課題番号:1404
東京大学地震研究所
東海地方における地殻活動モニタリングの高度化
1.(1)ウ.東海・東南海・南海地域
2.(1)ウ.広域の地殻構造と地殻流体の分布
1)2005年頃よりGPS稠密アレイ観測を継続しており,GEONETでは捉えられないような詳細な歪場が明らかになってきた.また御前崎近傍では1990年代より総合観測装置による地殻変動観測を実施してきた.これらを解析した結果,GPS稠密アレイによる歪が地震活動から推定される固着域をよく反映したものであること,詳細なGPS変位時系列にスローイベントの影響が現れていることが見て取れること,などが明らかとなった.
2)1980年代より観測を継続し,フィリピン海プレートの北進による応力蓄積やスロースリップなどによるそのゆらぎに関連した全磁力変化を検知した可能性が示された.
3)1996年より御前崎で観測を継続し,地盤沈下から予想される重力増加が認められないという謎を見出した。また、2004年に豊橋、2007年に掛川に絶対重力点を増設した。
これまでの観測研究の結果は,東海地域における観測研究の継続的実施の重要性を如実に示している.そこで,今次5カ年計画においても東海地域における地殻変動,電磁気及び重力の観測を継続実施し,この地域の地殻活動を連続的にモニタリングする.特にGPS及び電磁気観測においてはテレメータ方式を増設し,モニタリングの高度化並びに観測にかかる労力の軽減を実現して,データのより高度な数理解析への展開を計る.
1)東海地方において稠密GPSアレイ観測を実施し,詳細な地殻変動をモニタリングする.
東海地方に設置されている高密度GPS観測網の観測を継続し,GEONETデータと併合処理することにより東海地方の地殻変動を詳細にモニタリングする.また,テレメータ化した観測点では10Hzの高頻度サンプリング観測を実施し,地震波等の高速の現象が検出できるか試験的な研究観測を実施する.得られたデータに基づき沈み込むフィリピン海プレートの固着の時間変化を明らかにする.相良においては地殻活動総合観測装置による観測を継続し,富士川観測所などの石英管伸縮計、水管傾斜計およびボアホール歪計などの連続観測から得られる歪・傾斜変化と比較し,地殻活動の時間変化を連続的にとらえる.
2)東海地方において電磁気変化をモニタリングする.
東海地方において,広域的応力場変化,地殻内流体の移動をモニターするための,全磁力,3成分磁場連続観測を実施する.観測点項目ないし配置の見直しにより,地殻活動に関連した電磁気現象の検知能力を高める.
3)東海地方において重力観測を実施する.
東海地方の複数点で絶対重力観測を年間3回程度繰り返すとともに、その周辺域で相対重力観測を同時に実施して、重力値の時間変化を面的に捉える。
4)地殻変動・地磁気及び重力変化を統合した東海地域のプレート運動とそれに伴う各種現象のモデル化の試みにチャレンジする.
1)GPS観測の継続実施
高頻度サンプリングGPS観測の導入
相良におけるボアホール連続観測の継続実施
観測データの整理・解析と解析処理によるプレート固着変化及び短期スローイベントの検出
2)地磁気観測の継続実施
観測データの整理・解析と東海地方の地磁気活動の解明
3)絶対及び相対重力観測の継続実施
観測データの整理・解析とプレート運動に伴う重力変化の検出とモデル化
4)フィリピン海北縁部(東海・東南海・南海)で実施している観測網のデータの総合的解析とモデル化を推進するため,関連研究者による研究集会を実施する.
1)GPS及び連続観測の継続実施
観測データの整理・解析と解析処理によるプレート固着変化及び短期スローイベントの検出
2)地磁気観測の継続実施
観測データの整理・解析と東海地方の地磁気活動の解明
3)絶対及び相対重力観測の継続実施
観測データの整理・解析とプレート運動に伴う重力変化の検出とモデル化
4)フィリピン海北縁部(東海・東南海・南海)で実施している観測網のデータの総合的解析とモデル化を進める.また,関連研究者による研究集会を実施する.
1)GPS及び連続観測の継続実施
観測データの整理・解析と解析処理によるプレート固着変化及び短期スローイベントの検出
2)地磁気観測の継続実施
観測データの整理・解析と東海地方の地磁気活動の解明
3)絶対及び相対重力観測の継続実施
観測データの整理・解析とプレート運動に伴う重力変化の検出とモデル化
4)フィリピン海北縁部(東海・東南海・南海)で実施している観測網のデータの総合的解析とモデル化を進める.関連研究者による研究集会を実施する.
1)GPS及び連続観測の継続実施
観測データの整理・解析と解析処理によるプレート固着変化及び短期スローイベントの検出
2)地磁気観測の継続実施
観測データの整理・解析と東海地方の地磁気活動の解明
3)絶対及び相対重力観測の継続実施
観測データの整理・解析とプレート運動に伴う重力変化の検出とモデル化
4)関連研究者による研究集会を実施し,フィリピン海北縁部(東海・東南海・南海)で実施している観測網のデータの総合的解析とモデル化を推進すると共に次期計画に向けての課題を洗い出す.
1)GPS及び連続観測の継続実施
観測データの整理・解析と解析処理によるプレート固着変化及び短期スローイベントの検出
2)地磁気観測の継続実施
観測データの整理・解析と東海地方の地磁気活動の解明
3)絶対及び相対重力観測の継続実施
観測データの整理・解析とプレート運動に伴う重力変化の検出とモデル化
4)関連研究者による研究集会を実施し,5年間の研究を総括すると共に成果をとりまとめる.
東京大学地震研究所 加藤照之・上嶋誠・小河勉・小山茂・大久保修平・田中愛幸
静岡大学 里村幹夫
東海大学 長尾年恭
他機関との共同研究の有無:無
部署等名:東京大学地震研究所 地震火山噴火予知研究推進センター
電話:03‐5841‐5796
e‐mail:teru@eri.u‐tokyo.ac.jp
URL:
研究開発局地震・防災研究課
-- 登録:平成22年02月 --