地震火山部会 観測研究計画推進委員会(第15回) 議事録

1.日時

平成24年12月19日(水曜日)10時~12時

2.場所

文部科学省16階 16F特別会議室

3.議題

  1. 地震及び火山噴火予知のための観測研究計画の見直しについて(報告)
  2. 平成24年度年次報告【機関別】の取りまとめについて
  3. 地震及び火山観測研究における年次基礎データ調査について
  4. その他

4.出席者

委員

(委員)平田直
(臨時委員)清水洋、松澤暢、望月公廣
(専門委員)市原美恵、小泉尚嗣、齋藤誠、鷺谷威、棚田俊收、畑中雄樹、三浦哲、宮澤理稔

文部科学省

(事務局)寺田地震・防災研究課長、鈴木防災科学技術推進室長、吉田地震調査管理官、安藤地震火山専門官、森田科学官、吉本学術調査官

オブザーバー

松本、三浦

5.議事録

[委員の出欠状況等]

  • 委員の出欠について:藤井委員,小平専門委員,西澤専門委員が欠席。小平専門委員の代わりに海洋開発研究機構リーディングプロジェクト地球内部ダイナミクス領域の三浦誠一チームリーダーが、西澤専門委員の代わりに海上保安庁海洋情報部技術・国際課の松本良浩地震調査官がオブザーバ参加。
  • 配布資料について確認。

4 議事

[議事1「地震及び火山噴火予知のための観測研究計画」の見直しについて]

【清水主査】  それでは、議題に入ります。最初に、事務局から報告をお願いしたいと思います。
【安藤地震火山専門官】  それでは説明します。参考資料1-1及び1-2を御覧下さい。
 昨年から検討作業を進めておりました、3.11を踏まえた現行計画の見直しについて、取りまとめられ、去る11月28日、第40回の科学技術・学術審議会総会にて関係大臣に建議されました。製本が間に合いませんでしたので、参考資料1-1として配布させていただいています。
 内容については、度々触れているところではございますが、大きく変わったところとしましては、5か年計画の、基本的に5年前、平成20年に建議された計画、観測研究計画についてのものが残っておりますので、そこの部分については残した格好で、スクラップ・アンド・ビルドをして、一応、全部の中身を点検して、超巨大地震に関連する研究項目を入れたと、新しく計画したというところが主題になっています。
 参考資料1-2には概要として取りまとめましたので、御参照下さい。本日の観測研究計画推進委員会では、この報告を受けて、この計画に基づいた各個別課題を検討していただきたいと考えています。事前に主査と相談して、見直し計画で新規に立てられた超巨大地震に関する項目について、個別課題を募集しました。一覧が資料1-1になりますが、結果的に合計23課題を頂いております。そこの左から3番目の計画項目というところ、例えば1番のところですと、5の(1)のアとありますけれども、それは新しく超巨大地震に関連する項目として立てたところに非常に関連する課題ということで、その隣に代表者、その隣に課題名、それからその右側にまた実施内容ということで、簡単ではございますが、概要を整理させていただいております。
 色の違いですが、無色については、既存計画に追加した課題案と新規に御提案いただいた計画になります。それから水色については、全部で7番と14番、15番と3課題ありますが、既存計画を変更して実施する計画になります。それから紫色については、当初5か年計画で予定されていましたが、見直し計画を機に中止して、残りの期間で実施するというものです。
 各個別課題については、この地震及び火山噴火予知のための観測研究計画の各項目について、主に関連するところと従に関係するところがありますので、これらの一覧表を資料1-2として準備しました。
 最上段に建議項目区分、その下に書く個別課題が関連するところに印を付加してあります。今回の見直しを受けて変更があった部分については、赤字で記載されています。間違いなどがございましたら事務局まで御連絡頂ければと思います。
【清水主査】  ありがとうございます。少し込み入っておりましたけれども、御理解いただけたでしょうか。経緯については皆さんよく御存じだと思いますが、昨年から1年間かけて現行計画の見直しを行い、先月28日に関係大臣に建議されましたので、今日はこれに基づいて個別課題の計画変更を検討いただき、決定したいと考えています。
 通常は年度初めに計画の内容とか進捗状況を確認しているわけですけれども、今回は平成23年の東北地方太平洋沖地震を受けての計画変更ということで、課題について変更するということでございます。新たに設定された課題、計画の新規項目に基づいて、個別課題の募集を行ったということです。
 本日はこの内容を御検討いただきますが、これまでの進捗状況については簡単な報告はありましたが、内容についての詳しい説明というのはなかったと思います。このため、地震火山部会長の平田委員から内容について簡単に説明をいただけないでしょうか。
【平田委員】  分かりました。それでは概要がまとめられた参考資料1-2のうち、ポンチ絵を御覧下さい。
 現行計画の四つの柱、「地震・火山現象予測のための観測研究」と、「地震・火山現象解明のための観測研究」と、「新たな観測技術の開発」と、「体制の整備」だけでは不十分であるということで検討をしていましたが、全面的な改定については、次期の観測研究計画を検討するときにやるということにして、5か年計画の最後の2年、結果的には1年と少しになりましたが、残りの期間については、現行計画の全体の枠組みは崩さずに、新しく5番目の柱として、超巨大地震とそれに起因する現象の解明・予測のための観測研究を行うという方向性で議論しました。ただし、その議論の過程で、単に付け加えるだけでは不十分であるという御意見を頂きましたので、計画全体を総点検した上で、5番目の柱を立てるということになりました。やや苦しい言い訳に聞こえますが、決して現行計画の4本柱を温存して、焼け太りの形になったわけではないというのが審議のポイントでございます。具体的には、学協会からの御意見を頂く、一般からの意見公募を行う、さらに、世界の著名な地震・火山の研究者の御意見をいただく、というようなことを行いました。
 それで、今回新たに行う超巨大地震とそれに起因する現象の解明・予測のための観測研究の実態は、これまでの四つの柱のうち体制の整備を除いた三つの柱を超巨大地震に特化させた形で投影し構成しています。ただし、大きく違う点は、予測のための研究を最初に行い、それをするための現象の解明と、新たな観測技術の開発という形にしていましたが、超巨大地震については、現象そのものを理解していないという認識のもとに、まずはどういう現象かということを解明する研究をし、次に、そのうちの一部を予測するというようなスタンスにして、3番目には技術開発という形にしています。
 それで、それぞれについて超巨大地震がどうして起きるかというのは、資料1-2の2ページに計画の実施内容が(1)、(2)、(3)と書かれています。
 (1)が超巨大地震とそれに起因する現象の解明として、プレート境界の地震の理解、それについて地球物理学的、変動地形学的、古地震学的、地質学的などの幅広い手法を用いて、地震の発生サイクルやサイクルの階層性などを研究する。それから、これもやや重複ですが、歴史地震、地質学的なデータを重視する。また地震発生確率。それから、その超巨大地震に先行する各種の現象、それから地震時の滑り、余効滑りの研究などをやる。それからもう一つは、(1)の最後のポツですが、この平成23年東北地方太平洋沖地震の後に起きた日本列島の応力場の変化に伴った内陸地震や火山活動の研究をするということが大きな柱です。
 それから、(2)の現象の予測の研究では、巨大地震についてはメカニズムが分かっていないということですから、巨大地震そのものを予測するということは難しいですが、巨大地震が発生した後のいろんな現象については、地殻活動をモニタリングして研究するということがここで取り上げられております。
 特に低頻度の現象である超巨大地震の予測手法については、従来からも統計地震学的モデルを使っていたわけですけども、それと震源物理に基づく数値実験的手法を統合した手法、あるいは巨大地震の超過確率手法の研究などもやるということ。それから、特に海域で起きる地震についての津波の予測の高度化についての研究を進めるということがここで計画されております。
 さらに、古地震学的なデータに基づいて、地震についても地震発生シナリオ、あるいは分岐確率の研究をするということが計画されます。
 3番目として、超巨大地震とそれに起因する、新技術の開発ですけれども、特にプレート境界の地震については、深海での海底地殻変動観測技術の開発というのが重要であるということと、それから深海底での活動履歴の調査のために、高分解能の反射法の地震探査や掘削調査の手法を開発するということがここで掲げられております。
 特に、この5番目の超巨大地震に関して当面、実施すべき、緊急に今年度中にやるべきものとして挙げられていることについて、新しくご提案されている計画は、これを実際に実施するということになっているということです。
【清水主査】  どうもありがとうございました。今、平田部会長の方から少し詳しく説明をしていただきましたが、その最後の説明の部分、参考資料の1-2の2ページの3ポツのところが新たに加わった大項目になるわけです。それぞれに中項目ございまして、(1)から(3)まで中項目がついて、更に細かくポツがありますが、細かいテーマがあるということで、今度はこれに沿って新たな追加課題の募集を行ったということでございます。
 今、挙がっている課題案が資料の1-1、それから、資料1-2にまとめられています。大学関係について、地震・火山噴火予知研究協議会の企画部長でもある三浦委員に補足説明をお願いできませんでしょうか。
【三浦専門委員】  事務局の方で色づけをしていただいておりますが、例えば7番目の海域観測による超巨大プレート境界地震震源域の実態解明については、現行計画において地震研究所で実施されていた1416という課題を縮小した上で提案された課題ということになります。基本的には海域での地震観測によって、その震源域がどういう構造であるかとか、そういったことを解明しようというものです。
 12番目ですが、これは弘前大学からの提案でして、現行計画の1101の課題を廃止した上で行うという研究です。東北地方北部日本海溝沿いの地震活動モニタリングと。陸上での観測から、海溝付近の小地震を含めた地震の活動をモニタリングしようということです。そのための幾つか新しい手法の提案や発展を図ろうということになります。
 14番目は東北大学からの提案ですけれども、現行計画の1202、それから1205、1206をそれぞれ縮小いたしまして、新たに東北地方太平洋沖地震震源域周辺における多項目・高精度モニタリングによる超巨大地震発生過程の解明が提案されています。今まで東北大学の方では、想定されていた宮城県沖地震をはじめとして、宮城県沖での収集的な観測及び研究といったことが進められてきたわけですけれども、既存のものを縮小した上で、その超巨大地震をより明確にターゲットとした研究を進めようというものです。
 次の15番目は名古屋大学からの提案ですが、既存の1701、1706を縮小した上で、南海トラフの海溝軸付近における海底地殻変動モニタリングするということですが、この後、近い将来、発生が懸念されております南海トラフ沿いの巨大地震を想定いたしまして、南海トラフ沿いの海底地殻変動の観測を高度化しようという提案です。
 21番目は東北大学からの提案で既存の1212という課題を廃止して、高精度リアルタイム津波予測システムの開発をするということです。津波予測システムの開発につきましては、従来から東北大学で行われてきましたが、更に高度化して、早急に実用化しようという意図で提案された課題です。従来から、海底津波計を用いた予測システムにつきまして精力的に開発が行われてきましたが、それに加えて陸域の測地データなども加えて、津波予測には不可欠である地震の規模をより早い段階に、より正確に捉えようというようなことも新たに検討されているということです。
 最後ですが、22番目の東北大学からの提案ですが、1217番という既存の課題を廃止して、海底地殻変動観測システムの高度化ということで、現行計画では技術開発の類に入りますが、平田部会長からの説明にもありましたが、今後、そういう海溝沿いの地殻変動をより詳細に捉える必要があるということで、今後、超深海型の海底地殻変動観測システムが不可欠になるため、開発していこうという内容になっております。
【清水主査】  どうもありがとうございました。今、三浦委員のほうから簡単な補足を頂きました。基本的には、今回の見直し計画は、現行計画に基づく課題を総点検して、スクラップ・アンド・ビルドしたという方針ですね。もちろんこれまで実施されてきた内容が全部不要というわけではありませんが、とにかく超巨大地震の解明に向けて、すぐにでも実施しなければいけないことを、優先順位を考えて、ある程度、縮小できるものは縮小、廃止できるものは廃止という形で見直しを行ったということだと思います。
 その他、大学以外の機関についても幾つかございますが、委員の方から質問も含めて御発言ありましたらお願いします。
【鷺谷専門委員】  確認ですが、例えば1220の東北大学の課題について教えて下さい。
【清水主査】  14番ですね。
【鷺谷専門委員】  はい。右端の欄に「1202、1205、1206を縮小」というふうに書いてありますが、詳細版の方を拝見すると、例えば1202については、内容を変更して1220の研究課題に移行すると書かれていて、05、06は一部をこの新しい課題に統合するというふうな整理になっています。もしそうであれば、1202の課題はなくなるはずですが、それがまだ一覧表の方では残っていて、その辺りの整理がまだ若干残っているのかと思います。それから、廃止はともかく、縮小する課題についてどこが変更になったのかも併せて示しておく必要があるのではないでしょうか。
【清水主査】  御意見ありがとうございます。御指摘のとおりだと思いますが、例えば1202については、詳細を読むと廃止のように読めますが、実際は縮小ということでまだ残っていると。その辺は、日野先生は本日いらっしゃいませんので、松澤委員、お願いします。
【松澤主査代理】  すみません、私の方で気がつけばよかったのですけれども、御指摘のとおり1202は、この間の予算委員会で査定額ゼロと査定されていまして、実質的にもう廃止ということになります。だから05、06は縮小で、1202は廃止で、1220になったという理解です。
【清水主査】  どうもありがとうございます。鷺谷委員、この件についてはよろしいですかね。
【鷺谷専門委員】  というか、そういったチェックが一連の流れであるのではないかなと少し思ったので。
【清水主査】  ほかのものも含めてですね、はい。分かりました。それ以外にも、水色に色を塗った部分というのは縮小ということになっていますが、細かく再度、関係する機関の方、チェックをお願いして、これは企画部の方でチェックしていただければいいかな。廃止のものは廃止という形で、再度、きちんと整理してほしいということでございます。
 あともう一点、鷺谷委員のほうから意見がございましたが、要するにこの縮小したものが実際にどう縮小して、新規課題にどう関係しているのかという、その辺が少なくともこの資料の1-1と1-2だけからはよく分からないということで、その辺の説明がいるのではないかという御意見だったと思いますが、これについては、どうでしょうか。確かに詳細資料をよく読めば分かると思いますが、この一覧だけからは少し分かりにくいと思いますので、事務局の方から補足をお願いします。
【安藤地震火山専門官】  一覧表は事務局で作成しておりますので、漏れがあった部分もあるかもしれません。そこはおわびしたいと思います。
 それで、縮小の部分についてもこの後、本日議題に上っていますが、24年度分の報告のところも含めて、そこできれいに吸い上げたいと考えておりますので、報告のところも含めまして、とりあえず今までなかったものを追加するというところが非常に重要なところであります。
 通常ですと、課題代表者の交替等の修正等を含めて毎年度初めくらいに、進捗状況をチェックするわけですが、今回は、この見直しというのも3.11を踏まえてということなので、何も来年度を待ってからやる必要も全くない。とにかく各関係大臣に見直し計画が建議されたということですので、その中身の計画としては直ちにできるところは観測研究計画推進委員会の方で御議論しようということで主査に相談しまして、一応アンケートといいますか、課題を募集させていただき整理しております。
 ですので、今言った縮小の部分、廃止の部分についてはもう一回、精査しますけれども、今年度分の報告のところも含めて吸い上げていきたと思っています。
 【清水主査】  今、事務局から説明いただきましたけども、ほかに御意見、御指摘あったらお願いします。
【平田委員】  二つ申し上げます。事務局が整理された資料1-2は非常に分かりやすくて、これは一目瞭然でよいのですが、外部評価委員会で似たような資料を提出したときに指摘されたのは、この建議項目区分、1の(1)のア、イ、ウとかという記号だけでは、何を意味しているのか分からないとの意見がありました。今日は見直し計画そのものが参考資料として出されていて、その目次を見ると大体分かりますが、これは公開資料になりますので、もちろんたどっていけば建議の計画そのものを見れば分かりますが、分かりやすさという観点からは、どこかに一覧表が一つあるといいかと思います。
 それともう一つは、この表がなぜあるかというと、計画されたものについて、必ず実行するグループがあるということが一目瞭然で分かるということが重要なことです。ですから、廃止課題も含めてですけれども、各実施機関ではもう一回この担当者にこの表を全部見せて、それぞれがやっている計画は全体の計画の中のどこに位置付けられてやっているかということを再度確認していただく必要があると思います。
 今後、この修正された計画で残りの1年と少しやっていくわけですけれども、それが最後のところでどういう成果になったかというときにも、それぞれのグループがどこを分担しているかということは非常に重要ですので、建議そのもの、計画を読んでいただくということも重要ですが、この表をぜひ皆さんのところに還流するようにしていただきたいと思います。
 確認ですが、文科省のホームページでは、この表は出ますでしょうか。
【安藤地震火山専門官】  資料としては出ます。それでそのときには、ですから今、御提案いただいた一覧表というか、この項目番号、何をというのは載せたいと思います。
 それから、先ほども言いましたけれども、見直し計画の方については、現在、ホームページにアップする作業中ですので、数日中には多分アップができるかなといったところです。
 あと、平成20年度に建議されたものですけれども、その計画については、いわゆるPDFとして掲載されているわけではなく、リンクからたどれるような構成に、文科省のホームページではなっております。ですから、見直し計画についてもそのように順次、階層をおりていけるように作業しているところです。
【清水主査】  どうもありがとうございました。今、平田委員からも御意見というか御指摘をいただきましたけれども、資料1-2、全体の一覧ですが、各機関の方はそれぞれの課題担当者の方に全体の中での自分の課題の位置付けを確認していただきたいということです。
 今、資料1-2の最後のページ、3ページ目の一番下にそれぞれの項目について課題数が幾つあるかというのが全部載っております。これを見れば分かるように、小項目まで含めた全ての課題に対して、複数の研究課題があるということです。それで実際に全ての項目を行うということが分かるようになっております。
 ほかに質問・意見があればお願いします。
【齋藤専門委員】  1-2の資料で、気象庁は5について全く印が付いていません。基本的に建議の見直しによって新たに研究とか調査項目とかを立てるというようなことはありませんでしたが、白丸に該当するもの、要するにこれまでやっていたもので、これがその他関連する項目に入ってくるものが出てくるものもあるかと思いますので、もう一度、見直させていただきます。
【清水主査】  今、齋藤委員から説明ありましたけど、この横中の資料1-2の資料で、気象庁のところは、いわゆる大きな柱の5番、項目の5番に関するものについて丸がついていない状態ですね。ですけど、実際は、黒丸はなくても白丸があるということで、それについては、早急に御確認いただいて、連絡をいただきたいと思います。
 ほかに、気象庁以外の関係実施機関で補足すること等ありましたら、発言をお願いします。
 【宮澤専門委員】  資料1-2のテーブルについてですけれども、以前もこのようなテーブルを作られたときに、建議の大項目の4番、計画推進のための体制の強化についてもテーブルがついていたと思いますが、今のこのテーブルを見る限りそれが消えてしまっているように見えます。特にその部分については、例えば今回、新たにできた大項目5についても4に入ってくるような項目はないからあえて省略しているということでしょうか。
【安藤地震火山専門官】  すみません、確認します。
【宮澤専門委員】  もう一点、よろしいでしょうか。内容についてではありませんが、この参考資料1-1の建議についての36ページ、先ほど平田委員の方から説明がありましたが、海外研究者のレビューがあったということで、実際には英語版の見直し建議の資料もあったと思いますが、実際にその資料自体は公表されるのでしょうか。それともこの海外研究者のレビューを受けるためだけの資料として使用されたのでしょうか。
【安藤地震火山専門官】  一応、レビューをやるためだけに使用しております。というのが、その英訳をしたものは、実は最終版を英訳した状態ではありません。8月1日の審議経過報告として提出したものを英訳していますので、途中版を英訳した格好になっています。ですから、もしというか、英訳が必要であれば、最終版ももう一回英訳するということになりますので、事務局としてはそこまでは考えていません。
【清水主査】  外国の研究者に評価いただいたものについてはどういう扱いになりますかね。
【安藤地震火山専門官】  評価いただいているものについては、例えば10月26日の測地学分科会、それから11月12日の地震火山部会等での資料としては使用させていただいておりますので、その会議は公開ですので、資料としても公開されます。
 だから例えばこのメンバー、どの方がどういうような意見、全文ではなく抜粋ですけれども、こういう意見をいただいているということは提示できます。踏み込んで申し上げれば、基本的に本計画はおおむね評価をいただいているということです。世界的にも日本の地震、それから火山の研究については最先端を行っているので、このまま進めるべきである。ただ、3.11を受けた見直しということで見た場合には、更にその計画をよくする場合にはということで幾つか御提案を頂いた。その部分については最終案、つまり、参考資料1に入れ込んでいる格好になっているということになります。
 具体的にどこを直したという詳細については、整理しているものはありますが、本日は手持ちにありません。来月に予定している、分科会、部会のときには、その辺は報告ができればと考えています。 
【清水主査】  ありがとうございます。基本的に公開ということですが、宮澤委員、それでよろしいですか。
【宮澤専門委員】  はい。
【清水主査】  そうすると、宮澤委員からの最初の質問ですが、4番の大項目ですね。体制に関することについて少し確認を頂けますでしょうか。
【安藤地震火山専門官】  はい。確認した上で、正式版をメールで御確認をお願いしたいと思います。
【松澤主査代理】  今回、太平洋沖地震以外に、1年前に、大学だけだと思いますが、予知協議会の方で公募課題からの振りかえ課題があったはずで、それが多分、抜けていると思います。ですから、それも差し替えの際に一緒に御検討いただければと思います。
【森田科学官】  申し訳ありありません、見落としておりました。その点については差し替えのときに追加させていただきたいと思います。
 それから、先ほど鷺谷委員の方から、どこまで進んで、どういう理由でやめたかというのは、予知協議会の方では資料を全部集めて、詳しい情報を持っていますが、今回、この詳細版については、飽くまでも今までの建議に従って研究計画を書くという形式で資料を集めましたので、そのときには廃止とか、この部分をここまで進めて中止するといった記載欄が現行計画にはなかったために、これらの情報が収集できていないという状況です。1年ほど前に行った見直し計画策定時の情報は、こちらで全て収集させていただいていて、それは全て合理的であるという判断を予知協議会の中で行ったということを付け加えさせていただきたいと思います。
【鷺谷専門委員】  要は変更になった課題についても、変更後の計画がどういうものであるかということがきちんと見える形にしておく必要があるでしょうという点だけですので、そこがきちんとされていれば問題ないと思います。
【清水主査】  どうもありがとうございます。
 【小泉専門委員】  先ほどの気象庁のお話と一緒で、この後、議論されると思いますが、新たな課題が決まりましたので、やっぱり追加でつけたいというところは、例えば海溝型の地震をやっているところが関与しないということはかえって少ないと思いますので、現状ではこれ、資料2-2で後から出ると思いますけれども、関連課題等は固定になっていますけれども、たしか代表者は変えられたと思いますので、それで今度の報告のときに変えることができるということをここで認めていただければ、気象庁以外のところも対応はできるということでいいかと思いますが、いかがでしょうか。
【清水主査】  どうもありがとうございます。これは当然、次の報告、年度末、変わるときにまたできると思いますが、それはよろしいですよね。はい。
 ほかにございませんか。もしなければ、今、幾つかご意見が出たので、本資料については差し替え版を作ることになりますが、まず今、ここに挙がっている課題についてはお認めを頂き、現在、仮に振っている課題番号ではございますが、お認めいただくということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、この新しい課題について早速、始めて、研究を進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

[議事2 平成24年度年次報告【機関別】の取りまとめについて]

【清水主査】  まず、事務局から説明をお願いします。
【安藤地震火山専門官】  資料は、資料2-1、それから資料2-2が該当します。基本的に例年どおり、同様の手順で進めさせていただきたいと考えています。
 報告の様式ですが、先ほど小泉委員の方からも少し指摘がございましたけれども、資料2-2にフォーマットがございます。スケジュールについては後で申し上げますけれども、2点だけ注意を申し上げます。これは通常、報告という格好ですので、論文も含め、報告内容を書いていただいたあと、製本すると同時に、ホームページでも掲載することになります。
 それで近年、一般の方から文科省のホームページに対して厳しい御指摘をいただいております。ですので、報告書であっても細かいところも含めて、なるべく丁寧に記載をしていただくように改めてお願いをさせていたいだきます。
 それから、入力方法については、本日御検討頂きますが、事務局からは、例年どおりwebからの入力システムを御提案させていただきます。それで一応、年明け1月中ごろには依頼をしまして、1か月くらいで締め切らせていただき、その後、成果報告シンポジウム等もございますけれども、また来年度のはじめぐらいには報告書として取りまとめたいと考えています。
 それから、第13回の観測研究計画推進委員会に指摘がありましたけれども、年々、報告書が分厚くなっております。とはいえ、分量を減らすということではなく、製本するのも段々大変な状況になってきたというところがございますので、電子媒体等で見られるように、少し工夫してまいりたいと思います。また、本日配布しておりますが、成果の概要としてもう一つの年次報告もございますが、それは機関別の報告書を吸い上げるというような格好で取りまとめております。
 なお、訂正がございます。資料2-1、3月から4月、5月から6月のところの年度が間違っておりまして、「23年度」ではなくて正しくは「24年度」です。失礼いたしました。
 それからもう一点ですけれども、先ほど議題1の方で追加個別課題について承認いただきましたが、今回の機関別報告書は平成24年度の報告ということになりますが、通常5か年計画でやってきたものに比べれば、そこまで詳しくは書けないとは思いますが、できる限り、できたこと、できることなど、少しでも記載いただければと考えております。先ほど新規課題番号を仮ではございますが、割り振らせて頂きましたので、その番号で整理をしたいと思っています。
 そのときに、先ほど小泉委員からありましたが、資料2-2の例えば(4)のところ、その他関連する建議の項目というところがございますが、そこについても、新しく5番目として、超巨大地震に関する項目ができましたので、そこももし追加項目があれば、齋藤委員から、それから小泉委員から御意見がありましたけれども、そこで取りあえずはまず吸い上げられるようにしたいと思っています。
 ですので、この報告様式、基本的にはこういう格好で固定となっているところは一応、聴取をして、事務局側だけで入力できるようにするか、実際に入力をしてもらうかは別途相談させていただきますが、このような格好で進めていきたいと考えています。つまり、形式的に報告書作成をやるということではなく、臨機応変に新規課題なども取り込んでいければと思っております。
【清水主査】  どうもありがとうございました。今、事務局から説明を頂きましたけれども、フォーマットというか、あと記入の仕方については今年度と同一でございますので、特に大きな問題はないと思いますが、建議が見直されたことにより若干の変更があるということです。新規項目との関連等も何らかの形で記入できるようにするという説明でした。
 あと事務局からのお願いで、内容について少し丁寧に、一般の方からの問い合わせ等があるので、丁寧に記述してくださいということでしたが、これは従来から厳密に分量についての指示はなかったと思いますが、おそらく当初は、A4、2ページぐらいというような目安だったと思いますが、もし丁寧に書くとなると分量が増えると思います。一方で、報告書は年々厚くなっていてという、御発言もありましたが、その辺の兼ね合いは少し難しいと思いますけれども。
【安藤地震火山専門官】  申しわけございません。丁寧にという意味が少し説明不足でした。例えば具体例を申し上げます。最近ですが、一般の方から、例えば句読点がばらばらだとか、非常に丁寧に見ていただいている方が多ございます。それで、そのような御指摘が、報告書を公開する都度いただいている状況です。
 例えば漢字にすべきところ、平仮名にすべきところなど、宮澤委員からはよく御指摘頂きますけれども、常用漢字の該当如何などまで、御指摘いただいていおります。従って、web入力の際に、ある程度入力文字を強制できる設定が可能であれば、それも活用したいと思いますが、各機関の担当者におかれても報告書を書く際に、少しだけ頭の隅に置いていただいて作業していただければというところでございます。
【平田委員】  気持ちは分かるし、国がやる以上、事務局はそう言わざるを得ないのは理解しますけど、何のために機関別と項目別に報告書を分けたのかという点を整理する必要があります。つまり、項目別は分かりやすく、特に概要については誰が見ても理解できるようにするという方針でした。ただし、文章が短くなると内容的に落ちるところがたくさんあります。一方、研究をやった人が必ず報告を提出するというのは、絶対必要なことです。だからその精度を上げるのは、ものすごく労力が必要なので、表現などの部分は実質担当者にお願いしないで、事務局がそれをやるというのは一見、潔いようだけど、そうすると、もう事務局がこの仕事に専念せざるを得なくなってしまいます。そこで私の提案は、どこかにきちんとクレジットを書いて、提出者の責任で書いたものであると、それで質問がある場合にはそこに聞いてくださいというようにしておけばよいという提案です。例えば、丸と点の違いなどについても学術誌によって違うのだから、そこまでの統一はやめる。
 だけども、その最後の項目別の方の概要については可能な限り労力を使ってやっていただいて、それでこれは何のためにやっているかというと、誰が何を具体的にやっているかということを知りたいという人がトレースできるようにする領収書みたいなものですよ。ですから、ここには基本的に分からなかったら問合せ先がちゃんと書いてあるから、そこに行くようにして、もちろんここの報告書は明朝体10ポイントとか書いてあるのは、このぐらいは書いていいけども、そこまでの作業を事務局が頑張ってやられることはないと思う。
 現在はweb入力となっていますが、これは報告作業の労力を少しでも減らすために宮澤委員が頑張って整備されたわけです。実際その前までは、取りまとめるだけでも、もっと大変な作業だったわけです。さらにもっと完璧なものを作りたいと主張される事務局の意向はよく理解できますけれども、例えば、研究成果について丁寧に書く、参考論文もきちんと引くなどが重視されていればいいと思います。
 あと、基本的にはwebで公開されるので、印刷版は必要最小限度でいいと思いますので、これは何のために二つに分けたかというその趣旨をきちんと理解していただいて、これはそれぞれの研究者がちゃんと自分が今年、何をやったかというのを自覚するために書いて、必要不可欠な情報が盛り込まれているということになっていればいいかと思います。確かに入力文字を強制できる仕組みがうまくできれば、それはやられた方が良いと思います。
 それから、その他関連する建議の項目というのは、やはり追加できるようにした方がよくて、現在は固定となっていますけど、この部分も事務局が情報収集して修正するのではなくて、やっぱり課題担当者がちゃんと自覚してやった方が良いので、ここは固定ではなく、むしろ修正できるように、追加できるようにしたほうがよろしいかと思います。
【清水主査】  どうもありがとうございました。大変、建設的な御意見だと私も思います。事務局よろしいでしょうか。基本的に機関別の報告については各機関の責任で書くわけですから、そちらの方に任せてということで。
【平田委員】  どこかにそれを明記した方が良いと思います。
【清水主査】  そうですね。免責について明記したほうがよろしいですね。
 あと何かあればですけど、私の方からは、先ほどの固定入力とも関係しますが、先ほど鷺谷委員の方からも説明ありましたけれども、縮小の課題がありますね。もちろん廃止もありますが、その縮小課題について、今のこの入力の中で、どこに書いて、新しい新規課題との関連みたいな、どういうふうに引き継いでいくのかみたいな、どこか書く欄というのは、何かその辺、アイデアがあったらお願いします。
【安藤地震火山専門官】  今のところ、別途項目を設けることは考えていません。まだ腹案ではありますが、例えば成果の概要の記述のところだったり、5か年の到達目標だったり、あるいは概要のところだったりが、当初から計画が変更したという項目になりますので、そこで修正できるようにしたいと考えています。ですから5番、6番、7番、そのあたりぐらいで変更点を収集できればとは考えています。
【清水主査】  ありがとうございます。いずれでもいいと思いますが、書くほうが分かるようにというか、統一していただければと思います。
【三浦専門委員】  先ほど事務局から説明がありましたけれども、例えば最近よく文字化けしてしまうものを使われるケースが多くて、これは米印の一番下のことですけども、対策として、それを自動的にはじくとかいうことはシステム上多分かなり難しくて、これはもうお願いするしかないと思います。
 それで、この入力はある期間を設定して、その間、何度でも書きかえできるようになっていますので、ですから文字化けしたものが放置されているということは、入力した後にあまり各課題担当者がチェックされていないのではないかと思われますので、その辺はやはり担当者の方の意識を少し変えていただいて、きちんと見直していただくということを平にお願いするしかないのかなと思っております。本日は各研究機関の代表者の方がいらっしゃいますので、その辺のところは各機関の担当者の方に改めてお願いするようにしていただけると、大変ありがたく思います。
【清水主査】  今、企画部の方からお願いがありましたが、その辺も、それぞれこれはたしか機関の責任者みたいなのを決めてあって、その機関の代表者が自分の機関について全部、確認することができるようになっているはずですよね。
【三浦専門委員】  そうですね。
【清水主査】  ということで、責任を持って確認していただくと。
【平田委員】  入力した人は、どんなふうに見えるかというのは分かるのですよね、たしか。
【三浦専門委員】  もちろん、ええ、HTML版でもPDFでもその場で見られます。
【平田委員】  その場で見て、文字化けしているのは直せないのかね。
【三浦専門委員】  だからその辺の手間を惜しまずに、頂きたいというところをお願いするしかないのかなと。
【清水主査】  そうですね。記入した人は頭の中では分かって打っているから、間違えていても気が付かない。私のところでお恥ずかしい話ですけど、私、機関代表者で、一応一通りうちの書いたものを後でチェックすると、誤字脱字いっぱいあるので、やっぱり一応、確認をされるようにされた方が良いと思います。
【小泉専門委員】  すみません。ここのところに「文字化けしますので」と書かれたほうが、単に合わせるわけではなくて、「文字化けいたしますので、以下の文字は」という書き方をされると、少し気をつけられるのではないかなと。
【清水主査】  御意見、どうもありがとうございます。
【平田委員】  いや、今さらシステム、変えられないかもしれないけど、普通、学会などかで入力したら、最後に「確認する」って出てきて、確認してオーケーというふうにすれば、いくら何でも自分のパソコンの画面上に文字化けしたのがいっぱい出てきたのをオーケーとしないと思うけど。
【三浦専門委員】  そのようになっております。
【平田委員】  そうですか。それでも不備があるというわけですね。
【安藤地震火山専門官】  もう一回、1月、入力ができる状態になった段階でお願いを出しますので、そのときには、事務局としてももう少し詳しく指示を出したいと思っておりますのでよろしくお願いします。
【清水主査】  どうもありがとうございます。今、幾つか御意見を頂きましたので、それも反映した形で若干の修正をして、web入力ができるようにさせていただきたいと思います。準備ができ次第、また案内を差し上げますので、個別課題についての報告準備をお願いしたいと思います。

[議事3 地震及び火山観測研究における年次基礎データ調査について]

【清水主査】  それでは、次の議題について事務局から説明をお願いします。
【安藤地震火山専門官】  まず参考資料2を御覧ください。第14回の観測研究計画推進委員会で実施の承認を頂いた資料になります。
 一応、平成22年度のときに、実施機関に対して毎年調査を行うとしておりましたが、昨年度についてはレビュー報告書取りまとめの関係もありまして、1年お休みをさせていただきました。今回、2年分、23年度と24年度分について収集をさせていただきました。委員の皆様をはじめ、各機関の担当の方にはお忙しい中、本当に丁寧に対応いただきまして、ありがとうございました。この場を借りてお礼を申し上げます。
 提出していただいた資料に基づき、資料3のように取りまとめました。本日は簡単ではございますけども、その内容について御説明差し上げます。幾つか既に意見を頂いているところもありますので、そこら辺についてはこの後、御検討いただければなと思います。
 まずタイトルですけれども、小泉委員から御指摘いただきましたが、「地震及び火山観測研究における年次基礎データ(平成24年度)(案)」というふうにさせていただいております。実は2年前の資料を見ますと、「地震及び火山噴火予知のための観測研究における年次基礎データ」と、「予知のための」というところが実は入っておりました。
 これは事務局のほうで、意図的に「観測研究における年次基礎データ」と修正しました。というのは、特に独立行政法人のところですけれども、予算の部分のところで、独立行政法人になってから運営費交付金の内数ということで処理されています。ただ、予知のための、つまりこの計画に基づいた部分という観点で集計を始めた経緯がございますが、例えば地震本部のほうで毎年、予算というのの額を出しておりますけれども、そこのところとの整合もありまして、非常に切り分けが難しくなってきているところもございます。とはいえ、本計画に関連する部分のものもほとんど入っているようなところもございますので、タイトルとしてはそういうふうに整理させていただいたところです。これについては、また御意見を頂ければ、そのところは対応したいと思います。
 それで、個別のところを簡単に御説明させていただきますけど、大きく分けまして、お金のところと人のところがございます。まずお金のところから説明差し上げますけれども、1ページ目の一番上のグラフですね。これは当初予算ということと補正予算等ということで分けさせて頂いております。これは当初予算の基礎的な推移をおおよそ把握するために、そのような区分に分けております。
 平成24年度については、平成23年度、東北地方太平洋沖地震に関連した予算により、当初予算のところはぐっと上がっています。それに対して、23年度の補正のところ、そこについても棒グラフが伸びているのが分かると思います。
 その下、地震及び火山別ですけれども、御存じのように昔は地震と火山は別々に計画がなされておりましたし、そのような集計が可能でしたが、平成21年度からの計画は統合されておりますので、そこは分離しておりませんので、一緒になった額でそのまま掲載しております。
 機関別ですけれども、補正予算が措置された例えば平成7年度、平成13年度、18年度、それから平成23年度等については、独立行政法人の増額がおおむね対応しているような格好になっております。ただし平成23年度分については政府機関も増えているということが、そのグラフからは読み取れます。
 今度は機関ごとに見させていただきまして、2ページ目になりますけれども、地震関連予算の内部資金分については、地震調査研究推進本部取りまとめの「地震調査研究関係政府予算案(省庁別)」ということで毎年、出させていただいておりますが、そちらの数字を提供させていただいております。火山関連の予算のみ測地学分科会の事務局のほうで調査をしております。
 ということで、実は計画としては地震と火山が一緒になったと先ほど申し上げましたけれども、政府機関については分離することができますので、2ページ目の真ん中のグラフ、地震と火山ということで分けて集計させていただいております。
 それから、政府機関の予算のところでも、一番上のグラフで黒字の部分、補正予算のところが年度ごとに8年、12年、13年、20年、21年、23年と大きく出ておりますが、それぞれ一応イベントに対応した形となって予算措置されております。例えば近年の平成12年度であれば、国土地理院、それから気象庁の有珠山、三宅島関連の予備費が含まれていますし、平成13年度であれば、国土地理院の電子国土位置情報基盤の整備の額が入っているということになります。20年度も電子基準点の更新、それから気象庁のひずみ観測施設の整備などが含まれていまして、21年度であれば、やはり国土地理院の電子基準点の強化、それから気象庁の火山観測体制の強化ということで額が出ているというところです。それから、平成23年の補正については、東北地方太平洋沖地震の際に発生した関連した観測施設の復旧や強化ということで、観測強化の予算額が含まれています。
 地震と火山の別にしておりますけど、地震の方の予算は多いのですが、火山の方は非常に少ないということが分かります。大体、平均すると5対1ぐらいになっております。
 それから3ページ目、独立行政法人のところですけども、当初予算の推移としては、すべての機関の総額、1ページ目のところとほとんど同じような傾向ですが、平成24年度については突出して増額しています。これはインライン関係の予算が計上されていますので、その辺が非常に高額になっている理由かと思います。その注釈にも書いてありますが、平成13年度に防災科学技術研究所、産業技術総合研究所が独立行政法人化、あと海洋研究開発機構は16年度から、海底地震総合観測システムの運用をしているといった内容になっています。
 あとは一番下のグラフ、外部資金、内部資金というふうに分けさせていただいておりますけれども、近年、18年以降、外部資金の割合というのが増加しているといったところでございます。
 それから4ページ目。これは国立大学法人のくくりで集計しておりますが、先ほど申し上げているとおり、平成21年度から地震と火山の計画が一緒になっておりますので、分離はできていないということと、その年度から立命館大学と東海大学が参加しているということで、若干、集計額が増加しております。平成23年度も東北地方太平洋沖地震に関連して増額されておりますが、項目別のところを見ますと、内部資金としてはほぼ横ばい、むしろ微減となっています。
 平成14年度以降、外部資金の占める割合というのは徐々に増えてきております。その細目別のところを見ますと、平成14年度以降、増加した外部資金というのが、委託費にあたるというようなことが読み取れます。
 それぞれの細目別のところを個々にグラフとして抜き出したのが5ページ目、それから6ページ目になっております。なるべく見やすいように、縦軸のところも大体スケールを合わせて、一番下の委託費のところだけ少し額が違いますけれども、特別教育研究費、いわゆるこの計画に基づくものですけど、およそ4億程度で推移してきています。
 施設関連費は、平成15年度以降、徐々に減ってきているといったところです。
 委託費については、平成14年度から急増してきているといったところが読み取れますが、平成23年度については、東北地方太平洋沖地震によるものになります。
 それから、大学が法人化された平成16年度から、総長等裁量費という項目が急増しておりますが、それについても年々徐々に減ってきていると。その次の教員1人当たりの経費の総額についても、集計した限りではございますが、どんどん減ってきている状況でございます。
 予算については以上になります。
 続いて人員の方になります。研究者数については、7ページ目、まず全体のところですが、平成16年度までは徐々に増加しています。16年度以降は海洋研究開発機構が、21年度以降は、立命館、東海大が参加しているため、各々増加しています。しかしながら年齢別にみますと、30代、それから40代というのは増加してきているところですが、20代が少し減ってきているということが読み取れるかと思います。
 それから真ん中のグラフ、女性研究者の占める割合ですが、全体的に圧倒的に少ない状態は変わりませんが、例えば平成7年であれば大体8%ぐらいでしたが、平成24年には11%ぐらいに、ほとんど変わっていないといえば変わっていないところですが、増加傾向にはあるといったところです。
 先ほども申し上げましたが、平成16年度から海洋研究開発機構が参加されておりますが、それを除けば、一番下の機関別のグラフについては、それほど割合に大きな変化はないといったところでございます。
 次、8ページ目ですが、まず政府機関についてですが、平成10年度に国土地理院では研究職を設置した関係で急増した形になっています。これは一番下のグラフを見ていただいてもお分かりになるかと思います。また、海上保安庁が平成19年度から研究職を設置しておりますので、これについてもカウントしております。気象庁は平成7年度以降からカウントされていますが、その数はだんだん減ってきている状況で、ピーク時が30人でしたが最近は26人となっています。
 上のほうに戻りますが、年齢層別では、40代は平成16年度まで増加傾向だけども、その後は減ってきています。30代についても減っている傾向、20代は圧倒的に少ないというところがございます。ちなみに平成13年度に再任用制度が開始されたということで、60歳以上が多くカウントされています。
 次に、9ページの独立行政法人ですけれども、何回も繰り返していますが、平成16年度以降は海洋研究開発機構が参加しております。近年、40歳代の研究者が増えてきているのかなといったところが読めます。女性研究者については、やはり増加傾向にあります。平成7年度のときは4%でしたが、平成22年度には9%、24年度には12%まで上がってきているといったところです。
 あと、職種別というところですが、平成19年度に調査を開始しておりますが、パーマネントの職員がやはり減ってきているということが分かります。総数としてはそれほど変わっていないことを考えますと、任期つき職員の割合が増えてきているということ推察できます。
 次、10ページ目、国立大学法人になりますけれども、各年代における比率というのは、60歳代が若干、近年になって増えてきているところはございますが、あまり変化はありません。ただ、20代についてはやはり減少気味でして、若い世代が少ないという点は、ここからも読み取れます。
 男女別ですけれども、これについては、基本的には増加傾向ですけれども、平成22年度に14%程度でしたが、平成24年は11%ぐらいと、割合としては若干減っているような状況です。
 職種別としては、パーマネントは、ほぼ横ばいで約200人弱程度ぐらいです。任期つき研究者等は平成22年度をピークにその後、急減しているというような状況です。大学院生の数については、やはり減ってきているなというところが読み取れます。
 最後になりますが、11ページ目、技術職員の数ですけども、基本的には減っている傾向にございます。30歳代は増加しておりますが、40歳代は平成13年ごろまでに激減、50歳代は近年激減、60歳代は平成18年度以降、激増という格好で、年を追うごとに高齢化しているということがよく分かります。ただ30代も増えてきてはいるというところも、集計結果からは読み取れます。また、技術職員の女性職員については横ばい程度となっています。
 以上、簡単ではございますが、集計結果の概要でございます。
【清水主査】  どうもありがとうございました。年次基礎データについて、資料の説明を今、事務局から頂きましたが、御意見あるいは質問、あるいは明らかな間違い等、お気づきの点がありましたらお願いします。感想でも構いませんが、まず、事務局から、この年次基礎データのタイトルについて、小泉委員かな、から何か御意見を事前に頂いているということでしたが。
【安藤地震火山専門官】  もう一度、繰り返しますけれども、基本的には、「予知のための」ということで、要するにこの計画に基づいた予算の集計が前提で始まっている調査ではありますが、地震調査研究推進本部で、毎年予算が公表されています。政府機関はその公表値で良いですが、独立行政法人についてはその時点で、運営費の交付金の内数というような格好で計上させていただいたりしています。
 それで、事務局からも各機関の御担当に対して、地震と火山の内訳まで分かるのであればということで依頼させていただいておりますが、なかなか現実問題として厳しい状況であると伺っています。従いまして、地震についてのみですが、政府機関については地震本部の額を使用して調査集計しているということになります。一方、独立行政法人については、額が公表されているところについては、地震本部公表の額を使用した方が整合性も含めて、いいでしょうというところでございます。ただ、運営費交付金の内数となっている機関については、御相談の結果、集計可能という機関については、その集計値を使用させていただいています。ただ、これは実は整合性といいますか、各機関について同じ条件ではないので、この集計結果の解釈についても非常に悩ましいところでありますが、例えば、ある機関の予算がどういうふうに推移したかとかいうことが調査の目的ではなくて、近年、地震や火山研究者の数が減っているとか、それを最低限、政府あるいは独法あるいは大学で分けたときに、全体の傾向としてどんな感じなのかというところを把握するために、この調査が始まった経緯がございますので、あまりその部分について厳密にとは考えていないところです。
 ですから、タイトルとしては「予知ための観測研究計画の年次基礎データ」とするのが正確な表現かもしれませんが、実際には地震本部公表の額を使用したという経緯もありますし、かつ近年そのような機関が多く、そういう数値も活用した集計になりつつありますので、「地震及び火山観測研究における年次基礎データ」というタイトルに、とりあえず案として変更させていただいたというところです。この点については、御検討頂ければと思います。
 例えば、各グラフ下にある注釈についても、このような経緯も含め、もう少し丁寧に書いた方がよいということであれば修正したいと考えています。結局、資料としてはこの結果自体がひとり歩きする可能性もありますので、事務局としてもその点は考えていますが、各機関の御担当者には、大変お時間ない中、御協力いただきましたので、とりあえずその集計結果について本日の委員会で案として提出させていただいたというところでございます。
【清水主査】  今、事務局の方から、この年次基礎データのタイトルを、昨年度から変更した、「予知のための」という表現を抜いたことについての補足説明がございましたけども、要するに、いわゆる推本関係の予算との切り分けが現実には難しい状況であると。特に近年、予算に占める委託費、つまり、外部資金の割合が多くて、特にこれが推本関係の予算等が大きいということもあって、それが今ここでは全部、計上されていますので、「予知」というのを抜いて、「地震火山観測研究における」というようなことにしているということですが、もう少し注釈で細かく書く必要があるかもしれないという話もございましたけども、ここも含めて、小泉委員、いかがでしょうか。
【小泉専門委員】  いろいろと難しいということは理解しております。切り分けできるところとできないところがありますけれども、やはりこれは建議のための基礎資料であったということですから、私、先ほど安藤地震火山専門官に提案しましたが、やっぱり注釈は誰も読まないので、誰もという言い方は言い過ぎかもしれませんけれども、多くの人が読まないので、1ページ目のところに、だから地震予知関連予算は多いと言われたり少ないと言われたりして、いろいろと大変ですけれども、ここのところに、米印のところに「地震及び火山噴火予知のための観測研究計画の実施機関における」ということが書いてありますので、これをできれば入れていただきたいなというのが私の提案です。
 つまりタイトルのところは、長くなりますけれど「地震及び火山噴火予知のための観測研究計画の実施機関における」というのをもし入れていただければありがたいと思っていますが、事務局が難しいというのもよく分かります。人数、予算が多いといって批判されることもあるし、少ないと批判されることもあるので、難しいとは思いますが、やっぱり意図は分かりますが、機関の長は自分のところしか見ませんので、その結果、何で自分のところはこんなに少ないのだとか、あるいは何でこんなに多いのだとかということを、聞かれる訳です。それはつまり「地震」と書いてあるので、地震の研究者がうちにはもっといるはずなのに、何でこんなに少ないのだと言われるわけです。とりあえず、予知に関係した部分とそうでない部分で分けましたという説明をして、一応、納得はしてもらう訳ですが。
 できれば建議のということが分かるようなことがやっぱりタイトルのどこかにあった方がありがたいですが、ここの中で皆さん議論していただいて、多数の結果に私は従いたいと思います。
【清水主査】  はい。小泉委員から更に追加というか、補足意見がございましたが、いかがでしょうか。
 確かにこれは難しいですね。これを集計したのは、機関は確かに予知計画に関係するその実施機関についてもアンケートしたわけですから、そういうものがタイトルに反映している方が分かりやすいというのは事実だと思います。あと実際に今、これはお金と人を集計しているわけですが、お金については、厳密には予知計画ではないもののお金も大分、入っています。特に近年、それが多いですよね。ですけども、人に関しては確かに、例えば大学というか我々のところもそうですが、人に関しては、やはり観測センターの人間を計上していて、教室の人は入っていない。でも今は予知計画の経費は課題に参加して貰っているので教室の人にも行っているのが実情であると。だからお金と人と、実はこの集計の基準が違うということです。だから広く捉えた場合、人員の集計についても教室の人までみんな入ってしまうので難しいですね。
【小泉専門委員】  すると中には絶対、嫌だと言う人も出てくるでしょう。「おれは予知はやっていない」と言う人が必ずいると思うので。
【清水主査】  なので、確かにこれはなかなか難しいところがありますが、どのようにしましょうか。注釈を明記するという手もありますが、注釈は読まないという御意見もあって、何らかの形でタイトルに予知計画の関係機関に関する調査だということが分かるようにした方が良いという御意見もあります。いかがでしょうか。
【平田委員】  難しいけど、今の話で理解できたのは、だから予算は両方書いてあって、人は分けて集計されていますよね。
【小泉専門委員】  いや、うちは予算も分けました。それは私の判断で分けましたけど。
【平田委員】  ああ、予算も分けている。
【小泉専門委員】  私は分けました。
【平田委員】  だけどこの総額とかというのは、地震本部の予算そのものでしょう。
【小泉専門委員】  うちは内数でしか出していないので。
【平田委員】  それで積算したのですか。
【安藤地震火山専門官】  ですから、総額のところは地震本部の額ということではなくて、飽くまで1-2、1-3、1-4の足し算になります。そのうち、1-2の例えば地震の部分については、地震本部公表の額と整合をとらせていただいているということです。
【平田委員】  1-2には独立行政法人は入っていないということですか。
【安藤地震火山専門官】  独立行政法人は入っていません。
【平田委員】  だから1-3は……。
【安藤地震火山専門官】  1-3については、地震本部公表の額では、例えば防災科学技術研究所は数字を出されている。ただし、海洋研究開発機構と産業技術総合研究所は、運営費の交付金の内数で公表されています。このあたりの経緯は、地震本部の方でいろいろあるのですけれども、そういう格好になっています。なので数字が出てきているものについては、その値をそのままとりあえず使用して集計整理しているということです。
 それで、先ほど言いましたように、1-1については、それら1-2と1-3と1-4の足し算ということ。もっと言うと、大学も、この予知のための観測研究というところだけで行くのであれば、例えば特別運営費交付金、特別教育研究費となっていますが、そこだけになってしまったりするので、そうではなくて、例えば施設関連費は減っていますよとか、要は2年前のときに、かなりそこら辺、どういうふうに集計するかというのは議論されていますが、そこをなるべく踏襲するように、ただ括弧の部分について、もし間違いがあったのであれば修正をするということで、おおよその傾向はつかめるかなという結果にしています。
 この後、もう少し議論していただければと思いますが、果たして毎年やる必要があるのかという点についても、事務局としては御相談差し上げたいところでございます。例えば2年に1回とか3年に1回。ただそうすると、3年前のこと調べるのは大変という御意見もあるので、その辺の集計方法も含めて御検討いただければというところがあります。
【清水主査】  やり方のこともあるので、その前に、今どういうものを計上しているかということで、どうも機関によって違うということが分かったわけですね。だから政府機関はうまく集計できているけれども、独立行政法人が計上している内数は、それぞれの考えで、どこまで含めて計上しているかというのは、必ずしも完全に統一はとれていないということですね。
【平田委員】  だから今、聞いたところによると、独立行政法人だけでしょう。政府機関については予知と予知以外に区別できるわけないんだから、全部入っていますよね。それから大学も、この方針が全部入っているわけですね。ひとりあたりの経費まで含まれているのだから。ただ人が予知系とそうじゃないのは分けているけれども、でも例えば地震系など全部入っている。地震系のセンターかな。部門も入っている。だから地震系は丸ごと全部ですよ。さらに科研費も含まれているのだから、全部計上されている。
 だから今の話を聞くと、産業総合技術研究所と、海洋研究開発機構だけ注釈を付けて、予知関連経費だけを計上したと書けばすっきりすると思います。
 まず分かりやすいということとは別に、はっきり分かることが必須だから、例えばメディアの人が見たときに、この集計は一体、何かといったときに、これは基本的に正にこのタイトルのとおりの地震火山関連予算であると。ただし独立行政法人の産業技術総合研究所と海洋研究開発機構については予知関連経費だけを計上してあると書くのが、少なくともこのレベルでは明確だと思います。
【清水主査】  小泉委員、いかがですか。
【小泉専門委員】  それで結構だと思いますけれども。ただ人員については、大学は区別されているということですが、それはよろしいのですか。
【清水主査】  大学も厳密に統一がとれているわけではない……。
【森田科学官】  これは実は2年前に調査するときに、当時の高木地震火山専門官と、どうすればいいのかという議論を随分しました。そのときも三、四年間のブランクがあったのですが、基本方針として、どう年次的に推移したのかが分かるように、その前の調査と同じ基準でやりましょうということにしました。つまりこのコミュニティーの研究者が増えているのか減っているのか、予算が増えているのか減っているのか。増えているところは、どこが増えていてどこが減っているのかということを見るための資料としましょうということにしました。それ以降、今回の調査も多分、それを参考として、そのときの基準を使って調査したと思います。
【清水主査】  結果的にはその機関によって基準が違うということですかね。
【森田科学官】  ええ。機関によって多分、違うと思います。それは何かというと、例えば2年前に調査したときに、急に飛びがある調査結果となった場合に、これではやはり全体の傾向が見えないであろうと。例えば東北大学は、教室とセンターを分けて、予算の区別も明確だから、その集計方法でやってきた。なので、今回もその集計方法を踏襲していただきましょうと。例えば東京大学地震研究所は、地震研究所全部の予算を積算していましたと。だからその集計方法で踏襲してやりました。それがやはり推移を見るには一番いいだろうということにしました。
【平田委員】  公募課題に参加している人は入っていますか。
【森田科学官】  予知公募課題に参加している人は入っていません。ただし予算は特別経費ですから、入っています。
【清水主査】  地震研は部門の教員は入っているということですね。
【森田科学官】  入っています。
【平田委員】  だからそれは実態が、今のやり方は、エフォート率が100%で内研究をやっている人以外に、エフォート率が30%ぐらいの人にもいろいろな研究資源を配分してやってもらうというのが全体の方針だから、少しでも関係している人の数は増えていると。だけど100%それに従事している人の数はもしかすると減っているかもしれないけども、それはある意味、戦略なので、実質的にケース・バイ・ケースで、少しずつ増えているという統計になってもいいし、それは構わない。だからその機関によってその考え方があるので、見かけの不連続が出ないように統計しているということです。だけど、ざっくりいったときに、非常に大きな塊として予知研究以外を入れている研究と、それ以外は分けている統計は区別するという程度で構わないのではないかと思いますけれども。
【清水主査】  ありがとうございました。ということで、いろいろ厳密には、細かいことを言うと、必ずしも統一はとれていないのですが、基本的には前回の調査からつながるというか、継続性を考えた形で統計をとっているということです。
 それで、もう一度戻りますが、そうすると一応タイトルとしてはこのままにする、つまり「予知のための」という形にはしない、あるいは「予知の機関」とはしないで、このタイトルですが、中で、あんまり注釈は見ないという意見もございましたが、そこで少し細かくコメントを付けていくという形でよろしいでしょうか。小泉委員、それでもいいですか。
【小泉専門委員】  結構です。
【清水主査】  ほかにこれに関して、あるいはそれ以外のところでも結構ですが、御意見。
【市原専門委員】  総数でもこれだけもめるので、かなり大変だとは分かって発言していますが、多少の分野別の人数というのが必要かなと思います。
 というのは、いろんな見直しとか、次の建議のときの人材育成のところで、地質関係の人の人材不足とか、火山が少ないとか、アウトリーチをする人が少ないとか、そういう幾つか人材不足の深刻さが指摘されているような分野について今後、伸ばしていこうという意思表明をしているわけですので、それが今後、見える形になるような基礎データというのはとれないものでしょうか。
【清水主査】  事務局、いかがですか。
【安藤地震火山専門官】  分野別の集計。
【清水主査】  例えば地質とか。
【安藤地震火山専門官】  そうすると、それは大学法人だけでよろしいのでしょうか。例えば産業技術総合研究所も入れますか。
【小泉専門委員】  またもめる種になると思います。例えば、産業技術総合研究所は活断層研究分野の人間は集計に一切入れていません。なので、その調査をやった途端に、どうしてうちの地質の人数はこんなに少ないのだという話になりかねないと思います。
【森田科学官】  市原委員の御指摘はもっともだと思いますが、ある意味では、この研究計画を通じて、例えば人なり予算なりがどう増えてきたとか、そういった推移を見るための資料として割り切らないと、これを細かく言えば言うほど大変な資料を作らなきゃいけなくなる。
 飽くまでも今のこの委員会で、今この分野がどうなっているかということを皆さん考えて、今後、どう研究計画を進めるべきかということを、考えるべき素材として活用する。そう意味では、分野別とは言いますけども、先ほど言ったように地震と火山においても、この前の数字を挙げるときも、私は地震のエフォート率が60%で、火山が40%、そうしたら0.4人と0.6人と数えるのか、そういったふうに非常にまた煩雑な話になってきて、統計をとるだけで、相当な労力かかるだろうと思います。
 もし、逆に言うと、分野別の人員が本当に次のときに必要であれば、それはまたこういったルーチンでやる調査とはまた別に、別途調査するように例えばこの委員会で決めて、委員の方々が責任を持ってその数字を集めるというようなことでもしない限り、私はできないのではないかと思います。
【松澤主査代理】  おっしゃるとおりで、例えば東北大の場合ですと、地質関係の方々に御協力は頂いていますけれども、人数の中にカウントはしていません。ただし地質関係の協力が必要だということは確かに事実なので、例えばこういうルーチンではなくて、1回アンケートとして、地質関係とはどういう協力体制ができていますかとか、アウトリーチはどうされていますかとか、そういうアンケートをとって、文章の形でそれぞれの事情を説明していただいて、それを集約するということはありかなという気がしますけど、いかがでしょうか。
【清水主査】  今、松澤委員から、建設的な意見がありましたが、我々のところも似たような事情があって、地質関係は人数にはカウントしていません。ただし、実際には結構、協力してやりつつありますね。だからそういう意味では、以前に比べれば確実に地質関係との協力は増えています。
 それで、どこまで協力したら人数に入れるのかという問題もあるので、だから多分、この予知課題で地質関係の課題がどのくらい増えているかということも含めて、別途また別の何か集計をするという形で、この年次基礎データには、今すぐ含めるのは難しいという御意見が多いようなので、その辺を少し検討するということでよろしいでしょうか。
 ほかにご意見ございますか。
【齋藤専門委員】  質問というか、間違い、2ページ目の一番上の米印、「地震関連予算内部資金分は」とここに書いてありますが、このグラフには内部資金とかその区別が何も書いていない。間違いではないですか。
【森田科学官】  間違いです。表現を正しくします。
【齋藤専門委員】  あと、例えばそういう意味でいけば、独立行政法人のところには、例えば防災科研、海洋研究開発機構、産総研と書いてありますが...。ああ、そうか、独立行政法人は機関別がないから書いてあって、政府機関は下に三つ分けて書いてあるからということですね。とすると要するに地震調査研究推進本部が公表している額の取りまとめだと思いますが、文部科学省の予算、つまり内局予算というのもあったかと思いますが...。
【安藤地震火山専門官】  それについては、独立行政法人の外部資金、大学法人の委託費のところで集計しております。それで、本当に全額集計できているかというのは、予算総額のところを見ていただければ分かりますが、大体はできているというところになります。ここで、大体はと断った点が、実は先ほどから御議論いただいているところでして、要するに、傾向としては把握できているかなといったところです。
【齋藤専門委員】  了解です。
【清水主査】  ほかにお気づきの点ありましたら、お願いします。
 それでは、もしお気づきの点ありましたら、この後、メール等で事務局の方まで御連絡いただければ、ケアレスミス含め修正が可能だと思います。
 ほかに御意見なければ、本日配布した資料3を本年度の年次基礎データとさせていただきたいと思います。どうもありがとうございます。

[議事4 その他について]

【清水主査】  それでは、次の議題について事務局の方からお願いします。
【安藤地震火山専門官】  その他としまして、次期研究計画の検討について、本日、特に議題にはございませんが、状況についてお知らせしておきます。
 次期研究計画の検討についてですけれども、10月26日の測地学分科会で、レビュー報告書、それから外部評価報告書を踏まえて、平成26年度からの5か年計画について策定することを審議しまして、方針を決定しております。
 それを受けまして、11月12日の地震火山部会で、方針を踏まえた基本的な考え方を審議して、計画の骨子や草案の策定、それから取りまとめのために、地震火山部会の下に次期研究計画検討委員会の設置を決定しております。
 これを受けて、地震火山部会長の指名により今、委員を選定し、現在、手続中です。委員委嘱という事務手続をしているところです。それができ次第、1回目を開くといったところでございます。
 例年と比べ若干、遅れぎみのところはございますけれども、実は検討という意味では、本日の議題1でも触れましたけれども、見直し計画、3.11を受けた後のところからずっと検討はしているところでございますので、そこを全然、無視して、新たにゼロからやるということではなくて、そこも踏まえた格好で議論は今後していくという状況になっております。スケジュールについては、その委員委嘱の関係もありまして、ここでは申し上げられませんが、そういった状況ですので御報告させていただきます。
 それから、次回の委員会についてですが、1月末で第6期が終了します。6期中にもう一回開くかどうかも含めて、またメール等で追って御連絡を差し上げます。
【清水主査】  どうもありがとうございました。今、その他について、次期計画の検討についても今の進捗状況について説明がありましたけれども、特に質問というか、何か確認を今しておきたいことはございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 もしなければ、これで本日の委員会を終了させていただきます。

―― 了 ――

お問合せ先

研究開発局地震・防災研究課

(研究開発局地震・防災研究課)