第11期 技術士分科会 制度検討特別委員会(第1回)議事録

1.日時

令和3年5月27日(木曜日)10時00分~12時00分

2.場所

新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、オンライン会議にて開催

3.議題

  1. 主査代理の指名について(非公開)
  2. 第11期制度検討特別委員会の検討方針と作業部会の設置について
  3. CPDガイドラインの策定の報告について(日本技術士会)
  4. その他

4.議事録

 (人事案件を含むため、技術士分科会運営規則に基づき議題1は非公開)
 事務局より委員紹介があった後、岸本主査によって、塩原委員が主査代理に指名された。

【岸本主査】  それでは改めまして、皆さん、よろしくお願いいたします。主査を仰せつかりました岸本でございます。改めて御挨拶申し上げたいと思いますけれども、第11期に続きましてこの部会の主査をさせていただくことになりました。
 前期の第11期の分科会では、技術制度改革に関する論点整理という形で論点整理がされておりましたけれども、それを基に、多くの特に若い技術者の方々が技術士を目指すとともに、技術士の制度そのものが国際的通用性を確保していること、あるいは技術士を取られた後にその資格をうまく活用できるということで、そういったことに対して制度的にどんなことができるだろうかということで議論してまいりました。その中で、初期専門能力開発IPDのこととか、技術士の資格を取られた後の自己研さんということで、CPD制度をきちんとしていくこと。それと、その技術士の活用を促進していくということで、技術者の方々が技術士制度によって生涯活躍できるようなシステムに技術士制度がよりよくなっていくにはどうしたらいいかということで検討してまいりました。幾つかの提言あるいはそれを実行に移すということが進んできておりますけれども、まだまだ残された課題がたくさんあります。そういった意味で、今期についても皆様と一緒に、技術者の方々が活躍できるための技術士制度ということで考えてまいりたいと思いますので、皆さん、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは続きまして、主査代理をお願いしております塩原亮一委員に御挨拶をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【塩原主査代理】  主査代理を拝命いたしました塩原でございます。今回この制度検討特別委員会に参加させていただいて、特にCPDに関して今回議論するという話もございます。非常に多くの方々にCPDを登録して運用していただくという意味で、それに見合った効果が上がるような形の方法をぜひお願いしたいと考えております。よろしくお願いいたします。
【岸本主査】  ありがとうございました。
 それでは次に、議題の2、今後の検討方針と作業部会の設置についてに入ります。
 先ほど事務局から御説明がありましたが、技術士分科会において、「「技術制度改革に関する論点整理」に基づく第10期技術士分科会における検討報告」において取りまとめられました技術制度改革に係る主要論点についての検討を本委員会で行うこととされました。
 本委員会での今後の検討の進め方と作業部会の設置について、事務局から御説明をお願いいたします。
【臼井専門官】  事務局より、資料3、技術士制度をめぐる現状と課題と、参考資料3、論点に基づく検討報告を関連する資料として、今期の検討方針について、前期の技術士分科会での取りまとめを踏まえて御説明いたします。それから、この制度検討特別委員会、そしてその下部に作業部会として設置するものとして御提案させていただくのですが、資料4といたしまして、初期専門能力開発・試験検討作業部会の設置に関しまして、参考資料2がその関連資料でございますけれども、これらにつきまして御審議いただくというものでございます。
 今年度より新たに委員となられた先生もいらっしゃるので、これまでの技術士分科会での検討内容も併せて簡単に御説明いたします。
 まず、資料3の1ページ目、技術士法の改正経緯でございます。技術士法は、昭和32年に制定され、昭和58年に技術士補制度が開設され、また指定試験機関・登録機関が導入されました。直近の改正では、平成12年に大幅改正がございまして、JABEE認定の改定で一次試験免除解除とか、二次試験受験資格に4年を超える業務経験が追加されたり、また技術士の資質向上等の責務が新設されました。
 2ページ、これまでの技術士分科会での審議状況ですけれども、これまで技術士分科会では、平成12年の改正以降も、技術士制度の在り方について検討を行ってまいりました。前期、令和元年度から令和2年度の2年間でございますけれども、この第10期技術士分科会での検討内容につきましては、ちょっと一旦7ページに詳しくまとめておりますので、飛ばさせていただきますが、検討の方向性といたしまして、国際的通用性の確保や技術士資格の活用促進を図るため、技術士の流れの上流、左のほうから下ですが、IPDシステムや技術士試験一次試験の適正化、また技術士補制度の見直し、CPD活動といった初期能力開発から、資格取得、CPD、資格活用に至るまで、生涯にわたり一貫した整合性のあるシステムの構築・改善を行うための検討を進めてまいりました。
 詳しくは参考資料3につけておりますけれども、参考資料3の表紙の緑の部分の6つの事項、技術士資格の国際的通用性の確保、技術士試験の適性化、技術士補制度の見直し・IPD制度の整備・充実、継続研さん・更新制の導入、総合技術監理部門の位置づけの明確化、活用促進・普及拡大について、特に整理いたしました。報告書の全体につきましては、次のページ以降に添付しております。
 資料3にお戻りいただき、3ページに移らせていただきます。これらの前期の技術士分科会での審議を踏まえまして、技術士資格の国際的通用性の確保の観点を十分に加味した上で、今期の技術士分科会における検討事項が示されました。
 まず、一次試験に関しましては、ちょっと11ページに飛ばさせていただきますが、現在の4年制大学のエンジニア課程のカリキュラムに対応した形で、若手技術者が受験しやすい構成にすることに留意した上で、技術部門を一番左の系に割り振る大くくり化の是非について継続して検討するということになっております。
 3ページにお戻りいただきます。3ページ、次ですが、外国人エンジニアが受験しやすい試験方法等の検討に関しては、多言語での試験の実施の有無の調査や、JABEEが認定したプログラムと他国のワシントン協定加盟団体が認定したプログラムを同等と見て一次試験を免除することの可否について検討を進めます。
 次のページに移らせていただきます。技術士補制度の見直しについては、指導技術士が合格した一次試験の技術部門と同一の技術士に限られている制限緩和や、若手技術者のためのeラーニングや通信教育による研修の支援の在り方について検討いたします。
 次、IPDシステムの導入については、IPDを通した資質能力開発支援を達成するためのロードマップを作成することにより、IPDシステムの内容の具体化に向けた検討を進めるとともに、若手技術者の所属機関、教育機関、技術士会、各学協会等の連携による支援体制などについてなどについて検討いたします。
 次、5ページ。更新制の導入については、CPD活動の関連事務を日本技術士会が実施することとなったことから、この枠組みの適用状況をモニタリングしながら継続検討することとなりました。継続研さん──CPDの充実・強化に関しては、CPD活動をAPECエンジニアや総合技術監理部門などへのステップアップと位置づけた検討を継続いたします。また、CPD活動の奨励に当たっては、資格活用促進と普及拡大を絡めて議論を進めます。
 6ページ、総合技術監理部門の位置づけの明確化については、当該部門の活用の場や、取得のメリットなども議論の対象といたします。その他、技術士の普及拡大については、技術士会と文部科学省が連携して取り組んでまいります。
 なお、そのほかの参考資料として、昨今の国内外の情勢や、IEAのGAと一次試験の関係、外国人受験者に関する調査、技術士資格の特例認定、一次試験合格と同等とJABEEが認定した海外の教育課程、二次試験受験者の技術士補の割合、受験者の年齢分布などを添付しております。
 最後に6ページに戻りますけれども、今後の制度改正に向けた検討の方向性に関しては、制度改正の重要な当事者となる若手技術者が望む制度改正とすることが必要であり、今後、若手技術者のニーズを調査しつつ、実現可能な制度設計を行い、必要と認められれば、法令改正も視野に入れて検討を進めるとしております。その際には、国内外の動向を俯瞰しつつ、他の政策との整合性にも留意しながら幅広く検討するとしております。
 このような今期の検討事項に関しまして、8ページに飛ばさせていただきますけれども、前期に引き続きまして、当委員会の下に作業部会を設置し、会議ごとに検討事項を割り振って進めていくということを御提案したく存じます。まず、最上位の会議体として技術士分科会、そしてその次に制度検討特別委員会、その下に初期専門能力開発・試験検討作業部会、通称IPD作業部会を設置いたします。下から順に、IPD作業部会では、技術士試験の適正化、IPD制度の整備・充実、外国人が受験しやすい試験方法等を検討いたします。IPD作業部会の設置要領(案)につきましては、資料4でお示ししたとおりでございます。
 なお、技術士分科会のほかの会議体につきましては、参考資料2も御参照ください。
 制度検討特別委員会では、そのほかの項目、更新制の導入、継続研さんの充実・強化、総合技術監理部門の明確化、利用促進等を検討するとともに、IPD作業部会での検討内容のプレビューを行うとしております。
 このように今期の検討項目について、委員会本体、それからIPD作業部会で御検討を進めていただければどうかというのが事務局の御提案でございます。
 以上でございます。
【岸本主査】  御説明、ありがとうございました。大部にわたる資料についてコンパクトに御説明いただきまして、ありがとうございます。かなり多くのことが盛り込まれた資料ですので、特に今期から委員になられた皆さんには目新しいこともたくさんあろうかと思いますけれども、それぞれについてはこれからの議論のなかで確認しつつ進めてまいりたいと思います。
 それで、これまでの御説明の範囲で何か確認されたいようなことがございましたら御質問いただければと思いますけれども、いかがでしょうか。具体的な内容については、また皆さんから御意見をいただきたいと思いますけれども、それでは、今、寺井委員からお手が挙がっているのでしょうか。それでは、寺井委員、お願いいたします。
【寺井委員】  ありがとうございます。今後の進め方というところでございますけれども、御説明のありました資料3の8ページに今期の検討事項の割り振りがございます。それで、作業部会としてIPDと試験検討をお作りするということに全く異存はございません。
 一方で、制特委で議論する中に、総合技術監理部門の位置づけの明確化というものがございます。これにつきましては、今期の大きな課題である継続研さんの充実・強化に結びつく、その先の位置づけみたいな議論もあるでしょうし、当然、国際通用性とも絡んでくるので、この辺のところを制特委でいきなり議論するのは少し重たいのかなという気もしておりまして、これに関して別途作業部会等の設置のお考えはございますでしょうか。
【岸本主査】  どうでしょうか、事務局としては。
 そうですね。一つは、皆さんと、今日も御意見を伺って、その上でということも思いますけれども、何か事務局からコメントがあればお願いいたします。
【奥野人材政策課長】  人材政策課長の奥野でございます。岸本先生がおっしゃるとおり、具体の検討に入っていくに当たりまして、まずはこの委員会の中での検討の状況等を踏まえて、必要であれば、先生と御相談した上で設置等に関しては検討することができるかと思います。現時点では、今の段階で具体的な構成案等を準備しているものではございません。
【岸本主査】  ありがとうございます。
 寺井委員、そういう進め方でよろしいでしょうか。
 ということで、今日もまたこの進め方について御議論いただくので、奥野課長からも御説明がありましたけれども、必要があるところで作業部会を設置するという形で進めてまいりたいと思います。ありがとうございます。
 そのほか、ございますでしょうか。
 内容については、8ページのところで項目立てがされておりますので、後でまたここについては御意見を伺うといたしまして、まずこの特別委員会の下に初期専門能力開発・試験検討作業部会、これについては前期も検討を進めてきたところですけれども、まだまだいろいろな形での幅広なことを考えつつ議論が必要だということ、検討が必要だということで設置させていただきたいと思いますが、この設置についてはよろしいでしょうか。御異議のある方がいらっしゃいましたら御発言いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 それでは、作業部会を設置させていただくということで進めてまいりたいと思います。
 こういった作業部会については、設置要領としては資料4に用意されておりますが、この委員については委員会の主査が指名することになっているということで、私から指名させていただきたいと思います。それでは、石田佳子委員、酒森潔委員、塩原亮一委員、三村啓子委員、小野直樹委員、笠原弘之委員、小林守委員、佐藤之彦委員に、前期からの委員の方々もいらっしゃいますけれども、お願いしたいと考えております。最終的には主査の私に御一任いただければと思いますけれども、ぜひ、これらの皆様に関してはこの委員に御就任いただいて、一緒に検討を進めていければと思います。いかがでございますでしょうか。
【石田委員】  石田でございます。よろしいでしょうか。
【岸本主査】  お願いします。
【石田委員】  今期から参画で、ついていけない部分もあるかと思いますけれども、精いっぱい頑張ります。よろしくお願いいたします。
【岸本主査】  ありがとうございます。
【塩原主査代理】  塩原ですが、了解いたしました。
【岸本主査】  ありがとうございます。
【酒森委員】  酒森です。同じく了解いたしました。よろしくお願いします。
【岸本主査】  ありがとうございます。
【小野委員】  芝浦工大、小野です。了解いたしました。
【岸本主査】  ありがとうございます。
【小林(守)委員】  小林守です。またよろしくお願いいたします。またお世話になります。
【岸本主査】  お願いいたします。
 笠原委員と佐藤委員は、今日御欠席ですけれども、ぜひ引き受けていただきたいということで御連絡申し上げたいと思います。ありがとうございます。
 また、この作業部会でいろいろ検討したことについては、こちらの部会でも御議論させていただきますので、ぜひ皆様方からも、この検討事項についてはいろいろな形で御提言、御意見をいただければと思います。ありがとうございます。
 それでは、今期のこの委員会の進め方について、寺井委員からは、相関関係は非常に大事なことなので、ここについてもしっかり議論するようにというような御発言もございましたけれども、皆様方から、御質問を含めてでもいいかと思いますけれども、少し時間を取って御発言をお聞きしたいと思います。
 そのために、皆さん、資料3の7ページを開けていただけますでしょうか。この資料は「第10期技術士分科会における技術制度改革の検討の方向性」ということで、左から、大学を卒業され、一次試験に合格し、あるいはJABEEの認定課程を修了され、研さんに励み、二次試験に合格し、技術士として登録されると。その後、継続研さんを重ね、技術士として活躍いただき、ということで進めていくという全体の流れになっています。
 その中で、例えば、右上に技術士補制度の見直しと書かれていること、あるいは技術士試験の適正化という項目、その下にはIPDシステムということ。右のほうでは、技術士を取られた後のCPD活動、あるいは総合技術監理部門の位置づけの明確化、それと資格の活用促進、国際的通用性の確保ということで、10期において、それ以前の継続的な議論もございましたけれども、こういうところが技術士制度の改革の大事なポイントということで、検討を進めてまいったわけです。
 その中で、先ほど御説明がありましたけれども、CPD活動については、次の議題にもありますけれども、ある一定の方向が示されて、そちらのほうに向かっていくということなんですけれども、先ほど説明いたしましたこういった課題については、今期さらに検討を進めていく必要があるということで、こういった課題があるということをこの図で御覧になっていただければと思います。こういったシステムをきちんと整備していくということがこの部会の目標になっているわけですけれども、それぞれについてそれぞれ課題があると思いますけれども、御質問あるいはこれらについて御意見があれば、ぜひこの時点で御発言があればお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 それでは、再び寺井委員からお願いします。その後、小林厚司委員にお願いしたいと思います。
【寺井委員】  今のお話の中で、資料3の10ページにGA・PCのグローバル基準の見直しに関する情勢を御紹介いただいております。この資料によりますと、本年度、総会で決定されて、3年間の移行期間があるとはいえ、この辺の中身が変わってまいりますと、この試験制度だけではなくて、IPDとかCPDのコンテンツにも考慮していく必要があろうかと考えておりますので、この辺をどう議論の中で組み込んでいくのか、それが非常に大事になってくるかなと思っております。
 以上です。
【岸本主査】  ありがとうございます。10ページに書かれているGA・PCについては、IEAの部会で、今度6月に会議がありますけれども、どういう形でその審議結果が出てくるかということが一つ大事なポイントだと思いますので、その会議が終わった後にまた状況を皆さんと共有して検討していくということが必要かなと思います。ありがとうございます。
 続いて、小林厚司委員、お願いいたします。
【小林(厚)委員】  小林でございます。ありがとうございます。私は、先ほどの継続研さん等の資料の報告(P-5)にあります、継続研さんの充実・強化に関し、特にこれからの技術士の活用促進について、より積極的に検討をする必要があるのではないかという気がしております。前期にもテーマとして活用促進・普及拡大というのがございましたけれども、特段具体的な取組ができたわけではなかったので、これがこれからの技術士の拡大といいますか、技術士の評価という点では、非常に重要なテーマであると感じております。
 そういった点も含めて、また先ほど寺井委員からの御指摘もあった、総合技術管理部門あるいはAPECエンジニアへのステップアップの位置づけとしてのCPDの検討というものはまだまだ継続的に検討する必要があるのではないかということも含めて、作業部会等、さらなる体制の強化といいますか、検討の強化を図る仕組みが必要ではないかという気がいたします。
 以上です。
【岸本主査】  ありがとうございます。
 それでは続いて、高木委員、お願いできますでしょうか。
【高木委員】  高木です。先ほど寺井委員から御指摘のありました資料の10ページの特にGA・PCのグローバル基準の見直しについてですが、これは先期の委員会で私のほうから、このような動きをよくウォッチして日本の制度に取り込むことも必要であるということを申し上げたと記憶しています。一昨年、WFEOの総会がございまして、日本工学会は会員ですので参加してまいりました。そういうことでこの情報を先期に紹介させていただいたのですが、このような情報の共有、今どういう動きがあるかということをウォッチするということは、ある意味、国際的通用性という観点からも非常に大事だと思います。さらに、日本独特の状況というのもございますので、我が国からこういう場に提案するということも場合によっては必要になるのではないかと思います。
 いずれにしましても、この項目を資料に掲載していただき、感謝申し上げます。
 それからもう1点目は、CPDの活用の充実・強化についてですが、これは大変重要なポイントで、一つは制度としての充実と、あとCPDのコンテンツ、内容について、いかに実のあるもの、実りあるものにするかという点についても併せて検討が必要かと思います。本議論では、技術士に対するCPDですが、日本工学会等でプログラムを開発するという立場からしますと、技術士のみでなく、広く技術者に対しても有益なものということも配慮した上で進める必要があるのではないかと思います。
 以上です。
【岸本主査】  ありがとうございます。
 ほかに御意見はいかがでしょうか。
 今御指摘がありました参考資料の1、9ページと10ページですけれども、10ページのほうについて、そのGA・PCの基準の見直しが行われているということで、これは非常に大切な観点だと思いますけれども、もう一つ、9ページのところに書かれている、こちらは国内の状況に関わることだと思いますけれども、その中で、第6期の科学技術・イノベーション基本計画、この4月からスタートした基本計画ですけれども、その中に、ここに引用されていますけれども、「技術士制度について」というところで、「関係府省が連携し、産業界等での活用促進・普及拡大に取り組むとともに、国際的通用性の確保、若手人材の参入促進、技術士の資質・能力の向上に向けて、必要な制度の見直しを行う」ということになっておりまして、この基本計画の中にもこの部会で取り組むことがしっかり書かれていますので、これに対してきちんと回答し、実現していくというのが一つ大きなことになるかなと思います。
 それともう一つは、その次のところに書かれているインフラシステム海外展開戦略2025の中にも、技術者の資格制度の活用ということで、こういったところも視野に入れながらこの技術士制度の活用促進ということを考えてまいりたいと思いますので、委員の方々については、ぜひいろいろな形で御発言、御意見をいただければと思います。
 よろしいでしょうか。それでは、まだ御意見、御質問はあるかと思いますけれども、次の議事に参りまして、それが終わったところでまたその他のところで皆様から御意見をいただければと思います。
 それでは、議題の3に参りたいと思います。CPDガイドラインの策定報告についてということになりますけれども、まず事務局から簡単に背景を御説明いただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
【臼井専門官】  こちらの資料、CPDガイドラインの策定報告についてということで、技術士会から御報告がある前に、簡単に背景について御説明させていただきます。
 こちらは資料5で添付させていただいておりますけれども、第10期技術士分科会での検討におきまして「技術士のCPD実績の表示の仕組みの導入について」が取りまとめられまして、技術士の継続研さん、CPD活動の実績の管理及び活用に関する事務を日本技術士会が中心になって進めることを明確化いたしました。これを受け、技術士のCPD活動に関連する事務の実施主体として、日本技術士会に担わせるため、資料5のとおり、先月26日に文部科学省は日本技術士会に対して通知を発出いたしました。
 このように、第10期技術士分科会での検討を踏まえ、日本技術士会がCPDガイドラインを策定し、今般報告されるものと承知しております。本ガイドラインにつきましては、日本技術士会からの御報告事項であり、当委員会で議決をいただくものではないと整理しております。
 以上でございます。
【岸本主査】  御説明、ありがとうございました。
 それでは続いて、技術士会からこのガイドラインのことについての報告をお願いいたします。よろしくお願いします。
【寺井委員】  ありがとうございます。ただいま事務局から御紹介がありましたように、4月26日付で発出されました通知を踏まえまして、当会といたしましては、直ちにホームページに会員向け、そして全技術士向けに、こういった技術士の継続研さん活動の実績の管理及び活用に関する事務を担うことになって、どういうスタンスでやるのかという文書をアップさせていただきました。とともに、当会の技術士制度検討委員会におきまして、CPDガイドライン案の策定作業を進めてきてございます。
 今回報告させていただきますCPDガイドラインは、日本技術士会がこの事務を適切に実施するために必要な事項といたしまして、実施主体としての体制整備、CPDの基本的な考え方、そしてCPD実績の判断基準、この辺のところを中心に記載してございます。また別途、技術士CPD管理運営マニュアルといったものを作成中でございまして、これにつきましては、実施主体としての日本技術士会が関連する事務を適切に行うに当たっての基本的な手順とか各種様式といったものについて整理してございます。これもガイドラインと関連いたしますので、併せて本日御説明させていただきます。
 コンテンツの説明は、当会の技術士制度検討委員会の中川副委員長より行わせていただきます。
【岸本主査】  よろしくお願いします。
【日本技術士会 中川副委員長】  中川でございます。先ほど御紹介いただきました資料6ですけれども、最初の3枚が全体の概要版になっております。その後ろに技術士CPDガイドラインと管理運営マニュアルがついておりますので、この3枚の概要版を主体に、その後ろにあるガイドラインと管理運営マニュアルを対比しながら御説明をさせていただきます。
 概要版の1枚目ですけれども、今御報告にありましたように、4月26日に「技術士の資質向上に関する継続研さん活動の実績の管理及び活用について」とする大臣通知を受領いたしました。
 この内容は下記の5項目でございます。技術士のCPD活動の実績の管理及び活動に関する実施主体は、日本技術士会となる。それから、日本技術士会──実施主体が、CPDガイドラインの策定を行う。技術士へのCPD活動の記録の確認及び実績簿の作成を行う。技術士へのCPD活動の普及啓発を行う。技術士分科会への技術士のCPD活動状況の報告を行うとなっております。
 中段に移ります。これを受けての日本技術士会の対応です。会長の説明と一部重複しますけれども、実施主体としての体制整備、CPDの基本的な考え方を規定した技術士CPDガイドラインを策定し、技術士分科会へ報告いたします。これは改訂の都度実施することになっております。
 さらに、技術士CPDガイドラインに基づき、事務を適切に行うための方法等を記載した技術士CPD管理運営マニュアルを整備いたします。各所からの意見を吸い上げ、適宜改訂いたします。
 さらに、この2つをまとめ、入力方法なども記載した手引を加えた技術士CPDガイドブックを作成いたします。郵送、説明会、ホームページ掲載などを通じて、会員のみならず、技術士全員に周知徹底を図っていきます。さらに、CPD活動関係学協会連絡会を通じて、関係学協会にも報告いたします。
 技術士ガイドブックの主たる内容は、下記に書いてあります4項目でございます。1つは実施主体としての組織・役割など、2つ目がCPD活動記録の確認などの方法、3つ目がCPD活動の普及啓発への取組、4つ目が分科会へのCPD活動の報告についてであります。
 概要版の2枚目に移ります。先ほどお話ししました技術士CPDガイドラインと対比しながら御覧になっていただければ幸いです。本文の4ページを御覧になっていただきたいと思います。
 実施主体としての体制整備ですけれども、日本技術士会事務局に技術士CPDセンターを置き、実施主体としての事務を担当いたします。
 CPD活動関係学協会連絡会ですけれども、技術士会から情報提供を行い、CPDの在り方、各学協会とのCPD相互認証などの意見を求めていきます。
 技術士CPD活動実績管理運営委員会については、有識者、関連団体からの推薦者、正会員から構成し、研修の実施や周知活動に対する指導・助言、マニュアルの改訂などを行っていきます。さらに、技術士分科会へ報告する技術士CPD活動状況報告案を検討いたします。
 5ページに技術士のCPD活動の基本的な考え方を示しています。CPD活動の目的及び技術士に求められる資質能力の規定ですけれども、技術士は、法47条の2にあるように、資格取得後も資質能力を維持するだけでなく、資質向上を行う責務があります。
 6ページの表-1にコンピテンシーを示しております。専門的学識、問題解決、マネジメント、評価、コミュニケーション、リーダーシップ、技術者倫理ですけれども、これを見据えてCPD活動を行う必要性があります。CPD実績活用促進のためには、部門及び関係学協会に共通の基準が必要で、緊密に連携しながら進めてまいります。
 技術士のCPD活動の区分及び算定基準の設定です。7ページに表-2がありますけれども、コンピテンシーと対応する形で、専門的学識と技術者倫理などの一般共通資質に区分しております。
 隣の表-3でありますけれども、CPDの活動区分を、講演会などの参加型、論文を作成したりする発信型、資格取得などの実務型、それから多様な自己学習ということで、4つに区分しております。
 7ページの最下段、表-4ですけれども、形態区分別CPD時間算定基準の目安を示しております。
 8ページに移りますけれども、続いて御覧ください。技術士のキャリア形成の段階に応じ、必要なCPD時間の設定をしました。ステージ1、高等教育機関卒業程度ということで、20代半ば前後でありますけれども、そこからスタートして、ステージ3で技術士の取得、さらにステージ4、ステージ5とステップアップしていくということになります。ステージ3のところに、技術士の取得で目標35歳となっておりますけれども、現在は平均で43歳ということになっております。資質能力の維持のために必要なCPD時間、これは技術士になってからということですけれども、この絵でいくとステージ3に相当しますけれども、年20CPD時間といたしました。さらにステージ4、5とステップアップしていく高度なエンジニアとして必要なCPD時間を年50CPD時間、うち技術者倫理を年1時間以上必須と考えております。この年20CPD時間を基準CPD時間、年50CPD時間を推奨CPD時間と設定いたしました。
 続いて、9ページを御覧ください。資質向上の取組状況の記載についてです。希望するCPD活動実績を作成し、技術士が実践するCPD時間を技術士登録簿に記載適用になります。これについては、省令改正をしていただくということが前提になっております。表-5ですけれども、上記の様式例を表示しております。
 下段の4、CPD活動を行っている学協会との連携です。CPD活動関係学協会連絡会を設置すると申しましたけれども、これに所属する学協会、例えば土木学会などでございますけれども、こういう学協会に技術士CPD実施法人になっていただきます。当該法人のCPD活動実績証明書で登録受付を可能といたします。したがって、技術士会に入っていない技術士の方も登録が可能になるということであります。
 望ましい技術士CPD実施法人について、9ページの下のほうで定義しておりますけれども、良質なCPDプログラムを提供していることや、CPD登録制度を有していることなどを条件としております。
 最後に、技術士分科会への技術士のCPD活動状況の報告を記しておりますけれども、毎年技術士分科会へCPD活動の実施状況あるいは活動実績などを整理して報告いたします。
 概要版の3枚目、技術士管理運営マニュアルについてでございます。全体を6つの項目に大きく分けております。
 4ページを御覧ください。4ページの表-1ですけれども、ここにCPDの算定基準を記しております。
 それから2番目の技術士CPD活動の実績の管理及び活用ですけれども、これに関しては、めくっていただいて7ページの図-2に仕組みの図を示しております。
 それから10ページですけれども、新たに技術士(CPD認定)といった制度を設けて認定証を発行し、活用していただくことを考えております。
 それから3番目、技術士CPD活動に対する多様な研修の支援ということで、e-ラーニングシステムのプログラムの充実を図ってまいります。
 それから4番目、技術士CPDデータベースの構築と活用では、新たにデータベースを構築した上で、公共発注機関での活用あるいは民間での資格活用にもつなげていきたいと考えております。
 5番目、今現在は、技術士のCPDに関して本会で第3版のガイドラインを設けて、これで登録を行っておりますけれども、これの取扱いについて書いております。
 それから最後ですけれども、6番目として、CPD登録・証明書等の手数料、実際に費用が発生するということで、これは現在思案中ですけれども、案を別表に示しております。
 説明は以上でございます。
【岸本主査】  御説明、ありがとうございました。
 大臣通知が出ましてから短期間ではありますけれども、しっかりした形で準備を進めていただいていると、今日のお話をお伺いすると、理解することができたように思います。
 この内容そのものについては、この委員会で議決を採ってということではございませんけれども、皆様のほうから今日の御説明について確認されたいような御質問とかコメント等がありましたらお伺いしたいと思います。いかがでしょうか。
 まず塩原委員、続いて小林厚司委員、お願いいたします。まず塩原委員、お願いいたします。
【塩原主査代理】  塩原ですが、今回、CPDのシステムに関しまして、他の学協会と連携を取っていただけるということで、どうもありがとうございます。私は、電気学会でCPDとして認定されているのですが、日本技術士会のCPDにも入力していると、2つの方法でかなり手間が格段に違っておりまして、そういうところが今回統一する方向でその他の学協会と連携を取っていただけるというのは、非常にありがたい次第でございます。どうもありがとうございます。
 続きまして、このCPDの作業というのは、非常に手間がかかるわけでして、トータルで見ますと、日本の生産性に影響するという形にもなってまいります。建設におきましては、非常にこの技術士の資格がいろいろな業務で活用されるような形になっているのですが、ほかの資格、ほかの分野の技術士に関しましては、この技術士の資格を活用する場があまりないということで、文科省へのお願いといたしまして、ぜひこの技術士資格の活用促進をもっともっと図っていただきたいというお願いでございます。そうしませんと、このCPDにお金をかけてまで登録するという人が、建設以外の分野で非常に少なくなってしまうのではないかということをちょっと危惧している次第でございます。そういうことで、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
【岸本主査】  ありがとうございます。
 それでは続いて、小林厚司委員、お願いいたします。
【小林(厚)委員】  小林でございます。ありがとうございます。私は、まずこのガイドラインあるいはマニュアルが、大臣通知から期間も非常に短い中で充実したものをお作りになられたということで、技術士会の担当の皆さんに敬意を表したいと思います。
 それを踏まえて、2点ほど伺いたいのですけれども、1点は、今御説明の資料6の2ページ目あるいはそのガイドラインのほうでも御説明いただきました実施体制についてであります。今、技術士会のほうで会員向けのCPD認定会員制度というものがございますけれども、これの対象が、たしか技術士会に登録されている方が1万5,000人ぐらいではないかと思います。これに対し、今回、技術士全体となると、約10万人が対象になるわけですが、その実施体制をどのように構築されていかれるのかなというところがお伺いしたい点です。例えば、技術士会において今技術士試験の事務局を担われているところで試験センターのような組織をつくられていますけれども、このような体制をお考えになっていらっしゃるのかという点をお伺いしたいのが1点。
 それから、先ほど御説明にもありましたけれども、学協会との連携ということについて、学協会に対して、これまでも連携等は行われてきていると思いますが、具体的に何か、新たに変わるとか付け加わるということがもしお示しいただけることがあればお伺いしたいというところでございます。
 あと、もう1点だけ。マニュアルのところの今の資料6のマニュアル案のII、技術士CPD活動の実績の管理及び活用の最後のところに、名刺への表記とかロゴマークの使用という具体的な案が書いてございますけれども、これに加えて、例えば名称なども、こういったCPDの実績証明を持っていらっしゃる方について、認定技術士のような名称も何か考えていかれたらどうかなと。そのほうがより普及なり、こういった資格を持っているという方が身近で感じられるのではないかなと、そんな気がします。
 以上です。
【岸本主査】  ありがとうございます。
 今、小林委員からの御質問等がございましたけれども、寺井委員のほうから御回答できるようであれば、コメントを頂戴いたしたいと思いますが、いかがでしょうか。
【寺井委員】  小林先生、ありがとうございます。確かに、9万5,000人相当の全技術士が一斉にCPD登録をしていただけるという事態になることは願ってもないことでございますけれども、しっかりとした受入体制、事務処理体制が必要だということは十分認識してございます。それで、説明にもありましたように、まずは事務局組織に技術士CPDセンター──これはまだ仮称ですけれども、ちゃんとした組織をつくろうと考えてございます。当会は試験と登録という指定機関ということになっておりますが、今回のこのCPD活動の実績の管理と活用につきましても、第3の指定事業ぐらいの位置づけで、会を挙げてしっかりやっていきたいと思っております。
 CPDセンターもあくまで事務の主体になるわけですが、そこの事務がしっかりと円滑に行われるためのいろいろな決まり事とか、このセンターの指導・助言といったことについて、別途CPD活動実績管理運営委員会といったものを組織して、そこには当会以外の有識者の方々にも適宜入っていただきながら運営していきたいと思っております。
 それから、ちょっと2個目の質問はよく分からなかったのですけれども、3個目の名称は考えておりまして、技術士(CPD認定)というような50時間を5年間やられているような方々につきましては、そういう名称を付与させていただきまして、その方々の立派なCPD活動の実績を証明するとともに、世間もそういった方がいらっしゃるのだということを認知できるような仕組みにしたいなと思っております。あわせて、その方々の本当の専門領域とか、さらには将来的には、ではどんなCPDをこの人はやられているのかということも希望すれば分かるような仕組みにしてまいって、技術士の資格活用につなげていきたいと思っております。
 ちょっと2番目の質問は、申し訳ありません、趣旨が……。
【小林(厚)委員】  すみません。既に技術士会さんと各学協会は、連携をCPDの関係でもいろいろされていらっしゃいますよね。それに加えて、今回こういった新たな登録制度ができることによって、様々、学協会のほうでも検討なり、いろいろ作業等もあるのかなという気がしたものですから、そういう面で今の段階で、こういった点については学協会にお願いする、もしくは連携は、例えばデータの管理は、先ほどお話もございましたように、その統一的な仕組みをつくるような方向なのかとか、何かそういった具体的な内容で御提示いただけることがあれば、お伺いできればと思った次第です。
 以上です。
【寺井委員】  ありがとうございます。関連する学協会のCPD事務局の方々に、新たに手間暇をかけて仕組みを構築してもらうとか、あるいは当会の仕組みに接続するに当たって何らかのシステム的な対応をお願いするとか、そういうことは全く考えてございません。当会の会員の技術士の方々は今、当会のシステムにすっと入ってきているわけですけれども、その入り口をもう1個設けまして、それで当会の仕組みにストレートに入れるようなやり方を考えていきたい。とはいいながら、いろいろと御質問とか、整合させていかなければいけないような事項もあるかと思いますので、そこは、ここにありますCPD活動関係学協会連絡会といったものでしっかりご説明して、情報共有をしながら進めてまいりたいと思っております。
【小林(厚)委員】  どうもありがとうございました。
【岸本主査】  ありがとうございます。
 御質問はございますでしょうか。三村委員、お願いいたします。
【三村委員】  三村です。もし御存じでしたら教えていただきたいことがございまして、先ほどからお話に出ております、CPD活動を実施している関係学協会というのは、現在、日本の中でどのぐらいあるか、もし把握されているようであれば教えていただきたいのと、あと、これまでそういった学協会での連絡の集まりというのがなかったので、今回、技術士会のほうで連絡会を組織されるということでしょうか。2点、お願いいたします。
 以上です。
【岸本主査】  寺井委員、いかがでしょうか。
【寺井委員】  1点目の国内にどういう関係学協会があるのかといったところは、むしろ日本工学会の高木委員にお答えいただいたほうがいいかなと思っております。
 それから、既存のこれまで動いている類似の学協会のCPDの連絡会というのは、建設系で大体20団体ぐらいが既に建設系CPD連絡会といったものを持っております。それから、日本工学会に結集されているようなところももちろんございます。
 それで、今回との違いは、今回はあくまで、日本国にいらっしゃる技術士の方がいろいろな窓口というか、いろいろなCPD実施団体に今登録されておりますので、それを無理なくこの日本技術士会のCPDのシステムに接続しようということでございます。そのためのいろいろな情報共有・取り決めといったものを新たにやるために今回この新たをつくっていくという趣旨でございます。
 高木委員、サポートをぜひお願いします。
【岸本主査】  高木委員、手を挙げていただいていますので、よろしくコメントをお願いいたします。
【高木委員】  日本工学会の高木です。日本工学会の中にCPD協議会がございまして、日本工学会全体で約100の工学系の学協会の集まりですが、そのうち特にCPDに積極的な学協会がCPD協議会の会員になっていただいています。日本技術士会も会員になっていただいています。
 各学協会はいろいろなセミナーや広い意味でのプログラムを持っておられます。それに対して、CPDのポイントの登録制度を必ずしも持っているということではございません。例えば、CPD協議会の中の約20の会員学協会の中で、これは以前、日本技術士会の御要望で調査をしたことがあるのですが、大体7割ぐらいの学協会では、CPDプログラムを持っているという状況です。実際には今申しましたように、ポイントの登録制は持っていないけれども、プログラムは持っているという学協会があります。
 以上です。
【岸本主査】  高木委員、CPD協議会に加わってくださっている学協会は幾つぐらいになるのでしょうか、今。
【高木委員】  20です。
【岸本主査】  その20学会というのは、かなり会員数の多いところがかなり入ってくださっているのですね。
【高木委員】  おっしゃるとおりです。ですから、日本工学会全体の会員約100学会のうち、同じ割合かどうかというと、恐らくこれよりはもう少し低いと思います。
【岸本主査】  ありがとうございます。私の古い記憶ですけれども、CPD協議会を発足させたのは、一つには、技術士制度の中でCPDがきちんと位置づけられたので、学協会が連携してやっていこうということで、日本工学会は、今私が会長をしておりますけれども、そこに設置されて活動を続けてきたということなので、そういったところが、また一つの今日のお話にあるようなガイドラインができて進んでいけば非常にいいのかなと思っております。
 高木委員、御説明、ありがとうございました。
【高木委員】  よろしいでしょうか。日本工学会のCPD協議会は、今年で20年になりますが、ちょうど第2期の科学技術基本計画で、技術士も含めて、技術者の能力向上ということが言われていましたので、その中で学協会の役割としてCPDがうたわれていたことをきっかけに、20年前にスタートしました。最初にスタートしたときは、後にJABEEの会長もされ、当時、日本工学会の会長をされていた大橋秀雄先生を中心にスタートしたと聞いております。
 今回の技術士会のお取組については、日本工学会もぜひ積極的に協力させていただきたいと思います。
 以上です。
【岸本主査】  ありがとうございます。
 三村委員、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、下保委員、手を挙げていただいたかと思いますが、よろしくお願いします。
【下保委員】  ちょっと最初は質問ですけれども、CPDセンターで運用するということなんですが、個人の情報としては、9ページの技術士登録簿といいますか、これが一番個人データのベースだと思えばいいんでしょうか。
【岸本主査】  寺井委員、いかがでしょうか。
【寺井委員】  ありがとうございます。今、下保委員御指摘の9ページ目の技術士登録簿というものですけれども、これは今後省令が改正される中でこういった形になるのではないかなと今勝手に推測しているものでございまして……。
【下保委員】  そういうことですか。分かりました。
【寺井委員】  ここに吹き出しがございますよね。吹き出しの部分は……。
【下保委員】  そこは分かります。いいですか、では続いて。
【寺井委員】  はい、どうぞ。
【下保委員】  個人情報とのバランスの議論なんですが、今のこの仕組みを見ていると、個人がCPDセンターには問合せができたり、そこから、自分の情報をもらったり、そのようになっているんですが、センターのほうから個人に対して、何かお知らせしたり、何かいろいろ情報を流せるということはあるんですか。簡単に言えば、一方通行になっているのかと。
【寺井委員】  まず、あくまでこういったことを登録してセンターのデータベースに載せるかどうかというのは、技術士個人の方々の希望によるものがまず第一でございます。そして、登録していただいた技術士の方々がどのような登録状況になっているのかといったことは、このセンターのほうから通知をさせていただくという仕組みを今考えてございます。
【下保委員】  端的に言うと、個人のアドレスを登録するときに、多分書いたほうが便利だとは思うんですが、それをやると、次の問題として、実はほかの国家資格のところで、ある組織のところで問題になってしまったんですけれども、いわゆる身代金型のハッカーみたいな者がいて、実際にやられてしまって、もう結局半年ぐらい、その後始末を含めて大変だったというのがあって、こういう個人ベースの情報が含まれてくると、もうあっという間にそういう者に狙われるという時代になったと考えたほうがいいと思うんです。だから、善意の下で一生懸命作ったのだけれども、結果的にそういうところに使われてしまうと、もう一気に信用から何から全部落ちてしまうということになりかねないので、そういうセキュリティのシステムについて、従来のものより相当シビアにしておかないと、特にこのIDとパスワードというものをほかの協会も含めて統一していかなければならないと思うんですけれども、そうなってくると、その範囲がどんどん広がっていきますから、そこのセキュリティ部分については、文科省を含めてしっかりその分野だけをちょっと特別扱いして検討するぐらいのことをしておかないと、ある程度進んでしまってからだと、もう身動きが取れないと思いますので、最初の段階から少し注意していただいたほうがいいのではないかなと思います。
 以上です。
【寺井委員】  ありがとうございます。情報セキュリティの重要性につきましては、実は通知をいただく時点で、当該の局長様のほうから、しっかり留意事項として承ってございます。当会といたしましては、既に技術士試験、それから技術士の登録といった個人情報を扱っていますものですから、それなりの規定をしっかり作り込んで、情報セキュリティには留意してまいっております。しかしながら、昨今のようなサイバー攻撃といったものも進展していると認識してございますので、より一層の規定の整備と、それからもう一つ、取り扱う役職員のコンプライアンス教育も含めて、しっかり対応させていただきたいと思っております。御指摘、ありがとうございます。
【岸本主査】  ありがとうございます。
 ほかの委員の方々から何かございますでしょうか。比屋根委員、お願いいたします。
【比屋根委員】  ありがとうございます。今ちょっとちぐはぐなところがあると思うので、少し確認させていただきたいのですけれども、ITのシステムを全部ほかの学協会とも結ぶのではないという御説明がたしかあったと思います。ですから、今のお話ではなくて、最終的にどういう連携の仕方をするのかなと想像しますところ、お互いに学協会との間でポイントをどう評価するというような相互認定的な協定を結ぶのかなという感じに想像していたのですけれども、それで、だから技術士の方各人が技術士会の設定されたCPDセンターに登録手続をされる。だから、各学協会とは別にITで結ぶわけではないという理解でよろしいんでしょうか。
【岸本主査】  御質問、ありがとうございます。寺井委員、いかがでしょうか。その辺りのシステム設計については、これからのこともあるかもしれませんけれども。
【寺井委員】  マニュアルの7ページの図を先ほど御説明させていただいたと思いますけれども、他団体のシステム利用者におかれましては、他団体がその団体のCPDのルールの中で、実績証明書をお渡しされていると思うんです。そのデータを電子化してウェブ申請していただく。それで、当会が今回新たにシステムをつくろうとしております技術士CPD活動実績管理システムにスムーズに入るような仕組みをつくっていこうという考え方で、現在進めております。
【比屋根委員】  ありがとうございます。
【岸本主査】  ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 私から1点質問なんですが、非常に急速にというか、短時間の間にこれだけのものを準備していただいて、本当に敬意を表したいと思いますが、その上で、実際にこれが稼働するまでのスケジュール感というのはどのように考えていらっしゃるのでしょうか。いろいろシステムをつくるとか、学協会との連携とか、やらなければいけないことはたくさんあるように感じますけれども。
【寺井委員】  ありがとうございます。明確に本格スタートがいつかというのはまだ申し上げられないんですが、取りあえず本日の御質問あるいは御意見を踏まえて、第1版のガイドラインとして当会としてはスタートさせたいと思っております。それで、今後、文科省さんのほうでお考えいただいている省令の改正のタイミングが一つあろうかと思いますけれども、一方で当会としては、全技術士にもっともっとあらゆる手だてを通じてこの仕組みを周知して、会員はもとより全技術士に周知していくということ。それから、いろいろ問合せ等の対応があるかと思います。それから、既に今現在も既存のシステムでCPDの申請を受け付けておりますので、その辺との接続もございます。ですから、本格的な稼働はやはり来年度になるのかなと。今年は、今考えているガイドラインとマニュアルの方向性で動かしてみて、まだまだ問題が出てくるということもあろうかと思いますので、その辺をモニタリングしながら、その結果をこの制特委で御報告させていただきながら、来年4月の本格稼働というのが精いっぱいかなと思っております。
 それから、関連学協会の方々への説明については、既に着手してございまして、何件かのところに参りまして、おおむね前向きの御意見を承ってございます。
 以上でございます。
【岸本主査】  ありがとうございます。実際に登録されようと考えられる技術者の方々は、CPDですので、積み重ねだということなので、実際に登録できるのはしばらくかかるにしても、今年からそういうことを考えて技術士として御活動いただけると、本当に稼働したときに一遍に多くの方々に登録していただけるということになるのかなと思いますので、システムづくりをしながらではなかなか大変かと思いますけれども、皆様への周知も含めて準備を進めていただけるとありがたいなと思っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
【寺井委員】  ありがとうございます。承りました。
【岸本主査】  どうもありがとうございます。
 ほかによろしいでしょうか。
 それでは、この議題についてはこれまでといたしまして、4番目、その他でございます。
 この委員会としては、予定の時間まで多少時間がございますので、この部会で取り扱うことにつきまして、広く皆様から御意見があればお伺いしたいと思います。いかがでしょうか。これから検討していくことがかなりたくさんあるわけですけれども、先ほどの資料3の7ページを御覧いただきながらとか、技術士補の制度のことだとか、技術士試験の適性化のことだとか、IPDのことだとか、多々ございますけれども、この部会としてこのように進めていったらどうでしょうかというような御提案等ございましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 それでは、江黒委員、お願いいたします。
【江黒委員】  江黒でございます。ありがとうございます。今日初めて参加させていただいたのですけれども、CPDガイドラインのことですとか、すばらしいものが作られているということで、感銘を受けております。
 一つ、少し、もし分かれば教えていただきたいのですが、ダイバーシティ&インクルージョンについて、国内外の情勢の資料でもダイバーシティ&インクルージョンについての記載がありましたが、恐らくもう既に御議論されているところと思うんですけれども、マイノリティーのグループ、ジェンダーに限らず、障害者とか、エスニック・グループとか、いろいろあると思いますが、こういった国家資格というのはマイノリティーのグループにとっては非常に強い武器になる。マイノリティーとして、ハンディがある状況では、普通に就職しても組織の中で壁に当たったりということがあるときに、国家資格を持つというのがキャリア形成において非常に有効と思います。
 もちろん、いろいろな側面のダイバーシティがあると思うんですけれども、例えば女子学生の皆さんに、この技術士というすばらしい資格をもっと知っていただきたいと個人的に思いました。このCPD活動の資料の中で、技術士の皆様のご活動のうち発信型という項目において、小中学校での教育の講師を技術士の皆様がされるということも含まれているようです。例えば女子校とか、女子学生向けにそういった御活動をしていただけるとか、またほかにも、例えば障害があるお子さん向けでも、障害者の方が抱える社会的な壁を乗り越えるという局面、ユニバーサルデザインなど、技術の力でそれを乗り越えるということで、ダイバーシティは技術士の資格と非常に親和性の高いテーマなのかなとも思いましたので、ダイバーシティ・インクルージョンのテーマについても今後いろいろとお取組をされるのかなと思っているところでございます。
 以上でございます。
【岸本主査】  御指摘、ありがとうございました。二つの観点があるかなとお聞きしましたけれども、一つは、技術士の活動そのものがそういったことを配慮した活動になるのかということと、もう一つは、試験の枠組み自体が、そういう方々が受けられないという制約にもしかしたらなっているとすると、その辺りの検討はあまりしてこなかったので、そういったことについてどうするかというのはまた大きな課題かなとお受けいたしました。
 技術士の方々のダイバーシティに配慮した活動とか、先ほど女性の活躍促進とか、そんな中で何かコメントをいただければと思いますけれども、いかがでしょうか。石田委員から御発言をお願いしてもよろしいですか。
【石田委員】  石田でございます。御質問、ありがとうございました。先ほど先生から御質問がございましたダイバーシティ&インクルージョンに関しましての活動は、10年ほど前から男女共同参画推進委員会というものが技術士会にできております。そういう形で、例えば女子学生に対しては、年4回技術サロンというものを開催しておりまして、これは技術者・技術士を目指す女子、理工系に学ぶ、それから理工系ではないんですけれども、興味のある女子学生の方、あとは若手の技術者の方、そういった方に参画いただいて、技術士制度の説明とか、メリット、女性にとって本当にメリットはあるのですけれども、デメリットはさほどないものですから、有効な資格ですよ、それからCPD研さんすれば一生ついてくる資格ですよといったことも広くアナウンスしております。あとは、女子中高生に関しましては、毎年夏の学校というものが開催されておりまして、国立女性教育会館を会場にして、そういったところにポスター展示とか、委員が参画いたしまして技術士の広報活動をしております。それから、そのほか、当会のホームページを御確認いただければよろしいんですけれども、キャリアガイドブックとか、技術士というのはこんなに活動の幅があるとか、そういう書籍といいますか、冊子等も準備して公開しておりますので、ぜひ御確認いただきたいと思います。
 ただ、本当に技術士という資格制度そのものが、悲しいことになじみがないというところは、まだ実感しておりますので、どんどんそういう形でいろいろなところで資格の広報等には努めております。
 以上でございます。
【岸本主査】  コメントをありがとうございました。
【江黒委員】  本当にすばらしい資格だと思いますので、中学生・高校生で理系の技術分野に興味のある女子学生さんとかにはぜひ目指していただきたいなと思いました。ありがとうございます。
【石田委員】  ありがとうございました。
【岸本主査】  どうもありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、この作業部会をつくって、IPDシステムについてこれから検討していくということですが、技術士会の中でIPDの検討を進められているとお伺いしていますけれども、小林守委員のほうから何かこの検討部会のところで検討する方向性について御意見等ありましたらお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
【小林(守)委員】  小林守でございます。IPDのことについては、引き続きさせていただくことになります。今、日本技術士会の研修委員会の中にIPDワーキングというものがございます。そのIPDワーキングの中でいろいろ、IPDの支援者はどういう人かとか、いろいろな関わり方を検討しているところはございます。そういったところから具体的にこのIPDシステムの具体化について、いろいろ今後提案していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。
【岸本主査】  ありがとうございます。事務局で用意していただいた資料3の参考資料8というところに「技術士第二次試験受験者及び合格者数の年齢分布」というのがありますが、この図を見ると、こちらもIPDが非常に大切になってきているのかなと思えるところなんですけれども、二次試験の方々の年齢分布が徐々に高齢化していくとともに受験者数が減少傾向にあるのかなと思います。また一方では、若手の方々、20代の方々の受験が増えてきているので、この方々がIPDをやることによって、きちんと技術士に多くの方がなっていただくというのが一つあるのかなと思うところですので、まさにこのIPDの検討というのは大切な課題と思っています。ぜひ、委員の方々等を含めて、この辺りのことも見ながら、いい方向性が出せるといいのかなと思っていますので、小林先生、また引き続きよろしくお願いいたします。
【小林(守)委員】  まさしく、今若い人たちがどう勉強すればその資質能力を上げられるのかというところは、巷では非常によく聞かれることなので、多くの方が参考資料8、P18の技術士第二次試験受験者及び合格者数の年齢分布(平成21、26年、令和元年)の図で35歳以上が36歳までになっていたように、制度委員会の中でも、以前に伺っていました43・44歳を35歳代にするという御検討をされていたのを今まで聞いてきましたので、その具体的なところをIPDの作業部会の中で示していければと言うのと、それを早く若い人に示してあげる。特に今回皆さんに示している若い技術者というのが非常にキーワードになっているかと思いますので、この方がいかに技術士を目指すような方になっていただくかが技術士の会員拡大に大きく関わってくると思います。この部分をいかに取り込んでいくかが、技術士を増やすか増やせないかということの大きな要因になっていきますので、この辺をいろいろ議論させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【岸本主査】  ありがとうございます。
 IPDについては、御意見のある方はいらっしゃいますでしょうか。
 あと、この作業部会のもう一つ大きなポイントが、一次試験の適正化ということになっています。そちらのほうは、参考資料2のところに、しばらく前ですけれども、第8期でこの大くくり化をしていくということで、大学における教育との連携も考えながら、試験の在り方について見直していこうということ。11ページですね。
 12ページのところでは、先ほど来出ているGAとの関係づけということで、試験でどこまで適切にチェックできるのかという議論もありまして、その辺りのことについて議論が必要かなと思いますけれども、大学関係の委員の方だとすると、小野先生は今入っておられますか。
【小野委員】  はい。すみません。さっき一時的にネットがダウンしまして、入り直しまして、ちょっと皆さんの議論についていっていないかもしれませんけれども。
【岸本主査】  すみません。今、技術士の第一次試験のところの見直しを今期にしようという中で、大学の教員として今回加わっていただいているのが小野先生と佐藤先生のお二人で、小野先生は今日御出席なのですけれども、この一次試験の内容をできるだけ大学の教育と合わせていくということで、項目の大くくり化を考えていって、GAとの関係づけもやってきて、課題があるわけですけれども、この大学の教育と一次試験の関係というのは、もし先生のほうで何かウオッチされているとか、御意見があれば、これからの検討の中で考えていきたいなと思いますので、御発言がもしあればお願いしたいと思います。
【小野委員】  今までの技術士一次試験の内容を見ておりますと、例えば私は機械部門なんですけれども、大体、大学工学部機械系の学部教育の各専門、機械でしたら材力、熱力などがあるのですけれども、その期末試験のレベルの内容です。学部3年生から4年生で取り終える内容、それぐらいの難易度といいますか、そのあたりのレベルになっているんですね。だから、そこをしっかり勉強しておけば、技術士一次試験も合格できるレベルだと思います。この大くくり化というところを考えますと、例えば機械出身の学生だった場合に、その大くくり化した場合の一次試験の内容がどうなるのかなというのは少し気になったのですが、それは選択式か何かにするのか、もっと広い視点からの問題を一次試験として出すのか。そこら辺は、すみません、私はちょっと理解していないのですが、受験生の勉強の内容がどう変わるのかなと思いまして、それによって、受けてみようとか、難しそうだなみたいな評判も影響を受けるかなと思っているのですが、ここはどうなっているのでしょうか。
【岸本主査】  あと、大学の工学部では細分化された学科制から、学科を大くくり化した方向に変わるような状況もあって、学習内容が以前と変わってきている。それとデザイン能力とか、単に専門知識だけではないような教育をしている中で、そこに対してのGAとの関係などを考えたときに、一次試験の現状の内容か適切なのかというのがこの一次試験の見直しなんです。だから、大学で普通に勉強してきた人たちが、普通に受験勉強のための受験をせずに受かる、あるいはJABEEの卒業生と同等であるとかというのが測れるかどうかがポイントになったときに、大学の教員から御覧になってどうかなという観点なんですけれども。
【小野委員】  では、その従来型の技術士の一次試験のようなことではなくて、もう少し広く捉えるような問題に変わっていくというような理解でよろしいですね。
【岸本主査】  変えないと、GAの測定にならないのではないかとかですね。だから、合格のための勉強というのではなく、学んだことがちゃんと測れるかどうかという。なかなか試験問題を作るのも難しいかなと思っていまして、それとあと大学でどうやって評価しているかとか、それが試験でどうなるかということを議論するのかなと思うので、ぜひ大学の先生方の御知見が得られればということです。
【小野委員】  大学の授業としては、本当に基礎的な、例えば機械の基礎的な内容でしか期末試験とかはやっていないのですが、卒研生とか修士生になっていきますと、確かに課題解決の能力とか、各研究や開発のテーマの中で、それまで習ったことを踏まえて、どう応用するのかということにもう今は教育のほうも変わりつつあります。JABEEの精神もそうだと思うんです。極論を言いますと、習ったことは、調べたり、本にも書いてありますから、それはもう自分でその折々に復習すれば分かることなんです。多分これからの時代に求められていることは、それをどう応用して課題解決につなげるかというところですので、そういう意味では、技術士の一次試験の問題もそういう方向に向いていくというのは、若い人にも刺激になるのかなと思いますし、教育全体もそちらのほうに向けて,徐々にそういうところまで含んだ教育をしていかないといけないと思います.大学に行っても何か受験秀才みたいなものをつくり上げていくという、それはよくないですよね。やはり実際の社会につながる教育、その中でも、理想を言えば、工学系の学生なら技術士を目指すような意識の高い、課題解決能力の高い人材につながっていくというのが、大学においても理想だなと思っています。
 以上です。
【岸本主査】  それを、試験制度を変えることによって実現できるかどうかが課題ですよね。
【小野委員】  そこですよね。その試験の内容の議論もありますけれども、やはりその位置づけですよね。そういう、少しJABEEの考え方とも重なってきますが、将来像、理想像といいますか、技術者としての若い学生たちにどのように育ってもらおうかというところにつながっていくことだと思います。
【岸本主査】  ありがとうございます。では、ぜひ御検討を一緒にできればと思います。
 あと、塩原委員からお手が挙がっていますので、お願いいたします。
【塩原主査代理】  今ほどの技術士の第一次試験の件なんですが、先ほど技術士の合格者の年齢が毎年上がっていると、5年ごとに5歳上がっているというような形になっておりまして、これを若返りをしていく必要があると。それを考えたときに、技術士の第一次試験に加えて第二次試験のほうも考えていく必要があるのかと感じております。というのは、第一次試験の合格率は大体50%近くあるかと思うんですが、第二次試験は15%ぐらいということで、非常に合格率が低い。その影響としまして、出題範囲が広過ぎるという問題がちょっとございます。
 例えば、技術士第二次試験で電気電子の中の問題として水車の問題が出て、それで流体力学の問題が出たりする形になります。そうすると、電気電子の人が流体力学の答えなどを回答できるわけはなくて、言葉は悪いですが、昔、試験に山を張るとかという話があったのが、山脈のような形になっていて、それも全然自分の領域外の山脈から問題が出たら、ほとんど合格できない形になってまいります。そういうことで、ぜひこの大くくり化とかを考える上で、そういう一次試験と二次試験、あとこの系と書いてありますが、どの分野の試験でどういう問題を出すかというのは、よくよく今後とも検討していく必要があるかと感じている次第でございます。
 以上です。
【岸本主査】  ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。小林厚司委員、お願いいたします。
【小林(厚)委員】  小林でございます。1点、この大くくり化の5つの部門との関係なんですけれども、私は農業土木を専攻した技術士を持っているのですが、もちろん建設系の要素は非常に高いのですが、ただ、何のためにという目的を考えると、やはり農業をどうするかということがベースになるわけです。農林水産関係でいうと、森林も水産も多分同じような趣旨が含まれると思うのです。建設系の中に位置づけられた場合に、要素としては環境生物あるいは農林水産業との関わりが非常に強いという気がするのですが、どんな整理といいますか、試験の中で方針を出していくのかなというのがすごく気になるところです。この辺はこれからの議論ということで理解してよろしいのでしょうか。
【岸本主査】  私としては、8期のときに大くくりで5ということで一つのたたき台が出ているわけですけれども、今御指摘のように、農林水産系というところについての議論は、その当時でもまだきちんとできていないというところでございましたので、その実際の技術者の方々の、技術士になられる方々の範囲も見ながら、この系についてもしっかり見直していくというところから考えるのが適切かなと思っていますので、今の御指摘のところも踏まえながら、御意見をいただきながら、ここら辺をうまく、しかるべき形に持っていくというのが、今期の議論かなと思っております。
【小林(厚)委員】  分かりました。よろしくお願いいたします。
【岸本主査】  ありがとうございます。
 ほかに御意見はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。総監のこと等については、先ほど寺井委員から、きちんと検討してということがございました。この進め方については、事務局とも相談しながらということになりますけれども、この総合監理については、これも長らく議論して、なかなか方向性を定めるのが難しいことになっていますので、特に技術士会の中でも検討されているということかと思いますので、次の委員会までにどうするかとか、いろいろな形で御相談しながらここの進め方について準備できればと思っているところですけれども、そういう意味で、ある程度議論ができそうなところをきちんと準備をして、この制度検討特別委員会で議論し、さらに必要に応じて作業部会もつくってということかなと思いますけれども、そこら辺について改めて寺井委員から何かございますでしょうか。
【寺井委員】  先生のお考えのとおりで結構でございます。よろしく御指導をお願いいたします。
【岸本主査】  技術士会のほうでもいろいろ御検討されているということで、よろしいでしょうか。
【寺井委員】  その件につきましては、まだ十分に検討体制を取っているわけでもなく、問題意識だけは先行しておりますので、引き続きしっかり御指導を賜りたいと思います。
【岸本主査】  では、それについては引き続き、どのように進めるかについても御相談しながら、この部会で検討していくということでお願いしたいと思います。ありがとうございます。
 それでは、皆様から多分一わたり御意見をいただいたかと思いますけれども、御発言のなかった方で、御質問等を含めて何かございましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。林委員、何かございますか。
【林委員】  林でございます。1回目ということで、いろいろな情報をお聞きいたしました。11期ということですので、今までの検討結果とか、あるいは現行制度とか、そういうものを踏まえながら、冒頭、グローバル基準の見直しというようなお話も進んでいると伺いましたので、いろいろな要素を踏まえて、御一緒に検討させていただければと思います。ありがとうございます。
【岸本主査】  ありがとうございます。
 それでは、皆さんから御意見をいただけたのかなと思いますので、この辺で本日の議題を終了したいと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、最後に事務局から連絡事項をお願いしたいと思います。
【臼井専門官】  事務的な話になりますが、本日の会議における議事録につきましては、後日事務局より皆様にお送りさせていただき、御了解いただいた上で、文部科学省のホームページに公開することとさせていただきます。
【岸本主査】  それでは、本日は貴重な時間に御出席いただきまして、ありがとうございます。
 それでは、本日の会議はこれで終了したいと思います。ありがとうございました。

―― 了 ――

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(科学技術・学術政策局 人材政策課)