資料2-2 ロードマップ対案―2

(地震学・火山学を中軸とする災害科学の確立のロードマップ)

地震学・火山学を中軸として災害科学を確立し,防災減災に貢献するために以下の手順をとる。(1)地震学・火山学の学界内部で地震学・火山学の社会的な役割と責務についての議論を深め,その観点からこれまでの研究成果を総括して,問題点を抽出するとともに,日本の学術世界全体に対する問題提起者として行動する合意を作る。(2)国土都市計画研究,地域社会研究,建築・土木などの工学研究,災害文化・災害教育研究などと地震学・火山学の間での融合的な議論と研究を推進し,災害科学の中での各々の分担についての合意を形成する。(3)地震・噴火の予知予測の観測研究の内容に直接に関係する地質学・歴史学・考古学との間でのデータベース蓄積を含む学際的な情報共有のための議論を本格的に展開し,必要な恒常的体制の在り方について結論を得る。(4)特に災害情報の在り方については,三・一一東日本大震災直後から現在に至る議論を教訓として,災害前,災害時,災害後に区分して,災害の社会的素因の影響も考慮したリスクコュニケーションについて災害科学として納得のできる見解を形成する。(5)この中で,地震学・火山学としては,特に長期的な予知・予測について研究を明確にすることによって,防災・減災対策の基礎的な枠組みの形成に貢献し,それを基礎として,将来世代の命と生活を守る観点から,災害教育・防災教育,更には災害文化それ自体を刷新する。

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研究開発局地震・防災研究課

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