10.「新しい『国立大学法人』像について」 (平成14年3月26日 国立大学等の独立行政法人化に関する調査検討会議) -抄-

2.組織業務

2.制度設計の方針

(4)目的・業務

(業務の範囲)

  特に、近年、大学の教育研究の活性化や新産業の創出等への期待から、産学官連携の必要性が強く指摘されており、大学自らの総合的・戦略的な判断に基づき、産学官連携を推進することが重要である。
  このため、法人化後の大学における産学官連携に関する業務(リエゾン機能、TLO、インキュベーション業務、特許等知的所有権の管理など)については、各大学の主体的な判断により、事務組織の在り方等を含め、弾力的・効果的な推進体制を整備できるようにする。
  また、後述のような「非公務員型」による人事制度の弾力化を踏まえ、各大学の判断により、国立大学の公共性等を考慮した兼業ルールや責務相反・利益相反のルールを整備・確立する必要がある。
  なお、大学で生じた特許等は、発明者への十分な対価の還元に留意しつつ、法人有を原則とすべきである。

  (略)

(他の法人への出資)

  業務の一部については、法人化後の国立大学とは別の法人に実施させることにより、業務のアウトソーシングによる効率的な運営や弾力的な事業展開の実現、複数の出資者を募ることによる資金確保の途の拡大等に資することが期待できることから、業務の膨張への歯止めに留意しつつ、国立大学法人(仮称)からこれらの法人への出資も可能とする。

3.人事制度

2.制度設計の方針

(2)選考・任免等

(教員以外の職員人事の在り方)

  職員の構成は、教員、事務職員、技術職員等の既存の職種の画一的な区分にとらわれることなく、専門性の高い職種に従事する職員が高いモラールを維持できるように、各大学の実状に即した多様な職種を自由に設定できることとする。また、例えば教員の支援業務を担当する職員など、教員とその他の職員とが連携・協力して教育研究環境を整える視点も重要である。

(4)服務・勤務時間

(兼職・兼業)

  大学教員の有する優れた知識や経験等を社会に還元し、産学官連携の推進や地域社会への貢献等に資する観点から、職員の社会的貢献のための学外活動を広く認めることとし、「非公務員型」により兼職・兼業に関する規制を緩和する。

  この場合、兼職・兼業が教員の本務、特に学生に対する教育の面で支障を生じたり、大学と教員個人との利益相反が生じることがないよう、各大学において、ガイドラインを設けるなど、適切な配慮を行うことが必要である。ガイドラインは、教員にとって明確な基準であると同時に、国民に対する適切な情報開示が行われるものとする。

  また、より柔軟な事業展開を可能とする観点から、国立大学法人(仮称)の業務や組織の一部を別法人にアウトソーシングする場合、各大学の職員がその身分を保有しつつ、これらの関連法人の業務を兼ねることも可能とする取り扱いが必要である。

5.財務会計制度

2.制度設計の方針

(4)土地・建物等

(移行時の措置)

  各国立大学が移行前に現に利用に供している土地・建物は、処分が適当と考えられるものを除き、各大学の財産的基礎を確立する観点等から、原則として国から当該大学に対し現物出資又は無償貸与するものとする。
  なお、現に利用に供している設備、備品等については、無償で引き継ぐものとする。

お問合せ先

研究振興局研究環境・産業連携課技術移転推進室

(研究振興局研究環境・産業連携課技術移転推進室)