大学共同利用機関法人分科会 業務及び財務等審議専門部会(第7回) 議事録

1.日時

平成18年7月18日(火曜日) 13時~15時

2.場所

文部科学省研究振興局会議室(10階)

3.議題

  1. 大学共同利用機関法人の役員報酬規程及び役員退職手当規程の改正について
  2. その他

4.議事録

【後藤部会長】
 まず、大学共同利用機関法人の役員報酬の規程と、役員退職手当の改正について、事務局からご説明をお願いします。

【事務局】
 ※事務局より資料1について説明があった。

【後藤部会長】
 ありがとうございました。では、国立大学法人評価委員会は役員報酬規程等が社会一般の情勢に適合したものであるかどうかについて、意見を文部科学大臣に申し出るということになっておりますので、どうぞ、活発なご意見をお願いします。
 全体として6.7パーセント引き下がっているということですが、ある部分で、逆に上がっているものがあるということはよろしいのでしょうか。

【事務局】
 あくまで範囲として下限と上限を決めたわけですけれども、実際それぞれの役員の方々が何日出て、どういう業務をされているのかということを考慮した結果、水準自体が若干上がった形になった法人があるというのは確かにご指摘のとおりであります。

【委員】
 何点か伺わせていただきたいんですが、まず、最初の法人の場合の、6ページにありますように、第9条で非常勤役員手当がこれまで16日勤務であったのが11日程度になったので規程を変更したとあるのですが、非常に属人的に給与が決まっているような感覚を受けるんですが、この改正前、1回改正してはいらっしゃるんですけれども、25万4,000円から73万7,000円の間で機構長が定めるという裁量の中で、人の勤務形態が変わったことによる、例えば内規的に50万7,000円を設ければいいような気もするんですが、属人的なところで規程を改定するのは、どういった考えなのかという、疑問が1点。
 それから2点目が、全体を見まして、非常勤役員の手当の考え方なんですが、例えばこの法人の場合は、9条で理事の手当、1項、2項で非常勤監事を決めていらっしゃるのですが、この金額の差は多分役職に対する何らかの評価の差だと思うんですが、最低額で約倍以上の差がついているということ。これに対し別の法人は日額制をとっていて、非常勤理事、監事ともに日額、同額ということ。
 それから9ページの次の法人は、理事は日額方式、監事は月額方式をとっている。この決め方は、それぞれの機構の裁量の範囲なのかもしれませんけれども、どういった考えに基づいていらっしゃるのか。その属人的な部分と日額、月額の決め方と、それから常勤理事、非常勤理事、理事と監事に対する評価といいますか、金額の差についてもご説明をいただければと思います。

【事務局】
 まず第1点目のお話は、ご指摘のとおりでございます。こちらからも当該法人に対して明確な説明が必要なのではないかということは申してあります。まさしく先生がおっしゃるとおりなので、その範囲内で決めればいい話なので、そこのところはこちらとしても疑問符があるところです。
 それから2つ目でございますけれども、机上資料の国立大学等の役員の報酬(参考資料)をごらんいただきたいんですが、これが国立大学法人、大学共同利用機関法人含めた形で、それぞれの法人がどのように報酬を定めているかという一覧表でございます。ごらんいただきましてわかるように、理事についてはまず常勤については範囲を示している法人。それから一律に定めている法人。それから非常勤理事については、月額で出している法人、日額で出している法人。額もさまざまでございます。ここは勤務形態とか、今までの経歴も含めて細かく定められていると思っております。その決め方については、ルールはございませんで、それぞれの法人でそれぞれの役員に適した報酬を支払うということになっております。監事についても、常勤、非常勤についても月額、日額、それから日額においてもさまざま単価も若干違っている。それは指定職のどこを基礎とするのかというのも法人に任されていますので、それぞれの法人によって決めていまして、こちらの方で細かくそれぞれの法人がどういう決め方をしているか調べてはおりませんが、大体ここに掲げられている範囲内でそれぞれの法人が決められているということで、確かに、高いところから低いところまでございますけれども、それはそれぞれの法人の財政状況とか、それぞれの役員の業務内容とかということで、各法人で定めていると考えております。

【委員】
 ちょっと感想なんですけれども、例えば非常勤の勤務形態による差というのはもっともかとは思うんですが、理事に比べて監事は、わりと一般的にと申し上げるとちょっと語弊があるかもしれませんが、職務に対する責任から言いますと、軽いというふうに思われがちで、常勤役員の理事と監事でも報酬に多額の差が出ているというところにあらわれているのかな。つまりそれだけ期待をしていないのか、そのへんがやはり就任される方の士気にも多少の影響を与えるのではないかなという気がいたします。

【事務局】
 法人化のときに、自主自律性ということが強くいわれましたが、もともと国家公務員には監事がございませんでした。まず学長、機構長がいて、そこは国家公務員のときでも決まっていた。理事についても、大学でいえば副学長とか学部長とかがいて、大体指定職の何号俸と決まっていた。監事は、本当に監事という職を全うしてもらって、きっちり監査をしてもらうんだという大学はやはり高く設定をしているが、年に何回か来ていただいて、監査をしてもらうとか、役員会があるときに来てもらうとか、若干監事については温度差があったというのは事実のようです。そこは別に文科省として統一した基準でこういうふうにしなさいとか、それから監事については特に民間から起用されたケースがほとんどでしたから、それぞれの経験とか経歴とか踏まえて自主自立的に国家公務員の指定職を基本にしながら民間の基準を準用して、定めたということになっていたということで、そういう意味では当初からバラバラではあった。

【事務局】
 それぞれの役員の個別評価は、この専門部会なり評価委員会でもやらないということになった。それは先行独法と違うところ。規程を定めるときに、国家公務員の水準にある程度準じているのか。社会一般情勢でみて高くないのか、低くないのか。そういうことについて評価委員会の意見を聞くことになっている。それから、民間の役員の報酬の実態というのが、たまたま産業総合研究所が7月に発行したものがあったのですが、少なくとも機構長、それから理事については国家公務員時代からそんなにかけ離れた水準にはなっていない。問題は多分監事と、それから非常勤役員をどう考えているか。若干そこにそれぞれの法人の考え方が少しづつ違うところがあると考えています。

【後藤部会長】
 大体ご意見も出たようですので、いただいたご意見など参考に、最終的な取りまとめについては、それでは私にご一任いただきたいと思います。

【事務局】
 一番目の法人の水準が上がったということにつきまして勤務実態がどのように変更されたのか等の理由については詳しく聞けていない状況にありますので、改めて確認をさせていただきまして、部会長に報告させていただいて、その上で意見のとりまとめをさせていただきたいと思います。

【後藤部会長】
 はい、わかりました。ありがとうございました。先ほどの報告で実質的には余り影響がないということを伺ったのですけれども、今のお話のように今までとは変わった状況ができているわけですので、それの裏づけになるような理由づけというか、それを当該法人に確認いただいて、理由づけがあった場合にはよろしいんですけれども、そうでない場合には評価委員会として意見を申し上げるといことでよろしゅうございましょうか。それでは次の議題に移りさせていただきたいと思います。
 それでは、続きまして国立大学法人等の役職員の給与等の水準について、事務局からご説明お願いします。

【事務局】
 ※事務局より資料2について説明を行った。

【後藤部会長】
 ありがとうございます。ただいまの説明につきまして、何かご意見がありましたらお願いいたします。

【委員】
 資料の2の4ページで、ご説明の中で支給基準を制定又は変更する場合には、この基準を社会一般の情勢に適合したものであるか。審議を行っているということで、多分我々の中で社会一般の情勢と適合しているかどうかを審議する。審議しなければいけないのであろうと思うのですが、非常に重責だと思うんですね。今、参考資料についてご説明、参考1でご説明いただいた水準については国家公務員間で比較ですので、社会一般との比較としてご説明いただいているのかなという疑問が1点と、それと総人件費については参考となる事項に特記すべき増減の理由の説明がございますのでだいたいこういうところで増えたんだな、減ったんだなといったものもわかるんですけれども。先ほどの話とも連動するのですが、役員報酬については一般的には業績の多寡、利益ですね。一般社会の利益の多寡等によりまして、業務状況の拮抗の結果を評価しているということからすれば、常勤役員については、ある程度の企業間比較いい会社、もしくは業績の上がった会社だからこれだけの報酬があるというのは納得できるかと思いますが、先ほどのご説明とあわせて考えますと、どうもその、透明性に欠けると言いますか、十分その、判断する、審議する材料が提供されていないのではないかなと。採用する方のキャリア等によって報酬を定めていますとか、月額、日額方式は、各法人の裁量権の範囲だということになりますと、個人的な情報はさておきましても、どういう方針に基づいて月額にし、このように決めたというような方針を示していただかないと。

【事務局】
 先ほどの資料の1の3ページでご説明しましたけれども、国立大学も大学共同利用機関も、国家公務員から16年4月に法人となり、法律にもあるんですが、役員の報酬等の支給基準は国家公務員の給与とか、民間企業の役員の報酬等を考慮して定める必要があります。役員の報酬額については、日額になっていても月額になっていても、常勤の場合でも、国家公務員のときの水準から、それを日額に割り戻した額とか、月額に割り戻した額が、国家公務員の指定職俸給表の水準を根拠に計算しているということであれば、国家公務員の給与を一応基本にしているということになっているので、全く国家公務員と違う観点から給与を決めたということであれば私たちもいろいろ法人の方々に聞くのですが、それ以外の場合の単価は日額になっていても月額になっていても、国家公務員の水準から割り戻した額と言えますので、確かに個々の方々の業績とかがわからなくて、一概には言えないんですけれども、一応国家公務員の給与は少なくとも最低限守られているということで、国家公務員から移行した機関であることから、著しく乖離しているとは言えないということで、届出の内容を見ているというのが実態でございます。ですから、基準が統一されていないというのはおっしゃるとおりなんですけれども、見方としては一応国家公務員であったならばどうなるかということを見たときに、そんなに変な数字にはなっていないかどうかという観点が考えられると思います。

【事務局】
 国立大学法人、大学共同利用機関法人の人件費は運営費交付金で措置しているというのが現状でありますのでやはり国家公務員の給与体系が基本となっています。そこから違っていくということであれば、それについてはきちんと説明が必要だということになるのだろうと思います。

【委員】
 どうもこの人件費のことについては、私どもとしてもコメントを言うのもなかなか難しいなという感じがします。やはりこの場限りでもよろしいので、どうしてこうなのかということを各法人に説明していただいてですね、そうすればわかりやすいというかすこし納得し、意見を申し上げられるのではないか。例えば、さかのぼって申し上げますと監事のことですけど、これは法人の自由になったとあるのですが、一方で監事監査がきちんと行われているかどうか。監事監査が行われているかというのは評価項目に入っています。そうすると常勤の監事を置いてまでちゃんとやっているところと、常勤の監事がいないところでは、もう姿勢が違うのではないかという評価になると困ってしまうわけですよね。私どもとしても。多分収入金額の規模からいって、2法人が常勤監事を置いている。他の2法人は非常勤となっている。常勤の監事がいるところと、常勤の監事がいなくて、この報酬では監事が果たす役割が相当に違うと。ましてや公表するわけですから、これは大学共同利用機関法人だけではなくて、国立大学法人も含めて常勤の監事がいない法人もあるんでしょうが、まあそれは多分、規模等でお決めになってるんだろうと思うんですが、そのへんのところは前もって、こういう法人は常勤を、そうでないところは非常勤で採用になるとかもう少しご説明いただいたほうがいいんじゃないかと思いますが。

【後藤部会長】
 法人評価委員会の根本的な業務に関するご発言だと思います。昨年度、法人化前と法人化してからというのは、減ったんですか。共同利用機関に関していえばそれぞれが別々にしてきたのが機構にまとまったことによって非常にそれぞれが個性をだしてきていると思うのですけど。

【事務局】
 大学共同利用機関法人と国立大学法人と含めたものですけれども、お手元の参考2に、昨年度の公表資料がございます。平成16年度と15年度(国の時代の)これは当時93法人のものでございます。

【後藤部会長】
 今、あがったような問題に関して、どのような解決をしていったらいいでしょうか。評価の方法として必要な資料の提出といったこと。具体的に何か。

【委員】
 ご指摘の監事というところの常勤と非常勤がいるところを評価しろと言われても困る。例えば、常勤監事がいないとだめだとかいう。決まりはないんですか。

【事務局】
 常勤、非常勤については任用の問題であると思います。

【委員】
 それは都合でもってしようがないと。

【事務局】
 はい。そういうことです。

【委員】
 もちろん違う種類の仕事ではあろうかと思いますけれども、例えば監事がいない場合にどういう弊害が起きるかとか、そういうことも勘案すると、一般的に監事は理事よりも多分対外的な責任という意味では異なるのかもしれません。しかしながら、監事に対する責務というのは、社会一般に期待されているところだと思います。

【委員】
 職種がら会計士という職にいますと、結構監事の話があって自分も監事になる場があるんですけれども、理事もさることながら、監事の責務というのは非常に高いという自覚をしています。やはりこの監事に対する期待が、やはり理事、経営者側にもあって欲しいし、また社会にも自分たちが見れないところを監事に、もしくはそれと内部にいらっしゃる監事と、それから評価委員になったり、外部の監査人に期待しているのだろうと思うので。そういうところからすると、仕事は違うんだけれどやらなくてはいけないことがたくさんあると思います。

【後藤部会長】
 議論はつきませんが、他になにかございますか。

【委員】
 先ほどの国家公務員と大学共同利用機関法人の給与の支給が指標で示されているように差がでているが、人事交流を大いにやるのであれば、給料水準を余り違ったものにしくにいのではないか。人事交流が増えたとか減ったとかということはありますか。

【事務局】
 若干、その法人の中から上がる人も出てきておりますけれども、大幅に交流が減ったという状況ではない。今までと大体同じくらいで、ブロック間でもありますし、それから地域間もありますし、文科省ともあります。今まで同様。若干減ったところがあるとしても、そんなには大差はございません。

【後藤部会長】
 監事の給与についての問題については今どうこうという結果が出るわけではございませんので、課題とさせていただきまして今日の議題についてはこのへんでよろしゅうございましょうか。それでは、事務局から何かございますか。

【事務局】
 今出た点につきましては、事務局でも精査したいと思いますが、2点ほどございまして、1点は、本日の議題1ですが、給与規程の変更のときに、その基準が社会一般の情勢に適合したものであるかということにつきましては、法律に基づきましてまさにこの専門部会で審議いただくことですので、変更の事由等について説明のしかたについては工夫させていただきたいと思います。
 それからもう1点ですが、本日資料2でご説明しました、水準の方につきましては、法律上評価委員会がチェックするということではございませんが、年度評価の参考にもするということでございますので、実際には年度評価のチームの方で、本部会とも連携を取りながら行うということになろうかと思います。また、年度評価の際には、当然法人への質問ですとか、ヒアリングという場もございますので、そのあたりも活用させていただくということと、それに伴いまして、事務局で必要に応じ比較等の資料の用意をさせていただく方向で、またご報告をさせていただきたいと思います。
 それから今後の日程でございますが、財務諸表等の承認及び剰余金の繰越承認につきましては、後日、事務局からご連絡をさせていただきたいと思います。なお、本日の議題にございました役員報酬規程の改正等につきまして、次回分科会が9月5日に予定されておりますし、評価委員会総会は29日でございますので、分科会、総会にご報告をさせていただく予定になっております。
 その前に、部会長に事務局より法人からの確認事項をご報告させていただきますので、よろしくお願いいたします。以上です。

【後藤部会長】
 それでは、本日の部会は以上で終了いたします。ありがとうございました。

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