はじめに

 我が国では,阪神・淡路大震災や東日本大震災のような巨大な災害をはじめ,平成3年の雲仙岳噴火災害,平成26年の御嶽山噴火災害,平成28年熊本地震による災害など,地震や火山噴火による災害にたびたび見舞われてきた。地震や火山噴火の発生は今後も避けることはできないが,これらによる災害を軽減するためには,地震や火山についての科学的理解を進展させるとともに,これらが原因でもたらされる災害についても研究を進める必要がある。
 科学技術・学術審議会では,研究者の内在的動機に基づく地震や火山に関する学術研究を推進し,この成果を活用することにより災害の軽減に貢献することを目標として,平成25年11月に「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画」(平成26~30年度の5ヶ年計画)を建議し,関係機関においてこの計画に基づく観測研究が実施されてきた。
 このたび,災害の軽減に貢献することを目標とする考え方をさらに推し進めるべく,今後5年間(平成31~35年度)に実施する観測研究計画として「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画(第2次)」(仮称)を取りまとめた。
 この計画では,地震や火山現象の解明と予測に関する理学的研究を重要項目と位置付けて引き続き発展させるとともに,災害の軽減に貢献することを意識した研究を推進するという視点をより明確にし,関連研究分野との一層の連携強化や観測研究の成果を活用して災害軽減に役立てるための方策の研究等を進めていくこととしている。計画の推進にあたっては,政府の地震調査研究推進本部など,関連する組織やプロジェクトとの連携をさらに進めて,学術研究の成果をもって社会に積極的に貢献することを目指していく。

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研究開発局地震・防災研究課

(研究開発局地震・防災研究課)