第10期 技術士分科会 制度検討特別委員会 継続研さん・更新検討作業部会(第1回) 議事録

1.日時

令和元年12月3日(火曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省(合同庁舎第7号館東館)3階 3F2特別会議室

3.議題

  1. 本作業部会での検討項目に係る過去の検討内容について
  2. 今後の制度改革の方向性について
  3. その他

4.出席者

委員

岸本主査、岩熊主査代理、下保委員、高木委員、寺井委員、林委員、小野委員、中谷委員(名簿順)

文部科学省

奥野人材政策課長、佐藤専門官 ほか

オブザーバー

日本技術士会
新屋技術士制度検討委員会委員長

5.議事録

【佐藤専門官】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから科学技術・学術審議会技術士分科会制度検討特別委員会の第1回継続研さん・更新検討作業部会を開催させていただきます。本日は御多忙の中御出席を頂きまして、誠にありがとうございました。
この作業部会は、参考資料1のとおり、制度検討特別委員会の下に置かれる作業部会でございますので、技術士分科会の運営規則によりまして、主査は、特別委員会、親委員会の主査、岸本主査により指名されることとなってございます。
この作業部会につきましては、制度検討特別委員会でも主査をお務めいただいている岸本委員が自ら主査をお務めいただくということで承ってございます。また、主査が指名いたします主査代理につきましても、岩熊委員を既に御指名いただいてございまして、御本人に御了解を賜ってございますので、資料1の名簿に記載いたしております。
本来であれば、岸本主査に司会進行をお願いすべきでございますが、初めての作業部会ですので、冒頭のみ、便宜的に事務局の方で議事を進めさせていただきたいと存じます。
本作業部会の設置の趣旨でございますが、お手元の資料2をごらんいただきたいのですが、技術士制度改革に関する論点整理、こちらは今年の1月8日の第9期の技術士分科会において取りまとめられたものでございますが、その際に、技術士制度に係る主要論点についての検討の一環と致しまして、技術士資格の継続研さん・更新制の導入についての検討を行うために、制度検討特別委員会において設置された作業部会でございます。
作業部会の委員につきましては、制度検討特別委員会におきまして岸本主査より御推薦いただいた皆様に、今お集まりの皆様に御就任いただいておりますので、名簿に沿って御紹介をさせていただきたいと存じます。資料1をごらんください。まず岸本主査でございます。
【岸本主査】 岸本です。どうぞよろしくお願いします。
【佐藤専門官】 岩熊主査代理でございます。
【岩熊主査代理】 岩熊でございます。よろしくお願いいたします。
【佐藤専門官】 下保委員でございます。
【下保委員】 下保でございます。よろしくお願いします。
【佐藤専門官】 高木委員でございます。
【高木委員】 高木でございます。よろしくお願いいたします。
【佐藤専門官】 寺井委員でございます。
【寺井委員】 寺井でございます。
【佐藤専門官】 林委員でございます。
【林委員】 林でございます。よろしくお願いいたします。
【佐藤専門官】 小野委員でございます。
【小野委員】 小野でございます。よろしくお願いします。
【佐藤専門官】 中谷委員でございます。
【中谷委員】 中谷でございます。どうぞよろしくお願いします。
【佐藤専門官】 本日でございますが、日本技術士会にも技術士制度検討委員会という委員会が設置されてございまして、オブザーバーと致しまして新屋様にも参加いただいておりますので、よろしくお願いいたします。
【日本技術士会新屋委員長】 新屋でございます。よろしくお願いします。
【佐藤専門官】 作業部会の説明についてはここまでとさせていただきまして、続きまして、お手元の資料の確認をさせていただきます。(事務局より資料の確認)
それでは、議題1の方から岸本主査に進行をお願いいたしたいと存じます。
【岸本主査】 改めまして、主査を務めさせていただく岸本です。どうぞよろしくお願いいたします。
議題に入る前に、本日、先ほど御紹介がありましたように、技術士会の中にあります技術士制度検討委員会よりオブザーバーとして新屋様に御出席いただいております。技術士会の委員の方々にも様々に御協力いただいておりますが、本日は随時、委員の方と同じような形で御発言いただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、議事1、本作業部会での検討項目に係る過去の検討内容についてに入ります。まず事務局から資料の説明をお願いいたします。
【佐藤専門官】 承りました。資料3をごらんいただきたいと存じます。こちらは去る10月3日に第2回の制度検討特別委員会の方で岸本主査から御提案がございまして、今後、検討課題についてどのようにして審議をしていったらいいのかという方針を決めさせていただいたものでございます。
ローマ数字の1としまして、議論の視点と審議事項。こちらにつきましては、基本的な検討の視点と申しますものが中ほどに書いてございますけれども、個々の検討課題につきましては、技術士制度に求められることと致しまして、論点整理で基本的な検討の視点、1番と致しまして、技術士制度の活用の促進、2つ目と致しまして、技術士資格の取得を通じた資質能力の向上、3つ目と致しまして、技術士の国際的通用性の確保という、3つの基本的な視点から検討しましょうということです。
そして、審議する6事項(主な論点)ということで既に論点整理の方でまとめてございますが、この6項目につきまして、下のところに※印で付いてございますが、これらについては、Aが実際に対応を行っていくもの、Bが具体的な方策を検討していくもの、Cについては方針はまだ決まっていないので更に検討が必要なものということで分類をしてございます。
ローマ数字の2のところですが、個別事項の審議の手順でございます。1)にございますように、上記6項目について、特別委員会及び作業部会で詳細に検討を行う。
2)でございますが、Aの事項につきましては、もう既に文部科学省及び日本技術士会から対応するということになってございますので、適宜対応状況を特別委員会に報告するということになってございます。BとCの事項に係る作業部会での検討結果については、それぞれ作業部会でも検討いたしますが、きょうもございますが、午後の特別委員会でもその結果を確認し審議をすると。その上で、来年令和2年秋を目途に技術士分科会に対して提言案を策定するということにいたしました。
3)のところですが、まずは法令の改正の要否について、特にBについて優先的に審議をしましょうとしております。さらに、技術士法の改正の要否に関連する事項、特に上の本作業部会での課題にもなってございますが、継続研さん・更新制の導入、及び(4)でございますが、技術士補制度の見直し・IPD制度の充実・確保といったようなことについて早急に検討しましょうと。その際、法改正の必要性の根拠となる事実、立法事実の有無とか、過去の2回に技術士法は全面改正いたしましたり、あるいは大幅改正をしてございますが、そういった改正の経緯あるいは先例も踏まえて、技術士法改正を立法府に求めるに足る必要性・重要性があるかどうか。3つ目と致しまして、法改正に要する時間。仮に法改正を行うという必要が認められた場合に、法案の検討開始時期は最速でも技術士分科会の改革に係る提言以降になるので、それでもって私どもの改革がどのような時期に実行されるかといったようなことも検討させていただきながら、作業部会でも御検討いただくということになると存じます。
資料4でございますが、こちらはいわゆる6つの課題を特別委員会、本作業部会、そして、試験検討作業部会、これはもう既に1回は開催させていただきましたが、それぞれの検討課題を分けたということでございます。下の方にスケジュール観が書いてございます。確認でございますが、大体夏頃におきまして具体的な方策を調査・検討いたしまして、秋の初めぐらいまでには各作業部会で検討内容を取りまとめ、秋のうちには、これ、本委員会と書いてございますが、制度検討特別委員会において第10期の分科会の提言案を作成いたしまして、再来年の1月頃には分科会に検討報告をして公表するような、そういったスケジュールを考えてございます。
次に、参考の2から4をごらんいただきたいと存じます。参考資料2でございますけれども、こちらは見出しのみを読ませていただきますけれども、当時の技術士分科会で議論していたことの中間報告の抜粋でございます。本作業部会に関係あるところを抜粋したものでございます。
これは3の(1)とございますけれども、技術者のキャリア形成過程における技術士資格の位置付け、これが重要であるということと、あと、(2)と致しまして、技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)というものもこれは非常に重要なので、下の(9)の上に書いてございますが、技術部門別コンピテンシーを定めた上で、民間企業、公的機関等の各方面へ提供し、技術士制度の活用を働き掛けるといったようなことが提言されてございます。
あとは、(9)として、継続研さん、CPDに関しましても非常に重要であると。ただし、内容や質や量等の望ましい在り方については、更に検討を進めるということになってございます。
そういったことを経まして、平成28年10月22日に「今後の技術士制度の在り方」ということで御提言といいますか、まとめたものが参考資料3でございます。そこでは、ステージ1からステージ5まで、いわゆる技術者が身に付けるべき各ステージのコンピテンシーを取りまとめさせていただいて、更に裏側の2ページにございますが、継続研さんについて、一番下にございますが、更新という概念をここで提言いたしまして、一定の年数ごとに更新を行う制度を導入することを検討することが望ましいのではないかと。検討の際には、更新の方法やその条件や実施体制、在り方といったような課題等を考慮して行うといったようなことが提言されてございます。
参考資料4の論点整理でございますが、こちらはもう何回か委員の先生方には御説明あるいはごらんいただいているところだと存じますので、説明を省略させていただきます。
以上で事務局からの説明は終わらせていただきます。
【岸本主査】 ありがとうございます。幾つかの資料について、特に過去の検討内容について御説明していただいたわけですけれども、議論の方については次の議題の方で進めたいと思いますけれども、これまでの説明の中で何か確認をしておいた方がいいようなことがございましたら御発言いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
よろしいでしょうか。また議論の中で過去の状況についてもう一度振り返るということがあれば戻ってきたいと思いますが、これまでの状況ということで御確認いただいたということにしたいと思います。
それでは、2番目の方に参りたいと思います。議題2、今後の制度改革の方向性についてに入ります。本日は、本作業部会の初めての会議になりますので、委員の皆様から御質問やかっ達な御意見を頂ければと思います。よろしくお願いいたします。
それではまず資料について、事務局の方で御説明をお願いいたします。
【佐藤専門官】 承りました。私の方から資料5、6と参考資料5、6、7について御説明をさせていただいて、後ほど奥野課長の方から資料7等を御説明いたします。
まず資料5をごらんいただきたいと存じます。こちらにつきましては、本作業部会の検討課題の審議ということで、特にきょう、先ほど資料3にございましたが、早急に御審議を頂きたい法令の改正の要否ということについての案を、A案、B案、C案と下の方に掲げさせていただいてございますので、後ほど御審議を頂きたいと存じます。
本作業部会の検討課題は、1番の箱の1)、2)に書かせていただいてございます。委員の先生方は重々御承知と存じますが、更新の要件や実施方法の検討ということで、更新、CPDの導入について、その法的側面を含めて検討を進めると。資格所有者にとって無理のないCPDの内容となるよう更新の方法について検討するとともに、名簿の公開なども併せて検討するということ。そして、2つ目と致しまして、CPD制度の見直しということで、CPDを実施しやすい環境作りのために現在の制度を見直す。更新の要件にCPDを用いる場合、上記の更新の実施方法等と並行して検討を進める必要があるといったことが論点整理でまとめられてございます。
資料3の今後の審議の方針のところに、基本的な検討の3つの視点からいわゆる検討課題について御審議、検討いただくということでございますので、資料6にまとめさせていただいてございますので、多少御説明させていただきます。
資料6、1番として、先ほど御説明申し上げました取り組むべき項目について2つございます。
2番目と致しまして、こちらは主に論点整理から抜粋をいたしたものでございます。2番目の表でございますが、左側に、審議の方針にございました基本的な検討の視点を3つ書かせていただいております。それぞれ、更新制の導入、CPD制度の見直しということで論点整理にございましたところの観点を書かせていただいてございます。
まず、技術士制度の活用の促進という観点でございます。更新制導入ということに際して検討いたしますと、現在努力義務となっている継続研さんを更新制の導入により義務化する場合、個々の技術士の負担が増大すると見込まれることから、資格に更なるメリットを付与していくことが必要である。あるいは、更新制の導入による研さんの義務化は、技術士に対して時間、費用等の面で大きな負担を課すことになるため、研さんを積んで資格を更新し続けようという技術士のモチベーション維持につながる取組が必要になると。したがって、更新制導入の検討に当たっては、活用促進の取組も併せて進めていく必要があるといったことが御提案されてございます。
2つ目と致しまして、技術士資格の取得を通じた資質能力の向上という観点でございます。更新制を導入する場合、更新の要件としてCPDを用いる場合、CPDを実施しやすい環境作り、これは論点整理にこういったことをしていくべきであるということを御提案いただいてございますが、その一環となるであろうということでございます。
CPD制度の見直しにつきましては、済みません、先ほど失礼いたしましたが、活用の促進については、更新制導入もCPD制度も、論点整理におきましては全く同じ検討に当たっての事項を指摘いただいております。資格を通じた資質能力の向上につきまして、CPD制度の見直しに関しましては、継続研さんを通じて知識・技術水準の向上を図るとともに、登録された技術士の現状(どこで、どのような業務を行っているか)を常に把握することが重要であるといったことと、他国では更新と名簿の公開を併せて行う場合や名簿を用いて研さんの有無やエンジニアの活動履歴等の確認を行っているため、技術士制度についての更新と名簿の公開は併せて検討する必要があるということを御提案いただいてございます。
3つ目の視点と致しまして、技術士の国際的通用性の確保ということでございます。まず更新制導入に関しましては、こちら、上の方に書かせていただいてございますが、我が国の国際的通用性の基盤は、委員の皆様方御承知の方もいらっしゃると存じますが、APECエンジニアを基盤、ベースとしてございます。本年6月のIEA総会――これは国際エンジニア連合というふうに訳されますが、そこの総会において我が国のAPECエンジニアの6年の継続登録が認められてございます。こちらについては、審査において我が国のAPECエンジニアの認定制度等を審査いただくわけでございますけれども、それについて、我が国の技術士制度の更新制の有無等について特に問題にされることはなく、また、次回の継続審査に向けてそういう意味では早急に更新制を導入する必要はないといったようなことが書いてございますけれども、この機会のAPECエンジニアについて若干御説明させていただきますので、参考資料5をごらんいただければと存じます。
こちらは既によく御存じの先生方もいらっしゃると思いますが、念のために確認をさせていただきたいと存じます。参考資料5でございますが、まずAPECエンジニア資格の概要と1番に書いてございます。こちらは1995年のAPEC閣僚会議の決議に従いまして、これは技術者の国際的な流動性を高めるといったような決議がなされてございまして、2000年に関係各国におきまして、APECエンジニアの認定登録制度が合意されまして、政府間でもってAPECエンジニアの枠組みが創設されたわけでございます。この枠組みと申しますのは、実務経験等が一定レベル以上と認められる技術者にAPEC域内での共通の資格を付与し、国際的な活躍を支援することを目的としてございます。
各国・エコノミー、各国等はそれぞれ――APECは御存じのとおり、国というよりは経済主体を加盟資格としてございますので、例えば香港とか台湾とかもいわゆる経済主体として、1つのエコノミーとして参画しているわけですけれども、その各国等はそれぞれがモニタリング委員会を設立して、APECエンジニアの登録の審査を行うということになってございます。各国の個々の技術者、日本であれば技術士は、日本のモニタリング委員会に申請をして、これは岸本主査が日本のモニタリング委員会の委員長をなさっておりますが、審査を受けて登録されると、APECエンジニアを名乗ることができると。
そのAPECエンジニアになった上で、更に2国間でもって相互認証プロジェクトをいたしまして、日本はオーストラリアと2国間の技術者相互認証の協定文書に2003年10月1日に署名をいたしまして発効してございます。APECエンジニアになられていらっしゃる日本の技術士、あるいはオーストラリアでAPECエンジニアになられている技術者について相互に、更にお働きになるのには一定の要件がございますけれども、技術者としての活動する資格をお互いに認めようと、日本の技術士がオーストラリアでもお仕事ができる、オーストラリアの技術者の方が日本でもお仕事ができるといったような仕組みをこしらえてございます。
2番目に、APECエンジニアである要件を7つほど書かせていただいてございます。APECエンジニアになるには、学歴要件とか、あるいはエンジニアとしての知識・能力、そして、実務経験とか、責任ある立場あるいは継続的な専門能力開発、CPDを初回のときは過去2年度で100時間以上実施していること、あるいは業務の履行に当たり倫理的行動すること、あるいはプロフェッショナル・エンジニアとして行った活動及び決定に対して責任を持つことといったようなことがございまして、日本のモニタリング委員会で日本の技術士の方が審査の上認められますと、APECエンジニアを名乗ることができます。さらに、※印で書いてございますが、5年ごとにAPECエンジニアは既に更新というものを導入してございます。
3つ目のところにございますが、登録部門が書いてございます。日本の技術士の技術部門とはちょっと異なってございまして、11部門に分かれてございます。
審査につきましては、申し上げましたとおり、個々の技術者が各国のAPECエンジニアモニタリング委員会に申請をして審査を受ける必要がありまして、同委員会は日本にも置かれてございまして、事務局を日本技術士会が担当してございます。
5番目に、加盟国は15か国でございますが、こちらについて、今年の6月現在の人数を記載しております。オーストラリアは人数が非常に多うございます。こちらは、これ、後ほど御説明させていただきますが、オーストラリアのChartered Professional Engineerですが、APECエンジニアの2番にある要件とオーストラリアの国内のChartered Professional Engineerになる要件が非常に似てございまして、そういう意味では、APECエンジニアになりやすいという環境をオーストラリアは非常に醸成した、作ったということでございます。ここでちょっと注意していただきたいんですが、Structuralは建築士を含んでございますので、全体の約1割からあるいは2割ぐらいは建築士を含んでいるということでございます。
以上を念頭に置いていただきまして、資料6に戻っていただきまして、我が国の技術士の国際的通用性の確保という観点から致しますと、APECエンジニアをこのベースに置いてございますので、APECエンジニアにも既に更新制が導入されているといった点はございますけれども、国内の制度である技術士制度に関しまして、少なくともいわゆる急いで更新制を導入するという時期の早期の必然性はないということと、APECエンジニアになる要件自体が、先ほど御説明いたしましたとおりたくさんございますので、更新制ということを国内の制度に導入するだけでAPECエンジニアになりやすいかということになりますと、そこは必ずしも更新制だけではないということをこちらで御紹介させていただきたいと存じます。
参考に書かれてございますけれども、優先的項目とはされておりませんが、論点整理におきまして、APECエンジニア登録者数を増やすような取組の検討・実施も検討課題に挙げられるということが指摘されてございます。
あともう一つ、更新制導入に関する国際的通用性の観点から申し上げますと、2つ目のポツのところに書いてございますが、実際に制度改革を行う段階で各国の制度を参考にする際には、社会的、歴史的背景も含めて更なる調査分析が必要となるというふうに御指摘いただいてございます。
おめくりいただきまして、資料6の2ページ目に、論点整理よりも若干詳しめに、日本と特に英国、米国、オーストラリアのエンジニア制度における更新・CPD等との比較を少し詳しめに整理をさせていただきました。日本、英国、米国、オーストラリアというふうにございますけれども、それぞれごらんいただければ、特に資格の性格、名称独占であったり、業務独占だったりするわけです。
多分、技術者の制度として確立したのが一番古い英国では、更新制度は実は会費の納入だけでございます。これは我々が、日本にも英国のChartered Engineerという方がいらっしゃるんですが、その方にインタビューをした際には、更新は会費の納入だけでございますと。CPDにつきましては、これはイギリスは、個々の方々のCPDの確認というよりは、CPDの確認欄にございますが、抽出監査。毎年数%の方を抽出して監査をいたしまして、場合によっては資格のはく奪もするような感じでインタビューでは聞いてございます。ですから、特徴と致しましては、登録団体加入の継続とCPD確認とは全く別の制度になっているということでございます。
米国につきましては、Professional Engineerでございますが、業務独占です。団体加入につきましては任意となってございますが、Professional Engineerとして、シールと呼んでございますが、何か業務に関して証明をする場合には必ずこの団体に登録にしなければいけないというふうに法的になっているようでございますが、実際は更新は2年ごとにございますが、リニューアルということで、事実上、登録団体の継続・加入手続でございます。これは机上資料として恐らく皆様のお手元に、ルイジアナとオレゴンと2つの州につきましてのリニューアルの様式を先ほど配付してございますので、ごらんいただければと存じます。
オーストラリアでございますけれども、先ほど申し上げましたように、日本とは2国間で技術者の交流をしているのでございますが、先ほど実績を申し上げることを失念いたしましたが、残念ながら、2国間で協定を結んだんですけれども、オーストラリアのChartered Professional Engineerの資格を持っている方が日本のいわゆる技術士と同等の資格でもって技術士の資格を認めて活動していただけるという方について申請が上がってきたのは、過去には1人のみでございまして、実績としてはオーストラリアの資格を持たれていた方が1人。
そして、日本の方がオーストラリアのChartered Professional Engineerとして同等と認められて活動している方につきましては、今年は6月のIEAの総会の際にオーストラリアから来ていた方に伺ってみたんですが、私は知らないと。要するに、聞いたことないといったようなことをおっしゃっていましたので、多分いらっしゃらないのではないかと認識してございます。残念ながら、日本とオーストラリアは協定を結んでいるんですが、実績は余りないといったようなことがございます。
オーストラリアにつきましても、登録とリニューアルということは基本的には登録団体の継続加入手続でございまして、1年に一遍登録料を支払って、その際に3年間で150時間のCPDについての確認をするといったようなことでございます。ただ、ずっと更新を続けていかないと資格自体が例えばはく奪されるとか、されないとか、そういったことにつきましてはもう少し調査をしてみないとなかなか分からないような部分がございます。
イギリスやアメリカ、オーストラリアときっちりそれぞれ比較してみましても、単純に我が国に当てはめてどうかというふうにはならないところがございますので、下の方にも書いてございますが、やはり制度改革の際に参考にする際には、もう少し社会的、歴史的な背景を含めまして調査分析が必要になるのではないであろうかということを申し上げさせていただきたいと存じます。
最後に、また資料6に戻っていただきまして、CPD制度の見直しについての国際的通用性の確保の点でございます。APECエンジニアの要件は、先ほど参考資料5で御説明いたしましたとおり、過去2年度で100時間以上。さらに、こちらはまた論点整理にも指摘されているんですが、他国のCPDの内容や実施機関の状況を調査し、日本の制度が他国と余りかい離しないようにすべきであるといったことが論点整理で指摘されてございます。
以上で私の説明は終わらせていただきます。
【岸本主査】 ありがとうございます。続いて、奥野課長から説明をお願いいたします。
【奥野人材政策課長】 続けて、今回の議題の中で法制度に係る論点がございますので、技術士制度及び関連する法律に係る事項に関して何点か補足的に説明いたします。
まず、これまでの議論等で技術士制度における更新に関して、先の平成12年の制度改正のときに行われました国会における答弁の資料として、資料7がございます。資料7の観点としては、質問として、いわゆる再び試験を受けていただくような形での制度の更新を盛り込まないのかという観点に関して、改めて試験等を行う再審査は行わないと答えた上で、日本におきましては、資格更新を義務付けるのではなく、正に継続教育の支援体制の整備等というような形のやり取りがございます。
ただ、先ほど説明がございましたとおり、先の制度検討特別委員会の際も指摘がございましたが、ここで議論されております更新といいますものの一般的な定義等を確定する必要があろうかと思います。先ほど佐藤が申し上げたように、更新という概念が再試験を必ずしも必須とするのかという観点についてでございます。
まず一般的に、この種の更新に関する法律上の規定を置く際の一般的定義に関して、何点か、いわゆる法律用語辞典、法令用語辞典等ではどのように定義されているかと申しますと、例えば公法上の免許等有効期限の定めがある行政処分等について、その期間の満了に際し有効期間を延長する処分をし、又は従前の免許等に代えて同一の内容を持つ新たな免許等の処分をすること。もう一例。司法上の契約のみならず、公法上の免許、許可、登録その他有効期間の定めがある行政処分又は司法処分についても、その期間の満了に際して有効期間を延長する処分をし、又は従前の免許等に代えて同一の内容を持つ新たな免許等の処分をすることを更新と呼ぶ。
そういった形でまず更新の法律上の定義と致しましては、一定の行政処分、資格の付与等の行政処分に関して有効期間が定められており、その有効期間が満了したときに、改めてその有効期間の延長又は同一の行政処分を行うものがいわゆる法令等に規定する更新の定義と解するのが相当であると考えます。
そういった観点で今、お手元の机上資料において、技術士に法形式的に比較的近しいと一般的に言われておりますいくつかの資格の例を御説明いたします。机上資料の中で、名称独占の資格の更新、研さんに関する法令等の条文を参照として、机上資料として用意してございます。資料名「名称独占の資格(マル1中小企業診断士、マル2情報処理安全確保支援士、マル3キャリアコンサルタント)の更新、研さんに関する法令等の条文」という資料でございます。
いわゆる名称独占に相当する資格のうち、マル1の中小企業診断士、マル3のキャリアコンサルタントについては、それぞれ更新に係る規定が置かれてございます。マル1、中小企業士につきましては、3ページをめくっていただきまして、8条に中小企業診断士の登録の有効期間は、登録の日から起算して5年とするという規定が置かれてございます。その上で、有効期間の満了後の登録を受ける際の更新に関する規定が第9条に規定されているところでございます。3ページの第8条、第9条、それぞれ第1項を御参照いただければと思います。
また、キャリアコンサルタントにつきましては、この資料の14ページをごらんください。14ページの中において、第30条の19、見出しと致しましてキャリアコンサルタントの登録と書いてあるところでございます。この規定の第3項をごらんいただきますと、第1項の登録は、5年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失うと書いた上で、第4項において、前項の更新に必要な事項は、厚生労働省令で定めるという形で省令に委任するという構成になってございます。
従いまして、今申し上げましたとおり、更新といいますものは、他の類例にございますとおり、法律上は、今申し上げたように、まず処分行為に関して有効期限が付されており、その有効期限が付されている処分行為の有効期間を延長する、若しくは新たに同一内容の処分等を行うときに、法律制度の文言において「更新」という語を使うことが相当と解すべきものと考えます。
更にもう一点、更新と、先ほどございましたCPD等の義務付けに関して、それでは、今、机上に配付している資料においてはどのような規定ぶりになっているかでございます。継続研さん義務若しくは研修等を義務付けるものにつきましては、これはマル1の中小企業診断士、マル2の情報処理安全確保支援士、一般的には登録セキステだとか登録セキュリティスペシャリストと呼ばれている資格です。マル3にはキャリアコンサルタント、それぞれに関しては一応研修の受講義務の規定がございます。
中小企業診断士につきましては、先ほど申し上げましたとおり、3ページの第9条に登録の有効期間が終わった後の更新に関する規定等がございます。その上で、4ページをめくっていただきまして、登録更新の要件と致しまして、こちら、第1号、第2号に詳細に規定されているとおり、それぞれ継続研さんの受講義務が規定されてございます。このような形で、いわゆる更新の要件としてこの種の研修の受講義務等を規定している例でございます。
マル2の情報処理安全確保支援士につきましては、11ページをごらんください。11ページに第26条がございまして、ここの中で、情報処理安全確保支援士に関して、経産省令で定めるところにより、サイバーセキュリティに関する講習の受講義務が課されてございます。この資格につきましては、毎年6時間のオンラインを使った研修の受講と、3年ごとの集合研修の受講がそれぞれ義務付けられている例でございます。
次に、キャリアコンサルタントにつきましても基本的には同様の考え方でございまして、キャリアコンサルタントにつきましては、30条の19以下、必要な事項を厚生労働省令に定めた上で、その際に、一応研修の受講義務等を規定するという、省令以下のところで、次の15ページをごらんください。15ページの中の登録に関する規定の中で48条の17に、それぞれ受講すべき講習の内容等の規定を同様の形で省令等に落としているという形になってございます。
また、参考までに、もう一つの机上資料、技術士によく比較されます、いわゆる一般的な言い方で五大資格とおっしゃる方がおりますが、こういった主要な資格、マル1、弁護士、マル2、公認会計士、マル3、弁理士、マル4、医師等の資格に関しましては、一応このそれぞれの資格については、法律的な意味での更新に関する規定は置かれてございません。ただ、公認会計士、弁理士等に関しては、研修の受講義務がそれぞれ規定されているところでございます。例えば公認会計士につきましては、机上資料の3ページ、公認会計士法第28条におきまして、内閣府令に委任した形で公認会計士協会が行う研修の受講義務の規定が置かれてございます。
以上申し上げましたのは、ここで議論になっております更新といいますものの法律上の定義をどのように考えるべきであるのか、また、継続研さん等をもし法律上受講義務を義務付ける場合について参照となりますような類似の法律等における条文等がどのようになっているのかを、今後の議論の参考として机上に配付させていただいたところでございます。以上です。
【岸本主査】 どうもありがとうございました。それでは、議論に入る前に、ただいまの事務局の説明に関しまして、御質問あるいは確認のある方はお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。大分たくさんの資料を準備していただいて御説明いただいたわけですけれども。林委員、どうぞ。
【林委員】 御説明ありがとうございました。資料6に付いております各国の比較表について確認させていただきたいんですが、ここに挙がっている英、米、オーストラリアにおいて、研修をしないと資格がはく奪される国というのは確認されているんでしょうか。
【佐藤専門官】 それにつきましては、残念ながら来年度以降にきちんと調査をさせていただきたいようなことでございます。申し訳ございません。
【林委員】 分かりました。ありがとうございます。
【岸本主査】 ほかはいかがでしょうか。
1点、先ほどの御説明の中で、弁護士さんや公認会計士のことについては研修が義務になっているということですが…。
【奥野人材政策課長】 研修は、公認会計士と弁理士がそれぞれ法律上で研修義務がございます。
【岸本主査】 そうですね。そのときに、研修を行わなかった者についての取扱いというのは、どういう形になっているんでしょうか。
【奥野人材政策課長】 例えば公認会計士の例ですと、義務の履行の担保と致しまして、5ページをごらんください。4ページから5ページに関しまして、公認会計士協会会則の中におきまして、義務不履行者に対する措置として、本会は、会員が、前条に定める継続的専門研修制度の所定単位数以上を履修せず、本会に報告しなかった場合において、規則の定めるところにより義務不履行者となったときは、規則に定める必要な措置を講ずることができる。第2項で、前項の措置は、第51条に基づく懲戒に重ねて行うことを妨げないというような形で、サンクションを課すことが公認会計士協会において可能となってございます。
【岸本主査】 そのときに、公認会計士の資格をはく奪するとかというところまでは具体的には書いていないということでよろしいんですよね。
【佐藤専門官】 申し訳ございません。この規則につきましては会の規則でございまして、そこまでは確認できてございません。また後ほど確認させていただきます。
【岸本主査】 分かりました。
ほかはいかがでしょうか。大分いろいろな資料を用意していただいたのでと思いますけれども。
それでは、今の御説明を基にこれから意見交換をしていきたいと思います。それで、資料3をもう一度ごらんになっていただきまして、復習になりますけれども、資料3の中のBあるいはCについて、それぞれの作業部会で論点整理をしようということになっています。そのところの中で、政令あるいは省令等の改正が必要かどうかのことについて、議論の中で深めていくと変わる可能性もございますけれども、どういう方向があるかということについて議論していこうということが、そこの審議の手順の中に書かれております。
それで、続いて、資料4をごらんになっていただきますと、会議ごとの検討内容の範囲ということで、こちらの方の継続研さん・更新検討作業部会につきましては、左側の欄にありますように、更新の要件や実施方法の検討、それとCPD制度の見直しということで、この2つが課題になっています。
それを踏まえましてできている資料が資料5になっております。検討課題ということで2つということになっております。更新要件や実施方法の検討とCPD制度の見直しということで、そこに書かれているとおりであります。こういった検討を進めるに当たって法令の改正がどのぐらい必要なのかということで、それぞれの項目について、例えばそこにありますA案だとすると、早急な法改正の必要性を特別委員会に提案して、それについて具体的な検討に入るということですけれども、その際ポイントとしては、法改正になりますと、立法事実だとか、必要性、重要性、早急に改正を必要とする理由とかいったような形での理由付けをきちんとしていくということであります。
B案というのは、将来的には技術士法の改正も視野に入れていくということでありますけれども、まずは省令の改正をすることで実質的に進めていきながら、必要なところを法改正していくという方向性です。C案は、現行のものの中で全て実施していくというようなことであります。そちらが技術士法の改正の要否の観点です。
2番目が、省令以下の改正の要否ということで、似たような文章が並んでいますけれども、そういった中で考えていくということであります。
それに関して、参考資料7についても先ほど御説明いただいたかと思いますけれども、過去に技術士法としては、制定したときが昭和32年で、その後2回大きな改正をしてきています。そのときの改正理由ということで、ごらんになっていただくと、著しい科学技術の発展状況に鑑み、技術士制度の改善を図るためというのが大きな理由です。平成12年のときは、国際的な整合性の確保と良質の技術士の一層の育成を図るためということで、そこでは具体的にどういうところが直ったかということであります。
そういう意味で、こういった検討の中で技術士法の改正といったときには、キーになる改正理由が次は何なのかということも含めて議論いただいてまとめていくということになろうかと思います。
その上で、今の更新制あるいはCPDの見直し、それぞれについてどんな方向性が考えられるのかということをきょう様々な観点から御意見いただければと思います。技術士会の方でも御検討されていると思いますけれども、その辺りのところで委員の方々から御意見があれば承りたいと思いますが、いかがでしょうか。
【中谷委員】 今、資料5を見ているんですけれども、ここに、更新の要件や実施方法の検討(B)というのがありまして、「無理のないCPDの内容となるよう」という記述がございますが、具体的に言うと、無理のないというのはなかなか、例えばこういうような更新方法にしようといったとき、いや、それは無理だとか、何か評価基準があった方がよいのではないかと思います。
技術士会の方では、たしか技術士の方々に対して、更新に関してどう思うかというようなアンケート調査をされていたのではないかと記憶しております。それから、例えばこういう方法をやった場合にはこのぐらいの経費が必要になるとか、会員の方々にどのぐらいの金銭的な負担が増えるのか、あるいは技術士会に関してどういう負担が増えるのかとか、そういったお話もちょっとお聞きしたいなと思うんですけれども、いかがでしょうか。
【岸本主査】 新屋委員長、いかがでしょうか。
【日本技術士会新屋委員長】 よろしいですか。技術士会の方でも、これらのCPDの実行についてのアンケートを採らせていただきました。基本的には技術士会も大きく2つありまして、要するに、業務上必要な方々とそれ以外の方と大きく分けられます。業務上必要な方といいますと、やはり建設関係、公共事業をやられている方々につきましては、そういったところを是非やっていかなければいけないというところで、それぞれの、国交省や農水省等の要求事項に応じてCPD時間が規定されておりますので、それを実施していくという流れになっています。それ以外の方々というのは、CPDを別にやらなくても、現在の業務に支障は特にないということで、そこら辺で大きく意見が分かれているというところが実態でございます。
費用面につきましては、やはり地域格差の問題が一番大きかったかと思います。東京とかCPDのいろいろな講習等を実施するところが近くにある方々は、非常に便利であるし、経費も掛からないわけですけれども、遠くの方々はそういった機会に恵まれないというところでの地域格差の面と、やっぱりそれぞれの分野に応じて講習会の頻度が違いますので、そこら辺で差があるなといったところがございました。もちろんそういったところでの費用面というのは附帯してくるということでございますし、技術士会としても、それぞれのそういった手続が増えれば負担も増えてくるので、何らかの形で費用の徴収等も必要ではないかという議論も一方ではございました。以上です。
【岸本主査】 ありがとうございます。下保委員、どうぞ。
【下保委員】 資料が多過ぎて頭に入らないのと、説明もかなり速いので付いていけないんですが、資料6で各国の、横長のこの表ですが、日本、英国、米国、オーストラリアと。これの日本の、真ん中で縦で切って左と右に分かれている、この表をもうちょっときちんと詳しく説明してもらえませんか。
【佐藤専門官】 承りました御説明させていただきます。時間の関係で割愛させていただいたんですが、公益社団法人日本技術士会は、技術士法でいいますところの技術士の指定登録機関であるということと同時に、社団法人としての面と2つの面がございます。指定登録機関としてですと、御承知のとおり、技術士になりますと、技術士として活動したい方につきましては、登録が必須でございますので、政令で定められている登録料を納付いただいて登録を認めるわけでございますが、社団法人としての日本技術士会につきましては、こちらは任意加入になってございますので、毎年会費を払い続けるというふうなことが加入を続けるということになってございます。
ただ、例えばイギリスやアメリカ、オーストラリアを見ますと、これ、実は一致してございまして、一致といいますのは、いわゆる登録機関と、活動の基盤になっている団体が一緒になってございまして、日本のように2つに分けられるような性格ではなく、例えばイギリスであれば、御自分の所属する登録団体に加えて学会に所属するとかといったことはあるかとは存じますけれども、そういったことについては日本の場合少し分かれているところがございますので、技術士会の性格を2つの側面から書き分けているということでございます。それに加えまして、英国、米国、オーストラリアに関して、団体への加入義務が、特に英国とオーストラリアについては必須でございまして、この資格を名乗ってきちんと活動をするためには、それぞれの団体に登録をしなければいけない。アメリカにつきましては、先ほど御説明させていただきましたとおり、いわゆるProfessional Engineerとしてきちんと権限を持って文書に署名等をする場合にも、これは事実上加入をしないことは認められてございませんので、強制加入ということがございます。
ただ、日本の場合は、日本技術士会は強制加入ではなく任意加入でございますので、登録をする場合には日本技術士会に必ずしなければいけませんが、特に技術士として日々活動させていただく上で、日本技術士会には任意に加入ということになってございますので、そこが少し他国とは違うということはございます。
【岸本主査】 よろしいでしょうか。はい、奥野課長どうぞ。
【奥野人材政策課長】 端的に御説明申し上げますと、ほかの国の場合は、先ほど言った、恐らく弁護士さんなどのように、そもそもプロフェッショナル・エンジニアとして活動する要件として、こういった団体に所属することが要件とされています。したがって、団体の資格を更新していくということが、即、イコール活動として業務を行う際の資格と一体になっていますので、これを更新、結果的には更新類似とは言えます。
一方で我が国の技術士制度につきましては、これは技術士会さんの説明があったとおり、技術士の登録を一応国から指定を受けて、国になり代わって事務を実施しておりますが、技術士会そのものへの技術士さんの所属、加入というのは、技術士を名乗って活動を行うことの要件とされておりません。したがって、考え方としては、我が国は恐らく更新制がないと解するのが、技術士会の会費を払っていたとしても、法律的には更新というような形の効果は出てこないと理解するのが妥当ではないかと考えております。外国の例の見方の場合には、強制加入で団体所属が活動の前提になっているという点で、団体の所属の更新というのが自動的に恐らく更新制度になっているというような形で御理解いただければと。
【岸本主査】 はい、どうぞ。
【中谷委員】 だんだん分からなくなってきてしまったんですけれども、そうすると、技術士の試験に合格して技術士になりました。でも、技術士会に登録しなくても、技術士としての活動を行うことができると。ここに、CPD義務化とか更新制度を導入しようとすると、技術士の資格を取った方々が、更新をしたか、しないかという管理をするための組織が必要になりますが、それはどこがやることになるんでしょうか。それは技術士会への加盟は任意なので、ここが管理することはできませんよね。そうすると、別途、技術士資格の管理をする組織が必要になるということになるんでしょうか。
【奥野人材政策課長】 まず技術士と名称を名乗って活動される方は、一応登録は義務になってございます。したがって、登録して、恐らく登録証を交付されれば、活動することは可能です。
ただ、もし継続研さんを義務付けた場合につきましては、御指摘のとおり、では、誰がその義務の履行を担保するのかという点に関しては、サンクションを伴う義務を課した場合についてはやはり法律上でその主体を決めなければなりませんので、それを技術士会とするのかどうかという論点はあります。ただ、正に御指摘いただいたとおり、現行の技術士会は任意加入の団体で、全ての技術士の活動そのものに関してモニタリングする機能を有しておりませんので、その部分に関しては、技術士会に関して一定の業務を付加するか、別な形でのモニタリング機能を行う団体を指定しないと、実効性のある義務の履行ができないというのは委員御指摘のとおりでございます。
【岸本主査】 いかがでしょうか。いろいろな観点があると思いますので、自由に御議論いただければと思います。はい、どうぞ。
【小野委員】 少し話が戻りますけれども、先ほどの無理のないCPDについてです。更新やCPDというのは個人的にはあった方がいいかなと思うんですけれども、ここの資料のように技術士はいわゆる五大資格の中に位置付けられていますよね。建設部門は多分お仕事で技術士資格が必要かと思いますが、私は機械分野ですけれども、建設部門以外の分野への技術士資格の普及というのが1つ大きな課題だとずっと思っています。そのときにやはり、取った人の更新やCPDに掛かる負荷が問題ですね。経済的なこともそうですし、それに要する時間的なこともです。ですから、ほかの資格の更新やCPDに掛かっている状況と比べて、技術士の場合は非常に厳しいとか大変だとかいうことになりますと、ますます人気がなくなってしまったりはしないか気になります。ほかの資格の更新やCPDについて資格取得者の負荷に関する情報がもしあったら知りたいなと思いました。
【岸本主査】 他の資格でということでしょうか。
【小野委員】 そうですね。
【岸本主査】 先ほどの更新制が義務になっているところはどの程度かと。
【小野委員】 いろいろ法律で決められているということは分かったのですが、実際的にどれぐらいのことがなされていて、受講者の負担や、それについての何か比較表みたいなものがあると、無理がないということを検討するときに非常に参考になるのではないかなと思いました。
【岸本主査】 はい、どうぞ。
【奥野人材政策課長】 まず負荷、負担感というのは極めて主観的な側面もございますので、それを私どもから確定的に申し上げることはなかなか難しいと思います。ただ、具体的にどのようなCPDが義務付けられている例があるか等に関しては、弁護士等を調べることもできますし、また、きょうお手元に配られている資料等につきましては、最初の名称独占類似の資格に関しましては、今申し上げましたとおり、それぞれCPDに関して比較的詳細な規定等を置かれているところです。
例えば4ページの最初の中小企業診断士におきましては、10条におきまして、それぞれ研修義務の受講とか、下にございますとおり、実務とか補習に関しての回数が点数化されているシステム等の規定がございます。また、机上資料では明記されておりませんが、情報処理安全確保支援士に関しては、これは研修義務だけが書かれてございますが、オンラインの年6時間の研修と、3年に1回集合研修等が規定されておる例等ございます。
ただ、これは従前にも指摘がございましたけれども、単純にCPDの負担感だけで捉えるというよりも、2つの観点がございます。1点目としては、やはり最近できている中小企業診断士等の規定があるように、名称を名乗らせている人の業務のクオリティを維持するために、やはり制度のアップデートとか細かい内容に関しては適宜アップデートを行わないと、むしろ資格を持っている人のクオリティが低下してしまう、いわゆる法益等に悪い影響が出る場合にそれを防ぐという観点とか。
あとは、技術士に類似するほかの資格が活用されている側面におきまして、CPDというのが枠組み全体に組み込まれていて、CPDを受けることが活動そのものに関してモメンタムになっている、そういったケースがあることでCPDの義務化というのが恐らく制度として意味をなすと思いますので、まずはCPD、研さんを行わない場合に、法律が想定する形での能力の水準が恐らく担保し切れないような場合は、義務的に受けていただいて、これについてはやはりそういったものを義務化する必要があります。
また、そういった資格に関しては、CPDに関してそういった趣旨等を明示しておりますので、当然業務のクオリティを維持するために受けていただくという形もありますし、それ以外にもCPDそのものが、恐らく建設分野等のように技術士資格を活用している制度全般の中でそういった形のトータルとしての枠組みがあれば、それに整合する形でのCPDというのは、システムとして恐らく受けられる方も受けやすいんだと思います。
そのいずれの要件もなく、もしCPDのという義務だけが課されたときにつきましては、先ほど議論がありましたとおり、義務を課した場合には、一般的に履行確保のために何らかの不利益処分等のサンクションで担保しなければ、現行の研さん責務だけでいいという結論になりますので、そうすると、不利益処分を課してまで受けさせるのに等しいだけの何らかの受けない場合の不利益、若しくは受けさせて、それが機能するだけの技術士さんが活動している領域におけるシステムがワークしている、恐らくいずれかがないとなかなか法律の規定を行うのは一般的には難しいと理解しております。
【小野委員】 ありがとうございました。
【岸本主査】 ほかいかがでしょうか。はい、どうぞ。
【中谷委員】 非常に面白いなと思ってお聞きしてきたんですが、CPDに関してなんですが、なぜCPDを義務化しなければいけないかということで、まず1つ、質の担保というお話がありましたが、それでは、今活躍されている技術士の方々の質が低くなったというようなお話はあるんでしょうか。これが1つ目の質問です。それは余り聞かないのではないかなと。しかも、お仕事として技術士の方々は活躍されていらっしゃるので、もしも質が悪くなってしまうと、仕事が来ないという状況になっているのではないかと。とすると、お仕事をされている方は、質の担保というのは自主的に当然やられているのであろうと考えます。
だとすると、CPDを義務化しようというのはなぜかというと、これは国際的な通用性というところに関わるのではないかと思うんですけれども、いかがなんでしょうか。これ、どうしてそういうお話をしているかというと、海外のこういったエンジニアの資格制度を見ますと、CPDを義務化するとか更新を義務化するというお話がありますので、日本の技術士もCPDを義務化して、更新制度がありますよということを海外に向けて発信していこうということであれば、質の担保とか質の向上を目指すということを意図して、技術士の方々に対して更にもっとこれから今までやってきた以上のことをやれと言うのは、ちょっとそれは無理があるのではないかなと思います。
つまり、どういうことかというと、仕事をやっていればCPDのポイントが取れるようなものにするとか、ということは別にお金を掛けなくてもいいということになると思いますけれども、そういう形で、仕事をやっていらっしゃる方であれば無理なく取れるというようなCPDにしていかないと、質の担保とやると、じゃ、質はどうやって評価するのか、じゃ、試験をやりましょうかという形になってしまって、また技術士のなり手が少なくなるのではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
【岸本主査】 誰が答えるかという問題もありますけれども。
【中谷委員】 評価というか、評判というところでまずお聞きしたいんですが。
【奥野人材政策課長】 まず1点目、継続研さん等を行わないと技術士の質が維持できないような立法事実の認識があるかという点につきましては、紹介した資料7の国会審議の際に、そういった問い掛けに関して、その必要というのは感じていないというような形で答弁しております。また、制度所管の側として、少なくとも現時点において技術士の質が低下しているというような形での立法事実を、この議論においては提起するような事実は承知しておりません。
次に、またそれ以外にも、ほかの継続研さん等を行っているようなケースについて、例えば技術士の方が準拠する法令とか業務の基準等が頻繁に改正等を行っており、それを適宜アップデートしなければ技術士の方の業務の水準が、制度所管の側として、御指摘のとおり、維持できないというような観点は、我々自身、現時点ではそういった形では認識しておりません。技術だとか技量の進歩というような点を一律に国の方で各分野についてそういったものをやるというのが現実的ではないのは、ほかの類似の資格等においてもそのようになっているのではないかと考えております。
さらに、御指摘いただきました国際的通用性の考え方でございます。これは先般の法改正のときも、国際的通用性という観点で措置いたしました。ただ、国際的通用性の確保という観点に関しては、ダイレクトに技術士制度そのものを今、通用性として使うのではなくて、APECエンジニアという枠組みを介して行っている形でございますので、もし国際的な通用性という観点であれば、APECエンジニアという枠組みを使っていくという点になります。
また一方で、技術士制度をAPECエンジニアと全く同じような形での継続研さん義務とかとそろえていって完全に同期させる方がより技術士制度が国際的に通用する資格になるのではないかという御趣旨であれば、それはそういった一面があろうかと存じます。ただ、その場合に関しては、継続研さん義務だけではなくて、ほかにもございました、APECエンジニア等で要件とされていますが、例えば学位の基準とかそういった点も含めて、同期というのは1か所だけ同期させれば国際的通用性があるというほど単純なものではないというのは、佐藤が先ほど説明で申し上げた点はあろうと思います。
では、それを同期させていった場合どうなるかという点は、実は先ほどあった使いやすいという観点にもなるんですが、現在、技術士資格を持っている方のAPECエンジニアの登録数とか国際的に業務を行っている割合というのが技術士全体に占めるのが少ない際に、もし仮に技術士資格そのものを国際通用性が高いところに合わせたとしますと、個々の技術士の方のモメンタムとしては、国際的な活動通用性を欲していない方からすれば、恐らく負担の増という形にはなってまいります。その負担の増を国際通用性を高めるという公益でもってバランスするのかどうかについては、むしろ検討委員会等の審議の結果等を踏まえて私どもとして考えてまいりたいと思います。
【岸本主査】 もう一つは、前回の法改正のときに資質向上の責務を追加して、それについては、支援体制を整備し、担保しようというところに書かれてきているわけです。そういった意味で、継続研さんのところがきちんと今機能しているのかどうかという観点もあるんじゃないかなということと、先ほど中谷委員には、しっかり仕事をしているからいいという面もあるかもしれませんけれども、公的に名乗るときには、何かやっていることを公的にどこかで確認するなり、やっている方がそういう状況にあるということを説明していかなければいけないんじゃないかなと。なので、現状大丈夫だから大丈夫といって、このことについて議論しなくなるのはちょっとまずいかなと。
【中谷委員】 別にCPDを確認しなくてもいいと言っているわけではなくて、CPDを、これを受けろ、あれを受けろというような新たな負荷になるようなことをやる必要はあるのかという、そういう疑問でした。つまり、今お仕事をやっている技術士の方々が仕事の業務上必要でいろいろな情報を収集したり、技術のブラッシュアップをしたり、あるいはアップデートをしたりということをやられていると思いますけれども、その過程でポイントがたまって、CPDをやっていますよということを示すことができるようなことにすればいいんじゃないかと考えているということです。
【岸本主査】 恐らくCPDをしていることをどう確認するかという方のある種技術的な話ですよね。
【中谷委員】 そうです。
【岸本主査】 その前に、そういうことをやっていること自体を確認する必要があるかどうか。やり方は別にして、責務をきちんと果たしているということを確認し、それを何らかの形で公表する。していない方もいないわけではないので、そこのところをきちんと区別しなければいけないんじゃないかなと。仕事をされていない方もたくさんいらっしゃるし、引退された方もいるということの状況でどうしたらいいかということからこの話が出てきているのかなと私は理解しています。
ということで、更新制の要件や実施方法の検討ということが先に入ってしまっていますけれども、ある種の責務を果たしているということ自体を何らかの形で公表するのか、やるとしたら、それを法律を変えてやるべきなのか、もっと実質的なところから始めてそれが分かるようにするのかということで、技術士法をすぐに変えてやるべきかどうかについて少し議論しておいた方がいいかなと思います。
はい、林委員どうぞ。
【林委員】 その点に関しましては、まず「更新」という言葉から考えますと、更新というのは飽くまでも有効期間の定めがあることが前提です。資料6の英、米、オーストラリアにつきましても、それぞれ、英国1年、米国2年、オーストラリア1年というような、そういう期間の前提があるところで初めて「更新」という話につながっているので、そこのところをそもそも変えるんだということがない限り、「更新」という言葉を使うのは、私はどうも引っ掛かってしまって、法律的になじまないんじゃないかと思っております。
また、継続研さんをすることを義務化して、それを条件として更新するという形に変えるのでなければ、すなわち、義務化するのでなければ、現状の技術士法47条の2の技術士の資質の向上の責務の、「努めなければならない」という、このいわゆる努力規定を変える余地がないと思われます。
では、この努力義務を実行していることを確認することを政省令で定める必要があるかどうかというところなんですが、一般に努力義務の部分について、国が政省令でどこまで定めるものなのかというと、必ずしも努力義務があるから国が政省令で定めなければいけないというものでもなく、そこは両方あり得ると思っております。
政省令で定めなくても、もともと名称独占の資格なのですから、技術士会で研修を受けたということが価値を持って受け止められるようなプラスアルファの資格になれば、つまり、技術士会の自治、民間の団体としての「研修技術士」のようなお墨付きがあることが技術士としての業務に役立つという在り方もあるのではないかと今お話を伺っていて思いました。
【岸本主査】 ありがとうございます。1つは、今まで「更新」という言葉を余り定義せずに、法律用語としての定義として使ってこなかった面がいろいろなこの論点整理のところでもあったかもしれないので、そういった意味で、「更新」といったときは法律的にはこういう意味だから、それをするにはこういうことをしなければいけないかというのはかなり明確になって、そのときには省令でなくてちゃんと法律を変えないと、要するに、期限がないものを期限があるものに変えてということは、そこまでしていかなければいけないということですよね。
【林委員】 はい。
【岸本主査】 あともう一つは、今、それとは別に、「更新」として使っていた言葉の意味が、実態として、日本語としての普通用語としての「更新」だとすると、言葉をかえなければいけないんですね。それはどういう用語で、もし法律を変えないで実質的に今のようなお話をしようとすると、じゃ、何て言えばいいのかというのも考えなければいけないんですね。いい言葉があれば、カテゴリーによって、例えば省令を変えてやるのであればこういうものだということを何かいい言葉を作って、それを視野に入れて考えていくということなのかなと思いますけれども、その辺りはどうですかね。ずっと更新制の導入とか導入じゃないかと言っていると、全部、法律的な用語の中でやっていくということなのかなと思ったんですけれども。
【中谷委員】 継続加入とかというのはどうですか。それは駄目ですかね。
【岸本主査】 加入なのか……。
【中谷委員】 資格継続かな。
【岸本主査】 何か言葉が要るのかなということですよね。
もう一つ、それで、ここに書いてある、技術士法の改正の要否といったときには、改正をするという観点からすると、今のような形で資格を名乗れるのを有期にして、それに対してきちんとした更新制を入れるということの方向であれば改正を目指さなければいけないということで、それ以外の方法で資質向上の責務を何らかの形でチェックする、どういうふうにやるかということもありますけれども、そういう形であるならば、法改正というところまでには及ばなくて、場合によっては省令を付け加えるかどうか。ここについてはもう少し議論が要るかと思いますけれども、そんな整理にこの更新制については、実施の前ですけれども、なるのかなと、今の御意見を伺って思っていたわけですけれども。
はい、どうぞ。
【下保委員】 私は建設分野なので、建設系は非常に、先ほど言った、お金を払う方、使用者側が、こういうものをきちんと捉えてくれと。技術者も75歳を過ぎた人を充ててもらっても困るから、75歳でもちゃんと研さんを積んで最新にアップデートした人だったらいいよと、多分そういう仕組みにするためにCPDみたいなものをちゃんと取っておきなさいとして、そういうものを取った人は、ポイントをあげて、仕事が取りやすいようにしましょうと、全体がそういう仕組みになっているんです。
先ほど出てきた中小企業診断士とか、情報処理安全確保支援士でいうと、その分野が、“建設分野”のような分野なので、割と目的がはっきりしているから更新だったり、研修だったりと非常にやりやすいんだと思うんです。一方で技術士は、先ほど小野さんも言われた、いろいろな分野が全部入っていますから、なかなかここに絞った方が産業全体なり、仕組みなりいろいろなものが安全にいくというふうに言い切れない分野がある。最小公倍数みたいな答えは出せるけれども、最大公約数みたいな議論をしてもなかなか答えが出にくいという感じがするんですね。だから、端的に言うと、法律でがちがちにしようと思っても、分野がこれだけ広いものを法律でがちっとやって誰が喜ぶのみたいな話が出てくるのではないかと。
そういう意味で、実質、CPDなり研修なりをして、技術士のレベルがアップデートされていくと。当然、法律とか何か更新されてきますから、それを知らない人間が業務に携わると非常に問題なので、そういうものはきちんとやっていくというものを義務付けるという意味のCPDそのものは強化していく。それは必要で、個人に身に着けたこと証明書を出してあげて、それが何か業務をするときに、私はちゃんとやっていますよというのを実質的に担保してあげるというところまではいいと思うんです。それ以上、それがないと更新できませんとかとやり始めると、現実には法律もない限り、無理なんじゃないかなという気はします。
【岸本主査】 そういう意味で、今お話しした更新というのが、有限の期間を持った資格に変えるという前提からすると、そういうところまでは今視野に入れることではないんじゃないかと。いわゆる資質向上の責務を果たしているということをいかに確認するかということで、それが確認できた人とできなかった人を明らかに何らかの方法で示していくということが望ましいんじゃないかというように考えているということでよろしいでしょうか。
【下保委員】 現実的な感じがするんですけれども。
【岸本主査】 現実的ということと、あとは、技術士の名称独占ということの本質を考えたときに、そこが資格としてそういうものだというふうに理解すればいいのかなと。限定した資格、名称独占の資格という意味では、何かの業務を必ずできなければいけないという資格ではないんですよね。
ほか。はい、小野委員どうぞ。
【小野委員】 先ほどのお話で、やはり分野によってかなり雰囲気が違うと思います。正直申しまして、建設部門は仕事で絶対必要ですよね。若い人も目指しますよね。機械、電気の分野と雰囲気が全然違うと思いますね。例えば私の教え子で何人かエンジニアリング会社へ就職しますけれども、入社してからようやく勉強しろと言われるような感じで、最初は若い人は、全然興味がないわけです。したがって分野によってどうもアプローチというか雰囲気が違うものを、そもそも一緒に制度を変えて盛り上げるというところで無理があるのかもしれないと思っています。
ただ、一方で、私の気持ちとしては、やはり建設以外の分野の特に若い人にも技術士は狙ってほしい資格になっていただきたいという気持ちがあります。そのときにやはりインセンティブだと思うんですね。これも堂々巡りかもしれませんけれども、CPDを取っていたり、それをためると、自分のアピールといいますか、名前ですかね、何かインセンティブがないと、やはり若い人は目指さないと思うんです。そこで何か、自分の力量、努力の証明みたいなものをオーソライズするといいますか、そういった仕組みをもっと強化してアピールしないと、何となく建設以外の分野への広がりがないような気がしています。
ですからそこを促進するために何か、義務化というのも変ですけれども、数の論理でしょうか、つまり義務化するとCPD登録する人間が増えていって、ある一定数、一定割合増えるとみんなもやり出すというふうに持ち込むことはあり得るかもしれません。これはいいことかどうか分かりませんけれども、何かプロモーションのようなものは絶対必要かなとは思いますが、いかがでしょうか。
【岸本主査】 技術士というのが、法律の中にあるように、科学技術に関するトップクラスの名称だということが言われている中で、そういう名乗る人たちが技術者の見本になるという必要がありますよね。そうすると、中から、今の公益性の話だとか名称独占があるので、やっぱり自分たちで自分たちがちゃんとやっているということを説明するということを、だから、仕事に使えるかどうかとか、外形的に決まるのとは別に、きちんと制度というか仕組みの中に入れていくということは、インセンティブというよりは、きちんとやっていくことによって、その名称がいい資格だと、国の資格の中で技術者が持っているトップクラスだというのを分かってもらうためには必要じゃないかなというような観点から考えていくというのもあるかなと。
【小野委員】 さっき奥野課長から話もありましたけれども、やはりAPECエンジニアを見ると、これは余り建設部門では関係ないかもしれませんけれども、例えば機械・電気系でエンジニアリング会社に行くと、やはりAPECエンジニアの資格は重要だと思います。それでは、機械・電気部門だけでAPECエンジニアの制度について突っ走って改革していいのかというと、それで整合性が取れるかなという話にはなると思います。しかし全体的に見るとそういうニーズはあるわけですから、そこはもう少し、技術士を取っていればもうAPECエンジニア資格も自動的に取れる、ではないですけれども、そのような形にすると、若い人も目指しやすいかなという気はします。
【岸本主査】 はい、どうぞ。
【佐藤専門官】 よろしいですか。資料6に書かせていただいてございますけれども、インセンティブということをおっしゃっていらっしゃいましたが、論点整理におきましては、CPD制度の見直しの真ん中の資質能力の向上の部分、2ポツ目にございますが、海外はやはり名簿の公開を併せて行ってございます。いろいろな名簿の公開の仕方が多分あるとは思うんですけれども、先ほど奥野課長の方から御説明いたしました情報処理安全確保支援士などは、ある意味でいうと、極めて個人的な研さんの状況とか、自分はこういう分野だ、こういうことが得意だといったようなことまで名簿に公開してございます。ある意味、人材登録バンクのようなそういう名簿を公表していたり致しますので、論点整理では、名簿の公開というのが1つのある意味インセンティブといいますか、世の中にきちんと見える化するということの提案はしてはございます。以上です。
【岸本主査】 高木委員どうぞ。
【高木委員】 今、部門によって事情が少し異なるという御意見があったと思います。この点につきましては、前回の分科会でもお話したかと思いますが、日本工学会でCPDをやっておりますと、会員学協会の中で3種類ぐらい分かれます。土木建設系は非常に積極的です。これは業務に直結しています。業務に直結しない場合でも必要であるという学協会のグループと、必要ないからやめてしまったという学協会のグループの3種類があります。1つの国家資格で3種類のいわば性格の違うものを扱うというのは結構複雑な話だと思いました。
今までの議論と少し視点の違うことを申し上げますが、国家資格として求められる資質能力の担保、それから、国際的通用性の確保という観点から、いわば義務としてCPDを実施することは最低限必要だと思います。一方、本来、継続研さんというのは、技術者にとって極めて合理的な活動であって、納得性があるべきものだと思います。強制されなくても本来自主的に実施すべきものであると思います。
先ほどご説明ありました資料6の一番下ですが、技術士の国際的通用性の確保の欄の一番下に、制度を社会的、歴史的背景も含めて更なる調査分析が必要であると書かれています。先ほどからオーストラリアの例が出ておりますが、表のオーストラリアの欄を見ると、資格付与機関がEA、Engineers Australia、オーストラリアエンジニア協会です。CPEng、Chartered Professional Engineerという資格があります。
たまたまですが、先月の24日まで、オーストラリアのメルボルンで開催された世界工学会議に参加してきましたが、その主催団体がこのEA、オーストラリアエンジニア協会でした。これはもともとの目的ではなかったのですが、EAのインターナショナルプレジデント&ボードチェアマンのトリシー・ホワイトさんとお会いしました。彼女が、EAのCEOのブラウニー・エバンスさんを紹介してくださり、そのような御縁で、何人かのCPEngを持っているオーストラリアのエンジニアとコミュニケーションする機会がありましたが、そもそも社会的環境が違うというのが第一印象でした。
ある30代の若手と話したところ、彼は10年間同じ企業に勤めているけれども、彼の知り合いのCPEngを持っているエンジニアは、結構二、三年で転職しているということを言っていました。そうすると、CPEngが非常に大事な資格になる。日本の場合、技術士の資格を持っておられる方は、企業に勤められているケースがかなりありますよね。そうすると、企業として当然従業員教育でOff-JTやOJTで行うわけです。これが従来までの日本の状況だと思います。
それから、もう一つ違うと思ったのは、CPEngを持っているエンジニアの方は非常に尊敬されているそうです。社会的地位が高いそうです。日本でいえば、ドクターを持った大学教授のような方でしょうか。日本の大学教授は非常に尊敬されていますよね。それに比べて技術士の資格を持った方は、大学教授ほどではないと言っては失礼かもしれませんが、その辺の違いがあると感じました。終身雇用ではなく転職をするということになると、自分で研さんをしていかなければいけないという必要性があるわけです。その意味で、先ほどから議論のあるCPDへのモチベーションに関しても、社会的な環境や日本とオーストラリアのエンジニアの置かれている状況の違いを認識する必要があると思います。
制度改革は大事ですが、その背景と、それからもう一つは運用、それらも含めて議論が必要と思っています。仏作って魂入れずにならないような制度改革が必要ではないかと思います。以上です。
【岸本主査】 ありがとうございました。
それでは、資料5に戻って、今の議論の中では、繰り返しになりますけれども、最初に説明があったいわゆる更新ということを正面からやることについては慎重な議論が必要で、そういうことをするのであれば、技術士法の改正の方に向かうと。だけども、早急にそれの結論を出してという状況ではないという整理でいいですかね。むしろここに書いてある意味合いになるようなネーミングも要るんですけれども、何らかの自己研さんをしているということを、公的なのか、民間的にやるのかはまだこれからとして、そういった方向でこのことを考えていくという流れで、皆様の意見を聞いているとそんな整理ですけれども、よろしいでしょうかね。
そうしたときに、今度はCPD制度の見直しというのがもう一つあります。このCPDというのは、私の理解では、技術士の方もそうですけれども、技術者全体にとって自己研さんが必要だと、そういう職業だ、専門職だということになると、ここのCPD制度というのは、更新のための仕組みというのもありますけれども、内容そのものがもう少し日本全体の技術者の資質を上げるという観点も含めて私は議論した方がいいのではないかなと。その中で一番資格に関係していた人が一番頑張ってやっているみたいなものに持っていけるといいですけれども。
現状、日本のCPDについては、先ほど高木委員からありましたけれども、日本工学会の中でCPD協議会があるんですけれども、どちらかというと、もともとは各学会でやっているCPDのポイントをお互いに融通するとか、技術的なところでかなり終始していて、どういうものがCPDの内容としてふさわしいかについては余りしてきていなかったんじゃないかなと。だとすると、この制度の見直しといったときに、中身をどうするかという議論も要るのかなと。
ということで、技術士会の中だけで閉じてやるものだけを切り出してやるのか、もっと広く学協会だとかいろいろなところも含めた技術者にとっての継続研さん、社会人の継続的な学びというのは文科省全体での議論になっていますから、そういうところの中にちゃんと位置付けて、技術士だけに特化しないで、ここをもう少し広い観点から議論していって、その中からふさわしいものを今度は何か技術的にやるなら技術的なところというふうに分けてやってもいいかなとは思いますけれども、その辺りどうでしょうか、はい。
【寺井委員】 これまでお話をお聞かせいただきまして、まず「更新」という言葉がなじまないというのはよく理解しました。それから、やはり主査がおっしゃるように、資料3にありますように、3つの検討の視点、常にやっぱりここに立ち返ってやっていることを確認したいと思っております。
今回、CPDの中身の話ですけれども、2番目にある資質能力の向上、このためにやるんだということなんですが、参考資料3に技術者のキャリア形成過程をステージ1から5まで規定されてございます。この中で、技術士の継続研さんですから、技術士になったのはステージ3でございますね。このステージ3で技術士として資格を取ったわけなんですが、その資格を最低限維持していくというか、倫理観も変わってくるでしょうし、当然新しい技術開発も進んでいくわけなので、最低限このステージ3、いわゆるPCと言われている資質能力を維持するためのCPDという考え方と、それから、やはりステージ4、5となっていくために更により高度なCPDを継続研さんしていくという考え方もあろうかと思うんですね。
そういう意味で私は、CPDの中身を考える場合には、中身というのは内容と時間数ということになるんですけれども、段階的に二通りあってもいいのではないかなと、そういうような感覚を今持っております。これはまだ技術士会の中でちゃんと議論していないですけれども、私としてはそういう感覚を持ってございます。
【岸本主査】 はい、どうぞ。
【林委員】 私も主査がおっしゃった、CPDの中身の充実こそ肝だという趣旨で捉えたのは正にそのとおりだと思っております。御参考までに、弁護士会や弁理士会で行っている継続研修、義務には弁護士会もしていませんけれども、継続研修は昔からかなりやっております。最近のやり方としては、先ほど技術士会様の方から、地域格差、東京で参加するのは簡単だけどというお話がありましたけれども、eラーニングを活用しておりまして、全国どこからでもいつでもアクセスできて、そして、eラーニングで、途中に問題とか入れて、寝ていないか、ちゃんと聞いているか分かるように答えを選択してとか、あと、ポイント制になっております。
そういった形のeラーニングと、あと、倫理研修だけは必ず5年ごとに、たしか80歳ぐらいまでは免除されないんですね。どんな、70代の方でも、5年ごとに集まって倫理研修は受けることになっております。特に弁護士会の場合ですと、利益相反関係を避けるということが弁護士法上の大事な倫理なので、そういったことを大ベテランの70代の方たちも集まって。それは各地でやりますので、県ごとの弁護士会で研修を行っているということなので、やり方はいろいろ工夫して充実を図るべきではないかと思います。
【岸本主査】 そういう意味で、地域ごとに関係の人が集まって、そこでディスカッションしたりすることがとても大切だと。そういうやり方があるとやっぱり地域差というのはな軽減されるだろうし、場合によっては、今テレビ会議ができるので、そういうところでもできるんじゃないかなということですね。高木委員、どうぞ。
【高木委員】 やはりCPDの内容が非常に大事だと思います。先ほど申し上げた、強制感を感じてしまうのか、それとも納得感を持ってもらえるのかということにも関係してきます。日本工学会のCPDで、先ほど部門別で3種類あると言いましたが、別の切り口で考えると、無料か、あるいは非常に安い値段で、例えば2時間の講義を10回ぐらい受けて最新の技術を学ぶというCPDプログラムもありますし、一方では受講料が10万円以上で、半年以上、通信教育に加えスクーリングや1泊2日の合宿までするプログラムもあります。前者の方は最新の知識を身に付けたいということですが、後者の方は業務直結です。ですから、毎年40名~50名受講して、これがもう10年以上続いているわけです。
技術士に置き換えて考えると、技術士にとってどういうものが必要なのか、ちゃんとストライクゾーンに合うようなCPDプログラムにするべきです。単に最近話題になっているからこういう知識を身に付ければいいというだけではなく、よくその内容を吟味して実施すると、受講される方の納得感が得られると思います。以上です。
【岸本主査】 そのクオリティは、例えば主催団体がいいですよと言うだけじゃなく、ある種、これはいいですよというのを外から評価していくとかいう、そういう仕組みも今の話からすると必要になるのかなと。
【高木委員】 おっしゃるとおりです。日本工学会ではCPDプログラムの認定制度を用意しています。ECEと呼んでいますが、各学協会が実施するプログラムを認定させていただき認定証を発行しています。更に認定したプログラムの修了者にも、そのプログラムを主催する学協会の修了証に加えて、日本工学会からも修了証を発行しています。
実は主催学協会の修了証と日本工学会の修了証の発行基準はイコールではありませんで、プログラムにもよりますが、日本工学会の修了証の方が少し厳しくなっています。例えば先ほど2時間を10回ということを申し上げましたが、10回の合計点に対して終了基準を主催学協会が設定しており、それを満たせば主催学協会の修了証が発行されます。さらに、日本工学会では、プログラムの認定に加えて、それよりも高いところに基準を設けており、その基準に達した受講者に対しては、日本工学会からも別途、修了証を発行しています。
【岸本主査】 ありがとうございます。
【岩熊主査代理】 CPDのことについては、現行では努力義務だから、強制することはなかなか難しいということは十分承知していますが、技術士会をうまく活用して、技術士会のCPDを受けることのお墨付きのようなものがあるといいとのことで、技術士会が考えるCPDの内容をもっとよく検討しながらやっていくことが大事です。
技術士法の中に、日本技術士会の設立があり、法に規定されている日本技術士会の会員になってCPDをやることで、そこにお墨付きができるといった仕組みを作っていくことと、技術士なんだからやらなければいけないというところをもっと強調したらと思いました。
【岸本主査】 どうもありがとうございます。今の中で、先ほどの議論は、技術士のためだけで考えるよりは、もっと技術者全体を考えたCPDというふうにしたときは、技術士会も1つの大事な組織ですけれども、もっと工学分野を広く見て横断的に作っていく必要があるんじゃないかなというのが私の発言の主旨なので……。その中で例えば技術士がある種リニューアルしていくというのをやる仕組みは、何か作ったときには説明を省令でやるのか、あるいはそれを技術士会にお願いするというのもまだ、決めなければお願いできないんですね。
【岩熊主査代理】 それは分かっています。
【岸本主査】 そこら辺のところはどういうふうにするのかというのは残るだろうなということですね。
【岩熊主査代理】 技術士数を増やしていかなければいけないので、やはりそこは優先的に先行してやる部分もあるのではないかと思います。
【岸本主査】 そうしますと、この中のCPD制度の見直しについては、実施しやすい環境というのもありましたけれども、今の議論からすると、中身どうするかということも含めて、今CPDと称していろいろなことが技術士だけにかかわらず技術分野で進んでいるので、そういった状況も踏まえて議論をしてもいいのかなと。
中谷先生、放送大学でも、技術者の継続研さんということで、技術士に限らず幅広くされていると。IPDの方も議論されているとかいうふうにお聞きしているんですけれども。
【中谷委員】 実はCPDというのは、技術士制度だけではなくて、例えば情報処理学会は、CITPという、企業の中にいる情報処理関係の技術者に対して企業が社内の資格認定制度みたいなものをそれぞれ持っています。その資格の条件はこういう条件ですよということを公開していただいて、それを情報処理学会が審査をしまして、高度情報処理技術者の資格を与えてもいいということを認定しますと、企業の中での設定したある資格を取っている技術者全員に対してCITPの高度、レベル4とか5なんですけれども、その資格を与えますよということをやっています。
この資格は、更新というかCPDが義務付けられるということなんですけれども、そのためにどういう環境を整えようかという話をしています。そうすると、情報処理学会はこういうCPD、何とか学会はこういうCPDというのを、もっと広く見ると、技術者のCPDというのは、双方にいろいろ乗り入れができるような環境を作っていかなければいけないと思います。いろいろなコンテンツもありますので、それこそeラーニングということもかなり一般的になってきていますから、そういったところで、CPDを実施しやすい環境というか、利用する側の技術者の方々にとっては、これはどんどん良くなっていくと思っています。もちろん大学関係もeラーニング教材を作っていますし、そういったものを生かしてCPDの環境の一翼を担えればなというふうに思っております。
【岸本主査】 そういう意味で、いろいろなところが個別に自分たちだけで作っていくと、全体的な、技術者がどうやって学んでいけばいいかというのも限られてしまうので、もっと統合的にやれるようなことも含めてCPDは考えていった方がいいんじゃないかなということかと思います。
そのときに、じゃ、お墨付きを与えるかどうかということについてはもう少し考えなければいけないんですけれども、その場合、もしチェックするとなると、そういった組織を作ってとかということからすると、何らかの省令を作っていただくとかというのも方向性としてはないことはないかなと思います。
それで、あと数分で12時になりますけれども、きょうはいろいろな課題を洗い出して、どんな可能性があるかというふうなことで御議論していただいたところですけれども、きょうの議論を少し事務局の方でもまとめていただいて論点整理をして、主査と主査代理と何人かの方々でもう少し整理をしまして、またのときに御議論いただくということで進めたらどうかなと思いますけれども、よろしいでしょうか。
【中谷委員】 1つよろしいですか。本日のいろいろな議論の中で、CPDの内容とか、制度の見直しとか、それから、更新をどうするという話がありましたけれども、どうも、やはりマイルストーンを定めてやっていかないと、法律を改正するのか、改正しないのかというと、とてもとてもそこまで行けないわけですけれども、どこまで行くかというのは別にして、まずどこまで、どういうふうに進めていくのかというプロセスの話も今後議題に上げていただければいいかなと思います。
【岸本主査】 ありがとうございます。
それでは、これ、一応まとめられるとすると、資料5について、(1)については、どこまでということ、あとのことを残しておくと、大体B案ぐらいが皆さんの議論の中かなと取りました。(2)についても、B案ぐらいのところまでで、その先、Cになるのか、Aになるのかということで、B案ぐらいを視野に入れながら、マイルストーンもありますけれども、考えていったらどうかなというふうにきょうの議論をしていると思いますけれども、よろしいでしょうか。
そうしましたら、その他は、少し時間がなくなりましたけれども、技術士会の方で検討していただいているこの最終報告書というのを皆さんにお配りされているので、後で目を通してきてくださいぐらいでもよろしいでしょうか。
【日本技術士会新屋委員長】 はい。
【岸本主査】 何かございますか。
【日本技術士会新屋委員長】 技術士会の方では、国際的な通用性のところと、第三者に客観的に評価をしていただきたいというところを非常に強く強調した報告書になっております。そこら辺を読み取っていただければと思います。
【岸本主査】 どうもありがとうございます。
それでは、本日の議題は以上になりますけれども、事務局の方から連絡事項がありましたら、お願いいたします。
【佐藤専門官】 本日の会議の議事録につきましては、後日事務局より皆様にお送りさせていただいて、御了解いただいた上で、文部科学省のホームページに公開することとさせていただきたいと存じます。
それと、本作業部会の次回の会合につきましては、また日程を調整させていただきますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
【岸本主査】 それでは、本日の作業部会の方はこれで終了させていただきたいと思います。活発な御議論ありがとうございました。

お問合せ先

科学技術・学術政策局 人材政策課

(科学技術・学術政策局 人材政策課)