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地震火山観測研究計画部会(第36回)議事録

1.日時

令和2年6月24日(水曜日)10時00分~12時00分

2.場所

オンライン会議

3.議題

  1. 地震及び火山観測研究における令和元年度年次基礎データ調査結果
  2. 『災害の経験に貢献するための地震火山観測研究計画』令和2年度計画の修正について
  3. 『災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画』の令和元年度年次報告について

4.出席者

委員

平田部会長、鈴木部会長代理、井口委員、石川委員、市原委員、大湊委員、加藤(愛)委員、鎌谷委員、高橋委員、仲西委員、宗包委員、山元委員、大倉委員、阪本委員、篠原委員、寺川委員、橋本委員、日野委員、三宅委員、松島委員、森岡委員

文部科学省

工藤地震・防災研究課長、上山地震火山専門官、青木地震調査管理官、加藤(尚)科学官、矢部学術調査官

オブザーバー

情報通信研究機構 児島研究マネージャー、山梨県富士山科学研究所 吉本主幹研究員

5.議事録

【平田部会長】それでは、定刻になりましたので、ただ今より科学技術・学術審議会測地学分科会第36回地震火山観測研究計画部会を開催いたします。
会議は、測地学分科会運営規則第5条により公開といたします。
それでは、まず委員の出欠状況などについて、事務局から報告をお願いいたします。

-事務局から出欠状況等について説明-

[議題1.地震及び火山観測研究における令和元年度年次基礎データ調査結果]

 

【平田部会長】 それでは、まず議題1「地震及び火山観測研究における令和元年度年次基礎データ調査結果」について、事務局からご説明をお願いいたします。

【上山地震火山専門官】 事務局の上山でございます。
今お見せしているものが年次基礎データの調査結果になります。現時点では案としております。この年次基礎データとは、5か年計画の後半に外部の評価委員会から建議計画の評価をいただく際の参考資料として、毎年の予算関係と人材関係のデータをこのように作成しているものでございます。
この基礎データは、平成7年度以降、地震および火山研究関連の予算の推移を示しているものでございます。少しグラフの数が多いので、機関別グラフなどもございますが、今回は予算と人員それぞれにつきまして、全体のグラフについてのみ簡単に説明させていただきます。
こちら、お見せしておりますのが予算総額の推移のグラフになります。基本的には前年と同程度の予算が続いているというグラフになります。平成31年度につきましては、この補正予算のところがございませんが、こちらは今年度集計の際に前年度分の補正予算を調査いたしまして追加させていただくものでございます。
こちらが地震火山別となっております。
こちらのグラフが、国立大学法人および国立研究開発法人、政府機関と、それぞれについて同じグラフを集計したものでございます。
以降、政府機関および国立研究開発法人、大学法人、それぞれにつきまして詳細なグラフがありますが、細かくなりますので、この場では割愛させていただきます。ご自身でご覧いただいて、何か質問があればお尋ねいただければと思います。
続きまして、研究者数のグラフになります。こちらも全体のグラフについてのみ簡単にご説明申し上げます。
研究者数の推移ですけれども、増減を繰り返して定常な状態が続いているところでございます。昨年度は数が伸びているように見えますけれども、こちらについては、平成31年度からの5か年計画である「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画(第2次)」から新たに参加した大学の分が追加されておりますので、見た目上、増えているように見えるというところと、一部国立研究開発法人で研究人材が増えたところがございますので、そちらもこのデータに反映されているというところでございます。
こちらは男女別のグラフで、こちらは機関別でございます。国立研究開発法人のところで人が増えているというところと、参加大学が増えたというところが見て取れるかと思います。
以降は政府機関と国立研究開発法人、そして大学院についてそれぞれグラフがございますが、ここでは割愛させていただきます。
こちらはご参考ですけれども、大学法人の技術職員数についても、このようにグラフにしておりますので、ご覧ください。
こちらは関連分野の研究者数というところで、歴史分野、地質・岩石分野、人文・社会科学分野、工学分野のそれぞれの関連分野で、今何名の方が建議の実施機関に所属しておられるかというところを内訳のグラフにしたものでございますので、こちらも参考までにご紹介いたします。
最後、火山関係研究人材のグラフになります。こちら、建議参加機関の中で、主に火山を研究する研究者、そして地震と火山の両方に関係する研究者についてグラフにしております。
さらに、その火山の研究者のうち、観測点の維持・管理にも携わりながら火山噴火研究を実施している研究者については、文部科学省では火山噴火予測研究者と呼んで集計しており、このような推移となっております。この火山噴火予測研究者については、平成26年の御嶽山の噴火を契機として集計を開始した経緯がございます。平成27年度に少し増えているように見えますが、こちらは気象研究所及び産業技術総合研究所等の政府機関や国立研究開発法人の方で定員増があったものを反映しているものでございまして、それを除きますと、全体としては微増しているというような傾向でございます。
事務局からの説明は以上になります。

【平田部会長】 ありがとうございました。
今のご報告について追加のコメントや、あるいは質問がございましたら、自分でミュートを解除して、もしご意見があればご発言ください。

【松島委員】 すみません、松島ですけれども。

【平田部会長】 恐れ入りますが、お名前を言ってご発言ください。松島先生、お願いします。

【松島委員】 すみません。今ご説明いただいたのは議事ということなのですけれども、何を議論すればよいのかがちょっと分からなかったのですけれども、その説明をまずしていただけますか。

【平田部会長】 事務局、できますか。

【上山地震火山専門官】 こちらは基本的には各大学から報告いただいたデータを集計したものをそのままお見せしているものですので、不明な点があれば聞いていただくということで、ここで何か決めるというものではございません。このデータ自体は、先ほど申し上げましたように最終的に外部評価委員会の参考資料にしますので、参考資料にしてよいかどうかというところを、委員の方にご判断いただくという形になります。

【松島委員】 分かりました。では、ご報告というよりも、この報告内容で良いかどうかを議論するというのが議事という意味ですね。

【上山地震火山専門官】 はい、そうなります。

【松島委員】 分かりました。

【平田部会長】 もちろん、データそのものは各機関、大学や研究開発法人や業務機関に照会していますので、基本的に何か間違いがない限りは合っています。ただ、まとめ方などについて分かりにくいとか、皆さんの印象と違うということがあれば、表現の仕方は変える必要があるかもしれませんので、皆さんが普段から感じられていることと、事務局がまとめたこととを、今見ていただいたものを比べてご意見があれば、ぜひお聞かせしていただきたいと思います。

【松島委員】 すみません。それでは、発言したついででよろしいでしょうか。

【平田部会長】 はい。お願いします。

【松島委員】 研究者数をまとめられているのですけれども、基本的に、例えば7ページとかですけれども、これは年齢構成とか機関別とか性別になっているのですけれども、ごめんなさい。最後にありました。10ページに任期付きと任期付きじゃないのがありましたが、すみません、この図をちょっと見落としていました。これが一応聞きたかった話で、すみません。ありがとうございます。

【平田部会長】 今のちょうど出ている図を見ていただくと、パーマネントと書いてある、任期付きじゃない人ですね、定年制の人は微増しているようには見えます。それから、実は任期付きも、あるところまでは非常に増えていますが、ガンと減っているところもあって、トータルでは、国立研究開発法人の研究者の数が減っています。それから、大学の方も、これは皆さんの実感であると思いますけれども、定年制の職は微減しているはずです。にもかかわらず、ポスドクの数を入れると少しずつ増えるということがあって、今日の事務局のご説明では明確になっていませんでしたけれども、一つ、人のことについて言えば、火山について、火山関係の研究者が非常に少ないということで、次世代火山研究・人材育成総合プロジェクトができて、これによって、カテゴリーとしては倍増するということです。それで、実際にポストを倍増することは非常に不可能、難しいけれども、分野を広げて関係者を増やすという戦略も一つあります。これは必要なことだと私は思いますので、ある程度成功していて、どこかに分野別の、いわゆる理系の今までのやっていた人以外がどのぐらい参画しているかというようなことも入っていると思いますので、その辺は成果というか、施策としてやっていることがちゃんと着実に進んでいるということになっていると思いますが、特に火山の関係者の方でご意見ございますか。
今出ている図では何かあまり見えないけれども、大学は減っている。
事務局、次世代火山研究・人材育成総合プロジェクトが進んだことによって人が増えているはずですけれども、それはどこに反映されているのですか。

【上山地震火山専門官】 事務局でございます。
次世代火山研究・人材育成総合プロジェクトで人材育成を進めているところでございますけれども、育成した人材の受け皿については、先ほど平田部会長がおっしゃったとおり大学のポストを増やすのが難しいということがございますので、それがそのままグラフに表れているというところでございます。
今、微増しているように見えるのが、国立研究開発法人や政府機関等で平成26年の御嶽山噴火以降増えたポストがそのまま反映されているということになります。もう一つ、人材育成というよりも、次世代火山研究・人材育成総合プロジェクト全体の成果としまして、周辺分野も含めて幅広い分野の方に同プロジェクトに参加いただいております。これにより、火山研究者というコミュニティ自体の枠組みを拡げるという効果もありますので、その点は、この火山噴火予測研究者の推移に表れている一面とは別の意味での成果ではないかと考えているところでございます。

【平田部会長】 これ、大学院生の数はどこに反映されているのですか。

【上山地震火山専門官】 こちらのグラフには大学院生は入っておりません。

【平田部会長】 資料全体として、今どこかに入っているのですか。

【上山地震火山専門官】 はい。全体のグラフですとか、大学法人だけのグラフに関しては修士課程、博士課程の学生も入っております。20代が一見増えているように見えますけれども、こちらは学生数が増えていることを反映している部分もあるかと考えております。

【平田部会長】 これは極めて重要です。そもそも大学院生の数というのは、全体として見れば減っているわけですから、それで火山の大学院生の数は、たとえ修士課程の学生でも増えているということは大きな成果だとは思いますので。何もしなければ微減していくはずですけれども、少しでも増えているということは重要な成果です。
私ばかり喋って申し訳ありませんが、火山以外の委員の皆さまでも結構ですが、ご発言ございますか。

【松島委員】 すみません、松島です。

【平田部会長】 松島委員、お願いします。

【松島委員】 今、平田先生からご指摘のあった件ですけれども、最後の14ページの上の図には、「研究者には、任期付き研究員、大学院生を含む」と書いてあるので、これ、平成31年の175人の中には大学院生が含まれているのではないのですか。事務局の説明だと含まれていないということでしたが。

【上山地震火山専門官】失礼いたしました。事務局から先ほど申し上げたのは、火山噴火予測研究者のこちらのグラフのことでございます。こちらのグラフには大学院生は含まれておりません。ご指摘のとおり、こちらの、上の方のグラフには大学院生を含んでおります。少し分かりにくくなっており申し訳ございませんでした。

【松島委員】 非常に増えていますよね、31年。これは額面どおり取っていいかどうか分かりませんけれども。しかし、ここは非常に頑張ってやっていることなので、少し強調していただいた方がよろしいかと思います。何もしなければ減っていくのですから、ここで少しでも増えて、これ、明らかに増えていますから、関係者の非常に苦労したご努力があると思いますので、事務局がまとめるときには、少しご注意ください。

【上山地震火山専門官】 すみません。事務局から1点補足ですけれども、最初の方で申し上げましたとおり、31年度は、そもそも建議に参加している大学が増えたということで、このデータそのものが建議参加機関からアンケートを取って集計したものですので、そこの部分は差し引く必要があるかと思います。

【松島委員】 いや、別に差し引かなくてもいいんだよ。だって、参加者が増えたということは、地球上に人類は変わらないとしても、火山の研究に関心を持っている方が増えたということでいいと思います。そして、その正味のところは確かに増えていないということで、これはきちんと気を付けなければいけないので、その次のグラフはそういう意味で、実際には観測研究に携わっている方はそれほど増えていないというのは、両方必要なことだと思います。

【平田部会長】 ちょっと長くなりましたが、他にご意見伺えますか。

【大湊委員】 すみません、大湊ですけれども、よろしいですか。

【平田部会長】 大湊委員、お願いします。

【大湊委員】 昔、例えば藤井先生とか、あのあたりに、昔は、火山研究は40人学級だとか、そういう言われ方をした時期があるのですけれども、それでいうところの人数に相当するのは、この最後、14ページのグラフの大学の26年48とか、27年、54で、31年、50、この辺の人数だと思えばよいのでしょうか。

【平田部会長】 そうですね。これ、象徴的な言い方ですから。

【大湊委員】 これはあまり変わっていない。あと、それから、予測研究者とそうでない研究者、そうでない方は400人とかいますけれども、これ、いまいち区別がつかないのですけれども。この予測研究じゃない人たちというのは、もっと基礎的な研究をしているとか、観測はしないけれども別な形で火山の研究をしている人たちとか、ちょっとこの定義がいまいち分からないので、もうちょっと説明してもらえればと思います。

【上山地震火山専門官】 火山噴火予測研究者の定義については、事務局から事務連絡で年次基礎データの作成依頼を出すときに、まさにここに定義されている、観測点の維持・管理に実際に関わっていらっしゃる方ということで照会をかけています。実際に、どの方がそれに該当するのかというのは、各機関の……。

【大湊委員】 いや、その上の火山研究者総数というのはすごく多いなというのをちょっと思ったものですから。例えば噴火予測というのは観測という言葉が入っているから、地球物理的な観測とかガス観測とか、そういうものをやっている人を指しているのかなとイメージするのですけれども、上の(1)の方の火山研究者総数に入るのは、そうでない一般の火山をやっている方々が全部含まれているということでしょうか。

【上山地震火山専門官】 はい。それはご指摘のとおりです。

【大湊委員】 分かりました。以上です。

【平田部会長】 ありがとうございました。他にございますか。

【井口委員】 平田先生、井口です。

【平田部会長】 井口委員、お願いします。

【井口委員】 次世代 火山研究・人材育成総合プロジェクトをやるに当たって、気象研究者を火山研究者と同じぐらい私のサブテーマでは入れているのですけれども、このカテゴリーにおいては地震と火山だけが書いてあるように思うのですけれども、周辺領域として気象とかはどういう扱いになっているのでしょうか。

【上山地震火山専門官】 こちらのデータはあくまで建議をベースにしたデータになりますので、火山プロジェクトの方で参加いただいている気象関係の研究者の所属機関がこの建議に参加していない場合は、こちらのグラフに反映されないという形になります。

【井口委員】 ということは、火山プロジェクトは全てが反映されてはいないということですね。この図には。

【上山地震火山専門官】 そうなります。特に周辺分野の方は集計の仕方によって、建議に参加されていなければここには表れないということになります。

【井口委員】 了解しました。

【平田部会長】 もし今後、そういうご意見があれば、そういう方も含めるということも事務局にお願いできると思いますが、ただし、これは大変労力がかかります。事務局から、このアンケートをするために発注を大学にする、大学やその他の機関にするわけですけれども、それを集計するのは各機関ですから、去年と同じ様式で人がちょっと増えたり減ったりする集計はそれほど難しくないですけれども、ドラスティックに変えるとなると、一からきちんと調査する必要があるので、なかなか難しいと思いますので、非常に必要であれば、もちろんやる必要があると思うのですけれども、その辺はご理解ください。皆さんのところにも多分照会が行って、これをやっているという方がいらっしゃると思いますけども。
今日は他にもありますので、すみません。次の議題に移りたいと思いますが、最終的に、この報告で皆さんのご了解を得て、この観測研究部会として報告をするということにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。特にご意見のある方、ご発言ください。

【市原委員】 すみません、市原ですけれども。

【平田部会長】 市原委員、どうぞ。

【市原委員】 細かいのですが、今見えている図の「地」というのが分かりにくいのですが、これは地質ですよね。もし、これ公表するのであるのなら、すみませんが。

【上山地震火山専門官】 こちらは、事務局の方で図にするときの単純なミスでございますので、修正したものを公表ということにさせていただきます。失礼いたしました。

【平田部会長】 では、皆さまのご了解を得たということで、もしこういうことについてご指摘があれば事務局にお願いします。それで、基本的には私が預からせていただいて、事務局と調整して最終的なものにしますが、本日の段階ではご了解を得たということにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
特にご異議がないようですので、この議題については以上といたします。

[議題2.『災害の経験に貢献するための地震火山観測研究計画』令和2年度計画の修正について]

 

【平田部会長】 それでは、次に議事の2に移ります。議事の2は、「『災害の経験に貢献するための地震火山観測研究計画』令和2年度計画の修正について」でございますので、事務局からご説明をお願いいたします。

【上山地震火山専門官】 事務局、上山でございます。
資料2をご覧ください。観測研究計画につきまして変更があったものについて、こちらの資料にまとめております。こちらは、各機関から申請のあったものを一つの紙にまとめているものでございます。
今回ご提示しました、この修正内容については、全て人事異動や人員の追加、所属の変更等によって生じました形式的な変更となります。研究計画自体の変更に係るものはございませんので、ご承知おき願います。全て形式的な変更ということで、逐一読み上げることはいたしませんので、詳細については委員の皆さまご自身で確認いただければと思います。
事務局からは 以上になります。

【平田部会長】ありがとうございました。
それでは、特に委員の皆さんはご自分のところを見ていただくのと、今日ご参加以外の方についても、所属機関などで確認していただいて、これを事前に資料をお送りしていますので、皆さん、既に万が一お気付きの点があれば、今ご発言ください。
これもかなり形式的なことですので、もしまだ残っているところがあれば、会議の終わった後でも結構ですから、なるべく速やかに事務局にご報告ください。
それでは、これで承認を採る必要がございますので、皆さま、ご異議ございませんか。異議のある方は発言してください。何も声が聞こえなかったら異議がないというふうに認めます。今、明らかに間違いがある等がございましたらご発言ください。どうぞ。これ、練習です。私が30秒ぐらい待って何も発言がなければ、ご異議ないとみなします。
特にご発言ないようですので、それでは、今の修正について、これは計画の修正でございますので、皆さんのご了解を得ることがございますので、ご異議のある方はご発言ください。しばらく待ちます。
何もご発言がないようですので、皆さんのご了解を得たというふうに思います。
事務局、これでいいですか。

【上山地震火山専門官】 はい、結構でございます。ありがとうございます。

【平田部会長】 ありがとうございました。
それでは、議事2についてもこれで、以上とさせていただきます。
 

[議題3.『災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画』の令和元年度年次報告について]

 

【平田部会長】 それでは、議事の3に進みます。議事の3は、「『災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画』の令和元年度年次報告について」でございます。
事務局からご説明をお願いいたします。

【上山地震火山専門官】 この議題では、観測研究計画の機関別の年次報告について、各機関から提出いただいた年次報告を紹介いただきます。こちらの目次の順番で紹介いただきますので、よろしくお願いいたします。

【平田部会長】 そうすると、今スクリーンに映っている、画面共有されているところの順番で、大学、情報通信研究機構という順番でいきますので、それぞれの皆さんがご説明ください。資料は事務局が共有して、今見えているものを使えばいいと思いますので、特段の不都合がなければ、このまま進めていきます。
まず大学、よろしいでしょうか。

【加藤(愛)委員】 加藤です。聞こえておりますでしょうか。

【平田部会長】 はい、聞こえています。では、加藤委員お願いします。

【加藤(愛)委員】 東京大学地震研究所の加藤です。
それでは、大学の成果の概要につきまして、前半部分に関しましては小職から、後半部分に関しましては大湊委員からのご説明となります。
まず、最初の成果は防災リテラシーに関する成果になります。スライドに示してありますが、安政江戸地震時の絵巻に関する研究になります。絵巻の内容が何を意味しているのかよく分かっていなかったのですが、文献資料との丹念な照合によって、近代以前の地震火山災害に関する被害や、その被害に対する人々の対応、復興過程の実態が明らかになったという成果になります。こちらの図の絵巻を見ますと、右に向かって甚大な家屋の被害が安政江戸地震によって起きて、その後、仮設住宅が建てられたり、中央部分、がれきの処理を行っていたり、米の配給等が行われていて、現代でも共通して想定される課題点が挙げられています。このような過去の地震による社会の混乱ぶりや、被害状況、復興過程による知見を防災リテラシー向上へつなげていくことが今後の方向性になると考えています。
次は、大地震に伴う新たな地震痕跡の発見についての成果になります。史料・考古に関連するものでして、近畿地方を被災させた歴史地震に対応すると考えられる噴砂が2カ所で発見され、地震痕跡に同定されました。限られた歴史資料と対応させると、これらの地震痕跡は、827年京都地震と855年奈良地震に対応する可能性が考えられます。本成果は、災害痕跡データベースに新規に追加され、長期評価の基礎資料として今後役に立つことが期待されます。
次は、地震の災害誘因の即時予測に関する成果になります。鳥島で発生した特異な火山性津波地震によって励起された津波の即時予測手法に関する内容です。事後データを用いていますが、震源情報を推定しないで、津波のデータ同化に基づいて津波予測実験を行っています。リアルタイム観測システムで取得された観測記録に初めてこの手法が適用されて、津波が到達する数十分前に観測値と整合的な予測値を推定できることが実証されました。右図のグラフになります。2018年にインドネシアのアナク・クラカタウ島で発生した噴火・山体崩壊によって発生した津波で大きな津波被害が実際に起きていますので、このような震源情報に依存しない(データ同化による)津波の即時予測手法の高度化は、実用化に結び付けていくことが非常に重要です。
次も災害誘因の即時予測に関連するものです。こちらは大地震時の即時重力検出の新たな試みになります。大地震が引き起こす重力変化は、この左の上図にありますように光速で伝わりますので、P波が到達する前に観測点への到達することが予想されます。2011年東北地方太平洋沖地震時のF-netで取得された地震波形を、P波が到達する時刻で重合することによって、右上に示すような重力変化の検出に成功したという成果になります。観測点にP波が到達する数分前から,徐々に変動が見えていることが分かると思います。これはP波の到達時刻で揃えて重合していますので、震源域での重力変動を捉えたわけではなくて、伝播する波動場が作り出す重力変動を捉えたものと考えられます。先行研究で既に類似の指摘は報告されていますが、本成果では先行研究に比べて高い統計的有意性を実現するとともに、即時重力変化の理論的研究にも進展が見られました。時間はかかると思いますが、将来の地震動・津波の即時予測手法の高度化につながることが期待されます。
次は、長期評価の基礎資料に関連する成果になります。南海トラフから南西諸島、琉球海溝の連動可能性の評価に向けて、過去の巨大地震の発生履歴に関連した研究になります。宮古島の西側にある水納島での地質調査により、津波堆積物中に含まれるサンゴ・貝類の放射性炭素年代測定を多数実施したところ、1771年に発生した明和の大津波と言われる八重山津波地震の一つ前の巨大津波イベントが、1160年頃に発生していたことが分かりました。水納島から約60キロメートル離れた石垣島でも類似する年代の津波堆積物が見つかっていまして、本地域では巨大津波イベントが少なくとも2回起きていたことが分かります。巨大津波イベントが繰り返し起きていたことが示され、長期評価の基礎資料として今後活用されることが期待されます。
次は、長期評価手法の高度化に関連する目新しい成果になります。測地データ、いわゆるGNSSデータを用いて内陸地震の発生確率の計算手法を考案した成果になります。これまで地震本部で行われている活断層の長期評価では,活断層の活動履歴に基づいたものが主なもので,伏在断層等による活動は考慮されているものの適切な評価が難しいのが現状です。本研究では、近年の地球物理学データに基づいて内陸地震の長期発生確率を試算するという新たな試みになります。左の図がGNSSデータから推定されたひずみ速度分布でして、南海トラフの固着による弾性変形を取り除いたものになります。左の図の下にある既往研究により提唱された式を用いて、ひずみ速度をモーメント速度に変換し、G-R測とポアソン過程を仮定します。さらに、もう一つ重要な仮定として、1586年以降の地震活動との比較から測地ひずみの14%分が地震によって解放されるという仮定をおき、M6以上の内陸地震の今後30年以内の発生確率を計算したものが右図になります。こちらを見ますと、跡津川断層付近において最大4.3%、最小でも紀伊半島南部で0.2%ということで、現状の長期評価の確率に比べて全体的に高い値を示すことが分かります。
次は、地震の中短期予測による成果であります。地震活動には季節変動性があるということは、以前から世界を含めた他の地域でも提案されていますが、この性質は地震発生確率の時間変動の推定に活用できることが期待されます。本成果は、山陰地方の地震活動に関して、余震ではない、すなわち独立した地震の発生時期を調べることによって、春と秋に地震の発生確率が相対的に高まることが確認されたという内容です。右の図に示すM6.2以上の歴史地震でも、データが少ないですが,同様な春と秋に相対的に地震の発生度数が高いという傾向が見られます。このような変動が起きる理由についてはまだ良く分かっていませんので、今後の検討課題です。
次も地震の中短期予測に関する成果で、プレート境界面での滑りのモニタリングに関する内容になります。日向灘沖合から南海地震の固着域へ向かうスロースリップの長距離移動が起きているということが初めて明らかになりました。固着域周辺におきまして、さまざまなタイプのスロー地震が連鎖的に発生して、長さ約300キロメートルにわたって移動を起こしているという内容になります。左図にございますように、浅部の超低周波地震から始まり、繰り返し地震、スロースリップ、深部低周波微動が起きるという、一連の動きが捉えられました。プレート境界の固着の一時的な緩みと固着域への非定常的な応力載荷が起きていたことが考えられます。
次、お願いします。
地震現象に関する最後の成果になります。断層的地震破壊の実例検討ということで、多くの大地震の立ち上がりが小地震と同じことを観測データに基づいて実証したという内容になります。多くといっても、これは低角逆断層タイプのプレート境界型の地震を対象にしたもので、約20%の地震におきまして大地震と小地震の地震波形の立ち上がりがよく似ていることが発見されました。左の図の例が,茨城県南西部で起きたM4.6とM3.9の地震波形の比較になります。ごらんいただいて分かるとおり、波形の立ち上がりがとても良く一致することが分かります。右の図は、こういった破壊過程から推測される破壊成長過程のイメージを示しておりまして、小さな地震が発生して、その地震のパッチだけで壊れれば小さな地震に、それを含むより大きなパッチも壊れれば、その次の大きなスケールの地震に、さらにもう一つ大きなパッチが壊れればさらに大きな地震に成長するという,階層的な地震破壊が起きていることがデータから明示されました。すなわち,地震波の立ち上がりからでは,最終的な地震のマグニチュードは推定できないことを意味しています。
一方で、他のタイプの地震では、この割合はとても小さいことも分かりました。プレート境界型の地震でも20%ぐらいですが、プレート内地震だともっと減ります。このような観察事実を地震の発生確率予測に今後取り込むことが重要だと考えられます。
私からは以上になります。大湊委員、お願いいたします。

【平田部会長】 大湊さん、お願いします。

【大湊委員】 では、まずは火山関係の成果について、あと3つ紹介したいと思います。
まず、最初が、草津白根火山で分かった3次元の比抵抗構造ですね。それによって草津白根の下の熱水系が明らかになったという成果になります。
右上が平面図でして、上の方に草津の湯釜がありまして、その真ん中あたりが2018年に噴火した本白根山の位置、それから右に行くと、東の方には草津温泉がありますし、左は万座温泉がある、こういう場所ですけれども、ここでMT探査を行って、それで左の方の断面が6つ示されていますけれども、このように比抵抗の構造が分かったと。赤い色が、比抵抗が低いところ、それから青いところが、比抵抗が高いところになります。
それで、それを漫画のように描いたのが右の方でして、平面図で見ると低比抵抗領域が南から北の方に広がっていて、それは2018年に噴火した本白根山から上の方にある湯釜の方まで広がっている。それから、断面で見ると、真ん中、C2と書いてある低比抵抗と、それから、そこから浅い部分にあるC1a、それから草津の方に行くC3などの低比抵抗帯が見えています。このような低比抵抗域は熱水系だというふうに解釈されて、ここの草津白根では、恐らくここのC2というところの下から熱水が供給されて、そこからまず東西の温泉の方へと熱水が流れていきますし、それから北の方にある湯釜、こちらにも熱水が供給されると、こういうシステムになっているということが分かったということになります。
それで、草津白根山では湯釜が一番噴火の可能性が高いとして、ここの観測に集中しがちだったわけですが、実際には2018年に本白根山、この図で言う真ん中あたりで起こったわけで、やっぱり構造と、それから噴火の起こりやすさが、どういう対応があるかということを今後調べる必要があるわけで、これは噴火可能性を評価するための基礎資料になると思っています。
こちらは、火山が噴火する前にもいろいろな観測データに異常が表れるわけですけれども、そのデータからどれぐらい、この噴火、火山活動が切迫しているかということを定量的に示せないかという試みが行われていまして、その一つがVUIと呼ばれるニュージーランドで開発された指数です。火山活発化指数と呼ばれるものですけれども、そのような指数を日本の火山に適用できないかという試みを始めたというのが、この図で説明したいところです。
火山の観測データにはいろいろあるのですけれども、その中で、山体の温度変化に対応する磁気モーメントの変化率、それから、その変化した変化源の深さというものを取り出しまして、いろんな火山についてまとめたのが、この図になります。十勝岳というのが赤丸でありますし、その他にも阿蘇山であるとか雌阿寒であるとか吾妻山、いろんな火山のデータがここにプロットしてあります。
それと、これまでの活動の様子を見比べて、VUIの指数をどの辺に線を引けばいいかということを試作したというのが、この図であります。まだ試作段階ですし、それから、調べたパラメータも少ないですけれども、こういうダイヤグラムができてしまうと、例えばこの十勝岳の例でいきますと、もし、磁気変化源、ソースの深さが分かれば、そうすると磁気モーメントの変化率が具体的な数字として、例えば3という数字を示したら、そこはVUIでいうとゼロと1の境であるとか、それが40まで増えたら、それはVUIで2に相当するとかという具体的な数値でVUIの指数と対応づけていくというのも可能になるということが将来的に期待されますので、活動度を客観的に評価できるための環境を作る原型が始まりつつあるということで、これを紹介させていただきました。
これは、ミューオンという高エネルギーの粒子を使って火山を透かし撮りするという成果の紹介です。今までも幾つか成果が出ていて、火山帯の中の密度構造が分かってきたわけですけれども、これは最近の観測装置の発達によって、時間変化もある程度の精度で分かるようになってきたということを紹介する絵になっています。
桜島の南にミューオンの観測装置を置きまして、そこで活動的な昭和火口、それから南岳の火口が見えるように置いたと。2017年に得られた透かし絵が左側の(a)ということで、それから真ん中あたりにある、Run 2と書いてあるのが2018年です。この2つを比べると、この南岳と書いたところの火口底の上辺りの密度が上がっていることと、それから、昭和火口と書かれたところの下の密度が上がっているということが分かって、それで、南岳の方の密度の高まりは、恐らく噴出物が火口底にたまったことに対応するのではないかというふうに推定できますし、それから、昭和火口の下の密度増加は、マグマ供給系の一番上の火道の最上部において、恐らく生じている亀裂をマグマが埋めつつあるという状態を示しているのではないかというような解析ができるわけですけれども、このように、火道の最も浅い部分でどんなことが起こっているかということを知るための情報が得られつつあるということで、この成果を紹介いたしました。
以上になります。

【平田部会長】 ありがとうございました。
これ、どんどんやってから質問の方がいいと思いますので、ちょっとさっき言うのを忘れたのですが、大学は大体10分ぐらいで、その他は5分ぐらいで、もうちょっとずつ時間は過ぎていますが、それでは、次の準備をお願いします。
では、情報通信研究機構の研究の成果のご報告をお願いいたします。

【児島研究マネージャー】 それでは、成果のご報告をしたいと思います。
まず、最初に、昨年度の実施内容についてご説明したいと思います。
情報通信研究機構では、これまで過去30年にわたって航空機に搭載する合成開口レーダーの方を開発してきました。現在、第3世代の航空機SARの方を開発していまして、特徴としては、分解能15センチということで、世界最高レベルの性能を有しているものを現在作っています。これを用いて、下に示すような環境モニタリングとか災害モニタリングを実施する予定にしています。また、得られたデータから高度情報を抽出するための高次解析手法に関する研究を実施しております。
昨年度行った項目としては3項目あります。まず、次世代の航空機SARということで、その機器開発を行って、下に示すような形で航空機に搭載する機器の方は完成しております。現在は、これを搭載するための機体の改修の方を行っておりまして、今年の秋ごろまでかかる見込みになっております。
さらに2番目として、初号機、それから第2世代の航空機SARのデータの検索・公開システムの方を運用しております。これが、運用画面の方が右下の方に示しているもので、これは東日本大震災で浸水した領域、仙台空港周辺ですね。黒い部分が浸水した領域なのですけれども、こういったものを公開するとともに、研究者の方が使えるような形でデータの方も公開しております。
3番目は、これまで取られた観測データの高度情報を抽出するための高次処理技術に関する研究を行っております。具体的には次のページから示したいと思います。
最初に、2つご紹介するのですけれども、1つは深層学習による土地被覆分類ということで、これまで言われていたことは、SAR画像というのが、専門家でないとなかなかそこで何が写っているのかというのが分からないということで、われわれのところでは深層学習によって、ここで何が写っているのかということを学習させてやって、機械的にそこに何があるのかということを解析するようなことをしています。
ここに示した例が、左側の図がオリジナルのSAR画像で、真ん中にある図が、深層学習して、そこに何が写っているのかということで土地被覆分類した結果です。右上の方が、環境省と、それから国土地理院の基盤情報から、その土地がどういう状態なのかというのを示したもので、両者を比べてやると、定性的ではありますけれども、非常によく一致する。定量的には、今大体85%ぐらいの正解率になっているような形で解析することができています。
将来的には被災状況の状況把握ということで、例えば家屋がどれぐらい被害を受けているのかということを、こういった深層学習によって解析することを目指しております。
2番目の例が、3次元のイメージングということで、高精度な3次元イメージングをしようと考えています。ここに示した例なのですけれども、これ、何をしているかというと、通常はSARですと1回のパスで取られたデータだけ使って、そこで何が写っている、あるいは土地の高さがどうなっているのかということを解析するのですけれども、複数回、ちょっとずつパスをずらしてやって観測することで、トモグラフィー的な観測を行うことで3次元イメージングをしようという試みを行っております。
ここに今示した例が、新潟県にあるデンカスタジアムというサッカースタジアムなのですけれども、それを3次元イメージングした結果が右側の図になっています。通常ですと、スタジアムの屋根と、それから観客席というのは分離できないのですけれども、トモグラフィー的な解析をすることによって、それの両者を区別することができるような解析を行うことができます。これをやることによって、被災地のより詳細な、ターゲットとしては構造物がどういうふうに変化したのかということを解析するようなことを行っていきたいと考えています。
情報通信研究機構からは以上です。

【平田部会長】 ありがとうございました。
それでは、引き続きまして、防災科学技術研究所からお願いいたします。

【高橋委員】 防災科学技術研究所の高橋です。
防災科学技術研究所からは3本ご報告があります。1本目は多角的火山活動評価に関する研究ということで、防災科学技術研究所の火山研究としては、観測と予測と、その後の対策というところを一連の対策として研究を進めるということをしています。そういう意味で、1つの観測だけというよりかは、全体の流れで話をするという形になります。
1番目、多項目観測データによる火山現象・災害過程の把握のための研究ということで、これは火山帯の浅部の散乱とか減衰のパラメータを推定して、今どんな状況にあるかということを推測するものです。
その右側に火山リモートセンシング技術の開発研究ということがありますが、これはまさに観測なのですけれども、実際浅間山でやっているのですが、火山灰を中心に、今のリアルな状況をそれで観測するということも進めています。
3番目、噴火・災害ポテンシャル評価のためのモデリング研究ということで、これが予測になっていくわけなのですけれども、溶岩流が流れていくと、それから具体的にどういうふうに流れていくか、水冷効果を考えて定量化するということをやってきました。
4番目、真ん中のやや下にありますが、火山災害軽減のためのリスクコミュニケーションに関する研究ということで、Twitter活用方策の検討というふうに書いてありますけれども、実際にこういうような情報を、どういうふうに地域とコミュニケーションツールとして作っていくか。その左側に霧島山(新燃岳)のいろんな例が書いてありますけれども、そういうような、どういう観測をどういうふうに伝えていくかということを地域の人たちと併せて議論をしています。
2番目は、地震・津波予測技術の戦略的高度化研究ということで、これはMOWLASの観測データを使って地震発生の長期評価の高度化に関する研究開発の実施ということで、ここの左上に書いてありますけれども、高精度な断層モデルを構築するということに関して、まずはやりましょうと。そのためには、まず何が必要かというと、速度構造ですね。日本列島および海底下三次元地震波速度構造モデルの構築ということで、これはご存じの方も多いと思いますが、防災科学技術研究所のホームページから既に公開されております。実際にそういうようなモデルを作って、あとはカタログを作っていくわけですね。詳細なプレートモデルの構築ということで、こういうような3次元構造を使って震源決定をしていってモデルを作る。
それから、右側に現況評価技術の開発と書いてありますけれども、スロー地震の観測と再現のシミュレーションということを通じて、あるいはその下に深部低周波地震モニタリングというふうに書いてありますけれども、これは波形の相関から検知しているわけですけれども、その時空間分布がどういうふうに変化していくかということをお知らせしていく。これは地震調査研究推進本部等、いろいろなところでご報告に使用している図になります。
あとは、この真ん中やや右に水圧データを考慮した震源過程というのがあるのですが、これはS-netやDONETを使って実際に震源地を制約するということで、これは水圧計のデータの微分波形を使っていくと、メカニズムを含めて、どうもよく決まりそうだという研究になります。こういうものを併せて地震発生の長期評価というところに研究として取りまとめていこうという形を進めております。
3つ目は、巨大地震による潜在的ハザードの把握に関する研究ということで、これ、全体の流れは上側に書いてあるのですけれども、地震発生場に関する研究、あるいは破壊の基本法則に関する室内実験、これは岩石実験になるわけなのですが、そういうような基礎研究に相当するものを、そこに矢印の中に書いてありますが、アウトプットとして地震発生場、発生機構モデルとか、それの摩擦速とか、そういうものがアウトプットとして出てくるわけですが、そういうものを統合してシミュレーションに落とし込んで、最終的にアウトプットとして応力分布モデル、巨大地震発生シナリオ、巨大地震津波の模擬観測記録ということを出していくわけですね。
具体的にどういうものがイメージとして出てくるかというのが、その下に書いてあるわけですが、地震発生場に関する研究という、これ、野田さんの論文の図になりますけれども、衛星の測位データから、どこに滑り遅れがあるかということを推測するということです。
それから、その下ですね。破壊基本法則に関する室内実験と基礎研究ということで、これは実際の岩石学実験のときの写真なのですが、破壊による変形の具合によってRayleigh波の速度が遅くなるということが実験から観測されたということで、こういうようなことも全体のシミュレーションの結果に取り込んでいこうと、そういうような基礎研究から大規模シミュレーション研究に持ち込んでいきます。
そこに浦田さん、それから齊藤さんと久保田さん、それからもう一つ、野田さんの論文の例が書かれていますが、例えばいろんな、真ん中の下に書いてある野田さんの例、少しお話ししますと、例えばいろんな不均質なひずみがあると、それを打ち破るためには、ある一定の応力を超えなければならないということが、こういうような研究の方から分かってきています。そういうことで、そういうシミュレーションを通して、その右下に巨大地震発生シナリオというところがありますが、どこから破壊して、どういうような構造を入れていくと、どんな発生シナリオがあるか。ここでは6つの例が書かれていますけれども、そういう発生シナリオをどうも絞り込めそうだということが分かってきました。そういうようなことが絞り込めていくと、それぞれの地域としても幾つかのシナリオに備えるということで絞り込める。防災対策として絞り込めるということになりますので、そういうものをこれから地域の防災、あるいは国もそうですけれども、そういうところに生かしていきたいと考えています。
以上です。

【平田部会長】 ありがとうございました。
それでは、次に海洋研究開発機構のご説明をお願いいたします。

【仲西委員】 はい。JAMSTECからは3つの課題の成果について報告します。
次のスライドをお願いします。
配布資料の方で、一番上に課題番号の帯がついていたのが抜けてしまっているのですが、
1つ目の課題、地震発生帯モデリング研究の成果としては、プレート固着の現状把握と推移予測手法の確立に向けたものとして2つ成果を紹介します。1つ目が左側、既存の全国一次地下構造モデルを準拠楕円帯・座標系の大規模有限要素法モデルとして構築した上で、プレート間滑りによるグリーン関数を計算し、公開を前提としたライブラリを構築したことです。これを用いて地殻変動データの解析を今後進める予定です。
2つ目は右側ですが、地殻変動データを解析してプレート間滑りを求める際に、各観測点での地表面変位計算値の相関性を考慮する手法を開発しました。この手法によって、空間的に偏りのある海陸の観測点を扱う場合であっても、データへのオーバーフィットを防ぎ、観測点配置の影響を受けない、右下の図ですね、滑り推定が可能になっているということです。
次は海底広域変動観測研究、2つ目の課題ですが、この後4枚のスライドで4つの成果を紹介します。
1つ目は、海域観測による地震発生帯の実態把握のための海底地殻変動データの連続リアルタイム観測に向けた海底水圧計現場校正技術の開発です。正しいデータ取得のために、DONET水圧系の機器固有ドリフトのレートの測定が必要であるため、移動式圧力校正器、右下の写真になりますが、以下MPCと呼びますが、これを開発しました。
下のグラフに赤点で示したのが、航海前後の室内での基準圧力とMPCの差の測定値ですが、これから一定の曲線で示される、黒線で示される推定されたMPCの水圧偏差モデルに対して、赤丸で示したのがDONET近傍での2回の測定値ですが、これが1ヘクトパスカル程度の精度で収まっていて、この精度で校正できるということが実証されました。今後、DONETの水圧計、全48点で校正することで、地殻変動上下成分の連続リアルタイムデータ取得が実現できることとなります。
同じ課題の2つ目の成果です。同じく海底地殻変動に関する技術ですが、今度は水平ひずみを高感度に検出するために200メートル光ファイバーの約1ナノメートル以下の伸縮を計測する海底光ファイバーひずみ計を開発しました。左の図のように、DONET2に接続し、試験観測データを取得した結果、そこに示している波形例のように広帯域の地震記録が観測できることを確認した他、右上のグラフのように、赤で示したのが、観測ひずみから温度や水圧の変化、ドリフトの影響を除去したものですが、ひずみ計測揺らぎが3週間で300ナノひずみ程度と精度評価できました。これは海底孔内で検出された2016年4月のゆっくり滑りと同程度のものを検出し得ることを示します。
今後は、連続リアルタイム観測に向けて設置工程を進めるとともに、設置状況評価、安定性向上に取り組む予定です。
同じ課題の3つ目の成果ですが、構造探査によるプレート境界断層の形状と物性について得られたものです。南海トラフ域で高密度の広域3次元調査を実施しまして、左側の図はプレート形状、右側が反射強度の3次元マッピングですが、左の図に黒線で示すコンター、既存のプレート形状なのですけれども、それでは分解されていないような数キロ程度の起伏の存在が、カラースケールで示していますが、明らかになりました。右側の図は、分岐断層が発達する熊野灘の3Dデータを用いた分岐断層に沿った反射強度マッピングの結果で、流体を示唆する強反射のパッチ状の分布が明らかになっています。これらの結果は、多様なプレート境界滑りを規定する構造要因の解明に寄与するとともに、次世代の3次元構造モデルとしての活用も期待されます。
同じ課題の4つ目ですが、地震発生履歴に関するもので、東海沖での「ちきゅう」の掘削による厚さ80メートル以上の連続した地層を回収、上部40メートル、過去4~5万年間において巨大地震が繰り返してきたことを示す約200枚の地震性タービダイト層を確認しました。今後、年代決定を進め、長期評価などに貢献したいと考えております。
最後、3つ目の課題は海底火山観測研究で、昨年度からの新規の取り組み課題です。主な成果としては2つありまして、1つ目は神戸大との共同ですが、鬼界カルデラの大規模噴火活動履歴を把握する目的で、「ちきゅう」を用いた表層科学掘削プログラムSCOREにより掘削公開が行われました。今回の掘削では、薩摩半島南方沖のカルデラ外縁部において、海底下約100メートルの深度まで試料を採取することに成功し、左側の図に示すように、少なくとも2つの、ピンクと緑で示した年代に相当する水中火砕流堆積物を確認しました。今後は、既存の反射法地震探査、火山噴出物の堆積結果等と合わせて、その年代の超巨大噴火の噴出量を推定することが可能になると考えています。
2つ目は、今出ました、同じく鬼界カルデラですが、溶岩ドームから岩石採取に成功し、カルデラ形成以降、現在まで海底で断続的に起きている火山活動の実態に迫っていくための試料を得ることができました。また、形態の特徴から、溶岩流出では説明できない岩石も発見しました。その下の図のように。この採取された岩石から、溶岩ドームの成長が火山体下へのマグマの再供給によることを示唆しているということです。今後さらに履歴、噴火様式、準備過程などの解明に取り組む予定です。
すみません。長くなりました。以上です。

【平田部会長】 仲西さん、ありがとうございました。
それでは、次に産業技術総合研究所の成果についてのご説明をお願いします。

【山元委員】 産業技術総合研究所、課題がいっぱいありますので順番に説明していきます。
まずは、その課題番号ですけれども、01ですけれども、産業技術総合研究所で公開しています活断層データベースは、昨年度も一応データを追加して、随時更新しているという紹介です。
これは主要活断層帯から伸びる連動型地震の古地震学的研究で、糸魚川-静岡構造線の、幾つかのセグメントからできているわけですけれども、セグメントごとの連動の履歴の調査を継続して進めております。これは新たなイベントが識別できたという紹介になります。
これは火山活動の方の地質学的調査の成果です。昨年度ですけれども、雌阿寒岳、日光白根、秋田火山で火山地図作成のための調査は継続して行っております。紹介しています下の図は、今回新たに昨年度に公開したものですけれども、20万分の1スケールで日本の全国の第四期火山440の噴出物の空間分布が分かるようなウェブシステムを公開しました。色分けしたユニットごとに、その年代ですとか化学組成、その他の情報が、噴出量が一目で分かるようなデータベースを昨年度公開しました。
これは津波浸水履歴情報の整備で、これも継続的にやっております。これまで産業技術総合研究所で実施しました津波調査の結果をウェブ上で見られるようにしているものでして、昨年度は福島県、茨城県のそれぞれの一部地域について公開が完了しております。
次、5番、お願いします。
これ、ちょっと説明が不足していて、図は分かりにくいのですけれども、これは地震発生場におけるレオロジカルな不均質組成を確認するために、過去の大きな断層、例は中央構造線なのですけれども、そこで地質学調査によって、その温度履歴から不均質性を明らかにするという研究を昨年度から始めております。まだこれ、1キロ、1キロ四方の程度の空間分布しか分からないのですけれども、いろいろ温度構造の不均質さがあるということが分かりまして、これを水平方向に、もっと10キロまでは領域を拡大して今後も検討したいと考えています。
これは火山の方の観測です。火山ガスですけれども、これまでやっていますのでMulti-GAS観測というのを継続的にできるようになったという、その成果の紹介です。上の方のグラフですが、これは霧島硫黄山の火山ガス、これはSO2とH2Sの比でして、これの比が大きくなると火山性の下から来ている量が増えている指標じゃないかというので見ていますけれども、実際これでやりますと、2018年の噴火の前に比が増加することが確認できました。2019年にももう一回これが上昇しているのですけれども、このときはほとんど表面現象が何もなかったので、変動原因は検討中です。
似たようなことは、下の左の方ですけれども、桜島で火山ガスの平衡温度、これはH2S/SO2、水素の比から平衡温度を決めてやったというものです。それと、横バーで示しているのが15日間平均の爆発回数で取っていますと、その爆発回数とガスの平衡温度に相関があるように見えるというふうなことで、継続的に、このMulti-GAS観測がうまくいっているという紹介になります。
これは産業技術総合研究所でこれまでもやってきているものなのですけれども、高分解能の地殻応力場の空間分布を見せるということで、前の計画でやっていましたのは、関東地方の10キロメッシュの応力マップというのを作って、それを公開しているわけですけれども、他の地域でも行うようにしています。昨年度は中国地方の試作版を作っておりまして、今後、これを全国的に拡大していく予定です。
8番、これはもう、海溝型巨大地震の履歴といいますけれども、日本各地で津波堆積物の調査をやっているというところで、南海トラフですとか、北海道でも次々にそういうふうな事例を見つけているという紹介になります。
これは地下水・地殻変動観測によって産業技術総合研究所の行っているものですけれども、特に左の方のグラフです。解析ですけれども、スロースリップイベントが非常に、こういうふうな時空間分布でうまく解析できているという例になりまして、今後これは継続していくものです。
右の方が、昨年度新たに行ったものなのですけれども、既存の井戸を使って小口径のひずみ計を入れることによって、非常に短時間で小型化した観測ができるようになったということで、今後これも増やしていく予定でおります。
10番ですけれども、噴出物の物質科学的解析に基づくマグマ供給系ということですけれども、やっていることが、これまでに主に産業技術総合研究所が採取したもの、それに気象庁が採取したもので、実際の噴火で出ていた火山灰のデータベースを今、試作しておりまして、書いていますように、4,000データを今収録して、公開に向けて示しているところです。
同じように、その下の真ん中の図なのですけれども、先ほど20万スケールでの火山噴出物の分布を示したということを言いましたけれども、それでまだ示していないところ、例えば巨大噴火と噴出物の層厚分布、例えば火山灰がどれぐらい積もったのかというデータについては、まだこれは公開していませんので、将来のウェブ公開に向けてデータを今集めているところです。
これ、最後ですけれども、既にこれも公開しているものですけれども、アジア太平洋地域の地震・火山ハザード情報のところでも随時いろいろな情報を出していっているという紹介になります。
産業技術総合研究所からは以上です。

【平田部会長】 ありがとうございました。
それでは、すみません。急ぎますので、引き続き、次は国土地理院からのご報告をお願いいたします。

【宗包委員】 国土地理院の宗包でございます。
国土地理院から、まず内陸の地殻活動の発生・準備過程の解明ということで、内陸の地殻変動を分析したということです。昨年度起きました山形県沖地震についてモデルを作りましたということと、あと、新潟のひずみ集中帯については、毎年定点観測を継続しておりまして、その結果、継続して2016年以降、短縮が卓越しているという、そういう状況が見えてきているということです。
これは時間依存インバージョンによる固着分布とか非定常滑りの時空間変化を分析したものですけれども、これは南海トラフで行った結果、日向灘と豊後水道等の非定常滑りが見えてきたということで、上が固着ですけれども、下が非定常滑りに直したものですけれども、それを見ますと、2009年から2011年の右の図に比べて、2018年以降の非定常滑り、長期的SSEの移動のパターンがちょっと違うということで、熊本地震の影響ではないかということでしています。
これは、同じ時間依存インバージョンの手法を火山の地殻変動の力源推定に用いたということです。伊豆大島と霧島・桜島で行っておりまして、それぞれ、ソースの位置というのは長期的には固定ということで、変動量だけは求めているわけですけれども、このようにきれいに求まっています。先ほど産業技術総合研究所の方からもありましたけれども、霧島の一番右の図ですけれども、2011年と2018年のところは茂木ソースの体積膨張としても変化が表れていますけれども、2019年はほとんどフラットだったということです。
これはGEONETに関することですけれども、引き続きモニタリングをやっていますということと、あと、ちょっと特筆すべきことは、今、GEONETというのは通常F3解析というものを使っていただいていますけれども、それに代わる新しい解析ストラテジー、F5というものを現在開発中で、今試験公開中です。基準座標系が変わるとか、あと、固定点解析の手法が向上することで、今まで絶対位置というのは多少、ちょっとあまり国際的な基準と合っていないというところがあったのですけれども、それは整合して絶対的な値を使っていただけるようになるとか、あとは対流圏遅延モデルを改善することによって、特に上下の季節変動についてアーティファクトがなくなって、より直接解釈が可能になるというか、そういうものでございます。
これは宇宙測地技術による地殻変動監視ということで、干渉SARにつきましては、だいち2号を使って定常的に観測を行っています。特に西之島についてはスポットライトモードの観測ということで、2週間に一遍モニタリングをしておりまして、2019年12月から非常に活発な火山活動が起きていまして、陸地部分が成長しているわけですけれども、それを逐一モニターしているということでございます。あと、昨年ありましたカリフォルニアの地震についても地殻変動を検出したということと、あとVLBIは引き続き観測をしていますということです。
こちらがGNSSの観測解析技術の高度化ということで、トピックとしましては、今、GNSSの受信機というものの汎用化が進みまして、低価格でも十分な精度が出る受信機が市販されるようになってきたということで、それに対する性能評価を行って、結構良好な結果を得ているということと、あと、REGARDについては引き続き改良をしていますということです。山形県沖についてもリアルタイムに地殻変動を検知することに成功したということでございます。
ちょっと付け足しですけれども、地震予知連を地理院が事務局としてやっています。モニタリングと重点課題、検討課題ということですけれども、年4回やっていまして、昨年度は重点課題としては以下のような課題で議論を行っているということでございます。
以上でございます。

【平田部会長】 ありがとうございました。
それでは、引き続きまして、気象庁のご報告をお願いいたします。

【鎌谷委員】 気象庁の鎌谷です。主に気象研究所と地磁気観測所の成果につきましてポイントを絞って説明させていただきます。
まず、このJMA_01です。2004年紀伊半島南東沖の地震の後にポップアップ式の海底地震計6台で観測された地震波形を解析した結果、海溝軸付近での浅部低周波地震活動を検出いたしました。マップの少し下にあるeの図をご覧ください。この研究で新たに分かったことは、浅部低周波地震活動が2004年新潟県中越地震、赤点線で描かれていますが――によって活発化したり、潮汐に敏感に反応した活動をしたりしていたということになります。
次のスライドです。静岡県浜松市の天竜船明に設置したレーザー式変位計と、その周辺のひずみ計のデータを解析しまして、継続時間約1時間のスロースリップ現象を発見いたしました。真ん中のグラフの上から2番目の青線は、ひずみスタッキング波形の、トレンドを除いたものなのですが、継続時間1時間程度の変化が見えています。右下は、井出・他のスケーリング則のグラフに、この1時間スロースリップの継続時間と地震モーメントを星印でプロットしたもので、スロー地震のスケーリング則と調和的であるということが分かりました。
次に、JMA_02のスライドです。左の上から2番目の温度というグラフが伊豆大島火山の井戸、坑井の温度データになります。この観測結果を説明するような対流熱流束などを計算した結果が、その右にあります熱流束というグラフになります。そのグラフの中のピンク色、対流熱流束から推定される地下水の流速と、温度勾配から推定される浮力の上昇流との速度差から、浸透率を求めました。その結果、左の一番下の図、山体が描いてあるものですが、この図は横軸が浸透率になっていまして、右に行くほど高くなるのですけれども、この研究によって、山体の下は深くなるほど鉛直方向の浸透率が小さいということが分かりました。
右の図は、干渉SAR解析におけるノイズの原因となっている対流圏遅延を、気象庁数値予報システムのメソスケールモデルの解析値を用いて補正するという手法を開発したというものです。各図の左の方は補正なし、右の方は補正ありになっていまして、補正ありの方は地殻変動によるシグナルがよく見えるようになっています。
次のスライドです。左の図についてです。一番下のグラフが、縦軸が圧力源の標高、横軸が傾斜変化で、御嶽山のある標高のところに圧力源があった場合に、標高2,130メートルにある観測点にはどのような傾斜変化が表れるかというのを見たものになります。実線で表してあるのが茂木モデルですが、圧力源が2,130メートルの観測点より高いところにあると、モデルの適用限界を超えてしまって、傾斜変動のセンスが反転してしまうという問題がありました。そこで、3次元境界要素法で計算したというのが白丸になりまして、2,530メートルまでは反転しないということが分かりました。
次に、右の図についてです。霧島山周辺の地下のS波速度構造を、地震波干渉法で求めました。その結果が下のカラーの図になります。カラーの図の右の方は、Love波から求めたVSHの構造ですが、低速度体が見えず、速度も左図のRayleigh波から求めたVSVと比べて高速度になっています。両者、カラースケールは同じです。VSHの方が高速、Horizontalの方が高速ということは、部分溶融したメルトを含む薄い低速度層がミルフィーユのように水平に多重に重なった構造によって説明できるということから、マグマだまりの内部がシル状構造になっていると考えられるという結果が得られました。
JMA_04のスライドです。伊豆大島の三原山北1と2という地磁気観測点の全磁力変化は、右の図の方のグリーンのプロットで表しているのですけれども、これらの観測点は40メートル程しか離れていないにもかかわらず、トレンドが異なるといった違いが見られています。そこで、人工衛星観測に基づく高精度の全球地磁気モデルによる地磁気三成分値を使って永年変化を補正する手法を開発いたしました。補正後のものは青と緑のプロットで示されておりますが、トレンドの差の大部分が解消するということが確かめられました。
JMA_05のスライドです。左上の図の黒丸のプロットは、霧島山(硫黄山)の湧水のCl / SO₄の時系列変化を示したものになります。火山活動の活発化があった場合には、赤点線の楕円で示すように、一般的にClとSO₄の比は増大する傾向があります。2019年には、青の点線楕円が示すように明瞭な低下をしているということを捉えました。また、その下にある表ですが、2019年8月7日の浅間山噴火火山灰を分析したところ、ClやSO₄といった水溶性成分の量が多く、その比も、2段下の2004年9月16~18日のストロンボリ式噴火が継続した時期と比べて低いということから、新しいマグマの関与はなく、水蒸気噴火により既存山体の一部が破砕・放出されたと考えられるということを明らかにしました。
次に、JMA_06のスライドです。まず左の図をごらんください。緊急地震速報に導入されている現在のPLUM法では、S波が観測されるまで待たないと震度の予測ができません。それを、S波群中のP波を検知する方法を発展させて、上下動の成分のみから震度を予測するようにできないかと行っている研究になります。
左下の図は東北地方太平洋沖地震の波形を解析したものです。そのグラフ中の灰色と青、赤の曲線はどれも同じもので、灰色の線は3成分合成から計算した通常のリアルタイム震度、赤線が上下動の成分のみから計算したリアルタイム震度、青線が、それに1.0を加算したものになります。青線と、その直後の灰色線のリアルタイム震度のピークが近い値を取っているということは、P波検知をした際、上下動のリアルタイム振動に1.0を加算すると、前もって観測震度のピークを予測できるということを示しています。
右の図は、熊本地震でのaからdの4カ所の観測点のリアルタイム震度を黒線、等方散乱モデルを用いて20秒前の実況から各観測点の震度を予測したものを青線、非等方散乱モデルを用いて予測したものを赤線で表しています。これらを見ますと、揺れの減衰の様子、つまり継続時間で見ると青より赤の方が黒に近い、つまり揺れの予測精度が高いということが分かりました。
次のスライドです。左上のマップと津波の波形の図は、近地津波について、後続波で高い津波が観測された過去事例について数値計算を行った結果、福島県沿岸で反射した波が後続波をもたらすということを3事例確認をしたという研究になります。
JMA_07の2枚目のスライドです。左下の図は、降ってくる水の粒子の粒径分布などを測定する2次元ビデオディスドロメーターで、桜島の降灰観測を実施した結果になります。その上の図は、横軸が粒径、縦軸が高さ / 幅になりまして、粒径0.5ミリ以下のところに、幅は大きいけれども高さは低いという扁平な粒子があるということが分かりました。
JMA_13のスライドです。上の図です。気象庁地磁気観測所では、地磁気の定常観測点4点と、鹿屋市の祓川観測点の地磁気4成分の連続観測データをデータベース化して公開しております。
また、下の図になりますが、印画紙に記録された3観測点の過去の地磁気アナログデータをデジタルデータへ変換しまして、ホームページで公開しております。令和元年度には女満別と鹿屋の2年分のデータをデジタルデータ化して、データベースに登録しました。
以上です。

【平田部会長】 ありがとうございました。
それでは、次に海上保安庁の報告をお願いいたします。

【石川委員】 石川です。よろしくお願いいたします。
まず、海上保安庁は4課題あるのですけれども、本日はトピック的な話題というところで2つご紹介させていただきます。
まずJCG_03の海底地殻変動観測ですけれども、これについては定常的に観測を行っておりまして、地震調査委員会等に定例報告いたしております。ここで示している図は、最近約4年間の水平変動速度となっておりまして、東北地方に関しては東北沖地震の余効変動がまだ続いているというところと、南海トラフ側に関しましては、フィリピン海プレートの沈み込みによる応力蓄積の様子が見て取れるというような形になっております。
次のページは海底地殻変動観測の昨年度の研究成果になります。まず南海トラフの過去の観測データを統計的に解析することで、スロースリップに由来すると考えられる非定常な変動を検出しております。それが左下の図になっております。
右下の図については、海中音速の空間的傾斜を推定する手法を開発しておりまして、そこで推計された音速の空間傾斜場と、実際の黒潮流域における水温の観測、この2つの比較をして、おおむね整合しているというような結果が得られております。
次がJCG_04の海域火山観測です。当庁は航空機を用いた監視観測を定期的に実施しておりまして、特に昨年度に関しましては、12月に噴火した西之島に関しては通常よりも頻度を高めて観測しています。右下の図が、幾つかの成果について調査結果の例として並べております。そういった成果につきましては、火山噴火予知連に報告するとともに、左に書いてありますように、当庁で海域火山データベースというウェブサイトを作成しておりまして、観測データについてはここに随時公開しているというような状況になっています。
以上になります。

【平田部会長】 ありがとうございました。
それでは、引き続きまして、北海道立総合研究機構のご報告をお願いいたします。

【上山地震火山専門官】 事務局、上山でございます。北海道立総合研究機構の研究につきましては、事務局の方からご説明いたします。
まず、北海道内の活火山の地球物理学的・地球化学的モニタリングでございます。こちらは北海道内の6火山、雌阿寒岳、十勝岳、樽前山、倶多楽、有珠山、北海道駒ヶ岳でモニタリングを行い、火山活動の変化を把握したものでございます。
こちらに表示しておりますのは十勝岳と樽前山の噴気、温泉観測の図でございます。いずれも顕著な変化はなかったものの、十勝岳で2019年7月から行っている高頻度温泉観測で、10月末ごろから火山性地震の増加とともに温泉成分濃度が上昇し、火山活動に関連した温泉成分の変化である可能性が示唆されております。今後もモニタリングを継続していくとのことです。
続きまして、津波による最大リスク評価手法の開発と防災対策の実証的展開という研究課題でございます。
こちら、背景としては、現在の北海道における津波被害想定に関して、3点課題がございます。冬季など悪条件下で避難速度が低下していること、最短距離を用いた避難距離の算定は、道内では誤差が大きくなるということ、そして、経時変化に伴って前提条件が変化しているということでございます。この研究の目的につきましては、北海道の地域条件を考慮した津波による最大リスクの評価手法、ならびに社会的経時変化を考慮した津波防災対策効果の評価手法を開発して、具体の市町村で実際の津波防災地域づくり計画を作成して展開するということを目的としております。成果については、この後説明申し上げます。
まず、モデル市町村として幾つか市町村を選択しまして、それらに対して全避難路の発災時、特に冬季と夜間それぞれについての使用の可否を評価するため、地形・地質条件、避難路自体の性状として耐久性やバリアフリーの度合い等を評価しました。そして避難地点の施設の状況として防寒性等を整理いたしました。
一方、冬季の昼間の実際の避難速度を避難訓練により実測しております。それらの実測データや評価の結果を用いまして、避難経路の使用可否の判定、および実測した避難速度データを用いた避難シミュレーションを実施いたしました。さらに、地区ごとの避難場所の最適化、避難困難地区の抽出、新たな避難施設を設置した場合の効果の検証などを実施しております。また、車避難の可能性が高い地区においてシミュレーションを実施し、渋滞発生箇所の予測や強震動に伴う道路の破損箇所の抽出を試みております。これらの結果をモデル市町村の自治体と共有し、新たな避難施設経路を設計、建設する際に反映させております。
北海道立総合研究機構については以上となります。

【平田部会長】 ありがとうございました。
それでは、引き続きまして、山梨県富士山科学研究所のご報告をお願いします。

【吉本主幹研究員】 富士山科学研究所の吉本と申します。よろしくお願いします。
富士山研は2課題あります。
1つ目は富士山の事象系統樹を精緻化するための噴火履歴の研究といたしまして、噴火層序の研究を行っております。その中で特に古地磁気を使った溶岩の噴火年代の決定と、それから土壌中、もしくはコア中に入っている有機化合物を使った14C年代測定法の開発を行っております。
1つ目の古地磁気による年代測定ですが、古地磁気の永年変化曲線に、溶岩の古地磁気を測定して、そこから年代を測定するというもので、比較的幅の狭いところに幾つかの溶岩が狭い時期に集中することとか、それから、山頂を挟んで2つの火口から出てきた溶岩が、その古地磁気がほぼ一致するというようなことが明らかになっています。また、最近、宝永噴火で形成されたと考えられている宝永山なのですけれども、もともとは古い富士山が隆起したというふうに考えられておりましたが、宝永山自体の岩石を年代測定した結果、1707年に近い年代が検出され、宝永山自体が宝永噴火の噴出物で形成されたということが明らかになりました。
また、有機化合物を用いた年代測定に関しましては、主に葉っぱのワックスから抽出されるようなC24、C26、C28脂肪酸を土壌から抽出して、その年代測定をしてやると、これまで土壌を年代測定していたよりも良い年代値が得られるということが明らかになりました。
次の課題は、重力の測定に関する課題です。富士山の噴火、火山活動を予測するために、富士山研としましては重力の連続観測を今期から開始いたしました。富士山科学研究所には1等重力点を設置していただきまして、そこで相対重力計の連続観測を始めております。さらに4合目、5合目でキャンペーン観測をいたしまして、特に5号目と富士山研の間の重力の垂直変化を調べる測定等を始めております。富士山研で測った連続観測では、降雨の応答とかはよく見られるのですけれども、比較的影響が長引かないということが明らかになってきております。
以上、富士山研の課題でした。ありがとうございました。

【平田部会長】 ありがとうございました。
それでは、若干時間がございますので、全体の各機関からのご説明に対して、質問や、あるいはコメントがございましたら、ご自分でマイクのミュートを解除して、お名前を言ってご発言ください。
皆さん、考えている間に、ちょっとだけ私の方から申し上げますが、大変重要な成果が様々出ていると思います。この研究開発は、基本的には基礎研究として位置付けて進めていることですけれども、幾つかの研究については、実際に地震本部の長期評価や年度評価に非常に貢献している研究成果もございますので、引き続きご努力していただきたいと思います。
それで、非常に最先端な研究も幾つか成果が上がっていて、これは長期評価や現状評価にはすぐには役に立ちませんけれども、引き続き知見を集めて蓄積すると、将来の評価に非常に重要な貢献をすると思いますので、ぜひまとめていっていただきたいと思います。
皆さま、ご意見ございますでしょうか。今日は、これをこの部会としてお認めいただくということになりますので、もしご質問があれば、ぜひご発言ください。

【松島委員】 すみません、松島です。

【平田部会長】 松島委員、お願いいたします。

【松島委員】 非常に多岐にわたるご発表で、非常に興味深かったのですけれども、今、委員長からお話がありましたように、この建議自体が「災害の軽減に貢献するための」という目的がありますので、基礎研究だとしても、それがどういうところに結び付くものだと考えて研究されているかということは、せめてご発表のときに、それが本当にそうなるかどうかは別として、どういう目的でそれが研究されているかということは必要なんじゃないかと。本日の発表でどうということではないのですけれども、今後ご発表されるときは、そういうことを念頭に入れておいていただけると、非常に直接的に、この観測研究計画に直結するのではないかなと思います。コメントです。

【平田部会長】 ありがとうございました。松島委員のおっしゃることはごもっともで、むしろ各機関からの報告の前に、観測研究計画全体の構造と、それのどの部分を各機関が分担しているかということをはっきりさせる必要があったと思います。
実は、今日は各機関のご報告をまとめますけれども、今日の議題にもありますけれども、建議された観測研究計画全体の成果の概要というのを作る。次の議題でそれをやりますけれども、そのときには明らかに、災害に貢献するための地震火山観測研究計画として、全体の計画のどこにそれぞれの成果が位置付けられているかということを明確にしていただく必要があると思いますので、その辺はぜひ皆さま、意識して今後議論していただきたいと思います。
他の委員の方。

【加藤(愛)委員】 加藤です。

【平田部会長】 加藤委員、どうぞ。

【加藤(愛)委員】 ちょっと質問いいですか。細かい、ちょっと気になったことなのですけれども。

【平田部会長】 どうぞ。

【加藤(愛)委員】 JAMSTECの仲西委員に伺いたいのですけれども、海域観測における南海トラフの震源断層の3Dイメージングという資料がございますが、左の図で青とか赤のカラフルな図から、プレート境界面に沿って数キロメートルぐらい起伏があるというご説明でしたが、こちらの絵はプレート境界面に沿った図ということでよろしいのでしょうか。

【仲西委員】 はい、そうです。

【加藤(愛)委員】 それでは、浅いところから深いところにかけて、プレート境界面に沿う起伏分布を示している図ということですね。

【仲西委員】 ええ。プレート境界面そのものの深さを、そこの左上に表してカラースケールで示していると。これ、深さじゃなくて走時ですけれども。

【加藤(愛)委員】 走時ですね。この走時の単位は、ms(ミリセック)ですか。

【仲西委員】 はい。

【加藤(愛)委員】 これを見ると、プレート境界面の形状は、浅いところでは凹凸が小さいものの、ある程度深くなると急激に激しい凹凸を示すようになるという理解で正しいでしょうか。

【仲西委員】 そうですね。コンターに沿っているというわけではなくて、それよりも細かい凸凹があるイメージが得られたということです。

【加藤(愛)委員】 はい、分かりました。ありがとうございます。

【平田部会長】 他にありますか。大変興味深いご発表なので、細かいところがいろいろあると思うので、それはぜひ、今後概要を作るときに、この成果をまとめていただきますので、十分関係者の間で議論していただきたいと思います。今映っている絵も非常に興味深い絵ですが、細かいことを幾つか私も質問したいぐらいですけれども、全体として見て、ぜひご意見があればまとめていただきたいと思います。
これは、各機関の責任で令和元年度の成果をまとめるということについて、この部会として皆さんのご了承を得るということですので、そういう観点からご質問ください。

【井口委員】 平田先生、よろしいですか。井口です。

【平田部会長】 はい。井口委員、お願いします。

【井口委員】 先ほどの松島委員からのご質問があった件について、今回の建議においては総合研究グループというものを頭出しして、災害に貢献できるような道筋までのところを分かるようにしていたはずなのですね。そうしますと、初年度で要するに始まったばかりなのですけれども、総合研究グループの進捗(しんちょく)状況みたいなものを報告してもらえばよかったのではないでしょうか。コメントです。

【平田部会長】 ありがとうございました。
事務局というか、私の方で用意しているのは、各機関からの課題についての報告が今日あったという理解です。それで、次の議題で、成果の概要の作成方針というところで、当然ですけれども、各機関からの課題というのを、それを縦軸ともし言うならば、横軸として総合研究であるとか重点研究というのが幾つかございますので、それが明示的に成果の概要の中に入っていく必要があろうと思います。
それでは、ちょっと話がだんだんそっちの方に移っているので、とりあえず各機関からの課題別の報告については、只今の皆さまのご報告をまとめていただくということで、ここで採決を採りたいと思いますが、よろしいでしょうか。事務局、よろしいですか。

【上山地震火山専門官】 はい。事務局です。結構でございます。

【平田部会長】 それでは、委員の方で、そういう方針でこれから採決を採りますけれども、その前に発言される方は、ぜひマイクのミュートを解除してご発言ください。
特にご異議がないようですので、それでは、只今のご説明をもちまして、各機関からの成果の報告というのを、この方針でというか、細かいところは修正する必要があるかもしれませんが、全体として見れば報告をこれでまとめるということで、ご異議のある方はご発言ください。
ありがとうございました。特段ご異議のある方はいらっしゃいませんので、お認めいただいたというふうにいたします。
それでは、次に、ちょっと時間がビハインドになっていますけれども、引き続きまして、平成31年度と令和元年度の成果の概要の作成方針についての議論に移ります。
まず事務局の方からご説明ください。

【上山地震火山専門官】 事務局、上山でございます。
先ほど平田部会長の方からも簡単にご紹介がありましたけれども、本日、委員の皆さまからご説明いただいた機関別の年次報告とは別に、今年度も全体を取りまとめました成果の概要という形での年次報告を取りまとめたいと考えております。
こちらの資料は、その成果の概要の取りまとめの方針について説明したもので、本日は、この方針について委員の皆さまにお認めいただきたいということで、事務局から説明申し上げます。
取りまとめ方針ですけれども、昨年度に引き続きまして、この建議計画に沿って計画が進捗されており、専門家以外の方でも読みやすく、具体的な成果が分かりやすいように取りまとめるという方針を立てたいと考えております。
(2)の構成のところでございますけれども、こちらも昨年度と同様です。昨年度は5か年計画の最終年度ということで、5か年の成果の概要というものを別途作りましたけれども、今年度は中間年度になりますので、単年度の成果の概要のみ盛り込むという形になっております。
参考資料として、建議の概要と項目別の概要を付けることを予定しております。
取りまとめ方法でございます。昨年度に引き続き、橋本委員、日野委員を取りまとめ委員に選任いたしました。両委員におかれましては、引き続きご協力いただきますことを、この場を借りてお礼申し上げます。この取りまとめ委員を中心としまして、地震・火山噴火予知協議会と関係機関の各委員の協力を得て作成するということにしております。
今後の日程ですけれども、まず、この後、取りまとめ委員および予知協議会、そして事務局の方で草稿を作成いたします。この部会の委員の皆さまからも適宜意見を聴取することを考えております。
次回の部会を、今のところ9月に予定しております。こちらで草稿を審議いただいて、昨年度と同様、その場で部会長預かりということにさせていただければと考えております。
こちらからの説明は以上になります。

【平田部会長】 ありがとうございました。
先ほどから既にもう議論が出ているのですけれども、建議された「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画」全体として、どういう方針で計画が進められて、それに対してどういう成果があったということを、この成果の概要というところでまとめていただくということで、ここがある意味非常に重要なところです。個別の研究成果については、先ほどのご報告がございましたように、さまざまな新しい知見が得られて成果が上がっていると思うのですけれども、それが結局災害の軽減にどう貢献するのかというところが重要でございまして、第1期のというか、この「災害に貢献するための研究計画」、今、第2次になっていますけれども、第1期のときのまとめと同じように、全体の構成をちゃんと考慮した上でこれをまとめていただくと。結局は、今、事務局がご説明されたような構成に、「はじめに」があって、概要があって、まとめがあってというようなことがあります。この成果の概要というところが非常に重要だと思いますので、大変ご苦労だと思いますけれども、これから今日のご発表を素材にして、きちんとまとめていく必要があると思います。
せっかくですから、加藤科学官からちょっと何かコメントをいただけますか。こういう方針でよろしいかどうかということと、前年のことも含めて。

【加藤(尚)科学官】 加藤です。
前回から、6年前から新しい計画になって、その前の地震予知、火山噴火予知という現象を、地震・火山噴火の予知のみではなくて、地震火山の理学的な研究成果を災害軽減に役立てるという、さまざまな研究分野を総合して災害科学として研究を進めるということになったわけですから、前の計画のレビューや外部評価でも、そういった方向で進めるべきということになりましたから、先ほど井口委員や松島委員からもご指摘があったように、「はじめに」のところで、この計画の考え方についてしっかり述べることが非常に重要かと思います。

【平田部会長】 はい。ありがとうございました。
そういうことで、紙にするとこれだけなので、どうということはないのですけれども、かなり大変でありまして、それぞれの、もちろん研究グループが既に組織されていますから、皆さんで議論されている、特に地震・火山噴火予知研究協議会の皆さんには大変ご苦労で、具体的には、ここに名前が挙がっているように、橋本専門委員と日野専門委員にご苦労をおかけすることになると思いますけれども、一言で結構ですから、橋本専門委員、日野専門委員からコメントがございましたらご発言ください。

【橋本委員】 橋本です。

【平田部会長】 お願いします。

【橋本委員】 取りまとめ委員、昨年度に引き続きまして仰せつかりましたので、9月の第37回に向けて整理をしていきたいと思います。既にある程度会議が開かれておりまして、オンラインで打ち合わせ等をして、重要な成果のピックアップと、さらにそれの図のブラッシュアップとか、そういった作業をしていただいているところです。さらに今後、「はじめに」のところを私と日野委員で執筆して、まとめも同様ですけれども、建議の項目ごと、あるいは実施している組織、こういったものに沿って、どのような成果が得られているかという観点からまとめ直したものを作成したいというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
以上です。

【平田部会長】 ありがとうございました。
日野委員、いかがでしょうか。

【日野委員】 日野でございます。
橋本委員がおっしゃったとおりで、今、大変重い宿題をいただいたなと思っておりますが、成果は今日ご説明があったとおりに、非常に初年度にもかかわらず素晴らしいスタートダッシュが切れていると思いますが、この研究課題としてどういう目標性を持って、どういう位置付けの成果であるのかというところの整理が非常に重要であり、それが橋本委員と私の方で仰せつかっている「はじめに」と「まとめ」の書き方に依存しているのかなと思います。
書いていきなり皆さんにご納得いただけるものになるかどうか分かりませんので、次回の部会までに頑張って書いて、ご意見を頂戴して、まとめのファイナライズをしたいと思います。よろしくお願いします。

【平田部会長】 ありがとうございました。
この話も皆さんのご了解を得る必要がありますが、この「はじめに」と「まとめ」というところももちろん重要ですけれども、概要のところで、それぞれの機関が出している成果を項目別の4つの柱のどこに位置付けられるかということを意識してまとめていただくのと同時に、横串で総合的にやるものと重点的にやるものということも建議の計画ではかなり明示的に示しましたので、そこも構成の中ではっきりと見えるような形にぜひ、していただきたいと思います。

【日野委員】 日野でございます。
戦略室の計画推進部会の方で、その成果の概要の中は既に議論を進めていただいていて、わずかながら聞いておりますけれども、その中でかなり検討していただけていると思いますので、その辺はもちろん大丈夫だと思います。

【平田部会長】 ありがとうございました。
それでは、大変な作業だと思いますが、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
それでは、このまとめを橋本専門委員、日野専門委員にお願いすることも含めて、このまとめの作成方針について、皆さまのご了解を得たいと思いますが、特にこの資料3-2を修正する必要があるというご意見のある方は、ぜひご発言ください。
私の方で申し上げたことは、この構成を修正するということではなくて、成果の概要の中身として反映させていただければ結構だと思いますので、特段修正するという提案ではございませんが、委員の方で、ご意見のある方はご発言ください。
よろしいでしょうか。
ちょっと議事が予定よりも過ぎて、もう12時を過ぎてしまいましたが、事務局、こういう方針で、特にご意見がないということで進めてよろしいですか。

【上山地震火山専門官】 はい、承知いたしました。

【平田部会長】 それでは、改めて、この資料3-2の作成方針についてご異議のある方はご発言ください。ちょっと待ちます。
それでは、どなたからもご異議のお声が上がりませんので、ご了解いただけたというふうに考えます。どうもありがとうございました。
それでは、関係の方は大変ご苦労と思いますけれども、これは令和元年度ですから、できるだけ早く出た方がいいかなというのが私の気持ちでございますけれども、作業が大変ですので、皆さん、よろしくお願いいたしたいと思います。
それでは、あとは他になければ事務局にお渡しします。よろしくお願いします。

【上山地震火山専門官】 事務局、上山でございます。
では、次回の会議の日程についてご案内いたします。
まだ、日程は未定でございますので、この後、日程調整を委員の皆さんにかけさせていただきまして日程を決めたいと思います。こちらに示しておりますように、9月ごろを予定しておりますので、ご承知おきいただければと思います。
事務局からは以上でございます。

【平田部会長】 ありがとうございました。
一言で言って、初年度としては非常に成果が上がっているというふうに私は思います。これはこれまでの蓄積があったということもありますが、ぜひ立派な成果としてまとめていただきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたしたいと思います。
それでは、これで全ての審議が終わりましたので、閉会といたします。
本日は、お忙しいところ、ご出席いただきましてありがとうございました。これで終了いたします。

―― 了 ――

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(研究開発局地震・防災研究課)