第9期 技術士分科会 制度検討特別委員会(第6回) 議事録

1.日時

平成30年11月1日(木曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省(合同庁舎第7号館東館)15階 科学技術・学術政策局会議室1

3.議題

  1. 国際的通用性検討作業部会の検討報告
  2. 今期の議論の取りまとめについて
  3. その他

4.出席者

委員

岸本主査、奥野主査代理、天野委員、岩熊委員、佐藤委員、塩原委員、高木委員、中谷委員

文部科学省

坂本人材政策課長、渡邉専門官 ほか

5.議事録

【岸本主査】   それでは、ほぼ定刻になりましたので、ただいまから技術士分科会第6回制度検討特別委員会を開催したいと思います。 今回は、吉村委員が御都合により欠席されております。御出席の皆様におかれましては、誠にありがとうございます。
 それでは、まず事務局より資料の確認をお願いいたします。
(事務局より資料の確認)
【岸本主査】   ありがとうございます。
 それでは、まず1番目の議題が国際的通用性検討作業部会検討報告についてということで、私も委員として参加いたしました部会の報告書について御説明いたしまして、それを踏まえて、2番目の制度検討特別委員会、この委員会の議論の取りまとめということで、本日は皆様から、できるだけいろいろな御意見を頂きたいと考えております。今回の議論を踏まえて、次回ぐらいまでにこの委員会として取りまとめをしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それと、先ほど御説明がありましたように、関係者の方に配付されている机上資料について、技術士会の検討状況について御報告いただく予定になっております。よろしくお願いいたします。
 それでは、議題1に入りたいと思いますが、国際的通用性検討作業部会報告についてです。昨年の10月にこの委員会で作業部会設置を決定いたしまして、この部会としては計4回開催し、8月20日に国際的通用性検討作業部会報告として取りまとめをいたしました。私が主査を務めたこともありまして、この内容については私から説明させていただきますけれども、まず事務局から簡単に報告書について御説明いただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
【渡邉専門官】  では、御説明いたします。まず参考1をごらんください。
 こちらの作業部会は、今、岸本先生からも御説明がありましたように、本年1月から8月までで計4回開催され、こちらの資料1の報告がまとめられました。
 この取りまとめに当たり、作業部会とは別に、APECエンジニアや海外業務を行う企業、英国チャータードエンジニアや米国PEなど、計22名からのヒアリングの機会を設けまして、いろいろと貴重な御意見を伺っております。そのヒアリングの結果をまとめたものが、資料1の別紙3でございます。
 また、今年の6月末にロンドンでIEAの総会が開催され、そちらに岸本先生と、文科省から野島が出席し、技術士会がまとめた各国の資格比較表を基に、各国の担当者に、各制度に関する調査を行いました。その結果をまとめたものが、資料1の別紙の1です。事務局からは以上でございます。
【岸本主査】   ありがとうございます。
 それでは、この報告につきまして、私の方から内容について簡単に御説明させていただきたいと思います。
 今、御説明がありましたように、ヒアリングあるいは海外の団体に対しての調査等々踏まえまして、作業部会としてもいろいろな議論をしてまとめたものが資料1でございます。
 この資料1でございますが、1番、国際的通用性検討作業部会についてということで、この部会の目的、作業部会の経緯がまとめてあります。
 その中で、こちらの制度検討特別委員会からは、技術士が国際的に活躍するために何が今障害になっているのか、技術士制度に必要なものを明確化し、その中で技術士制度の中に最低限備えておくべきもの、制度的に対応可能なものは何かを明らかにすること、各課題の明確化を目的とするということで、そこに書いてありますけれども、4点について検討を行うこととして、各国のエンジニア資格の状況等の整理、他国のエンジニアが日本に入ってきたとき技術士と同等の取扱いができるか、技術士資格の保有者が他国の資格を取るメリットは何か、他国の資格と同等とされた資格を持つことがビジネスにおいて役立つかというような課題を、作業部会として検討を進めたということであります。
 2番目は、検討内容の概要です。(1)は、国際的通用性とは何か、について確認ということで、丸の1が技術士の資格が他国の対応する資格と同等なものであること。丸の2が、技術士の試験合格者がIEAのGA、それとPCに示されているエンジニアとしての能力を有していることを客観的に証明できる制度であること。丸の3が、実際に海外で活躍する日本人技術者、前述の区分のうちのエンジニアに相当とありますが、後で説明しますが、技術士資格を取得していることが通常の状態となること。丸の4が、日本から世界に国際的なエンジニア像を提示し、技術士資格をそれに適合する内容とするとともに、技術士資格の相互承認に反映できるようになることということで、こういった4項目が国際通用性になるだろうということで、まとめてあります。
 丸3に、3区分のうちのエンジニアに相当と記載していますけれども、これは、1ページ1の作業部会について、の上から2段落目に、エンジニアは技術士と同等の技術能力、複合的な問題解決能力を持つ技術者を示し、技術者はエンジニアに加えてテクノロジスト、テクニシャンを含む、技術的な業務を行う全般の技術者を指すという形で、国際的には技術業に携わる専門職の枠組みとして、エンジニア、テクノロジスト、テクニシャンというような分け方をIEAの中でもしているということで、ここでは技術士というのが、そのうちのエンジニアに対応することを踏まえた上で検討していこうという形で、こういう表現になっています。
 それで、2ページに戻っていただきますと、作業部会としては、アンダーラインが引いてあるところ、まずはGA、PCを満たすような制度にすることが、国際通用性の制度としての必要条件であるということが第一で、その上で、他国の対応する資格と同等なものとなることということが目指されるべきであると考えているということです。
 そして、国際的通用性といったときに、技術士そのものを国際的に通用するものとする。すなわち、技術士が国際的通用性のあるエンジニアとするか、技術士のうちで更なる研さんを積んだ者が、例えばAPECエンジニア等に登録することで、技術士資格を国際的に通用するものとする、技術士のうち更なる研さんを積んだ者がAPECエンジニア等々となり、それが国際的通用性のあるエンジニアとするというような制度設計にするか、日本としてどうするかは、もう少し、今後検討が必要な課題であるということにここではしております。
 それで、2番目に行きますと、作業部会の検討課題についてということで、先ほど項目を挙げておりますけれども、それぞれについて整理をするということで、1番目は各国のエンジニア資格の状況等を整理するということで、作業部会の結論と書いてありますけれども、アンダーライン引いたところを見ていただきますと、技術部門数、資格に関する数値、資格要件、認定(試験)方法、IPD、更新制度、登録や協会への加入について分析を行うという中で、更新制と名簿の公開については、ほとんどの国が実施していて、これについては技術士制度でも早急に検討を進める必要があるということで、ある意味、日本だけが、これをしていないような状況になっているということであります。
 2番目は、他国のエンジニアの受入れに係る課題の明確化ということで、ヒアリング等々を行った中で出てきたことですけれども、作業部会の結論としては、アンダーラインのところをごらんになっていただくと、技術者の能力評価には技術士資格やAPECエンジニア等が有効となる。それらの認知度を高めるとともに、それぞれの国のエンジニア資格や各国の業務に必要な知識等を学ぶ環境を、関係部署と連携し構築することが有効としたということであります。
 3番目です。技術士の国際的通用性に関する意識等の現状の確認ということになりますけれども、作業部会としての結論としましては、国際的に共通基準が定められたAPECエンジニア等は、エンジニアの能力を平等に測るため、活用することが十分可能であるというような結論であります。
 また、技術士の国際的通用性確保の取組は、今後の国際社会で技術士が活躍するために重要な事項であり、その具体的な方策や検討事項を別紙4及び本書12ページと13ページの表中にまとめたということで、後で、この表をごらんになっていただきますけれども、項目を挙げてまとめたという形になっております。
 それで、4ページからの検討内容の報告でありますけれども、(1)国際的通用性についてが、4ページから6ページに書かれております。(2)普及拡大・活用促進(国際的な活用について)が7ページからで、作業部会としての考えが示されています。(3)が8、9ページの継続研さん(CPD)の在り方、更新制の導入。(4)が9ページで、技術士補及びIPDの在り方(若手エンジニアの育成)となっております。ざっと読ませていただいているのは、後の表で内容についてはまとめてあるので、そちらでごらんいただこうということです。
 (5)は技術士試験の適正化ということで、一次試験、二次試験について触れております。(6)としては、総合技術監理部門の在り方についてまとめてありまして、ここまででそれぞれ項目ごとの内容について記載されております。
 それで、この(1)~(6)の内容から、国際的通用性の観点から見て、今後実施すべき方策及び検討すべき事項を抜粋し、その内容ごとに分類、整理したのが、この12ページ、13ページの表になっております。
 この表については制度検討特別委員会の報告の中にも入っていて御検討いただくので、どんな項目がこの部会で挙げられ、何が必要と書かれているかを御確認いただきたいと思います。
 この表の5列目には、各方策や事項が技術士が国際的通用性を持つための4つの目標、先ほど4つの目標というのがありましたけれども、そのうち、どれに資するかを書いてありまして、また6列目以降は、今後技術士分科会で議論すべきとされた6項目のどの項目に該当する内容かを記した形で整理したということで、それぞれのものが、今回の整理に当たって、どういうところに対応しているのかということで書いてございます。
 細かいところまでは御説明いたしませんけれども、まず12ページの番号1から4が相互承認・二国間協定についてということになっています。5から9が資格の活用促進及び認知度向上の取組、10から12が更新制・CPDについて、13から19が技術者の教育、20から23が技術士試験についてで、24、25がその他ということになっています。
 その中で、項目に網掛けがしてあるものについては、作業部会として、特に国際的通用性の観点から重要な項目であるのではないかということで、そのようにしてあります。
 また細かい議論は次のところでさせていただきますので、簡単な説明にとどめたいと思いますけれども、まずは、この結果報告の内容について、あるいはこれまでの調査内容について、御質問があれば、御意見等を伺いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
【天野委員】   教えていただきたいんですけれども。主査が、いろいろ海外の方にヒアリングをしたときに、海外の方の日本の技術士制度への認識具合って、どんな感じでしたのでしょうか。
【岸本主査】   インタビューをしたのは、日本の技術者の人たちに直接させていただいて、海外の方は、この制度がどうなっているかというインタビューでしたので、日本の技術士の認知度については、海外の方には直接伺っていない状況であります。
 ただ、APECエンジニアの方だとか、そういった方々にお聞きしたところ、その国に同じような制度があれば分かってくれるし、APECという言葉自体はよく知っていると。ところが、そういう制度がない国だと、なかなか説明をしても、認知度としてはまだ低いということで、日本の技術士の方が海外で技術者として活躍するためには、やはり海外にそういう制度を作るのを日本としてもお手伝いして作り上げて、同等だというところが必要じゃないかというのが、インタビューしたときに伺った意見であります。
 だから、まだまだいろいろな国々で、これからそういう制度を作っていこうというところに対して、やっぱり日本も、こういういい制度があるよと持っていくのが大事だなと。それによって認知度が上がるんじゃないかという考えです。
【天野委員】   ありがとうございます。
【塩原委員】  今回、この国際的通用性に関していろいろ調査していただいて、日本として更新制と名簿の公開をすれば、ほかの国と大体同等にできると。そういうことで、早くこの施策をメリットのあるものにしていく必要があるのではないかと思います。
 この机上のファイルの5のインデックスの資料の付いている最後のページを見させていただいて愕然としたというか。ここにAPECエンジニアの登録件数と更新件数がありまして、登録件数は毎年、新規合格件数が50人に満たないような数字になっていると。それから更新対象件数に対して、更新審査合格件数が半分ぐらいしかされていないという状況から考えますと、既にAPECエンジニアを取られた方は毎年毎年、半分ぐらいの方がいなくなってしまうということで、このことから考えますと、早くAPECエンジニア、IPEA国際エンジニアを有効なものにしていかないと、この議論自身がほとんど無駄になってしまうのではないかなという感じがするんです。
 そういうことを考えますと、早くIPEAのグループの中、またAPECのグループの中で、15か国ぐらいが、もう一遍に相互認証しましょうというような形で、例えば議題を提案して、それを通してしまうと。1か国ごとやっていたら15か国もやっていたら、15年ぐらい掛かってしまって、もうAPECエンジニアはいなくなるのではないかという気がするんですね。それでいったら、やっぱり余りにも遅過ぎますので、もう大体、日本の制度の改善すべきところは分かったということですから、早く次の施策に持っていっていただきたいと、ちょっと感じる次第です。
【岸本主査】   ありがとうございます。12ページ、13ページ、ちょっと説明をはしょったところがありますけれども、特に前半のところについては、御意見の中で、更新制・CPDについては、今委員がおっしゃったように近々の課題であろうということで、更新制導入に向けた検討を早急に進める、名簿の公開について検討、CPD制度の見直しという形で掲げてございます。
 それとともに、12ページの相互承認・二国間協定については、資格申請手続の明確化。要するに、APECだとか相手国、日豪協定ですとオーストラリアの資格も取れるような形になっているんですけれども、その手続について明確な説明がなかなか、どこを見てもないとかいうようなことも言われましたので、そういった手続の明確化が必要であるということと、相互認証の在り方について検討が必要であり、APECエンジニアを介した相互乗り入れの推進、相互認証の枠組みの活用、普及ということで、ここは網掛けしておりませんけれども、国際的通用性という観点からすると、こういった項目が必要だということで書いてございます。
 後ほど、この部会として、どこをもっと強調するかということについて、この委員会として御意見いただければと思います。
 あと、ごらんになっていただくと、資格の活用促進及び認知度向上の取組ということからすると、技術士の海外派遣支援ということ。これについては、技術士等のエンジニアの資格が評価・活用されるよう、技術士の方々だけじゃなく日本の国として、きちんと海外の案件に対して活用してほしいと言っていかなければいけないという意味であります。
 あとは、実際に活用されている事例の紹介であるとか、技術士資格や各国のエンジニア資格について、ホームページ等で周知をする必要があると。特に英文でのホームページというのは、なかなか日本の場合充実していないので、この辺はきちんとやっていかなきゃいけないとか、他国の資格の確立及び普及支援、技術士の英文表記の検討。この技術士の英文表記についても、細かいことかもしれませんけれども、きちんと分かってもらえるような表記にするべきだという意見もあります。
 10から12はごらんになっていただきましたけれども、13から19については技術者の教育ということで、GA、PCの獲得の援助ということで、きちんとした教育プログラムを作っていく必要があるということです。あとは海外業務を行う日本人技術者の交流、講習会の実施、技術士制度の学生への周知、総合技術監理部門の国内及び国際的位置付けを定める、日本国内で業務を行う外国人技術者のサポート、各国にも自国に迎える外国人技術者への講習を設けるよう働き掛ける、日本への外国人留学生が帰国後も母国のエンジニア資格を取得できる制度の整備。技術士試験については、外国人技術者の受験しやすい制度とする、合格率向上についての検討を行う、第一次試験の大くくり化についての検討を進める、第二次試験の在り方について検討する。
 その他として、APECエンジニアの登録審査事項の再検討、それと国際的通用性と技術士資格の関係について検討というようなことで、項目としては掲げてございます。
【塩原委員】  もう1点よろしいですか。外国人の受入れということを考えたときに、こういうAPECエンジニアとかIPEA国際エンジニアを持っておられる外人の方を日本に受け入れるというようなことをやっていけば、日本の少子高齢化対策とか、そういう面でも非常に有効ではないかと。ただ単なる資格のない一般の方に、今日本で仕事していただくような形でなっているわけですけれども、やっぱり能力のある方を積極的に受け入れていくということからも、そういうところでも活用するというのが有効かなと感じる次第です。
【岸本主査】   ありがとうございます。そういう意味で、おっしゃるとおり技術者の方々が国内に入ってきていただくに際して、資格を持った方という形で入ってきていただいた方が、しっかり能力を持っているという評価になるだろうということで、もっと使っていった方がいいということですね。
【塩原委員】  はい。
【岸本主査】   それについて、どこかにも書いてあったと思いますけれども、非常に大事なポイントだと私も思います。
【天野委員】   今の意見、とても賛成なんですけれども。やっぱり今、何となく漠とした感じですから、今回、この技術士というか、海外の資格なんかとの関連性みたいなものをきちんとこの委員会として出して、こういう裏付けなんだから、これで進めていきましょうと。これが全てではないと思いますけれども、先駆けにはなるんじゃないかという気がしますね。
【岸本主査】   ありがとうございます。はい、どうぞ。
【高木委員】  今回こうした形で非常に多くの調査をしていただきまして、ありがとうございます。この各国の表を見ていたときに、私がすごく気になったのが、各国における社会の認知度だとか活用度というところです。日本の技術士とほかの国の資格では大きく異なっていて、各国との国際通用性といったときに、そこってすごく障害になるんじゃないかという気がしています。すぐにどうこうなるものではないと思いますけれども、そういう議論が作業部会の中で議論されていたのかどうか、教えていただければと思います。
【岸本主査】   そういう意味で、2ページの下線の部分ですけれども、技術士の資格そのものが国際的通用性のあるエンジニアということで、各国のものと同じものと持っていくのか、技術士の中で、また国際的なエンジニアという意味で、少し研さんを積むとか、別のものとして位置付けていくのか。それとともに、海外の人たちが日本に来たときに、向こうの資格をそのまま同等なものとするのか。国際的に通用するという意味は、日本の中で通用するような形で、また新たなことを付加した形でやるのか。その辺の制度設計については今後もう少し検討が要るのかなということ。
【高木委員】  この表には登録者数も載っていまして、その登録者数と、その国の人口と、少し比較してみたんですが、やはり、かなり差があるんですね。それって、その国のエンジニアを代表する資格になっているのか、そうではないのかというところを表していると考えられ、そのあたりも見ていかないといけないのかなと思いました。
【岸本主査】   正確な数字ではないかもしれませんけれども、日本は、インタビューをしたときも、技術士に当然なっているような人たちがなっていないのが問題じゃないかということで、日本が各国に比べて少ないというのは、やっぱりある意味、この制度が普及しないこともそうですし、そういった方々がそういう資格を取られていないという方が逆に問題かなという認識を、この部会では持った形です。
 だから、ポテンシャルとしては日本は高いけれども、残念ながら皆さんが登録してくださらないというのを何とかしなきゃいけないんじゃないかなと思います。
【高木委員】  そうですね。プロフェッショナル・エンジニアの資格として、この資格が代表されているということにならないと、国際的通用性の土俵になかなか上がらないなというのがありますね。
【奥野主査代理】   1点よろしいですか。余り重要な部分の議論じゃないのかもしれないんですけれども、この表の中で、合格率を上げなきゃいけないんじゃないかというところが、どこかにありましたよね。
【天野委員】   21番です。
【奥野主査代理】   そうですね。この文章を見ますと、どうも合格率が低いから日本のエンジニアは全体的にレベルが低いんじゃないかと外国で思われるのではないかという議論があったようなんですけれども、実際には、やっぱりそういうふうに受け止められちゃうんでしょうかね。
【岸本主査】   インタビューした方もそうでしたし、そういうふうに受け取られるということと、あと非公式な形で、ほかの国のことを聞いてみると、やっぱりそういうふうにとらえられるということがありますね。技術士は試験だけで合否を判定しているということで、やっぱり、そこに至るまでの技術者に対して必要なトレーニングをした上でのコンピテンシーをちゃんと持つようなことを余りしていないんじゃないかと言われてしまうことになっているので、難しい試験で合格率が低いからすごくいいという言い方には、なかなか受け取ってくれないという状況です。
【奥野主査代理】   なるほど。
【塩原委員】  度々発言して恐縮ですが。合格率が低い原因としまして、ちょっと前にも発言したことがあるんですが、例えば、電気・電子という分野にもかかわらず、その中の発送配変電というところを受けますと、発電には原子力、火力、水力、太陽光、風力、バイオマスとか、山ほどありまして、水車のキャピテーション対策に関して論じろとかいう問題が電気・電子で出るんですね。これ、余りにも異常で、やっぱり余りにも範囲が広過ぎて、そういう出題で、自分の専門の範囲で解ける問題がほとんどないと。だから、もう合格率もかなり悪いというようなところもあるんじゃないかと、ちょっと感じております。そういうことで、合格率を上げるためには、出題の方法も少し考えていかないと、なかなか上がらないのではないかと感じている次第です。
【岸本主査】   ともかく二次試験の適正化ということで、来年度から新しい試験制度になった中で、このコンピテンシーを測るという形に移行してきますので、そこで実際にどうなっていくのか。さらに、これを継続することによって良い方向に変わっていくということも期待されています。試験の在り方がよくならないと合格率もきちんとついてこないというのは確かだと思っております。
 よろしいでしょうか。それでは次に進めたいと思います。
 それでは、議題2ですが、第9期制度検討特別委員会における議論の取りまとめについてに入ります。まず事務局より資料の説明をよろしくお願いいたします。
【渡邉専門官】  まず、今期の技術士分科会の報告案としては、国際的通用性作業部会の報告と、こちらの制度検討特別委員会の審議結果を取りまとめたものになるのではないかと考えております。資料について、資料2-1は報告案の構成案を事務的に取りまとめたもの。資料2-2は資料2-1の報告書案の中から、今後実施すべき方策と検討すべき事項を整理した表でございます。あと、資料2の別紙につきましては、これまでの技術士分科会や本委員会により御議論いただいた際の資料等をまとめておりますので、議論の参考にしていただければと思います。資料3は、本日の議論内容の参考として作成した資料です。
 また、過去の本委員会の資料は、机上の2冊のファイルを御参照いただければと思います。
 事務的には以上でございます。
【野島係員】  補足ですが、資料2-1の1ページ目が今期の報告書の構成案になっておりまして、この構成案中の2の(2)審議経過を、次の2ページから12ページまででまとめています。そして、この2ページから12ページの内容を更に大まかな項目にまとめたのが資料2-2です。別紙は、この2-1の冊子の2ページから12ページの中に出てきた参考資料をまとめているため、昨年の報告書の中から抜粋したものも含まれております。資料が多く分かりづらくなってしまい、申し訳ありません。
【岸本主査】   ありがとうございます。
 まず、形式的なことになるかと思いますけれども、資料2-1で技術士分科会検討報告の取りまとめについてということで、報告書の構成案についてごらんになっていただきたいと思います。ざっくりと項目だけが書いてあるところですけれども、「はじめに」というのが1にありまして、2番目が第9期技術士分科会における審議内容、3、今後の検討の方針、4が参考資料ということで、こちらの特別委員会の方から報告を出しまして、またそれを基に、今度は分科会としての報告書を作るという段取りですけれども、こちらで、この報告書と構成から、何かあらかじめ考えて作っていこうということであります。こんな形で、構成としてはよろしいでしょうかね。
【天野委員】   構成としては全然異論なく、大体こんなものだろうなと思っているんですが。さっき塩原委員がおっしゃったように、今後この委員会の中で更に検討を進めなければいけないものと、すぐに、ある程度施策に提言というような形で持っていくべきものと、やっぱりちょっとその辺の整理をされた方がいいと思うんですね。なので、せっかく報告書にされるので。ずっと報告書というだけになってしまうと、検討特別委員会の中でずっとやりますという話になってしまうので、せっかく、おやりになったことで、これは、じゃあ、もう上に上げていこうというような何か、この最後のまとめの最後か何かに、大ざっぱでいいと思うんですけれども、今後の工程表みたいな。政策提言に持っていくものは、いつまでに、こんな形で上げるし、こっちの委員会の中でずっと抱えて、更にやらなきゃいけないのは、いつぐらいまでに、どんなことをやるというような時間軸と方向性みたいなものを入れられる方が、より、このやった意味が確かなものになるんじゃないかと思いますけれども。
【岸本主査】   ありがとうございます。資料2-1の今後の検討の方針というところに、天野委員がおっしゃったようなことがきちんと入ればいいかなということと。
【天野委員】   そうですね。
【岸本主査】   この中で、できればすぐにやるべきであることと時間を掛けてやらなきゃいけないことについて御意見いただいて、たたき台として提示できればいいのかなと思っております。後ほどの議論、よろしくお願いしたいと思います。
 そうしましたら、構成としてはこんな形だけど、中身については今のような、今後の検討の方針というタイトルになるのか、アクションも含めた形で示せたら示していきたいということであります。
【中谷委員】  よろしいですか。内容ではないんですけれども、こちらの資料2-1なんですが。この報告書の構成、1、はじめに、2、第9期技術士分科会における審議内容で(1)概要、(2)審議経過と書いてあるんですけれども、次の2ページから来ているのが、(2)第9期技術士分科会審議経過とありまして、その中に、また(1)というのがあって、次に1)があり、2、3で見ていくと、今度4ページに両括弧の(2)があるんですけれども、これは国際的通用性に対応する(2)番目で、5ページになると、1)があって、また(1)があってといって、ちょっと分かりにくいので、申し訳ないですけれども、何かこう。
【岸本主査】   これ、この国際通用性部会の方の事務的な資料も作らなきゃいけないということで、形として、今回こんなふうな内容だということでごらんになっていただいて、番号付けについては、これからまた整理していくことになるので。
【野島係員】  済みません、失礼しました。
【中谷委員】  この今後の検討の方針というのは、ここには入っていないんですね。
【岸本主査】   はい、そうです。きょうの御議論いただいて、それで、そこのところをまとめていきたいというのが趣旨であります。
【中谷委員】  それが、こちらの資料の2-2になるということですか。
【岸本主査】   はい。まずは構成がこんな形だということで、ごらんいただいてと思います。
【野島係員】  済みません、分かりづらくなっていると思うんですけれども、一応、構成案として、このようなものを考えていて、きょうは2の(2)の部分について、細かい審議内容の部分だけ今お出ししていて、今後の方針ですとか、上の概要ですとか、はじめにの部分は、きょうの議論を受けて、最終的にどういう結論になったのかというものも踏まえて作っていこうと考えていますので、次回までに最終的な報告書の形にしてお出ししたいと思っています。
【岸本主査】   それで、ちょっと確認なんですが、この審議経過の中で、国際通用性部会の方の内容がかなり入ってきていて、ほとんどがそれで、そうじゃなかったところが、どこへ入れていただいたかを皆さんと確認をしておいた方がいいかなと思うんですけれども。
【野島係員】  基本的に作業部会の報告書のものと、あと、これまでの各会議の各回の主な発言概要の内容とを突き合わせて、類似しているものは統合して入れてという形になっています。
【天野委員】   これ報告書自体は、いつまでにまとめることになっていましたっけ。年度末ですか。
【岸本主査】   いや、次回まで。
【天野委員】   次回まで。という感じであればなかなか大変ですが。
【岸本主査】   はい。今、作業を一緒に進めているところなので。
【天野委員】   そうすると、先ほどの中谷委員の発言ではないんですが、この構成案の中で途中までしか、なかなか行き着かない可能性がありますよね。
【岸本主査】   正確に言うと、この部会としてはたたき台を作って技術士分科会に上げて、その後もう少し中身を精査する時間は残されているので、次回は、粗々になるかもしれませんが、大体の全体像が見えるような形のものになるということです。
【天野委員】   そうですね。そうすると、今までの経緯みたいものは整理していただくのは当然として、もう次のときには、じゃあ、これ出てきた内容を、2-2でも何でもいいんですけれども、どんなふうにして今後やっていくつもりなのかというたたき台。余り正確じゃなくてもいいと思いますけれども。政策反映なんていうと、はっきり言って、文科省さんの中の御都合があると思うので、ここで、いつまでに、どういうことを政策反映しようよねと言っても、それは難しいと思うんですよね。なので、文科省さんとしての考え方として、次の来期の政策に上げるんだとか、何かいろいろあると思うので、それは文科省さんの中で整理していただく方がいいかなという気はするんですけれども。
【岸本主査】   それとともに、この部会として、後で重要項目を皆さんで決めていただこうと思っていますので、それの時間をちょっととって議論したいと思っています。
【天野委員】   なるほど。はい、済みません。
【岸本主査】   構成の方で少し時間をとり過ぎましたけれども、先ほどの野島さんの話で、国際通用性検討部会から全体像にしたときに加わったのは、先ほどの資料の資料1の12ページ、13ページのまとめと、今回の資料2-2でしょうか。この資料2が全体のまとめのようになっているので、加わった項目とすると、普及拡大のところですね。
【野島係員】  そうですね。活用促進・普及拡大が主な追加になっています。大きい項目はそれほど変更がなくて、中身の部分が少し、制度検討のものも含めると、細かい意見が出てきたりしています。
【岸本主査】   国際的通用性というところよりは、こちらの委員会でのいろいろな御発言が入っているという形ですね。
国際通用性のものも含めて資料2にまとめられているので、まとめに当たっての後ほどの議論では、この資料2-2のところを皆さんで議論を進めていきたいと思います。
 ということで、まず構成については今幾つか御意見いただいたので、それを踏まえて内容を詰めていくということで、よろしいでしょうか。
【坂本人材政策課長】  1点だけよろしいでしょうか。今御指摘いただいたところは非常に重要な点で、施策に落とし込んでいくというところを含めて、今後の検討方針は一番重要なところだと思います。多分その中で出てくるであろうと我々も、また先生方もお考えだと思いますし、技術士会さんの方からもこの後、報告書の御説明を頂きますが、やはり更新制とCPDの議論は、もういよいよ施策として、これは法律改正になるのか、あるいはそのほかのオプションになるのかということを、また、いずれにせよ制度改正をすることについてめどを立てるということは、何らかの形でここに記述として入ってくると思います。
 ただ、そのときのタイムフレームというのは、これは法律改正にはならない場合おおよその時間軸は見えてくるかもしれませんけれども、法律改正ということになりますと、これはある程度、合意形成というものが必要になってきます。その合意形成というのは当然、法律の改正の内容もそうですし、CPDなどもある程度、こういった形でカウントがされる、あるいは教育の成果が認められるというのがないと、恐らくなかなか合意形成が収束しないと思いますので、法律改正までいくと時間軸を示すのは難しくなるかもしれません。ただ、制度の改正のめどを付けるというところは、来期の非常に重要な活動内容だと思いますので、そういったところをできる限り明らかにするという方針で、こちらも書かせていただきたいと思っています。
【天野委員】   そういった意味で、文科省さんの中の御都合に合わせて、ちょっと意識していただきながら整理していただけるといいんじゃないかなと思います。
【坂本人材政策課長】  ありがとうございます。
【天野委員】   それで、ごめんなさい。少しだけ余分なことを申し上げますと、制度と、この委員会の中でやることの間を埋めるものとして、さっき岸本主査がおっしゃったんですが、まだ技術士制度をお持ちじゃない国に対して、どんどん指導して作り上げていかないといけないんじゃないかという発言があったんですけれども、結構、文科省さんのいろいろなプロジェクトで、外務省さんと文科省さんがお金を出し合って、いろいろ体制づくりを社会実装していくというような場を幾つかお持ちだと思うんですね。
 具体的にイメージしているのは、名古屋大学さんが法律をやるのに全部、法律のデータバンクみたいなものをお作りになって、逆に日本の法律の考え方を海外に展開する窓口にしようというプロジェクト。オンリーワンプロジェクトだったと思うんですけれども、おやりになっていたりするので。せっかく文科省さんの中にそういう窓口が幾つかあるので、ひょっとしたら政策までいかないにしても、この間をつなぐ実績づくりの場として、何かそんなこともお考えになってもよいかと思います。そうすると、岸本主査のイメージされていることが実現していくんじゃないかなと思ったものですから。少し余分な発言ですが。
【岸本主査】   ありがとうございます。それでは、今の御意見も踏まえて、この資料2-2をごらんになっていただいて。文科省の御都合もあるんですけれども、技術者の仲間としての都合もあると思いますので。
【天野委員】   そうですね。
【岸本主査】   本当に必要なこと、多少無理と思われてもやるべきことも含めて御議論いただけたらいいかなということですけれども。
 先ほどの国際通用性の中のものも含まれているということで、コンパクトにまとめていただいたんですけれども。今、坂本課長からも御発言があった、継続研さん、更新制について。これが18、19なんですけれども。この資料3もごらんになっていただいて、優先順位を、ここは早急に検討というか、実行に向かって何かアクションを起こすべきものの中でも優先度の高いものを拾っていくということで、継続研さん、更新制については、これは近々の課題なので、来期きちんとした形で、実行する形のものを踏まえた何かアクションを起こすべきだということですね。これについては、委員の皆さんからも余り御異論がないのかなと思います。
 それで、今度は国際的通用性の観点の方で、項目が挙げられているんですけれども。今、天野委員からおっしゃった9番ですけれども、これについては、技術者のコミュニティの中だけでは何ともならないことですけれども、是非、文科省がリーダーシップとってやってほしいなということとして、こちらの制度検討委員会の、私もそう思うので、重要項目の一つにしてもいいのかなと思います。ほかに、この国際通用性の中で、特にこれはというのがございましたら、御発言いただきたいと思いますけれども。
 例えば、技術士の英文表記の検討とかは、すぐできるような気もするのですけれども、結構手ごわくて、時間が掛かりそうで、頑張らなきゃいけないものというのはありますでしょうかね。
【塩原委員】  よろしいですか。先ほども言いましたが、4番ですね。相互認証の在り方について検討し、その方針に合わせた方策を進めると。これから日本の中でCPDで技術士を取った方々に大変な労働を掛ける形になると。ある意味、日本にとって大変な損失になる可能性もあるわけですね。今まで技術士を取って何もしなくても、ずっと技術士として活躍できた方々に、毎年毎年、何十時間という時間を、しっかり記録に残していただいて、更新作業をしなくちゃならないということは、そのために発生するのは、勉強という形で、各技術士の方に入ってくるのはありますが、その作業において消費する金額的評価などをしたら、大変な金額が発生するわけですね。そうしたときに、早くこの成果を出さないと、それをやる意味がないのではないかと。
 つまり、国際的通用性のためにCPDで日本として大変なお金を掛けましょうと言っているにもかかわらず、国際的通用性は何も、いつまでもたっても進展しませんというと、それに関わる費用が結局損失になるのではないかと非常に感じる次第です。
【岸本主査】   今のお話は、18、19と4等々が実際には密接に絡んでいて、この辺をきちんとやらないといけないじゃないかと思います。そうすると1番の項目、これをきちんと整理して、位置付けをして、更新制も入れ、相互承認に持っていくということで、1もきちんとやりながらになるんじゃないかと思いますけれども、どうでしょうかね。
【塩原委員】  1は、今回御報告いただいた内容で、もうほとんどまとまっているのではないんでしょうか。
【岸本主査】   1の中では、先ほどの御質問ありましたけれども、まだ整理ができていないんですね。技術士全体を国際的な通用性のある資格に持っていくのか、技術士とAPECエンジニアという形で国際エンジニアと2段階にするのかは、まだはっきりここでは、どちらに持っていくかというのをやっていなかった。
【野島係員】  そうですね。例えば技術士を国際的に通用するものにするとなった場合に、例えばAPECエンジニアに求めているものをそのまま技術士に求めるのかというところ等を考えると、ちょっとまだ決め切れないのではないかという議論になっていたかと思います。
【岸本主査】   この相互承認、他国へ資格の確立、それと日本の制度をどうするかと。この辺、まだリンクしていて、そこをきちんと体制整えて、どういう更新制にするかというのは議論が要るのかなということじゃないかなと思います。
【奥野主査代理】   よろしいでしょうか。それはなかなか決め切るのは難しいんじゃないかという気がするんですよね。そんなこと言い切っちゃいけないのかもしれませんが。
 例えば、この国際的通用性の中でも幾つか課題があります。現実問題として、APECエンジニアの登録がどんどん減ってきていると。これはいろいろな理由があるんでしょうけれども、その一つに、さっきの活用が十分なされていないということがあるんだろうと思うんですね。
 そうすると、技術士資格と、どこかの国の資格と相互認証しましょうよといっても、何かそういう一つのツールであるAPECエンジニアが、日本はどんどん減っているじゃないですかと。そういう現実で国際的通用性を議論するのはどうなんでしょうかということを言われないためにも、例えば、このAPECエンジニアの数を、まず増やすと。それで、そういう資格を持った方が日本には大勢いらっしゃるので、次の段階として相互の認証に持っていくとか、今のは私の勝手な考えですけれども、そんなステップを考える必要はないかなという気がしたんですけれども。
【岸本主査】   国の目標として、最初の目標はどっちに行くかと。
【奥野主査代理】   最終目標は、技術士を取れば世界の国で通用するというのは最終目標だと思います。私としては。
【岸本主査】   例えばオーストラリアは今回、APECエンジニアの登録数を桁違いに増やしたんですね。それは、同じ資格ではないんですけれども、チャータードエンジニア取得後にCPDをやっていって、国際的に大丈夫だとなった皆に資格を付与する仕組みを作って、自動的に増えるようになる。それで登録者をわっと増やして、やっぱり国として技術者を外に出すなりして、自分たちの国の技術力を増強させようという国の方針の下というか、エンジニアの人たちが考えてやっているとすると、ある種、そういう方針を決めて、日本はそのようにするのか、また別のやり方をするのかがあると思います。そうすると、更新制だとか、いろいろなところと絡んでくるように思います。
【奥野主査代理】   そうなんですね。
【岸本主査】   その辺をしっかり来期詰めて、方針を立てたらいいかなと。それも相当急ぐんじゃないかと思うんですよね。
【天野委員】   はい。正直言って、鶏と卵だと思います。きちんとやっているうちに、なくなったらどうするんですかという塩原委員の意見に私は賛同するんですけれども。やっぱり技術士制度は難しいので、とにかくいい制度だということを信じて、もうイコールだという立場で、まずは進めてみて、足りないものがあったら、そこに考え方を変えていけばいいんじゃないかという気がするんですが。
【岸本主査】   あと、これ相互承認なので、相手の国が制度的に認めてくれないと、日本が幾ら言っても、IEAの中で、日本はほかと違うと言われちゃうと、まずいということもあって、その辺の整合性は、ちゃんととっておかなきゃいけないんですが。
【天野委員】   そうすると、そのIEAで、ここが違うじゃないかという、課題を幾つか突き付けられているんですか。そういう提案はしたんですか。
【岸本主査】   今現在、ちょうどレビューが入っているところでもあるし、ほかの制度と違っていると、そこについては、丁寧に説明して理解していただかないと、その審査のレビューの人たちから宿題がまた来てということになって。そうすると国の制度を変えなきゃいけないとかですね。だんだん国が増えてくると、感覚として、結構厳しいチェックをお互いにしているという状況になってきているので。日本が、ただいいですよと言っても、なかなか、国際関係になってくるというところです。
【天野委員】   そうすると、同時並行でやられるのが一番効率的ですよね。
【岸本主査】   そうです。だから、やはり国際通用性がある仕組みをちゃんと作りながら、日本で多くの技術士の人たちも、きちんと技術士として活躍できつつ。全員が同じだと言っちゃうと、また問題があれば、そこのところは、しばらく時間掛けて調整していくとかという方針なのかなと思います。ということで、今、1は済んでいるわけではないということで、1、4、9辺りが整えなきゃいけないことかなと思いますけれども。
 それでは、また戻っていただいて、活用促進・普及拡大の中で急ぐこと。これは、みんな急ぐことかもしれませんが。
【岩熊委員】  受験する人が少しずつ減ってくると思うのです。これは取った人のことを考えている議論ですけれども、技術士を増やす、先ほどの持っていない人も技術士を持ってもらわなきゃいけないという御発言もですが、そこの取組はとても足りていないと思います。どうやって活用されているかというところをもう少しはっきりさせるとか、あるいは働き掛けるとかしないと、魅力を感じてもらえないと思います。
 この10から17の中で、どういうふうに考えて力を入れていくのかなというのは少し分からないというか、見えないですけれども。これは学生だけじゃなくて、持っていない人に。日本の技術者の中で持っていない人にも、どんどん取ってもらう。それには、活用促進がないと、なかなか周知できないかなと思うのです。これは結構急ぎというか、何年かたったら少しずつ受験者も減ってくるし、今の実質の技術士の数というのは、統計の数値と実態の数値を考えると、そんなに多くないので、もっと技術士を増やす。活用される。これは我々だけが言っても仕方のないことかもしれないですけれども、やはり活用の場を増やしていくような取組について、提言とか何か出していくようにしないといけないと思います。
【岸本主査】   そうですね。この中で。少し話が戻ってしまうかもしれませんけれども、10と11と12から後が、ちょっと性格が違うようになっているのかなと。
【岩熊委員】  そうですね。それはありますね。
【岸本主査】   それで、岩熊委員がおっしゃったのは、この12から17に関係しているところですけれども、これは誰がどういう形でやればいいかという問題で、例えば制度検討委員会でやりましょうといっても、やる人たちがいないとできないんですよね。これ、政府がやる問題じゃないかもしれないですよね。だから、むしろ、技術者のコミュニティとして、どういう枠組みでこれらを実行していったらいいかという話になると、どこにボールを渡せばいいのかという問題じゃないかなと思うんですけれども。どこに渡せばいいですかね。すぐにやってくださいといって、誰がすぐにやるのかなという問題ですかね。
 何か、技術士会が中心に全部やってくださいといっても、なかなか。
【高木委員】  それは無理ですね。
【岸本主査】   でも、技術士会にボールを投げたら、どこに行くかとか。これを見ていると、やっぱり自分たちが技術士として動かないと、これはできていかないことかもしれないなと。
【岩熊委員】  技術士が動かないと、ということですか。
【高木委員】  今のお話で、この別紙1のところに、技術士資格の活用についてという、これは非常に分かりやすく整理されていると思うんですが、今の丸1の公的活用というのは、この10番、11番のところの部分で、これについては日本技術士会としても、後でも少しお話をしますけれども、こういうところで技術士を活用いただけるのではないかということを取りまとめて要望をしていきます。これは関係省庁の方に、ある意味PRしていくというところです。
 丸2のところが、少し色合いが違っていて、民間企業において、もう少し技術士の資格を、例えば監査制度だとか、それから教育制度だとか、そういうところに使ってもらえないだろうかというところです。ですから、全然アプローチが異なっていて、何か仕組みを作らなければいけないのではないか、文部科学省なのか、経済産業省なのか、そこはちょっと分からない。ここは全然、アプローチを変えなければという気がします。
 それが、PRと書いてある12番のところだと思っていまして、そこから下は人材育成みたいな話になってくるので、そこはまた別のアプローチになると思います。今、技術士会としては、やっぱり10、11、それから12ぐらいのところが中心になるのかなと考えています。
【岸本主査】   そうすると、この13、14、15、16は、どこがどういうふうにやればいいかということですよね。
【高木委員】  そうですね。
【岸本主査】   ここのところが進まないと、活用ということに対しての、この普及に対して、なかなか進んでいかないのもあるかなと。待っていても、なかなかできないことですよね。
【中谷委員】  何か話がかなりレベルが下がるかもしれませんけれども、PRという意味だと、やっぱり露出度といいますか、ニュースであるとか、コメンテーターとして出るとか、あるいはドラマの中でちょっと一言言われるように。今、技術系の番組やっていますけれども、そこで上位の技術者が技術士の資格を持っているぞとか、そういうようなことをちょこちょこと入れるだけでも、全然認知度って変わってくると思うんですよね。そういうところから学生も興味を持って、じゃあJABEE認定されている学校に行こうかなとかというところで下地ができてくるのかなと思いますけれども。
 ここで認知度を上げなきゃいけない、上げなきゃいけないと言っていても、それなりに大きな企業の中には技術士の組合というか、グループがあって、新人が入ってきたら、ちゃんと技術士の資格を取るように教育はしていると思うんですね。ただ、社会として認知度が低いというと、社会レベルに合わせたPRというのをやっていく必要があるかなと思うんですけれども。
【岸本主査】   そうですね。それを、どこが中心になってやるかということで。
【中谷委員】  そうですね。
【岸本主査】   やっぱり民間の力でというか、コミュニティの力でやるのを、何か組織化が必要であれば、組織をするお膳立てというのはありますけれども、実際には、やっぱり技術士の方々と、それを取り巻く人たちで推進することですよね。
【塩原委員】  あと1つ。日本技術士会の方で少し提案していただいているのに、技術士補の名刺を用いて活動することが可能にするという提案がございまして、今、日本の中で技術士の数が少ないというのは、技術士補相当の方々がいっぱいいるんだけれども、技術士を取得するまでにはかなり時間が掛かると。しかし、技術士補の方は名刺に書くこともできないというと、なかなか、特に若い方々ですね。30代ぐらいの方々が多分、名刺に技術士補というのを書いて、あちこちでPRすれば、あっ、技術士補という人は、こういう優秀な人なんだというのがだんだん分かっていただけると。
 だから、例えば今の法律を改正して、技術士補というのを名刺に書いてもいいと。今は技術士しか書けないわけですね。技術士補の人は名刺に書けないんですけれども、そういうのを書けるような形にするだけでも、結構PR効果は増えるんじゃないのかなという気がするんですが、いかがなもんでしょうか。
【野島係員】  済みません、確認をしていないんですけれども。技術士と技術士補というのは並列に扱っているので、技術士補のみで業務を行うことはできないけれども、恐らく名乗ることは基本的には許されているので、単独で業務はできないけれども、技術士補という名称を名刺に書くことを禁じているということはないんじゃないかと思います。詳細は確認いたしますが。
【塩原委員】  今、例えば技術士というのを書こうとしたら、部門までしっかり名刺に書きましょうと言われていて、技術士補として書いていいとかいうふうには、何か余りなかったと思いますが。
【岸本主査】   あともう一つ、その辺については、8番の英文表記のところで、その部門もといったときに、部門を書いているのが日本だけなんですね。なので、そういうふうにしない方がいいんじゃないかという意見もあって。通用するエンジニアであるということだけが本当は名刺としては必要だとすれば、余りそこも書かないでいいんじゃないかというのが。技術士補の英文名も含めて考えておかなきゃいけないというのが8番です。日本語よりも英語で出す方が、これから大切になってくるのかなということです。
 それで、今、9、10については、これは引き続きやるということなんですけれども、これは継続的なものだから、余りプライオリティー高くということには、こことしては言いにくいんですけれども、どれを一番、この10から17でプライオリティー高くやりましょうかと。14ですかね。
【天野委員】   私の個人的意見は10番です。
【岸本主査】   10番。それはずっと継続してやるので、これはもうプライオリティー高いんです。10と11は、これは、どちらかというと官庁に働き掛けるから、政策的なものだから、これはこれとして、この部会としてやりましょう。だけども、もう一つ、12から17の中で、どの辺りをしていくというのは、これはかなり民活なんですよね。
【塩原委員】  今ほど天野委員がおっしゃっておられましたけれども、やっぱり技術士のメリットがないと駄目だと。そういう意味で、この公的事業とか、何か資格的に非常に有効だというふうになった方が有り難くて。例えば今、いろいろ検査の不正問題とかが起こっていると。そういうような検査員に、技術士はすぐなれますというようなことにするだけでも、結構メリットとして出てくる次第ですし、ああいう不正問題も、かなり防止できると。
【岸本主査】   それはそれでずっとあるんですけれども、実は若い人たちは、そういうことだけを目指しているんじゃなくて、自分たちがプロフェッショナルなエンジニアだということのステータスを自分たちで作っていきたいと。要するに、公的なことがあるから取るとかという以上のことを技術士資格に求めているとすると、やっぱり、この12から16をきちんとやっていかないと、そちらは広がらないので。10、11はやるにしても、この12から17をどうするかが、かなりの大きな課題じゃないかというので、どうしましょうかと考えていただけると。
【岩熊委員】  昔は技術士を取ると必ずしも御飯が食べられるというわけではないですが、資格手当があるとか、公的に使えるということがそれなりにメリット的だったのです。最近は、先生のお話を伺っていると、キャリアとして技術士を考えている若手、中堅、ベテランに行く前の中堅が多くなっているということですよね。
【岸本主査】   若い人たちが目指すのは、どちらかというと、そういうところも多いという。
【岩熊委員】  そうすると、それで14番のことをおっしゃったわけですか。
【岸本主査】   はい。この技術士分科会も、ずっとこのキャリア形成スキルの話と周知をして会社の中が活用というんですけれども、そちらの動きが余り目立ってないというのは、やっぱり技術者としてのコミュニティの人たちが動かないと動かないのかなと、そういう印象なんですよね。それを、周りも応援だとか、みんなで取り組まなければいけないと思うんですけれども。若い人たちだとか、いろいろな人たちに技術士になってもらうには、公的事業だけではないわけですよね。海外でも、そういう状況で技術者が増えているとすると。
【高木委員】  14番のことが、これが推進されれば、私は12番の民間企業での活用につながるということで、私は12番じゃないかなと思っているんです。私は12番が目的であって、14番は、それをやるための制度づくりとしての位置づけとして、こういうことがあってもいいと思っています。
【岸本主査】   恐らく14と12を一緒にしないといけないということですよね。
【高木委員】  そうですね。何のためにこういうことをやるのかというところが明確にしないといけないような気がしますね。
【岸本主査】   PRだけじゃなくて、やっぱりそうですよね。具体的に会社の中でこういう制度を作っているとか、そうするとこの会社はよく技術者が伸びますとか、若い人がそういう会社に入った方が伸びますとかというようなことを、いろいろ訴え掛けていかないといけないですよね。
【高木委員】  民間企業で、技術士という資格を持っていれば、こういう役職に就けますとか、いろいろなところにも使えると思うんですよね。
【奥野主査代理】   この表の12番では、ちょっと読み取りにくいんですけれども、この報告書の取りまとめの5ページの一番下に、民間企業等への利用ということで、企業での取組等を紹介すると、こういうような文言がある。どこそこの会社では技術士をこんなふうな局面で活用しておられますというような、そういう書き込めるものをどこかに開くというのも一つの方法かもしれませんね。PRの一つの方法だと思います。技術士会のホームページを見れば、A会社でこういうことをやっているというのが分かるよとか、そういうことをやるのかどうかという議論になるんですけれども、それも一つの方法かと思います。この表の12番の書き方だと、何か全然別の人がPRしていくというイメージになっちゃうんですけれども。
【岸本主査】   PRという書き方じゃない方がいいですね。
【奥野主査代理】   そうですね。事例を広く紹介するとかでもいいのかもしれませんし。
【岸本主査】   紹介するというのを、どこがやるかですね。
【奥野主査代理】   そうですね。問題としては、どこがやるかというのは常にあるんですけれども。
【岸本主査】   ここの分科会がやっていいのか。来期に、ちゃんとこれを動かせる仕組みを考えて、みんなで動かしましょうみたいな形でしょうかね。
 公的活用は増やしていくというのは一つ大きな柱として、もう一つの民間のところについて、こちらも体制を整えてやるべきだということになるのかなと思います。
 次が、18、19は重要なポイントとして出てきているわけですけれども、20、21、22の辺りで、先ほどの技術士補ということもありましたけれども、各国のことを考えると、このIPDの整備、充実化というのは、日本として急ぐことのように思います。
【塩原委員】  IPDの言葉自身、知っておられる方は非常に少ないのではないかなという気がするんですが、その取組を、必要だということを知っていただくために、なぜIPDなのかと。なかなかそれを周知徹底させるのは、難しいのではないのかなという感じがするんですが、いかがなんでしょうか。
【岸本主査】   いろいろなところで今、動きがありますので、それを後押ししてあげるというのが必要かなと思います。これからIPDの話はいろいろなところで出てくると思いますので、それを踏まえて、ここはきちんと出しておいた方がいいかなと。
 というのは、エンジニアのキャリアパス考えたときに、大学ではできないんですよ。できないから技術士制度があるので。そうしたら、大学を出た後に、エンジニアの人は、じゃあ、どう研さんをするかというのがIPDなので、この仕組みを日本として作っていったらどうかという。その中で技術士になっていく人たちが生まれてくるという。この制度は、これから作ることだとすると、非常に大事なものかなと認識しているんですけれども。
【奥野主査代理】   よろしいでしょうか。以前からIPDの議論は出ておりましたので、重要なことだと思うんですけれども。また同じように、これを誰がやるのかという話が出てくると思います。そのときに、IPDというのは、今、我々が議論しているのは、技術士の資格を取るためにも、大学出た直後ぐらいから、いろいろな意味で勉強する機会が必要ではないかというような議論をしたんです。そうでない技術者一般論としたときに、このIPDがどういう目的でやられるのかというのは、どんな感じなんでしょう。そこは余り議論する必要はないですかね。
【岸本主査】   いや、あると思います。要するに、技術士だけに特化したものじゃなくて、この技術士キャリア形成というのが、技術者一般のことについて作って、結局一人前の技術者になるためには、こういうところが必要ですと書いてあるので、もっと広くIPDを取り上げて、その中に技術士が入ってくるのが望ましいんじゃないかな。
【奥野主査代理】   そうですよね。そうすると、じゃあ、どんな勉強をしてもらうのかというのは、これはなかなか分野が広いですから、その辺、中身どんなものにするかというのは大変難しくなってくると思います。
【岸本主査】   ある種は、Professional Competencyというのは世界的な枠組みの中で考えられている。そのコンピテンシーをどう身に付けるのかというのを考えていって、それを産学連携でやるのか、いろいろな形でやっていこうということになればよいと思います。
【奥野主査代理】   そうすると、イメージ的には、専門技術というよりは、もうちょっとコンピテンシー、マネジメント能力につながる部分とか、そういうような分野の勉強が中心になってくると、そういうイメージですかね。
【岸本主査】   はい。
【中谷委員】  そういう教育を、いろいろな大学でやろうとしたときに、ちょっと壁になるところが何かといいますと、今おっしゃったように、いろいろな分野があるんですね。IPDというと、一応GAはクリアして一次試験に合格、あるいはJABEE終わっている人たちが受ける教育で、このGAから技術士の二次試験合格までの、この差分がIPDで埋めていくところだと思うんですけれども、各分野で一体どういう教育をすればいいのか。企業の中でできることと、あるいは、例えばインターネットを介した教育ということで単位やポイントをとっていくとか、そういう形でできることというのが違うと思うんですけれども、その辺が今、全然整理されていないんですよね。それが具体化していくと、いろいろな大学が、例えば、ああ、うちはこのことについては、もう授業があるので、これを公開講座として提供しますとかいうことがいろいろ、日本全国で動きが出てくると、また技術士の認知度も上がっていくんじゃないかなと思うんですね。そこが今ないので、IPDやらなきゃいけない、PRしなきゃいけないといったところで止まっているので、もうちょっと具体化をする必要があるかなと思います。
【岸本主査】   今、社会人の学び直しとか、リカレント教育といったとき、具体に何をするのか、このIPDの制度をちゃんと作れるかどうかとも関係してきているので、文科省の大きなプロジェクトの中に入れていただくというようなことでもあるかなと。要は、知識を増やしていくということよりも、Professional Competencyを高める方がエンジニアとして活躍できるんじゃないかという意味で、じゃあ一体何をしていったら、技術者の力が高まるのか。これは教育関係者もそうだし、技術者として大きな問題なので、すぐにできるかどうか分からないですけれども、仕組みを作って立ち上げるというのが大事じゃないかなと思います。
 このIPDというのは、いろいろなところで出てきたので、ここもハイライトして出しておいた方がいいかなということで。はい。
【坂本人材政策課長】  ありがとうございます。今、岸本主査から文科省のプロジェクトという話があったので発言いたします。これは先ほど御議論いただいた12、14など、民間企業に技術士が持っている付加価値といいますか、雇用主にとっての付加価値は何かということと密接に関連して、これは教育の方でも相当議論になっています。明らかにニーズが出てきています。
 それにはやはり2つあって、それは今、先生方が御議論いただいたマネジメント能力というか、問題解決能力ですね。これが1点と、もう一つは、やっぱり数理データ。要は、AI、IoT。例えば土木だとi-Constructionとか、生産技術ですとインダストリー4.0と言われていますけれども、これも明らかにニーズがあるんです。そこの能力開発というものを今、各大学でもやろうとしています。ここに、まず国際通用性のところに書いていただいていたとおり、複合的な問題解決能力というのは、まさに、その問題解決をするための能力と、かつ、それを行うために今、非常に重要視されている情報技術等のツールを、どうIPDに取り込んでいくかというのは、企業にとっても非常に重要な要素です。したがって、先ほど主査に御指摘いただいている技術士、あるいは技術者コミュニティが民間企業ともっとがっちり組んでいくというところのチャンネルは、もう今、開かれつつあるんですね。だから、それにこの技術士資格をどう乗っけていくかというところの話で、これは多分、分野ごとには当然違いますが、共通しているものは相当あって、そこの部分をどのように特定をして、IPDのプロセスに組み込んでいくかと。これは、技術士会さんと我々も議論したいと思いますけれども、そこは、私は明らかにニーズがあると思います。大学が、もうこれ取り込み始めていますので。
 ちなみにマネジメントは今、典型的な例は起業家教育、アントレプレナー教育と言っています。これは、デザイン思考とかという話ありますけれども、これは明らかにもう、この問題解決能力なんですね。ということでございますので、是非そういったところを突っ込んで議論をしていただいて、我々も取り組んでいくことは必要かなと思っています。
【天野委員】   今のお話聞いていて思ったんですけれども、理研さんがAI関係の人材育成でAIセンターを、杉山センター長、メーンにされているじゃないですか。そうすると、各産業界の分野ごとに、その分野のキーワードをお持ちの方を集めて、AIとしてのツール教育をするということで、あそこ、今、殺到しているんですよね。物すごい競争率です。だけど、そういうようなところ。理研さんは特定研発法人だし、文科省さんの中の独法さんでもあるので、せっかく、そういうふうに華々しくおやりになっているところで、ちょっとヒアリングを掛けてみて、どんな感じなのかということを具体でおやりになると、一つのチャンスはあるんじゃないかと思います。
 理研が成功しているので、今、産業界のそういうツール持っている会社がどんどん、そういう人材育成マーケットに乗り出してきているんです。だから、これは早く手を打たないと、いろいろなところで、いろいろな考え方が出てきちゃうかもしれませんよね。ちょっと今お話を聞いて、それを思い浮かべました。
【岸本主査】   次の技術士試験の適正化なんですけれども。二次試験については今回、改定になるということなんですけれども、一次試験が積み残しになっているので、これは何とかしないといけないということで、一次試験の話かなと。
 あと、26については、いろいろな要望があるんですけれども、これは二次試験の改定の中で入れていくんですかね。急ぎは23かなと。26も本来はしたいなと。この辺り。あと総監です。
【奥野主査代理】   27ですね。まだまだ課題が多いですね。
【岸本主査】   これ、ずっと積み残しになっているんですけれども、そろそろ決着を。
【奥野主査代理】   今の話とちょっと違うんですけれども。25番も報告書の中で、どこかで触れられると思うんですけれども、合格率を上げるということは試験のレベルを下げると誤解されないような書きぶりに、是非しておいていただきたいです。そこだけ、よろしくお願いします。
【岸本主査】   はい。結局これはIPDの方に持っていけばいいかなと。
【奥野主査代理】   ええ。うまく変わるかどうか分からないんですけれども、IPDをすることによって合格率が上がっていくと、そういう施策に結び付くということでしょうか。
【岸本主査】   そうですね。
【奥野主査代理】   本当はどういうところで残念ながら受からなかったかというような、その試験の内容と、その辺の出来具合の分析をしっかりやらないと、レベル下げないで合格率を上げるというのは、すごく難しいと思うんですけれども。
【岸本主査】   もう一つは、自分がどういう形で合格判定になるのかが、何を目指した試験なのか分からないと。今度、コンピテンシーベースにしたから大分分かってもらえるようにはできるという期待もあるんですけれども、落ちたときに、じゃあ次は何をしたら良いのかって、いろいろな話は聞くけれども正確ではないというと、どうやって頑張っていいか分からない人たちが多くなっちゃうとまずいかなということも。
【奥野主査代理】   済みません、ちょっと話がそれちゃって申し訳ありませんでした。
【岸本主査】   だから、合格率についての検討を行うのは、余りこれをプライオリティー高くやるのは、奥野委員の話のとおり、これが目的じゃないですね。
【中谷委員】  これについて、各国のPC獲得の試験の内容について、どういう観点から、どういう試験をやっているかという資料があったと思うんですけれども、それを比べると、やっぱり日本は、余りにも多くのことを評価し過ぎているような気がしないでもないんですね。それで、総監とも話が関係するかもしれませんけれども、以前の技術士に求められているコンピテンシーというか、技術士資格のレベルというのと、世界標準で技術士、プロフェッショナル・エンジニアが持っているべき能力というのとの方向はちょっと違うような気がしているので、そこはレベル下げるとか上げるとかではなくて、35歳で取れるということを言っているということは、やはり活躍してもらうために与える資格であるというような位置付けで、もう一生懸命その辺周知しようということで、キャリアスキームとかというのを定義していると思いますけれども、そこら辺が今ちょっとずれてきていることで、合格率をなかなか上げられないのかなという気がします。他国と比べて。
 見方を変えるというか。余りレベルを下げるとか上げるとかというところではないような気がするんです。
【岸本主査】   質が違うんじゃないかというところ。
【中谷委員】  質が違う。そうですね。
【岸本主査】   それで、27どうしましょうか。二重丸付けておくか、付けておかないかなんですけれども。
【塩原委員】  総合技術監理として、全体の中の13.8%もの人がいて、機械とか電気・電子などよりも多くの方々が総合技術監理にいるということから考えると、これを議論しても結論は出ないのではないかと。つまり、非常に多数の方が既に今、総合技術監理を取った方がいらっしゃるわけですね。
【岸本主査】   もう一つは、国際的な資質を持ったということになると、実はPCの中にかなり入っているんですね。なので、技術士の人たちが、ほとんど持っていなきゃいけないそれだとすると、こういう試験でやっていいかどうかという議論なんです。総監そのものがね。だから、どういう位置付けに総監を持っていったらいいのかであり、なくすとかという話じゃなくて、技術士制度の中にどう形で入れるのが適切なのかについて、そろそろ結論付ける必要があるように思います。この点が中途半端になると、総監に対して適切な試験が実際にやれるものなのかという議論も出ていると思いますので、この辺の議論はちゃんとしておいた方がいいかなと。
 なので、難しい問題ですけれども、二重丸付けておいた方がいいかなと。何とか結論は出すというか、道筋だけでも付けないことには。今期も余り議論できなかったので、是非、来期はこれを議論していただければと思う。
【中谷委員】  質問なんですけれども、それはAPECエンジニアを増やそうというところと競合することはない。それとも同化していくようなイメージを持たれていますか。
【岸本主査】   はい。
【中谷委員】  じゃあ、これは、1番と関係してくると。
【岸本主査】   関係してくるのと、Professional Competencyといったときに、今、技術士に求められるというのは出したんですけれども、総合技術監理部門の技術士に求められる資質能力って余り打ち出されていなくて、陰に隠れているんですよね。だとしたら何なのかって、ちゃんと出しておかないといけないし、それを次の作業としては、やる方がいいかなと思います。議論としては、まだ必要なところあるんですが、きょう頂いた議論と、今、二重丸を仮に付けさせていただきましたので、これを基に事務局と整理して、次回また御議論いただく。それをまた、更に技術士分科会でということになりますので、きょうはこのぐらいのところでとどめさせていただきたいと思います。
 それでは、机上資料で技術士会での検討状況ということで、これについては高木委員の方から御説明いただけますでしょうか。時間が迫ってきているところでもあるんですけれども。
【高木委員】  手短に行います。
【岸本主査】   10分ぐらいで御説明をしていただいて、皆さんから御意見いただければと思います。
【高木委員】  分かりました。資料が机上1から3までの3つに分かれていまして、まず机上2という、この報告書がございます。技術士制度改革について(提言)(中間報告その2)ということで、昨年の6月に報告を出してからの2回目の報告になります。7月に作成しました。
 次のページに目次がございますが、内容としては、各国の技術者資格制度の比較をした上で、4つの課題について、ここで検討しております。
 1点目が更新制度の導入、2点目が技術士補の在り方、3点目が技術士の国際的通用性について、4点目が資格の活用と、この4つについて検討しました。そのうち更新制度、技術士補については、今後、法改正も含めた検討が必要だろうということで、どういう形にしていったらいいかということの検討までしたということです。
 きょうの説明は、この机上1と3というところで概略をお話ししたいと思います。
 机上1の方で少しざっと説明をいたしますと、今お話ししたのが概況です。技術士の登録者が今どうなっているかというのが、この机上3の。あちこち行って申し訳ないですが、めくっていただいて、スライド番号の3番、4番、3ページ目、4ページ目のところにございます。
 これ、今年の3月末の時点の登録者数になりますが、実数で8万9,780ということで、おおむね9万人います。総合技術監理含めた21部門の登録者の状況が示されています。そのうちの日本技術士会の会員数が1万4,865であり、その部門ごとの人数が出ております。
 今回、先ほどの4つの課題について検討したということで、まず1点目の更新制度の導入というところですが、スライド番号5番のところ、並行して見てください。ここに技術士と海外の技術者資格の比較という一覧表がございます。先ほどの国際通用性の分科会の方にも詳細ありましたけれども、ここで着目しているのが、更新制度が各国にあるのか、ないのか。そして、そのときのCPDとして、どれだけ義務付けているのか。それからもう一つ、協会への加入の義務化がされているのかどうかというところを、ここで整理をしました。
 これを見ていただきますと、日本だけが更新制度がないという中で、やはり、ここは何とか制度を入れていかなきゃいけないだろうということ。あとの運用の問題として、本当は資格要件として加入するということになればいいんですが、そこまですぐにはいかないと思いますけれども、資格の導入というところを、ここで着目しております。
 それで、少し戻っていただいて、机上の1番の更新制の導入というところに現状の課題と更新制度の概略を示しています。概要としては、更新の対象者としては先ほどの9万人全員を対象としましょう。更新期間としては5年に1回を行う。そしてCPDについては、年20時間を必須としましょう。ただ、APECエンジニア等で求められている50時間については推奨するということで、50時間というのは一つの区切りとして考えたいと思っています。そのための自己学習、eラーニング等での取得、それから主要国の資格更新の場合と同レベルと考えられる時間の設定も考えています。あと更新講習についても検討を行っていって、技術者倫理あるいは最新の動向等の講習を考えています。
 あと、更新講習の未受講者の扱いをどうするかが、今後の法律改正等で問題にはなろうかと思います。この中では名簿の作成をして、更新の修了者については、その名簿に載っける。それを公開をしていくと。未受講者については技術士の名称を使用できないようにしたらどうかということを、検討をしました。
 それが、先ほどの資料3の方でいいますと6ページ目に、どんなやり方をしていったらいいかということの案を示しています。
 これらの案に関して、会員の方々に意見を求めました。それがスライド番号の7番のところにございます。更新制度に関する会員からの意見というところです。トータル150名以上の方から御意見を頂き、その中で賛成が122名で反対が5名でした。反対の中の主な意見としては、そもそもこういう更新制度は要らない、なくていいんだという主張がほとんどです。あと条件付の賛成も含めて、96%の方の賛成を得ています。
 ただ、意見としては幾つかございまして、更新の期間、あるいはeラーニングの充実をもっとしてほしいだとか、そういう制度に関する要望も、かなり出ているということです。
 その他のテーマです。技術士補についてですが、これは先ほどの資料1の方です。技術士補をやめるのかどうかという話も一時期ありましたが、今回は、技術士になるための学びの期間だということを明確にして、修習技術士という名称変更したらどうかというようなことで、技術士会の中では整理をしています。
 あと、国際的通用性確保は先ほどお話ししたような話ですので、資格の活用というところです。現在、建設系分野ではかなり活用されているという実績はございますけれども、各技術分野の方で要望を出してもらった上で、複数の資格で要望書として整理をしているところです。
 それが、スライド番号8ページ、9ページのところに一覧がありますが、10ページのところに、要望書という形で取りまとめて、関係省庁に働き掛けをしていこうとしているものを示しています。
 ここまで、技術士制度検討委員会というのを技術士会の中に設けて、具体的な制度設計も含めた検討をしてきました。特に更新制度導入については早期の実現を目指した検討を、文部科学省さんとも協議しながら、今後進めていきたいと思っております。
 以上でございます。
【岸本主査】   どうもありがとうございます。それでは、これに関して皆様の方から御意見あるいはコメントを頂ければと思いますが、いかがでしょうか。
【塩原委員】  じゃ、よろしいですか。非常に日本技術士会の方で立派な検討をしていただいて、いろいろな提案が早く審議をして実現をする必要があると思いますので、是非そこのところを、この活動の中に入れていただけると有り難いと感じます。
【高木委員】  ありがとうございます。
【岸本主査】   そういった意味で、きょうのこの分科会としての取りまとめの中でも更新制度のことをきちんとハイライトして、来期は実現に向かう道筋を立てていくというんでしょうかね。そうなっていってほしいなということになるかと思います。
【佐藤委員】  更新制に関しては、かなりポジティブな意見ですけれども、これ、技術士会に入っていないような方もかなりおられると思うんですけれども、全体として見た場合は、やっぱり、もう少し率としては下がる。
【高木委員】  これを実行しくためには、技術士の資格を持っておられる方、登録されている方全員に意見を聞く必要はあるとは思いますけれども、今まで技術士会の中では、いろいろな場面で、この説明をずっと、かなり綿密にしてきています。ですから、かなり理解は得られているんだと思います。
【佐藤委員】  つながりを持っている方にはということですね。
【高木委員】  ええ。少なくとも技術士会の会員は、こういう状況だろうと思っています。
【塩原委員】  いいですか。佐藤委員の話、報告書の10ページの中に、更新制度今後の検討課題と表6がございまして、その中のCPDで、一番下のところに、他の団体のCPD証明書というような項目も挙げていただいていると。例えばCPDとして、日本技術士会の中のシステムで登録されている人もいれば、ほかの学会等で登録されている人もいると。そうすると、制度がいろいろ違いますので、全く同じ時間で評価はできないかもしれないんですが、例えば、ほかの学会の場合は、50時間だったら20時間相当として認めますというようなやり方もあるのではないかと思いますので、何かほかの、日本技術士会以外のところで活動されている方も対応できるようにしていただけると有り難い。
【高木委員】  そうですね。それはもちろん、そういうことは考えたいと思います。
【岸本主査】   これを制度として作ろうとしたときには、多分、文科省の中に、この関係の委員会を特別に作って議論していくという形でしょうかね。
【坂本人材政策課長】  よろしいですか。これは技術士会さんとは内々議論を進めさせていただいておりますけれども、非常に技術士会さんの方で重要な提言をまとめていただいたなと思っています。この提言を更に具体化する作業を、これから文科省も一緒にやらせていただきたいと思っています。
 先ほど塩原委員からもお話が出ましたけれども、更新制、CPDを導入したときに、技術士として今活動されている方々に確かに負荷が掛かると。その負荷という意味は、CPDを受けることだけでなくて、受けなかった場合に、例えば登録が停止されるとか、そういったところまで含めてですね。もし本当にそうするのであれば、これは法的措置も必要になりますので、そこら辺を考えなければいけないと。法的にどういうことが可能なのか。もしかすると不利益処分の話が出てきて、それは法的オプションとして成立しない可能性もあるんですね。そこは法律専門家を交えて検討するという作業を、これから始めます。
 それと、実際、今お話ありましたけれども、他の学会のCPDをどう取り込むかとか、時間数どうするかと。まだ課題が相当あるので、総合的な意味での負荷も考えた上で、でも更新制は当然必要であるという流れになるので、そこの比較考慮で、どのオプションがいいのかというところを整理するという作業を、まずは法律的なオプションを整理する方から我々、技術士会さんと一緒にやらせていただきたいと思っています。たたき台は当然要るので、それは文科省、技術士会の方で用意をするんですけれども、それをチェックする委員会というか、有識者の先生方によるグループを、これは今、私個人的な考えとして、やっぱり技術士分科会の下に特別に設けさせていただくとか、よく御相談をさせていただきたいなと思っています。
【岸本主査】   そうですね。そうすると、今回のこの部会の報告書の中に、事前にすり合わせをして、こういうのが必要で、来期作りますみたいな、作ろうみたいなことを入れておくというのが、次に進めることでしょうかね。
【坂本人材政策課長】  そうですね。
【岸本主査】   その辺どういうふうに作るかについて御検討いただいて、うまく、この報告書の中に取り込んで動けるようにしておいた方がいいかなと思いますので、よろしくお願いします。
【坂本人材政策課長】  盛り込み方を、よく相談させていただきたいと思います。
【岸本主査】   はい。ほかはよろしいでしょうか。技術士会の方で大分、御検討が進んでいるということで、実現に向かって動くときすごく参考になるのかなと思いました。
 それでは、ほぼ時間になりましたので、本日のところについては、これで終了させていただきたいと思います。先ほども申しましたように、次回まとめの作業ということで、ちょっと事務局大変かもしれませんけれども、御用意、よろしくお願いいたします。
 それでは最後、事務局から何かございますでしょうか。
【渡邉専門官】  事務的な話になりますが、本日の会議の議事録につきましては、後日事務局よりお送りさせていただきますので、御了解いただいたものはホームページに掲載させていただきます。
【天野委員】   お願いがあるんですけれども。こちらの資料の中に、委員会の名簿とか、きょうの国際の方で作業部会もやっていただきましたけれども、こういう名簿は入れておいていただける方が良いと思いますので、よろしくお願いします。
【岸本主査】   ありがとうございます。それでは、委員の皆様から特に何かございますでしょうか。なければ以上で会議終了したいと思いますが、本日は活発に御議論いただきまして、本当にどうもありがとうございました。

―― 了 ――

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