については、本件で了承したいと思いますが、よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。それでは、そのようにさせていただきたいと思います。
 最後に、その他の事項としまして、国立大学法人評価委員会に設置されている指定国立大学法人部会により、令和2年度評価における指定国立大学法人(一橋大学)に対する指摘事項に関する審議状況について、御報告がございます。相澤部会長から御説明をお願いいたします。
【相澤部会長】  ありがとうございます。部会における審議状況について御報告いたします。資料Ⅳを御覧ください。
 令和3年12月に開催された総会では、指定国立大学法人の令和2年度評価結果について御報告させていただきました。その際、一橋大学については、令和2年度においては、第3期中期目標期間における指定国立大学法人の指定に係る申請要件のうち「研究力」の領域における要件を満たしていない状況にあることから、その要因を分析した上で、構想に掲げる取組をはじめとして、全学的な取組を戦略的に展開し、申請要件として求める水準に留まらず、世界最高水準の卓越した教育研究活動を展開する国際的な拠点として飛躍していただくことを強く求めると指摘しております。
 この評価結果に対して、総会からも、申請要件を充足するという重要な点を可及的速やかに対応していただくということで、大学にも認識していただいたほうがよいといった御意見もいただいておりました。
 この後、第3期に指定を受けた他の大学も含めて、令和4年1月にヒアリングを実施し、3月には、「第4期中期目標期間に向けた指定国立大学法人構想の展開について」を公表しております。その中で、構想の十分な進捗が確認できないこと、申請要件を満たさなかったことの原因分析と対策の説明が十分でないことから、一橋大学については、改めてヒアリング等を行い、指定国立大学法人として指定の継続の是非を判断する必要があると記載したところでございます。
 本部会として、一橋大学に対し、強い危機意識と徹底的な自己分析の実施を求め、この1年間、一橋大学において、全学的な議論が実施され、改革に取り組まれていることを確認してまいりました。
 最終的には、新たな指定国立大学法人構想の提出を受けまして、本年2月にヒアリングを実施し、本部会としては、学長から意欲的な構想が示され、取組の質的転換を図る構造改革に着手していること、最新のデータでは申請要件を満たしていることが確認されました。これらを受けて、一橋大学の指定を継続することが適当であると判断いたしました。
 ただし、本部会としては、引き続き、今回示された新たな構想を着実に実施していただくためにフォローアップを行ってまいります。
 私からの報告は以上です。
【大橋(徹)委員長】  ありがとうございました。
 それでは、本日の議事は以上となります。最後に、今後の日程等につきまして、事務局からの説明をお願いいたします。
【事務局】  本日、御審議いただきました評価結果につきましては、各法人への通知を行うとともに、文部科学省のホームページに掲載させていただきます。第4期中期目標期間の業務実績評価に係る実施要領につきましても、各法人に通知を行うとともに、大学改革支援・学位授与機構に対して、第4期中期目標期間の教育研究の評価の実施を要請させていただきます。意欲的な評価指標の指定につきましても、本日の結果を各法人に通知させていただくこととしております。
【大橋(徹)委員長】  それでは、長時間ありがとうございました。本日の総会を終了いたします。
 
―― 了 ――

 

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