第7次火山噴火予知計画の実施状況等のレビューについて(報告)(平成19年1月15日 測地学分科会)【概要】

レビューの背景

  • 我が国の火山噴火予知に関する研究は、平成15年7月に科学技術・学術審議会が建議した「第7次火山噴火予知計画」(平成16~20年度)により推進。
  • 20年度に終了することから、次期計画策定に向けて現計画の実施状況、成果及び今後の課題についてレビューを実施。

成果のポイント

1 研究成果

  • 富士山では、集中総合観測と火山体構造探査の融合などにより、浅部から深部に至る火山体の構造や詳細な火山活動史を解明。
  • 2004年浅間山噴火では、多項目観測により噴火に至る長期的な活動の変化や噴火直前の前駆的変動を把握。
  • 三宅島の活動観測を通じ、種々の新たな火山ガスの観測手法を開発。
  • 口永良部島などの幾つかの火山では、地震波速度構造と電気比抵抗構造のデータ解析により、火山直下の熱水等の流体分布を把握。

2 社会への貢献

  • 2004年浅間山噴火や2006年桜島噴火などでは事前に兆候をとらえ、噴火開始後の継続的な観測により活動状況を把握し、防災に寄与。
  • 三宅島では、火山ガスの減少傾向を観測し、島民の避難解除判断に貢献。
  • 関係機関の観測データを気象庁に集約することによって、火山監視が強化。
  • 火山ハザードマップの整備と火山活動度レベルの導入によって、火山情報に関する防災関係者の理解が進み、火山防災に寄与。

今後の課題

  • 独立行政法人や国立大学法人では、火山観測研究施設の維持・強化が困難な状況が今後予想され、現在の火山監視能力のレベル維持は困難。
  • 火山情報については、中央防災会議で防災対策の起点として明確に位置付けられるなど、火山情報に対する期待が高く、その期待に応えるためには、観測研究の強化と基礎研究の推進により火山噴火予知研究の更なる高度化が急務。

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科学技術・学術政策局政策課

(科学技術・学術政策局政策課)