火山研究推進委員会(第4回)議事録

1.日時

令和3年7月14日(水曜日) 15時00分~16時50分

2.場所

オンライン会議

3.議題

  1. 主査及び主査代理の選任について
  2. 議事運営等について
  3. 今後の調査検討事項について
  4. 火山観測研究のフォローアップについて

4.出席者

委員

橋本主査、藤田主査代理、田中委員、大湊委員、相澤委員、宇平委員、大園委員、鈴木委員、角野委員、中道委員、並木委員

文部科学省

(事務局)鎌田地震・防災研究課長、上山地震火山専門官、加藤科学官、矢部学術調査官

5.議事録

今回の議事は、主査の選任、その他人事に係る案件等があったため、科学技術・学術審議会測地学分科会運営規則(平成13年3月15日決定)第6条の規定に基づき、開会から議題2までは非公開。

[委員の出欠状況など]

・主査選任までは、上山地震火山専門官が議事を進行
・委員の紹介
・議題及び配布資料確認
・事務局の人事異動について:長野元研究開発局審議官に代わり、原研究開発局審議官が着任

[議題1.主査及び主査代理の選任について]

主査は、測地学分科会運営規則第3条第3項の規定に基づき、小原測地学分科会長の指名により、橋本専門委員が主査に選任された。
主査代理は、測地学分科会運営規則第3条第7項の規定に基づき、藤田臨時委員が指名された。
選任された橋本主査より挨拶があった。

【橋本主査】橋本です。第11期の火山研究推進委員会の主査を務めさせていただくことになりました。どうぞよろしくお願いいたします。  
こういった委員会の主査は今まで経験したことがありませんので、いろいろ分からないことがあって不手際もあるかと思いますが、何とぞ御協力よろしくお願いします。  
この委員会、11期はそれほど頻繁には開催されないかもしれないと伺っていますけれども、皆様に集まっていただく数少ない機会であろうと思いますので、今日もぜひ活発に御意見いただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  

[議題2.議事運営等について]

「科学技術・学術審議会測地学分科会運営規則」及び「科学技術・学術審議会測地学分科会の公開の手続きについて」の改正について事務局から報告された。
科学技術・学術審議会測地学分科会運営規則第3条第1項に基づき、測地学分科会に火山研究推進委員会が設置されたことについて事務局から報告された。

〔以降、会議を公開。傍聴者入室〕

[議題3.今後の調査検討事項について]

【橋本主査】 それでは、議題3、今後の調査検討事項について、に入りたいと思います。
それでは、事務局から関連資料の説明をお願いいたします。
 
【上山地震火山専門官】 参考資料1-1を御覧ください。こちらは科学技術・イノベーション基本計画の概要となってございます。まず、第6期の科学技術・イノベーション基本計画が本年3月26日に閣議決定されております。その後開催された科学技術・学術審議会の総会において、今期の各分科会での調査審議はこの基本計画を踏まえるべきという御意見をいただきました。これを受けまして、第44回測地学分科会では本計画を踏まえた第11期の調査審議の方向性等について委員の方から御意見をいただいており、こちらは参考資料1-2にまとめています。
基本的には「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画(第2次)」に係る建議についての御意見がほとんどですので、こちらの委員会の先生方にとっては御参考になってしまいますけれども、同建議の本文中にも次世代火山研究・人材育成総合プロジェクト(以下「火山プロジェクト」という。)などの国の事業との連携が重要であるということが明記されていますので、その観点で適宜こちらの科学技術・イノベーション基本計画に係る測地学分科会コメントについても御参照いただければと思います。あくまでこの委員会にとっては参考となりますので、詳細な説明は割愛させていただきます。
続いて、資料3-2を御覧ください。第11期科学技術・学術審議会測地学分科会の主な調査審議事項について、第44回測地学分科会議で承認いただいたものになります。第11期測地学分科会での調査審議事項は2件ございますが、このうち当委員会に関連するものは、2つ目の「火山に関する研究開発に係る事項」になります。
1ポツ目、火山の観測研究体制の高度化と最適化を図るための検討を行うこと。こちらは、前期に引き続いて、この委員会で調査、検討することになる事項でございます。
続いて、2ポツ目、火山プロジェクトに対するフォローアップがございますけれども、こちらも前期に引き続いて実施するものになります。
今回、新たに追加された事項としまして、3ポツ目の「火山機動観測実証研究事業」に対するフォローアップの実施がございます。こちらの詳細はこの後、別途説明いたしますけれども、第10期の当委員会委員の方々にまとめていただいた提言の内容を受けまして、令和3年度より始めた事業でございますので、当委員会に非常に深く関係する事業ということで、同事業についてのフォローアップも新たに追加してございます。
これら二つの事業のフォローアップについて、今期、主に実施していただきます。先ほど橋本主査からも一言御説明がございましたが、今期は基本的にはこちらの火山プロジェクトと火山機動観測実証研究事業のフォローアップ今回と来年度1回の計2回実施するのみと考えております。第12期以降、火山研究推進委員会では中長期的課題に係る提言の検討を具体に始めていただくことになりますので、今期は中長期的課題の検討に向けてフォローアップをしていただくという観点から、会議を運営していければと考えています。
私のほうからは以上でございます。
 
【橋本主査】 どうもありがとうございました。
今、事務局から御説明いただきましたように、この委員会で調査検討すべき事項を三つほど挙げられておりますけれども、これに関して御質問等はございますか。
この三つを挙げられていたと思いますが、このうち1ポツ目は、今期は主にやらないということでしたよね。この2ポツ目と3ポツ目のフォローアップを中心にこの第11期はやると。それを受けて、次の期に第1項目を議論しますという御説明だったと理解しましたけれども。
 
【上山地震火山専門官】 御認識のとおりで結構です。今期におきましては、この2ポツ、3ポツを中心に調査検討いただく形になりますが、第12期に中長期的課題についての具体の検討を始めていただきますので、そこにつながるようなコメント等をいただければと考えております。
 
【橋本主査】 それでは、皆様から何か御質問あればよろしくお願いします。
では、特に御質問等なければ次に進んでもよろしいでしょうか。
 
【上山地震火山専門官】 事務局としては結構でございます。よろしくお願いいたします。
 
【橋本主査】 了解しました。それでは、第11期の火山研究推進委員会では、先ほどの資料3-2の調査審議事項を踏まえて、調査、検討していくということで進めてまいりたいと思います。よろしくお願いします。

[議題4.火山観測研究のフォローアップについて]

【橋本主査】 では次に、議題4です。火山観測研究のフォローアップについて、事務局から御説明をお願いできますでしょうか。
 
【上山地震火山専門官】 事務局、上山でございます。
まず、「次世代火山研究・人材育成総合プロジェクト」について現状を御説明差し上げます。
それでは、資料4-1を御覧ください。こちらの内容は、皆様は既に御存じかと思いますので詳細は割愛します。なお、修了者数等は最新の数字に更新してございまして、令和2年度までで基礎コース93名、応用コース56名、発展コース3名が既に終了しているとだけ説明させていただきます。まず1点は、今年度の予算額でございます。今年度の火山プロジェクトの予算額は6億4,000万円で実施をしています。
続きまして、資料4-2を御覧いただければと思います。こちらは、毎年火山プロジェクトで外部評価会を設置しておりまして、その中で事業のフォローアップを行った結果でございます。このフォローアップでは、まず進捗について評価をいただきますけれども、令和2年度のフォローアップでは全ての課題について想定どおり、あるいは想定以上に進捗しているという評価をいただいています。
資料4-2は各課題及び事業全体に関して、外部評価会の委員の先生方からいただいたコメントをまとめたものになってございます。同じものが火山プロジェクトの公式のホームページにも載ってございますので、そちらのほうも適宜御確認いただければと思います。ここでは各コメントについて簡単に紹介したいと思います。
まず、プロジェクト全体ですけれども、次世代火山研究推進事業の成果は、最終的には社会防災に資するべきものであるということを指摘いただいております。ただ、社会防災のために実装する際には、開発したツール等を過去に実際に起こった災害に適用することなどにより、その有効性や不確実性などを十分に検証しながら進めていただきたいというコメントをいただいています。
続いて、各課題のコメントについても簡単に御紹介させていただきます。
まず、課題Aでございます。こちらは一元化ということで、火山観測データ一元化共有システム(以下「JVDNシステム」という。)の構築に係る課題でございます。こちらについては、課題Aの中で「状態遷移図とイベントツリー」の提案が行われているといった点を高く評価いただいております。また、JVDNシステムについてのマニュアルを整備したところも評価いただいております。
少し前後しますが、各課題の詳細な進捗については、参考資料3-1から3-7に載せておりますので、詳細な説明は事務局からはいたしませんけれども、適宜参照しながらお聞きいただければと思います。
続いて、課題Bへのコメントでございます。こちらは火山観測技術の開発の課題でございます。いただいた主なコメントとしては、まず、サブテーマ内の連携が進んでいるということで評価いただいておりますが、他の課題、特に課題Cとは積極的に意見交換の場を持って、分野間の連携をしっかり進めていただきたいというコメントをいただいています。
課題B2-1については、令和元年度で廃止となっておりますので、昨年度は評価の対象ではなくなっております。
続いて、課題B2-2です。こちらは光センサーを活用した地震計の開発で、大きな特長として耐雷性、耐熱性、耐腐食性のあるセンサーの開発が期待できるといった課題でございます。こちらについては、非常に長期の安定的な観測に期待できるといった前向きなコメントをいただいておりますので、今後は耐腐食性、耐熱性も引き続き開発をするということで、非常に大きな期待をいただいております。
続いて、課題Cは物質科学的な研究を中心に火山噴火予測技術の開発を行っている課題でございます。こちらにつきましては、特に伊豆大島を対象とした課題内の連携研究について、高く評価をいただいております。課題Bの物理観測との連携が非常に重要ということで、今後は課題BとCとの間で分野間連携をさらに進めていってほしいというコメントをいただいています。
続いて課題Dでございます。こちらはよりアウトプットに近い研究で、火山災害対策術の開発についての課題でございます。こちらもほかの課題との連携をさらに進めるようにというコメントをいただいております。その他のコメントとしては、社会実装を想定した課題であるということで、自治体との連携が密に行われている点について高く評価をいただいております。付け加えまして、防災を担当している自治体関係者にとっては非常に重要なので、より使いやすいように改修と試用を繰り返すとともに、さらなるニーズの発掘に努めるようにというコメントもいただいてございます。
最後に人材育成についての評価でございます。こちらも学際的な研究分野である火山学について、日本全体として育てていくシステムであるという点を高く評価いただいております。
その他、具体のコメントとしては、修了生の質保証の仕組みを明示的にするようにという御意見もいただいてございます。こちらは、現状でも修了証は出していますけれども、それを可視化するようなことも検討していただきたいという御意見でございますので、紹介させていただきます。
まず、火山プロジェクトの進捗及びその評価について簡単に紹介させていただきました。
今後についてですけれども、このような評価会での御意見を踏まえまして、最終的なアウトプットを意識した事業の推進をしていく必要があると考えております。特に来年度には2回目の中間評価がございます。こちらに出しておりますが、恐らく前回と同様であれば夏頃に中間評価がありますので、中間評価が終わってからプロジェクトの最終アウトプットをどうまとめるかといった考え方で進めていくことが必要になってまいりますので、特に防災にどう資するかといった点、そして、分野間連携をどのように推進するかといった点の2点について、最終アウトプットに具体化していくという検討を進めていきたいと考えております。
私からは以上でございます。
 
【橋本主査】 ありがとうございました。
今、火山プロジェクトの研究プロジェクトのほうと人材育成コンソーシアムと二つ合わせて御説明いただきました。駆け足でしたので、詳細については、なかなか短時間ではちょっと把握できにくいかと思いますけれども、事前に資料を配付されているものを御覧になった方等おられたら、また後ほど御質問ありましたら、受け付けたいと思います。
その前に、このプロジェクトの火山研究運営委員会の事務局を務めている防災科研を代表して、藤田委員から何かただいまの御説明に加えて補足等ありましたら、お願いできますでしょうか。
 
【藤田主査代理】 防災科研、藤田でございます。それでは、事務局の御説明に若干補足させていただきます。資料4-1をお願いしてもいいですか。それの2ページ目です。
皆様御存じのとおり、火山プロジェクトは今年で6年目に入りました。事務局から御説明ありましたとおり、来年は7年目の中間評価ということで、プロジェクト自体も後半に入ってきて、最終的な成果を出すところに今フォーカスを絞って、これの次世代火山研究推進事業、真ん中辺りに黒いダイヤモンドで書いてあるところですが、そこの火山研究運営委員会ということで議論を進めております。先週7月9日にこの火山研究運営委員会で議論を進めました。
もう1ページ前を出していただいてもよろしいでしょうか。
真ん中の事業概要の下に、このプロジェクトで目的・目標とするところの一つ目のポツで、「観測・予測・対策」の一体的な火山研究の推進、直面する火山災害への対応(災害状況をリアルタイムで把握し、活動の推移予測を提示)、それから、火山噴火の発生確率を提示、こういったお題目が与えられていますので、これに対してどういう具体的なアウトプットを出していくかということを火山研究運営委員会で議論しています。例えば今、これまで進めている中では、特にその上の活動の推移予測を提示というところでは、イベントツリーを作っております。それから、課題Aのほうで状態遷移図というのを提案しています。それに加えて、分岐を含めて火山噴火の発生確率そのものを出すのは多分難しいので、またどういった形で出すかということをプロジェクトの中で議論して、方向性を出していきたい。例えば火山噴火の切迫度といった表現になるかもしれませんけれど、そういった議論を今、進めています。
補足としては、以上でございます。
 
【橋本主査】 ありがとうございました。事務局からの御説明に加えて、ただいま防災科研の藤田委員から補足をいただきました。これらの御説明に関して皆様から御質問やコメント等がございましたら、この時間にお受けしたいと思います。時間は十分取っておりますので、挙手して御意見をぜひお願いいたします。御質問等何なりとお願いできますでしょうか。
では、並木委員から手が挙がっていますので、お願いいたします。
 
【並木委員】 名古屋大学の並木です。先ほどの藤田委員の御説明について、ちょっと最後のところが分からなかったので教えてほしいのですけれども、切迫度とかそういう指標というのは誰に向けて提出するものなのでしょうか。ごく一般の人に向けてなのか、自治体の方に向けてなのかというのによってもまとめ方などが変わってくると思われますが、その辺りをお教えいただけますでしょうか。
 
【藤田主査代理】 御質問ありがとうございます。藤田が説明します。まず、この事業が基本的には研究開発なので、我々は火山学的に切迫度をどう表現するかという定義をするところが第1段階だと思っています。それを踏まえて、例えば状態遷移図という提案をしていますけれども、これはもう少し一般とまではいかないかもしれませんけど、例えば自治体やそのステークホルダーの判断のための材料として使えるものまでいければいいなとは思っています。それは究極の目標ですので、例えばこのプロジェクトの中では、ある程度のプロトタイプ的なものまでは進めて、またさらにその次に向けてどう進めるかという議論も含めて行っていきたいと思っています。なので、並木委員の御質問に対しては、最初に火山学的に我々のプロジェクトとしてまずどういった定義ですればいいか、それに対してどういった表現ができるか、提案ができるかということを目指しております。
以上でございます。
 
【並木委員】 ありがとうございます。そのような取組というのは、海外などの取組と比べまして何か違いや、あるいは同様な点があったりなどありましたら教えてください。
 
【藤田主査代理】 例えば切迫度というのが一つありますが、これは橋本委員がニュージーランドの事例を参考にして、日本のものにも取り入れてみようと思っているところです。それから、海外ですとあとはイタリアなど、あちこちでそういった異常度、イベントツリーも含めてですけど、そういった知見があちこち海外のものがありますので、一応そういったものも参考にしながらということを考えています。
あと、先ほど言い忘れましたけど、そういったものをつくるに当たっては、気象庁のほうで、最終的にレベルの上げ下げといったようなことにも反映できる、その素材となるというか、それの基礎的な火山学的な裏づけとなるようなものをつくることを目指していきたいと思っています。
 
【並木委員】 ありがとうございました。
 
【橋本主査】 ありがとうございます。確率や切迫度というのをどういうふうにするのかという質問でしたけれども、私からそれに関連して、確認というか質問をしたいのですが、このプロジェクトはあくまで研究、学術的な立ち位置ということで、アウトプットとして、現段階で、その確率なり切迫度なりという形で、自治体等に成果として情報提供するところまで持っていくのではなくて、学術的にはどういう定義でそれを出せばいいかを検討するところまでをしっかりやると。それに加えてどういう情報の出し方をすると、社会的にどういう影響があるのかも含めて、この火山プロジェクトでは検討をすると。特に課題Dのほうですかね、そういう説明でしたけど、よろしかったでしょうか。
 
【藤田主査代理】 今、橋本主査が御説明しましたとおり、どのような出し方をするかというのはやっぱり非常に運営委員会のほうで議論になっていて、特に社会科学的な知見からどう出すかということも含めて議論する。併せて気象庁とも一緒にタスクフォース等で議論を進めていきたいと思っています。
 
【上山地震火山専門官】 ありがとうございます。それに関しては事務局からも1点体制について補足いたしますけれども、こちらの事業は皆様御存じかもしれませんけれども、プロジェクトリーダーとプロジェクトアドバイザー(以下「PA」という。)に統括していただいておりますが、そのうちリスク・コミュニケーション担当PAとして東京大学情報学環の関谷先生に御参加いただいております。特に社会科学的な見地からの御意見として、社会実装にどう進めるべきか、という点については、関谷PAからいろいろ御指導いただいているところですので、まさに並木委員の御懸念の点については、しっかりとそういう社会科学の観点からも適切な出し方を検討していきたいと考えています。
私からの補足は以上でございます。
 
【橋本主査】 ありがとうございます。まだ時間が十分あると思いますので、ほかの方からの質問を受け付けたいと思います。
宇平委員、お願いいたします。
 
【宇平委員】 宇平です。一応、自治体の関係者として先程から自治体が受け止められるかということが議論されているかと思うので、思うところをお話ししますと、ただ単に数値的に噴火確率を提示されても、実は何も役に立たないと思っています。やっぱり火山の活発化の現象が進行していく上で今、何が起こり得るのか、あるいは噴火が始まってから次はどのような展開になり得るのかというところがむしろ重要で、そういうものがないと、例えば具体的な避難計画となかなか結びついてこないところがあります。だから、ただ単に数値の確率を出すことに専念してほしくはなくて、むしろ様々な火山活動の諸段階においてどういうことが起こり得るのかというところを提示していただけると、多分、使い道というか別な観点が見えてくるのではないかと思っています。
以上です。
 
【橋本主査】 ありがとうございます。それに関しては恐らく課題Aのほうで取り組んでおられて、資料にもあったかと思います。参考資料のほうに少し載っているかと思いますけれども、さっき藤田委員からもちょっとお話がありましたが、状態遷移図ですか、その辺りを少し改良していくということで、そういった目標に少し近づけるということを考えられるのではないかと思います。もし説明が可能でしたら藤田委員からお願いできますか。
 
【藤田主査代理】 今の宇平委員からの御質問です。今どういう状態にあって、今後どういう活動が考えられるかということを分かりやすく示すために、課題Aのほうから状態遷移図というものを提案してございます。これは下の、今、表示してあるものは、霧島の状態遷移図の例です。これは過去のここ数十年の実績で、非常に簡便化してバックグラウンドからマグマだまりが膨張して、ガスが増えて、その後、準プリニアン、総プリニアンとか溶岩流出など、その後はブルカノに行く。こういった非常に簡単化した状態遷移図というのがあって、こういったものをまずは研究者の中で、こういった図のコンセンサスをつくるところが第1段階で、その次に、これを自治体等でこういったものをお示しすることによって、数字だけではなくて、今後どういうふうなことが起こり得るかということを示すようなものに持っていきたいと思っています。
これは課題Aの提案ですけども、課題Cの特にC-2のほうでは、イベントツリーというものを提案してございます。皆様よく御存じのどういった噴火形態、例えばプリニーからブルカノに行くといった事例のイベントツリーがありますけれども、そういったものと組み合わせていって、状態遷移図と事象系統図を組み合わせていって、あとは対応までつなげるということを、特にこのプロジェクトの後半で、そこをフォーカスして、あとは課題AからDまでを連携して進めていこうと思っています。
宇平委員は、評価のほうのメンバーでございますので、ぜひ引き続きアドバイスいただければと思います。
以上でございます。
 
【橋本主査】 ありがとうございます。
宇平委員、さらに何かございますか。
 
【宇平委員】 ありがとうございます。多分、そういう状態遷移図みたいなものがあって、それにプラス、リアルタイムデータですね、それはJVDNシステムがあるので、今、システムを作っていただいているので、その二つをうまく組み合わせれば、自治体のほうでもそれなりの経験あるいは知識があれば判断ができるだろうと思っています。我々はもちろん気象庁の今の防災システムだと、気象庁から出る情報を重点的に考えていくわけだけれども、やはり自治体の側でもCPUを持っていて、次はどうするべきか、ということを考えながら、次の噴火に対応していきたいというふうに思っていますし、そういう成果にこのプロジェクトがいくと非常にいいかなと思っております。ありがとうございます。
 
【橋本主査】 ありがとうございました。
もう少し質問を受け付けたいと思います。課題間の連携ということもかなり指摘されているということでしたので、そういった観点からも何かコメントなどありましたらお願いします。では、中道委員、何かありましたらお願いできますか。
 
【中道委員】 中道です。課題間の連携についてですが、私自身この課題の中で言いますと、ちょうど紹介にありましたB2-2の課題責任者をやっております。それで、これは直接研究のほうに応用して実際使うときになると多分、課題B-4が一番密接ですが、まだ開発の途中の段階なのと実践投入がつい最近という感じになってきていますので、これはこれからだと、技術開発の部分はこれからだとは思っています。ただ、ほかの例えば課題BとCに関してもそうですし、CとDに関しても、部分的でありますけども、少しずつ連携も進んでいますし、それと課題Aにつきましては、B、C、Dで生産されたデータが順次Aで取り組まれていて、私も関わりましたけれども、課題のD-2の京都大学防災研究所代表の課題ですが、そのデータがほぼリアルタイムで、課題Aで作られているJVDNシステムで皆さん閲覧できる状態になっていますので、着々と進んできていると思います。
以上です。
 
【橋本主査】 ありがとうございます。では、大園委員から何かありますか。
 
【大園委員】 大園です。課題間の連携と直接は関係しないのかもしれませんが、さっきの議論をちょっとお聞きしていて、気になったことがあって、JVDNシステムの開発が進んで、情報の一元化というか共有が進んでいますけれども、それによって各課題や、例えば学生や研究者の方々が研究のほうで、イベントツリーとはまた別に専門的なほうでどれぐらい利用ができているのかなというのが少し気になって、そういったことができれば、自然といろんなところでの連携ができるのではないかと思いました。
あとは、直接は関係ないかもしれませんが、建議のほうでも火山のほうもやっていて、この火山プロジェクトと関わる部分も結構多いと思いますので、そういったところでも、お互いにやり取りすることによって、もちろん今も進んでいると思いますけれども、効率的に成果が上がっていけばいいのかなと思いました。
コメントになりますが、以上です。
 
【橋本主査】 貴重な御意見ありがとうございます。今のお話でJVDNシステムの利用状況に関してちょっとありましたけども、どれぐらい登録されているかということは見れば分かると思いますけども、どれぐらい利用されているかということもモニターしていますかね。誰に聞けばいいのかな。藤田委員からお答えいただければ。
 
【藤田主査代理】 藤田のほうからお答えいたします。
JVDNシステムは現在、120ぐらいの登録者数で、内部が20人ぐらいで防災科研外部から今、100名ぐらいの方の利用登録をしていただいています。論文の精査などはこれからだと思いますけど、例えば我々のコミュニティーではないところの卒業論文、修士論文だったかな、そういった論文で使われているといった実績があります。すみません、すぐ具体的な数が出てこなくてあれですが。この後に次の議題になってしまうと思うのですが、火山機動観測実証研究事業が次の議題でありますけれども、そちらのほうとも関連して、JVDNシステムをベースにして、その研究成果、例えばデータ解析をどう研究的に進めるかという議論はこれから進めていくフェーズにあると思っております。
以上です。
 
【橋本主査】 ありがとうございます。JVDNシステムに関しては、タスクフォースという組織でもって、多分その運用に関して議論されているかと思いますけれども、私などの立場から見ると、タスクフォースがどういうふうに動いているのかというのもいま一つ分かりにくいところもあったりしていまして、かつ我々もその研究グループというか、関連した研究分野の研究者の間でデータを提供しようというコンセンサスはほぼできていますけれども、実際そのデータを登録する作業になかなか時間が取れない状況もあったりして、なかなか実際に貢献できてないところがあります。何かそういうことを打破していくために、例えばある期間を定めて、集中的にそういうことに取り組むキャンペーン期間みたいなものを設けて、積極的にデータを登録していくことでもあると、強制的に時間をつくってできるのではないかと思ったりもします。なかなか火山プロジェクト自体の観測や建議のほうなどいろいろなものが同時に走っているので、そこに時間をまとまって割きにくいという状況も常時あったりして、この辺がちょっとネックになっているかなという気はします。今のはすいませんが、単なるコメントです。
それでは、この時間はまだ少し時間ありますので、もう少し、御意見を伺いたいと思います。
 
【田中委員】 産総研の田中ですけれども、発言してよろしいでしょうか。
 
【橋本主査】 お願いします。どうぞ。
 
【田中委員】 タイミングを逸してしまったので、今までの御意見を伺ったまとめになると思いますけれども、最初に一番簡単なことをお伺いいたします。先ほどJVDNシステムの利用状況は120名くらいとおっしゃっていましたけど、大体、海外の方はそのうち何名ぐらいですしょうか。
 
【橋本主査】 藤田委員、お願いします。
 
【藤田主査代理】 海外はすみません、把握してないです。申し訳ないです。
 
【田中委員】 あちこちで宣伝されているのは、私自身も聞きますが、利用者が意外と少ないような気がいたします。何故かというと、例えば、人材育成の学生さんは今まで卒業された方でも結構な数だと思います。そういう方々は全然使われていないのでしょうか。今まで修了された方は、100人以上だと思います。それとも、機関の数なのでしょうか。
 
【藤田主査代理】 ユーザー登録者数が114人です。114人で、内部が十数人なので、恐らく防災科研の外が100人ぐらいで、海外かどうかは、すみませんが、すぐ調べます。
 
【田中委員】 調べて頂くにはおよびません。せっかく作られているのだから、もう少し使われてもいいのではないかというのが素直な感想です。
 
【藤田主査代理】 ありがとうございます。
 
【田中委員】 100という数ではなくて、今までの人材育成の学生さんや修了者数に比べて少ないと思います。もったいないなというのが1つ目の感想です。
もう一つ、私は、今年は縁があって、何人かの委員方とは御一緒していますが「測地学分科会」の会議にも出席させていただいております。そこである社会学者の方から言われましたことです。我々は宣伝していると思っていても、必ずしも受け手側からはそうは聞こえていないことがあるということです。コマーシャルという言い方は変かもしれませんが、“地震”は、スポークスマンがおられ比較的うまくいっていると思うけれども、“火山”は必ずしもそうではないかとう指摘を受けました。やっぱり、このようなことは考えていくべきなのかなと思っています。
何かネガティブな言い方をしてすごく申し訳ないですけれども、御参考までにお伝えします。以上です。
 
【藤田主査代理】 ありがとうございます。
 
【橋本主査】 貴重な御意見ありがとうございます。
 
【藤田主査代理】 海外についてはすぐ調べます。それから、火山プロジェクトの人材育成で100名ぐらい出ているということですが、確かにそちらのほうでデータを使っているという事例がまだ少ないです。JVDNシステムのデータの公開を始めたのが2019年の3月です。徐々に、最初は防災科研と気象庁のデータから始まってきて、現在は各大学のデータを合わせて登録していただいている状況にようやくなってきたということで、ちょうど今、そういったフェーズなので、まだ人材育成の学生さんにきちんと使っていただくようなレベルにまで到達していないということだと思います。
あと、宣伝が下手だというのはおっしゃるとおりです。特に海外なんかですとVOBPと言って、国際的な観測情報のネットワークのワークショップでも一応アナウンスはしていますけれども、我々はWOVOdatというシンガポールのEOSが中心としているところとデータの共有化、フォーマットの共通化を図っています。そういうところも含めて、もう少し国内外の宣伝は田中委員の御指摘のとおりだと思います。貴重な御意見ありがとうございます。
 
【橋本主査】 ありがとうございます。そうですね、その件に関して私もちょっと感じるところがあって、以前うちにいた学生が、このJVDNシステムを通じて、1年ぐらい前ですけども、データをダウンロードしようとしましたところ、気象庁のデータをここから取ろうとすると非常に細かい範囲でしか取れないとなっていて、長期間のデータをダウンロードしようとすると非常に手間がかかるので、これだったら気象庁に直接お願いして、ハードディスクなりDVDなりに入れてもらったほうが簡単だということで、やめてしまったということをちょっと聞いたことがあったりしたので、今、改善されているかもしれませんが、そういうユーザー側の使い勝手などというところでも、まだ改善されるべきところがもしかしたらあるのではないかと思います。そういう意見を聴く機会もあるとよいのではないかと思いました。
それはでは、もしほかにあれば挙手をお願いします。今のこの話題に関して質問があればお願いします。
 
(「なし」の声あり)
 
【橋本主査】 よろしいですか。では、次に進みたいと思います。
次は、火山機動観測実証研究事業というのが今年度から走り始めたということで、こちらの事業について事務局から御説明いただけますでしょうか。
 
【上山地震火山専門官】 事務局、上山でございます。それでは、火山機動観測実証研究事業について説明を差し上げます。
ほとんどの皆様が第10期から御参加いただいていますので御存じかと思いますが、こちらの事業は、昨年第10期の火山研究推進委員会のほうで取りまとめていただきました、「火山研究の推進のために早期に取り組むべき課題について」という提言を受けて、今年度から開始した事業でございます。
ほぼそのまま提言の内容を反映したものとなってございますが、こういった形になりましたということで、事業概要を事務局から説明させていただきます。
まず、全体の概要でございますけれども、この事業は火山の総合理解のために機動観測に必要な体制構築に係る実証研究を実施することを目的としている事業でございます。
背景として、こちらも提言で指摘された内容をまとめたものでございますが、まず、緊急時に迅速に機動観測を実施することが非常に重要であること、また、平時においても火山の内部構造や状態についての科学的知見を得るための調査研究が重要であること、併せて、火山プロジェクトで開発された新たな技術を系統的に実装することも必要であることなどがございます。
他方で、それらを実現する際の課題として、各大学がそれぞれ独自に人員や観測機器をそろえて、機動観測を実施する体制を整えることは現状困難になっているということ、そして、これは幸いにしてというべきですけれども、現在、国内では火山噴火事例があまりないため噴火の事例数及び噴火様式の多様性が国内火山だけでは確保できず、海外の火山に目を向けないとなかなか機動観測とそれに基づく火山観測研究が進まないことが挙げられております。
それらを受けまして、本事業では火山の総合理解のための機動観測に必要な体制構築ということで、防災科研に我が国の火山研究の司令塔を構築することを目指しています。
具体の内容はこちらに書いてあるとおりです。こちらもほぼ提言にまとめていただいた内容をそのまま事業に落とし込んだものでございます。中核的研究機関にマネジメントを可能とするための事務機能を構築するということで、具体には2点ございますけれども、まず、国内の機動観測に関しては、観測計画の策定からこの中核的研究機関で行います。同時に、実際に機動観測を進めるに当たっては、研究者の派遣や機材の調達・維持管理を同機関で一元的に行うといったことを実現する体制を構築いたします。
他方、海外火山に関しましては、まずは海外の研究機関と連携するための国際対応窓口の整備を目指します。
先ほども議論いただきましたが、この事業で得られたデータにつきましては、当然JVDNシステムによって研究者間での共有を考えてございます。
事業のスキームですけれども、防災科研に火山研究の司令塔を構築するという事業になりますので、防災科研に対する補助事業という形で令和3年度から7年度までの5か年の事業でとして、火山プロジェクトの後半と並行して進めることとなります。
こちらの右下に示しておりますのは、火山プロジェクトの成果の活用が重要であるということで、例えばどういう成果を活用し得るかといった例を挙げているものでございます。
こちらからの事業の説明は以上です。
あと、本年度の予算額ですけれども、6,200万円を措置していただいています。来年度以降、さらに機材の整備等を進めて実地での機動観測を実現するために、さらに予算を要求することを考えてございます。
こちらからは以上です。
 
【橋本主査】 ありがとうございました。
この事業は、防災科研への補助事業と、ただいま、事務局から御説明ありましたようにこの左下に書かれていますけども、補助金事業ということですので、具体的な取組について藤田委員からもう少し詳しい説明をお願いしたいと思います。お願いできますか。
 
【藤田主査代理】 防災科研、藤田でございます。資料4-4で説明差し上げます。
研究のバックグラウンドなどに関しましては、今、事務局から御説明いただきましたけども、今年度4月より本事業を開始しております。火山機動観測実証研究事業の実施内容ということで、緊急時と平時と両方を合わせて、特に稠密な観測を行うということ。それは平時においても、特に火山プロジェクトで得られた成果に基づいてさらに詳細なところを深く掘っていくという形で、平時に観測するというのが右側の図です。これは一つの事例ですけども、霧島周辺を今年から5年間の前半で対象として今計画をしているところです。火山プロジェクトの課題B-4で、相澤委員もいらっしゃいますけども、電探、地下の比抵抗構造のイメージングが非常に詳しくできた、あるいはこれまでの地震波速度構造のイメージングができたということがありますので、そういったところをさらに詳細に捉える、あるいは火山ガスや地質学的な観測を含めて、そういったことをやるというのを前半は例えば霧島で進めようかなということで今、計画をしています。
それから、緊急時に関しては、これまで何か突発的な噴火があったときに、特に地元大学を中心として緊急観測を行っていましたけれども、そういったことのハンドリング、企画・立案、それから特に機材や人材をベストプラクティスで配置して、観測計画を立てるという事務機能を当所で持とうということで考えてございます。本年度はこれらに関連して、地震計や記録計、NTの観測システムを今年度は整備し始めています。それから今年度に関しても、地物観測、ガス観測、それから、火山灰の収集観測、あるいはそういったものを分析する作業や観測の役務作業などといったものをハンドリングするということで、今進めています。
今年4月に東京大学地震研究所を定年退官された森田先生が、防災科研に来られていまして、森田先生を中心にこの事業を進めています。
簡単でございますが、以上でございます。
 
【橋本主査】 ありがとうございました。
それでは、事務局及び藤田委員からの御説明に関しまして、皆様から御質問やコメント等をお願いしたいと思います。十分時間は取っておりますので、挙手でどなたからでもお願いいたします。
中道委員、お願いします。
 
【中道委員】 この火山機動観測実証研究事業の緊急時の対応ですけど、これは既に次世代火山研究・人材育成総合プロジェクトの総合協議会の下に火山噴火緊急観測部会というのが設置されていますけど、それとはどういう関係にあって運営されるのですか。
 
【橋本主査】 では、事務局から。
 
【上山地震火山専門官】 事務局から補足させていただきます。
本件について、火山プロジェクトの総括担当PAを務めていただいている西垣先生のほうから御提案をいただいております。基本的には、緊急観測についてはこれまで火山プロジェクトのほうで実施しており、旅費は火山プロジェクトの委託費から出していましたが、観測計画をきちんと系統的に組み立てること、また、観測機材を一元的に調達することまでは火山プロジェクトではなかなかフォローできておりませんでした。そのため、西垣PAから、新しく火山機動観測実証研究事業が開始されたことを受けて、緊急観測については同事業のほうに一元化するのがよいのではないかという御提案をいただいております。その点について、今年12月に火山プロジェクトの次回総合協議会を開催しますので、そこで御審議いただくことを検討してございます。総合協議会で承認いただければ、火山プロジェクトの緊急観測は火山機動観測実証研究事業のほうに集約されるものと考えております。
以上でございます。
 
【中道委員】 ありがとうございました。
 
【橋本主査】 ほかにも御質問、コメントございましたらお願いします。並木委員、お願いします。
 
【並木委員】 すみません、こちらに参加しようと思っても、今メンバーに入っている人しか参加できないというシステムなのでしょうか。というのは、私は例えば観測研究を主とした研究対象としていませんけれども、機会があれば参加できればと思っていて、海外のUSGSなどですと、入れてくれって言うと入れてもらえます。日本ではそういうシステムがないように思われるのですけれども、そういう、ふだんからこのメンバーに入っていない人でも貢献したいという時には、貢献できるといいと思いますけれども、その辺りはどうなのでしょうか。
 
【橋本主査】 藤田委員からお願いします。
 
【藤田主査代理】 藤田です。
説明が不十分で申し訳ありませんでした。本事業に関しての全体的な説明をもうちょっと早くやればよかったのですが、9月、火山学会の頃か、それぐらいの時期に防災科研から皆様に御説明させていただこうと思っています。
それで参加形態についてですけど、火山プロジェクトは文部科学省のほうは委託費なので、それぞれ委託研究を契約して結んでいるところが参加していただく様になっていますが、本事業のほうはフォーラムという形でメンバーシップ制を取ることで今、準備しています。そういった意味では契約というよりもそのメンバーになっていただく形で、例えば旅費をそのメンバーに対して防災科研から出すとか、機材をこちらから貸出しをするとか、そういった形で進めようと思っています。そこは火山プロジェクトと並行して、例えばデータは先ほどの議論にもありましたけど、JVDNシステムでデータを共有して両方を一緒に解析をするといったことも含めて、効率的にやっていこうと思います。
なので、御質問に関しては、これまでの委託研究で契約を結んでないところに関しても一応メンバーとして参加いただける形を取ろうと思ってございます。
 
【並木委員】 ありがとうございます。
 
【橋本主査】 御説明ありがとうございました。ほかにも御質問、コメントあればお願いします。
先ほどこの事業で機材の調整や貸出しなどということも出ましたけれども、大学の例えば東京大学地震研究所などで、共同利用の枠組みで機材の貸出しも従来からやっておられるわけで、そういう観点から、大湊委員から何かありましたら、コメントなり、御意見なり、質問なりをいただけますとありがたいです。
 
【大湊委員】 東京大学地震研究所の共同利用のほうは年度の初めに申請していただいて、それでその年度にその計画に沿って機材を貸し出すというのがメインで、突発的な活動や噴火があったときに貸せるかどうかというのはそのときに空きがあるかどうかということに依存するわけです。この火山機動観測実証研究事業のほうでの、この管理システムというのは常に用意しておいて、突発的なときのみに貸すということを想定したものなのか、それとも、例えば活動がないふだんのときには、緊急でない研究にも貸し出せるようなことを想定しているのか、それとも、とにかく緊急時だけを想定していて、ふだんはほかの目的には使わせないとか、そういうことに関してはどういう運用をするつもりなのかということと、あと、「大学等ほかの機関から登録する」と書いてありますけれども、これはどうなるかですよね。登録してあったとしてもまずは優先度がどこにあるのかという、その辺がどうなるか分からないのですけれども。東京大学地震研究所の共同利用のほうは、形の上では地震研究所のものですけれども、例えば機材の多くは補正とかで購入したものがあって、それはそもそも購入した時点ではいろんな大学の要望を聞いてそろえたもので、みんなで一緒に使いましょうという合意のできた機材ですけれども、火山機動観測実証研究事業のほうの機材というのはどういうふうな、優先順位を誰が決めるのか、その辺の藤田委員の考えを少し聞かせてもらえばいいかなと思っています。地震研究所の共同事業とかなり似た部分もあると思うので、同じものがあちこちにあるというのは、あまり効率がいいものとは思えないので、あくまでも補い合って、全体としてうまくいくような形にしたいと思うので、ちょっとその辺りをどこかで調整できればいいのではないかなと思っています。
 
【橋本主査】 ありがとうございました。
ただいまの大湊委員からの質問やコメントに関して、藤田委員からお願いできますか。
 
【藤田主査代理】 ありがとうございます。
御指摘のとおりですが、例えば東京大学地震研究所の共同利用という、一つの今、確立されているスタイルは各大学などが提案して、それに応じてリソースを配分するという形を取っていると思いますけども、こちらの火山機動観測実証研究事業のほうは、どちらかというとトップダウン的なことを考えています。というのは長期的な話になりますけれども、地震には地震調査研究推進本部があって、火山には同様の組織がない。学術研究もそうですけども、国としてどういった観測をすべきか、ということを議論する場が必要だろうと思っています。そういった意味で、ある程度トップダウン的なこと、もちろん提案を聞きながらですけど、そこの議論をするというところをこの事業のコアメンバー会議というのを計画していまして、そこで議論して基本的な方針を出して、それに対して応募をいただいて、リソースの配分を決めていく方向で考えています。
そういう意味では、共同利用あるいは建議ですね、建議のほうのプランとこちらのほうと両輪、二つのベクトルだと思いますけど、両方を大湊委員が御提案いただいたように、そこをうまく両方で活用していくということを考えていければなと思っています。
 
【大湊委員】 今、見えている図に関して質問いいですか。
平時と緊急時はどんな切り分けになるのか。噴火が始まって、その噴火の活動が続いている間は緊急という考え方をするのだと思いますけれども、噴火が起こって終わったけれども、その後、火山に関して構造をきちんと調べたい、調べるべきだとなった場合の観測は、平時の観測なのか、それとも緊急時に必要性が生じたものとして緊急時扱いになるとか、その辺の線引きはどんな感じになる見込みなのでしょうか。
 
【藤田主査代理】 少し説明が不足しておりまして、すみません。例えば機動観測の装置という意味では、例えば地震計何台、磁力計何台、MT観測システム何台という一つのパッケージというのはある程度の数を含めた上で、パッケージという形で準備しようと思っています。それを最低2パッケージ、だから、そのうちの一つのパッケージは平時の定常観測的なことに用いて、もう一つのパッケージを緊急時に使う。例えばそういったことで運用をしようかなと思っています。それで平時については、今こちらは霧島の例を取りあえず事務局のほうでは考えていますけれども、例えば霧島と、あと、後半では伊豆大島あたりを対象として集中観測的なことを考える。それと並行して何か突発的な噴火が起こった際には、そちらのもう1個のパッケージのほうを導入するといったイメージを取りあえずは考えているところです。これは予算の増減に応じてパッケージの数を増やしていけることを期待したいと思っています。
回答になっていますでしょうか。
 
【大湊委員】 大体了解しました。ありがとうございます。
 
【藤田主査代理】 ありがとうございます。
 
【橋本主査】 ありがとうございました。
それでは、さらにほかの皆様から御質問やコメントをお願いします。
田中委員、お願いします。
 
【田中委員】 トップダウンとおっしゃって、コア会議で決められるという方向性はありかなとは思います。先程、大湊委員もおっしゃっておられましたが、例えば私のイメージでは、規模は全然違うけれども、UNAVCOみたいなことを考えておられるのかなと思うのです。将来、例えばポスドクの方を雇うとか、日本ではなかなか難しいと思いますがテクニシャンを雇うとか、あるいはある程度データを取るところまで考慮するとか、そういうことまでは、含めて考えられてはいないのでしょうか。
あと、データのアーカイブというのは当然JVDNシステムもあることですから、考えられていると思います。始めると、維持・管理、アップデートをしていくことが生じると思います。その辺に対するお考えをお聞かせ願えればありがたいです。
以上です。
 
【藤田主査代理】 UNAVCOみたいなことを、おっしゃるとおり規模が全然違いますけども、将来的にはそういったところに。この事業の5年間では多分それは実現できないと思いますが、IRISやUNAVCOといった方向性が一つあったほうがいいかなと思っています。データ収集については、おっしゃるとおりJVDNシステムに全部入れるという大前提で考えています。そこで先ほどJVDNシステムのほうでタスクフォースという話が、データを使ってどういう解析をして、どういう研究するかという議論があったのですけども、それもここでこの事業と併せて両方それを進めていこうと思っています。
それから、特にマンパワー的なリソースは防災科研だけでは厳しいので、そういった意味で、この事業の例えば設置に関しては役務で外注する、あるいはそういった事業者を育てる、育てるという言い方がちょっと適切かどうか分かりませんが、そういった体制をつくるということも長期的には念頭に置いているという位置づけです。
 
【橋本主査】 ありがとうございました。田中委員、今の回答でよろしいですか。
 
【田中委員】 ありがとうございました。皆様理想はあると思いますけれども、なかなか現実はというところもあるというのは重々承知していますが、方向性としてはすばらしいと思いますので、ぜひ頑張ってやっていただければと思います。
以上です。
 
【橋本主査】 ありがとうございます。
 
【藤田主査代理】 特に我々、防災科研だと特にジオロジカルのほうは弱いので、そこは産総研の皆さんにも、特に地質学的なところは併せて、解析するフローといったものを含めて御検討いただいているところでございます。地物だけではないところをお伝えしておきます。
 
【橋本主査】 ありがとうございます。
ほかの方はどうでしょう。観測系ではない、また、委員として鈴木委員から何かこの辺りに関して御意見等ありますでしょうか。
 
【鈴木委員】 今、藤田委員から御説明があったのかもしれませんが、具体的にどうやってこの火山機動観測実証研究事業に地質学的研究や物質科学的研究が入っていくのか、今現在の考えていらっしゃることでもいいので、御説明いただけるとありがたいと思います。よろしくお願いします。
 
【藤田主査代理】 産総研の伊藤さんや篠原さん、今日は角野委員も入っていらっしゃいますけれども、例えば地質学に関しては、降灰調査を今、内閣府の火山防災対策会議の下で各機関、それは国土交通省、土木研究所とかその辺も含めて降灰データを集めて、噴火が起こったときに降灰分布調査を共通化しようということで、JVDNシステムに入れるスキームということまでは今、一つ進んでいます。
その次に、それをどう分析して、どういった情報を出すかというところを、例えば産総研が一番その実験装置などがありますし、そういった分析、例えば一次処理、地震で言うと震源決定といった一次処理的なことも、スタンダード・オペレーション・プロシージャー、SOP的にして、誰でもできるというと変ですけど、非常にスタンダードな手続でできるような仕組みが地質学的、岩石鉱物学的にもできないかなということで議論を始めていただいているところだと思います。それが多分、この5年間の最初の一、二年でそこの方向性とか、例えば資料の収集の仕方とか、渡し方とかそういったフローについて標準化できないかということを含めています。あと、角野委員も入られているので化学的なことを角野委員からもしよかったら少し補足していただければありがたいです。
 
【橋本主査】 角野委員から何か補足お願いできますか。
 
【角野委員】 東京大学の角野です。私が関わっているのは火山化学、火山ガスなどの範囲で、多分こういうのに今まで一番入れていないところだと思いますので、これから入れていかないといけないところだと思います。例えば、私たち分析屋は一番あちこちの火山でこういうことをしようと思ったときに、苦しいのはサンプル採取です。逆に言うと、それをやっていただけるルーチンが確立できれば、ある程度、あとは分析するところが、もちろん防災科研にそれを置くのはなかなか大変だと思いますけど、例えばそれをどこかの大学が請け負うこともできると思うので、そういったような、先ほどおっしゃいましたけれども、誰でもサンプリングできる、それもあまりいいかげんなサンプリングだとサンプルの質が落ちてしまうので、きちんと分析に耐えるだけのサンプリングが誰でもできるようなルーチンや道具ないしそういう標準的なプロシージャーというのをこの事業の間に確立できると、それが終わった後でも多分、今まであまりこういうことに入れていない分野、ガス項目ですね、火山ガスなどというものを入れていけるのではないかと自分なりには考えています。
以上です。
 
【橋本主査】 ありがとうございます。この事業自体はこういう枠組みを検討して、さらに、その次のプロジェクトを念頭に置いて、そこに向けていかに効率的で使えるシステムといいますか、組織的なものを含めてですけど、そういう仕組みをつくっていけるかということを実証、検討していこうということだと理解しています。まだこれで何か固まっているものではないと考えていますので、こういったフォローアップの機会も通じてどんどん意見を出していただくのが大事かと思います。
相澤委員、まだ発言いただいてないので、何かお願いできますか。このスライドの図にも九州大学の成果が上がっていますけれども、何か御発言をお願いできますか。
 
【相澤委員】 実際的にこういう事業を動かしていくとなるとやっぱり田中委員がおっしゃっていたように、維持や管理をする人が必要だと思います。それで、火山プロジェクトで100人近い方が卒業されていているので、ぜひそうしたその火山の専門知識を持った人材をこの事業でも活用していけるような流れをつくっていただくと、実際によく動くようになるのではないかなと考えております。
以上です。
 
【橋本主査】 ありがとうございます。これは、どうでしょう。事務局のほうがいいのでしょうかね。何かこの辺りのことについては、どのように見通しがありますでしょうか。
 
【上山地震火山専門官】 事務局でございます。あくまで一般論ですけど、少なくとも本事業については、5か年の時限的な事業ですので、このような時限的な事業に若い研究者の方に入っていただいて、事業が終わってからのことは現時点で何も保障されてない形になりますので、必ずしもポジティブな面ばかりではないのかなと思っています。先ほど藤田委員もおっしゃられたように、地震調査研究推進本部のような恒久的な枠組みができれば、当然そこで力を発揮していただくということは非常にいいかもしれませんが、少なくとも現時点では5か年の事業という形になりますので、すぐにそういう若い方に参加いただくというのは慎重に検討したいと考えています。
 
【橋本主査】 ありがとうございます。
このスライドで言うと、クロスアポイントメント(以下「クロアポ」という。)や客員などがありますけれども、この辺りの方々が実際にそういう運用にも当たるというイメージでしたでしょうか。これは藤田委員に聞いたほうがいいかもしれません。
 
【藤田主査代理】 藤田でございます。ここにクロアポ、客員という形で書いていますけども、先ほどヘッドクォーターとなるコアメンバー会議というものを一応この事業で考えているというお話をしましたけども、ここに関してクロアポを考えてございます。現時点で4人の先生のクロアポを考えています。それから、あとは客員ですね。客員という形で参画いただく先生も検討を進めています。これがある意味、トップダウンと言ったら変ですけど、先ほどトップダウン的なという表現をしましたけど、ある程度基本的な観測及び研究計画をつくって、そこでこういった方針でということで、メンバーシップのメンバーの方々に募集するという形を考えています。
クロアポに関しては、一応前半と後半で、4年間で、今年はもう1年目は終わりますので、2年ずつ2期に分けてクロアポをお願いしようと考えています。
以上です。
 
【橋本主査】 分かりました。そうすると、先ほど相澤委員からちょっと質問のあったような、実際にこういう機材を運用していくに当たって、メンテナンスや更新といったことも当然出てくると思いますが、その辺りはもう当面は防災科研の中で回していかれるという感じになりますか。
 
【藤田主査代理】 そうですね、メンテナンスや更新は、5年間なので更新がどの程度あるかはあれですけども、最初のフェーズの5年間に関しては、メンテナンスも含めてここの中で行う形になります。
 
【橋本主査】 ありがとうございます。すみません、先ほど宇平委員から手が挙がっていたように思いますけど、もし何かあれば。
 
【宇平委員】 後半は伊豆大島がターゲットになるという話を伺って、島嶼火山を担当しているので気になるのは、霧島山だったらこのスライドの右側の図でいいですけど、島嶼火山というと、海陸統合で攻めていかなくてはいけないかなと思っています。これは地震・防災研究課だけのテリトリーではなくなるのですけど、本当に僕らが必要としているのは、ただ伊豆大島にしろ、三宅島にしろ、もう少し海まで入れたような構造を知りたいと思っているわけですね。だから、せっかくのこういう意欲的な取組がある中で、海陸統合もぜひ視野に入れていただきたいなと思った次第です。そのコメントだけでございます。
 
【藤田主査代理】 藤田です。ありがとうございます。議事録に残さないほうがいいかもしれないけど、海のほうはなかなか予算規模も大変ですけれども、おっしゃるとおりだと思います。ちょっと今回の趣旨とずれてしまうかもしれませんけども、JAMSTEC(海洋研究開発機構)がかなり海域でいろんなプランを練られていて、そことはオフィシャルでは、オフィシャルなのかな、JAMSTECと情報共有はしています。なので、そういったことも含めて、大島というのは考えていきたい。特に学術的にですけど、そういったことを考えていきたいと思っております。
 
【宇平委員】 分かりました。実はついこの間、JAMSTECとそういう話をしたばかりなので、ぜひ進めていただければと思います。ありがとうございます。
 
【藤田主査代理】 ありがとうございます。
 
【橋本主査】 ほかに御意見ありますか。加藤科学官、何か御発言ありますか。
 
【加藤科学官】 今、何度も出てきた話ですけども、ここに出ている図で、大学からクロアポなどがあるという話がありました。そうでなくても、現在、火山の研究者は非常に忙しくて、大変な状況なので、期限がある計画ということではありますけども、研究者の負担が増えないような工夫というのは、ぜひ考えていただければと思います。
以上です。
 
【橋本主査】 ありがとうございます。そこはやはり気をつけていかなければいけないところだろうと私は思います。
矢部学術調査官、お願いできますか。
 
【矢部学術調査官】 あまり火山の観測は分からないですが、先ほど機材をどうするかという話も一時ありましたけど、その辺の融通が柔軟にできないとなかなか機能しないかなという気はします。今はそんなところです。
 
【橋本主査】 ありがとうございます。
確かに運用ということを考えると、貸出しのときの手続や実際的なことを考えると、結構煩雑なことも多くあると思います。東京大学地震研究所の共同利用などでも我々が機材を貸していただくときに、いろいろ申請すると、実際に教職員の方がいろんな手を動かして、発送や事前にチェックをやっていただいているので、借りる側としてもちょっと心苦しいところが結構ありますけども、その辺もきちんと持続的に回していけるというか、うまくやっていけるシステムが必要だと思います。
この事業に関して、ほかに何か御質問、御意見ありますでしょうか。
 
(「なし」の声あり)
 
【橋本主査】 よろしいですか。
そうしましたら、まだ少しだけ時間がありますけども、最初の火山プロジェクトも含めて、全体通して何かもう一度御質問、要望や御意見がありましたら、ここで受け付けたいと思います。いかがでしょうか。今年度はこの1回だけの会議のようですので、ぜひ時間を有効に使って御意見いただければと思います。もう発言されてない方はいらっしゃらないと思いますが。大園委員から手が挙がりました。お願いします。
 
【大園委員】 すみません、聞き逃してしまったかもしれませんけれども、火山機動観測実証研究事業のことで確認させていただきたいのですが、これは5年間ということで、今、1年目が過ぎたというお話だったかと思いますが、その5年間のうちに緊急時というタイミングはそうそうないと思うのですけれども、何か緊急事態が起こったことを想定して動いてみるとか、具体的に動けるような検証ができる予定はあるのでしょうか。
 
【橋本主査】 ありがとうございます。藤田委員、まず何かありますか。この後、事務局にも聞いてみたいと思います。
 
【藤田主査代理】 ありがとうございます。そうですね、例えばその絵で「平時」と書いてあるところの霧島なり、後半の大島なりというところも一応緊急時を想定した形での設置は考えています。それが平時のマックスだと思います。例えば地震計なり、プロトン磁力計なり、MTシステムなり、GNSSなり、ガスなり、いろんなメニューがある、いろんな機材があるのがワンパッケージですが、それが一応マキシマムだと、フルスペックだと思って、それから出せるものを出していくというのが多分、緊急時に対応するという形になると思います。そういった緊急時用の練習も、例えば土地尺などといったことも含めて、平時のものが、一応、検証と言ったら変かな、そういった練習台にはなるかと思っています。まだはっきりと計画に入れてなくてすみません、御懸念のとおりです。
 
【大園委員】 ありがとうございます。
 
【橋本主査】 事務局からもその点に関して、何かありましたら補足をお願いします。
 
【上山地震火山専門官】 今、藤田委員に説明いただいた内容で基本的には補足することはないと思っております。防災科研の補助事業ということですので、文部科学省は防災科研に構築いただく枠組みを支援していく立場でございます。今後さらに詰めていくという御発言もありましたので、そのように検討を進めていただければと考えています。
 
【橋本主査】 ありがとうございます。
先ほど藤田委員は平時も緊急時の訓練みたいなものとおっしゃいましたけど、恐らくその条件としては、相当観測を取り巻く環境がかなり緊急時と平時は違うと思いますので、ちょっとそういうところは、あまり平時を緊急時の代替にするというのは現実的ではないような気もします。ただ実際に緊急事が起こる可能性も必ずしも高くはないと思いますので、確かに大園委員が御指摘のように、そういうことを想定した何か、検討だけになるかもしれませんけれども、何かそういうものが必要かもしれないなと、今、御指摘を受けて私も思いました。
 
【藤田主査代理】 分かりました。そういったことも含めて検討してみたいと思います。
あと1点、緊急時は気象庁の総合観測班との連携の下で動きますので、一応、その大前提で計画を立てています。
 
【橋本主査】 ありがとうございます。
それでは、ほかに全体を通して何かありますか。
 
(「なし」の声あり)
 
【橋本主査】 意見もほぼ出尽くしたようですので、今日の議論はこれまでとさせていただきたいと思います。
本日の会議の議事録については、科学技術・学術審議会測地学分科会運営規則の第6条第2項及び第9条により、議題1及び議題2については議事録非公開としたいと思いますが、よろしいでしょうか。御異議ありませんか。
 
(「異議なし」の声あり)
 
【橋本主査】 では、議事録として公開するのは議題3以降ということで決定したいと思います。
では最後に、今後の日程等につきまして事務局から御説明いただきます。よろしくお願いします。
 
【上山地震火山専門官】 事務局、上山でございます。本日は活発に御議論いただきまして、誠にありがとうございました。
次回の委員会につきましては、先ほど御説明させていただきましたが、来年度夏以降、次世代火山研究・人材育成総合プロジェクトの中間評価後に、恐らくプロジェクト自体の方向性も固まってきているものと考えられますので、その後に実施する予定としております。どうぞよろしくお願いいたします。
こちらからは以上です。
 
【橋本主査】 ありがとうございました。
それでは、ほぼ時間になりましたので、閉会したいと思います。
本日はお忙しい中、皆様御出席いただきまして、どうもありがとうございました。それでは、閉会いたします。事務局にお返しします。
 
【上山地震火山専門官】 ありがとうございました。それでは、本日の会議、これで終了したいと思います。どうもありがとうございました。
 
―― 了 ――(終了時刻 16:50)

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