知的基盤整備委員会(第19回) 議事録

1.日時

平成19年6月28日(木曜日) 16時30分~18時30分

2.場所

キャンパス・イノベーションセンター(東京地区) 2階 多目的室4

3.議題

  1. 知的基盤整備計画について
  2. その他

4.出席者

委員

 澤岡、漆原、大川、大野、長我部、小幡、久保田、小原、齋藤、二瓶(正)、二瓶(好)、根岸、藤田、松尾、御園生 各委員

文部科学省

 藤木大臣官房審議官、佐野研究環境・産業連携課長、井出研究環境・産業連携課長補佐

オブザーバー

 吉田経済産業省知的基盤課長

5.議事録

【主査】
 定刻となりましたので、ただいまから知的基盤整備委員会の第19回の会合を開催いたします。本日は、前回第18回会合にいただきましたご意見等を踏まえて、知的基盤整備計画につきまして、事務局の方で大変苦労して案をまとめております。事務局より前回からの変更点を中心に説明をいただき、皆様のご意見をいただきたいと思います。それでは、早速資料に基づいて説明をお願いします。

【事務局】
 それでは、前回からの変更点を中心にご説明させていただきたいと思います。

(事務局より資料を基に説明の後、質疑)

【主査】
 ありがとうございます。それでは、お気づきの点、また改めた方がいいと思われるご意見などにつきまして、何ページからということはございませんので、どうぞご自由に発言をお願いいたします。中核的な機関として表現が大変難しかったわけでありますが、領域における中核的な役割を担う機関等に対して、「知的基盤の一層の整備を進めている」という表現で進行形の形をとって、ナショナルバイオリソースプロジェクトについては、近い将来、知的基盤の中核的な役割を担う機関になってほしいという、そういう願いを込めた表現に改めます。
 どうぞ、ご発言のほどをお願いいたします。

【委員】
 計測方法・機器等の整備の状況のところで、計測方法・機器等が海外に依存しているということで、その例として括弧の中にDNAシーケンサーというのが挙がっている。これは100パーセント国内生産で、OEMで海外企業から出している。その意味では国内生産であるということと、日本のプロジェクトにおいて、日本で発明されたというものでございますから、表の中では輸入という形で出てくると思うんですが、明示するには余り適当ではないというふうに考えるが、いかがでしょうか。

【主査】
 もともと国内企業が発明したものを、こういう形で輸入品扱いにするのは、表現としてはいかがかというあたり、表現に少し工夫する必要が多分あると思います。

【委員】
 国内でできたものが、一回アメリカへ行ってそれをまた輸入するということになっている。ただ、いつも機器のときに問題になるのは、要素技術だけは非常にすぐれているのだけれども、試薬から始まってソフトウエアまで全部をパッケージにしたものとしては、なかなか我が国のものが使いにくいということが指摘される。その結果、このようになったのです。国内の要素技術ところは本当にすばらしいものがあるというところは、強調したい。

【委員】
 関連のデータを調べてみますと同じような問題がほかの装置にもある。これからは、そういう意味での問題点がふえるのではないかという感じを持っています。日本の特許が、要するに特許を買って外国の装置メーカーが製造すると、それで売る。ですから、本来、日本発の装置であるものが外国の製品として世界中で売られている。統計的には日本も輸入する形にならざるを得ない。こういう議論のときにどういうふうに整理すればいいのか。本当は大事なものはもちろん一つ一つちゃんと調べて、それを明らかにすべきですけど、だんだん増えてくると見分けがつかなくなることがありますね。

【委員】
 産業活動がかなりグローバルになってまいりましたので、技術や販売チャンネルをどこの国で調達するかというのは、かなりいろいろな国の組み合わせになってきて、単純に輸入なのか輸出なのかというのは本当にはかり切れなくなる。これもかなり典型的な例じゃないかと思う。そのような事態そのものは多分事実でございますから、その中でどうやって技術開発をして、かつ日本の製品にしていくかというところが重要ではないかと思います。

【主査】
 国内で全部やった方がいいのか、そのあたりの戦略ですね、物にもよると思うのですが。むしろ皆様ご専門のお立場からご意見を伺いたいと思います。

【委員】
 先端機器というのはやはり新しい学問分野を生み出す。先端の本当の機器開発、それをもとにした新しい研究開発の分野の創出ということを国内でやっていかないといけないので、そのためにはどうしたらいいかということが大事かなと思いました。

【委員】
 やはり取り組みが弱かったということが反省すべきことで、調達等々がグローバルになったということはあるものの、やはり国内の他の計測機器に関して言えば、その芽もなくなっているというのが現状でございますから、そういう意味では極めて憂慮すべき事態だという認識は持っております。

【委員】
 やはりそういうものを開発する力というのは、きっと日本の科学技術全体の足腰であろうと思いますので、それは知的基盤の、多分、その体制側の部分では非常につながるところがあるのかなと感じましたので、可能であれば入るといいのかなというふうに思いました。

【委員】
 計測機器等の共用促進と共用計測機器等の情報提供というところで、共用を促進するというようなところがありますが、今、ナノネットで、拠点化をネットワーク化して、さらに共用を促進するというような動きを進めていると理解しております。そういう意味では、拠点間のネットワーク化により、より共用を促進するとか、あるいは使いやすくするといった観点を盛り込んではいかがかなと思う。

【主査】
 もう少し例を挙げてご説明いただければ。

【委員】
 例えば、第1期はナノテク支援事業という形でやっていたのですが、それは例えば大型の電子顕微鏡を持っているところにファンディングをして、補助員をつけて産業界なり大学なりの人が使いやすくする。第1期はそういう形でやったのですが、第2期はそういうものをもうちょっとネットワーク化して、一つのところに利用者が来たときにほかの施設も紹介してあげられるようなネットワークとか、あるいは使い方に関しても、同じような機器類を持ったところが横に連携して、お互いに知恵を交換し合うというようなネットワークをもうちょっと推進することによって、より便利であり、かつその分野も盛り上がるというような取り組みを今始めております。ここも多分そういうことになっていくと思いますので、何か文言に入れてはいかがかなと思う。

【主査】
 全般の部分はナノテク支援センターがあって、そこが中心になってやっている、あのナノテクの事業を指されているわけですか。具体的にそういう計画が進んでいるのでしたら、ナノテクの事業についても書いた方がいいと思いますが。

【事務局】
 ナノネットは、先端研究施設共用イノベーション創出事業の中に、2つのメニューとして産業戦略利用とナノネットワークと2つございます。その中のトータルの窓口として、産業界と研究者の共用を促進するためにポータルサイトというものを全体の構築という形で、そこから窓口としてネットワークを広げていくということで記載しています。

【主査】
 もう既に書いてあるというわけですか、非常に抽象的ですね。

【事務局】
 予算としては、18年度までやってきたナノテクネットワーク事業を、産業戦略事業とともに先端研究施設共用イノベーション事業に含めました。ただ、今おっしゃった、ネットワークでこういう形でやっていくことが重要というのは、この事業の中身を、少し説明するような形の文言を入れるようにいたします。

【事務局】
 それまでナノテクネットのみならず、ほかの産業分野でも、ほかの分野でも非常にこういう考えは重要だということから、広げてこういう包括的な名前になっています。これはわかりにくいので、この事業が目指すところは何かという注釈をきちっと入れたいと思います。

【委員】
 特にライフサイエンス分野においては統合データベース構築の必要性が指摘されており、国が主導的に推進することが重要とあります。これはこのとおりなのですが、実はもう既に文科省でも一部始まっているので、何もしていないということにならないような表現にしてはいかがか。

【主査】
 お寄せいただいた意見をにつきましては、事務局と相談しまして、主査の責任において修正させていただきたいと思いますので、お気づきの点はどんどんお寄せください。その後、パブリックコメントに出したいと思います。

【事務局】
 7月に入りましたら、本計画をパブリックコメントにかけさせていただきたいと思っております。その結果、かなり大きな修正が入るようでしたら、もう一度、こちらの委員会を開催させていただきまして、また余り大きな修正が入らないということであれば、このまま主査にご一任いただくということで、9月上旬に科学技術・学術審議会の技術・研究基盤部会に提出し、こちらで取りまとめいただいた後、科学技術・学術審議会の総会に報告をしたいというふうに考えております。

【主査】
 この上の部会で決定するという形になりますので、お気づきの点は事務局の方へどんどんご指摘いただきたいと思います。

【事務局】
 これから整備計画2010年が目標になっておりますので、その時点で着実に目標が達成されるよう、行政としても関係省庁ともよく連携いたしまして取り組んでまいる所存です。

お問合せ先

研究振興局研究環境・産業連携課

(研究振興局研究環境・産業連携課)