参考4　財務指標等の基礎資料

　本資料は、検討に資するため、決算報告書、貸借対照表、損益計算書に係る標準的な財務指標及び一般的な表意内容について、国立大学法人の裁量性に着目して取りまとめたものである。

（注）

1. 「項目」は、決算報告書等の主要な項目を表す。
2. 「指標」は、項目に関係する標準的と考えられる財務指標を表す。
3. 「評」の意は右記のとおり。△：多い（高い）方が望ましい。▼：少ない（低い）方が望ましい。：多寡等による特段の評はない。

決算報告書

収入

項目	指標	算式	評	分析の視点等（例）
自己収入	自己収入比率	（自己収入/収入全体）×100％	△	自己収入の確保がなされているか。
授業料及び入学金及び検定料収入	予算充足比率	（決算額/予算額）×100％	△	自己収入の確保がなされているか。 教育、研究及び管理が適正な水準で行われているか。 学生の定員管理の観点。 授業料及び入学金は、学生の定員管理、検定料収入は学生の獲得の巧拙がそれぞれ反映されるが、内訳が不詳のため、評価に限界。
附属病院収入	診療経費比率	（診療経費/診療収入）×100％	▼	附属病院について、経費に見合う収益が確保されているか。
	附属病院収入伸び率	（（当年度附属病院収入－前年度附属病院収入）/前年度附属病院収入）×100％	△	附属病院収入が増加しているか。
	予算充足比率	（決算額/予算額）×100％	△	予算積算が妥当か。また、予算に見合った業務運営を行っているか。
財産処分収入	予算充足比率	（決算額/予算額）×100％	△	予算積算が妥当か。また、予算に見合った業務運営を行っているか。
雑収入	雑収入伸び率	（（当年度雑収入－前年度雑収入）/前年度雑収入）×100％	△	自己収入の確保がなされているか。
	予算充足比率	（決算額/予算額）×100％	△	予算積算が妥当か。また、予算に見合った業務運営を行っているか。
産学連携等研究収入及び寄付金収入等	産学連携等研究収入及び寄付金収入等比率	（産学連携等研究収入及び寄付金収入/自己収入）×100％	△	自己収入の確保がなされているか。 産学連携活動が適正な水準で行われているか。
	産学連携等研究収入及び寄附収入等伸び率	（（当年度産学連携等研究収入及び寄附金収入－前年度産学連携等研究収入及び寄附金収入）/前年度産学連携等研究収入及び寄附金収入等）×100％	△	外部資金や収益性が拡大しているか。
	予算充足比率	（決算額/予算額）×100％	△	予算積算が妥当か。また、予算に見合った業務運営を行っているか。

支出

項目	指標	算式	評	分析の視点等（例）
教育研究経費	教育研究経費伸び率	（（当年度教育研究経費－前年度教育研究経費）/前年度教育研究経費）×100％	△	教育、研究及び管理が適正な水準で行われているか。
	教育研究経費比率	（教育研究経費/業務費）×100％	△	教育、研究及び管理が適正な水準で行われているか。
	予算充足比率	（決算額/予算額）×100％	△	予算積算が妥当か。また、予算に見合った業務運営を行っているか。
診療経費	診療経費比率【再掲】	（診療経費/診療収入）×100％	▼	附属病院について、経費に見合う収益が確保されているか。
	予算充足比率	（決算額/予算額）×100％	▼	予算積算が妥当か。また、予算に見合った業務運営を行っているか。
一般管理費	一般管理費比率	（一般管理費/業務費）×100％	▼	経営が効率的に行われているか。 各大学における一般管理費の範囲が統一されていない。
産学連携等研究経費及び寄付金事業費等	産学連携等研究経費及び寄付金事業費等比率	（産学連携等研究経費及び寄付金事業費等/業務費）×100％	△	教育、研究及び管理が適正な水準で行われているか。
	予算充足比率	（決算額/予算額）×100％	△	予算積算が妥当か。また、予算に見合った業務運営を行っているか。

貸借対照表

資産の部

項目	評価指標名	算式	評	評価の視点等
（固定資産）	固定資産総資産比率	（固定資産/総資産）×100％	～	当該大学の特性に見合った固定資産の水準か。
	固定長期適合率	（固定資産/（国立大学財務・経営センター債務負担金＋長期借入金＋国立大学法人等債＋資本合計）×100％	△	附属病院における財務の健全性は確保されているか。
（有形固定資産）	施設等老朽化比率	（減価償却累計額/有形固定資産額）×100％	▼	保有固定資産はどの程度老朽化しているか。
	学生当有形固定資産	（有形固定資産/学生収容定員）	△	教育、研究及び管理が適正な水準で行われているか。 その他、学生当土地面積、学生当建物面積等の定量データの組み合わせも評価に有効。
	教員当有形固定資産	（有形固定資産/教員数）	△	当該大学の特性に見合った固定資産の水準か。
図書	学生当図書	（図書/学生収容定員）	△	当該大学の特性に見合った固定資産の水準か。
	教員当図書	（図書/教員数）	△	当該大学の特性に見合った固定資産の水準か。
特許権	特許権伸び率	（（当年度特許権－前年度特許権）/前年度特許権）×100％	△	知的財産の増加がなされているか。 取得原価主義であるため、実態を適正に反映していない可能性がある。
（流動資産）	流動比率	（流動資産/流動負債）	△	財務の健全性が確保されているか。
現金及び預金	現金預金比率	（現金及び預金/資産）	△ ▼	財務の健全性の観点からは、多いほうが良く、効率性の観点からは少ないほうが良い。
未収学生納付金収入 徴収不能引当金	未収学生納付金収入比率	（未収学生納付金収入/学生納付金収入）	▼	債権管理が適正になされているか。
未収附属病院収入 徴収不能引当金	未収附属病院収入比率	（未収附属病院収入/附属病院収入）	▼	債権管理が適正になされているか。
たな卸資産	たな卸資産比率	（たな卸資産/流動資産）	▼	財務の健全性が確保されているか。
医薬品及び診療材料	医薬品及び診療材料比率	（医薬品及び診療材料/附属病院収入）	▼	経営が効率的に行われているか。

負債の部

項目	評価指標名	算式	評	評価の視点等
（固定負債） 国立大学財務・経営センター債務負担金	固定長期適合率【再掲】	（固定資産/（国立大学財務・経営センター債務負担金＋長期借入金＋国立大学法人等債＋資本合計）×100％	△	附属病院における財務の健全性は確保されているか。 移転整備に係る借入れがあれば、その相当額を除外する必要。
長期借入金
国立大学法人等債	長期借入金等比率	（国立大学財務・経営センター債務負担金＋長期借入金＋国立大学法人等債）/負債資本合計）×100％	～	財務の健全性が確保されているか。
長期未払金	長期未払金比率	（長期未払金/負債資本）×100％		リース資産や割賦購入等が過大となっていないか。

資本の部

項目	評価指標名	算式	評	評価の視点等
（資本の部）	自己資本比率	（資本合計/負債資本合計）×100％	△	財務の健全性が確保されているか。

損益計算書

項目	評価指標名	算式	評	評価の視点等
経常支出 （業務費）	業務費伸び率	（（当年度業務費－前年度業務費）/前年度業務費）×100％	～	年度計画等と整合しているか。
教育経費	教育経費比率	（教育経費/業務費）×100％	△	教育が適正な水準で行われているか。
	教育経費伸び率	（（当年度教育経費－前年度教育経費）/前年度教育経費）×100％	△	年度計画等と整合しているか。
	学生当教育経費	（教育経費/学生収容定員）	△	教育が適正な水準で行われているか。
研究経費	研究経費比率	（研究経費/業務費）×100％	△	年度計画等と整合しているか。
	教員当研究経費	（研究経費/教員数）	△	研究が適正な水準で行われているか。
	研究経費伸び率	（（当年度研究経費－前年度研究経費）/前年度研究経費）×100％	△	年度計画等と整合しているか。
診療経費	診療経費比率	（診療経費/附属病院収益）×100％	▼	附属病院について、経費に見合う収益が確保されているか。
	診療経費伸び率	（（当年度診療経費－前年度診療経費）/前年度診療経費）×100％	～	診療収益伸び率との比較を要する。
教育研究支援経費	教育研究支援経費率	（教育研究支援経費/業務費）	△	教育、研究及び管理が適正な水準で行われているか。
	学生教員当教育研究支援経費	（教育研究支援経費/（収容定員＋教員数)）	△	教育、研究及び管理が適正な水準で行われているか。
	教育研究支援経費伸び率	（（当年度教育研究支援経費－前年度教育研究経支援費）/前年度教育研究支援経費）×100％	△	年度計画等と整合しているか。
受託研究費	受託研究費比率	（受託研究費/業務費）	△	外部資金や収益性が拡大しているか。
受託事業費	受託事業費比率	（受託事業費/業務費）	△	外部資金や収益性が拡大しているか。
（人件費）	人件費比率	（人件費/業務費）×100％	～	年度計画等と整合しているか。
役員人件費	役員人件費比率	（役員人件費/業務費）×100％	▼	年度計画等と整合しているか。 経営が効率的に行われているか。
教員人件費	教員人件費比率	（教員人件費/業務費）×100％	～	年度計画等と整合しているか。
職員人件費	職員人件費比率	（職員人件費/業務費）×100％	～	年度計画等と整合しているか。
（一般管理費）	一般管理費比率	（一般管理費/業務費）×100％	▼	経営が効率的に行われているか。
経常収益	自己収入比率	（自己収入/経常収益）×100％	△	自己収入の確保がなされているか。
	自己収入伸び率	（（当年度自己収入－前年度自己収入）/前年度自己収入）×100％	△	外部資金や収益性が拡大しているか。 年度計画等と整合しているか。
授業料収益	授業料入学金比率	（授業料収益＋入学金収益）/経常収益）×100％	～	自己収入の確保がなされているか。
入学金収益
検定料収益	検定料収益伸び率	（（当年度検定料収入－前年度検定料収入）/前年度検定料収入）×100％	△	自己収入の確保がなされているか。
附属病院収益	診療経費率【再掲】	（診療経費/診療収益）×100％	▼	附属病院について、経費に見合う収益が確保されているか。
受託研究等収益	受託研究等収益比率	（受託研究等収益/経常収益）×100％	△	外部資金や収益性が拡大しているか。
受託事業等収益	受託事業等収益比率	（受託事業等収益/経常収益）×100％	△	外部資金や収益性が拡大しているか。
雑益	雑益伸び率	（（当年度雑益－前年度雑益）/前年度雑益）×100％	△	外部資金や収益性が拡大しているか。
当期純利益	純利益伸び率	（（当年度純利益－前年度純利益）/前年度純利益）×100％	～	外部資金や収益性が拡大しているか。