浅間山における火道内部構造の解明に基づく噴火過程の研究

課題番号:1425

(1)実施代表機関名:

東京大学地震研究所

(2)研究課題名:

浅間山における火道内部構造の解明に基づく噴火過程の研究

(3)最も関連の深い建議の項目:

2.地震・火山現象解明のための観測研究の推進
(3)地震発生先行・破壊過程と火山噴火過程
(3‐3)火山噴火過程
ア噴火気候の解明とモデル化

(4)その他関連する建議の項目:

なし

(5)平成20年度までの関連する研究成果の概要:

新規研究

(6)本課題の5ヶ年の到達目標:

 本研究計画では,浅間山を対象に火道周辺の稠密な地震・地殻変動等の観測に基づき,火道内部とその周辺の力学的状態及び噴火に伴う火道内部の変化を把握すると同時に,宇宙線観測による火道内部のイメージング,絶対重力観測による密度変化の把握,3次元比抵抗構造解析による火道浅部の物性推定等,多項目の観測研究の成果を統合して,噴火機構の解明とモデル化及び噴火推移の把握を進める上での基礎となる火道浅部内部構造を解明する.
 2009年度は,宇宙線観測によるイメージングの観測網整備を開始すると同時に,火口壁観測点での多項目観測の実施体制を整備する.

(7)本課題の5ヶ年計画の概要:

 2009年度は,浅間山山腹に複数の宇宙線ミューオン観測点を整備することで,これまでの一方向でのイメージングではなく火道浅部の立体的なイメージングを可能とする観測体制を整備する.また,火口壁で商用電源使用可能な火口壁総合観測施設を実現した浅間山の観測環境の長所を生かして,地震観測以外の多項目観測が実施できる体制の整備を行う.
 2010年度は,浅間山火口壁総合観測施設での多項目観測を開始し,それらのデータがリアルタイムでモニターできるシステムを整備する.また,山頂部での臨時広帯域稠密地震観測を実施して,噴火終息後も多数発生している特異な長周期地震の発生機構を解明する.これらの特異な長周期地震は2004年噴火前にも発生しており,その地震活動は噴火の前兆を示す特別な推移を示した.その発生機構を明らかにすることにより,2004年噴火前の火道内部の状態変化を解明する.また,絶対重力観測により,現在の火道内部の密度分布等を推定する.
 2011年度は,複数観測点による宇宙線ミューオン観測データを元に,火道浅部の立体的なイメージングを行う.さらに,より短時間で火道内部の変化をモニターするための観測システムの開発に取り組む.絶対重力の繰り返し観測を実施し密度変化の推定を進める.地震・地殻変動等の連続データと,火山ガス・空振等の火口からの噴出に関連した観測データとの解析を進め,火道内部の力学的状態の推定を目指す.
 2012年度は,山頂部における稠密AMT観測を実施し,宇宙線ミューオン観測や絶対重力の繰り返し観測から推定された火道サイズ,密度分布をベースにこの稠密AMTデータを解析して,火道内部の3次元的比抵抗構造を明らかにする.また,噴火が発生した場合でも噴火中の火道内部の変化を随時把握できる火道浅部イメージングの時間変化モニターシステムを完成させる.これにより,噴火推移の予測精度向上が期待される.
 2013年度は,火道浅部イメージング,絶対重力変化,火道内部比抵抗構造などの各種観測データを統合した火道内部の物性状態の解明と,地震や地殻変動等の力学的観測データから推定された火道内部の力学的状態を統合して,噴火機構のモデル化の基礎となる火道浅部におけるマグマ・火道内部の状態を明らかにする.

(8)実施機関の参加者氏名または機関名:

東京大学地震研究所; 武尾 実, 北海道大学大学院理学研究院; 橋本武志,
東北大学大学院理学研究科: 西村大志, 東京大学大学院理学系研究科: 森 俊哉
東京工業大学: 小川康雄, 名古屋大学大学院環境科学研究科: 中道治久
秋田大学工学部; 坂中伸也, 京都大学大学院理学研究科: 宇津木 充,
京都大学防災研究所: 井口正人, 九州大学大学院理学研究院: 清水 洋,

(9)公開時にホームページに掲載する問い合わせ先

部署等名:東京大学地震研究所
電話:03‐5841‐5666
e‐mail:
URL:

お問合せ先

研究開発局地震・防災研究課

(研究開発局地震・防災研究課)

-- 登録:平成22年02月 --