令和8年2月12日(木曜日)10時00分~12時00分
文部科学省東館15F科学技術・学術政策局1会議室及びWeb会議(Zoomウェビナー)
科学技術・学術審議会 技術士分科会(第52回)
令和8年2月12日
【佐藤分科会長】 皆様、おはようございます。皆様お集まりのようですので、ただいまから第52回技術士分科会を開催いたします。本日は御多忙の中御出席くださいまして、誠にありがとうございます。
まず、議事に入ります前に、本日の委員会開催に当たり、事務局から注意事項と資料確認をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
【益田補佐】 それでは、本日は、対面とオンラインの形式を併用するハイブリッド形式で開催しているところ、対面で10名の委員、オンラインで6名の委員、計16名の委員の方々に御出席いただいております。定足数は満たしております。
御発言の際には、対面で御出席の委員におかれましては、挙手または名立てなどで合図を、オンラインで御出席の委員の方々におかれましては、挙手ボタンを押していただくようお願いいたします。分科会長より指名を受けましたら、お名前をおっしゃった上で御発言ください。
続きまして、配付資料の確認をさせていただきます。お手元の議事次第をお配りしておりまして、それに基づいて確認いただければと思います。
まず、資料1といたしまして、第51回技術士全国大会開催報告、資料2といたしまして、技術士の資格活用及び制度普及拡大方策検討に資する技術士資格の認知度及び活用事例に関する調査中間報告、資料3といたしまして、技術士制度におけるIPD事業の構築に向けた取組状況について、資料4といたしまして、「産業・科学革新人材」の育成・確保に向けて、参考資料1としまして、委員名簿、参考2として、審議会関係法令等抜粋、参考3としまして、分科会運営規則、参考4といたしまして、修習技術者IPDガイドライン、参考5としまして、修習技術者IPDマニュアル、参考6といたしまして、今後の科学人材政策の方向性(中間まとめ)概要となっております。もし過不足等ございましたら事務局までお申し付けください。
本日の分科会の議事及び資料は公開の扱いとなっております。議事録につきましては、後日、分科会長が確認した上、文部科学省ホームページで公開しますので、御承知おきください。
事務局からは以上です。
【佐藤分科会長】 ありがとうございました。
それでは、議題の1、第51回技術士全国大会の開催報告に移らせていただきます。日本技術士会九州地域本部、佐竹本部長からオンラインでの御説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
【日本技術士会】 おはようございます。九州本部長の佐竹でございます。
それでは、今、映っております1ページ目ですけども、10月25日から28日に開催いたしましたので、この報告をしたいと思います。
2ページ目をお願いいたします。第41回が九州本部で、福岡市でやりまして、今回51回が約10年ぶりに九州で行われました。今回は熊本市で行いました。各地域を持ち回りでやっておりますけれども、途中に横浜とか東京でやっているのは、統括本部のほうで開催しているものでございます。
それでは、次のページお願いいたします。全国大会のテーマとしましては、「かたろう技術のミライ つなごう技術のチカラ」ということで、今、混沌としている世の中でございますけれども、技術の未来を語ろう、それから技術の力をつないで未来に向かって更に発展していこうということで行いました。それから熊本を選んだのは、2016年に熊本地震がありました。それから2020年には球磨川流域で豪雨災害がございました。それから、半導体の企業であります台湾のTSMCが菊陽町に工場建設しておりますので、そういう面で、熊本、政令指定都市でございますが、熊本で行うようにいたしました。
次の4ページをお願いいたします。会場の様子でございますが、一応、熊本城ホールという都心の市役所に近いところで、併設でバスターミナルがあるようなビルがありますが、この会場を主会場としましたけれども、この会場でほとんどの会議ができました。展示会の技術展示も行っておりますけれども、写真にあるとおりでございます。
次のページをお願いいたします。10月25日は前日でございますが、関連行事ということで、専門部会と関連の委員会が3つ行いまして、合わせて14の委員会・部会を行いました。午後です。それから、夕方はウェルカムパーティー、これは全国大会に参加される方を歓迎するパーティーを行いました。それから26日が本番でございまして、午前中は分科会、それから午後は式典、記念講演会、夜は交流パーティー、その日は技術展示も1日中行っております。それから、パートナーツアーということで、奥さんたちが参加するツアーも行っております。それから27日は、テクニカルツアーAというのをやっております。それから27日、28日と1泊2日で、テクニカルツアーBというのをやっております。それから、関連行事の部会等では、見学会も3つの部会が行っております。あとは、講演会とか会議をやっておりますけども、活発に行われました。
次のページ、お願いいたします。これはウェルカムパーティーのときの様子でございますが、アトラクションとしまして、ボーカルとギター演奏をしながら皆さんに楽しんでいただきました。
次のページをお願いいたします。10月26日の午前中ですけれど、4つの分科会を行いました。防災、青年、地域開発、それから人材育成ということで行いましたけれども、大体9時から12時ぐらい、4つの分科会を同時に行いました。1つ目は、2020年に球磨川流域で豪雨災害がありましたけども、それを中心にいろんな議論をいたしました。今後の防災についての話でございます。それから、第2分科会のほうでございますけれど、これは青年委員会が中心になりまして、今後の青年がどういうふうに対応していくべきかということで、変わる力を持たなきゃならないということで、それでプロフェッショナルの方を呼んで議論いたしました。病院関係の人が多いんですけれども、DXを使ったり、ITを使って病院の経営改善をしているというようなことを例題にしながら分科会を開きました。それから第3分科会は地域の開発ということで、半導体産業が集積しておりますので、それを利用した地域の将来をどうやって、やっていくかということで、技術の力を使ってやっていこうということで行いました。この中では、GDPだけではなくて、今後は新国富指標とかウエルビーイング、そういう観点からも見た地域開発をやっていく必要があるんじゃないかという議論が出ました。それから、第4分科会は人材育成でございますが、これももちろん半導体の産業でも非常に人材が必要でございます。また、工業団地みたいなのも必要でございます。特に理系の人材をいかに育成するか。この中では、国際的な通用性のあるエンジニアを育てなきゃいけないという観点で、そういう基準に基づいた人材育成が必要ではないかということで、外国人もいっぱい来ますので、そういう観点で議論をいたしました。
次のページをお願いいたします。式典でございます。午後は式典をやりましたけれども、この中では、特に来賓の方につきましては、文部科学大臣をはじめ、4つの国の機関、それから大学の代表としまして、熊本大学の学長、それから地元の県知事さんの挨拶等を、来賓の挨拶としていただきました。それから、この中で大会宣言というのをやっておりますけども、いつも大会宣言を技術士全国大会ではやっております。技術士の活動のさらなる発展に寄与することを誓うということで、3つぐらいの大会宣言をいたしましたけども、例えば、持続可能な解決策を築きますというようなことの宣言をいたしております。その後、記念講演をやっております。
次のページ、9ページお願いいたします。ここに来賓の方の紹介をしておりますが、国の機関では、あと、そのほか全部で6人の方、環境省の方、それから林野庁の方も、局長さんも入ってきております。それから熊本市長さん、大学関係等では5人の来賓の方を、熊本大学をはじめ、熊本高専の校長先生も来賓として参加しています。一般社団法人もございますが、全員で17人の方を来賓として来ていただきました。
10ページをお願いいたします。記念講演でございますけれども、九州大学名誉教授であり、また、熊本大学の名誉教授でございます松田泰治先生にお話をしていただきました。熊本地震の教訓に学ぶということで、また、さらなる創造的復興に向けてということでお話ししていただきました。松田先生は熊本地震の当時、熊本大学の教授をしておりまして、また、土木学会の地震災害緊急調査団長も務めた方でございます。
11ページをお願いいたします。その後、来賓の方も入った交流パーティーを行いましたけれども、これも342人の参加がございました。この中では、鏡割りとかアトラクションで山鹿灯籠踊り、それからアンサンブル演奏ということで、バイオリン、クラリネット、ピアノを演奏しながら皆さんの交流を深めていただきました。
それから、12ページをお願いいたします。これからはツアーでございますが、パートナーズツアーは県北の方へ行っていただきまして、山鹿灯篭民芸館の見学をしたり、八千代座というところにも行きましたけれども、これは国指定の重要文化財で芝居小屋です。江戸時代の歌舞伎小屋の様式を今も伝えておりますが、明治の後半に建てられた建物でございます。そういうところも行きました。それからテクニカルツアーAは阿蘇方面ということで、阿蘇の熊本地震の復興状況ということで行きました。それから被害を受けた阿蘇神社とか新阿蘇大橋、新しく架け替わりましたけど、そういうところに、あと、熊本県防災センター等に日帰りで参りました。
次のページ、お願いいたします。テクニカルツアーBというのは、1泊2日の2日間のコースでございますが、球磨地方の方です。被災地のほうでございますが、ここでは、豪雨災害のあった現場を、復興状況を見学しております。それから2日目は国宝であります青井阿蘇神社、これも被災を受けましたけど、復興のところを見ていただいています。それから国宝の通潤橋、これは江戸末期につくられた農業用水橋です。その石造りの橋も見ていただいております。それから、あと熊本の防災センター等を見ていただきました。
14ページと15ページを最後にお願いいたします。ここに参加者の状況を書いておりますが、分科会ではトータル的に4つの分科会を合わせまして414人、式典では474人、記念講演等では456人。あと、ツアー関係はバス1台をそれぞれ仕立ててやっております。総計で627人の参加をいただきました。前回、福岡で10年前やったときよりも100人も参加者が多く、盛況でございました。参加者は、地域本部別は下に書いているとおりでございます。
以上が報告でございます。よろしくお願いいたします。
【佐藤分科会長】 どうもありがとうございました。ただいま御報告いただきました内容について、質疑等ございましたら御発言いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。どうぞ。
【前田委員】 前田です。ちょっと変な質問かもしれませんが、パートナーズツアーというのがありますが、この参加者は女性だけだったのでしょうか。
【日本技術士会】 パートナーツアーは、式典のときに奥さん同伴で来ている技術士の方に向けて、式典とか記念講演会を聞くよりは見学をしたいという方を対象に、毎回通例でございますけれども、奥さんたちを案内するツアーを同じ時間帯で行っております。
【前田委員】 ありがとうございます。ただ、女性の技術士の方も男性のパートナーが参加できるような企画があってもよいのかなと思った次第です。
【佐藤分科会長】 ほか何かございますか。
【日本技術士会】 その参加者は自由でございます。男性でもですね。
【佐藤分科会長】 ありがとうございます。ほか何かございますでしょうか。よろしいですか。よろしければ、この御報告はここまでとさせていただきたいと思います。佐竹本部長、どうもありがとうございました。
【日本技術士会】 どうもありがとうございました。
【佐藤分科会長】 それでは、議題の2、技術士資格活用促進及び制度普及拡大方策検討に資する技術士資格の認知度及び活用事例に関する調査、中間報告に移らせていただきたいと思います。文部科学省技術士制度に関する委託調査として現在、有限責任監査法人トーマツ様に実施していただいているところ、中間報告として、調査の概要等を古川シニアマネジャーから御説明をお願いしたいと思います。それでは、よろしくお願いいたします。
【トーマツ】 ありがとうございます。改めまして、トーマツの頼永と申します。どうぞよろしくお願いします。
弊社、昨年度の調査を受託いたしまして、去年は、昨年度はIPD制度とか、そういったところを中心に調査いたしましたが、今期も継続して調査を実施させていただいております。今期は、その中で資格の活用促進とか普及に係る方策について、現在、デスクトップ調査を中心に進めておりまして、この後、ヒアリングを行っていく予定でございますけども、現在までの情報をまとめた中間報告という形で、本日実施させていただければと思います。
では、内容のほうはシニアマネジャーの古川のほうから御説明いたします。
【トーマツ】 それでは、内容について簡単に御説明させていただきます。資料2枚めくっていただいて、4ページ目のスライドを御覧いただけたらと思います。
まず、調査の背景としてこちらに書かせていただいております。我々、今回の調査の業務を12月から受託させていただいて、技術士制度の活用促進という形で、その一環として、制度の普及拡大に資する広報手段であるとか、それに当たっての課題というのを調査させていただいております。目的のところに赤字で記載させていただいているとおり、文科省様のほうでは、こちらに記載させていただいているような8つの観点から技術士制度の普及拡大に向けた議論というのを引き続き進めていただいているものと思っております。2つ目の四角のところの赤字ですけれども、今後、技術士制度の活用促進や普及拡大を進めるために、技術士制度の社会的認知度の向上のみならずそのインセンティブを高める仕掛けを検討する必要があると考えていらっしゃると認識しております。
そういった中で、我々としては、そういった活用促進、普及拡大を進めるための現状の調査と今後の課題、認知度向上のための広報手段の有無というものを調査させていただくことを実施させていただいているという状況でございます。下段のところに調査している内容を3つに書かせていただいております。丸1番が、今後活用が想定される調査先の識別と現在における活用状況、今後の活用促進に当たっての課題の把握です。丸2番については、他の資格における活用状況ですとか技術力評価への反映方法に関する事例の収集と、今後の技術士制度の反映の余地の検討ということでございます。丸3番として、今後の活用促進に資する広報手段の検討ということで、この3つを検討させていただいているところでございます。
5ページ目のスライドにいっていただけたらと思います。そういった内容を踏まえて、今日、御報告させていただく内容としましては、(1)と(2)というところで書かせていただいております。先ほどの説明との関係で言いますと、今後の活用促進に向かっての課題の把握ということで、まず、デスクトップ調査という形で机上調査を実施しているのと、あとは、これは今後実施するものになりますけども、ヒアリング調査を実施するためのヒアリング先の選定と、その依頼というところをさせていただいています。そういった調査の中で、今、調査している結果として報告させていただくべき内容を、今日の報告の対象とさせていただけたらと思っております。今後、そういった事例を踏まえて、どういった広報活用方策が考えられるのかですとか、具体的に広報手段として考えられるコンテンツの例はどういうものがあるのかというところを、3月末までの業務の期間の間で検討させていただいて提案をさせていただく予定で考えてございます。
次めくっていただきまして、7ページ目のスライドでございます。まず、7ページ目と8ページ目のところで、今、御説明させていただいたような普及促進に資するデスクトップ調査をするに当たって、どういった技術部門を対象にしているのか、それをどのように選定しているのかというのを簡単にまとめさせていただいております。結果的に、重点的に調査の対象としている部分というのが、7ページ目の右側のヒアリング対象部門のところに書かせていただいている技術部門になっております。どういった絞り込みをしているのかといいますと、技術士の方の登録者数ですとか受験者数、そういった公表されているデータとともに、技術士会さんですとか文科省さんのほうで把握されている技術士と競合する資格の数ですとか、技術士資格を持っていると優遇される資格の有無、そういったところで技術部門ごとに分析しまして、今後、普及促進に資する部門として、幾つか右側のところで選定させていただいていると考えております。基本的には、技術士の数があまり多くない技術部門ですとか、優遇される資格が少なかったり、あるいは、同じように競合資格とされている実務上の関連する資格、そういったものが多い技術部門や、人数が小規模の技術部門等が中心に選定されていると理解していただけたらと思います。
8ページ目のスライドに今、御説明させていただいたような、対象の部門の絞り込みを簡単に表にまとめさせていただいているものになっております。こちら細かいところは後ほど御参照いただけたらと思いますけども、先ほど御説明したとおり、数ですとか関連する資格の有無ですとか、その数といったところをベースに一番下の黒丸で示している部署を、技術部門を調査の対象として優先度高めに調査させていただいていると考えております。建設部門にも丸をつけさせていただいておりますけれども、逆に普及促進が比較的ほかの技術部門と比べて進んでいると考えられる技術部門として、ベストプラクティスみたいな事例がないかどうかという観点でも検討させていただいていると。そういう意味で、建設部門も対象に含めさせていただいていると考えております。
以上が調査の手続として、どういった観点で調査をしているのかという簡単な御説明でございました。
9ページ目以降のところで、今、調査している段階で分かっていることといいますか、収集してきている事実ベースでの情報ということを簡単にまとめさせていただいているスライドになっております。9ページ目のスライドが、この後、ヒアリング調査の対象として、民間企業と官公庁、公共団体、それから高等教育機関と、3つの軸で分けて調査をしている形になっています。9ページ目のスライドでは、それらを踏まえて、現時点でまとめると、こういった考え方があるんじゃないかというのをまとめさせていただいているスライドです。全体を通して、現状の調査状況を踏まえた考察としてまとめさせていただいているのが3点記載させていただいているものです。
1つ目が技術士資格の認知度ということで、もともと技術士の登録者数ですとか受験者数、そういった規模が小さい技術部門を調査の対象としているというところも前提としてあるんですけれども、なかなかデスクトップ調査の過程で、ホームページ上の事例等で個別に、資格を認知するための情報ですとか、資格を募集していくための各企業の情報、そういったところはなかなか限定的になっているのかなと思っております。官公庁や公共団体、教育機関においても、建設部門以外の技術部門においては、なかなか入札要件ですとか技術力評価の中に、技術士の資格を持っていることというのが必須条件になっているような事例というのは限定的なのかなと思っておりますのと、教育機関においても、JABEEさんの認定プログラムというのがあるかと思いますが、小規模の技術部門さんにおいては、プログラムとの関連性は当然あると思っているんですけども、なかなかそこのひも付けというところでどのように対応しているのかどうかというのは、もうちょっと調査を進めて、それが技術士資格の認知度にどういう影響を与えているのかというのは今後、調査させていただく必要があるかなと思っております。
2つ目として、技術士の専門性と活用機会・現場ニーズの酌み取りと書かせていただいております。ここでは、実際に技術力を要する現場で活躍されている皆様の中で、結果的には現場での経験ですとか実務上、より配置要件として優先されるような関連する資格の取得を優先されているケースがあったり等の事例がございまして、専門性としては、非常に有用な資格である一方で、足元、現場の実務で活用される資格ということでいうと、場合によってはほかの資格の取得のほうが優先されてしまうということが、普及の拡大における課題の一つとして今、考えられるのではないかなと考えているところです。
3つ目としては、人材育成とキャリアパスと書かせていただいております。技術士の資格取得を目指す人材育成体制やキャリアパス、若手や中堅の技術士を目指される方、あるいは技術の現場で活躍されている方への支援の十分性、そういったところを視点に調査させていただくと、民間企業においては、大手の企業については一定の技術士の方がいらっしゃって資格の取得ですとか、IPD、CPD関連の支援というのも充実しているものかと思っております。逆に言うと、それ以外の一般の企業に関しては、特にそういった支援制度というのが公的に整備、運用されている事例というのは少なかったかなと思っております。公共団体や教育機関においても、特に若い学生さんですとか、これから目指されていくような、現場で働いている若い方に向けての活用事例の共有ですとか、キャリアモデルに関する広報というのは今、既にやっていただいている部分ももちろんあるかと思うんですけども、今後、より広報として広めていくターゲットとしては、そういった若い方に刺さるような広報をしていく必要があるのかなと考えておりますのと、あとは教育機関においても、学生をはじめとした、これも技術を磨こうと考えていらっしゃる方に、技術士という資格自体をより認知してもらうための活動というのが必要になってくるんじゃないかと考えているところでございます。
9ページが全体をまとめさせていただいているスライドになっておりまして、10ページ目をめくっていただけたらと思います。10、11、12で民間企業における課題と公共団体における課題と、あと高等教育機関における課題ということでそれぞれ分けさせていただいております。文字が多くて恐縮なんですけれども、簡単に御説明させていただくと、10ページの民間企業における課題としては5つ挙げさせていただいております。先ほど御説明させていただいたような内容と重複するところも多いんですけれども、特に一番上と2番目のところで、技術士としての資格に関する中小企業さんですとか大手の企業さん以外での業種における技術士資格を持っていることや、それを取得して活躍するということに対して、技術士資格があるということのメリットというのがどこまで認知されているかどうかというところは課題があるのかなと思っております。
2つ目のところに関しては、技術士さんの資格の取得の年齢というのを40代ということがあるかと思いますので、そういったこととの関連もあるかと思いますが、最終的に取得できる名誉資格としてのイメージが強いということで、若いときにそれを取得するために何かする、それを目指して勉強するという機会というのは比較的少ないというか、そういったところがより普及促進に資するアプローチポイントになり得るのではないかなと考えているところでございます。
あとは下から2つ目の現場の経験ということで、技術士と関連する資格というのが技術部門ごとに複数あるかと思うんですけれども、実際に多く持っていらっしゃる資格というところでいうと、現場の資格、技術士以外で実務によったような資格をまず、取得した上で、技術士資格を取得するという段取りを経ていらっしゃる方もいるかと思いますし、そういった中で、どういった資格の位置づけとして技術士を位置づけて、それらの資格との関連をどう評価していくかどうかというのは今後の課題となり得るのかなと考えております。
11ページ目に行っていただきますと、公共団体における課題ということで書かせていただいております。こちらについては、一番上のところ、こちらで資格要件ということで、建設部門においては、公共事業ですとか、それに関連する入札案件に関する技術士資格の取得というのが義務づけられているような案件というのは非常に多いかと思っているんですけども、ここに記載させていただいているような技術部門さんをはじめとした比較的規模が小さい部門に関連する資格要件というのは、一部要件化必須として定められている案件もあるんですけれども、歓迎ですとか参考として記載されているような案件があったとしても多くて、必須になっていないところもあるのかなと思っています。技術士資格の関連性でいうと、実際に実務を担当する上で非常に有用な資格になり得るとは思うんですけれども、そういった入札要件等への反映というのが今後、普及促進に当たって、一つ公共団体における課題として考えられるのではないかなと考えております。あとは、3つ目の他資格への置き換えですとか、あと一番下の情報発信等、そういった実務上の資格が優先されるですとか活躍の事例の共有といったところは全体の課題として、先ほど申し上げた内容と重複するような内容になっております。
続いて、12ページ目のところで高等教育機関における部門横断的な課題ということで書かせていただいております。こちらでは4点書かせていただいているんですけれども、高等教育機関において技術士資格の取得が公式に案内されているような教育機関さんというのは多くはないのかなと思っております。技術部門においては、どうしても母数が少ないということもあるかと思いますが、なかなか事例自体も確認できなかったような技術部門もあるかなと思っております。
2つ目がJABEEの認定表記と書かせていただいております。実際に、今回対象とした技術部門に関連するJABEEの認定プログラムというのは、もちろん存在していると思っているんですけれども、建設部門ですとか農業部門みたいな形でピア・トゥ・ピアで認定プログラムとの対応が分かりやすくなっているものもあれば、特定の認定プログラムの中に含まれているような技術部門と、そういった見え方になっているような技術部門もあると思っています。そういう状況だからといって、それが技術士の普及促進の課題に直結すると結論づけているわけではないんですけれども、JABEEさんの認定プログラムもあるということも十分、活用促進の手段として考えられるかと思っておりますので、そういった認定プログラムを受けている大学さんですとか、それを受けている学生さんへのアプローチというのが非常に重要になってくるのではないかと現段階の調査では考えているというところでございます。ここまでが各調査対象における全体的な課題と、現時点で調査している内容の共有でございました。
この後、13ページ目以降に、より細かい調査結果としまして、各技術部門ごとにどういった情報が得られたかというのをまとめさせていただいています。こちら、細かいですので1個1個御紹介させていただくのは、この場では割愛させていただこうかと思っておりますけども、表のつくりだけ簡単に御説明させていただけたらと思います。縦軸が技術部門ということで、今回、調査対象として、優先順位を高めて調査している技術部門を縦軸に持ってきております。横軸は今、御説明させていただいたような民間企業と公共団体と高等教育機関ということで、それぞれに分けて現状の認知度ですとか理解度と、あと、今後の普及促進に向けた活用ニーズや、今、識別されている課題として調査できている内容を簡単に記載させていただいております。
一番右の2つは、既に技術士資格を持っていると、あるいは逆に関連資格を持っている場合ですけれども、資格取得に当たって優遇されていたりですとか連携というのが済んでいる資格と、あとは、それ以外の関連すると考えられる資格を参考までに記載させていただいているという形でございます。主に赤字で記載させていただいているところが幾つかありますけれども、ここに記載しているようなものは前段で御説明させていただいたような課題にまとめさせていただいている内容を赤字で特にピックアップさせていただいているという形で分かるようにしているという形でございます。詳細な内容については、後日、ご参照いただけたらと思っております。
最後に、18ページ目のところを御説明させていただけたらと思います。今、御説明させていただいたのが12月から調査を始めて、現時点で収集している情報の簡単な御報告とさせていただいております。今後、3月までの調査で、どういった調査をしていくのかというのが18ページ目のスライドの右半分の今後の調査内容のところを書かせていただいている内容になっております。今、調査させていただいた内容から、具体的に企業さんですとか公共団体さんに深掘りしてヒアリングできないかという調査も並行して進めておりまして、幾つか来週以降のところでヒアリングさせていただくような会社様も決まっている状況です。そういったヒアリングを通して、デスクトップ調査を踏まえて、より実際の企業様に今後の課題ですとか現時点の普及促進状況というのをヒアリングする中で、今後の普及促進に当たっての課題を明確化して、今後の課題改善案として提案させていただくというのと、あとは今後、広報としてどういった普及拡大手法が考えられるのかというのを、この後の期間で検討させていただくという形で、この調査を予定させていただいております。最終的に、一番下の黄色の枠のところで書かせていただいているとおり、今後の普及促進ですとか活用に関する課題を抽出させていただいた上で、資格取得のインセンティブを高める手法というのを検討して、どういった広報手段ですとかコンテンツというのが考えられるのかどうかという例に落とし込むような調査を、今後、引き続き実施させていただきたいと考えてございます。
我々からの説明については以上になります。
【佐藤分科会長】 どうもありがとうございました。
それでは、ただいま御説明いただきました内容について御質問等ございますか。どうぞ。
【栗山委員】 栗山です。膨大なデータをまとめられて、非常に今後に役立つ資料をつくっていただきまして、ありがとうございます。
それで、3つ教えていただきたいんですけれども、一つは、机上調査はどのようにやられたんですかということと、2つ目は1番目と関連するんですが、各部門で受験する可能性のあるポテンシャルのある技術者数とかというのを調べられないですか。というのは、先ほど対象として受験者数が少ないとおっしゃられましたけれども、もともと技術者層が薄いところで受験者数が少なくても、これはしようがないよねというのはあると思うんですけど、実はポテンシャルでいっぱい技術者がいるのに受けてくれないとなると、これは結構力を入れなきゃいけないと思うので、そういうどこに力を入れるかということを考える上では、どれだけ後ろにポテンシャルの技術者がいるかというのがもし分かれば。
3番目は細かいんですが、さっき13ページのところで連携済みの資格とあったんですけれども、私が理解したのは、技術者資格を持っていると、ここに書いてある資格を取るのに有利になる。逆じゃないですよねという確認です。
以上の3点です。
【佐藤分科会長】 お願いします。
【トーマツ】 ありがとうございます。まず、デスクトップ調査の方法としましては、企業のホームページ等で対象の技術部門に関連する企業と公共団体と、あと公的機関という形で、それぞれの技術に関連する会社を一通り全部調べた上で、特にこの技術部門と業種ですとか学問の分野とか、そういった形で関連するものをそこから絞り込んでいって、それに関して個別に、企業のホームページ内でそういった技術力を評価するような情報がないかですとか、あるいは技術士、あるいは技術士に関連する資格の人材の募集をしていないかとか、そういった情報があるなしというので調べているような形になります。
2つ目の技術部門におけるポテンシャルの数というのはなかなか難しいんですけれども、一旦デスクトップ調査で出てきた会社ですとか公共団体において、そういった従業員なのか、人数というのがどのぐらいいるような会社さんが出てきたのかというのを、ある程度ざっくりとまとめることはできないことはないかと思っているんですけども、逆に言うと、そのぐらいの規模感で大体、技術部門で調査した会社を合わせるとこのぐらいの規模だったとかというぐらいであれば、分かるかもしれないなという感じでございます。
あと、3つ目に関しては、技術士の資格を持っていると優遇される資格ということで、おっしゃっていただいたとおりでございます。
【栗山委員】 分かりました。ありがとうございます。2番目のポテンシャルの技術者数ですけど、学会の人数だとやはり研究者に偏っちゃいますかね。各部門で多分関連する学会があると思うんですけれども、研究者に偏っちゃいますかね。
【トーマツ】 見方としてそういう調べ方は一つあり得ると思います。
【栗山委員】 どうもありがとうございました。
【佐藤分科会長】 それでは、オンラインで塩原委員が挙手をされているということですので、塩原委員、御発言をお願いいたします。
【塩原委員】 今回の調査、技術士の認知度を上げる、また、改善するという意味で非常に有効だと思います。私の提案として、ここに記載してある内容とは異なりまして、度々この分科会でも発言しているんですが、技術士の資格をしっかり向上していくためには、合格率の改善というのが一つ必要だなと。ここ10年間ぐらいで、2次試験ですが、20%ぐらいの合格率が10%まで低下していると。これがこのまま低下していったら、今回、調査していただいたようなことの反映というのは全然できないわけです。そういうことで、いかに技術士の認知度を上げるかというようなことも考えますと、合格率の改善というのが必要だと思いまして、ぜひこの件に関しては、対応を御検討いただきたいというお願いでございます。
以上でございます。
【佐藤分科会長】 ありがとうございます。いかがでしょうか。
オンラインで先に松井委員から御質問上がっていますので、こちらを先に受けたいと思います。よろしくお願いいたします。
【松井委員】 松井です。詳細な調査結果をありがとうございました。1点聞き逃したかもしれませんが、お尋ねいたします。
技術士の資格はどのように各企業、あるいは公共団体で使われているんでしょうか。先ほど連携済みの資格を取るのに優遇されるみたいな御説明はありましたけれども、例えば海外では、プロフェッショナルエンジニアリングの資格ですと、法的な作業をするときにその資格があるといいとか、そんなふうに実際に使われているように聞いておりますが、日本では認知度を上げる御説明はよく分かったんですが、実際にどんなふうに各企業が技術士の資格を使っているのか、その辺につきまして、調査結果がありましたら御説明いただけましたらと思って質問させていただきます。よろしくお願いいたします。
【トーマツ】 ありがとうございます。おっしゃるとおり、一部海外の国ではそういった技術力の評価の指標として、サインを求めたりとか、そういった独占資格的な位置づけになっているものもあると理解しておりますが、日本においては、特にそういった整備、制度とはなってないのかなと思います。それがいいか悪いかというよりかは、そういった前提の中で、各企業さんにおいては、御自身の企業の中でステップアップ、活躍していく中で、一つ技術力を評価する指標として、技術士の資格の取得を推奨したりですとか、あるいは、建設部門とかそういった普及が進んでいるような企業さんにおいては、昇進の要件に技術士資格の取得というのを推奨したりですとか、そういった企業さんの事例はあるのかなと思っております。
ただ一方で、そういった資格の取得というのが、結果的にある程度、経験を積んだ段階で技術士を取得される方が多いというのが一つ、取得する年齢が比較的高くなってしまっているということも今後の課題として考えられるのではないかと、今の調査では考えているところでございます。
【松井委員】 ありがとうございます。よく分かりました。どのように使われる可能性があるのかを整理していくと、もう少し広報するときにも役立つかなと思いまして、お伺いいたしました。よく分かりました。ありがとうございました。
【トーマツ】 ありがとうございます。
【佐藤分科会長】 先ほど何名かの方が、じゃあ、高木委員からまず。
【高木委員】 ありがとうございます。高木でございます。
技術士資格の活用や普及促進を議論するにあたり、鋭い視点での調査であり、大変重要な取組だと思います。議論するときに、技術士資格の性格といいますか性質をよく押さえておく必要があると思っています。
その点からいうと、資料2の10ページですが、「民間企業における部門横断的な課題」の下から2つ目、「現場経験優先文化」ということを書かれております。一番右側の欄で『「現場力=評価」文化が根強い』というところの先ほどの御説明ですと、業務に直結した資格が優先されるという御説明だったと思います。それはその通りだと思いますが、真ん中の欄を見ますと、「資格よりも実務経験が評価され」と書いてあり、「技術士資格がなくても、実務を実行できる事例が多く」等々と書かれています。実はそのとおりだと思っておりまして、これが名称独占資格の本質的な性格だと思っています。つまり、資格を持っている人が、IEA国際エンジニアリング連合の定めたプロフェッショナルコンピテンシー13項目を基に技術士制度でブレークダウンした8項目をクリアしているということは言えますが、資格を持ってない人がクリアしてないとは言えないということです。日本のエンジニアは300万人弱、二百数十万人います。そのうち技術士は名簿上は約10万人でしょうか。おそらく実際はもっと少ないはずですが、マイノリティーです。結局、資格を持っていなくても優秀な技術者が大勢いるということも事実だと、真ん中の欄の文章では思いました。ただし、この理解と右側の欄の文章とが違うことを言っているように思えたのですが、そのような理解でよろしいでしょうか。
【トーマツ】 おっしゃるとおりです。実際にヒアリング、これは前年度調査の中ですけれども、ヒアリングしている中でお聞きしたときに、どういう資格を取得されているんですかというのを聞いたときに、まず、そういったRCCMとか、ほかの関連する資格を取って、大体管理職とかになった頃にそういった一つの成果として技術士の資格を取ろうと考えていらっしゃる方が比較的多かったのかなと思います。ですので、今おっしゃっていただいたとおりかと思っていまして、技術士の資格がなくても一定の活躍をするというところで、活躍されている方は多いかなと思っているので、そういった方に技術士の資格の普及を促進する余地というのは多分にあるかと思っているんですけども、ほかの資格との位置づけというんですか、全く同じにしなきゃいけないわけでもないかと思うので、技術士というのはどういった位置づけで取得するために促進していくのかという、ほかの資格と違うんだというのを、もう少し違いとして明確にするということも考えられるんじゃないかなとは思いました。
【高木委員】 そうですね、大変重要なポイントだと思います。以前、制度検討特別委員会で、認証技術士制度は個人能力の認証だと申し上げたことがあります。IEAの能力標準があって、それに対してそれを満たすかどうかの認証を第三者が行っているということです。認証の例として、これは個人ではなく企業の例ですが、情報セキュリティーマネジメントシステム、ISO/IEC27001の例を制度検討特別委員会でお話ししたことがあります。大学で標準化を教えていまして、15年くらい前に競争的資金を頂いて調査したことがありました。日本の上場企業で、情報セキュリティーマネジメントシステム(ISMS)、ISO/IEC27001の認証を取得している企業が、15年前には10%弱しかありませんでした。年々1%くらいずつ増えていましたが、少なさに驚きました。しかし同時に、実は認証は取得していないが、企業の中で情報セキュリティーマネジメントシステムを確立させている企業は90%以上ありました。これは万が一、情報漏えいがあれば大変なことになるので、システムは構築しているわけです。ただし、認証を取得するためには費用もかかるので、システム構築とは、別の話です。当時、認証を取得していた企業というのは、比較的BtoC型のビジネスで顧客のデータを扱うような企業が多かったです。自分たちは情報セキュリティーをちゃんとしていますよというアピールを行うために認証を取っていたわけです。認証の取得というのは、実力があるということとはまた別の意味合いがあると思います。
そういう意味で、技術士制度に戻りますと、本人が実力があるという話と、技術士の資格を取得するということについてはイコールではないということを、よく押さえたほうがいいと思います。もともと技術士制度ができたのはかなり古いと思います。企業では成果主義が20年、30年導入されています。昔、成果主義が導入される前の年功序列のときは、勉強しなくてもよかったとは言いませんが、日本全体が高度成長していたので、勉強させるためには技術士の資格は非常に重要だったと思いますが、今現在のように成果主義になってしまうと、技術士を持っていようと持っていまいが、勉強して成果を上げて処遇をよくするというのは当然のことになったわけです。技術士制度を取り巻く環境が変わっているので、この点も含めて今後の技術士資格の活用や普及促進を考えなければいけないと思います。
今、技術士制度を取り巻く環境の変化として、年功序列から成果主義と言いましたが、さらに今、労働の流動性が高まっています。そういう意味では、例えば、ほかの企業で5年、10年、20年勤めた人を採用する中間採用、キャリア採用するときに、技術士資格の有無というのをもっと活用する余地があると思います。私も企業で中間採用をしたことがありますが、応募される御本人はいろいろご自分の実績を述べられるのですが、そのエビデンスがありません。研究者の場合は論文がありますが、技術者の場合は必ずしも論文がないのでエビデンスがありません。このようなときに技術士資格があると、この人は大丈夫だという判断ができるような流れになれば、非常にいいのかなと思いました。
以上でございます。
【佐藤分科会長】 ありがとうございます。村田委員。
【村田委員】 村田と申します。調査のほうありがとうございます。
これは部門別にいろいろとおまとめされておりますが、私は水産部門の技術士で、水産部門も多分、農業部門や森林部門も同じだと思いますが、科目というのがございまして、水産の場合は、水産土木と水産資源と水産食品あります。ここに記載されている資格とか優遇というのを見ると、実は科目間の格差が非常に大きくございます。水産の場合ですと、挙がっている資格のほとんどが、RCCMとかそういった建設系の資格になると思いますけれど、こういった資格はほとんど水産土木の方であります。資源や、加工、水産食品の科目のほうはそういう関連資格はほとんどありません。多分、農業部門や森林部門も同じようだと思います。部門と言っても、関連資格など、その中の科目間の格差があるんじゃないかと思います。なので、部門、科目によってはいろいろ優遇されているとか、取るとメリットがすごく大きい。一方、科目によっては、取ってもそれほどメリットがないことがありますので、そういうところも踏まえて、次のステップでは各部門の中の各科目別にどうなっているかというのをお調べいただけると、より明らかになってくることが多くなるのではないかと思います。
以上です。
【トーマツ】 ありがとうございます。おっしゃるとおり、土木の分野の情報があるんですけども、それ以外はないなと思ったところでありますので、その辺は必要に応じてブレークダウンして調査結果に反映したいと思います。ありがとうございます。
【村田委員】 ありがとうございました。
【佐藤分科会長】 どうぞ。
【小林委員】 小林でございます。興味深い調査結果をありがとうございます。
私も農業部門の技術士でございまして、まず、8ページに農業、森林、水産に関して、地域性要件のため、調査と書いてございます。1点目は地域性要件とはどういうことを調査されようとしているかということをお伺いしたいということと、今、村田委員からもお話がございましたように、11ページの資格要件の明記のところでもございますように、「建設部門を除き、入札要件や募集要項に技術士資格が必須とされる事例は少ない」とお書きいただいていますけども、これは農業関係でも公共事業の部門がございまして、建設部門よりも「COD認定」を評価するようなこともしております。そういう観点からいきますと、建設部門というよりは、むしろここの部門は公共調達、公共事業関係ということのほうが適正な評価ではないかなと思った次第です。
そういったことを踏まえると、先ほどの机上調査ではなかなか限界があろうかと思いますけども、ヒアリングのところで、より詳細なといいますか、そういった特徴を踏まえた調査をいただければ幸いかと思います。
以上です。
【トーマツ】 ありがとうございます。2点目については、承知いたしました。
1点目の地域性要件のところに関しては、特に農業や水産といった部門については、日本の地域によって資格の普及の促進の程度に差がないかどうかという視点でも調査し得るのではないかという観点で抽出させていただいているものです。今、デスクトップ調査の中では、当然調べていく企業の立地とかで、例えば北海道が多いとか、そういったぐらいは識別ができるんですけれども、それ以上の情報として、具体的にその技術を活用している事例が各地域によって優位な差があるかとか、そこまではまだ必要な情報は得られていないかなと思っております。そういった情報も、もし今後の調査で識別されれば、地域性による差ということで、まとめさせていただこうかなと思っているところです。
【小林委員】 多分、先ほどの村田委員のお話のとおりで、結構部門の中で科目が多いとなると、その科目によって多分今おっしゃるような地域性のあるものとないものはあるかと思います。ですから、これからの調査の中では、部門という大くくりな区分だけじゃなくて、その中の科目のところまで区分しないと、正直申し上げて、全体の像を把握するのは難しいかなという、そんな印象を持ちますものですから、御検討いただければと思います。よろしくお願いします。
【トーマツ】 かしこまりました。
【佐藤分科会長】 ありがとうございます。先ほど。
【石井委員】 石井でございます。非常に興味深い調査内容で、数字も非常にあって、大変参考になって見ておりました。
今後、調査を進めるに当たってもし参考になればということで、二つほどお話しさせていただければと思うんですけど、先ほど松井先生が、実際に企業の中で技術士の資格をどういう活用をしているかということなんですけど、企業の立場から言いますと、あまり公にはそういった情報というのは出していないんです。ですから、もしそういったことを調べられるんであれば、技術士会さんには大変申し訳ないんですけど、技術士会みたいなところを通して、実際そういうメンバーにヒアリングいただくというほうが、多分情報としては得られるものがあるかなというのが1点でございます。
それから2点目は、これは小林先生とか村田先生がおっしゃられたこととも関係するんですけども、調査対象が比較的母数の小さいといいますか、あまりまだ数が少ないところを対象とされているということで、それはそれで意味があると思うんですけど、一方で例えば機械ですとか、電気電子みたいな非常に数が多い、人数が多いところでも、実はその中に、例えば、宇宙とか船舶の関係の技術者がいたりとか、ほかの分野の技術者が含まれているケースが結構多いんです。ですから、あまり調査の範囲を広げることが費用的に難しいのかもしれないですけども、そういう観点で見ていただくというのも一つ必要かなと思います。
それと、例えば機械の中でいいましても、機械って非常に分野が、いわゆる事業が多岐にわたりまして、事業とか分野によって結構偏りがあると思うんです。私がずっと長年やってきた鉄道分野ですと、JRさんですとか鉄道事業者さんって非常に技術士に対する意識が高くて、結構取られている方も多いんです。一方で、そうでないところもあるので、そういうカテゴリーの中のもう少し分野を掘り下げてみると、そこにまた何か特徴が出てくるのかもしれないなと思いまして、もし余力があればやっていただければありがたいなと思います。
以上です。
【トーマツ】 かしこまりました。
【佐藤分科会長】 どうぞ。
【飯島委員】 飯島でございます。緻密な調査ありがとうございました。本調査の目的が資格活用と普及拡大というところで、それに直結させるためには、今後どのように組立てられていくのかなという観点でお伺いいたしました。
例えば、9ページに示されているように、民間企業、公共団体、教育機関に対して、これから広告のツールを検討されることになるんだと思います。したがいまして、今、御検討されている調査対象部門で黒丸をつけている8ページ、これ緻密に部門ごと掘り下げようということで、これはこれで大事なことだとは思うんですけれども、どちらかといいますと、広告を打とうとしている相手がどう思っているのか、今まで何ができて、できていなくて、それはなぜかというような、そこをどちらかというと、私はエネルギーを使ったほうが良い広告、相手に響く広告になるのではないかなと思って、お伺いいたしました。
部門別の掘り下げももちろん私どもとしては非常に知りたい内容ではありますけれども、結果として、何が一番活用とか普及拡大になるかという観点で、調査を組み立てていただくと、より有効になるかなと思って申し上げさせていただきました。以上でございます。
【トーマツ】 ありがとうございます。
【佐藤分科会長】 よろしいですか。どうぞ。
【黒﨑委員】 黒﨑でございます。まず、先ほど石井委員からお話のありました企業内につきましては、それぞれの企業で企業内の技術士会を持っているところ、組織しているところもありまして、日本技術士会としても、こういった企業内技術士会との連携というのを取っておりますので、必要があれば、おっしゃっていただければ、企業内のヒアリングに御紹介するとかということはできると思いますので、よろしくお願いいたします。
私のほうから1点、中の調査で公共、民間という分けになっていまして、先ほどから村田委員や小林委員からも御指摘のあったとおり、公共というところで扱われているところは、恐らく公共調達の中でもインフラに関わるところについては技術士の資格というのが非常に重視されていると。これは公共の安全性を確保するという意味合いでも、品質確保としても、まさにプロフェッショナルエンジニアが必要とされる部分だと思うんですけれども、一方で、民間と区分されているところは、今、民間企業の中での企業内での資格の活用という観点になっているような気がするんですけれども、民間という先には、その先には例えば、インフラではないが公共調達に資されるようなものの機械であったりとか施設、あるいは公共じゃなくても、公衆の安全に非常に大きく関わるようなものというのがあって、こういったものの安全性であるとか品質を担保するために、一定の品質のサーティフィケートが必要だろうと。こういった意味合いから、例えば米国のプロフェッショナルエンジニアでは機械であっても、プロフェッショナルエンジニアの設計図面にサインが必要であったりとかというようになっていると理解しております。
こういった観点からするとなぜ日本においては、インフラではない公共調達の部分、あるいは、調達ではなくても、裁判所に提出される技術的仕様であったりとかこういったものの中に、技術士、あるいは何らかの資格によるその裏づけというのが必要とされていないのかというところが、いわゆるここで書かれている民間というところにおいての技術士の資格のレベルだったりとか必要性が十分認知されないというところにあるのではないかと思っております。
調査において、これらの部門についての調査を進められるということですので、もしかすると、技術士ではない資格というのが、こういった品質のサーティフィケートとして使われているような場合もあるだろうと思っていますので、そういったものがどこで扱われていて、あるいはどういったところでは、そういった資格制度がないままに、公共に使われるようなものに製品が出ていくようなことになっているのか、そこに技術士の資格を使う可能性というのがないのかという観点があると、私どもとしても今後、非常に技術士の資格を普及していく上で重要なポイントになるかと思っております。資料の例の中で、船舶の定期点検のところに技術士がという例が書かれていまして、ダムの統括管理事務所、これは国土交通省の管轄なので恐らく公共調達の関係でこういうようになっていると思うんですけれども、じゃあ何でダムの管理事務所ではないところで使われている船舶、これは公共が、一般の方が乗られるわけですけれども、そこの点検制度に技術士なりなんなりの資格というのが必要とされないのかという、ここが非常に大きなポイントではないかなとは思っております。
以上でございます。
【佐藤分科会長】 ありがとうございます。よろしいでしょうか。それでは、オンラインで渡部委員から御質問が出ておりますので、よろしくお願いいたします。
【渡部委員】 渡部です。報告ありがとうございます。大変よく分かりました。
1点、調査の背景として、総合技術監理部門の位置づけの明確化というのがありますが、最後のところの課題では、総合技術監理部門に関して特に記載がないんですが、何か企業の利用方法とかその辺りの調査というのはやられているんでしょうか。
【トーマツ】 現時点で総合技術監理部門を対象に詳細な調査をしているわけではないんですけれども、今後の活用における課題として、今の総合技術監理部門における位置づけですとか、ほかの技術部門との連携みたいな観点で、課題として識別されるものがあればピックアップさせていただこうかなと思っているところでございます。
【渡部委員】 分かりました。ありがとうございます。
【佐藤分科会長】 それでは、前田委員、お願いいたします。
【前田委員】 競合資格を入れるのは面白い観点かなと思ったのですが、逆に他の資格を取っていることによる相乗効果というのでしょうか、そういうものは何かヒアリングの中であったでしょうか。
【トーマツ】 今、特に明確にそういった事例までは収集できていないんですけども、この後、ヒアリング調査をさせていただく予定ですので、そういった観点で、何か課題とかいい事例がないかどうかは調査したいと思います。
【前田委員】 私の知っている範囲では、弁理士を持っている技術士の方も多いのですが、そういう方々は弁理士は独占業務資格だからでしょうか、弁理士として仕事をしています。どちらかというと、弁理士の人に技術士を取るメリットはないのかなと思います。一方で、知っている人の中にも、技術とは大分離れた資格、むしろ文系の資格みたいですけど、国内通訳案内士をお持ちの技術士もいらっしゃいます。これは最近のインバウンド需要とかにもマッチした資格です。通訳案内士で技術士を持っている方は、海外からいらっしゃる方も技術者、研究者はたくさんいらっしゃる中で、技術を語れる資格を取っていることによって、ほぼ独占状態にできる可能性があります。だから、技術士以外の資格を持っている方々に、そういう方々ってもともと資格にも関心あると思いますので、技術士を取るとメリットがあるよと受験を勧めるのは一つの考え方としてあるかなと思った次第です。今後ヒアリングをするときにもその観点を入れていただければ幸いです。
【トーマツ】 かしこまりました。
【佐藤分科会長】 よろしいでしょうか。それでは、時間がまいりましたので、これまでとさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。大変有益なコメントたくさんあったと思いますので、今後の調査に生かしていただければと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、議題の3、技術士制度におけるIPD事業の構築に向けた取組状況についてに移らせていただきたいと思います。今年度中にスモールスタートをする予定のIPD事業につきまして、日本技術士会から御説明お願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【日本技術士会】 日本技術士会専務理事の眞先でございます。それでは、私のほうから、資料3に基づきまして、技術士会におけるIPD事業の構築に向けた検討状況についてまずは、御説明をさせていただきます。
また、本日、参考資料の4と5ということで、IPDガイドラインとマニュアルを御用意させていただいております。これにつきましても、ポイントについて御紹介をさせていただければと考えておりますので、よろしくお願いします。
それでは、資料3のほうを御覧いただければと思います。最初おめくりいただいて、目次がございますけれども、このような流れで御説明を申し上げようと思っております。
次のページお願いいたします。IPD事業の取組につきましては、昨年9月の技術士分科会におきまして、まず、最初の取組状況ということで一度御説明をさせていただいております。本日はその後の状況ということで進捗について、概略御説明したいと思っております。IPD事業の目的でございます。これは9月のときにも説明しておりますけれども、若干アップグレードしておりまして、少し言い方とかは変えておりますが、この4点で説明をしております。一つは若年層技術者の育成環境の提供、2つ目が、修習技術者等の迅速なスキル獲得のための仕組みの整備、それから3つ目として、技術士資格取得の早期化、それから国際標準の資質能力を備えた技術者全体の育成と、このようなことを目的として、日本技士会ではIPD事業を構築し進めるということにしております。
対象者でございます。文科省さんのIPD懇談会におきましては、もう少し一般的な層を対象とされておりますが、スモールスタートとして、まずはスタートするということで、まずは修習技術者を対象としてスタートしようと設定させていただいております。
内容でございますけれども、IPD事業によって何を狙っていくのかという事業自体の目的は(1)なんですが、(3)でIPD事業で意識している対象者の資質能力の向上ということで、一応どういうことを意識しているかということを示させていただいておりますけれども、日本技術士会はということで、修習技術者の資質能力の獲得を支援するため、修習技術者が技術士会で行っております技術士の資質能力の維持向上に関する取組、CPDの取組、これと同じ枠組みの下で活動できるように様々なシステムの整備等を行い、仕組みを提供するということにしております。この肝のところは技術士さんと同じコンピテンシーでこれを獲得いただくようなことを支援する枠組みをつくりましょうということにしてございます。
一応、このようなことを定義づけといたしまして、次のページお願いいたします。IPDのスモールスタートでございますけれども、段階的整備を進めていくということを昨年9月のときにも御報告させていただきました。まず、第一段階、これが今年度における取組、第2段階は来年度以降と分けてございますけれども、まず、第一段階といたしましては、ガイドライン、マニュアル整備、これにつきましては、つい先日といいますか、1月の理事会で一応策定をいたしました。それを本日、参考資料の4と5ということで、お示ししております。それから、具体的なシステム整備といたしまして、ユーザー管理をする、IPD実績登録をするというための物理的なシステム、これの整備も今、進めておりまして、3月目途に一応進んでおるという状況でございます。また、関係規則類の整備、これは3月の理事会で審議をしていただいて策定をしていこうとしておりますが、委員会の所掌でございますとか、また、対応する事務局組織をきちんと整備すると。CPDにつきましても、CPDセンターというのが技術士会にございますけれども、IPDにつきましても、広く一般対して、技術士会はいろんな受付など問合せも受けますので、そういったための看板を掲げたいということで、関連規則類の整備を3月に行うということにしております。また、こういった事業スタートに当たりましては、関係する諸機関、関係省庁の方も含めまして、関係各業界の皆様、CPDで広く付き合いをさせていただいているところがございますので、事業開始前までにきちっと御説明を申し上げ、必要な調整も行っていければということを考えているところでございます。
第二段階におきましては、来年度以降でございますけれども、現システムでは、これIPDにどれほどの方が参加するのかってなかなか読みにくいところがございまして、ということで、実はフルのオンライン装備ができる格好のシステムはまだ手をつけてないということなんですよね。具体的に言いますと、例えばIPD行事予定の閲覧でございますとか、IPD行事に参加申込みというのも、本当はオンラインで自動的にできると非常にユーザー利便性ということではよろしいんですが、システム整備にそれなりのコストもかかりますものですから、これはIPDの参加状況をしっかり見ていきながら、技術士会としても円滑に判断をして、オンライン化の検討も進めていくということにしてございます。また、これはもう一つ大事な話としまして、IPDに参加される方のインセンティブの議論がございますけれども、その中の一つで、やはりIPDの活動実績を技術士会として証明すると。これは非常に重要な機能でございます。これについてもオンラインで対応できると本当はよろしいんですが、それも先ほどと同様で、参加者の人数、規模がなかなか読みにくい状況がございますので、現段階では、事務局のほうで、マニュアルで対応していくということを前提にしてございます。いずれ、大勢の方が参加されるようになりますと、この辺りのオンライン化も視野に入れていくというようなことになろうと考えております。
次のページは工程表ということで、これは9月の段階にも同様の表を示させていただいておりますが、若干の時点修正などを行っておりまして、つけてございますので、これが一応最新の状況ということでございます。
次のページ、御覧いただければと思います。先ほどから何度か、IPDの参加する方が一体どのぐらいの規模本当にいらっしゃるんだろうかというのは、なかなか現時点では非常に読みにくい状況になっております。そもそもIPDに参加する方というのはどういうインセンティブを持って参加するんだろうかといったところもきちんと理解しておかなきゃいけませんし、その辺りも含めて広報活動も連動してくると思っておりますので、そういった意味で、まず、参加者にとってのインセンティブというのを当方で設定しております考え方で3つほど一応挙げております。一つは、参加者自身が、自らの資質能力の向上の履歴の記録と、第三者による証明を得ることができると。したがって、IPDの実績の証明を技術士会が行うということに対して、それをメリットと感じ、参加するという方も一定数いらっしゃるんだろうと。それから2つ目、かなり定性的なんですけれども、技術士と同様の視座の下で、先ほど申し上げたように技術士のCPDコンピテンシーと同様の視座の下で自らの学びを俯瞰することができ、また、学びの蓄積の客観的把握、資質バランスの偏重、弱点発見につながると。自己分析をきちんと行っていただくことが可能になる、そのためのサポートシステムだということでございます。非常に意識の高いIPD対象の方からすると、実は手前みそでございますが、こういったシステムを用意することでそのお手伝いができようというふうに考えるわけでございます。3番目、技術士会においてということなんですが、CPDと同等の登録審査証明のサービスが可能となるため、修習技術者が、技術士とともに資質向上の取組に励むことができる。言ってみれば、現状、IPD事業をスモールスタートで始めるに当たりまして、コンテンツにつきましては、私どもが従来から取り組んでおりますCPDのコンテンツに御参加いただくような形ということが想定されます。そうなりますと当然なんですが、隣に技術士がいるということでございます。そういう環境の下で、IPDの取組ができるということでございます。もともと技術士会の入会のメリットというのもあれなんですが、そういったいろんな方とネットワークがつくり得る、そういう人間関係もつくり得るというのは非常に重要なことと思っておりますが、IPDの対象の方につきましても、そういう機会を得ることができるというのは一定のメリットがあるんじゃないかなと思っております。
ということではございますけれども、つい先ほどの議題でもございましたように、そもそも技術士制度についての資格取得のインセンティブでありますとか、そこのメリットということについてもっと認識を高めないと、という議論がある中で、さらに技術士を目指す修習技術者の方に対して、IPDの参加意欲をどれほど高めていただけるかというのは非常に重要な課題と思ってございまして、これは、今後の課題の最初のポツにありましたように、一昨年のIPD懇談会の議論のまとめにおきましても書かれておりますが、IPDシステムの利用者のインセンティブ向上も視野に入れ、技術士制度の見直しに向けた検討も必要ということでございます。この議論も、本分科会において継続して検討いただくと非常にありがたいということでございます。また、昨年の7月、人材委員会様のほうでも認知度向上について、記述していただいているところございます。このようなことも含めて技術士制度全体を高めていきつつ、裾野を広げて、IPD参加者の裾野も広げていくということを並行して取り組んでいかないとなかなか広がっていかないのかなということを思ってございますので、その点については、引き続きよろしくお願いしたいと思っております。
ちなみに、一番最後のページに、御参考までなんですけれども、人的規模感、先ほどの2つ目の議題でも少しありましたが、もともとどれほどのポテンシャルの方が本システムの対象となり得るのかというのをある程度、規模感というのをつかんでおくほうがいいのかなということで、個々のデータはばらばらなんですけれども、どのぐらいの方々がそれぞれのところにいらっしゃるのかということで、少しデータを並べてみました。ちなみに、一番左側のところは高等教育修了者、これは理工系と書いてありますが、文科省さんの学校基本調査のデータから引いておりますけれども、理学工学農学、技術士対象はこれだけではないんですが、一応これだけの方を対象として、10万人ちょいと、この辺りがポテンシャルしてありますと。一方、技術士一次試験を受験されている方というのは、毎年大体このぐらいなんですが、1万6,000人とかこのぐらいの規模の方が受験され、合格者が6,200人ぐらい。JABEE修了生の方というのは、これはJABEEさんから教えていただきましたけれども、毎年大体このぐらいいることなんですが、認定プログラムの状況によって、これは変動するものでございますので、ちなみに、2023年度におきましては、1万5,500人です。
二次試験受験者は毎年2万3,000人ぐらいということになっておりますが、このうち高等教育課程別分類ということで、JABEE修了者というのは大体2割ぐらい、それ以外の方が8割ぐらいということになっております。JABEE修了者の割合が、実は近年段々増えてきているという状況になっていますが、これはJABEEの認定プログラムが非常に多い時代が前にありまして、そういう方々が二次試験の受験シーズンになってきていると。大体こういうようなことでございますので、この先どんどんずっと右肩上がりになっていくかというとそうではないということが懸念されるところでございます。
一方、もう一つ参考になるデータですけれども、受験者のうちの受験資格別分類ということで、技術士補で実務経験4年のルートで二次試験を受ける方というのは約5.5%ぐらい、監督者の指導による実務経験4年で受ける方というのは10.3%、実務経験7年で受ける方が84%ということで、ほとんどの方が実務経験7年で受験されているというのが現状でございます。これは技術士分科会の懸案事項の検討事項の一つとして、技術士補制度の改革でございますとか、この辺り見直しというのも一つ大きな課題となっております。
こういった技術士制度全体の話と関連づけの中で、IPDの事業の取組をどう発展させていくのか、IPDだけ取り上げてなかなかできる話でもないところも多うございますので、ぜひ全体につきまして、技術士分科会の御意見、御議論、今後の検討もぜひいただきたいと思っております。
それでは、すいません、ガイドラインとマニュアルにつきまして、ポイントを少し御紹介させていただければと思います。
【日本技術士会】 技術士会の制度検討委員会の圓山でございます。今日は中川副委員長と2人でお邪魔しておりますけれども、今、専務のほうが御説明をいたしましたIPD事業のベースとなるガイドラインとマニュアルを作成しましたので、簡潔に内容を御報告したいと思います。
参考4のガイドラインなんですけども、先ほどの御説明のとおり、まず、対象となる修習技術者の資質能力については、技術士の資質能力の維持向上に関する取組と同じ枠組みを使うということで、それを前提条件にいたしましたので、このガイドライン、マニュアルについても、御承知のとおりの技術士CPDガイドライン、マニュアルをベースに作成をしております。
表紙をめくっていただきまして、目次を御覧いただきたいんですけれども、目次の構成も、基本的にはIPDと書いてあるところが、従前の技術士のCPDのところというようにお見受けいただければと思います。時計文字1番の2番と3番については、そのままCPDという文字を使っているんですけれども、これは関係の学協会とか、そちらの方が委員に入っていただいている管理委員会につきましては、他の学協会等がIPDとCPDを区別して扱っておりませんので、そういうこともありまして、関係各学協会の方が関係するところには、CPDという名前をそのまま使用させていただいた旨を説明していこうと思っております。
それから、時計文字2番の項目の4番なんですけども、多様な研修の支援という項目があるんですけれども、こちらも従前、CPDのガイドラインではマニュアルに記載しておりましたけれども、ガイドラインの構成は日本技術士会が主として取り組んでいく項目を整理しておこうということにいたしましたので、マニュアルから移行させていただいている部分でございます。
4ページをお開きいただけますでしょうか。4ページの時計文字2番の(2)真ん中です。こちらに修習技術者に求められる資質能力及びIPD活動というサブタイトルをつけておりますけれども、下から3行目のところです。技術士であれば最低限備えるべき資質能力については、修習技術者もIPD活動を通じてその取得に向けた取組が必須だということで、先ほどとの同じ枠組みというお話をさせていただいております。
そのため、5ページのコンピテンシーも技術士に求められる資質能力をそのまま引用してございますし、6ページのIPD活動の資質区分、形態区分、7ページの形態区分別のIPD時間算定基準もCPDと同じという枠組みにしてございます。また、7ページの下になります図でございますけれども、技術士会で活動実績を証明していくに当たりまして、CPDでも基準と推奨時間というのを設定しておりましたけれども、同様にIPDのほうでも20時間と50時間というのをそれぞれ基準と推奨と設定をいたしまして、希望される方については、こういった時間達成者だということについて、技術士会のホームページのほうで公表をするという枠組みも踏襲しようとしてございます。
それから、9ページをお開きいただけますでしょうか。いずれにしましても、この3月からスタートするのがスモールスタートということでございますので、まだいろいろ課題がございます。時計文字5番のところに、その課題について幾つか例示として書かせていただいておりますけれども、社会実装の仕組みに向けて、例えばですけども、IPD活動の支援体制、先ほど技術士補との関係もありましたけれども、そういった指導技術士の話も含めて、こういったいろいろな課題がまだあるんですけども、それを少し考えながら走らせていただくというような形でガイドラインのほうを作成してございます。
それから、マニュアルのほうは参考資料5でございますけれども、非常に細かくなるので一つだけ御紹介いたしますけれども、3ページのIPD時間算定基準の表がございます。こちらについても、基本的にCPDと同じ枠組みの構成にしているんですけれども、CPDのほうは、修習技術者への指導といったような文言があったところについては、少しずつそれを変えたりしております。3ページの表1の時計文字3番の実務型の8番の資格取得では、国家資格の技術士資格の取得といったようなことも位置づけています。大体そんなようなところを書いてございます。
それから、御紹介だけしておきますけど、9ページをお開きいただけますでしょうか。こちらは、活動実績を登録していただいた後の記載、申請等を行っていただくための様式の例なんですけども、今回は、修習技術者を対象としておりますので、対象となる方が、表の真ん中あたりの技術士の第一次試験合格者であったり、JABEEの認定課程修了者であったりということになるんですけども、技術士の第一次試験を幾つも受けられて合格されている方等もおられますので、その方にはまず、一つだけ書いていただくということを記載してございます。それから、その下に技術部門の※2ということなんですけども、これは今後、IPD活動を実施したいと思われる技術部門を書いていただくようにしております。技術士第一次試験合格の部門に関わらず、二次試験は他の部門を受験できますので、そういったことも考慮しまして、今後どういったところで活動したいか、それに向けて、技術士会のほうからもIPD活動の案内等をできるような対応行動をしていくようにしていきたい予定と書いておりますけども、そういったことも考えております。
時間もありますので、簡単でございますけども、IPDのガイドラインとマニュアルの内容について御説明いたしました。ありがとうございます。
【佐藤分科会長】 ありがとうございました。
それでは、ただいま御説明いただきました事項に関しまして、何か御質問等ございましたら御発言をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
【寺井分科会長代理】 寺井です。ようやくスモールスタートがもう見えてきたということで大変御苦労さまでした。敬意を表したいと思います。
その中で、IPD活動のそもそもの目的に、修習技術者がPCを早期に獲得するための支援だけではなく、GAを強化するという視点、これはどこかに書いておいたほうがいいかなと思うんです。せっかく理事会でマニュアルとガイドラインが承認されたばかりですので、次回、もし改定の機会があったときに、今から申し上げることを反映していただければと思いますけども、GAを強化するというのは、修習技術者だけじゃなくて、技術士を取った後も継続してやらなければいけないという意見もあります。要するに、自分たちが学生のときに学んだ、修了生としての知識・能力のままではなくて、世の中も変化しているし、ニーズも変わっているので、GAという視点でそれを強化していくというのは、エンジニアとしては一生目指すべきだと思います。
それから、個別に4ページ目の(2)に、GA/PCの改訂に伴って、表1として継続研さんが追加されたという文言がございます。継続研さんが追加されたことだけが、今回のGA/PCの改訂の趣旨ではもちろんないわけで、そこには持続的可能な開発とか、データサイエンスへの展望とか、いろいろ精神があるわけです。そこをガイドラインには書いておくべきかなと思いますので、次回検討のときにそれは追記していただければと思います。
それから、何点も言って申し訳ないんですけど、前から気になったのが、技術者倫理の1時間です。1時間でいいのかと最近思い出しまして、非常に大事なところですよね。これはユーザーにとっての利便性も考えて、なかなか技術者倫理の講習を受けづらい方々も地方にはいらっしゃるということで1時間にされていると思うのですが、やはり50時間推奨して1時間というのは小さいのかなと。これは倫理委員会のほうの意見も聞いていただいて議論していただければなと思います。
それから、スモールスタートで大変結構なんですけども、今後、大きな課題として残るのがIPD支援者の位置づけだと思うんです。それで今マニュアルの説明の中で、くしくも技術士のCPDのほうは修習技術者を支援するのもCPD単位だというように定義されていただいていますので、その辺をうまく連携させて、技術士資格を持っている方も、若手の技術者を支援することのインセンティブを持ってもらいたいし、それがまさに昔からよく言う教えることは学ぶことだということもありますので、その辺をうまくリンクさせて、指導するIPD支援者のほうは、それをちゃんと受け入れるような仕組み、そういったものを持っていただければなと思いますので、あくまで次回、ガイドライン、マニュアルの改定の機会がございましたら、考慮いただければと思います。
以上です。
【佐藤分科会長】 よろしいでしょうか。
【日本技術士会】 ありがとうございました。GAを強化し、PCを取得するという、そのためのシステムというのがもともとのIPDシステム定義でございました。それを前提に、これを具現化してスタートするのがスモールスタートということでございます。ということでございますから、先ほど分科会長代理から御指摘ありました、GAを強化しというのは半ば当然のことということではあるんですが、具体的に一体どこでそういうことが意識されているのかという意味では、これはIPDだけではなくてCPD全体ということになろうかと思っていますけれども、よく中でももんでみるべき話なのかなという気がいたしますので、よくまた内部で検討させていただきます。
【寺井分科会長代理】 今、技術士会で提供されているいろんなCPDプログラム、あるいは修習技術者支援委員会の提供されている修習技術者向けプログラムに紐づけるということも必要だと思うんです。これはGAのこの部分を強化する教材ですよというような紐づけをやるということも、講義を受ける人にとってはインセンティブになるんだと思うんです。いろんな工夫の仕方が具体にはあると思います。
【日本技術士会】 ありがとうございます。先ほどの技術者倫理、1時間の話と合わせまして、貴重な御意見ありがとうございました。内部でよくもませていただきたいと思います。
【佐藤分科会長】 高木委員、どうぞ。
【高木委員】 御説明どうもありがとうございました。高木でございます。
まず、今日の御説明で、CPDとIPDのコンテンツ、これは共通にするということで、これは分かりました。前回御報告させていただきましたが、私ども日本工学会でCPD協議会の会員学協会が提供しているプログラムコンテンツを調べますと、必ずしもIPDとCPDは区別していません。世間一般では大学を出たら全てCPDですので、今回それが共通だということでその点では安心しました。
それから、もう一点、先ほどのプログラムコンテンツの調査で、技術者のコンピテンシーは8項目ありますが、プログラムの狙いがかなり偏っています。専門的学識は多くのプログラムコンテンツが対応しています。ところが幾つか少ないものもあります。一方、技術者倫理は、日本工学会でも技術倫理協議会がシンポジウムなどを開催しておりまして、技術士の方によく受講していただいているので、技術倫理は比較的充実していると思います、そういう意味から言いますと、IPD懇談会での議論では、IPDシステムの中で、「IPDプログラムデータベース管理」という機能が記載されています。これは今後だと思いますが、技術士の方、あるいは技術士資格を取得しようとする方がどういうプログラムを受講すればいいのか、これが具体的に分かるような環境整備も進めていただければよろしいと思いましたので、コメントさせていただきました。
【日本技術士会】 ありがとうございます。スモールスタートを始めますということではありますが、今回は、私どもとしても技術士を目指す方が技術士会のシステムに登録でき、どちらもCPDコンテンツ、用意したところに参加できるようになると、そういうことが今般のスタートでございます。内容につきましては、寺井委員からも、高木委員からも御指摘あったような、内容の充実はもうやり出したらどんどん充実を図っていくということでございます。また、どんどん検討を深めて、また、この場で御報告できるといいかなと思ってございます。
【佐藤分科会長】 よろしくお願いします。ほかは、どうぞ。
【小林委員】 小林でございます。御説明ありがとうございました。2点ほどお伺いしたいと思います。
1点は、3ページ目のIPD事業の目的というところを見ますと、今回のスモールスタートに関しては、前段の2つは、若年層技術者の育成環境の提供、修習技術者等の迅速なスキル獲得のための仕組みの整備という観点を具現化といいますか、実際に取り組んでいこうということかと思うのですが、その次の技術士資格取得の早期化とか、国際標準の資質能力を備えた技術者全体の育成という観点からは、まだそこまでは行っていないかなと感じたところです。つきましては、後段の目標を掲げていることについて、今後の進め方といいますか、今お考えのものがあれば教えていただきたいということと、多分資格取得の早期化ということになると、最後の今後の課題のところ、技術士制度の見直しに向けた検討というところにつながっていくのかなと考えるわけですけども、こういった観点からはいろんな制度の見直し等、あるいは、体制の強化とか様々あると思うのですが、これについては、文科省さんのほうで何か今後の進め方でお考えがあればお伺いしたいと思う次第です。
以上です。
【日本技術士会】 取りあえず、私のほうから。IPD事業の目的はここに、今のところ4点挙げておりますけれども、これはもともと文科省さんのIPD懇談会の議論のまとめといったところをベースにしております。最終形態が、最終形態というか、もともとIPD事業の、IPDの取組は何を目指しているのかというところを、全体ひもといていきますと、この4点は浮かび上がってまいります。
今般スモールスタートで始める部分というのは、おっしゃるとおり最初の2つが直接的な実現、具現化する取組としては、まずは、この形が一応つくれたのかなというのがスモールスタートの部分でございますが、今後のところが非常に大きくて、そもそもIPD全体というのは、もっと修習技術者だけが本来対象ではなく、もう少し日本全体の若年層の技術者の活性化というところ、そこがさらに進んでいけば国際的に活躍できる、そういう技術者の層も厚くしていくと、こういうことにつながっていくと考えておりますから、3番目、4番目というのは非常に長期的な課題だろうと思っております。ただ、私どもはそのこともにらみながら、その中で特に技術士会でございますので、技術士会の事業でございますから、技術士を目指す技術者というところを対象に、その一翼を担えればということで、今般こういう目的を立てさせていただいてということでございます。
【佐藤分科会長】 もし文科省のほうから何か。
【奥課長】 ありがとうございます。先ほどの技術士会のほうの御説明でもあったように、これはIPD懇談会の中で、今後のIPDシステムの適用を踏まえて、実行を踏まえて、技術士制度の在り方そのものについても、いずれ見直しをしていきましょうみたいなことを書かせていただいていますし、合わせて人材委員会のところでも、初期専門能力開発からの継続研さん、それと全体的なシステムを考えた上で今後の技術者全体の育成の在り方というのを考えていこうと書かせていただいています。そういうものを踏まえながら、ここの分科会、あるいは人材委員会のところも中心に今後の在り方というのは検討させていただきたいなと思っております。
【小林委員】 それは何かタイムスケジュールみたいなものがあるという段階ではないということでしょうか。
【奥課長】 イメージ的にいつまでというのはありませんが、今後の検討課題の一つとして認識はしています。
【小林委員】 ありがとうございます。
【佐藤分科会長】 それでは、オンラインで松井委員から御質問出ておりますので、お聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【松井委員】 松井です。大変意欲的な取組だと思います。1点、3ページ目の国際標準の資質能力について御質問いたします。検索した結果なので正しいかどうか分かりませんが、日本技術士会は、APECとかIPEAとかは連携していて、多分APECのエンジニアリングの資格は技術士を持っていれば取れるみたいなことを、検索結果では書いておりましたが、もしそういうことがあるようでしたら、こういう資料に国際的な、アジアですけれども、基準が取れるみたいなことも宣伝していったら、そうすると、企業としてはAPECの技術者もいる。そうなると、国際的な技術力もあると宣伝できるかと思いますので、そういうところを活用されたらいいのではないかと思って、意見させていただきました。よろしくお願いいたします。
【日本技術士会】 御指摘ありがとうございます。当然ながら、国際標準の資質能力はIEAでしっかりと議論が重ねられて、それをベースに日本でも、その品質をきっちり保つ形で今チェックしております。当然ながら、日本技術士会、技術士制度としては、APECの枠組みですとAPECエンジニアという枠組みもございますし、また、IPEAという民間の中で決めている国際標準もございます。そういったものについても、全世界的に、言ってみれば国際標準のシステムのコンピテンシーの標準化ということで、一定の基準を定めながら、その内容を、品質をチェックすることで取り組んでいる、こういう状況にございます。
そこをしっかりキープすることが、言わば日本の技術士制度、それからAPECエンジニアの取組、IPEAの取組、全て、言ってみれば国際的に通用する技術者ということになろうかなと思っておりますので、ぜひその普及拡大にも努めてまいりたいと思っております。
以上でございます。
【佐藤分科会長】 ありがとうございました。
【松井委員】 米国のプロフェッショナルエンジニアなんかは難しいかと思いますが、日本の技術士になれば、APECの技術士としても認められるみたいな道筋がしっかり立てれば、国際的にもいいのではないかと思って意見させていただきました。よろしくお願いいたします。
【日本技術士会】 ありがとうございます。現行、既にAPECエンジニアというのは技術士制度をベースに仕組みがつくられておりまして、そこから先はもう少しAPECエンジニア自体の普及拡大というのももう一つ大きな課題かなと思っておりますが、引き続き御意見を踏まえまして、取り組みさせていただきたいと思っております。以上です。
【松井委員】 よろしくお願いいたします。
【佐藤分科会長】 ありがとうございました。それでは、よろしいでしょうか。
それでは、最後に議題の4のその他に移らせていただきたいと思います。前回御紹介いただきました、今後の科学技術人材政策の方向性、中間まとめのその後の動きについて御報告があると伺っておりますので、奥課長、よろしくお願いいたします。
【奥課長】 ありがとうございます。時間もありますので、手短にやらせていただきます。参考資料の6で、今後の人材政策の方向性の中間まとめをお配りさせていただいて、概要をお配りさせていただきます。前回のこの場でも御報告させていただきましたが、この中の研究者の育成に加えて、今回の技術者の育成というのも一つ柱に据えた上で、今後の方策というのを示させていただきました。この中間まとめを踏まえて、資料の4になりますが、産業・科学革新人材事業という事業を今年度の補正予算で新たにスタートさせることにしました。この中でも技術者の育成というのを一つの要素として入れさせていただいていますので、この事業の今の制度設計の概要を簡単に御紹介させていただきたいと思います。
1ページ目から5ページ目までは、基本的に現状、課題を踏まえたものを書かせていただいていますので、飛ばさせていただいて、6ページ目をおめくりいただければと思います。この事業の主な今後の方向性、3点挙げています。方針を掲げています。1つ目として、産学官によって先端的な分野を設定しようということで、高市政権の下で17の戦略分野であるとか、科学技術・イノベーション基本計画でも16の戦略技術領域とかを定めていますけれども、こうしたところを念頭に、今後、我々として注力していくべき分野というのを設定するというのが1つ目。2つ目として、国からの投資に加えて、企業から大学に対する投資を拡大していこうということが2つ目。3つ目として、大学における人事、給与のマネジメント改革を一体的に進めていこうということで、この3つを大きい基本方針として、この事業の中では掲げています。
それを踏まえて次のページ、7ページ目になりますが、真ん中、産学共同による研究開発と人材育成、ここは研究者、技術者等を一体的に支援するために、左下にあるような丸1から丸5の5つの項目を全て行うような大学に対して、20大学程度を支援するということを想定しています。3年間で270億の基金が計上されていますけれども、基本的には左下、一番下にあるように6年間の事業として想定をしています。
要件として1つ目、大学と企業との間で、研究開発はもとよりですけれども、大学と企業との間の人材交流、人的な交流であるとか人材の流動を促進しようということで、具体的には大学と企業とが、大学の研究者、技術者というのを双方で雇用する環境を実現した上で、エフォートに応じて必要な対価、給与を支払うという仕組みを設けるというのが1つ目。2つ目として、先端分野に関わるような新しい研究者、技術者の育成確保を図る。この技術者に関しても質的な、量的な規模の拡大を図っていくということ。3つ目として、大学院生、学部学生を対象に教育のプログラムの開発を行うということ。ここ、JABEE認定の認定校というのが以前と比べて相当減っているという状況がありますが、こうした事業も活用しながら教育プログラムの開発を進めていただくということもあり得るかなと思っています。また、4番目として、大学において産学協働を進めるための学内の専門組織として、例えばURAであるとか技術職員といった専門組織の体制を整備するということ。あるいは、丸5として、民間の投資を拡大するための大学において、共創的な研究所であるとか高等研究院、あるいは寄附講座、契約学科等々の新しい仕組みを整備してもらうということ。この5つの項目を全て満たした大学に対して支援をするということを想定しています。
次のところは飛ばしていただいて、10ページ目が主な分野の考え方を示したものになります。まだこれは我々としての案にすぎませんが、例えば物理工学であるとか資源・エネルギー、機械・電子、あるいは生命科学、情報・通信といった5つの領域を設けた上で、この中の一つ、もしくは複数の領域を大学のほうで抽出していただいて、そこに対して投資を行うということを想定しています。先ほどの説明の中でも、技術士の分野の部門の中でも、例えば船舶・海洋であるとか、あるいは機械、建設とかというのはあると思いますけれども、そうした分野も一応包括した形でこういう分野設定を考えたいと思っています。
次のページ以降は、具体的な制度を新設するに当たって、大学と企業と協働で提案するであるとか、人材流動、人的交流の仕組みとして、12ページ目のところで一つのイメージを書かせていただいているものもありますので、ここら辺は後ほど御参照いただければと思います。
いずれにしても、13ページ目にあるように、これは一つのイメージですけれども、大学の中にある共創研究所、企業と大学との間の共同研究をやるような仕組みを設け、ここの中に複数の分野の研究室がぶら下がり、ここに企業と大学の研究者、技術者というのがある種、入り乱れるような形で所属をした上で、エフォートに応じて必要な対価、給与を支払うという仕組みをある種一般化していくということを大きな目的とする事業になります。これを基に、大学のほうで技術者の育成であるとか、あるいは学生、院生、ドクターの育成とかに、その先端分野において量的、質的な規模の拡大というのが図られることを期待したいと思っています。
私の説明は以上です。
【佐藤分科会長】 ありがとうございます。
ただいまの御説明に関しまして、御質問等あればお受けしたいと思いますが。どうぞ。
【飯島委員】 飯島です。御説明ありがとうございました。私からは多様な人材確保の観点から気づいた点を述べさせていただきます。
まず、様々な取組を書いていらっしゃるんですけれども、もし見つけられていなかったら申し訳ないんですが、例えば若手とか女性を積極的に登用し、技術者として育成するための施策についてはどの部分が該当するのかということをお聞きしたいと思います。例えばなんですけれども、海外では、多様なチームでないと応募しても採択しないような事業とか、あるいは研究発表の場があるとお聞きしています。日本でそのような事例があるのかどうか分からないんですけれども、多様性のあるチームを採択する、これは、ただ単にマイノリティーに配慮するということだけではなくて、実際にイノベーションにつながるような成果を生み出すのは多様性のあるチームだということがデータでも数多く示されていますので、非常に合理的な選択になるかと思います。そうした多様性のあるチームに対して研究費の助成を優遇するであるとか、学会の発表の場をそうした条件がないとできないようにするとか、といったことがあるのではないかと思って申し上げさせていただきました。
あと、国土交通省さんでも、若手とか女性の育成を目的としたようなチームに対して加点をするというようなプロポーザルの方式を一部採用されています。ほかの省庁さんでも、ぜひそういったことを取り入れていただきたいなという思いもございます。それが大きく1つ目でございます。
2つ目なんですけれども、資料のイラストを拝見しまして、例えば11ページ以降に多くのイラストがあるんですが、これはわざとではないと思うんですけれども、皆さんネクタイをしていらっしゃるんです。これを女子中高生に見せて、皆さんに技術者になってほしいんですと言っても、ちょっと私とは関係ない世界だというように見えてしまうかと思います。イラスト集の中ではなかなか良い図が見つけづらいのかもしれませんけれども、アンコンシャスバイアスを助長しかねないので、これについては十分注意をいただいて、ここの図だけではなくて、今後発行される資料については、全体確認をいただけると幸いでございます。
以上になります。
【佐藤分科会長】 高木委員、どうぞ。
【高木委員】 御説明ありがとうございました。高木でございます。
まず、資料4の7ページなどで、研究者と技術者を分けて記載されておられますので、これは大変ありがたいと思いました。人材委員会傘下のワーキンググループに参加させていただいておりますが、この点は少し議論がありまして、やはり研究者と技術者、さらにその人材育成は分けて考えるべきだということを従前からワーキンググループで申し上げておりました。もちろん白黒明確ではなくグラデーションはあるのですが、基本的には違いがあると思います。研究者は博士を目指していただいて、技術者は技術士を目指していただくというのがよろしいと思います。これはまずコメントです。
それから、2点目ですが、6ページ目に真ん中の丸2、産業界から大学への投資拡大という項目があります。これは非常に重要な点で、こちらの分科会の所掌から外れるかもしれませんが、これはぜひ進めていただきたいと思います。その示唆になるのが、今日はご説明はございませんでしたけど、4ページの右下に、「国内企業の外部委託支出研究開発費は増加傾向」で海外比率が44%であることを示したグラフがあります。特に大手企業では、海外の大学や研究機関との共同研究も増えています。私自身も過去に経験がありますが、ここを少し掘り下げていただければよろしいのかなと思います。日本の大学と海外の大学、あるいは研究所は、違いがあります。なぜこのような結果が出ているかというのは、その原因があるわけですから、そこを少し深掘りしていただければよろしいのかなと思いました。
それから、少し関係することですが、その場合に産業界から大学への資金が今後増えていった場合に、大学の現在の会計システム、会計基準がこのままでいいのかということです。例えば単年度会計で、特に国立大学の場合は、年度を繰り越すためには目的積立金という、目的を明確にした資金しか原則繰り越せないというルールがあります。それに対して、例えば公益社団法人、日本工学会も技術士会もそうですけど、使途不特定財産額の保有制限といって、目的のないお金もある上限以下ならば年度を繰り越せます。そういう制度もあるということで、少し大学の会計システム、会計基準も柔軟にするような検討もしていただくのが良いのではないかと、今日のお話を聞いて思いました。これはここの分科会の所掌とは違いますが、関連してコメントをさせていただきました。
以上でございます。
【佐藤分科会長】 時間も来ておりますので、黒﨑委員のコメントをいただいて。
【黒﨑委員】 ありがとうございました。資料の中に技術者というのが非常に大きくというか、よく出てきて、我々としては大変ありがたいところでございます。
私も飯島委員と同じ印象の話で申し訳ないんですが、12ページの図のところで、大学のほうの研究者というのは、恐らく先ほど御発言にもありましたけど、ドクターの研究者というのをイメージされているような感じがするんですが、一方で、右側のほうの技術者というのはターゲットがあまり明確でなくて、何となく印象としては、エンジニアもテクノロジストも、テクニシャンもみんな入って技術者みたいな感じがすると。こういったところで、例えばクロスアポイントのところで技術士、こちらの左側のほうで言えば研究者に対応するレベルとして、技術士というようなものが透けて見えるようなものがあると、技術士の活躍の場としても、民間企業でも重視されるのかなと思いましたので、もし御検討いただければ幸いでございます。
以上でございます。
【佐藤分科会長】 ということで、特に御回答よろしいですね。
【奥課長】 いずれもコメントとして承りました。ありがとうございます。
【佐藤分科会長】 それでは、全体を通しまして、もし何か御発言ございましたらお受けしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
それでは、本日の議題は以上になりますけども、最後に西條局長と福井審議官から一言ずつ、御挨拶いただければと思います。よろしくお願いいたします。
【西條局長】 お時間も過ぎていますので、本日はどうも、いろいろと御意見いただきまして、ありがとうございました。技術士の問題もあれですけど、もう皆さん御存じのように、昨年、2040年の産業構造の変化ということで、経産省のほうから産業構造の変化と、また就業構造の変化というところを打ち出されておりまして、それによってかなりの文系、理系を分けるのがいいかというのがあるんですけど、理系人材、こういったところが非常に足りなくなるというような将来像が示され、それに対して文部科学省も今、高校から始まり、高校大学改革、それから大学院を通じて、あとは我々の科学技術人材という面でも、こちらのほうを対応していくというような大きな流れを今、出させていただいております。
こういった中で、いろいろ時代の変化の中でこういう大きな変化と、それから今日も高木先生からもございましたけれども、今までのような年功序列からジョブ型に大きく変わっていくというところと、それから、とにかく全てにおいてスピードアップしていくという流れの中でいろいろと、どちらかというと、技術士制度についても、例えば入札要件みたいなものとして見ていたところから個としてかなり移っていくところが出てくるんじゃないかなというところもありますし、スピードアップで言えば、ネットワークの重要性、多分個になればなるほど、ネットワークの重要性や学び続ける必要性というのも出てくるんじゃないかと。そういう時代背景も踏まえて、今回調査しておりますけれども、そういったところから上がってきたところも踏まえて、さらにそういったデータを基に今後も議論をしっかりして、我々の中でも今後の技術士の在り方というのを一つ大きなテーマにしておりますので、引き続き、皆様から御意見いただきながら、時代の変化をよく見た上でやっていかないといかんかなというのは、我々も常に最近考えているところでございますので、ぜひ引き続き忌憚のない御意見いただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
私からは以上です。
【福井審議官】 本日の議論ありがとうございました。特に今日、議題2の調査の中間報告についての議論、興味深く聞かせていただきました。その中で、技術士の資格について、昔は会社からも取ることについて勉強させていたけれども、今、実際課題に当たって勉強しなきゃという状況の中、技術士は持っていないけど、技術士に持っているのに値するだけの人がいっぱいいるんじゃないかというところで、そういう技術士制度がまだ広がっていく余地があるんじゃないかなと思って、伺わせていただきました。
最初の議題でありました、技術士の全国大会の報告、私も参加させていただきまして、中身は聞いていないんですけど、分科会の会場を回らせていただきまして、すごくたくさんの人が熱心に御議論されていましたので、何かそういった活動が広がり、そういった中に特に若い人が入っていくような方向というのがあればいいかなというのは、中間報告の皆さんの議論を伺わせていただいて思いました。そういった方向に向けて、我々も進めていけたらなと思っております。
以上でございます。
【佐藤分科会長】 ありがとうございました。
それでは、最後に事務局から連絡事項をお願いいたします。
【益田補佐】 本日の議事録につきましては、委員の皆様に御確認いただきまして、それから修正意見を反映し、分科会長に御確認いただいた上、文部科学省のホームページに公開させていただきます。
【佐藤分科会長】 ありがとうございます。
それでは、以上で本日の会議を終了したいと思います。長時間にわたりまして、ありがとうございました。
―― 了 ――
科学技術・学術政策局人材政策課