地震火山部会 観測研究計画推進委員会(第2回) 議事録

1.日時

平成21年10月13日(火曜日)14時~16時

2.場所

文部科学省 研究開発局会議室

3.出席者

委員

(委員)長谷川、藤井
(臨時委員) 鵜川、浦塚、清水、平田、堀
(専門委員)小泉、土井、飛田、西澤、松澤、森田、吉田

文部科学省

鈴木地震・防災研究課長、梅田課長補佐、高木地震火山専門官、山岡科学官、酒井学術調査官

オブザーバー

馬場(金田専門委員代理)

4.議事録

 [議題1「地震及び火山噴火予知のための観測研究計画」実施計画について]

 資料1及び資料2に基づき、「地震及び火山噴火予知のための観測研究計画」の5ヵ年の実施計画について、事務局より説明があり、意見交換を行った。

【清水主査】ただいま説明いただきましたけれども、今の説明に対しまして、ご質問等ありますでしょうか。

 資料2を見ていただくと、建議のすべての項目に対して観測研究計画の課題があるということです。それを確認していただければと思います。

 もし、ご意見、ご質問等なければ、本委員会としまして、5カ年の実施計画としてお認めいただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(了承)

【清水主査】ありがとうございました。それでは、了承ということにさせていただきたいと思います。

 今後は、それぞれの実施機関において、この一覧表にあります観測計画、実施計画に基づいて研究を進めていただければと思います。

 今後、もし変更、あるいは新規の計画というものが出てきた場合には、これは毎年事務局で確認をしていただきまして、本委員会に報告をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

【小泉専門委員】この研究課題の番号は、どういうつけ方をされたんでしょうか。前と同じような研究内容だったら同じ番号をつける、あるいは全く新しくつけるとか、そういう方針があるんでしょうか。

【清水主査】この課題番号のつけ方について説明をお願いします。

【森田専門委員】少しご説明しますと、ルールは前のやり方と同じです。つまり、機関ごとに前二けたをつけて、それぞれの課題を項目順に並べて、若いほうから番号をつけていくやり方です。

【小泉専門委員】資料2を見ると、産総研だけ番号がばらばらになっていて、例えば5009は、前の計画でも5009だったので分かりますが、これはどういう番号なのかと思いまして。

【高木地震火山専門官】これは事務局の手落ちで、この表を見ると、5004、5009と、非常にランダムに並んでおりますけれども、上から5001、5002と並んでいると考えていただきたいと思います。この表が誤りでございます。

【清水主査】そうすると、産総研の5004というのが今一番トップにありますよね。その5004は、新計画では5001ということですか。

【高木地震火山専門官】そのとおりです。こちらの資料1はそのようになっており、資料2は分かりやすいように作った資料ですが、こちらの資料が誤りということです。すみません、修正いたします。

【小泉専門委員】では、前の課題番号はリセットして、順番につけたということですね。

【高木地震火山専門官】そのとおりです。

【小泉専門委員】わかりました。了解しました。

【高木地震火山専門官】それから、追加でさらにもう一点、修正があります。申しわけありません。資料1の計画案のほうですが、北大の1001の次、1002が抜けてしまっておりますので、後日改めて郵送させていただきたいと思います。申しわけありませんでした。

【清水主査】わかりました。

 ご自身が関係しているところを再度ご確認いただければと思います。よろしいでしょうか。もしこの後お気づきの点がありましたら、後からでも結構ですので、事務局までご連絡をお願いしたいと思います。

 

[議題2「地震予知のための新たな観測研究計画(第2次)」平成20年度年次報告【項目別】について]

 資料3及び資料4に基づき、平成20年度年次報告【項目別】について、事前の委員からの意見に基づいた修正点を中心に事務局より説明があり、意見交換を行った。

 

【平田臨時委員】24ページで、「可能性がある」というのを「可能性が示唆された」と直されていますが、「可能性が示唆」はあまりにもあいまい過ぎるので、「過小評価されていることが示唆された」ではどうでしょうか。

【堀臨時委員】これは内容についてのことではなくて、「比較したところ」、「可能性がある」という、文章のつながりとして収まりが悪いということで、最後のところの言いかえをしただけです。そこのつながりさえよければ、こだわりません。

【松澤専門委員】「可能性が示された」でいかがでしょうか。

【堀臨時委員】単に日本語として、「比較したところ」、「可能性がある」というので終わるというのは、変な感じがします。「可能性が示された」というのでは弱いということであれば、その辺はお任せします。

【清水主査】いかがでしょうか。文章として、確かに、「可能性がある」というのは、日本語として、そう言われてみれば、ちょっと不自然な感じもしますので、今の松澤委員の意見を採用したいと思うんですが、いかがでしょうか。「示された」ということで、いいですか。では、ここではそのように修正させていただきたいと思います。

 ほかにご意見ありますでしょうか。

【西澤専門委員】海底地殻変動観測のところで、「福島沖」を「福島県沖」としていただきましたが、参照している図11では、観測点の名前が福島沖です。宮城沖もそうです。それから、厳密に福島県沖と、テリトリーをしっかり示すこともないかなと思いますが、「県」を入れないとだめでしょうか。つまり、「県」を取って、もとに戻していただきたいと思います。特にここでは観測点名ですので。

【清水主査】いかがでしょうか。

【高木地震火山専門官】事務局ですけれども、観測点名ということに気づかず、地域の名前だと思い、「県」を付けました。観測点名であれば、西澤委員の言うとおりではないかと思います。飛田委員、どうでしょうか。

【飛田専門委員】西澤委員の意見のとおりでよろしいかと思います。私の趣旨は、「青森県沖から福島沖にかけての」というところは、少なくともおかしいと思い意見を出し、ほかにも似たようなところがあるという指摘をしました。直すべきところは直していただき、直し過ぎのところはもとへ戻すべきだと思います。

【清水主査】わかりました。そうすると、すべて同じように「県」を入れるということではなくて、個々に判断するということでよろしいですか。

 では、そのようにさせていただきます。そうすると、結果として、24ページ上から「福島県沖」「宮城県沖」は、「県」は取るということですね。一方、一番下の「青森県沖から福島沖にかけて」は、「県」が入ってよろしいですか。

【西澤専門委員】構造探査によって変わると思います。「福島沖」と言ったとき、測線がまたがっていたり、厳密には福島県沖でないときがあります。ここの表現は測線の位置によるのではないかと思います。それは確認して決める方がいいと思います。

【清水主査】課題番号は東北大学となっていますが。

【松澤専門委員】ここでは、特に「福島県沖」で困らないと思います。

【清水主査】わかりました。では、飛田委員から指摘いただいた、24ページ一番下の点は「福島県沖」にいたします。もし不都合がありましたら、連絡をいただければと思います。よろしくお願いします。

 ほかにございますか。

【松澤専門委員】確認ですが、28ページで産業技術総合研究所の部分が削除されていましたが、今回の報告書は平成20年度の成果を主として、重大なものに関しては5カ年の成果を記述すると認識していたました。その辺、ご確認をお願いします。

【清水主査】基本的に、平成20年度の成果ですが、それだけでは記述できない成果もあるのではないかと思います。密接に前の年度の成果とつながっているものもあるので、厳密に20年度のものだけということではありません。

【高木地震火山専門官】主査のおっしゃるとおりで、20年度よりも前のものがあったほうがわかりやすいようなときの流れから入れることもありますし、きれいに切り分けてはいません。

【松澤専門委員】そうであれば、小泉委員のご意見次第ですが、削除の部分は19年度の成果ですが、関連して20年度の成果が何かあれば、ここに記述してよろしいのではないかと思うんですが。

【小泉専門委員】この部分は、20年度はやっていないはずだと思って意見を出しました。それで、今松澤委員がおっしゃったこと、つまり、20年度に限定するなら削除、5カ年の成果であれば入れてもいいと、私はコメントで書いたので、どちらでもいいとは思います。少なくとも、20年度にこの反射法の海底調査はしておらず、これは19年度に緊急に行った調査の結果ですから、削除のほうがいいかなと思いましたが、どちらでも構いません。

【清水主査】探査は例えば19年度でも、その後の解析が20年度であれば、20年度にもちろん入れてよろしいと思います。

 これは、まだチェックしていないんですが、19年度の項目別の成果報告書の中に、ほとんど同じ文章が書いてあれば削除してもいいと思うんですが。

【吉田主査代理】記憶によると、同じ文が載っていました。

【小泉専門委員】同じ文が載っていますよね。

【高木地震火山専門官】申しわけありません。19年度の報告によりますと、「高分解能マルチチャンネル反射探査システムを用いて海底調査を実施し、震源断層に対応する活断層を特定した。(産総研[課題番号:5003])」とあります。

【清水主査】そうであれば、これは削除でよろしいでしょうか。

【小泉専門委員】はい。

【清水主査】では、ここは削除とさせていただきたいと思います。ほかにございますか。

【堀臨時委員】25ページの3行目で、修正が、「を発見し、」の「、」が残っていますが、「、」まで含めて「の」に変えるつもりで修正意見を出させていただいたので、ここの「、」はないというふうにしていただきたいと思います。

 それから、もう一つ、この部分そのものですが、これは19年度の年次報告にあるような気がします。あれば、さっきの小泉委員の場合と同じで、全文削除というのが望ましいのではと思います。今すぐには確認できないので、後で意見を出したいと思います。

【清水主査】それでは、事務局で調べていただきたいと思います。

【堀臨時委員】もし19年度に同じのがあれば、削除でお願いします。

【高木地震火山専門官】それでは、こちらで調べて、反映するかどうかを決めたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。

【清水主査】では、確認いただいて、その後で判断したいと思います。この部分は、概要のほうにもあったと思うので、そちらも確認をお願いします。

【小泉専門委員】厳密に、平成20年度の成果にこだわる必要はないと思います。やっていないことをやったと書くのはよろしくないと思いますけれども、5年間でやったことだったら、そんなにこだわることはないと思います。

【清水主査】わかりました。私から確認させていただきたいのですが、例えば、54ページの図の28と29ですが、図28には東京大学地震研究所で課題番号がついていますが、図29はついていないと、統一されていませんが、これは修正されますか。

【高木地震火山専門官】事務局のほうで修正いたします。

【清水主査】よろしくお願いします。

【平田臨時委員】文献のところで、submitされているものは、どう扱うのでしょうか。

【高木地震火山専門官】個々の投稿の状況は把握するのは困難ですので、それも含めて、メール等で変更点を承っておりましたので、この段階でも結構ですので、例えば、submitしているものがimpressになっているのか、rejectされているのか、情報をいただければ、修正したいと思います。

【吉田主査代理】いつの時点で更新するかを決めないと、こういう作業はきりがありません。今までの報告書ではsubmittedは載せていませんでした。

【平田臨時委員】松澤委員が、19ページ2番目の論文がどうなったかをご存じであれば解決しますが。

【長谷川委員】まだですね。

【小泉専門委員】今だめなら、載せない方がいいと思います。

【平田臨時委員】受理されたら、来年出せばいいので。

【小泉専門委員】来年の成果と言えばいいと思います。

【松澤専門委員】削除で結構です。

【吉田主査代理】では、今日の段階でacceptされていないものは削除という方針がいいのではないかと思います。

【小泉専門委員】submittedだけ調べればいいですか。

【吉田主査代理】submittedだけ調べて、今日の時点でacceptされていないものは削除します。

【清水主査】それでは、皆さん関係するところをチェックしていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 63ページは、原文のままということで、意見のように、それぞれの成果について課題番号をくっつけるほうが正確ではあるわけですが、読みやすさの観点ということで、段落の後ろにまとめたということですが、堀委員、いかがでしょうか。

【堀臨時委員】これは、研究担当者からの意見を送ったのですが、基本方針が文末に記述する方針だということであれば、構わないと思います。

【松澤専門委員】ここの段落に関しては、「東京大学理学系研究科[課題番号:1502]」というのが段落の真ん中に入っているので、統一がとれていないと思います。もし段落でまとめるのであれば、この東大理学系研究科1502も消すべきだと思います。

【清水主査】確かに、ご指摘のとおりですね。ただ、ここに課題番号があり、一文あって、またすぐ課題番号が入ると、かなり読みにくくなるということで、文末にまとめたんでしょうけれど。

【藤井委員】ほかの場所でも、段落末に統一はされていませんね。

【平田臨時委員】後半部分は、自分の論文にはないという趣旨だと思います。

【吉田主査代理】読む人に正しく伝わらないような表現はできるだけ避けるべきだと考えていますが、厳密にチェックしていなかったのと、いろんな人が原稿を少しずつ書き直しているので、統一はとれていません。それは事実です。ですので、今日の会議で、明らかに誤解を与えるようなものがあったら、それはご指摘いただいて、修正をしたいと思います。しかし、すべてを見直すのは、今のこの時期ではちょっと難しいかなと思います。

【平田臨時委員】研究担当者は、「また」以降は論文で書いてあるけど、それより前は書いてないというのを明確にしたいという趣旨だと思うので、それはご指摘通り直せばいいと思います。課題番号が何度も出てくるのはくどいという気がちょっとしますけれども。

【堀臨時委員】まさにこの修正内容です。

【吉田主査代理】この委員会で直したほうがいいという修正意見がありましたら、直していくべきだと思いますので、平田委員の意見に賛成です。

【清水主査】ありがとうございました。それでは、修正意見のとおり修正をするということにさせていただきたいと思います。

【平田臨時委員】97ページの国土地理院の[課題番号:6030]と引用されていて、一方、本文の90ページでは、先ほどの話では[6033]となっていましたが、どちらが正しいのでしょうか。

【飛田専門委員】6030です。

【小泉専門委員】6033という課題番号はありませんね。

【清水主査】そうすると、本文の6033と書いてあるのは、6030ですね。

【飛田専門委員】6030が正しい番号です。

【清水主査】ご自身の機関、関係するところの課題番号をもう一度ご確認いただいて、もし間違いがありましたら、ご連絡をお願いしたいと思います。ご連絡なければ、このままで印刷されますので、よろしくお願いします。

 それでは、概要につきまして、まず最初に、作成していただいた吉田委員から説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

 

 吉田主査代理より、概要部分について説明があった。

 

【清水主査】概要について、ご意見、あるいは修正すべき点等あればお願いします。

【山岡科学官】一番本質的なところで、考慮すべきだと思ったのが、最後の課題と展望のところですが、新総合基本施策のほうで、建議との関係についてかなり明確に入れていただいたので、逆に、この研究計画からのアウトプットがどう政策に役立つかということも少し触れたほうがいいのではないかと思いますが、いかがでしょう。

【平田臨時委員】新総合基本施策には建議に基づく研究は基礎研究として位置づけられています。

【山岡科学官】課題と展望の書き方はいろいろありますが、サイエンスとして進みましただけでなく、もう一言何か欲しいというか、実際に災害軽減に役立つところにどうつながるかというところが、展望としては欲しいかなという気がします。

【清水主査】山岡さん、作文していただけますか。

【山岡科学官】皆さんが、そのような文章を追加した方がよいとお考えになるようでしたら、案文を考えて、また後で相談したいと思います。

【清水主査】加筆するということに、皆さんから同意いただければということですけれども、いかがでしょうか。

 私としては、具体的にどう書かれるのかわからないので、案をいただければと思います。メールで案をいただいて、みなさまから意見をいただいてという形になると思いますが。

【平田臨時委員】新しい計画については、明確に新総合基本施策の中に位置づけたので、平成21年度の成果報告こそ、はっきりとどういう貢献があったか書く必要があると思うんですね。

 平成20年度のこの計画は、前の総合基本施策の4つ柱に位置づけられているけれども、一応パラレルなので、書かなくてもそれほどは困らないと思いますが、これがまとまるのは、新総合基本施策が動き始めているから、精神としてそういうことが書いてあることは、多分望ましいことなので、例えば、プレート境界のシミュレーションの知見が連動型評価に役に立つということや、内陸の地震発生メカニズムが内陸地震発生予測に貢献するということがうまく書いてあることは賛成なので、ぜひ科学官にお願いしたいと思います。

【山岡科学官】わかりました。

【長谷川委員】今まで複雑な経緯があり、地震予知の方では地震本部について、書かないできました。しかし、総合基本のほうでは地震及び火山噴火予知のこの計画を書いています。意識的に整理して書いたわけです。整理して、一般の国民にわかるようにするというのが、私は重要なことだと思います。ですから、平田さんが言われたように、次期の計画からは、その辺をきちんと整理して記述していただけると、多分わかりやすくなるだろうと思います。今回は、できる範囲でその方向にというのがお願いしたいことです。

【山岡科学官】概要の部分というのは、読んでいただける部分だと思うので、ここはかなり明確なメッセージを書いておいたほうがいいと思います。ですから、単にサイエンスでこうできましただけでなく、それがどう関係するかということまで含めて、今回はさらっと書いておいたほうがいいかなと思ったので、発言をしました。

【清水主査】では、よろしくお願いします。

【小泉専門委員】まさにもう少しわかりやすくというところですね。ずっと文章を読んで、図を見ても、わからないところが多いです。新計画から、概要を書いて、さらに概要のまた概要みたいなのを書かれて、わかりやすくされたのにも関わらず。もう少しわかりやすい図を書くようにできないでしょうか。

【吉田主査代理】フィギュアキャプションではなくて、図そのものをわかりやすく書き直したほうがいいというご意見ですか。

【小泉専門委員】それもなかなか大変だと思いますが、ここを注目したらわかるとか、何とかできないでしょうか。例えば、図2を日本語にするだけでも随分違ってきますよね。これはかなり重要な成果ですよね。跡津川の観測から、こういうことがわかってきたという。でもこれを見て一般の人でわかる人はいないと思います。

【吉田主査代理】では、図2は、少なくとも日本語を使って、もう少しわかりやすくします。今見たら確かに、このフィギュアキャプションも無味乾燥ですね。また、図2以外も直せる範囲でちょっと検討させていただきます。

【小泉専門委員】直せる範囲でお願いします。図が全般的に文章以上にわかりにくいと私は思います。

【清水主査】ありがとうございます。これを易しく書くのは大変難しいと思いますが。

【小泉専門委員】概要だけでも、重要なところだけでも何とかできないかなと。

【清水主査】図に関係してですが、概要の図4は課題番号が抜けていますね。

 ほかに、特に重要なのは、概要の中でも特筆すべき成果が2ページにありますが、何を特筆すべき成果としてピックアップするかということで、最初の今皆さんがご覧になっている案では幾つかここに挙げられているわけですが、これ以外に、ぜひとも挙げるべきだというのがあればご意見いただけますでしょうか。

【山岡科学官】3から4ページにかけて、成果の概要の3-1の1)、「アムールプレートが一枚の剛体で近似することが不適切であることが分かった」というのは、ここでは重要なのは、日本列島を考える上で、アムールプレートが一枚であると考えるのは不適切であるということはわかったということだと思うので、例えば、「一枚の剛体で近似することが不適切であることが分かり、日本のテクトニクスを考える上で考慮すべきであることが分かった」とか、一言日本に言及すべきであろうというのが僕の印象です。それが1点目。

 それから、次の5ページ、2)エの「地震発生サイクル」で、「数百年に一度のハイパーサイクル」というのは言葉としてはおかしいので、さらに大きな地震が発生するサイクルのことを指すので、通常の地震サイクルを超えて、さらに大きな地震が発生するハイパーサイクルとか、そういう言い方ではないかと思いました。それが2つ目。

 それから、6ページの、4)イのところで、「不安定な地震性の滑りを起こしにくい」という表現がありますが、分かりにくいと思います。地震性の滑りというのは、そもそも不安定な滑りのことを言っていると思いますが、「非地震性の滑りを起こしやすい」とか、わかりやすい表現が必要なのではないかと思いました。以上です。

【清水主査】ありがとうございます。ここは修正できますね。

 では、私のほうから、概要の6ページ、4)「地震発生の素過程」の4行目「摩擦破壊現象の大規模・小規模摩擦破壊現象の類似性」という表現が分かりにくいと思います。

【小泉専門委員】大規模な摩擦破壊現象と小規模な摩擦破壊現象の類似性ということですか。

【吉田主査代理】これは直します。

【清水主査】よろしくお願いします。

【松澤専門委員】55ページの本文にも同じ文章があります。

【清水主査】では、ここも含めて、もう一回確認をして、適正な表現に直したいと思います。

 また私のほうから。5ページ、3)「地震破壊過程と強震動」の最後の文章ですが、「アスペリティ研究や強震動予測の高度化のためには、高精度の地下構造モデルの構築や、強震観測の拡充・整備が欠かせず、これらの研究及びその成果に基づいた強震動予測とそのシミュレーションの実証的研究を行った。」と書いてあります。まず大体文章が長くて、一回読んだときによくわかりませんでした。「これらの研究」というのは、アスペリティ研究や強震動予測の高度化の研究だと思いますが、「その成果」はその研究の成果だと思われます。そうすると、その前のところに「強震観測の拡充・整備が欠かせず」というのが入っているために、つながりがよくわかりにくくなっています。「その成果」というのは、この強震観測の拡充・整備も指しているのかとか、もっと言うと、その「強震観測の拡充・整備」ということは、その以降の小項目のどこを読んでも、それに該当するようなものは何もありません。少しわかりにくいかなと思います。

【吉田主査代理】修正します。

【清水主査】それから、5ページ、ウ「地震発生直前の物理・化学過程」の文章で、南アフリカの金鉱山のことが書いてありますが、「2つの観測点で遅い歪変化が発見され、そのうちの一部には明瞭な前駆的歪変化が見られた。」と書いてありますが、「遅い歪変化」というのは、ひずみ速度がゆっくりしているということでしょうか。

【吉田主査代理】そういうことです。

【平田臨時委員】「ゆっくりとした」にしたほうがいいと思います。

【小泉専門委員】その方がいいでしょう。時間的に「遅い」のかと思ってしまいますので。

【平田臨時委員】戻りますが、「ハイパーサイクル」は、建議にも出てきましたか。

【松澤専門委員】本文29ページでは超サイクルという言い方をしています。

【平田臨時委員】いきなり「ハイパーサイクル」では、やはり何だかよくわからないと思います。

【松澤専門委員】29ページの下から4行目に、「通常考えている地震発生サイクルよりももっと長いサイクル(超サイクル)」と書かれていますので、これをそのまま前の概要に持ってくればいいのではないでしょうか。

【清水主査】ありがとうございます。そのほうがわかりやすいと思います。いきなりハイパーサイクルと書いても、用語説明が必要になると思いますので、今のご指摘のほうがいいと思いますが、よろしいですね。

 さらにまた私からで恐縮なんですが、9ページの課題と展望のところの最後の段落、「プレート境界における多様な物理過程として注目された深部低周波微動やそれに伴うゆっくり滑りは云々」と書いてありますが、前のほうでは、ゆっくり滑りが本質で、深部低周波微動は、それに時としてある条件が整えば伴うというような記述になっているのに対して、ここでは、深部低周波地震があって、それに伴うゆっくり滑りというような記述になっているので、これはゆっくり滑りのほうを前に持ってきたほうがいいのではないでしょうか。

【吉田主査代理】そうですね。

【清水主査】では、そのように訂正させていただきます。

【飛田専門委員】7ページの下から2段落のところ、下から10行目ぐらいのところに、「ア.日本列島域」というのがありますけれども、この本文に関しては、先ほど項目別本文の73ページのほうで議論して了承いただきましたので、同じ文がここに入っておりますので、それも項目別本文と同じように修正していただければと思います。よろしくお願いします。

【清水主査】今、飛田委員から指摘いただきましたけれど、ここは先ほどの項目別の説明のときにありましたように、文章が修文されておりますので、ここもそのように修文させていただきますので、よろしくお願いいたします。

【藤井委員】3ページの上から7行目のところに「無水カンラン岩」と書いてあるんですが、本文のところでも「無水カンラン岩」と書いてあるところと、「超塩基性岩」と書いてあるところとあります。これは統一したほうがいいと思いますが。

【清水主査】これは、逆に藤井委員に確認ですけど、超塩基性岩は無水カンラン岩を含むのではないですか。

【藤井委員】含みます。

【清水主査】無水カンラン岩と限定するか、超塩基性岩とするか、どちらがいいでしょうか。

【藤井委員】「超塩基性岩」で統一すればいいと思います。

【清水主査】「超塩基性岩」で統一するということで、いかがでしょう。長谷川先生、どうでしょう。

【長谷川委員】いいと思います。

【藤井委員】そう言ったものの、「蛇紋岩」が出てきます。蛇紋岩は水を含む超塩基性岩です。その意味では、無水の場合は「無水カンラン岩」としたほうがいいかもしれません。57ページの「超塩基性岩」を、「カンラン岩」と置きかえたほうがわかりやすいかと思います。水が加わった場合は蛇紋岩と呼んでいるようです。

【清水主査】そうすると、3ページの「無水カンラン岩」はそのままにしておくということですね。

【藤井委員】これはこのままにして、本文のほうを「無水カンラン岩」に変える。

【清水主査】今の概要の3ページを見ていると、そこに続く文章が、水が分布することが期待されるとか、水が深く関与していると思われるので、ここは超塩基性岩と書くよりも、無水カンラン岩と書いたほうが、わからないながらも、何となく水が関係していることがわかりやすいのかなとは思います。

【土井専門委員】2ページ、2)、「地震活動がこれまでになく精密に求められた他」というのは、もう少し具体的、定量的に、何がどれぐらいよくなったのかがあると説得力が増すと思います。対案はありません。

 それから、3ページ、2-2の一番上のところに、「通常では得られない知見が得られるため」とありますが、ここも何を意図して緊急に観測しに行くのかというところを書いたほうが説得力を持つのではないかなと思います。これも、すみません、対案はございません。

【清水主査】ありがとうございます。実は書くとなると結構大変かもしれませんが。

【山岡科学官】2-2「大地震の緊急的研究」は、実際に予算を取って行っているものなので、あっさりしすぎている表現のように見えるので、もう少し丁寧に、なぜそういうものが必要かという意義を書いたほうがいいと思いました。

【清水主査】最終的には私と吉田委員で相談しますが、ぜひ具体的な文章案がある場合はお知らせいただければと思います。

 同じように、跡津川の研究成果のほうも、震源警告の精度が上がったとか、もう少し具体的に書き改めるということで、よろしいですか。

【小泉専門委員】修正意見の様式は、この様式を使うのでしょうか。

【高木地震火山専門官】特に様式はありませんので、ご意見がありましたらメール等でいただければと思います。

【清水主査】修正箇所がわかって、その修正の理由がわかればいいと思います。

【高木地震火山専門官】よろしくお願いします。

【清水主査】意見をいただいた委員の方と、関係する委員の方に個別に相談をさせていただいて修正をするという形になると思います。

【高木地震火山専門官】事務局から確認ですが、先ほどご意見がありました概要の図をもう少しわかりやすくしたいという意見について、具体的にどう対処することになったのでしょうか。これは吉田先生に全部お願いするということでしょうか。

【吉田主査代理】図2は、私から作成者にお願いして日本語に変えてもらうつもりでいます。

【平田臨時委員】あとは、例えば、図1の「Slip Deficits」を、本文が「滑り欠損」となっているから、そう直してはどうでしょう。

【吉田主査代理】図1と図2はそのように対応します。

【山岡科学官】図1は、名古屋大学の成果なので、こうしたらいいとかご意見があったら修正します。情報量としてあまりにも多すぎるので、何が何だかわからない図になっているように思います。

【長谷川委員】図を直すのは大変かもしれませんが、さっき小泉さんが言われましたが、素人向けの図の説明として、どこを見なさいということを加えると大分違うのではないでしょうか。今の図の説明は、論文の図の説明と似ていて、玄人向けで最低限の情報を冗長にならないように書いてあります。

【小泉専門委員】そうです。マルをつけるとか、注目すべき点を分かるように。

【長谷川委員】そういうようなのをこの図にさらに加えるぐらいだったら、あまり時間はかからないかもしれないですね。

【小泉専門委員】図を書かれた方が、注目すべき点が分かるようにするだけで随分違ってくると僕は思います。

【清水主査】あと、フィギュアキャプションをもう少し詳しく書くことはいかがでしょうか。

【小泉専門委員】概要本文で、重要な点について説明があり、図がどこを見るべきか分かるようになっていればいいと思います。

【長谷川委員】図の説明を素人向けにすればいいだろうと私は思います。大体は玄人向けの図の説明になっていて、最低限必要な情報でしょうから、その後ろに、もっとわかりやすい説明文を加える。図だけ見てもある程度理解できるようなものにする。それを1行か2行加えるぐらいだったら、あまり手間はかからないだろうなと思って申し上げました。それを全て吉田さんがやると大変なので、図の作成者に吉田さんから依頼するのはどうかなと思って言いました。

【清水主査】ありがとうございます。

 それでは、本日の審議は、これで終了という形にしたいと思います。

 この報告書についてですが、お気づきの点がありましたら、10月20日までに事務局まで連絡をお願いしたいと思います。

【小泉専門委員】メールでよろしいですか。

【清水主査】はい。様式は、前の意見の様式でも結構ですし、修正箇所と修正理由がわかるようにご意見をいただければと思います。なるべく建設的にお願いいたします。

 本日皆さんからいただいた修正について、軽微なことについては、事務局で修正をして、皆さんに事務局からメールで送って確認をする形にさせていただきたいと思います。

 また、大きな修正や追加事項については、関係する委員の方々と事務局、それから私のほうで、ディスカッションをさせていただいて、最終的には主査一任という形で取りまとめさせていただきたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【清水主査】どうもありがとうございます。それでは、本報告書につきましては、本日お認めいただいたということにさせていただきたいと思います。

 この平成20年度の年次報告につきましては、次回の地震火山部会に報告をしたいと思います。

 議題は以上ですので、これで本日の議事を終了したいと思いますが、ほかに何か連絡事項等、皆さんのほうからありますでしょうか。

 それでは、そのほかなければ、本日の議事は終了とさせていただきたいと思います。本日はお忙しい中、ご出席いただきまして、どうもありがとうございました。

(以上)

お問合せ先

研究開発局地震・防災研究課

(研究開発局地震・防災研究課)