課題番号2601
東京大学史料編纂所
文献史料による歴史地震に関する情報の収集とデータベースの構築・公開
1.(1)ア.史料の収集とデータベース化
1.(1)イ.考古データの収集・集成と分析
3.(1)地震・火山噴火の災害事例の研究
4.(2)イ.地震・火山現象のデータベースとデータ流通
新規研究
低頻度大規模地震の実態把握のためには、近代以前の被害地震についての調査・研究が必要である。本研究計画では、近代以前の文献史料を対象にして、過去の被害地震に関する記録を収集し、そのデータベース構築と公開を実施する。
近代以前に日本列島周辺で起きた地震(以下、歴史地震と呼ぶ)に関しては、東京大学地震研究所の編集などによって、既に計33冊(約27,000頁)に及ぶ地震史料集が刊行されている。しかし、これらの地震史料集は幾度もの増補を重ねているため、現状では地震研究者・歴史研究者の双方にとって利用しにくい状態にある。本研究計画では、この既刊地震史料集に収録された文献史料を分析して、地震の発生した年月日や場所の情報によって検索可能なデータベースを構築する。また、既刊地震史料集には収録されていない地震関連の新史料の調査・収集を実施し、その成果を情報化して公開する。公開にあたっては東京大学地震研究所と連携する。
上記の取組によって、近代以前に起きた被害地震の規模や震源の推定、低頻度大規模地震による災害の実態を解明し、その将来的な予測に寄与するための基盤的なデータベースの構築が期待できる。
[平成26年度]
既存の17世紀以前の地震・火山噴火史料データベースを活用して、近代以前の地震史料について総合的に検索できるデータベースの設計を行う。また、『増訂大日本地震史料』(3冊)、『日本地震史料』(1冊)、『新収日本地震史料』(21冊)、『日本の歴史地震史料拾遺』(8冊)に収録された地震史料の編年的整理(綱文・出典史料のデータベース化)を実施する。更に、既刊地震史料集に未収録の地震関連史料の調査・収集を行う。
[平成27年度]
『新収日本地震史料』(10冊分)の収録史料の解読と地震に関する時間・空間情報及び被害情報を抽出する。また、既刊地震史料集に未収録の地震関連史料を調査・収集し、成果の情報化を実施する。更に、文献史料から抽出した情報を順次データベースに搭載する。
[平成28年度]
『増訂大日本地震史料』(3冊)、『新収日本地震史料』(11冊分)の収録史料の解読と地震に関する時間・空間情報及び被害情報の抽出を行う。また、既刊地震史料集に未収録の地震関連史料を調査・収集し、成果の情報化を実施する。更に、文献史料から抽出した情報を順次データベースに搭載する。
[平成29年度]
『日本の歴史地震史料拾遺』(8冊)の収録史料の解読と地震に関する時間・空間情報及び被害情報の抽出を行う。また、既刊地震史料集に未収録の地震関連史料を調査・収集し、成果の情報化を実施する。更に、文献史料から抽出した情報を順次データベースに搭載する。
[平成30年度]
平成26~29年度の成果を踏まえ、必要な補充調査を実施するとともに、研究成果をまとめて、近代以前の地震史料に関して総合的に検索できるデータベースを構築する。構築されたデータベースを学界や社会に向けて公開し、データベース活用の研究集会を開催する。
東京大学史料編纂所 佐藤孝之・他5名
他機関との共同研究の有無:有
東京大学地震研究所 佐竹健治・西山昭仁
京都大学地域研究統合情報センター 原正一郎
部署等名:東京大学史料編纂所
電話:03-5841-5997
e-mail:
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氏名:佐藤孝之
所属:東京大学史料編纂所
研究開発局地震・防災研究課
-- 登録:平成26年07月 --