地震火山部会 観測研究計画推進委員会(第13回) 議事録

1.日時

平成24年5月29日(金曜日)10時~11時50分

2.場所

文化庁第2会議室

3.出席者

委員

(委員)平田、藤井
(臨時委員)清水、松澤、望月
(専門委員)市原、小泉、齋藤、鷺谷、棚田、西澤、畑中、三浦、宮澤

文部科学省

(事務局)寺田地震・防災研究課長、吉田地震調査管理官、鈴木防災科学技術推進室長、迫田地震・防災研究課長補佐、森田科学官、吉本学術調査官、安藤地震火山専門官、他関係官

オブザーバー

尾鼻

4.議事録

[議事1「地震及び火山噴火予知のための観測研究計画」の平成23年度年次報告について]

【安藤地震火山専門官】  個別課題について実施機関ごとに取りまとめた報告について資料1-1として配付させていただきました。

 当初、WEBでの報告を御依頼した際に、事務局からの指示が不十分だったためご迷惑をお掛けしたことについておわび申し上げます。

 また、例年はこの報告書に基づき、各実施機関の代表から、平成23年度の主な成果をご報告いただいていましたが、本年は全体のスケジュールが遅れ気味であるため、主査と相談の上、資料1-1をもって報告に代えさせていただきます。なお、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震に関する緊急研究についても、今回一部ご報告をいただいておりますので、平成23年度機関別報告と併せて追加させていただいております。 製本時には各機関の最終ページに追加させていただきます。

 それから、機関別の報告を基に「成果の概要」を別途取りまとめております。ポイントは、できる限り写真やイラストを使って、なるべく平易でわかりやすいように取りまとめています。この報告書については、本来であれば本委員会で作業を行いますが、例年、本委員会から2名程度選出いただき、予知研究協議会企画部と事務局を加えた数名で成果の概要の取りまとめ作業を行っております。この作成方針としまして、例年にならって資料1-2に案として用意させていただきました。これは案のため、具体的な作業方針については、本日の委員会でご承認いただければと思います。

【清水主査】  ありがとうございました。今、事務局から2点説明をいただきました。資料1-1については例年よりかなり分厚いようですが...。

【安藤地震火山専門官】  実は、年々分厚くなっております。原因は、報告内容が多くなったということではなく、図やイラストなどがカラーを使ってかなりきれいに取りまとめられているためと感じております。

【清水主査】  今後のとりまとめについて、また別途考えなければいけませんね。

【安藤地震火山専門官】  そうですね。あと追加で申し訳ございませんが、会議資料や、ホームページに提出する場合は、各課題の代表者のメールアドレスなどの個人情報は非公開とするお約束をしております。冊子の場合は配布先が限定されておりますので、この限りではないのですが、今回の資料1-1については、個人情報も掲載された形、つまり冊子のバージョンで用意させていただいております。この点についてご了解いただければと思います。

【清水主査】  確認ですが、そうすると会議資料としてホームページに掲載する場合は、該当部分を削除した形で掲載するのですね。

【安藤地震火山専門官】  はい。具体的に言いますと、各課題番号の(12)については削除した形で掲載させていただきます。

【清水主査】  冊子にするときはどうなりますか。

【安藤地震火山専門官】  製本する場合は、個人情報についても掲載させていただきます。

【清水主査】  わかりました。ただいま事務局から説明のあった3点についていかがでしょうか。

【小泉専門委員】  よろしいかと思います。むしろ成果の概要のとりまとめのほうがかえって作業が大変だと思いますので。

【平田委員】  今回、新しく委員に就任された方もいるので、私から簡単に経緯について説明させていただきます。地震の場合ですが、大昔には「機関別」と「課題別」の2つを作成していました。これは全く同じ報告内容を項目別に並び替えただけだったので、次に予知協議会が中心にとりまとめていた時代に、機関別にとりまとめた報告書と課題別にまとめた報告書を作成することになり、現在まで続いているわけです。つまり、機関別については、個別課題代表者の責任でまとめたもの、課題別については、委員会の責任でまとめたものということです。

 しかしながら、実際に委員会で作業を始めてしまうと、ものすごく労力がかかり、結果的に年々分厚い報告書になってしまいます。

 だから、今後は、例えば機関別については、報告書の実体は各代表者の責任において公表する、あるいは、報告書のページ制限をする、などやり方を少し工夫する必要があると思います。 一方で、我々のコミュニティーは現在、非常に厳しく世間から注目されています。このため、こういったエビデンスがあるのは非常に重要ですが、今後は、そのエッセンスについて議論する時間に多くを割いた方がいいと思いますのでここで提案します。

 これらの報告書は、各課題の検討をして、成果の概要としてまとめることで、結果的に1年間何をやったかということをきっちり評価するために行っている作業ということです。

【清水主査】  ありがとうございました。今、平田地震火山部会長から、これまでの経緯と本報告書の趣旨について説明いただきました。今後の方針については、また少し皆様から御意見を伺いたいと思いますが、とりあえず平成23年度の年次報告(機関別)については、ご了承いただけますでしょうか。

【宮澤専門委員】  1点だけよろしいでしょうか。こちらの9100番台の941ページの一番下の図のキャプションについて文章が途中で切れています。おそらくこちらはワードファイルで収集されたと思いますが。

【安藤地震火山専門官】  申し訳ございません。修正させていただきます。

【清水主査】  ほかにどなたか御意見ございますでしょうか。よろしければ、機関別につきましては、ここで了承いただいたということにさせていただきたいと思います。ちなみに、これ1冊にとりまとめて冊子にするのですか。

【安藤地震火山専門官】  それについても、今、御提案がありましたので、例えばWEB方式にするなど公表の方法については考えさせてください。

【平田委員】  WEBは賛成です。

【清水主査】  わかりました。どうもありがとうございました。

 次に、「成果の概要」のとりまとめ方法についてですが、今お認めいただいた機関別の報告書を基にして、一般の方でも御理解頂けるようにコンパクトにわかりやすく記述するものです。その作業方針について、先ほど事務局から資料1-2に基づいて説明をいただきました。

【安藤地震火山専門官】  はい。とりあえずたたき台ということで案を提出させていただいております。

【清水主査】  昨年度と同じ方針で、平成23年度分につきましても成果の概要を作成するということでよろしいでしょうか。

【安藤地震火山専門官】  資料1-2に書かれていないことで、1点追加させていただきます。平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震についても、例えば、特出しで成果の概要をとりまとめるかなどについても御議論いただければと思います。

【平田委員】  東北地方太平洋沖地震については3月に発生したので、平成22年度のイベントです。

【森田科学官】  それでもやはりこの1年で、この地震について理解が深まったところは非常に多く、昨年度はまだ成果が出ている途中であっても、非常に強い責任感で、報告書としてまとめたということです。つまり、昨年度はわかっている範囲で書いたという立場なので、今年はやはり、昨年度末までに判明した範囲で、東北地方太平洋沖地震は項目を立てて書くべきではないかと事務局としては考えています。

【清水主査】  ありがとうございました。今、科学官からそういう御意見がありましたが、東北地方太平洋沖地震については、成果の概要においても特出しで項を設けて記述するという方向でよろしいでしょうか。

(異議なし)

【清水主査】  ありがとうございます。

【小泉専門委員】  それでいいと思いますが、今の事務局の方針は、機関別報告書の9100番台の成果だけ特出しするということでしょうか。

【松澤主査代理】  機関別のお話をされているのか、成果の概要のお話をされているのか。

【安藤地震火山専門官】  今、御議論いただいたのは「成果の概要」です。

【清水主査】  御提出頂いた9000番台だけに限らないということですね。

【小泉専門委員】  それであれば、全然問題ないと思います。成果の概要の作業方針から考えても、それでよろしいと思います。

【松澤主査代理】  機関別の報告書は、機関別と言いながら特出しになっているけど、これでいいのかという御質問かと思ったのです。

【安藤地震火山専門官】  ごめんさい。本日の資料1-1としては機関別の報告書でありながら、特出しになっていますが、最終的には各機関別に整理します。

【松澤主査代理】  わかりました。

【森田科学官】  課題番号について、今は全部9100ですが、通し番号を付加することを、本委員会で了承いただければと思います。今年度も東北地方太平洋沖地震に関する研究が始まる可能性があるため、その方が整理がしやすいと思います。

【松澤主査代理】  それは見直し計画の問題があるために、実際には動けないということではないでしょうか。

【森田科学官】  基本的に、見直し計画の建議いかんによらず、東北地方太平洋沖地震に関する研究は進めるべきものであろうというのがこのコミュニティーの合意ではないかと考えています。

【松澤主査代理】  そうであるならば、本当はこの委員会で新たにナンバリングをふってしまえばよいのではないでしょうか。

【森田科学官】  そのとおりです。

【松澤主査代理】  ただ、東北地方太平洋沖地震に関する緊急研究の継続は今回提出いただいた4課題だけではないはずです。なので、本日、この委員会では決断できないのではないでしょうか。

【森田科学官】  昨年度行った緊急研究に関しては、例えば最初から委員会で各研究について承認プロセスを経ていません。とにかく自主的に始めてしまって、昨年度の成果を集めるときに、これらの緊急研究についても取り込むのが適切であろうということになったので、ある意味では、9100番で統一してもいいだろうということです。つまり、当時はこれが続くものという意識はあまりなくて、今年度から新たに始めるという意識だったので、むしろ、各機関の最後に追加して個別課題を増やしていけばよいということです。

【松澤主査代理】  だから、これは1年限りであって……。

【森田科学官】  その通り。これは1年限りですから、基本的に9101から9104に……。

【松澤主査代理】  過去に、たしか中越地震のときに1年限りの課題番号が振られてやったことがあったと思いました。それとは別に今動こうとしている新たな課題に関しては、要するにナンバリングするということですね。

【平田委員】  本日は、原則さえ決めれば、具体的な番号は後からでもいいのではないでしょうか。

【森田科学官】  そうですね。主査預かりか何かにしていただいて、方針さえ決まればそれでいいと思います。

【松澤主査代理】  あとはメール審議で。

【清水主査】  よろしいですか。皆さん、今のこと、御理解できたでしょうか。とりあえず、今、資料1-1の追加にある弘前大学以下9100番台、4つありますが、これについては、とりあえず機械的に9101から9104まで割り振って、これはこの年限り。また今年度については、新たに課題番号を振り直すということですね。それについては主査預かりということでよろしいですか。

(異議なし)

【清水主査】  わかりました。 それでは、成果の概要の作業方針についてはいかがでしょうか。

【三浦専門委員】  先ほども事務局から提案がありましたが、特出しにする主なイベントについての選択は、この委員会で了承を得なくていいのでしょうか。

【清水主査】  東北地方太平洋沖地震以外にもありますか。

【三浦専門委員】  例えば、火山は取り上げなくてよろしいでしょうか。

【平田委員】  だから、原則として、重要な地震と火山についてのイベントは入れるということは、本日、了承できると思います。それで、何を特出しするかについては、地震の場合には東北地方太平洋沖地震は当然ですが、例えば、それに誘発されたイベントはどうするかなど、細かい点は、別途決める必要があります。

【三浦専門委員】  例えば4月7日のいわきの地震とか。

【小泉専門委員】  いわきの地震でしょうね。

【三浦専門委員】  宮城沖のスラブ内地震とか。

【平田委員】  でも、これらは東北地方太平洋沖地震の一連のイベントとしてよいのではないでしょうか。例えば、3月11日以降の地殻活動全般という感じで自然に書いたほうがいいのではないでしょうか。むしろ火山の選択が難しい。【小泉専門委員】  僕もそう思います。例えば富士山。

【清水主査】  富士山は、地震はあったけど、別に表面現象があったわけでないので、表面現象という意味では桜島なのではないでしょうか。

【藤井委員】  桜島と新燃岳。

【清水主査】  桜島と新燃岳ですかね。これらについても、とりまとめ委員でたたき台を作っていただいてという段取りになるかと思いますが、地震については、東北地方太平洋沖地震について、あるいはそれに伴う一連のものについて、どちらがよいかについてはたたき台をつくる時に考えていただきたいとおもいます。また、火山については、基本的には桜島と新燃岳ということでよろしいでしょうか。

(異議なし)

【清水主査】  ありがとうございます。それでは、成果の概要の取りまとめ方針は御了承いただいたということでよろしくお願いいたします。

 次に、今度は成果の概要のとりまとめ委員の人選ですが、これまで本計画は大学主体で取り組んできたということもありまして、このとりまとめ委員については、大学から選出してきたということであります。今回もできれば大学から選出をしたいと思っていますが、人数的には2人ないし3人程度ということで、昨年は予知研究協議会企画部から、昨年は森田科学官と三浦専門委員にお願いをしました。平成23年度の成果の概要については、どなたか立候補はございますでしょうか。もしいらっしゃらなければ推薦をお願いします。

【松澤主査代理】  例年、企画部長には参加をお願いしておりますので、三浦専門委員には是非お願いしたいと思います。

【平田委員】  賛成します。

【清水主査】  三浦専門委員、大変と思いますがよろしくお願いします。

 例年にならってもう一、二名お願いしたいのですが、地震と火山の分野がありますので、できればバランスをとって、さらに、大学からとなりますと、市原専門委員がいらっしゃいますが、いかがでしょうか。

【市原専門委員】  火山についても企画部から選出されてはいかがですか。

【平田委員】  取りまとめ委員は観測研究計画推進委員会から選出しなければいけないのです。

【清水主査】  すみません。改めていきさつを申し上げますと、本来、取りまとめ作業はこの委員会の案件ですが、なかなか委員全員が集まって作業するのは機動的でないことから、とりあえずのたたき台をつくっていただくという仕事を、この委員の中から大学関係の方でお願いをしているということです。さらに、できれば在京の方が都合がよいということで、例年お願いしていた経緯があります。市原専門委員、いかがでしょうか。

【市原専門委員】  去年は森田科学官が火山をまとめたということですが、本来であれば、普通の研究プロジェクトのように、企画をした人がその成果をまとめるというのが本来のあり方で、私のように、今回初めてかかわり始めた者が他の方の成果を読んでそれをまとめるというのは何となく変な気がします。

 ただ、東京近郊の大学で火山を専攻している人が他にいないということであれば、多少のお手伝いはできるかと思いますが、火山のほうはそれなりに大分事情がわかってはきているのですが、地震については全くお手上げ状態なので、三浦専門委員が地震については責任を持ってやってくださり、私は火山だけでよいというのであれば、そこの部分はお手伝いしたいと思います。例えば、地震火山一緒になっているところや、地震のところについては、もし三浦専門委員だけで無理のようであれば、更に取りまとめ委員を追加したほうがよろしいかと思います。

【三浦専門委員】  もちろん、この作業方針に基づいて進めますが、実作業的には、計画推進部会の部会長が執筆した項目別概要がすでにございますので、それに基づいて概要をまとめるという作業になります。その分量は資料1-1のように膨大ではございません。

【市原専門委員】  それはわかりますが、その奥にあるものを知っているのと知らないのでは、概要を読んでまとめる作業においても違うと思います。

【三浦専門委員】  もちろん地震でも火山でも企画部員のサポートはあります。

【市原専門委員】  ですから、火山の部分は作業しますが、地震のほうは当てにならないということです。

【三浦専門委員】  だから、その点はご心配なさらなくても大丈夫かと思います。

【清水主査】  今、市原専門委員からも意見がありましたが、実はそれぞれの計画部会長が機関別の報告を基に項目別にエッセンスをまとめています。現在の進捗状況はいかがでしょうか。

【三浦専門委員】  一応部会長からの原稿はまとまって、すべて出そろっている段階で、現在企画部内において「て・に・を・は」の修正や案文の修正などをおこなっている段階です。

【清水主査】  先ほど市原専門委員がおっしゃったように、それぞれ推進してきた本人たちが責任を持ってまとめたものがすでに存在します。それは資料1-1のように分厚くないので、それを基にして、一般の方にもわかりやすいようコンパクトに書き直すという作業になります。今、三浦専門委員から発言がありましたが、ほかの企画部員のサポートもあるということですので、大変だと思いますが、ぜひお願いしたいと思います。火山の部分で結構ですのでよろしいでしょうか。

【市原専門委員】  火山の部分でということでよろしいのですね。

【清水主査】  ありがとうございます。あと、三浦専門委員にお伺いしますが、地震関係は、例えば三浦さん1人でよろしいですか。それとも、もう1人ぐらいこのメンバーの中から推薦頂いた方がよろしいですか。

【三浦専門委員】  私の専門は測地なので、できれば地震学が専門の方に入っていただけるとありがたいです。

【清水主査】  事務局に確認ですが、人数は、例えば2人でも3人でも構いませんか。

【安藤地震火山専門官】  はい。構いません。

【平田委員】  科学官と学術調査官は作業に参加するのですよね。

【安藤地震火山専門官】  はい。ただ、あまり多いと、結局機動的でなくなるので……。

【平田委員】  だから、三浦専門委員と市原専門委員は、必要があれば観測研究計画推進委員会の委員にいろいろな作業を依頼できるという条件でよろしいのではないでしょうか。その部分については協力するというスタンスで、取りまとめの方は2名ということでいかがでしょうか。

【清水主査】  それでは、適宜、観測研究計画推進委員の委員には御協力いただきたいと思いますし、特に在京というか地震研究所の企画部に近いところで、望月臨時委員、サポートをお願いしたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。

【望月臨時委員】  はい。

【清水主査】  ありがとうございます。それでは、とりまとめ委員は、三浦委員と市原委員ということで、お二人にお願いしたいと思いますので、そのほかの皆さんもサポートをぜひよろしくお願いいたします。

 それでは、今後の進め方について事務局から説明をお願いします。

【安藤地震火山専門官】  今後の予定ですが、ただ今、ご推薦いただきました三浦専門委員、市原専門委員を中心に、予知研究協議会企画部の先生方含め作業に取りかかりたいと思います。先ほど、三浦先生から御説明いただきましたが、項目別概要については、先行して企画部から依頼をしており、集約できている状態です。

 次回の観測研究計画推進委員会、資料1-2には8月頃とありますけれども、現時点では未定です。が、次回を目処にたたき台を準備して、委員会で御確認いただき、さらに修正をして製本の形にしていきたいと考えています。

【清水主査】  ありがとうございます。まだ日程は決まっていないとのことですが、次回の委員会で草稿について議論するということですね。

【安藤地震火山専門官】  はい。

【清水主査】  わかりました。よろしくお願いいたします。

 

[議事2「地震及び火山噴火予知のための観測研究計画」実施計画(個別課題)の修正について]

【清水主査】  それでは、次の「地震及び火山噴火予知のための観測研究計画」の個別課題の修正について、まず、事務局から説明をお願いいたします。

【安藤地震火山専門官】  資料2-1をごらんください。例年、個別課題の修正については、毎年、異動などに伴う軽微な変更が多い年度初めにまとめて行っております。例えば異動による代表者の変更など年度途中での変更については、適宜、事務局へ御報告いただいていますが、これについても年1回、年度初めに観測研究計画推進委員会での承認をおこなっています。

 また、資料2-2には、個別課題一覧を用意しました。

 今回、委員の先生におかれましては報告された内容に漏れがないかどうか確認いただき、事務局までご連絡くださいませ。

 資料2-1についても、修正事項の確認が必要なため、研究者代表の個人情報が記載されています。会議終了後には会議資料をホームページで公開しなければならないので、個人情報の部分については伏せた格好で掲載したいと思います。

【清水主査】  ありがとうございました。委員の皆さまには、資料2-1を確認いただきたいのですが、ざっと見た感じでは、ほとんど修正理由が異動や変更、退職等による担当者の変更がほとんどのようでありますが、それは特に問題ないと思いますが、それ以外で大きな変更というのは幾つかありますか。

【安藤地震火山専門官】  大きな変更というのは特段なかったと思います。東北地方太平洋沖に関して、計画を変更したという類はいくつかありました。例えば20ページです。それ以外では、計画の前倒し、例えば23ページのような場合はありましたが、その他問題のある修正課題はなかったと思います。

【清水主査】  おそらく計画の前倒しはあまり問題ないと思いますが、予定していたけど、結局は取りやめたというのがもしあれば。

【安藤地震火山専門官】  それはなかったと思います。

【清水主査】  例えば6ページ、7ページの東北大の課題はいかがですか。

【松澤主査代理】  6ページ、7ページは計画の変更でなくて、計画の追加になっています。東北大学では、しばらく電磁気関係のスタッフがいなかったのですが、市來が加わったことによって電磁気関係の観測ができるようになりましたので、計画の追加を申し出たというものです。これに関しましては、あくまで計画の追加であって、今までの計画の縮小ではないこと、これに伴って新たな予算要求をするものではないということでお認めいただきたいというお願いをしております。

【清水主査】  ありがとうございました。

 それ以外は、基本的には担当者の変更が主、あるいは前倒しというのがありますが、もし皆さんから御意見、御異論なければ、平成24年度の実施計画の変更について承認をいただきたいと思いますがよろしいでしょうか。

【宮澤専門委員】  1点質問ですが、先ほど20ページの1416の課題について、修正案について、3修正(7)の5行目、「なお、本課題については、平成21年度をもって終了した」というのは、1416の課題が終了したと読めますが、1416の課題中の5つのテーマのうちの1つが終了したという意味でしょうか。

【安藤地震火山専門官】  そう理解しております。

【清水主査】  望月委員、何かご存じですか。

【望月臨時委員】  これはそのように理解すればよろしいかと思います。

【寺田地震・防災研究課長】  「課題」ではなく「テーマ」と書けばおかしくないのではないでしょうか。

【宮澤専門委員】  この分厚い報告書の267ページには、確かに5番が消えているので、おそらく5番に相当するテーマが消えたのだと思いますが、「本課題」と書いてしまうと、1416の課題自体が終了したことになってしまうので、「テーマ」と読み替えればよろしいのですね。

【寺田地震・防災研究課長】  これは、本課題の5つのテーマについて書いてあるから、そのうちの5は、1つのテーマということですね。

【三浦専門委員】  246ページには、5つの観測研究項目から成ると書いてあります。確かに課題だと誤解を招くような表現ですね。

【清水主査】  そうですね。ここは、5番目の項目と理解したいと思います。

【藤井委員】  資料2-2の4004番が修正されていません。

【清水主査】  4004番、巽さんが斎藤さんにかわるということですね。

【松澤主査代理】  修正漏れですね。

【安藤地震火山専門官】  はい。漏れておりました。申しわけございません。

【齋藤専門委員】  今のと同じですが、7000番台についても資料2-2には一部しか反映されていませんので修正をお願いします。

【安藤地震火山専門官】  申しわけございません。修正します。

【西澤専門委員】  海上保安庁ですが、8001番の担当者の修正をお願いします。

【安藤地震火山専門官】  はい。申し訳ございません。修正します。

【清水主査】  皆さん、ご自分の機関をもう1度ご確認ください。

【寺田地震・防災研究課長】  公表前にもう一度読み合わせはしますが、資料2-1をもとに、修正、確認しますので少なくとも資料2-1について間違いの有無を確認してください。

【清水主査】  今課長から御発言がありましたが、資料2-1をそれぞれ機関の方、責任を持ってもう一度確認をしていただき、もし間違いがありましたら、至急、本日中に事務局までお願いしたいと思います。

【尾鼻オブザーバ】  9ページの課題番号1205について、植平先生は異動されたと思いますので削除でしょうか。

【安藤地震火山専門官】  植平先生の替わりに清水主査でよろしいでしょうか。

【清水主査】  はい。私にしておいてください。

【安藤地震火山専門官】  人数は3名程度でいいですか。

【清水主査】  「2名程度」に修正してください。

【望月臨時委員】  21ページの1418の修正理由で、(8)担当者1名削除というのを、正確には担当者1名、退職により削除です。

【平田委員】  18ページの1406の修正で、楠城一嘉というのを削除してください。理由は異動のためです。

【小泉専門委員】  横井さんが入って楠城さんが抜けるのですね。

【平田委員】  はい。

【清水主査】  皆さん、自分の機関のところはよろしいでしょうか。 でも、資料2-1は、事務局へ申し出た分で、もしかしたら未申請があるかもしれないですね。

【小泉専門委員】  とりあえず、もう一度、各自、資料2-1を確認してということでよろしいのではないですか。

【齋藤専門委員】  担当者がかわっているところだけでなく、全部見なければいけないということですね。

【小泉専門委員】  筆頭担当者だけチェックすればいいのではないですか。

【清水主査】  わかりました。それでは、もしお気づきの点がありましたら、この後もなるべく本日中に連絡いただければ修正をするようにいたします。

【松澤主査代理】  1点確認ですが、資料2-1は文科省の事務局で管理されている資料の修正であって、WEBの修正は各機関が責任を持って、これに合わせて修正するということになるわけですね。

【安藤地震火山専門官】  そうですね。年次報告については各機関で修正報告をしていただかないと事務局からは修正できません。

【松澤主査代理】  本日、この委員会で追加修正した課題は、それぞれフィードバックしていただきたい。

【安藤地震火山専門官】  わかりました。

【清水主査】  ほかには御意見ありませんでしょうか。

 それでは、平成24年度の個別課題の変更については、この場で了承いただいたとさせていただきます。どうもありがとうございます。

 それでは、次、「その他」について、事務局からお願いします。

【安藤地震火山専門官】  前回の委員会でも、議論いただいていますが、科学技術・学術審議会のほうで検討の視点ということで、基本論点としてまとめ審議を行っております。

 それで、本日参考資料1として準備した資料は、前回、第12回でお配りしたものと変更ありません。その後、審議会の委員から御意見として幾つかいただいておりますので、ご参考までに、委員限りということで机上配付させていただいています。

 測地学分科会に対して一番問われているところは、視点1の丸2と視点4の丸2です。視点1の丸2のところが、「地震・防災に関する従来の取組方針の検証」ということで問題提起されております。それから、視点4のところでは、「社会への発信と対話」の「リスクコミュニケーションの在り方」というところで、地震予知ができるとか、ゼロリスクが可能と誤解させたりしないことが重要だという視点で問題提起されています。

 これについては、測地学分科会、それから地震火山部会でも、議論するように指示が出ています。観測研究計画推進委員会においても前回ご議論いただきましたが、現在は、レビュー取りまとめ作業を終わっているので、その後科学技術・学術審議会の委員からこのような意見が出ていることを参考にしていただきたく配布しています。

【清水主査】  ありがとうございます。

 ただいま説明ありましたように、今後の科学技術・学術政策の検討の視点につきましては、本委員会の上部組織である地震火山部会、それと測地学分科会で議論を行っているということであります。今後、その議論の結果については、適宜、本委員会でも事務局から紹介いただきたいというふうに思います。これは、本委員会のマターではないので、本委員会が何かこれに対して意見を申し述べるということではないですよね。

【安藤地震火山専門官】  はい。そのように考えています。

【清水主査】  それでは、そのほか、もし連絡事項等あればお願いします。

【安藤地震火山専門官】  1点だけ。議事次第にはありませんが、見直し計画について、2月29日に審議経過報告ということで報告させていただき、その後4月20日から5月19日まで意見公募を実施しました。

 いただいた意見について、回答も含めて事務局のほうで取りまとめ作業中でございますが、33名から延べ50件弱の意見をいただいております。率直な感想としては、なかなか厳しい御意見が多いということ、賛成反対の両極端の意見が多いという印象です。 また、内容については、測地学分科会、地震火山部会、観測研究計画推進委員会も含めて共有したいと思っていますが、現在、たたき台を作成しているところです。

【森田科学官】  少し補足させていただきます。

 パブコメを全部読ませていただき、誤解に基づくコメントが非常に多かった印象を持ちました。

 1つは、現行計画の見直し案は、5か年計画の途中で非常に大きな地震が起きたため、とにかく緊急的に計画の修正をして対応しなければ、後世の地震研究者に申しわけが立たないというような意図で策定したわけですが、そのことが十分に伝わっておらず、研究計画全体を抜本的に見直すべきであるという意見が多かった。つまり、見直し計画の位置づけをよく理解していただいていないというのが1点です。

 2つ目は、地震調査研究推進本部が策定している施策と予知研究を混同されている意見が多かったということ。大きかったのはこの2点だったと思います。

 それから、予知、予測の言葉の問題や予算、つまりなぜ競争的資金ではなく基盤的経費、特に大学は特別経費という基盤的経費でやっているのかという観点。これは一昨年にも、行政事業仕分けでも基盤的経費が世の中でよく理解されていないことからも想像できますが、基盤的経費と競争的資金が両輪となってそれを進めていくということが理解されていない点、これら4つの観点に集約されると思います。逆に言えば、このような観点について、我々は、うまく発信していけなかったという気がしました。

【清水主査】  ありがとうございました。

 事務局からパブリックコメントの状況と森田科学官のほうから補足がありました。結構厳しい意見が多いわけですが、多くの部分は誤解に基づくものであるということなので、今後はきちんと正しく回答していく作業が大事だと思います。 今後、このコメントは地震火山部会や測地学分科会でも議論されるのでしょうか。

【安藤地震火山専門官】  別々に開催するか、合同開催にするかはまだ決定していませんが、議論を深めることは必至と考えております。

【清水主査】  パブコメに対する回答を踏まえ、見直し計画の修正もあり得るのでしょうか。

【安藤地震火山専門官】  もちろんあり得ます。

【森田科学官】  比較的建設的に、具体的な修正案を御提案頂いた部分もございました。

【齋藤専門委員】  パブコメと一緒に関係学会のほうにも意見を聞くというお話があったと思いますけれども、具体的にどこにお聞きになって、どのような回答が得られ、今後どのように反映などされていくのでしょうか。

【安藤地震火山専門官】  まだ完全に煮詰まった議論はしていませんが、10学協会に出したところ、4学会から回答を頂きました。

 基本的には、見直し計画に対してこう反映せよという御意見ではなく、次の計画や、さらにその先のビジョンに対しての御指摘のほうが多かったということです。これらについても、分科会、部会、委員会においては共有させていただきたいと考えています。

【吉本学術調査官】  補足いたします。

 学協会長からの意見については、非常に建設的な意見を多くいただいております。ただ、先ほどの森田科学官の指摘にもありましたように、直近の見直し計画ということではなくて、将来的にもっと長期にわたっての意見が多かったところです。例えば、地質学会からの御指摘ですと、地質学的な観点も入れた観測研究を推進してはいかがかというような提案がございました。一部では、見直し計画に対して指摘されているところもありますが、全般的には建設的な意見が多かったという印象でございます。

【藤井委員】  学会長からのコメントは、地球惑星連合大会のときに、直接言われた場合もありますが、かなり誤解して発言されているところがあります。現行計画に盛られている内容が、トップダウン形式で決定されていると思われていて、それが計画として不十分であるというようなことを指摘される方が多い。関連学会長でさえそういう誤解があるので、現行計画と地震本部の施策の違いについては、おそらく、直接ここの計画にかかわっておられる方を除くとなかなか伝わっていないという印象を受けました。

【三浦専門委員】  パブコメ件数が50件程度と言われましたが、これは多い方でしょうか。それとも少ないほうでしょうか。

【寺田地震・防災研究課長】  ほかの省庁での一例ですが、1万件を超える意見があった場合もあります。ただ、この場合はほとんど類似の御意見でしたが。

 回答については、1件1件に対して回答するのではなくて、類似の意見にまとめて回答を公表するために、ある程度類型化しなければなりません。

 まずは事務局で整理をした上で、案を作成し、皆様のお力を借りながら対応をしないと、誤解を解くことができなくなると思います。単に学理の話だけで書いてしまうと伝わらない部分が出てきますので、可能な限り御協力いただければと思っておりますので、よろしくお願いします。

【藤井委員】  通常はどのくらいでレスポンスするものですか。

【寺田地震・防災研究課長】  案件によって違います。法定化されているパブリックコメントは、規制などの開始時期を意識して処理される案件が多いです。

 これに対して任意の案件というのは、先ほど言ったみたいに、幅広くいろんなところから聞いているので、どのように整理をするか……。例えば今回の案件であれば、現在提案している案をどう整理し直して、次の計画にどのように生かしていくのかという作業が必要なので、それほど短期間でなくても構わないわけですが、総会に報告することを考えると、あまり長期間の猶予はないということになります。

【藤井委員】  そうすると、総会よりも前に返答ということですか。

【寺田地震・防災研究課長】  そうしないと、総会で説明するときに、こういう意見をいただいて、このように修正をしましたという形の説明ができなくなります。

【清水主査】  その間に、地震火山部会とか測地学分科会でも、その回答については議論しないといけないわけですね。

【安藤地震火山専門官】  そうです。個別に会議を開く時間がなかなかとれないので、メールベースでの御意見をいただくことになるかもしれませんが。とりあえず、現在事務局でたたき台を作成しているところですので、6月入ってすぐぐらいには、各委員の先生にはお示ししたいと考えています。それで、皆様からの議論を踏まえて、7月上旬の分科会で最終案をまとめ、公表していきたいと思います。

【清水主査】  よろしいでしょうか。ご質問等あれば。

 この観測研究計画推進委員会のメンバーで、地震火山部会や測地学分科会に分属している方は、そこで議論に参加できますが、ここの委員会だけに参加されている委員は、パブリックコメントについてはどの段階で中身を知ることができますか。

【安藤地震火山専門官】  たたき台をお示しする段階では、測地学分科会の全委員で共有したいと考えています。ですから、委員会を開催するということにはならないと思いますが、具体的な修正・提案も含めて御意見をいただければ、検討する時間はつくれると思います。

【清水主査】  ありがとうございます。 ほかにどなたかございますか。

【齋藤専門委員】  すいません、それでは、レビューの進捗状況についてご説明していただければと思います。

【安藤地震火山専門官】  レビューは現在、外部評価委員の委嘱手続中です。今週中にはそれが終わりまして、第1回目の外部評価委員会が、6月12日に非公開で開催します。期間としては8月ぐらいまでに3回程度を考えております。その結果を踏まえて、次の計画の策定ということになると思います。

【清水主査】  最終的なレビューの外部評価というのは、いつぐらいまでにまとめるのでしょうか。

【安藤地震火山専門官】  8月中ぐらいを予定しています。

【清水主査】  見直し計画との前後関係はいかがですか。

【安藤地震火山専門官】  計画の中身はもちろん関連していますが、作業としては別々に行っています。

【藤井委員】  タイムスケジュールとしては、外部評価が終わって、もし次の計画をつくるということになった場合、これは総会と分科会どちらの決定事項ですか。前回のときを忘れてしまったのですが。

【平田委員】  つまり、起草委員会を発足させるのはどちからということ。

【藤井委員】  起草委員会の発足というよりは、どの時点で作業が開始できるかという確認です。

【安藤地震火山専門官】  通常手順は、総会に報告して後に次期計画策定の作業開始になると思いますが、過去の例を確認する限り、必ずしもそういう手順を踏んでいません。

【藤井委員】  次期計画策定作業開始については、総会の決定を待たなくてもよいということですね。

【安藤地震火山専門官】  例えば前回のときは、分科会で取りまとめて、4日後の総会でレビューについて報告しています。

【藤井委員】  そういう意味では、見直し計画の作業スケジュールと同じで、計画を見直す決定については、総会で決めたわけではなくて分科会で決定したので、同じ手順だと思えばいいですね。

【安藤地震火山専門官】  もう一度確認してみますが、そのように考えています。

【藤井委員】  もし、総会への報告を待たなければならないとなると、スケジュール的に結構苦しくなると思います。

【安藤地震火山専門官】  はい。次々回の総会は通常であれば、秋の開催になってしまいます。先ほどパブコメの補足説明で科学官から発言しましたが、次の計画では、抜本的に見直せというような声が結構強いものですから、これに応えるためにも、それなりに作業の時間をとりたいというのが本音ですので、あまり遅くなると、その作業時間がとれなくなる。つまり、今の計画が25年で終わりますので、26年度に開始するには、25年度の夏頃までに取りまとめなければいけないのですが、なかなか苦しい作業スケジュールになります。

【清水主査】  しかし、総会を経ないと、例えば起草委員会の人選についても意見が出るのではないでしょうか。

【藤井委員】  いや。普通、総会はそこまではコメントしないはずです。

【清水主査】  でも、今回は抜本的に見直せという声が大きいことを考えると、例えばこれまでのようなわけには……。

【藤井委員】  例えば分野外の人間を入れろとか、いろんなことを言われる可能性はありますよね。だから、それがどうなるかは、1つは見直し計画を総会に報告したときの対応と、この基本論点に関しての議論次第と思います。基本論点についてはいつまでにとりまとめが必要ですか。

【安藤地震火山専門官】  夏頃に中間取りまとめで、年明けには最終報告としてとりまとめると聞いています。

【平田委員】  でも、前回の建議までのスケジュールをみると、6月末に測地学分科会を開催し、外部評価の報告を受けていて、次期計画を策定することが決定しているので、分科会が次の計画策定を決定する権限はあるわけですよね。

【安藤地震火山専門官】  前回についてはそのとおりです。ただ、見直し計画のときもそうでしたが、前例が通じない可能性がありますので。

【藤井委員】  うん。通じない可能性はありますね。特に研究計画・評価分科会がどういう対応をしてくるかによっては、これまでの対応とは随分違う可能性があります。

【安藤地震火山専門官】  まず、スケジュールを確認すると、前回はレビューの取りまとめが1月に終わっている。今回はそこがすでに3月末だったという点があります。また、必ずしも前回のときと同じ時期に総会が開かれているわけでもないという点もあります。見直し計画での意見公募のように、非常に厳しい意見が多いという中なので、具体的なスケジュールについて本日お示しすることができません。

【市原専門委員】  先ほどから、「見直し計画」の見直しの意味と、次期計画の見直しの意味は、全然違うものだと理解していますが、そのあたりがものすごく誤解を招きやすくて、何か別の言葉できちんと区別をしていただけないでしょうか。

【安藤地震火山専門官】  具体的には、どのように直したらよろしいですか。

【市原専門委員】  3月のシンポジウムの清水主査のお話では、最初は「一部見直し」だったのが、「見直し」という形になりましたというお話があったと思いますが、その「見直し」とはどちらのことでしょうか。

【藤井委員】  それは、現行計画の見直し、つまり、残り2年分の見直しです。

【平田委員】  次の計画が全く存在していないのに、見直しという表現はしない。

【寺田地震・防災研究課長】  次期計画の策定だと考えてはいかがでしょうか。

【清水主査】  そうですね。見直しと言ったのは、現行の計画に対する表現で、次期計画は策定。次期計画については、これまでの延長上の計画ではなくて、抜本的にいろいろ変更することも出てくる可能性もあるということです。

【松澤主査代理】  先ほどの森田科学官の御意見がありましたけど、我々としては、早急にやらなければいけないということで、現行計画の見直し作業を立ち上げました。そのときの段階では、「一部見直し」という形で作業を開始したけれど、「一部」では足りないというふうに言われてきていることを考えると、あながち一般の方々のほうが誤解とも言い切れないところもございます。要するに、国民の意識としては、抜本的に見直すという要望があるということ。それに対してどう応えていくかというのは、難しいところがあるかと思います。

【森田科学官】  私もパブコメを読んで、抜本的に見直すべきであるというような書き方は、その意見の前後関係から推測するに、次の計画に対して、抜本的に見直すべきであるというような趣旨で書かれておられると感じました。だから、多くの方々は、やはり今回の地震に対して何が悪かったかを分析して、今の計画のやり方を少し変えて、というか大いに変えて策定せよというような意見を言われていると個人的には理解しました。

【松澤主査代理】  なので、少なくとも我々は、地震火山部会でもそういう説明をしていましたけれども、今回は緊急に対応するけど、本格的な見直しは次期計画で行うというふうに説明していると思いますので、今回のパブコメに対して、ある種、今回はこういうふうな緊急対応をしますという答えをする裏では、次の計画では抜本的に見直しますということを約束することになります。その点については自覚しなくてはダメだと思います。

【小泉専門委員】  それは全くそのとおりです。やっぱりその先がどうなっているかということを示さないから、国民の皆さんはなかなか納得できない。逆に我々も、今、緊急にデータをとらないといけないので、だから、そこのところでどうしても齟齬があることは事実で、回答のときにうまく工夫をしないといけないと思います。

【寺田地震・防災研究課長】  回答のときももちろんですが、科学技術・学術審議会のほうに今の計画の見直しを説明する際に、きっちりと、その次には新しい計画に生まれ変わるというところを併せて説明し、少なくとも総会の委員の方々に、今の計画と次の計画の位置づけをしっかりと認識していただくということが必要ではないのかと思います。

【藤井委員】  ただ、そのときに、相当にいろんな注文がつくだろうと思いますので、次の計画を策定するに当たって、それがどこまで反映できるか。おそらく、すべての実施機関からアンケート調査をやるでしょうから、その際に各人の意識がどうなっているかによりますが、各機関にコメントも含めてフィードバックをした上で、今、世の中がどういうことを求めているのか理解した上で、次の計画に対する提案を出してもらう必要があると思います。

【平田委員】  森田科学官が言われましたが、地震本部の調査研究と測地学分科会の観測研究の切り分けは、ここにいる人たちは自覚していますが、多くの人は理解していない。それは、仕方ない面もありますが、科学技術・学術審議会のレベルとしては理解していただく必要がありますので、それはどこかで説明する機会が必要です。次の計画を立てる、あるいは見直し計画の報告をするときに、やったほうがいいと思います。

 ただこのことは、測地学分科会だけではなくて、地震本部のほうでも一定の理解がないと厳しい。そもそも地震本部の政策について、科学技術・学術審議会が何か言えるかどうかわかりませんが、しかしやっぱり何か言わないと理解は得られないと思います。

【藤井委員】  おそらく科学技術・学術審議会としては、申し入れできると思います。研究計画・評価分科会のほうでは、他省庁のことに関してもコメントするというつもりで今議論をすすめていますから、実際に反映できるかどうかは別にして、その上部組織である科学技術学術審議会としては、当面、何らかの発言があると思います。

 それから、おそらくパブコメや学会長からの意見は、地震本部の施策と測地学分科会の予知計画とを完全に混同されている方も多いですから、科学技術学術審議会の委員についても同様であると考えた方がよくて、そこについては誤解を解くようにきちんと説明する。 一方で、実際に地震本部の施策と測地の観測研究を実施している機関は共通しているため、非常に説明は苦しい。

【小泉専門委員】  実際に、測地の観測研究と地震本部の施策について中身についてはだんだん近づいてきていたので、外から見れば余計に難しいというところは確かにあるだろうなと思います。地震本部の施策のほうも今計画の見直しをしている最中なので、中身がまったくことなるものにはならないですよね。そのあたりを明確に説明するのはやっぱり難しいですね。

【平田委員】  いや。だからそこはきちんと整理をして、この部分は測地の計画で実施して、この部分は地震本部の施策として実施しているという整理をしないといけないと思います。

【寺田地震・防災研究課長】  短時間で説明するときは、地震本部の施策を進めていく上での基礎研究の部分をこの計画は担っていますという説明をしています。

【小泉専門委員】  それでいいと思いますが、実際に研究を進めている人間の意識は必ずしもその説明の通りではない。だから、この前の予知研究協議会で発言しましたが、地震予知研究が基礎研究だったら、なぜ東北地方太平洋沖地震で被害が生じたときに謝ったのかと。本当に基礎研究と思っていたのなら、謝る必要ないでしょうということを言いました。実際は、地震予知研究に携わる方の多くが謝っていました。結果として、現在の世の中は、東日本大震災については、地震予知研究に大きな責任があるような風潮となったように思います。仕方がないことかもしれないけど、結果的に謝ったことで、誤解を招いてしまったところがあるのではないかと思います。だからといって、謝るなと言うのもおかしな話でしょうが、実際に地震予知研究に関わっている人間に「基礎研究」としての意識だけではなく、実際の防災に役立てようという意識もあるように思います。我々自身も東海・東南海あたりの観測や研究が話題になった場合、必ずしも基礎研究という位置づけでないところもあるから、その点の切り分けは難しいですね。

【寺田地震・防災研究課長】  いずれにしろ、パブリックコメントに対する回答する場面、科学技術・学術審議会で見直し計画やレビューについて報告する場面、地震本部の各会議で施策の見直しを議論する場面、など説明の機会があります。もしその機会に合わせてうまく説明できるのであるならば、それは地道にやっていくしかないと思います。おそらく、誤解の基というのは誰も説明ができないし、これだけ蓄積してしまった誤解は、一度には解けないので、いろんな機会のたびに丁寧に説明していくしかない。さらに、この説明は行政側の人間だけでなく、研究者個々の皆様方からもうまく説明できるのであれば、それにこしたことはないと思いますので、お互いに知恵を絞りながら誤解を解いて、着実に成果を上げていくという道を選ぶしかないと思います。これからもいろいろな形で相談をさせていただかないといけないと考えています。

【清水主査】  そろそろ時間になりました。本日はどうもいろいろと御意見ありがとうございました。

 

以上

 

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