総合科学技術会議が平成22年8月に策定した、「平成23年度科学・技術重要施策アクション・プラン」(以下「アクション・プラン」という。)において、産学イノベーション加速事業【先端計測分析技術・機器開発】(以下「本事業」という。)は次の2つの施策パッケージの中に位置づけられている。
また、アクション・プランでは、平成23年度に特に実施すべき事項として、「文部科学省は経済産業省の施策等で生じた基礎研究への立ち返りが必要となった課題の解決に向けた先端的・革新的研究開発を実施する」こととされている。
このため、以上の内容を踏まえつつ、アクション・プランへの対応に向けた平成23年度の本事業における新規開発課題公募等については、以下の方針に基づき進めていくことが適当である。
総合科学技術会議による「アクション・プランの施策パッケージの概算要求とりまとめ」等を踏まえ、「アクション・プランに掲げる、太陽光発電、蓄電池または燃料電池の飛躍的な性能向上と低コスト化を目指した研究開発プロジェクトの成果創出に資する先端的な計測分析技術・機器開発を行い、研究開発現場での活用促進を図る」ことを目指すこと。
異相界面※におけるパワーフロー現象解明のための計測技術
-太陽光発電、蓄電池/燃料電池の飛躍的な性能向上と低コスト化を推進するための先端計測分析評価技術-
※ 物質の状態が異なる層の界面及び異物質間の界面
(1)アクション・プランに掲げる太陽光発電、蓄電池または燃料電池の飛躍的な性能向上と低コスト化を目指した優れた研究開発成果創出を図る上でのボトルネックとなっている計測分析技術・機器のうち、研究開発現場の利用ニーズに応えることが可能で、かつ、高い独創性・新規性が認められる開発課題とすること※
※ 公募要領等の中に期待される効果を例示すること等により、応募者サイドに対し本件開発趣旨(狙い)が適確に伝わるよう工夫すること
(2)実施にあたり、アクション・プラン実現を目指した研究開発プロジェクトとの協力・連携関係を構築できる開発課題とすること
(参考 別添1「太陽光発電、蓄電池/燃料電池 提案開発領域一覧」)
応募課題の選考に当たっては、太陽光発電、蓄電池及び燃料電池関係の研究開発の現状・課題等について知見を有する専門家を評価委員に追加するなど、開発課題の評価が適切に行える体制を確保するとともに、次の(1)~(7)の観点を考慮した課題評価を行うこと。
(1) 開発を行う技術・機器に新規性・独創性があり、かつ、アクション・プランの施策パッケージの成果目標達成への貢献が見込まれるものであること※
(2) 太陽光発電、蓄電池または燃料電池関係の研究開発において、利用される分野、ユーザーが明確で、研究開発現場の利用ニーズに応えるものであること
(3) 研究開発現場での活用に至るまでのプロセスが明確で、本事業の支援終了後、速やかに研究開発現場での活用が期待できること
(4) 開発構想の実現に向けた科学的・技術的な見通しがあること
(5) 具体的かつ実施可能な開発計画が立案されていること
(6) 開発計画の遂行に必要な実施体制を構築できていること
(7) 知的財産権の管理体制が明確になっており、取得やライセンスの方針が適切であること
※ 詳細な技術レビューなど、適切な評価に必要となる情報を提案者から求めることも必要
(参考 別添2「既存プログラムの評価の観点」)
アクション・プランへの貢献を目指した上記の開発は、1.で示したように「研究開発プロジェクトの成果創出に資する先端的な計測分析技術・機器開発を行い、研究開発現場での活用促進を図る」ことを目指すものであることをふまえ、プロトタイプ機の完成を目指した「機器開発プログラム」の現行の枠組みをベースとしつつ、応募条件、評価の観点など「機器開発プログラム」とは一部異なる点についても十分に留意し、公募及び課題評価を行うこと。特に、公募の際には、既存プログラムと異なる点について、提案者が理解できるよう、十分な周知を行うこと。
重点開発領域として定めている現行領域については、領域特定を継続し、我が国発のオンリーワン・ナンバーワンとなる計測分析技術・機器の創出につながる開発課題を公募により広く募集することで、優れた開発課題の採択に引き続き務めること。
(参考 別添3「機器開発プログラム領域特定型の応募・採択状況」)
研究振興局研究環境・産業連携課新技術革新室