平成20年度年次報告
課題番号:8001
海上保安庁海洋情報部
海洋測地の推進
1.(1)ア. 日本列島及び周辺域のプレート運動
SLRの国際共同観測を継続し、日本周辺のプレート収束速度決定の精度向上に努める。
SLRの国際共同観測を継続し、日本周辺のプレート収束速度決定の精度向上に努める。
下里水路観測所(和歌山県那智勝浦町)では、平成19年5月に観測装置が故障し、SLR観測を停止していたが、平成20年4月から試験運用を行い、平成21年1月から本格的に再開した(図1)。取得したSLR観測データを国際測距事業(ILRS)の枠組みの中で国際データセンターに提供することにより、国際貢献に寄与している。
また、過去のSLRデータを用いて、下里の移動速度の再計算を行った(図2)。
佐藤まりこ,松下 優,藤田雅之,仙石 新:「LAGEOS」SLRデータ解析による下里の移動速度の再計算,海洋情報部研究報告第45号 45,1-1,2009(第45号,p1-12)
下里のSLR観測で監視している本土基準点は、海底地殻変動観測、地殻変動監視観測の基準点として、プレート運動の高精度検出に寄与している。平成16年9月に発生した紀伊半島南東沖地震(M7.4、M6.9)では、地震前後のSLR観測から南向きに約2cmの地殻変動を検出した。また、平成5年から平成19年までのSLRグローバルデータを用いて、下里の移動速度の再計算を行った。
取得したSLR観測データは、国際測距事業(ILRS)の枠組みの中で国際データセンターに提供され、国際貢献に寄与した。
海洋調査課航法測地室
他機関との共同研究の有無:なし
部署等名:海上保安庁海洋情報部海洋調査課航法測地室
電話:03‐3541‐4232
e‐mail:下記URLの問い合わせフォームから問い合わせ下さい。
URL:http://www1.kaiho.mlit.go.jp
(付図)
図1 SLR観測により求められた下里の座標変化(2000~2008)
※2007年6月から2008年4月までは、観測装置の故障のためデータが取得されていない
※2008年5月以降は、試験運用中でデータ数が少ないため、座標値にばらつきが見られる
図2 下里のユーラシアプレート安定域に対する動き
研究開発局地震・防災研究課