令和7年10月23日(木曜日)10時00分~12時00分
オンライン会議
宮澤委員、伊藤委員、今西委員、大倉委員、大湊委員、川村委員、清本委員、汐見委員、田中委員、寺川委員、安井委員、山際委員、山田委員、相澤委員、鈴木委員、角野委員、並木委員、西村委員、松島委員
(事務局)久利測地学専門官、齊藤地震火山防災研究課専門職、杉岡科学官、橋本科学官、五十嵐学術調査官
[委員の出欠状況等]
・日野委員、竹内委員が欠席。
[議事1.「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画(第3次)」の令和6年度年次報告【成果の概要】について]
宮澤部会長:それでは、議題に入りたいと思います。議事の1番、「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画(第3次)」の令和6年度年次報告【成果の概要】について」になります。それではまず、事務局から報告をお願いします。
久利専門官:事務局より説明差し上げます。成果の概要は、今年6月24日に開催した第60回地震火山観測研究計画部会でもご案内をさせていただきましたとおり、参考資料1のとおり、令和6年度年次報告【成果の概要】の作成方針に基づき、作成を進めております。昨年度に作成した令和5年度版との違いですが、網羅的に成果報告をする従来の形式ではなく、代表的な成果のみを取り上げることとし、その際には、一般の方にも理解できるように可能な限り平易な文章とし、また、図や絵を多用しながら取りまとめを行うこととしております。成果の概要を取りまとめるにあたり、取りまとめ委員の西村委員、鈴木委員、また、地震火山観測研究推進協議会の皆さまには多大なご協力をいただきました。改めてこの場で御礼申し上げます。なお、成果の概要の詳細につきましては、この後、取りまとめ委員からご説明いただきますので、この場では割愛させていただきます。まず、資料1-1、令和6度年次報告【成果の概要】(案)をご覧ください。本資料は、取りまとめ委員に作成いただいた初稿版について、事前に各委員からメールでご意見を伺い、そのご意見を踏まえた上で、修正を行ったものでございます。本日は、この修正稿についてご議論をお願いいたします。なお、各委員より頂いたご意見とその検討結果につきましては、席上配布資料として、委員の皆さまには見え消し版をご用意しておりますので、ご参照ください。また、用語解説につきましては、五十嵐学術調査官に作成いただき、本文と同様、各委員より頂いたご意見を踏まえ修正しております。こちらも、委員の皆さまには見え消し版をお手元にご用意しておりますので、ご参照ください。次に、資料1-2、令和6年度年次報告【成果の概要】参考資料(案)です。こちらは、今回ご審議いただく成果の概要本文の参考資料として添付するものであり、地震火山観測研究推進協議会で作成いただいた、研究推進部会および総合研究グループ等別の成果となります。例年、主にご審議いただくものは資料1-1の本文となり、資料1-2については、ご参考となります。このことを申し添えさせていただきます。
最後に、今後のスケジュールについて、事前に事務局よりお知らせいたします。本日、この場で成果の概要を取りまとめていただき、部会長預かりとさせていただく予定です。その後、本日のご議論の際に頂いたご意見を踏まえ、部会長、取りまとめ委員、事務局で最終稿の検討を行い、11月末頃までに最終稿を決定した上で、事務局にてホームページ掲載および印刷・配布を行う予定です。その旨ご了承いただきますようお願いいたします。なお、本日以降の体裁等の軽微な修正、また、追加のご意見につきましても、10月31日金曜日までに事務局までお知らせいただければ、取りまとめ委員や部会長とも相談しながら適宜検討を行います。以上となります。
宮澤部会長:ありがとうございます。私のほうからも取りまとめ委員の西村委員および鈴木委員、それから文章作成に、あるいは図の作成に多大なご協力をいただいた地震火山観測研究推進協議会の皆さまに対して、お礼を申し上げます。それでは、具体的な内容について、西村委員と鈴木委員から説明をお願いします。
西村委員:ただいまご紹介いただきました、取りまとめ委員の西村です。鈴木委員とともに、取りまとめをさせていただきまして、それぞれ担当の部分がありますので、担当した部分を当人が説明するという形で説明させていただきます。冒頭部分につきましては、西村のほうからまとめて説明させていただきます。資料1-1をご覧ください。こちらの資料につきましては、先ほど事務局からも説明ありましたけれども、昨年度までと少し方針を変えておりまして、一般にも分かりやすいようにできるだけ平易な文章とするということと、図や絵を多用しながら取りまとめを行うというような方針でまとめております。まず初めに、1ページの文章の構成です。「はじめに」のところになりますが、こちらもごく簡単に説明させていただきますけれども、図1に今回の災害の軽減に貢献するための地震火山観測計画第3次の大まかな概要と大項目、中項目が示されております。
1~4までの地震火山現象の解明あるいは予測、災害誘因予測のための研究、それから防災リテラシーのための研究というような研究の部分に加えて、今回の第3次では、分野横断で取り組む地震火山噴火に関する総合的研究という6つの項目について、分野横断型の研究を取り上げた点が新たな目玉になってくるところだと思います。それに加えて、6番の観測基盤等と研究推進体制の整備という項目により、この観測計画は構成されています。
次に、2ページですけれども、実施体制につきましては、今、申しましたように、先ほどの1番~4番にありましたような研究については、8つの研究推進部会というものの中で構成されておりまして、その中に各課題が登録されているという状況です。研究推進部会は基本的には、研究分野あるいは研究内容にしたがって8つの部会に分かれているわけですけれども、それをさらにテーマごととか地域ごと、あるいはその対象とする地震、あるいは火山現象ごとに一気通貫して、自然現象の理解から防災につなげていくというような目的を基に、6つの総合研究グループができたのが、今回の計画で新しい点です。総合研究グループ自体は、今までもありましたが、それを大幅に機能強化しており、縦串と横串で両方の面から研究を進めていくというような体制になっています。
3ページ目は、参画機関と課題数ということで、全部で34機関が参加しているわけですけれども、こちらの地図にそれぞれの機関の位置を記載しております。これらの研究機関から162の実施計画、それからこれにさらに公募研究として17の実施計画、および拠点関連携の11の実施計画というのが、本観測研究計画の中で行われている研究計画になります。
次からは、具体的な各研究の成果について、お話しさせていただきます。まず、最初の2章といたしまして、近年発生した地震に関して得られた重要な成果ということで、2-1として日向灘の地震、それから2-2としては、能登半島地震というのを取り上げております。まず、2-1のほうから説明させていただきます。
日向灘では、2024年の8月8日にマグニチュード7.1という地震が発生しました。この地震は、南海トラフ地震の想定震源域の西端付近で発生したため、南海トラフ地震の臨時情報というのが気象庁から発表されたということで、非常に注目された地震であります。この地震は、フィリピン海プレートと陸側のプレートの境界断層で発生したものでありますけれども、その前後では、プレート境界でスロースリップやアフタースリップなどのさまざまなスローな現象が発生しているということが知られており、何枚かの図を用いて説明させていただきます。まず、最初の図H1は、国土地理院のGEONET観測点に加えて、観測研究計画で整備されました宮崎県、鹿児島県内の14カ所のGNSS観測点のデータを使って、2つの地震時と、地震の間の地殻変動を表示したものです。図の矢印が各観測点における水平変位を表しているわけですけれども、左側が8月8日の地震、真ん中が8月~1月の地震の間の期間の変動、右側が今年の1月の地震の地殻変動になります。比較しますと、左側の地震時に比べると、一番右側の1月の地震は北側に変位の中心が移っている傾向があります。また、左側と真ん中の地震時と地震間の変動を比べますと、左側の地震時では、地震の震央を焦点とするような一手に集まるような変位分布をしているのに対して、真ん中の図は、各観測点が並行に移動しているような傾向があります。
このようなデータを使いまして、次のページ、図H2の震源断層モデルの推定を行っております。四角形の断層を仮定しまして、震源域あるいはすべり域がどこかを推定した結果がこちらの図に示されており、赤い四角で書いたのが8月の地震、青い四角で書いているのが今年の1月の地震になります。この2つを比べますと、8月の地震が南側で、1月の地震が北側ということで、両者は重なっていないということが明らかになりました。また、この地域では、1996年にもマグニチュード7クラスの地震が2つ発生しており、これらについても同様な手法で推定した震源断層モデルが灰色で2つ書かれています。これらの灰色の四角2つを合わせたものが、ほぼ2025年1月の青い四角と重なっているということで、これらを総合的に解釈しますと、2025年1月の地震というのは、1996年の2つの地震を合わせた領域が28年間、ひずみをためて、再び破壊した地震であったと考えられます。
また、この地震の後のアフタースリップによる余効変動が先ほどのベクトル図に示したように観測されていますけれども、次のページの図H3に、その分布を表示しております。カラーで示しているのが2024年8月~2025年1月までのアフタースリップの分布で、ちょっと見づらいのですけれども、右側のアフタースリップ領域に重なるように黒い破線で示されている領域が8月の地震時すべり域になります。それから、緑と青のコンターで示されているのは、1996年の地震の震源域ということになります。これらを比較しますと、アフタースリップのすべり域が、地震時すべり域の東側と西側の両方に広がっていたというような特徴があります。また、このアフタースリップ領域と96年あるいは2024年の地震時すべり域は一部重なっているように見えますが、中心はずれているますので、地震として滑る領域とアフタースリップとして滑る領域の棲み分けを示唆しています。このようなすべり域の棲み分けということは、地震が将来どういうところで発生しやすいかという地震発生ポテンシャルを評価する上で、重要な成果と考えております。
続きまして、図H4ですけれども、こちらのほうは、南海トラフ地震の臨時情報の発表についての認知度や発表を受けた防災行動の実態などについて、整理したものです。この臨時情報を見聞きしたという回答は約8割です。上の3つが情報入手先に関するアンケート結果になりますけれども、テレビやインターネット、ソーシャルメディア等から情報を受けていて、多くの方がこの臨時情報を認知していたということが分かりました。実際その情報を入手した後の行動が下の青い部分に書かれています。臨時情報では、日頃からの地震の備えを再確認しようということを呼び掛けられていたわけでありますけれども、実際の行動の割合は、各項目とも非常に低く、水や食料などの備蓄を確認したというような具体的な行動をとった方は、各項目ともも大体10%~20%程度ということで、あまり呼び掛けられていたような行動が取られていなかったことが分かりました。これは、一部の報道による言語表現が、本来のメッセージの伝達を妨げていたことが一因であるというふうに考えております。
続きまして、9ページ以降の能登半島地震に移ります。石川県能登半島の北東部においては、2020年12月頃から地殻内での地震活動が活発化しました。この地震活動については、科研費あるいは本計画からの各課題への追加予算により、発生原因を調べるような研究が続けられていたのですけれども、2024年1月1日にはマグニチュード7.6という非常に規模の大きな地震が発生して、多大な被害が生じました。この地震に関する研究成果が、昨年度から今年度にかけて次々に明らかになってきています。まず、図N1は、この海域の余震を、海底地震計を使って決めたものであります。本震約1カ月後から約1カ月間の余震分布が明らかになりました。陸上の観測点だけでは、この地域の震源がかなり深く決定されていたのですけれども、地図上の赤い四角で示しているのが海底観測点、すなわち余震域の直上に観測点を設置して震源決定することによって、震源の深さが17キロよりも浅く、上部地殻内でほとんどの余震は発生しているということが分かりました。また、図中にNT2-6というような形で、事前に想定されたこの地域の震源断層モデルが表示されています。事前に想定された震源断層では、南東傾斜と北西傾斜の断層があったのですが、実際起こった地震の余震分布と比較すると、同じように南東傾斜と北西傾斜の面があることがわかりました。すなわち、事前の震源断層モデルと調和的な地震が実際に発生したということが分かりました。また、この図では青い色で書かれているのが深い地震になりますけれども、深い地震が震源域の一番北東側で起こっているということも明らかになりました。
また、海域の地震ですので、津波の観測による研究成果も挙がっています。その結果が図N2になります。こちらは、津波の観測データを基にして、津波の波源域を調べたものになります。図のカラースケールで示してあるのは、陸上のGNSS等の観測から推定された震源断層モデルから期待される初期波源、すなわち海面の初期的な上下変動なのですけれども、これだけでは十分に観測された津波を説明することができませんでした。具体的には図の右側に、能登半島の飯田港と新潟県の直江津港のデータが示されております。黒が観測波形でありまして、先ほど説明した初期モデルから予測される波形が青い線で書かれており、両者はかなり違っております。そのため、実際の観測データに合わせるためにはどういうことが必要かというのを調べまして、その結果推定されたのが、左側の地図中に実線のコンターで示された領域の波源になります。国土地理院のモデルに加えて、実線の領域の波源を加えることによって、観測データがより良く説明できるようになります。右側のグラフでも、赤線で示された計算値で観測値が非常によく説明できるようになりました。このように、陸上のデータだけでは分からなかった地震の破壊が進展した北東端が津波のデータを使って明らかになったというのが、この研究の成果となります。
また、余震の解析から、この地震の震源断層は、断層の浅部では高角、深部では低角の形状をしているということが分かっております。このような形状はリストリックな形状と呼ばれていますが、そのような形状を用いたモデル化が地殻変動のデータを使っても行われております。次のページの図N3をご覧ください。こちらは地殻変動のデータを使っているのですけれども、国土地理院GEONETのデータに加えて、最近整備されてきている民間の基準点であるSoftBankのデータ、あるいは大学の臨時観測によるデータに加えて、InSARのデータも併用して推定した震源断層モデルになります。InSARのデータは、非常に空間分布が密ですけれども、欠点として南北方向の地殻変動が分からないというような問題があります。一方、GNSS観測点はこの地域に多数あり、実際この地図上で矢印、ベクトルで示されているのが観測点の配置になります。これらの観測点のデータを使うことによって、南北成分の変位を含めて高い空間分解能で地殻変動を得ることができ、地震時の断層すべりを推定しました。その結果、地図上にありますように、能登半島の北西部と能登半島の北東部の2カ所に大すべり域があることを示すことができました。
次のページは、1月1日のマグニチュード7.6の地震の前の地震活動に関する研究結果になります。図N4をご覧ください。こちらは、微小な地震まで震源を高精度に再決定したもので、地図上に書いてあるxが0km~26kmとかかれた線上に投影した地震の時空間分布が一番下の図cに示されています。縦軸が0のところが本震が発生した時間で、それから下方に時間がさかのぼって、1,200というのは、本震の1,200日前を意味しています。投影された震源から、xが20kmあたりのところから地震活動が徐々に西側のほうに移動・拡大している様子が明らかになりました。それから、本震が起こった場所は赤い星印で示されています。その辺りでは900日ぐらいからずっと地震が続いていますが、深さ方向に詳しく見てみると、深部から浅部のほうに地震の震源が移動・拡大していたことが明らかになりました。このような震源移動というのは、流体が本震前に深部の微細断層を通じて本震の震源付近まで移動していたということを示唆していると考えられます。このような流体移動が、能登半島地震の本震の何らかの引き金になったのではないかということが示唆されました。
続きまして、次のページの図N5をご覧ください。こちらは、この地震の震源域を地震波速度構造で地殻構造を詳細に見た研究になります。左側が深さ18キロでの地震波速度Vp/Vs比の分布、それからb、cに示しているのが、左側の地図中のC-C’鉛直断面における、それぞれVp/Vs比とVpの速度になっています。この中で断面図をご覧いただきたいのですけれども、赤、紫、および青の線で書いているのが、この地震の震源断層モデルになります。そこに余震分布と地震波速度構造を重ねて書いているのですけれども、一つ注目されるのが、本震の破壊、赤い星印のすぐ右下にVp/Vs比で見ると赤い場所があり、その場所は、Vpで見ると青い領域になっています。すなわち、Vpで見ると高速度で、Vp/Vs比が大きい領域になっています。このような地震波速度の特徴を解釈します。この地域は非常に古い火山が位置しており、カルデラが形成されていたと考えられているのですけれども、そのカルデラの元となったマグマだまりのマグマが現在では固化した物質があると、地震波速度構造の特徴が説明できます。その古いマグマだまりから流体などが吐き出されて、先ほどの地震の震源移動を引き起こし能登半島地震のきっかけになったのではないかという解釈が示されました。本研究は、地殻構造が大地震の震源域を規定していたり、地震を誘発する流体の源となったことを明らかにするといった研究の意味合いがあると考えます。顕著な地震に関する成果はここまでですので、次に3章以下の各建議の項目における代表的な成果の説明に移ります。
16ページの図をご覧ください。こちらは、日本海溝北部における微動とS波速度構造の空間相関を調べた図になります。この図の右側に地図が示されていますが、三陸沖の日本海溝の地域の研究でありまして、海溝軸付近にテクトニック微動と呼ばれるスロー地震の一種と普通の通常の地震が多数発生している地域になります。このテクトニック微動と地殻構造の関係を調べたのがこちらの図になっておりまして、右側の地図で0~500キロと書かれたプレート境界の深度が15キロぐらいのところに点が打ってあり、そこでの鉛直断面を書いたのが左下の図になります。ここに示されている色はS波速度構造を示しています。大体海溝から等距離にある場所になりますが、S波速度が横軸の0kmから500kmの範囲で多少変化がある傾向が見えまして、特に50kmから150kmのあたりは、浅部での速度が遅い領域がかなり広がっている構造が特徴的です。S波速度が遅い層は、堆積層だと考えられております。この分布とその上に示してあるテクトニック微動の発生頻度分布を比べますと、堆積層が厚いところにテクトニック微動が比較的多く位置しているという相関が認められます。これは、堆積層から流体が脱水することによって、プレート境界断層やその周辺の間隙流体圧が変化し、断層すべりの挙動に影響を与えることにより地震やテクトニック微動の発生を規定しているということを示唆するものです。次は鈴木先生、お願いいたします。
鈴木委員:次の17ページですけれども、これは火山の磁化構造解析に関する成果になります。まず、研究の背景なのですが、火山の岩石には、磁気を帯びた鉱物が含まれており、温度が上がったり、熱水変質を受けたりすると、その磁性が変化します。この磁性の変化は、火山上空で観測される磁場にも影響するため、磁場を観測することによって、地下の温度変化や熱水活動の進行を推定することが可能になります。これまでは、観測には地上の磁力計とかヘリコプターが使われていましたが、2019年頃からは、こちらの図Aにありますような小型ドローンの活用により、より柔軟で高精度な観測が可能になっています。この研究では、北海道の十勝岳でドローンによる空中磁場測量を行い、この火山の磁化構造の解析を行ったものです。その成果が右の図に示されております。右の図に示されておりますように、この研究は2024年度の成果ですが、前年度2023年度との比較によって、現在発生しつつある現象を明らかにしております。まず、幾つかの火口で磁性の回復について考察されました。また、その考察ですけども、地盤の膨張から収縮傾向への変化という別のデータを考慮することによって、地下の熱が抜けて低温化したことを示すと考えられました。一方で、別の地域、前十勝西斜面では磁性の低下が見られ、これは熱水変質が進行している可能性であるというふうに考察されました。
次に、ページ18ですが、これは、背景をまずご説明すると、地震や火山噴火の将来の活動を予測するには、過去の事象とともに現在の状況を正しく把握することが重要になります。この研究は、過去の事象にフォーカスしたものになりますけども、過去の事象を理解するには、史料や考古資料、あるいは地質調査の情報が大きな役割を果たします。この研究では、全国遺跡出土地震痕跡データセットというものを、奈良文化財研究所において公開したものになります。データセットの準備にあたって、この研究所が所有する13万冊を超える考古発掘調査報告書の中から地震痕跡に関わるキーワードの記録があります1,499冊を抽出して、また、その記載場所を326地点に分類してデータベースにしたものです。この図に示されておりますのは、そのデータセットのウェブサイトのページになります。これを一般の、CSV形式でもってデータを利用することができます。このほかに、同研究所では、遺跡災害情報ポータルサイトが開設され、全国遺跡出土地震痕跡統計データ、地震痕跡データマップ、歴史災害痕跡データベースもポータルサイト内に収納されております。この研究の重要性なのですけども、これらのデータベースは地震痕跡の分布傾向や表層地質を反映した地盤の揺れやすさの傾向を視覚化する上で非常に役立つものです。また、同時に地域ごとの災害メカニズムの理解とか、現在の社会インフラの評価にも役立つ重要な情報基盤になるものになります。では、またもう一度西村委員に戻ります。
西村委員:次に20ページです。こちらは内陸地震の起こりやすさを評価するために、地球内部の三次元的な変形速度の分布を推定する手法を開発して、その結果を示しております。観測では、GNSSデータということで、地表の変形は捉えられるのですけれども、それからさらに地下がどういう変形をしているのかを推定したのがこちらの図になります。左側が関東地方から九州地方までの地下の最大せん断ひずみという変形の尺度を示した空間分布になっておりまして、A-A´からD-D´までの4つの測線における断面が右側に示されています。このような非弾性変形は、地殻での応力の蓄積・解放過程を反映するものですので、内陸地震の発生を理解するために大変重要な情報となっております。左側の地図を見ますと、赤い領域、すなわち変形の大きな領域は、活断層などが集っている領域に集中している傾向があります。また、幾つかの断面を見ますと、そのような変形というのは、基本的に深さが20キロよりも浅いところに集中しておりまして、より深部では均一になる傾向があるということが分かりました。また、特に断層に関係するものとして、中央構造線や新潟-神戸ひずみ集中帯に地下の変形が集中するような傾向が見えまして、地域ごとに異なる非弾性変形の特徴が、内陸地震の発生の地域性を理解する上で重要な手掛かりになっていくと考えられます。
次の21ページ、お願いいたします。こちらは、東北地方太平洋沖地震の前に異常な現象があったかどうかを検討するものです。大きな地震に先行して断層がゆっくりすべる現象というのは、プレスリップという名前で知られていて、古くから存在が指摘されているのですけれども、実際の大地震でその実在が確かめられた例は、ほとんどありません。最近、多くのGNSS観測点の記録を使って、多数の地震に対する重ね合わせでデータ処理をすると、2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震などに代表される大地震で、2時間ぐらい前から加速的なプレスリップがあったという報告がフランスの研究者によって行われております。そのような報告結果を確かめるために行われたのが、この研究です。フランスの研究者たちの報告には、GNSS観測のノイズなどの問題があり、ノイズの補正をすると指摘されているような変化はなかったと指摘する研究もありますので、別のタイプのデータを使って検証することが非常に重要になります。ここでは、図の左側の地図にHi-net併設の高感度加速度計の分布が示されています。これは傾斜を測ることができ、そのデータを、多数の観測点を使って東北地方太平洋沖地震の前の記録に対して足し合わせてみたのが、右側のグラフになっています。一番図の右端が東北沖地震の本震の発生時を表し、それ以前の大体1日分のデータが示されております。所々地震があって、データが乱れているような変化はあるのですけれども、地震に向かって何か加速するような変化は、青で示された実際の観測データからは得られておりません。先行研究で指摘されたようなプレスリップを示唆する変化というのは、黒い実線で示されたような変化なのですけれども、このような変化は、この傾斜記録のデータからは確認できませんでした。ノイズレベル等も考えますと、マグニチュード6.4以上のプレスリップは、東北地方太平洋沖地震の前にはなかったという結論になります。次、鈴木先生、お願いします。
鈴木委員:ページ22以降ですけれども、こちらは、地震火山噴火の災害誘因予測のための研究成果になります。こちらは、機械学習モデルの一種であるTCNを使って、長周期地震動の波形を予測する手法を開発したものになります。さらに開発した手法によって、東北地方周辺で発生するマグニチュード6クラスの地震に伴う都心の超高層ビルの揺れを即時に予測する実験も行われています。この図の左側は、モデルの学習に用いた震源の震央を示す緑色のものと、予測実験の対象とした地震の震央を示す赤色になります。予測実験なのですが、2段階に分けて行われました。1つ目は、震源域から関東平野への揺れの伝播、2つ目は、関東平野内の観測点から建物への揺れの伝播の2段階に分けております。この結果ですけれども、その結果が右側の図に示されています。揺れの時系列、応答スペクトル、継続時間などが実際の観測に近く、十分な精度で再現できること確認されました。今後は、学習データや入力観測点を増やし、内陸地震や南海トラフ沿いの地震に伴い発生する⻑周期地震動への応用も進められていく予定です。
西村委員:次の2ページ送っていただきまして25ページです。こちらは、防災リテラシーに関係する研究です。一般的に地震を経験しますと、一時的に人々の防災意識というのは高まるのですけれども、しばらくすると元の状態に戻ってしまいます。このような意識の性質を考慮した上で、⻑期的に持続するような形で防災リテラシーの向上を目指す必要があります。ここでは、行動経済学に基づく調査研究が行われています。行動経済学というのは、人間の行動が合理性によってだけではなく、感情や⼼理によってどのように左右されるかを調べる学問であります。過去の例から、災害に直面した際の人間の行動は、災害の回避に対して必ずしも合理的に選択されているわけではなくて、むしろ感情に支配されることが多いということが明らかなため、防災リテラシー向上のための減災の実現という目標に向けて、行動経済学は重要な手段となり得ます。ここでは、時間帯、曜日、周囲の人の有無といった条件が、地震時にとる行動に対してどのように影響を与えるかという調査を行いました。調査は8月と12月に行われていまして、これは、先ほど説明した南海トラフ地震の臨時情報が出た直後と、それからしばらくたってからという2つの時期で調査したということになります。右下にそれぞれ時間による、地震の情報を確認したか、周囲の状況を確認したかというような割合を示しています。この調査から、以下の2つの結果が得られております。1つは、地震の情報を確認するかしないかというのは、時間帯よりも周囲に人がいるかどうかということに影響されるということが分かりました。もう1つは、周囲の状況を確認するかどうかというのは、時間帯と周囲の人の有無に、両⽅に影響されるというようなことが分かりました。すなわち、例えば平日の夜で周りに人がいると、あまり状況を確認しないとか、そういうようなことが分かりました。このように、地震に遭遇した時のとるべき行動を実際に人々がとるかということは、被災時の状況等に影響を受ける、また、その影響の受け⽅は行動ごとに異なるということがこの研究を通して分かりました。
次に27ページです。こちらの図は、豊後水道で発生する低周波微動、すなわちテクトニック微動と地球潮汐の関係を調べた図になります。やや複雑な図になっているのですけれども、まず豊後水道の辺りを示した地図があります。この地域では大体6カ月~12カ月間ぐらいの継続時間を持つマグニチュード6~7規模の⻑期スロースリップが、数年間隔で発生する場所ということが知られています。これらの⻑期SSEと同期して、深部でのテクトニック微動が活発化することが知られています。図のaとbに赤い点で示されているのが、このテクトニック微動の震央分布になっています。長期SSEは、紫色の線で示されているようなところで主に発生するとお考えください。長期SSE領域と重なる、中の右上のBbと書かれた四角の領域の中の微動の数を特に注目して調べたのがこの研究になっています。下側のグラフcについて、グレーで右肩上がりに左下から右上のほうに伸びている線が、この地域の微動の累積発生数を示しています。横軸は時間になっておりまして、赤系の網掛けで示しているのが、長期SSEの発生時期になっています。この微動の発生数は、長期SSEの時期に階段状に増加する傾向が見られています。このことは以前から指摘されていたわけですけれども、微動と地球潮汐の関係が長期SSEの時期に変化しているかを調べたのがこの研究の新しいところです。地球潮汐、すなわち、月や太陽の引力によって地球内部にかかっている力というのは周期的に変化し、主に12時間周期や24時間周期で変化することが知られています。そのような外力によって、微動がより発生しやすくなるかを示す潮汐感度というものを定義しまして、外力によって地震がより発生しやすいと、潮汐感度が大きくなるような指標となっています。そのような潮汐感度が時間変化しているというのが、何本かの線によって示されています。断層面でのせん断応力が青線で、断層面のすべりやすさを代表するような応力変化であるΔCFFが赤線で示されています。赤線に注目していただくと、網掛けの時期に潮汐感度が大きくなっている傾向があり、長期SSEの発生時期との相関が認められます。この原因のとして、長期SSE期間中は断層がゆっくりすべることによって、断層面に働く摩擦力が小さくなります。このような低摩擦状態であると、地球潮汐のようなわずかな外力により、微動が発生しやすくなるような影響を受けるため、潮汐計数が高くなったのではないかという解釈を示しております。これは微動というスロー地震に対しての影響ですけれども、大地震においても似たような影響が考えられます。よって、地球潮汐が最後に地震の引き金を引くような場合に、周辺でスロースリップなどが発生していると、より潮汐による誘発の可能性が高まるといったような研究として、今後発展していく可能性があります。
28ページをお願いいたします。こちらは、関東地方、首都圏の下で起こる地震活動について、詳しく調べた研究になります。関東地方にはプレートが複数沈み込んでおりまして、この中で特に太平洋プレートの沈み込みプレート境界付近で発生している、深さ60km~70kmぐらいの地震活動を集中的に調べました。そうしますと、深さ60km~70kmの領域では、一様に地震が発生しているわけではなく、かなり特定の地域の集中した活動域があります。その一つの千葉県北西部、すなわち、東京湾の北部における地震活動について詳しく調べたのがこちらの研究になります。左の図が、地図上に投影した地震の分布でありまして、グレーがここで起こっている地震になります。その中で地震のメカニズム解を調べまして、青い星印で示したのがプレート境界面で発生していると思われる地震になります。どうしてこのような分布となっているのかを解釈する際に、ちょうどこの地域に沈み込む太平洋プレート上には海山が載っているということを考えます。地震の震源分布が海山の沈み込みにより、良く説明できることを提案したのがこの研究になります。左側の地図の中央の辺りに海山があって、それが10キロ程度の半径を持ちながら、沈み込んでいると解釈しています。プレートが北西方向に沈み込んでいるわけですので、そのプレートが沈み込む海山の前面側のほうで、プレート境界面の地震が多数発生していると考えられていて、逆に海山の頂点よりもプレートが沈み込む後ろ側の部分に割と大規模なマグニチュード6クラスの地震が発生していると考えられるわけです。左側の図に対して鉛直断面図を書いたのが右側の2枚の図になっておりまして、北東側の断面図が上、それから南西側の断面図が下に書かれているのですけれども、北東側のほうでは、ちょうどプレート境界面に対して、やや濃い茶色で三角形状に出っ張っているのが海山の部分になりまして、そのプレートが沈み込む前面の部分でプレート境界面の地震が多数発生しているというようなことが分かってきました。それから、南西側では、前面のほうではあまり地震が起こっていないのですけれども、沈み込みにより海山が削り取られて、崩壊しているのではないかという解釈をとっております。逆に海山の沈み込む後ろ側のほうでマグニチュード6クラスの地震が起こっているというようなことがありまして、この首都圏の直下で起こるM6クラスの地震のメカニズムについて、一つの解釈を提示したというところがこの研究の新しいところになります。
では、鈴木先生、お願いします。
鈴木委員:ページ29は、千島海溝沿いの巨大地震を対象とする総合研究グループの成果になります。このグループでは、幾つかの課題に取り組んでおりますが、特に防災リテラシーに関わる成果になります。具体的には、地理空間情報やICTを活用した避難行動の研究成果になります。令和6年度には、観光客等の津波からの避難をテーマに、北海道新冠町で実証実験を行いました。土地勘のない大学生に避難訓練を行って、GPSで行動を追跡したものになります。下の図、左側は津波発生後25分後、右側は津波発生後28分後の図になります。避難のスタートが赤丸で、緑色が避難の軌跡、青がゴールになります。そして、茶色の部分が浸水域になります。この結果として、スマートフォンを使った地理情報の活用が最適な避難経路の選択に有効であるということが分かりました。一方で、避難先の判断にはグループによって差が生まれ、そこには情報取得のスキルの違いや率先避難者の存在が関わっているということも明らかになりました。これらの結果は、観光地での避難誘導ツールやリソースを改善するために貴重な成果となります。
西村委員:続きまして、30ページをお願いします。能登半島地震の粘弾性緩和から予測される地殻変動になります。能登半島地震の時には能登半島の北岸で大規模な隆起が生じましたけれども、地震の後にも長期間変動が継続する場合があるということが知られています。特に、東北地方太平洋沖地震の後は、このような地殻変動が長期間継続しておりまして、その原因の一つとして、地下で地震時に生じた応力変化を緩和するように物質が流動するために起こる現象である粘弾性緩和と呼ばれる性質が知られています。下の図は、能登半島地震の後に、今後予測される変位について、その空間分布を示したものになります。カラースケールが鉛直方向の変位を示していまして、能登半島では、最大10センチを超えるような沈降が今後10年間で予測されます。一方、新潟県の沿岸部などでは、若干の隆起が期待されるというものになります。また、水平変動についても、矢印で示しておりますけれども、能登半島の方向に向かうような変動が見られておりまして、主に新潟県や長野県の辺りでは、北西方向に変動する傾向が見られます。このような変動は地震後徐々に小さくなりつつも、地震後100年程度は、年間1mmを上回るようなレートで変動すると考えられていまして、この地域の復興活動や、今後の地震活動にも、影響を及ぼすと考えられます。
鈴木委員:ページ31は、これまで蓄積された鹿児島県桜島の噴火データを基に、将来起こりうる大規模噴火のシナリオを検討した研究になります。特に、この成果は火山灰の輸送と拡散をシミュレーションすることによって、大規模噴火時の鹿児島県内における火山灰の降下リスクを評価したものになります。4種類、図が示されておりますけども、これは噴火の再来間隔の違いに応じたものになり、50年~200年までの多様性を持たせております。また、赤い三角の部分が桜島、そしてグレースケール、濃いものから薄いものまでありますけども、これは各地点の降灰の厚さになります。結果として、噴火の最大間隔が長くなるほど、火山灰堆積の影響範囲が広がり、降灰量も増加するということが判明しました。特に、大正噴火と同規模の噴火が再び発生した場合には、鹿児島県内の多くの市区町村ならびに人口密集地域で甚大な降灰被害が予測されることが判明しました。
32ページの成果は、群馬県の草津白根山のものになります。この火山では、地球物理学的・地球化学的な観測に加え、地下の構造探査や地質調査など多角的な研究が進められてきました。この結果を統合した結果、水蒸気噴火を引き起こす火山の地下構造や流体の蓄積・移動に関する概念モデルが提案されました。そのモデルを示したのが、こちらの図になります。草津白根山の地下浅部には、流体をためる構造と流体の上昇を妨げる構造、具体的には難透水層や帽岩が存在しているということが分かりました。この図におきまして、難透水層や帽岩というものは、黄色で示された部分になります。こうした複雑な構造を反映して、流体が地表に到達する経路が複数あり、どのルートを通るかによって、地表での噴火の様式や前兆現象が異なるということも明らかにされました。水蒸気噴火による災害を減らすには、このような地下構造を個々の火山で正確に把握し、また、観測データの背景にある意味を読み解くことが重要といえます。
西村委員:34ページをお願いいたします。光ファイバを用いたDAS観測に関する説明になります。プレート境界の地震やスロースリップは主に海域で発生しておりますので、これらの現象をモニタリングするためには、海底における地震観測というのが非常に重要になってきます。今までも海底での観測というものを継続的に実施してきたわけですけれども、今回はDASと呼ばれる光ファイバセンシング技術の一つである分散型音響センシングを使って、海域での地震を実際に観測した結果が、下側の図に示されております。DASは、既存の光ファイバケーブルを用いることによって、新たなセンサーを設置することなく、広範囲で高密度の地震観測ができる手段として注目されています。海域での光ファイバの計測に適した方法を検討するために、実際観測を行ったのが本研究になります。このシステムでは、三陸沖のファイバのシステムで捉えられたDAS記録が下に示されておりまして、ちょうど15時23分47秒のあたりで横に広がる地震の波形が見えます。ファイバの距離で言いますと、大体45kmぐらいのところが一番速く来ており、そこから大体50kmぐらいの範囲で地震波が確認できます。この地震は、ケーブルから30キロぐらいの距離のところで発生したことが分かっておりますが、そのような地震を良好に記録できるということが、海域の光ファイバのケーブルによって明らかになました。今後さらにいろいろな地域で活用されていくことが期待されます。
鈴木委員:ページ35をお願いします。2024年の能登半島地震を受けて、石川県輪島市中心部を対象に地震火災のリスク評価を行った成果になります。2014年に国土交通省の調査検討会が能登半島の北岸や北東沖に設定したF43断層というものがあるのですが、2024年の能登半島地震とこのモーメントマグニチュードや震源域が近いことから、F43断層を想定して、シミュレーションを行ったものになります。左側の図がどういったものかというと、地震発生後60分~360分までの間の延焼域や焼失域の変化を示したものになり、赤色が延焼域、黒色が焼失域になります。シミュレーションの結果と実際の焼失域を比較すると、地震の際の焼失棟数、240棟だったのですが、これはリスク評価の想定の中でも大きなクラスの火災被害に当たることが判明しました。また、シミュレーションにおいて焼失確率が高い建物の分布と、実際に焼失した範囲がおおむね一致しているということも分かり、火災リスク評価の精度が高いということが確認できた、そういった成果になります。以上が取りまとめの結果となりますので、お戻しいたします。よろしくお願いいたします。
宮澤部会長:ありがとうございました。昨年度までと比べますと、より簡略化して、さらに平易な報告書にまとめていただいたと思います。ほかの重要な成果ももちろんございますけども、そういったものとか、あと専門家向けに関する説明は、資料1-2を参照いただくことになりますが、本日の審議では、今ご説明いただいた資料1-1のほうになります。それでは、ただいまの資料1-1のご説明に関して、ご質問・ご意見等ございましたら挙手ボタンを押していただいた上で、ご発言をお願いいたします。特にご自身が専門とする分野について、内容等ご確認いただければと思いますが、いかがでしょうか。寺川委員、お願いいたします。
寺川委員:取りまとめありがとうございました。まず、6ページのH2の図になります。こちらの絵を見ると、8月8日の地震のほうが、規模が大きいのに四角に囲んでいる領域が小さくなっていて、誤解を生みやすい絵かなというふうに感じたのですけれども、1月のほうのイベントのすべった範囲というのが、実際にすべった範囲の関係がもうちょっと見えるようにできないかなと思ったりします。そこを確認したいのですが。
西村委員:西村のほうから回答します。こちらは、一応インバージョンで矩形断層を仮定して推定した結果の面積がそのまま表示されていて、実際にすべった面積は1月の地震よりも、8月のほうが規模が大きいにもかかわらず、小さかったと思っています。すべり量が倍以上違っていたと考えています。それをサポートする一つ解釈として、8月の地震の滑り域は強度が非常に高いパッチでありまして、実際1月の地震は二十数年ぐらいの応力蓄積で再び割れたのですけれども、2024年のほうは、多分前回は1960年代の地震だということで、60年分ぐらいひずみをためていたと思われるんですね。ですので、強度の高いパッチが南側にあって、比較的コンパクトなパッチがあるのにかかわらず、北側のほうのパッチはもうちょっと強度が弱いパッチだったのではないかというような解釈をもって、こういう結果をしています。
寺川委員:つまり、応力効果量が違ったっていうふうに理解していいですか。
西村委員:そうですね。そういうふうに考えております。
寺川委員:分かりました。関連する図で2つぐらい次の地震間すべりのコンターの上に90年代の地震のすべりを重ねた絵がありましたが。
西村委員:7ページのH3の図ですね。
寺川委員:はい。今回の1月のイベントっていうのは、90年代の2つが一緒になったようなイベントっていうふうに理解していいですか。
西村委員:そうですね。ここでは同じ解析はしていませんが、上側の結果でいうと、そういうような感じで捉えております。
寺川委員:ありがとうございます。それから、続いてよろしいでしょうか。
宮澤部会長:はい、お願いします。
寺川委員:20ページの非弾性ひずみの成果に関してですが、こちらは、報告書のほうに手法を開発したとありますが、この研究内で新しく手法を開発したものになるのでしょうか。
西村委員:もちろん先行研究というか、ベースになる研究はございます。コンセプト自体が全く新しいかというとそうではなくて、野田・松浦などの先行研究があるのですけれども、ここではボックスの非弾性変化、先行研究でいうとバルボーたちが使っているようなグリーン関数を使ったており、組み合わせとして新しい研究なので、新しく開発と書いています。コンセプトとして全く新しいというものではありません。
寺川委員:バルボーの手法を使ったということですか。
西村委員:グリーン関数としてバルボーの方法を使っていますけれども、インバージョンやデータ解析だとかそういう方法は……
寺川委員:分かりました。ありがとうございます。それから、もう一つ、27ページの潮汐に関する結果について、こちらの潮汐感度というものの線がたくさんあるのですけど、図のほうにはΔCFFとΔτの説明がありますが、それ以外の線に関しては、どういったものを書いているのか、ちょっと分からないなと思いました。
西村委員:これは多分誤差範囲みたいなものを書いていると思うのですけど、ちょっと正確にどういう範囲を書いているのかは、即答できないので調べておきます。色は対応しており、太線と細い線はそれぞれ青と赤でありますので、推定値とその誤差だと思います。
寺川委員:ありがとうございます。これ見ると、Δτの効果が大きいということになるのですね。
西村委員:そうですね。ほぼせん断応力で説明できるということで、法線応力は利いていないということですかね。
寺川委員:ということは、ローディングの影響が大きかったという理解でよろしいでしょうか。
西村委員:そうですね。非常に低摩擦であるというか、間隙流体圧が高くて摩擦が利かないという状況なのかなと思っております。
寺川委員:分かりました。細かい点は結構です。ありがとうございます。以上です。
宮澤部会長:ありがとうございます。ほかにご意見等ございますか。汐見委員、お願いいたします。
汐見委員:防災科研の汐見です。細かいご説明をありがとうございました。私のほうから少し、一般向けということがあったので、言葉のところでコメントさせていただきたいです。まず、6ページをお願いします。先ほど寺川委員からもあった図なですけれども、これ、図H2の中では、Mwが書かれていて、キャプションがMになっています。一般の方が見ると多分対応つかないのではないか、特に2025年の地震、M6.6とあって、上は1月13日Mw6.9なので、対応つかないのではないかと思いますので、キャプションのほうにでもMw添えていただくのがいいのかなと思いました。
西村委員:はい、それは対応させていただきたいと思います。
汐見委員:Mwについては、上にモーメントマグニチュード5.9とあるんですけど、それぞれの地震についても、Mwがないので。
西村委員:はい、キャプションに追加します。
汐見委員:お願いします。あと、21ページのところで、これはちょっと防災科研がややこしくしているので申し訳ないところがあるのですが、Hi-net併設の高感度加速度計での傾斜データを使われたというところで、上の本文のところは、Hi-net併設の高感度加速度計記録とあって、キャプションからいきなり傾斜計になっています。これ、多分知らない方が見ると、いきなり傾斜計がキャプションに出てくるので分からないのではないかと思います。Hi-netに入れている高感度加速度計は、確かに傾斜データがとれるのですが、あくまでも傾斜計としてはメンテナンスしておりません。下のところ、点線入れて用語集にも入れていただいているのですけれども、傾斜記録のスタッキングとかにしていただくほうがいいかなと思います。ちょっといまさらなところもありますが、その2点になります。
西村委員:おっしゃるとおりだと思いますので、傾斜記録に改めたいと思います。
汐見委員:よろしくお願いします。
宮澤部会長:松島委員、お願いいたします。
松島委員:7ページ目のIII_01の成果のご説明のところで、下から3行目、これは一部の報道における言語表現が本来のメッセージの伝達を妨げたことが一因であると考えられると書いてあるのですけども、ここ、具体的に書いてないので、何が原因だったのかちょっと分からないので、言葉足らずのような気がするのですけども、これはこのままでいいのでしょうか。
西村委員:そうですね、私も具体的にどういうことを指しているのかというのは、ちょっと即答できませんので、元の研究担当者に確認して、もう少し具体的に書けないか検討させていただきます。
松島委員:書ける範囲で書いていただくのが良いと思います。すいません、よろしくお願いします。
宮澤部会長:われわれが読んでも理解できないとなると、一般の方にもなかなか理解できなくなると思いますので、今の点はよろしくお願いいたします。ほかはいかがでしょうか。今西委員、お願いいたします。
今西委員:どうも今西です。どうもありがとうございます。ちょっと細かい点で恐縮ですけど、2ページ目の図2をちょっと見せていただきたいのですが。
宮澤部会長:これでよろしいでしょうか。
今西委員:はい、これで。これ、横串と縦串で非常に分かりやすい図だと思うのですけど、横串の色の違いは地震と火山で分けられているのはよく分かるのですけど、縦串の色は、どういう理由で色分けされているのかが、ちょっと地震と火山のところで混在していて、どうなっているのかなと思ったところです。
西村委員:これは、図1に対応させていると思います。図1の1、2、3、4というところがありまして。
今西委員:なるほど、そういうことなんですね。それであれば、問題ないと思います。あと、全体の報告書として、図の番号がばらばらですが、これは統一しなくても大丈夫でしょうか。
西村委員:そうですね。形式のところは私も気にはなっていました。この点については、部会長など、この場で、どのように番号付けるかを指示していただければ、そのようにしたいと思いますが。
今西委員:そうですね。今のやり取りの中でも、どの図かというのをうまく指し示すことができなかったので、少なくとも図に通し番号を後で付けるように検討したいと思います。ご指摘ありがとうございます。
今西委員:どうもありがとうございます。私からは以上です。
宮澤部会長:安井委員、お願いいたします。
安井委員:火山関係ですけれども、鈴木先生、大変お疲れさまです。先ほどの草津白根の図のところを拝見できますでしょうか。断面図が出ていたかと思うのですけども。今の図ですかね。
鈴木委員:ページ32になると思います。
安井委員:これですね。帽岩というような、キャップロックのことをお話しされていたと思うのですけども、これ、今まで地熱のほうでキャップロックという概念というか考えが示されていて、それが草津白根でどうも見つかったということできっと大きい成果なんだろうと思っているのですが、多分一般の方とかには、まだキャップロックとか帽岩という言葉は、教科書的にはまだあまり出てこないのだろうと思うので、「帽岩(キャップロック)」とか、どっちが先がいいのか分からないですけども、用語の説明としてキャップロックという言葉も添えられるといいのかなというふうに感じました。いかがですかね、鈴木さん。
鈴木委員:まず、用語の分かりにくさに関しては、これは用語集に詳細な説明があるかと思います。まだ見ていませんが、ひょっとするとそちらにもキャップロックと書かれている可能性もありますし、必要かどうかということは、改訂版で検討させていただきたいと思っております。
安井委員:今後重要になってくるのかな、ほかの火山でも見つかってくるのかなと思いますので、ぜひよろしくお願いします。
鈴木委員:はい、承知しました。
安井委員:以上です。お返しします。
五十嵐学術調査官:すみません、五十嵐ですけれども、帽岩の説明についてですけれども、一応用語集のほうに、キャップロックともいうという文章を書いております。
宮澤部会長:補足ありがとうございました。続いて、山田委員、お願いいたします。
山田委員:山田です。すごい一般の方にも分かりやすい報告であると思います。それで、私が研究者だから気になるのかもしれないですけど、参考文献について、それぞれ誰々、何年みたいなふうに書いてあるのですけど、もし、そういうのが各ページの一番下とかに、もう少しDOIとか論文タイトルとかがあると、ちょっと分かりやすいかなと思いましたが、一般の人はそこまで見ないだろうということならば、それでも構いませんが、そういうのがあると、より知りたい人が分かるかなと思いました。以上です。
宮澤部会長:ありがとうございます。今の点に関しては、参考資料のほうをご覧いただくという形になるのかなと思います。もともとのこういった図がどの、例えば論文から来ているかというところの出典に関しては明記しないといけないというところで、研究者向けにはなりますけども、資料の1-2のほうをご参照いただくということになるかなと思います。いずれにしましても、ご意見ありがとうございました。ほかにございますか。角野委員、お願いいたします。
角野委員:私も多分今と同じコメントでして、例えば今、ちょうどキャップロックの話が出ていた絵にも結構、全く本文に説明のないヘリウム同位体比の記述とかいろんなパラメーターが書いてあります。こういうことを一般の方が知りたいと思った時も、アクセスできるかは分かりませんが、参考文献、データリストはあると思うので、もし、どちらかなんですけど、ほんとに一般向けということでここである情報だけで大体何となく意味が分かるようにするのだったら、そういう細かいことは書かないか、あるいは今おっしゃっていたように、ちゃんと参考文献があるのだったら分かるように書く、出典を明らかにするようにするというふうにしていっていただくのがいいかと思います。
宮澤部会長:ご意見ありがとうございます。取りまとめ委員のほうから何かございますか、今の点に関して。
鈴木委員:ご意見確かに承りました。ご検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。文章の説明に関しましては、できるだけ簡潔にまとめるという、そういう目標が今回ありましたため、全て図の内容が説明できておらず、申し訳ございません。
宮澤部会長:ありがとうございます。ほかにご意見等ございますか。大倉委員、お願いいたします。
大倉委員:取りまとめありがとうございます。ちょっと指摘漏れで申し訳ないのですが、ページ20の図の断面図のほうに、深さでマイナスの値になっていますので修正のほどどうぞよろしくお願いします。以上です。
宮澤部会長:深さがマイナスということですか。
大倉委員:深さの値がマイナスになっているので。
西村委員:深さ。はい、分かりました。そうですね。
大倉委員:以上です。
宮澤部会長:橋本科学官、お願いいたします。
橋本科学官:ありがとうございます。すみません。先ほど今西委員からご発言あった2ページ目の図2について、見た目のことですが、横串のほうの色遣いで、私、先ほどまで気が付かなかったのですけど、緑と赤になっているのでしょうか、地震と火山で。この取り合わせは色覚異常の方には非常に分かりにくい取り合わせなので、もし可能であれば、色遣いを少し検討していただいたほうがいいのではないかというふうに思いました。
日本の場合、多分約5%ぐらいの方が同じような感覚を持っておられると思いますので、結構な数になるかと思います。一般向けということですので、ちょっとそのへん検討していただければなというふうに思いました。あと、同様に、23ページ目の震源球の図がありましたが、それも震源球の色遣いが緑と赤になっていて、学習に使ったものと検証予測に使ったものということで、この取り合わせも非常に分かりづらいので、もし今からでも可能でしたら、ちょっと違う色に、分かりやすい取り合わせにしていただくほうがいいのではないかと思いました。それから、32ページですけど、草津白根の断面図で、こちらの下のほうに書いてある顕著な比抵抗域って書いてあると思うのですけど、おそらくこれ、顕著な低比抵抗域ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。低いっていう字が抜けているのではないかと思うのですが。
宮澤部会長:取りまとめ委員、いかがでしょうか。鈴木委員ですか。
鈴木委員:すみません。もう一度言っていただけますか。
橋本科学官:下のほうの顕著な比抵抗域、括弧400度以上って書いてある部分があるかと思うのですけど、真ん中の下のほうです。
鈴木委員:今、事務局で指していただいているところよりももう少し左の。
橋本科学官:そこです。今のとこです。
鈴木委員:はい。
橋本科学官:そこの低いという字が抜けているのではないかと思いました。
鈴木委員:はい、研究をされた方にもう一度確認の上、正確を期すようにさせていただきます。ありがとうございます。
橋本科学官:事前に指摘できず、すいませんでした。今気が付きましたので、発言させていただきました。以上です。
宮澤部会長:どうもありがとうございます。色遣い等に関しては、最近ではカラーを多用するっていうところでこういうふうになってしまったかもしれませんけども、例えば色の濃さ、薄さとか、ハッチを掛ける等とした、そういった工夫でも対処可能ではないかというふうに思って聞いておりましたが、今回のご指摘を受けて、図に関して改善が可能であれば、取りまとめ委員のほうでご検討いただきたいと思います。ほかにご意見等ございますか。文章については、まだ、てにをは等でひょっとしたら直すべき点等があるかもしれませんが、大枠について、今の議論をもって皆さまご了承いただいたということで、よろしいですか。
(意見なし)
そうしましたら、ほかに御意見はないようですので、これにて質疑・意見交換等は終了いたします。活発な御議論をいただきありがとうございました。本日頂いた意見のほかに、もし細かい修正点、意見等ございましたら、10月31日金曜日までに事務局までお知らせください。本日のこの修正稿は部会長預かりとし、頂いたご意見に対する修正等を行った後、最終稿として確定することでよろしいでしょうか。
(異議なし)
宮澤部会長:特段ご異議がないので、そのようにしたいと思います。ありがとうございました。
[議事2.「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画(第3次)」の令和7年度年次報告の作成方針について]
宮澤部会長:それでは、続いて、議事の2番、「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画(第3次)」の令和7年度年次報告の作成方針についてです。資料2について、事務局から説明をお願いいたします。
久利専門官:事務局より説明差し上げます。まず、こちらの資料につきまして、一部誤りがありましたので、おわびして訂正します。具体的には、4、日程の12月下旬の箇所に、地震・火山噴火予知研究協議会と明記しておりましたけれども、これ、古い名称でして、新規の地震火山観測研究推進協議会に名称が変更となっておりますので、その反映漏れがございました。おわびいたします。その後差し替えておりますので、今後ホームページ上では、改めて差し替えということをさせていただきますので、ご了承いただきますようお願いいたします。本論です。令和7年度の成果の概要の作成方針につきましては、基本的に、今回ご審議いただいた令和6年度の成果の概要と同様の方向で作成を進めていきたいと考えております。令和6年度の作成方針では、今回の取りまとめに関する変更点を具体的に明記しておりませんでしたが、追記、追記としていた部分を本文の中に溶け込ますような形で修正しておりますので、内容については変更ございません。簡単ですが、説明は以上となります。
宮澤部会長:ありがとうございました。ただいまのご説明に関して、ご質問・ご意見等がございましたら挙手ボタンを押していただいた上で、ご発言をお願いいたします。特に、ただいま議事1のほうで令和6年度の年次報告書について審議いただきましたので、それを受けた上で、例えば来年度はこのように改善したほうがいいとか、そういった点について、もしお気付きの点がありましたら、ぜひこの場でご発言いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。それでは、私のほうから伺いますけれども、今回資料1のほうで一番最初のところに、いわゆるトピックスと呼ばれる研究を2つ挙げていただいたのですけれども、日向灘の地震と南海トラフ地震臨時情報の発表について、それと令和6年能登半島地震ということで。もちろんまだ令和7年度の研究については、進行中であるということと、今後何が主な成果になるかというところは分からないのですが、この計画自体が災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画というなかで、火山についてなかなかトピックス的な研究が挙がってこない、もちろんそういった現象が起きない限りないということかもしれませんけれども、そういった点に関して、特出ししてあげる研究について、例えば何か方針があるのかとか、あるいは年度が終わった段階で報告書が集まった段階でこういったものを入れるというふうに決めるのか、何か決め方というものがあるのかどうかについて、伺いたいのですけれども。もし、取りまとめをされている協議会のほうでそういった方針があるのか、あるいは今後こういうふうに考えているというお考えがありましたら、伺いたいのですが、大湊委員いかがでしょうか。
大湊委員:今回の成果の概要の書き方を随分以前のものと変えて、トピックというかいろんな項目を網羅的に取り上げるよりもある程度絞って書こうという方針に転換したというのが大きいのですけれども、その時に少し議論になったのは、トピックを絞ってしまうと、取り上げられにくいものがどうしても出てきてしまうのではないかという話がありました。以前は、多分6つの項目全部を説明するような作り方をしており、今回はそれをそうではない書き方にしたのですけども、そうするとどうしても取り上げられるもの、取り上げられないものという差が出てくるっていうのは、ある程度はやむを得ないであろうとなったのですが、その時には、この報告書は一応年度ごとに出すものではあるけれども、5カ年計画の報告書であるということで、5カ年の間に全体をカバーすればいいというふうな、そういう方針でやっていけば、5年たった時には、ほぼ万遍なく考えられて、それで時事的なものはそれぞれ毎年毎年強調されて一緒に、そういう形にできるのではないかというのが今回の方針変更ですけれども、それと同じような考え方で例えばトピックのようなものにしても、毎年ぜひ入れなければいけないという方針にしてしまうと、かなり起こらない現象というものを取り上げようがないわけですし、火山というのもかなり、起こる時は起きますけど、起こらない時は起こらないというのも確かにそうなので、そうであったとしても、やはり5年という枠の中で取り上げられればいいっていうような、そういう見方をすることによって、ある年には火山が出てないけど、これでいいのかということに対しては、5年間という長い目で見てくださいという考え方をすればいいのかということで説明になるのではないかと考えて、今回のような形にしました。ですから、7年度の、今度作る成果の方針の基本的な考え方についても、6年度までの書き方に比べると、もう少し広い、あまり具体的にこういうことを書きなさいというよりも、何か成果が、これに関する研究計画全体の目的に貢献する内容という、そういう広い、かなり自由度のあるような基本的な考え方にしていただいたようですので、そのトピック的なものに関しても、同じように少し長い目で広く考えるということではいかがかと考えているところです。以上です。
宮澤部会長:大湊委員、ご説明ありがとうございました。ほかの観点でも結構ですが、資料2に関して、ご発言ございましたらマイクのミュートを解除してご発言ください。いかがでしょうか。
(意見なし)
宮澤部会長:もし、特段ないようでしたら、令和7年度の成果に関する年次報告について、資料2にある方法で取りまとめるという方向でよろしいでしょうか。ご異議ある方、挙手をお願いします。
(挙手なし)
宮澤部会長:挙手なしということで、そのように進めたいと思います。どうもありがとうございました。
[議事3.その他]
宮澤部会長:それでは、最後に、議事3、その他についてです。事務局から何かございましたら、説明をお願いいたします。
久利専門官:事務局から説明差し上げます。次回は、年明け2月か3月頃に、測地学分科会地震火山観測研究計画部会と両方の合同会議を予定しております。審議内容は、本日以降に、地震火山関係予算や研究者などの人数を集計する年次基礎データについても取り扱いたいと思っております。令和6年度実績に関する照会をこの後、各機関宛てに実施させていただく予定です。その結果について、報告となるか、進捗報告となるかは、その時次第となりますけれども、いずれかご報告させていただく予定です。また、本日、部会長預かりとなった成果の概要については、最終稿をその時にご報告させていただく予定となっております。事務局からは以上です。
宮澤部会長:ありがとうございました。ただいまの説明について、ご質問・ご意見等がございましたら、挙手ボタンを押していただいた上で、発言をお願いいたします。いかがでしょうか。
(質問なし)
宮澤部会長:特段質問がないということで、どうもありがとうございました。それではこれをもって閉会といたします。本日はお忙しい中、ご出席いただきありがとうございました。
一同:ありがとうございました。
―― 了(終了時刻11時42分)――
研究開発局地震火山防災研究課