地震火山観測研究計画部会(第39回) 議事録

1.日時

令和3年6月29日(火曜日) 15時00分~17時05分

2.場所

オンライン会議

3.議題

  1. 地震火山観測研究計画部会長及び部会長代理の選任について(非公開)
  2. 議事運営等について(非公開)
  3. 今後の調査審議等について
  4. 地震火山観測研究における令和2年度年次基礎データ調査結果について
  5. 「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画(第2次)」の課題別計画の修正について
  6. 「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画(第2次)」のレビュー報告書の作成について

4.出席者

委員

小原部会長、田中部会長代理、伊藤委員、石川委員、大倉委員、大湊委員、川村委員、関口委員、高橋委員、寺川委員、日野委員、宮岡委員、宗包委員、森岡委員、大園委員、阪本委員、中道委員、橋本委員、松島委員

文部科学省

(事務局)鎌田地震・防災研究課長、上山地震火山専門官、加藤科学官、矢部学術調査官

5.議事録

今回の議事は、部会長の選任、その他人事に係る案件等があったため、科学技術・学術審議会測地学分科会運営規則(平成13年3月15日決定)第6条の規定に基づき、開会から議題2までは非公開。

[委員の出欠状況など]

・部会長選任までは、上山地震火山専門官が議事を進行
・委員の紹介
・議題及び配布資料確認
・鎌田地震・防災研究課長より冒頭挨拶

【鎌田地震・防災研究課長】委員の先生方におかれましては、御多用のところ、第11期の測地学分科会地震火山観測研究計画部会の委員をお引き受けいただきまして、改めまして御礼を申し上げます。  
本部会では、地震火山観測研究計画についてこれまで御議論いただいておりますけれども、令和元年1月に5か年の新たな地震火山観測研究計画が建議されまして、今年度は同計画の3年目を迎えておりますので、今期の地震火山観測研究計画部会では、本計画の進捗を評価して、次期計画の検討につなげるためのレビューを行っていただくフェーズに入ってまいります。  
第6期科学技術・イノベーション基本計画の策定が本年3月26日に行われましたけれども、その中で、レジリエントで安全安心な社会の構築でありますとか、社会課題を解決するための総合知の活用などの大きな方向性が示されております。地震火山観測研究計画の実施やレビューにおきましても、このような方向性を意識して行われることが重要だと承知しております。  
委員の先生方におかれましては、我が国の科学技術・学術の進展につながる活発な御議論をいただきますことをお願いさせていただきまして、私からの挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

[議題1.地震火山観測研究計画部会長及び部会長代理の選任について]

部会長は、科学技術・学術審議会令第六条第3項の規定に基づき、委員の互選により小原委員が選任された。
部会長代理は、科学技術・学術審議会令第六条第5項の規定に基づき、田中委員が指名された。
選任された小原部会長より挨拶があった。

【小原部会長】 このたび第11期の地震火山観測研究計画部会の部会長を務めさせていただくことになりました小原でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  
この部会の親委員会が測地学分科会で、さらにその親が科学技術・学術審議会でございまして、先ほども鎌田課長からの御挨拶にありましたように、科学技術・学術審議会においては、今年3月に閣議決定された第6期の科学技術・イノベーション基本計画を踏まえて、今後の科学技術政策の在り方について議論がされているということでございます。  
それで、この基本計画の目標の一つとしては、国民の安心と安全を確保する持続可能で強靱な社会を構築するということがありまして、これはまさに地震・火山現象及びこれらによる災害の科学的な解明を通じて安心安全な社会の構築に貢献しようとしているこの地震火山部会の取組と合致するところでございます。したがって、ここでの議論というのはこの科学技術基本計画にも大きく関わってくるという意識を持ちつつ、この地震火山観測研究計画をよりよいものにしていくために、活発な御議論をよろしくお願いいたします。

[議題2.議事運営等について]

「科学技術・学術審議会測地学分科会運営規則」及び「科学技術・学術審議会測地学分科会の公開の手続きについて」の改正について事務局から報告された。
地震火山観測研究計画部会に調査審議を付託する事項について事務局から報告された。


〔以降、会議を公開。傍聴者入室〕
 

[議題3.今後の調査審議等について]

【小原部会長】それでは、議題3、今後の調査審議等について入っていきたいと思います。  まず、事務局から資料の御説明をお願いいたします。

【上山地震火山専門官】事務局の上山でございます。  
ただいま画面に映っております資料3-1が第11期科学技術・学術審議会測地学分科会の構成でございまして、前期と同様の構成となっております。親の測地学分科会の下に地震火山観測研究計画部会と火山研究推進委員会がぶら下がっているといった構成になっております。  
では、今期の調査審議事項、第44回測地学分科会で審議される内容についてこの後御説明いたしますけれども、御説明に先立ちまして、留意いただきたい内容として、第6期科学技術・イノベーション基本計画について説明させていただければと思います。  
こちらが科学技術・イノベーション基本計画の第6期の計画の概要でございます。詳細についての説明は割愛いたしますが、もし全文を御覧いただきたい方は、こちらのほうにURLも載せてございますので、適宜参照いただきながらお聞きいただければと思います。  
こちらの基本計画につきましては、5月18日開催の第44回測地学分科会のほうで御議論いただきまして、今期、測地学分科会で審議いただくに際して留意すべき事項についていろいろ御意見をいただいておりますので、こちらの参考資料2-2のほうに、いただいた御意見について事務局のほうで取りまとめたものを共有させていただいております。  
ポイントの一つ目、総合知の活用による社会実装ということで、こちらは建議でもこれまでずっと取り組んできたことではございますけれども、やはりイノベーション基本計画のほうでも重視されている内容でございますので、そちらについてしっかり取り組んでいく必要があるといった御意見をいただいております。  
また、激甚化する自然災害への対応についても基本計画で触れられておりまして、もちろん災害の軽減に貢献するといったことが建議の重要な観点になってございますので、こちらも重要なポイントとして御認識いただければと思います。  
続いて、最先端ICTを活用したレジリエンスの強化といった内容も基本計画に盛り込まれてございます。こちらに関しては、特にいただいた御意見の中では、個々の研究にAI技術やデータの扱いの技術の導入などを研究者自らが行わなければいけない状況であるため、研究の現場にも情報関係の専門家が入ってくれるとありがたいといったものがございますので、共有させていただきます。  
続いて、観測体制の強化と研究施設の整備についても御意見をいただいております。災害時に観測網自体が被害を受けることもございますので、そういった観測体制の強化が必要という御意見をいただいております。  
続いて、分野横断的な研究開発の推進といったことについても基本計画に盛り込まれているところでございます。  
続いて、災害対応のDX化と安全・安心で信頼できるデータプラットフォームの活用について、やはりこういった御時世ですので、建議の分野でもこのような内容を推進していく必要があろうかと思います。このことに関する御意見もいただいておりますので御参照いただければと思います。  
続いて、情報共有システムに係る研究基盤の構築についても委員の方から御意見をいただいております。  
続いて、産学官による連携体制の構築についても御意見をいただきましたが、建議の観点からも、学問的な面からも、新しいアイデアを見つけるのに非常に役立つといった御意見でございました。  
続いて、基礎研究力の一層強化という論点でございます。こちらは、建議のほうは学術研究ということで基礎研究が基本になる一方、実用的な成果も当然、災害軽減ということで求められておりますが、やはり基礎研究に関して伸び伸びと発展できるような環境をつくっていくということが重要という御意見をいただいております。  
また、その他、基本計画の全体に係る意見としまして、基本計画では色々な言葉が使われておりますけれども、そのような言葉に捉われ過ぎずに実態に即したレビューを行っていくべきという御意見をいただいております。  
以上が測地学分科会でいただいた基本計画に関する意見でございまして、今後、レビューについて議論いただく際にはこの辺りを押さえて議論いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。  
続いて資料3-2を御覧いただければと思います。  
こちらが第11期の測地学分科会の主な調査審議事項についてということで、こちらも第44回測地学分科会で審議された内容になります。このうち上のポツが部会で審議いただく内容になります。  
1ポツ目が定例の議題である建議の進捗管理ということで、こちらは当然しっかりやっていく必要がございます。2ポツ目が、特に今年度の中心となります現建議のレビュー報告書の取りまとめとなります。3ポツ目、これは来年度に議論いただくことになりますけれども、レビュー報告書及び外部評価の報告書を踏まえまして、次期建議案を検討することとなっております。特に第11期におきましてはこの2ポツ目、3ポツ目が重要になってまいりますので、どうぞ御承知おきいただければと思います。  
この部会を進める上でのレビューの進め方として、レビューの検討体制についても測地学分科会で審議いただいております。現建議のレビューにつきましては、地震火山観測研究計画部会のほうで主に検討していただき、測地学分科会に諮るという進め方をしたいと考えております。  
御記憶の方もいらっしゃるかと思いますけれども、前建議のレビューの際は部会の下に委員会を設置して検討いただきましたが、今期は審議会の運営事務の効率化といった観点から、部会で直接検討いただくという体制に変わっておりますので、御承知おきいただければと思います。  
また、レビュー取りまとめ委員の選定ということで、地震火山観測研究計画部会において、同部会委員のうち2名、地震学及び火山学を専門とする委員各1名ずつをレビュー取りまとめ委員に選定して、その取りまとめ委員を中心としてレビューに係る議論を行っていただくという体制についても分科会で承認いただいておりますので、御承知おきいただければと思います。  
また、御参考までに、参考資料3として、建議の検討スケジュールについても載せてございますので、参照していただければと思います。下の2ページ目に前建議のレビューのスケジュールを載せてございますけれども、注意いただきたい点として、委員委嘱のタイミングがちょうど1年ずれたため、今回、レビューの検討に使える期間が前回よりも短くなってございます。その観点からいろいろ進行のほうも工夫したいと思いますので、御協力いただければと思います。まず今年度におきましては、こちらのレビューのほうを実施していただくこととなります。事務局としましては、2月には測地学分科会で報告書を承認いただくようなスケジュールで考えておりますので、皆様よろしくお願いいたします。  
続いても参考資料になりますけれども、こちらは今年度の共同利用・共同研究に係る予算の説明資料でございます。  
全体で403億円でございますけれども、そのうち建議計画に係る予算は共同利用・共同研究拠点の強化等69億円の内数となってございます。さらにその69億円のうち61億5,000万円がプロジェクト経費でございまして、その内数が御案内とおり建議計画の予算でございますので、御参考までに御紹介いたします。  
なお、建議計画予算については、今年度は3億7,100万円となってございますので、併せて御承知おきいただければと思います。  
長くなりましたが、事務局からの説明は以上でございます。

【小原部会長】御説明ありがとうございました。  
ただいま大きく分けて三つの事項について御説明いただいたわけですけれども、1点目は科学技術・イノベーション基本計画に対する測地学分科会の意見ということで、2番目については測地学分科会の今期の主な調査・審議事項ということでございますけれども、ここには基本的にこの部会で今期何をやるかということが書かれています。具体的には、今期第11期は災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画のレビュー報告を取りまとめるということと、それに基づいて外部評価を受け、次の建議を検討するということでございます。こちらについては、参考資料3の線表を見ていただくとよく分かると思いますけれども、第11期、今期、令和3年度でレビューを実施し、年度末に分科会で報告し、承認を受ける。それで、来年度になりましたら外部評価を受けて、その後、次期建議を作成する、そういうスケジュールになってございます。  
レビューについては、先ほども事務局から御説明がありましたように、特に次のページになりますけれども、前回は、この部会の下にレビュー委員会というものを設けて、そこでレビューの作成を行っていましたけれども、今期については、取りまとめ委員を置いて、さらに地震・火山噴火予知研究協議会(以下「予知協」という)のほうに協力をいただきながらレビューを作成していただき、この部会でそれを直接審議するという形を取ることになっているということでございます。  
あと、3番目は、共同利用・共同研究拠点関係施策ということで、その予算に関する御説明がありました。  
特に2番目のところが重要になってきますが、レビューについてはもちろんこの後具体的な意見交換を進めていきたいと思いますけれども、まずはこれまでの段階で何か御質問等はございますか。  
御質問がある場合については、「反応」というアイコンをクリックすると「挙手」というところが出てくるので、それをクリックしていただくか、あるいは直接、ミュートを外して御発言いただいても構いません。

【上山地震火山専門官】事務局からWebexの機能について補足いたします。  
画面下側の人の顔のアイコンが「参考」のアイコンになってございます。また、「参加者一覧」の御自身の名前のところにマウスカーソルを合わせていただいますと手のひらのアイコンが出ます。そちらをクリックいただいても挙手いただくことができますので、ぜひ御活用いただければと思います。

【小原部会長】特に御質問等はございませんでしょうか。

(「なし」の声あり)

【小原部会長】では、レビューについてはもちろん関連した事項がこの後も出てきますので、何かございましたらそちらで御発言をお願いいたします。  
では、第11期の地震火山観測研究計画部会については、この資料3-2の具体的な取組事項に沿って審議をしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

[議題4. 地震火山観測研究における令和2年度年次基礎データ調査結果について]

【小原部会長】それでは、議題4に移りたいと思います。  
議題4は、地震火山観測研究における令和2年度年次基礎データ調査結果について。  
では、事務局から御説明をお願いいたします。

【上山地震火山専門官】事務局上山でございます。  
資料4について御説明申し上げます。  
こちらは、皆様御案内のとおり、毎年、事務局のほうで各建議実施機関から取りまとめた情報を集計して御報告さしあげているものでございます。また、先ほどの議題でもございましたとおり、こちらは定例の議題でございますので、部会への付託事項とされておりまして、部会で審議した結果を測地学分科会の議決とする事項になってございます。  
年次基礎データついては毎年同じ調査をやっておりまして、こちらのグラフは全て令和2年度の4月1日付のデータを追加してございますので、基本的には時点更新ということで御理解いただければと思います。  
なお、事前にメールでも共有させていただきましたが、グラフの表示の方法について、何点か改善してございますので、そこのところについてのみ簡単に御紹介させていただきます。  
まず1点目ですけれども、各機関における地震火山関連予算のところで、これまで各機関からいただいておりますデータにつきまして、地震、火山、地震・火山切り分け不能と三つに分けてデータをいただいておりましたが、こちらのグラフには反映しておりませんでした。この点について、せっかくいただいたデータでございますので、グラフ上でも分かるようにしたところでございます。  
2点目でございます。こちらの地震火山観測研究者数等のグラフにつきまして、こちらも国立大学以外の政府機関や国立研究開発法人等のグラフにおきましては、地震、火山、切り分け不能といった区別をこれまでデータでいただいていたにもかかわらずグラフ上には反映させておりませんでしたので、こちらも反映させていただいたという修正でございます。  
なお、御案内の方もいらっしゃるかと思いますけれども、前建議の5か年に関してはデータ集計の時点で区別をしていなかったということで、こちらは全て切り分け不能という整理になってございますので御承知おき願います。  
最後の修正点でございますけれども、関連分野の研究者の分野別内訳というこちらの下のグラフ、これは平成28年度から始めた新しい統計でございますので、これまで直近の年度の内訳のみ表示させておりましたが、5年目に入りまして推移が見えるようになってまいりましたので、このような年度ごとのグラフに変更いたしました。こちらもグラフの改善ということになりますので、御承知おきいただければと思います。  
以上、全体としては、これまでどおり、全体の予算のグラフ、そして政府機関、国立研究開発法人、国立大学それぞれの予算のグラフというところと、全体の地震火山研究者数のグラフ及び政府機関、国立研究開発法人、そして大学の研究者数についてのグラフとなってございます。  
こちらからの説明は以上でございます。

【小原部会長】御説明ありがとうございました。  
では、ただいま御説明いただいた内容につきまして、なかなか大量な資料なのでよくよく見ると興味深いところが結構たくさんあるようにも思いますが、何か御質問、コメント等はございますか。  
では、私から一つ。研究者総数、2-1になりますか、そこで令和1年度が前年度よりステップ的に増えている、これは新しい建議が始まって参加機関が増えたということを反映されているのでしょうか。

【上山地震火山専門官】はい、そうなります。上の注意事項にもございますとおり、平成31年度より、ということで増えた機関を記載してございます。こちらの調査の対象が建議の実施機関ということになりますので、こちらの機関の職員の数だけ純増したという形になります。

【小原部会長】ありがとうございました。  
委員の皆様のほうで何か御質問、コメント等はございますか。

(「なし」の声あり)

【小原部会長】では、特になければ、これをもって承認いただくということにさせていただきたいと思いますけれども、何か御異議のある方は挙手をお願いします。

(「異議なし」の声あり)

【小原部会長】では、御異議なしということで、承認いただいたものとさせていただきます。ありがとうございました

[議題5. 「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画(第2次)」の課題別計画の修正について]

【小原部会長】では、次は議題5、災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画(第2次)の課題別計画の修正ですね。  
では、事務局から説明をお願いいたします。

【上山地震火山専門官】事務局上山でございます。  
資料5について説明さしあげます。  
こちらも毎年御報告させていただいている事項でございまして、先ほどの付託事項のうちの一つでございます。  
こちらにつきましては、昨年9月3日の地震火山観測研究部会における報告以降に変更、修正の報告があったものを取りまとめたものとなっております。ほとんどが人事異動等に伴う形式的な修正となってございますので、これで特段、内容に問題はないかと考えているところでございます。  
なお、一部機関については記載漏れの項目について新たに記載いただいているということもございます。こちらGSI-01とGSI-11について、これまで記載がなかったところを追記したという形になりますので、そこだけ御承知おきいただければと思います。  
こちらからは以上でございます。  
なお、皆様におかれましても、特に人の異動等に伴う連絡先や担当者の変更等がございましたら随時、地震火山観測研究計画部会の事務局及び予知協の事務局のほうに御報告いただけますと幸いでございます。よろしくお願いいたします。

【小原部会長】御説明ありがとうございました。  
では、記載漏れがあったということと、あとは、研究担当者の異動ということで、基本的には全て事務的な修正ということになりますけれども、こちらの課題別計画の修正について、御承認いただけますでしょうか。御異議のある方はいらっしゃいますでしょうか。あるいは何か御意見、コメント等はございますか。

(「異議なし」の声あり)

【小原部会長】では、特段異議がないということで、こちらについても御承認いただいたものとさせていただきます。ありがとうございました。

[議題6.「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画(第2次)」のレビュー報告書の作成について

【小原部会長】では、今日最後の議題ということになりますけれども、「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画(第2次)」のレビュー報告書の作成についてということになります。  
これまでも御説明させていただいていますように、今年度は現行の地震火山観測研究計画部会のレビュー、自己点検を行うということになってございますので、このレビュー報告書の作成方針について、事務局から説明をお願いいたします。

【上山地震火山専門官】事務局上山でございます。  
資料6-1について説明させていただきます。  
こちらの作成方針については、前建議のレビューの際の作成方針を基に事務局のほうで作成した案でございますので、この後修正意見等をいただければと思います。  
まず、1ポツの目的でございます。こちらは基本的に前回のレビューの目的を踏襲したものになってございます。総括的自己点検を行うことを目的に、レビュー報告書を作成するということになっております。  
背景として、皆様御案内かと思いますけれども、先ほどもお見せしたとおり、まず、地震火山観測研究計画部会でレビュー報告書を取りまとめて、その後、外部評価委員会を開催いたしまして、この外部評価委員会でレビュー報告書を基に外部評価を行っていただきます。さらに、この外部評価でいただいたコメントを踏まえまして次期建議を検討するという形になりますので、まさにこのレビュー報告書で次期建議に向けてどういった改善点が必要かといった内容を明記することで今後の次期建議検討の方向性が決まることになります。この点を踏まえて、ぜひ皆様には活発な御議論をいただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  
続いて、報告書名でございます。報告書名につきましても前回を踏襲し、第2次計画の実施状況等のレビュー報告書という名前で取りまとめたいと考えております。  
続いて、取りまとめの対象期間でございます。これまでレビューの対象期間は前回のレビューの取りまとめ対象期間より後の期間という定性的な書き方をしておりましたが、それだと各種の資料を取りまとめる際に時期が確定せずに実務上、少し混乱があるかと考えましたので、平成28年6月から令和3年6月までという形で対象期間を明記することにしたいと考えております。こちらは前回からの変更点でございますので、何か御意見がありましたらよろしくお願いいたします。  続いて、取りまとめ方法でございます。先ほどの資料でも説明いたしましたが、レビュー取りまとめ委員を選定するということになっております。事務局のほうで分科会長である小原委員と御相談させていただきまして、大湊臨時委員及び関口臨時委員のお二方を取りまとめ委員として選定して、御本人にも御承諾をいただいているところですので、この場をお借りしまして御報告申し上げます。  
その上で、この取りまとめ委員を中心として、予知協及び関係機関の協力を得て作成するという形となっております。前回はレビュー委員会のほうでかなり執筆をしていただきましたけれども、今回、御案内のとおり、審議の時間も短くなっておりますし、部会で審議するという形になりましたので、執筆の作業については予知協のほうに大部分をお願いするという方針で予知協の方とも相談させていただいているところでございますので、御承知おきいただければと思います。  
続いて、今後の作業スケジュールについて紹介させていただきます。まず、7月16日開催予定の第40回の部会ですけれども、こちらではこのレビュー報告書の作成方針について改めて取りまとめたいと思います。本日この作成方針について御審議いただきたいのですけれども、この後、予知協のほうでレビュー報告書の構成案について作成いただくということを考えてございます。第40回部会では、予知協のほうで作成いただいた構成案をこの作成方針に添付する形で改めて審議いただくということを予定してございます。  
機関別のほうは定例の議題でございますので割愛いたします。  
第41回ですけれども、こちらも定例の議題でございます。成果の概要の取りまとめについての御審議を毎年この時期にお願いしておりますので、今年度も第41回は成果の概要について議論いただくことについて御承知おきいただければと思います。  
本日の部会でこの作成方針について承諾いただきましたら、いよいよ予知協を中心として作業に入っていただきますので、その初稿が出てくるタイミングということで、9月下旬の第42回の部会でこの初稿について意見交換をしていただきます。また、この後、資料6-2で説明いたしますけど、参考資料についても本日の部会の後に各機関に依頼を出しまして、事務局のほうで取りまとめたものを第42回の部会で意見交換していただくということを考えておりますので、この2点について、9月下旬頃に実施するということで御承知おきいただければと思います。  
その後、来年の1月までをめどに2回程度、部会を開催いたしまして、レビュー報告書に係る意見交換を行いたいと思います。こちらの回数については、前回が5回程度ということで、今回も同じぐらいの回数を今想定しているところでございますが、もちろん議論の進捗によっては回数が変わる可能性もございますので、今は現時点の案ということで御承知おきいただければと思います。  
最後に、令和4年1月から2月頃に分科会と部会の合同会を開催いたしましてレビュー報告書の取りまとめを行うという予定でございます。御審議いただいた後に事務局のほうで公表するといった段取りを考えてございます。  
以上がレビュー報告書の作業スケジュールになります。  
続いて、実際にレビュー報告書の内容を検討いただく際の検討内容です。こちらも基本的には前回の検討内容を踏襲してございます。まず、「近年発生した地震及び火山現象に関する重要な観測研究」という章を設けるということで、重要なイベントについてはやはり章立てして、そこでその内容について書いていただくことを考えてございます。そして、現計画の実施状況と今後への課題については、建議の項目ごとに実施状況、成果を報告して、今後の展望を記述するといったことを記載いたします。  
後先になりましたが、参考資料7に前回のレビュー報告書の目次を載せておりますので、今説明している項目の該当箇所について適宜参照していただければと思います。  
続いて、「総括的評価」の章については今回も設けることを考えております。こちらが一番重要な章でございまして、本計画における研究の進捗状況を総合的及び項目別に評価して、次期計画の策定における資料とするものです。また、計画推進のための体制整備についても同じく評価して、問題点について整理いたします。ここで記載された内容が今後の議論の方向性を決定しますので、本日もこの後、特にここに記載すべき論点について御議論いただければと思います。なお、前回のレビュー報告書で言うと第6章「総括的評価」の章になります。  
4ポツ目ですけども、こちらは「地震火山観測研究計画の変更について」という章を前回設けてございました。前回は東北地方太平洋沖地震等を受けまして「災害の軽減に貢献するため」という点をまえ建議の構成が大きく変わったためにこの章を設けたのですが、今回のレビューにおきましては第2次建議の報告書ということになりますので、基本的には第1次の前建議を踏襲した内容の建議になっています。以上を踏まえるとこの章については不要と考えられますので、事務局のほうからは、この「地震火山観測研究計画の変更について」の章は今回は割愛するということを提案させていただきます。  
続いて、米印以降につきましては、近年発生した地震による火山噴火の事例について、事務局のほうで主立ったものをピックアップしてございますので、本日の議論の参考にしていただければとは思います。  
続いて、作成方針でございます。こちらも基本的には第2次計画のレビューということですので、前回の作成方針をほぼ踏襲したものになってございます。  
1ポツ目については、特に現計画でリテラシー向上に係る部分、社会科学の部分が強化されてございますので、こういった旧来の地震学・火山学とそれ以外の分野との連携等が災害の軽減にどうつながっているかといった観点でレビュー報告書を作成いただければと考えているところです。  
2ポツ目ですけれども、こちらも基本的には前計画の方向性を継承したということで、引き続き地震・火山を中核として、理学、工学、人文・社会科学などの分野と連携して計画を推進するというこの方向性について、特に分野横断的な協働がどれだけ効果的に進んでいるか、及びその観点に関する問題点等を中心に報告書に取りまとめるといった方針で進めていきたいと考えておるところでございます。なので、この点についても御意見がありましたらよろしくお願いします。  
その他は、補足資料として、用語集、概要、要旨、付属資料について、今回の報告書でも同様に作成する予定にしてございます。  また、参考資料については、この後説明いたしますけれども、基本的には予算、定員、観測点、論文数等、前回と同様の内容で作成するということを考えております。  
作成方針の説明については以上であります。  
なお、この作成方針の下のほうに、参考として、これまでのレビューで取り上げられた地震及び火山噴火の事例と研究成果について、どのようなイベントについて取り上げられたかといったのを載せてございますので、本日の議論の参考にしていただければと思います。また、特に海外のイベントに関しましては事務局のほうでは事例として挙げておりませんので、何か御意見がありましたら、いただけますと幸甚でございます。  
また、参考資料8としまして、現行計画のポンチ絵1枚紙を用意してございますので、現行計画をおさらいするという意味で適宜、参照いただければと思います。よろしくお願いいたします。  
続いて、資料6-2でございます。  
こちらは参考資料の一覧でございます。基本的には前回と同じ内容で考えております。  
なお、気象庁に作成いただく山ごとの火山噴火予知連絡会の活動経過の資料につきましては、このレビュー報告書に載せる火山噴火事例を基本とするものと考えて、該当する山について火山噴火予知連絡会の活動経過を参考資料に載せるという整理をしてございます。それに関しまして、まず、どういった地震・火山噴火事例を取り上げるかといった方針について、御意見をいただければと思います。  
また、今回、事務局のほうで提案させていただく新たな参考資料として、アウトリーチ活動について、各機関の取組を御報告いただきたいと考えているところでございますので、こちらについても御意見をいただければと思います。  
以上が本日審議いただきたい資料6-1と6-2の説明になります。  
なお、参考資料として、資料7、8のほかにレビュー調査資料についても載せておりますので、御参照いただきますようお願いいたします。こちらは、前建議のレビューの際はまず調査資料の内容について部会なりその下の委員会なりで審議いただいてから調査の依頼をかけましたけれども、今回は、先ほど御説明さしあげたとおり委員委嘱のタイミングの関係で作業時間がかなり逼迫しているということで、事務局と小原分科会長のほうで事前に相談の上、分科会長決定という形で依頼をかけさせていただきました。調査資料自体は、締切りは6月末日ですので、各機関からは随時回答が集まっているところでございます。委員の皆様の各所属機関におかれましても資料作成に御協力いただきましたことを、この場をお借りしてお礼を申し上げます。どうもありがとうございます。  
こちらの調査資料の内容ですけれども、こちらも基本的には前回と同様の内容で依頼をさせていただきました。  
まず、フォーマット1として、毎年予知協の成果管理システムに登録いただいている各課題の成果について、直近の成果を加筆する形で登録いただきます。こちらは成果管理システムに各課題担当者の皆様が入力いただいているものと承知してございます。  
フォーマット2とフォーマット3に関しては、事務局のほうで今、取りまとめを行っているところでございます。建議の主要な5項目のうち、研究を推進するための体制の整備について、課題別ではなくて機関ごとにどのような取組を行っていただいているかをフォーマット2に記入のうえ提出いただいているものでございます。  
続いて、フォーマット3でございます。こちらは平成28年から令和3年に発行された各課題に関連する論文・報告書について御報告いただくフォーマットになってございます。そのうち特に重要な論文については概要を記載いただいてございます。  
具体のフォーマットの内容につきましては資料6-2から6-4までに載せてございますので、適宜、御参照をお願いいたします。  
この場では基本的に事務局からの報告とさせていただきますけれども、もしほかに調査すべき内容等がございましたら、今この場で御意見をいただきましたら追加の調査も行いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  
事務局からは以上でございます。

【小原部会長】御説明ありがとうございました。  
今、最後に説明いただいたレビューの調査資料については、先ほどの説明のとおりですけれども、本来であれば部会でその調査資料の内容やフォーマット等を審議するということになっているわけですけれども、今回については、委員委嘱のタイミングの問題で時間があまりにもないということで、ここで遅れると今後のレビューの取りまとめのほうにもかなり影響が出てしまうということで、私と事務局のほうで相談して、レビューの調査のほうは先に進めさせていただいているというところで、明日が締切りということで、各関係機関、関係者のほうには今、この調査資料の作成に当たっていただいていると思いますけれども、その点、御承知おきいただければと思います。  
では、先ほど、特に資料6-1について、レビューの進め方、レビュー報告書の作成方針についてということで御説明をいただきました。ここで特に議論しなければいけない内容は、6ポツの検討内容、それからその後の7ポツの作成方針、この辺りに時間をかけて議論をしたいと思いますけれども、まず、レビュー報告書の作成方針についてというアウトライン、特にスケジュールであるとかその取りまとめ方法ですが、今回、取りまとめ委員として大湊臨時委員と関口臨時委員には多忙なところ、レビュー取りまとめに御協力いただけるということで、大変感謝しております。さらに、予知協及び関係機関の協力を得て作成するという形で進めさせていただきたいということでございまして、今後の作業スケジュールについても、まず次回、来月の中旬、16日になりますけれども、このときにレビュー報告書の構成案を作成いただいて、それをこの部会で議論するという形で進めるというふうに考えてございますけれども、まず、レビュー報告書の作成方針のアウトラインについて、何か御意見、御質問、コメント等がございましたら、御発言あるいは挙手をお願いいたします。  
松島委員、どうぞ。

【松島委員】ありがとうございます。  
一つ確認させていただきたいのですけども、この取りまとめ対象期間が研究計画の期間と合っていないのですけども、これはどういう根拠でしょうか。

【小原部会長】事務局、お願いします。

【上山地震火山専門官】取りまとめ対象期間ですけれども、毎回、取りまとめは建議計画の3年目に実施しますので、現建議だけ対象としてしまいますと前回のレビュー取りまとめ以降、つまり前建議の3年目、4年目、5年目の内容がレビューに反映できなくなってしまいます。建議計画の成果の半分がレビューの対象外になってしまうことはさすがにまずいだろうということで、これは毎回同様の整理ですけれども、前建議の取りまとめ対象期間である平成28年の6月頃以降の期間を今回も対象とするということです。

【松島委員】でも、これは第2次のレビュー報告書ということではないのですか。

【上山地震火山専門官】もちろん第2次のレビューが中心にはなるのですけれども、これまでの建議はずっと長年にわたって続いている計画ですので、当然、前建議を踏襲する課題もございます。そういった内容も対象としながら、今後の改善点を議論していただくための報告書にするということなので、この現行建議だけを評価するというよりは前建議の内容も含めて次期建議に向けた改善点を議論していただくのが適切ではないかと考えているところです。

【松島委員】あまり説明になっていませんけど、分かりました。

【小原部会長】基本は、今の建議の項目に沿ってレビューするということですよね。その中で前建議が関係している部分、前建議から継続している部分については、前建議で行われたその部分の成果も踏まえて今の建議としてレビューを行うという理解でよろしいでしょうか。

【上山地震火山専門官】もちろん現行建議のレビューが中心になるというところで問題はございません。

【小原部会長】これはもっと内容を御存じの方がいらっしゃれば補足説明をお願いしたいのですが。

【加藤科学官】では、科学官の加藤ですけども、発言させていただきます。  
今、事務局がおっしゃったのと大体同じですけれども、この計画は5年計画で途切れなく継続していくことが非常に重要です。というのは、この計画はプロジェクト的な面もありますけども、地震や火山の基礎的な研究を継続的に実施することで地震、火山の研究の基礎力を持続的に発展させて、それが災害軽減に結びつくということを目的に行っているものですので、途切れなく実施していくことが重要と思います。そうすると、5年間の計画が終わってからレビューして次期計画を考えていたら間に合わないわけで、次の計画を考えるぎりぎりの期間というのがこの時期ということになります。  
とういことで、レビューの対象期間というのは今の計画だけじゃなく前の計画も含めますけども、一番重要なのは今の計画、第2次の計画がいい方向に進んでいるかどうか、その方針が正しいかどうかを自己点検する、外部評価していただくということが重要と思っています。  
以上です。

【小原部会長】ありがとうございます。  
松島委員、よろしいでしょうか。

【松島委員】はい、状況は理解いたしましたが、何となくタイトルと合っていないので、それだとするともう少し違った名称が本来は適切なのではないかとは思います。実情は合っているのですが、こういう名称でこういう期間だというのは何となく違和感があるので改めて伺ったというまでですが、実態としては、今の進捗が良いかどうかということを確認するため、自己点検をするためのものだということがもう少し分かるような名称であるとより分かりやすいのではないかなと思います。  
ありがとうございました。

【小原部会長】そうすると、もっと分かりやすい名称ということで、何かいい案があったらぜひ御提案いただきたいと思いますが、事務局のほうでも少し検討をお願いいたしたいと思います。

【松島委員】すみません、今すぐというわけではないのですが、もし検討する時期があれば、例えば5年後ということになるかもしれませんが、少し御検討いただければと思います。

【小原部会長】そうですね、今いただいたような御意見は当然、ほかの皆さんも感じるところがあると思いますので、今後に向けて検討の材料としたいと思います。ありがとうございました。  
ほかにこのレビュー報告書の作成方針、そのアウトラインについて何か御意見、御質問、コメント等はございますか。 よろしいですか。

(「なし」の声あり)

【小原部会長】そうしたら、少し中身のほうに入っていきたいと思いますけれども、今回、まず検討内容ということで、事務局としてこのように考えるということを6ポツのところで御説明いただいています。これと、あとは、参考資料7に5年前に行ったレビュー報告書の目次といいますか、構成内容が書かれています。  
それで、基本的には5年前のこのレビュー報告書の目次に沿った形、今回もこれが一つのベースになるということではありますが、その中で幾つか変更をしなければいけないという点があって、まずは、今ちょうどハイライトがかかっているローマ数字3のところ、「地震火山観測研究計画の変更について」ということで、前回は東北地方太平洋沖地震の発生を受けて、その前の計画から見直したということで、そのことについての記載があったものは今回については不要ではないかということ。  
それから、その次の4番、「重要な地震・火山現象と拠点間連携共同研究」というタイトルになっていますけれども、こちらを、先ほどの6ポツで言うと最初の丸になりますか、「近年発生した地震および火山現象に関する重要な観測研究」の章として、ここで拠点間連携共同研究をどういう取扱いにするかというのも一つ、検討のポイントになってくると思います。前回の5年前のレビュー報告書で言うと、近年発生した重要な地震・火山現象のほかに、2ポツで「優先度の高い……」、これは総合的な取組とか総合的研究として取り上げた地震・火山現象ということになりますので、それの取扱いもどうするかというところは一つ、検討をする必要があると。もちろん拠点間連携共同研究のレビューの中での位置づけをどうするかというのも検討の必要があるということでございます。  
それから、その次の5は、基本的にそのときの建議の章立てに沿った成果を取りまとめたということになりますので、これはほぼ機械的にこのような形で今回もそのレビューを行うということになろうかと思います。もちろんその内容についてもこれから議論したいと思います。  
それで、その次のページに行って、「6.総括的評価」が、前回の小見出しとしては、現行計画策定までの経過、現計画の成果と課題、計画推進体制の強化、現計画の総括的評価と今後の展望、最後にまとめということで、特にこの4ポツの総括的評価のところで、この計画についてまずはきちっと自己点検、総括的に評価を行って、それを基に、今後どのように地震火山観測研究計画を進めるべきか、その将来展望をここで述べるということになっています。ですので、将来展望がまさに次の建議の骨子、基本的な考え方になるということでこの5年前のレビューは構成されているということになります。  
したがって、これから作成するレビューについても、この総括的評価という項目をきちっと載せて、そこで今の計画をきちっとレビューし、自己点検し、その上に立って、今後どうするべきか、というところを記載するというのが非常にベーシックな考え方になっています。なので、その辺りについて、今期はこの総括的評価に何を記載すべきか、あるいは具体的にこういう成果を記載して、今後の展望としてこういうことも記載すべきではないかとかという意見がありましたら、この場でぜひ挙げていただきたいということでございます。  
それで、あとは、資料6-1のほうにもう一回戻っていただいて、細かい内容になりますけれども、近年発生した地震及び火山噴火の事例ということで、既に事務局からメールでも御案内していますように、この5年間の中で取り上げるべき地震・火山噴火はこういうものだろうということで、地震については6地震、それから火山噴火については4火山噴火を取り上げさせていただいていますので、こちらについてももし何か御意見等がございましたら上げていただきたいと思います。  
それで、その次の7ポツのところで作成方針が記載されているわけですけれども、現計画については、その前の計画からの大きな変更として、そこにある人文・社会科学との融合研究的な部分が防災リテラシー向上のための研究で、災害の軽減にどのようにつながるかということで今の計画を進めているところでございますので、そういう観点がこのレビュー作成のある意味、一つの重要なポイントになってくるのかなということでございます。  
その次の丸では、今の研究計画の方向性をそのまま継承しつつも、さらに、理学だけではなくて、工学、人文・社会科学などの分野の研究者と協働して計画を進めていくという形で今も進めていますので、その分野横断的な協働による効果がどれくらい上がったのか、今、問題点がどういうところにあって、ではそれを今後どのように解決していくべきかという点も一つ、作成方針として考えているところでございます。  
今後、レビュー報告書を取りまとめるに当たって、まずは、全体の目次構成もそうですし、あとは、個別の拠点間連携共同研究の取扱い、さらに、どのような視点で総括的評価をまとめるべきか、というところについて、ぜひ皆様の御意見をお伺いしたいということでございます。  
大体よろしいでしょうかね。  
ここからはフリーディスカッションという形にしたいと思いますので、皆様、御発言のある方はどんどん挙手をいただいて、それで発言してください。  
はい、どうぞ。お願いします。

【大湊委員】まず、今の重要な地震・火山現象ということですけれども、一つ前の建議の目次と、あと、そのときに新しく入ったものとして優先度の高い地震・火山噴火に対する総合的な取組、あるいは拠点間連携共同研究というのが取り上げられていたのですけれども、今の建議のほうになると、総合的な取組というほうは研究を推進するための体制の整備の中に分野横断で取り組むための体制ということが新しくできて、その中に南海トラフ沿いの巨大地震から高リスク小規模火山噴火まで5個書き込まれているわけなので、ここはそれに対応したような書き方の変化というのが必要かなと思います。  
それから、拠点間連携共同研究は重要な取組で、それは前回新しく入ったということでここに特別に項目をつくって評価されていたと思うのですけれども、今となってはあって当たり前になってしまってなくてはならない仕組みではあるけれども、現建議で新しいかと言われるとそうではないので、今の建議の目次には明示的には出ていないですよね。仕組みの体制の中の連携強化とか、恐らくその中に書き込まれているかと思いますので、そういう位置づけになっていることを踏まえて、前回のレビューとはやはり書き方の位置づけは変わってくるのかなと考えています。内容的にどういう書き方をするかはまだこれから検討する必要がありますけども、少なくともそこに関しては前回と変わってくるのであろうと思っています。

【小原部会長】ありがとうございます。その点については、大湊委員がおっしゃるとおりだと思います。  
ただ、かなり重要な事項ではあるので、総括的評価の中でまた幾つか小見出しをつけて、拠点間連携共同研究であるとか、それから分野横断型の総合的研究については何か取り上げるような形になりますでしょうか。これはもちろんこれから検討するということになろうかと思いますけれども、大湊委員のほうで今、例えばどのようにお考えでしょうか。

【大湊委員】書いた内容を見ると大体同じようなことが書いてありますけれども、目次に現われるかどうかというのはやっぱり非常に重要で、多分、今のように目次から落ちてしまうと、ぱっと見たときに重要度が落ちたのではないか、あるいはある程度目次に現われるとこれは重要であるように見えますので、やっぱりこの計画全体として何を我々は重要だと思うかというのもこの目次の取上げ方に効いてくるので、そういう意味では、拠点間連携共同研究というのは重要だけど、どの形で取り上げるのがいいのか、総合的研究もそうですね、そこが今、具体例というものはありませんけれども、その辺りを勘案しながら考えていきたいと思っています。

【小原部会長】そうですね。その辺りがやはりいろいろ意見があるところかと思います。特に総合的研究については、先ほど建議のポンチ絵もありましたけれども、分野横断ということで矢印が二つの方向から向いているとかということもあって、この建議の中でもそれなりに重要なポイントになっているのかなとは思いますので、確かに建議の項目立てとしては下のほうにあるかもしれませんけれども、レビューとしての取扱いをどうするかというのはちょっと議論の余地があるのかなと思います。

【大湊委員】さらに付け加えますと、この総合的な研究が今ここの画面で五つ出ていますけれども、それぞれ進捗に差があって、5個を並列に目次として取り上げてしまうとある程度同じような分量、内容で書かないと具合が悪いのですけれども、たくさん成果を書けるものもあれば、これからどうするか方向性を示すことを主目的とした研究もありますので、これを1個1個、目次に出すのが本当にいいのかどうか、その辺もちょっと検討する必要があるかと思います。

【小原部会長】そうですね。当然、それぞれの進捗状況は違っていると思いますので、もちろんかなり進んでいる部分についてはそれを強調して記載し、そうじゃない部分についてはそれこそ今後に期待するとかという形になろうかと思いますけれども、ではその辺りも含めて御検討いただければと思います。  
ちょっと指名させていただいて、松島委員、拠点間連携共同研究についてはどのようにお考えでしょうか、このレビューの取上げ方という意味で。

【松島委員】それはなかなか、いろんなところに関連していると言えば関連しているので。でも、総合的な研究と並列というか、同じような位置づけで入れておくのがいいのではないかとは思いますけども、それは研究の内容という意味で多分、総合的な研究というのがある一方で、拠点間連携共同研究というのはそれこそ地震研と防災研でそれぞれの共同利用・共同研究拠点がそれについて研究を進めるというもう一つの切り口がありますので、そういう意味では、研究内容というだけではなくて、それを遂行するための組織体というか、機関というか、集まりとして記載するというのがいいのではないかとは思いますけども。  
かといって、どこにどのように入れるのがいいかというとちょっとすぐには思い浮かばないというか、適切なところはここですと考えていなかったので申し訳ありませんけれども、そういう形で項目として入れるのがよい……今、大湊委員からもあったように、重要なというところで別枠として扱うというよりも、定常的な研究とその仕組みということがありますので、章としては前回のレビューとは異なるところで、ただし、拠点間連携共同研究としてやっているということは明示的にあったほうがいいのではないかとは思いますし、書くときにそれが項目としてあったほうが書きやすくなるのではないかとは思います。

【小原部会長】ありがとうございます。  
基本的に、体制整備という意味では非常に重要な取組ですので、そういう観点で当然、記載がされるであろうと。ただ、全体としてどういう目次構成になるかということについては、それこそ次の部会で構成案が示されますので、その際に改めてまた議論をさせていただくということで、まずは、今日はそのための最初の頭出し的な意見交換をさせていただきたいということです。ですので、詳細については7月16日の第40回部会でまた議論をさせていただきたいと思います。  
松島委員、どうもありがとうございます。  
ほかの皆さんで何か御意見等……、日野委員、お願いします。

【日野委員】日野です。  
今、少し目次の話が出て、前回のレビューの目次が参考として出されているわけですけれども、今回レビューを受ける計画はあくまでも第2次の成果についての建議で進めているものに対するものですから、一番はやっぱり基本に戻る必要があるだろうと思っています。  
それで、以前、6月1日ですか、事務局の上山さんからいただいたメールに現建議の参考資料としてURLを幾つか送っていただいているのですけれども、その中に本計画策定の基本的な考え方と計画の概要というのがあります。だから、基本的にはこれがどこまで進んでこれからどうなりますかということを書くのが今回のレビューだと思いますので、やっぱりこれを基本に、全体のレビューの目次を参考にしながら組み替えるというのがまず大事だろう思います。  
例えば今、議論になっていた問題でいえば、そうです、今画面を共有していただいているやつですけれども、この中で1の基本的な考え方の5ポツの体制の整備のところで拠点間連携というのが機能的に働いていて、その成果として、今度は下のほうですけど、分野横断で取り組む総合的研究というところでこういう成果が上がっていると相互にリンクを取り合うような形で成果を取り上げていただくというような格好で多分、レビューとしての式はつくれると思います。ほかにいろんな新しい成果がありますけれども、基本はこれがそういう意味では私たちに与えられた課題であり、これに対してどこまで応えることができましたかというのを念頭に置いてまとめていくべきだろうと思います。まずそれが一番に申し上げたかったことです。  
それから、もう一点。今度はちょっと別で、質問しながら話をさせていただきたいのですが、今日御説明いただいた参考資料2-2ですね。第6期科学技術・イノベーション基本計画に係る測地学分科会委員からの意見ということですから、これは私たちの部会の一つ上の先生方の上げられている意見ですけれども、この中にレビューで何をやれというのがある程度書いてありますね。  
例えば、ここの2ページ目で出ているレビューというのは多分、我々が今これからやろうと思っているレビューに対応していると思いますけれども、そうすると、2ページ目には、今回のレビューで融合がどこまで進んでいますかというのをちゃんとまとめなさいと。その次は、同様ですね、分離融合というのがどれだけできていますかというのをきちんとまとめなさいということがありますので、これはやっぱり避けて通れない重要な宿題だろうと思います。後ろのほうにも、例えば5ページ目のところで、ICTとかDXはさておいて、実態に即したレビューをやりなさいとか、こういうふうに随所に「レビュー」という言葉が出ていますので、質問は、このレビューは、私の理解のとおりで、今回やろうとしているレビューだという理解で正しいですか。

【小原部会長】そうです。

【日野委員】であれば、やっぱりこれは宿題だと思いますので、内容としてはこれを意識しながらまとめていく必要があるだろうということです。  
私からの意見は以上です。

【小原部会長】日野委員、どうもありがとうございました。  
まさに日野委員がおっしゃったように、これは測地学分科会において、レビューを念頭に置きながら、言ってみれば地震火山観測研究計画部会としてどのように科学技術・イノベーション基本計画に対応していくかということを議論した際の意見でございます。それで、もちろんこれ全てが分科会で完全に意見が一致しているというわけではなくて、個々の分科会委員の意見をある程度並列的に書いたものになりますので、これに全て対応していくのは結構大変だと思いますけれども、ただ、こういった意見が分科会で出ているということは十分認識していただいた上でレビューを取りまとめていただくのが重要かなと考えています。  
日野委員、どうもありがとうございます。  
大湊委員、どうぞ。

【大湊委員】要は、資料6-1の7、作成方針に二つ大きな項目が書かれていて、これを見ても二つ目に日野委員が指摘した部分がある程度含まれているので、完全に重なっているかどうかはあれですけれども、理工、人文・社会科学などの分野の研究者が参加し、協働してという、これをちゃんとやっています、進んでいますということが書き込めれば、先ほどのレビューに対して求められたことに、100点かどうかは分かりませんけど、ある程度応えることになるのかなと考えています。

【小原部会長】日野委員、どうぞ。

【日野委員】日野です。  
おっしゃるとおりですけれども、ここにたくさんいろんなことが書いてあってちょっと埋没してしまいそうですけれども、結構ここは重要ポイントだと捉えられているだろうから、見過ごすことなくしっかり書かないといけませんねというつもりでした。  
以上です。

【大湊委員】了解しました。

【小原部会長】最終的には、科学技術・学術審議会の総会が多分、来年の3月にあって、各分科会で科学技術・イノベーション基本計画に沿ってどのような活動を行っているかということを説明しなければいけないのですけれども、私としては、ここで測地学分科会としては地震火山観測研究計画のレビューをきちっと行っている、そのレビューの中で科学技術基本計画に沿ってこういうことを進めているということを説明したいということもありますので、そこは私のほうである程度翻訳するということはあろうかと思いますけれども、参考資料2-2で出てきた内容も踏まえてレビューを作成していただけると大変ありがたいと考えています。  
ごめんなさい、事務局のほうで手を挙げていましたね。

【上山地震火山専門官】事務局、上山でございます。  
御議論いただきありがとうございます。まさにこの作成方針は事務局の案として提案させていただいたものでございますので、もしこの7ポツの作成方針について、日野委員の御意見のように追加で盛り込むべき事項があるということでしたら、具体の修文内容等ももし御提案、御意見をいただけますと大変幸甚です。適宜反映させていただきますのでよろしくお願いいたします。

【小原部会長】今の件について、日野委員、何かお考えはありますか。

【日野委員】今既に書いていただいているもので、例えば、先ほど私が言った現計画の基本的な考え方に基づいてやるべきというようなことはもちろんある程度書いていただいていると思います。なんだけれども、こうやって文章にしてしまったりとか、それから前建議のレビューみたいに具体的な目次があったりするとややそっちに引っ張られるので、注意喚起というつもりで先ほど私は申し上げたわけで、この文言で何か過不足があるということは今、具体的には意見はありません。  
以上です。

【小原部会長】ありがとうございます。  
はい、どうぞ。

【大湊委員】やっぱり文章として書いておかないと忘れてしまってなかなか盛り込めない可能性が高いので、この作成方針の二つ目の文章に資料2-2の文言を幾つかイメージ的に埋め込むのがいいのかなと思います。  
ですから、例えばですけども、今見えている作成方針の2番目の丸の最後の辺りに、資料2-2の2番目、「レビューを行う際に、自然科学と人文・社会科学の融合がどこまで進んできて……」云々という、これを大体そのまま入れて、特にそういう観点を重視するみたいな文章をここに入れるといいのではないかと思います。

【上山地震火山専門官】大湊委員、すみません。今おっしゃっているのは、具体的に資料2の何ページ目のどこでしょうか。

【大湊委員】2-2の2ページですかね、先ほど日野委員のおっしゃったのは。 それの多分2番目、3番目の……。

【上山地震火山専門官】2ポツ目ですね。

【大湊委員】2ポツ目の文章がいいかなと思いますけども。

【上山地震火山専門官】はい、承知いたしました。

【大湊委員】これを先ほどの作成方針の文章になじむように少し修正して入れ込むのがいいのではないかと思います。その三つ目の文章も加えてもいいですけれども、ここまではかなり厳し過ぎるなという気はしますけれど。

【小原部会長】そうですね。三つ目については、社会科学と人文科学の融合がまだ課題になっているというところなので、これを具体的にレビューとして盛り込んでいくのはちょっと難しいかなという気はしているので。それは少し詳細な議論になってくるので。大湊委員がおっしゃるように、その2ポツ目のところを先ほどの作成方針の中に取り込むのはいいと思います。  
ありがとうございます。  
ほかに御意見あるいは御質問等はございますか。  
はい、どうぞ、石川委員。

【石川委員】今の話でちょっとよく分からなかったのですけども、科学技術・イノベーション基本計画と我々の計画のレビューというのはどういう関係があるのでしょうか。そもそも建議をつくるときにこういう基本計画は特に意識していないでつくっていると思いますけれども、それに対してレビューを進めるに当たって、この基本計画に盛り込まれているようなことを観点にレビューを行うというところに、少し違和感がありますけれどもその辺りの関係はどうなっているのかというのを。

【小原部会長】これはどうしますか。  
少なくとも、始まりは無関係という言い方はあれですね、地震火山観測研究計画はそれこそ意識せずに長年にわたって、もちろんその都度、方針、内容を変更しながら進めてきたわけですけれども。一方では科学技術基本計画というのがあって、それが今年の3月からは第6期の科学技術に、イノベーションが付け加わってこのような基本計画になったと。その科学技術・イノベーション基本計画を策定する際に、科学技術・学術審議会に属する各分科会、また部会等から意見等がたしか出されていると理解しているのですが。  
事務局のほうでちょっとその点を。

【上山地震火山専門官】事務局でございます。  
一昨年度に分科会からの意見を出しております。

【小原部会長】だから、ある程度、分科会としてこのような取組を進めている、それが科学技術基本計画の中にも反映するということを前提として意見を出していると思いますので、その際に分科会から上げている意見というのは基本的に建議の計画に沿った内容になっていると思いますので、そういう意味では関係性はあるということですね。

【上山地震火山専門官】事務局でございます。  御参考までに、今出している資料が測地学分科会で令和元年度に取りまとめた第6期科学技術基本計画に向けた意見でございます。

【石川委員】こういったものは恐らく審議会に属しているいわゆる有識者から内閣府に対する提言みたいな形で出ているとは思いますけれども、それでも直接、この計画の内容が基本計画に入れ込まれているわけでは必ずしもないということ。科学技術基本計画というのはどちらかというと政策提言、国としての科学技術の政策方針をどのようにするかという計画であって、ある意味、この建議の中心となっている、よくボトムアップの研究と言っていますけども、自由な発想による大学の研究計画というのは必ずしもこういう政策的な計画に縛られるものでもないというのもあるので、そこで当然、基本計画に書かれていることは科学技術を進めていく上で重要な視点であるということは確かですが、基本計画に書かれている視点も踏まえながらレビューするというのにあまり強くとらわれ過ぎないものがいいのではないのかなと感じました。

【小原部会長】ありがとうございます。それはまさに参考資料2-2の主な意見というところでも科学技術基本計画の内容にあまり縛られないほうがいいのではないかという意見もちゃんとありますので、もちろんある程度沿っている部分についてはそういうふうに記載したほうがいいと思いますが、そうじゃないところは必ずしも基本計画に完全に縛られる必要はないということです。あくまでも地震火山観測研究計画はボトムアップの研究ですので、そこは完全に縛られる必要はないと私のほうでも思っています。

【石川委員】分かりました。ありがとうございました。

【小原部会長】ありがとうございます。  
はい、どうぞ。

【大湊委員】多分、このレビューというのは外部評価委員に見てもらって、次を進めていいですかということに使われるのがかなり重要な目的ですので、そうするとやっぱり外部評価委員というのは上の基本計画との関係はどうですかという視点で見る可能性もあるので、全く考慮していませんというふうにはつくれないと思うので、ある程度、できる範囲では考慮すると。  
ただ、さっきの2-2の資料で融合する場がないとかと書かれていて、例えば我々が応えようがないというか、外部の方に我々の計画がゆがめられるので、これに関してちゃんと応えられることは盛り込むべきだし、やっぱりできないことは書かない、できないとやればいいので、大学が自由にやってくれるのがいいというのは非常にありがたい意見で、それでその状況、その体制もちゃんと守られるような形で、かつちゃんと次の建議が立ち上がるようなたたき台ができるような感じでやれればいいなと思っています。

【小原部会長】 ありがとうございます。  
最終的に、科学技術・学術審議会として建議が成り立つので、やはりそこの審議会で理解を得られる必要があるとは考えています。もちろんその建議の審議については測地学分科会に付託されているのですよね。事務局、それでよかったですか。それとも審議会のほうで審議するのでしょうか。

【上山地震火山専門官】建議そのものは科学技術・学術審議会での審議の対象となります。

【小原部会長】審議するのですね。

【上山地震火山専門官】はい。

【小原部会長】ですので、そこで理解を得られないとその議決を得られないということにもなりますので、ある程度基本計画を踏まえるということは必要かなと思いますけれども、もちろん完全に迎合する必要はないということです。

【日野委員】日野です。  
まず、この資料2-2に着目したのは、これは測地学分科会の委員の先生方からの意見で、私たちが今つくっているレビューも基本的には測地学分科会から出すものですよね。そういう意味では大きくそごがあるのはやっぱり変だろうと思うので、そこはやっぱり大事だと思います。  
一方で、ここで出ている意見あるいは科学技術・イノベーション基本計画の全てを私たちの建議計画でやっているわけでは必ずしもありませんから、どの部分は担っていると。逆に言うと、我々の計画だけでは達成できないから、こういうところはサポートしてほしいとか、こういうところと協力できるといいなという希望みたいなものを出していくことだって今回のレビューでは可能ではないかとは思いますので、そういう意味では、何でもかんでもはい、やっていますというわけじゃないというのはおっしゃるとおりだと思います。  
以上です。

【小原部会長】ありがとうございます。  
おおむね皆さん同じようなことを考えていらっしゃると思いますので、レビューの作成に当たっては考慮いただければと思います。  
ほかに御意見等はございますか。  
あと、今日、意見を聞いておかなければいけない案件は。

【上山地震火山専門官】事務局でございます。  
今日はこの資料6-1と6-2、資料の一覧についてまずは御審議いただくというのが中心になりますが、その他の論点として、事前にメールでもお願いしたとおり、レビュー報告書に載せるべき地震・火山噴火事例と、あとは、可能であれば総括的評価の章をどういう方向性で記載するかについて、これまでの議論もそれに関連するものと理解してございますけど、ほかに御意見があれば幸いでございます。

【小原部会長】細かい話になりますけれども、そこにありますように、取り上げるべき地震・火山噴火の事例、ここには国内の地震・火山噴火しかありませんけれども、ほかに海外で発生した事象について取り上げるべきものがあればぜひ御意見をいただきたいということと、あとは、総括的評価に盛り込むべき内容について、もし何か御意見等がありましたら御自由に御発言いただければと思いますが。  
はい、どうぞ。

【大湊委員】総括的評価の項目ですけれども、どういう方針でまとめるかが大きいのですけれども、恐らく次の建議で何か新しい仕組みなり体制をつくるというのがもしあればそれは書かなきゃいけないですし、それから、今の建議で動いている総合的研究なんかにしても、例えば常に発展するものは大きな項目のほうに移すとか、いろいろ新しい研究を立ち上げるとか、そういう面もあるかと。そのようなものが反映されるように総括的評価を書かなければいけないと思いながら、まだどういう方針がいいかというのが今はない段階なので、もし皆さんの中で、例えば今の体制を見て次の建議ではこういう体制の変更なり修正が要るよとか、あるいは今動いている研究の中でこの研究は次でもっと膨らませたほうがいいよという種みたいなものを今の段階でもしお持ちの方がいたら、案として出していただけるとまとめる側としては非常に助かるので、今この場でというのは難しいと思うのですけれども、事務局のほうに何かメモ書きなりで案の形で出していただけると非常に助かります。

【小原部会長】ありがとうございます。  
今、大湊委員がおっしゃったように、まさに次の建議をどうするか、次の建議で何か新しいものを立ち上げるという場合はやはり総括的評価のところにその種を仕込んでおいて、外部評価を受け、さらにそれを次期建議の検討の中に加えていくということになりますので、その萌芽的なものは総括的評価の中に盛り込むのが適切であると思います。今日はちょっと時間もなくなってきましたので、次回7月16日の第40回部会においてはレビューの構成案をつくっていただいてそれを議論することになりますので、それに基づいて、総括的評価の中に盛り込むべき内容についても併せて議論するという形にしたいと思いますけれども、事務局のほうはそれでよろしいでしょうか。

【上山地震火山専門官】ありがとうございます。その方向でお願いいたします。

【小原部会長】では、今日御出席の委員の皆様におかれましては、次の建議をどのように進めていくべきか、というところも含めて、総括的な評価の中に盛り込むべき内容があったらぜひ御提案いただくという形で、次回までの宿題にさせていただければと思います。  
ほかに御意見等はございますか。  
はい、どうぞ。

【橋本委員】北海道大学の橋本です。  
ちょっと細かいことになりますけれども、主な火山噴火とか地震のイベントについてなんですけども、海外の事例を入れるとしたら今まではこの計画で何らかの形で取り組んできたようなイベントに限っていたということなのでしょうか。そこの海外のイベントの位置づけというのがもし決まっているのでしたら、ちょっと方針を聞きたいのですけれども。

【小原部会長】前回のレビューでは海外のイベントは取り上げていましたっけ。ああ、シナブンとネパールですね。

【橋本委員】たしかシナブンに関しては噴火事象系統樹を作成したり、そういうことである程度、建議の実施内容と関わっていたりしていたように思いますけれども、そういうものにやはり限定しているということなのでしょうか。

【加藤科学官】科学官の加藤ですけど、前回のことについてお話ししてもよろしいでしょうか。

【小原部会長】はい、お願いします。

【加藤科学官】前の計画では、国際共同研究なんかをやったものに加えて、特に低頻度の大規模地震・火山噴火などについては海外の事例も研究するということが書かれていたので、海外のイベントについてはそれを意識して選定したと思います。  
以上です。

【橋本委員】分かりました。ありがとうございます。  
例えば、思いつきですけども、ニュージーランドのホワイト島の噴火というのがありましたけれども、あれは多数の旅行者が亡くなられたようなイベントで、御嶽山の事例ともかなり似ているようなところもあると思うのですけど、現建議では小規模だけどもリスクは高い噴火というのを研究するというようなグループがありますけども、そういう実際に直接的にはやっていないけれども関連のある事象というような位置づけで取り上げるということはできるのかもしれないと思ったものですから、ちょっとコメントしました。

【小原部会長】ありがとうございます。高リスク小規模火山噴火という位置づけですよね。

【橋本委員】はい。ただ、直接的にこの建議でやっておられる方はいないのではないかと思いますけど。産総研などではニュージーランドとよく共同研究をされていたかと思いますけれども、何かありますでしょうか、このイベントに関して。田中委員。

【田中委員】産総研の田中です。  
確かに御嶽山との類似というので気にはしていたのと、最近、ニュージーランドから来られている職員の方もおられますので皆さん興味は持っていましたけれど、特に何をしたというわけではないと思います。  
ただ、もちろん建議に関するレビューなので、それに密接な関係があるというのはよくよく分かるのですが、一方で、今後の方向性とかを考えたときに、例えばこういうことも考慮すべきだとか、特にホワイトアイランドの場合は報道とか、どういう規制を出すみたいなことも融合ということに深く関わっている問題だと思うので、前広にそのレビューに入れ込むということは今後のことを考えると非常にいいのではないと思いました。すみません、御質問から随分ずれましたけれども、雑駁な印象です。  
以上です。

【小原部会長】ありがとうございます。  
では、その辺りも考慮して次回、レビューの構成案を改めて議論したいと思いますのでよろしくお願いいたします。  
はい、どうぞ。

【日野委員】海外の事例で、またニュージーランドですけれども、カイコウラの地震は2016年ですので一応、ターゲットで、これは本当に内陸の地震、海域の地震グループで国際共同研究として熱心にやって成果もたくさん上がっていますので、ぜひ取り上げていただけるとよろしいのではないかと思います。  
以上です。

【小原部会長】ありがとうございます。  
カイコウラの地震の場合は、あと、それに様々なスロー地震がトリガーされて、そういった観測研究も進められているということなので、かなり取り上げる価値はあるのかなとは思います。その辺りも含めてまた次回、議論したいと思いますので、よろしくお願いします。  
では、今日は時間が若干過ぎてしまいましたのでこの辺りで終了させていただきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。問題がなければ事務局のほうにお返ししたいと思います。

【上山地震火山専門官】事務局でございます。  
それでは、資料6-1につきましては、先ほどいただいた御意見を踏まえて7ポツのところを修正するという点と、レビュー報告書で取り上げるべき地震・火山噴火事例については、今、事務局から案として挙げているものに加えて、海外の事例を2例、ホワイトアイランドの噴火とカイコウラの地震を追加するという点について御意見いただきましたので、基本的にはそれらを盛り込む方向で修正させていただきます。  
また、資料6-2については特段の御意見はなかったと認識しておりますので、基本的にはこの事務局案で進めることとしたいと思います。どうもありがとうございます。  
事務局としてはこれで大丈夫かと思います。

【小原部会長】では、特に問題がなければ、これで今日の部会のほうは終了させていただきたいと思います。  
では、本日はお忙しいところ、皆様、御出席いただきましてありがとうございました。これにて閉会とさせていただきます。

―― 了 (終了時刻 17:05)――

お問合せ先

研究開発局地震・防災研究課

(研究開発局地震・防災研究課)