資料3-2 地震火山部会における次期計画に関する主な意見

○ 外部評価で指摘のあった長期的な予算の裏付けがないのに,5年以上のロードマップを描くのは難しいのではないか。
○ 中・長期的ロードマップの提示とは,制度上の問題ではなく,中・長期的なビジョンを持って計画を進めるべきという指摘である。
○ 外部評価委員会では,ロードマップについては,「非常に具体的な工程表を作れ」という意見から,「長期的なものと短期的なものを整理しなさい」という意見まであった。
○ 火山噴火シナリオについては,たくさん作りなさいという指摘はあるが,それを整備するための体制についての言及はない。
○ 火山噴火シナリオはたくさん作ることがすべてではないが,この取組は非常に重要なので,次期計画においてもそのような考え方で進めるようにという提言である。
○ 火山では,高頻度で噴火している火山について,噴火の準備がどう進んでいるのか,それから噴火の過程がどうなっているのかということを優先的に研究してきて,それができた段階で,将来的には噴火の多様性の理解という方向に進めるべきと考えている。
○ 大規模な噴火の研究についても,それが起きたらどうすべきか道しるべを示す意味で必要である。
○ 火山については,防災の観点からハザードの評価についても当然のように研究計画の中に入っているが,地震についてもハザードの評価をする必要がある。
○ ハザードを作ればよいということではなくて,3.11で問題になったのは,その後どうすればよいのかということ。この辺りまで議論をしなければいけないのではないか。
○ 何が社会にとって役に立つのかは,研究者だけで考えていても結論は出ない。社会の中の科学として,今一度計画を見直すべき。そうしなければ,世間のニーズに応えられないのではないか。
○ ハザードの予測については,地震調査研究推進本部でも実施されているので,こちらの計画で記載すべきではないのではないか。
○ 新しい手法として,ハザード予測の研究をするのであれば,基礎研究をすべきである次期計画にいれるべきと考える。
○ 次期計画を推進するための組織,体制,人材の確保という観点も重要である。
○ 国際研究,国際貢献の観点も重要である。
○ 火山噴火シナリオについては,事例の数を増やすのではなく,どういう状況になったらシナリオが分岐するのか研究頂いた方が,防災上の効果は非常に高くなる。
○ 外部評価では,次期計画について,今の研究計画の延長では駄目と指摘されており,これまでとは違う具体的なテーマが必要。
○ 現行計画の柱である「予測システムの志向」は,間違っておらず,継続すべき研究である。
○ 火山では,噴火準備過程と噴火過程の研究において,目標に耐えられるのか否かについて現状を評価し,次の段階の目標を明示すべきではないか。
○ 地震でも,火山研究のようなシナリオの作成を行い,例えばマグニチュード10のような地震が発生した場合,何が起こるのかを考えて,提示しておくことが重要ではないか。ただし,地震調査研究推進本部との切り分けは必要。
○ 理学の研究とそれを使う側の工学あるいは社会科学の研究との連携をどうするかというところまで見据えて計画を推進していく必要がある。
○ 予知計画はもともと理学研究が始まりであるが,社会からのリクエストは完全に実用的なところまで求められている。このため,始めは地震火山の現象についての研究であったが,ハザードまで考えなければいけないのではないか。つまり,工学や社会科学の分野を取り入れていく必要があるのではないか。
○ 科学技術・学術審議会でも,社会の中の科学ということが非常に強調されており,社会のニーズがどこにあるのか常に意識して計画を推進すべき。
○ 社会科学や工学分野との強い連携を図ることは,現行計画でも既に記載されていることである。
○ 火山研究の場合は,当初から防災について念頭において進められてきているが,今回の外部評価からの指摘は,地震研究分野も含めての指摘である。
○ 火山研究に習って,地震研究の方でも防災という観点を意識した計画にすべきである。
○ 現在の基礎的研究に加えて,外部評価で指摘のあった防災・減災に資する実用科学を取り入れることは問題ないが,その幅によっては,体制を含め議論が必要である。
○ 「予知」と「予測」については,我々研究者だけではなく,受け手側にとって何が一番分かりやすい表現なのか考えるべきである。
○ 世間一般には,「予知」も「予測」も同一の意味で捉えていると思う。仮にどちらかにする必要がある場合でも,きちんとした説明が伴っていないと理解されない恐れがある。
○ 地震学会で「予知」を使わないことを決定した訳ではない。飽くまで地震学会の行動計画で,今後,「予知」と「予測」については,意味を使い分けるようにしましょうと推奨しているだけである。
○ 「予知」と「予測」については,1995年の兵庫県南部地震の後にも同じ議論がされているが,その時よりは,きちんと言葉の説明をすれば,世間には理解が得られるかもしれない。最低でも,説明するきっかけにはなるかもしれない。
○ 現行計画の4本柱をそのまま引き継ぐことはあり得ない。その中に,例えば,ハザードの予測や防災,社会科学との連携について1つの柱として明示的にできないか。
○ 当面目指す研究は「予測」であって,遠い将来に向けて目指す研究は「予知」であるという切り分けが一番重要である。それに加えて,現時点ではこの程度の予測であれば可能であると言うことを丁寧に説明する必要がある。
○ 「国民のための」あるいは「命を守るための」を考えたときには,研究者が知ることが大事なのではなく,社会に対して知らせるという観点が重要なのではないか。
○ 次期計画のタイトルについては「地震・火山噴火災害軽減のための観測研究」として,その最初の一歩が「予知・予測」としてはいかがか。
○ 災害軽減の研究については,何もこの測地学分科会だけが行っているわけではない。例えば,防災研究との役割を明確にして,全体として連携できるような仕組みにする必要がある。
○ 外部評価報告書では,「国民の命を守る実用科学としての地震・火山研究の推進」と要請されているが,それは必ずしもこの計画の看板ではないと理解している。
○ 「予知」を「予測」に変えることは丁寧に説明すれば,世間一般には理解いただけると思うが,飽くまで「予知」で理解を求める方が,この計画を推進する立場としてはよいのではないか。

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