11.「国立大学等の教官等が作成したデータベース等の取扱いについて」 (昭和62年5月25日付け文学情第140号文部省学術国際局長・大臣官房会計課長通知) -抄-

各国立学校長
各国立高等専門学校長
各国立大学共同利用機関長

  近年、学術情報の量的増大と多様化が急速に進んでおり、研究者が必要とする学術情報を迅速かつ的確に利用し得るようにしていく上で、データベースの果たす役割は極めて大きなものとなつてきています。
  このような状況下において、国立大学等(国立の大学、短期大学及び高等専門学校並びに国立大学共同利用機関をいう。以下同じ。)においても、教官等(教官及び研究活動に従事する技術系職員等をいう。以下同じ。)によつて各種のデータベースが作成されており、今後、教官等によるデータベースの作成及び利用が一層活発になるものと考えられます。また、国立大学等における電子計算機の普及に伴い、教官等によつて作成されるプログラムも著しく増加してきています。
  一方、データベース及びプログラム(以下「データベース等」という。)については、さきに、著作権法が一部改正され、それぞれ著作物として保護されるものであることが明確になつたことに伴い、学術審議会においても、国立大学等の教官等が作成したデータベース等の権利の取扱いについて検討が行われてきましたが、このたび、その検討結果が別添のとおり取りまとめられました。
  ついては、国立大学等の教官等によるデータベース等の開発・作成を促進し、国立大学等の内外における円滑かつ適切な運用に資するため、国立大学等の教官等が作成したデータベース等に係る著作権の帰属等については、下記の通り取扱うこととなりましたので、各国立大学等におかれては、学内規程の整備、教官等への周知等についてよろしくお取り計らい願います。

1 国立大学等の教官等が作成したデータベース等の著作権の帰属等についての基準

(1)国に帰属する場合

  • ア 国からデータベース等の作成を直接の目的として特別に措置された経費(国立学校特別会計におけるデータベースの作成経費及びプログラムの研究開発経費)を受けて作成したデータベース等の著作権は、国に帰属するものとすること。(下記イに定めるものを除く。)
  • イ データベース等の作成を直接の目的とする民間等との共同研究又は受託研究により作成されたデータベース等の著作権は、国と相手側との共有とすることができること。この場合、データベース等が上記に該当するかどうかの認定並びに国及び相手側の持ち分の決定については、共同研究又は受託研究の受入れ等について審議するための既存の学内組織に諮るなどして、適切に行うものとすること。

(2)教官等に帰属する場合

  前記(1)に定めるデータベース等以外のデータベース等の著作権は、当該データベース等を作成した教官等に帰属するものとすること。
  ただし、科学研究費補助金研究成果公開促進費のデータベース作成経費を受けて作成したデータベースについては、国立大学等の情報処理関係施設などにおいて、当該データベースを複製し、利用する場合には、当該国立大学等に著作権料の支払いを求めないものとすること。

2 データベース等に関する学内規程の整備

  • (1)国立大学等の教官等が作成したデータベース等の著作権の帰属を明確にするため、前記1の基準を学内規程で定めるものとすること。
  • (2)学内規程には、前記(1)のほか、教官等が前記1の(1)に該当するデータベース等又は前記1の(2)ただし書きに該当するデータベースを作成したときは、大学等の長に届け出ること、学外者の協力を得て作成するデータベース等についても、あらかじめ当該協力者の了承を得て、前記1の基準により取り扱うこと、その他必要な事項を定めるものとすること。

別添「学術審議会学術情報資料分科会学術情報部会報告(昭和62年1月26日)」

  (略)

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