地震火山部会 地震火山観測研究レビュー委員会(第5回) 議事録

1.日時

平成28年12月19日(月曜日)13時00分~15時51分

2.場所

文部科学省 17階 17F1会議室

3.議題

  1. 「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究」の実施状況等のレビュー報告書について

4.出席者

委員

(委員)清水、平田
(臨時委員)榎原、棚田、仲西、中村、矢来
(専門委員)市原、加藤、宍倉、関口、中川、西澤、西村、橋本、三宅、山中

文部科学省

谷地震・防災研究課長、中村地震調査管理官、根津地震・防災研究課長補佐、田中防災科学技術推進室課長補佐、浦谷地震火山専門官、三浦科学官、鶴岡学術調査官

5.議事録

[委員の出欠状況など]

・委員の出欠について:田村臨時委員、木村専門委員が欠席。矢来臨時委員、三宅専門委員は遅れて参加。
・配布資料について確認。

[議事:「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究」の実施状況等のレビュー報告書について]

【加藤主査】これより議事に入ります。本日の議事は1つだけで、「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画」の実施状況等のレビュー報告書についてです。
前回のレビュー委員会で、レビュー報告書の1章から6章までとレビューの用語集、レビューの参考資料、レビューの概要、要旨、附属資料について御議論いただきました。そのときに出た意見・コメント等を踏まえ、各委員に修正等を行っていただきました。本日は皆様の御協力により、報告書が案の段階ではございますが、作成されています。本日はこれについて検討を行います。
それでは、資料1-1が報告書本体ですが、これについて議論を進めていきたいと思います。きょうは、本文のほかに概要、要旨や附属資料、用語集についても議論したいと思いますが、これまで1章から5章まではかなり時間を掛けて議論してきたと思いますので、できるだけそこは短めにして、6章の総括的評価であるとか、用語集、概要、要旨、附属資料について、できるだけ時間を使いたいと思います。
それから、今回、レビュー委員会は最終回になりますので、きょうの会議で確定しなかった分は主査預かりとさせていただきたいと思いますので、そこは御理解ください。
では、第1章から第5章まで議論を行いたいと思います。これについては、前回の第4回委員会の後に各委員に修正していただいた後、主査又は主査代理から幾つかの章については個別にやりとりをして修正を行いました。その後、さらに主査又は主査代理が修正しているところがありますので、担当の方は是非確認をお願いします。
では、まず第1章から、「はじめに」ですが、ここについては特に御意見ありますか。今、修正されたのは、ここは科学官から意見があったところだと思いますが、形式的なところだと思いますけれども、よろしいですかね。形式については、事務局の方でどういう形式が適切かというのも判断をお願いしたいと思います。内容については特に意見はないと思いますので、よろしいですね。
では、第2章、「『災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画』の基本的な考え方」、まず、地震火山観測研究のこれまでの経緯ですが、これも形式的なところだとか、日本語の表現だと思いますけれども、御意見ありますか。よろしいでしょうか。
2の「本計画の基本的な考え方」については、特に修正なしですが、よいですね。
次、第3章、「地震火山観測研究計画の変更について」の1の「東北地方太平洋沖地震の発生を受けて実施した前計画の見直しと現行計画の策定」、ここも特によろしいですかね。
次、2の「御嶽山の噴火を受けて実施した観測研究体制の見直しと取組」です。ここも日本語の修正程度ですけれども、よろしいですか。
次、第4章、「重要な地震・火山現象と拠点間連携共同研究」、1の「近年発生した地震及び火山現象に関する重要な観測研究」。じゃあ、8ページ、「熱水変成」のところ、橋本委員からコメントがありますけれども、ここは火山の方、どうするのがよろしいでしょう。
【橋本専門委員】橋本です。すいません。コメント自体が書き間違いがありまして、「『変質は』高温高圧で」と書いてあるんですけど、これは「変成」と書くつもりで「変質」と書いてしまいましたが、コメント自体が「変成」です。なので、それを「熱水変質」の方がいいんじゃないですかというコメントでした。いかがでしょうか。
【中川専門委員】中川です。「熱水変成」という専門用語は多分ないと思いますので、「熱水変質」でいいと思います。
【加藤主査】じゃあ、ここは「熱水変質」で確定したいと思います。
次ですけれども、ここは科学官から御意見がありますが、ここは田村委員が執筆されたところで、きょう欠席なので、なかなか議論がしにくいんですけれども、科学官、ちょっとコメントをいただけますか。
【三浦科学官】読んでみて、記載が細か過ぎるのではないかという印象を持ったので、コメントしました。
【加藤主査】具体的に提案とかはありますでしょうか。それは難しい?
【三浦科学官】そこまではちょっと。すいません。
【加藤主査】分かりました。では、検討したいと思います。
次は、「主な火山噴火」で、ここも橋本委員ですね。コメントをお願いします。
【橋本専門委員】橋本です。言葉遣いとしてやや違和感があったということです。「噴火の規模は大きくなかったが」というので、必ずしも大きくなかったと言い切れるかどうかというのは微妙なところかなと思うので、噴火の大小をここで言うよりも、むしろ、1979年の噴火と対比するようなことをここで書いた方がより適切なのではないかと思ったので、このようなコメントを書きました。御検討いただければと思います。
【加藤主査】ありがとうございます。ここはどなたか答えられる方いますか。西村さん、いいですか。
【西村主査代理】御指摘のとおり具体的な比較するものを入れたいと思います。
【加藤主査】じゃあ、その方向で修正ということにしたいと思います。
続いてのところですけれども、ここも橋本委員ですけれども。
【橋本専門委員】ここの部分は、前後の表現が主に受動態で書かれているところで、ここだけが能動態のように書かれたので、表現として違和感がありましたということだけです。
【加藤主査】分かりました。じゃあ、ここも検討したいと思います。
このページの最後から4行目、「有効な情報として役立てられなかった」、ここについては。
【橋本専門委員】これも日本語の読んだときの印象だけの問題なんですけれども、「役立たなかった」と書いた方が素直に日本語として読めるのではないかという程度のコメントです。
【加藤主査】ここも検討でよろしいですか。じゃあ、ここも検討したいと思います。
次のページですね。これは事実かどうかという問題ですけれども、どなたか。
【西村主査代理】確認しましたら、橋本委員の御指摘のとおり、2001年と神田さんの論文に書いてありましたので、「2001」に訂正でいいと思います。
【加藤主査】次は日本語の問題ですかね。ここもいいですか、7番目のコメントですけれども。
【西村主査代理】橋本委員の表現の方が分かりやすいと思いますので、訂正したいと思います。
【加藤主査】あと、「火山降下物」。
【中川専門委員】これも「降下火砕物」の方が適当だと思います。コメントのとおりでいいと思います。
【加藤主査】じゃあ、そのように修正ということにしたいと思います。
その次は、12ページ、「桜島」、ここは日本語の問題ですね。これも西村委員と考えて検討したいと思います。
その後ですけれども、14ページ、「デコルマの反射極性」、「デコルマからの反射波の極性」がよいのではということですけれども、ここを担当された方、何かコメントはありますか。これ、どなたでしたっけ。
【山中専門委員】はい。コメントって何?分かりにくいというのは、どう変えたらいいですか、逆に。
【三浦科学官】コメントの中に書いてあるとおり、「反射波の極性」。
【山中専門委員】ああ、じゃあ、極性、いいんじゃないですか。
【加藤主査】じゃあ、そのように修正します。
次ですけれども、「桜島火山」のところ、橋本委員、まとめて説明をお願いできますか。
【橋本専門委員】ここは「低頻度大規模現象の再考も含めた事象分岐論理の構築」とあったところなんですけれども、「低頻度大規模現象の再考」というのが何のことなのかというのが分かりにくいのかなと思いましたので、もう少し具体的に言えば、大正噴火の規模や地震活動等を再考したということ、再検討して、それを事象分岐の中に取り入れたという意味なのであれば、そのように書かれた方が分かりやすいのではないかと、ちょっと漠然としているなという印象だったので、こういうふうにコメントしました。
それから、13番のコメントですが、「分岐論理」という言葉は意味がよく分からないので、これももう少し具体的に「事象分岐の判断指標」であるとか、そういった形の言葉の方がよろしいのではないかということ。
それともう一つ、14番は、「最終的に」というのが「最終目標である火山災害軽減研究」であるとか、最終かどうかは別として、主な目標であるとかいった形に変えた方がよろしいのではないかというコメントです。
それから、その下のコメント15は、もともとは「事象分岐判断の提示」とあったんですけれども、これも判断の提示というのがどのレベルのことを言っているのかもよく分からないので、恐らくこれは、事象分岐の判断根拠となる観測量を整理して、事象分岐系統樹に盛り込んだという意味なんじゃないかと思いますので、そのように読めるように少し言葉を変えたらいかがでしょうかという提案です。
以上です。
【加藤主査】ありがとうございました。では、ここについては、今の御意見を参考にして修正ということでよろしいですかね。じゃあ、そうしたいと思います。
あと、しばらくなくて、18ページの「焦気」というんですか。ここは私もよく分からなかったんですけれども、どなたか。
【榎原臨時委員】これ、たしかこういう表現で報告を書かれていたと思います。資料上にこういう臭いがしたということが書かれてあった、それをそのまま使われていたと思います。
【加藤主査】資料というのは、成果報告のところにこういう文章があった?
【榎原臨時委員】成果報告会での話の中でこういう言葉が出てきたのを記憶しております。資料上の用語ですから、広辞苑にはないと思いますけれども。
【加藤主査】「降灰や焦気」、意味としてはどういう意味か。
【榎原臨時委員】やっぱり焦げ臭い臭いがしたということですね。
【加藤主査】焦げ臭い、ああ。これ、日本語を用語集に入れるほどのものでもないので。
【榎原臨時委員】そうではないですね。
【加藤主査】ちょっと分かりやすい表現に変えていただいていいですかね。
【榎原臨時委員】はい。
【加藤主査】お願いします。
次、21ページ、プレート境界地震の「海底圧力計」のところですね。「成果の記述がない」ですけれども、ここの担当は、どなたになるんでしたっけ。
【西澤専門委員】私です。成果の記述を、ないというのはどこにないという意味ですか。
【三浦科学官】それ以下のところに、地震計による成果はそれなりに書かれてあるんですけれども、海底圧力計で何が分かったとかいうことが書かれてないので。
【西澤専門委員】ここの文章の中にですね。
【三浦科学官】はい。設置・回収を行ったということしか書いてないので、省くか、付け加えるか。
【西澤専門委員】どっちがいいですか。
【三浦科学官】成果があるなら付けた方がいいかもしれない。
【西澤専門委員】分かりました。じゃあ、成果を加えてみます。
【三浦科学官】はい。
【加藤主査】それじゃ、後で検討をお願いします。
【西澤専門委員】はい。
【加藤主査】24ページですけれども、この辺の用語は、地震本部の用語に従った方がいいだろうと思いますので、そのようにしたいと思います。
【仲西臨時委員】すいません。ちょっと1点いいですか。
【加藤主査】はい。
【仲西臨時委員】この1の(3)のところなんですけど、24ページの真ん中辺の修正したところですね、青字で書いてある。「千島・日本海構下の温度構造と上盤プレート下のマントル対流パターンを推定した」と今回、修正したんですけれども、この表現について、予知協の研究者の方と協議した結果、「上盤プレート内でのマントル対流パターン」ではなくて、「スラブ上盤側におけるマントル対流パターン」と修正したいと思います。
【加藤主査】分かりました。それがより正しい表現だと思いますので、よろしいですね。じゃあ、そのように修正することにします。コメントがついているところだけ議論していきますけれども、途中で気になっているところがあれば、御発言ください。
次、43ページですね。「地震・火山噴火の災害誘因の即時予測手法の高度化」のところで、「実施状況」には書いてあるけれども、成果が見当たらないということですが、恐らく、必ずしも成果がなくても「実施状況」に書くというのはこれまでも行われていたと思うんですけれども、三浦さん、何かコメントがあれば。
【三浦科学官】コメントしたのは、言われたように「成果」に特に記載がなかったのでということなんですが、今、おっしゃられたように、「実施状況」として書くのは、それはそれでいいということであれば、特にそれで結構だと思います。
【加藤主査】中村委員、何かコメントしたいことがあれば。
【中村臨時委員】一応、原稿を作成していく上で、いろいろ取捨選択してきた結果としてこういう形にしてあるので、再度、御指摘の部分の「成果」を再確認してみますが、その上で載せないという判断も了解していただければと思います。
【加藤主査】ありがとうございます。では、確認をお願いします。
43ページの下の「パターンマッチ」は確かに分かりやすいというか、日本語にした方がいいと思いますので、中村委員、検討をお願いします。
それから、46ページですが、「地震・火山噴火の災害軽減のための情報の高度化」です。ここについては、田村委員、木村委員が担当ですけれども、ここは、西村委員と私と田村委員、木村委員とのやりとりで修正してきたところですが、担当者がいないので、後ほど、田村委員、木村委員と相談して修正を考えたいと思います。
三浦さん、もし何か説明があれば。
【三浦科学官】いや、非常に長い文章でちょっと理解ができないということです。
【加藤主査】分かりました。検討します。
次、63ページですね。橋本委員、まとめて説明をお願いできますか。
【橋本専門委員】橋本です。「火山現象のモデル化」で、特に「熱水系の卓越する火山は」というところの続きなんですが、「一般的に、静穏期が長く噴火の発生頻度も高くない」と書かれているんですけれども、これは事実ではないと思いますので、この記述は削除して、書くなら別のことを書いた方がよろしいのではないかという意見です。
例えば、火口近傍で多項目観測が重要であるということの理由を述べるのであれば、多くの場合、水蒸気噴火では、マグマの直接的な関与が必然ではなくて、噴火の源が比較的浅く、先行現象が火口近傍に局在しているケースが多いということが理由として挙げられるのではないか、その方が適切ではないかというのがコメントです。
それから、25番のコメントは、前半の方で口永良部島に関して記述がありましたけれども、そこでは「15年ほど前」という記述がたしかあって、具体的には、「1999年の地震活動活発化に始まる一連の火山活動の活発化」ということを書いていたので、ここでもそれに合わせて、「20年」ではなくて「15年」とした方が整合性が取れるのではないかと思います。
それから、26番のコメントは、これは「御嶽山は噴火の約1か月前から火山活動が活発化しており」というところなんですが、これは具体的に言うと、微小地震活動のことを指していると思いますので、そのように書かれた方がよいのではと思いました。
それから、27番は、「水蒸気噴火のように規模の小さな噴火」ということなんですが、イメージとして水蒸気噴火は小規模だという固定観念が流布するのも余りよろしくないのではないかと思いますので、これはあえて別に書かなくても、ここの記述としては特に問題なさそうに思いましたので、ここは削除してはどうでしょうかという提案です。
以上です。
【加藤主査】ありがとうございます。どなたか答えられる方。担当の方か、西村さんか。
【西村主査代理】どれも非常に分かりやすくなるような形で変えられると思いますので、文章を工夫します。
「口永良部島」では、ついては「20年ほど」と非常に曖昧ですので、前の表現ときちんと合わせて書き直したいと思います。
あと、「火山活動」は、多分、地盤変動もあったので、「地震」と書かなかったと思いますが、確かに「火山活動」といいますと、ガスとか、かなりいろいろな表面現象も含めて捉えられる可能性がありますので、「地震活動」や「地盤活動」などと少し表現を変えたいと思います。
【加藤主査】ありがとうございました。
【橋本専門委員】地盤変動は1か月前でしたか。ちょっとそこも気になったので。
【西村主査代理】再解析すると、もう少し前とかいろいろありますので、それも含めて表現を直したいと思います。
【加藤主査】ありがとうございます。
次、64ページ、ここも橋本委員ですけれども、説明をお願いします。
【橋本専門委員】これは補足的なコメントで、「分岐判断の手法を用意しておくことによって、火山活動の活発化の際に有効に利用できる」という原文なんですけれども、活発化するときだけではなくて、沈静化する際の判断にも有効であろうということで、そういうことも盛り込んではいかがかという提案です。
【加藤主査】ありがとうございます。
【西村主査代理】もっともだと思いますので、沈静化も入れたいと思います。
【加藤主査】ありがとうございました。
次は、67ページの「教育・人材育成」のところですね。ここも橋本委員ですけれども、説明をお願いできますか。
【橋本専門委員】ここはほとんど日本語の表現的な印象の問題だけですので、必ずしもこれがベストとは思いませんが、やや違和感を感じたところをこういうふうにしてはいかがかという提案を書いています。
例えば、「適切に就職できる」という言い方はよく分からないというか、「その知識や技能を発揮できる職場を得る」とかいう書き方の方がよいかなと思ったのと、あと、もう少し後の31番のコメントなどについて言いますと、「面白さ」、「面白さ」というのが続いているので、やや口語的な感じもしましたので、それぞれ最初の部分に関しては、「学問としての広がり」、「予測科学としての魅力」、そして、最後の部分は、「災害軽減に貢献する学問としての社会的重要性」という形で、少しずつ言葉を変えた方が締まりがよくなるなと思いました。
それから、あとは、「追及」という漢字がたしか間違えていたので、それを修正したところです。
あと、34番のコメントは、これはもう既に修正済みのようですが、もともと少し表現といいますか、修正し忘れなのかなという形のまま残っていたので、そこを指摘しているというところになります。
以上です。
【加藤主査】ありがとうございました。では、ここも橋本委員の御意見を参考に修正したいと思います。
ここまで資料1-1、最後まで見ていきましたけれども、5章で切ろうと思ったんですけれども、6章まで来てしまいましたが、とりあえず5章のところまで、58ページの一番最初のところですね。ここまでで、これまで議論してきた以外に意見・コメントがあれば、お願いしたいと思いますけれども。
基本的にここまでは、これまでもかなり長い時間を掛けて議論してきたと思いますし、きょうのコメントも内容に関わる非常に深刻なものは比較的少なくて、日本語の記述だとか、形式的なところだとか、そういったところですが、あと、前回、第4回の委員会の後に取り上げている成果については、比較的最近の、ここ二、三年の成果に偏っているように思えたので、私の判断で3年前、4年前ぐらいの成果も幾つか担当者の方と相談して入れたりはしています。
よろしいですか。では、5章までは、この後、主査、主査代理、それからコメントをくださった方、担当者と相談して、最終版を作りたいと思います。今、「教育・人材育成」のところまで行っちゃいましたけれども、「総括的評価」について、もう一回、最初から議論をしていきたいと思います。
まず、「現行計画策定までの経過」です。
【平田委員】ちょっとすいません。相当前に戻って申し訳ないんですけれども、「熊本地震」のところ、8ページで、被害のことが書いてあって、そこに死者とか負傷者、全壊家屋の数字が出ていて、6月24日現在の統計となっていますから、まさに6月24日の統計はこうなんですけれども、その後、もっと新しいのがいろいろ出ています。ですから、この日にちには意味がなくて、多分、原稿を作ったときの最新がこれだったので、どこかの時点で、もう一回消防庁の新しい数字を入れてください。それは形式的に事務局の方でやっていただければ結構だと思いますけれども。例えば、「死者69人」というのは、今、150人以上になっていまして、関連死も含めてですけど、その辺は最新のデータにアップデートしていただいた方がいいと思います。
【加藤主査】ありがとうございました。ごもっともだと思いますので、そのようにお願いします。
もう一回確認ですけれども、5章までのところ、よろしいですか。
【中川専門委員】1点あるんですが、15ページの「桜島火山」のところの2行目なんですが、橋本委員からの指摘もあったんですけど、「低頻度大規模現象」という言葉を使っているんですが、この中で、低頻度大規模現象というのは、火山噴火の場合は、カルデラ噴火のようなものを想定していたと理解していたんですが、桜島でこの低頻度大規模が大正噴火を指すとも取れるということは混乱するのではないかなという印象を持ったんですけど、いかがでしょうか。
【加藤主査】ありがとうございます。言われてみると、私もそのように思いますが、火山の方。
【中川専門委員】橋本委員のコメントにあるように、「1914年噴火」、あるいは「大正噴火」と明示すればいいのかなと思いますが。
【加藤主査】まず、この文章というか、この建議全体で、火山の低頻度大規模現象は、カルデラ噴火クラスのものということでいいんですよね。
【清水委員】ただ、課題としては、例えば中道さんが、大正噴火の見直しで、多分、低頻度大規模の課題で出してなかったっけ。どうでしたかね。だから、もし出しているとすれば、今、中川委員が言われたように、普通、火山学では、確かにカルデラ形成のことを言うんだけど、やっぱり「大正噴火も含めた比較的低頻度」とか何とか、少し含めて書くようにしないと、課題がどうだったかな。中道さん、何か課題があったよね。なかったっけ。
【市原専門委員】今、27年の成果の概要を見ましたけれども、磐梯山の1888年の噴火と、桜島の1914年の噴火がそれぞれ……。
【清水委員】入っているんですよね。
【市原専門委員】別の課題として入っています。
【清水委員】だから、そういう意味では、カルデラ噴火だけではないですね。ここで言っている低頻度は。
【加藤主査】分かりました。では、ここは今の御意見も参考にして、中で矛盾がないように表現を変えたいと思います。よろしいでしょうか。
ほかには。その他については、後でもう一回、原稿を読み直していただいて、気が付いた点があれば、事務局や私に連絡していただければ考えたいと思いますので、よろしいですかね。
では、6章の「総括的評価」に行きたいと思います。「総括的評価」は、この前から大きく変えたところというのはそれほどなくて、前半は余りないです。前回から変えたのは、「総括的評価」の中の、特に67ページ以降の「現計画の総括的評価と今後の展望」のところを多少変えましたけれども、それ以外は大きい変更はしてないと思います。
まず、58ページの「現行計画策定までの経緯」、「地震予知・火山噴火予知計画の主な成果」のところですが、ここもほとんど変えてないと思いますが、これは地震予知・火山噴火予知の計画が始まってから地震の新しい計画になったところだとか、地震と火山の計画を統合したところが書いてあります。
後からでも気が付いた点があったら御指摘いただくことにして、次に行きますが、次は、「東日本大震災」ですね。前の計画、地震と火山が統合した計画を実施している中で、東北地方太平洋沖地震が発生して、非常に大きな被害が出た、それに対応するために、超巨大地震に関する研究等を実施したということを書いています。
次、「現行計画の策定」ですが、東日本大震災の発生を受けて、超巨大地震に対する研究の取組が少なかった、十分ではなかったことであるとか、地震・火山の研究成果を災害軽減に役立てるための取組が十分ではなかったことなどを反省して、現行計画を策定していくことが書かれています。
2番の「現計画の成果と課題」ですが、まず、「優先度の高い地震・火山噴火に対する総合的な取組」、これは東北地方太平洋沖地震、南海トラフの巨大地震、首都直下地震、桜島火山噴火について、4つの対象を分野横断で取り組んだということ、それぞれについての成果が書いてあります。
ちょっと変えたのは、この文章の最後の段落ですね。「以上のように、優先度の高い地震・火山噴火である4つの対象について総合的な取組を行ってきた。地震学・火山学的な現象解明・予測の研究から災害軽減に向けての取組までを総合的に検討することにより、それぞれの対象ごとに研究の不足している部分などが明らかになり、今後の研究を進める上でも参考になる点があった。今後、対象とする地震・火山噴火や推進体制についても見直した上で、優先度の高い地震・火山噴火の分野を横断した総合的研究を進めていく必要がある」と総括しています。
ですから、現行計画から新たに取り組んだ、対象を決めて総合的に取り組んだということは、それぞれの対象ごとに研究が不足していることなどが分かったということで、意義があったということが総括というか、結論になります。
そういうことを考えると、次の計画では、対象とする現象は、今の4つと同じである必要はないですけれども、優先度の高い地震や火山噴火を決めて、分野横断した総合的な研究を進めていくことは価値があるということを書いています。
【平田委員】すいません。戻って申し訳ないんですけど、59ページの「現行計画の策定」の真ん中辺のところで、第3パラグラフですね。地震・火山現象の予知に基づいて災害軽減に貢献することを目標としていたそれまでの方策を転換し、何とかかんとかで、「最終的な目標とする」というところですが、「災害誘因の予測に基づき災害の軽減に貢献することを」……。
【加藤主査】すいません、59ページ?
【平田委員】59ページの「現行計画の策定」の3つ目の文章で、地震・火山噴火の予知に基づいて何とかかんとかの方向を転換し、「災害誘因の予測に基づき災害の軽減に貢献することを最終的な目標とする」と、ここはかなり言い切っちゃっているんですけれども。
【加藤主査】そうですね。確かに方針を転換し、地震・火山噴火の予測に加えということを書いた方がいいですかね。
【平田委員】災害誘因の予測に基づき貢献する、言いたいのは、もうちょっと広がりがあった方がよかったような気がして、1つは災害誘因というか、地震・火山の研究と、それから災害誘因の予測と、それに基づいて災害科学の一部としてやるとかいう、もうちょっと広がっていたんですけど。
【清水委員】その次の文章に書いてあるんですよ。今、平田さんが言われたことがもろに次に文章に書いてあるので、次の文章を読むと分かるんだけど、確かに今の文章はちょっと極端かな。
【平田委員】そっか、次を読めば。
【清水委員】次はそう書いてある。
【平田委員】そうね、なるほど。
【清水委員】そのとおりじゃないかと。だから、やっぱり今の最初の文章は、確かに予知をやめて、予測をやめて、災害誘因と言い切っちゃっているので。
【加藤主査】じゃあ、ここはこの2つの文章を合わせて検討します。あと、建議に書かれている文章も参考にしながら修正したいと思いますけれども、それでよろしいですか。
【平田委員】はい。すいません。考えている間に進んでしまった。
【加藤主査】ありがとうございました。戻りますけれども、「総合的な取組」に対する評価としては、今のまとめでいいかどうか。これは当然、次の計画もこういうことをやるべきかどうかということも含めて議論しているのですけれども、よろしいですか。
【平田委員】もうちょっと、いいことしか書いてないんですけど、いいことというか、これは「成果と課題」だから、課題はどこかに書いてあるのかな。
【加藤主査】課題は個別のところには少し書いてあるんですけれども、最後のまとめに何度も繰り返すのもと思って。
【平田委員】「総合的な取組」は、いいと私も思うし、ここに書いてあることにうそはないんですけど、ちょっとよく書き過ぎているという印象があります。つまり、もうちょっとちゃんとやった方がいいというニュアンスが。何がちゃんとしたというのは、言い方が変ですけれども、書いてあるのかな。
【加藤主査】例えば、ここの2つ目の段落の首都直下地震についてのところでは、「首都直下の構造は複雑であり、対象とする地震が多様であるため、地震による災害に関する研究も、やや系統性を欠くものになっている」とか、個別のところには、それぞれの対象について、うまくないところというか、課題は書いてはあります。ただ、課題は多分、対象によって違っているので、全て4つに共通する課題というのもなかなか書きづらかったので、ここには、最後の段落には書いていません。
【平田委員】次の連携研究のところの内容で、例えば、南海トラフについては、結構総合的取組が進んだけれども、それに対して、首都直下については、余り総合的な取組が進んでないような印象を、自分で言うのも変ですけれども、持っているので、だから、次期計画でこういったことをもう少し進めた方がいいというのは賛成ですけれども、何が足りなかったかということが。簡単に言えば、量的・質的にもっとちゃんとやった方がいいというような結果になった方がいいと思いますけれども。つまり今の取組ではまだ不十分である。とは思っていないのかな。これを書いた人は十分だと思って書いているんでしょうか。
【加藤主査】不十分というのは、どういう意味で不十分?
【平田委員】つまり総合的な研究になっていたという評価になっているんでしょうか。
【加藤主査】必ずしも総合的な取組になっていない対象もあると思います。じゃあ、そのあたりを少し。
【平田委員】前の方に具体的に書いてあるんだっけか。
【加藤主査】あります。はい。
【平田委員】そこではいいこと、悪いことが書いてあるんでしょうから。
【加藤主査】例えば14ページの首都直下地震のところなどは、もうちょっと個別の課題が書いてありますね。
【平田委員】こういう取組はこれまでの建議の中では余りなかった、建議の計画ではなかったから、1つの今の現行計画の新しいところだと思うので、その意味はあるけれども、これも始めたばっかりなので、このはっきり言ってやり方もよく分かっていないし、課題に対する評価の仕方もやや不十分だったから、そこは「もう少し研究の実施体制も含めて、今後の検討が必要である」みたいなことを少し入れたらいいかなと。
【加藤主査】はい。
【西村主査代理】一応、下からの一番最後の文章のところに、少しあっさり書いてあるんですね。今後、対象とする地震、火山噴火や、対象をどう選ぶかとか、それから推進体制も、今回やってみてうまくいったところもあるし、少しやりにくかったところもありましたので、それを見直した上でということを書いてあるんですが、ちょっとあっさりしている。。
【平田委員】そうか。書いてあるんですね。だからあっさり……。研究の不足している部分が明らかになりと言っている以上、何が不足していたかを具体的に書かないと、これを外部評価に回しても、一体、何が不足しているのかというのは必ず聞かれますから、聞かれるのであればそこで慌てるのではなくて、ちゃんとここで評価をしておいた方がよろしいかと思います。
【加藤主査】じゃあ、ここは少し記述を充実させるということで、ほかにここについて御意見は。新しい取組ですし、次の計画がどういう形になるかも含めてちょっと重要なところなので、意見があればお伺いしたいですが、よろしいですか。
では、次に行きます。次、拠点間連携共同研究です。ここはそれほど変えていないと思いますけども、地震研究所と防災研究所が連携して、拠点間連携の研究を行ったと。地震・火山の理学的研究の成果を災害軽減に役立てるための取組。これも総合的な研究の1つと言えると思いますけども、これについて書いています。特に南海トラフの巨大地震のリスク評価に関する研究などもしているということを書いています。
ここも始まったばかりで、研究成果としては予備的なものもあるけれども、こういった取組を始めたことによって、これまで不足していたところなどが分かるようになったというか、気付いたというようなことが書いてある。そういった価値もあるので、次も続けるべきだというのがまとめになると思いますが。
【平田委員】総合的な取組のところには、南海トラフの記述の中に拠点間連携共同で南海トラフはやっているというふうに書いてあるから、拠点間連携共同研究の意義みたいなところに総合的な研究としてそれに近いことは書いてあるんだけれども、に貢献したとかということは書きませんか。
【加藤主査】なるほど。はい。じゃあ、そのような記述、加えたいと思います。
ほかにありますか。関口さん、何か補足とかあります?特にいいですか。はい。
では、次ですけども、次は低頻度大規模地震・火山現象です。ここもやはり東日本大震災を受けて、近代的な観測データだけからは十分解明できない、発生間隔が長い現象を史料や考古データ、地質データなどから解明して、予測に役立てるという研究です。特に現行計画から新しく参加した史料や考古データの活用について書いてあります。
こういったものは非常に息の長い取組が必要なので、今後も継続すべきであるということや、史料、考古・地質データを統合して現象を理解することをより進めるべきだといったことを書いています。
ここも前回からあんまり変わっていないですけども、新しい取組ですので、コメントがあればお願いします。
【平田委員】ちょっとこれ、古地震学、古火山学だけに偏り過ぎませんか。
【加藤主査】なるほど。
【平田委員】結局は全部、史料、考古でやると書いてありますけど、もちろん非常に重要なので、それは重要なんですけど、もうちょっと何か。
【加藤主査】そうですね。じゃあ、もちろん東北地方太平洋沖地震に関する解析、地球物理的な解析なども行っていますから、それもちょっと加えますかね。
【平田委員】もちろん観測事実に基づく事象的な研究が必要ですけど、理論的な研究も、まれにしか起きないものについては本当は必要なわけですね。だからそれは東北の地震の成果の中で出てくる。
【加藤主査】はい。成果の方には多少、出ています。
【平田委員】ちょっとそういうニュアンスを加えていただくといいかもしれません。
【加藤主査】はい。じゃあ、ちょっとそのあたり、考えます。
よろしいですか。次、内陸地震です。内陸地震については、2014年の長野県北部の地震であるとか、2016年の熊本地震、こういうものが起こって、これらは既知の活断層で発生した地震ですけども、それらの評価に対する課題などを書いています。さらにこれまでもずっとやってきた内陸地震の応力集中過程の物理モデルの構築などの研究の必要性についても書いています。
よろしいですか。では、次は地震と火山の相互作用。地震と火山の相互作用は、前の計画から地震と火山の計画が統合されたところから始まっていますけども、現行計画の中では、熊本地震の発生域が阿蘇山に隣接していたということであるとか、東北地方太平洋沖地震の後の火山を含めた地殻活動の活発化などのことが書かれています。
【平田委員】またこれはやったこと、成果と課題ですよね。
【加藤主査】はい。総括的評価の。
【平田委員】だから地震と火山の相互作用については、今の観測の解析とか物理機構を丁寧に調べる必要があると書いてあって、さっきの低頻度大規模の方は、古地震学や古火山学が主に書いてあるんですけれども、ちょっとバランスが、こっちだって歴史地震や歴史火山学だってあるわけじゃないですか。同じぐらい、さっきのものも理論的な研究もしているんだと思うから、ここは少し何かバランスを。今回の計画でやっていたのは確かにこうで、成果が上がってきたけど、少し入れた方がいいんじゃないかなと。
【加藤主査】はい。検討します。
【平田委員】過去のデータの系統的な解析といったときに、これは何となく最近……。
【加藤主査】「過去のデータ」というのは、最近のデータと思われちゃいますね。そこはちょっと考えます。
ほかに何か。よろしいですか。
では次、海溝型地震です。ここも地震予知の新しい計画になってからの流れを踏襲する部分がメインですけども、プレート境界のすべり現象のモニタリング、すべり現象というのは地震ももちろん含みますけども、それと物理モデルによるモデリングを両輪として、海溝型地震の解明や予測につなげていくというような流れで議論しています。
個別の成果としては、多様なすべり現象の発見だとか、データ同化手法の開発などが書かれています。最後の段落は、これまでそれほど取り上げてこなかった深発地震のことを少し書いています。
【平田委員】これ、そもそも海溝型地震という小見出しはどこから出てきたんでしたっけ。
【加藤主査】これは建議の項目とかとは関係せずに、私と西村さんの判断で作りました。
【平田委員】本文の方にも「海溝型」という分類にしてあったというのはありましたっけ。
【加藤主査】本文というのは、建議の項目という意味?
【平田委員】建議の項目じゃなく、この今の総括的評価の前の個別の議論のところで。
【加藤主査】個別の議論では、プレート境界地震だとか海洋プレート内部の地震というのがありますけれども、それを2つまとめた感じですね。
【平田委員】そうすると、「海溝型地震」というのは調査委員会が作り出した言葉と私は理解していて、あんまりはっきりとした定義はないんですよ。つまり海溝に近いところのプレート境界とスラブ内地震と、それから上盤側の地震と全部合わせて海溝型と言っているから、海溝型の深発地震というのは……。
【加藤主査】確かにちょっと変かな。
【平田委員】何か変ですね。
それから、ここは主にプレート境界の地震……。海溝型のプレート境界地震と言ったときには、これはちょっと何となく私には違和感があるので、だから「海溝型地震」という言葉を使わないで済むならば、ない方が、ここでは。
【加藤主査】じゃあ、プレート境界地震とスラブ内地震とかに分けますかね。
【平田委員】スラブ内地震と言えば深発地震も浅いところも。
それで、海溝型地震というのは意味があるのは、ハザードのことを考えたときには意味があると思うんですけど、そこまでここで議論は何となくしていないので。
【加藤主査】じゃあ、ちょっと分けることを考えます。
ほかはよろしいですか。
じゃあ、次、地震先行現象・地震活動評価です。ここは非常に地震に先行する現象に関するデータが増えてきたので、それと先行現象と地震の発生に関する統計的な評価を系統的に進めていくという研究。これは今後も重要であるということと、そういった統計的なモデルと物理モデルの統合によって予測モデルを開発していくことも重要であるということを書いています。
よろしいですか。では、次の火山のところは西村さんに説明をお願いします。
【西村主査代理】火山現象のモデル化につきましては、現行計画がマグマ噴火と熱水系に分かれて書いてありましたので、それにそう形で一応書きました。
マグマ噴火については、マグマの理論的モデルも進んでおりますので、それと同時に物理観測、物質科学分析も、最近かなり稠密観測や高度な分析が行われましたので、それを連携して進めるということで予測につなげていこうということを主に書きました。
水蒸気爆発については、メカニズムについてはまだ不明なところが多いですけれども、今回いろいろな前兆現象が取れた、それから直前の地盤変動などが取れておりますので、そういうことを含めて予測に使える。また一番下の方には、御嶽山で災害がありましたけれども、そういう直前予測データを用いて、警報システムのようなものを作ることを目指すことがいいのではないかという提言をしてみました。
【加藤主査】今のところについて御質問、コメント等ありますか。
【橋本専門委員】済みません。橋本ですが、現行計画の最初、立ち上げのときに、マグマ噴火を主体とする火山と熱水系卓越する火山という、こういう2つに分けて研究課題を大きく設定したわけなんですけど、それはある特定の火山が、これはマグマの火山、こちらは熱水系の火山ということを、そういう分類は可能であるということを意味しているのではなくて、あくまで現在の最近の状況を鑑みて、どちらの特徴の方がよく出ているかというような視点で研究を、マグマ噴火という視点、あるいは水蒸気噴火、熱水系という、そういう視点で取組んでいきましょうということで立てた名称なので、これが何か火山の分類として、例えば地震で言うところのプレート境界型と内陸地震みたいなものに分けられるみたいなイメージが付いてしまうのはあんまりよくない気がしますので、ちょっとどこかでそういう、この建議の現行計画でのこういう切り口でもって、こういう設定をして取り組んだんだけれどもということを書かせていただきたいと思うんですけど、ここの部分が、総括の部分があんまり長くできないのであれば、前の部分の28ページあたりでしたかね、の目的のところに数行加えさせていただくとかいうようなことはできないでしょうか。
このままだと、マグマ噴火と水蒸気噴火という言葉で対比させた方が、むしろ素直で、片方だけ熱水系の卓越火山という形で出てくると、何かそういうものがあるようなイメージが出来上がってしまうので、よろしくないんじゃないかと。ちょっとこれは前から気になっていたことではあるんですけど。
実際、1つの火山でも水蒸気爆発を繰り返すフェーズがあったり、マグマばかり出すフェーズがあったりと変わっていくことは普通に起こるので、ちょっとそのあたりを誤解のないように整理するような文章を付け加えたいというのが提案です。
【西村主査代理】御指摘を受けますと、これは火山現象のモデル化ということでしたので、ある程度、素過程というか、一つ一つを切り出して書いたということです。
ただ、おっしゃるとおり水蒸気爆発からマグマ噴火というのも1つの大きな現象変化ですので、それをモデル化するということも重要だと思います。ですからその部分を少し付け加えることは非常に必要なことだと思います。
【加藤主査】ありがとうございます。恐らく、28ページの目的の最後のあたりをもう少し説明を足せばいいのかなと思いますけども。
ほかに何かこの項目で御意見ありますか。
【清水委員】今の63ページの総括的評価のところでは、括弧の中の「マグマ噴火、熱水系の卓越する火山」ということ自体は書かなくてもよくないですか。火山現象のモデル化だけでよくないですかね。ここは。総括のところは。その前のところは個別にいろいろ書かなきゃいけないけど、ここはもう総括だから。
【西村主査代理】はい。そのようにしたいと。削除したいと思います。
【加藤主査】ありがとうございました。ほかはよろしいですか。
では噴火事象系統樹、お願いします。
【西村主査代理】噴火事象系統樹については、その有用性というのは近年、この計画を進めるにつれて非常に重要であることが認識されておりますし、火山研究者の中でも、この噴火事象系統樹を高度化することが災害予測に非常に貢献するだろうということで進めておりますので、基本的には今後も継続して進めていくことが重要だろうと記してあります。
どうしても事象が少ないですから、基本的にはデータを増やすことがベースですけれども、近年、理論的なモデルもありますので、そういった観測データだけに限らない取組も加えて進めていくということを記載しました。
以上です。
【加藤主査】ありがとうございます。御質問、コメント等ありますでしょうか。よろしいですか。
では次、災害誘因予測のための研究です。ここも現行計画から力を入れてきたところですけども、地震発生直後に津波伝播や津波浸水域などを即時予測するための手法に進展があったり、火山噴火に関しては、降灰の拡散範囲などをGNSSの測定などから予測する手法の開発などがあって、かなり研究が進んできたところと思います。
こういった研究については、基礎研究の成果を役立てるために、行政機関等との連携が重要と思いますので、そういったところも考えながら研究を進めていくことが重要であるということです。
それから、地震動や津波などの事前予測に関しては、例えば東北地方太平洋沖地震のときに、大きいすべり域、比較的、長周期で大きいすべりが発生したところと、短周期の地震波、地震動に影響を及ぼすような地震波を出したところは別の場所であるということが分かるなど、地震の発生機構に立ち返って地震波の発生過程などが研究されてきて、それは当然、地震動の事前評価、さらには建物等への被害に応用ができる研究成果です。建物等の被害に応用するためには、拠点間連携研究などで理工連携の研究が進められてきたというようなことがここで書かれています。
【平田委員】趣旨はそれで反対はありませんが、もうちょっと具体的に書けませんかね。
つまりここは非常に重要なところなので、「このような研究成果は、行政機関等で実用化されることに価値があるため」何とかと書いてあるけど、実際に既に幾つか巨大地震の津波の即時予測のシステムは、気象庁や気象研や地理院、あるいは大学が開発されていたものが実用化されつつあると思うんですけれども、それは個別のところにはきっと書いてあると思いますが、その中の一番いい例だけでもいいから。
【加藤主査】例を1つぐらいということですね。
【平田委員】ええ。具体的に基礎研究としてこの建議の計画、あるいはその前も含めて開発されたものが実際にハザードの予測に、災害誘因の予測になっているというようなことを強調していただくといいと思います。まさにそこが次に評価を受けるべきところだと思いますので。
【加藤主査】では検討します。
ほかには。よろしいですか。
では次、災害事例、災害発生機構、災害情報の研究です。災害事例、災害発生機構などに関しては、近年発生した地震・火山噴火などのほかに、史料に基づいて、江戸時代の地震などについても災害事例の研究を行ったと。地震や火山噴火がどういった災害を引き起こしたかについての研究を行った。そういう研究の成果を活用して、災害に関する、地震や火山噴火の発生に関する情報をどのような形で提供すべきかについて研究を進めていくことが重要であるといったことを書いています。
最後の2番目の段落では、これまで地震や火山の研究者、理学の研究者と災害情報など、災害発生機構などを研究する人文・社会科学の研究者の連携が十分ではなかったので、この研究で初めて組織的に連携をしたわけですが、必ずしもそれが非常に大きい成果に結び付いているわけではないですけども、相互理解が進んできているので、この取組を今後も継続することが重要であるということを書いています。
【平田委員】ここも現行計画で新しく取り組んだ非常に重要なところなので、ここも一番はっきりしているのは、参加した研究機関で人文・社会系が初めて入ったわけですけど、それを史料編纂所とかの文献とか、あとは新潟、全部書かなくてもいいですけど、何か具体的にやっぱり書いた方がよろしいかなと。
【加藤主査】それは……。
【平田委員】どこかに書いてある?
【加藤主査】体制のところで書いた方がいいかもしれないですね。
【平田委員】じゃあ、内容ね。内容はもう書いてあるのか。
【加藤主査】今のところは恐らく次の計画推進体制の強化のところの、本計画の推進体制だと思うんですけども、ここには新しく関係機関が入ったところを書いていますけども、具体名は書いていませんので、そこは入れるかどうかちょっと考えてみたいと思います。
【平田委員】分かりました。
【加藤主査】じゃあ、次、計画推進体制の強化のところに入りますけども、ここは前半は地震に関係するところで、地震本部との連携強化をすべきであるということを書いています。
後半は火山のことですね。火山については、地震本部のように全国の火山研究を統括するような組織がなくて、部分的には火山噴火予知連でやっているけれども、こういった体制については検討する必要があるということを書いています。
【平田委員】ここも本研究で計画される観測技術、解析手法を発展させるというようなことが書いてあるんですけど、一番重要なのは、理解が進むというか、地震現象やハザードや災害に対する学術的な理解が進むということがやっぱり重要なので、何かこれだけだと、技術や手法ってちょっと狭過ぎるので、地震や火山及びそれに関連する災害に対する理解が進むとか、何かそういうことを……、進むことで多様な考えとか研究者の創意工夫が必要だというようなニュアンスを少し入れられないでしょうか。
【加藤主査】では現象解明のことについて記述したいと思います。
あと、予測的なことはあんまり書いていないんですけども、そのあたりは何か御意見ありますか。
【平田委員】例えば地震調査委員会がやっている長期予測というようなことも、その長期予測の手法がもっと高度化されなければいけなくて、そのためには地震がどういうふうに起きる、現象の解明が進んで、現象の解明と新しい予測手法の開発なんていうのは必要で、今、調査委員会が使っている手法は、現行の前の計画で理解されたようなことが使われているから、何かそういうところが。だからその中には当然、予測というのは入ると思います。
【加藤主査】分かりました。ではそういった趣旨で、地震の解明と予測についてのことを少し書き加えたいと思います。
火山に関してはいかがでしょうか。例えば気象庁から何かもし御意見があれば。
【中村委員】特にはありません。
【加藤主査】そうですか。分かりました。ほかの方はいかがでしょう。
次は、本計画の推進体制ですが、ここは先ほど少し出ましたけども、地震火山部会の活動であるとか、地震火山噴火予知研究協議会や拠点間連携共同委員会の活動などが書いてあります。それで、先ほど議論があった新しく入ってきた機関のことなどの説明をもう少し加えたいと思います。
ほかに何かありますか。
【平田委員】これはもうここに書いてあることはそのとおりなんですけれども、例えば最初のというか、平成28年度から計画に参加する全機関が予知協議会に正式参加することになったというのは、内容を知っている人にはよく分かるんですけれども、つまりそもそも予知協議会というのは、大学の研究者の協議会だったのが、関係機関全てが入った協議会になったということがその前の方にはきっと書いてあるんでしょうけども、もう一回ここではっきりと明示的に書いた方がいいかと思います。
【加藤主査】はい。検討します。
ほかに。よろしいですか。
では次、基盤的な観測の維持、発展です。地震の基盤的な観測網のことであるとか、海底の観測網の開発のところ、あと火山の観測体制等について書いてあります。
最後のところはあれですね、臨時観測的なことを少し書いてあります。
【平田委員】これも内容を知っている人は、これを読むと、具体に何かというのは分かるんですけれども、地震本部が整備してきた基盤的調査観測として、例えばHi-netであるとかGEONETであるとか活断層の調査などは、この研究にとって不可欠であるということは、やっぱりもう一回どこかではっきりして書いておいた方がいいと。
そういうニュアンスでここに書いてあるんですけど、新しい海底地震津波観測網のことは書いてあるけれども、前からある地震観測網のことについては、維持するということが非常に重要ですので、この計画を推進するためにも、基盤的な観測網として具体的にHi-net、KiK-net、K-NET、それからF-netとかGEONETとかというのが……。
【加藤主査】しかしですね、あんまり書いてしまうと、前と同じになってしまうので。
【平田委員】ああ、そう。
【加藤主査】そこは適切にやりたいと思います。
【平田委員】分かりました。じゃあ、同じじゃないように。ええ。
【加藤主査】ここは総括的評価で、前に書いてあることの基本的にはまとめになっています。それで、しつこいことに、実は67ページの現計画の総括的評価と今後の課題のところに、さらにまとめが書いてあるので、実は同じことを3回書いてあったりしますので、どうしてもここに書かなきゃいけないことを厳選して書きたいと思います。それを理解した上で、やはり足りないというところは御指摘をお願いします。
確かに観測網の維持・発展というのは、この計画にとっても極めて重要なので、特に強調したいところについて御意見ある方はお願いしたいと思います。
【平田委員】そうしたら、やっぱりHi-netは不可欠だと思いますね。
GEONETは、申し訳ないけど地理院が頑張っていて、場合によっては生き延びられるかもしれないけど、Hi-netは研究開発法人が維持しているので、これは相当頑張って支えないと成り立たないと理解していますので、いろんなところに重複があっても書いておくべきと思います。
【加藤主査】分かりました。ほかには。火山のところとか、よろしいですか。
【橋本専門委員】済みません。ちょっと戻りますが、65ページの地震本部との関係と火山観測研究の一元的推進体制のところで、ここで火山について書かれていることは、どういう問題があるということなのかなんですけども、最近は火山の防災協議会は各自治体、地元自治体で新たに設置されているところがかなり増えてきていますし、何と言いますか、一般的な意味では、社会に研究成果とか防災という点で貢献するような努力というのはかなりされてきているんだと思うんですけども、従来からもされていますし、そういったことがあんまりここの文章では読み取れないんですが、逆に言うと、何が今ここでは問題になっていて、何が足りないからどうしたいということを言っているのかというところは、もうちょっとクリアにならないでしょうか。済みません、言っている意味、分かりますでしょうか。
【加藤主査】はい。防災協議会はひょっとすると67ページの社会との共通理解の醸成と災害教育に書いた方がいいのかもしれないんですが、西村委員、何かコメントありますか。
【西村主査代理】防災協議会については、この研究計画の、全く関係ないわけじゃないですけれども、計画を推進する上での組織じゃないと思いますので、多分ここではないと思います。そういう意味では、今、加藤委員がおっしゃったように、社会との接点という意味で一緒に書いた方がいいのではないかと思います。
それから、先ほど御指摘あった、ここで何が言いたいかというので、1つは、大きく書いたのが、火山防災体制をより強固にして、しっかりしたものにするための全体を見渡す組織がないということを一番に書いたつもりです。具体的にどうできるかというのが、具体案があるわけではありませんので、現状を幾つか書いてまとめたという形です。どこか具体的にうまく修文ができれば、御提案いただけると助かります。
【清水委員】私の理解は、これは確かにいろいろ苦労して書かれているんですけども、言いたいのはこの一番最後の文章ですよね。最後の二、三行、「国が」という主語の。要するに地震の方は、先ほど平田委員の方から、Hi-netは危ないという話があったけど、それでも推本があって、ある程度、一元的に国がやれているわけですけれども、火山の場合にはそうなっていなくて、いろいろばらばらで、先ほどの防災協議会も、あれは内閣府でやっていますし、結構ばらばらですよね。いろんなところでいろんなふうにやっているわけですけども、だからトータルではそれなりには社会との接点は非常に地震以上に強いとは思いますけども、やっぱり長期的に考えたときに、国が責任を持って今後の研究戦略と成果普及も含めてですけども、推進していくところはまだ弱いというんでしょうかね。その辺を多分、言いたいがために、前にいろいろと書いてあるんだろうと私は理解しました。
【加藤主査】では、ここは西村委員と橋本委員で相談して、少し練っていただければと思います。
次、66ページに戻りますけども、データベース・データ流通です。この計画では、データベースとかデータ流通、データ流通は当然ですけど、データベースの構築なども重視していますが、必ずしも十分なデータベースを作って、できているわけではないということを書いています。
個別のデータベースについては幾つか進展があるんですけども、なかなか総合的なデータベースというのは難しいというのが実感です。そのあたりをかなり率直に書いたつもりです。
技術開発ですけども、技術開発はこれまでも海底観測技術であるとか宇宙技術、それから観測が難しい場所での観測技術の開発などを行ってきているということを書いてあります。これは基礎研究としては非常に重要なので、継続的に取り組んでいくことが重要と考えています。
教育・人材育成に関しては、研究者の養成だけではなくて、地震・火山の知識を災害軽減に役立てるための、そういった人材の育成も重要であるということなど書いてあります。
このあたり、特に抜けているというか、そういったところがなければ。
【平田委員】次世代の火山人材育成プログラムについてはどこかで触れ……。
【加藤主査】前の方では当然、触れていますけども、確かにここでもう一回触れてもいいかもしれないですね。検討します。
社会との共通理解の醸成と災害教育ですが、こういったことは以前の計画にも書かれていたわけですが、この計画、現行計画になってからは、ここは力を特に入れるべきところだと思っています。人文・社会科学の研究者にも入っていただいて、地震学や火山学の理解をより広く周知するための努力をすべきだと。研究としても行うべき内容と考えています。
【平田委員】今、加藤主査が言われたのはそのとおりですが、既に取り組まれているんですよね。
【加藤主査】はい。
【平田委員】だから本計画で始めたとか何か、着手したようなとかいうニュアンスをもう少し入れていただいた方がいいんじゃないかと。「べきであろう」というふうに最後に突き放すと、まだできていないみたいな感じですけど。
【加藤主査】始めたということですね。
【平田委員】はい。
【加藤主査】じゃあ、そのあたり、ちょっと強調して書いておきます。
それで最後に、現計画の総括的評価と今後の展望ですが、これまで書いてきたことのさらにまとめを書いています。ここは前回、第4回の委員会でも割と議論したので、修正したところのみ話したいと思いますけども、前書き文はほとんど変えていなくて、68ページの地震・火山現象の解明と予測の研究に関しては、変えたところは、2段落目、内陸地震のモデル化、応力集中機構のモデル化と地震発生予測を目標とした研究についてを付け足したということと、4段落目、地震の先行現象を統計的にしっかり評価して、実用的な予測につなげるための研究を重視するということを新たに付け加えたところです。
次の災害誘因予測の研究については……。はい。
【西村主査代理】最後の段落の火山については、前回、文章は入っていなかったと思いますので、これは新たに加えたところになります。基本的には噴火事象系統樹の高度化を中心に進めていくということになっています。
【加藤主査】ありがとうございました。今のところ、特に新しく付け加わったところについて、御意見ありますか。
次の災害誘因予測等の研究ですけども、ここは前回ちょっと議論になったところで、変わっているのは、最初の段落のところで、災害誘因予測の研究については、この計画全体の中で特に地震本部との関わりが重要であるということで、地震本部との関わりを少し追加しました。
それから、前回は「災害素因」という言葉があんまり出てこなかったので、そのあたりは第2段落、田村委員の意見も採用して、ちょっと付け加えました。第2段落、第3段落ですね。といったところが大きい変更だと思いました。
平田委員、第1段落の最後にある地震本部との関わりの書き方とか、いかがでしょう。
【平田委員】大分、具体的に書いていただいているので。
【加藤主査】ここは大学の研究者とも少し相談して、どの程度書くか検討して、このくらいにしました。
【平田委員】「情報交換する」ということで。
【西村主査代理】いいですか。私もここを執筆して、責任があるのかもしれませんけど、今ここで地震本部が入っているけれども、火山の方のそういう組織が何も書いていないので、ちょっと不自然なんですけれども、例えばここに気象庁という形で入れるのはおかしいでしょうか。気象庁に本計画の成果を活用してもらうという形で書くと、バランスがいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
【加藤主査】ちょっと難しい問題で、すぐに答えられるかどうか分かりませんけれども、中村委員、何かありますか。
【中村委員】入れるとすると、気象庁か、若しくは噴火予知連ということになると思うんですけども、ちょっと私でこの場では即答できないので、その文案も含めてちょっと相談させていただければと。
【加藤主査】ありがとうございます。では後ほど検討したいということにしたいと思います。
ほかはいかがでしょう。
推進体制は、多分この前とほとんど変えていないと思います。
その後の多分、関連研究分野、関係機関間の連携強化というのは、これは多分、消し忘れであろうと思います。
次の中長期的な展望というのは、建議に中長期的にこの計画を、地震火山の計画をどのように進めていくかというのを4つに分けて書いていますけども、それぞれについてこの5年間でどのように取り組んできたかをまとめて書いています。
【平田委員】この4つの計画は、この建議にも書いてあることそのもの?
【加藤主査】そのものですね。そのものであるはずです。
【平田委員】そのものをコピーしてあるわけですね。
それで、この1については何とか、2については何とかというのが、具体にやったことは何かということが書いてあると。
【加藤主査】そうですね。はい。建議の7ページに、中長期的な展望というのがありますが、ここの69ページの最後の行にある修正は間違っています。元が正しいですね。
【平田委員】だからこの建議には、この1から4に対応して、具体的に何をするかって予測が書いてあるわけですけど、これに対してできたことが何かというふうになっているわけですか。
【加藤主査】ええ。この5年間でどういった取組をして、あと今後の展望ですね。
最後のまとめは、災害科学の一部として推進するという方針転換が行われた現行計画では、災害科学の一部として記述するために、関連研究分野の研究者が新たに参加して、さらに地震研と防災研による拠点間連携研究を実施するなどして、地震学や火山学の成果を災害軽減に結び付けるための様々な取組を行ってきたということを書いています。
現行計画中に発生した幾つかの地震や火山噴火の例などを挙げて、今後も地震・火山学の成果を災害軽減に結び付けるための取組をますます発展させていかなければいけないということでまとめています。
【平田委員】もうくどくて何度も書いてあることなんですが、まとめのまとめの最後のまとめで、やっぱり基礎的研究とか学術研究というようなフレーズを少し入れていただいた方がよろしいかと思います。
【加藤主査】それは付け加えるようにします。
ほかに。
【平田委員】何か国際的とか、何かそういう言葉はどこかに書かれているんでしょうか。
【加藤主査】総括的評価には特に入れなかったですね。前の方には、例えば57ページの最後のところからは書いてありますけども、総括的評価では強調していないと思います。それは確かに重要なところかもしれないですが。
【平田委員】研究のレベルでは、国際的な研究は進めているし、論文は英語で国際誌にたくさん書かれているし、国際的な取組は多く行われているから、それはどこかに、今後もますます重要で、特に地震とか火山はグローバルに、世界的な観点から考えた方がいい。自然現象としても世界的な比較とか少ないデータを見るということも必要だし。
【加藤主査】そうですね。
【平田委員】それから、災害軽減というような観点からも、世界との連携は必要だというようなこともあるから、どこかにちょっとそれを入れていただければ。
【加藤主査】はい。入れておきます。
ほか、よろしいですか。
では、本文についてはこの後また皆さんで読んでいただいて、気が付いた点があれば事務局と主査、主査代理にお送りください。残りの修正については主査預かりとさせていただきますけれども、担当者の方に相談させていただくこともあると思いますので、その場合はよろしくお願いします。特に最後の総括的評価のあたりは重要なところですので、抜けなどありましたら、是非、御連絡お願いします。
では、用語集について少し議論をしたい……。はい。
【三浦科学官】最後の5のところなんですけれども、前回のレビューとちょっと見比べてみたんですが、何か書き方が少し弱いというか。
【加藤主査】5というのは?
【三浦科学官】5のまとめ。
【加藤主査】ああ、はい。
【三浦科学官】例えば前回のレビューのときには、何々が必要であるという言い方とか、「貢献すべきである」という書き方になっていて、今回のまとめは、「進めていくべきであろう」とか「重要である」という、何かちょっと一歩下がったような書き方のようなところがちょっと気になるんですけれども、当然これは時期の計画が必要であるということを皆さんお考えになってのことなので、もう少し前回にならったような強さというのか、そういう必要性を訴えるような表現にした方がいいのではないかと思いました。
【加藤主査】では、語調についてはちょっと考えたいと思います。ありがとうございます。
【平田委員】今さらこんなことを言ってもしょうがないんですけど、外部評価というのがあるわけですよね。机上資料の4。それで指摘されていることについて、ちゃんと答えられているかというのは、事務局の方でチェックされているんでしょうか。
【浦谷地震火山専門官】まだそこまではしておりませんでしたので、今後、検討いたします。
【平田委員】大きな点では、この外部評価を受けて建議を作りましたから、間違いないとは思うんですけれども、詳細にこれを検討するような人がいたときに、この御指摘はどういうふうに建議に取り入れられていて、それが実際にどういうふうに成果があったかというところはやっぱり検討しておく必要があるかなと思います。というか、これはもっと早い段階で言うべきでしたが、今気が付きました。
【加藤主査】今の御意見に対応する修正も今後行うかもしれませんので、皆さん、御理解ください。
では、本文についてはよろしいですか。では、用語集に移りたいと思います。用語集については、これまであんまり議論する時間がなかったんですけども、先週の終わりぐらいに何人かの方から御意見を頂いていますけども、修正案、頂いていますけども、いかがでしょうか。
幾つかのところは、こんな用語まで用語集に入れるのかなと思うところもありますし、本文を修正した方がいいのかなと思うようなところも幾つかあるように思いました。
【鶴岡学術調査官】用語作成ですけども、私が担当したんですが、今、加藤さんが言われたように、用語の数が、実は300を超えていまして、前の用語集をカンニングしながらいろいろやっていたんですけれども、数が多くて、新たに作成したのが結構あります。
なのでそういうところを、きょうだと多分、見え消しで出てきているところなんですけれども、そこを見ていただけるとありがたいということと、火山関係の用語なんですけれども、結構、用語を作ろうとすると、私の能力の問題か、ちんぷんかんぷんな言葉が結構あるので、その辺を見ていただけるとありがたいです。
それとあと地震と火山で共通する用語がありまして、例えば「前駆過程」みたいなのが言葉であるんですけれども、私は地震の方だと思って書いたんですが、文章と突き合わせると、これは火山の方であったりするんですけれども、その辺、両方併記した方がいいのか、それとも文章にある方の用語について説明した方がいいのかというのも少し御意見頂けるとありがたいです。
簡単ですが、以上です。
【加藤主査】ありがとうございました。個別のものでもいいですし、全般的なものでもいいですし、御意見あれば。
【西村主査代理】これはまだ書かれていないものは、これから足されるということでしょうか。それとも、例えば先ほど言っていた火山についてはという話は、誰かが依頼をしたりということなのか、そこがはっきりしないと。
【鶴岡学術調査官】きょうの部分で言うと、実はマグマ挙動、マグマシステム、マグマ進化データ、マグマ特性、この辺が用語となっているんですけれども、これは何を書いていいんだろうとちょっと分からなくなってしまいまして、そういうところが抜けていますので、その辺、補足していただけるとありがたいというところです。
【加藤主査】例えばマグマ特性なんて、用語に取り上げる必要はあるんですかね。
【鶴岡学術調査官】何を書いていいかちょっと分からなくなってしまって、誰が書いてもこれは難しいのかなとちょっと思ったんですが、これを用語に指定がありまして、何とか書こうと思ったんですが、なかなか記述ができなかたというところです。
【加藤主査】マグマ挙動って、必要ですか、用語として。多分これは必要ないと思います。
【平田委員】例えばマグマ特性というのは、火山学では何か学術用語があるんですか。
【西村主査代理】よく使う言葉ですけれども、非常に一般的な意味で、マグマの性質という意味で使うと思いますので。
【平田委員】そうしたら「マグマの性質」と書けばいいんじゃない……。例えば温度とか圧力とか粘性とか何とかという、例えば5個の物性をマグマ特性というふうに言う、そういう定義でもあるんだったら書けるけれども、マグマの性質というんだったら、「マグマの性質」と書けばいいんじゃないですか。
【鶴岡学術調査官】それが用語として解説していいかというのはちょっとあるかと…。
【平田委員】いや、だからそれはここに専門家がいるんだから、マグマ特性というのは学術用語としてウエルディファインドなものがあるんでしょうか。
【中川専門委員】ないと思います。特性として一括して使うことは余り聞いたことないですね。
【平田委員】じゃあ、この文脈で、例えば温度とか圧力とか粘性とか何とかと言えるんだったら言い換えた方がいいし、そうじゃなくてもっと柔らかい意味で言っているんだったら、「マグマの性質」とか何か。
【中川専門委員】「特性」と言うよりは、「物性」と言う方がまだ一般的だと思います。
【平田委員】物性ね。物性と言えば、温度、圧力、何とかとイメージが湧くから、できる限りそうやって言い換えた方がいいと思います。業界用語をどうしても使わなきゃいけないときだけ、ここに書けばいいので、本当は業界用語はなるべくなくした方が私はいいと思うので。
【鶴岡学術調査官】それは本文中にということですか。
【平田委員】だから本文中は、調査官の方で変えてくれと発注したらいいんじゃないですかね。
【加藤主査】私もそれがよいと思います。
【鶴岡学術調査官】その辺、発注しなかったので、これだけ用語が増えたのかなとちょっと反省はしているんですけれども。
それでついでに、「マグマ活動発展過程」という用語がありまして、いろいろ調べたんですけれども、93ページにあるんですけれども、こういう専門用語があるんでしょうか。
【中川専門委員】ないと思います。使う人によって全然違うと思いますので、用語の説明は難しいと思います。無理だと思います。
【鶴岡学術調査官】無理というのは、これ、削除してもよろしいということなのか、それとも、予知計画のを見ると、井口さんが提出されている課題に、タイトルとしてあるんですね。
その中身を見て、こういうことだろうというのをちょっと書いたんですけれども、一般の人も「マグマ活動発展過程」というと何だろうと思われるのかなと思ったんですが、用語としてはあるといいのかなとは思ったんですが、何を書いていいかちょっとよく分からないというような。
【中川専門委員】単語を分割すれば一つ一つの言葉は意味がよく分かるので、それを結び付けて、多分スローガンというか、タイトルとして井口さん、使われて、その中身については後半の部分で具体的に述べられているんだと思いますけど、これは一般的な言葉ではないと思います。
【加藤主査】学術用語じゃなくて、日本語が分かれば分かるような言葉までここに入れる必要はないと思いますので。
【鶴岡学術調査官】分かりました。じゃあ、あまり用語としては必要ない部分については、ちょっとコメントとして、したいと思います。
【平田委員】いや、だからむしろマグマの説明が必要ですね。だから「マグマ発展過程」も「マグマ貫入イベント」も「供給系」も「挙動」も「システム」も、これは「マグマ」を取っちゃえば、貫入イベントというのはちょっと特殊な……。
あともう一つは、複数回引用されていないものは要らないと思いますけどね。本文の中で1回しか出てこないのは、何も用語にすることはなくて。
【鶴岡学術調査官】そういう意味で言うと、ただ、「マイクロジオデータ」みたいなものは1回ぐらいしか出てこないんですけど、何だろうと。
【平田委員】だからこれは本文を変えていただいた方がいいですよ。
【鶴岡学術調査官】なるほど。分かりました。じゃあ、ちょっと用語を例年と同じようにするように、100ぐらい削減するような感じの方がよろしいでしょうか。
【加藤主査】あんまり多くない方がいいと思います。
【鶴岡学術調査官】分かりました。
【加藤主査】それで調査官の方から、提案していただいた方がいいと思いますので。あと幾つかの項目で、明らかに間違った説明がありますので、多分そこは分担して、詳しそうな人に聞いて書いた方がいいと思うので、特に自信がないところはマークしてもらえば、適当に詳しそうな人に振りますので、そのあたりもちょっと注意して、お願いします。
【鶴岡学術調査官】はい。ありがとうございます。
そういう意味で言うと、マグマというところはマグマを説明すればよろしいでしょうか。たくさん用語があるんですが。
【平田委員】前もないのかもしれないけど、むしろ「マグマ」といったときに、火山の専門家以外はマグマは何かって分からないので、書いた方がいいと思いますけどね。マグマ、岩漿とか何か、それではやっぱりよく分からないので、誰か火山の、分かりやすく。
【鶴岡学術調査官】分かりました。マグマのところと、岩関係がなかなか厳しいので、その辺、御助言を頂けるとありがたいかなと思います。
【中川専門委員】了解しました。
【加藤主査】用語集についてはよろしいでしょうか。この後、皆さんにまたいろいろとお願いすることも多いと思いますけども、よろしくお願いします。
では、次ですけども、次は概要・要旨ですかね。資料1-4です。前回も案が出てきたんですが、かなり長かったので、大分削りました。資料1-4ですね。3分の2ぐらいに縮めました。それでも前回に比べるとやや長いかもしれない。たしか概要は前回は1.5ページぐらいだったのが2ページになっていて、要旨については前回5ページ半ぐらいだったのが8ページちょっとになっています。
新しい分野が入ったので、内容も増えたこともあるので、多少増えたのはいいと思いますけども、もうちょっと簡潔にできるところがあると思いますので、そのあたり気を付けていただければと。特に5ページの主な火山噴火がちょっと長いので、ここは西村さんにお願いして、少し短くしてもらおうと思っています。
当然ですけれども、これは特に重要なものを抜き出していますので、あんまり適切じゃないものが抜き出されているとか、そういったところがあれば、また重要なもので抜けているものがあるかどうか、そのあたりチェックしていただければと思いますけども。
じゃあ、まず概要からですけども、レビューの背景ですが、これは現行計画が3年目で、次の計画を考える必要があるので、レビューを実施するということです。
目的は、新しい計画になって、方針転換したわけですが、それが適切かどうか、それから計画が順調に進捗しているかどうかをチェックするということです。
主な成果のところは、レビュー報告書の順番どおりに、その順番に従って、幾つかの研究成果をピックアップしています。東北地方太平洋沖地震に関する内容であるとか、それと関連して、津波等の即時予測の研究、南海トラフの固着状況の把握、首都直下地震に関する研究、桜島火山に関する研究、それと関連して、火山関係の即時予測の研究、拠点間連携研究によって、理学と防災に関する工学・人文・社会科学の連携研究を始めたということ、それから歴史学や考古学との連携を行ったということ、それから津波堆積物によって超巨大地震が解明されたという研究、プレート境界地震のモデリングに関する研究、東北地方太平洋沖地震の地震波の放射特性に関する研究、熊本地震の観測成果、マグマ噴火に関する研究成果、口永良部や御嶽山の噴火事例から、噴火の直前の先行現象に関する研究、それから分岐判断、噴火事象系統樹に関する研究を取り上げています。
今後の課題については、東北地方太平洋沖地震については余効変動が続いているので、それについての研究、桜島火山の研究、史料や考古データなどに基づいた低頻度大規模火山現象の研究の継続、内陸地震の研究、それから応力集中機構の解明による長期的評価に結び付くような研究、プレート境界地震に関するモデリングとモニタリングの予測研究、噴火事象系統樹の研究、あと工学との連携ができるような地震動や津波等の災害誘因の予測の研究、それから地震・火山噴火の知識を発信して、災害軽減に役立てるための研究ですね。
【平田委員】これは、まずの数はもうこれ以上増やしたくないでしょうね、きっとね。
【加藤主査】今ぎりぎり2ページなので。
【平田委員】あるいは、だから丸をくっつけてもいいんですけれども、主な成果の重要なところで、海底地殻変動のGNSS、音響で海底地殻変動が分かったって、2つのことがあるんですけど、1つは東北地方太平洋沖地震の後の横、それからもう一つは南海トラフの海保の結果が2つあるんですけど、それが読めるように、どこかに。
【加藤主査】1ページ目の3つ目の丸が。
【平田委員】ああ、これか。
【加藤主査】ありますね。それから、1つ目の丸がそうなんですけども、こちらは海底地殻変動という言葉は使っていないですね。
【平田委員】じゃあ、せめてここに海底地殻変動を。
【加藤主査】はい。
【平田委員】東北地方太平洋沖地震の日本海溝に近いところの固着状態が分かったのは、やっぱり海底地殻変動の成果が大きいので、それはもちろん本文にはちゃんと書いてあるから、そこはやや、ややというかかなり強調していただきたいと。
【加藤主査】はい。
【平田委員】多分それはその後にある図と関連しているんだろうと思うけど。そうか。図にはちゃんとあるんだ。分かりました。
【加藤主査】要旨はいちいち説明しませんけども、今言ったことをもう少し詳しく書いた部分と、あと新しく幾つかの内容を付け加えています。これも報告書の順番に従って書いています。
今、絵の話が出てきましたけども、資料1-5に附属資料があります。ここにも主な成果が出ていますけども、これ一応、一枚一枚説明していきますけども、一番最初が建議の説明の際に使った図ですね。この計画の概念図です。これは前回の事務局案と変更なしです。
その下が、体制ですね。推進体制の図ですけども、これは事務局案のところに一部誤解があったので、修正させていただいています。地震・火山噴火予知研究協議会のところとか、拠点間連携のところなどを修正しています。
次のページに行って、災害誘因と災害素因の説明ですが、これは事務局案のままです。やや悩みましたけども、やはり最初に災害誘因と災害素因の説明をした方が分かりやすいだろうと思い、そのままにしました。
その後はかなり変えていますけども、4つの分野横断型研究、東北地方太平洋沖地震、首都直下地震、南海トラフ巨大地震、桜島火山噴火で説明できるような図を1つずつ入れました。
拠点間連携共同研究ですけども、これは体制の図のほかに、成果を表すような、取組を表すような図をここに1枚入れて、成果と体制、2枚の図を使ったんですけども、1枚にまとめました。
その後からは、主な成果の図ですけども、1つ目が、低頻度巨大地震の解明ということで、津波堆積物によって北海道沖に東北地方太平洋沖地震と似たようなタイプの地震が起こる可能性、起こった可能性についての成果を出しました。
次は、歴史関係の図が1枚もなかったので、1枚加えました。安政江戸地震の広域の震度分布の図です。
次が東北地方太平洋沖地震の成果で、大すべり域と短周期地震波の発生域、強振動発生域が違っているといった成果です。これは災害誘因予測という意味でも重要な成果ということで取り上げました。
次が南海トラフ巨大地震。今、平田委員から話があった海底地殻変動による最新の成果を入れています。
次が熊本地震の成果です。断層モデルですね。
次の6ページ目の成果の6番目は、地震の予測の図が1枚ぐらいあってもいいだろうということで、破壊核拡大のような成果。これは前計画の成果になりますけども、前のレビューの後になるので、これを使うことにしました。
次は、この後は火山ですけども、御嶽山の噴火の図と口永良部島の噴火の図が1枚ずつあります。似た現象ではあるんですけども、この計画、現行計画の実施中に発生した被害が生じるような大きいイベントでもありますし、火山噴火の予測という点でも重要な成果と考えて、この2つを入れました。
次、災害誘因の予測の研究ですけども、津波の予測の研究、津波の即時予測の研究をここに1枚入れました。
次は、最後のページですけども、これも災害誘因の予測ということで、火山灰の予測に関する実験です。
最後が、これは火山の現象解明と避難という、研究成果の活用というものを2つ合わせた図ですけども、桜島の火山噴火の経験を生かして、これを避難行動にどういうふうに結び付けるかということを示した研究成果です。
これは取り上げている成果だけではなくて、順番も含めて御意見頂ければと思っています。体制に関する話の後は、地震、火山、災害誘因の予測、災害というような順番にしています。
【市原専門委員】いいですか。最後の11番目なんですけれど、これ、27年度の成果の概要の図でも使われている図で、ちょっと事務局側から修正の依頼があって、変更しましたので、それと整合性を取れるようにしたいんですが、安政文化の1779年の後のはてなマークというのが、一体、何が不確定なのかが分からないということで、ちょっと関係者と議論しまして、10の14乗ジュールのところにクエスチョンマークを付けようと思っています。
【加藤主査】そうですか。分かりました。じゃあ、新しい図を送っていただければ差し替えます。
【市原専門委員】はい。
【三宅専門委員】よろしいですか。済みません。歴史の図面は1枚あるのですが、いわゆる社会科学系の図面が1枚もないような気がするんですが、よろしいでしょうか。
【加藤主査】なかなか適切な図が思い付かなくて、最後の図がそれを兼ねるというふうにしたんですけども、何かこの図を使ったらいいというのはありますか。
【三宅専門委員】たしか北大で避難の事例が。
【加藤主査】はい。津波の避難ですね。
【三宅専門委員】はい。ありましたよね。
【加藤主査】あれは26年度の成果ですか。27年度でしたっけ。
【三宅専門委員】ちょっとどっちだか忘れましたが。
【加藤主査】ありましたね。はい。
【三宅専門委員】新しい建議になってからです。
【加藤主査】覚えていられますかね。GISを使って、北海道で津波があったときにどういうふうに避難するか、避難訓練とも連動した成果なんですけども、それを入れるかどうか。
事務局、枚数的にはどのくらいですか。適切なのは。
【浦谷地震火山専門官】前回が16枚で、今回もとりあえずは16枚にしていますが、多少、18枚とかもうちょっと増えてもいいとは思っております。
【加藤主査】分かりました。
【三宅専門委員】あと細かなことが2点ございまして、1つは、2ページ目の災害誘因と災害素因の「脆弱性」の英語が「Fragility」になっているのですが、「Vulnerability」の方が一般的だと思います。
【加藤主査】はい。
【三宅専門委員】もう一つは、4ページ目の主な成果3で、短周期性地震波生成域のところの絵が高層ビルになっているのですが、これは誤解を生むので、2階建ての木造住宅か何かにした方がいいと。
【加藤主査】分かりました。
【平田委員】2ページのこの「Hazard」と、英語が書いてあるんですけど、「Risk」とか「ProbableLoss(Lives&dollars)」というのは、これは必要ないので、むしろ取った方がいいんじゃないかと思うんですけど。
それで「Hazard」は、片仮名の「ハザード」。要するにここだけ英語があるのは何だか不自然です。
それで、「Fragility」は私は「Fragility」だと思うけど「Vulnerability」の方がいいという、私より英語のできる人が言っているから、つまりこれも要らないですよ。英語で何かプレゼンするんだったら入れた方がいいけど、日本語にした方がいいかなと思います。
それで、これもやや先のことを考えると、外部評価を受けるときには、学術的な意義のほかに社会的貢献が何かということを答えなければいけなくて、そういう観点からいうと、社会的な貢献というのは、1つは地震の場合には調査委員会で使われるとか、地震本部の施策に反映できたというようなことが必要だと思います。
それで、前回のときには一応、何か多少そういうことは意識したので、例えば5ページの5なんていうのは、もうこれは調査委員会そのもので、私もよく知っている絵ですから、こういうのは調査委員会で報告されたとか、何かそういうようなことを少し入れていただいた方がよくて、地理院と気象庁の方は、ちょっとこれ、あと海保の人もいるかな、どういうふうに評価に使われたかというのを少し図の中にも入れていただいた方がいいかなと思うんですけど。
【加藤主査】文字を書くということですね。
【平田委員】そうです。文字。本文の中にないものを図の中だけに入れるのはやっぱりちょっとまずいかなと思うので、それなりに本文と整合的になるようにして。
【加藤主査】はい。
【平田委員】ですけど、明らかに4も5も調査委員会や計画部会では議論されている成果ですので、是非取り上げていただいて。
同じことは火山でも多分あるんじゃないかなと思いますけれども。
【加藤主査】じゃあ、まず成果4については、西澤さん、何かうまい文章というか、一言考えていただいていいですか。
【西澤専門委員】南海トラフの?
【加藤主査】南海トラフの。
【西澤専門委員】はい。
【加藤主査】成果5は、これは地理院ですよね。一言というか。
【平田委員】例は、前回のレビューの報告書というのがこの机上資料の5番目に資料があって、そこの後ろに絵が出ているんです。それで、例えば188ページというのに伊豆東部の地震活動の予測と情報発信というのがあって、これは調査委員会とか気象庁でこういうことが使われるようになった基を作ったというのが、この188ページというかに出ているんですね。だからこれが直接的なある意味、社会貢献。直接的なというか、非常に直接的な。ほかにもあるかもしれませんけれども、それは是非、地震の場合には必要だと思うし、火山の場合も火山噴火予知連で何か議論されたのに貢献していれば、そういうものを入れていただけるといいかなと思います。
【加藤主査】きっとあれですよね、成果7とか成果8はどこかで使われていますよね。
【橋本専門委員】済みません。成果8の口永良部島に関しては、文章に書いてありますよね。この警戒レベル引き下げる判断に役立てられたと。
【平田委員】ああ、そうか。いいですね、それは。
【橋本専門委員】逆に成果7については、本文では、「役立てられなかった」と書いてあって。
【平田委員】だから将来は役立てられるかもしれないけど、今はできなかったということですね。
【橋本専門委員】ああ、そういうこと。
【加藤主査】さっきの警戒レベルとかのその辺は、図の中にも言葉を入れようと思いますので、火山の方、ちょっと御提案お願いします。
あと、先ほどの誘因と素因ですけども、これは私、原図を持っていないんですけども、事務局、ありますね。はい。お願いします。
【西村主査代理】よろしいですか。先ほど社会との接点に関する成果があんまりないということで、ちょっと見ていたんですけども、2ページの4つの分野横断型研究のところにある桜島火山噴火の内容が、これはどちらかというと社会への実装を意識した内容で、主な成果11の方がどちらかというと4つの分野横断型をしたような研究ではないかという感じもするんですね。重複しているところがあるというので、先ほど主な成果11の部分を、もうこの4つの分野横断型研究に入れてしまうか、合わせてしまうかして、1枚新たなものを入れるというのはどうでしょう。あるいは主な成果11と、4つの横断分野型を入れ替えるということができるのではないかと思います。
【加藤主査】それ、検討したいと思います。
今回、この附属資料については、意見出していただいた後、私と主査代理と清水さんと平田さんで少し議論して、最終的なものを作りたいと思っています。だから先ほどの北海道の津波の図の取り扱いについても、後ほどちょっと関係者と相談して、最終案を作りたいと思います。
大分、終了の時間が近づいてきている……。
【山中専門委員】済みません。内容じゃないんですけども、これはこのまんまの形式で出ていかれるんでしょうか。というのは、図が余りに小さくて、形式的にこの下にバーをするがために、縦の図がとても小さくて、多分これ、インパクトはすごい弱い図が多いような気がするんですよね。
前回のものを見ると、やはり図がしっかりしていて、これを見ると、何をやっているかというのがやっぱり分かりやすくなっているので、分かる人が分かる図じゃなくて、もうちょっと大きくちゃんとされた方がよろしいんじゃないでしょうか。
【加藤主査】分かりました。今、下に全部、説明を同じ形式で入れていますけども、このあたりはちょっと検討したいと思います。
終了時間が近づいてきましたけども、概要と要旨、それから附属資料について、ほかにありますかね。これも多分、概要・要旨については必ずしも皆さん、文章をちゃんと事前に読んでいないかもしれませんが、会議の後にじっくり読んでいただいて、気が付いた点があれば御連絡いただければと思います。
よろしいでしょうか。では、本文も含めて、概要・要旨、附属資料、用語集については、もし御意見があれば、それから間違い等見つけられたら、事務局と私に御連絡、お願いします。残りの修正については、主査預かりとさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
では、どうもありがとうございました。では、活発な議論をありがとうございました。これまでで大筋で報告書について合意が得られたと尾思いますので、本日の意見、コメントを反映したものを、主査一任という形で預からせていただきます。
今後、部会及び分科会で議論によって修正が入る可能性があることは承知いただきたいおと思います。
ほかに特に御意見、ありますでしょうか。よろしいですか。
では、事務局からお願いします。
【浦谷地震火山専門官】活発な御議論、ありがとうございました。
本日、言い忘れた御意見等は今週中に追加の御意見を頂きまして、今週中で概ね締め切らせていただきたいと思っております。
また、本日、主査預かりになりましたものにつきまして、文言の修正等はさせて頂こうと思っております。
そして、来年の1月16日に予定しております測地学分科会・地震火山部会の合同会に報告したいと思っております。
事務局からは以上です。
【加藤主査】ありがとうございました。
それでは、本日の審議はこれで終了したいと思います。これまで5回にわたる議論、1年近くになりましたけども、本当にどうもありがとうございました。おかげで何とか報告書を仕上げることができたと思います。どうもありがとうございました。
では、事務局から連絡事項等あれば、お願いします。
【浦谷地震火山専門官】本日の資料につきましては、机上に置いていただければ、後ほど事務局から送付します。
また、諸手当の請求に関しまして確認いただく紙を机上に置かせていただいておりますので、御確認の上、机上に残しておいてください。
以上です。
【加藤主査】ありがとうございました。
それでは、これで本日の議事を終了いたします。本日はお忙しい中、また、長時間の議論、ありがとうございました。


お問合せ先

研究開発局地震・防災研究課

(研究開発局地震・防災研究課)