火山研究推進委員会(第3回)議事録

1.日時

令和2年7月21日(火曜日) 13時30分~15時05分

2.場所

オンライン会議

3.議題

  1. 火山研究の推進のために早期に取り組むべき課題について
  2. その他

4.出席者

委員

西村主査、藤田主査代理、鈴木(桂)委員、市原委員、大湊委員、相澤委員、宇平委員、大倉委員、大園委員、鈴木(由)委員、角野委員、中道委員、橋本委員

文部科学省

生川研究開発局長、岡村研究開発局審議官、工藤地震・防災研究課長、中出地震・防災研究課長補佐、青木地震調査管理官、上山地震火山専門官、加藤(尚)科学官、矢部学術調査官

5.議事録

 

【西村主査】只今より、第3回火山研究推進委員会を開催します。
会議は測地学分科会運営規則第5条により公開となります。
それではまず、委員の出欠状況について、事務局からご説明してください。

-事務局から出欠状況等について説明-

 

[議題1. 火山研究の推進のために早期に取り組むべき課題について]

 

【西村主査】ありがとうございました。
それでは、議題1.「火山研究の推進のために早期に取り組むべき課題について」に入ります。
まず、本日の進め方について、事務局からご説明をお願いします。

【上山地震火山専門官】事務局、上山でございます。
第1回委員会で本委員会の検討事項について、第2回委員会では早期に取り組むべき課題として機動観測の在り方について検討いただいておりますので、本日は、これらの会議で頂いたご意見を踏まえて、事務局で作成した提言案についてご議論いただきたいと思っております。
なお、ご参考までに、第1回、第2回の会議で頂いた主なご意見については、参考資料1のほうにまとめておりますので、適宜ご参照いただけますと幸いです。
本日の進め方については、資料1の提言案について議論いただきますけれども、提言案は四つのセクションに分かれてございますので、1つずつご意見を頂く形で進めたいと思います。
本日取りまとめました提言案については、会議終了後に測地学分科会のほうの審議を経て公表とする予定にしております。
事務局からは以上になります。

【西村主査】ありがとうございました。
それでは、本日は資料1の提言案についてご検討いただくということで進めたいと思います。
それでは、提言案の内容について、事務局からご説明をお願いします。

【上山地震火山専門官】事務局、上山でございます。
委員の皆様には事前に配布差し上げておりますので、ご一読いただいているかと思いますが、念のため改めて確認させていただきます。
まず、セクション1の「背景」のところですけれども、こちらについては、まず、建議計画について簡単に触れた後、次世代火山研究・人材育成総合プロジェクトの成果が一定程度出てきていることと、その成果の継承のために、中長期的課題としてここに挙げたような検討事項について、今後この委員会で検討していくことが必要であると認識していることについて触れております。
次に、セクション2の「検討の方向性、考え方」でございますが、こちらではまず、機動観測体制の整備をこの早期に取り組むべき課題と位置付けるということに触れております。
具体的には、高度な機動観測体制の整備及び海外火山研究機関との関係構築が必要であること、またその際には、地球物理のみならず地球化学及び地質学の研究者の参画が重要であることについて触れております。
そして、セクション3のところですけれども、こちらについては具体的な体制の在り方として、事務機能の構築と国際的な恒久的な窓口の整備が必要であるという点について、具体的な取り組み例を挙げております。
セクション4は、まとめのセクションになります。
おおまかな内容は以上になります。事務局からの説明は以上です。

【西村主査】ありがとうございました。
事務局のほうから、提言案について、皆さん、一度読んでいらっしゃるという前提でまとめていただきましたけれども、よろしいでしょうか。
あと、参考資料1に、今まで頂いた意見がありますけれども、それを反映して、この提言案ができたというふうに私は理解しております。
事務局のほうからは、「背景」、「検討の方向性、考え方」、それから「早期に取り組むべき課題」というセクションごとでのご意見をお願いしますということですけれども、その方向で進めていこうと思いますけれども、よろしいでしょうか。
では、まず1の「背景」について、ご意見をお願いしたいと思います。Zoomですので、また、挙手をしていただければ、私のほうで見ておりますので、ご指名いたします。お願いします。
特にございませんか。中長期的課題というのが一番下にまとめられておりますけれども、参考資料1の4ページですかね。4ページのほうに、今まで出たものがまとめられています。くくりとしては、研究人材、研究資金、定常観測というのが、参考資料のほうにまとめられていますけれども、それぞれについて、皆さんのご発言をまとめたものですけれども、今まで言っていなかったこと、あるいはそれ以降にお考えになったことで入れておくべきことがあればご指摘いただければと思いますが、よろしいでしょうか。
背景について、特に、皆さんのお考えと大きく変わりがなければ、それほど重要ではないかもしれませんので。ご意見はまだなさそうですので、先に「検討の方向性、考え方」について進もうかと思いますけれども、よろしいですか。
では、2「検討の方向性、考え方」について、ご意見をお願いいたします。
ございませんか。大湊委員、お願いいたします。

【大湊委員】すいません。何もないのもなんなので。
この考え方は機動観測について、大体触れていると思うのですけれども、この2「検討の方向性、考え方」の部分。この機動観測というものについて、どういう時間スケールのものを考えているのかということを、認識を一緒にしないと、何か皆さん、違うものを頭に思い浮かべて議論してしまうのではないかという気がするので。これはどうなのですか。第1回でこの辺は議論されているのですか。私は1回目に出ていないので、よく分かっていないところもあるのですけれども。

【西村主査】機動観測というのは、多分、第2段落の初めがこの文章上での定義だとは思いますけれども、緊急時とそれから平時、両方入っているので、かなり幅広く捉えているのかなと思いますが。

【大湊委員】いや、例えば、実際にどこかの火山が噴火しましたというときに、その噴火してから何か緊急にやりましょうといって、できることは結構限られる場合があるわけですよね。

【西村主査】はい。

【大湊委員】今までのいろいろな火山研究では、やっぱり、ずっと噴火の前から維持されている観測点というのも重要な役割を果たしてきたというものがあるので、それと比べて全然違うものだという意味の機動観測なのか、それとも、例えば機動観測といっても5年とか、そういうスケールで維持するようなものは、今までの定常観測的なものに置き換える可能性もあるわけで。何もないのに10年、20年維持するのは無理だけれども、いろんな指標が変化してきてから、準備しておくもの、それも機動観測と定義するのであれば、これまでの定常観測に置き換えるものとも言えると思うのですが、その機動観測というものが噴火してから何かするものみたいな感じに理解すると、かなり偏ったものに見えますし、時間スケールを広く取るのであれば、いろいろなものもこの中に含まれているのでいいのかなと思うので。その辺を皆さんがどういう認識でいるのかというのを、確認してもらえればと思います。

【西村主査】はい、分かりました。
今の大湊委員からの質問について、いかがでしょうか。機動観測に対する考え方について、大湊委員は、噴火してからというだけではなくて、もう少し長いタイムスケールで考えるべきというふうに、私は受け取りましたけれども、いかがでしょう。
特に、機動観測をよくやってらっしゃる方など、ご意見ございますか。ご意見をお願いします。大倉委員、どうでしょうか。

【大倉委員】大倉です。
私はここにも書かれていますように、平時における火山体の内部状態の把握から、噴火切迫性評価というようなことにも道が開けてきたという、そういう成果が、今、火山プロジェクトでできつつあるので、そういうのも含めた機動観測をすればよいのではないかというふうに考えております。噴火の徴候がある、なしに関わらずということです。噴火してからというだけではないという認識です。以上です。

【西村主査】ありがとうございます。
その他、ございますでしょうか。橋本委員、お願いいたします。

【橋本委員】すいません。
私も大倉先生のご意見とほぼ同じで、平時から繰り返し行うような観測ですね。そういったもの、それから、構造探査的なものとか、そういったものも含めて機動観測というものに含めておくということだというふうに理解しております。
大湊先生が言われたように、噴火が始まってから何か新たに始めるということで対応できることというのは非常に限られてくると思いますので、平時の状態も含めて把握した上で、さらにそれを土台にして展開していくという、そういうことが必要だと思います。

【西村主査】ありがとうございました。
その他、ご意見ございますでしょうか。
今、3名の方のご意見では、噴火が発生したときであるとか、異常が出たときだけではなくて、もう少し早い段階、あるいは観測点が疎な所についても観測を行うなどといった、もう少し幅広い機動観測ということで一致したと思いますが、大湊委員、よろしいでしょうか。

【大湊委員】そうだとすると、ここの今の第2段落の2行目ですかね。「平時における火山体の内部状態の把握など」という、これが何となく平時には構造探査的なものしかやらないのかと取られかねないような文言にも思えるので。
要するに、普段の活動把握としての平時の観測も機動観測だよということが読めるような文言に、ここは変えたほうがいいのではないかと思います。

【西村主査】具体的な修文案はございますか。火山体の内部状態の把握というのは、下の真ん中ぐらい、この段落の真ん中あたりに、また少し具体的には書いてあるのですけれども。例えば、というところに、火山活動の把握技術みたいなことを平時にも行うということを記入するということでいいのでしょうか。

【大湊委員】例えば、内部状態というと、なんとなく構造的なイメージを私が持ってしまうのは偏見だと思うのですけれども、どうですかね。活動状態および内部構造とか、何かしら動き、この後のほうに、状態把握とありますよね。ここで「火山内部構造・状態把握」と言うのか。この状態把握というのが平時で行われていれば、橋本委員、大倉委員が言っていた、実際にやっていることの表現になるのかと思います。

【西村主査】そうすると、変えなくていいということですか。

【大湊委員】まあ、そうです。これで、まあ、いいかなと。あと、皆さんがそういう認識で、この文章がそう読めるのであれば、それでいいです。

【西村主査】前の文章で、火山活動推移の迅速な把握と入れてしまっているので、平時におけるといったところに、その活動というのは文章的に入れにくいというのはあります。私自身は、火山体の内部状態の把握というのは、内部状態と、「状態」まで入っていますので、活動も広く捉えれば入るのかなと思いましたが。
皆さん、いかがでしょうか。よろしいですかね。
橋本委員、お願いします。

【橋本委員】私は、元の文章のままでも含まれていると読み取ることは可能だと思いますけれども、大湊さんがおっしゃるように、もうちょっと明確にしてもいいかもしれないなとは思います。

【西村主査】市原委員、お願いします。

【市原委員】やはり、ここでは前提として、定常的な観測データがあって、こういう、さらに緊急時にも機動観測ができるということが、このメンバーの中では共有されていると思うのですけれど、これだけだと、ただでさえ苦しい定常観測点の意義を説明するのがさらに苦しくなる気がしまして、どこかに定常的な観測と組み合わせることで、切迫性の評価につながるというようなことが書き込めないでしょうか。

【西村主査】なるほど。
定常観測のことは、背景にも特に書いてないですかね。

【上山地震火山専門官】事務局です。
定常観測については、背景のところでは特段触れられておりません。強いて言えば、火山観測体制の整備がなされてきたというところでちょっと触れているぐらいです。

【西村主査】はい、そうですね。
確かに、市原委員のおっしゃるとおり、機動観測だけではないのは確かですね。
もう少し皆さんからご意見を頂ければと思います。いかがでしょうか。

【藤田主査代理】すみません。藤田です。

【西村主査】藤田さん、お願いします。

【藤田主査代理】市原さんがおっしゃるところをぜひ入れていただきたいと思っておりますが、例えば、その文章のちょうど下から、今の表示上の下から4行目のところに、「系統的な機動観測を実現する」という表現があるので、そこに、系統的に機動観測を行うということが非常に重要なので、定常観測とも連携して系統的な機動観測。何かそういったことを入れるのはいかがでしょうか。以上です。

【西村主査】ありがとうございます。
宇平委員、お願いします。

【宇平委員】今の話は、実は1ポツの背景までさかのぼることになると思うのですよね。4つ目に、その他とあって、定常観測の継続、次がフィールドラボラトリですから、機動観測関係の話になるので、ここで4つ列挙されているわけですけれども、このペーパーは、そうなると4番目のその他にフォーカスしたスタンスペーパーということになるかと思いますので、そういうふうに理解すると、この4番目を全部ある程度書くというのは、それなりに意味があることかなというふうに思いました。

【西村主査】そういう意味では定常観測というキーワードをもう少し、2「検討の方向性、考え方」に入れたほうがよいというご意見でよろしいですね。

【宇平委員】はい、そうです。

【西村主査】ありがとうございます。
その他、ございますか。藤田委員からの修文案について、Zoomに共有されていますけれども、少し読んでいただいて、ご検討いただけますでしょうか。

【大湊委員】いいですかね。

【西村主査】はい、どうぞ。

【大湊委員】私は、本当は背景のところで定常観測のことに触れていないというのは、そもそもこの委員会は機動観測にかじを切るよということを言いたいがためのことだと私は思って。だから、その中でももう少しやっぱりある程度の期間行っていく観測は残さなくてはいけないという意味で、機動観測にも時間の幅を持たせてほしいなという趣旨が、最初の意見だったので。
これでまた定常観測も必要が出ると言い出したら、それはこの委員会の本当の狙いだったのですか。定常観測をある程度維持しましょう、続けましょうということになると、多分いろいろな前提が苦しくなってくるのではないかと思うのですけれども、どうでしょう。

【西村主査】私の理解では、この中長期課題と、それから、「早期に取り組むべき課題」というのが分かれていて、中長期的課題というのが1ページの一番下に書いてある4つ。そこに定常観測の継続というのが入っているということです。
この今回のペーパーは、「早期に取り組むべき課題」なので、それについては機動観測体制の整備というところが主になっているというふうに考えていますが。

【大湊委員】分かりました。
特に、ただ、長中期に関しては、また別途議論する場があるから、ここはもう少し短期的なすぐやるべきことだけ議論すればいいということでしょうかね。

【西村主査】はい、そうですね。

【大湊委員】はい、分かりました。

【西村主査】橋本委員、お願いします。

【橋本委員】今のことに関連してなのですけれども、定常観測、準定常観測と言ってもいいかもしれませんけれども、どこがやるのかということは、今、書いていないわけで、どこかがやらなければいけないという認識は、多分、この委員会でも共有されていると思うのですけれども、何かというと、例えば防災科研なんかは定常的な観測網を持っているわけで、大学ももちろん持っていますけれども、そういうバランスというか、そういうものの再配分みたいなものも視野に入れながら考えていく必要があると思います。
なので、この委員会では、定常観測はやめましょう、機動観測にシフトしていきますということを言っているものでは、そういう方向性を示しているものではないというふうに私は思っているのですけれども、いかがでしょうか。

【藤田主査代理】藤田です。

【西村主査】藤田委員、お願いします。

【藤田主査代理】私も、今、橋本委員のおっしゃったとおりだと思っていて、そもそも大学なり各機関が定常観測網を持っていて、それが重要であると。それに加えて、やっぱり不足している、特に喫緊の課題である、機動観測というよりも、本当は、より密集な観測といったほうが本質だと思うのですが、それと組み合わせて、最適な観測体制を整備していくということが一番本質だと思っていますので、橋本さんの意見のとおりの方向性だというふうに認識しています。以上です。

【西村主査】よろしいでしょうか。

【大湊委員】大湊ですけれども、いいですかね。

【西村主査】はい。

【大湊委員】私はかなり悲観的なので、こういう意見になってしまうのですけれども、要するに、ここで早期に取り組むべき課題について議論するとしても、やっぱりその前提として、定常観測その他は、現状は維持されるであろうということの下に、構想を練っていいのかどうかということを思います。
要するに、われわれが持っている資源が一定だとすると、機動観測に重きを置けば、定常観測は減らすしかないとか、そういうバランスも考えなければいけないと思うのだけれども、何となく、定常観測は維持される、あるいは具体的にどこがやるかは分からないけれども、どこかが維持してくれるよということが担保されるのであれば、機動観測とか新しいことをやりましょうという提言は、それは素晴らしいことだと思うのですが、それを打ち上げたけれども、定常観測のほうは、後で議論してみたら、これは続けられないねとなったら、困るのではないかなということを思ったので、こういう意見になっています。すみません。

【西村主査】大湊委員の心配はよく分かりますけれども、一遍に全てはやれないから、こういう順番になったというのが私の理解ですが、事務局から何か補足ございますか。

【工藤地震・防災研究課長】すみません。事務局でございます。
今の大湊委員のご意見なのですけれども、この議論の立て付けとして、やはり、これから中長期的に、今つくられているものをどうしていくかというのは、確かに見通しきれないところがあると思います。
ただし、西村主査からもおっしゃっていただいたように、両方の話を同時にはできませんので、まず、現状あるものについては、それを是とした上で、その上でさらに現状を加速させられるような、アドオンのものを議論して、それは今回、機動観測だという形でのこの文章になっております。大湊先生の議論につきまして、やはり先々どうしていくかというのを、今後、この委員会の場で、皆さんでよくよくご議論いただければなというふうに思う次第でございます。以上です。

【西村主査】ありがとうございます。
いかがでしょう。

【大湊委員】あまり私がこういうふうにこだわると、多分、議論が進まないので、今の事務局からの考え方のとおり、まず今の状態で一番よい、さらに加えずによい方向に進むにはどうするかということがこの委員会に求められているものだとすれば、今のこの文章の方向でいいと思いますので、それで結構です。

【西村主査】ありがとうございます。
では、「検討の方向性と考え方」について、他はいかがでしょうか。定常観測とも連携したというこの一文を入れるということと、それから、平時における火山体の内部状態の把握というのを、火山内部構造状態把握という形で少し活動が見えるような文章に変えるということで。今、事務局から修正案がたくさんきましたけれども、これについて、先ほど、市原委員、定常観測のことを指摘されましたけれども、よろしいでしょうか。

【市原委員】1つ言うならば、やはり、この噴火推移の把握には、機動観測は非常に重要だと思うのですが、切迫性評価に関しては、機動観測だけでは難しいところが多いと思いますので、定常観測を入れた3行上ですね。「ほか、新しい火山活動の把握技術の開発も進んでいる。」と切って、そこに、定常観測のデータに加え、機動観測を有効に活用することにより噴火切迫性評価の可能性が示されているとするのはいかがでしょうか。

【西村主査】だいぶ大きな変更になりますね。

【市原委員】いや、もともとちょっと文章長くて分かりにくいなと思って。

【西村主査】いかがでしょうか。
少し定常観測が強く出てきたようには見えてしまいます。私としてはそういうふうに感じましたけれども、よろしいですかね。
基本的に、ここで最後に言いたいのは、機動観測体制の高度化と、その早期の整備に取り組むことということで、早期に取り組むべき課題として出てくるのですけれども。

【市原委員】もしうるさければ、今、私が付け加えたところは元に戻すのでもいいですし、皆さんの意見次第では、後側の「定常観測と連携した」を省くか、どちらかでもいいと思います。

【西村主査】そうですね。あまり出てくると、定常観測のことも、先ほどの大湊委員の指摘ではないですけれども、そちらも早期実現に対する何か課題を提案しなくてはいけなくなってしまうような気がするので、ここはもう少し定常観測という言葉を減らしたほうがいいかなというのが、私自身の感想です。
すみません。あんまり私が喋ってはいけないかもしれませんが。いかがでしょう。

【藤田主査代理】藤田です。
おっしゃるとおり、どちらかでいいと思います。

【西村主査】「定常観測」というキーワードについては、今ここに書いてある定常観測の文のどちらかを中心にして入れるということで、まずは決めたいと思いますが、よろしいですか。

【大倉委員】大倉ですが、よろしいですか。

【西村主査】はい、お願いします。

【大倉委員】1つ目の定常観測の部分は、火山プロジェクトの成果の評価ですので、それで定常観測のデータと有効活用されての噴火切迫性評価がなされているならば、そう書けばいいと思いますし、機動観測の成果ならば、ここに定常観測を入れる必要はないと思います。1つ目のほうの定常観測ですね。今の、定常観測のデータに加え、というのが火山プロジェクトの成果なのでしょうか。現行の火山プロジェクトにおいてはという文脈ですので、僕らが勝手に付け加えるわけにはいかないとも思いますが。
ですので、2つ目の定常観測は生かして、1つ目の定常観測はなしでいいのではないかという意見です。

【西村主査】火山研究プロジェクトのほうは、特に活動、内部構造とか状態把握は、課題Bというやつでしたっけ。そうすると、それは基本的には臨時観測が主と理解していましたが、詳しいのは橋本委員ですかね。いかがでしょう。

【橋本委員】そうですね。今おっしゃったとおりで、いわゆるずっとやっている定常観測にももちろん立脚はしているのですけれども、それも使いながら、機動的な観測であったり、探査であったり、そういったことが主なものとしてあって、そこから出てきている成果だというふうに思います。

【西村主査】はい、分かりました。
大倉委員の指摘からすると、今、この残っている定常観測のほうが妥当ということですけれども、よろしいですか。
では、ひとまずこの形にしておいて、また、まだ時間はありますので、改めて違う表現のほうがいいということがありましたらご指摘をお願いします。
だいぶ時間が経ちましたけれども、2「検討の方向性、考え方」について、その他、ご指摘はございますでしょうか。第2段落、あとは第3段落が、地球化学者や地質学者など、周辺分野の研究者を巻き込むことが重要であるという指摘ですけれども。
中道委員、お願いします。

【中道委員】中道です。
ちょうど最後に、「加えて、このような機動観測体制においては、これまで地震火山観測研究計画において中心となっていた地球物理学者だけではなく、火山プロジェクトによって連携が生まれつつある地球化学者や地質学者など、周辺分野の研究者も巻き込むことも重要である。」と書いてあるのですが、これ、今後の重要性とか方向性のところに加えてあるのですけれども、実は、今後も当然やっていくのですけれども、既に地震火山観測研究計画、現行のであっても、既に地球化学者や地質学者と一緒に連携して、既にだいぶできているし、むしろそういった人たちの入っている、研究計画だと多いわけで、火山プロジェクトでも連携が生まれつつあると言いましても、結構やってこられていると思いますので、それをこれから頑張るというよりも、既にだいぶできている上で、さらに発展させるというようなニュアンスに、表現ができないかなと思いました。これだけだと、この依然として課題であるという感じがしてしまうので。以上です。

【西村主査】宇平委員も手が挙がっていますので、お願いします。

【宇平委員】その3行上の「その際、国内火山のみでは」という、外国の機動観測の話のところなのですけれども、私は見方がちょっと偏っているかもしれないですけれども、この文章を読んだときに、ここが一番引っ掛かりました。
3ポツを見ると、機動観測の企画立案あるいは実施をするヘッドクオーターみたいなものをつくるのと、もう一つの柱は国際窓口ですよね。この2本の柱を打ち出すのですけれども、国際窓口の理由は、さっきの2ポツのところの3行になるのですよね。
なので、しかも、「その際」と書いてあるから、何かちょっと違和感があって、ちょっと取って付けたような感じが拭えないのですね。だから、それは僕の独特な感覚のせいかもしれないのですけれども、柱にするのであったら、取って付けたように言うのではなくて、やっぱり国内、国外ともに機動観測の機会を積んでやるという、そういうニュアンスのほうがいいかなと思うのですけれども。
もちろん、文科省の空気感というか、感覚というか、もうこれで十分いけるということでしたら、余計な一言なので無視していただいても構わないのですけれども、この文章を読んだときは、ここに違和感を感じたというのが正直なところです。以上です。

【西村主査】ありがとうございます。
この文以降、2つご意見が出ましたけれども、関連して、ご意見はございますでしょうか。
今、網がけしてあるほうの宇平委員のご意見のほうからですけれども、具体的に少し修文案等はございますでしょうか。

【宇平委員】はい。実は、上山さんともちょっとお話をして、2人とも、取って付けた感はあるよねということにはなったのですけれども、これは結構難しい、よい案が実は思い浮かんでいません。
その上で、機動観測の重要性を、あるいは成果のことを語っているわけで、そこで読み込めるかなとも思うのですけれども。すみません、知恵がなくて。違和感を感じたということしか申し上げられなくて、申し訳ないです。

【西村主査】どうしましょうかね。

【宇平委員】すみません。これはもう事務局にお預けしたい話なので、これで十分いけるということでしたら、もう構いません。結局、将来の予算要求とか、組織要求につながっていく話なので、貧乏な官庁の経験しかない僕の経験は役に立たないかもしれないので。それはもう事務局にお任せしていいと思います。

【西村主査】では、事務局のほうで、今の宇平委員の意見を考えて、また幾つか文章を作って、それで比較しながら文章を作り直していただきたいと思います。
では、次の「加えて」の下のほうですね。中道委員のご指摘のとおり、確かに、いわゆる建議の計画や火山プロジェクトでも、ある程度の連携が進んでいるのは確かだと思います。ですが、この文章だと、それが少し弱すぎるのではないかというご指摘だと思いますが、いかがでしょうか。

【西村主査】大湊委員。

【大湊委員】やっぱり、この文章だと、地球物理学者が中心という、ここが既にかなり違うなという感じがしないでもないですよね。私はそう思うので。
どうしたらいいですかね。多分、機動観測というふうに考えたときには、その分野ごとに固まっていると思います。地球物理の人は地球物理、地震なら地震、電磁気なら電磁気。あと、地質の人も地質の人みたいな。ここで言うべき周辺分野を巻き込むべきというのは、機動観測を1つの、地球物理なら地球物理の人だけじゃなくて、いろんな分野の人が一緒にやるのが重要だよねということを、そういう書き方にしたら、もしかしたらいいのではないでしょうか。

【西村主査】ありがとうございます。
鈴木桂子委員、お願いします。

【鈴木(桂)委員】鈴木です。
この文章のままだと、これまで連携していませんということだと感じられるので、例えば、文章を、「周辺分野の研究者との連携をさらに強めることが重要である」というような言い方はいかがでしょうか。意見です。以上です。

【西村主査】ありがとうございます。
藤田委員、お願いいたします。

【藤田主査代理】おっしゃるとおり、鈴木委員の方向性で僕もいいと思います。
あともう一つ、事務局の意向として、地球物理学者、地球化学者、地質学者だけじゃなくて、例えば気象学とか、その他の分野との連携ということもご意向にあるのではないかというふうに思っているのですが、上山さんか、工藤課長か、ご意見頂ければと思うんですが、いかがでしょうか。

【上山地震火山専門官】周辺分野には、まさに火山プロジェクトで連携が広がっている、それらの分野の方も入るとは認識しておりますが、あくまで主要3分野ということで、ここでは地球化学と地質学と地球物理学を例示したということです。

【藤田主査代理】藤田です。
そうであれば、今、鈴木委員がおっしゃったような、もう少しぼやかして各分野の連携が進んでいるけれども、なお一層の連携というような、そのぐらい表現でもいいのかなというような気がしております。以上です。

【西村主査】分かりました。
大湊委員が言ったように、機動観測は確かに独立してはかなりそれぞれやっているのは確かですので、その辺り、少しこの1段落を修文するということで進めたいと思いますが、事務局、よろしいでしょうか。すぐできるかどうかは分からないのですが。

【西村主査】上山さん、いかがですか。

【上山地震火山専門官】この後、説明する予定だったのですけれども、この提言案自体は会議終了後に主査預かりという形にしようと考えております。その際に、事務局と主査のほうで文章を考えて、大幅に直すようでしたら、もう一度委員の方に見ていただくことも考えておりますので、事務局の宿題にさせていただくということで大丈夫でございます。

【西村主査】では、この最後の文章、今の3委員の方から頂いた意見を基に少し修正したいと思います。
その他、2「検討の方向性、考え方」はよろしいでしょうか。
では、次の3「早期に取り組むべき課題」について、ご意見を頂ければと思います。
ここは具体的な課題が書いてあって、四角の中には取り組み例というのがございますので、かなり具体的なキーワードも入ってきています。文章、それから取り組み例の中でもう少し重要なものがあるなど、ご指摘があればぜひお願いいたします。
具体的には、機動観測のほうでは、「複数の火山の比較研究を行う際の観測項目の検討」などがありますけれども、参考資料1のほうでしたかね。そちらで「高度な機動観測体制の整備」でまとめられていますけれども、そちらにある項目を基に、この取り組み例というのが挙がってきています。何か足りないものがあれば、あるいはいい言葉があれば、ぜひご指摘ください。
宇平委員、お願いいたします。

【宇平委員】この取り組み例の中で、もう既に機動観測班という組織を持っている他の官庁もあるので、そういうところとの連携をするヘッドクオーターが必要かなと思います。1回目、2回目の推進委員会でも気象庁のリソース、職員を使ったらどうかという話がありましたけれども、結局、具体的に何か行動を起こさないと状況は変わらないので。こういうヘッドクオーターみたいなものがここにできたら、交渉をやるとか、いろいろやれる範囲が出てくるかなと思います。

【西村主査】ありがとうございます。
これは、今の宇平委員のご指摘のところは、第1文に書いてあるということではないのですかね。2ページの一番下に、今、ここの3のすぐ下に書いてある、「マネジメントを可能とする事務機能の構築が求められる」と。この文章で、それの取り組み例がこの四角に書いてあるという。

【宇平委員】そうですね。この取り組み例の中に、何と書くかな。検討、統一でしょう。これ、多分、手法とか機材の管理とか、観測方法について言っているのですけれども、他のリソースを使ってやるというような、そういう交渉事みたいなところがここにはあったほうがいいかな、取り組み例の中にあったほうがいいかなと思います。

【西村主査】調整というのは、観測の調整みたいなことですか。

【宇平委員】そうですね。調整役というか。

【西村主査】調整役ということですか。

【宇平委員】ええ。火山のコミュニティ全体で機動観測をやっていくというようなところがあってもいいかなと思いました。

【大湊委員】大湊です。参考資料1の2ページ目の一番下のポツぐらいですか。これの内容をもうちょっと書き込む感じですかね。

【西村主査】どれですかね。

【大湊委員】書いてあるのか。すいません、勘違いして。書いていましたね。これをばらばらにして書いてあるのですね。分かりました。すいません。

【西村主査】鈴木委員、お願いします。

【鈴木(桂)委員】手法とか物のことは書いてあるのですが、人をどう張り付けるかということも、やはり重要ではないかと思います。そういうことは、ここに書く必要はないでしょうか。人材の配置とかという意味です。以上です。

【西村主査】何というのですかね。人材。そうですね。それは非常に重要ですね。ありがとうございます。
橋本委員、お願いします。

【橋本委員】ちょっと確認したいのですけれども、先ほど、気象庁のことがちょっと出ましたけれども、気象庁というのは、この委員会の中に入っている主体の一人となるべき機関なのか、それとも、この委員会が交渉する相手という、そういう位置付けになっているのか。どちらと思えばいいんでしょうか。
先ほどの2ポツのところともかなり関係してきて、定常観測であるとか、そういったこととも関係しますし、緊急時の機動観測を行うということになってくると、当然ながら合同観測班、予知連ですね。そういったものとの関係を考えざるを得ないわけで、そういったときに、この委員会は研究ですけれども、研究の中に入っている人なのか、そうでないのかということが分からなくなってきたので、ここで確認させてもらってもいいでしょうか。

【上山地震火山専門官】すみません。事務局でございます。よろしいでしょうか。

【西村主査】事務局からお願いします。

【上山地震火山専門官】事務局の認識としては、気象庁に関しては交渉相手という位置付けと認識しております。

【橋本委員】はい、分かりました。

【西村主査】ですから、この事務機能体制というのは、研究機関から他の省庁、国の機関などに交渉するというのも一つの役割ということですね。

【橋本委員】もう一つ。気象研究所は研究する部署だと思うのですけれども、そこにいらっしゃる研究者の方々も、やはりこの委員会の交渉相手というか、外の存在だというふうに考えるということでしょうか。

【上山地震火山専門官】事務局でございます。
気象研究所についても、気象庁と同様に、外にあって交渉する相手方という認識でおります。

【橋本委員】ありがとうございます。

【大湊委員】すいません。大湊ですけれども。

【西村主査】お願いします。

【大湊委員】私も橋本さんとのやりとりを聞いてよく分からなくなってきたのですけれども、例えば建議のほうには、気象庁さんとか地理院さんとか海保さんとか、みんな一緒にやりましょうという意味で入っているのが現状だと思っているのですけれども、この委員会から見たときには、気象庁さんとか、多分、地理院さんとかもそうですよね。その辺りはみんな外という扱いなのでしょうか。

【西村主査】事務局からお願いできますか。

【上山地震火山専門官】整理としては、他省庁に関しては、地理院も海保も含めまして、一律に外で交渉する相手というところで整理をしたいと考えております。

【西村主査】宇平委員、お願いします。

【宇平委員】多分、他の予算で動いている。つまり、文科省予算ではないところで機能しているところは交渉相手だという整理でいいと思うのですけれども。

【西村主査】それでよろしいですね。
では、ここでは文科省に関連する研究機関、大学が中心となって、この提言案を作ったという形になっているということで考えていただければと思います。

【大湊委員】いいですか。

【西村主査】はい。

【大湊委員】そういう前提だとすると、その2番のところで、先ほど、定常観測が入ってなかったから、少し文言を足したじゃないですか。それと同じ程度に、この文科省の予算で動ける人たちが火山研究全体の中にいられる部分というのは限られていて、今、事務局から説明があった、他省庁のデータとか、いろいろな観測体制なしには、ここだけで頑張ってもどうにもならないところが相当あると思います。2番のどこかに、関係他機関、他省庁との連携もどうにかするという文言が入らないと、バランスが悪いように思いますけれども。

【西村主査】どうしましょうね。

【橋本委員】よろしいでしょうか。

【西村主査】はい。橋本委員、お願いします。

【橋本委員】橋本です。
大湊さんのおっしゃったことは、まさにそのとおりだと私も思います。それで、先ほど、ちょっと懸案になっていた、海外での機動観測がというところの前段階として、そもそも国内で、まず他省庁というか、文科の管轄以外のところとの調整とか、そういうことができることがまず必要だと思うので、この辺りに何かうまく入れると良くなりませんか。

【西村主査】先ほど、この「加えて」の前のところですね。ちょうど宇平委員がご指摘になった辺りのところに入れるということでいいですか、橋本委員。

【橋本委員】はい、そのつもりでした。

【西村主査】ここに入れるにしても、外国の火山研究機関と同じぐらいの割合ぐらいで、国内の他省庁というか、モニタリングを行っている機関との連携ということを少し足すぐらいでよろしいですか、大湊委員。

【大湊委員】これは、事務局がどこを向くための文章にしたいかによって、どれぐらいの量を書くかが決まると思うので。さらっと触れるだけでもよいかもしれないし、相当細かく書かないとあまり実効性がないかもしれない。そこは事務局さんが判断してくれればよいかなと思います。

【西村主査】はい、分かりました。
では、国内の監視機関、データ取得機関の文言を少し2に入れるということで、それを踏まえて、この取り組むべき課題で、先ほどの他省庁・他機関とのやりとりを、この機動観測を行う事務機能の仕事として考えるということで、課題として挙げればと思います。
その他はいかがでしょうか。

【大湊委員】また、すみません。今の言い方で、ちょっと気が付いたのだけれども、何となく、今の現状のいろんな火山活動というところの事務機能に相当するものというのは、予知連がかなりの部分をやっていて、今、作っているこの文章は、気象庁さんは外ですという言い方をしているとすると、事務局的なものを、気象庁さんを除いた大学なり、その他だけでつくるということですか。

【工藤地震・防災研究課長】すいません。事務局ですけれども、よろしいでしょうか。

【西村主査】事務局、お願いします。

【工藤地震・防災研究課長】大湊先生のご意見、本当にわれわれとしても考えていきたいことなのですけれども、他省庁の扱いとか、文科省の予算の外で扱っているものが今後どうなっていくかということについては、いずれにしても、それは中長期課題ではないかというふうに私どもでは捉えて、この文章をドラフトさせていただいております。
また、この文章そのものは、先ほども申し上げたのですけれども、今あるものは、取りあえずのところは確保されているのを前提で、それをさらに良くするのに必要な、アドオンとして必要なものにフォーカスしていきたいという趣旨でこの文章を書いているところですので、確かに、今あるものを本当に確保できているかとか、確保すべきような何らかの努力がなされるのかとか、実際いろいろとお話あるかと思うのですけれども、その辺の話を、今さらに加速するのにアドオンで必要なものの中に組み入れていってしまうと、話のどこに何が必要なのかというのがちょっと見えづらくなるなということを非常に危惧しております。
そういった意味で、今後その分どうするかというのは、まさにこの委員会はこの後も引き続きますので、中長期課題を議論する際に、こういった形で他府省庁と打ち合わせすべきであるかとか、同じような機能を担っている予知連との関係をどうするかとか、その辺についても今後ご議論いただくことと整理してはどうかと考えます。この報告書の中でそれらの全て盛り込んで、体系を立てて記述というのは、少し難しいのではないかなというふうに、私どもは見ております。以上です。

【西村主査】ありがとうございます。
大湊委員、よろしいでしょうか。

【大湊委員】はい、分かりました。
かなり限定された条件下でのできることを考えましょうという趣旨だということが分かりましたので。はい、了解しました。

【西村主査】ありがとうございます。
では、その他、ございますでしょうか。3「早期に取り組むべき課題」に関して、
海外火山研究機関との関係構築について、あまり意見が出ていないようですけれども、いかがでしょう。こちらについても、同じようにご意見をお願いします。
特にないですか。中道委員、国際的なところについては、いろいろご意見を頂いていますけれども。何か取り組み例で、ぜひ入れておくべきことが入っていないとかはございませんでしょうか。

【中道委員】国際的な関係構築ですけれども、取り組み例で書いてあるのは、実際にやってきている部分のさらにそれを安定的にさせていくという、組織立ててさせていくという、そういった意味に私は取れまして、それはそれでちゃんとやっていくべきだと思いますけれども、例えば、取り組み例として、海外ではどういった、海外というと、海外の欧米でもどこでもいいのですけれども、そこが例えば他の国と協力して観測なり研究するときとか、人材育成のときにどうしているかといった、そういったノウハウを共有するとか。そういった調査的な部分も取り組みの一つとしてあるといいなと思います。以上です。

【西村主査】どのように書きましょうね。何かいいキーワードがございますか。中道委員。

【中道委員】中道です。
キーワードというと、例えば、前回の話でも出しましたけれども、海外で行われている大型プロジェクトはどういう仕組みでやっていて、どういう効果が得られているか、そういった調査をするとか。そのプロジェクトを使って、それをきっかけに、多分、研究者の長期派遣とか、あと、留学生の招聘(しょうへい)とか、そういった海外でさらにやっていく上での対応とかも入っていますので、これに。お願いをしていると。

【西村主査】事務局のほうで海外の取り組み事例の調査と出ました。海外、国際的な研究動向の調査とか、そんなものでしょうかね。少し、そういった内容のことですね、中道委員。

【中道委員】はい、そうです。そういったニュアンスです。

【西村主査】その他、ございますか。
ちょっと私が気になったのは、こちらで今出ている中で、招聘する人が留学生と研修員だけになっているのですが、国際共同研究と書いてあるからよいかもしれないのですが、これはよいのかな。研究者の招聘というのは、国際共同研究の中に入れてしまっているということでよいですかね。相手先が、海外から呼ぶのは全て学生であるなど、向こうの、日本の技術を学びに来るというニュアンスしか出ていないのですけれども、海外研究者の招聘というのもあってもいいかと思うのですが。

【大湊委員】いいですか。大湊ですけれども。

【西村主査】はい。

【大湊委員】これも参考資料の3ページにあって、例えば、海外研究者を招いてワークショップを開催したいというのがあるので。あの辺をもっと盛り込めば、入ってくるのだと思います。多分、研究者を呼ぶとか、あるいはワークショップ、その他を開くというのも当然入るべきだと思うので。

【西村主査】今のことを生かせば、今の招聘のところに海外研究者と一言でも入れておけば、カバーできるかと思いましたので、直せればと思います。
その他、ございますか。よろしいですか。
4番については、特に議論するという予定にはなっていませんけれども、何か気になることがあったら、お願いします。
角野委員、お願いします。

【角野委員】角野です。
ここだけじゃなくて全体に関することなのですけれども、今の海外のことについて、そもそも2番のところに、関係構築が急務であると書いてますけれども、表から見える窓口がないということが、確か問題だったような気がするんですが。

【西村主査】はい。

【角野委員】そうですよね。それで、ここで恒久的な窓口の整備が必要であると言っているわけですから、そもそもなかったことが、多分、2番に書いていない。その辺が書いていないので、多分、先ほどから話になっている、機動観測との枠組みで、いきなり外国との連携がどうのこうのと書いてあるので、多分、突発的な感じがするのだと思います。
だから、国内火山だけでは駄目で、海外が必要というのはよいのですけれども、それで機動観測の機会を得ようとしても、今そういうことができる窓口たる機関がないということが重要なので、関係構築が急務というよりは、そういう窓口をつくることが急務であるということですよね。以上です。

【西村主査】最終的には関係構築をしたいというのであって、窓口はその手段ですね。

【角野委員】はい。ただ、その問題点になっているのは、多分、それがないということだと思うのですが。

【西村主査】はい、そうですね。
ちょっと分からないのですけれども、関係構築をつくることが目的であって、そのために必要なもの、組織として窓口という流れでいけませんか。

【角野委員】いや、それはそうなのだけれども、それが。例えば、他のことに関しては、要するに、何が難しいかを言っているわけですよね。ここの方向性の中で。例えば、機動観測だったら、単発の大学とかだけでは体制を整えることは難しい。だから、一元化する必要があるという書き方になっているわけで。

【西村主査】そういう意味では、この取り組み例の中身では、この海外の機動観測の機会を得るべくとしか書いてないということですね。もう少しここの文章を書かないといけないということですね。

【角野委員】間は抜けている感じがしますね。

【西村主査】はい、分かりました。
この辺りの文章の提起は、先ほど、事務局がまた案を作って、主査と修正するという方向でしたので、もう少し、この海外と連携しなければいけないことについて、関係構築をするためにどういうことが必要であるということなどを盛り込んだ文章に、もう少し変える方向で進めるということでよろしいでしょうかね。

【角野委員】はい。私はそれでよろしいと思います。

【西村主査】ありがとうございます。
その他、一通り、1、2、3、それから4。進めてきましたけれども、今の角野委員のように、全体を通した中で、ご指摘、あるいはまだ言い足りなかったことがあったということであれば、ぜひ発言をお願いします。
相澤委員、お願いします。

【相澤委員】相澤です。
これはマネジメントをする組織が重要だということが提言だと思うのですけれども、これは実際に、その前の井口先生のお話にもあったとおり、専任としてやる人がいないと、バーチャルな組織になってしまうと絶対うまく機能しないというふうに考えておりまして、それで、今、国内と海外で、具体的に取り組み例が挙げられていますけれども、海外のほうは、これは専任としてマネジメントする人がいないと絶対できない項目だろうなというのは何となく読めるのですけれども、今の状態だと、国内のほうは必ずしも専任として行う人じゃなくてもできてしまうような項目が、例えば、複数の火山の比較研究を行う際の観測項目の検討などは、別に専任の人ではなくてもいいのではないかというようなことに読まれてしまうような気がしていまして。
それで、もうちょっと国内のほうに、どうしても専任として人員が必要だという項目をもう少し入れることはできないかなというふうな感想を持ちました。

【西村主査】何か良いアイデアはないですか。

【相澤委員】例えば、噴火したとか、噴火になりそうだというときには、後方支援、森田先生が言われていたように、後方支援がすごく大変な事務作業になってくると思うんですけれども、そういったことを盛り込んだりするとか。それだけだとちょっと何をするのか読めないので、もう少し具体的にどういうことをするとか。
あとは、最初に人材の配置と書いていますけれども。これは具体的にどういう仕事なのか、ちょっとそれだと分からないです。

【西村主査】これは、恐らくあれですよね。どの火山にどういう分野の人が行くべきか、というような、観測者はどういう人が必要かというのをいろいろ考えたり、それから、多分、時間的な問題だったり、組織として対応してもらうとか、そういうことを担うことをどこかがしないと、バランスが悪くなってしまうということだと理解しましたけれども。
この人材の配置という言葉がいいかは分かりませんけれども、観測体制の維持をするため、観測体制の中の観測する人のほうですね。体制の人のほうのデザインをつくる、あるいは実行計画を作るという仕事だと思いますけれども。

【相澤委員】分かりました。
意見としては、専任としてこの仕事をやってくれるような人が組織に必要だということが読めるようにしたほうがいいということです。

【西村主査】なるほど。よいキーワードを探したいと思います。
鈴木桂子委員、お願いします。

【鈴木(桂)委員】鈴木です。
人材の配置というのは、非常にやはり重要なことだと思います。いざという、例えば噴火が始まったときに、誰がどういうふうにして観測をするかというのは、なかなか今すぐにできることではなくて、逆に、どうやって采配を振るうのかという、そういうヘッドクオーターのようなものを、まずつくらなければいけないだろうというのは、多分、この奥にあると思います。それにのっとって、誰を、どういう人を、どういうところを、どういう人をどういうふうに配置するかというふうなことを考えなければいけないという意味で、人材の配置ということを先ほど申し上げたのですけれども、やはり一番根本的に大事なことは、連携を取るにしても、ヘッドクオーター的なものをどうやってつくったらよいかということの具体的なビジョンというのがもうちょっと見えるといいなと私は思いました。以上です。

【西村主査】ありがとうございます。
角野委員、お願いします。

【角野委員】多分、今の話なのですけれども、要は、大学や研究機関などの協力を進めていくとだけ書いてあって、そのハブになるところのことを全く書いてないからということですよね、問題になっているのは。
だから、協力を進めていきつつ、そこのマネジメント、一応、一元的なマネジメントを行うと書いてあるのですけれども、進めていくとしか書いてなくて、そこにそもそもそういうことを行える人材を配置するということを書いていないのが、恐らく問題なのではないかと思うのですが。国際対応の窓口の整備というのは、ちゃんと窓口とはっきり書いてあるのですけれども、これって結局、どこに置くのかということが恐らく問題になるから、ちょっと触れづらいところではあるかもしれないのですけれども、とは言っても、なにがしかの、例えばバーチャルな、それこそヘッドクオーターのようなものをしっかりつくる必要があって、それが協力を進めていくことだと思います。だから、この辺、どこかにちゃんと書くということですね。一元的に行うための高度人材の登用と書いていますが、これが、だから、どこに置かれるのかということが、多分、分からない。
先ほど言っていた人材の配置というのは、人材の配置を、多分、する人も置かなければいけないということなのですよね。

【西村主査】そうですね。今、鈴木委員が言ったようにヘッドクオーターのような役割ですよね。

【角野委員】だから、多分、高度人材の登用だけじゃなくて、その人がいる場所というのを、多分、書かなければいけないのではないですかね。

【西村主査】これは事務局から少し意図がありましたら、ちょっとご説明を。

【工藤地震・防災研究課長】事務局です。
角野委員のお話なのですが、ここで書いておりますのは、まさにそういう人材、一元的に行うための高度人材の登用ということで書いてありまして、少なくともこれを実行する場所はどこかに必要だということは書いてはあります。
ただ、どこに置くのかというのを、この場でそこまで議論が進んでいないということも踏まえまして、今回、われわれがドラフトさせていただいているのは、そういった機能を設けるところまでは早期にやるべきだということを、この文章で謳っております。
その意味で、必ずしも具体的な機関名であるとか、新たな何らかのそういう機関を設立するといったことまでここで述べる必要はないのではないかというふうに考えております。以上です。

【西村主査】ただ今ご説明いただきましたけれども、よろしいでしょうか。
そうすると、ここに下は窓口と書いてあるけれども、その上のほうは、配備が必要であるという言葉で、基本的には機能を設ける、ただ、場所とか組織まではまだ分からないということをどちらも表しているということでよろしいですか。
国際対応は窓口ですけれども、国内のほうは、登用と機材の配備が必要という言葉で結んでいますけれども、基本的には同じことを言っていると。機能を設けるということを言っているということで、よろしいですか。

【工藤地震・防災研究課長】はい。事務局としてはそういった、今おっしゃっていただいたような機能を構築するということでもって、窓口と、そういったアレンジメントを行うとする機関というのを想定はしております。
ただ、それが何かというのは、具体的については、ここでは述べる必要がないというふうに理解しております。以上です。

【西村主査】ありがとうございます。
よろしいですか、角野委員。

【角野委員】はい。意図は了解しました。

【西村主査】その他、ご意見ありますでしょうか。

【大湊委員】あまり本質的ではないところなのですけれども、「おわりに」の文章でちょっといいですかね。

【西村主査】はい。

【大湊委員】3行目の、「その結果」から「『早期に取り組むべき課題』として提言するもの」とある文章は、これは事務機能の構築が目的のような書き方になっているけれども、でも、これは事務機能を構築することを通じて、その機動観測体制の整備のほうを進めるという手段だと思います。事務機能の構築というのは。
だから、ちょっとそこは、内容は同じでも、文章の順序を変えてはいかがかと思うのですけれども。事務機能の構築を進めることにより機動観測体制の整備を強化するとか、進めるとか、何かその辺の表現を工夫して。やっぱり機動観測体制の強化、整備が早期に取り組むべき課題だと思うので、窓口をつくることが課題ではないと思うので。

【西村主査】市原委員、関連したことですかね。

【市原委員】はい。

【西村主査】お願いします。

【市原委員】一元的なマネジメントのところで、個々の研究者の自らの興味に基づいて行うということと、このマネジメントとの関係をもう少し説明いただけないでしょうか。

【西村主査】今の一元的なマネジメントと、もう一つは何でしたっけ。どれと比較して。

【市原委員】特に大学の研究者は、それぞれの興味とかに基づいて研究申請を行って、海外の火山であっても研究を行うわけですけれども、そういった研究とこのマネジメント、この枠組みでマネジメントされて行うことの関係が分かりにくいのですけれども。少しそこを明確に。

【西村主査】大学の研究者が外に行って、いろいろ個人的につながってやっているということは分かるのですが、それは文章としてどこかに書いてある、この提言に書いてあるということですか。

【市原委員】いえ。今ここでつくろうとしているヘッドクオーターとか、マネジメントして組織立ってやりましょうということの中に、個々の大学の研究者というのは、もっとマネジメントされるべきという意味なのか、そこが。1つの組織に属した研究者をどうマネジメントして、どういうふうに機動観測に当たるかということならよく分かるのですけれども、今これは大学とか、1つの組織に入らないものも協力を進めていくことの組織をどうするかという議論なのですが、どんどん、あたかも1つの組織にあって、マネジメントされて、配置されて、動かされるという方向になっているような気がしてきて。もう一度、その各研究者の、個人の研究者としての動き方と、このマネジメントの関係を説明いただけるとありがたいのですが。

【西村主査】私の理解では、個人の活動を妨げるものではないと理解していますが。ただ、ある程度、比較研究とか、先ほどのこの建議に沿った研究プロジェクトをしようとか、防災に、火山災害の軽減に資するようなことをしようとしたときに、ある程度、組織だったことも必要だということで、そういう機能をもう少し強化しようというのが、この一元的なマネジメントという言葉で出てきたのではないかと思いますが。
いわゆる自由な発想でいろいろな研究者とつながって、新しいアイデアでやるというのは否定されるものではないはずと私は思っていますけれども。

【市原委員】分かりました。ありがとうございます。

【西村主査】先ほどの大湊委員の、文章の順番ですけれども、事務局、何かお考えはございますか。この修正案でよろしいということですか。修正案を見せるということで。

【上山地震火山専門官】事務局です。
一応、大湊先生のご意見を文言の形に反映させたつもりなので、こちらについて、委員の方のご意見を頂ければと思います。

【西村主査】少し文章の順番を変えることで、そもそも一番重要な目的が逆になっているというのが、大湊委員のご指摘でしたけれども、事務局はそれを反映して、今、共有している画面で訂正していただきました。
よろしいですかね。こちらのほうが本来の趣旨にのっとっていると思うので、私はこちらが妥当かなと思いますが。よろしいですか。
では、その他、ご意見はございますでしょうか。全体を通じてで構いませんけれども、あるいは個別のことでも結構ですが。よろしいですか。
では、どうもいろいろご議論ありがとうございました。途中で事務局からご説明がありましたように、提言案に関しては主査預かりとさせていただき、本日頂いたご意見を踏まえて、修正をした上で、本委員会からの提言案として、測地学分科会に報告させていただきたいと思います。大幅に修正になるようなところがありましたら、一度、委員の方に閲覧いただくということになりますか。事務局、いかがでしょうか。

【上山地震火山専門官】はい。おっしゃるとおり、大きく変えるようなことになりましたら、委員の皆様に再度ご覧いただくことが適切かと思います。

【西村主査】では、委員の皆さん、メールが行くかもしれませんので、そのときはもう一度、ご意見を頂ければと思います。よろしくお願いします。
 

[議事2.その他]

 

【西村主査】では、それでは、議題2の「その他」に入ります。事務局より、今後の予定について、ご説明をお願いいたします。

【上山地震火山専門官】事務局、上山でございます。
先ほど主査からもご説明がありましたとおり、この後、本日頂いたご意見を反映させるとともに、宿題となっておりますところについて案文を考えて、要すれば委員の皆さまにも回覧して提言案を取りまとめたいと思います。
提言案に関しましては、測地学分科会での審議を経て確定版となりますので、確定しましたら、改めて事務局から委員の皆さまに共有したいと思います。
本日の議事録については、運営規則の第6条第1項に基づいて後日公表することになっておりますので、案が作成でき次第、また、委員の皆さまに確認いただきます。
次回会議の日程については、現時点では未定となっております。また事務局から日程調整の連絡を差し上げますので、お待ちいただければと思います。事務局からは以上です。

【西村主査】ありがとうございました。
それでは、これでほぼ時間ですので、終了したいと思います。本日の議論はこれまでといたします。
本日はお忙しい中、ご出席いただき、ありがとうございました。

―― 了 ――

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(研究開発局地震・防災研究課)