深海地球ドリリング計画

課題番号:4003

(1)実施機関名:

独立行政法人海洋研究開発機構

(2)研究課題(または観測項目)名:

深海地球ドリリング計画

(3)最も関連の深い建議の項目:

2(2)(2‐1)ア.アスペリティの実体

(4)その他関連する建議の項目:

1(1)ウ. 東海・東南海・南海地域
3(1)ア. 海底地殻変動観測システム
3(1)ウ.海底実時間観測システム

(5)平成20年度までの関連する研究成果(または観測実績)の概要:

 平成13年4月より地球深部探査船「ちきゅう」の建造を開始し、平成17年7月に完成した。その後、駿河湾や下北沖等における試験運用を通じて機能確認及び掘削技術の蓄積を行い、以降日米が主導する統合国際深海掘削計画(IODP)の国際運用に供している。平成18年度には、事前調査として熊野灘において三次元反射法地震探査を実施し、巨大地震発生帯を含む南海トラフプレート沈み込み帯の詳細な地殻構造の把握を行った。平成19年9月から平成20年2月にかけては、「ちきゅう」を用いた国際運用として南海トラフ地震発生帯掘削計画ステージ1を実施し、南海トラフ沈み込み帯浅部のコアの採取及び検層データの取得を行った。その成果として地震発生メカニズム起因すると考えられる、広域応力場の分布についての知見が得られた。また、異なる断層の試料の採取に成功し、プレート沈み込み帯における歪みの解放メカニズムに対して、新たな知見が得られた。これらの研究航海を通じて得られた各種データはデータベース化され、ウェブ上にて公開している。また、掘削コア試料については、高知大学と共同で運営している高知コア研究所において、保管・管理し、研究者の活用・支援する体制を整備した。

(6)本課題の5ヶ年の到達目標:

  • 巨大分岐断層の掘削・コア試料採取及び長期孔内計測による地震断層の継続的観測の実施
  • 大水深・大深度ライザー掘削技術及び深部掘削孔内計測技術の開発

(7)本課題の5ヵ年計画の概要:

  • 平成21年度においては、熊野灘沖南海トラフの掘削を継続して行う。巨大地震を引き起こす固着領域直上において、科学掘削としては初めてのライザー掘削を行うとともに、高精度地下構造探査等の実施によって、より正確な地下構造や物性に関するデータ取得を行う。また、海溝より南側(海側)の堆積物を掘削し、地震発生帯に持ち込まれる堆積物などの起源物質を明らかにする。
  • 平成22年度においては、巨大分岐断層浅部及びプレート境界断層上部に、長期孔内計測装置を設置し、地殻変動の連続観測を開始する予定である。また、巨大分岐断層・プレート境界断層をターゲットとした深部掘削を開始する予定である。
  • 平成23年度~25年度にかけてはプレート境界断層に到達する掘削を行い、掘削コア試料の採取及び物理検層等によって、海溝型巨大地震発生域の物性の解明を目指す。また、長期孔内計測による微小変動のモニタリングを開始し、継続的観測データを取得する。
  • また5カ年を通じて大水深・大深度ライザー掘削技術及び地震断層のリアルタイム観測を行うために、深部掘削孔内計測技術の開発を行う。
  • 南海トラフ以外の地震観測研究については、コスタリカ沖、房総沖、相模湾等の掘削提案があり、IODPの枠組みの中で実施を検討する。

(8)実施機関の参加者氏名または部署等名:

地球深部探査センター

他機関との共同研究の有無:
なし

(9)公開時にホームページに掲載する問い合わせ先

部署等名:経営企画室企画課
電話:046‐867‐9204
e‐mail:egashirat@jamstec.go.jp
URL:http://www.jamstec.go.jp

お問合せ先

研究開発局地震・防災研究課

(研究開発局地震・防災研究課)

-- 登録:平成22年02月 --