地震火山観測研究計画部会(第43回) 議事録

1.日時

令和3年11月16日(火曜日) 15時00分~17時53分

2.場所

オンライン会議

3.議題

  1. 「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画(第2次)」の実施状況等のレビューについて
  2. 「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画(第2次)」の実施状況等のレビューの参考資料について

4.出席者

委員

小原部会長、田中部会長代理、石川委員、伊藤委員、大倉委員、大湊委員、川村委員、関口委員、高橋委員、寺川委員、日野委員、宮岡委員、宗包委員、森岡委員、大園委員、阪本委員、中道委員、橋本委員、松島委員

文部科学省

(事務局)鎌田地震・防災研究課長、井上地震火山専門官、加藤科学官、矢部学術調査官

5.議事録

[委員の出欠状況など]

・委員の出欠状況:全員出席
・事務局の異動:上山地震火山専門官に代わり井上地震火山専門官が着任
・議題及び配布資料確認

[議題1.「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画(第2次)」の実施状況等のレビューについて]

【小原部会長】 早速、議題に入っていきたいと思います。
議題1、「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画(第2次)」の実施状況等のレビューについて、になります。
では、まず、参考資料1について、事務局から説明をお願いいたします。
 
【井上地震火山専門官】 事務局でございます。
参考資料1に、レビューの進め方をまとめておりますので御確認ください。
まず、次回の第44回部会については、資料では1月中旬と書いておりますが、昨日メールでお知らせしたとおり、1月25日に開催する方向で調整をしております。
第44回部会では、レビュー報告書の最終稿を取りまとめることとして、それまでの流れにつきましては、2、3、4項に書いておりますとおり、本日の会議でいただいた御意見を踏まえ、レビューの取りまとめ委員の先生方、それから地震・火山噴火予知研究協議会(以下「予知協」という。)と事務局で、必要に応じて打合せ等を行って修正稿を作成いたします。作成した修正稿は、事務局からメールにて意見照会をしまして、いただいた御意見を取りまとめます。2から4項につきまして、何度か繰り返す形で考えております。
その後、第44回部会で最終稿として意見交換の上、取りまとめを行って、2月16日に開催する予定の第45回の測地学分科会と45回の地震火山観測研究計画部会の合同会議にて最終稿として報告し、ご承認をいただく流れになっております。
また、レビュー報告書の用語解説のほか、参考資料として、アウトリーチ活動や論文リストについての整理を進めておりますけれども、こちらについても同様な流れで、メールによる意見照会をして取りまとめを行ってまいります。
本日は、この最終稿完成までの流れにつきまして御確認いただければと思います。
事務局からは以上です。
 
【小原部会長】 御説明ありがとうございます。
ただいまの御説明につきまして、何か質問、御意見等はありますでしょうか。ある方は挙手をお願いします。関口委員。
 
【関口委員】 レビュー取りまとめ委員の関口です。
レビュー報告書の概要や要旨、附属資料も作成しなければならないと思いますが、これはどのタイミングで作るのでしょうか。これも第44回で最終的な部会での承認をいただかないといけないと思いますが……。
 
【小原部会長】 事務局、何か説明がありますか。
 
【井上地震火山専門官】 事務局でございます。
概要等の資料につきましては、レビューの報告書がある程度まとまった段階でまとめていただくという流れで考えておりますので、この2項から4項の間の流れの中で作成をいただいて、メール等で意見照会をする流れで考えております。
以上です。
 
【関口委員】 はい、了解しました。ありがとうございます。
 
【小原部会長】 よろしいでしょうか。第44回が1月25日、第45回が2月16日、その間に作成するということですね。
ほかに御質問、御意見等ございますでしょうか。
 
(「なし」の声あり)
 
【小原部会長】 それでは、参考資料1をお認めいただいたということで、引き続き取りまとめ作業を進めていくことにしたいと思います。
では、続きまして、資料1-1から1-3ですね、こちらについて、事務局から御説明をお願いいたします。
 
【井上地震火山専門官】 事務局でございます。
レビューの報告書に関して、これまでの流れも踏まえて説明いたします。
まず、レビューの取りまとめ委員の大湊先生と関口先生をはじめ部会委員の皆様、それから予知協の皆様には取りまとめに当たって多大な御協力をいただきまして、改めて御礼申し上げます。
参考資料2としてレビュー報告書の作成方針を表示しておりますけれども、こちらは7月に開催した第40回部会で御承認いただいたものです。これに基づいて、レビュー報告書を作成していただいているところでございます。これまでの具体的な流れにつきましては、前回9月24日の第42回の部会においてレビュー報告書の初稿を作成いただいた後、第42回部会でいただいた御意見を踏まえて、10月から11月にかけて、取りまとめ委員の先生方を中心に第2稿を作成いただき、事務局からメールで意見照会をいたしました。本日は、その御意見を取りまとめたものを第3稿として配付させていただいております。
第3稿で配付したメール照会の結果、御意見をいただいたところにつきましては、委員の先生方のお手元に席上配布資料としてお配りしておりますので、参考にしていただければと思います。
それから、本資料に関するところで、参考資料4として、矢部学術調査官と取りまとめ委員の先生方で作成いただいた用語解説を配付させていただいております。後日意見照会をさせていただきますが、報告書とともに御確認ください。
資料1-1から1-2、1-3にかけまして、第3稿として配付させていただいておりますけれども、前回構成案のみの配付でご議論いただきましたV章を中心にご議論いただくことになるかと思います。本日はよろしくお願いします。
簡単ではございますが、以上です。
 
【小原部会長】 ありがとうございました。
それでは、資料の1-1から1-3について、順に意見交換を行っていただきたいと思います。
初めに、第I章から順に、レビュー取りまとめ委員より修正稿の作成状況について報告をしていただきまして、その後に自由討議という形で議論を進めていきたいと思います。
では、これよりレビュー取りまとめ委員の大湊委員と関口委員に進行をお渡しいたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 
【大湊委員】 大湊です。
まずは、資料の作成の進捗について、まず、関口委員から御説明していただいて、その後に、意見交換のほうは、私が司会役をやりたいと思います。それでは関口委員、まずは修正状況等の説明をお願いできますでしょうか。
 
【関口委員】 関口です。
I章から、修正状況の概要と、それぞれの章の主たるコメントと、それに対する対応をお話ししていきます。
まず、I章、II章ですけれども、ここでは、修正の概要としましては、追記すべき事柄や語句の修正の提案をいただいており、ほぼ対応しています。対応したという意味には、コメントどおりに修正した場合と、少し違う形に修正した場合、修正しないことにした場合とが、当然ございます。
ここのI章、II章のところでは、前回の部会の議論の中で、一つコメントをいただいたことがありまして、それは、V章で中長期的目標として挙げられた4項目の達成度を述べているところがありますけれども、この目標というのは、前々計画のレビューでの要求に対応したものなので、V章で初めて出てくるというよりも、I、II章で出しておくほうがよいのではないかというコメントをいただきました。これはごもっともだと考えたのですけれども、実際にどこに書くかと考えましたところ、書くのであれば、II章の1ポツの第1次計画の建議の記述というものがあり、そこに書くことになりますが、I章、II章の文書は結構簡潔な書きぶりになっておりまして、中長期的な目標の4項目を具体的に書くと、周りとの書きぶりが合わないということで、入れないという判断にさせていただきました。
また、御意見がありましたら、後でお願いいたします。
次、III章につきましては、全体的に書きぶりを変えるべきというコメントを、前回部会でいただいており、それに対応いたしました。
もう少し具体的に申しますと、ここでは地震や火山のイベントの記述があるのですが、そのような記述の中で、この計画で得られた成果が入っているのかがよく分からないとか、なぜそのイベントが挙がっているのかが見えない文章なので、災害科学的意義を書くべきだとか、防災に関する記述をもっと増やすべきだという御意見をいただきました。それぞれのイベントの説明の冒頭に、災害科学的意義を簡潔にまとめ、次に一般的な記述を書いて、その後にこの計画で得られた成果を書くことにしました。また、能動的な表現を増やすなどして、この計画で得られた成果であることが感じられやすい書きぶりを工夫しました。
次、IV章に行きます。IV章は、主な御意見としましては、研究項目によって書きぶりのぶれが大きい、特に今後の展望は、読み返される可能性が高いので直すべきという御意見をいただきました。
全体的な書きぶりを統一するのは、少し難しいということで見送っておりますが、今後の展望については、記述が少ない研究項目について、少し拡充することをいたしました。
次、V章に参ります。V章は、前回部会で議論していただいた構成案に従って、第2稿をまず作成しました。これについて、主なコメントとしましては、V章内での内容の重複があるという御指摘や、V章の4ポツ、総括的評価と今後の展望のところの書きぶりについて直したほうがいいという御意見をいただきました。第3稿では、この点に対応して修正しております。
主立ったコメントとしましては、V章の2ポツ、3ポツについて、ここはIV章のところで書いた具体的な各分野の成果を、より総括的に書くところですけれども、ここの章立てについて、まず、解明、予測、災害誘因、防災リテラシーという大きな見出しを前面に出したほうがいいという意見を、前回部会でいただきましたので、そのとおりに修正いたしました。前回部会で提出したときの構成案は、そういう大きな塊はなく、その中にある小項目だけのもので提出したのですけれども、この大きな項目を出したほうがいいということで、そのようにしました。
それから、いただいたコメントで、V章の2ポツ、3ポツについては、建議の計画全体のポンチ絵というものがありますけれども、それを説明するように書くといいと御提案いただいたのですけれども、これに対応できているか、ちょっと自信がないのですが、ポンチ絵に書かれた項目に合うように分けて書いていて、内容はおおむね網羅するようには書いています。ただ、項目間の関係、ポンチ絵の中で矢印で書かれていたものが、うまく表現できていないかもしれないと思っております。またコメントをいただければと思います。
それから、V章の4ポツ、総括的評価と今後の展望ですけれども、ここは、第2稿のときには、前半を総括的評価、後半を今後の展望と分けていたのですが、これについて、前半にも今後の展望を書いている記述が多くて、この分け方は妥当ではないのではないかという意見をいただいたため、この分け方をやめて、前半の総括的評価という括りをやめ、その下位の項目を上げていって、状況に合わせるようにしました。
ただし、今画面で御覧いただいているように、(総括的評価)というタイトルを消し忘れておりますが、これは消していこうと思います。この総括的評価というタイトルは消して、その下位の項目で組んでいく形にしたいと思っております。失礼いたしました。
それから、V章の4ポツの最後の今後の展望のところですけれども、今後の展望で、将来の見通しを具体的に書く必要があるというコメントをいただきました。ここに書いた展望が、外部評価の指摘を引き出して、次期計画策定に影響するという流れがあるので、ここでちゃんと書いておくのが重要だというコメントをいただきました。
対応といたしましては、予知協企画部戦略室(以下「戦略室」という。)で具体的な将来展望を議論しまして、第2稿では、4つのテーマを掲げて書いたのですけれども、書きぶりとして、4つのテーマが目立ち過ぎるという、それしかやらないのではないかと見えるのではないかと。あと記述が具体的過ぎると、今後の研究計画の内容を縛ってしまうのではないかという意見をいただいため、第3稿では、全体的な各分野を概観する、各分野の展望を書く中に、4つのテーマの内容を入れ込むという形に、大分トーンを変えました。
それから、第3稿についても意見をいただいておりますけれども、第3稿に関して、V章の4ポツのところ、14ページの一番下のところから始まる段落だと思うのですが、地震発生予測に関する記述で、スロー地震や繰り返し地震などの中規模の地震の中短期予測を目的とした滑り発生予測実験をしていきたいというようなことが書いてあるのですけれども、予測のところでは、地震の長期予測の手法開発がより重要なので、これについて述べる必要があるのではないかという意見をいただきました。それについて、今後追加したいと思っております。
これが、IからV章までの説明ですが、その他に全体的な構成の問題がありました。前回部会で、V章とIV章の順序を逆転したほうがいいのではないかという御指摘があって、そうしたほうがよいという御意見と、今のままでよいという御意見と、両方あったと思いますが、これについて、戦略室で検討いたしました。
V章は、報告書の中心とするにしては記述が概観的過ぎるので、中心としてはIV章となるべきである。そこで、今の順序のままがよいのではないか、普通ではないかということになりました。また、報告書の構成については、冒頭のI章で述べているので、特に不便はないのではないかという意見になりました。ということで、元の順序のままにしております。
それから、ほかのコメントとしましては、自治体との協力に関する点、防災につながる点で書けることはないか、検討してほしいという御意見がありまして、これは網羅的に書くまでには至らなかったのですけれども、報告書のいろいろなところで、自治体との協力をしていることが記述されています。ということで、網羅的にどこかに書くことは、できる状況ではないという判断をいたしました。
それから、個々の成果の羅列ではなくて、各成果のつながりとか、協力によって得られた成果というものを、もっと書くべきではないかというコメントもいただきましたけれども、例えば、史料・考古データとか、地質データのところで、データを統合していこうという考えですとか、そういうものは、あちこちにちょっとずつあるのですけれども、報告書全体で十分な討議ではないかなということは思っております。ただ、所々にそういうものは書かれております。
それから、全体を通じて、災害の軽減にどのように貢献するのか、あるいは具体的な貢献を書かなくても、災害軽減というタイトルの研究計画にどのような意図を持って参加しているのかを、はっきりするべきではないかというコメントもいただきました。I、II章の経緯とか基本的な考え方に、どのように貢献するかが書いてあり、IV章の個別の研究成果でも、部分的にそういう表現が取られているところもあるのですけれども、全体的に十分ではないかもしれません。ただ、少し書きづらいところもありまして、その段階に収まっております。
それから、これは謝らなければいけないところですけれども、第3稿のところでも、修正の履歴を反映させるところのミスですとか、様々な小さな凡ミスとか、語句が統一できていないところがまだありまして、申し訳ありませんでした。
そういう状況で、いろいろバタバタしておりまして、もしかしたら、こちらが対応しないと判断したもの以外でも、修正すべきもので落ちているところが、もしかしたらあるかもしれませんので、御面倒ですが、そういうところはぜひ、再度御指摘いただければと思います。
全体的な説明は以上です。
 
【大湊委員】 関口委員、どうもありがとうございます。
関口委員から御説明がありましたとおり、一通り皆さんからの御意見は反映させたつもりですけれども、修正しきれていなかったり、完全にはできなかったりしている部分もあるかなというところです。
V章に関しては、既に回覧はしていますけれども、部会委員の方は今回初めてですので、いろいろと全体的に意見をいただければと思っています。
まずは、V章から順々に、皆さんの意見をいただければと思います。
まずは、指名はしませんので、V章からどなたか意見があればお願いします。
今の段階でいただいている意見の中では、例えば、小原委員からいただいています。それから、加藤科学官からもいただいております。修正が必要だったという趣旨の意見をもらっていますので、加藤科学官、小原委員のほうから何か口火を切っていただければと思います。
 
【加藤科学官】 それでは、さっき関口委員から話があったと思いますけれども、最後のほう、観測研究計画の今後の方向のところですけれども、14ページの下から4行目で、地震火山噴火現象に対する人間社会の応答に関する文理融合研究などを広範に展開することが期待される、ということですけれども、ここまでやると、いくら何でもやはりこの観測研究計画で扱うにしては広過ぎるように思います。地震火山現象が人間や社会の応答に、非常に大きい影響を及ぼすと思うのですけれども、政治経済の問題まで扱うことになってしまうと思うので、ある程度限定をしたほうがいいと思います。やはりこの計画の中心は、地震や火山に関する理学的な研究だと思うので、地震や火山に関する理解が役立つというか、参考になるような範囲に限定しないと、際限なく広がってしまう気がします。そこは、今の大湊委員や関口委員たちの世代の研究者がどういうふうに思っているのか分かりませんけれども、ちゃんと議論して、どの辺まで扱うかということを考えて、それが表れるような文章にするといいのかなと思いました。
その後ですけれども、先ほど関口委員がお話しになった長期予測の話ですけれども、これは多分、地震調査研究推進本部(以下「地震本部」という。)の第3期総合基本施策でも、地震の長期予測は改善の必要があると言われていて、その改善の方向のための基礎研究は期待されると思うので、それはここでしっかり記述する必要があるかなと思いました。
以上です。
 
【大湊委員】 ありがとうございます。今見えているところは、地震、火山などに起因する災害を軽減するためだという縛りが当然あるわけで、それがこの文章に言葉として入っていればいいかなという感じですかね。それとも、もう少し別の限定が欲しかったというのが、加藤科学官の御意見でしょうか。
 
【加藤科学官】 そうですね、今すぐどう書いたらいいかというのは……
 
【大湊委員】 災害を軽減するためのという趣旨の言葉を入れればかなり狭まるかなと思いますけれども。
 
【加藤科学官】 でも、次の5か年計画で参加機関を公募すると思うのですけれども、そのときどのくらいまで認めるかというのはある程度考えておいたほうがいいのかなとは思います。それをどこまでここで文章化するかはともかくとして、災害軽減のためのリテラシーまで入ることは今の計画から入っているわけですけれども、災害復旧とか、その辺りをどこまで考えるかですよね。さらに言えば、地震や火山噴火が起これば経済にだって影響を及ぼすし、政治にだって影響を及ぼすし、政治や経済は当然災害軽減とも関連しているわけなので、ちょっと考えておいたほうがよいのではと思いました。
 
【大湊委員】 今の計画は、例えば、東北地震の後の復興がうまくいった、いかないという理由はどこにあったかのような研究も入っているので、その辺は加藤委員からすると少し広すぎるという感覚ですかね。
 
【加藤科学官】 私個人の意見ですけれども、その辺まではいいのかなとは思いますけれども、際限なく広がらないようにということは考えておいたほうがよいかなと思います。
 
【大湊委員】 これは、皆さんもいろいろな考えがありそうなので簡単には埋まらないものと思っていますが、少し表現は工夫してみて、改めて皆さんの意見を伺いたいと思います。
長期予測のことですね。具体的に言うと、どの辺の記述になりますかね。
 
【加藤科学官】 長期予測の高度化の実現に向けて研究を進めるというか、多分50年とか100年とか、そういう長期的なものではなくて、もう少し短い時間スケールで社会実装につながることが期待されていると思いますので、次の5年間、どういうことをやるか。例えば、社会実装をすることは可能かどうかの実験的な研究をやるとか、スロー地震や繰り返し地震を対象に予測実験を行うというのは書いてありますけれども、長期予測についても、何らかの手法の検証みたいなことをする必要があるのでは。手法を提案すると同時に、その有効性を検証するような研究も必要なのではと思います。
 
【大湊委員】 12ページの表を見せてもらえますか。
進展が見られたというのをあまりにもさらっと書き過ぎていて、もう少し実際はいろいろな具体的な成果も出ていて、実装に向けたいろいろなスケール、段階のものも幾つかあるので、そういうものが具体的に幾つか入っていれば、もう少し進んでいるという感じが出ると思います。
 
【加藤科学官】 はい、分かりました。
 
【大湊委員】 加藤科学官、ありがとうございます。
 
【小原部会長】 第2稿について、かなりコメントを差し上げて、相当内容的にまとまってきたなと思います。本当にどうもありがとうございます。
第3稿については、私のほうでは、かなり細かいことしかコメントしていないと思います。例えば、地震予知連会と火山噴火予知連会、それについては、もともと建議の中できちっと位置づけがされているので、そういう観点で書いていただいたほうがいいかなと 、思っているぐらいです。
 
【大湊委員】 そこは、確かに事務局が行っている……
 
【小原部会長】 そうですね、事務局が行っているというだけの位置づけではありませんので。
 
【大湊委員】 小原委員のご意見のように、いろいろな役割がありますのでそれを書き込むようにしたいと思います。
 
【小原部会長】 第2稿のときに、今後の展望の中で様々な予測に向けた試行を進めていくという書きぶりが結構ありましたので、まさにそういう方向性で考えているのかなと思っていましたら、第3稿だと、試行というキーワードはあまり目立ってこなくなったなと思ったのですが、そういう理解でよろしいですか。
 
【大湊委員】 これは、私は多分、何でもかんでもやり過ぎないような形でブレーキがかかって、少し統合されたと思っております。
 
【小原部会長】 分かりました。もし、第3稿のような記載で行くのでしたら、試行をもっと前面に出してもいいのかなと、少し思いました。
 
【大湊委員】 やっぱり、分野ごとにできるところとできないところがあって、重点研究に沿って立てるような長期予測とか、中には幾つかできるところもあるなという感じですけれども、この計画全体でそういうトーンで進めていいかというとそうはいかないと思います。進められるものはありますけど、まだのものもありますので、それは、またその先という感じだと思っています。
 
【小原部会長】 では、全体に対する冠として試行をつけるというのは、ちょっとやり過ぎということですね。
 
【大湊委員】 検討していますけれども、重点研究のところで出したものに関しては、今の計画では重点的に挙げるというだけですけれども、それを今度は実装に向けて、試行としてどんどんやりますとすることで、一段進んだのかなと思っています。
 
【小原部会長】 分かりました。ちょっとその点が気になっていましたので、ありがとうございます。
では、また何か、あと思い出したら発言します。
 
【大湊委員】 皆さん、今の第3稿に目を通す時間がなかなか取れなくて、読まれていない方が多いかと思います。
細かいところについては、私や関口委員で直せるところは直しますけれども、V章全体の意義とか方針についてはこれでいいのか。また、今後の展望や最後のところについては、外部評価の際に方向性をいろいろと見られることにもなりますので、今の短い時間で見て判断というのは難しいかと思うのですけれども、ここが書き足りない、あるいは書き過ぎているだとかについて、御意見を受けようと思います。
 
【加藤科学官】 加藤です。全体的な感想です。
今後のことですけれども、新たなことを始めるというよりも、今、重点的にやっていることを一歩進めるという感じの進め方と理解したのですけれども、そのような考え方でよろしいでしょうか。

【大湊委員】 基本的には、何か今までやっていない新しいことを始めるというところがほとんどなくて、今の建議で成果が出つつあるものをさらに着実に進める、というトーンが強くなっています。
 
【加藤科学官】 はい、分かりました。それでいいと思いますけれども、少し進めた、今の5年よりも進歩した研究というのが、もう少し見えやすい書き方のほうがいいのかなと思いました。
特に、火山噴火のところは、割と地道に進めているような印象を持ってしまうので、もう少しどこを進めるか、どこを重点的に研究するかを明確にしたほうが進歩している感じがあるのかなという感想は持ちました。
以上です。
 
【大湊委員】 ありがとうございます。
火山に関して、橋本委員、あるいは大倉委員のほうから、何か意見をいただければありがたいのですけれども。
 
【橋本委員】 橋本です。どうもありがとうございます。
今の御指摘ですけど、確かに、やや現状の延長線という路線だけにとどまっているように読めてしまうところもあるような気がするので、予測の試行というところを、少し押し出すというのは一つありかもしれないとは思います。あまり背伸びし過ぎても難しいところが出てくると思うのですけど、確かに、何かもう少し新しく取り組む、チャレンジする、というところが見えたほうがいいのかもしれないなと私も思いました。
 
【大湊委員】 地震のほうで言いますと、新たな長期予測の試行というのがありますが、火山のほうでそれに移る、何か新たな試行というと、その一つが、火山活動推移モデルです。それで予測性があるかというのはあるのですけれども、今の計画だと、火山活動推移モデルというもの自体をつくる、あるいは火山活動推移モデルがどういうもので、それをどうやってつくるかというのを研究しているというのが今の段階と思います。それですぐに次の試行とか、そこまではいけないなと思ってしまいますけれども。
 
【橋本委員】 そうですね、何か統一的な推移モデルというものがあるわけではないので、やはり、少し難しいところはありそうな気がします。
 
【大湊委員】 あの辺りを使ったものは、今回手をつけていて、あまりそれを前面に出して頑張るぞとやってしまうほどのものかと言われると、すみません、まだそこまでやっていないと言うのではないかなと思います。そういうことですかね。
 
【橋本委員】 そうですね、そこは、少し先走り過ぎのような気もするのですけれども、確かに、先ほど加藤科学官がおっしゃったように、もう少し具体性を持たせればいいのですかね、何かをやるかというポイントを明示すればいいのでしょうか。ちょっとすみません、すぐ今、具体的にどうしたらいいかというアイデアが出てこないのですけれども。
 
【関口委員】 関口です。
15ページを出していただいて、観測研究計画の今後の方向の4段落目が火山噴火に関するところですけど、そこの最後のところに、試行的な噴火予測実験を視野に入れることも検討する、試行するとは書いてないのですけど、検討すべきであるとは書いています。ですから、今のお話は、この辺が近いかなとは思うのですけれども、この書きぶりはいかがでしょうか。
 
【橋本委員】 多分これぐらいじゃないかなと、私も思います。
 
【大湊委員】 僕は、ここはただ、試行実験を行うまで書くと、やっぱり難しいだろうと感じます。
 
【橋本委員】 確かにやや控え目過ぎるかもしれませんが、視野に入れるだけで止めるぐらいですか。
 
【大湊委員】 試行的と書いてあるから、やってうまくいかなくてもいいから、やろうと思えばできるかなという気もします。その辺りをもう少し書くと、何か始めるように見えると思うので、変えることはできそうな感じがします。
 
【橋本委員】 そうですね、このレビューの書き方としては、多分こうなのではないですかね。検討すべきだというのは、今、次の計画の記述ではないので、次に向けての要望というか、そういうことですよね。だから、やはりこういう書き方だと思います。
 
【大湊委員】 では、大倉委員から、火山関係で今の辺りにご意見をお願いします。
 
【大倉委員】 私としては、噴火予測というより、噴火した後の推移、あるいは終息に至るところの予測の実験を視野に入れるほうが、より進んでいると思います。
阿蘇山の例で言いますと、噴火警戒レベルを上げることはできているのですが、レベルを下げるところは、2週間経過とか、そういうところしかできていないので、そこの精度を上げていくのが重要なのではないかと思っております。
桜島などでは、そういうことができるのではないかと。
 
【大湊委員】 噴火の始まりについてはうまくいっている場合もありますし、推移は確かにまだまだですけれども、その実験を書くことはいいですね。VUI(火山活発化指数)というのは、どちらかといいますとどうですか、始まりとか、その辺りの予測の精度向上に……。
 
【橋本委員】 ここで書いている噴火予測実験というのが、火山活動の始まりだけでない部分も、多分広く含んでいると思うのですけど……。
 
【大倉委員】 ということが分かるように書けばいいと思います。
 
【橋本委員】 火山活動予測実験とか、そういうふうに書けばいいのかもしれません。
あるいはもう少し具体的に「噴火の始まり及び推移予測」とか、そういうふうに書いてもいいかもしれません。
その書き方でも、あまり具体性がなくて訴えかけてこないということであれば、もう少し何か具体的にどういう手法でとか、そういうことまで書かなければいけないのかもしれませんが、私はこの章でそこまで細かくしないほうがいいような気がします。先ほどの加藤科学官のコメントに対しては、その辺りの書き方が、私には判断がつかないところがあるのですけれども、どうでしょうか。
 
【加藤科学官】 加藤です。
どうすればいいという具体的な提案があるわけではないですけれども、何か進んだ印象を与えたい気がします。一つのやり方は、もう少し具体的に書くことだろうけれども、いろいろなやり方があるとは思いますけれども、今やっていることをそのまま続けているような印象を与えることはあまりよくないかなと思ったということです。具体的ではなくてすみません。
 
【橋本委員】 どういうふうに変えればいいでしょうね。
 
【大湊委員】 V章でそこまで具体的に書かなくても、例えば、元のIV章は結構具体的な目標が書いてあったりすると思うのですが。加藤科学官の御意見は、全体として、今のやっていることの継続ということがあまりはっきりし過ぎると、進行した感がなさすぎるということでしょうか。新しいものや、今やったことを踏まえて進んでいると見えるものを、もっと散りばめてほしいということだろうなと思いますけれども、加藤科学官の御意見はそういうことですよね。
 
【加藤科学官】 そうですね。進歩している、予測なんか簡単にはできないとは思いますけれども、今の5年の計画からは進歩しているような内容が欲しいですね。
 
【田中委員】 産業総合技術研究所の田中です。
うまく伝えられないのですけれども、ここは、総論的なところの、しかも今後の方向性ということなので、確かに橋本委員がおっしゃるように、あまり具体的にしない方がよいというのは分かりつつ、加藤科学官がおっしゃるように、このまま事業を継続するのかと取られるという意味も、両方分かります。あまり本質的な問題ではないと思いますが、書きぶりだけを工夫して、いかにも具体的というものにするのであれば、先ほど、大湊委員がおっしゃったように、試行的なのだから、はっきり試行しましたと宣言してしまうのは一つの方法かなと思います。実際問題、データがたくさんあるところもあれば、そうでないところもあります。しかも方向性だから、幾つかの火山を対象とした試行を始めるとか、そういう書き方にすると、一歩前進かなという印象を与えるのではないかと思いました。
すみません、印象論で申し訳ないですが、以上です。
 
【大湊委員】 VUIに関しては、数字を決めつつ、パラメータを決めている段階で、まだそれを使ってどうこうという段階ではないです。試行と言ってしまうとどうなのでしょうか。
何か、今、この火山はこういう段階にありますということについて数字を示すようなことはありますか。
 
【橋本委員】 橋本です。
現計画では、そこまで試行的ですら、予測というのはほとんどやっていません。ですので、現状は、そういう状況であるということを言って、次の計画では、試行的であるけれども、予測というところに足を踏み入れると書けば、現状との違いがより明確になるように思いますがどうでしょう。
 
【田中委員】 進んだということが分かればすごく良いので、そのように書いたら良いのではないでしょうか。そうしたら、一歩前進というか、今まではこうだったけれども、今後こう方向に行くという方向性が示せます。それはあくまで試行だし、すごく後ろ向きな言い方をすると、結果をまだ保障できるものではないが、現在はこうだけれども、次期計画では試行する、と書いてしまえば、一歩進む形になり、なおかつどこまでやるというお約束をするわけではないのでは。非常に政治家答弁的な言い方になってしまうのですが、それはそれでいいのかしらという気はいたします。
 
【橋本委員】 私も、基本的にはそう思いますけれども、このレビューでは、そこまでやるとか、やらないとか、そういうことまではっきり書いてもいいのか、あるいはそういうことを検討すべきだという書きぶりのほうがいいのか、今の話でそこだけ気になりました。
 
【大湊委員】 どうでしょうか、レビューは縛られないと思いますね。逆に、踏み込んだことを書いたとしても、これは実施計画ではないから、これが実現しないから怒られるというものではないような気はします。一方で、あまり好きなことを書くと、外部評価において、ではやってみろと言われるかもしれません。そうすると、実施計画で、はい、やりますと書かなければいけなくなる、みたいなことがあり得ると思います。そこまでいかない程度の書き方がいいということだと思います。
加藤科学官、こういう理解で合っていますか。
 
【加藤科学官】 いいと思いますけれども、議論が随分技術的な話に行き過ぎている感じがします。本当は何がやりたいのかというのが、いま一つ伝わってこないので、書きぶりももちろん大事だけれども、本当は何がやりたいかを聞きたい気がします。
 
【大湊委員】 答えが難しいですね。全体をもう少し、今の現計画でここまでやるけれども、次は、その先をやりますというふうに見えるのではなく、少しずつ直せるところはまた次期計画でもやりたいと思いますが、それは、日々の変化にとどまると言われるとそうですので、ここでの記述がそれでいいかと言われると難しい。
具体的に何をやりたいかと言われると、これは火山の問題だけではなくて、全体、地震もほかの分野もそうですよね。今の計画をそのまま続けると書くと、それはあまりよくないし、現計画でここまでできて、見えてきた問題点を踏まえて次はこれをやりたいということは、本文のIV章の辺りに入念に書き込んでいますが、それがこのV章の圧縮されたところにうまく表現されていない、という形です。
多分これは気持ちの持ちようというか、継続というのが最優先になってしまうとそういう表現になるし、継続だけれども、次の計画では新しいことも幾つも入ってくるというのが見える書き方にしたいと思えば、そういう書き方にできると思いますので、そういうことを、自信はないですが少し工夫をしてみます。大幅に直せるわけではないので、難しいところです。
 
【日野委員】 日野です。
地震も火山もですが、この部分は、結局は次の建議が立ち上がったときに、何を目玉にしたいと思っていますかという予習だと思います。そういう意味で、例えば、今の継続でもいいけれども、それだったら、今やっていることでここまでできて、さらにこう伸ばしたいという意思がないと、そこは直接レビューですよね。今やったけれども、何にもできなかったから、もう一頑張りなのか、ここまで見えたから、次はここだとか、なぜ続けたいのかというのは、少なくとも見えなければいけないと思います。
今、何となくそこが散漫なのが、ちょっと寂しいという意見なのかなと。だから、具体的に何をすればいいというのが、私も思いつきませんが、例えば、地震で言えば、今の現期の目玉は長期予測をモダナイズしなさいということだったと思います。そのために、今一生懸命取り組んでいて、私の感想からいくと、今のやつをもう一歩進めて、だから、本当に地震本部の長期予測に、本当に役に立つレベルに持っていけるか。それをいきなり実践に持っていけないのだったら、まず評価しなさいというのが、さっき加藤科学官が、長期評価というところでおっしゃっていたようなもので、だから、今のやつに対する積み上げですね。今、中期予測のことを書いてもらっていて、中期予測は、どちらかというモニタリングでいろんなことが見えるようになってきたから、それを応用すれば、少し時間軸の短い中期的な予測につなげられるでしょうということに、そこまで積み上げがきたから、それを試行的にやってみましょうと読めますよね。だから、火山のほうでも、今はこれができて、次は、それをどこまでできて、次はどこを伸ばしたいというのが見えればいいと思うけど、何をやりますという約束ではなくて、方向性を示すことが大事ではないかと思います。
やっぱりレビューのここの部分は、よし、分かった、その計画頑張れと、背中を押してもらうためのものだと思うので、そういう意味では、あまり淡々と書くのではなくて、こういうことがやりたいという気持ちを少し整理したほうがいいかなと思います。それで、先ほど、の加藤科学官の何がやりたいのですかという質問を、それは書いている人に対しての質問ではなくて、ここにいる我々全員が問われていることだと思っています。
 
【大湊委員】 そうですね、長期予測に関しては、今の計画を始める前に、まずは、ある程度成果というか、進める見込みのあるものをつくらないと、さすがに書けないというので、これに関しては、ある程度のプラス思考の芽はたくさん出せるだろうということで、重点研究に入れて、それで、幾つかそれが出てきたら、その次で、いろいろと試行実験をして、実装できる段階に近いですよというふうに持っていくというイメージを持っていたのです。次の計画では、長期予測に関しては試行実験的なことをやりますよということが、今回はそういうことができなかったけど次にはそういうことが出てくるという形で、進んだように見えるだろうなと考えていったらいいですけれども。それが火山とかほかの分野で、そういうふうにうまくストーリーができているかというとそうでもないので、ある程度書けるところもあれば、書けないところもあるというのが現状です。
 
【日野委員】 なかなか書くのは難しいと思うのですけれども、だから、それは現状評価とも関係していて、ここが育ってきたね、芽が生えてきたねというのをうまく拾って、そこを伸ばしたいというふうにできればいいのかなと思います。何かないですかね、それぞれのところでね。
 
【大湊委員】 個々の課題では、ここまでするので、次はこれをしたい、あれができるようになったということが書いてあるのですけれども、それを全体にまたがる大きな話かと言われると、なかなかそこまで行ってないものが多いです。全体をまとめる立場としては、そういう個々の部分で少しずつ進んでいるのがあると、うまく拾って、加藤科学官、日野委員から見て、ああ、確かにここまで進んだなと見えるような書きぶりにしなければいけないのですけれども、まだそこがうまく表現できていないです。
 
【日野委員】 今火山の話をしましたけれども、その一つ下の災害誘因の評価とか、災害リスクの評価というところは、具体的にある程度できるようになってきたけれども、曖昧さをちゃんと考えたものが次ですよというのがあって、これも比較的分かりやすく、次のその次の段落、これもまた分かりにくいですよね。協働の強化に一層取り組むべきだけれども、具体的にどんなものがイメージされているのだろうかというのが……。
 
【関口委員】 関口ですけれども、いいですか。
これは、総合研究グループの活動で、お互い違う分野でどういうことをやっているかということの共有は進んだと思うのですが、実際に、例えば上流の研究の成果を使って、下流が何かをするということまでは、なかなか進んでいなくて、取りまとめ課題みたいな大きな一つの課題の中で、そういう上流から下流が入っているようなところ以外は、なかなか進んでいないという声をあちこちから聞くので、その辺のことを強化することを、協働の強化というところに込めて書いております。
 
【日野委員】 そうだとすると、ありていに言うと、今の総合研究グループは、凸凹はあるけれども、異分野の人たちが一緒に集まって、同じ問題意識で研究するという仕組みとしてはうまくいっているから、だから、これを育てると書けばいいですよね。多分、ほかのところ、総合研究グループか何かの評価といったところでそういう書き方をしていたと思います。評価としてうまくいっている、これを続けるべきだ、のような書き方をどこかでしていたようにも思うのですけれども、だから、ここも具体的に書いたほうがいいという意味では、総合研究グループで、北海道の地震にしろ、首都直下の地震にしろ、南海トラフの地震にしろ、まだ起こっていないわけですから、これは継続して、特に災害軽減のために、さらに一歩進める、という感じで具体的にしてくれるといいのではないですかね。やはり協働の強化だけだと、レビューを読んだ人が、結局何だろう、今うまくいっているの?うまくいっていないの?という印象を持つかもしれない。
これはごめんなさい、今、関口委員の話を聞いて、どういう意図なのかは分かったので、これは完全に書きぶりの問題です。
 
【関口委員】 具体的に今、対象とするものというか……。
 
【日野委員】 だから、協働の強化のレシピみたいなもの、これをやろうという感じのことが、少し書けるといいのではないかなと。それは継続でもいいですけど、継続をやる中で、どこに力を入れるといいのですか。
 
【関口委員】 これは体制をいじるではないですけど、総合研究グループのつくり方を変える必要があるのかなということを議論したりはしているのですけれども。
 
【日野委員】 言ってみれば発展的改組みたいなことを、ひょっとしたら、次期研究計画でやらなければいけないかもしれませんが、それの引き金になるのがここの書きぶりなのかもしれません。
そんな感じで、どちらかというとレビューをやる人ではなくて、書いている我々が、夢が持てるような部分が必要なのではないかなと思いながら、今読んでおりました。もう少し早くいろいろ言えばよかったですが、ごめんなさい。
取りあえず、この部分については、私の感想は以上です。
 
【大湊委員】 ありがとうございます。
どんどん具体的なことを書いていくと、V章がどんどん膨らむことと、IV章に書いてあることと少しずつ重なってくるということがあって、V章でどこまで書くかというのは少し悩ましいところです。
外部評価なりをする人が全体を細かく読むわけではなくて、やっぱりV章を重点的に読むだろうし、それから、必要に応じてIV章とかも見ていくと思うけれども、V章である程度こちらの意図が伝わるように書かないといけない、もう少し具体性を持たせたかった、という気がしますね。
中道委員、何か御感想、御意見はありますか。
 
【中道委員】 火山活動推移モデルが今中心で、私は火山部会を担当していて、昨年度の成果報告でも言いましたけれども、例えば、火山の場である問題、構造とか密度とか、破壊強度もそうですけど、それと、あとは噴出物とか、例えば貫入量とか、そういった物の量と、物質そのものですね、化学的性質とか、組成とか、そういうものとお互い関係がついてきて、それが、どうも火山活動の状態とか、噴気とか、状態でいうとVUIという指標がつくられていますけれども、そういうものが分かってきたので、ある意味、火山活動推移モデルは定性的でもあるのですけれども、より定量的に。ただ一方では、社会実装されている噴火警戒レベルというものがあって、ある意味観測して分かってきたことも、過去の実績を基にしてあるスレッシュホールドを決めているのですけれども、まだ社会実装との間に乖離があるから、そこのギャップを埋めなきゃなと思ってはいます。そういうのが見えてくるような感じになるといいなというのが個人的な意見です。
 
【大湊委員】 これに関しては、取りあえずこれくらいでいいという感じですかね。
 
【中道委員】 もう少し具体で分かるほうがいいかもしれませんが、どう書いていくかというのがありますので。
 
【大湊委員】 火山に関しては、ほんの1段落しかないので、あまり細かいことは書いてないですけれども、火山を細かく分けると、ほかのところも必然的に、やはりある程度具体的に踏み込むことになって、全体に随分書きぶりが変わってくるところはあるのですけれども。どこまで入れるかですね。参加している人数とかが違っていて、ある分野はすごく細かく書いて、ある分野はあっさりという凸凹がだんだん目立ってくるような感じにもなってくるのですけれども。その辺も難しいところです。
V章が、まだいろいろあるかと思いますけれども、ほかのところで、関口委員が説明をしたレビューの改善に関して意見を聞いていきたいと思います。
V章は、また後で戻りたいと思います。
では、IV章は、ここのところ分量も多いのですけれども、あまり大幅な精査はできなかったのですが、今後の展望がすごく短いところは、少し書き足したところがあります。そういうあたりはどうか。
一番分量的に少ないという印象があったのは、防災リテラシーとか、その辺りです。例えば34ページ。これを少し書き足して、これぐらいになっています。次も、防災リテラシーの向上を図るための研究が2つあって、その1つ目がこれで、それから、2のほうは次の36ページ。もともとはかなり短めだったのですが、少し足してこれぐらいの分量にしました。ほかの、解明のための研究と、予測のための研究の今後の展望の書き方からすると、短めではあるのですけれども、研究に参加している人の数とか、課題の数とかも違うので、これぐらいかなというところですが、この辺りについて何か意見ありますでしょうか。
今、ぱっと読んでも、ほかと見比べてみないと、なかなか判断が難しいとは思うのですけれども、こんな感じに少し書き足したというところを見ていただいて、もし、後から言っていただいたら、それでやりたいと思います。今言いたいことがあれば、言っていただきたいです。
 
【関口委員】 今後の展望について少なかったのは、あと、災害誘因のところですね。リテラシーも少なめでしたけど、災害誘因が少ないです。
 
【大湊委員】 これは、確かに今でもそんなに長くないですね。これは足そうとしたけど、あまり足さなかった。確かに少し努力しましたけど、あまり増えてないというのも実態です。
 
【関口委員】 ちょっとここは少ない。
災害誘因のところで、今後の展望は3テーマあるのですけど、戦略室で拡充したところもあるのですが、できていないところがありました。できてないというか、もちろん全体的にはしたのですけれども、ちょっと拡充が不十分かもしれないと思っているところもあります。
 
【大湊委員】 一番関係があってふさわしい方はどなたになるのか…。
災害誘因のところは、実際の執筆に関わった方が、委員の方にいらして、松島委員、あるいは宗包委員が執筆に関わっていると思いますけれども、その辺り、何か御意見いただければと思いますが。
 
【宗包委員】 宗包です。
私が担当したのは、IV章の即時予測の部分ですけれども、この部分については、確かに少なかったですけれども、御指摘を受けまして、地震動の即時予測、津波の即時予測、火山噴出物による災害誘因の即時予測、それぞれについて書き足したところで、ここに関しては、ほかの項目と遜色ないぐらいのボリュームになったと思っています。一応関係する研究者等にも照会をして、こんなものでしょうということでした。
以上です。
 
【大湊委員】 ありがとうございます。
松島委員、何かコメントがあれば。
 
【松島委員】 私の方からは特にありません。
 
【大湊委員】 IV章の今後の展望の書き方に関してのコメントは、今これぐらいの内容ということですね。
次に少し戻って、次はIII章のほうです。これは、それぞれの地震、あるいは火山現象に関して、単に事実を淡々と書くのではなくて、研究上どんな意義があったかということを、少し書いてほしいという意見があったので、科学的な意義であるとか、災害研究に関しての意義とか、そういうことを、それぞれの冒頭の部分に数行ずつ書き足しています。
熊本地震の項は、主として科学的な成果の意義ですね。それから、ニュージーランドのカイコウラ地震、ここの最初の3行に書いてあるところが科学的な意義です。
次が大阪北部地震、これも最初の段落に少し、将来の連続破壊に関して重要な意味があっただろうということを書き足しています。
それから、次は、胆振東部地震、最初の段落の最後の部分ですね。こういう問題提起をするようなイベントであったということを書いています。
それから、山形県沖地震、これは、結果的にあまり大きなイベントではなかったということで、あまり書くことが多くなかったのですけれども、ひずみ集中帯で起こった地震だということの意義を書いています。
それから、福島県沖の地震を書いています。
宮城県沖の地震、これは、もともとある程度書いていたと思いますけれども。
次は火山噴火で、草津白根山、これはもともと、この噴火があったために総合研究グループで「高リスク小規模火山噴火」が必要だろうということの後押しになったわけなので、そういうことが書いてあります。
それから、霧島山の噴火、これは今回の重点項目、火山活動推移モデルの構築の上で、有用なデータとなるあらゆる噴火があったということを書いています。
それから、西之島の噴火、これはなかなか人が近くにいないということもあって、どういう意味があるかというのはなかなか難しいのですけれども、ただ離島の監視というのは結構難しい問題で、そういうことをする上で、こういう火山の研究が必要だということを書いています。その後、最近、福徳岡ノ場の噴火があって、離島だからといって放っておいていいわけではないということも分かってきたわけですから、こういう火山をちゃんと見ていないといけないということを書いています。
最後に桜島、これはいろいろ成果が出ていますし、それから、総合研究の中で、噴煙から防災のところまで、全体的な、総合的な研究が一番よくできているのが桜島ですので、そういうことを最初のところに書くようにしています。
ということで、第III章全体では、それぞれの地震火山現象の結果だけでなく、科学的な意義とか、我々の研究に関する意義づけとかを、少し書き足しております。
これに関して意見、コメント等あれば。
 
【橋本委員】 橋本です。
ここの部分は、以前と比べると随分読みやすくなっているように思います。それぞれのイベントの、この研究計画に与えた意義づけといいますか、そういったところも書き込まれたので、最初の段階よりもずっとよくなっていると思います。
それと、例えば火山噴火、今画面表示している桜島のことを言うと、ここにも火山活動推移モデルに該当するような知見が散りばめられていると思うのですけれども、例えば、火砕流を伴う噴火の前にどういうことが起こるかというモデル、そういった知見が蓄積されているわけで、先ほどのV章のところとの関連でいうと、もちろん火山ごとに取り扱っている現象が違うとは思うのですが、こういったものについて、現計画では観測データを基にして、こういう傾向があるとか、こういった解釈ができるとか、こういうモデルで説明できるとか、そういったことが確認されたということで、モデル化ができてきたという段階であって、次の計画では、こういうものをさらにこれから観測されるであろうデータに対して適用して、そのモデルによる試行的な予測につなげていくという、そういうことだろうと。改めてここを見て、先ほどのV章のところの書きぶりのこともちょっと考えました。
 
【大湊委員】 どうもありがとうございます。
実際火山活動推移モデルというのは、今回つくり始めて、多分次はもっと高度化するけれども、そのためにはきちんとデータが取れる火山がないといけない。すると、桜島は今後もデータを提供してくれる火山として、今以上に重点的に知見を取り入れ、桜島は総合的な研究としても常に盛り込まないといけないですし、次の重点研究も、恐らく火山活動推移モデルをさらに高度化するということを書くことになりますけれども、そのときにも桜島などを使ってということは御提案したいと思います。どうもありがとうございました。
では、III章も長いですのでまた目を通していただいて、気づいたところがあれば言ってもらうことにして、I章、II章まで戻りたいと思います。
ここはあまり変わっていないのですけれども、II章のほうで、加藤科学官だったと思いますけれども、この研究計画というのは、ずっと昔から連綿と続いているわけですけれども、そういう経緯は詳しいけれども、第1次と第2次との関係があまりきちんと総括した内容になっているかということを言われていて、そこに関しては少し文章を足して、1次で問題になったことを踏まえて、2次が始まっているということが弱かったので、そこに関して言葉を補っています。
それを受けて、幾つか重点研究項目を立てて、新たに立てたり、それから総合研究を1個増やしたりとか、2次で増えたのは、1次の成果、反省を踏まえたものということについて少し言葉を補う形で記述したつもりですが、まだこれでも弱いかもしれないです。
I章、II章に関しては、前回と変わるところは変わっていますけれども、それ以外に関しては、関口委員が言ったようにほかの意見もあったのですけれども、それはいろいろ考えた末に、別なところよりは反映させなかった形としております。
 
【加藤科学官】 加藤です。
今説明していただいた、現行計画、第2次計画の説明は加えていただいて、非常によくなったと思います。
以上です。
 
【大湊委員】 ありがとうございます。
その他、I章まで遡って、調整点について再度説明したわけですけれども、ここまで全体を見返して、また、これを踏まえて、特にV章に関する意見等、どなたかあればと思うのですけれども。
 
【加藤科学官】 IV章の災害誘因予測のところで、少し議論になりましたけれども、災害予測を災害情報に活用するための研究、そこが文章だけの問題ではなくて、研究自体の進み方がいま一つなのではないかなと思っているのですけれども。課題自体が少ないということもあるのかもしれないですけれども、戦略室ではどういった認識でしょうか。多分、文理融合研究的なものが、文系の研究者と理系の研究者がちゃんと議論しないと、なかなか進まないところだと思いますけれども、そこがどのくらいできているのかなというのがちょっと気になっています。
 
【松島委員】 松島です。
先ほどはコメントを言いませんでしたけど、今、加藤科学官が御指摘のように、あるものしか書けないので、研究課題が少なくて、研究成果がそれぞれの課題では出ているものの、少ないものに関しては、たくさんは書けないということでコメントを申し上げませんでした。
加藤科学官がおっしゃるように、災害誘因予測を災害情報につなげる研究については、課題そのものも少ないので、そういう意味では、その部分に関しては力を入れないといけないのかもしれませんが、そうかもしれないですねということしか、現時点では言えません。戦略室の代表として言うわけではありませんが、そういう状況だということだと思います。
 
【大湊委員】 そういうふうに、これはもう少し力を入れたほうがいいのではないかというのが見える部分があるというと、それをこのレビューにきちんと反映させなければいけないのだけれども、それがある意味、例えば担当者が少ないとかだとすると、それ自体は担当者の責任ではなくて、全体を組んだ戦略室や企画部の問題となりますので、これに関しては課題数が網羅的でないとか、もっと足したほうがいいとかいったことをV章で記述することになりますね。
一方で、人がいるけどやってないというよりも、こういうことをやってくれる人がなかなかうまく見つかっていないという現状もあるかと思うので、そういうことも含めて、もっと工夫をしなさいということを、V章のほうに書き込むことが必要ですね。
IV章のこの辺りは、今どうなっていて、今やっている人たちがどう頑張っているかというところまでしか書いてないのだけれども、それに対しては、日野委員が言うように、全体を見たときにこれが弱いのではないかということですから、V章にそれを置くようにします。

 
【宮岡委員】 気象庁の宮岡です。
少し違う観点で、V章に絡むところではないかと思いますけれども、まとまらず、コメントだけになってしまうかもしれませんけれども、災害軽減の研究計画ですので、社会実装というところが一つの成果だと思います。V章をずっと、例えば気象庁という言葉などで検索したのですけれども、あまり出てきませんでした。考えてみると、例えば、緊急地震速報のようなすごく分かりやすい成果というものは、まだまだそうそうないので、出てこないのかなと思います。一方で、この研究計画の成果というものは、いろいろなところに生かされていて、例えば、地震本部地震調査委員会であるとか、南海トラフの評価検討会での現象の評価、あるいは評価に基づいた情報発表のところに大いに生かされていると、私は感じています。むしろ、私はずっとそちらに携わっているので、最新の研究成果に基づいた評価がなされているところが、もっと大いに成果として評価されてよいのかなと考える部分があります。
では、そういうのをどこかに落とし込みたいなと思ったのですけれども、どういうところがよいかなというところが見つからなかったので、冒頭申し上げたように、コメントだけになってしまうのですけれども、最新研究が、そういったところの評価に大いに活用されているところについては、この部会の皆さんには認識していただきたいということと、今後外部評価を受ける中でも、何かアピールをしていただければいいかなと思っております。
以上です。
 
【大湊委員】 どうもありがとうございます。
こういう地震、火山噴火予知連会といったところでいろいろな情報を出していて、いろいろな気象庁の判断の根拠となる情報もこういう基礎研究がベースになるので、貢献はそれなりにあると思うのですけれども、それをなかなかうまく書けてない。成果を、具体的に社会実装を見せろという意見があると、それは、地震本部で使えるような予測試行をして、ちゃんと実装されました、みたいなものを期待されているのかと思ってしまって、ふだんこういう基礎的な情報、判断に必要ないろいろなことをアドバイスしますとか、そういうところがなかなか出せていないというか、かえって評価されるまで分からないというのが、多分うまく書かれていないのですけれども、この辺りはどうでしょうか。緊急地震速報などは、恐らく研究の成果というよりも、成果が活かされた社会実装だと思いますけれども、そういうものをどこまで書くか。うまく書けたらいいですけれども。
宮岡委員のお考えのように、どんどん書ければ、たくさん書けることはあるなと思いますけれども、あまりうまくそれに書いていいのかというのは、確かにおっしゃるとおりで、この辺りに関して何か、どなたか、ほかの意見はありませんでしょうか。
 
【加藤科学官】 加藤です。
私は、宮岡委員の意見に賛成で、大学の観測データであるとか、解析結果であるとか、新しい解析手法というのは、気象庁など行政機関で使われているわけですから、推進体制の整備あたりになるのか、そういうことはやはり重要な成果であって、この計画があるから、そういうところが発展しているわけで、地震活動や火山活動の評価が発展しているわけなので、それは非常に重要な成果だと思います。
 
【大湊委員】 それは書くとすると、推進体制の整備のところにうまく……。入れようとすると、どこですかね。
 
【加藤科学官】 地震本部との関係は書いてあるから、その関係で地震本部地震調査委員会に解析結果等を提供しているとか、火山噴火予知連会のあたりでも書けると思います。
 
【大湊委員】 この辺りも、最初に小原委員から意見があったように、地震予知連会や火山噴火予知連会が単なる事務局としてやっているから書いてあるというわけではないということを書く上で、この研究の成果がそこで活かされているということも書けるだろうなと思います。
 
【小原部会長】 小原です。
もう一つ付け加えると、宮岡委員が先ほどおっしゃっていましたけれども、南海トラフ地震の評価検討会、あちらは、直接この建議で記載はないのですけれども、ただ、やっぱりそこで行われている評価については、相当この建議の計画の成果が活用されているというのは間違いのない事実で、例えば、気象庁とか国土地理院とかでモニタリングを常にやっていますけれども、そこで、それほどまだ十分な知見がない現象が生じたときでも、論文とかで、例えばスロー地震の繰り返し性というのが建議の計画の成果としてあれば、それを用いて評価するということはよくやられているので、そういう観点で政府が行う地震の評価にもきちっと活用されている。それは、この計画側から直接社会実装を働きかけているというわけではないけれども、結果としてそういう社会実装につながっているというのも、もっと自信を持って言えばいいかなと思いますので、その辺りですかね、推進体制になるのか。
 
【大湊委員】 こういう言い方は悪いのですけれども、関わっている人が重なったり、いろいろなことがあったりして自然に伝わって、得られた成果が南海トラフであるとか、その他に使われているというか、そういうことではないですかね。具体的にどこの大学がこの成果を出されたという形ではなくて、ある意味当たり前のこととして使われると、これは建議の研究の成果ですと断れない。
 
【小原部会長】 それは断りませんね。ただ、それは、改めて俯瞰したときに、我々はそういうふうに判断するという言い方でいいのではないかと思います。
 
【大湊委員】 我々はそういう仕組みが分かっているから、この建議の研究というのはなくてはならないと分かるわけですけれども、それがうまく表現できないと、外部から見ると、あのような関係が当たり前過ぎて、重要性がうまく伝わらない可能性があります。
 
【小原部会長】 そうですね、ただ、我々からして当たり前過ぎていることも、実は、外部評価の委員は、あまり認識していないことはあると思います。
 
【大湊委員】 過去の報告書を見ると、やはり何かキーワードをつけて、こういう新しい、具体的なこれができた、これが成果だとか、これが実装したものだとかという具体的なものを見せないとやったことにならないような雰囲気があって、それで、重点研究などをつくるのもそこなんですよね。外から見た人が、確かに新しい項目があるなと、そういうものが見える形にしないと伝わらないのではないかとか、ある意味特別な用語をつくって説明しないと見えないのではないかというものがあって、今までも工夫してきたし、今回もそうしなければいけないのではないだろうかと悩んでいるところです。空気のような状態だけど、すごく大事なことはうまく表現できればいいですけれども。
 
【小原部会長】 南海トラフについては、総合的な研究というところに入っているので、必ずしも、その中で出てきた成果と直接結びつかない、直接そこでの成果ではない場合についてもありますが、ただトータル的には、この建議の計画の中での成果として認識することもできるので、そういう観点で、それぞれの成果をもうちょっと見直してみるといいのかもしれません。
 
【大湊委員】 具体的な委員会とか、南海トラフの評価検討会とか、そういう名前をきかせて、そういうところで使っているということを、もう少し明示的にいろいろなところに書き加えていったほうが……
 
【小原部会長】 あまり書きすぎるのはよくないけれども、少なくとも……。
 
【大湊委員】 あまり強く書くと、具体的な証拠を見せろ、みたいな話になると困るというところもあります。
 
【小原部会長】 少なくとも南海トラフについては、毎月の評価検討会の記者レク資料というか、気象庁資料にきちっと、過去のこれまでの研究が反映されているわけなので、そこは、この建議の計画の成果の一部として活用されているという言い方はできるのではないでしょうか。
 
【大湊委員】 それぞれの成果とか、場所を見て、そういうことを、書けるところに少し……
 
【小原部会長】 書けるところには書いたほうがいいと思います。
 
【大湊委員】 宮岡委員、どうもありがとうございます。貴重な意見です。
 
【日野委員】 日野ですけれども、関連して。
今のポイントを書き込むとすると、V章の観測研究計画の今後の方向の最初の段落ですけれども、どこに入れるのがいいかなあと思ったのですけれども、個別に取り上げるならともかく、やっぱりここはすごく大事なパートで、ここで主張することが大事だと思います。基礎になるものだとか、長期的な継続が大事だとか、こういうもので貢献しているわけですよね、今の予知連であるとか、調査委員会であるとか、南海トラフであるとか。だから、こういうところに地道な研究の積み上げが役に立っているという一つの例として、ここに少し挟めるといいのかなと思いました。そうすると、結構目立つので。
最初に、宮岡委員も、V章ですかねとおっしゃっていて、私もそうだなと思って、そこを中心的にどこに入れられるか、今見ていたのですけれども、目立つところに、ぜひ入れるといいと思います。遠慮することはない。どんどん売りに出したほうがいいと思います。
 
【大湊委員】 少し工夫をしてみます。この後でもよさそうな感じがします。
あと、ほかにも、いろんな場所に散りばめるのが見やすいかなという気もしますので、考えてみます。
参加している委員の皆さんの意見も聞きたいと思いますので。
 
【大倉委員】 書きぶりが少ないとおっしゃっていたアンケートのところを見て…
成果報告には間に合っていないのですが、ほぼ同じようなアンケートを、観光客に対しても行っておりまして、その結果、気象庁が出している噴火警戒レベルはどれぐらい認知されているのか、どういった人が阿蘇に来ているのかというのが明らかになって、そういう人にどういう対策をすればいいのかが分かって、非常に有益であったという経験があります。今回の噴火、ちょっと前にありました。ですので、そういったところも、ここの災害誘因の課題で推進していただけるとありがたいなと、私は思っております。
以上です。
 
【大湊委員】 これは、データ、情報を受け取る側の観光客というか、そういう方々が何を必要としているかというのを吸い上げるためのアンケートの一つですけれども、そういうことをもっと積極的に……。
 
【大倉委員】 どういう属性の人が、実際に山に登っているのかというのを理解して、小規模な噴火だけど、被害が起こるような、災害につながらないようにするためにはどういう対策をすればいいのかということを考える上で、非常に参考になるアンケートだったということです。
 
【大湊委員】 これは、これから書くものだから、これに阿蘇の例を書き加えてもいいかもしれません。
 
【大倉委員】 同じようなアンケートを行っています。草津白根で実施した人が、阿蘇に行ったことがある人に対して、同じ内容の調査をして、比較をしようということで調査した結果、気象庁が出している噴火警戒レベルは、4割程度の人が知らずに火山に来ているということがありました。そういう人たちを突発的な噴火から守るには、どういう対策をしなければいけないかというのは、地元にちゃんとフィールドバックされているという経験はあります。なので、そういうことをほかの火山でもきちんと対策に取り入れていけばいいのではないかということを、疑似体験しているとおりです。
 
【大湊委員】 今、大倉委員がおっしゃったようなことは、今後の展望のところに入れて、それを反映するようなことをV章のほうにも……
 
【大倉委員】 にも書けるかなと、私は思いました。
 
【大湊委員】 工夫をしてみます。
 
【小原部会長】 今、ここにたまたま出ているのですけれども、今後の展望のところを見ると、あまり具体的なことを書いてないですよね。だから、先ほどのアンケートとか、そういう話を書き込むのは、とてもいいなと思います。
 
【大湊委員】 ここは、特に今後の展望が見えるところですので、ここを、ぜひ膨らませないといけないところだと。
 
【小原部会長】 そうだと思います。膨らませるにしても、具体性があると、すごく分かりやすいですね。こういう研究を、ぜひ進めていきたいという意思が感じられるので、そういうのが、今後の展望に、それぞれのところに書いてあると、すごくいいかなと思います。
 
【大湊委員】 分かりました。
申し訳ないのですが、今日まだ発言されてない方を指名して…。伊藤委員、何か意見があれば。
 
【伊藤委員】 海洋研究開発機構(JAMSTEC)の伊藤です。
最初に質問ですけれども、第III章の個別の地震火山現象について書いてあった場所で、西之島について、ここに書いていないような観測もされていると思いますけれども、そういうのは最近過ぎるので書いていないということですか。
 
【大湊委員】 いえ、そうではなくて、確かにこれは大学、その他のことが中心で、JAMSTECの観測は、西之島では相当いろいろやられているのですけれども、それはきちんと反映されていません。確かにそのとおりです。西之島の観測は、衛星だけではなくて、JAMSTECの船が近くまで行って、そこでドローンを飛ばしたりしていろいろなデータを取ったり、磁気観測とか、その他データを取ったりしているのですけれども、確認されていないので。
 
【伊藤委員】 もし、分量が少なかったら、書いたらいいかなと思ったというコメントでした。
 
【大湊委員】 その辺は追記します。すみませんでした。
 
【伊藤委員】 少し述べられたのですけど、福徳岡ノ場も調査は行けてないですけれども、気象庁が配られた軽石の分析は各機関でされていて、予備的な結果みたいなものは出ていると思いますけれども、そういうものは書かれないのかなと思いました。
 
【大湊委員】 これは、原稿の締め切りを過ぎてから起こった現象なので書かれていないのですけれども。
 
【伊藤委員】 もし、分量がなかったら、足せばいいのかなと思っただけです。
 
【大湊委員】 今回の福徳岡ノ場で思ったのですけれども、JAMSTECの方が海流を考慮して、軽石がどこに集まって、どこに流れ着くと予測をしているではないですか。あれは、この建議の研究に参加している方ではないから、こういう報告書のどこにも反映させられないのか、それともJAMSTECでやっていることだからどこかで報告書にされるのか、というところで悩むのですけれども、重要な研究だなと思います。
 
【伊藤委員】 もっと情報を出したほうがいいということですかね。
 
【大湊委員】 このレビューのタイミングとかもいろいろあるので、全て載せられるわけではないけれども、できるだけ取り込めるものは取り込みたいと思います。
一方で、建議に研究に参加するかどうか、ちょっと線引きは難しい人の研究はどう扱ったらいいだろうとか思ったりもするのです。
 
【伊藤委員】 もし必要であれば、文章を書いてお渡ししたりはできますので、御連絡ください。
以上です。
 
【大湊委員】 このIII章で取り上げる課題は、もっと前に、方向を決めて書いたので、ここに新たに入れるのは、ちょっと難しいかなと思いますけれども、ほかのところで書けることはあるので、そういうところに入れられないかどうか工夫してみます。
 
【伊藤委員】 お願いします。
 
【大湊委員】 どうもありがとうございます。
石川委員、よろしいですか。
 
【石川委員】 石川です。
先ほど宮岡委員からも指摘があった地震本部等の連携の話ですけれども、改めて宮岡委員から言われたことを考えると、地震本部との連携というものも、ある意味二通りあって、一つは、今まで検討してきた長期予測のような、この建議で達成された特定の課題の成果を、地震本部に売り込んでいって、そこで実装してもらうという面。もう一つ、宮岡委員が言われたのは、そういう特定の課題ではなくて、もっと全体的な話として、この建議の研究計画を推進することで達成された基礎研究の底上げみたいなものが、政府の関連会議における議論の底上げにつながっているというような、ある意味総論的なニュアンスで書くといいのかなと思いました。それは、地震調査委員会や南海トラフ地震に関する評価検討会だけではなくて、恐らく内閣府のほうでやっている議論とかもそうですし、そういった専門家が会議の場で議論するに当たっての基礎の部分の土台となるところを、この建議の研究計画で強化していることになっていますので、総論的な部分で、そういった成果をアピールしていくといいのではないかと感じました。
以上です。
 
【大湊委員】 ありがとうございます。こういう総論的な部分というのは、なかなか、どれが建議の成果なのかとか、何か証拠はあるのかみたいな話を言われると、なかなか答えにくいところもあって、目下の課題の成果を実装してもらうために、分かりやすい、見えやすいものに走りがちですけれども、こういったものが底上げしているのは間違いなので、それをうまく文章に入れていきたいと思います。
 
【石川委員】 先ほど議論があったように、今出ている、V章のところに書くというのが、いい感じではないかと思っております。
個別の課題を織り込むところは長期予測とか、そちらのほうでもやっていますので、そういう両面において貢献しているところが、うまく書ければいいのではないかと思います。
 
【大湊委員】 分かりました。ありがとうございます。
寺川委員、いかがでしょうか。
 
【寺川委員】 今日は途中参加で、全体をよく分かっていないところもありますけれども、個別の各部会というか、五つの柱に関する成果に関しては、何回も改善していただいて、よくなっていると思います。
五つの柱の連携の部分を、もう少し強くしていくのが、プロジェクト全体の成功につながっていくのかなと思うのですけれども、その一つとして、総合研究というのがあると思うのですけれども、その流れをもう少し広げていく視点もあってもいいのかなと感じています。
以上です。
 
【大湊委員】 どうもありがとうございます。個々のやつは書きやすいのですけれども、その連携とか関連、あるいは相乗効果で何ができたか、そういうのがなかなか出なくて、寺川委員のご意見になかなか応えられていないところですけれども、もう少し考えてみます。寺川委員からも、こうしたらという提案をいただければ。
 
【寺川委員】 ありがとうございます。難しいところだと思いますけれども、どうしても年1回の3月のシンポジウムのときに、何となく一緒になりますけれども、実際なかなか難しいなあと思いながら、私としてもやっているところがあって、そこは考えていかなければならないところなのかなと思うくらいです。
 
【大湊委員】 どうもありがとうございます。よろしくお願いします。
川村委員、お願いできますか。
 
【川村委員】 情報通信研究機構(NICT)の川村です。よろしくお願いします。
私自身が、申し訳ないことに、火山の専門家ではないということもあって、今日の議論に十分についていけないところもありまして、今日の時点で、私がコメントできることはあまりないところです。大変申し訳ないのですけれども、聞かせていただいておりました。以上になります。
 
【大湊委員】 分かりました。この原稿案に目を通された上で、後で何か気がついたことがあれば、事務局へ意見をくだされば大変助かります。よろしくお願いします。
 
【川村委員】 はい、そうします。
 
【大湊委員】 高橋委員、お願いできますか。
 
【高橋委員】 高橋です。
全体的に見せていただいて、ほかの委員の方も言っておられたように、大分II章とか分かりやすくなってよかったなと思う反面、これは、要旨というか、概要をまとめるのがとても大事だなと痛感しました。熊本地震とか、3.11の大きな被害をもたらしたようなイベントがあって、それに対して研究者側がどういうふうにアプローチをかけてきたかというのが、見やすいような文章が要るなと。中を読んでいると、一つ一つにはちゃんと書いてあるのですけれども、全体を通して読んだときに、その印象が少しぼやけてしまう感じがあって、全体の概要をまとめたところが重要かなと思いました。
個別には非常によく書けていて、細かいところまでよく行き届いているなと思ったのですが、先ほどほかの委員の方からコメントがあったように、例えば、地震本部でやってきたいろいろな評価がありますよね。そういうものは、それぞれの個別の研究に基づいていろいろな、先ほど日野委員からもコメントがありましたけれども、そういうものの結晶としてできているので、そういうところを少し強調することと、全体をうまく、過去のイベントに対して適切に、見直すという表現がいいか分からないですけれども、そういうイベントを踏まえて、常時進化してきたというイメージが出る文章が必要かなと感じたところです。
以上です。
 
【大湊委員】 分かりました。そうですね、いろいろな地震、火山を取り上げた以上、それがどういうふうに進化につながったかというのが、うまく表現できるといいですけれども、まだきちんと書けてないところもあるので。
 
【高橋委員】 いや、書けてはいると思いますけれども、例えば高校生とか一般の人が見たときにも、ある程度そこが見やすい形のほうがいいなと思いました。そこを意識して書くと、概要なんかは、特に伝わりやすくなる感じがしました。
 
【大湊委員】 そもそも、このレビュー全体が専門家以外の人も見るから、分かりやすい文章でということで始まったのですけれども、書いてみると、やっぱり我々専門家でないと分からないような表現満載になって、なかなかうまくいかないですけれども、何かできるものがあればやってみます。
 
【大湊委員】 阪本委員、お願いいたします。
 
【阪本委員】 阪本です。
すみません、遅れての参加となったので、前半部分が抜けているのですが、私に関連する防災リテラシーのところについては、先ほど34ページで御紹介いただいたIV章のところはとてもよくまとまっているなと、私自身思っていたのですが、今日皆さんのお話を聞いていて感じたのが、例えば、南海トラフ地震の情報ですとか、あるいは火山の情報だったりすると、噴火警戒レベルなどが導入されたことによって、恐らく地域の人たちのリテラシーが高まってきたような側面はあったと思います。そういうところが、ほかとの連携を見据えた上で、ここでもう少し書いてあるとよかったのかなという印象を受けました。
それから、今後の展望についても、とてもよくまとめていただいていると思って、とはいえ、十分かと言われると、恐らく多様な人の参画を得る、外国の方にも情報が届いて、リテラシーが上がるようにできているかというと、まだ課題があったり、あるいはこういう情報を受けて、地域の人、あるいは行政が主体的に動けるかどうかというと、まだそこまでは至らないかなと思うところもあったり、そういう要素は、ひょっとしたら、今後の展望にあってもいいのかなと、皆さんの話を伺っていて思いました。
以上です。
 
【大湊委員】 どうもありがとうございます。まだまだ書かなければいけないことが沢山あります。
大園委員、お願いいたします。
  
【大園委員】 大園です。
サポートしている側だったりもしますので、特にコメントはないですけれども、V章の部分は、大変書きぶりを変えたりとか、大変だっただろうなと思います。お疲れさまです。
そこの部分の今後の展望につながるところについては、今日の議論を聞きながら、次に何をやりたいかということをもう少し書いてもいいというところは、確かに外部評価される方に酌み取ってもらうのではなくて、もう少し主張もしていいのかなと。ですが、書き過ぎてはいけないところもあるなというのが、まだ難しいところだなと思いました。改めてもう一度読みながら、そういった視点で書かれているかどうか、自分自身も読み直してみようかなと思いました。
以上です。
 
【大湊委員】 いろいろと意見、コメントをお願いします。
大体皆さんからの御意見も聞いて、それで、まだまだ不十分だということが分かったので、また私と関口委員で工夫しますけれども、皆さんの意見をもっと聞かないといけないところがまだまだありますので、今後ともいろいろとお願いすることが出てくるかと思います。
 
【日野委員】 すみません、日野です。終わる前に、一言。
V章で少し質問したいことがあって、最後のまとめですけれども、このまとめは、全体の中でどういうメッセージを込めたくて書いているかが、私にはよく分からなかったです。
 
【大湊委員】 そうですね、これは、何となく全体を再度、非常に短く要約したというところが強くて、ここで特に何かを主張したいという書きぶりになっていないです。
 
【日野委員】 ただ、全体を表してはいないと思います。まとめの1段落目と2段落目は、全体として1次で敷いた線路の上を2次で頑張って進んでいて、順調に進んでいるよという、そういうことが言いたいのかなと思うけれども、次の段落から先が、何が言いたいかがよく分からないですね。特に、最後に柔軟性だとか何だとかというのを非常に強調していますけれども、これは何が言いたいのか、この計画に対して、あるいは次期建議に対してどういうメッセージをここで伝えたいと思ってこういう文章になっているのかが、私はちょっと分からなかったです。
 
【大湊委員】 この文章の意図は、全体としては1次、2次を継続して進めることが大事だということが言いたいところですけれども、一方で、今までの経過でもそうですけれども、途中何かが起こると、がらっと変わる、あるいは5か年でこういうふうにしたいと決定してもなかなかうまくいかない、従来の想定を超えるようなことが往々にして起きるので、そういうことも考えて、途中でがらっと変わることも念頭に置いているということを表現したということです。
 
【日野委員】 分からなくはないですが、それは、こういう計画を立てて何かをやりますという中で、こんなに強調するべきことなのだろうかと思います。逆に言いますと、こういう体制があって、オールジャパンで知恵のある人たちがチームを組んでいるから計画段階で分かっていなかったような想定外のことにだって対応できるという言い方だったら分かる気はしますけれども、計画をちゃんと立てていることを、一種否定しているようにも取れて、私にはすごく違和感があります。そういうことを書いてはいけないとは言わないですが、ものすごくたくさんのボリュームをかけて、そういうことを書いているように思えて、私にはそこの意図がよく分からなくて、今質問したのですけれども、やっぱり説明を伺っても、あまり強調すべきことではないように私には思えます。それは私の個人的な意見で、ほかの委員の方々がどう思われるかですけれども、異質な感じがすごくします。最後にこれがあるから、余計目立ちます。
取りあえず、質問とお答えをいただいた上での感想です。以上です。
 
【小原部会長】 小原ですけど、日野委員の意見を聞いて、私も思い出したのですけれども、確かに、最後の段落なので、ここはかなり重要な段落だと思います。逆に言うと、ここを最初に見て全体を理解するというか、全体の要約がここにあるとすごくいいなと思いました。もっと強調すべきことを書いたほうがいいかなと思います。
 
【大湊委員】 前の見直す建議とか、ああいうのを入れたほうがいいと。
 
【小原部会長】 そこまで想定しなくてもいいのではないかと思います。もちろんそういうときに柔軟性、適応能力があるということは、もちろんそれはそれでいいとは思いますが、それだったら、もう少し違うところに書いてもいいかなと思います。
 
【大湊委員】 ここは、もう少しきちっとしたまとめ的なことを書くようにします。確かに、この最後のまとめは最後だから重要ですけれども、全然議論しませんでした。すみませんでした。
ほかに、今の日野委員、小原委員の意見も聞いた上で、皆さんの思うところ、私が勝手に書くと、こういう文章になってしまうので、皆さんに正してもらわないといけませんので、御意見をいただければと思います。
今すぐでなくても、今後、時間がたってからでも思いついたことや御意見があればいただければ非常に助かります。
これで、私と関口委員からは終わりますので、小原委員に戻してよろしいでしょうか。
 
【小原部会長】 ありがとうございました。大湊委員、関口委員、大変ありがとうございました。今後も、さらにブラッシュアップしていただきますよう、よろしくお願いいたします。
その後のプロセスというのは、事務局でこの後何か説明がありますか。
 
【井上地震火山専門官】 基本的には、参考資料1でお示ししたように、メールベースでのやり取り、場合よっては関係委員の皆様と打合せ等を行うことで考えております。
 
【小原部会長】 では、具体的には、次は第4稿になりますかね。その辺りの時間設定やスケジュール設定について、ご説明をお願いいたします。
 
【井上地震火山専門官】 本日いただいた御意見を踏まえて、取りまとめ委員のお二人、予知協の皆様とともに、第4稿を作成いただいて、それをメール照会ということで考えております。スケジュールについては、取りまとめ委員の大湊委員、関口委員ほか、御感触をいただきながらということになるかと思っております。いかがでしょうか。
 
【小原部会長】 決まっているのは、次回第44回は1月25日であるということですので、そこまでにメールベースで議論が進むような形で進めていただければよいかなと思います。
そうしましたら、今日の議論を踏まえて、委員の皆様には、再度、報告書等を御確認いただいて、改めて意見、コメント等がありましたら、事務局まで送っていただくということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【小原部会長】 では、その辺りの内容についても、改めて、事務局からメールを差し上げるということで進めさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
では、大湊委員、どうもありがとうございました。
 
【大湊委員】 今日の資料の中に、用語集があると思います。これは、このままだと、メールベースの議論で、第44回で確定ということですかね。今日、用語集の議論が入っているのですか。
 
【小原部会長】 用語集の議論は、たしか入ってはいなかったと思いますが。
 
【井上地震火山専門官】 議論としては入ってはいなくて、状況に応じて触れていただくぐらいで考えておりましたので、この後、メール主体で意見照会させていただければと思っています。
ただ、第2稿と第3稿の照会のときに、防災リテラシーなど一部用語については意見照会もありましたので、もし今触れる必要があれば触れてもよいかと思いますがいかがでしょうか。
 
【大湊委員】 実際に作ってもらって見たところ、自分の専門のところを見ると、いろいろ気になるテーマも出てくると思います。多分皆さんも自分に関係した用語を重点的に見ていただくと、いろいろな意見が出そうな気がしましたので、これは、そういう場を設けるか、あるいは注意喚起というか、用語も皆さん、一度ご確認していただいて、自分の詳しいと思うような用語に関しては、チェックをやったほうがいいのかなという印象があります。
 
【井上地震火山専門官】 事務局です。
事務局のほうから、メールで期間を切って、意見照会をさせていただいて、またそれを矢部学術調査官を中心にまとめていただくという形で進めてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。
 
【大湊委員】 それでいいかと思います。
 
【井上地震火山専門官】 はい、承知しました。
 
【小原部会長】 では、事務局のほうで、そのように進めてください。お願いいたします。
 では、レビューの議論については、以上ということでよろしいでしょうか。
 
(「異議なし」の声あり)

[議題2.「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画(第2次)」の実施状況等のレビューの参考資料について]

【小原部会長】 ありがとうございました。
では、議題2、「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画(第2次)」の実施状況等のレビューの参考資料について、です。
事務局から、まず説明をお願いいたします。
 
【井上地震火山専門官】 事務局でございます。
参考資料については、前回の部会で、ある程度のセットとして案をお示ししておりまして、それに加えて、論文リストとアウトリーチ活動の2件については、引き続き事務局と予知協の皆様で作業を進めているところでございます。
資料2で、アウトリーチ活動について現状報告をさせていただくのですけれども、アウトリーチ活動については、前回の部会で御承認いただいた方針として、基本的には総数を載せるということと、あとは活動種別毎に件数を載せて、主な活動の概要について予知協の皆様に執筆をしていただくことで御承認いただいております。
ただ、それぞれの項目については一部整理が必要な部分があると考えておりまして、そちらについて、先日メールで委員の皆様に意見照会をさせていただきましたが、各項目を細分して、再整理するということで作業を進めております。例えば、具体的な項目は細分項目の案として示しているものになっていますけれども、シンポジウム・セミナー、あるいは外部イベントとしている事例において内容の重複であったり、再整理したほうがいいところがあったりと、幾つかございましたので、その部分について事務局で再整理を進めているところでございます。
それから、数を数えるに当たって、やはり何件にするかというところが重要だと考えておりますので、同一案件で出てきたものとか、重複の整理というものも進めております。こちらは論文の整理と同様に、複数の機関で同一の案件をご報告いただいたものについては1件と数えるということで考えております。また、件数として、随時とか、毎月とか、ある程度定期的に行っているものが一部ありますけれども、それを複数回に計数することはせずに、注釈をつけた形でまとめることで考えております。
今後の流れとしましては、今事務局のほうで幾つか細分したもので再整理と計数を進めておりますので、それを踏まえて、予知協で概要を執筆する上で、選別していただくことで考えております。
それらを踏まえて、参考資料の案を作成しまして、部会の委員の皆様にメールで意見照会をさせていただいて、第44回までの間に最終版にするべく取りまとめていくという流れで考えております。
本日は、そういった状況について報告させていただくとともに、項目については一度意見照会させていただいておりますけれども、何か御意見があればいただきたいということと、あとは、選別して概要を記載するに当たって重視すべき点、具体的には、前回の外部評価にて、組織的なアウトリーチについては積極的に行うということでご意見をいただいておりましたので、そういった組織的な活動を優先することを考えてはおりますけれども、ほかに重視すべきところがございましたらご意見をいただければと思っております。アウトリーチ活動については以上になります。
その他の参考資料一式につきましては、前回部会で配布しました取りまとめ案を参考資料5として再掲しております。引き続き御意見がございましたら、メール等でも構いませんのでいただければと思っております。
それから、論文のリストにつきましては、予知協のほうで、今取りまとめをしていただいておりますので、この後作業状況について報告いただけるところがあれば、コメントをいただければと思います。よろしくお願いします。
事務局からは以上です。
 
【小原部会長】 ありがとうございます。
では、大園委員のほうから報告をいただけますか。
 
【大園委員】 大園です。
予知協企画部として、論文リストの状況について御説明いたします。前回の部会で取りまとめの方針をまとめていただきましたので、こちらでテキストをお預かりして、200本程度に絞り込む作業を現在戦略室で行っています。
具体的には、原案の執筆担当をした担当者の方々を中心に、そこの項目の論文を、査読文献の数の割合でパーセンテージを決めてピックアップすることにして、査読あり、なしを含めて、その項目の中に挙がっている論文から拾うという作業をしています。その作業が11月中には終わる予定で、こちらで一度まとめて整理して、12月中には事務局を通じて、どういうタイミングになるか分かりませんけれども、部会の委員の皆様にもお諮りしていただくことになるかなと思っております。
現状としては以上です。
 
【小原部会長】 ありがとうございます。
ただいまの大園委員の御報告、御説明に対して、何か質問、御意見等ございますか。
あと、アウトリーチ活動のまとめ方についても、事務局から説明がありましたけれども、そちらについても、何か御意見、御質問があれば、この場でお願いしたいと思いますが。よろしいでしょうか。
 
(「なし」の声あり)
 
【小原部会長】 では、今説明があったような形で、アウトリーチ活動、それから論文についても、取りまとめを進めることにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
それでは、そういったレビュー報告書の参考資料の作成については、引き続きレビューの取りまとめ委員、それから予知協の皆さんにお願いしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
では、これで本日の議事は全て終了となりますけれども、何か皆さんのほうで御発言等ありましたら、お願いしたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
では、最後に、今後の日程等について、事務局から説明をお願いいたします。
 
【井上地震火山専門官】 事務局でございます。
本日は御議論ありがとうございました。
今後の日程につきましては、昨日メールで事務局から御案内しましたとおり、次回第44回の地震火山観測研究計画部会は、1月25日火曜日の開催を予定しておりまして、そこでレビュー報告書の最終稿ということで取りまとめ、意見交換をいただきます。
また、次々回の第45回の地震火山観測研究計画部会と、第45回の測地学分科会の合同会議を、2月16日水曜日に開催ということで予定しておりますので、併せて御予定を確保いただければと思います。
以上です。
 
【小原部会長】 ありがとうございました。
では、本日の部会はこれにて閉会させていただきたいと思います。今日はお忙しいところ御出席いただきまして、ありがとうございました。
これにて閉会いたします。ありがとうございます。

―― 了 (終了時刻 17時53分)――

 

お問合せ先

研究開発局地震・防災研究課

(研究開発局地震・防災研究課)