知的基盤整備計画(答申)のフォローアップと見直し

平成16年11月
知的基盤整備委員会

目標値・整備方策について

 国が重点的かつ主体的に整備すべき知的基盤の現状は、2010年の戦略目標に対して概ね着実に進捗しており、引き続き知的基盤整備計画(答申)に従い、知的基盤の整備を着実に実施するための具体的な方策に取り組むこととする。


現在の推進状況(戦略目標に対する進捗状況及び関係府省における主な取り組み)

(1) 研究材料
各府省庁の研究機関、大学の保有する生物遺伝資源の総数は概ね着実に増加しており、特に動物細胞の保有数はこの一年で急増した。(文部科学省研究振興局研究環境・産業連携課アンケート調査)
・微生物   :約29万株 (前年比増減なし)
・動物細胞   :約34,600株 (同、4,600株増)
・動物(マウス)   :約3,050系統 (同、450系統増)
・植物遺伝資源(作物)   :約34万7千点 (同、7千点増)
・植物遺伝資源(シロイヌナズナ)   :約9万9千系統 (同、2万5千系統増)
文部科学省「ナショナルバイオリソースプロジェクト(平成14年度開始)」において、バイオリソースのうち、国が戦略的に整備することが重要なものについての体系的な収集・保存・提供等を行うための体制整備を推進している。
1 中核的拠点整備プログラム:14機関、24リソース
2 情報センター整備プログラム:情報・システム研究機構国立遺伝学研究所
厚生労働省・国立医薬品食品衛生研究所「細胞バンク事業」において、培養細胞の収集・品質管理・分譲を開始し、毎年約50種を目標に新規資源の収集を行う。また、「薬用植物資源保存供給事業」において、薬用植物資源250種(前年比増減なし)2,600株(同、増減なし)を収集・同定・保存・分譲している。
農林水産省・独立行政法人農業生物資源研究所「ジーンバンク事業」において、植物23万点(前年比増減なし)、動物896点(同、増減なし)、微生物2.0万株(同、増減なし)、DNA23.1万点(同、7.8万点増)を収集保存、提供しており、新たにゲノム情報を活用したコアコレクションの作成、公開に関する事業を加えた。
農林水産省林野庁・独立行政法人林木育種センター「森林・林業に関するジーンバンク事業」において、林木遺伝資源の探索・収集、保存を推進し、林木29,000点(前年比1,000点増)を保存している。
農林水産省水産庁・独立行政法人水産総合研究センター「水産生物の遺伝資源保存事業」において、遺伝資源の収集・保存を推進し、アマノリ類97点、コンブ類67点、その他の大型海草類74点、微細藻類51点、微生物類1,562点を保存している。また、通常と異なる性質を示す水生生物17点を遺伝子抽出が可能なアルコール固定し保存している。
経済産業省・独立行政法人製品評価技術基盤機構「生物資源保存供給施設整備」において、2010年に10万程度の生物遺伝資源の供給体制の確立を目標に、有用微生物等、微生物を中心とした生物遺伝資源の収集、分類・同定、保存、分譲に取り組んでいる。
環境省・独立行政法人国立環境研究所「環境微生物、試験用生物の整備」において、環境微生物、試験用生物の収集・保存・提供に取り組み、環境微生物1,400株を保存している。

(2) 計量標準
計量標準は179種(前年比27種増、平成16年9月調査時)で、独立行政法人産業技術総合研究所、独立行政法人製品評価技術基盤機構(経済産業省)を中心に、2010年の目標(約250種)達成に向けて着実に整備が進められている。
総務省・独立行政法人通信総合研究所において時刻周波数標準の整備・運用を行っている。
標準物質は184種(前年比34種増、同調査時)で、独立行政法人産業技術総合研究所、独立行政法人製品評価技術基盤機構(経済産業省)を中心に、2010年の目標(約250種)達成に向けて整備が着実に進められている。また、標準物質の総合情報システムについても独立行政法人製品評価技術基盤機構において整備が進められている。
環境省・独立行政法人国立環境研究所において知的研究基盤事業として、環境基盤技術ラボラトリーを設置し、環境標準試料24種類の分譲を行っている。

(3) 計測方法・計測機器
2003年度のバイオ関連機器(核酸・タンパク・酵素関連機器)の国内企業シェアは42.1%(前年度比0.2%増)で、ライフサイエンス分野の計測方法・機器等は依然として海外に依存している。
計測方法・計測機器の開発に関する研究課題数は、894件(前年比41件増)、研究者数3,142人(同、71人減)で重点4分野を中心に幅広い分野で研究が行われている.。(文部科学省研究振興局研究環境・産業連携課アンケート調査)。
・ライフサイエンス分野   333件、 1,312人
・情報通信分野   33件、 81人
・環境分野   107件、 367人
・ナノテクノロジー・材料分野   228件、 753人
・その他   193件、 629人
文部科学省は、世界先端の研究者のニーズに応えられる世界初のオンリーワン/ナンバーワンの技術・機器の開発を推進するため、「先端計測分析技術・機器開発プロジェクト」を平成16年度より開始(一部継続)した。
 このプロジェクトの先端計測分析技術・機器開発事業(科学技術振興機構、平成16年度開始)では、1最先端の研究ニーズを踏まえた先端計測分析機器開発:18課題、2新規かつ独創的な計測分析技術・手法あるいは分野横断的な要素技術の開発:11課題、を採択した。
経済産業省は、生物遺伝資源関連の解析機器の開発、人間特性の試験評価方法等の開発、化学物質安全性の試験評価方法等の開発に取り組んでいる。
環境省・独立行政法人国立環境研究所において、生体試料中の化学物質の挙動を解明するため、超高感度分析手法の開発に取り組んでいる。
文部科学省・科学技術振興調整費、独立行政法人宇宙航空研究開発機構「機能性分子による熱流体センシング技術の研究開発」において、光機能性分子を利用した圧力、温度、気体組成などの実用計測ツールの開発と実証を行い、様々な産業への応用展開、センサー機能の高度化を目指す。
文部科学省・独立行政法人物質・材料研究機構において、超伝導材料・極低温構造材料、強度特性、表面・薄膜、データベース、セラミックス、生体適合材料等の先進材料の特性試験・評価方法を開発、国際的な標準化を図る。

(4) データベース
各研究機関・大学において構築されているデーターベースは総数で543件(公開可のもの)で、前年比70件増加しており、着実に進捗している。(文部科学省研究振興局研究環境・産業連携課アンケート調査)分野別の状況(公開可のもの)は下記のとおり。
・生物・生体に関するもの   263件 (前年比59件増)
・材料・物質に関するもの   134件 (同、6件増)
・国土・地球に関するもの   129件 (同、増減なし)
・その他   17件 (同、5件増)
ゲノム配列等のデータベース(塩基対数)について、DDBJに平成15年10月から平成16年9月の1年間に登録された塩基配列データ数は、1,040メガビット・パー・セコンド(前年同期比20メガビット・パー・セコンド増)であった。
文部科学省「タンパク3000プロジェクト(平成14年度開始)」において、平成16年5月現在、970件のデータが登録済み。
人間特性に関するデータベースについては、経済産業省を中心に整備が進められている。
文部科学省・独立行政法人科学技術振興機構「バイオインフォマティクス推進センター」事業において、生命情報データベースの高機能化のため、1生命情報データベースの高度化・標準化、2高機能生体データベースの開発、3普及活動、4GBIF参画のための活動を行っている。
材料物性データベースのデータ数は約1,150,000(前年比170,000増)で、独立行政法人産業技術総合研究所(経済産業省)、独立行政法人物質・材料研究機構(文部科学省)、等で整備が進められている。
化学物質の安全性データベースのデータ数は約10,800(前年比3,000増)で、経済産業省、厚生労働省において整備が進められている。
経済産業省・独立行政法人製品評価技術基盤機構「化学物質ハザードデータシステム」事業において、国内で年間100トン以上製造・輸入実績がある化学物質、化学物質管理法令の対象物質等4,000物質程度を対象に2005年までにハザードデータベースを整備する取り組みを進めている。
地理情報データベース(GIS)については、国土交通省において、日本全国の2.5万分の1地形図相当のGIS基盤情報を平成13年度中に全て整備し、平成14年度末に全国のデータ提供を行うとともに、インターネットによる閲覧を開始している。
地質データベースについては、経済産業省において、20万分の1地質図幅時10分5(前年比2増)、5万分の1地質図幅:921(同、8増)、海洋地質図:35(同、2増)、火山地質図:11(同、増減なし)、活構造図2(同、増減なし)が整備されている。
総務省・独立行政法人通信総合研究所「高精度時刻比較データベース」において、アジア/オセアニア地域の高精度時刻比較ノード局(機関)として、計測データをGGTTS形式で蓄積し、さらにインターネット上で公開している。
文部科学省・独立行政法人科学技術振興機構において、「研究開発支援総合ディレクトリDB(ReaD)構築事業」が行われており、研究機関情報、研究者情報等を収録・提供し、複数の目録・文献データベースの統合検索機能も提供している。

(研究振興局研究環境・産業連携課)

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