第10期 技術士分科会 制度検討特別委員会(第7回)議事録

1.日時

令和3年1月20日(水曜日)14時00分~16時00分

2.場所

新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、オンライン会議にて開催

3.議題

  1. 第10期技術士分科会報告(案)について
  2. その他

4.議事録

【岸本主査】 それでは、ただいまから科学技術・学術審議会第10期技術士分科会第7回制度検討特別委員会を開催いたします。皆様、御多用の中、お集まりいただきましてどうもありがとうございます。
本日もコロナウイルス感染拡大防止のため、オンラインで開催することといたしました。なお、通信状態等に不具合が生じるなど、会議が続行できなくなる場合には委員会を中断する可能性もありますので、あらかじめ御了承いただきたいと思います。
それでは、まず最初に、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。
【鶴見専門官】 文部科学省技術士係、鶴見でございます。それでは、配付資料を確認させていただきます。
今回の配付資料、資料が1番、2番となってございます。資料1番が技術士制度改革に関する論点整理に基づく第10期技術士分科会における検討報告の案ということになってございます。これは全体で12ページのものとなってございます。
次が資料2番、これA4横1枚ものとして、第10期技術士分科会における技術士制度改革の検討の方向性となります。これも案となります。
以下が別紙となります。まず別紙の1番、これまでの技術士法の改正の経緯、これはA4横1枚ものになります。次が別紙2としまして、会議ごとの検討事項の割り振り、こちらもA4横1枚ものになります。次が別紙3、技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)、これがA4縦で3ページの資料となります。次が別紙4、技術士制度におけるIPDシステムの導入について、こちらはA4縦で4枚ものになります。次が別紙の5、技術士のCPD実績の表示の仕組みの導入について、こちらもA4縦で4ページの資料となります。最後ですが、別紙6、技術士の活用促進・普及拡大の取組、こちらもA4横1枚ものとなります。
こちら、今回ウェブ会議ということで、あらかじめ資料をデータで送らせていただいたんですけれども、それの送付の際に文字化けですとか資料の抜けなどがございましたらば、事務局宛て御連絡ください。対応させていただきます。
資料の確認は以上となります。
【岸本主査】 ありがとうございます。皆様の方に資料お手元でございますでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、議事に入ってまいりたいと思いますけども、今日の議題は、お手元の議事次第にありますように、1番目が第10期技術士分科会報告(案)について、あとその他ということになっています。
議題1については、事務局より後で御説明いただきますけども、これまでのそれぞれの部会等で検討してきたものの今期のまとめになっていますので、その辺りのところについて確認いただきたいと思います。
あと、次のその他のところというのは、特に議事の内容としては決めておりませんけども、この制度検討特別委員会の今期の恐らく最終回になると思いますので、ウェブの会議ですので、皆様から順番に御発言いただく機会を設けたいなと、時間の許す限りというふうに思っておりますけれども、そういったところでまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、議題1に入りたいと思いますが、第10期技術士分科会報告(案)についてに入ります。まず、事務局から説明をお願いいたします。
【鶴見専門官】 文部科学省技術士係、鶴見でございます。まず、第10期技術士分科会においては、これまでCPD部会におきまして、技術士のCPD実績の仕組みの導入についての検討結果をまとめましたほか、IPD部会におきましては、技術士制度におけるIPDシステムの導入について検討をまとめ、今後、詳細をさらに検討していくこととしております。このほか、国際的通用性についてなども引き続き、その具体化を図ることとしているところです。
今回、事務局において、こちらの取組状況を本報告書にまとめるべく検討を進めてまいりまして、概略をまとめたものとなります。本日の御議論を踏まえ、必要に応じ追記、修正させていただきまして、それで分科会にお示しする報告書の案を取りまとめたいと考えております。
それでは、資料1及び2に基づいて説明させていただきます。資料1、技術士制度改革に関する論点整備に基づく第10期技術士部会における検討報告の案ということですが、こちら、すいません、説明の前にですが、本日の資料につきましてはあくまで概略をまとめたものでございまして、そのために脚注などについては省略させていただいております。実際分科会への報告の際には補足資料などを適宜追加した上で提出いたしますので、あらかじめ御了承いただきますよう、お願いいたします。
資料1、「はじめに」となりますけれども、まず、技術士は、国によっては科学技術に関する高度な知識と応用能力が認められた技術者で、科学技術の応用面に携わる技術者にとって最も権威のある国家資格である。そのほか、技術士法は、技術士の資格を定め、その業務の適正を図り、もって科学技術の向上と国民経済の発展に資することを目的として、昭和32年に制定されたものとなってございます。
こちら法定のされました経緯などございまして、これを合わせまして、別紙1のとおり、これまでの技術士法の改正の経緯なども添付として付けさせていただいてございます。昭和58年に全面改正した上で、平成12年にまた大幅改正を行ってきたという経緯がございます。
こちら本報告書で示された事項については、文部科学省ですとか、あとは日本技術士会などの関係機関が緊密に連携しながら、順次必要な取組を行うこととしております。
では、次の2ページ目に参りまして、第10期技術士分科会における審議ということで、審議の方針をまずまとめさせていただきました。こちらがまず第10期の分で、最初に行いました令和元年10月3日に開催した分科会制度検討特別委員会において示されたものでして、論点整理としまして、検討の視点、これを3つ、基本的なものとして定めたところでございます。書いてあるとおり、技術士制度の活用の促進、技術士資格の取得を通じた資質能力の向上、技術士の国際的通用性の確保、こちらの3本立てとなってございます。
こちらの検討に当たっての論点としまして、論点整理をさせていただいたところでございます。その論点整理としましては6点ございます。まず、技術士資格の国際的通用性の確保。そして同じく、国内外における技術士試験の適正化。技術士補制度の見直し、IPD制度の充実・確保。その後、4番目として、継続研さん・更新制の導入。5番目としまして、総合技術監理部門の位置づけの明確化となってございます。活用促進・普及拡大。こちらの6つを審議する事項として挙げられたところでございます。
この中で特に重点的に取り組むべき事項としまして、3段階、実際に対応を行っていくもの、具体的な方策を検討するもの、さらに検討が必要なものという3段階に分類しまして、特に具体的な方策を検討するものについては優先的に検討していくということになっていたところでございます。
今回の技術士分科会においては、別紙2、これまでの会議の検討事項の割り振りとしまして、特別委員会のIPD作業部会ですとかCPD作業部会に検討項目を分担しまして、各事項の関連性に十分注意を払いながら審議を進めていくということにさせていただいたところでございます。
次、2番、審議の内容ですけれども、技術士資格の国際的通用性の確保ということで、近年、技術士がAPECエンジニア登録制度に参加する国や地域など、海外において活躍するために、技術士資格を国際的に通用するものにすることが求められているところでございます。こちらは第9期の時点ですね。前期での通用性検討作業部会におきまして、国際的通用性の確保のためには、技術士試験の合格者が国際エンジニアリング連合(IEA)の卒業生として身に付けるべき知識ですとか能力、GAですね、と専門職としての知識・能力を満たすような制度にして、その上で技術士資格がほかの国と同等なものとなることを目指すべきとの提言がなされたところでございます。
こちらのときに審議されましたGA及びPC及び他国の資格との同等性ということで、以下のとおり整理させていただいたところでございます。
GAにつきましては、海外の技術者資格制度としましては、高等機関を卒業した段階で各資格、GAなどを取得しているということがハイライトされてきているという見解がございます。
日本の場合、技術士制度では学歴要件は外されておりますけれども、JABEEなどの認定プログラム修了者のうち、教育課程の修了者は国際的にもGAの取得が保証されているということになってございます。学歴要件に相当する枠組みという位置づけでやる技術士第一次試験、こちらではGAを求めている全ての資質能力を完全に保証する形態にはなっていないのではないかという御指摘もあったところでございます。具体的には、デザイン能力や総合的に考える力のような実務での知識応用能力、これらの能力は択一式の第一次試験のみでは担保しにくいのではないかという御指摘があるところでございます。
したがいまして、一次試験合格者も国際的な基準を満たしていることを説明できるよう、こちらIPD作業部会において、高等教育機関卒業だけでは身に付けることが難しい能力、こちらについて若手技術者ですとか修習技術者の段階でレベルアップを図るための支援策を検討しなければならないとなってございます。
次に、PC及び他国の資格との同等性ということでございます。こちらは技術士が、別紙3、こちらコンピテンシーに関する部分で、技術士、こちらは第二次試験において判定するというものとなってございます。しかしながら、技術の高度化、総合化などに伴いまして、技術者に求められる資質能力がますます高度化、多様化している中で、技術士の資格取得者が常に業務履行上必要な知見を深めまして、技術を習得し、資質向上を図っているかは不明確との指摘がございます。
諸外国におきましては、方法、要件は様々ですけれども、大体更新を義務づけられまして、所属協会への継続加入や研修、CPD活動によって技術士の資質能力を確認している。また、APECエンジニアは5年ごとの更新制となっておりまして、更新時にはCPD活動記録の提出が必要とされているということでございます。他国ではそういうことがありまして、他国の資格との同等性という観点からしますと、技術士制度における更新制度の導入の必要についてCPD作業部会で検討することとさせていただいたところです。
次のページにまいりまして、技術士試験の適正化、こちらは技術士試験、こちらを重点的に取り組むべき項目である一次試験の適正化、あと2番目としまして、外国人エンジニアが受験しやすい試験方法等の検討について、こちらIPD作業部会において検討していただいたところでございます。
こちら第一次試験の適正化につきましては、技術士となるのに必要な科学技術全般にわたる基礎的な学識、技術士法第4章の規定の遵守に関する適性並びに技術士補となるのに必要な技術部門、これらの専門的学識を有するかどうかを判定するとなってございます。
このために、第一次試験の適正化につきましては、第7期の試験適正化検討作業部会で検討を行いまして、20の部門の5つの系に分類して試験を実施する案、その在り方につきまして、想定される受験層ですとか実際の試験方法を勘案して、さらに検討が必要とされ、その検討はこれまで先送りされてきたところではありますけれども、こちらが今期のIPD作業部会において見直すこととなったところでございます。
次、2点目の外国人エンジニア、特に留学生が受験しやすい試験方法ということで、こちらもIPD作業部会におきまして、外国人エンジニアが受験しやすい試験として、現在日本語で行っている受験制度を全ての部門、分野において英語で受験できるようにするという方法について検討を行ったところですけれども、これはちょっと試験事務の観点から実現性が乏しいという結論になってしまったところでございます。
ほかの方法としまして、ワシントン協定のプログラムに注目し、技術者教育の実質的同等性を相互承認するための国際協定、これでJABEEで認定したプログラムとワシントン協定に加盟しているほかの技術者認定団体で認定したプログラムを同等と認定しまして、これはいずれも第一次試験を免除できるような制度、こちらができないかということを今後議論を深めていくということにさせていただいたところでございます。
次のページにまいりまして、技術士補制度の見直し、あとIPD制度の整備・充実ということでございます。こちらが2点ございまして、技術士補制度の見直し、それと2番目、IPD制度の整備・充実、こちらもIPD作業部会において以下のとおり、検討をさせていただいたところでございます。
技術士補制度の見直しにつきましては、第二次試験受験への活用が約1%という低調基準ではありますけれども、これは制度による制約が厳しいのではないか、活用の範囲が狭められているのではないかというふうな御指摘もあったところではございます。こちらは技術士の第一次試験に合格しても、同じ技術部門の指導技術士につかなければならないという制約がございまして、要はその適切な指導者が見つけられずに、指導技術士の下でPCを身に付ける機会が少ない。結果的に修習技術者が7年間の実務経験により受験資格を得るという形になっているという御指摘があったところでございます。
IPD作業部会におきましては、こちらの資質能力(コンピテンシー)の内容ですとか、一次試験の技術部門、第二次試験の技術部門が同一としなくても受験が可能な試験制度であることと、あと、1人の技術者が何部門もの技術士資格を取得しているということがありますので、指導技術士が必ずしも同一の技術部門の技術士である必要性はないということでさせていただいたところでございます。
なので、合格した技術部門と同一部門に限らずということで、技術士が身近にいるということで、通信教育による指導の採用ですとか指導技術者が見つかりやすいように、指導技術者のグループ形成など、技術士補制度を活用するに当たって、いろいろボトルネックを解消する方策についても今後議論しておくべきだということになってございます。
また、IPD制度の方ですけれども、こちらの整備・充実。技術士制度改革におきましては、若手優秀人材の技術士への参入促進を目指しまして、様々な措置が講じられてきたところではありますけれども、まだ若干若年化が進まずに、技術士試験合格者の平均年齢の高齢化が進行している。まだいまだに平均年齢が大体40前後ということになっておりますので、これの若年化がなかなか進まないということになってございます。
また、社会情勢の変化におきまして、所属組織内でのOJTなど、資格を持った指導者の下で長期間指導を受けるような形態での人材育成、こちらが最近困難になってきている。例えば、ジョブ型雇用などに注目が集まりまして、専門分野に強く即戦力となっている人材を採用する事業者が増えてきているということの指摘もいただいたところでございます。これに関しては、様々な組織を転々としてキャリアアップを図る若手技術者も増えているということが言われたところでございます。
IPDの重要性は明確になっておりますけれども、若手技術者ですとか修習技術者が自ら修習方針を定めるというのはちょっと難しくて、資質能力の獲得に長い期間を必要としていると思われる。そこで、IPD作業部会におきましては、若手技術者ですとか修習技術者が求められる資質能力を早期に習得しまして、技術士として活躍できる仕組み、こちらの充実・強化が必要であろうと。大学を出てから技術者としてステップアップしていくまでの期間、そちらの支援の整備について具体的な検討を今後も必要とするであろうという御指摘をいただいたところです。
そして、別紙4ございますけれども、IPDシステムの導入について、基本的事項について、IPD部会において結論をまとめさせていただいたところでございます。
現在、若手技術者ですとか修習技術者に対して、時代に即したコンピテンシー、資質能力開発が十分に行われていないとの指摘がございまして、こちらに関して、技術的実務に就いてから技術士資格を獲得するまでの期間において、GAの強化、PCの取得などに必要とする活動を社会全体で支援する仕組み、これが必要ではあろうと。当該システムをIPDシステムというふうに定義させていただいたところでございます。
このIPDシステムが機能することにより、若手技術者ですとか、我が国の科学技術の向上、及び高度な専門知識と応用的な問題解決能力を有している者が活躍するということで、所属組織などに利益がもたらされまして、国民経済の発展も期待できるのではないか。
これはIPDシステムの中で、業務を通じてPDCAサイクルを回しながらセルフマネジメントを行うことも必要である。そちら、そういった資質能力を発展・向上させていくことをまず想定しておりまして、こういった活動と優れた技術者、先達たちの支援組織等から資質能力を高める活動の両方を掛け合わせて、IPD活動を進めていくことが望ましいということになってございます。
次に進みまして、次が継続研さん・更新制の導入という形です。CPDですね。この本項目につきましては、CPD作業部会におきまして、同じくやはり2つ、更新制の導入についての審議、及び継続研さんについての検討、こちらの2点を検討していただいたところでございます。
更新制の導入としましては、国際通用性を確保する観点から、技術士制度における更新制度の導入の必要性について検討したところではございます。ただし、技術士制度において更新という用語は、法律上で使う場合には、期限のある資格を延長もしくは改めるということに使うとされておりますので、国際的通用性の確保のために導入する制度が、資格得喪ですとか不利益処分など権利義務に影響を及ぼし得る内容の場合には、更新に当たり法改正を必要とするということになってございます。権利義務に影響を及ぼさない、現行の責務規定で読める内容にとどまる場合には、あくまで法改正を伴う更新制度の導入は法的には該当しないと。あくまで政令以下で対応することが可能であるというような整理をしたところでございます。
日本技術士会さんとしましては、国内外において高度専門技術のCPD活動が重要視される中、同じく、CPD登録制度の活用が低調であることを問題視されておるところです。公にCPD活動の実績を証明、確認の上、その活用を可能とする枠組みの構築を求められていたところでございます。これらの提案につきまして検討を行いましたところ、技術士資格の特質など、権利義務に影響を及ぼす内容を含むものではないと整理されましたので、これは技術士資格について法の改正を必要とする更新制度の導入ではなく、政令以下でCPD活動の管理及び活動を可能とする公的な仕組みの構築をつくる方向で今後も検討を進めるということにさせていただいたところでございます。
続きまして、継続研さんにつきましてですが、こちらは業務履行上必要な知見を深め、技術を取得し、資質向上を図るためにもCPDを行うことが求められている。これは法に規定もありますとおり、技術士の資質向上の責務が定められているところでございます。こちらがその一環としまして、平成14年4月からCPD活動の実績登録を受け付けているというふうに聞いてございます。こちらはあくまで日本技術士会さんへの任意登録にとどまっておりまして、この履行状況を公的に裏づける状況となっていないということになってございます。
そこでCPD作業部会としましては、CPD活動の充実・強化を公的に担保することを目的としまして、技術士のCPD実績の管理、その活用を可能とする仕組みの導入の検討を進めているというところでございます。
こちらは別紙の5番になりますけれども、CPD実績の表示の仕組みの導入について、こちらをCPD作業部会として結論としてまとめさせていただいたところでございます。
専ら技術士のCPD活動は、それぞれの技術士が自身の生涯を通じたキャリア形成を見据えて、自らの意思で主体的に取り組むべきということになってはございますけれども、これらの国際的通用性を確保する観点から、CPD活動の一層の実質化を進めるべく、その活用を促進する法的な枠組みにおいて構築するようにということを決めさせていただいたところでございます。
これに伴いまして、文部科学省としましても、技術士資格の能力評価ですとか活用促進に資するために、CPD活用の実績の管理、活用に関する実施主体、これを置きまして、CPD活動の実際の管理、活用の事務を行わせるということにしたところでございます。具体的には、これに伴いまして、CPDガイドラインの策定ですとか、CPD活動の記録の確認、実績名簿の作成、あるいは技術士へのCPD活動の普及啓発などといった事務、これらを技術士会様に行っていただくようにしまして、こちら文部科学省の方から同会宛てに通知を発出するとともに、活動実績の管理のため、こちらも技術士法施行規則、こちら政令の改正をするべく調整を進めることとしてございます。
次でございますけれども、次、総合技術監理部門の位置づけ。総合技術監理部門、総監に関しては、技術士の21技術部門の1つであるというふうに位置づけられてはおります。しかし、これはほかの20部門との関連性が明確ではなくて、実際に総監を取得した技術士の間でも技術部門の位置づけの認識が曖昧であるという御指摘のあったところでございます。こういった総監の位置づけは日本独自の技術部門ということでございまして、海外の資格との関連性についても議論が不十分であるという御指摘があったところです。
これにつきまして、CPD作業部会において議論を行いまして、その上で、現在、総監はほかの20技術部門に対して上位の資格と認知されている。あと、ほかの20部門の技術士資格を有する者が、試験を受けられる資格ですとか、一定以上の自己研さんを積んだ後に取得する資格であるということで、ほかの20部門とは切り離して、第三の資格とすることが求められた経緯もございます。そういった意見もございました。
しかし、総監の活用や取得のメリットがあまりないという御指摘もございまして、何を学び、何を身に付ければよいのかを明確化しまして、能力の測定方法、あるいは名称などについても検討すべきということで、さらに議論が必要であろうとされてございます。
最後、6番目となりますが、活用促進・普及拡大。こちら資格の活用促進・普及拡大については、文科省と技術士会様と連携して取り組むべしとされているところでございまして、今期におきましては、別紙6、技術士の活用促進・普及拡大の取組のとおり、こちら制度検討特別委員会におきまして、現状の進捗状況についても報告を聴取したところでございます。
こちら、技術士様の方から、技術士資格活用委員会の設置など、いろいろ報告をいただきまして、公的活用推進チーム、産業界活用推進チーム、国際的活用推進チームなどの3つに分かれて検討を今まで進められているというところでございます。
このほか、文部科学省としても、資格の活用促進などについて、しっかりと連携しながら活用推進する領域を所掌している関係省庁との間での調整など、行政機関の立場で具体的な働きかけを行っているということを報告させていただいたところです。
最後になりますが、3番目、今後の技術士制度改革における継続的検討事項ということでございます。こちら、まず、技術士試験の適正化についてですが、第一次試験の適正化。こちらは前にも説明させていただきましたけれども、系に分類する大くくりの是非について、継続して検討が必要であろうと。また、こちら大くくりする場合には、試験統計や試験問題などを調査しながら、若手技術者が受験しやすい構成にすることに留意すると。特に同科目の専門科目の範囲分けにおいては、4年制大学において自然科学部系あるいは専門教育課程におけるカリキュラムの推移に応じた適正化を図るということが必要であろうとされたところでございます。
また、第一次試験、第二次試験、技術部門ごとに実施することになっておりますけれども、部門ごとの試験の形を崩さずに実施するなど、法改正によらない適正化の方法も検討の視野に入れる必要があろうということになってございます。
ほか、外国人エンジニアが受験しやすい方法としましては、まず、技術士試験を受験する外国人の特徴や日本語以外の言語で試験を行っているほかの国家資格など、試験の有無などについて調査を行うこととしてございます。その調査結果が出ましたらば、ワシントン協定に基づく第一次試験の免除の制度、こちらの制度整備についても検討を進めていく必要があるとされたところでございます。
次、技術士補制度の見直しということです。こちら第二次試験ですけれども、こちらの受験の部門は、第一次試験の合格した部門に限定されないということがございますので、同じ技術部門の指導技術士を求めることは難しいという御意見があったところでございます。この場合、指導技術士の部門制限について今後も検討が必要であろうということが指摘されたところでございます。
次にIPDシステム。これは、まず、IPDシステムの活用を希望する者がどこに行っても分け隔てなく活動を行えますように、若手技術者ですとか修習技術者がGA強化ですとかPC取得を行う際に必要としている支援について調査が必要であろうと。そして、それぞれに合ったIPDプログラムを作成といいますか、IPDプログラムを選択可能とすることを目標としまして、通信教育ですとか、今、電子関係が多いので、eラーニングなども含めた研修など、いろいろな支援策が必要であろうと。それについて今後も検討が必要であろうとされたところでございます。
こちらIPD活動の実績に関して、データベースの在り方ですとかIPD支援者(メンター)の役割など、IPDシステム実現に向けて明確にすべき事項を今後審議を進めていく必要があると。
また、加えまして、ステークホルダーとなるIPD活動者の所属組織ですとか教育機関、学会などが連携して活動を支援するべく、体制をまず整える必要がある。また、IPDシステムの必要性とその存在を広く周知する必要があるとなってございます。
次、総監の位置づけの明確化ですけれども、総監の範囲とされております安全管理、社会環境・経済などについては、それぞれ総監で何を学び、何を身に付ければよいかを明確化する必要があるであろうと。能力の測定方法、ここでもやはり名称の変更なども視野に入れて、法改正の要否についても考慮しながら、引き続き議論が必要であろうとされてございます。
そして、国際的通用性の確保。前にも説明させていただきましたが、記載した6つの審議する事項について制度計画を検討するに当たっては、技術士が海外でも活躍できるよう、国際的通用性の確保、こちらを十分に加味した上で制度整備を進めていく必要があるとされております。
そのほか、活用促進・普及拡大、CPD活動の状況などにつきましては、こちら文部科学省及び日本技術士会様から適宜状況報告を受けまして、必要に応じて追加で審議するということにさせていただいたところでございます。
こちら、それぞれの検討につきまして、どういった流れになっているのかというのが一応、資料2番に一覧表といいますか、図として示させていただいたところでございます。
長くなってしまいましたけれども、事務局から資料の説明は以上となります。よろしくどうぞお願いします。
【岸本主査】 御説明どうもありがとうございました。
補足しますと、別紙2ですか、会議ごとの検討事項の割り振りということで、今期技術士分科会より制度検討特別委員会の方に、どういう検討をするのかということで検討事項が参りまして、その内容がAとかCとか書かれていますけれども、今回の報告(案)ついては、これら全てについてどういうことが検討されたかというのをまとめていただいたという形になっております。
これまでの議論をまとめていただいたということになっていまして、それを、この部会、この委員会で確認していただきまして、技術士分科会の方に報告したいということです。まだ報告書、途中の段階ですので、抜けているところとか、こういう議論はしてきたけど、そこが盛られていないとか誤解があるとかということがありましたら、御指摘いただければと思います。何かございますでしょうか。
特に作業部会の方の、私が両方の委員長を務めてきてしまいましたので、副委員長の部会長の方から、これまでの経緯も含めて御発言まずいただければと思いますが、いかがでしょうか。
継続研さん・更新検討作業部会については、岩熊委員が担当してくださったと思いますけども、まずいかがでしょうか。
【岩熊主査代理】 私は、更新制度の導入では、法改正に無理があるというのは分かっているのですが、CPDの作業部会だけではなくて、この制度全体の方向性としてもう少し、法改正全体のことを視野に今後の検討をしていく必要性を、この報告書を読み強く感じています。CPDの表示の義務化はうまくスタートすればいいと思うのですが、全体的に制度全体に法改正及びその関連の部分を避けては通れないと思っています。そこのところをもう少し報告書の中に書いていただきたいと思っています。
【岸本主査】 御指摘ありがとうございます。更新制のところだけでなく、全てに関わるところなので、どこか全体的に関わるところで、その方向性というんでしょうかね、そこに向けて検討を進めていくべきだというようなことが書かれている方が私もいいんじゃないかなと思いますので。
【岩熊主査代理】 はい、そうしてください。
【岸本主査】 はい。ほかよろしいでしょうか。それでは、初期専門能力開発試験検討作業部会の方については佐藤先生でよろしかったですかね。
【佐藤委員】 そのようでございまして。
【岸本主査】 お願いします。
【佐藤委員】 今まとめていただいたもので必要な議論は大体網羅していただいているかと思います。IPDについては、その必要性については皆さん認識されているんですけど、それぞれどういうものが必要なのかという、その辺りをまずはっきりさせるところからスタートしなくちゃいけない、そんなような議論でしたので、今いただいている表現で基本的にはよろしいかなと思っております。
以上でございます。
【岸本主査】 ありがとうございます。それぞれ作業部会に御出席された委員から何か追加的な御質問あるいは御意見ございますでしょうか。
【石田事務官】 技術士係の石田です。岸本先生を共同主催者とさせていただきまして、挙手をしている方が分かるように設定をさせていただきましたので、今、佐々木先生と、あと寺井先生が挙手されておりますので、御指名いただければと思います。
【岸本主査】 それでは、そうか、技術士試験センターと書かれているのが寺井委員なんですね。はい、分かりました。よろしくお願いします。寺井委員から。
【寺井委員】 ありがとうございます。事務局でまとめてきました検討報告(案)につきまして、私どもの方から4点、御指摘とお願いを含めて発言させていただきます。
まず、5ページ目の丸2、IPD制度の整備・充実、そこの3行目ですけれども、前にも私、指摘させていただいたんですが、若年化が進まないというのは確かです。「二次試験合格者の平均年齢の高齢化が進行している」、この記載は正しくないんです。改めて技術士センターから数字を出していただきましたが、もし正しく書くとすれば、「二次試験合格者の平均年齢は40歳代前半で推移している」。高齢化が進行というのと少し事実は違うというふうに認識しております。データが示しています。それが1点。
それと、ここは大変大事なところなんですけども、更新制の導入のところの文章の手引きで7ページ目の上から3行目、技術士会の見解ですね。技術士会は、ここに書かれているようなことで枠組みの構築を求めていたというところでございます。
現時点においてはこれ全く相違ございませんが、当初、当初と申しますのは、当会の制度検討委員会での提言を出させていただきまして、これは昨年の制度検討委員会で御報告をさせていただいた部分ですけれども、技術士会が提案した更新制度は、更新制度という言葉を使っておりましたけども、更新研修の受講等、所定のCPDを実践登録した技術士、括弧、例えばこういうふうにして差別化を図り、そのことをもって資格活用の促進につなげたいというものでありました。
すなわち、当会の最初の御提案、御見解は、権利義務に影響を及ぼす内容であったんですね。それがこの制度検討委員会の中で、抜本的な法改正については非常に時間がかかるものだし、あるいは、現状では法律事項とは思えないという御審議をいただきました結果、7ページにありますような、こういう枠組みの構築ということで当会も納得したというのが正しい経緯でございますので、その辺の経緯と、当会の最初の御提案した事項については一応最終報告もありますので、期待していただきたいなというふうに思います。
それから3点目は、同じページの一番下、こういう公的な枠組みをつくるに当たって、文部科学省から当会宛てに通知を発出するとともに、CPD活動実績の管理のための施行規則を改正するべく調整を進めることとしたと。大変ありがたい措置でございます。当会としても今後、通知内容に対して真摯に取り組む所存でありますが、翻って、これ、そもそも何のための仕組みかというと、本文にもありますように、技術士資格の能力評価や活用促進に資するためなんですね。ですから、今回導入された仕組みが社会に周知されてこそ、資格活用の実効性が向上できるというふうに考えております。
とりわけ文部科学省におかれましては、他省庁や産業界に対して、今回の公的枠組みを創設したことの意義ですね、これと併せて当会も頑張りますけれども、技術士の資格価値を高める何らかの措置を、これはお願いでございます、ぜひお願いしたいなと思っております。
それから最後は、ローマ数字の3の次の分科会の継続的検討事項という項がございまして、1番から5番までございます。そして、その他のところで、普及拡大、CPD活動の状況については必要に応じ追加で審議するとされております。岩熊委員の発言にもありましたけれども、そもそも継続研さん・更新制の導入に関しては第1期で完結したというふうには思っておりません。この制度改革の目的は、技術士資格の社会における活用を促進することで、 技術の達成とか、そういったものに貢献するということを通じて国民経済の発展に資するものであったはずだというふうに認識しております。
ですから、今回導入された公的な枠組みの下、当会としても今後ガイドラインを作り込んでいき、運用をモニタリングしていく所存でございますが、必要に応じて追加で審議するという申し送りではなくて、国際通用性とかそういう管理も関わりますので、そういった部分と併せて大きな項目立てをぜひいただきたいなと思っております。
長くなりまして恐縮です。以上でございます。
【岸本主査】 ありがとうございます。御指摘の点、非常にもっともだと思いますので、報告書をまとめる段階で検討するということで、事務局の方よろしいでしょうか。
【鶴見専門官】 鶴見でございます。御意見いただきましたので、それに対応させていただくようにいたします。ありがとうございます。
【岸本主査】 どうもありがとうございます。それでは続いて、佐々木寿朗委員からお願いします。
【佐々木委員】 8ページの活用促進・普及拡大ということで、この文面は技術士会でいろいろ調べていますよと、併せて文科省の方でも調べていますよということしか書かれていないんですけども、前回、第6回の際にこの活用促進・普及拡大に関わる提案を私はしました。資料を皆さんに配付しましたよね。
今、コロナで世の中大変な状況ですと。それに対応するには、サービス業の皆さんが3密に備えるような対処を一生懸命やっていますと。それでお客が戻るかというと、決してそうじゃない。そういった中で需要を喚起する策として、Go Toトラベルキャンペーンとかを政府が打ち出したわけですね。それはばかに効果があって、第3波につながったということで、急遽、Go Toキャンペーンは一旦止めて、再開はこの先に延ばしましょうというのが現状ですよね。
そのことを我々の検討課題である技術士制度の普及拡大ということについて参考にすれば、CPDをしっかりやりましょうとか、IPDで若い人たちにしっかり早めに資格を取ってもらいましょうとかいうのは、まさに供給側の手当てですけれども、抜本的に効果的なのは需要ですよね。技術士にぜひ仕事をさせたいんだと。技術士が仕事をするとこんなにもよくなるよと、そこの需要をいかにつくるかというところがポイントだというお話をしました。
ついては、新しい内閣の首相が所信表明演説で、2050年までにCO2排出量を実質日本はゼロにしますよという、今までの計画とは随分高い設定の目標を発表しました。これは単に温暖化が問題だということではなくて、大きくは、1992年の地球サミットで採択された持続可能な開発という世界が合意した大きな目標の1つなんですね。
日本で技術士制度が導入されたのは1957年ですよね。もう60年も前の話ですよね。導入したことによって、導入7年後に1964年、東京オリンピックが開催されたんです。僅か7年の間に建設系の公共事業が極めて速やかに進展した結果、オリンピックにつながったということですね。要は、だからタイムリーな需要を提示して、それに技術士を当てましょうという大きな方向転換をすべきだと思うわけです。
今、世界が求めているのは持続可能な開発というテーマです。世界のPEのテーマは今まで安全ということだったんですけども、日本は、先ほど来資料で説明があるように、経済社会の発展ということですが、経済社会の発展を実現する上にももっと大きな枠組みである地球全体の持続可能な開発、発展ということが問われているわけで、大きく、1992年ですか、の段階でパラダイムがシフトしたわけですね。
それまでは産業革命以降の技術を使って、どんどん自由経済を膨らませていきましょう、それでみんながハッピーになりますよということだったんですけども、地球を称して宇宙船地球号と言われるように、資源も限られているし、乗り込めるキャパシティーにも当然限りがあるわけですね。そういった環境を意識しながら、それでもなおかつ持続的な発展を人類全体で続けましょうというのが持続可能な開発という目標ですね。
ぜひ、ついては、技術士がこの大きな目標に真っ向から取り組む技術者集団なんだという位置づけを付与することによって、随分と受け止め方、各省庁のニーズも満たすことになりますし、企業にも喜ばれる、人々にも受け入れられる、海外からもぜひそういう技術者であったら来てほしいということにつながるのではないかと思います。
何が言いたいかというと、大きな観点でぜひ、どうすれば制度がうまく活用されるか、それは持続可能な開発に資する仕事をするのが技術士だという位置づけではないかということで、今日もそのことを時間があれば用意した資料で補足説明しようと思っていますが、取りあえず、今日出された検討報告(案)の中には既にお話ししたことが全く盛られていないということですので、ぜひ次回の、次期の委員会に検討が引き継がれるように、ぜひ書き落とさないようにお願いしたいと思います。
【岸本主査】 御指摘ありがとうございました。8ページの最後の方のところに御指摘のような内容が盛り込めるかどうか、事務局と検討したいと思います。ありがとうございます。
【佐々木委員】 ごめんなさい。それと、一番最後、今後の技術士制度改革における継続的検討事項という中のその他でもいいんですけれども、はっきりとタイトルを挙げて、活用促進に関する検討を今回の成果を受けて続けるようにといったところも明確に書き込んでいただきたいと思います。
【岸本主査】 はい。分かりました。御意見参考にするようにしたいと思います。
それでは続いて、小林厚司委員が手が挙がっていますので、その後、高木委員でお願いいたします。
【小林(厚)委員】 ありがとうございます。小林でございます。全体の内容としては特に異存はないのですが、3点ほど意見と御質問をしたいと思います。まず1点目は、6ページの更新制の導入のところにおいて、「国際通用性を確保する観点から」というふうに書いてありますが、先ほどからの議論にありますように、更新制の導入に関しては、技術の高度化とか、あるいは多様化、複雑化といったような、そういった観点も含めて更新制の導入という検討がなされてきたのではないかというふうに思いますので、そういった趣旨もここに加えていただいたらどうかということです。
それから2点目は、IPDというのは、これは任意のシステム、IPDシステムは任意で受けることになるのか、あるいはこれをマストといいますか、必ずこれを受けないと二次試験を受けられないということにするのかという点、私自身、十分認識していなかったのですけれど、といいますのは、試験を受ける、あるいは一次試験、二次試験までの間の様々な環境の方々がいらっしゃる中で、必ずこのIPDシステムで研修をするということになると、かなり無理なところもあるし、また、制度をいろいろ緩和して受け入れられるようにしたとして、それが十分機能するかどうかという点もよく分からないので、どちらかというと私は、やっぱり任意でできるだけこれに入って研修を受けていただくということが現実的かなという感じがしたものですから、その辺、まず伺えればというのが2点目です。
それから3点目は、別紙の5にありますように、CPDの表示の取りまとめをした折に、2ページ目にあります技術士としての能力を維持するために行うものと、技術士としての活動の範囲の拡大や質を高めるために、資質能力をさらに向上させるために行うという、この2つの視点でCPDの取組を整理したかと思うのですが、今回、登録制度あるいは公表というのは、もちろんその両方に値するのかなと思いつつも、1番目の方がより色濃いのかなと。(1)の目的が色濃いのかなという感じがしました。
その後の技術士としての活動の範囲の拡大や質を高めるという云々の話は、どちらかというと、さらに今後の課題でもある総合技術監理部門であったり、あるいは前にはAPECエンジニアでしたか、そういったところへのステップとしての位置づけではなかったかという気がするものですから、その辺を書き込む必要があるのではないかというふうに思います。
以上です。
【岸本主査】 御指摘ありがとうございました。3点とも重要な御指摘であるとともに、今後報告書の中で反映できるようにしていったらいいかなと私自身も思います。
その中で、IPD制度については作業部会の方でもいろいろな検討がされておりまして、まずはこの制度が使えるようにしていくというのが最初の段階で、その状況に引きながら、国民の方々が受けていただいた方がいいように持っていくのかどうかというのは、まず作った制度がちゃんと動くかどうかというところからスタートしてはどうかということで検討してまいりましたので、その辺のロードマップ的なところについても書き込めれば書き込んでおいた方がいいかなと思います。御指摘ありがとうございました。
そういうふうに考えておりますけれども、そういう認識で小林委員の認識とも合いますでしょうか。
【小林(厚)委員】 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
【岸本主査】 ありがとうございます。
それでは、次、高木委員からお願いいたします。
【高木委員】 ありがとうございます。私は継続さん・更新制検討作業部会に属していますが、この報告書(案)を拝見して、初期能力開発・試験検討作業部会では大変よく検討されていると思いました。
5ページにあります丸2のIPD制度の整備・充実という項目の中で、6ページの最後のところで、技術士会や各学協会、高等教育機関等の技術士に関わるコミュニティー全体からの支援、これが必要だという記述が有ります。
同じような趣旨で、9ページの3ポツのIPDシステムの実現という項目で、10ページの6行目に、ステークホルダーとなるIPD活動者の所属組織や教育機関、技術士会、学協会が連携して活動を支援する体制を整える、という記述があります。
このコミュニティーあるいはステークホルダーのうち、技術士会さんは技術士法を通じて、それから教育機関あるいは高等教育機関については、局は違いますが、いずれも文部科学省さんの所管です。ところが、学協会というのは、公益法人改革の後は、文部科学省さんと離れてしまっています。ここで今議論している取組は法律にも関わる政策的な取組なので、もしコミュニティーあるいはステークホルダーに学協会を入れるならば、何らかのオーソライズなり、認定なりのお墨つきが必要だと考えます。
例えば日本学術会議であれば、ある条件をクリアした学協会を協力学術研究団体として認定した上で、コミュニティーを持つという取組をしてます。この辺を少し検討していただけると、学協会として非常に協力しやすくなるのではないかと思います。
学協会の数は非常に多いです。よく行政が行う方法は、個別の企業や団体に対応することは難しいので、業界団体を認定して、そこを通して行う。その意味からいうと、日本工学会は約100の工学系学協会の集まりなので、非常に良い組織であると思います。何らかのオーソライズをいただければ、非常に協力しやすい状況になります。
CPDに関する一連の議論に関連して、日本工学会は日本技術士会さんにいろいろ協力しています。日本工学会の会員学協会のCPD活動の状況を調査し、調査結果を共有することもやっています。これは技術士会さんが日本工学会の会員でおられるので、会員サービスの一環としてやっていますが、今回のように文部科学省さんの技術士制度の中で取り組むとなれば、何らかのオーソライズ、認定等も御検討いただければ良いと思います。
以上です。
【岸本主査】 ステークホルダーというか、連携体制をつくるに当たって、その仕組みづくりについてもう少し進めるような形で書き込んではどうかということですので、ぜひ事務局と相談してというふうに思います。
私から言うのもあれですけど、この学協会のところの前に、「日本工学会をはじめとする」なんていう文章を入れてもいいですかね。
【高木委員】 ぜひ入れていただけると良いと思います。日本工学会というのは学協会の中でも特殊で、今年は創設142年になります。工学系の学協会の多くは、日本工学会のメンバーにより創設されたり、その学術協会から分離して、孫にあたる組織になります。公益社団法人でありますので、公益性は十分にあると思います。日本工学会という名前を入れていただければ、協力し易いと思います。
【岸本主査】 ありがとうございます。
それでは続いて、林委員からお願いいたします。
【林委員】 ありがとうございます。岸本座長はじめ事務局の皆様に非常な御苦労の下でこのようにまとめていただき、感謝しております。ありがとうございます。
まず1点、細かい点でございますが、表現の問題としまして、8ページの(5)の総合技術監理部門の位置づけの明確化というところの下から3行目のところで、「総監で何を学び」という文章があり、これ10ページの4ポツの2行目にも同じ「総監で何を学び」という文章があるんですが、御趣旨としては、総監の資格取得のためには何を学びというような、そういう御趣旨かなと私は理解したのですが、御検討いただければと思います。それが1点でございます。
それから、大きな3ポツの9ページ以降の今後の技術士制度改革における継続的検討事項のその他、10ページの最後、6ポツ、その他のところに書かれている文章についてでございます。冒頭で岩熊先生からも御意見があったり、その後も技術士会様からも御意見がありました、将来的な更新制に関する法改正についての書き込みをここにするのかどうかという点につきましては、少なくとも今の文章では、その他のところも、更新制に関しましては、7ページの丸2の上に書かれている一文、すなわち「技術士資格について、技術士法の改正を要する更新制度の導入による対応ではなく、政省令以下でCPD活動の実績の管理及び活用を可能とする公的な仕組みの構築をつくる方向性で具体の検討を進めることとした」という、この整理を前提として、最後の将来的な部分もその他も書かれているように読めると思います。
ちょっと表現はまずいですが、霞ヶ関文章としては、「必要に応じて追加で審議する」というのはかなり拘束性が弱い書き込みかなと思っておりまして、しかもその対象となるものとして、将来的な更新制導入の是非というものはここには特出しされておりません。したがって、私、更新制のところで、法律家として、更新という言葉の意味については御説明させていただいて、今回このような整理になっているので、今回のこの整理については全く異議ございませんが、メンバーの委員の先生方の思い、また、座長も含め、技術士というものをどういう制度がよいかということを今後検討していく上で、どこかの段階で更新制の導入ということも検討しなければいけないということについて、もしコンセンサスがあるのでしたら、今の文章に、そういったニュアンスの一言を書き入れておく必要はあるのかなと思っております。
以上です。
【岸本主査】 御指摘ありがとうございました。今、最後に林委員から御指摘がありました。将来的には更新制等々についてもきちんと検討していく方向性というか、可能性をこの報告書の中で記載した方がいいのではないか、書けるのではないかということなんですけども、冒頭、寺井委員から御指摘があったのもその方向かと思いますけれども、いかがでしょうか。寺井委員、いかがですか。
【寺井委員】 全くそのとおりだと思います。今回、資料2がございますよね。ここで、これをざっと見ますと、IPDのところは本格的な導入が試験制度の抜本的な部分に関わりますので、法改正が必要だろうというふうな議論もされた時期があったかと思います。
一方、CPDの方も、今回の方向性で完結したというふうにはこの枠組みの中では思えませんし、国際通用性の観点、それから総合技術監理の観点からも、しっかりした位置づけ の観点からも、更新制度を視野に入れた継続的な継続研さんの在り方というのは、大きな検討項目として引き継いでいただきたいなというふうに思っています。
【岸本主査】 ありがとうございます。
ほかにこの件について。岩熊委員、お願いします。
【岩熊主査代理】 私はこの委員会はかなり長く岸本先生と御一緒させていただいて、技術士制度全体をどういうふうに良くしていくか、あるいはどういうふうに活用してもらうかというようなところの議論に参加してきました。いつも法律に関連するところがどうしても壁になっていましたね。
総合監理等、どうしようかというと、既に決められていたことで乗り越えていかなければいけないことがたくさんあったと思います。そこがある意味天井になっていたところを、前回のまとめの中で、それは更新制ということでしたけど、法改正も視野に入れた検討を今後すべきだというようなことが言われました。資料2の図の中にもこれだけの中にも、何らかの法的な取組をしなければいけないようなことが幾つもあります。
ですから、今後そういうことも視野に入れた検討を、ゆっくりじゃなくて、早急にですよね、順次必要な取組ではなくて、繰り返しになりますが早急に議論し、必要ならば法改正に導くような議論をすべきだというふうにぜひ書いていただきたい。個別にどうこうということではなくて、今までなかなかそこが動かなかったところを、実現に向けていっていただきたいので、そういう書き方にしていただけないかと思っています。
以上です。
【岸本主査】 ありがとうございます。一当たり、この報告(案)については御意見をいただいたと思います。
【佐々木委員】 佐々木ですけども、追加でお話ししたいことがあります。
【岸本主査】 この報告書の関係でしょうか。
【佐々木委員】 はい、そうです。
【岸本主査】 じゃ、簡潔にお願いします。
【佐々木委員】 はい。言葉遣いなんですけども、例えば10ページの5番目、国際的通用性の確保、「通用性」という言葉があります。それから3ページの丸2、PC及び他国の資格との同等性。先ほどは「通用性」、今後は「同等性」。そして別紙の1です。これまでの技術士法の改正の経緯という1枚ものですけれども、平成12年、大幅改正とありますけども、その中の文章で国際的な整合性の確保。国際的な整合性。「整合性」「同等性」「通用性」、3つの言葉が出てくるんですね。
私、平成12年の法改正には2年半関わったというお話はいつかしたかと思いますけれども、そのときは「同等性」という言葉、資格の国際的な同等性という言葉を使っていたような気がします。「整合性」と「同等性」はそう変わらないかと思いますけども、最近は専ら「通用性」、国際的な通用性という言葉を使っていますよね。「同等性」と「通用性」は意味が違うと思うんです。
20年前の議論は、日本の技術士が世界の標準と同等の制度にならないと通用しませんよということで、「同等性」とか「整合性」とかいう言葉を使っていたと思うんですけども、この報告書は専らといいますか、「通用性」という、前回の分科会からの流れかもしれませんが、最近は「通用性」という言葉になっているんですね。
ここからは私の推論ですけども、「通用性」というのは、日本の技術士がほかの海外に出ていって仕事ができるということであって、20年前の議論は、行くこともあるけれども、来てもらうことも受け入れることもかなうような仕組みにしましょうと。それが「同等性」とか「整合性」とかいう言葉で表現されていたはずです。
最近は「通用性」ということで、ひょっとすると、日本の技術士は世界に出ていけるけれども、諸外国のPEは日本では仕事ができない、しなくてもいいよと言っているようなふうに、邪推かもしれませんが、受け取れるような表現だと思います。
初心に戻って、あくまでも世界の標準のプロフェッショナルエンジニアに相当するのが日本の技術士ですよというスタンスを再度確認する必要があるのではないかと思います。以上です。
【岸本主査】 御意見ありがとうございました。
それでは、ただいままでいただいた意見を事務局の方でまた整理していただくことになると思いますけども、これまでのことに対して事務局の方からコメントございますか。
【奥野人材政策課長】 文部科学省でございます。いただいた御意見のうち、特に最後の更新制のところについてでございますが、1点確認させていただきますと、当然、議論として今後更新制というのを法改正の視野に入れて検討していくという形が今回の総意であるとすれば、当然それを検討課題として追記するべきであるとは考えます。
ただ、御議論あったとおり、ここでもし更新制という形で引き続き検討するとなれば、先に整理されていたとおり、今後検討する更新制というのは、更新という言葉を使う以上は、技術士の方のいわゆる資格に関して、その有効期間の制限を付す、もしくは更新を行わなかった場合については、何らかの形の資格を失う、もしくは資格が停止される、そういった趣旨で更新制の検討を行うという形の整理がされて、検討事項に入るとすれば、恐らく前半からの記述との間で一貫した記述になるんですが、ここで議論されている更新制というのは、さきに整理した形の今申し上げた形の更新制というのが引き続きの検討事項になっているという理解でよろしゅうございますでしょうか。
【岸本主査】 まず、法改正のことについて書くというのは、更新制にとどまらず、技術士全体を見通した形で、必要な法改正があれば、それに向けて早急に議論していこうという姿勢で、その1つとして更新制度についても引き続き検討するということで、全体の中の1つの位置づけとして置いていくということでどうかなということかと、皆さんの意見をまとめると、そんなふうに思っておりますけども。
【奥野人材政策課長】 そういう御趣旨でございましたら、当然、法改正を行うかどうかは、最後は立法府の権限ですので、法改正を行うとはなかなか言いづらい点あります。ただ、法律事項と言われている技術士法の記載事項に関しても、当然、検討の対象に含めることは可能と考えておりますので、先生の御整理のような形であれば問題ないかと思います。
【岸本主査】 寺井会長、そういう形で文章化していくということで趣旨間違いないでしょうか。
【寺井委員】 そうです。ありがとうございます。
【岸本主査】 では、この文章化については、ただいまいただいた意見を事務局の方でも整理していただいて、修正をお願いしたいと思っております。
それで、その内容は今度、技術士分科会の方の報告ということで、もう一度そこで審議していただくことになりますけども、そこの資料作りについての修正については私の方にお任せいただくということでよろしいでしょうか。
【佐々木委員】 質問してよろしいでしょうか。
【岸本主査】 どうぞ。
【佐々木委員】 佐々木ですけれども、今の法改正という話なんですけども、私は法律は全くの素人なんですけども、更新制を新たに導入するといった場合、既に資格を持っている人たちから資格更新に合わせて取る、剥奪するということではない制度というのもあり得るんじゃないかと思うんですよ。
具体には、新制度を運用し始めました、その新制度の中で技術士になった人は更新制が適用されます。この新制度が導入される以前、技術士になった人については更新制は適用されません。そういう改正というのはあり得るんでしょうかね。それが可能であれば、随分改正ということも難しくはなくなるのかなという印象がするんですが、いかがでしょうか。
【岸本主査】 それについては、 のところで議論ということで、まず今、それはちょっとその他にしたいと思いますので、この報告書のことについては以上のようなことでお認めいただいたということにさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、残り、その他ということなんですけども、冒頭申しましたように、今期の制度検討特別委員会としては最後になりますので、皆様で本日御意見いただいていない方も、もし御意見あれば、将来のことも含めて御発言いただければと思います。
それで、その冒頭で、今、佐々木委員の方から御質問があった件について、奥野課長の方から補足可能でしょうか。
【奥野人材政策課長】 今の御指摘の点ですが、2つの観点があろうかと思います。
まず、立法技術論といたしまして、当然、現在持っている方の権利の制約というのを極小化すべきだという考え方がございますので、新たな改定を行ったときに、既に現行の権利を持っていらっしゃる方の適用範囲というのを変えて、今、佐々木委員がおっしゃったような形で整理していくというのは、技術論としてはそういったような技術論もあろうかと思います。
ただ、政策論として考えた場合に、同一の資格を保持している中にそういった2種類の体系を置く、もしくは2種類の体系が置かれた場合の、恐らく立法技術論の前の政策論としての判断というのがあった上で、もう一方で、既に持っている方々の権利をどのように保護するか、その権利が、もしおっしゃるように今までと違った形になったときは、恐らくそういった形の負担が加わることと、それで獲得される新たな公益、公共的な利益との間の慎重な考量が必要になるとは思います。
したがって、御質問の答えとしては、技術的には、今申し上げたような形での整理というのは、技術論としてはあろうかと思いますが、そちらに入る前に、恐らく技術士全体の方の技術士政策としてそういった方法というのが妥当であるのかどうかという前提としての恐らく今後もしこの御議論をするとすれば、政策論としての御議論があった後、次の課題として、今言った既に技術士になられている方の権利が何らかの形で不利益を受けた場合に、その不利益というのが甘受すべきものであるのかどうかという形の整理が行われ、その後に恐らく結論として、御提案いただいたような形での整理に至るのか、それとも、公益性と、今いる方の一定の負担というののバランスの中で全体に統一した方がいいのかに関しては、アプリオリにこうだという結論を出す前に、恐らく、この御議論の際には、委員の方々と、そういった順番の全体の考え方、そして、既に今いらっしゃる方に関して一定の御負担がかかることと、恐らく公共目的の達成等の均衡の御議論、そういったことの結論が出た上で、どういった手法でもってそれぞれの方々の権利のバランスを図るのか、そういった順番で進めていくことになろうかと思いますので、恐らく技術的にはそういった方法があり得るとは思いますが、それが解になるかどうかは、今のような御議論を経た上での結論に至るのではないかと考えております。
【岸本主査】 ありがとうございました。
それでは、その他ということで御意見いただければと思いますけども、順番に、これまで御発言されていない方にお声がけしますので、もし御意見あったらお願いしたいということで、御発言いただければと思います。
天野委員、入られていらっしゃいますでしょうか。
【天野委員】 入っています。これまでずっと技術士のことを検討する一員として参加してきましたけど、報告書(案)については特に異議はありません。
ただ、ずっと一貫して申し上げましたけど、やっぱりこの技術士が意義あるものであるということになるためには、文科省の方々が他の省庁の方にしっかりと活用を促すように働きかけをしてほしいなと思っています。
SIP1期のときには、私、内閣府のSIPのインフラ維持管理の方の方々と文科省の技術士の方々の橋渡しをしまして、インフラ維持管理の海外展開のときに技術士の資格を何とか活用していただくような道が少しできたかなと思っていたんですけれど、残念ながら、お役人というのは2年ごとにローテーションで替わっちゃうものですから、せっかくそういう道筋ができても、新しい方が来られると消えてしまうようなことがあったりしますので、ぜひ文科省さん御自身として、この技術士というものを意義あるものにするということで、しっかりと継続してやっていっていただきたいなと思っています。
以上です。
【岸本主査】 ありがとうございます。
続いて、小林委員は前発言いただきましたっけ。
【小林(厚)委員】 小林厚司ですけども、先ほど発言させていただきました。
【岸本主査】 ありがとうございます。そうでしたね。
続いて、それでは、酒森委員いらっしゃいますでしょうか。
【酒森委員】 酒森です。皆さんの御意見いろいろ聞きまして、私もこの委員会に入ってまだ2年目で、やっと内容についてきた状況で、文章の細かい文言の違い等はなかなか意見が言い出せなくて、思っておりました。ただ、最後委員おっしゃったように、この技術士制度ってやはり文科省さんがこの制度をどうやっていくかということを強くどんどん進めていっていただければなというふうに思います。
法改正にしても、例えば、運転免許証のいろんな制度もどんどん変わっていますよね。免許の自分が運転できる車の資格なんかも今どんどん変わっていると思うんですよね。そういう感じでどんどん技術士法も変わっていけばいいかなというふうには私は思っております。
以上でございます。
【岸本主査】 ありがとうございます。続いて、塩原委員いかがでしょうか。
【塩原委員】 塩原です。報告書に関しましては今ほど御議論いただいたことでオーケーと考えております。
ただ、CPDをこれからやっていただくということを考えますと、やはりこの技術士資格の利活用というのをもっともっと進めていただきたい。多くの方々がCPDを入力するということは大変な労力を技術士の方々に割り振る形になってしまいます。結局これは生産性の低下につながるわけですので、ぜひCPDを入力するような仕組みにするとすれば、それに伴った資格によるメリット、それが出るようにしていただきたい。
あと、このCPDの入力に関しまして、今、日本技術士会のガイドラインで記入しようとしますと、多分ほかの学協会と連携をかなり取るのが大変ではないかと思います。もっと簡単な形にしないと、非常に入力にも時間かかりますし、また、これをチェックするという作業においても大変な作業になってしまうと思いますので、ぜひガイドラインの簡略化というのが必要ではないかと感じますので、ぜひ御検討をよろしくお願いします。
以上です。
【岸本主査】 ありがとうございました。続いて、下保委員おられますでしょうか。
【下保委員】 報告書については、おおむねこういう方向だと思いますが、先ほどから更新を含めて法改正という議論が出るんですけれど、法改正が目的みたいになっちゃうと、何やっているか分からないということだと思うんです。
結局、皆さん、前提条件としては絶対必要性があって、それが現行の法律では邪魔なところがあると、それを直すという、その組立てがしっかりしていないと、多分法改正としての意味が何もなくなって、結局、先ほど塩原先生言われたように、負荷だけがかかっていって、利用価値がないという、逆に今、非常に利用される方が限られていて、うまく使われていないというところをさらに拍車をかけるだけのようなものでは意味がないだろうというふうに思います。
だから、そういう意味では、法改正の方向に何とか持っていきたいという事務局的な話、あるいは技術士会的な遠謀があるのかもしれませんが、それはそれとして、もしそういう方向にどうしても行きたいというのであれば、必要性、すなわち使っている人、あるいは使われている人、そういう人たちがたくさんもっといて、何でこんなことできないか、こういうふうにしてほしいという声がちゃんと出てきて、その裏腹として、今の法の部分を変えましょうという論理構成をきちっとつくらないと、一方的に制度だけをどんどんいじっていって、それが現実と全然フォローされていませんというんだったら、乖離するだけになるのではないかという気がしますので、そこをちょっと注意をしてもらいたいなというのが1点。
それから、国際性のところで、英語の試験は、とてもじゃないが現実的に無理だという話は、現実としてはよく分かるんですけど、逆に、国内での公共調達なんか、私のイメージではあるわけですが、そこのボリュームといいますか、マーケットはやっぱりどうしても小さくなってくる時代に、優秀なエンジニアは日本には相当いるわけですので、そういう方々が海外で、今、とにかく中国とかそういう人たちと真っ当に戦う時代になってきました。
一部で聞くと、20代、30代はもうかなわんと。向こうの方が上だと。50、60になると、日本の技術者は何とでも戦えるけど、20代、30代の前半になると中国の方が上だよという声が、行った人たちから圧倒的に聞かれるようになってきているという現実を踏まえると、技術士会を含めて、取った人、技術士として資格を持ち、ノウハウも持ち、経験も持った人たちがそれを生かせるように、国際的な訓練、そういったものをぜひ、文科省もそこをバックアップするのが必要なのかもしれませんけれども、そういうのもぜひフォローしてもらいたいなと。
それは別にこの技術士の制度ではなくていいんですけれども、そういう部分にちょっと目を向けていただいた方が、これからの日本のエンジニアといいますか、技術力というのが世界で通用していくことになるのではないかなと、こういうふうに思いました。以上です。
【岸本主査】 どうもありがとうございます。
それでは、今度は専門委員の方々にお願いしたいと思いますが、小野委員よろしくお願いします。
【小野委員】 小野です。私、CPDの部門の方でいろいろ少し発言させていただいたりして活動させていただきました。今回の取りまとめの資料を見まして、本当に座長以下、いろんな方がまとめられたと思います。どうも感謝申し上げます。
特に私からは異論がなくて、御意見も既にいろいろ出ているので、特に今更申し上げることはないんですが、1つ、今後、次年度、将来の話といいますか、テーマとして、先ほども下保委員からも話出ましたけれども、やはり若い技術者の方がこの資格が欲しいとか必要なんだという、そういう声を上げてもらうような広報といいますか、活動というのも将来的には必要なのかなと。
我々、将来、彼らのためにこういうふうに変えた方がいいということでやっとるんですが、実際仕事している若い人たち、先ほど技術士資格の取得の年齢が40歳ぐらいという話がありましたけども、実態は建設部門の方が巨大におりますので、仕事で必要ですよね、技術士とかそこら辺の部門の方は。そういう年齢になるんだと思うんですが、私がいる機械部門だとか、あと電気部門の様子とか聞きますと、そんなに取得する年齢は若くないんですね。結構高い年齢で取られる。
そういうところが問題でして、会社に入って30代ぐらいで技術士を取った方が、海外で仕事する場合にも非常に大事なんだと。例えば、エンジニアリング会社とか、海外で働く機械電気系のエンジニアはたくさんいられると思うんですが、そういうときにカウンターパートとして海外の企業のそういうエンジニアと出くわしたときに、彼らは何かPEを持っていて、何で日本人の僕らは持てなかったんだろうかとか、何となくそこ仕事上でのデメリットを感じ、何か仕組みが違うんじゃないか、おかしいんじゃないか、こういうふうに変えてもらった方がいいんじゃないかというような声が、日本技術士会なり文科省なりに上がってくるようなことになれば、もっと制度を変えていくのにもモメンタムになるのかなと思っていまして、そういう他国の技術士会、他国のPEの人たちとの交流といいますか、そこら辺の活躍をもっと身近に若いエンジニアが知れると、そうすると、当然国の特徴はありますけども、何かこの国の制度はいいね、グッドプラクティスだねみたいなものを彼ら当事者自身も知って、それで何か提案とか提言がいろいろ出てくるとか、そういう状態、環境をつくり上げていくというのも1つ将来あるのかなということを思いました。
私から以上です。どうもありがとうございました。
【岸本主査】 どうもありがとうございます。
それでは、小林守委員からお願いいたします。
【小林(守)委員】 私はこの第10期の中で昨年1年間、初めて参加させていただいて、いろいろ勉強することができました。ありがとうございます。
まず、今日のこの報告(案)は非常にすばらしく、問題なく私はこれでオーケー、言うことはありません。非常によくしてある。
その点、2つ、ちょっとお話しさせていただきたいのは、私はIPDの制度の整備拡大ということで今回参加させていただきました。そこで大きく変わった、この報告書の中で見ていただくと分かるんですけども、1番の方の審議の報告の中ではIPD制度の整備・充実となっていましたけれども、この3の方の今後の検討の中では、IPDシステムの実現ということで、制度がIPDシステムが変わったということは、IPDを実現に向けて方向性がここで示していただいたなというふうに思っておりまして、1年お世話になった中で、IPDが確実に若い人、それから20代後半から30代の方は、修習技術者として待っている人たちに1つの門戸を開けるのかなということで、非常に意義のある1年間でした。本当にありがとうございました。
もう一つは、やはり国際の通用性なんですけども、この報告書の中に海外でも通用すると言われておりましたけれども、私は1つ違っていると思っていることがございます。今はチャーターエンジニアさんとか、オーストラリアのエンジニアさんが日本に来て仕事するときに、GAとかPCを持っている人が来て、東南アジアでも結構多くなってきました。そういう方が今、日本に来て仕事するときに、技術士の資格を持っているんじゃないのという、よく問われることが出てきました。
だから、海外に行って技術士の資格を持っているんじゃなくて、海外の人が日本に来たとき、エンジニアが来たときにも、日本でPEを持っている人だよと正々堂々と言える、コンピテンシーを十分持っているということを証明できるような、バランスのよい技術士というんですけれども、こういう方の育成に支援していただけるような技術士制度にしていただければありがたいなと思っております。
以上です。本当に大変お世話になりました。ありがとうございました。
【岸本主査】 どうもありがとうございます。
それでは、比屋根委員、お願いいたします。
【比屋根委員】 どうもありがとうございました。去年から加わらせていただいて、今日の報告書には異存はありません。よくまとめていただいたなと思って感謝しております。
それで、法改正という話が出てきて、更新制との絡みでというのが一番多く出てくるんですけど、私自身は技術士会の中でも、もっと活用されるような技術士になるためにどんな能力が必要なのかというところ、その教育とか研さんをどう整備するかというのは絶対必要だと思っていまして、それは同時にJABEEの方でも同じことが言えるわけですけど、それをずっと考えてきているんですね。
売り込むのもそうだけども、能力のない面で売り込んでもトラブルの基ですから、そうではなくて、こんなこともできるんだからこう使ってくださいと言えるようにならなきゃいけないだろうと。そこが大事だなと思っています。
その面から見ると、ここまでは制度の話ではないんですけれども、1つやっぱり問題だなと思うのは、技術士の制度の、あるいはこれは日本の工学教育全体の在り方もそうかもしれませんけども、やっぱりテクノロジストベースになっているなと。建付けがテクノロジストになっていないかと。各部門が細分化されているとか、そういったことというのは「よく定義された領域の問題」解決に該当しているんじゃないか。
プロフェッショナルエンジニアというのは、問題の側から見て、それをいろんな専門性が協力し合って解決できるというのがエンジニアのはずですよね、IEAの定義からすると。そういうふうな制度の建付けにはちょっとなっていないぞというのが私の根本にあります。逆に言うと、技術士の取得年齢が高いというのは、この建付けのせいもあるんじゃないのかなという気がちょっと最近しているんですけど、これちょっと確証はありません。ただ、そういう可能性も含めて考えなきゃいけないんじゃないか。
だから、技術士法の改正というものも含めて考えるというのは、次期に持ち越すというのは別に構わないと思うんですけども、もう少し大きな枠で技術士制度全体を変えなきゃいけないのではないかという、その時期まで法改正は待ってもいいのではないのかと思うんです。そういう根本的な議論、技術士制度、あるいはPEの制度にある、JABEEとともにPEの制度が国際枠組みになった後で、テクノロジストとかテクニシャンの国際枠組みができてきたという、このずれですよね、これを修正するということにもう少し目を向けた方がいいんじゃないかなと、これからは。次期以降はそういうふうなことができればと思っております。
勝手なことを申しました。ありがとうございます。
【岸本主査】 どうもありがとうございました。各委員の方々から、次期への課題も含めて様々な御意見いただきました。どうもありがとうございました。いただいた御意見も整理して、次期の検討に入るときにきちんとまた議論ができるように進めていければと思います。一当たり御意見いただきまして、本当にどうもありがとうございました。
それでは、以上でその他のところは終わらせていただきまして、事務局の方にお願いしたいと思いますので、事務局の方から連絡事項等、お願いしたいと思います。
【鶴見専門官】 文部科学省技術士係の鶴見でございます。事務的な話になりますけれども、本日の会議における議事録につきましては、後日、事務局から皆様にお送りさせていただきまして、御了解いただいた上で、例年どおり文部科学省のホームページに公開することとさせていただきますので、御了承いただければと思います。よろしくどうぞお願いいたします。
【岸本主査】 どうもありがとうございました。コロナ禍ということで、こういったウェブでの会議で皆さんと議論してきたわけですけども、事務局の御努力もあって、この報告書ということがまとめられそうだということで、本当に皆様の御協力に感謝したいと思います。
技術士分科会の方でも御報告させていただいて、さらに報告書としてはいいものに仕上げたいと思いますけれども、大事なことは、これが本当に動いていくということが大切なことなので、まだまだ課題だとかやることたくさん出てきていると思いますので、引き続き皆様に御協力いただければということで、本日の会議はこれで終了させていただきたいと思います。本当に御協力ありがとうございました。
 

                                                                    ―― 了 ――

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