測地学分科会(第43回)・地震火山観測研究計画部会(第38回)合同会議 議事録

1.日時

令和3年1月25日(月曜日) 13時05分~14時35分

2.場所

オンライン会議

3.議題

  1. 地震火山観測研究計画の実施状況等のレビューの進め方について
  2. 地震・火山噴火予知研究協議会 地震長期予測ワークショップの開催結果について
  3. 測地学分科会の審議状況について

4.出席者

委員

平田分科会長、鈴木分科会長代理、市原委員、榎原委員、小原委員、小平委員、関口委員、西村委員、藤田委員、森田委員、山中委員、矢来委員、井口委員、石川委員、大湊委員、加藤(愛)委員、鎌谷委員、高橋委員、中川委員、仲西委員、宗包委員、山元委員、大倉委員、阪本委員、篠原委員、寺川委員、橋本委員、三宅委員、松島委員、森岡委員

文部科学省

(事務局)鎌田地震・防災研究課長、福田防災科学技術推進室長、上山地震火山専門官、加藤(尚)科学官、矢部学術調査官

5.議事録

[委員の交代、出欠状況など]

・委員の交代について:
土井元気象庁地震火山部長に代わり、森地震火山部長が測地学分科会委員に就任。
加藤(尚)委員が、昨年3月31日付で測地学分科会委員を退任。
三浦元科学官に代わり、加藤尚之科学官が就任。
望月元学術調査官に代わり、矢部学術調査官が就任。

・事務局の人事異動について:
岡村元研究開発局審議官に代わり、長野研究開発局審議官が着任。
工藤元地震・防災研究課長に代わり、鎌田地震・防災研究課長が着任。
齋藤元防災科学技術推進室長に代わり、福田防災科学技術推進室長が着任。

・委員の出欠状況:
測地学分科会の森委員、田村委員、地震火山観測研究計画部会の日野委員が欠席。

・配布資料確認

[議事1.地震火山観測研究計画の実施状況等のレビューの進め方について]

 

【平田分科会長】ありがとうございました。
それでは議題に入ります。
最初の議題は、「地震火山観測研究計画の実施状況等のレビューの進め方について」でございます。事務局からご説明をお願いいたします。
 
【上山地震火山専門官】事務局の上山でございます。こちら、第11期から開催されます地震火山観測研究計画の実施状況等のレビューの進め方について提案する資料になってございます。
こちらは第11期に実施するものですので、正式には第11期の最初の測地学分科会で審議いただくものですけれども、本会議では参考までに第10期の委員の皆さまからご意見を伺いたいと考えているところでございます。
こちら表示しておりますのは、参考資料としてお配りしております次期建議の検討スケジュールでございます。こらちは2枚目が現行建議の検討スケジュールでございまして、こちらは皆さんご存じのとおり、前建議のレビューを行うときはレビュー委員会というものを地震火山部会の下に設置してレビューについて検討いただきました。ですが、現建議のレビューにつきましては、地震火山観測研究計画部会で直接レビューを実施するということを提案させていただきたいと考えているところでございます。
皆さまへは既にご案内のとおり、昨年2月17日に開催いたしました、第42回測地学分科会と第35回地震火山部会の合同会議で、部会の所掌事務が変更になってございます。これまで次世代火山研究・人材育成総合プロジェクトのフォローアップという所掌事務が入っておりましたが、地震火山観測研究計画に係る事項のみということに整理させていただきましたので、今回別途レビュー委員会は設置せず、地震火山観測研究計画部会で直接レビューを行うという方針に整理させていただいたということでございます。こちらが「1.レビューの検討体制」についての説明でございます。
続いて、「2.レビュー取りまとめ委員の選定」でございますけれども、このレビューを実際に地震火山観測研究計画部会で行うに当たりまして、地震火山観測研究計画部会の委員の中から2名、すなわち地震学および火山学を専門とする委員各1名ずつを取りまとめ委員に選定するということを考えてございます。こちらレビュー取りまとめ委員は、地震火山観測研究計画部会におけるレビューに係る議論を取りまとめていただくということを想定してございます。以上のような進め方で考えております。
また、前回のレビューでは、基本的にレビューの原稿を地震・火山噴火予知研究協議会の方で作成いただきましたが、今回も同様に、原稿については地震・火山噴火予知研究協議会にドラフトをお願いするということを考えておりますので、補足いたします。
事務局からの説明は以上でございます。
 
【平田分科会長】ありがとうございました。早いもので、現行の地震火山観測研究計画のレビュー(自己点検)を次年度から行うことになっており、事務局のご説明のとおり、地震火山観測研究計画部会がレビューの取りまとめをするということのご提案でございます。取りまとめをするに当たっては、取りまとめ委員、すなわち実際にまとめていただく方を2名選出するということで、さらにドラフティング、原稿を作るのを地震・火山噴火予知研究協議会にお願いするという、そういうご提案でございます。これについてご意見ございましたらご発言ください。皆さまご自分でミュートを解除してお名前を言ってご発言いただければいいと思います。よろしくお願いします。特段ご意見ございませんか。地震・火山噴火予知研究協議会に関連した委員の方、どなたかご発言いただけますか。
 
【加藤科学官】すみません、科学官の加藤ですけども。
 
【平田分科会長】はい、加藤科学官お願いします。
 
【加藤科学官】レビューのことですけども、前回、私、レビュー委員会の主査を務めましたけども、そのときも実施状況などについては先ほど上山さんから説明がありましたように、地震・火山噴火予知研究協議会の方で下案を作っていただきましたので、次回も同じように実施状況については地震・火山噴火予知研究協議会の方に協力していただくのは可能かなと思います。
ただし、総括的評価のような部分とか今後の課題などについては、地震火山観測研究計画部会が特に十分議論して責任を持つ必要がありますから、その部分については取りまとめ委員中心に議論を進めていただいて、まとめれば可能かなと思っています。
以上です。
 
【平田分科会長】ありがとうございました。加藤科学官の方からご発言がございましたが、西村委員、もしご意見があればご発言ください。
 
【西村委員】西村です。
前回、加藤科学官と一緒にレビューをしました。レビュー委員会がありますと、レビュー委員会でかなり議論をして、さらにまた地震火山部会で、そのまとめたものを議論するということで、非常に細かなところまで、そしてそれから今後の方針についても幅広く議論できたのではないかと思います。
ただ一方で、2回同じことをしているというところもありましたので、レビュー委員会が今回無くなるというのは、それなりに効率的ではないかと思います。ただ先ほど加藤科学官がおっしゃったように、レビューするところは協議会の方でできますけれども、今後どのような方向性に進んでいくかということについては、多くの方の意見、あるいは協議会に直接関わっていない方の意見が非常に重要だと思いますので、地震火山観測研究計画部会の方で時間をかけて議論していただければいいのではないかと思います。
以上です。
 
【平田分科会長】ありがとうございました。私の方で勝手に指名していますが、ぜひご意見のある方は自発的にご発言いただきたいと思います。小原委員、もしコメントがあればご意見いただけますか。
 
【小原委員】小原です。先ほど西村委員からもお話がありましたように、レビュー委員会を置くと、かなり地震火山観測研究計画部会と重複するというところもありますので、効率よく進めるということで、このような進め方でよろしいのではないかと思います。もちろん、加藤委員、西村委員からもご指摘があったように、今後の課題等をきちっと部会の方で時間をかけて議論するということも必要だと思いますので、その辺り、十分考慮して進めればよいのではないかと思います。
以上です。
 
【平田分科会長】ありがとうございました。前回とはちょっと違うところは、レビュー委員会というものをこの部会の下に置くということはせずに、地震火山観測研究計画部会がレビューも行うと、自己点検をするということで、もちろんこれは部会の所掌の中に入ってございますので問題はございませんが、委員の皆さまのご同意を得られたというふうに思っております。
反対だというご意見はありますか?
 
(発言無し)
 
【平田分科会長】特段ご異議はございませんようですので、それでは事務局の提案のとおりに地震火山観測研究計画部会でレビューを行う、それから、取りまとめ委員を地震火山観測研究計画部会から2名選出する、それから、ドラフトについては地震・火山噴火予知研究協議会で議論して原案、たたき台を作っていただくということにしたいと思います。
ありがとうございました。

[議事2.地震・火山噴火予知研究協議会 地震長期予測ワークショップの開催結果について]

 

それでは議題の2つ目「地震・火山噴火予知研究協議会 地震長期予測ワークショップの開催結果について」に入ります。加藤委員から本件についてのご説明をいただきたいと思います。加藤委員お願いいたします。
 
【加藤委員】加藤愛太郎でございます。見えていますでしょうか。
 
【平田分科会長】はい、見えています。資料2が映っています。
 
【加藤委員】そうですね。資料2をご覧ください。
現建議におきましては、地震火山災害軽減のための課題に直面している地震本部や行政機関等との連携強化というものが強く述べられています。現建議には,重点課題というものがいくつかございまして,そのうちの1つに長期予測手法に関する研究課題がございます。地震本部との連携に向けた現状と問題意識を共有して、地震本部の成果につながる新たな研究手法や知見について検討するために、地震長期予測ワークショップを昨年12月中旬に開催しました。
ワークショップでは、地震本部第3期総合基本施策で述べられております、当面10年間に取り組むべき地震調査研究のうち、海溝型地震の発生予測手法の高度化と、内陸で発生する地震の長期予測手法の高度化、について焦点を絞って議論を行いました。ワークショップのプログラムと講演者につきましては、資料2の後半部分に記載されておりますのでご覧ください。
内陸で発生する地殻内地震に関しては、測地データや地震活動データを用いた新たな長期予測手法が成果として提案されました。従来の活断層の履歴に基づく長期評価手法に加えて、これらの地球物理観測データに基づく長期予測手法との統合方法を検討したいと考え、地殻内地震発生確率評価手法検討ワーキンググループというものを、最後の総合討論で結成しました。
ワーキンググループは、建議の実施機関に所属する研究者8名から構成されておりまして、来月の上旬に第1回目の検討会を実施する予定でいます。検討会を通して、具体的にどういうふうに新たな長期予測手法を提案していくか,その方向性について検討していきたいと考えております。
長期予測に関する研究成果を軸にして、地震本部との連携強化をより進めていくことが重要ですので、そこを意識して、まずは地殻内地震発生確率評価手法検討ワーキンググループを軌道に乗せていきたいと考えております。
私から以上になります。
 
【平田分科会長】ありがとうございました。只今の加藤委員からのご説明について質問やご意見ございますでしょうか。
これまで地震・火山噴火予知研究協議会はさまざまなワークショップや研究会を開催してきていると思いますけれども、今回は特に重要なのは、建議の中にもはっきりと書かれているとおり、この地震火山観測研究計画の成果が地震本部の活動、長期評価などに貢献することを組織的に実施するというところが非常に重要なことでございます。私も参加させていただきました。これは全部ウェブというかオンラインでやったのですけれども、その中で非常に今後の地震本部の長期評価に資する、取り入れていく方向が示されたと思って、大変興味深く議論を聞かせていただいておりました。本日の委員の皆さまも参加された方、いると思いますが、何かコメントがあればぜひご発言ください。ご発言の方はミュートをご自分で解除して、議事録の関係上お名前を名乗ってからご発言いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 
【西村委員】西村です。
 
【平田分科会長】西村委員お願いします。
 
【西村委員】これは企画部戦略室で建議に書かれている地震予測のことについてどのように進めるかということを議論してきました。加藤委員、あるいは海上保安庁の石川委員を中心に議論して、まず動き出したということです。このワークショップを行った後に、この地震火山観測研究計画部会で、長期予測手法についての提言などをまとめる、あるいは、やり方はまだ今後議論されると思いますけれども、部会でも議論していただいて、その後、地震本部の各所委員会に働き掛けて連携をより強くしようということで動いております。
補足説明ですが、加藤委員、今の説明でよかったか、一応確認させてもらえばと思います。
 
【加藤委員】はい、合っております。ご説明ありがとうございました。
 
【西村委員】一応、全体としては今ご説明した流れで考えております。
 
【加藤委員】私の先程の説明で、地震・火山噴火予知研究協議会の戦略室主導ということを最初に申し忘れており、すみませんでした。ご説明ありがとうございました。
 
【平田分科会長】ありがとうございました。これは、地震・火山噴火予知研究協議会というのは東京大学地震研究所の組織ですが、現在は地震・火山噴火予知研究協議会の会員は大学の研究者だけではなくて国立研究開発法人、それから行政機関、具体的には気象庁、国土地理院、海上保安庁も参加されていて、取りまとめというか、司会をやっていただいた石川委員は海上保安庁の方でございますし、オールジャパンの研究になっています。ぜひ、最先端の研究をやっている現場の研究者の皆さんのご意見を、今後、地震本部の施策に反映できるところまで形を作っていくということが非常に重要だと思っております。
何か大学以外の人でご意見をいただく人いるかな。では矢来委員いらっしゃったら一言、何か感想を言ってください。
 
【矢来委員】矢来ですけれども、聞こえますでしょうか。
 
【平田分科会長】聞こえます。
 
【矢来委員】このように国土地理院では測地データを扱っておりますけれども、これまで長期評価の方で十分には活用されてこなかったということもありましたので、この機会に長期評価で測地データをきちんと扱っていただけるような形に進めていければなというふうに考えているところです。すみません、少しまとまりませんが、私からの意見です。
 
【平田分科会長】矢来委員、ありがとうございました。内容的には非常に興味深い議論があって、まだ研究上、解決しなければいけない部分についてもいろいろと議論があったと思いますけれども、こういうことを進めていくことが地震の長期評価にとって非常に重要なことでありますので、ぜひ今後とも新しいワーキンググループができるということですので、そこでの議論を進めていっていただきたいなと思います。
他にご意見がございませんでしょうか。加藤委員、この地殻内地震発生確率評価手法検討ワーキンググループというのは、地震・火山噴火予知研究協議会の中のワーキンググループですね。
 
【加藤委員】そうです。地震・火山噴火予知研究協議会の中のワーキンググループになります。
 
【平田分科会長】分かりました。ぜひ1つ前の議題でもございましたように、地震・火山噴火予知研究協議会で議論したことがレビューのドラフトにもなるということもありますので、レビューだけではなくて、今後レビューを受けて次の計画、あるいは今後の測地学分科会の地震火山観測研究計画のドラフトにもなるし、それから地震本部の施策にも反映されるということもございますので、引き続き、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 
【加藤委員】はい、ありがとうございます。
 
【平田分科会長】特段、こういう方法で異議があるという委員の方がいらっしゃいましたらご発言いただきたいのですが、よろしいでしょうか。
 
(発言無し)
 
それでは、この方針、つまり最先端の科学的な議論を踏まえて、新しい手法を開発していくということ、それを組織的に測地学分科会として審議して、地震本部の地震調査研究の施策に反映していくと、そういう方向で進めたいと思いますので、この件については皆さまよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

[議事3.測地学分科会の審議状況について]

【平田分科会長】それでは、議題3「測地学分科会の審議状況について」に移ります。
まず、測地学分科会運営規則第4条第2項に基づいて、昨年8月に行われました書面審議の議決結果について分科会長の平田からご報告いたします。
これは、「火山研究の推進のために早期に取り組むべき課題(提言)」ということでございまして、その内容について分科会委員の皆さまには書面審議をしていただいておりましたが、全会一致で可決されました。資料3-1のとおり8月14日付で提言を発出しております。
なお、参考資料2として、提言の概要を1枚紙にまとめたものがございますので適宜ご参照ください。
これについて事務局から補足がございましたらよろしくお願いいたします。
 
【上山地震火山専門官】事務局の上山でございます。1点補足させていただきます。
お配りしている参考資料3としまして、当課の令和3年度予算案を用意してございます。このうち参考資料3-3につきましては、先ほどご説明いただいた提言を受けて実施する来年度からの新規事業である火山機動観測実証研究事業について抜粋したものとなっておりますので、こちら適宜ご参照いただければと思います。
事務局からは以上でございます。
 
【平田分科会長】事務局、ありがとうございました。
提言をまとめて、さらにここにありますように火山機動観測実証研究事業というものも予算化して進めていくということでございますので、大変結構なことだと思います。ありがとうございました。
それでどこまでいったかというと、事務局が今説明していただいたので、次は資料3-2、3-3ですね。これについてご説明をいただきます。では事務局お願いします。
 
【上山地震火山専門官】事務局上山より説明申し上げます。
本日は、第10期最後の測地学分科会および地震火山観測研究計画部会となりますので、この場で今期の測地学分科会の審議状況について振り返るとともに、次期測地学分科会で引き続き検討すべき事項に関して、こちらも議題1に同じく、第11期の最初の会議で審議頂くものではございますけれども、あらかじめ第10期の委員の先生方のご意見を伺えればと思いますので説明させていただきます。
では、まず資料3-2についてご説明申し上げます。

こちら第10期に行われた全ての会議の議事を載せてございます。まず、第41回測地学分科会では、第10期の議事等についてご議論いただきました。その後、令和元年9月~10月にかけて第6期科学技術基本計画の策定に向けた測地学分科会としての意見提出について、測地学分科会において書面審議をいただきました。

昨年2月には、第42回測地学分科会、第35回地震火山部会の合同会議におきまして、火山研究推進委員会の設置をするとともに、部会の所掌事務のうち、次世代火山研究・人材育成総合プロジェクトのフォローアップを火山研究推進委員会に移すということについてご議論いただきました。
また、今年度も、先ほど平田分科会長からご説明いただきましたとおり、火山研究推進委員会が策定した提言について、測地学分科会で書面審議をしていただきました。その際、複数の測地学分科会委員の先生方から貴重なご意見をいただきまして、一部提言の方に反映させていただいております。ご協力いただきました委員の方には、この場をもちまして改めて御礼申し上げます。どうもありがとうございました。
そして、最後が本日の第38回地震火山観測研究計画部会と第43回測地学分科会の合同会議となっております。
続いて、地震火山部会(令和2年2月17日に「地震火山観測研究計画部会」に名称変更)の審議状況について説明申し上げます。
今期は新しい建議の1年目、2年目ということで、定例の報告を取りまとめるという活動が中心となってございます。
まず、第33回の地震火山部会では、年次報告の進め方と、令和元年度の年次計画について事務的な修正点についてご説明申し上げました。
第34回の地震火山部会では、成果の概要についてご議論いただきました。こちらは平成30年度の成果の概要についてご議論いただきまして、平成30年度分の概要と合わせて、前建議5か年の成果の概要についても活発なご議論をいただきました。
同じく、同会議で「地震調査研究の推進について」という議題で、地震本部の第3期総合基本施策について事務局からご報告差し上げました。
今年度に入りまして6月の第36回地震火山観測研究計画部会では、こちらも定例になりますけれども、年次基礎データの結果の報告と、令和2年度の年次計画の修正、そして、令和元年度の年次報告ということで機関別にご報告いただきました。
9月の第37回地震火山観測研究計画部会では、同じく令和元年度の成果の概要を取りまとめていただくとともに、今年度の機関別の取りまとめ方針について、事務局からご説明差し上げました。
最後、火山研究推進委員会でございます。こちらは、先ほど申し上げましたとおり、令和2年の第42回測地学分科会と第35回地震火山部会の合同会議で設置された火山研究推進委員会での議論でございます。今年度、3回委員会を開催してございます。火山研究推進委員会につきましては、基本的には次世代火山研究・人材育成総合プロジェクト終了後の取り組みについてご議論いただくということを目的としておりますが、第10期におきましては、ポスト次世代火山研究・人材育成総合プロジェクトをご議論いただく前に、現行の次世代火山研究・人材育成総合プロジェクトが令和7年度に終了となりますけれども、そちらと並行して取り組んでいくべき事項について、まず早期に取り組むべき課題としてご議論いただきました。3回開催しまして、その3回目で取りまとめを行っていただいております。その後、先ほど申し上げた測地学分科会での書面審議を経て8月14日に提言として公表させていただいております。資料3-2についての説明は以上になります。
引き続きまして資料3-3について説明申し上げます。
こちら、第11期の科学技術・学術審議会測地学分科会において引き続き検討すべき課題(案)ということで、こちらは計画の進捗管理と火山観測研究についてということで、第10期の検討課題2件ともそのまま第11期に引き継ぐということを提案させていただいております。
先ほど申し上げましたとおり、この第11期科学技術・学術審議会測地学分科会において引き続き検討すべき課題(案)については、改めまして第11期の初回の測地学分科会で第11期の委員の皆さまに審議いただきますけれども、この場ではご参考までに第10期の委員の皆さまからご意見いただければ幸甚でございます。
こちらからの説明は以上でございます。
 
【平田分科会長】上山さんありがとうございました。
今期、何をやったかという復習と、それから第11期に向けてどんなことが検討すべき課題かという引き継ぎ事項みたいなものを今まとめています。もちろん、正式には第11期で何をするかは、第11期が始まったところで11期の委員の皆さまにご検討いただくことではございますが、今期を振り返りまして、今、事務局がまとめたようなものについて、もう少し加えた方がいい、あるいは、ここに明文化はしないけれども議論しておいた方がいいということがございましたらぜひご発言をいただきたいというふうに思っております。
今期で非常に大きなことは、組織改編をして火山研究推進委員会というのをつくりまして、そこと地震火山観測研究計画部会との役割分担をして、それぞれ機能を強化したということだと思いますけれども、その辺も含めて第10期はうまくいったかいかないかとか、第11期に対してはこんなことをやった方がいいという、そういうご意見があったらぜひご発言ください。特に、火山の方でご発言いただけませんでしょうか。そうすると、森田委員、何か一言口火を切ってください。
 
【森田委員】すみません。上山さんの方から説明がありましたように、地震と火山というのは今までも建議の中で書かれてありますように、地震本部のある地震研究と、そういったものがない火山研究で随分違うと。そこで、やはり火山研究をどのように進めていくかということを専門で議論する場ができたということは非常によいことだと思います。ぜひとも火山研究推進委員会の皆さま方には、広い視点で考えていただければ、オールジャパンで大学だけでなく研究開発法人、その他行政機関まで含めて火山研究がどうあるべきか、ということを考えていただければというふうに思います。
以上です。
 
【平田分科会長】ありがとうございました。続いて、防災科学技術研究所の藤田委員ご発言ください。
 
【藤田委員】防災科学技術研究所の藤田でございます。
先ほど上山さんの方からご説明ありましたとおり、火山機動観測実証研究事業というものが令和3年度~7年度の5年間ということで、防災科学技術研究所の補助金事業ということで制定されました。これにつきましては、火山研究推進委員会の委員の皆さまのご指導の下、内容を詰めていくということで準備してございます。
以上でございます。
 
【平田分科会長】ありがとうございました。これは私の方から藤田委員に質問ですが、防災科学技術研究所の補助事業ということですが、実施も防災科学技術研究所がやるのですかね。それとも大学の研究者も参加するのでしょうか。
 
【藤田委員】防災科学技術研究所は、取りまとめ役ではございますが、実施するメンバーは、先ほど森田先生おっしゃられていましたようにオールジャパンで行うというようなことですので、大学の先生の方々とも、いろんな形を今検討しております。例えばクロスアポイントとか客員とか、そういった形で大学の先生方も参加いただく形で実施していこうというふうに計画してございます。
以上でございます。
 
【平田分科会長】よろしくお願いいたします。参考資料3-3にもJVDNシステムなどということも出ているので、次世代火山研究・人材育成総合プロジェクトとも強く連携して進められるというふうに理解いたしましたので、引き続きよろしくお願いいたします。
他に、必ずしも地震である必要はないのですけれども、まだご発言いただいていない方にお願いしたいと思います。
市原委員、聞こえていますか。
 
【市原委員】この火山研究推進委員会に参加させていただきまして、私自身はあまり次世代火山研究・人材育成総合プロジェクトに深く関わっているわけではありませんけれど、基礎研究とか後方支援とかそういった視点からいろいろ議論ができたことはよかったと思います。
 
【平田分科会長】ありがとうございました。
それでは。
 
【小平委員】すみません、小平ですが、よろしいでしょうか。
 
【平田分科会長】はい、小平委員、お願いします。
 
【小平委員】火山の専門というわけではないのですけれど、今後検討していく方向性の中で、もし海域の火山も重要な議論になってくるとすれば、JAMSTECの方でも今、海の火山研究に着手していますので、さまざまなところで寄与できると思いますので、お声をお掛けいただければ、できるところから協力していくというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。
以上です。
 
【平田分科会長】ありがとうございました。こういう意見が出たら鈴木委員にぜひご意見を聞きたいところですが、鈴木委員いらっしゃいますか。
 
【鈴木分科会長代理】はい、います。鈴木でございます。
 
【平田分科会長】では、コメントください。
 
【鈴木分科会長代理】確かに、この火山機動観測実証研究事業は素晴らしい事業だと思います。今まで、大学は大学研究室でと、非常に閉じたところで研究されてきたと思います。そういう縦割り的なものを横につなげるという意味で、この事業は非常にチャレンジャブルで大事だと思いますし、うまくいくことを祈っています。
確かに、これを拝見する限り陸上ばかりなのですが、海域にも活火山は確かにありますし、日本は海で囲われていますから、そういう研究もやはり非常に重要になってくるかと思います。小平先生がおっしゃったように、海の研究というものも踏まえて、とにかく大事なことは横のつながり、オールジャパンでやっていくということの最初の試金石になると思いますので、一歩一歩考えて大事に進めていただければと思います。
以上です。
 
【平田分科会長】ありがとうございました。火山の人はどきどきしていると思いますので、当てますが、山元委員ご意見ございますでしょうか。
 
【山元委員】産業技術総合研究所の山元です。
いや、もう、既に藤田委員、鈴木委員のおっしゃるとおりでして、今出ていますこの火山機動観測実証事業ですけども、産業技術総合研究所としてもこれはもう組織的に今後協力していくつもりでありますので、とにかく一歩一歩進めていきたいとは思っています。
以上です。
 
【平田分科会長】ありがとうございました。必ずしも火山の話ばかりするつもりもないのですけれども、地震の方で、今の議題は第11期で引き続き検討すべき課題として、今2つ挙げておりまして、1つはこの建議に基づく地震火山観測研究計画を推進するということで、特に地震本部の地震調査委員会との連携について意識的に連携して推進していくということと、それから、火山の観測研究で、ここには次世代火山研究・人材育成総合プロジェクトと書いてありますけども、これと今の火山機動観測実証研究事業というようなものも含めるということが、今、言葉では出てきましたが、資料3-3の2番目の「火山観測研究について」のところに含まれるというふうに思っております。本体のというか、地震火山観測研究計画自体について、これで極めて包括的に書いてありますから何でも入ってしまいますけれども、この中で何か特に注意したらいいというようなご意見があったら、ぜひご発言ください。
現在の建議は、第2次というふうになっていますが、第1次から幾つか大きな軌道修正をしてきました。その1つは、理学や工学、自然科学だけではなくて、特に歴史地震学、歴史災害学などの人文社会科学的なことを入れる、研究のスコープの中に入れるということが非常に重要だとして重視してまいりましたが、榎原委員、もしご意見ございましたらご発言いただきたいのですが、いかがでしょうか。
 
【榎原委員】歴史学の方を前期から入れていただいています。これまでに知られているところの資料をデータベース化するというところから始めまして、恐らく来年度ぐらいには、当初予定していた資料のデータベース化というのは完了すると思います。
つまり、ようやく歴史資料をお使いいただくための基礎条件ができたということになりましたので、これからはそれを実際使っていただいて、理科系の地震学、火山学の先生方にもご利用していただきたいと思っていますので、次期の計画におきましてもぜひ引き続き歴史学を入れていただければというふうに思います。
 
【平田分科会長】ありがとうございました。そうすると人文社会系の方は、きょうは田村委員がご欠席なので松島委員、一言いただけますでしょうか。この方向性などについて。
 
【松島委員】京都大学防災研究所の松島です。
方向性としてはいいと私は思うのですけども、それは果たしてどれぐらいの効果があるかというようなことをどういうふうに検証というか、確認しながら進められるかというのが重要になるのではないかなとは思います。
 
【平田分科会長】ありがとうございました。項目としては謳っているけど、実際、本当に研究できているかということですね。
 
【松島委員】そういうことではなくて、研究できていると思うのですけども、相互にどれぐらい密に連携ができているかという意味です。研究ができていないということを申し上げているのではなくて、アウトプットとしてではなくて、やはりこの4つの今、研究課題に分かれていて、その4つ目はそういう意味では最初の3つが4つ目と密に連携してやるという構図になっていると思うのですが、そこがどういうふうに連携しているかというのも確認というか、それを少し意識して進められるのがいいのではないかなと、それを確認というか、それを表に分かるように進めていただくのがよいと思います。
 
【平田分科会長】分かりました。どうもありがとうございます。フォローしていただきまして恐縮です。次、何やるかという紙には、そんな細かいことは書いてなくて、非常に包括的に書いてありますけれども、そういったことも含めてぜひご議論いただきたいと思います。
あとは、参加者の中で阪本委員、もしご意見があればぜひご発言ください。
 
【阪本委員】方向性については今ご提案されている案が良いと思います。私自身が、今回参加させていただいて興味深かったのは、地震・火山の総合的な研究が、日本ではかなりの規模で実施されている点です。大変重要な取り組みだと思うので、ぜひこのような総合的な研究の取り組みを国際的に発信していくことに力を入れると良いと思います。現在、実施している研究計画の策定に加えて、成果を学術的にどうやって捉え、その実績を日本全体の取り組みとして、国際社会にメッセージとして発信していく、そういう取り組みも今後取り入れられると良いと思います。
以上です。
 
【平田分科会長】ありがとうございました。大変建設的なご提案で非常に重要だと思います。
まだ時間はあるのかな。時間はあまりないのかもしれませんが、確か現在の、というか第1期かな、観測研究計画についてのレビュー論文をJDRというジャーナル誌に特集として掲載いただくことになりました。もう既に出ていると思うのですが、加藤科学官か東京大学地震研究所の大園先生、オブザーバーでいらっしゃったら、何か知っていたらご発言ください。
 
【加藤科学官】加藤ですけども、確か去年の3月か4月ごろに特集号、出ていると思います。その特集号の内容は、西村委員と私で全体の計画の紹介というか総括的なことを書いて、あとは地震・火山噴火予知研究協議会の部会ですね、だから研究内容ごとにレビュー論文を書いていただいて、英文ですので外国の研究者にも読めるような形で論文集、全部で10以上の論文が集まっていると思いますけども、それが発行されています。
以上です。
 
【平田分科会長】ありがとうございました。
自己点検や今後の議論の、日本の正式なドキュメントは全部日本語なのですけれども、皆さん研究論文は当然英語で書かれていると思いますので、そういった形で英語の論文をジャーナルに、査読誌にきちんと投稿していただけるというのは国際発信の第一歩になると思います。その他にも各国際学会でセッションなどを作っていただけると、より一層いいかなというふうに思います。
それでは、特にまだ発言していない人もいますが、まだ発言していない人を当てると、高橋委員、今までのところで何か意見ありますか。次やるべきことは何かという点で。
 
【高橋委員】はい、高橋です。聞こえますでしょうか。
 
【平田分科会長】はい、聞こえます。
 
【高橋委員】非常に重要なことだと思うのですが、実際にいろんな研究成果を行政とかそういうところでも使っていて、その中に人材育成という部分があったと思うのですが、行政の人たちは2年ぐらいでやはり人が変わっていくので、持続可能なやり方をどういうふうにやったらいいかというところの議論がなされていくといいと思います。
以上です。
 
【平田分科会長】ありがとうございました。そうすると、次は鎌谷委員、気象庁での経験を生かしてご意見いただけるでしょうか。
 
【鎌谷委員】今、高橋委員からあったような地域防災という観点から言うと、気象庁は非常に今、地域防災を、地方気象台を通じて進めようとしております。そこの場で防災知識の普及啓発ということをしていければというふうに思っております。
それから、地震火山観測研究計画につきましては、レビューをやっていただくのも重要ですが、先ほど加藤委員からも紹介がありましたような、この研究の成果を本当に地震調査研究推進本部の施策に生かしていくということを、実際に事務局さんの側でもご努力いただいて、ぜひ実現させていただきたいと思います。
以上です。
 
【平田分科会長】ありがとうございました。まだ、ご発言いただいていない方は何人かいるのですが、では上から行くかな。JAMSTECの仲西委員、ご意見ございますでしょうか。
 
【仲西委員】はい、仲西です。
特にないと言えばないのですけど、ずっと気になっているのは、この分野横断の総合的な研究の取りまとめとか進捗状況というのが、最終的に先ほどの国際的に発信するのと並行して、分かりやすく発信できるような方向で引き続き検討していただければと思います。
 
【平田分科会長】ありがとうございました。最初の方で話題になった内陸地震というか、長期評価については、総合的な研究になると思いますけれども、それぞれ具体的に進捗を図っていただければよろしいかなと思います。
すみません、まだご発言いただいていない、三宅委員、いかがでしょうか。
 
【三宅委員】三宅です。大変この地震火山観測研究計画に支えられてきたと思っています。今後も新しい機器の開発や装置の開発、学生の観測にとって、いつまでも応援してくれる計画であると有難いと思っています。
以上です。
 
【平田分科会長】ありがとうございました。せっかくですから発言されていない方は。大倉委員、いらっしゃいますか。
 
【大倉委員】はい、おります。
 
【平田分科会長】何でも結構ですので一言。
 
【大倉委員】先ほど加藤さんから地震長期予測のワークショップのことをご紹介していただきました。火山でも火山災害軽減のための課題に直面している行政機関等との連携強化を図る上で、何かできないかなというようなことを今後積極的に検討していきたいと思っております。
以上です。
 
【平田分科会長】ありがとうございました。井口委員、火山についても全体でも結構ですが、ご発言いただけますか。
 
【井口委員】井口です。
少し昔のことを思い出しているのですけど、第1次の計画を作るときに、きちんと書かれたかどうかは覚えていないのですけど、マイルストーンを示せということをかなり言われたように思うのですね。やはりマイルストーンを示して、そのときに長期的な展望みたいなものは確か書いたと思うのですけど、マイルストーンまできちんと示していなくて、ある意味、やはりきちんとマイルストーンを示した上で、いや、過去にさかのぼってマイルストーンはかくあるべきだったと考え直してもいいのですけども、その上で今の第2次までやったところの進捗がどこまで進んでいったのかというふうに示していくべきではないかと思いました。マイルストーンについては、何を示したのか私も忘れたのですけど、平田先生はきちんと覚えておられると思うので。
 
【平田分科会長】いや、非常に重要なご指摘ありがとうございました。要するに、最終的に目指すものは何かという話と、その次の5か年で何をやるかということはかなり明確にする必要があるので、建議した計画の中にはそれが書いてあります。恐らく、非常に重要なことは、災害の軽減に貢献するという大きな目標は明確にあるのですけども、それを実現するためには極めて基礎的な研究から応用的な研究、開発的な研究と段階が変わって、それぞれ非常に重要で、非常にそれぞれ難しい。今、実際にやっている研究がそのどこに位置しているのかということをきちんと自覚して研究をするということが必要だと思います。
地震の方は、基礎的な研究として、この地震火山観測研究計画を進めていて、その成果を地震本部の施策の中に生かしていくという、そういう戦略を今取っております。火山についても、基礎的な研究が次世代の研究につながり、そして、実際に火山防災に生かしていくという、そういうスキームがあると思いますので、全部できるわけではないので、ここで理解の研究と、予測の研究と、ハザードの研究と、防災リテラシーの研究というふうに、4つに柱を建てたところで、結局、ハザードの予測といってもハザードを予測しただけでは防災には直結しませんので、それを踏まえた形で実際に対応をどうするかというというようなところは、ある意味基礎研究を超えたところにございますので、それを議論していく必要はあるかなと思います。少し言い過ぎましたが、すみません、せっかくですから、今日、まだほんの少しですが時間がございますので、まだご発言いただいていない方を順番に指していきますので。
参加者のところを見て、私は上からずっと指していますので、ご発言いただいた方は飛ばします。では関口委員、ご意見いただけるでしょうか。
 
【関口委員】関口です。
今、ちょうど平田さんがおっしゃった、ハザードを予測しただけでは被害は軽減できないというところで、この観測研究計画に入っている分野だけだと、いつもそこのところで壁に当たってしまうようなところがあって、もちろんつながるところはつながるところで、必ずしも土木とか建築につながらない、入らないところでももちろん災害軽減というのはあり得るとは思うのですけれども、コロナ禍でやって、この計画の中でやったことが、構造物被害の方にどうつなげるかというところが、そこの出口がいつもない感じがありまして、この計画を次期に向かってどうやって進めていくかという話と少し違う話になって申し訳ないのですけれども、いつも災害の軽減に貢献するという一番大きなタイトルを見るたびに何となくもやっとした感じを覚えています。まとまらない話で申し訳ありません。
 
【平田分科会長】ありがとうございました。重要な観点だと思います。皆さん、もやもやっとしていると思うところは私も同じでございます。
この地震火山観測研究計画だけで全てができるわけではありません。実際に土木構造物、建物を造るエンジニアリング的な研究とその実装、それから、社会が防災に対応できるような仕組みを作っていくというようなこともあるので、私たちは、目標は災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究ですけれども、言い方は悪いですけれども、目標はそうなのだけれども、実際には地震と火山の研究をしているというところです。しかし、地震と火山の研究を趣味でやっているわけではなくて、これは最終的に土木建築物の耐震化や強靭化に資するための情報を出していくのだということははっきりしようというのがこの新しい研究計画です。この第1次から進めているところでありますので、ぜひ地面がどれだけ揺れるか、どんな周波数帯域の揺れが大きいかということが建物の設計や構造物の設計や、耐震対応に生かしていけるにはどうしたらいいかというところは考えていく必要があるかと思っております。
まだもう少し時間があるので、まだ発言していない人はどこかな、橋本委員、ご発言ください。
 
【橋本委員】橋本です。聞こえておりますでしょうか。
 
【平田分科会長】はい、聞こえています。
 
【橋本委員】ありがとうございます。この計画、今年度は皆さんご承知のように、コロナの影響でいろいろ支障も出たかとは思うのですけれども、私もかなり心配はしていたのですけれども、こういった会議にしてもオンラインでかなりやることが普及したこともありまして、逆に気軽にと言ったら変ですけれども、多くの方が移動せずにこうやって会議ができるというような状況が生まれましたので、ぜひこういったメリットの方にも目を向けて、特に総合的な研究の分野横断の課題なんかは特にそうかと思うのですけれども、いろんな分野の方と一堂に会して物理的に集まることは難しくてもオンライン会議などを通じてやることによってフットワークを軽く、情報共有をしたり、いろんな意見を吸い上げたりということができるようになっていると思いますので、そういう面を活用してどんどん進めていけばいいのではないかと、今年度特にそういうふうに思いました。
以上です。
 
【平田分科会長】ありがとうございました。報告会などもオンラインでやって、いろいろと対面でできないことでご不便があったと思いますけれども、議論は引き続きできているというふうに、そういうご評価だったと思います。
それでは、次は山中委員、お願いできますでしょうか。
 
【山中委員】少し方向が違うかもしれないのですけれども、火山の観測に関してはかなり意識をされるようになってきたのですけれども、地震の方も多分2024年にISDNがサービス終了になることによって、多分、今ISDNをまだ使っている観測点はかなりあると思うのです。なので、こういうところの観測の問題というのが今後出てくるのかなということを懸念しています。
以上です。
 
【平田分科会長】ありがとうございました。それは共通に大問題ですので、どこかできちんと考えた方がいいかもしれませんね。
そうすると次は、篠原委員いかがでしょうか。
 
【篠原委員】篠原です。1次の観測研究計画で、非常に横串的な研究ができて、さまざま見通しがよくなったというふうに感じています。さらに、そういう横串的な研究というか、総合的な研究というのは、やはり個々の研究に支えられているなというのも改めて認識していて、総合的な研究が進むためにも個々の個別の研究をもっと進めるべきだなと感じています。私のやっている分野でも微力ながらまだ努力したいと思います。よろしくお願いします。
以上です。
 
【平田分科会長】ありがとうございました。それでは、次お願いします。小平委員聞こえますか。
 
【小平委員】小平ですが、よろしいですか。
今、出ているスライドで一番下のところに、下の「国内外関連分野との連携」ということで、国際共同研究、国際教育と書かれていて、これまでも、それからこれからも強化していくと思いますが、書類を見ていくと何とかという組織と連携しましょうとか、USGSとか、何とか研究所とかというのはよく書かれているのですけど、海外で進行しているさまざまな地震火山に関するいわゆる横串的なプロジェクトというのはかなりあるはずで、そういうものを次の機会にはきちんとレビュー、情報収集して、欧米の、あるいはアジアのでもいいですけど、横断的な地震火山プロジェクトと、この研究計画がどう連携していくかというのを少しきちんと考えていくのが必要かと思います。
以上です。
 
【平田分科会長】ありがとうございました。国際連携をもう少しちゃんとやれというご意見ですね。ありがとうございました。
宗包委員、失礼しました。飛ばしてしまいました。聞こえていますか。ミュートは解除されているのですが、私には聞こえませんが。事務局聞こえていますか。
 
【上山地震火山専門官】事務局上山でございます。宗包委員のご発言はこちらでも聞こえておりません。
 
(宗包委員は通信トラブルにより発言が困難である旨、連絡あり)
 
【平田分科会長】では、次、行きましょうか。次は、森岡委員よろしいでしょうか。
 
【森岡委員】こんにちは。松山大学の森岡です、お世話になっております。
私は社会心理学の方が専門でして、皆さまがすごくいろんな研究計画を立てて取り組んでいらっしゃることが、やはり社会に伝わっていないなというのを思います。新型コロナがこれだけ問題になって、目には見えない危険でもみんな備えるようにはなっていますよね。そんなふうに防災ももっとリアリティーをもって伝えられるようになることが大事だと思っています。
そのためには、研究成果そのものを1つ1つ紹介するのではなくて、日本にどれだけのリスクがあって、火山、地震、どんなリスクがどこまで分かっていて、いざというときにはどんな情報が出てくるのかということをテレビ番組と、民放等も含めて、分かりやすい形で示していくことが大事だと思っています。それは他のところがやることなのかもしれませんが、せっかくこれだけの成果が出ているのに、本当に関心のある人とか詳しい人しか見ていない、一般の人に分かりやすく伝わっていないというところが問題かなと、私は思っています。なので、社会に発信していく方法として、もっとメディアの活用とか、ネットの活用なんかをうまくやっていく方法はないかなと思います。研究者がある程度対応に、かなり防災対策に対して、かなり発言力を持てるようになるためには、分かりやすいプレゼンテーションを社会に向かってやっていく、そういう取り組みがもっと出てきていいのかなと思っているところです。長々と失礼しました。
 
【平田分科会長】どうもありがとうございました。要するに、やっていることが分かりにくくて伝わっていないということだと思いますが、一応、この4本目の柱は、地震火山噴火に対する防災リテラシー向上のための研究ということで、以前に比べるとさまざまな取り組みをして、この地震と火山の研究はどういうふうな、研究のレベルがどのくらいで、何が分かっていて何が変わっていないかということも少しきちんと説明するというにはどうしたらいいかという、そういう研究もこの災害の軽減に貢献するための第2次のところで取り入れたところです。まだまだ不十分であるというご指摘だと思いますが、ぜひ第11期ではこの辺についても少しご議論いただきたいと思います。
これは田村委員のご専門なのですけど、本日は所用でご欠席みたいなのでお話聞けませんが、どうもありがとうございました。
そうすると、どんどんいかないと。石川委員、ワークショップの話も含めてということで結構ですので、ぜひご発言ください。
 
【石川委員】石川です。先ほどもお話があった地震本部との連携については、ワークショップが開催されて、まず第一歩を踏み出したという感じになっております。現在はまだ地震・火山噴火予知研究協議会の中で関連する研究者によるワーキンググループを結成して、議論をしている段階ですけども、これをある程度形にして、次期の第11期の測地学分科会の中において、測地学分科会という公開の正式な会議の中で、具体的な地震本部との連携について議題としてきっちりと議論できるような形に持っていければいいかなと考えています。また今後ともそういった議論についてよろしくお願いいたします。
以上です。
 
【平田分科会長】ありがとうございました。
それでは、あとまだ何人かご発言、全くしていない方がいらっしゃるのですが、大湊委員。
 
【大湊委員】はい、大湊です。
火山の関係で思ったところなのですけれども、「火山研究の推進のために早期に取り組むべき課題」ということについて議論があったように、火山の方についてはいろいろ、地震と比較した場合にまだ遅れている、あるいは改善しなければいけないことが多いということは共通認識で、そのためのいろいろな仕組みを文部科学省さん、いろいろな方々の努力でできつつあるのは非常に素晴らしいことだと思います。
ただ、今度、防災科学技術研究所の方で初めて火山機動観測実証研究事業という方は、大きな一歩ではあるのですけれども、やっぱり予算額からするとものすごく大きなことができる額というよりも、火山が今後やるためにどういうことをやるのがいいかということを調べるためのパイロット的なものということで、やっぱりまだどの方向に進めばいいかということを少し丁寧に考えないといけない段階だなというふうには思っております。
例えば、データ一元化に関しては、今のスライドにありますようにJVDNとかができて、だいぶ以前よりも大きく進んだのは確かなのですけれども、ただ、火山の方で言うと、地震の方では地震データという非常にオンラインに乗りやすい、一元化しやすいデータが主なわけですけれども、火山に関してはその他のデータも相当ある。例えばガスであるとか地質データであるとか、画像データであるとか、簡単にはオンラインにしにくい、共有化しにくい、ためにくいものもあるので、そういうものが課題として残っていますし、それからデータを取るにしても、やはり地震の方はHi-net等、全国を網羅するネットワークが出て、それに相当程度依存しても研究が進むところまで進んでいますけれども、では、火山で同等のものができるかというと、やはりそれはかなり前から議論がされているけれども、実際にはなかなか進んでいないということがあるので、やはり限られた予算、人員の中でどこからやるかというのが難しいと。
それから、あと、防災に関しても火山の方でいろいろ予測ができている、いろいろな情報が出せるようにはなってきていますけれども、よく見てみると、できることに関してはいろいろとハザードマップに書いてあるなど、いろいろなことが反映されているのですけれども、実はまだできていない、分かっていないことがかなりあって、例えば、いろんな自治体が出している火山のハザードマップを見ると、火山噴火はだんだん小規模な地震発生、地殻変動から始まって、だんだんエスカレートして噴火する、だから事前に情報が出て非難できますよというふうな、そういう印象を与えかねない形で書かれたものがほとんどなのですが、実際に火山関係で出た人的被害を見ると、御岳とか、それから草津白根のように予想もしないところが噴火して、それで近くにいた観光客、登山客が巻き込まれるということもある。それで火山研究者が何かできる、今できることがあるかというと、まだそれは難しいということで、いろんなことが地震をお手本にして進めたいのだけれども、やはり火山なりの難しいところがまだまだあって、それを整理して、その中で我々の持っているお金、マンパワーの中でどこをやるのが一番効率的で効果があるかということを考える段階で、まだそういう段階じゃないかというふうな印象を持っています。
以上です。
 
【平田分科会長】大湊委員ありがとうございました。
そうしたら次は加藤委員、ご発言ありましたらお願いします。
 
【加藤委員】私も、基本的に石川委員がおっしゃったように、長期予測手法の開発という提案を具体的に進めていくことはとても重要だと思います。それに加えて、現建議ですと、地殻活動のモニタリングに基づく中短期の地震発生予測も重点課題として挙げられております。そちらにつきましても、あるところで地震活動が活発化した際に、その活動の今後の推移予測を行うことは、社会に対する情報発信としては重要な側面を持っています。それに関連する成果が幾つか得られつつあると思いますので、研究を営々と進めてモニタリングに基づく地震発生予測手法に関しましても、地震本部との連携を強化していくことが喫緊の課題ではないかなと感じております。
以上になります。
 
【平田分科会長】ありがとうございました。それでは、次は寺川委員、いかがでしょうか。
 
【寺川委員】寺川です。聞こえていますか。
 
【平田分科会長】はい、聞こえています。
 
【寺川委員】この地震火山観測研究計画の4つの柱というのがあると思いますが、それぞれについてはだいぶ研究が進んできているなというふうに思っています。ただし、細かいところを見ていくと、同じ問題に対して全然違う結論が出ていたりする部分もあるので、せっかく全国規模のプロジェクトなので、議論を深めて、共通認識の部分をもう少し高めていく努力が必要かなと思います。
もう1つは、この4つの柱それぞれの連携の部分は、まだまだ改善の余地があるのではないかと思います。そして、社会に情報発信する部分に関しても、学術的に大事な研究であっても、それがなぜ地震の予測とか災害軽減に役に立つのかという部分が、まだうまく伝えられていないのではないかなというのは、私自身も思って研究をしておりますので、次期ではもう少しその辺をよくしていけたらいいのではないかと思います。
以上です。
 
【平田分科会長】ありがとうございました。私の方で見たのでは、これで皆さん発言したような気がするのですけれども、上山さん、まだ発言していない人いますかね。
 
【上山地震火山専門官】事務局と同じ並びで参加者リストをご覧いただいているようですので、こちらで確認した限りでは皆さま発言されています。宗包委員のみ少し音声の不調で発言されていないという状況でございます。
 
【平田分科会長】そうですね。宗包委員はまだ駄目かな。
 
(宗包委員は通信トラブルにより発言が困難である旨、連絡あり)
 
【平田分科会長】大体、皆さんから意見をいただいて、今期最後ですので、皆さんの意見がいただけてよかったかなと思います。
それでは、いろいろ意見はあったけれども、事務局が用意した、第11期でやるべきことというのは2つのことで、現建議の計画についての進捗管理、それと火山観測研究について、次世代火山研究・人材育成総合プロジェクトに対するフォローアップをするということが測地学分科会全体としての事項になっておりますので、これはここで決めるというよりは、本日出席された委員の方からのさまざまなご意見を考慮して、次期の測地学分科会で決めていただければよろしいかなと思います。
事務局これで時間進行よろしいですか。
 
【上山地震火山専門官】大丈夫でございます。本日15時まで時間を取っておりますので、まだ余裕がございます。
 
【平田分科会長】それでは、出席された委員の方、あるいはオブザーバーでもいいので、これまでの全てを通じて発言ございましたらぜひお声を上げてください。ミュートを解除して声を出してください。
 
(発言無し)
 
【平田分科会長】では、大体これで質疑応答は終わりということで、ご意見いただきましてありがとうございました。
それでは、今期の測地学分科会の会議はこれで全て終了となりますので、最後に事務局の鎌田地震・防災研究課長からごあいさつをいただきたいと思います。鎌田課長よろしいでしょうか。
 
【鎌田課長】文部科学省 研究開発局 地震・防災研究課長の鎌田でございます。
私の方から一言だけご挨拶をさせていただきます。
本日、測地学分科会と地震火山観測研究計画部会における科学技術・学術審議会第10期最後の会合でございましたけれども、委員の先生方におかれましては、この2年間、地震火山分野の観測研究の推進につきまして精力的にご議論賜りましたことを厚く御礼申し上げます。
今期は平成31年1月30日に科学技術・学術審議会で建議されました、この「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画(第2次)」の推進に係るご議論を中心に行っていただきまして、また、先ほど特に火山分野につきまして、火山研究推進委員会を立ち上げていただきまして、議題3でも触れられました「火山研究の推進のために早期に取り組むべき課題(提言)」を取りまとめていただきまして、令和3年度からの新規事業の立ち上げにもつなげていただきました。
今期は、新型コロナウイルス感染症対策のために、昨年6月以降の会合につきましてはウェブ会合での会合とさせていただきまして、大変ご不便をおかけいたしましたけれども、分科会・部会長をはじめとする委員の先生方に多大なるご尽力、ご協力をいただきまして、無事に今期の会合が開催されましたことを改めて御礼申し上げます。
また、政府全体で審議会等における委員の先生方の10年を超える期間の任命につきまして、厳しい制約がかけられておりまして、科学技術・学術審議会におきましても、文部科学省の他の審議会と同様に当該の制約の中で運営をしていかなければいけないというような状況でございます。これまで長年にわたりまして測地学分科会、地震火山観測研究計画部会にご参画いただきました多くの委員の先生方にこのような外形的な制約から来期の継続をお願いできないという状況がございますことは、私どもといたしましても大変残念なことでございまして、大きな痛手でございます。
ただ、来期からまた「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画(第2次)」のレビューが始まりますので、地震火山分野の観測研究のさらなる進展に向けまして、先生方とともに前を向いて進んでまいりたいと考えております。
今期のご審議ご参画につきまして、改めて御礼を申し上げますとともに、今後とも、さまざまな形でご指導ご鞭撻を賜りますようどうぞよろしくお願い申し上げます。本当にどうもありがとうございました。
 
【平田分科会長】鎌田課長ありがとうございました。それでは、他にご意見というか、ご発言する委員がいらっしゃいませんようでしたら、これで本日の会議を終了したいと思います。本日はお忙しい中、ご出席いただきありがとうございました。
以上で終了でございます。ありがとうございました。
―― 了 ――

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