測地学分科会地震火山部会次期研究計画検討委員会(第2回)配付資料 資料1 別添2
【12月28日の第1回委員会での主な意見】
※事務局のメモを基にとりまとめたため、発言の抜けや不十分な点があることを御了承ください。
〇この研究計画の位置付けについて
- 地震本部の行う調査研究、科研費による研究との違いを明確にすべきである。
- 最初に研究計画を示し、社会の要請に応える学術研究であるとの信を国民から得て、推進すべき研究であるという意識を持つことが重要。
学術研究が直接社会の要請に応えることは難しいであろう。現実的には、学術研究の成果が、地震本部の施策への反映、気象庁の地震・津波・火山情報の高度化に資することが重要であろう。そのことを明確に示す必要がある。
- 社会の要請に応えるという観点では、地震本部のある地震研究とそれに相当する組織の無い火山研究では、大きく環境が異なる。この点も配慮して計画を策定すべきである。
- 貞観地震についてアカデミー界でさえ共有されていなかったのではないか。
- クローズシステムからオープンシステムに変える必要がある。社会からの注文を受けるべきでそれに応じる必要がある。
- 社会科学・工学分野との連携が指摘されているので、次期計画ではそのことを項目として挙げるべきである。
〇参加機関の立場
- 法人化以降、この研究計画に参加する大学、研究法人(独立行政法人)、行政機関の立場の違いが、一層明瞭になってきた。これまでの研究計画の策定方式で良いか考えるべき。
- それぞれの立場の違いを尊重しながら、連携・協力してオールジャパンでこの研究計画を推進する体制を作ることが極めて重要。単独の機関では完遂できない地震・火山噴火研究と言う困難で大きな目標を目指す研究計画であることを認識し、互いに補完するような連携・協力体制を作ることが重要。
〇提案された次期計画のたたき台(案)について
- 全体の構成が極めて分かりにくい。大きな目標、その中の小さな目標、それを実現するための体制の言う整理をもっと明確にしないと国民から理解されない。
- 現時点での地震学の知見を社会還元する目的で、「3.強震動と津波の事前予測・即時推定手法の高度化」が挙げられていると思うが、それだけが浮いている感じが否めない。社会への研究成果の還元←地震・火山噴火の予測←地震・火山現象の理解 と言う筋のある構成でなければ理解されないのではないか。
- 地震本部の施策として行われている調査研究、大型科研費による研究の現状をレビューし、その中でこの研究計画が何を目指すべきかを示す必要があるのではないか。
- この研究計画では人文・社会科学、防災研究との連携が求められている。しかし、分野間の連携は容易ではない。歴史学と考古学との連携でも困難であり、これらの研究を取り込んだ計画策定には、相当な工夫を要すると思う。ほかの研究分野との連携も同様であろう。
- 研究の推進に観測データ、観測網の整備が果たす役割は極めて大きい。原案では観測データ・観測網の位置付けがはっきりしない。これらの観測データや観測網が研究の推進に役立っていることを明確に示すべき。
- 研究基盤の整備,教育及び社会への対応、体制の整備についての構想が不十分である。
- 研究の国際化・成果の国際的な発信については、JICA-JSTのプログラムによる研究との連携も視野に入れるべき。