2.地震発生・火山噴火の予測のための研究

2.1 地震発生長期評価手法の高度化

 史料や地質・地形データに基づく地震発生履歴,プレート境界の固着状態の推定などの観測結果,物理モデルを用いた数値シミュレーション等を利用し,地震発生長期評価手法を改善する。

 

2.2 モニタリングデータによる現状の理解と予測

2.2.1 プレート境界滑りの時空間発展

 1.3.2で構築した物理モデルと測地等のモニタリングデータを利用して,プレート境界面の物性や状態を推定するとともに,プレート境界滑りの時空間発展を推定する手法を開発し,予測実験を行う。

2.2.2 ひずみ・応力の変動

 測地データや地震活動データと物理モデルを利用して,応力場の変動を推定し,地震活動に及ぼす影響を評価する。

2.2.3 統計的モデルによる地震活動評価

 膨大な蓄積がある地震活動データに基づき,活動度の変化などを利用して地震活動予測を行い,その予測性能を統計的に評価する。大地震発生後の余震の確率評価は,災害軽減に役立てることを念頭に精度向上を目指す。

 

2.3 地震先行現象に基づく予測

 これまでに報告されている多くの地震先行現象について,現象と地震との関係の有意性の統計的評価や物理機構の研究を行う。

 

2.4 火山噴火事象系統樹の高度化

 防災施策の立案や噴火活動の俯瞰的理解のために,歴史記録や近年の噴火活動,最新の地質学的調査結果に基づき,噴火活動の先行現象から噴火終息まで,可能性のある噴火現象とその時系列を噴火事象系統樹としてまとめる。

 

2.5 火山噴火事象の分岐条件

 噴火推移や規模の急激な変化による被害を軽減するため,現在の火山学的知見及び本研究計画にもとづいて,観測データと噴火現象の分岐の関係を明らかにする。

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研究開発局地震・防災研究課

(研究開発局地震・防災研究課)