第5期先端計測分析技術・機器開発小委員会(第10回) 議事録

1.日時

平成22年12月16日(木曜日)15時~17時30分

2.場所

文部科学省16F特別会議室

3.議題

  1. 科学における未解決問題に対する計測ニーズの俯瞰について
  2. 総合科学技術会議アクション・プランへの貢献方策の検討
  3. 知的創造プラットフォームの構築について
  4. その他

4.出席者

委員

石田委員、上野委員、長我部委員、小原委員、志水委員、菅野委員、
杉浦委員、杉山委員、中村委員、二瓶委員、原委員、松尾委員、
森川委員、山科委員

文部科学省

池田研究環境・産業連携課長、能見新技術革新室長、寺崎研究環境・産業連携課課長補佐

オブザーバー

澤田独立行政法人科学技術振興機構開発総括
本河独立行政法人科学技術振興機構開発総括
安藤独立行政法人科学技術振興機構先端計測技術推進部長
佐藤独立行政法人科学技術振興機構研究開発戦略センター フェロー
丸山独立行政法人科学技術振興機構研究開発戦略センター フェロー

5.議事録

【主査】
 定刻になりましたので、本日の会議を始めさせていただきたいと思います。それでは、事務局から配布資料の確認をお願いいたします。

  <事務局より配布資料の確認>

【主査】
 ありがとうございました。それでは本日の議題に進めさせて頂きます。

(1)科学における未解決問題に対する計測ニーズの俯瞰について

独立行政法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター フェロー 佐藤  勝昭 氏

【主査】
 本日はJST研究開発戦略センターより、現在検討を進めておられる計測ニーズの俯瞰に関する検討状況のご報告をお願いしてございます。それでは、よろしくお願いします。

【説明者】
 JSTのCRDSで進めております計測ニーズの俯瞰の仕事についてご紹介をさせていただき、ご議論いただければと思います。
 まず計測技術の俯瞰の方針というところをご紹介いたします。以前から計測というのは非常に重要だというふうに皆認識しているわけなんですけれども、吉川センター長のお考えは大変フィロソフィーに基づいておりまして、過去からずっと見ていくと、計測はmother of scienceであると。科学のフロンティアは計測が不可欠であり、科学における「未解決問題に対する計測ニーズ」を示し、それらのシナリオを検討したうえでグローバルな視点をもちつつ「日本における計測の研究開発戦略」を提唱したいと。だから、将来的にはこれを提唱したいというわけでございます。
 ただ、計測技術は、使われる各分野の歴史や流れに沿って発展を遂げてきているので、分野ごとに現時点でのレベルの違いがある。したがって、計測技術の研究開発は、対象とする科学技術分野ごとに分けて考えることが肝要であり、目標を定め、シナリオを考えいくべきだというスタンスでやりなさいというふうに言われてやっております。

 それで、計測に関する研究開発としては非常に広いものがありまして、基幹にかかわる国家技術的なもの、例えば公共インフラや安全のものと、それから長さや重さの標準のようなもの。この上の段は、計測を基盤とするほかの分野、計測を利用する。一方、下の段は計測自身を目的とするというふうに、2つに分けております。それで、2010年度はここに注力と書いているところはここでありまして、科学技術としての計測が役に立つ。計測に基づいて科学技術が発展するという部分であります。さらに、こちらには計測分野としては、計測科学というのがあるわけですけれども、また応用としては、そのステージを1つ上に上がって、医薬においても、食品においても、資源においても、すべて計測というものがベースになっているわけであります。一方、また、計測そのものを産業としている機器、分析サービス等の産業発展・ベンチャー創出、こういう部分もあるわけです。今回は特に先ほどの科学技術が計測によって発展してきたということを踏まえて、ここのところに注力をしようということが今年の方針であります。

 これで、先日、12月1日に、計測ニーズに関する俯瞰ワークショップというのを開きました。これに先だって、我々のグループでは有識者に対してインタビューを行いまして、意見として出た、いろいろな問題というものを整理しました。そして、さらにその整理をしたものを、今度は計測にややかかわっている約600名ぐらいの研究者の方々にアンケートとして出し、それとともに、もしご意思があればこのワークショップに参加してくださいという形で、メールで出しました。そうすると、約30のレスポンスがありまして、それぞれかなり偉い先生からのコメントなどをいただいたわけですけれども、そういうものを踏まえたうえで、今回、ワークショップを開いたわけであります。
 プログラムは、ここに示したとおり、オーガナイザー挨拶、モデレーターの趣旨説明に続きまして、分野別討論と横断的討論をやり、最後にコメンテーターの意見を述べていただいて、ワークショップの総括をしたということになっています。
 ワークショップの目的としては、先ほども申しましたように、「生命」、「ナノ・物質」、「情報・通信」、「環境・エネルギー」の4つの重点分野におきまして未解決問題は何か。つまり、計測のほうから行ったのではなくて、こういうものにおける未解決問題は何か。そして、そこで必要とされる計測ニーズは何かについて調査をし、それを踏まえ、各分野の専門家と計測分野の専門家の議論によって、俯瞰的に共通認識を持っていきましょうと。さらに、次のステップとしては、その計測ニーズを達成するための技術シーズの、つまり、ニーズに対してシーズをどういうふうにしていくのか。その必要な人員や研究推進体制等について議論する予定であります。
 未解決問題に対する計測ニーズ、先ほどインタビューをしたと言いましたけれども、かなりたくさんの、後で出ます方々にインタビューをしました。そこでインタビューした調査の内容としましては、各先生方、有識者の方々の専門分野における未解決問題は何か。そして、その問題の解決に向けた、現状の計測・分析・解析の状況はどうだと。あったら良いな、それがあると、その未解決問題にかなり踏み込めるんだなというような、そういう計測ニーズはあるか。さらには、解決手段として、どのような研究者や技術者の協力が必要かというような話を聞きました。しかしながら、実際にはこの2つ、専門分野における未解決問題と、計測ニーズについて主にご回答をいただいたわけでございますが、そういうものをここ以後、それぞれの分野についてまとめたものが示されております。
 まずは「生命」なんですけれども、科学として未解決問題が一番多いのがライフサイエンスであります。実はこれに先立つこと約5年前に、『サイエンス』という雑誌が125号の記念として、「科学における未解決問題125」というのを出しているんですね。やっぱりそこで分類をしてみますと、約70%はライフサイエンスなんですよ。そういう意味では、ライフサイエンスが多くなるのは当然なんですけれど、非常に多くの問題が出てきています。要するに、生体内の分子、タンパク質等の構造変化をリアルタイムで観測したい。それから、生体分子の体内状態を継続的に経時的に見たい。あるいは、無数の分子の相互作用を定量的に解析したい。生体膜での分子反応、あるいは生体の特徴を器官毎に明らかにしたい。あるいは、細胞の動態をリアルタイムで知りたい。あるいは、脳の機能を理解したい。あるいは、微生物が感染したり共生したりする仕組みを解明したい。こういうような思いに対して、計測としては、微量のタンパク質をはかりたい。それから、イメージングが必要だ。あるいは、定量的なものが欲しいというような、こういう計測ニーズが非常にたくさん出てきております。

 同様に、「ナノ・物質」におきましても、科学における未解決問題としては非常にたくさんの問題がありまして、特に触媒における反応機構、さらには、レアメタルを用いない触媒や高効率の触媒を開発したいという未解決問題に対して、こういう触媒の反応状態のリアルタイム測定、あるいは、こういう電子構造を見る、そういうようなことがいろいろあるわけです。さらに、簡便にやりたいということもあるわけですね。それから、もう一つ大きなのは、耐久性や高い物性値を兼ねた材料、特に今は環境の問題から、長もちするというのは非常に重要になっておりまして、その耐久性というものを何が決めているのか、そこで劣化の原因を解明する技術、長年やられているけれどまだまだわからないわけです。そこには小型なもので、非常にはかりやすいとか、あるいは認証の標準試料が要るとか、そういうようなことが出ています。あと、ナノ・マクロレベルの凝集体、例えばエアロゾールなんていうのは、原子と分子、それよりもう少し大きなスケールで、しかも非常に揺らいでおりまして、非常に大きなものになりますから、どうやって扱っていいかというのはわからないですね。そういう機能をどういうふうに予測するということがあります。また、薄膜の界面の機能性、そういう新素材、そのためのいろんな技術、あるいは雰囲気下での可視化、また、生体物質、ここでは先ほどのライフサイエンスに関係するわけですけど、そういうものをダイレクトに分析したい、あるいは、構造体の材料等を定量化したい。それに対する非常にさまざまなニーズ、まだできていないニーズがあるわけであります。

 「情報・通信」においては、ほとんどのところは解決している。特に計測ニーズなんてないとおっしゃる方もあるんですけれども、やはりもっと先に行きますと、量子コンピュータ、あるいは量子情報通信、量子暗号、そういうところになりましたら、観測した途端に壊れちゃうわけですから、どうやってはかるんだという問題は当然出てくるわけです。それから、非常に今重要な問題は、老人や子どもたち、弱者を見たいとか、あるいは人間の活動をはかりたいとか、社会、生物、文化遺産等の状態を知り合い、こういう非常に人間くさい、文化につながるような部分での未解決問題に電子情報・通信が大変役に立つだろうということで、そういうセンサだとか、そういうものを総合したようなもの、あるいは、ユビキタスなセンサ・ネットワークというようなものが要求されているわけです。

 一方、「環境・エネルギー」、これは非常に広い問題ですけれども、未発見の生物における有効成分だとか、蓄エネデバイスの限界はどうかとか、いろいろ書いているんですけれども、地下水の汚染だとか、もうとにかく非常に多くの、これは特にやっぱり社会的なニーズが多いわけです。それに対する計測ニーズも、まだまだとても現在ではそれに追いついていないという状態なわけです。

 こういうものをひとつ俯瞰をしてみようということですが、俯瞰の仕方もいろいろあるわけです。エネルギーにマッピングすることもあるでしょうし、ほかにもいろんなマッピングの仕方があるわけですが、ここでは1つの方法として、大きさ、広さ、そして、横軸として時間をとっております。真ん中は人間の、我々の生きている感覚としてとらえられる大きさ、時間であります。それに対して、上のほうは地球の大きさ、あるいは、宇宙まではちょっといかないですけれども。それから、小さいほうでは、水素のボーア半径、あるいは、もっと下、ピコ秒から、もっと、フェムトもあるわけですけれども、世紀という人間の活動するあたりまでということになります。これ、それぞれどんなものがあるかというと、こういうものがマッピングできるわけですけれども。

 ここにA3の紙にありますように、まずこれは生命をプロットしてみますと、あまり上のほうの大きいものはないんですけれども、下のほうで、しかも、時間としてはピコから世紀にわたるものまである。一方、ナノ・物質は、やはり下のほうで、しかも、時間的には長いほうから短いほうまで分布している。一方、情報・通信は、わりと広く分布しているねと。環境・エネルギーに関しては、かなり長くて、時間的には長時間にわたるようなもの、そして広いものにわたっていますねと。まあ当たり前のことですけど。ここに四角には、計測のシーズがそれぞれどんなものがあるかというものを対応させたものであります。

 このような作業の中から抽出されるキーワードとしては、いろんな分野を超えて、やはり分解能を上げなくてはいけないとか、リモートで非接触で生きたままという「in vivo」とか、そういう言葉や、あるいは、シミュレーションをうまく活用しなければいけないねというようなものが入ってくるわけです。

 まとめてみますと、科学分野ごとの計測の水準やトレンドが出てきます。それで、生命に関して言えば、ヒトの生命現象を細胞、器官、個体などのレベルで解明する分野で未解明問題が多い。そこで、存在計測と関係計測、つまり、時空的な存在と物質関係性、相互作用から生命現象を理解していくということで、その中には界面・内部、非侵襲、リアルタイム、生きたままと、細胞1つとか、そういうものが1つのトレンドとして今後重要になるだろう。

 ナノ・物質においては、とにかく分析が小さなものでもきちっと計測できなければいけない。それが他とちゃんと比べられなくてはいけない。さらには、それを極限まで物質の現象を追求していかなくてはいけない。そのためには、多階層の同時測定や多因子同時、リアルタイム測定、あるいは非常に細かい分解能、そういうものを必要とする。それとともに、標準をきちっとつくり、物質と標準分析や、そういうものをセットで考えなくてはいけない。

 情報・通信に関しては、やはり複雑系、そしてシミュレーション連動、小型簡便、ネットワーク/オンサイト、常時/間欠、こういうようなことがあります。情報・通信なんてみんな解決しているかと思うと、例えば桜井先生のお話では、最近のLSIは数百億個の素子が集積されていて、そこの中で流れている電流から電圧まで様々なものがある中で、各部分の電流ははかれないんです。そういう複雑系において、それをどうやってきちっとはかっていくかというのは、やはりこれは大変大きな問題なんだそうです。その複雑系というのは、非常に大きなキーワードとして入ってくるわけです。

 環境・エネルギーは、ご存じのとおり、公害とか、その予防の機能、さらには諸現象の環境の規定に対する総合的な学問でありますから、非常に実用性を持つわけです。ただし、対象とする空間が大きいし、ゆっくりする変化を扱うために、計測データと数値シミュレーションとの統合(シミュレーション連動)ということが必要になってくるだろう。それが計測の部分では、リモートとか非接触、さらにはシミュレーションを連動させていかないとだめだろう。こういうことが出てくるわけであります。

 ワークショップでこういうご発表があった後いただいたコメントとしては、二瓶先生からいただいたことだと思いますけれども、ニーズとシーズの関係で最も効果を発揮するのは「啐啄同時」、いわゆる三次元的な空間と時間的なタイミングがぴったり合ってこそ大きな成果を上げるんだと。生命科学の分野でも、昔、40年前にセラミックスの分野で成功したキャラクタリゼーション手法にならって、もっと計測の体系づくりの努力をしなければいけないのではないかということでした。
 計測には、「メジャメント」と「キャラクタリゼーション」があり、一つ一つはかって、それで物質そのものを、例えばキャラクタリゼーションするには、幾つかのメジャメントを総合していかないといけないわけで、それを一緒くたにしてはいけない。 それから、「測りたい思い」はいっぱいある。先ほどのニーズはいっぱいあると。しかし、思いだけではだめで、それをメジャラント、つまり、「測るべき物理量」にどう落とし込むか、これが計測屋の仕事になるでしょうと。そしてまた、相互比較できなくてはいけませんから、計測量のトレーサビリティが必要となります。
 また、過去の日本の計測は技術としての側面が強かったのだが、現在では計測とはサイエンスそのものだと考えるようになってきた。日本も、欧米にならって、分析機器の遺産のコレクションなどをしていって、サイエンスの流れをちゃんと見なくてはいけないのではないか。
 あるいは、計測検査機器というのは日本の産業の基盤を支える技術だから、これは残していかないといけない。
 さらに、計測のサンプリングまで含めた計測の人材がいなくなっているので、また、それを育成する機関もだんだん減っている。したがって、装置を輸出するにも、そういうオペレーションがきちっとできるような人材の育成が必要なのではないか。こういうご意見であります。

 そして、オーガナイザーからは、このような総括をいただいています。

 「従来型の科学」では、真理を追究することによって、現象の背後にある共通原理を見出そうとしてきました。これに対して、「新しい科学」においては「環境学」に代表されるように、原理原則を見出すのみでは無意味で、現状を知り、将来を予測し、対策する方法を見出すことこそ重要なのだ。
 計測ニーズも新しい状況、いわゆる将来を予測することが必要になっているので、時間軸を入れなくてはいけない。「4次元レンズ」と、彼は独特の言い方ですが、そういうものが計測研究者にとっては大きな話題であろう。
 また、計測研究というのは「必要条件」を調べるのに対し、一方、計測機器の開発は「十分条件」を与えているという点で、その論理的な構成が違う点を考慮して、両方が邂逅する必要があるだろう。
 それから、計測学は――ここは大事なんですが、物理、化学、機械工学と同じ平面に並べたものではなくて、非常に新しい「科学研究」を研究するメタ科学、つまり、全体の上位概念として位置づけるべきで、「メタ計測学」をつくる必要があるのではないか。こういうようなご提言をいただいたわけであります。 

以上、ワークショップのご報告をさせていただきました。

【主査】
 ありがとうございました。それでは、ご質問、ご意見がございましたらお願いいたします。

【委員等】
 2つあって、1つは、ナノの物性というか、ナノのサイエンスというのは、国際高等研で5年ぐらいチームをつくって、そこでいろんな角度から検討してきました。一番インパクトが大きい結論は何かというと、ナノの微粒子でもいいんですが、そういうものを本当に理解しようとすると、従来の物質という概念と全然違った角度から見ないとだめだろうなと。
 例えばどういうことかというと、まず均一でないということが必ずあり、非対称でもある。それから、不連続というのは、もちろん、その結晶の構成が不連続である。幾つか、我々が物質を考えるときに、まず物質をちゃんと同定しようとしたら、均一でなければならない、あるいは、連続できれいな結晶が並んでなければならないと言うんですけど、どうもナノという物質はそうじゃない、全く違った観点、理論、計測で見なければならないと。

【説明者】
 同じものでも、ナノメーターになると全然違った物性値になると。

【委員等】
 だから、そういうものに対する先端計測機器とか手法というのはどういうものか、従来のものでなく、全く新しい発想法で考えなければならない。これは漠然とした議論で結論も何も出ていないんですが、そういう提案が1つあったということ。
 もう一つは、計測という立場から見ると、従来のサイエンスのように、観測可能であって、何回もトレースができて、それで、1つの原理原則に必ず収束するという、そういう確信のうえで統一的な原理というようなものに導くような、そういうアプローチを信じてやっているわけですね。ところが、それはインダクションだとかデダクションと呼ばれるサイエンスの1つの、20世紀のサイエンスのよって立ってきたところでしょうけど、それではカバーできないよという、つまり、アブダクションというのがどうして出てきたかというと、もうそういう20世紀のサイエンスでは、例えば生物でもそうですし。
 21世紀の先端計測機器というのは、どこか質的に変わっていかなければならない。若い人たちの世代には、ぜひそういうスタンスでもって次の先端計測を構築していってほしいと思っております。

【説明者】
 ありがとうございました。例えば薄膜も、超薄膜になってくると、表面だかバルクだかわからないわけですね。どこまでを表面といい、どこまでをバルクというのかわからなくなって、それが現在ナノ計測の非常にもうぎりぎりのところで。ところが、実際使っているわけですよ。半導体なんか、ナノレベルのものを10層、20層重ねて使ったりしているわけで、そういうものに関して、もうちょっとそれをほんとうにきちっと見ていくというのも必要ですよね。
 ただ、一方では、生体のように、もっとマイクロメーター以上のところでもちゃんとわかっていないというものがいっぱいあるわけで、そういうものとのレベルの違いというのはそれぞれあるんじゃないか。それは吉川センター長の指摘でございますけれども、やっぱりそれぞれに合わせて、そこでの必要なものをそろえていきなさいということだと思っております。
 大変貴重なご指摘ありがとうございました。今までのサイエンスだけでは、やはりなかなかうまくいかない計測の問題はあると。

【委員等】
 生命、ナノ・物質、環境・エネルギー、この3つの分野についての計測という視点から見ていくと、大体3次元的にリアルタイムで、それで時間の経過を追っている。つまり、4次元的な情報をリアルタイムで得る。それに当たって、非常にミクロ的に考えれば生命あるいはナノ・物質になるし、マクロ的に考えれば環境・エネルギーの領域になってくる。それから、条件の幅がある程度狭い。例えば、36.5度とか、それから濃度やpHが限られている、そういう非常に制約された条件の中にある物質の測定という観点に立てば、それは細胞とか生命物質の計測になるし、かなり温度が100度とか、マイナス何十度とか、大きな幅に耐えられる材料を測定するのならば、それはナノ・物質の領域になる。そういうふうに考えていくと、同じようなものを初めから生命だとか何とかと分けずに、一元的にかなり考えられていくのかなと思いました。

【主査】
 この俯瞰をするという方法論、俯瞰をすることによって全体像を把握し、かつ、その中の言うならば重要事項を抽出して優先順位をつけるというような、そういうねらいをお持ちなんだと思うんですが。

【委員等】
 その優先順位までは難しいです。ただ、ここの部分が非常にニーズがあるということは、アンケートから回答いただいた65%か70%が、やはりライフサイエンスなんですね。そこでの未解決問題に計測を何とか開眼してほしいと。それと、外国製品を使っていると、なかなか自分でいじれない。だから、いじれるようになるためには、日本の製品でちゃんとやれるということが必要だというようなことが書かれているんですけど、実際、もうデファクトスタンダードとして外国製品が使われているわけで、その辺のところはライフ系において大変難しい問題だろうと思うんですね。
 そういう意味で、あと、決めていくためには、日本にはどんな技術が今あるのか、そして、日本の強いところは何なのか、さらには、逆に言うと、日本の遅れているところはどこで、どこの部分を追いついていったら世界に対して国際競争力がつけられるのかとか、そういうもののファクターを入れていかないと、ここから何かを抽出するというのは大変難しい作業だろうと思います。

【主査】
 ご指摘のとおりで、この作業、どういう方向でさらに議論を緻密に構成していくのかというあたりをお尋ねしたかったんですけれども。もちろん大変難しいことだとは思いますが。
 例えば、計測の立場から言いますと、何をはかるのか明確にするということは基本なんですね。逆に、測れるものはこういうものがあると。それから、例えば生命科学で必要としているメジャメントにどこまで迫れるのかという形で、いわばボトムアップでずっと構築していって、ニーズと結びつけるというようなベクトルがあります。
 一方、今回のご発表にありますように、未解決問題というところから課題を抽出していくという見方ももちろんありますが、やはり、かなり分野ごとにもう少し空間を埋めていく、俯瞰図の中のすき間を埋めていって、全体をもう少し形が見えるようにしていただけるとありがたいなという感じを持ちます。

【説明者】
 ありがとうございます。それとともに、やっぱりシーズがどこまで行っているかを必ずしも把握していないんですね。ある分野の人に当たり前のことでも、別の分野では全然当たり前でないわけですから、それをシーズとの邂逅という作業をやはりきちっとしていかないといけない。これについては、むしろこのニーズをいろんなシーズの方にぶつけて、「いや、こんなことできますよ」というようなことが出てくると。そうすると、これはもう新しいものが生まれてくるんじゃないかと私は思っているんですけどね。それはまた次の作業です。

【委員等】
 俯瞰図について、ところどころにグルーピングされていますが、グルーピングしているところに、何か貫くものというのはあるのでしょうか。

【説明者】
 それを引き出すのが我々の仕事と言えます。

【委員等】
 あるのか、それとも、そういう方向性というのは、この図を見ていると、どこか先のところに出てくるのか。例えば、生命をやっている先生方は、おそらく細胞レベルにものすごい関心を持っている。ところが、実際に少し前までの生命科学というのは、形態学とか電気生理というのは、機能と伝導路と、そういうのを見つけていったところなんです。それが、想像していなかったんですけれども、ファンクショナルMRIだとかPETが出てきて、今までそういう電気生理だとか、そういう解析的にやってきた方法では全く見つからなかった伝導路が突然出てきてしまう。
 そういう点から見ていると、こういうグルーピングしたところに、もっとグルーピングしたところをやっぱり集めるような、何かシンポジウムみたいな議論、ワークショップをやって、何かの方向性を見つけていくというのは、1つのあるスタンダードのレベルでやり得る方法ではないかと思います。

【説明者】
 それは非常に重要ですね。実際に戦略創造事業の生体計測領域などを見てみますと、シーズとしてすごく発達しているんですね。また、代謝の方を見ましても、ATPが細胞の中でどんなふうに反応しているのか、カルシウムが来たときにどう振る舞うかをリアルタイムで見ているんですね。GFPとYFPをくっつけて。そういうふうなものがもう出ているにもかかわらず、ある分野では全然知らない。要するに、そういうものをもっと共通化していかないと、なかなか議論が深まらないんじゃないか。そういうふうに思いますね。

【委員等】
 やはりどうしても関心は、1個の細胞とか、分子とか、そういうところに行ってしまって、それでは、2個の細胞、10個の細胞、1臓器はどうなっているかというところへの普遍性がないので、いつまでたってもそういう解析と実際の応用とがつながらかないという、そこのギャップがものすごく大きいんで、その辺をどうするかという方向性がやはり問題になってきそうです。

【説明者】
 なかなか計測に限った話ではないので何とも申し上げられません。

【委員等】
 そうなのです。ところが、実際には、そこをつなぐ計測の機械が1つ出てくると、おそらく劇的に変わってくるという、そういう感じがするんです。だから、そこをつなぐ計測器というのが非常に重要かと思います。

【主査】
 ありがとうございました。それでは、次の議題について、事務局からご説明をお願いいたします。

(2)総合科学技術会議アクション・プランへの貢献方策の検討

  <事務局から資料2、資料3について説明>

【主査】
 ありがとうございました。ご説明のとおり、資料2が、いわばアクション・プラン対応の基本的な考え方、枠組みでございます。この秋に開きましたこの委員会の3回のシリーズの最初の委員会あたりで、この基本骨格を検討させていただいたかと思いますが、各有識者5名の方のご意見を伺ったうえで、再度全体を見直して、このように整理をさせていただいたというものでございます。
 私から補足申し上げることは、資料2の1ページ目の2ポツ、重点的開発が必要な領域。これは委員の先生方お気づきのとおり、従来、本事業では、毎年度重点を置くべき開発領域を設定してまいりました。そのような考え方からいたしますと、アクション・プラン対応についても、そういう同様の考え方で、いわば検討を進めるということになろうかと思います。
 ただ、このアクション・プランに関して言えば、目標は非常に明確でございます。一方、それにどうアプローチするかということに関しては、かなり技術の現状、それから、この施策パッケージの当事者の研究の進め方、研究開発の進め方等に絡みますし、当然、絡まないと意味がないということですから、こちらからその中をさらに細分化して指定するということは避けたほうがよかろうという配慮に基づいておりまして、これ、一見すると何のことはない、施策パッケージそのものなのでございますけれども、大枠の分類で世の中に問いかけをし、具体的なプランは、むしろその分野に詳しい方たちを中心に開発チームを編成していただくというような、そういう呼び水的な考え方をとる、そういうことに基づいております。
 もう1点は、このような貢献策を実施するにあたって考える必要があるのは、本事業の枠組みの中で、いわゆる要素技術開発プログラム、機器開発プログラム、実証・実用化プログラムとございます。その中で、このアクション・プラン対応というのは、政策のねらいからすれば、しっかりした計測システムが実現できて、研究開発を推進するグループに十分に活用していただく必要があります。したがって、従来のプログラムの中からは、機器開発プログラムが相当するだろうというような発想になります。そのようなことを念頭に置いて、ものを考えているというようにおくみ取りいただければと思います。
 本日、有識者として、東京大学名誉教授の増子先生においでいただいておりますが、実は前回、前々回と2回にわたり、5名の有識者の先生からかなりご丁寧なご説明をいただいた上に、さらにこの開発領域のご提案、お考えを伺っているということで、資料3の形で整理させていただいております。委員の先生方もご検討いただいていらっしゃると思いますけれども、やはりかなり技術的に特化した領域の計測技術ということがターゲットでございますので、この分野にお詳しい増子先生に、専門的なお立場からコメントをいただければ幸いでございます。いかがでしょうか。

【委員等】
 この開発領域一覧、非常にいいご提案だと思います。ただ、やっぱり測りたい思いと測るべき量がうまくマッチングするというのが大事だとすれば、おそらくこの提案をまとめてくくって一つの言葉で言うと何かというのをずっと考えていたんですが、私は「異相界面でのパワーフローの計測」ということでどうかと思っています。そういう考えで、少し一つずつパラフレーズしてみたい。
 どうしてかというと、電池というのは、アノードがあって、界面があって、電解質があって、フィルターがあって、また電解質、界面があって、最後に、例えばリチウムイオン電池で一番大事なのはどうかというと、リチウムコバルトO2ではなくて、リチウムコバルト02の正極と、それから、電気を引き出してくるのにアルミのフォイルを使う。これが一番大事で、アルミ以外の金属では、何もないんです。
 そういう一連の、ここにメーターを置いてちゃんとパワーが出てこなければ電池ではありませんので、パワーを出すためには、いろんな界面がずっとございます。そうすると、そこのそれぞれの構造だとか、そこに電気が流れる流れ方だとか、こういうのは一通りみんなわかっています。だけど、その間の界面で電流が流れるだけではだめで、電圧がどのぐらいロスしながらどのぐらい電流が、パワーですね。パワーのフローがそれぞれの幾つもある接合界面でどういうふうに流れるかというのが、「測るべき量」、メジャラントというのがまさにここにある。そうすると、位相界面でのパワーフローを解析する方法なんですが、これ、いいアイデアないんです。今はそんなにみんながはかっていないんです。電流はどうなるとか、電圧はどうなるというのは個々にはかりますが。
 例えば、ナノレベルでの表面・界面の計測。それがパワーフローにどういうはね返り方をするのか。
 それから、大面積基盤上での物性評価、これもいいんであります。それは何かというと、もうこういう電池は2次元反応器ですから、ここと真ん中とあれは全部特性が違う可能性がある。なるべくそれを均一にして使いたいわけで、そのためには、先ほどからあった、どのぐらいの面積でユニットをつくればいいか。例えば、1メーター・1メーターの電池というのはつくれないんです。

 大面積上のというけれども、どのぐらいの面積がコントロールできる最低の面積、それの本当にパワーフローがどのぐらいの不均一さが出るか、そういうことじゃないのかなと。この太陽光と蓄電池を分けておられるのは大変いいことです。

 光照射場における表界面動的計測、電流・電圧特性の高速測定についても、パワーフロー計測にどのように繋げていくかが問題になります。

 蓄電池における固体内反応計測技術。これは固体内で電流がどう動くか。そのときの電圧ロスはどうなのか。このエレメントの中を電流を通す、パワーを通すということは、どのぐらいロスを伴うのか。

 電極界面の計測もそうであります。リチウムやマグネシウムなどの析出時に進行するデンドライト。これもまさにメジャラントをどうつくるかということではないかと思います。

 3次元構造及び計測可視化とありますが、先ほどお話に出ていた4次元的計測、時間を入れたということ、時間が入るということは、結局エネルギーですから、パワーに時間を掛ければエネルギーですから。パワーとエネルギーの区別が重要です。パワーというのは、現在発生して、その場で使わなければ捨てる、これが原則でありますが。使う目的があるときに発生させるのが動力、パワーでありまして、エネルギーというのは、使いたいときにパワーに変える装置があれば、どんどん変える。3次元構造というのは、まさに接合界面が場所によってパワーフローが不均一になるのを同時に測りたいということだろうと思います。

 リアルタイム解析というのは、まさにパワーフローをその場ではかりたいという、こんなようなことだと思います。
ここに書いてあるテーマは、まとめるとしたら、異相界面でのパワーフロー解析かと思います。

【主査】
 ありがとうございました。必要な性能といいますか、それを達成するために何をどういじればいいか、そのうちの何をはかればいいかというところが、このアクション・プラン対応の根っこでございますので、それをしっかりと検討したうえで、ご提案をいただいて、その中から成功するものが出てくることを我々としては期待をするということかと思います。 この課題は、先端計測の事業の1つの成果を世に問うというような位置づけでございますので、詳細な検討を進めたうえでの実施を考えたいということで、制度面の検討、それから内容の検討、もちろん、実際には研究者がそういう研究計画を立てていただくということを、いわば誘導したいわけですので、今後検討を進めていくうえで、委員の先生方のご協力をいただきたいと考えております。
 他にご意見ございますでしょうか。

【委員等】
 先ほど増子先生のご指摘にもありましたように、測りたいものと測るべき量をどう結びつけるか、これが重要なポイントであるかと思います。例えば、もうずばり、それを求めていますというようなことをうたうとわかりやすいかと思います。

【委員等】
 資料2の3.2[開発の推進にあたり、アクション・プラン実現を目指した研究開発プロジェクトとの協力・連携関係を構築できるもの]について、大変重要なキーワードだと思います。もう少しご説明いただけますでしょうか。

【事務局】
 具体的な連携の形としては、実際の研究開発プロジェクトに参画している方との連携など、様々なものが考えられる。研究開発を行っている個々のプロジェクトと何らかの形で協力・連携関係を持ち、最終的な開発成果が研究開発の現場で生かされる。このような道筋が示せるのであれば、様々な協力・連携の形が考えられる。

【委員等】
 JSTは、ALCA等の様々なプロジェクトがあります。そことの関係をどうするのか、大変悩ましい問題が生じると思うんですね。その辺について、ある程度の目安があるといいかと思ったんですけれども。

【主査】
 ご指摘のとおりです。アクション・プランの実施形態というのも、最初から当該分野の方がチームを組んで、場合によっては、そのチームの中に計測部隊を取り込んでいるというケースがあるわけですね。そのチームのある部分を切り取って、ここに出してくるようなことは、本事業の趣旨から望ましくない。排除するという意味ではないのですが、本事業の趣旨がどの程度理解頂いているか、本気で取り組むまれるのか、このようなことが問われるわけです。
 しかしながら、実際に役に立つという意味では、きちんとした連携がとれるチームでないと採択は難しい。このようなことで、協力・連携についてきちんと記載し、その先を考えようということであります。

【委員等】
 今回のお話は、アウトプット、ターゲットが非常に明確だということで、機器開発プログラムに相当するということですが、要素技術の方にも少し裾野を広げるという意味で、取り上げて、それを有機的な連携が組める形にシステム構築できればとも思いますが、いかがでしょうか。

【主査】
 ご指摘の通り、新しい要素技術を開拓しないと本物ができるかなという印象を持ちました。そうであれば、プログラムを限定する必要はなかろうと。実際、アクション・プランというのは、10年先を狙っており、成果はなるべく早く欲しいのですが、要素技術をつくりシステムを組むということも、期間としては可能です。そういう意味で、ご指摘の点はごもっともと思います。

【委員等】
 研究開発現場での利用のニーズにこたえる、これしかないのでは。研究開発現場が望むものを測るということが重要なポイントではないでしょうか。

【委員等】
 開発現場の方々が研究プラットフォームのような場で議論していくことが重要だと思います。同時に、開発現場で行っていることは基礎科学で、その基礎科学のニーズを俯瞰するようなことを、資料2の2.「重点的開発が必要な領域」における表現に織り込んではどうかと思います。

【主査】
 ありがとうございます。何が求められているのか提案者の方々に伝わるように、例えば資料3の記述の中で適切なものを例示するようなやり方など、検討していきたいと考えています。

 それでは、議題3でに進めさせて頂きます。まずは、事務局からご説明お願いいたします。

(3)知的創造プラットフォームの構築について

  <資料4、資料5について事務局から説明>

【主査】
 ありがとうございます。それでは、ご意見等お願いいたします。

【委員等】
 資料5において、支援対象機関は大学及び独立法人等の公的研究機関に限定すべきとありますが、計測ニーズ、最先端の機器は民間にもあると思います。民間が除かれるという背景、この辺りについてご説明頂けますでしょうか。

【事務局】
 資料5の内容は小委員会でご議論頂きたい論点なので、正しいかどうかも含めてご検討頂きたいと思っております。
 民間企業が、技術的に優れているからといって、必ずしもプロトタイプ機を全て実用化していくというわけではないと考えたときに、どちらかというと、大学や独立行政法人等、民間企業ではない方が開発したものが、基本的には中心になるかと思っております。
 ご指摘のとおり、民間企業で開発したもので実用化につながっていかないものをどうするのか、もちろん問題としてはあるかと思っております。ただ、民間企業が負担をしてプロトタイプ機の実用化を行う、既存のプログラムの趣旨も損なわないように、実用化が難しいプロトタイプ機を新しい枠組みの中でうまく行っていく必要があると思い、問題意識として述べております。

【委員等】
 企業が参加するけれども、ユーザーとして参加するというのがプラットフォームで、ディベロッパーとして参加するのがプログラムの方だと。これは明確に切り分けられるのではないでしょうか。
 プロトタイプを開発するのが仮に企業であっても、このプラットフォームにそれを乗せて、使ってもらいユーザーの反応を見る、PRの場として使う等、ニーズはあると思います。特に開発した機械が非常に新しいと、どう使ったらいいかわからないというユーザーがいっぱい居る。そういうときに、知的創造プラットフォームで非常に先端を走っているユーザーが使ってみせて、これがいかに有効かというのを示し、広く普及していく。そういう過程で実機が売れ出すというようなこともあり、明確に切り分けられると思います。特に大学に限定する必要もないのではないかと思います。

【主査】
 性格が違う点をわかりやすく説明できれば、民間の拠点を排除する必要はないという結論になる可能性はあると思います。 

【委員等】
 プロトタイプ実証・実用化で開発している日本電子のマルチターン質量分析装置は幅広い用途が想定されるため、北大に設置するより、日本電子に設置し、外部に使ってもらって、世の中に出せるようになると良いと思います。支援機関は大学に限定しない方が良いのではないでしょうか。企業が商品化を計画し、その中でニーズもくみ上げていけるし、装置の改良もできる。次の新しい飛躍、発展のために、装置の設置場所も非常に大事です。
 また、装置の開発に携わった方をオペレーターなどの形でつけ、維持費とその維持管理費をつければ、さらに活用が進むのではないかと思います。

【委員等】
 ネットワークのつくり方、具体的な費用等をきちんと決めて、例えば大学の先生や研究機関の人だけやっていたのでは、事業化は難しい。事業化ということを文部科学省が言うということは、企業が国の支援でプロトタイプをつくり事業をしようという思いでやっている企業にとっては、国の税金を投入しているのですから、ほんとうに事業化させなければいけないのです。
 そのような面で、さまざまなもっと細かい具体的な仕組み、人員構成等、きちんと検討していく必要があると思います。

【主査】
 この論点について、私もかなり網羅的にきちっと論点が挙げられていると思っておりますが、一つ一つどう考えるかという枠組みづくりの判断、それには、多くのご意見をいただく必要があると思っております。
 一方では、少し集中的にまとめ上げる作業が必要ではないかとも思います。今回のこのプラットフォーム構築、これは大変な作業でございまして、知的創造プラットフォーム構築に関するタスクフォースを設置させていただければと考えております。限られた時間に成案に持ち込むためには、やはり少し少ない人数で集中的な議論をし、素案をつくったうえで委員会にお諮りするというサイクルを考えたほうが、来年度計画に向けてまとめ上げるには有効かと考えております。
 それでは、どうもありがとうございました。本日はこれで終了させていただきます。

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