日本周辺のプレート運動の精密推定

課題番号:1410

(1)実施機関名:

東京大学地震研究所

(2)研究課題(または観測項目)名:

日本周辺のプレート運動の精密推定

(3)最も関連の深い建議の項目:

2.(1)ア.列島及び周辺域のプレート運動,広域応力場

(4)その他関連する建議の項目:

1.(1)ア.日本列島域
1.(2‐1)ア.地殻活動予測シミュレーションとデータ同化

(5)平成20年度までの関連する研究成果(または観測実績)の概要:

 前計画でモンゴルにGPS観測点を2点建設し,在来の点やIGS観測点とあわせ4点での連続観測を実施している.これら4点を含むモンゴル国内外のデータを解析することにより次第にアムールプレートの実態が明らかになりつつある.予察的結果としてアムールプレートの存在が否定されるような結果が出ている.また,中国を含む東アジアのGPS観測データと日本列島に展開するGPS観測網GEONETとを連結し,アムールプレートに対する日本列島の地殻変動の様相を明らかにしつつある.

(6)本課題の5ヶ年の到達目標:

 日本列島の地殻変動を周囲のプレート運動に基づいて理解するため,アジア・西太平洋に展開するGPS観測網とGEONETを統合解析してプレート運動に基づいた日本列島の変形の理解を進める.
 具体的には以下の項目を目標に研究を実施する.
1)東アジアの変位速度場をより精確に推定するとともに,他のデータを併用しつつアムールプレートが存在するかどうかを明らかにする.
2)アジア・西太平洋に設置しているIGS観測点等のうち利用可能なデータを取り込み,GEONETデータと共に統合解析を実施し,日本列島をとりまくプレートの相対運動を明らかにする.
3)前項目で得られた結果をもとに,アジアのプレート運動と日本列島の地殻変動の関連についてテクトニクス的立場に基づく解釈を与える.

(7)本課題の5ヵ年計画の概要:

平成21年度においては以下の研究を実施する.

1)前5カ年計画で実施してきたモンゴル内でのGPS観測を継続する.
2)5‐8月にモンゴル天文地球物理学研究センターの共同研究者を招へいし,東アジアの変位速度場に関する議論を進める.また,アムールプレートの内部変形を調査するためSARを用いた解析を行う.
3)VLBIの世界観測データを国土地理院より入手し,GPS観測データと統合処理することにより東アジアから西太平洋にかけての変位速度場の推定精度を向上させる.

平成22年度においては以下の研究を実施する.

1)モンゴル内でのGPS観測を継続する.
2)前年度までに得られた東アジアの変位速度場に関する議論を進めアムールプレートが存在するとの仮定のもとにその境界がどこにあるのかを検証する.また,アムールプレートの内部変形を調査するためSARを用いた解析を行う.
3)日本列島をとりまく東アジアから西太平洋に至る地域のプレート運動について考察を進める.

平成23年度においては以下の研究を実施する.

1)モンゴル内でのGPS観測を継続する.
2)アムールプレートの存否についてのそれまでの知見を総合し,東アジアのテクトニクスについてそれまでの成果を論文としてまとめる.
3)日本列島をとりまく東アジアから西太平洋に至る地域のプレート運動について考察を進める.

平成24年度においては以下の研究を実施する.

1)モンゴル内でのGPS観測を継続する.
2)日本列島をとりまく東アジアから西太平洋に至る地域のプレート運動について考察を進めると共にこれらのプレート運動が日本列島の地殻変動にどのような影響を与えているのかについて考察を行う.

平成25年度においては以下の研究を実施する.

1)モンゴル内でのGPS観測を継続する.
2)これまでの成果を総合し,当初の目的(前項目の1)~3))に対してどのような成果が得られたのかを仔細に調査し,研究成果を学会等を通じて発表するほか,論文として公表する.

(8)実施機関の参加者氏名または部署等名:

東大地震研 加藤照之
他機関との共同研究の有無:
北海道大学大学院理学研究院 高橋浩晃
日本気象協会 岩國真紀子
モンゴル科学アカデミー天文地球物理学研究センター Amarjargal Sharav

(9)公開時にホームページに掲載する問い合わせ先

部署等名:東大地震研地震火山噴火予知研究推進センター
電話:03‐5841‐5730
e‐mail:teru@eri.u‐tokyo.ac.jp
URL:

お問合せ先

研究開発局地震・防災研究課

(研究開発局地震・防災研究課)

-- 登録:平成22年02月 --