令和6年5月16日(木曜日)13時00分から15時00分
オンライン会議にて開催
東出部会長、後藤部会長代理、東委員、森委員、尾崎委員、北岡委員、佐々木委員、高橋委員、中野委員、橋本委員
迫田産業連携推進室長、中川原課長補佐、田中専門官
【東出部会長】 本日は,この第11期の部会として初めての会合ということになりますけれども,改正に伴って新任の委員の皆さんもいらっしゃいます。主にこの部会の今後の所管事項,官民イノベーションプログラムで現状等を議論するということと,現在の目的を共有した上で,今後1年間,どういうようなスケジュールで何が動いていくのかということを共有し,現状を共有するということが本日の主な内容になってくると思います。こちらの部会の議事の公開等の取扱いについてですけれども,資料1-1を御覧いただけますでしょうか。議事等の取扱いということになります。
中ほどに,四角の囲みの部分になりますが,こちらに記載している部分ですけれども,本部会では,議事録を公開することが大原則とはなっておりますけれども,そうすることで透明性等の確保ができるということが目的になっております。ただし,本日も若干出てまいりますけれども,どうしてもベンチャーキャピタルの投資という側面から,経営や投資に関連して,かなりセンシティブな,機微な情報が含まれていることがあるということですので,そのような情報を含む場合は,状況に応じまして,議事録は非公開,その代わりに議事の要旨を公開するという流れで進めていくことができればと思います。
本日の議題の中では,資料5-5になりますけれども,こちらに各ベンチャーキャピタルの累積損益の推移が今回まとめられております。こちらに関しては,今回の内容の一部にはなっておりますけれども,少し,若干センシティブな情報ですので,こちらの部分は議事録は非公開ということで進めさせていただければと考えております。こちらの件につきまして,本日の議題に関して御了承いただけますでしょうか。何かございましたら挙手をお願いできればと思います。
それでは,当面,挙手等もないようですので,そのような形で本日進めさせていただければと思います。
それでは,早速ですけれども,事務局から配付資料の確認をお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。
【事務局】 本日の会議配付資料の確認をさせていただきます。議事次第の2枚目に配付資料一覧がございますので,御覧ください。こちらに記載がありますとおり,資料1から7と,参考資料の構成となっております。
本日,全ての資料につきまして,お手元に不足などございましたら,チャット機能にて資料をお送りさせていただきたいと思いますので,事務局までお知らせいただければと思います。
併せて,事務局からのお願いでございますが,ウェブ会議を円滑に行う観点から,御発言に当たっては,インターネットでも聞き取りやすいよう,はっきりと御発言いただくこと。御発言の都度,お名前をおっしゃっていただくこと。発言時以外はマイクをミュートにしていただくこと。御発言に当たっては,カメラに映りやすいように手を挙げていただくか,または,Zoomの「手を挙げる」挙手機能を使うなどの御配慮をいただけるとありがたく存じます。御理解のほどよろしくお願い申し上げます。
【東出部会長】 どうもありがとうございます。
それでは,本日,今年度が始まるわけですけれども,新任の委員の方もいらっしゃるということで,簡単ですけれども,自己紹介の時間を取りたいと思います。お一人,大体1分から1分強程度を目途に御紹介いただければ非常に助かります。
まず私ですけれども,私はこちらの部会ももう8年ほどやらせていただいておりまして,かなり長く勤めているという感想も持っております。現在,早稲田大学で,あるいはベンチャービジネス,クリエイティビティであるとか,あとはファミリービジネス等の研究,また,教育に携わっております。ひとつよろしくお願いいたします。
それでは,次,名簿の順番になりますけれども,資料1-2になります。こちらの上から順番に自己紹介を1分程度でお願いできればと思いますけれども,まず東様,よろしくお願いできますでしょうか。
【東委員】 承知しました。弁護士の東陽介と申します。私は本年から新任ということで,私の同僚の棚橋弁護士が長く皆様にお世話になったところで,後任ということで入らせていただきました。棚橋と同じような仕事をしている弁護士でございまして,さらに申し上げると,私が1年生で,私の事務所に入ったときは棚橋の部屋でして,そういったことで一緒にスタートアップの投資であるとか,ファンドの組成とか,そういったものを一緒にやっておりまして,現在まで引き続きやっているというような形です。この大学発ベンチャーのベンチャーキャピタルの投資領域である,割とハードなものというか,ディープテックと言われるようなものの投資を行っているVCであるとか,スタートアップさんの仕事とかもしておりますので,その辺りの経験とかも,棚橋には及ばないところもあるかもしれませんけれども,そういったものも踏まえて,このプロジェクトの成果に貢献できる形で頑張っていきたいと思っておりますので,引き続きよろしくお願いいたします。
【東出部会長】 どうもよろしくお願いいたします。
それでは,引き続きまして,森様,お願いできますでしょうか。
【森委員】 森でございます。公認会計士であります。私は国立大学の評価委員も務めておりまして,国立大学の評価の観点で,産学共同の研究開発の出資等につきましてどういう評価をしていけばいいのかという視点で参画しているということになると思います。一方で,公認会計士として,公認会計士協会においてもスタートアップに対して,我々が持っている知見において貢献すべきであるということで,関係省庁等からの依頼もあって,研究が進められているところです。具体的には,研究分野というよりは,むしろ研究における運営の問題,経営上の問題について,しっかりとした例えば,経営計画をつくるであるだとか,そういったものの評価についてどう考えるのかとか,そういったものの支援していこうではないかというのが,今,公認会計士協会の中では議論されているところでありまして,もう既に大分貢献はしているんですが,ただ,環境を見ると圧倒的に人数が少ないということもあります。この官民イノベーションプログラム部会においてどういった議論が進められるのかというところも踏まえて,何らかの形で貢献していきたいと考えていますので,よろしくお願いしたいと思います。
【東出部会長】 どうも森様,ありがとうございます。
それでは,引き続きになりますけれども,尾崎様,お願いできますでしょうか。
【尾崎委員】 神戸大学で教員をやっております尾崎と申します。よろしくお願いいたします。大学教員になる前に,ベンチャーへの投資,ベンチャーの立ち上げ,立ち上げた企業をIPOする、上場企業に買ってもらうといった実務経験があります。今の大学では,主に理工系の院生にビジネスプランの作り方,アントレプレナーシップを教えております。霞ヶ関関係のスタートアップ関連の仕事は,JSTのSTART推進委員と,ベンチャーとは違いますが,科学技術事業化の経験を生かして,核融合エネルギーと原子力の委員を文科省で,核融合有識者会議委員を内閣府で務めております。よろしくお願いいたします。
【東出部会長】 尾崎様,ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
【尾崎委員】 よろしくお願いします。
【東出部会長】 それでは,引き続きになりますけれども,北岡様,よろしくお願いできますでしょうか。
【北岡委員】 はじめまして。今年から新任で入らせていただきます北岡侑子と申します。私は最初,食品会社の研究職でしたが,その後,大学院を経て,ベンチャーキャピタル3社,2001年から23年間,勤めております。主にアカデミアテックのベンチャー企業に投資を行いまして,少しの成功と,たくさん失敗経験を積んできたものでございます。直近は,日本ベンチャーキャピタルという会社で,主に名古屋大学さんのファンドを担当させていただいてまいりました。この3月に独立いたしまして,合同会社鳳鳴朝陽という会社を大学生の息子と一緒に設立いたしました。
もちろん日本ベンチャーキャピタルの仕事も引き続きやっておりますが,新興のベンチャーキャピタルさんにこの経験を御伝授するというような仕事もやっておりまして,このたびはそうそうたる先生方の中で勉強させていただくつもりで,末席を汚させていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
【東出部会長】 北岡様,ありがとうございます。ひとつ本当によろしくお願いいたします。
それでは,引き続きまして,後藤様,お願いできますでしょうか。
【後藤委員】 はじめまして。後藤と申します。私自身は弁護士でして,元長島・大野法律事務所に入っておりまして,2001年に今のAZX Professionals Groupというのをつくりました。AZXというのは,ベンチャー企業を主にサポートする法律事務所が当時なかったので,それでつくったという経緯がありまして,法律事務所と会計事務所と特許事務所と社労士事務所で,ワンストップでスタートアップをサポートすると,そういう形をやっております。なので,20年近くこの業界を見ていまして,ベンチャーキャピタルさんもたくさんクライアントがおりまして,ファンドの組成とか,ファンドの管理だとか,あと,VCさんが投資するときの投資契約,種類株の設計,そういうところをサポートしています。なので,大学発ベンチャーさんもたくさんサポートしたりしている感じになっています。なので,今回については,大学ファンドについて何かファンドに関しての法律回りだとか,世の中,実務的にどうなっているのかとか,そういうところについて貢献できればと思っていますので,よろしくお願いいたします。
【東出部会長】 どうも後藤様,ありがとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
それでは,引き続きまして,佐々木様,お願いできますでしょうか。
【佐々木委員】 株式会社ポラリス,佐々木浩子と申します。よろしくお願いいたします。私は,技術のコンサル担当をやっておりまして,ベンチャー企業,スタートアップということで言いますと,資金調達,主に補助金の調達で,例えば補助金の採択審査,NEDOのスタートアップ向けの補助金の採択審査であるとか,あるいは経産省がやっているGo-Tech事業の申請のお手伝いというところに関わらせていただいていまして,ほかの委員の先生方と違いまして,どちらかというとスタートアップ側から接点を持たせていただいてということで,現場から活動している立場になります。逆に,こういう今回のような委員に,活動に参加させていただきまして,VC側の視点でどういうふうに活動していくのかというところが現場のレベルでは大変参考になりまして,また,この2年間でいろいろ勉強させていただきながら,僅かですけれども,貢献させていただければと思っております。よろしくお願い申し上げます。
【東出部会長】 どうも佐々木様,よろしくお願いいたします。
それでは,引き続きまして,高橋様,お願いできますでしょうか。
【高橋委員】 高橋真木子と申します。どうぞよろしくお願いいたします。本務の金沢工業大学では,大学院で,MBAと知財を希望とする学生さんたちに,産学連携,大学とどう付き合うの? ですとか,今日の本丸のディープテック系のスタートアップに付き合うにはどうするかというようなところを,経験値を踏まえて教えているというのが本務になります。そのほか,実は,この大学に来る前,東工大,東北大,それから,理化学研究所のほうで研究企画等をずっとやっておりました。その経験から,一つには,スター研究者,今回のスタートアップを立ち上げるときのもともとになる発明の創出者のようなところが,かなり身近な肌感覚がありまして,そういう意味では少し彩度が違いまして,大学側の研究者目線,もしくは大学の経営という観点から,このスタートアップの創出をどういうふうに考えていくかという辺りが身近なところです。特にこの官民イノベ,そうそうたる4大学でのVCですけれども,もう少し研究者目線で見てみると,なかなかそうそういいお話ばかりでもないところが比較的パスとしては聞こえてまいります。ただ,それを超えて,大変なところはちゃんと汗をかきながら大きな目的を達成できればというところで,皆様と意見交換させていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【東出部会長】 どうも高橋様,ありがとうございました。ひとつよろしくお願いいたします。
それでは,引き続きまして,中野様,御紹介,お願いできますでしょうか。
【中野委員】 はじめまして。EDiXプロフェッショナルグループ,公認会計士の中野と申します。よろしくお願いいたします。私は前任の江戸川とともに,EDiXプロフェッショナルグループにいて,ベンチャーエコシステム,支援専門のプロフェッショナルファームということで,スタートアップ企業ですとか,大学研究機関やVCさん,様々なプレーヤーに対してコンサルティングサービスを提供しているという形になっております。大学関係で言いますと,JSTのSTART事業の大学エコシステム推進型というところで,北岡委員とともに委員を務めさせていただいております。
ふだんはスタートアップ側のほうが多いかなと思いますが,そちらの側から投資を受けるというような立場で関わっていたというところですが,そういった観点から,また何かお役に立つことができればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
【東出部会長】 どうも中野さん,ありがとうございます。ひとつ今年もよろしくお願いいたします。
それでは,引き続きまして,橋本様,お願いできますでしょうか。
【橋本委員】 皆さん,こんにちは。セルシードの橋本と申します。多分この中で唯一,ベンチャー企業のメンバーでございます。私が今おりますセルシードというのは,もともと東京女子医科大学の技術をベースに創業した大学発ベンチャーでございます。創業して,もう既に22年たっておりまして,何とかここまでサバイブしてきたわけですが,大学発のベンチャーを事業化することの難しさ,苦労話だったら幾らでもできるというところでございます。
私自身はもともと研究職で,アカデミアの先生方とのいろいろな接点もたくさん持っておりまして,アカデミアのシーズをいかに社会実装するかというところで,今現在も四苦八苦しているところでございます。ですから,少し研究の内容についてもいろいろな形で評価ができるかなと思っておりますし,現在,JSTの一つのプログラムの評価委員もやらせていただいております。以前はベンチャーキャピタルから御支援をいただいて,今は上場して,何とか自分たちで資金調達しながらやってきているというところの経験談で,いろいろな形で何か御貢献ができればと思っております。どうぞよろしくお願いします。
【東出部会長】 どうもありがとうございます。橋本様,ひとつ今年もよろしくお願いいたします。
こちらで委員の皆様の自己紹介が終わりましたけれども,本日は,多くはオンラインでの参加になっておりますが,できれば今年はどちらかのタイミングでお顔も合わせながら,様々,実際の評価にも携わる皆様で携わっていくことができるようにアレンジもできればと思っておりますので,またぜひ御協力のほう,よろしくお願いいたします。
では,ありがとうございます。それでは,早速議事に移らせていただきたいと思いますけれども,まず初めに,議事の(1)になります「国立大学法人評価委員会官民イノベーションプログラム部会」になりますけれども,こちらの担当事項につきまして,御説明を事務局からお願いできればと思います。それでは,議事(1),進めていただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
【中川原課長補佐】 本年度から着任しております課長補佐の中川原と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは,早速ですけれども,資料に基づきまして説明させていただきます。まず資料2-1を御覧いただければと思いますが,こちらは,官民イノベーションプログラム部会の設置についてということで,平成25年,国大法人評価委員会で決定されている資料になります。この部会の親委員会としまして,国立大学法人評価委員会という組織が設置されております。そこの委員会令第6条第1項に,委員会及び分科会は,その定めるところにより部会を置くことができるとございまして,それを踏まえて,この設置紙がまとめられて,本部会の根拠ということになっております。
御承知のとおり,国立大学法人は,文部科学大臣が提示する中期目標,それから,国立大学法人等が目標に基づいて定めて,文科大臣が認定しております中期計画により業務運営を行っているところでございます。
こちらの部会の所掌事務は,2ポツに書いてありますとおり,御覧の3つの事務がございます。それから,委員会の構成ですけれども,親委員会の法人評価委員会総会がございまして,その下にこの本部会が設置されている。その下に大学法人の分科会,それから,大学共同利用機関法人分科会という組織構成で形成されてございます。
2ポツの所掌事務のところを少し詳しくまとめましたのが,資料2-2になります。①と②のところですけれども,こちらは現在,中期目標期間としまして,第4期に入っておりますけれども,この第4期におきましては,現在,官民イノベーションプログラムに関する中期計画等の定めがございませんので,今のところ,具体的な評価業務がないため,このような赤字で,①と②については記させていただいております。それから,③の上記の他,出資について委員会で審議が必要な事項に関することということで,具体に挙げておりますのが2つございます。1つは,官民ファンド関係閣僚会議幹事会,後ほど説明させていただきますけども,その指示によって,KPIというものが各プログラムに設けられておりまして,その進捗・達成状況の評価に関することでございます。
それから,もう1つが,特定研究成果活用支援事業計画の認定に関すること等,こちらも後ほど資料6で詳しく説明させていただきますけれども,国立大学法人法第22条等により,国立大学が大学発ベンチャーに投資,支援等を行う認定ベンチャーキャピタル,それから,ファンドに出資することができますけども,このVC,それから,ファンドは,文科大臣による事業計画の認定を受ける必要があるという決まりになっております。その評価をこの部会で実施していただくということになります。こちらが本部会の所掌事務となります。
それでは,続きまして,資料3-1,御覧いただければと思います。こちらが具体に官民イノベーションプログラムの概要をまとめたものでございます。
このプログラムは,第2次安倍内閣発足のときに,日本経済再生に向けた緊急経済対策がまとめられまして,そこで平成24年度補正予算におきまして,国立大学の研究成果を活用するベンチャーを支援するためにということで,1,000億円の政府出資が盛り込まれてございます。特に民間ベンチャーキャピタルが高リスクのため,避けがちになります足の長いシード段階,それから,アーリー段階の案件を中心に投資を展開していくというのがこのプログラムの特徴となっております。
それから,平成24年度当時には,国立大学の業務といたしまして,ベンチャーキャピタル,それから,ファンドへの出資は法令上認められなかったために,2つ目の四角に書いてありますとおり,平成26年4月に,この2つの法律が改正されまして,国立大学の研究成果を活用する大学発ベンチャーを支援する業務を行うことを目的とする会社のうち,一定要件を満たすものに対しては,国立大学法人が出資を行い,ベンチャーキャピタルを設立し,ファンドを創設することが可能になっております。
少し下を御覧いただきますと,プログラムの仕組みを図示したものですけれども,文部科学省から,現在,国立大学法人,東北,東京,京都,大阪,この4法人に対しまして,1,000億円の出資をし,それを受けた国立大学法人からの出資によりまして,右側にあります大学ベンチャーキャピタルが大学ごとに設置され,その事業計画を文科省と経産省で認定し,それを踏まえたファンドに対しまして,4大学から出資し,そのファンドから大学発ベンチャーに対して投資を行うという形になっております。また,黒く塗っているところですけれども,ファンド自体にも民間からの出資,金融機関等からの出資が入ってございます。それに加えてファンドから出資することで,左側に大学発ベンチャーの矢印が向いておりますけども,民間投融資が誘発されるという事業になっております。
それから,図の文科省の上のところに,関係閣僚会議というものが記されておりますけれども,こちらも後ほど詳しく説明させていただきますが,この事業が適正に執行されているかというところを検証するという仕組みを取っております。こちらがこのプログラムの概要になります。
続きまして,資料3-2を御覧いただきますと,こちらが今までの主な経緯をまとめたものになります。左端から年度,それから,与党・政府の動き,大学ベンチャーキャピタルの動き,ファンドの動きということで,時系列にまとめたものになります。
平成24年のところは先ほどの資料で申し上げたところになります。具体に平成26年から28年にかけまして,4大学のベンチャーキャピタルが設立されまして,それぞれ認定された事業計画を踏まえまして,ファンドの動きという欄に記載されておりますけども,1号ファンドが平成27年度から28年にかけて,それぞれの4つのファンドが創設されております。それから,少し時系列,下のほうに行きまして,平成29年辺りから,与党・政府の動きとしまして,自民党,会計検査院等から,会計検査の観点から様々な指摘を受けることになりました。これは後ほど別の資料で説明させていただきます。
それから,令和元年のところですけれども,こちらも国大法改正に伴いまして,ファンドの動きのところにございますとおり,令和元年度に東大で2号のファンドが設立されており,令和2年度に,残りの3つのキャピタルでファンドが設立される形を取っております。
それから,令和4年度ですけれども,スタートアップ育成5か年計画というものがまとまりまして,ここで官民ファンド等の出資機能の強化というものがうたわれており、。5年後に10倍を超える規模のスタートアップへの投資額を実現するための十分なリスクマネーの供給などの記載がなされているところでございます。
それから,ファンドの動きで,令和5年3月に,大阪大学の1号ファンド,こちらが期限の延長ということで,承認がなされている状況です。
以上,簡単ですけれども,これまでの経緯をまとめたのが御覧の資料になります。
続きまして,資料3-3になります。こちらが先ほど申し上げました,自民党、会計検査院等から指摘があった主な事項につきましてまとめたものになります。
1番目は,自民党の行政改革推進本部官民ファンド各種の見直しチーム提言ということで,御覧のような提言がなされております。例えば,こちらはまだ1号ファンドができた頃の指摘になりますけれども,出資されずに大学に出資金の残金があるといったような指摘がございました。この上記3つの指摘に対しましてどんな対応を取ったかというものを資料下の四角の中に書いており、自民党の指摘に関しましては,2号ファンドを設立したことによりまして,大学での残金というものが解消されてございます。それから,国大法人に外部評価委員会による検証を行うなど,ガバナンスの適正化を図るべきではないかというような指摘もなされてございますけれども,外部評価委員会につきましては,告示の改正で義務づけを行っております。
それから,3つ目のポツにありますけれども,その他の大学も本プログラムに参画できるようにするべきではないかというような指摘がございますけれども,これについては,2号ファンドを立ち上げる際に,他大学案件,他大学に対する投資も可能にしております。
それから4ポツ目,民業圧迫とならないように,適切に事業を執行すべきという指摘に対しましては,告示に民業圧迫しないようにということを明記したところでございます。
2つ目の会計検査院の報告書の指摘も大体同じような内容となっております。事業計画の認定を受けていない資金が残っているのではないかということ,これも2号ファンドの設立で解消できているというお話になります。また,国庫納付のお話ですけども,こちらは政府出資金,国庫納付する手段がないのではないかという指摘が当時されておりましたが,これに関しましては,国庫納付規定というものを整備いたしまして,最終的に文部科学大臣が必要ないと認める額は,国庫納付ができるようになっております。
最後に,3ポツの自民党の2020年の自民党からのチーム提言につきましては,2号ファンドを設ける際には民間から幅広く出資を募るべきとあるので,新しいファンドでの民間出資の割合は,1号ファンドよりも割合が上回るべきというような提言を受けております。これにつきましても,告示の改正で対応を行ったところでございます。こちらが主な行革サイド等からの指摘とそれに対する対応の状況をまとめたものでございます。
それから続きまして,資料3-4を御覧いただければと思いますが,こちらは1号,2号ファンド,それぞれの存続期間をまとめたものです。一番長いものは,令和16年まで存続するとなってございます。
続きまして,資料3-5を御覧いただければと思います。こちらは年間のスケジュールをまとめたものですけれども,第2四半期のところに関係閣僚幹事会という欄がございますが,例年,このファンドの検証を行います閣僚幹事会が大体9月から10月頃に開催されますので,これを軸に年間のスケジュールを組んでいるという状況になります。第1四半期のところを御覧いただきますと,下から2つ目のこの部会の動きですけれども,今年度は先ほど申し上げたとおり,第11期が開催されておりますので,部会の所掌事項,現状の説明の場ということで,本日本部会を開催させていただいているところでございます。
それから,第1四半期の6月30日のところを御覧いただきますと,認定特定研究成果活用事業,こういった官民イノベーションプログラム等を行っているものにつきましては,6月末日で,事業の実施計画報告書を提出していただくことになります。こういった報告書の提出がありますので,第2四半期のところに入りまして,この報告を受けて,各大学ベンチャーキャピタルファンドからは,KPIの進捗,それから,達成状況の報告を文科省,それから,この本部会に報告していただくという形になります。
部会におきましては,例年7月から8月頃に定例の部会を開催いたしまして,大学,それから,ベンチャーキャピタルの進捗状況,実施状況に関する報告をしていただくための場を設けてございます。今年度は,後ほど申し上げますけれども,幹事会から指定されておりますKPIに対するマイルストーン評価というものが,3年に1回,評価を受けることになっておりまして,今年度,このマイルストーン評価の該当する年になっております。その関係で,昨年度は,このヒアリングも1日で4VCを対象に行っていましたが,今年度はそういった動きもございますので,2日に分けまして,1日,2つのVCごとに少し丁寧にヒアリングしていただきまして,進捗状況について御確認をいただく場を設けられればと考えてございます。
このヒアリングを受けて,また,文科省で幹事会に報告する報告内容を取りまとめまして,最後,一番下のところにあります関係閣僚会議幹事会に検証の報告をさせていただくという流れになっております。
資料3-6ですけれども,こちらは御参考の資料になります。文科省において実施しております,大学発スタートアップ創出・成長に向けた各施策をまとめたものでございます。左側から起業人材の育成,起業,成長・発展というような各段階に応じて,御覧のような事業が展開されております。官民イノベーションプログラムは右下の黄色で塗ったところ,こちらに成長・発展段階への支援ということで位置づけられているものでございます。こちらは御参考に御覧いただければと思います。
それから,資料4-1を御覧いただければと思いますが,今のところ,国立大学法人評価,中期目標・中期計画の評価というのが,実施する案件はございませんけれども,今まで中目・中計についてどんな評価がされていたのかということで,こちらも御参考の情報としてお知らせするものでございます。こちらは第3期の状況をまとめたものですけれども,第3期は平成28年から令和3年度の6年間の中期目標期間となっておりました。中期目標を達成するための中期計画を各大学で定めまして,文科大臣の認可を受けるという仕組みになっております。この第3期では,毎年度の業務実績評価,それから,4年目終了時の評価,第3期中目期間全体の評価というような,3段階の評価を行っておりまして,この中に官民ファンドの計画も盛り込まれていましたので,このような形で評価を行っていますということになります。
資料4-2につきましては,その評価を行う上での各関係機関の関係をまとめたものです。ピンク色のところが国立大学法人評価委員会になっておりますけれども,その下には,国立大学法人の教育研究の評価に関しては,学位授与機構でピアレビューによる評価が行われていますということで,こちらも御参考の資料になります。
以上,駆け足で恐縮ですけれども,本部会の事務所掌等につきましての説明になります。
【東出部会長】 どうもありがとうございました。それでは,御質問,御意見等いただきたいと思いますけれども,現在説明いただきましたとおり,大きなスキームの話は少し仕組みとして横に置いておくといたしましても,各4大学の中で,1号ファンド,そして,2号ファンドと拡大していく中で,基本的には投資対象が4大学に必ずしも縛られるものではなく,少し広く捉える,広くやることができるようになってきたというような流れと同時に,感じ取られたのかもしれませんけど,だんだん少しずつ年をとり,年を経るに従いまして,KPIという言葉も出てまいりましたけれども,リターンというものに対するプレッシャーが少しずつきつくはなってきているのかなというところは,私自身の経験も踏まえて感じているところでございます。
そしてもう一つ大きな点は,これまで委員を継続いただいている皆さんは,年1回評価していたんだなというような印象があるかもしれませんけれど,本年は,先ほどのKPIというところもございますけれども,より細かく評価しなければいけないような時期にもなってきているということで,1回ではなく,6月30日の報告を受けた上で,2度に分けて,2大学法人ずつ,計2回の委員会を開き評価をしていくという動きで,皆さんにはまたお時間を使っていただくことにはなりますけれども,その辺をまたお願いできればと思うというところが今年の変更点にもなります。
そのほかの部分に関しまして,何か御質問,御意見とか,確認しておきたい点等ございましたらいかがでしょうか。もしあれば挙手ボタンか何かを。高橋委員,よろしくお願いします。
【高橋委員】 ありがとうございます。メンバーも少し変わられたということで,確認的な質問を文部科学省の方にさせていただきたいと思います。先ほど申し上げたように,私は比較的,大学側に対してファンドの意義を少し見る役割のようなものを個人的には持っておりまして,私が参加させていただいた当初,2018年辺りだと思うんですけど,その辺りではまだVCが立ち上がっていて,その成果物を収穫できる時期ではないねということもあったと思うんですが,大学本部のほうへの波及効果というのが,ファンドというものを持ったがゆえに,組織全体のイノベーションマインドですとかアントレプレナーシップの組織の醸成のところが,比較的論点として項目出しされていたという記憶がございます。
今,部会長おっしゃったように,時間がたちまして,先ほどの御説明では,むしろそれよりはパフォーマンス重視というのが,少し強さが増したかなという印象でした。改めて,これからKPIということで,私はどうしてもファンドのパフォーマンスがもうど真ん中だとは思うんですが,もう一つ,設計当初あったような大学に対するプラスマイナスの効果等に関してはどの程度の位置づけにあるか,なかなか定量的なものは難しいと思うんですが,一言いただければと思います。よろしくお願いします。
【迫田室長】 文部科学省の迫田でございます。ありがとうございます。我々は,私も冒頭,御挨拶で申し上げましたけども,恐らくスタートアップがしっかりと経済,社会の課題解決に貢献したという,そういった大学の研究成果が社会還元しましたというところが1点と,あと,2点目の御指摘のとおりです。大学側も体制が,スタートアップマインドが向上したところは大いにあるかなと思っています。現在,スタートアップ基金ということで,昨年度に1,000億円ほど措置させていただいて,今,百数十大学に参加していただきながら,スタートアップエコシステムといったものを形成しております。その中でも各大学のスタートアップのVCを設置していきましょうという,そういった動きも結構あったりしまして,大学がもともとVCを持って投資するというのは,一昔前だと,「えっ,そんなことあるんですか」という,まれなケースだったと思うんですけど,今は結構当たり前になってきて,大学内のスタートアップマインドとともに,ほかの大学にも波及しつつあるのかなと思っています。
ですので,こういったところをしっかりと目に見せていくことが重要なのかなと思っていますけども,また,元に戻るんですが,投資するからには少しだけ,リターンではないですけど,持続可能なところがありますよということを見せていくことも重要なのかなと,それのみではないんですけども,そこが次の,例えば地方大学さんで,VCを置こうかなとか,そういったところにつながるのかなと思っていますので,何といいますか,総合的な視点で見ながらリターンを捉えていく必要があるのかなと思っています。ありがとうございます。
【東出部会長】 どうも御質疑の応答,ありがとうございました。私の考えではないですが,こちらのほうも当然のことながら,資金の使い先というのはもちろん,本当に投資だけに全て割り当てられているわけではなく,各大学の中の研究で,どちらかというと,教育事業とか体制づくり,あと,アントレプレナーシップに対する練度の醸成ですね。そういうものにも使われてきておりますので,そちらのほうも当然併せて,今年,2回,委員会がございます。評価委員会がございますけれども,そちらでトータルのパッケージとしてぜひ御了解いただければいいかなと考えております。
また,リターンに関しましても,変な話,民間の資金もまた途中でたくさん入ってきているというところで様々なジレンマがございますけれど,当初から求めているのは,本当に民間の通常のベンチャーキャピタルと全く横並びで同じだけのリターンを上げるということが目的ではないということは大前提とした上で,全体のパッケージとしての御評価をぜひお願いできればと思います。ひとつよろしくお願いいたします。
ほかに何か御質問,確認等ございましたら,挙手をお願いできますでしょうか。
それでは,特にないようでしたら,こちらの質疑を終了させていただきまして,ここまでの官民イノベーションプログラム部会の所掌事項については,以上で確認したということで,次の議題に移らせていただければと思います。
それでは,議事の(2)に移らせていただきますけれども,こちらは現在の官民イノベーションプログラムの現状等につきまして,まず事務局から御報告いただいて質疑ができればと思います。よろしくお願いいたします。
【中川原課長補佐】 ありがとうございます。では,引き続き,官民イノベーションプログラムの現状についてということで,資料5-1から説明させていただきたいと思います。こちらの官民イノベーションプログラムですけれども,御承知のとおり,国費を原資とした出資になります。この官民ファンド,一番上に書いてありますとおり,14ファンドが設置されております。黄色く塗ったところが本部会の担当プログラムということになっております。
この各ファンドの運営状況につきましては,官民ファンドの活用に関する関係閣僚会議というブルーで囲ったところ,この会議で,官民ファンドの活用推進を図る観点から,官民ファンドの運営状況の検証を政府一体となり関係行政機関が連携して行うということになってございます。
構成メンバーは,御覧のとおり,総務大臣等々,関係の閣僚が構成員となっております。議長は内閣官房長官ということになっております。ただ,こちらの委員会は,ここで直接的に評価,検証というよりは,この会議では主にガイドラインをつくったりというような役割になってございます。
それから,具体の検証につきましては,その下にあります黄色で囲った幹事会,こちらが担当しているということになっております。
構成員につきましては,議長が内閣官房副長官ということで,御覧の有識者の方に加えまして,関係の省庁の局長級の職員がメンバーになっております。このような組織体で,官民ファンドの運営状況の検証がなされています。
一番上のところの官民イノベーションプログラムのところに吹き出しを入れておりますけれども,先ほど申し上げましたとおり,このプログラムにつきましては,本年度がマイルストーン検証の年度になっております。対象のデータとしましては,R6年3月時点のデータが対象になります。
続きまして,資料5-2を御覧いただければと思います。こちらがプログラムに設けられております,幹事会からの指示によって設定されたKPIの概要になっております。幹事会の検証に当たりましては,御覧のKPIを立てて,検証が行われることになっております。KPIの内容ですけれども,1-1から始まりまして,政策目的,それから,エコシステム,呼び水,累積損益というものがあります。それから,政策目的のところは,こちらは各ファンドが設定するような仕組みになっております。残りの3つにつきましては,他省庁でも行っているプログラムに対する共通の指標ということになっております。表を御覧いただきますと,令和17年3月時点の目標ということで,KPIがつくられておりまして,御覧の数字が設定されております。このKPIに達成する途中のマイルストーン評価というのが残り4回ございまして,そのうちの一つが今年度になります。
政策目的につきましては,こちらも2つに分かれておりまして,1つは,投資案件につきまして,投資相手方ベースでおおむね50%以上の案件についてリードを取りますというようなものと,それから,協調投資実績を踏まえ,同様に民間投資を呼び込む件数,こういったものを政策目的のKPIとして掲げております。
それから,2つ目のエコシステムにつきましては,民間企業との連携ということで,協調投資者による経営支援実績を踏まえ,支援を呼び込むことを基本として各投資組合の特性・状況を踏まえて設定しているということになります。
それから,3つ目の呼び水のところですけれども,こちらは投資組合からの投資額のおおむね2倍程度の民間資金を誘発することを基本として各投資組合の特性・状況を踏まえ設定しているものです。
それから,最後が累積損益になります。こういった形で,KPIが設定されています。
続きまして,資料5-3を御覧いただければと思いますけれども,こちらが昨年度の10月に開催されました関係閣僚会議幹事会に報告した実績をまとめたものになっております。令和4年度の投資実績といたしまして,投資件数31件,支援決定額が83億円ということになっております。それから,②のところは,平成27年度から令和4年度の投資実績の累積ということで,投資の相手方の件数としまして,217社,支援決定額が542.9億円,誘発された民間投融資額が2,466.5億円,EXIT件数,ここは株式上場,M&A等々を対象としておりますけども,これが33件。それから,回収率ということで,EXIT案件の実支出額,それから,回収額の比率に基づきまして算出した数字が1.8倍という数字になっております。
それから,③のところですけれども,こちらは前回の令和2年度にマイルストーン評価を行ったときの結果を示したものでございます。KPI,御覧の項目が立っておりまして,目標値に対する実績ということをまとめてございます。真ん中の3つは達成しておりまして,リード投資件数がやや未達。それから,累積損益に関しましては,実績がマイナス49億円で未達ということになっております。こういった状況に対する令和2年度当時の分析といたしましては,※印で入れておりますとおり,新型コロナウイルス感染症拡大を踏まえて,新規投資を意図的に抑えたため,リード投資件数はやや未達,また,累積損益も同様の理由で,EXITの予定を先送りしたために未達ということで,当時の評価としては行っております。
それから,資料5-4を御覧いただければと思います。こちらが本プログラムのKPIということで,上半分は,今,御覧いただいた幹事会によるKPIになりますけれども,下半分が本部会で設定したKPIになっております。こちらは下の部会のKPIにつきましては,必ずしも関係閣僚会議の幹事会にかけるものではございませんが,本部会として,独自に設定しまして,このファンドの動向をより丁寧にチェックしていこうということで,本部会で定めていただいたものになっております。
御覧のとおり,KPIの部会としましては,2ポツにあります国立大学における技術に関する研究成果の事業化ですとか,国立大学における教育研究活動の活性化,それから,地域における経済活性化への貢献,海外の展開というような柱をつくって,それぞれ御覧の5つの区分を設けて,評価を行っていただいている状況になります。
こちらは例年,大体5月から6月頭ぐらいにかけまして, 4VCにこのKPIの提出をお願いし,先ほど申し上げた7月から8月にかけて行います部会で,各VCから御報告していただくというものになります。本資料では具体の数字は入れておりませんが,本日は,こういったKPIがあるんだということで御認識いただければということで,資料を出させていただいております。
(資料5-5関連事項非公開)
事務局からの説明は以上になります。
【東出部会長】 どうもありがとうございます。こちらで,今,様々なデータも含めて御説明をいただきましたけれども, 正直なところ,推計値という話ですので,今後のことですから,それはある程度,言葉は少し悪いですが,都合よく出来上がってくるようなところもあるということは当然,想定はされますけれども,それは何はともあれ,これまでの現実を踏まえた上で,今後,皆様のお知恵もぜひ,これから2回の評価もございますので,そちらの評価等で現実を踏まえた上で,様々,御評価,御意見等いただきながら,委員会の役割といたしまして,単なるガバナンスでモニタリングをするというよりは,いかに将来の推計値に向けて,いい方向に持っていくのかということも,答えまでは行かないかもしれませんけども,様々なサジェスチョンをぜひいただきながら,各担当しているVCにも取り入れていただきながら,また,それと,大学のエコシステムをパッケージしながら,まだまだ足の長い,ファンドの足は先が随分長いものですので,そちらに向けて追っつけていくことができるようないいきっかけをつくる,今年1年になることができればいいかなというふうに私としては考えております。
ほか,何か確認したい点でありますとか,御質問等ございましたら。
東様,よろしくお願いいたします。
【東委員】 ありがとうございます。非常に瑣末な点で申し訳ないんですけど,よく理解したいのでということで,資料5-3の②というところで,回収率1.8倍という数字があるんですけど,これはどういう数字か教えていただけないでしょうか。
【中川原課長補佐】 こちらの算出方法としまして,EXIT案件への実支出額,これは,当時は49.8億円ございました。もう一つ,使った数値といたしまして,EXITによる回収額,こちらが91.9億円という実績になっておりまして,これらの比率を取った数字が1.8倍という数字になっております。
【東委員】 ありがとうございます。EXITできたものについての投資倍率ということですね。
【中川原課長補佐】 はい。
【東委員】 承知しました。ありがとうございます。
【東出部会長】 ありがとうございます。
尾崎委員,お願いできますでしょうか。
【尾崎委員】 これは過去のデータで,テクノロジー別の分類情報が他にありますかという質問です。といいますのは,どうしても大学発ベンチャーは,医療系に偏ってしまうという傾向があります。この傾向はJST支援のベンチャーでもあり、VCも医療系企業に多く投資しています。それをこの官民ファンドでやっていいのか,そのままVCに任せていいのか,気になっています。そういったデータがあるのか、今日用意されていなくてもいいですけど,教えていただけますか。
【東出部会長】 事務局,いかがでしょうか。こちらは大学によって,少し方向性が違う部分もありますけれども,それをある程度,体系的に分野,業界等で区分して集計しているものはございましたでしょうか。
【田中専門官】 各ファンドからの出資先については,データを報告で受け取っておりますので,明確に区分できるか分からないんですけど,ある程度はどういった分野に出資しているのかというところはお示しできるかと思います。
【尾崎委員】 恐らく合算すれば傾向は分かりますよね。
【田中専門官】 そうですね。ある程度出てくるかと思います。
【東出部会長】 大学ごとの,ざっと数名のポートフォリオのカンパニーは当然のことながら把握はしておりますので,それを基に分類することは可能ですので,どういう形で分類して資料をおつくりしたほうが我々どもと,ファンド全体の将来に向けていい形の判断材料など考えながら,また御意見いただきながらまとめていくことができればと思います。
【中川原課長補佐】 ありがとうございます。
【東出部会長】 それでは,佐々木委員,いかがでしょうか。
【佐々木委員】 2点質問がありまして,資料5-3のところで,②の今のところですね。誘発された民間投融資額,これは支援決定額の約4倍で結構効果があったんだなというのは分かるんですけれども,実際に投資した企業217社のうち,民間投資が誘発されたところというのは何社ぐらいになるんですか。
【東出部会長】 まず1つ目の質問,何か把握されているデータがございましたら,いかがでしょうか。
【中川原課長補佐】 ここは,申し訳ありません。データの有無については確認させていただきたいと思います。
【佐々木委員】 分かりました。ありがとうございます。
【東出部会長】
それでは,北岡様,よろしくお願いできますでしょうか。
【北岡委員】 ありがとうございます。本当に初心者で,変な質問をするかもしれません。申し訳ありませんが,これは計画値とか推計値に至らなかった場合,その結果として,ゼロより下で終わりましたとか,そういう結果が出たときにはどうなるんですかという。一般的な,民間VCであれば次のファンドがつくれないとかいう罰則的なものがあるわけですけれども,これは4大学のファンドにおいては国のお金が入っているところもありますが,これはKPIを未達みたいなところになったときにどうなるんですかというのを,半分興味的なところもあるんですが。
【迫田室長】 迫田でございます。事務局でございます。回答いたします。未達だった場合,それは何といいますか,業績が悪かったねという,まずはレピュテーションが低くなるということが一つと,あとは,この制度の仕組みが法律上,原資である1,000億円に相当する額ですね。これは減損した場合は減損を見返してくださいねということになると思うんですけど,それとあとは,運用利益分を,そのうち不要とみなされた部分は国に返すということになっていまして,どの程度これを不要とみなすかどうかとか,不要とみなすということは,次の投資にしませんということですけども,投資する場合は必要とみなすという解釈もできるのではないかということで,ここまでは解釈というか,財務省であったり,いろいろな関係各所と協議しなければいけないということですけども,これがまだファンドの運用は終わっていませんので,終わり次第,国に返すか否かという,そのようなところが,または返さずに,今度また突っ込んでいくかという,そういった判断がなされるということになります。減損した場合も,また,利益が上がった場合も,合算したものについては,取扱いについては,その都度判断していくというか,関係各所と協議していくということになります。
一方で,運用益が上がったときには,すごい上がったよねということで,次にまたつながる,例えば,1回,国に返したとしても,また予算措置して,さらに拡大していくという手もありますし,または返さなくて,さらに突っ込むという手もありますけども,若干,業績が悪いとなると,次の予算獲得になかなかつながりにくいというところもあり,または再度突っ込みたいですというときに,また突っ込んで,また損するんでしょう,だったら,国に返してくださいとか,そういったような議論になり得るということでして,これもやってみないと分からないんですけども,なるべく運用益を上げたほうが次につながる形になるということでございます。そこは民間と同じかもしれないです。
【北岡委員】 ありがとうございます。なるほど。計画値,推計値に近づけるために無理した回収をなさるとか,そういうところはどなたが見ていらっしゃるのかなと。国のお金ということで,ベンチャー側もそういうつもりで受け取っていると思うんですけど,それに対して,4大学のベンチャーキャピタルが今後,その計画のために無理して回収するということが起こらないような御指導というのはどこがされているのでしょうか。
【迫田室長】 まさにこの委員会で評価しながら意見を述べていくというところになります。ですので,なるべく,指導権限というのは厳密にはないんですけれども,しっかりと前向きに,トータルで最後大きなリターンがあるように利益をしっかり確保していくように指導していくというか,意見を述べていくというところがこの会議になります。また,各VCにもそういった投資の判断する委員会を設けていますし,また,株主である,大学側もしっかり見ていますので,こういったいろいろなところで判断しながら,我々はそういった判断に対しても意見していくということで,今年度であれば,4大学ファンドから,VCから御説明がありますので,そのときに無理していないかどうか,これはどうなんだとか,しっかりと指摘するとともに,また前向きな,今後につながるような建設的な御意見もいただけたらうれしいなと思っています。
【北岡委員】 ありがとうございます。
【東出部会長】 どうもありがとうございます。ですので,本当に厳しく現状は把握しつつですけれども,今お言葉にもありましたように,優しく,建設的に,いい方向に持っていくことができるなと思いますし,大きなトレンドとしては,政策的な資金もこちらだけでなく,いろいろな形で,SBIRとかディープテック系には今,変な話,大量に流れ込み始めていますので,そういう意味では,将来を見通したときに,私の肌感も含めてですと,横比較がもっとできるようになってくるので,しっかりと結果を出していくように御指導いただければいいかなというように考えております。ひとつ今年よろしくお願いいたします。
【北岡委員】 よろしくお願いします。
【東出部会長】 森様,いかがでしょうか。
【森委員】 ありがとうございます。今日,いろいろ御説明いただいて,非常に理解が深まったんですが,ベンチャーキャピタル,ファンドの評価ということで,投資先をモニタリングして,評価するということが必要になってくるわけですけれども,民間の金融機関等もかなり資金を出しているわけです。恐らくLPという立場なのではないかと思いますが,民間の金融機関はどういう声を出しているのかというのは,何か分かることがあるんでしょうか。民間金融機関に対するヒアリング等はされるということはありますか。
【中川原課長補佐】 民間金融機関に対してのヒアリングは,今までは特にやってございません。
【森委員】 それは特にしなくてもいいという,そういう立てつけになっているんでしょうか。
【迫田室長】 必ずしも,例えばこの委員会でヒアリングするという立てつけにはなっていないんですけども,必要に応じて,官民ファンドの大きなLP出資をされている方を少し御意見をお聞きしているということはあろうかと思います。ただ,私は個人的にいろいろとVCを回っている限りにおいては,なかなか個社名は出しにくいですけども,それは皆さんおっしゃるんですが,スタートのところを切ってくださるのはありがたいという御意見はよくお聞きいたします。
【森委員】 なるほど。ファンドのGPが,民間の金融機関に対して、ヒアリングしているということも恐らくあるでしょうね。
【迫田室長】 物資はあちらと協調していますので,当然,FOFも含めて,皆さん関係金融機関とは連携しているということになります。
【森委員】 そうですよね。
【迫田室長】 ただ,この部会として,例えば4大学VCとか,「どうですか,評判は」ということも含めて,パートナー的な視点として,「ここだけの話,どうでしょうか」と意見を聞くのは,そこはVCが金融機関にヒアリングすると,第三者である我々が金融機関にヒアリングするのでは,若干立ち位置が違うため,異なる意見が出るかもしれないので,そういったところが,もしも聞く必要があれば,ここはこの場でも,金融機関の皆様にお願いして,お呼びするということは可能でございます。
【森委員】 計画の見直し等に当たっても,そういった声は結構,非常に重要な声になるんじゃないかなとは思います。
【迫田室長】 ありがとうございます。ですので,まずは,金融機関だけお呼びすると,それは例えば金融機関と,VCとうまくいっていない場合があれば,そこは聞いてもありかなと思うんですけども,今のところ,協力し合っているということですので,例えばですけど,今後,ヒアリングを4大学VCからしますので,このときに少し,パートナーである,LPに出資されている金融機関からどういった感触ですかとか,そういった点はお聞きできるのかなと思っております。
【森委員】 ありがとうございます。
【東出部会長】 ぜひ6月30日の実績の報告も踏まえた上で,ぜひ様々お話ししていただきまして,必要に応じて,そういう直接,間接のヒアリングを実施もできるような体制を整えていくことができればと思いますので,ぜひまた御指導ください。よろしくお願いいたします。
それでは,尾崎様,いかがでしょうか。
【尾崎委員】 ベンチャー投資の場合,10年後の計画はあまり意味がないですよね。計画を出してもらうこと自体は反対しませんが,より意味があるのはせいぜい3年ぐらいの計画だと思います。少なくとも,この場で審査する場合は,今後3年の計画について,詳細かつ実質的な質疑をVCと行なって評価するべきと思います。既にそういう議論がされているのであれば,それで結構です。3年ぐらいであれば,IPOの計画,M&Aの可能性,どの事業に投資するのかはある程度精緻な情報が出てくるでしょうから,計画のリアリティーをこちらで評価するべきという所感を持ちました。よろしくお願いします。
【東出部会長】 どうも御指摘ありがとうございます。本当に上場準備に入る3年というところもございまして,もう少し足の長い投資も結構あるかもしれませんけれども,少し我々どもとしても各VCの個別のポートフォリオに関して,現状をどう把握して,将来に対する蓋然性をどのくらい持って,計画して,進めているのかというところで,何らかの形でより把握のしやすい体制もつくった上で,建設的に前に向かって進んでいくことが必要かなと個人的にも考えております。ありがとうございます。
ほかにはどうでしょうか。ここの点で,御指摘,御質問等あればと思いますけれども,よろしいでしょうか。
それでは,こちらの現状把握に関しましても,本日のところは質疑を終了したということで,次に進めさせていただければと思います。
【田中専門官】 スライドを私のほうで共有させていただきます。私は,こちらの官民イノベの法制度周りを担当させていただいております田中と申します。よろしくお願いします。
簡単に,先ほどから出資ですとか特定研究成果活用支援事業みたいな,聞き慣れないワードが出てきているのかなと思いまして,特に初めて御参加いただいた委員の先生の皆様にはざっと制度概要などについて御説明させていただければと思っております。
そもそもどういった枠組みで,こちらの特定研究成果活用支援事業を実施しているかといいますと,御存じの方もいらっしゃるかもしれませんが,国立大学法人は,出資できる外部法人の類型が決まっておりまして,趣旨としましては,大学が保有する研究成果ですとか,教育研究施設などの資源を社会に還元するといった趣旨で,これらの類型に当てはまる法人については出資が可能となっております。
官民イノベーションプログラムは,こちらの3ポツの赤枠で囲っております特定研究成果活用支援事業者というところが該当しております。ほかの類型についても簡単に御説明しますと,例えば2ポツは,承認TLOと言って,平成16年頃からこちらのスキームが実施できるようになりまして,一番古い類型になっております。実はこの特定研究成果活用支援事業者については2番目に古いものとなっておりまして,平成25年に産競法が改正され,国大法も改正されて,こちらのスキームができるようになっております。当時,官民イノベーションプログラムを実施するために法制度を変えて,こちらができるようになったんですけれども,当初から,実は全ての国立大学法人に向けて,このスキームは開かれたものでした。一方で,制定当時から実施していたのは4大学のみなのですけれども,最近になって,それ以外の大学さんもこちらの特定研究成果活用支援事業を実施するようになってきているというのが現状です。ほかには,1ポツのように,共同研究などを実施する企業ですとか,4ポツのように,コンサルを実施する企業などを大学が近年,設立,出資しているという状況になっております。
スライドが次に移りまして,こちらは本当に御参考ですけれども,どういった法令が関係しているかというものになっております。こちらについても御参考ではございますけれども,産業競争力強化法と国立大学法人法の大きく2つの法律の下,こちら,先ほどのスライドの3ポツの特定研究成果活用支援事業者というスキームが実施されております。こちらについては,具体的にどういう形で絡んでいくかというのは後で御説明させていただきます。こちらのスライドでは,特定研究成果活用支援事業とはそもそもどういうものなのかというになっております。のを,産業法の第2条10項に定義がございまして,どういうものかといいますと,「『特定研究成果活用支援事業』とは,国立大学法人等における技術に関する研究成果を,その事業活動において活用する者」,こちらが図で言いますと,この大学発ベンチャーに該当します。「活用する者に対し,当該事業活動に関する必要な助言,資金供給その他の支援を行う事業であって,当該国立大学法人等における研究の進展に資するものをいう。」となっております。
ここにございますとおり,VCとファンドというのはこういった形で事業活動に関する必要な助言ですとか,出資といった資金供給,その他の支援をベンチャーに対してすることになっておりまして,大学のほうは,この認定されたVCとファンドに対して,必要な資金の出資並びに人的及び技術的援助をすることとなっております。
スキームが,先ほど3ポツでお示ししたものがさらに詳細に類型に分かれますので,簡単に事例として御紹介させていただければと思います。この赤枠で囲っております類型1というのが,官民イノベーションプログラムの4大学VCが実施しているスキームでして,まず大学が,大学VCを設立しまして,そうしたら,この大学VCというのが事業計画をこちらの文科省,経産省に認定申請をしていきます。それに対して,文科省と経産省がこの事業で問題ないかというところを,先ほどお示ししました法令などに基づいて計画の認定を行いまして,認定されましたら,今度,大学VCというのがファンドを組成し,また,そのファンドについて計画を提出してくるので,その計画を文科省と経産省が認定します。大学のほうの出資認可につきましては,大学VCが認定されましたら,大学が,出資認可申請を文科省にのみ出していきまして,文科省で出資認可をする。同様に,ファンドについても出資認可の申請書類が来ましたら,こちらで出資認可をさせていただくような形となっております。
先ほど官民イノベーションプログラム以外の大学についても事例が出てきておりますということをお話ししたと思うんですけれども,最近ですと,金沢大学さんがVCを設立し、ファンドを組成した動きもあります。類型1はこういったところですけれども,類型2については,地方銀行,自治体,民間・事業会社等のVCとここには書かせていただいておりますが,民間VCさんが,例えばファンドを組成して,ファンドについて事業計画の認定を受けましたら,その認定されたファンドに対して大学が出資するということが可能となっております。こちらについても既にBPキャピタルという民間VCがファンドを組成して,そこが認定を受けた後に,農工大からファンドに対して出資するといったことを実施しております。
類型3につきましては,こちらも最近できたものではあるんですけれども,東大IPCが3号目のファンドを設立しました。そのファンドというのが,ここにございますとおり,大学発スタートアップ等促進ファンドということで,東京都さんが多額の出資をしているファンドですけれども,こちらについて事業計画を出していただき,経産省と文科省で事業計画を認定した後,大学がLP出資をしていくという予定になっております。
こちらで御紹介しましたとおり,今のところは東大さんが3号目のファンドを組成したというところですけれども,今後は,既存の大学VCが官民イノベーションプログラムとは別に3号目のファンドを組成する動きがあるかと思います。こちらはプログラムの外なので,委員の皆様に何か審議いただくですとか,コメントをいただく必要というのは特にはないんですけれども,一方で,官民イノベーションプログラムを実施している者なので,必要に応じてこちらから状況は共有させていただければと思っております。
また,補足説明なのですけれども,プログラムの外ですので,このLP出資とか,GP出資はどういったお金の種類なのかという点については,政府出資金は使っていなくて,あくまで,大学の自己収入ですとか,GP出資についてもファンドで管理報酬が得られるので,その範囲内での出資となっております。
私からの御説明,以上させていただきます。
【東出部会長】 どうもありがとうございます。こちらの類型3のところも気になるというほどではございませんけれども,今後ですが,フォローアップ投資等,どこからお金が出てくるか等の話も含めて,若干のコンフリクトも起こってくる可能性も当然出てきますので,何らかの形で情報が得られるような体制はつくっておいたほうがいいかなと個人的には感じました。
ほかに委員の皆様方から何かコメント,御質問等ございますでしょうか。
佐々木委員,よろしくお願いいたします。
【佐々木委員】 質問で,よく分からなくなってしまったんですけれども,類型1とか類型2の御説明をいただいて,これは類型3もそうなのですけれど,VCのファンドの事業計画を認定するのに,ここで経産省が出てきたんですけど,例えば官民イノベーションプログラムでやっている,4大学ベンチャーキャピタルなどが組成するファンドについても,経産省は出てくるんでしたっけというのがよく分からなかったんですけれども。
【田中専門官】 これが非常にややこしいんですけど,先ほど,国大法と産競法のお話をさせていただいたかと思うんですけれども,こちらの右側の事業計画の認定に係るところが産競法に基づいて認定しているところでございまして,左側の出資認可に係るところが国大法にかかるところです。官民イノべーションプログラムも実はVCの設立とファンドの組成当初から,事業計画の認定などについてはこちらの委員会で意見聴取をしておりまして,一方で,事業計画の認定、計画の要件を満たしているかどうかの法令的な判断は,こちらの文科省,経産省で行っております。
ですので,計画の認定ですとか,出資認可をするに当たって,こちらの委員会で意見聴取をさせていただいておりますが,既にもう事業計画の認定等をかなり昔にしておりますので,あまり表立って経産省という話は出てこなかったかもしれないんですけれども,こちらのプログラムは当初からこういったスキームにはなっております。
【佐々木委員】 そうすると,このKPIの中間評価とマイルストーンなどの評価も含めて,そこは,情報共有は経産省ともされているということでよろしいですね。
【田中専門官】 はい。そうですね。毎年互いに情報共有しております。
【佐々木委員】 分かりました。ありがとうございます。
【田中専門官】 こういった計画の認定とかでも日頃より担当者と密に連絡を取っております。
あと,私から少し補足させていただきますと,この委員会の中でたまに書面審議などをさせていただいております。内容としては主に,例えば,大学VCの取締役が変わりましたといったことですとか,主に,役員が替わったといったことが起こります。こちらも認定要件の一つとして,例えば投資委員会のメンバーですとか役員の略歴書などを出していただいておりまして,そこを見て,この人は実績がある方だとか,知見がある方だといったところを認定要件としているんですけれども,その辺りの判断に際して,先生方に御意見をお伺いしているという状況です。こちらも事業計画の認定というのが最初にあった後で,計画に変更が生じるたびに認定しているというものでして,その性質上,どうしても人が替わったみたいなことは10年を通してちょくちょくあることでして,そういったときに先生方に書面審議をさせていただいております。
【東出部会長】 どうも御説明ありがとうございます。
佐々木委員,よろしいでしょうか。いろいろ4大学のVCですけれど,経産省という意味では,例えばNEDOとか,あっちなどからも,様々な大学での取組を一緒に共同してやっていたりするような部分もございますので,ある意味,いい協力体制を部分的にはちゃんと取りながら進めていくのでいいのかなと考えております。
ほかに御質問,御確認等,何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは,田中様,ありがとうございました。
それでは,引き続きになりますが,議事の(3)に移らせていただきます。こちらの説明をお願いできますでしょうか。
【中川原課長補佐】 それでは,資料7を御覧いただければと思います。今後のスケジュールということで,まず一つ目,今,田中からも少し話がありましたが,近日中,5月下旬頃に,特定研究成果活用支援事業の計画変更の認定につきまして,先生方に御審議をメールでお願いさせていただければということで,スケジュールに上げさせていただいております。
それから,42回,43回の本部会ですが,先ほど申し上げたとおり,各4VCからのヒアリングということで,こちらに入れさせていただいています。
それから,第17回関係閣僚会議が9月,10月頃にございますということで,記載したものでございます。
スケジュールについては以上です。
【東出部会長】 どうもありがとうございました。それでは,こちらのスケジュールに関しましても,もし何か確認等するところがございましたら,皆様,いかがでしょうか。特によろしいでしょうか。
それでは,こちらをもちまして,本日の質疑等を含めまして,議題を全部終了させていただくこととなります。皆様,ありがとうございました。
最後ですけれども,事務局から何か連絡事項等ございましたら,ここでよろしくお願いできますでしょうか。
【中川原課長補佐】 先ほどの部会のヒアリングの日程につきましては,近日中に事務局から先生方に日程照会をさせていただきますので,恐れ入りますが,御回答よろしくお願いいたします。
事務局からは以上です。
【東出部会長】 ありがとうございます。私の個人的な希望といたしましては,ぜひなるべくリアルな部分を増やしながら進めていくことができればと思っておりますので,皆様,スケジュールのほう,御協力をまたよろしくお願いいたします。
では,これで特に最後,質疑等ございませんでしたら,本日,お忙しいところ,本当にありがとうございました。こちらで本日の会議を終了させていただきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。また引き続きよろしくお願いいたします。
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