測地学分科会(第45回)・地震火山観測研究計画部会(第45回)合同会議 議事録

1.日時

令和4年2月16日(水曜日) 13時00分~15時40分(※測地学分科会(第45回)と合同開催)

2.場所

オンライン会議

3.議題

  1. 測地学分科会の審議状況について
  2. 「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画(第2次)」の実施状況等のレビュー報告書について
  3. 今後の予定について
  4. その他

4.出席者

委員

小原分科会長、田中分科会長代理、榎原委員、大倉委員、小平委員、関口委員、寺川委員、藤田委員、森委員、森岡委員、森田委員、石川委員、伊藤委員、大湊委員、川村委員、高橋委員、日野委員、宮岡委員、宗包委員、大園委員、阪本委員、中道委員、橋本委員、

文部科学省

(事務局)原研究開発局審議官、鎌田地震・防災研究課長、井上地震火山専門官、加藤科学官、矢部学術調査官

5.議事録

[委員の出欠状況など]

・委員の出欠状況:矢来委員、松島委員が欠席
・議題及び配布資料確認
・事務局の異動:生川研究開発局長に代わり真先研究開発局長が着任。長野研究開発局審議官に代わり原研究開発局審議官が着任。上山地震火山専門官に代わり井上地震火山専門官が着任。
・原研究開発局審議官より冒頭挨拶 

【原審議官】  先ほど御紹介いただきました研究開発局担当の審議官に昨年の7月に着任いたしました原でございます。ぜひよろしくお願いいたします。
 本日は御多用にも関わらず、この委員会に御出席を賜りまして誠にありがとうございます。また平素より我が省の政策に御理解と御協力をいただきまして、この場を借りまして、改めて御礼を申し上げたいと思います。
 地震火山大国である我が国では、昨年の阿蘇山の噴火を始め多くの自然災害が発生しているところでございまして、近い将来に南海トラフにおける大規模な地震の発生も懸念されているところでございます。そのような中、この測地学分科会で御審議いただく内容は、地震学、火山学、災害科学などの進展を通じて国民の安全安心に深く関わるものでございまして、このような地震、火山噴火による災害の軽減に貢献するため、この分科会の重要性はますます高まってきていると考えているところでございます。
 本日の委員会では、観測研究計画のレビュー報告書の取りまとめについて御審議いただく予定となってございます。今後、外部評価を経て、次期計画を御検討いただきますが、地震火山コミュニティーにとどまることなく、社会とのつながり、あるいは国際的な研究動向などを意識され、よりよい計画策定につなげていただくということをお願いしたいと考えてございます。
 委員の先生方におかれましては、我が国の科学技術学術の一層の進展に向けまして、引き続き高い立場から御指導御鞭撻を頂ければ幸いと考えてございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

 [議題1.測地学分科会の審議状況について]

【小原分科会長】  最初に、議題の1、「測地学分科会の審議状況について」です。それでは資料1について、事務局より御説明をお願いいたします。

【井上地震火山専門官】  事務局でございます。
 では、資料1と参考資料1の二つを使って御説明いたします。
 まず、測地学分科会につきましては、その下に地震火山観測研究計画部会と火山研究推進委員会の二つが設置されてございますけれども、それぞれの調査審議事項につきましては、昨年5月に開催されました分科会において御承認させていただいているとおりでございます。
 参考資料1の上の丸につきましては、観測研究計画に係る事項として、地震火山観測研究計画部会において、計画の目的達成のため、進捗の確認、成果の取りまとめ等について対応するとともに、観測研究計画のレビュー報告書の取りまとめについて調査審議するということになってございます。
 また、火山研究推進委員会につきましては、火山に関する研究開発に関する事項として、次世代火山研究・人材育成総合プロジェクト等のフォローアップも含め、火山の観測研究体制の高度化と最適化に係る検討することとなってございます。
 資料1を御覧ください。
 測地学分科会につきましては、昨年5月に第44回分科会が開催されまして、今回が第45回分科会ということになります。観測研究計画部会につきましては、昨年の6月と7月に、成果報告を中心に御議論いただきまして、昨年後半からレビュー報告書の取りまとめとして複数回、議論を行ってまいりました。
 また、火山研究推進委員会につきましては、昨年7月の第4回が今期11期の期初の会議ということになってございまして、今後の火山観測研究に関する御議論をいただきました。
 本日は45回の分科会、45回の部会の合同会議ということになってございまして、レビュー報告書の取りまとめ等を御議論いただくということとなってございます。
 事務局からは以上です。
 
【小原分科会長】  はい、ありがとうございました。
 ただいまの御説明につきまして、何か御質問や御意見等ありますでしょうか。ある方は挙手あるいはミュートを外して御発言をお願いいたします。
 
(「なし」の声あり)
 
【小原分科会長】  では続けて、次の議題に入っていきたいと思います。

 [議題2.「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画(第2次)」の実施状況等のレビュー報告書について]

【小原分科会長】  議題2は、「『災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画(第2次)』の実施状況のレビュー報告書について」になります。今日の合同会議は総括的な自己点検となるレビューの報告書の最終的な取りまとめを行うというのが大きな内容になってございます。
 初めに資料2-1から2-5の作成経緯などについて事務局より御説明をいただきまして、その後はレビュー報告書の本文や概要などの内容については、取りまとめ委員より御説明をお願いしたいと思います。その後に委員の皆様からレビュー報告書についての意見や御質問などを頂きたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 では、最初に事務局から御説明をお願いします。
 
【井上地震火山専門官】  事務局でございます。
 それでは、まず概要、経緯につきまして説明をさせていただきます。
 まず参考資料2-1になります。こちらがレビュー報告書の作成方針になってございまして、部会の中で作成方針を作成しまして、取りまとめを行ってきております。
 まず、レビュー報告書の作成方針として、1.目的になりますけれども、作成の目的としましては、次期計画の策定を視野に入れて、総括的な自己点検を行うこととしてレビューを行ってまいりました。
 3.取りまとめ方法につきましては、部会の中から取りまとめ委員として大湊委員と関口委員になっていただきまして、両取りまとめ委員を中心にして、地震・火山噴火予知研究協議会及び関係機関の協力を得て作成するということで、これまで作成を進めてまいりました。また、レビューは第2次計画のまとめになりますけれども、前計画において関連の取組が行われている場合には、それも含めて行うということといたしました。
 4.検討内容につきましては、この各丸はそれぞれ大項目の章立てに対応しています。
 まず、重要な地震及び火山現象に関する観測研究の成果としまして、この期間中に起こった重要な地震及び火山現象について取り上げております。こちらはレビュー報告書のII章の中で説明をしております。
 それから、計画の実施状況と今後への課題ということで、こちらはIV章を設けておりまして、実施状況や成果を報告して、今後の展望について記述をしております。
 それから、総括的評価としてV章を設けておりまして、こちらの中で次期計画の策定の参考とするために、総括的な評価として、進捗や今後の課題等について取りまとめを行っております。
 5.作成方針につきましては、この計画は最終的には災害の軽減に貢献することということを目標としておりますので、このレビューにつきましても、災害の軽減につなげるために進められているかという観点で作成することとしております。
 また、この計画では理学だけではなくて、関連する研究分野の研究者に御参加いただきまして協働して進めておりますので、分野横断的な協働による効果や問題点であるとか、あとは分野融合による成果の創出や社会実装に向けた取組ということに関しても、そういった観点も踏まえて取りまとめるということとしております。
 6.その他の項目としまして、補足する資料として、レビュー報告書の本文のほかに、用語解説のほか、概要と要旨、それから付属資料として図表等の資料を取りまとめております。
 参考資料としましては、予算、定員や観測点数など、そういった取りまとめのほか、論文やその論文に関する概要を取りまとめ、国際共同研究の調査等も行ってまとめております。それから、今回は前計画のレビュー報告書からの追加として、アウトリーチ活動につきましても、主な項目やその概要についてまとめております。
 8.審議状況につきましては、議題1でも御報告差し上げましたけれども、地震火山観測研究計画部会のほか、メールでの審議も踏まえまして作成してきております。
 レビュー報告書の全体構成につきましては、この後、取りまとめ委員の先生方から説明いただきたいと思いますので、ここでは割愛をさせていただきます。
 それで、資料2-1から2-5までレビュー報告書になっておりまして、2-1がレビュー報告書の本文、2-2が用語解説、2-3が参考資料として、先ほど申し上げました観測点であるとか論文リスト、それからアウトリーチ活動などについて、ちょっと分量が多いですけれども、まとめたものになっております。
 資料2-4につきましては、概要と要旨としまして、概要としては表裏A4、2枚ほどでまとめたもので、3ページ目以降に、要旨として各レビュー報告書の概要を章ごとにまとめたものになってございます。
 それから、資料2-5につきましては、付属資料としまして図表類を整理しております。基本的な研究計画の概要のポンチ絵であるとか、主な研究成果としまして、幾つか図表類を整理しておりますので、この後、加除等について御議論いただければと思います。
 事務局からは以上となります。
 
【小原分科会長】  はい、ありがとうございます。
 では、取りまとめ委員の大湊委員と関口委員から作成いただきましたレビュー報告書の内容について御説明をお願いしたいと思います。
 
【大湊委員】  それでは、私、大湊のほうから全体的な説明をしたいと思います。
 資料2-1、まず本文です。こちらのほうを表示していただけますでしょうか。まずこれですけれども、先ほど事務局から説明がありましたとおり、まずこれが表紙で、次をめくりますと目次になっておりまして、全体は5章から成っています。
 ローマ数字のI章がはじめに、それから、II章が基本的な考え方、III章が主要な地震・火山現象の説明、その後、IV章は観測研究全体の実施状況と今後の課題のまとめになっており、そして、V章が総括的評価という構成になっております。
 それで先に進んでもらって、まずI章からですけれども。ここですね。
 まず、I章、「はじめに」は、ここも二つ書いてあって、一つは背景として、今の研究計画が第2次となっているわけですけれども、計画を開始するに至った経緯の背景がまとめてあります。昭和40年代からもう地震予知計画、あるいはその後、火山噴火予知計画が始まったわけですけれども、それからどのような形で進んできて、地震・火山の二つの予知計画が合流したこと。それから、東日本大震災を踏まえて大きな方針転換があったこと等が書かれていまして、それを経て、今の計画のまず第1次というものにつながったということが書かれています。第1次計画を踏まえた上で、それに対してどういうことを強調するか、どういうことをするべきか、ということの議論を経て、第2次計画となる今の計画が始まったということが書いてあります。それがここの背景です。
 その次、少し先に進んでもらいまして、このレビューの目的。これは先ほど事務局から説明したとおりですけれども、今の第2次計画は第1次計画の方向性を継続すると。この後で詳しく説明しますけれども。第1次計画の継続強化という形になっていますけれども、そういう方向性が正しかったのかということの評価であるとか、あるいは今の第2次計画がどういう進捗であるとかということを説明することもレビューの目的の一つです。それから、次の計画を立ち上げなければいけないですけれども、それを立ち上げる上で必要な情報…、どういう考え方をしなければいけないかということの土台となるような情報をまとめる上での情報。そういうものもまとめるというのがこのレビューの目的になっています。
 そして、最後にこのレビュー全体の構成、I章からV章までで、それぞれでどういう内容が書いてあるかということが書いてある。ここまでがI章です。
 そこから次がII章、「『災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画(第2次)』の基本的な考え方」に進みまして、ここでは経緯をやや詳しく説明しております。
 過去の経緯を踏まえた後、それまでは災害科学という面が少し弱かったというのがありますけれども、前期の第1次計画からは災害科学の一部だという意識を強くしてやりましょうという大きな方針転換をしました。
 そのために、それまでは地震・火山現象の理解であるとか、あるいは地震・噴火の予測というものが主目的でしたけれども、それに加えて災害誘因を予測しましょうというのが加わったのが第1次です。それから災害に関連する分野とも協働するようになったということが書いてあります。
 その第1次計画に対して外部評価が行われた結果、そういう方針転換は概ねよかったと。そこでさらに強化するべきであるという評価を外部評価で頂いたということが書いてあります。その評価に応えるような形で今の第2次計画が立ち上がったということが書いてあります。
 その次、今のページの下のほうの基本的な考え方ですけれども、今、説明しましたとおり、第1次計画の方向転換は正しいと。それをさらに強化せよという方針がありますので、それを実現するために、第2次計画ではどういうふうな基本的な考え方をしたかということが書いてあります。
 大きな点としては、第1次計画までは全部で四つの柱がありました。第1次では防災科学という視点ということで災害誘因予測を加えたわけですけれども、それではまだ足りないと。得られた情報を社会にどう伝えるか、ちゃんと伝えるにはどうすればいいかということも研究に加えなければいけないということが分かってきました。
 第2次ではそういうことを加えた。それが防災リテラシー向上のための研究ということで、前回までは四本柱だったものがそれを加えて五本柱になっております。
 それから、重点的研究であるとか、分野横断研究であるとかという新しい仕組みを加えたのが第2次計画の変更点で、そういうことがここに説明してあります。これがII章の内容です。
 次にIII章、「重要な地震および火山現象に関する観測研究の成果」ですけれども、ここには重要な地震現象あるいは火山噴火現象に関する研究の成果であるとか社会的な意味合い、あるいはこの研究計画においてどういう成果でどういう意味があったのかということがまとめてあります。
 取り上げた現象としては、地震に関しては一つ目が熊本地震。
 それから、二つ目がカイコウラ地震です。これはニュージーランドで起こった地震ですけれども、日本と同じ沈み込み帯、地学的な状況が同じところで起こった地震ということで日本の状況の参考にするためにも非常に重要であるということで取り上げてあります。
 それから、三つ目が大阪府北部地震で、これは大都市の直下で起こったということで、それなりに大きな影響があったということで取り上げてあります。
 それから四つ目が北海道胆振東部の地震でして、例えば、これも広域的な地滑りを起こしているといろいろな新たな知見が得られているということで、取り上げております。
 それから、その五つ目が山形県沖の地震で、これはひずみ集中帯で起こったということで取り上げてあります。それから六つ目に福島県沖、七つ目に宮城県沖と二つ取り上げていますけれども、これはいずれも東北地方太平洋沖地震の周辺で起こったということで、それから規模、社会的な影響、被害等々、それなりにあったということで取り上げてあります。
 先に進んでいただきまして、ここからは火山です。
 まず一つ目に草津白根山(本白根山)の噴火を取り上げてあります。草津白根山というと湯釜という場所があって、そちらで頻繁に噴火があったので、そちらが観測の主たるターゲットでしたけれども、実際に噴火が起こった場所はそこから外れていたと。スキー場の真ん中で起こった噴火で人的被害も出たということで取り上げてあります。
 それから、二つ目は、先に進んでいただきまして、霧島山の新燃岳噴火と硫黄山の噴火になります。これは2017年から18年にかけて起こった噴火を取り上げていますけれども、それなりの大きな規模の噴火で、現行計画での重点的研究に火山活動推移モデルの構築というものがありますけれども、これに関する重要な情報がたくさん得られたということで取り上げてあります。
 それから、三つ目が西之島です。これは父島の近くで東京から見ると1,000キロほど南で、防災上それほど大きな影響があったかと言われるとそうではないのですけれども、ただ火山の噴火としては非常に規模が大きくて、もしも山体崩壊等を起こせば津波等の発生もあり得たということで、火山学的に非常に重要な現象だったということで取り上げてあります。
 最後は桜島ですけれども、これは日本で最も継続的に噴火している火山ということで多数の観測が行われてデータが得られています。それから、鹿児島市という大都市が近くにあるということで、噴火に備えた様々な防災対応等の研究も進められているということで、桜島を主要な現象の一つとして取り上げています。
 ここまでがIII章、重要な地震・火山現象ということになります。
 IV章、「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画(第2次)の実施状況と今後への課題」は全部で50ページほどありますけれども、ここが今期の全体の計画を詳しく説明した部分です。目次に従って、全部で五つの大きな柱があるということを説明しましたけれども、それぞれに目的、実施状況、得られた成果、そして、今後の展望。それぞれ四つの内容について、各項目について説明するという内容になっています。ここのIV章の1ポツから4ポツまでは、それぞれ全体の五本柱のうちの四本柱までが目的、実施状況、成果、展望という構成になっています。
 それから、IV章の47ページ以降ですけども、五本柱のうちの5ポツ目「研究を推進するための体制の整備」、ここに関する部分に関しては、成果というものを書きにくいので、目的、実施状況、今後の展望という形でまとめております。

 ここでは、体制ということですから、どういう形で全体を推進しているか。それから、研究を進めるために導入したいろいろな仕組み。総合的研究や重点研究等々入っていますけれども、そういうものの仕組みに関する説明、それから研究基盤の開発整備ということに関しては、いろいろな観測網の話が説明してあります。それから、関連分野との連携、国際協力、人材育成等について説明してあります。ここまでがIV章です。
 次に59ページです。V章、「総括的評価」が全体のまとめになっていまして、構成としては、レビュー全体が70ページ以上あるかなりの分量ですので、全体を読むにはそれなりに時間もかかりますので、V章を見ていただくと、ある程度、全体像が把握できるという構成になっています。その中でより詳しく知りたいとなったときにIV章であるとか、一個遡って詳しいことを見ていただくということを想定しています。
 V章ですけれども、まず1ポツ目、「現行計画策定までの経過」ですけれども、ここは本文のI章、II章に対応したもので、それをまとめた形になっています。
 それから先に進んでいただきまして、2ポツ目、「現行計画の成果と課題」ということで、ここはそれまでの50ページあったIV章の1ポツ目から4ポツ目までの内容に対応したものになっています。この2.1のところには、地震・火山現象の解明のための研究に関しての成果と課題があります。それから2.2は地震・火山噴火の予測のための研究に関してまとめてあります。2.3に関しては、地震・火山噴火の災害誘因予測のための研究に関する成果と課題がまとめてあります。そして、2.4に関しては、新たに導入した防災リテラシー向上のための研究に関する成果とその評価と課題がまとめてあります。
 その次の3ポツ目、「計画推進体制の評価と課題」ということで、これはIV章の5ポツ目に対応する内容になっていまして、推進体制あるいは地震調査研究推進本部(以下「地震本部」という。)との関係、あるいは火山観測研究を一元的に進めるためにはどうしたら良いかについて書いております。
 それから、重点的研究というものを現行計画から始めていますけれども、その重点的な研究という仕組みによって、どういう成果が得られたのか、あるいは問題点はなかったかとかいうことがここで振り返られています。
 それから、分野横断で取り組むべき総合的研究も現行計画から導入しましたけれども、これに関しても仕組みとしてどうだったかということのレビューもここでされています。 その他、拠点間連携共同研究など、IV章をまとめる形でここに説明してあります。
次のページも連携あるいは国際協力、人材育成…、これも全てIV章の5ポツ目をまとめたものですけれども、より簡潔かつ重要な点を抜き出した形で書いてあります。
 次は4ポツ目、「現行計画の総括的評価と今後の展望」。ここで現行計画の総括的評価とそれから今後の展望についてまとめています。
 ここの4.1ですけれども、第1次計画に対する外部評価で幾つか指摘事項がありました。(1)(2)(3)(4)(5)とあって、例えば、(1)災害の軽減に貢献するための研究の一層の推進、では外部評価でこういうことに対応しなさいということが指摘されたわけですけれども、それに対して第2次計画において、どのように対応したかということが説明してあります。
 この外部評価での指摘事項というのは、第2次計画の中だけで必ずしも解決できるものばかりでなく、もっと長期的に考えないと解決できないようなものも含んでいますけれども、それぞれについてできたものはできた、あるいは今の計画の残りの期間でできるものはその期間でやりますということが書いてあります。それから今の計画では到底できないような大きな課題に関しては、もう少し長期的な視点で対応していきますということが書いてあります。
 それから、4.2、ここでは現行計画で強化した点あるいは新たに開始した研究について、どういう成果が得られて、どんな問題点があったのかなどが書いてあります。
 まずは、重点的研究としては三つです。一つは地震発生の新たな長期予測。それから、地殻活動モニタリングに基づく地震発生予測、それから、火山活動推移モデルの構築による火山噴火予測と三つ指定したわけですけれども、それぞれについて、どんな状況であるか、どういう問題点があったかということが書いてあります。
 それから次は、新たに開始した項目として、4番目の柱の防災リテラシー。第2次計画から5本柱になりましたが、順番としては4番目にあります。防災リテラシーの向上に関する研究、そして、これに関して目標として出てきたことがどの程度できたか、次の期に向けてどういうことをしたらいいかということが書いてあります。
 それから最後に、分野横断型の総合的研究ということですけれども、これは前の第1次計画においても分野を横断して総合的に進めるべき研究として幾つか挙げられていましたけれども、今期がそれをさらに拡張したというか、項目を増やして実施したということが書いてあります。この総合的研究の進め方、研究を進める仕組みに関して、どうであったか、問題点があれば次にどうするべきか、ということが書いてあります。
 次に4.3、これは第1次計画が始まるときに、外部評価ではもう一つ長期的なロードマップを示しなさいということを指摘されていまして、それに対して中長期的にこういうことを実現していきますというふうなことを書きとめてありました。それがここの画面の下のほうに、(1)から(4)に整理されていますけれども、こういう四つの項目について長期的には取り組んで実現していきます、ということを第1次計画の段階で示してあります。それぞれの5か年計画の中でこういう中長期的な大きな目標の中で、どれぐらい進捗したか、どういう位置にあるかということを説明していくということを考えているわけです。
 4.3に関しても、それぞれ中長期的展望に挙げられた四つの項目のそれぞれについて、第2次計画ではどういう段階まで進んだか、次にはどうしたらいいかというふうなことをまとめてあります。
 それから4.4です。これが観測研究計画全体の今後の方向性ということで、第2次計画のこれまでの進捗、成果等を振り返った上で、次、この先どういうことに力を入れてやっていかなければいけないと、力を入れていくべきかということをまとめてあります。
 一つは、基本的には現在取り組んでいる研究は今の5年で完結するものではなくて、もっと長期的に継続していく必要があるものですから、そういうものはしっかりと継続して、過去のデータ、成果を踏まえて、さらに継続していってください。それが重要ですよということが書いてあります。
 それから、もう一つが今までの地震予測研究。今までは基本的には過去の事例に基づく経験的な予測というのが主たるものでした。だから、地震本部の地震発生予測の手法も基本的には過去の地震発生の事例に基づいて評価していたわけですけれども、今期からは観測データに基づいて予測精度を上げられるのではないか、そういう方向に進むべきではないかという議論があって、そういう方向に向けた研究が始まっています。
 それから、その方向性は観測データに基づく予測をより進めていくべきであるということです。そのためにはもちろん観測を継続しまして、それから観測されて得られたデータがどういう意味を持っていて、物理的にどういう現象なのかという理解も当然その背景になければいけませんけれども、そういう物理モデルの構築と、これが、実際に予測をするにあたって実用にたえるものを出すという段階にかなり近づいてきたということが背景にあって、次からは、経験ももちろん必要ですけれども、観測データ、それからモデル…、そういうものに基づく予測にかじを切りましょうと。そのためには予測の試行実験をやって、その考え方が正しいかどうか検証するという方向に進みましょうということが書いてあります。
 それから、火山に関しても同様でして、火山のほうはある程度、経験からも予測ができていますし、それから、火山はマグマが噴火現象を支配するという基本的な部分の理解がある程度進んでいるというところもあり、モデル化に関しては若干進んだところもあります。
 ただ、火山現象というのは複雑で、噴火の準備段階であるとか発生そのものも、ただ発生したら終わりでなくて、噴火の様子がどんどん変化していきまして、噴火の終わり方も簡単ではない。ずっと続くものもあれば、何回もぶり返しながら終わるものなどいろいろなものがあるわけですけれども、これまではどうも一つ発生を予測する、あるいは準備段階、それぞれがばらばらに研究されてきたきらいがありますので、全体を一連の現象として捉えるという見方が必要ではないかという考え方があります。それが実現したものが火山活動推移モデルというものです。これを進めると。こういう考え方をすることによって予測精度を上げることができるであろうということが書かれています。
 あと、火山に関しても、先ほど地震のほうで述べましたとおり、予測に関してある程度、試行をそろそろ始めてもいいのではないか。試行実験をして、予測の試行と検証を始めてはどうかということが書いてあります。
 それから、その次の段落までいきますと、ここではそもそも災害を軽減するためというのが大きな目的ですから、いろいろな研究成果を社会実装まで持っていって初めて意味があるわけですから、そういう社会実装に向けた動きをより強化すると。
 重点研究というものを三つ設けているわけですけど、それは全体の研究の中でいわゆる社会実装に近いものということで選ばれたわけです。ただ、それが直ちに社会実装されるかというとまだもう少し研究が必要な段階があるので、社会実装を目指すという意識をより強めつつ、そういう方向性を今後継続するべきであるということが書いてあります。
 それから、その次には現行計画からいろんな研究の仕組みを導入してあります。例えば、分野横断する総合的研究であるとか、あるいは第1次計画から拠点間連携共同研究という東京大学地震研究所と京都大学防災研究所が共同でやる仕組みであるとか、新しい研究の仕組みを幾つか導入していますけれども、こういうものをちゃんと活用されているか。活用不十分なところがあればそこを改善した上で、さらに進めて、分野横断…、いろんな分野の人たちの力を結集するようなことをより一層進めるべきであるということが書いてあります。
 ここまでが、次はこういうことを目標にしてはどうか、次の計画を立てる際の参考にしてほしい、ということが書いてあります。
最後の5ポツ目が全体のまとめです。一つ前の4ポツでも言いましたけれども、観測データに基づく予測というものに一歩踏み出したというのがやはり今期の重要な成果だと思われます。なので、それを今のページの2段落目の3行目ぐらいに書いてありますけれども、これをぜひ次の期もこの方向性を維持しながら計画を立ててほしいという思いを込めて、まとめのところに書いてあります。
 あとは繰り返しになりますけども、社会実装というものを常に意識して、皆さんがこの研究全体に取り組むことが重要であるということも繰り返し書いてあります。
 少し長くなりましたけれども、以上が全体の構成になります。続けて、概要・要旨の説明に進んでよろしいでしょうか。
 
【小原分科会長】  はい、お願いします。
 
【大湊委員】  それでは、まず概要2-4です。概要は2ページですよね。
 概要は2ページに非常にコンパクトにまとめる必要があるということで、基本的には本文全体の中のV章をさらに要約した形になっています。そのV章だけでも十数ページあるわけですけれども、それからさらに2ページにするために、V章の中で強調したかったところを抜き出して書いてあるという形になってあります。概要の構成になっています。
 それから、要旨はもう少し分量を割きまして、全体で10ページぐらいあると思います。これはある程度、網羅的に本文全体をまとめようということで、基本的には本文の目次に沿った内容になっていまして、それぞれの項目から重要なものを抜き出して、目次の順序に沿って並べてあるという構成になっています。
 このようにある程度、網羅的にやったということで、要旨と言いながらも10ページを超える少し長いものになっていますけれども、まず非常に短い時間で全体を把握するためには概要の2ページに目を通してもらいます。ただ、圧縮し過ぎてなかなか理解が難しいところもあると思いますので、余裕があれば要旨あるいは次にV章を読んでいただくと。さらに細かいことを繰り返し知る必要があるときに本文のIV章、III章というふうに戻っていくというふうな使われ方を想定した形になっています。
 それでは最後に、資料の2-5、付属資料です。こちらはずっと下に36枚ほどありまして、結構な枚数がありますけれども、最初に36枚がどういう内容に対応しているかという説明を1枚にまとめてあります。
 例えば、図の1、2、3は基本的な考え方に対応するものであるとか、図の4、5は現行計画で強化・開始した研究であるとか、そういうふうな簡単な説明をつけまして、このたくさんある図表を見るときの参考にしてほしいという形でこれを入れてあります。
 その次に進んでいただきまして、例えば、次に基本的な考え方が図の1、2、3とあるわけですけど、図1は全体を1枚にまとめたスライドです。これは建議の本文にもありますけれども、これを見れば全体の構成がある程度、把握できる。
 それから、図2はその次のページ。これはそもそも今の第2次計画だけを見ても、どうしてこういう研究が行われているのかという部分は過去の経緯――これまでに行われてきたものも振り返らないと理解できない部分がありますので、これまでの地震予知計画あるいは火山噴火予知計画から今の期に至るまでどういうふうに進んできたかということがまとめてあります。
 それから進んでいただきまして、図の3は今の研究計画を進める体制についての一枚紙になっています。
 それから、図の4、5。図4が新たに強化した点、あるいは新たに開始した研究ということで、大きく分けると三つありまして、防災リテラシー向上のための研究を始めたということと、それから、分野横断型の連携を総合研究という名前で進めていますけども、その項目を拡充したということ。それから、重点的研究として三つの研究を取り上げたことが書いてあります。
 その中で防災リテラシーという言葉に関しては少し説明が必要と思われたので、一枚紙でまず防災リテラシーという言葉の意味を書いて、防災リテラシー向上のための研究というのはどういうことを実施しているのかと。それから、ほかの研究項目…、現象解明だとか、予測のための研究ということとどういう関係にあるかということを説明する図になっています。
 それでは次に進んでください。
 図6以降はこれまでの研究の成果の中で重要なものを取り上げています。これらに関しては、毎年発行される成果の概要という毎年の成果をまとめた報告書がありますけれども、その中で取り上げられた成果と図、それから引用を引っ張ってきたものです。詳しい説明・内容を知りたい場合には成果の概要のほうに戻って説明を読んでいただくということで、ここでは取りあえずある程度数を並べて、その中から必要なものを読者の方に選んでもらうということを想定したつくりになっています。
 ということで、本文から概要・要旨、付属資料まで少し長くなりましたが、説明は以上になります。
 
【小原分科会長】  大湊委員、御説明どうもありがとうございました。
 また、大変にボリュームの大きいこの報告書の全体について執筆いただきまして、大変ありがとうございます。
 では、このレビュー報告書について、部会、それから分科会の委員の皆様から御意見を頂きたいと思います。特にどこから順番にということはあまり考えていないので、自由に御発言いただければというふうに思います。予定では1時間半程度、議論の時間を取っていますので、その中で御自由に議論いただければと思います。
 ただ、本日がこのレビュー報告書の最終取りまとめということにさせていただきたいとは考えていますので、ここで議論をしていただいて、それで皆様の意見が反映された形で、このレビュー報告書が最終取りまとめという形でまとまりますので、そのことを念頭に置いて議論をいただければと思います。
 部会の委員の皆様につきましては、この半年、度重なる部会で議論を進めて、このレビュー報告書の案につきましても第七稿というか、かなりやりとりをして進めてきたところになりますので、その経緯も含めて、改めてもし御意見等あれば出していただきたいということと、それから、分科会の委員の皆様におかれましては、直前に配付させていただきましたので、あまり詳しく見ていただく時間がなかったかもしれませんけれども、そういった意味でレビューに関する質問等もありましたら、それも含めて御意見を頂きたいと思います。
 御意見、御質問がある方はぜひ挙手をいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。どなたからでも構いませんので、よろしくお願いいたします。
 基本的には本文の部分について、まず御意見等いただければと思います。特に本文の中でも第V章が総括的な評価ということで、今後に向けた展望というか、計画も含まれていますので、それが次の建議のベースになってくる可能性もありますので、ぜひその辺りから御意見を頂ければありがたいと思います。
 
【小平委員】  よろしいでしょうか。
 
【小原分科会長】  はい。
 
【小平委員】  すみません、どこから発言していいのか分からないので、皆さんが考えている時間のつなぎ的な…質問、というより、意見になってしまいますけれども。
 まず取りまとめを大変ありがとうございました。大変な努力と、御尽力だったかと思います。
 分科会長がおっしゃったように事前に資料を頂きましたが、全部熟読する時間はなく、正直なところ、総括的評価という第V章を中心に読ませていただきました。その中で特に今後の方向性というところで、大湊委員も強調されていましたけれども、観測と物理モデルに基づく予測研究の重点化を進めていくべきだと。また、その試行も進めるべきだというのは私も非常に重要なアプローチだと思っています。
 その中で観測データはどんどん増えていったり、新しい観測も始まったりしていますし、モデルのほうも個別要素としてのいろいろな情報は集まってきていると思いますけれども、特に物理モデルは、いわゆる統一モデルというか、コミュニティーモデルというか、そういうものの構築も目指すべきではないかと思っています。モデルというのは多分ゴールがなくて、この計画の年限の最後のところで、今期ではこういうものをつくり上げた、しかしこういう情報が足りなかった、などのレビューを重ねて、モデルの高度化が随時進められると思います。明記していただくかどうかは御検討いただきたいのですが、物理モデルの構築に当たっては、このプロジェクトの中で共通的なコミュニティーモデルというのをつくり上げるということを目指していただければいいかと思いますので、今後の方向性として、そこを書いていただければよいかなと思った次第です。
 以上です。
 
【小原分科会長】  ありがとうございます。大湊委員、何か。
 
【大湊委員】  そうですね。恐らく今までコミュニティーモデルというと、まずは例えば、地下構造に関するコミュニティーモデル的なものは作られてきたと思いますけれども、実際はこれから予測することに関しては、断層面の扱いであるとか、あるいはひずみの蓄積等々に関する共通モデルという段階に進まなければいけないと思います。
 ただ、現状を見ると、なかなかそこまで進めるほどの共通的なコミュニティーモデルというものが見える範囲にあるかと言われると、まだ少し難しいところもあるのかなと。
 ここの地震イベントに関して、これはこういうふうに起こりますというモデルはかなりのものができていて、同じ場所と状況であれば、恐らくある程度の潜在予測はできるであろうというモデルの候補は出来つつあると思います。ただ、それがほかの場所で応用できますかと言われると、なかなかそこまではいかないだろうと思います。長期的に実現したい理想的なものをまず描けているかというのがまず問題ですけれども、今、現状を踏まえると、まずここのモデルの予測可能性の検証プラス、あとそれが、どれぐらい汎用性があるかという検証を進めていかなければいけないような段階にあるのかなと思います。
 このコミュニティーモデルという言葉に関しても、多分、人によってイメージするところが違うと思いますけれども、それをどういう段階に設定するかというところの議論から始めるのがいいのかと思います。
 さっき小平委員がおっしゃったとおり、モデルには際限がない、限りがないとおっしゃったと思いますけれども、そうなので、まずは5年というスケールでどれぐらいできそうか、あるいはもっと先、何期か重ねたらどこまでできるかということを検討した上で、言葉を選んで書くのがいいのかなとは思います。
 ただ、これは観測データに基づく予測とだけ書いてあって、モデルに関する言及がちょっと少ないのは確かですので、そこは何かいい言葉があると……。あるいは1段落目に何か付け加えることがあれば考えて出したいと思います。もし可能であれば、小平委員にもこんな感じの文章を入れたらどうかという案を示していただけると、それを参考にしたいと思います。
 
【小平委員】  はい、ありがとうございます。私自身も考えます。
 一方で、いわゆる構造モデルに関しても、私的には決して統一的なモデルを皆さんが持っていて、それをいろんなところに活用されている状況にあるとは思っていません。強震動を研究している人、長周期の地震動を研究している人、予測研究をしている人、それぞれで幾つかのモデルがあって、各々がそれを活用しているという状況だと思います。それはそれでよいのか、それとも、そのベースになるモデルをつくり上げていくのか、というところの整理も必要だと思います。宿題をいただきましたので、私も考えてみます。
 ありがとうございました。
 
【大湊委員】  多分、先ほども言いましたとおり、ある具体的な事象に関しては、モデルというのは考えやすくて、ある限定された範囲のモデルというのはいろいろできていると思います。ただ、それをコミュニティーの中で共通に使えるものという意味でコミュニティーモデルという言葉を使っている場合もあれば、いろんな分野で共通に使えるモデルという意味でコミュニティーモデルという言葉を使いたい人もいるので、その辺の言葉の整理が必要なのかなとは思います。
 多分、大きな大構造ですよね。だから、プレートの沈み込みと形状に関しての大きなモデルというのが過去の成果で出ていると思います。それは重要ですけれども、例えば、それが強振動の予測につなげるために十分な精度なのかと言われると、多分、それだけでは不十分で、実際に例えば、強震動の予測に関してはもっと狭い範囲の具体的な対象地域の盆地の速度構造や形状などが決まらないと、結局ちゃんとした予測ができず、ほかの分野でできた大きな構造モデルを利用しても、なかなか精度の向上には、つながらないみたいなこともあるわけです。
 いろんな分野がまず必要としているものをどんどん広げていくと、どこかでそれが重なり合って、それが全部重なったものが多分、将来、理想とするコミュニティーモデルになるだろうと思います。まだ、今すぐそこまで行けているか、と言われると、多分そうではないのかなと思っています。
 
【小平委員】  ありがとうございました。
 最後におっしゃったことが私の思い、言いたかったことでもあります。ありがとうございます。
 
【小原分科会長】  はい、ありがとうございます。
 物理モデルについてもコミュニティーモデルを目指すという方向性は重要かと思いますけれども、ただ大湊委員もおっしゃったように、コミュニティーモデルという言葉の定義もかなり人によって異なってくると思います。そういった議論を経た上で、いずれはきちっとこういった報告書の計画の中にも載せていくべきとは思いますが、今の段階ではなかなかその要望を載せるのは少し難しいかなと思います。そういったことでよろしいでしょうか。
 
【小平委員】  はい、私は、趣旨は分かりました。
 
【小原分科会長】  ありがとうございます。
 ただ、構造のほうについては共通的に使えるようなデータベースというのは、順次、整備されてきていると理解していますが、そういった理解でよろしかったでしょうか、大湊委員。
 
【大湊委員】  大きな構造に関してはあります。3次元構造モデルやプレート形状モデルというのがあります。
 例えば、首都圏の基盤の震度分布であるとか、そういう意味では、地域ごとにいろんな精度の差はありますけれども、出来つつあるなとは思います。使えるものから利用されているというのもありますので、全然やられていないわけではないと思います。
 
【小原分科会長】  そうですね。
 
【大湊委員】  ある分野でやったものはほかの分野でも使えるかというと、そこはまだという感じもします。
 あと、例えば、速度構造だけでいいのかとか、多分いろいろ分かってくるほどより複雑な問題が出てきて、これが最終的なものだというのはなかなかたどり着けないのではないかという感じはしています。
 ただ、いずれにせよ、今、小平委員がおっしゃったとおり、共通のデータベースがあって、使えるものはどんどん共通に使うということは、徐々に進んでいると思いますので、取りあえず少しずつ進歩しているという段階かと思います。
 
【小原分科会長】  そういう方向性に今、向かっているということですね。はい、ありがとうございます。
 小平委員どうもありがとうございます。
 ほかにももしいろいろ御意見等あったら、ぜひお願いいたします。
 日野委員、お願いいたします。
 
【日野委員】  今のモデルの話に関連して少しコメントをさせてください。
 モデルの標準化は何のためかというと、この計画という切り口からいえば、予測。それは発生予測かもしれませんし、あるいはハザード予測かもしれないです。
 その予測の部分に関して言うと、今、どういう段階にあるかというと、現状のまとめとしては、手法の開発が出来つつあって、次は試行をやろう、性能評価をやろうということが大事ですよ、と書いていただいているわけです。その中でモデルの部分が共通基盤としてそろっている必要があるというのは、多分、小平委員が指摘されている重要なポイントなのかなと思います。
 一方で、予測実験そのものを、例えば、この計画で一つのものをつくって、それで組織立ってやってみるという段階でないのも多分確かだと思います。そういう意味では予測実験とか、そういうものの基盤の整備をすることが大事だというようなことを一つ入れておくと、今の議論はあんまり大きく変えないで、今のレビュー中の今後の重要な方向性という意味で取り入れられるかと思って伺っておりました。
 以上です。
 
【小原分科会長】  はい、ありがとうございます。
 確かに日野委員のおっしゃるとおり、予測実験のシミュレーション等を進める中で、その共通基盤を整えていくということが、ある意味、小平委員がおっしゃっていたコミュニティーモデルというものにも通じるかなというふうには確かに思います。
 どうでしょうかね。そのような文章というか、ニュアンスをどこかに含めると。
 
【大湊委員】  そうですね。今は予測実験を進めるべきであるみたいな書き方しかしていないですけれども。そのために必要な基盤環境の整備を進める必要がある、みたいなふうに、それを足すことで、日野委員、小平委員の意見がある程度反映できるかと思います。
 
【小原分科会長】  はい、そう思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 ほかに。森田委員どうぞ。
 
【森田委員】  まずはこれだけ大変なものをまとめられて、担当者、大変御苦労さまでしたという言葉を告げたいと思います。その上で一つ、もう少しこの表現を変えたほうがもっといいなと思うところがありましたので、そこだけ発言させていただきたいと思います。
 それは、ここで火山活動推移モデルという言葉が出てきています。私のように随分昔から関わっていると火山噴火というのは、噴火の時期、場所、推移、規模、様式という五つの予測が重要であるというような言い方をしていまして、そのうち時期と場所については、ある程度、実用化され、例えば、気象庁が噴火警報という業務化をして、社会実装されている、というような文脈でこういう報告書をまとめるのはいいのだろうと思います。
 残っているこの三つを考えると、この噴火活動推移モデルというのは、実は噴火活動の推移というのは噴火規模にも噴火様式にも関わってくる。当然のことながら、それが噴火の開始から終わりまでというのは推移、まさにその推移である。
 この三つの予測をするためのツールとしての火山活動推移モデルというようなことを書くと、まだそういった三つが残っている、それについて着実に研究を進めているということが伝わっていいのではないかと私は思いましたが、そういう理解でよろしいでしょうか。
 
【大湊委員】  多分、今まで使われていた推移という言葉は、噴火が始まってから、その後、どういうふうに変化するかという結構限定…、何でしょう。噴火発生の場所、時期ですけれども、火山活動はそこで終わりでなくて先があるではないですか。そういう意味で推移という言葉を使っていました。
 
【森田委員】  そうですけども、外部評価の方に読んでいただくときに、多分、前のときにはこうだったというようなところで、噴火の5要素のうち、二つはある。三つをこれからしなければいけないというようなところがどこかに書いてあったと思います。
 それを目指していないというふうに見えるとかなり損ではないかという気がしますので、火山活動推移モデルを出すときに、少し説明を加えられたらいいのではないかということだけを指摘したいと思います。よろしいでしょうか。
 
【大湊委員】  ご指摘は、5要素のうちの推移に着目したモデルに狭めているふうに見えるということでしょうか。
 
【森田委員】  そうです。そういうふうに見えるので、そうではないというようなことを少し説明したほうがいいのではないかと思った次第です。
 
【大湊委員】  分かりました。確かにこの火山活動推移モデルというものはなかなか説明が難しいところで、皆さん少しずつ捉え方が違うところがありますので、少し説明を加えつつ……。
 ですから、限定するというよりもむしろ噴火の前にいろんな準備過程が進んでいますけれども、そこもちゃんと見てないといけないよというのを含めての推移モデルです。むしろ全部を含む大きなモデルという広い考え方ですが、確かに同じ推移という言葉が誤解を与えるとしたならば、説明を工夫したいと思います。
 具体的にどういう表現にすべきかについては、可能であれば森田委員からも提案をいただければいいのですが、こちらでも少し検討してみたいと思います。
 よろしいでしょうか。
 
【森田委員】  はい、よろしくお願いします。
 
【小原分科会長】  今は、具体的には本文のどの辺りになるかというのは分かりますか。
 
【森田委員】  総括的評価の2.2です。予測のための研究で、火山噴火予測のところの第2段目ですか。「火山噴火の予測精度を高める新たな試みとして」です。そこでこの火山活動推移モデルということがありますので。結局、この火山噴火の予測精度を高めるというのは、火山噴火ってすごく大きないろんなものの予測ということだろうというのは分かりますけれども、少しそこを丁寧に説明していただくほうが多分、分かりやすいだろうと思った次第です。
 以上です。
 
【小原分科会長】  そこの63ページの下から2行目のところに「火山活動推進モデルの構築が進んでいる」というのが書かれていて、そこでの火山活動推移モデルというのは、それこそ、その下に書いてある噴火に先行する現象から終息まで一連のことだという理解でよろしかったですか。
 
【森田委員】  そうですけれども、今までの噴火予知研究の流れからいうと、推移という言葉だけが先行してしまうと、ここに噴火の規模や様式という言葉は、この中にはないのですよね。
 
【小原分科会長】  ああ、なるほど。
 
【森田委員】  だから、そこのところを少し工夫していただくほうがいいだろうと。そして、これが災害の軽減に貢献するというタイトルがついているということであれば、噴火の様式、噴火の規模がやはりハザードの大きさだとか、その災害の規模を決めますので、そういったところが分かるように書くのが非常にいいだろうと思った次第です。
 以上です。
 
【小原分科会長】  なるほど。
 
【大湊委員】  あまり長くなり過ぎない程度に言葉を足してみたいと思います。
 63ページの最後の行の「活動の変化」という言葉がありますけれども、ここが昔で言うところの推移に相当していて、あと今、森田委員がおっしゃったように規模とか様式というのは、あまりここの言葉の中には直接的には反映されていませんので。
 昔の噴火予測でいうところの噴火の5要素という概念を知っている人がどれくらいいるかということはありますけれども。
 
【森田委員】  もうそういう概念が古いから、これからはこういくのだというのを今後の方針に書くとか、そういうのでもいいと思います。
 ただ私のように古い人間ですと火山災害、その推移というと、例えば、活動開始から避難解除までの期間を決めるというようなイメージで、こういう言葉を捉えています。ですが、災害という意味ではやっぱり規模だとか様式というのが非常に重要だということが見えるように、何か言葉をつないでいただけるといいのではないかと思った次第です。
 以上です。
 
【大湊委員】  そうですね。確かに実際に災害の規模につながる噴火様式、噴火規模というものに関する研究が全然ありませんので、それに関する言葉を入れます。
 火山活動推移モデルの考え方の肝は、ある噴火があって、それが終わったとしても、それで終わりではなくて、そのときに既にもう次の噴火の準備が進んでいて、それがだんだん次の噴火に近づいてくると、次第に表面現象が現れてくると。それもある程度進んでいくと、実際の噴火が起きます。
 今までは、その準備段階の部分に関する研究は、データが取りにくい、取れないというのもあってそれほどやられていなかったと思いますけれども、準備段階から実際に噴火が起こって、終わるまでの全体を1個として考えたときに、見えてくるものが違います。それが分かると、実際の災害に直接つながる規模や様式の予測にも、準備段階での広がりであるとか、直前の膨張の速さであるとか、そういったものが実際には規模、様式につながるわけです。それを含めて、何を意味しているのかを理解することが推移モデルの考え方の肝だと思います。
 これをやることで、具体的に災害につながる何が分かるのか、という言葉を文章化すると、森田委員のお考えになるのかなと思いました。
 
【森田委員】  大湊委員の今の話に全く同意しますので、ぜひそれを反映して、文書を作っていただければと思います。
 
【大湊委員】  63ページのこの辺りに少し説明を。あまり長くならないよう、一、二行程度のサマリーを考えたいと思います。
 
【小原分科会長】  はい、それでよろしくお願いします。
 私が少し思ったのは、先ほどの森田委員のお話で、規模や様式の理解も非常に重要であると。それが災害に直結するというところもありますので、例えば、63ページの一番下のところで、「火山活動や噴火現象はその規模や活動様式が非常に多様でありとか」、そういう前書きを加えて、さらにまた大湊委員が先ほどおっしゃっていたような文章をつけるといいかと思います。少し御検討いただければと思います。
 この件に関して、もしほかに御意見等ありましたら。
 ほかのところでも、皆さん何かお気づきになったところ、どうぞ御遠慮なく自由に発言をしていただければと思いますが。
 阪本委員どうぞ。
 
【阪本委員】  質問ではなくて、コメントですが、今回の取りまとめの作業、本当にありがとうございます。
 私は防災リテラシーのところにいますが、この防災リテラシー研究を建議の意義として大きく位置づけていただいたのは本当にありがたい話だと思います。同時に、最後にも書いていただいていますが、防災リテラシーの研究は、これまではどちらかというと、地震や火山の観測データをどのように活用していくのかという点に焦点が置かれていて、逆に社会実践から得られる知見をどのように地震火山観測にフィードバックさせていくのかという点は弱かったと思います。今回、建議に、今後の方向性でほかのところとも連携しながら、そのような側面も強化していく方向で記述していただいたのは、大変重要な気づきだと思います。どうもありがとうございます。
 
【小原分科会長】  はい、コメントどうもありがとうございます。
 特に文章として変更することがないということでよろしかったでしょうか。
 
【阪本委員】  はい、ありがとうございます。
 
【小原分科会長】  ありがとうございます。
 
【大湊委員】  でも、フィードバックということを少し強調する……。
 
【小原分科会長】  そうですね。
 
【大湊委員】  強調してもいいかなと思いましたけれども。
 
【阪本委員】  読み取れるかなとも思いましたが……。はい、それでもいいかもしれません。
 
【小原分科会長】  そこまで明示的には書いてなかったような気もしますので……。
 
【大湊委員】  阪本委員のほうからここにこういう言葉を入れると、言わんとすることがより伝わるという案があれば。
 
【阪本委員】  はい、分かりました。特に最後の今後の提案のところで、また文章を送ります。ありがとうございます。
 
【大湊委員】  よろしくお願いします。
 
【小原分科会長】  はい、ありがとうございます。
 何かありましたら御自由にご発言ください。
 地震火山観測研究計画部会の委員方は、もう何回か草稿段階から御覧になって、いろいろ意見等いただいていると思いますが、分科会の委員の方におかれましては、時間がかなり短かったかと思います。初めて見る文章だと思いますので、意見や質問など、ここの意味がよく分からないといった質問もあると思いますので、そういった質問でも構いません。何かありましたらお願いしたいと思います。
 森田委員どうぞ。
 
【森田委員】  ごめんなさい。もう一つよろしいでしょうか。
 
【小原分科会長】  はい、どうぞ。
 
【森田委員】  66ページの地震本部の関係と火山研究の一元的推進体制というところの「一方、火山噴火に関しては」というところですが、この「災害軽減に資する火山の調査研究を一元的に推進する体制は存在せず、火山噴火予知連絡会など情報交換の場はあるものの、得られた成果を国の施策に反映させる過程は必ずしも明確でない」とあります。その次に一つ考慮いただきたい点があるのですが、こういう一元的な体制がないことによって、例えば、今、火山研究というのはいろんな省庁の研究機関にまたがって研究が進められているわけですが、それがうまく連携するというか、例えば、地震の研究では地震本部がいろんな省庁からの予算を調整しながら、そして、最適化するという調整機能を果たしているわけですね。ところが火山にはそういうことがない。だから、これは具体的にそうだという話ではありませんが、例えば、産業技術総合研究所(以下「産総研」という。)は、地質調査、火山地質は非常にすごく貢献されているわけですけれども、必ずしもこういう火山噴火予測とか火山噴火研究が主な仕事でないと言ったときに、なかなかその立場を説明するのに苦慮するというような話も聞いたことがあります。
 ですから、火山研究というのはいろんな分野に研究機関がまたがっていますが、またがるというところを調整する機能がなくて困っているというようなことも、一元的な機関がないということの障害だと思います。そこも少し書いていただけないかと思った次第です。
 以上です。
 
【小原分科会長】  はい、ありがとうございます。
 大湊委員、何かコメント等ありますでしょうか。
 
【大湊委員】  そうですね。研究自体にはいろんな省庁の方が参加しているわけですけれども……。
 
【森田委員】  いろいろな省庁が参加していますけれども、大学は比較的、学術研究といって非常に自由な立場で参加できますが、研究開発法人は、その設置目的、設置趣旨に合っているかというところが非常に大きな縛りになっています。その中で、観測研究計画でそういう研究を応援しているというところを、あるところでオーソライズしてあげないとなかなか厳しいところがあると。
 それが地震本部というような政府の機関になると、多分、非常に強いお墨つきになりますけれども、今、測地学分科会では、毎年、成果発表会で成果を公開しているといっても、それでは弱いです。
 ですから、やはり一元的な機関が必要であるという理由に一つ、そういったことも加えていただけるほうがいいのではないかと思った次第です。
 
【大湊委員】  建議の研究…、建議そのものがそれぞれの参加機関についてのお墨つきみたいなものになっているわけですが、森田委員の付け加えてほしいことは、それ以上の何か、ということでしょうか。
 
【森田委員】  これは私よりは開発法人の委員の方に聞いたほうがいいのかもしれません。例えば、予算の獲得だとか、自前の予算をそこに投入するときの根拠だとか、そういったところがまだ建議では弱いのではないかと思う次第です。
 
【小原分科会長】  今の点については、産総研の田中委員、何か御意見ありますでしょうか。
 
【田中委員】  今の森田委員の意見というのは、半分分かりますが、半分分からないといったところです。実際問題、それは確かに地震に比べて、一歩か、一段階弱いというのは重々承知しています。
 ただ、今、おっしゃった予算獲得の際に、どちらかというと大湊委員がおっしゃった感覚に近くて、建議でこういうふうにうたわれていますというように、我々は活用、使ってはいます。それが、例えば、地震本部になったからとて、予算の獲得が楽になるのかと言われると、実際問題、そこまではにわかには分かりません。例えば、予算がすごくつきやすくなるのかと言われると、そんなに直結するものではないのではないかというのが正直な感想です。
 ただ、私、個人の感想に近いので、例えば、産総研あるいは独法、国立研究開発法人としてどうなのと言われているものではないということは御承知おきいただければと思います。すいません。非常に歯切れの悪い答弁で申し訳ありませんが以上です。
 
【小原分科会長】  はい、ありがとうございます。特にそこまで文章を変えなくてもいいのかなという感じでしょうか。
 森田委員のほうで修文案がもしあれば、ぜひ参考までに出していただけるとありがたいです。
 
【森田委員】  今すぐにはあれですけども、必ずしも明確ではないと。また、いろんな省庁にまたがった研究機関が協力して、一つの成果を求める体制をつくるのは容易ではない。それぞれの省庁での役割分担の整理ということを、多分、地震本部の政策委員会ではやっています。そういったところがないということが、やはり火山研究そのものがいろんな省庁、研究機関にありますので、そこを連携させる仕組みというのが必要だろうなということを言いたいというのが趣旨でございます。
 
【大湊委員】  それに関してはちょっと分かりませんが……。
 
【田中委員】  すいません。今、発言しても……。
 
【小原分科会長】  はい、田中委員どうぞ。
 
【田中委員】  趣旨は非常に賛同ですが、それに沿ったようなものというのは、火山研究推進委員会で答申を出して、今、防災科学技術研究所で進められている火山機動観測実証研究事業が始まったと認識しています。そもそも、その事業はこの報告書の中にも触れられていて、そういう方向性で進んでいる、というような書き方はしてあったように記憶していますが、いかがでしょうか。
 
【大湊委員】  連携するということは書いています。そういう次世代火山研究・人材育成総合プロジェクトであるとか、火山機動観測実証研究事業のようなものと連携してやるべきである、みたいな文章はどこかに入れました。
 予算に関しては分からないところもありますが、省庁間、参加機関間の調整機能という言葉は重要だと思います。それは森田委員のおっしゃるとおり、ここに入れるのがいいのかと思います。可能であれば、たたき台案を出してくれると助かります。
 
【森田委員】  後で送ります。
 それから、今の話で非常に重要なのは、今、田中委員が言われたように、今そういった連携というのが火山本部というものがないため、次世代火山研究・人材育成総合プロジェクトや文部科学省(以下「文科省」という。)の補助事業で何とかやっていると。これがなくなると非常に我々、火山業界は困りますので、そういったものが必要だというところをにじませるというのが非常に重要だろうと思って、老婆心ながら言った次第です。
 以上です。もう止めます。
 
【小原分科会長】  はい、ありがとうございます。森田委員には後で、そんなに時間もありませんが、修文案をぜひ後で提出していただければありがたいと思います。
 ほかの観点でも構いませんので、何か御意見、御質問があったらぜひお願いいたします。
 
【大倉委員】  大倉ですけど、いいですか。
 
【小原分科会長】  はい、どうぞ。大倉委員。
 
【大倉委員】  今の件ですが、この建議の宛先は……。
 科学技術・学術審議会から文部科学大臣と総務大臣と経済産業大臣と国土交通大臣宛てですので、ある程度、森田委員のおっしゃっていることは含んでいると思います。ですので、あまり無理せずに、建議に対してのレビューというか、そういうことなので、森田委員のお気持ちには全面的に賛同していますし、お気持ちもよく分かりますが、控え目にしたほうがいいかなとも思います。
 以上です。
 
【小原分科会長】  はい、ありがとうございます。
 この報告書に書かれる内容は次の建議に反映されてくる部分がかなり多いと思うので、ほどほどにというか、書き過ぎない程度に、ある程度そういったニュアンスを含めておくのは重要かなと思いますので、よろしくお願いいたします。
 この件でもほかの件でも構いませんので、何か御意見、御質問ありましたら、ぜひ御発言をお願いします。
 そうしましたら、部会委員の皆様には、これまでの部会でいろいろ御意見いただいていますので、分科会の委員の方で御意見を頂ければと思います。今の火山関係で関係するかもしれませんが、藤田委員、何か御意見あるいは御質問があったら、ぜひお願いしたいと思います。
 
【藤田委員】  はい、ありがとうございます。
 今、森田委員が発言された件について、すみません、森田委員の気持ちは同じところにいるので重々分かっていますが、先ほど田中委員もおっしゃったように、橋本委員の火山研究推進委員会のほうで明記されていますので、特段コメントは必要ないと思います。ここはあくまでも建議の話で、もう少しオールジャパン的な話は別なところでいいと思いますので、無理に入れる必要はないかなと思います。
 以上です。
 
【小原分科会長】  はい、どうもありがとうございます。
 藤田委員、ほかのところについて何か御意見や質問等がありましたら。
 
【藤田委員】  いえ、私も大湊委員と関口委員が中心となって検討されているところをずっと拝見させていただいたので、感謝いたします。特段コメントはございません。
 
【小原分科会長】  どうもありがとうございます。
 ほかに何か御意見、御質問ありますでしょうか。
 分科会の委員の方で部会を兼任されてない方については…、榎原先生はいかがでしょうか。もし何か御意見あるいは御質問がありましたら、お願いしたいと思います。
 
【榎原委員】  はい、榎原です。今、歴史に関係をするところを慌てて目を通していました。こちらがやってきたことを過不足なくまとめていただいている上に、今後の方向性というところでも、これから我々が考えているところをよくまとめていただいて、大変ありがたいと思っています。私のほうからこうしてくださいというところは特にございません。
 
【小原分科会長】  はい、どうもありがとうございます。
 ほか、部会委員を兼任されてない分科会の委員の方というのは、あとは気象庁の森委員ですか。もし何か御意見等ございましたら、お願いしたいと思いますが。
 
【森委員】  森です。まずこの大部な資料をまとめられたというのは本当にいろんな方の御尽力があったからだと思います。
 個々のところについてコメントはありませんが、報告書は大部ですので、結構、概要とか要旨というのを先に見られる場合が多いのではないかなと。そういう場合において、報告書の要点をうまく抽出しているのかどうか、というその辺は留意されたほうがいいのかなと感じました。
 以上です。
 
【小原分科会長】  はい、どうもありがとうございます。
 最初の大湊委員の御説明にもありましたように、本文を先に作成して、その後、それをコンパクトにまとめるような形で要旨が作成され、さらにもっとかいつまんだ概要という形で2ページものの概要を作成しています。基本的には本文の内容をできる限り、エッセンスを抜き出したような形で取りまとめているというふうには私も理解しています。ただもちろん改めて確認する必要はあるかもしれません。大湊委員、その点は特に問題ないと思っていいですよね。
 
【大湊委員】  やはり書いた本人はもう自分では見たくありませんので、皆さんに目を通していただいて理解しにくい不十分な点があれば、残された時間はあんまりないですけれども、できれば具体的な訂正案と一緒に出していただければ、可能な限りは訂正したいと思います。
 
【小原分科会長】  これまでどちらかというと本文のところにいろいろ御意見等いただいていると思いますけれども、要旨あるいは概要についても御意見、御質問等お気づきの点などありましたら、ぜひこの場でお願いしたいと思います。
 概要につきましても、初稿の段階から大分、部会でも議論をして、かなり見やすい分かりやすい内容になってきたかなと思います。ただ何回も見ていると、確かに少し目が慣れてくるというところもあると思いますので、そういう意味ではフレッシュな感覚で御覧いただいて、もし何か分かりにくい点などありましたら、ぜひ御指摘いただければありがたいです。いかがでしょうか。
 大湊委員のほうでも、もし何かこの部分について、表現がまだ迷っているであるとか、お気づきの点とかありましたら、この場で意見を求めてもいいと思いますが、もう大丈夫でしょうか。
 
【大湊委員】  そうですね。最後のほうの第五、六、七稿ぐらいでの部会の方々とのやりとりで大分直ったといいますか、私が分からないところもいろいろな案を出してもらって直しましたので、私としてはこれぐらいかなと思っています。
 ただ、何度も書いて見慣れてしまって、自分では理解していても、第三者のように背景知識がない人が読むと分からないという表現は、当然ですが、たくさん残っていると思いますので、かといって、それを説明し出すと分量もまた増える。今までも書いて、それで分からないからといって説明を追加して、今度は増え過ぎたからというのを何度も繰り返してきていますので。その辺りはなかなか、ずっと今まで書いてきた側と初めて読む側というのは、全然、見え方が違うと思います。
 やはりこれは外部評価委員なり、初めて読む人が見て意味が通じるものでないとしょうがないので、その辺は初めて見る方がどう思ったかということを優先して、反映させられるものがあればさせたいと思っています。
 
【小原分科会長】  そういう意味で言いますと、外部評価委員は当然、全体を御覧いただいた上で評価していただくことになると思いますが、まずは2ページものの概要から読むことになると思います。
 概要について、2ページですので、一通りこの合同会議の中で確認しておいたほうがいいかなと思いますが、どうしますか。
 これを事務局のほうで読み上げてもらっていいですか。
 
【井上地震火山専門官】  はい、事務局です。読み上げ、承知しました。どうしましょうか。レビューの大項目ごとに止める形で読めばよろしいですか。それとも、ざっと全部読めばよろしいでしょうか。
 
【小原分科会長】  そうですね。ざっと全部読んでいただきたいと思います。
 
【井上地震火山専門官】  はい、承知しました。では、この順番に説明したいと思います。
 
(資料2-4「建議レビュー報告書 概要・要旨(案)」の概要ページを読み上げ)
 
【井上地震火山専門官】  以上です。
 
【小原分科会長】  どうもありがとうございます。突然振って申し訳ございませんでした。
 今、読み上げていただきましたので、かなり内容を理解していただいたと思いますけれども、何か過不足等ちょっと分からない表現とかあったでしょうか。もし何かお気づきの点があったら、ぜひ御発言をお願いしたいと思いますが。
 
【寺川委員】  寺川です。
 
【小原分科会長】  寺川委員。はい、どうぞ。
 
【寺川委員】  主な成果の最初のところですけれど、地殻流体に関しまして、今の書き方ですと内陸地震の発生に関係があるというように読めてしまいますが、プレート境界の地震に関してもこの地殻流体の影響というのを考えていかなければならないと思いますので、その点を誤解のないように少し修正したらどうかと思います。
 以上です。
 
【小原分科会長】  はい、ありがとうございます。
 それは具体的に言いますと、内陸地震の発生というか、地震発生と密接な関係がある地殻内流体…。
 
【寺川委員】  そうです。一番コンパクトな修正としては、その「内陸」を取れば、まあいけそうな気がしますけれども……。
 
【小原分科会長】  そうですね。
 
【寺川委員】  少なくとも今のままですと少し誤解があるかと。よろしくお願いいたします。
 
【小原分科会長】  なるほど。はい、ありがとうございます。
 簡単には今の「内陸」を削除すれば、一応、意味は通るということだと思いますが。大湊委員いかがでしょうか。
 
【大湊委員】  そうですね。多分、もとは熊本地震の発生域だとか、具体的な場所について地殻内流体といろんなひずみの蓄積とかとの関係の成果というのが念頭にあって書いた文章であって、それを縮めていくうちに、多分、内陸というのが来ています。この内陸を取った場合に今期の成果の中に、プレートとの境界面の地震に関しても、流体に関する何か研究成果というのがあるかと言われたときに、何かあるような気はしますけれども、そこら辺が少し気になるところです。
 
【寺川委員】  あると思います。少なくともスロー地震に関してはそういったものが挙げられていたと思います。
 
【小原分科会長】  そうですね。そこは問題ないと思います。
 
【大湊委員】  じゃあ、「内陸」という言葉を取るということで……。
 
【小原分科会長】  はい、ありがとうございます。
 ほかに何かお気づきの点ありますでしょうか。
 
【日野委員】  今の件。日野ですけれども。
 
【小原分科会長】  はい、どうぞ。
 
【日野委員】  すごく些細ですが、地殻内流体の後の「について」の「に」が抜けています。
 
【小原分科会長】  本当ですね。ありがとうございます。
 
【日野委員】  それと、さっきのプレート境界もそうですし、スラブ内地震についても流体の関与があるというのは具体的な成果にあったはずですので、その点でも大丈夫だと思います。
 そうなると地殻内流体というのが、さっき小原委員がおっしゃったとおり、少し気になるところで、このままでもいいかもしれないし、地下とか地球内部とかでもいいのかもしれません。あまりそこはこだわらなくていいかもしれません。
 いずれにしろ言いたかったのは「に」を入れてくださいということです。
 以上です。
 
【小原分科会長】  はい、そこは確かに見落としていました。ありがとうございます。
 ほかに何か御意見お気づきの点ありますでしょうか。
 
【田中委員】  すいません。“てにをは”レベルの些細な点ですが、いいですか。
 
【小原分科会長】  どうぞ。
 
【田中委員】  下のほうに地震本部と出てきますが、本名を書き切れるなら書いたほうがいいのではないでしょうか。最初これを読まれて、地震本部を知らないというのはなかなか考えにくいとは思いますが、一応、本名を書いたほうがいいのではないでしょうか。
 あるいは本文はせっかく用語集を立派なものを作っていただいていると思いますので、ここに書き込むとうるさくなってしまうから、というので書かれていないとは思いますが、場合によっては用語集に上げられているものが分かるような形、本文はアスタリスクで書かれていますので、そういうのも一部は工夫されたほうがいいのかしらと思いました。
 
【小原分科会長】  はい、ありがとうございます。
 本文は、地震本部が地震調査研究推進本部の略称であるということは書いてありましたか。
 
【田中委員】  あわせて見たら、少なくとも用語集のところにはそう書いてありました。
 
【小原分科会長】  そうですね。用語集にはそのように書いてありますね。
 
【田中委員】  行数が増えるわけではありませんので、丁寧に書けばいいのではないかと。すごく些細な点で申し訳ありませんが。
 
【小原分科会長】  そうですね。論文でもアブストラクトと本文は独立していますので、略称をもし使うとしても、両方でそれぞれを定義しなければいけませんので。今、田中委員がお気づきの点ですね、地震本部は正式名称を書いても行数は増えないので、そのほうがいいかと思います。
 
【大湊委員】  用語集との対応づけをしようとすると、ほかの言葉も全部探してということになる可能性があるので、ここを正式名称にするというのが一番簡単な気がします。
 
【小原分科会長】  そうですね。それがいいと思います。はい、ありがとうございます。
 ほかにお気づきの点ありますでしょうか。
 多分、“てにをは”は、取りまとめ委員や部会委員も一通り、詳しく見ていると思いますけれども、どうしても見落としがあったりするかもしれませんので、そういった“てにをは”的なところは、時間もあまりありませんが、また後日で連絡をいただければ、それを最終版に反映させていきたいと思います。
 今、この場で何かお気づきのことがあったら、ぜひ御指摘をお願いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
 
【大湊委員】  自分でまとめておいてなんですけれども、やはり概要を見てみると、元のV章の最後では観測データに基づく予測という言葉が入っていたけれども、今の概要のまとめにはそういう言葉がありませんので、それを入れたほうがいいのか、あるいはそれだけでは意味が通じなくて、長く書かざる得なくなって、すると無理かなという気もするし……。
 
【小原分科会長】  それはどうしますか。今後の課題として、観測データに基づく予測を継続的に行うみたいなことを今後の課題に書きますか。それとも、まとめに書きますか。
 まとめでいいような気がしますけどね。
 
【大湊委員】  まとめにちょっと……。
多分、1行分はないですが、これぐらいの隙間に入れるぐらいはできそうな気がします。
 
【小原分科会長】  そうですね。
 
【大湊委員】  何とか入れたいなと思います。
 
【小原分科会長】  そのまとめの丸が二つあって、二つ目はちょっと長いですが、そこにもう少し追記してもいいかと思います。予測に関して……。そこは工夫していただけるとありがたいです。
 
【大湊委員】  あと一方で、本文や要旨だと、ある程度、増えた後で出てくるからいいのですが、ここだとそれまで全くないのにいきなりその言葉が出てきますので、それもこれは何だろうと思われるかもしれないです。
 
【小原分科会長】  ただ、これはあくまでも概要ということで、本当にこの中での流れをそれほど意識しなくても、ここに書いてある言葉、内容が一体何だろうと思って、あと要旨とか本文のほうを見に行くと思いますので、ある意味ここはキーワード集みたいな形でもいいかと思います。
 
【大湊委員】  ちょっと工夫してみます。
 
【小原分科会長】  はい、お願いいたします。
 ほかに御意見等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 概要、要旨、本文、それとあまり確認はしていませんでしたが、参考資料、概要資料。全体を通じてどの部分でも構いませんけれども、何かお気づきの点があったらお願いいたします。
 
(「なし」の声あり)
 
【小原分科会長】  よろしいでしょうか。
 そうしましたら、本文のところで修文が必要なのは、まずは阪本委員の防災リテラシーに関してのフィードバックの部分を少し強化していただくというところと、最初にあったコミュニティーモデルについては、予測実験を進めるに当たっての研究基盤を整備するというところを少し追記していただくと。あとは火山に関する調査研究体制については、それほど書き足すということではないかもしれませんが……。
 
【森田委員】  すみません。
 
【小原分科会長】  はい、どうぞ。
 
【森田委員】  森田ですけど。蒸し返して申し訳ありませんが、確かにおっしゃるように、火山研究推進委員会が設置されて、そこで議論されたと。これが設置されたというのは、実はこういう建議で書かれているような火山研究体制が弱いと。前の研究計画の指摘に従って、それができました。
 ですから、ここで先ほど言ったところで、「このような背景の下、測地学分科会では火山研究推進委員会を設置し、火山研究体制の強化を図っている」という一文を足す。それによって、やはり文科省というか、このコミュニティーとして、それを支えているのだということが一つ成果になるのだろうと思いますので、善処いただければと思います。
 
【小原分科会長】  はい、ありがとうございます。
 大湊委員、大丈夫ですよね。
 
【大湊委員】  はい。
 
【小原分科会長】  今、それでつながりますか。
 
【大湊委員】  メモが追いつかないので、正確な文言が間違うかもしれませんが、これが議事録にちゃんと載っていればですけれども。あるいは森田委員のほうで今の一文をメールで送っていただければ、当てはめてみてみます。
 
【森田委員】  メールで送ります。
 
【小原分科会長】  すいませんが、改めてメールで送ってください。
 あとは先ほど概要のところで、観測データに基づく予測という観点で少し追記をしていただくというところが主な修正点と理解しましたが、それでよろしいですか。
 
【大湊委員】  あとは「内陸」を取るという話と、それから、地震本部を正式名称にするというぐらいかと。
 
【小原分科会長】  はい。そうしましたら、あと、ほかにも”てにをは”的なところで何かお気づきのことがあるかと思いますので、それも含めて最終版のほうは作成、決定していきたいと思います。もし何かお気づきの点がありましたらご連絡をお願いいたします。
それでは、まず基本的な全体部分については、今回お示しした本文、概要、要旨、あとは付属資料、参考資料を含めて、また、先ほどの修正も行うという点も含めてお認めいただいてよろしいでしょうか。
 
(「異議なし」の声あり)
 
【小原分科会長】  では、異議がないということでお認めいただいたということにさせていただきます。それで細かい”てにをは”も含めた修正点がもしあったら、これはいつまでに出していただければよろしかったでしょうか。
 
【井上地震火山専門官】  事務局です。今後の予定としては、申し訳ありませんが、今月中ぐらいには最終として確定させたいと思いますので、細かい件につきましては、今週中を目途にいただければと思っておりますが、いかがでしょうか。
 
【小原分科会長】  はい、そうですね。コメント、修正点を上げていただいて、それを部会長預かりという形で預からせていただいて、それで事務局とあとは取りまとめ委員と協議して最終版を作成し、それをまた皆さんに御確認いただくということが必要になってくると思いますので、そういう意味でいうと今週中には修正点を上げていただくということですね。
 事務局はそれでよかったでしょうか。
 
【井上地震火山専門官】  はい、大丈夫です。
 すみません。もう1点。修正箇所としては、先ほどの噴火予知の5要素の件がありましたので、そこも含めて対応していただければと思います。
 
【小原分科会長】  ああ、そうですね。噴火推移ですね。
 ということで、もし何か“てにをは”も含めてお気づきの点がありましたら、今週中に事務局にメールで送っていただきたいと思います。その後については、その修正点を採用するかどうかというところも含めて、分科会長の私に御一任いただきたいと思いますので、その点もどうかよろしくお願いいたします。
 では、活発な御議論をいただきまして、どうもありがとうございました。また、これまで大部な報告書の作成を行っていただきました大湊委員、それから関口委員には本当に感謝申し上げます。どうもありがとうございました。まだまだ続きますので、どうか引き続きよろしくお願いいたします。
 
【大湊委員】  皆様の意見をまとめただけですので、いろんな人の助けでおかげだと思っています、本当にありがとうございます。
 
【小原分科会長】  はい、ありがとうございます。
 では、概要、要旨、それから付属資料。付属資料、用語解説、参考資料について、もしお気づきの点がありましたら、今週中まで事務局のほうまで御連絡をお願いいたします。

 [議題3.今後の予定について]

【小原分科会長】  それでは次は、議題3「今後の予定について」です。事務局よりご説明をお願いします。
 
【井上地震火山専門官】  事務局です。それでは議題3としまして、今後の次期建議に向けた進め方について説明をしたいと思います。画面共有をさせていただきます。
 まず、参考資料の3を御覧いただきます。こちらでは令和3年度から5年度にかけての建議の検討スケジュールを出しておりますけれども、現状としましては、令和3年度の2月のここのフェーズに今いるという認識でございます。
 今後、来年度、令和4年度にかけまして、外部評価委員会を開催しまして、レビュー報告書を基に評価をいただきます。その評価を踏まえまして、地震火山観測研究計画部会におきまして、予定では5回程度ということで書いておりますけれども、適宜部会を開催しまして、次期建議案を作成していくというところでございます。
 令和5年度に入りまして、6月とか7月ぐらいを目途に建議案として作成をしまして、パブリックコメント等を踏まえまして、令和5年度末に科学技術・学術審議会において建議を頂くというような全体の流れになっております。
 この外部評価委員会につきましては、資料3-2を御覧ください。
 目的としましては、今後の次期計画の検討に向けて、研究計画のあり方に関する意見・提言等を行うことを目的としております。外部評価委員会そのものはこういった審議会分科会とは外部の全く別の研究開発局内に設置する有識者会議において行うということで準備を進めております。
 委員の構成につきましては、ここでは公平性、公正性の観点から表示を差し控えておりますけれども、評価者としては地震や火山の研究者、防災、社会経済も含めた学識者のほか、マスコミや自治体職員なども含めて11名程度の外部評価委員の選出を進めておりまして、前回の外部評価委員等も踏まえまして選任をしているところでございます。
 具体的な検討スケジュールに関しましては、こちらは案ではございますが、おおむね3回程度開催しまして、まず分科会長や取りまとめ委員の先生方から簡単な説明なり、ヒアリングをさせていただいた後、外部評価報告書の作成を進めていきたいということで考えております。作成した報告書につきましては、来年度8月か9月頃を目途に分科会での報告ということで検討しております。
 具体的な外部評価委員会の設置要綱について、資料3-3にて参考までお示しをしておりますけれども、こちらでは評価の趣旨や実施体制を記載しております。内容としましては、外部評価委員の評価に当たっては、レビュー報告書のほか、必要に応じて追加資料等を作成して行うということ、それから、評価の過程においては、分科会長の小原先生のほか、関係者との意見交換の機会を確保するということ、それから、委員会そのものについては、原則としては非公開として、議事録や会議資料についても非公開とさせていただくことで考えております。最終的な報告書につきましては、ホームページ等で公表してまいります。
 評価の観点としましては、文科省における評価指針がございますので、その考え方に基づいて、必要性、有効性、効率性等の観点から評価を実施させていただきます。
 外部評価委員会につきましては以上となります。
 次に、資料の3-1にて、今後の分科会・部会のスケジュールについて、現時点版ではございますけれども、概要説明をさせていただきます。
 こちらは分科会関係の会議の開催予定として、月まで入れた形で書き下しているものです。令和4年度の会議につきましては、地震火山観測研究計画部会において、レビューの報告書を受けた次期建議を検討してまいりますが、年度前半の5月や9月、来年5月等の会議につきましては、例年の年次報告の作成等もございますので、そういったものも並行して行うということで考えてございます。
 火山研究推進委員会につきましては少し後で説明いたします。外部評価委員会が終わった後、9月頃を目途に分科会と部会の合同会議を開催しまして、外部評価の報告と次期計画の検討を開始ということで考えております。その後、10月以降、何回か検討させていただきたいと思っております。
 令和5年になりますけれども、第11期の期末の分科会となりますので、そこで検討状況を報告させていただいて、引き続いて12期の委嘱等をさせていただいて、期初の分科会を開催いたします。分科会を受けまして、部会の中でも引き続き次期計画の検討を進めていくということでございます。令和5年の年次報告に関することも書いておりますけれども、引き続きこういった定例的なものも進めながら、計画を進めていただくということで考えております。
 令和4年8月に書いております火山研究推進委員会につきましては、火山研究推進委員会では火山プロジェクト等のフォローアップも行うということで調査審議事項に入っておりますけれども、来年度の火山プロジェクトにつきましては、令和4年は7年目ということでの中間評価を予定としておりますので、中間評価を踏まえまして、この火山研究推進会でも報告、審議等を行っていただくということで考えております。
 今後の計画につきましては、以上になります。
 
【小原分科会長】  はい、御説明ありがとうございました。
 ただいまの説明内容につきまして、御質問、それから、御意見等ありましたらお願いいたします。今後のスケジュールということで。
 小平委員どうぞ。
 
【小平委員】  小平です。説明ありがとうございました。
 私が心配することではないかと思いますけれども、事務局のほうでも十分検討されていると思いますが、御説明があったとおり外部評価委員会の委員の方々というのは、様々な分野の方々で、いわゆるここにいる地震火山研究者に相当するのはほんの一握りで、1人か2人ぐらいかと思います。ですので、その他の委員の方にきちんとこの成果を正しく理解してもらうような準備をされるとは思いますが、評価の観点というところで御説明がありましたけれども、何か資料ありましたよね。文科省の指針に従って……。前回の建議の外部評価のレポートを見ると、それをもう少し深掘りしてあって、目的の達成度でこの建議の中のこういうところを達成しているかというようなことを見ていきますよ、見ましたよということをまとめているわけですけれども、その項目に対してきちんと読んだ委員が対応して分かるような取りまとめをしていくと、専門外の委員の先生方は評価するときに非常にやりやすいし、こうしてまとめたものが正しく評価されていくのではないかなと思っています。
 一方で、概要は大湊委員たちが非常に苦労してまとめられたものをまとめているので、必ずしも評価の観点に沿って一対一に見ることができなくなっていますけれども、今後、外部評価委員会に対応していくに当たって、この評価の観点に沿った何らかの資料提示や発表の仕方というのは御検討なさっていますでしょうか。
 というのも、せっかくこれだけ一生懸命やって取りまとめて、いい成果も出ていますので、外部の方にも正しく評価していただくためにはある程度の傾向と対策も必要ではないかなと思って聞いた次第です。
 
【小原分科会長】  はい、ありがとうございます。大変重要な御指摘だと思いますけれども、この辺りの予定というか、計画はどうなってますでしょうか。
 事務局のほうで何かありますか。
 
【井上地震火山専門官】  事務局でございます。貴重な御意見ありがとうございます。おっしゃるとおりだと思っております。
 傾向と対策ということではございませんけれども、外部評価委員会の主査とは話は始めておりまして、評価の観点として必要な追加資料とか、そういうところについての検討は進めております。
 レビュー報告書につきましては、必ずしも一対一で対応しているということではございませんけれども、意義であるとか効果の部分につきましては、報告書の中でしっかり記載していただいているものと思っておりますので、この辺りは小原委員とも相談しながら、資料、取りまとめの報告書の案等の作成を進めていきたいと思っております。ありがとうございます。
 
【小平委員】  ぜひよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
 
【小原分科会長】  大変重要な御指摘だと思います。評価の観点、もう少し細かい観点等がありましたら、やはりそれに対応する形でレビュー報告書のどの部分に対応しているかと、そういう少なくとも対応表みたいなものが絶対必要になってくると思います。それは私も事務局とあとは取りまとめ委員とも相談しながら対応していきたいと思っています。ありがとうございます。
 ほかに何か御意見……。大湊委員。
 
【大湊委員】  外部評価委員会の最初でヒアリングのようなものをやりますよね。多分、そのときに外部評価報告書に答えやすいような対応を説明するというプレゼンを準備するといいのではないかと思いましたけれども。
 最初、このレビューを作るときも外部評価の評価項目に合わせて組み替えようかと、思ったのですが、力がそこまでいかなかったので。今、小平委員がおっしゃったように何か対応する表を作って、かつ、それを主体にプレゼンすると、外部評価委員の方々も理解が進むのではないかなとは思いますので。外部評価委員会に向けて準備させていただきたいと思っています。
 
【小原分科会長】  ぜひそのような形でよろしくお願いいたしたいと思います。
 ほかに何か御意見、御質問等ございますでしょうか。
 よろしいですか。
 
(「なし」の声あり)
 
【小原分科会長】  そうしましたら、この議題3のほうはここまでとさせていただきまして、続けて、議題4「その他」です。

[議題4.その他]

【小原分科会長】  今日は議題4として、事務局からトンガの海底火山噴火に伴う科学研究費助成事業(特別研究促進費)による助成について御報告があるということですので、まずは事務局から御説明をお願いいたしたいと思います。
 
【井上地震火山専門官】  事務局でございます。
 今、紹介いただきましたトンガの総合調査に関するところにつきましては、昨日2月15日に、参考資料4の形での報道発表を文科省からしております。トンガの海底火山噴火とそれに伴う津波予測と災害に関する総合調査ということで、科学研究費助成事業、特別研究促進費のほうで申請をいただきまして、文科省のほうで審査をさせていただき、採択することとなりましたので、報道発表を行っております。
 概要としましては、先月1月15日にフンガ・トンガ-フンガ・ハアパイ火山で噴火が発生したわけですけれども、そういった噴火及び津波等に関する状況に関しまして、こういった4項目――火山噴火現象の解明、火山性大気波動などによる全球規模での津波発生・伝播メカニズムの解明、トンガ噴火性津波による我が国沿岸域への影響調査、社会的影響・社会的側面の調査といったような総合調査を行うということで申請をいただきました。
 研究代表者としましては東大地震研究所の佐竹先生、研究組織としましては、東京大学地震研究所のほか、こういった18機関、計24名の先生方に御参加いただいております。
 研究経費につきましては、1,873万円ということで、助成することが内定しております。
 概要としましては、研究概要のほか、末尾に一枚ポンチ絵をつけておりますけれども、こういった形で四つのテーマにつきまして、噴火だけではなくて、津波の発生メカニズムであるとか被害調査、それから住民の対応等そういった社会学的な調査も含めまして研究を行うということで申請をいただきまして、交付することが決定しているといったようなことでございます。
 事務局からは以上となりますけれども、今回、大園委員にもこの件いろいろと対応していただきましてありがとうございます。もし補足説明などございましたら、お願いいたします。
 
【大園委員】  はい、大園です。
 地震・火山噴火予知研究協議会の企画部におります。そこで、今回、トンガの海底火山噴火が発生して、日本にも被害が発生したり影響があったということで、このコミュニティーを利用しまして呼びかけ等を行ったり、京都大学防災研究所に事務局があります自然災害研究協議会とも協議をしまして、このような科学研究費助成事業を、佐竹先生を代表に申請するということで、少しバックアップのお手伝いをさせていただいておりました。
 説明に関しては、今、井上さんが御説明してくださったとおり、噴火自体が起こったことと、それで発生した津波とかその伝播メカニズム、あとは被害調査。津波警報が日本列島に出されたわけですけれども、それに対する住民の社会科学的な調査を行うという形で行うこととしております。
 今ここに全18機関24名と書かれてありますけれども、分担者、代表者を含めて24名ということで、短期間で組織しないといけなかったということもありまして、これ以外にも協力者として数多くの方、機関の方に御参加をいただくということで組織されております。今年度と来年度にかけて研究調査が行われるということと、気象庁のほうでも勉強会等いろいろ行われると聞いておりますので、そういったところとの情報共有等も行われると伺っております。
 以上です。
 
【小原分科会長】  はい、補足説明も含めてどうもありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、何か御意見や御質問等ありましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 
【森委員】  気象庁の森でございますけども。
 
【小原分科会長】  はい、どうぞ。
 
【森委員】  発言させていただきたいと思います。
 今、大園委員からお話がありましたけども、今回の潮位変化というものについては、当日、気象庁としては通常の津波とは異なるものであると思いましたが、防災上の最大限の警戒を呼びかけるということで、津波注意報・警報の枠組みを使って情報発表させていただいたところです。
 今後どうするかということについては、ひとまず当面の対応として、同様な大規模な噴火があった場合には、最終的に津波と呼んでいいかどうか分かりませんが、日本にそういう波が伝わってくる過程のところで、途中の観測点のデータというのを順次、対外的にお知らせしていくとともに、日本での潮位変化というところを見ながら、今回のよりも早めに必要があれば津波警報・注意報を出したいと考えているところです。
 それで、当面はそうしようと考えていますが、実際、この後どうしていこうかというところでは、まず現象のメカニズムをきちんとまでできるか分かりませんけれども、把握した上で、それを踏まえた情報提供の在り方というのを検討しないといけないと考えているところでございます。
 それに当たっては有識者の御意見をお伺いする必要があるということで、津波予測技術に関する勉強会というものはもう既に枠組みとしてありますので、そこのところでまずメカニズム等について御検討いただいて、それから、来年度に入ったところで別の検討会を立ち上げることになるのかと考えています。そこでメカニズム等を踏まえた上で情報提供の在り方を検討していただこうと、気象庁として検討していこうと考えています。
 そういった絡みのところで、本総合調査というのは非常に力強い関係になるものだと思っています。実際のところ、勉強会の座長というのは佐竹先生ですし、委員の方で重なっている方も何人かいらっしゃいます。そういったところで、先ほど大園委員からお話ありましたけども、うまく気象庁の勉強会等と情報共有を図らせていただいて、最終結果が出る前であっても、途中の成果といったものも共有して、相互にということが大事だと思います。そういった上で、最終的には社会に役に立つ情報の在り方というものを結びつけていけたらよろしいと思うので、ぜひとも御協力をお願いいたします。
 以上です。
 
【小原分科会長】  はい、どうもありがとうございました。
 確かにおっしゃるとおり、ここでの調査研究結果というのが気象庁の仕組みに取り入れられて、それで社会に貢献するというのは非常に重要なことだと思いますので、ぜひ進めていただければと思います。ありがとうございます。
 ほかに何か御意見、御質問等ございますか。
 
【伊藤委員】  すいません。海洋研究開発機構の伊藤です。
 
【小原分科会長】  はい、どうぞ。
 
【伊藤委員】  質問ですけれども、この期間が今年度と来年度とおっしゃったんですが、1年間と少しということですか。
 
【小原分科会長】  事務局のほうから。
 
【井上地震火山専門官】  事務局でございます。
 今年度ということですと、もうあまり期間もございませんので、期間としまして申請としては、交付した昨日から来年度いっぱいということで研究いただくということで認識しております。
 ただ、先ほども皆様御発言いただいたように、成果につきましては、随時、気象庁も含めまして共有させていただければと考えております。
 
【伊藤委員】  はい、ありがとうございました。
 
【小原分科会長】  はい、よろしいですか。
 ほかに何か質問、御意見ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 
(「なし」の声あり)
 
【小原分科会長】  よろしければ、この議題は終了とさせていただきたいと思います。
 それでは、本日予定していた議論は全て終了となります。終了したいと思いますが、最後に今後の日程について事務局から御説明をお願いいたします。
 
【井上地震火山専門官】  事務局でございます。
 本日は長時間御議論くださいまして、ありがとうございました。
 今後の予定につきましては、分科会としましては今年度の開催は本日で最後ということになります。令和4年度につきましては、先ほど議題3で概要のスケジュールをお示ししておりますけれども、具体的な日程につきましては、また改めて事務局から連絡調整させていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。
 
【小原分科会長】  はい、ありがとうございました。
 では、予定よりは若干早めになりますけれども、これにて本日の合同会議は閉会とさせていただきたいと思います。
 本日はお忙しい中、御出席いただきまして、どうもありがとうございました。では閉会となります。
 
―― 了(終了時刻 15:40) ――

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研究開発局地震・防災研究課

(研究開発局地震・防災研究課)