1.コメント箇所:【頁】2 【行】27
・委員名:金田 義行 専門委員
原 案:基本的な考えかたは現在においても有効
コメント:どのような考え方が有効で、現時点でなぜ有効と判断できるのかが十分に示されていない。
・委員名:佐藤 春夫 主査
コメント:「(1)(2)(3)の柱の立て方は有効」と明示しますか。
・委員名:平田 直 委員
コメント:「4項目を柱として進めるという考え方は現在においても有効であり、・・・」と修文を提案します。
2.修正箇所:【頁】2~3【行】39~3
・委員名:金田 義行 専門委員
原 案:「・・・、これまで、M7~8程度の地震を発生させていたアスペリティが、通常の滑りより一ケタ程度大きく滑ったことなど、これまでの考え方では説明できない現象が発生した。この結果、これまでに提唱されてきたアスペリティモデルの点検が必要となった。」
修正案:「・・・、これまで、地震性滑りをしないと考えられてきた沈み込み帯浅部が数10m程度と大きく滑ったことなど、これまでの考え方では説明できない現象が発生した。この結果、これまでに提唱されてきたアスペリティモデルの点検が必要となった。」
修正理由:アスペリティが通常の滑りより1桁程度大きく滑ることは、Hori and Miyazaki (2010)をはじめ、階層アスペリティモデルで説明できることは、本研究計画の成果として今回の地震前から示されていたこと。もちろん、これはまだ仮説であり、今回の地震前~後のデータでより詳細に検証されるべきである。しかし、「これまでの考え方では説明できない」という意味では、浅い所での高速&大きな滑りが問題であって、それが生じるメカニズムを解明することが、超巨大地震やそれに起因する大きな津波を理解・予測する上で極めて重要。
・委員名:久家 慶子 臨時委員
修正案:「・・・、これまで計画の基盤としてきたモデルでは説明できない現象が発生した。この結果,アスペリティモデルそのものの再考が必要となった。」
修正理由:アスペリティモデルが正しいという前提に立った記載なので、アスペリティモデルそのものを再検討し、他のモデルの可能性も模索する、という記述にするべきと考える。
3.コメント箇所:【頁】2【行】38
・委員名:金田 義行 専門委員
コメント:「超巨大地震を発生させるアスペリティを事前に指摘することができなかった」というのは事実である。しかし、今回の地震についての観測研究はすでに進んでおり、「本震の破壊開始点付近から海溝にかけての領域のプレート境界は最大約50m程度のすべりを生じたことは間違いない」(観測研究計画推進委員会でのレビュー)ということが明らかになっている。つまり、地震時のすべり量で定義する場合のアスペリティの位置は特定できている。
・委員名:佐藤 春夫 主査
コメント:「滑り量」ではわかりますが、「応力を支えるという意味のアスペリティ」とは言い切れないと思います。
4.コメント箇所:【頁】3【行】3
・委員名:金田 義行 専門委員
コメント:「アスペリティモデルの再考」という意味では、この「アスペリティ」での、地震前、地震時、地震後にモデルから期待される振る舞いと観測事実とを比較する必要があり、だからこそ、今まさに進行している地震後の現象を観測し、過去の振る舞いを調べる必要が出てくるのではないか。
・委員名:佐藤 春夫 主査
コメント:ご指摘の通りである。見直し案もそのように書いてあると思います。
5.コメント箇所:【頁】3【行】1~2
・委員名:金田 義行 専門委員
コメント:「これまでの考え方」では説明できず、「超巨大地震の発生機構」として解明すべき最大の問題は、上記の現象(沈み込み帯浅部のプレート境界で地震波や津波を励起する高速すべりが生じたこと、さらにそのすべり量が数十mにも達したこと)ではないのか。しかもこの現象は、今回の地震に起因する大きな津波の原因でもある。
・委員名:佐藤 春夫 主査
コメント:最近の古村・前田らの古津波の研究でも海溝軸近くの大きな滑りの重要性は指摘されている。このことの重要性は記した方が良い。
・委員名:平田 直 委員
コメント:ローマ数字3章(P12-L4-7)の実施内容として記載しました。
6.修正箇所:【頁】6【行】3~10
・委員名:久家 慶子 臨時委員
原 案:プレート境界地震に関しては,プレート境界面上で進行する非地震性滑りの時空間変化を高精度に把握するとともに,地震性滑りとの関係を明らかにする。アスペリティの分布やアスペリティ間の相互作用を含む破壊過程の特徴を再検討し,これまでの単純化したアスペリティモデルを改良する。また,地震の多様性についての理解を進めることにより,既存の地震発生モデルを包括するモデルの研究を進める。さらに構造と滑り特性との関係の調査も進め,地域に対応した地震発生予測モデルの高度化を図る。
修正案:プレート境界地震に関しては,プレート境界面上で進行する非地震性滑りの時空間変化を高精度に把握するとともに,地震性滑りとの関係を明らかにする。アスペリティの分布やアスペリティ間の相互作用を含む破壊過程の特徴を精査し,他のモデルの活用も念頭に、アスペリティモデルを再検討する。また,地震の多様性についての理解を進め、その特性を地震発生モデルに組み込む研究を進める。さらに構造と滑り特性との関係の調査も進め,地域に対応した地震発生予測モデルの構築を検討する。
コメント:「これまでのアスペリティモデルの改良」との断定はありえない。これまでのモデルの妥当性自体を検討する。「既存の地震発生モデルを包括する」必要性が理解不能。高度化は「想定モデルが正しい」が前提なのでよくない。
・委員名:宮澤 理稔 専門委員
コメント:久家委員のご指摘の内容で書いたつもりですが、ややまだ保守的に書かれていると受け止められるかもしれません。既にアスペリティモデルでうまく説明することが出来ているケースがあるのは事実です。従って「アスペリティの分布や・・・」の文は、楽観的に受け止められるかもしれませんが、現在のアスペリティモデルの発展について書いたつもりでした。その後に続く文章が、久家委員の言う「他のモデル」に相当する部分です。
また「包括するモデル」と書いたのは、アスペリティモデルのみから帰納される普遍的なモデルを目指しているのではなく、久家委員が指摘されているような「他のモデル」を含むあらゆるモデルに説明可能な、物事の本質に近づく意味でした。
また久家委員の案とオリジナル案の書き方については、推進すべきモデルが何かということについて、以下の違いがあるかと思います。
・アスペリティモデル、他モデル (久家委員の案)
・上位モデル(含アスペリティモデル、他モデル)(オリジナルの案)
私は書き方としてはどちらでも良いと思っていますが、おそらく目指すのはオリジナルの文章に近い方ですが、5か年計画の残り2年で実現可能なのは久家委員の書き方の方かもしれません。
「高度化」についての指摘は、その通りです。
・委員名:松澤 暢 臨時委員
コメント:私も宮澤委員と同じ考えですが、コメントは厳しいですが、書かれている修正案は、それほど問題があるものとは思えませんので、これでもOKです。宮澤委員がおっしゃっているように、アスペリティモデルで説明できる事象がある以上、どんなモデルが出てくるにしても、アスペリティモデルをも包含するようなモデルで統合することが重要だと私は考えますが、久家委員は、まずは、アスペリティモデル以外のモデルの構築を重要視されている、ということだと思います。一部の方には、アスペリティモデルが完全に破たんしたとの誤解があるようで、それを解くことも重要ですが、まずは、多くの方が賛同できる記述にすることが重要ですので、久家委員の案のほうが賛同される方が多いのなら、それでも構いません。
・委員名:平田 直 委員
コメント:建議する研究計画では、モデルの詳細に立ち入ることは極力避けてきたつもりです。勿論、背景としてモデルの詳細はありますが、私としては、「一つのモデルに依存する計画は危険である」と、当時も考えていました。建議で書くモデルは、白地図のようなもので、これに、色を塗るのは、個々の研究であって、最初はできるだけ、自由に考える余地を残すべきです。それでも、現在の計画は、いわゆる「アスペリティモデル」一色になってしまったという反省があります。
・委員名:久家 慶子 臨時委員
コメント:私の考えは、「今回の地震が起こり1年もたたない、限られた観測調査研究や議論の中で、アスペリティモデルを改良して済むと宣言するのは拙速すぎる」ということです。宮澤委員や松澤委員が書かれているようなことを含めて、このような議論や研究をきちんと行いモデルを再考することが、今期計画の残りの時間にするべきことという考えです。この理由で、アスペリティモデルが完全に間違っていると、いま断言する気持ちもありません。
ある側面でモデルが合うから良しとする、というのは、同じことの繰り返しだと考えます。そこに隙があったのは事実だと思います。加藤・吉田のモデルを引き合いにだされていますが、彼らのモデルは単純な1次元モデルでもあり、仮定・設定の根拠に決してしっかりとした裏付けがあるわけではありません。ひとつの考えではありますが、コンセンサスのえられた考えではないと思います。また、一部、非可逆的な過程で、すべり分布を説明する考えもでていますが、それが本当だと、同じような地震が繰り返すことは考えにくくなります。松澤委員ご指摘のとおり、福島、茨城沖の問題は、説明できていません。考え方(モデル)により、いくつかのシナリオが存在すると思います。このような問題をあちこちにかかえていることは事実です。現在までの計画は、やはり「アスペリティモデル」一色になってしまっていたという反省から、今期計画の残りでは、できるだけ、白紙に近い状態で自由に考える余地を残すべきで、そこから将来にむけたよりよいモデルを考えるべきだということです。
これを建議見直しの記述にだしたいということです。
7.修正箇所:【頁】6【行】5~9
・委員名:宮澤 理稔 専門委員
原 文:アスペリティの分布やアスペリティ間の相互作用を含む破壊過程の特徴を再検討し,これまでの単純化したアスペリティモデルを改良する。また,地震の多様性についての理解を進めることにより,既存の地震発生モデルを包括するモデルの研究を進める。
修正案:アスペリティの分布やアスペリティ間の相互作用を含む破壊過程の特徴を精査し,アスペリティを用いた地震発生モデルを再検討する。また,地震発生メカニズムの多様性についての理解を深め,その特性を組み込んだ多様な地震発生モデルの研究を進める。
コメント:「アスペリティモデルを改良して済むと宣言するのは拙速すぎる」というご意見はもっともだと思います。但し、既存のアスペリティモデルのアイディアが必ずしも自然現象の一つも説明出来ないのかも不明確なままです。確かに東北沖の事象を鑑みれば、想定宮城県沖地震のような虚像を導出するに至ってしまった誤ったモデルであったと思います。私は松澤委員とは少し違った視点でアスペリティという概念を用いた地震発生予測モデルのポテンシャルを想像しているのですが(例:釜石沖の旧小繰り返し地震)、いずれにしてもこのフレームワークだけで議論してしまうのは、妥当ではない事は明らかでした。
「(ある側面でモデルが合うから良しとするというのは)同じ事の繰り返し」という点について、先日の長期評価の見直しにおいて、なぜ「東北地方太平洋沖型の地震については、(中略)今後30年以内の地震発生確率はほぼ0%、今後50年以内の発生確率はほぼ0%と推定される」(地震調査委員会11月25日)などという報告が出来たのか、理解に苦しみます(委員の委員がいらっしゃったら、すみません)。結局これまでのモデルに基づいてデータを新たに増やして出された結果であり(私の理解が正しければ)、これも「同じ事の繰り返し」に過ぎません。本委員会は作業部会委員会ですので、長期評価の報告について述べても仕方ありませんが、少なくとも我々は科学に基づき妥当な方向に計画を持って行く必要があると思いますし、その成果を長期評価部会に早くくみ取っていただきたいと思います。
そうすると、他のモデルの提案も当然あって然るべきですし、それは、松澤委員も久家委員も私も同じ考えだと思います。ただ書き方として、現モデルとどうするのか、他のモデルとの関係をどう見るか、ということになると少しニュアンスが違ってきていると思います。前のメールにも書きましたように、5か年の残り2年余りで行えるような実現可能な方針としなければなりません。
・アスペリティモデルを精査する
・他の複数のモデルも検討する
・他のモデルは(あっても)現段階では具体性に乏しいので、
それ以上は言わない
というのが現段階で言える精一杯のことかと思います
・委員名:山岡 耕春 科学官
修正案:アスペリティの分布やアスペリティ間の相互作用を含む破壊過程の特徴を精査し,アスペリティを用いた地震発生モデルを再検討する。また,地震発生メカニズムの多様性についての理解を深め,その特性を組み込んだより包括的な地震発生モデルの構築に向けた研究を進める。
コメント:多用な特徴をできるだけ包括的に説明できるモデルを(アスペリティモデルにこだわらず)構築するための研究を進めるということです。
8.修正箇所:【頁】6 【行】37
・委員名:宇平 幸一 臨時委員
原 案:地震破壊過程と強震動
修正案:地震破壊過程と地震に起因して発生する現象の予測
修正理由:津波等地震に起因して発生する現象の予測に関する研究に取り組むことを明確にした記述した方が良いのではないか
・委員名:平田 直 委員
反対意見:ここは現計画の中項目が「現象解明」なので予測は入れないほうがよい。
・委員名:佐藤 春夫 主査
反対意見:現計画の既存項目については、基本的考え方は間違っていないことからなるべく変更しない方針を踏襲したい。
9.修正箇所:【頁】6~7 【行】38~1
・委員名:宇平 幸一 臨時委員
原 案:強震動・津波の生成・伝播過程を理解するために
修正案:強震動・津波の生成過程を理解するために
修正理由:「・伝播」を削除したのは、この文章では、現在の建議の大元の趣旨のとおり、地震の破壊過程の研究の一環として、強震動・津波の生成過程を解明することを記述する方がよいと考える。
・委員名:佐藤 春夫 主査
反対意見:11月17日の委員会で承認された事項なので「・伝播」は残すべき。
10.修正箇所:【頁】7 【行】3
・委員名:宇平 幸一 臨時委員
原 案:なし
修正案:また、地震に起因して発生する強震動及び津波予測の高度化を図るためのシステムの研究開発を進める。
修正理由:強震動や津波などの地震に起因して発生する現象に関する研究を実施するということを記述したい(表現は要検討)。
・委員名:平田 直 委員
反対意見:「予測の研究」をここに記載するのは望ましくないため削除すべき。
11.コメント箇所:【頁】9【行】1、18、26
・委員名:宇平 幸一 臨時委員
追記案:「稀にしか発生しない超巨大地震・巨大噴火や津波予測に関する研究についても予算・人事面での適切な措置を講じるべきである。」
「特に、稀にしか発生しない超巨大地震・巨大噴火についての研究では、世界の他の地域のデータを用いた研究を推し進めることが重要であり、国際共同研究・国際協力をより一層推進する必要がある。」
「超巨大地震についても分かったことから社会に還元していく」をそれぞれ追記することを希望する。
理 由:現行の計画がそうであるように、まず研究内容を述べ、それを受けた形で「体制の強化」の記載があるべきですが、本見直し計画では、(5)として特出しの構成となっているため、(4)の該当箇所に超巨大地震についてのメッセージも追記してほしい。
・委員名:久家 慶子 臨時委員
追記案:特に、社会的関心の高さから、今回発生した東北地方太平洋沖地震を含む超巨大地震に関する観測研究の成果は、より速やかに、社会に伝える必要がある。また、本計画推進への理解を得るため、本計画の方向性や内容自体についても、社会や科学コミュニティに対して、より積極的に伝えていく十分な努力が必要である。
理 由:今回の地震を機に、平成11年度以降に実施されてきた予知観測研究の方向性や内容について正しい情報・理解が普及していなかったことが露呈している。今回の地震や予知観測研究の正しい情報の広報をより積極的に進める必要がある。
・委員名:平田 直 委員
修正案:なお、超巨大地震に関する観測研究の最終的目標は、平成23年東北地方太平洋沖地震のような甚大な自然災害の軽減に資することである。このため、本研究で得られた観測研究の成果は、社会に対してよりすみやかに伝える必要がある。さらに、本計画推進への理解を得るため、本計画の方向性や内容についても、地球科学関連学界や広く社会に対して、より積極的に伝えていく十分な努力が必要である。稀にしか発生しない超巨大地震・巨大噴火や津波予測に関する研究においては、世界の他の地域のデータを用いた研究を推し進めることが重要であり、国際共同研究や国際協力をより一層推進する必要がある。さらに、本研究に関する予算や人事面についても適切な措置を講じるべきである。また、今後は地震調査研究推進本部が策定する調査観測計画に、本計画の研究成果が適切に反映されることを期待する。
理 由:(4)の「体制の強化」については、現行の計画でも十分記載されていること、基本的には(1)から(4)については修正しないことの方針により、のローマ数字3章の最後に1行空けて「なお、・・・」として記載することとする。
12.コメント箇所:【頁】9【行】35
・委員名:金田 義行 専門委員
コメント:「超巨大地震に関する当面実施すべき観測研究の推進」について、沈み込み帯浅部のプレート境界の振る舞いが、各沈み込み帯で過去どうであったか、現在どのような現象が進行中か(例えばすべり欠損が蓄積しつつあるか)といったことが、中心的課題になると思われる。
・委員名:佐藤 春夫 主査
コメント:上記指摘を取り入れることは必要。これはM9の地震で大きく滑ったことと対応するが、これだけが重要課題とは思わない。断層破壊の総延長が南北に長くなったこと(多重破壊、連動、M9への成長)もまた重要な課題。
・委員名:平田 直 委員
コメント:主査の意見はもっともであるが、あまり細部までは記載しない方向がよい。
13.コメント箇所:【頁】9~10【行】35~35
委員名:金田 義行 専門委員
コメント:具体的な修正案はないが、全体的なコメントに書いたように、沈み込み帯の浅部での大きなすべりとそこでの地震サイクル中の振る舞いを1つの柱にした構成にしてはどうか。そうすると、例えばP10-L28の新技術の開発も、単に精度を挙げるためというものではなく、重要性が明確になる。
14.修正箇所:【頁】10 【行】7
修正箇所:【頁】11 【行】3
・委員名:宇平 幸一 臨時委員
原 案:超巨大地震の発生機構の解明のための観測研究
修正案:超巨大地震とそれに起因する現象の発生機構の解明のための観測研究
修正理由:内陸地震や火山現象等超巨大地震に起因して発生する現象についての観測研究を行うため
・委員名:平田 直 委員
修正案:超巨大地震とそれに起因する現象の解明のための観測研究」
修正理由:原案では
5.超巨大地震に関する当面実施すべき観測研究の推進
(1)超巨大地震 の発生機構の解明のための観測研究
(2)超巨大地震とそれに起因する現象の予測のための観測研究
となっていて、平仄があっていません。よって、宇平委員のご指摘は、(1)(2)を同じようにすべしと言う意見と理解し、
(1)超巨大地震とそれに起因する現象の解明のための観測研究
(2)超巨大地震とそれに起因する現象の予測のための観測研究
を提案します。内容的には、(1)は理解する研究、(2)は予測するための研究と位置づける。また、単に、「超巨大地震」だけではなく、「超巨大地震とそれに起因する現象」とするのは、「それに起因する現象」は、現在緊急に実施しなければならない研究だからである。さらに、現時点で、「超巨大地震の予測」の研究は実際上極めて困難(しかし、大学からはこの研究の提案もでていますので、全く不可能ではなく、今から着手すべき研究課題)。「それに起因する現象」の予測を明示的に書いている。
15.追加箇所:【頁】11 【行】31~32
・委員名:宇平 幸一 臨時委員
原 案:なし
修正案:沈み込み帯で発生する地震に関する大規模シミュレーション等により,超巨大地震発生サイクルの解明を目指す。
修正理由:シミュレーションの研究を行う事を記述したい。
16.追加箇所:【頁】12 【行】10~11
・委員名:今給黎 哲郎 臨時委員
原 案:なし
修正案:余効滑りの時空間的変化と地殻上下変動の長期的収支の関係を解明するための水準測量などを含む観測研究を行う。
修正理由:水準測量の観測について記述したい。
17.追加箇所:【頁】13 【行】5~6
・委員名:宇平 幸一 臨時委員
原 案:なし
修正案:気象庁は,関係機関の地震観測津波網のデータも併せて,地震活動及び津波のモニタリングを行う。
修正理由:地震及び津波の観測について記述したい。
18.追加箇所:【頁】13 【行】18
・委員名:宇平 幸一 臨時委員
原 案:大学は,陸上観測データ,海底観測データを用いて即時的に超巨大地震によって発生する津波を予測するシステムの研究開発を行う。
修正案:大学及び気象庁は,陸上観測データ,海底観測データを用いて即時的に超巨大地震によって発生する津波を予測するシステムの研究開発を行う。
修正理由:津波予測システムについて記述したい。
19.コメント箇所:【頁】-【行】-(全体を通して)
・委員名:金田 義行 専門委員
コメント:今回の見直し計画にあたっては、こうした中心的課題をまず明確にした上で、それに対して具体的にどのような計画で取り組むのかを示すことが必要ではないか?別の課題を柱にするにしても、まずそのような柱やベースになる考え方があり、それが示された上で、ボトムアップで各機関から出てきた課題を見直し計画の中に位置づけることは、特定の仮説や見方に偏らない意味で重要である。
研究開発局地震・防災研究課